JP5883310B2 - 共重合ポリエステルおよびそれを用いた共重合ポリエステル水分散体 - Google Patents
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Description
さらに、本発明によれば、上記の共重合ポリエステルを水に分散した水分散体も提供される。
また、本発明の共重合ポリエステルのガラス転移温度は、耐ブロッキング性およびフィルム上にインラインコートする際の塗膜形成性などの点から、40〜70℃の範囲にあることが好ましく、さらに45〜70℃の範囲にあることが好ましい。
共重合ポリエステル水分散体を塗布するに際して、アニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤を該水分散体に必要量添加して用いることができる。有効な界面活性剤としては、フィルムがポリエステルフィルムの場合、表面張力を40dyne/cm以下に降下できて濡れを促進するものがあげられ、公知の多くの界面活性剤を使用することができる。その一例としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニウムクロリド、アルキルアミン塩酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ塩等をあげることができる。
またポリエステル水分散体にはフィラーを添加してもよい。添加するフィラーとしてはシリカ、シリコーン、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化スズ、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。粒子の平均粒子径は20〜500nmが好ましく、共重合ポリエステルの質量を基準として、1〜10質量%含有することが望ましい。粒子の含有量が下限未満の場合は、粒子による耐ブロッキング効果が十分に発揮されず、他方上限を超えると、得られるフィルムのへーズが悪化しやすくなる。
共重合ポリエステルをチップの状態で、5メッシュ(目開き4000μm)の金網のふるい1と9メッシュ(目開き2000μm)の金網のふるい2とにこの順でかけて、ふるい1を通過し、ふるい2を通過しなかったチップ40gをサンプリングした。そして、サンプリングしたチップを入れたビーカーに酢酸エチル100mLを注ぎ、1時間静置した。その後、チップを前記ふるい2の上に取り出し、取り出してから23℃、50%RHの雰囲気下で2時間静置後、質量を測定し、以下の式により膨潤率を算出した。
膨潤率(%)=(浸漬後の質量−浸漬前の質量)/浸漬前の質量×100
その結果として膨潤率が15%未満の場合を膨潤性良好○、15%以上の場合を膨潤性悪×とし表記した。
冷却還流管を接続したフラスコに共重合ポリエステルをチップの状態で2g入れ、テトラヒドロフラン(THF)20mLを注ぎ、3時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、12時間静置した後、目視にてチップの溶け残りがないか確認し、チップの溶け残りがない場合を溶解性○、チップの溶け残りがある場合を溶解性×とした。
TA Instrument社製、商品名:DSC 2920 Modulated DSCにて測定した。なお、測定は昇温速度20℃/分にて行った。
35℃のオルトクロロフェノール中で測定した固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを溶融押出して厚み158μmの未延伸フィルムを得、次いでこれを機械軸方向に85℃で3.5倍延伸した後、後述で調製した塗布液を一軸延伸フィルムの片面に、乾燥後の塗布量が20mg/m2となるように塗布した。その後、105℃で3.9倍に横方向(機械軸方向及び厚み方向に直交する方向)に延伸し、200℃で4.2秒間熱処理を施し、厚さ12μmの易接着層付きニ軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
上記(4)で作成した片面に易接着層を設けたポリエステルフィルムの易接着層側の表面に、下記の組成からなるUV硬化組成物をマイヤーバーを用いて塗付し、直ちに70℃1分で乾燥し、強度80W/cmの高圧水銀灯で30秒紫外線照射して硬化させ、膜厚5μmのハードコート層を形成した。ハードコート層の上にスコッチテープNo.600(3M社製)巾19.4mm、長さ8cmを気泡の入らないように貼着し、この上をJIS.C2701(1975)記載の手動式荷重ロールでならし、貼着積層部5cm間を東洋ボールドウィン社製テンシロンUM−11を使用してヘッド速度300mm/分で、この試料をT字剥離した。そして、剥離後のポリエステルフィルムの表面を観察し、ハードコート層が剥離していないものを○、剥離が見られるものを×として、評価した。なお、T字剥離において、積層体はスコッチテープ側を下にして引き取り、チャック間を5cmとする。
<UV硬化組成物>
ペンタエリスリトールアクリレート :45質量%
N−メチロールアクリルアミド :40質量%
N−ビニルピロリドン :10質量%
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン: 5質量%
上記(4)で作成した片面に易接着層を設けたポリエステルフィルムを機械軸方向に10cm、横方向に20cmとなるように裁断したものを2枚用意し、易接着層の設けられた表面と、易接着層の設けられていない表面とを重ねあわせ、これに0.6kg/cm2の圧力をサンプル全面に60℃×80%RHの雰囲気下17時間かけた後、フィルムの横方向におけるサンプルの一端において、端から1cmをT字型になるように折り返し、上記テンシロンUM−11のチャックにはさみ、T字方向に10cm/分の速度でフィルムの横方向に沿って完全に剥離したときにかかる積算応力を剥離長さで除して幅10cmあたりの平均剥離力を算出し、以下の基準で評価した。
○:平均剥離力が 380mN/10cm未満
×:平均剥離力が 380mN/10cm以上
共重合ポリエステルを90℃で板状に乾固させて、アッベ屈折率計(D線589nm)で測定した。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部、イソフタル酸ジメチル34部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル13部、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール81部、ビスフェノールAエチレンオキシド付加体(前記式(1)におけるn+m=4)51部、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン28部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.1部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。
次いで、この反応系に、イルガノックス1010(チバガイギー社製)0.5部を添加した後、温度を徐々に255℃まで上昇させ、系内を1mmHgまで減圧して重縮合反応を行ない、固有粘度0.47dl/gの共重合ポリエステルを得た。
得られた共重合ポリエステルの組成を表1に示す。
得られた共重合ポリエステル20部をテトラヒドロフラン80部に溶解し、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水180部を滴下して青みがかった乳白色の分散体を得た。次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去した。かくして固形分濃度10質量%のポリエステル水分散体を得た。島津製作所製SA−CP4Lを用いて、この水分散体中の共重合ポリエステルの微粒子の平均粒径を測定したところ、0.12μmであった。
得られたポリエステル水分散体180部にノニオン系界面活性剤:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=12.8)2部、フィラーとして平均粒径0.03μmのシリカ0.5部を加え、さらに水618部を加えて塗布液を調製した。
得られた共重合ポリエステル水分散体および塗布液を用いた易接着層付きポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
共重合成分の種類および仕込み量を、表1の組成になるように変える以外は実施例1と同様に行なって、表1に示す共重合ポリエステルを得た。次いで、これら共重合ポリエステルを用いる以外は、実施例1と同様に行なって共重合ポリエステル水分散体、さらには塗布液を調製した。なお、比較例11、12では、重合反応性が悪くて共重合ポリエステルを得ることができなかった。
得られた共重合ポリエステル、共重合ポリエステル水分散体および塗布液を用いた易接着層付きポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なお、親水性溶媒への溶解性が×だった共重合ポリエステルは、それ以上の評価は行わなかった。
2 フィルム
3 剥離力を測定する際の、チャックの進行方向
Claims (4)
- ポリエステルの全ジカルボン酸成分を基準として、酸成分としては2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を60〜80モル%、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分を1〜9モル%および他の芳香族ジカルボン酸成分を17〜35モル%含有し、ジオール成分としては下記式(1)で示されるグリコール成分を50〜80モル%、下記式(2)で示されるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を10〜30モル%、9,9−ビス[4,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン成分を5〜25モル%含有する共重合ポリエステル。
- 他の芳香族ジカルボン酸成分がテレフタル酸成分またはイソフタル酸成分である請求項1記載の共重合ポリエステル。
- 式(1)で示されるグリコール成分が2−ブチル−2−エチルプロパンジオールである請求項1記載の共重合ポリエステル。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポリエステルを水に分散させた共重合ポリエステル水分散体。
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