以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態における遊技機の外観斜視図である。なお、以下の説明における前後、左右、上下方向は、遊技盤30を遊技機10に取り付けた状態における遊技機10の前後、左右、上下方向と同一とする。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25(操作受付手段)が設けられており、演出ボタン25の近傍には、通信端末90と無線通信を行うための無線通信部91と、通信端末90と遊技機10のペアリングの状態を示すペアリング状態確認LED92が設けられている。なお、本実施形態の遊技機ではBluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を行うようにしているが、その他の規格の無線通信(赤外線通信等)を用いるようにしても良い。また、通信端末90は、無線通信が可能な機器であれば良く、携帯電話、PDA、デジタルメディアプレーヤー、パソコンなど何でも良い。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。また、遊技機10から通信端末90にデータを送信し、通信端末90においてデータに応じた動作を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の右下側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図20参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電、始動入賞領域)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態、第1状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図20参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、第2状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通図柄始動ゲート34の直下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに状態変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図20参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図20参照)が配設されている。普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、詳細な図示は省略するが、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
また、センターケース40の左側にはワープ装置51が設けられ、センターケース40の下部にはステージ52が配設されている。ワープ装置51は、センターケース40の左側方の遊技領域32に臨むワープ入口と、ワープ入口から流入した遊技球をセンターケースの凹室内部に誘導するワープ通路と、ワープ通路を流下してきた遊技球をステージ52上に排出するワープ出口とが設けられている。ステージ52は、ワープ出口から排出された遊技球や遊技盤30の障害釘53などによって乗り上げた遊技球を転動させるとともに、ステージ52の中央部からセンターケース40の下方の遊技領域32に流下させることで始動入賞口36へ入賞し易くすることも可能となっている。
さらに、表示装置41の前面側におけるセンターケース40との間の下方側と上方側とには、後述する可動演出装置(図3参照)としての下部可動演出ユニット600(第2可動演出装置)と、上部可動演出ユニット700(第1可動演出装置)とが、表示装置41の前面側で合体動作可能に配設されている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘53や風車54等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図20参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、補助始動領域をなす普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図20参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲーム(補助変動表示ゲーム)が行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図20参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図20参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(演出表示装置、表示手段)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63(図20参照)や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64(図20参照)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、可動演出装置の詳細について図3〜図19を用いて説明する。図3は、可動演出装置の説明に供する遊技盤30の分解斜視図である。図3に示すように、遊技盤本体30aの裏面側にはスイッチベース601と制御ベース701とが遊技盤本体30aに開設された開口を塞ぐように上下に並んで配設され、可動演出装置としての下部可動演出ユニット600と、上部可動演出ユニット700とがそれぞれスイッチベース601と制御ベース701に取り付けられている。
制御ベース701は、前方に開口した凹部701aを有する略矩形箱状に形成されており、この制御ベース701には、ねじ穴やねじ止め部、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。そして、制御ベース701の凹部701aの上部には上部可動演出ユニット700が配設され、下部にはスイッチベース601に取り付けられた下部可動演出ユニット600が臨んでいる。
また、制御ベース701の前端には、側壁701bに対して垂直に外側に向かって延出する鍔状の固定部701cが形成されており、制御ベース701を遊技盤本体30aの裏面の所定位置に固定できるようになっている。また、制御ベース701の後壁701dには、前後に貫通する貫通孔701eが形成されている。この貫通孔701eは、制御ベース701の裏面側から取り付けられる表示装置41の表示面を視認可能とするものである。
制御ベース701の後壁701dの裏面に取り付けられる表示ユニット44は、表示装置41と演出制御装置300(図示省略する)とを有しており、制御ベース701の後壁701dの略全体を覆うことのできる表示面を有する液晶表示装置を備えている。この表示装置41は、表示面が前側となるように取り付けられることで、制御ベース701に形成された貫通孔701eを介して表示面の画像が遊技盤30の前方から視認可能となるようにされている。なお、表示装置41は、液晶表示装置を備えるものに限られず、例えば、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
また、遊技盤本体30aの前面側にはセンターケース40と、一般入賞口35を設けたチャッカーユニット43と、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37を有する始動口ユニット45と、特別変動入賞装置38とが遊技盤本体30aに開設された開口を塞ぐように配設されている。この特別変動入賞装置38と対向するように配設されたスイッチベース601の下方右側には、特別変動入賞装置38に入賞した遊技球を受け入れて遊技盤外に排出するための特別変動入賞装置用集合樋部601aが設けられている
続いて、図4〜図9を参照しながら下部可動演出ユニット600について詳細に説明する。図4は、下部可動演出ユニット600を前面側から見た斜視図である。図4に示すように、下部可動演出ユニット600は大別すると、下部可動部602と下部駆動部603とを備えている。下部可動部602は、裏面側に配置される可動ベース部材604と、前面側に配置される装飾部材605と、により略矩形箱状をなしている。この装飾部材605の前面側における上方側の略中央部には演出表示部606を露出させる開口としての演出表示窓607が設けられている。
また、演出表示部606の上方側(すなわち、装飾部材605の上部605aにおける略中央)には、後述する上部可動演出ユニット700との合体動作時に上部可動部702の隠蔽扉706(図10参照)が進入するための扉導入開口608が設けられている。さらに、装飾部材605の上部605aには、後述する上部可動演出ユニット700の変換機構部である扉可動アーム708の押圧受部708a(図11参照)と対向する位置に、該押圧受部708aに対して動力を付与することが可能な変換部としての一対の押圧片609、609が突設されている。そして、可動ベース部材604の下方(すなわち、下部可動部602の裏面側下方)には、下部可動部602を下部駆動部603に対し、後述するガイドロッド614を介して摺動自在に保持するためのガイド受部材610が設けられている。このガイド受部材610には、下部駆動部603に配設される位置検出センサ623(図7参照)に対し検出片となる遮光板611が設けられ、下部可動部602の下部駆動部603に対する動作位置(初期位置)を検出可能とする機能を果たす。
ここで、下部可動部602について、下部可動部602の分解構成を示す図5及び下部可動部602の断面を示す図6を用いて詳細に説明する。但し、図4において説明した部分については同一符号を付し、重複する詳細な説明は割愛するものとする。図5及び図6に示すように、可動ベース部材604は、前方に開口した凹形状の第1、第2基板収納部604a、604bを有する略矩形状に形成されており、この第1基板収納部604aには装飾部材605全体を発光させるためのユニット用LED基板622を収納し、第2基板収納部604bには第1及び第2偏光板620、621を発光させるための偏光板用LED基板623を収納するようになっている。
ユニット用LED基板622は、発光源としてのLED素子624が多数実装されて構成され、上方の略中央部に第1基板収納部604aの形状に合わせた(換言すれば、第2基板収納部604bに対応した)窪み部622a(切欠部)が形成されている。この窪み部622a(切欠部)は、偏光板用LED基板623と略同一の形状をなしている。これにより、偏光板用LED基板623は、可動ベース部材604の第2基板収納部604bに収納された状態において、ユニット用LED基板622の窪み部622aの位置に配置されるようになっている。偏光板用LED基板623は、発光源としてのLED素子625が多数実装されてなり、この場合、第1偏光板620の表示を可能とするための青色光と、第2偏光板621の表示を可能とするための赤色光とを発光可能とするフルカラー対応のLED素子625を実装してなる。また、ユニット用LED基板622に実装されるLED素子624は、単色(例えば、白色光)で発光するものでも良いし、フルカラー対応のものであっても良い。なお、偏光板用LED基板623に実装されるLED素子625についても、上述したフルカラー対応のものに限られず、第1、第2偏光板620、621の表示を可能とするそれぞれの色に応じて発光するものを複数色分使用したり、これら所望する複数色を発光可能なものを採用したりすることは可能である。
装飾部材605は、後方に開口した凹部605bを有して略矩形状に形成されており、前面上方側略中央部に設けられる演出表示窓607と、該演出表示窓607上方側に設けられる扉導入開口608と、上部605aに設けられる一対の押圧片609、609とを備えている。装飾部材605と可動ベース部材604との間には、該可動ベース部材604の第1基板収納部604aに収納されるユニット用LED基板622の発光する光を拡散するためのレンズ部材630と、第1、第2偏光板620、621とが介在されている(換言すれば、レンズ部材630と、第1、第2偏光板620、621とは、可動ベース部材604と装飾部材605とによって挟持されている)。このレンズ部材630には、装飾部材605と対峙した状態において演出表示窓607と対向する位置に、第1、第2偏光板620、621を演出表示窓607を介して視認可能とするための開口部630aが穿設されている。
第1偏光板620は略矩形状の透明樹脂材で形成され、青色光を照射されることにより表示(視認)可能となる文字(「CHANCE」)が前面側に向けて掲示(表示)されている。また、第2偏光板621は略矩形状の透明樹脂材で形成され、赤色光を照射されることにより表示(視認)可能となる文字(「熱いかも」)が前面側に向けて掲示(表示)されている。但し、これら第1及び第2偏光板620、621は、所望する青色光または赤色光が照射されていない状態においては有色透明な状態であるが、前後に重合されていることで裏面側の偏光板用LED基板623が視認困難となっている。そして、偏光板用LED基板623から青色光が照射された場合、第2偏光板621に掲示された文字(「熱いかも」)は表示されず、第1偏光板620に掲示された文字(「CHANCE」)のみが表示可能となっている。同様に、偏光板用LED基板623から赤色光が照射された場合、第1偏光板620に掲示された文字(「CHANCE」)は表示されず、第2偏光板621に掲示された文字(「熱いかも」)のみが第1偏光板620を介して(通して)透視するように表示可能となっている。
可動ベース部材604の下方に配設されるガイド受部材610は、下部駆動部603のガイドロッド614を挿通するように受け入れる一対のロッド受部610a、610aと、これらロッド受部601a、610a間の上方側に架設され、可動ベース部材604の底面に固定される固定部610bと、ロッド受部610a、610a間の下方側に架設され、下部駆動部603の可動アーム621と係合される係合ピン610dが突設される保持部610cとを備え、ロッド受部610aの一方の下端部には、遮光板611が配設されている。
図4に戻って、下部駆動部603は、駆動ユニット612と、始動入賞口36付近に当てられた磁力を検出するための磁気センサスイッチ61として機能する磁気センサ613と、下部可動部602をガイド受部材610を介して摺動自在に保持するための一対のガイドロッド614、614と、下部可動部602を固定保持するとともに、該下部可動部602を上下動させるためのリンク機能を果たすガイド受部材610を上下動(上下にスライド移動)自在に保持するためのホールド部615とを備えている。
ここで、下部駆動部603について、該下部駆動部603の分解構成を示す図7を用いて詳細に説明する。図7に示すように、駆動ユニット612は駆動源としての駆動モータ616と、駆動モータ616の駆動熱を放熱するために外部へと伝達するための伝熱シート617と、伝熱シート617を介して伝達された駆動モータ616の駆動熱を放熱するための放熱プレート618と、駆動モータ616が他の部品等と干渉することを防止するためのモータカバー619とを備えて構成されており、この駆動ユニット612は、ユニットベース603aの前面側に取り付けられる。
ユニットベース603aは、前方に開口した2つの凹部603c、603dを有して形成されており、一方の凹部603cには駆動ユニット612が組み付けられ、他方の凹部603dにはホールド部615と、位置検出センサ643とが組み付けられる。このホールド部615は、下部可動部602を安定して上下動(上下にスライド移動)させるために一対で設けられるガイドロッド614、614と、このガイドロッド614、614をユニットベース603aに固定保持するためのホールド部材615aと、ガイドロッド614、614の下端部をホールド部材615aに固定保持するための一対のロッド押さえ部材615b、615bとを備えている。なお、本実施形態の場合、ユニットベース603aの凹部603d内に配設される位置検出センサ643は、光学系を用いた所謂光センサ(フォトインタラプタ)で構成され、発光部643aと受光部643bとの間に、上述した下部可動部602のガイド受部材610に取り付けられた遮光板611が介在されることで、ガイド受部材610(すなわち、下部可動部602)の位置(初期位置)を検出するようになっている。但し、この位置検出センサ643は光センサに限られず、この他種々のセンサを広く適用することができる。
ユニットベース603aの裏面側には後述する可動アーム641を取り付けるための取付ピン603fが後方に向けて突設されるとともに、前方に開口した凹部603eを有して形成された裏カバー603bが設けられる。該裏カバー603bとユニットベース603aとの間には、ユニットベース603aに開設された挿通孔から裏面側に臨む駆動モータ616の駆動軸に接続されて回動する可動回転板640と、駆動モータ616の駆動力を下部可動部602に伝達するための可動アーム641と、該可動アーム641を所定方向(この場合、可動アーム641と係合する下部可動部602を上方向に移動させる方向)に付勢する付勢バネ642と、が収納される。したがって、裏カバー603bは、これら可動回転板640、可動アーム641、付勢バネ642を外部との干渉から保護する機能を果たす。
可動回転板640は略円形の板状部材で形成され、前面側を駆動モータ616と対向させて配置し、該前面側の略中央部に突設された円筒状の取付部640aに駆動モータ616の駆動軸がユニットベース603aを介して嵌合されることで、この駆動モータ616に接続される。また、可動回転板640の外周部には裏面側に向けて突出したリンクピン640bが設けられ、該裏面側に配設される可動アーム641の一端側に穿設された係合長孔641aと係合することで、駆動モータ616の駆動力を伝達可能としている。
可動アーム641は略クランク状の形状をなす平板帯状部材であり、一端側に可動回転板640のリンクピン640bと係合するための係合長孔641aが穿設され、他端側に下部可動部602のガイド受部材610に設けられた係合ピン610dと係合するための係合長孔641bが穿設されている。このとき、一端側及び他端側の係合長孔641a、641bは、係合するリンクピン640b及び係合ピン610dを、それぞれ摺動自在(スライド移動自在)に保持することが可能である。また、可動アーム641の前面側における一端側の係合長孔641aと略中央のクランク部分との間には、付勢バネ642を回動自在に係合可能とする円筒状のバネ取付部641cが突設されている。そして可動アーム641は、バネ取付部641c内にユニットベース603aの裏面側に突設された取付ピン603fを嵌合することで、ユニットベース603aに対し、回動自在に取り付けられる。すなわち、可動アーム641は、バネ取付部641cと取付ピン603fとを回動中心として、一端側と他端側とを上下動可能としている。したがって、可動アーム641は、駆動モータ616の駆動力(回転駆動)によって一端側が上方または下方に移動されると、バネ取付部641cと取付ピン603fとを回動中心として、他端側を下方または上方へと移動させる。
本実施形態の下部可動演出ユニット600では、かかる構成の下部可動部602及び下部駆動部603を備えたことにより、図8及び図9に示すように、駆動モータ616が駆動することで可動回転板640が回動すると、可動アーム641の一端側の係合長孔641aに係合されたリンクピン640aも可動回転板640と一体に回転することから、当該可動アーム641の一端側が下方または上方へと移動(動作)されるため、バネ取付部641cと取付ピン603fとを回動中心として、可動アーム641の他端側における係合長孔641bに係合ピン610dを介して係合されるガイド受部材610(下部可動部602)を上方または下方へと移動(上下動)させることが可能となっている。
続いて、図10〜図16を参照しながら上部可動演出ユニット700について詳細に説明する。図10は、上部可動演出ユニット700を前面側から見た斜視図である。図10に示すように、上部可動演出ユニット700は大別すると、上部可動部702と上部駆動部703とを備えている。上部可動部702は、裏面側に配置される可動ベース部材704と、前面側に配置される装飾部材705と、により略矩形箱状をなしている。この装飾部材705の前面側における下方側の略中央部には後述の第1演出部720(図11参照)を露出させる開口としての演出表示窓707が設けられている。この演出表示窓707は、内部に隠蔽扉706が配置されることで隠蔽されており、後述する合体動作時に下部可動部602側に移動することで、当該隠蔽が解除されるようになっている。
また、装飾部材705の下方側における底部705aは、下部可動演出ユニット600との後述する合体動作時に下部可動部602の押圧片609(図4)が後述の扉可動アーム708の押圧受部708a(図11参照)を押圧可能とするために、ほぼ全域に亘って開口した状態となっている。さらに、可動ベース部材704の上方(すなわち、上部可動部702の裏面側上方)には、上部可動部702を上部駆動部703に対し、後述するガイドロッド713を介して摺動自在に保持するためのガイド受部材709が設けられている。このガイド受部材709には、上部駆動部703に配設される位置検出センサ(図示省略)に対し検出片となる遮光板710が設けられ、上部可動部702の上部駆動部703に対する動作位置(初期位置)を検出可能とする機能を果たす。
ここで、上部可動部702について、上部可動部702の分解構成を示す図11及び上部可動部702の断面を示す図12を用いて詳細に説明する。図11及び図12に示すように、可動ベース部材704は、前方に開口した凹形状の第1基板収納部704aと、前後に貫通する第2基板収納部704a、704bを有する略矩形状に形成されており、この第1基板収納部704aには装飾部材705全体を発光させるためのユニット用LED基板724を収納し、第2基板収納部704bには第1演出部720を構成する透明部材(例えば、透明樹脂材)からなる第1及び第2導光板721、722を前後に重合した状態で収納するとともに、これら第1及び第2導光板721、722を発光させるための第1導光板用LED基板723a、第2導光板用LED基板723bを収納するようになっている。また、可動ベース部材704の上部には、ガイド受部材709を取り付けるためのガイド受部材取付部704cが、前面開口状態の上方に向けた凸形状で突設されている。
可動ベース部材704の前面側には、ユニット用LED基板724から照射される光を拡散させるためのレンズ部材730を介在して装飾部材705が設けられる。レンズ部材730は、略矩形状の薄板部材で形成されている。また、レンズ部材730の下方側における略中央部には、前面側に対向する装飾部材705の演出表示窓707と、裏面側に対向する第1及び第2導光板721、722とに対応した略矩形状の開口部730aが設けられている。したがって、この開口部730aからレンズ部材730より後方側(裏面側)に配設される第1及び第2導光板721、722を露出させることが可能となっている。また、この開口部730aの周囲には裏面側に向けて突出した突出部730bが突設され、上部可動部702として可動ベース部材704に組み付けられる際に第2基板収納部704bに収納された第1及び第2導光板721、722を前方から押さえ付け固定保持するようになっている。すなわち、第1及び第2導光板721、722は、可動ベース部材704とレンズ部材730とによって挟持されている。
装飾部材705は、後方に開口した凹部705aを有して略矩形状に形成されており、前面下方側略中央部に設けられる演出表示窓707と、上部に上方に向けて突設された突部705bとを備えている。この突部705bは、可動ベース部材704と組み付けられることで、該可動ベース部材704におけるガイド受部材取付部704cの開口部分を塞ぐ蓋としての役割を果たす。装飾部材705とレンズ部材730との間には、常態において演出表示窓707に対応した位置に配置される可動部材としての隠蔽扉706と、該隠蔽扉706を所定の第1状態から該第1状態とは異なる第2状態へと状態変換させるための変換機構部である一対の扉可動アーム708、708及び付勢バネ740、740とが介在されている。
より具体的には、図13に示すように、装飾部材705の裏面側には演出表示窓707の周囲に裏面(後方)側に向けて突出した突出壁705cが底面部分を除いて突設されている。また、この突出壁705c(演出表示窓707)の左右両側の下方(換言すれば、突出壁705cの両側部と装飾部材705の両側部との間の各所定部位)には、扉可動アーム708、708を回動自在に保持するための円柱状のアーム回動軸705d、705dが、それぞれ後方側に向けて突設されている。さらに、各アーム回動軸705d、705dの上方側には、それぞれ一端側を扉可動アーム708、708に取り付けた付勢バネ740、740の他端側を係合するためのフック形状をなすバネ掛け片741、741が後方に向けて突設されている。装飾部材705の演出表示窓707に対応して配設される隠蔽扉706は、略矩形状の平板部材からなり、裏面側に扉可動アーム708と係合するための一対の係合ピン706a、706aが後方に向けて突設されている。
扉可動アーム708は、それぞれ一端側に外部(すなわち、下部可動部602の押圧片609)からの押圧力を受付可能な押圧受部708aを備えており、他端側に隠蔽扉706の係合ピン706aと摺動自在に係合するための係合長孔708bを備えている。また、扉可動アーム708は、これら押圧受部708aと係合長孔708bとの間における押圧受部708a寄りの所定部位に、装飾部材705のアーム回動軸705dに対し回動自在に係合するための軸受部708cが貫設されている。さらに、この軸受部708cより係合長孔708b寄りの所定部位には、付勢バネ740の一端側を取り付けるためのフック部708dを備えている。そして、これら係合長孔708b、軸受部708c、フック部708d及び付勢バネ740は、押圧受部708aが押圧力を受けることで作動して、隠蔽扉706を第1状態から第2状態へと状態変換させるリンク部として機能するようになっている。この付勢バネ740は、扉可動アーム708が押圧受部708aを押圧片609によって押圧され、軸受部708cを中心として一端側を上方へ向けて回動した際、当該一端側の上方へ向けた回動を元に戻す(下方へ戻す)方向への付勢力を有している。
そして、扉可動アーム708は、軸受部708cにアーム回動軸705dを挿入させることで装飾部材705に対して回動自在に係合され、係合長孔708bに隠蔽扉706の係合ピン706aを挿入させることで隠蔽扉706に対して回動自在に係合される。このとき、軸受部708cや係合長孔708bに挿入されたアーム回動軸705d及び係合ピン706aには、止め金具742が取り付けられ、軸受部708cや係合長孔708bからの脱落が防止されている。この状態において、扉可動アーム708のフック部708dと装飾部材705のバネ掛け片741との間に付勢バネ740が架設されており、常態において、隠蔽扉706を装飾部材705の演出表示窓707を閉塞する位置(第1状態)に配置している。
このように構成された扉可動アーム708は、図14(a)に示すように、押圧受部708aに押圧片609から押圧力Fを受けると、軸受部708cを中心として一端側(押圧受部708a側)を上方へ向けて回動させるとともに、他端側(係合長孔708b側)を矢印X1で示す下方へ向けて回動させる。したがって、図14(b)に示すように、扉回動アーム708の他端側の係合長孔708bに係合ピン706aを介して係合された隠蔽扉706は、矢印X2で示す下方(すなわち、下部可動部602側)へと移動する(第2状態)。なお、扉可動アーム708は押圧受部708aにおいて押圧片609から押圧力Fの入力がなくなると、付勢バネ740の付勢力によって、図14(a)に示す状態に戻され、隠蔽扉706を装飾部材705の演出表示窓707を閉塞する第1状態の位置に配置する。換言すれば、扉可動アーム708は、押圧受部708aに押圧片609から押圧力Fを入力されると、付勢バネ740の付勢力に抗して軸受部708cを中心に回動し、他端側に係合される隠蔽扉706を第1状態である装飾部材705の演出表示窓707と対応する位置から第2状態である下部可動部602側へと状態変換させることが可能となっている。
以上のことから、変換機構部(扉可動アーム708)は、外部から与えられる押圧力を入力する押圧受部(押圧受部708a)と、該押圧受部が押圧力を入力することで作動して可動部材(隠蔽扉706)を第1状態から第2状態に状態変換させるリンク部(係合長孔708b、軸受部708c、フック部708d及び付勢バネ740)と、を有し、押圧受部は、第1可動体(上部可動部702)と第2可動体(下部可動部602)とが合体する際に、変換部(押圧片609)と当接することにより押圧され、当該変換部から与えられる押圧力を入力することとなる。
図11に戻って、可動ベース部材704の上方に配設されるガイド受部材709は、上部駆動部703のガイドロッド713を挿通するように受け入れる一対のロッド受部709a、709aと、これらロッド受部709a、709a間の下方側に架設され、可動ベース部材704のガイド受部材取付部704cに固定される固定部709bと、ロッド受部709a、709a間の上方側に架設され、上部駆動部703の駆動モータ(不図示)によって回動する可動アーム(不図示)と係合される係合ピン709dが突設される保持部709cとを備え、ロッド受部709aの一方の上端部には、遮光板710が配設されている。なお、上部駆動部703の構造は、ガイドロッド713及びガイド受部材709を介して接続する上部可動部702の動作方向が下部駆動部603における下部可動部602の場合と正反対となる下方に向けた動作となることを除いて、上述した下部駆動部603の構造とほぼ同様である。このため、ここでは上部駆動部703の詳細な図面及びその説明は割愛する。
可動ベース部材704の第1基板収納部704aに収納されるユニット用LED基板724は、発光源としてのLED素子725が多数実装されて構成され、下方の略中央部に第1基板収納部704aの形状に合わせた(換言すれば、第2基板収納部704bに対応した)窪み部724a(切欠部)が形成されている。この窪み部724a(切欠部)は、第1、第2導光板721、722が前後に重合した状態で配置される際に、これら第1、第2導光板721、722を前方方向で隠蔽することから回避する役目を果たしている。
一方、第1導光板用LED基板723aと、第2導光板用LED基板723bとは、図15及び図16に示すように、可動ベース部材704に略矩形状に形成された第2基板収納部704bに収納される。この第2基板収納部704bは、内壁部が矩形状にくり抜かれたように開口されることで裏面側に配置される表示装置41の表示画面を視認可能とする液晶透過窓部704dを形成してなる。したがって、液晶透過窓部704dは、隠蔽扉706による隠蔽が解除された状態(隠蔽扉706が下部可動部602側に移動している第2状態)であって、且つ、第1及び第2導光板721、722が第1導光板用LED基板723a及び第2導光板用LED基板723bによる発光が照射されない非表示の状態の場合、裏面側に配置される表示装置41の表示画面を第1及び第2導光板721、722を介して透視可能とする。
この液晶透過窓部704dの外周を構成する内壁部704eには、前面側に向かって突出した直方体形状の基板保持部材704fが、第1導光板用LED基板723a及び、第2導光板用LED基板723bに実装されたLED素子726の配列に対応して複数突設されている。本実施形態の場合、基板保持部材704fは、第1導光板用LED基板723a及び、第2導光板用LED基板723bに対応して、第2基板収納部704bの内壁部704eにおける上部一面と、向かって左側となる側部一面との二面に形成されている。また、各基板保持部材704fと第2基板収納部704bの内周壁704gとの間には、第1導光板用LED基板723a及び、第2導光板用LED基板723bに応じた所定の間隔が設けられている。したがって、第1導光板用LED基板723a及び、第2導光板用LED基板723bは、該第2基板収納部704b内の基板保持部材704fと、内周壁704gとの間に挿入されることで、これら基板保持部材704fと、内周壁704gとにより挟持された状態で、第2基板収納部704b内に収納されるようになっている。
本実施形態の場合、第1導光板用LED基板723aは、発光源としてのLED素子726が一列に実装されてなり、第2基板収納部704b内における一方(向かって左側)の側面に配設され、第1導光板721の一方の側面と対峙するようになっている。また第2導光板用LED基板723bは、第1導光板用LED基板723aとほぼ同様に構成され、第2基板収納部704b内における上面側に配設され、第2導光板722の上面と対峙するようになっている。なお、この場合、ユニット用LED基板724に実装された発光源としてのLED素子725や、第1導光板用LED基板723aや第2導光板用LED基板723bに実装されたLED素子726は、単色のものでも良いし、フルカラー対応のものであっても良い。
第1導光板721は略矩形状の透明樹脂材で形成され、前面側に第1識別子である第1文字(「熱い!!」)がデボス加工等の手法を用いて掲示(表示)されている。また、第1導光板721は、第2導光板用LED基板723bと対向する上面部に切欠き状の受光規制部721aが配設されている。これにより、対向する第2導光板用LED基板723bから照射された光が入射するのを回避することができるようになっている。同様に、第2導光板722は略矩形状の透明樹脂材で形成され、前面側に第2識別子である第2文字(「激熱!!」)がデボス加工等の手法を用いて掲示(表示)されている。また、第2導光板722は、第1導光板用LED基板723aと対向する側面部に切欠き状の受光規制部722aが配設されている。これにより、対向する第1導光板用LED基板723aから照射された光が入射するのを回避することができるようになっている。なお、受光規制部721a及び722aを切欠ではなく別途非透光材を取り付けることで構成しても良い。
したがって、第1演出部720では、第1導光板用LED基板723aから光が照射された場合、第1導光板721の端面から入射した光が屈曲され、当該第1導光板721に掲示された第1文字(「熱い!!」)のみが表示され、第2導光板722に掲示された第2文字(「激熱!!」)が表示されることはない。同様に、第2導光板用LED基板723bから光が照射された場合、第2導光板722の端面から入射した光が屈曲され、当該第2導光板722に掲示された第2文字(「激熱!!」)のみが表示され、第1導光板721に掲示された第1文字(「熱い!!」)が表示されることはない。なお、これら第1及び第2導光板721、722は、透明樹脂材で形成されているため、それぞれ対応する第1及び第2導光板用LED基板723a、723bからの光の照射がない非表示状態では、裏面側に配設される表示装置41の表示画面を、第1及び第2導光板721、722を介して(通して)透視することが可能となっている。
以上のことから、第1演出部(第1演出部720)は、端面から入射した光を屈曲させて第1識別子(「熱い!!」)を表示させることが可能な透明な第1導光板(第1導光板721)と、第1導光板の端面に対峙して配置され、当該第1導光板に光を入射させる第1発光部(第1導光板用LED基板723a)と、第1導光板に重合配置され、端面から入射した光を屈曲させて第2識別子(「激熱!!」)を表示させることが可能な透明な第2導光板(第2導光板722)と、第2導光板の端面に対峙して配置され、当該第2導光板に光を入射させる第2発光部(第2導光板用LED基板723b)と、を備え、第1導光板への光の入射方向と、第2導光板への光の入射方向と、が異なるように、第1発光部と第2発光部とを配置し、第1導光板には、第2発光部と対峙する部分に当該第2発光部が照射する光の入射を規制する第1入射規制部(受光規制部721a)を設け、第2導光板には、第1発光部と対峙する部分に当該第1発光部が照射する光の入射を規制する第2入射規制部(受光規制部722a)を設けていることとなる。
また、遊技の進行に応じた遊技画像を表示することが可能な画像表示装置(表示装置41)を備え、第1演出部(第1演出部720)は、可動部材(隠蔽扉706)の第1状態から第2状態への状態変換時に画像表示装置の前方に位置し、第1導光板(第1導光板721)及び第2導光板(第2導光板722)を介して遊技画像を透視可能とすることとなる。
ここで、以上のように構成された下部可動演出ユニット600及び上部可動演出ユニット700における合体動作について図17〜図19を用いて説明する。図17に示すように、下部可動演出ユニット600及び上部可動演出ユニット700は、常態において、下部可動部602及び上部可動部702を、それぞれ係合される下部駆動部603及び上部駆動部703側の位置に配置させている。すなわち、下部可動部602及び上部可動部702は、表示装置41の表示画面を覆うように隠蔽することなく、前方から視認可能なように、それぞれ下方の下部駆動部603側及び、上方の上部駆動部703側の位置に配置される。このとき、上部可動部702の演出表示窓707は、隠蔽扉706によって隠蔽された状態(すなわち、隠蔽扉706が演出表示窓707を隠蔽する第1状態に配置された状態)である。また、下部可動部602の演出表示窓607は、閉塞されることなく第1偏光板620を露出させた状態である。
そして、下部可動演出ユニット600及び上部可動演出ユニット700は、下部駆動部603及び上部駆動部703によって、下部可動部602と上部可動部702との合体動作を実行した場合、図18及び図19に示すように、表示装置41の表示画面前方において、下部可動部602と上部可動部702とを合体させ、当該表示画面を覆うように隠蔽する。このとき、上部可動部702の扉可動アーム708は、一端側の押圧受部708aが下部可動部602の押圧片609によって押圧されることにより押し上げられる。そして、扉可動アーム708は、軸受部708cを中心として回動することにより、他端側に係合する隠蔽扉706を下部可動部602側に押し下げ、当該下部可動部602に設けられた合体受部としての扉導入開口608に挿入(進入)させる(第2状態)。これにより、下部可動部602の演出表示窓607が隠蔽扉706によって隠蔽され、第1偏光板620の前方が閉塞される。すなわち、隠蔽扉706は演出表示窓607を隠蔽する第2状態に配置される。これとともに、上部可動部702の演出表示窓707は、隠蔽扉706の移動に伴って当該隠蔽扉706による隠蔽が解除され、第1導光板721の前方が開放された状態になるため、当該第1導光板721を前方から視認することが可能となる。
以上のことから、第1可動体(上部可動部702)を動作させて遊技演出を実行可能な第1可動演出装置(上部可動演出ユニット700)と、第2可動体(下部可動部602)を動作させて遊技演出を実行可能な第2可動演出装置(下部可動演出ユニット600)とを遊技の進行に応じて動作させて、第1可動体と第2可動体とに合体動作を行わせることが可能な遊技機であって、第1可動体には、所定の第1状態と、該第1状態とは異なる第2状態とに状態変換可能な可動部材(隠蔽扉706)と、該可動部材を第1状態から第2状態に状態変換させるための変換機構部(変換機構部708)と、を設け、第2可動体には、変換機構部を介して可動部材を状態変換させるための変換部(押圧片609)を設け、変換部は、第1可動体と第2可動体との合体動作時に、可動部材が第1状態から第2状態へと状態変換するように変換機構部を作動させることとなる。
また、第1可動体(上部可動部702)には、所定の遊技演出を実行することが可能な第1演出部(第1演出部720)を備え、可動部材(隠蔽扉706)は、第1状態において第1演出部を隠蔽し、第2状態において第1演出部の隠蔽を解除することとなる。また、可動部材(隠蔽扉706)は、第1状態から第2状態への状態変換時に第2可動体(下部可動部602)側に移動するよう動作し、第2可動体には、第1状態から第2状態への状態変換に伴い移動した可動部材が合体する(挿入される)合体受部(扉導入開口608)を設けることとなる。さらに、第2可動体(下部可動部602)には、所定の遊技演出を実行することが可能な第2演出部(第1偏光板620、第2偏光板621)を合体受部(扉導入開口608)に対応して配設し、第2演出部は、可動部材(隠蔽扉706)が第1状態から第2状態に状態変換して合体受部に合体した(挿入された)場合に、当該可動部材により隠蔽されることとなる。
図20は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(Central Processing Unit:中央処理ユニット/マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(Random Access Memory)111C、個別ICレジスタ111Dを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ、プレミアリーチ)が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。また、遊技用マイコン111は、電源投入時や、大当り時などのイベント発生時、磁石や電波等による不正の検出時に個別IDレジスタ111Dに記憶されたIDを、情報伝達部71から出力する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットと電気的に接続されていることを条件に発射装置を制御する発射制御装置201に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。情報伝達部(外部情報端子板)71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図21を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。また、CPU311は、通信端末90と無線通信を行うための無線通信部91と、通信端末90と遊技機10のペアリングの状態を示すペアリング状態確認LED92を制御するようになっている。すなわち、無線通信部91が、遊技機10から受信した遊技に関わるデータに基づく動作が可能な通信端末90が予め設定された通信範囲内に存在することで当該通信端末90との無線通信を可能とする無線通信手段をなす。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
すなわち、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームとは異なる補助変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の始動条件を成立させる補助始動領域(普図始動ゲート34)への遊技球の入賞により補助変動表示ゲームを実行可能な補助変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、補助変動表示ゲームが特定結果になったことに基づき始動入賞領域(普通変動入賞装置37)を所定の変換態様で第1状態(閉状態)から第2状態(開状態)に変換することが可能な状態変換手段をなす。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25秒又は15秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、10回又は5回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。すなわち、時短状態が、通常遊技状態よりも始動条件の成立を容易化する特定遊技状態をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に通常遊技状態よりも始動条件の成立を容易化する特定遊技状態(時短状態)を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段をなす。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが600ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば300ms)よりも長い第2開放時間(例えば1400ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。なお、以下の説明や図中では、時短状態を特定遊技状態や普電サポート又は電サポと称することがある。また、時短状態(特定遊技状態)のうち、通常確率状態である場合を第1特定遊技状態と称し、高確率状態である場合を第2特定遊技状態と称することがある。
以上のことから、遊技球の入賞が規制された第1状態と遊技球の入賞が規制されない第2状態とに変換可能であり、遊技球の入賞により変動表示ゲームの始動条件を成立させる始動入賞領域(普通変動入賞装置37)と、変動表示ゲームとは異なる補助変動表示ゲームの始動条件を成立させる補助始動領域(普図始動ゲート34)への遊技球の入賞により補助変動表示ゲームを実行可能な補助変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、補助変動表示ゲームが特定結果になったことに基づき始動入賞領域を所定の変換態様で第1状態から第2状態に変換することが可能な状態変換手段(遊技制御装置100)と、を備え、特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)は、特定遊技状態において状態変換手段による変換態様を通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態に変更することで始動条件の成立を容易化するようにしたこととなる。
図22に示すように、特別結果には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき特別遊技状態の実行態様や付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を高確率状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とすること、確率状態を明確に報知するか否かである。また、特別結果の振り分けは、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームの方が遊技者にとって有利な特別結果が選択される確率が高くなるようにされている。
特別結果には、15R確変A(図柄)、15R確変B(図柄)、10R確変A(図柄)、10R確変B(図柄)、5R確変(図柄)、5R通常(図柄)の6種類が設定されている。15R確変A及び15R確変Bは、何れも特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで、各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間は第1開放可能時間(25秒)である。また、何れも特別遊技状態の終了後に75回の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態が高確率状態となり、その後通常確率状態となる。さらに特別遊技状態の終了後、確率状態を明確に報知する状態となる。そして、15R確変Aは、特別遊技状態の終了後に100回(つまり、高確率状態の終了から25回)の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となり、15R確変Bは、特別遊技状態の終了後に75回(つまり、高確率状態と同じ回数)の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。
10R確変A及び10R確変Bは、何れも特別遊技状態でのラウンド数が10ラウンドで、各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間は第1開放可能時間(25秒)である。また、何れも特別遊技状態の終了後に75回の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態が高確率状態となり、その後通常確率状態となる。さらに特別遊技状態の終了後、確率状態を明確に報知する状態となる。そして、10R確変Aは、特別遊技状態の終了後に100回(つまり、高確率状態の終了から25回)の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となり、10R確変Bは、特別遊技状態の終了後に75回(つまり、高確率状態と同じ回数)の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。
5R確変及び5R通常は、何れも特別遊技状態でのラウンド数が5ラウンドで、各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間は第2開放可能時間(15秒)である。また、何れも特別遊技状態の終了後、確率状態を明確に報知しない非報知状態(曖昧報知状態)となり、特別遊技状態の終了後に75回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。そして、5R確変は、特別遊技状態の終了後に50回の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態が高確率状態となり、その後通常確率状態となる。また、5R通常は、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる。
また、遊技の演出モードの種類には、確変モード、時短モード、潜伏モード、通常モードの4種類がある。各演出モードは、表示される背景の種類やキャラクタの種類、変動表示ゲームの実行態様等が異なり、各演出状態は遊技者が何れの演出状態であるかを認識可能な程度に異なっている。確変モードは確率状態が高確率状態であり確率状態が明確に報知される場合に選択される演出モードである。時短モードは時短状態であって確率状態が通常確率状態であり確率状態が明確に報知される場合に選択される演出モードである。潜伏モードは確率状態が明確に報知されない非報知状態で選択される演出モードである。通常モードは上記の何れでもない場合に選択される演出モードである。
さらに、確変モード及び時短モードには、第1演出モードと第2演出モードがあり、基本的には第1演出モードが選択されるが、特図変動表示ゲームの開始時に第2始動記憶数が特定数(ここでは1)である場合には、当該第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームの演出モードとして第2演出モードが選択される。この第2演出モードでは、発生した始動記憶の先読み結果を用いた演出が行われるようになっている。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図23及び図24に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図25に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図23に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図24のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図24のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図24のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
ステップS29では、個別IDレジスタ111Dに格納された個体識別情報をシリアル通信回路にセットし、情報伝達部71から出力する処理を行う。そして、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う(ステップS30)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS30のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS31)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS32)、割込みを許可する(ステップS33)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS34)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS34の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS35)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS36)。停電監視信号がONでない場合(ステップS36;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS34)の前に割り込みを許可する(ステップS33)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS34での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS36;Yes)は、ステップS35で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS37)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS37;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS36;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS37;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS39)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS40)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS41)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS42)、チェックサムをセーブする処理(ステップS43)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図25に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図25のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図26に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図27に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図28に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードし(ステップA205)、始動口信号出力回数を更新(+1)して出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA206)。そして、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローすると判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA215)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA216)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA217)、コマンド設定処理(ステップA218)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA219)を行い、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA220)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA221)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA222)。さらに、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブする(ステップA223、A224、A225)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。ここで、遊技制御装置100は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入による始動条件の成立に基づき判定情報(乱数)を抽出して変動表示ゲームの始動記憶として所定の上限数まで記憶することが可能な始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA211)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA212;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA212にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合(ステップA212;No)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA226)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図29に示すように、まず、始動口2の入賞(普通変動入賞装置37への入賞)であるかを判定し(ステップA231)、始動口2の入賞である場合(ステップA231;Yes)は、高確率時(高確率状態)であるかの判定を行う(ステップA233)。また、始動口2の入賞でない場合(ステップA231;No)は、電サポ(時短状態)又は大当り(特別遊技状態)中であるかを判定する(ステップA232)。そして、電サポ又は大当り中である場合(ステップA232;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、電サポ又は大当り中でない場合(ステップA232;No)は、高確率時(高確率状態)であるかの判定を行う(ステップA233)。
高確率時である場合(ステップA233;Yes)は、高確率時の判定値を設定し(ステップA234)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA236)。また、高確率時でない場合(ステップA233;No)は、低確率時(通常確率状態)の判定値を設定し(ステップA235)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA236)。そして、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する(ステップA237)。
判定結果が大当りである場合(ステップA237;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブル(図5参照)を設定し(ステップA238)、対象の大当り図柄乱数をロードする(ステップA239)。その後、設定した大当り図柄情報テーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得し(ステップA240)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA242)、コマンド設定処理を行う(ステップA243)。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA237;No)は、はずれ図柄情報を取得し(ステップA241)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA242)、コマンド設定処理を行う(ステップA243)。
次に、対象の変動パターン乱数1をロードし(ステップA244)、対象の変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備して(ステップA245)、コマンド設定処理を行い(ステップA246)、特図保留情報判定処理を終了する。この処理により図30に示すように、始動記憶の発生に基づき、演出制御装置300に対して飾り特図保留数コマンドが送信され、その後、事前判定情報として特図種別・図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンドが送信される。演出制御装置300では、飾り特図保留数コマンドに基づき特図始動記憶数を増加し、図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドに基づき先読み演出を行う。
すなわち、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示82を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
ここで、秘匿性を高める必要がある(結果に影響を及ぼす)大当り乱数及び大当り図柄乱数については、判定後の結果情報を図柄情報コマンドとして演出制御装置300に送信している。これに対して秘匿性を高める必要のない(結果に影響を及ぼさない)変動パターン乱数については変動パターン乱数コマンドとして、乱数値のまま、若しくは、乱数値を示す情報に変換して演出制御装置300に送信するようにしている。なお、変動パターン乱数1は後半変動のリーチ系統(変動グループ)を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動を選択するための乱数である。事前判定時点ではリーチ系統さえ演出制御装置300側に伝達できれば良いので、変動パターン乱数1に関する情報を送信すれば良い。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の判定情報が特別結果となるものか否かを、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。また、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3を変動パターン乱数コマンドに含めるようにしても良いし、変動パターン乱数コマンドに代えて変動パターン乱数1〜3により判定した変動パターンを示すコマンドを送信するようにしても良い。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図31に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、特図2保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、特図1保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
一方、ステップA302にて、特図2保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行う。この場合の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、特図1保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行う。この場合の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における特図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、第2始動記憶に基づく特図変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。図32に示すように、この特図変動開始処理では、まず、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグにはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理(ステップA321)を行う。
次に、特図停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、設定された特図停止図柄の特図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域セーブする(ステップA323)。続けて、図柄情報を特図(特図1又は特図2)に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA324)。
次に、特図(特図1又は特図2)に対応する特図変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA325)、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備する(ステップA326)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA327)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA328)を行う。
その後、変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA329)を行って、特図変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA329)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置38)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かを決定することが可能な結果決定手段をなす。
〔特図停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における特図停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。図33に示すように、特図停止図柄設定処理では、まず、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグが大当りであるかをチェックする(ステップA351)。そして、大当りである場合(ステップA352;Yes)は、特図(特図1又は特図2)に対応する大当たり図柄情報テーブルを設定し(ステップA353)、大当たり図柄乱数セーブ領域から大当たり図柄乱数をロードする(ステップA354)。
その後、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して準備し(ステップA355)、取得した停止図柄番号を特図停止図柄領域にセーブする(ステップA356)。この処理により特別結果の種類が選択される。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、複数種類の特別結果から一の特別結果を選択する特別結果選択手段をなす。そして、対象の停止図柄番号に対応する図柄情報を取得して図柄情報領域にセーブする(ステップA357)。これにより特別結果の図柄が設定される。
次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA358)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態を設定するためのものである。その後、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA359)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA360)。これにより特別遊技状態の実行態様が設定される。
そして、飾り特図コマンドテーブルを設定して(ステップA363)、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得し(ステップA364)、飾り特図コマンド(MODE)を設定する(ステップA365)。さらに、飾り特図コマンド領域に図柄情報コマンドをセーブし(ステップA366)、特図に対応する大当り図柄乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA367)、特図停止図柄設定処理を終了する。
一方、大当りでない場合(ステップA352;No)は、はずれ時の停止図柄番号を特図停止図柄領域にセーブし(ステップA361)、はずれ時の図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップA362)。そして、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA363)以下の処理を行う。
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA327)の詳細について説明する。図34に示すように後半変動パターン設定処理では、まず、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であるかをチェックする(ステップA371)。そして、はずれ図柄情報である場合(ステップA372;Yes)は、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブル(図35、図36参照)を準備して(ステップA373)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA375)。また、はずれ図柄情報でない場合(ステップA372;No)は、特図(特図1又は特図2)に対応する大当り時の変動グループ選択テーブル(図35参照)を準備して(ステップA374)対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA375)。
その後、2バイト振り分け処理(ステップA376)を行い、振り分けた結果得られたリーチ系統のアドレスを取得して準備する(ステップA377)。次に、対象の領域から変動パターン乱数2をロードして準備し(ステップA378)、振り分け処理(ステップA379)を行って、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得する(ステップA380)。その後、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブして(ステップA381)後半変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、変動パターン乱数1に基づき変動グループ(リーチなし、ノーマル又はSP1から4リーチ、特殊変動の何れか)が選択され、変動パターン乱数2に基づき変動グループの中から詳細な演出の振り分け(変動パターンの選択)が行われる。
図35に示す大当り時の変動グループ選択テーブルでは、リーチ状態となる変動グループのみが選択可能である。また、第2特図変動表示ゲームの場合のみSP4リーチが選択可能である。図36に示す第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、時短状態であるか否かにより使用するテーブルが異なり、時短状態でない場合は(a)から(c)のテーブルを用い、時短状態である場合は(d)、(e)のテーブルを用いる。
さらに、第1始動記憶数によって使用するテーブルが異なり、時短状態でない場合は第1始動記憶数が1である場合、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる場合に、当該特図変動表示ゲームについて(a)のテーブルを用いる。また、第1始動記憶数が2である場合は(b)のテーブルを用い、第1始動記憶数が3又は4である場合は(c)のテーブルを用いる。第1始動記憶数が多いほどリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。
また、時短状態である場合は第1始動記憶数が1である場合、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる場合に、当該特図変動表示ゲームについて(d)のテーブルを用い、第1始動記憶数が2、3又は4である場合は(e)のテーブルを用いる。この場合も、第1始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。また、第1始動記憶数が1である場合におけるリーチなしの変動時間は、時短状態でない場合におけるリーチなしの変動時間よりも長く、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な時短状態において特図変動表示ゲームが途切れてしまうことを防止するようにしている。
図37に示す第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでも、時短状態であるか否かにより使用するテーブルが異なり、時短状態でない場合は(a)、(b)のテーブルを用い、時短状態である場合は(c)、(d)のテーブルを用いる。
さらに、第2始動記憶数によって使用するテーブルが異なり、時短状態でない場合は第2始動記憶数が1である場合、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる場合に、当該特図変動表示ゲームについて(a)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である場合は(b)のテーブルを用いる。第2始動記憶数が多いほどリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。
また、時短状態である場合は第2始動記憶数が1である場合、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる場合に、当該特図変動表示ゲームについて(c)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である場合は(d)のテーブルを用いる。この場合も、第2始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。また、第2始動記憶数が1である場合は、リーチなし及びノーマルリーチの変動グループを共通の特殊変動としている。この特殊変動は、時短状態でない場合におけるリーチなしの変動時間よりも長く、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な時短状態において特図変動表示ゲームが途切れてしまうことを防止するようにしている。
すなわち、時短状態において特図変動表示ゲームの開始時に第2始動記憶数が特定数(ここでは1)である場合には、当該第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームの変動パターンとして、変動時間の異なる複数種類の変動パターンの中から比較的変動時間の長い変動パターンである特殊変動を高確率で選択するようにされている。そして、後述するように、この特殊変動が選択された場合には演出制御装置300が演出モードを第1演出モードから第2演出モードに切り替え、先読み演出を主体とする演出を行う。つまり、遊技制御装置100が、特定遊技状態の発生中に演出表示装置(表示装置41)における演出モードを変更するための変更条件が成立したか否かを判定することが可能な条件成立判定手段をなす。なお、100%の確率で特殊変動を選択するようにしても良い。
また、時短状態においては特図変動表示ゲームの開始時に始動記憶が特定数(ここでは1)よりも多い場合には、複数種類の変動パターンの中から通常遊技状態中には決定することのない変動時間の最も短い変動パターン(ここでは変動時間3秒の変動パターン)を高確率で選択するようにされている。これにより、始動記憶を素早く消化してオーバーフローを防止できるとともに、第2演出モードを発生させる機会を増加させることが可能となる。
また、時短状態であっても特図変動表示ゲームの結果を特別結果とすると決定された場合には、始動記憶の数に拘わらずに変動パターンが選択され、特殊変動は選択されない。すなわち、条件成立判定手段は、結果判定手段の判定結果が特別結果である場合には、変更条件が成立していないと判定するようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA328)の詳細について説明する。図38に示すように変動パターン設定処理では、まず、対象の領域から後半変動番号をロードし(ステップA391)、後半変動番号がリーチなし変動の番号かをチェックする(ステップA392)。
そして、リーチなし変動である場合(ステップA393;Yes)は、前半変動選択テーブル1(リーチなし用)を準備し(ステップA394)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA396)。また、リーチなし変動でない場合(ステップA393;No)は、前半変動選択テーブル2(リーチ用)を準備し(ステップA395)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA396)。その後、振り分け処理を行い(ステップA397)、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得して準備し(ステップA398)、変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、変動パターン乱数3に基づきリーチ状態となるまでの前半変動の変動態様が選択される。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA329)の詳細について説明する。図39に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA401)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA402)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA403)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA404)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA405)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップ406)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA407)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA408)、前半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA409)、コマンド設定処理を行う(ステップA410)。
次に、飾り特図コマンド領域から図柄情報コマンドをロードして準備し(ステップA411)、コマンド設定処理を行う(ステップA412)。その後、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA413)、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定して(ステップA414)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(ステップA415)。そして、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA416)、コマンド設定処理を行う(ステップA417)。
その後、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA418)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップA419)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定され、後に演出制御装置300に送信されることとなる。事前判定時は変動パターン乱数1の値をそのまま演出制御装置300に送信したが、変動開始時は遊技制御装置100で変動パターン乱数に基づく詳細な変動パターンを決定し、判定後の変動パターン情報(番号)を演出制御装置300に送信するようにしている。すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、前記変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
以上のことから、条件成立判定手段(遊技制御装置100)は、少なくとも始動記憶の数が始動記憶手段(遊技制御装置100)が新たな始動記憶を複数記憶することが可能な特定数(ここでは1)である場合において、変更条件が成立したと判定するようにしたこととなる。
また、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段(遊技制御装置100)を備え、変動パターン決定手段は、特定遊技状態中においては始動記憶が特定数(ここでは1)である場合に、変動時間の異なる複数種類の変動パターンの中から比較的変動時間の長い変動パターンの実行を高確率で決定するよう構成され、条件成立判定手段(遊技制御装置100)は、始動記憶が特定数で変動パターン決定手段により変動時間の長い変動パターンの実行が決定された場合において、変更条件が成立したと判定するようにしたこととなる。
また、変動パターン決定手段(遊技制御装置100)は、特定遊技状態の発生中においては始動記憶が特定数(ここでは1)よりも多い場合に、複数種類の変動パターンの中から通常遊技状態中には決定することのない変動時間の最も短い変動パターンの実行を決定、又は、高確率で決定するようにしたこととなる。
また、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かを決定することが可能な結果決定手段(遊技制御装置100)を備え、変動パターン決定手段(遊技制御装置100)は、特定遊技状態の発生中であっても変動表示ゲームの結果を特別結果とすると決定された場合には、始動記憶の数に拘わらずに変動パターンを決定し、条件成立判定手段(遊技制御装置100)は、結果判定手段の判定結果が特別結果である場合には、変更条件が成立していないと判定するようにしたこととなる。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図40に示すように、特図表示中処理では、まず、特図変動開始処理における大当りフラグ設定処理にて設定された大当りフラグ1、2をロードして(ステップA501)、大当りフラグ1、2領域をクリアする処理(ステップA502)を行う。なお、大当りフラグ1は、第1始動記憶を対象に大当りフラグ設定処理を行った場合にはずれ情報又は大当り情報が設定され、大当りフラグ2は、第2始動記憶を対象に大当りフラグ設定処理を行った場合にはずれ情報又は大当り情報が設定される。
そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかをチェックして(ステップA503)、特図2が大当りである(ステップA504;Yes)と判定すると、特図2大当り(特別遊技状態)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA508)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行う。一方、ステップA504にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA504;No)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかをチェックする(ステップA505)。そして、大当りである(ステップA506;Yes)と判定すると、特図1大当り(特別遊技状態)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA507)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA510)。続けて、ラウンド数上限値情報対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA511)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA512)、コマンド設定処理(ステップA513)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA514)、コマンド設定処理(ステップA515)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する図柄情報コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA516)、コマンド設定処理(ステップA517)を行う。
次に、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA518)、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA519)、大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA520)。その後、大入賞口不正入賞数をリセットした後(ステップA521)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA522)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA523)を行い、特図表示中処理を終了する。この処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り確変変動回数及び時短変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA506にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA506;No)と判定すると、変動回数更新処理(ステップA528)を行い、特図表示中処理を終了する。
〔変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における変動回数更新処理(ステップA528)の詳細について説明する。図41に示すように、変動回数更新処理では、まず、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」をセーブし(ステップA531)、変動図柄判別フラグ領域をリセットする(ステップA532)。
そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップA533)、確変(高確率状態)中であるかを判定する(ステップA534)。確変中である場合(ステップA534;Yes)は、確率変動回数を−1更新し(ステップA535)、確率変動回数が0であるかを判定する(ステップA536)。なお、確率変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数に合わせて初期値(ここでは75、50又は0)が設定される。
この確率変動回数が0でない場合(ステップA536;No)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも高確率状態が継続する場合は、変動回数更新処理を終了する。また、確率変動回数が0である場合(ステップA536;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで高確率状態が終了する場合は、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップA537)。
時短変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、通常確率状態かつ時短状態となる特図変動表示ゲームの実行回数に合わせて初期値(ここでは0、25又は75)が設定される。この時短変動回数が0でない場合(ステップA537;No)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、確変終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA538)、コマンド設定処理を行う(ステップA539)。
その後、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA540)時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA541)。そして、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA542)、普図ゲームモードフラグ領域に高確率、普電サポートありフラグをセーブする(ステップA543)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率、時短フラグをセーブし(ステップA544)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブして(ステップA545)、変動回数更新処理を終了する。
一方、確変中でない場合(ステップA534;No)は、時短(電サポあり)中であるかを判定し(ステップA546)、時短中でない場合(ステップA546;No)は、変動回数更新処理を終了する。また、時短中である場合(ステップA546;Yes)は、時短変動回数を−1更新し(ステップA547)、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップA548)。
時短変動回数が0でない場合(ステップA548;No)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、変動回数更新処理を終了する。また、時短変動回数が0である場合(ステップA548;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA549)、コマンド設定処理を行う(ステップA550)。なお、確率変動回数が0であり(ステップA536;Yes)、時短変動回数が0である場合(ステップA537;Yes)も、時短終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA549)、コマンド設定処理を行う(ステップA550)。
その後、時短の終了に関する信号を外部出力データ領域にセーブし(ステップA551)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA552)。次に、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA553)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA554)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(ステップA555)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA556)、変動回数更新処理を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行することにより高確率状態から通常確率状態に移行するようになる。また、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行することにより時短状態が終了して通常遊技状態に移行するようになる。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図42に示すように、大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果態様の種類に基づき設定される確率変動判定フラグをロードし(ステップA601)、確率変動判定フラグによる分岐処理(ステップA602)を行う。
確率変動判定フラグが0である場合は大当り終了設定処理1(ステップA603)を行う。この場合は特別結果態様が5R通常以外であった場合で、特別遊技状態の終了後に高確率状態となるとともに時短状態となる場合である。また、確率変動判定フラグが1である場合は大当り終了設定処理2(ステップA604)を行う。この場合は特別結果態様が5R通常であった場合で、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となるとともに時短状態となる場合である。
大当り終了設定処理1又は2の何れかを行った後、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA605)、コマンド設定処理(ステップA606)を行う。確率情報コマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、この情報に基づき演出状態を設定する。そして、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」をセーブし(ステップA607)、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA608)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA609)。さらに、確率変動判定フラグ領域をリセットし(ステップA610)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA611)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図43には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA603)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA621)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA622)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA623)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA624)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率、時短フラグをセーブし(ステップA625)、大当り時の図柄情報をチェックする(ステップA626)。
大当り時の図柄が確率報知図柄である場合(ステップA627;Yes)、すなわち、15R確変A、15R確変B、10R確変A又は10R確変Bである場合は、特図演出モードフラグ領域に通常報知状態フラグをセーブする(ステップA628)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA629)、確率変動回数領域に大当り図柄情報に応じた確率変動回数(この場合は75)をセットする(ステップA632)。一方、大当り時の図柄が確率報知図柄でない場合(ステップA627;No)、すなわち、5R確変である場合は、特図演出モードフラグ領域に曖昧報知状態フラグをセーブする(ステップA630)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブし(ステップA631)、確率変動回数領域に大当り図柄情報に応じた確率変動回数(この場合は50)をセットする(ステップA632)。
その後、時短変動回数領域に大当り図柄情報に応じた時短変動回数をセットして(ステップA633)、大当り終了設定処理を終了する。ここで設定される時短変動回数は、大当り時の図柄が15R確変A、10R確変A又は5R確変の場合は25がセットされ、15R確変B、10R確変Bの場合は0がセットされる。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに時短状態となる。
〔大当り終了設定処理2〕
図44には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA604)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA641)、時短時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA642)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA643)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA644)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率、時短フラグをセーブし(ステップA645)、特図演出モードフラグ領域に曖昧報知状態フラグをセーブする(ステップA646)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA647)、時短変動回数領域に時短変動回数(ここでは75)をセーブして(ステップA648)、大当り終了設定処理2を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。
以上のことから、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後における変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を、当該特別遊技状態の発生の契機となった特別結果の種類に基づき通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定する確率設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に通常遊技状態よりも始動条件の成立を容易化する特定遊技状態(時短状態)を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段をなす。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図45に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行う。その後、大当りの発生回数や種類、リーチの発生回数や種類など遊技の履歴に関する遊技履歴情報を記憶するための遊技履歴情報記憶処理(ステップB29)を行い、通信端末90との通信に関する処理を行う外部通信処理(ステップB30)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
図46には、図45に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB22)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行い、客待ち背景コマンドをセットする客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB72)を行う。この図柄停止処理(ステップB72)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB73)を行う。また、大入賞口開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB74)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB75)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB76)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB77)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB78)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)に基づく処理を行う事前判定コマンド受信処理(ステップB79)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB80)を行う。
〔変動中処理〕
図47には、図46に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB91)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB92)、可動体リクエストセット処理(ステップB93)を行う。次に、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB94)を行い、役物としての可動演出装置(下部可動演出ユニット600や上部可動演出ユニット700)における動作パターンを設定するための役物動作パターン設定処理(ステップB95)を行って、乱数シード初期化処理(ステップB96)を行った後、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB97)。
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。なお、演出モードについても遊技制御装置100から送信された情報に基づきシーンシーケンステーブルに設定される。その後、各種期間を演出制御装置300で管理する変動回数管理処理(ステップB98)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB99)を行う。そして、最初のシーン及びシーン更新タイマをセットし(ステップB100)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB101)変動中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB91;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB102)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB102;No)は、変動中処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB102;Yes)は、シーンデータ設定処理(ステップB103)を行い、役物動作タイミングを判定する(ステップB104)。この役物動作タイミングとは、各変動のシーン毎において役物(下部可動演出ユニット600や上部可動演出ユニット700)を動作させるタイミングを意味する。この役物動作タイミングが分からない場合(ステップB104;No)は、変動中処理を終了する。また、この役物動作タイミングが分かっている場合(ステップB104;Yes)は、該当するタイミングに合わせて下部可動演出ユニット600や上部可動演出ユニット700を動作させるための役物動作制御処理(ステップB105)を行って、変動中処理を終了する。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
〔変動パターン情報設定処理〕
図48には、図47に示す変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB94)を示した。この変動パターン情報設定処理では、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB111)、大当りとなる飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための大当り変動選択テーブルをセットする(ステップB112)。
そして、停止図柄がはずれ図柄でない場合(ステップB113;No)、すなわち大当りである場合は、セット後のテーブルから変動パターンコマンドに応じた変動パターンを設定する(ステップB117)。また、停止図柄がはずれ図柄である場合(ステップB113;Yes)は、遊技状態フラグを取得し(ステップB114)、現在の保留記憶数を取得する(ステップB115)。さらに、遊技状態フラグと保留記憶数に応じたはずれ変動選択テーブルをセットし(ステップB116)、セット後のテーブルから変動パターンコマンドに応じた変動パターンを設定する(ステップB117)。
遊技状態フラグには、高確率状態で設定される確変フラグや、時短状態で設定される時短フラグ、通常遊技状態で設定される通常フラグ、特殊変動となる場合に設定される特殊状態フラグ、確率状態を明確に報知しない場合に設定される確率曖昧状態フラグがあり、遊技状態に応じて設定される。この遊技状態の情報と、保留記憶数(始動記憶数)及び遊技制御装置100から送信される変動パターンコマンドに基づき飾り特図変動表示ゲームの変動パターンが選択される。
その後、停止図柄情報と変動パターンに基づいて停止図柄(詳細)を設定し(ステップB118)、開始される特図変動表示ゲームの予告演出内容を選択するための予告選択テーブルAから変動パターンと図柄に応じた予告Aを設定する(ステップB119)。そして、遊技機と通信端末90とがペアリング済みであるかを判定し(ステップB120)、ペアリング済みでない場合(ステップB120;No)は、変動パターン情報設定処理を終了する。また、ペアリング済みである場合(ステップB120;Yes)は、開始される特図変動表示ゲームの予告演出内容を選択するための予告選択テーブルBから変動パターンと図柄に応じた予告Bを設定し(ステップB121)、変動パターン情報設定処理を終了する。
これにより、ペアリングをしていない場合は予告Aが実行され、ペアリングをしている場合は予告Bが実行される。予告Aよりも予告Bの方が信憑性の高い予告が設定されるようになっており、ペアリングをしている遊技者は通信端末90において有益な予告を見ることができるようになっている。
〔役物動作パターン設定処理〕
図49には、図47に示す変動中処理における役物動作パターン設定処理(ステップB95)を示した。この役物動作パターン設定処理では、まず、役物動作選択テーブル(図50参照)を準備し(ステップB123)、上述した図柄情報コマンド及び変動パターンコマンドに応じた値を取得した(ステップB124)後、取得した値に基づいて、役物動作選択テーブルから役物動作パターンを取得し、この取得した役物動作パターンをセットする(ステップB125)。例えば、一例として、取得した値における図柄情報コマンドに含まれた情報(図柄情報)がはずれ図柄であり、変動パターンコマンドに含まれた情報(リーチ系統情報)がSP1リーチである場合、図50の役物動作選択テーブルに示すように、20%の確率で下部可動演出ユニット600を動作させる(換言すれば、下部可動演出ユニット600や上部可動演出ユニット700は、80%の確率で動作しない)。そして、この場合の動作態様は、20%の確率で第1偏光板620に掲載された第1文字(「CHANCE」)を青色で表示させ、5%の確率で第2偏光板621に掲載された第2文字(「熱いかも」)を赤色で表示させるとともに、第1及び第2導光板720、721は非表示とする。そして、この後、役物動作パターン設定処理を終了する。
なお、この場合、役物動作選択テーブルにおいては、図柄情報(「ハズレ」と「大当り」のいずれか)と、リーチ系統情報(「リーチなし」、「ノーマルリーチ」、「SP1リーチ」〜「SP4リーチ」のいずれか)との組み合わせに応じて、動作割合(10%〜100%)、役物動作態様(非動作、下部可動演出ユニット600のみ動作、上部可動演出ユニット700のみ動作、下部可動演出ユニット600及び上部可動演出ユニット700双方の煽り動作(非合体)、下部可動演出ユニット600及び上部可動演出ユニット700合体動作のいずれか)、偏光板表示態様(非表示、第1文字表示(第1偏光板620の「CHANCE」表示)、第2文字表示(第2偏光板621の「熱いかも」表示)のいずれか)及び導光板表示態様(非表示、第1文字表示(第1導光板721に掲示される第1識別子「熱い!!」の表示)、第2文字表示(第2導光板722に掲示される第2識別子「激熱!!」の表示)のいずれか)が決定されるようになっているが、本発明はこの限りではない。
ここで、役物動作パターン設定処理によって設定された下部可動演出ユニット600や上部可動演出ユニット700の具体的な動作の一例を、図51及び図52に示した。まず、図柄情報コマンド及び変動パターンコマンドに応じて取得した値に基づいて、役物動作選択テーブルから役物動作パターンを取得し、該取得した役物動作パターンに応じて役物(下部可動演出ユニット600や上部可動演出ユニット700)を動作させる。このとき、図柄情報コマンド及び変動パターンコマンドに応じて取得した値が、例えば図51(a)に示すようなリーチ状態を示し、且つ所定の条件を満たした場合、下部可動演出ユニット600及び上部可動演出ユニット700の合体動作が開始される。なお、図51(a)に示すような下部可動部602の移動前の状態においても、第1偏光板620または第2偏光板621を表示させ、遊技者に対して第1文字表示(第1偏光板620の「CHANCE」表示)または、第2文字表示(第2偏光板621の「熱いかも」表示)による第1予告を報知することが可能となっている。
次に、図51(b)に示すように、下部可動部602と上部可動部702とが、それぞれ上下方向への煽り動作と発光動作を行いながら、上方・下方へと移動する。このとき、下部可動部602は、第1偏光板620または第2偏光板621を表示させ、遊技者に対して第1文字表示(第1偏光板620の「CHANCE」表示)または、第2文字表示(第2偏光板621の「熱いかも」表示)による第1予告演出を実行する。
そして、図52に示すように、下部可動演出ユニット600の下部可動部602と、上部可動演出ユニット700の上部可動部702とが、表示装置41の前面側を覆うように合体することによって、当該表示装置41の表示画面を隠蔽する。このとき、上部可動部702においては、隠蔽扉706が下部可動部602の扉導入開口608に挿入(進入)することで演出表示部606を隠蔽するとともに、上部可動部702の演出表示窓707を隠蔽から解除し、第1演出部720を露出させる。このため、第1演出部720においては、第1文字表示(第1導光板721に掲示される第1識別子「熱い!!」の表示)または、第2文字表示(第2導光板722に掲示される第2識別子「激熱!!」の表示)のいずれかを行い、例えば図52のように、第2導光板722に掲載された第2識別子(「激熱!!」)が表示されることで、遊技者に対し、特図変動表示ゲームの状態が大当り(有利)となる期待度が高いことを表す第2予告演出を実行する。
なお、表示装置41の表示画面は、図51及び図52に示すように、下部可動演出ユニット600及び上部可動演出ユニット700の合体動作により、下部可動部602と上部可動部702とが当該表示画面の前面側を覆うことによって隠蔽された際に、表示画面に表示されている変動表示ゲームの状態(変動中か否か及び飾り図柄との組み合わせにより停止表示結果)を示すための第4図柄86を表示可能としている。換言すれば、下部可動部602と上部可動部702とは、下部可動演出ユニット600及び上部可動演出ユニット700の合体動作時に、表示装置41の表示画面全体を覆って隠蔽するのではなく、表示画面の左右両端部分を露出した状態のまま維持することで第4図柄86を視認可能とし、遊技者に対して変動表示ゲームの状態を報知できるようになっている。また、図52に示すように、リーチ状態となっている飾り図柄を表示画面の露出部分に縮小した状態で表示するようにしても良い。
〔変動回数管理処理〕
図53には、図47に示す変動中処理における変動回数管理処理(ステップB97)を示した。この変動回数管理処理では、まず、確変(高確率状態)中であるかを判定し(ステップB131)、確変中である場合(ステップB131;Yes)は、確変背景コマンドをセットする(ステップB132)。その後、確率状態を明確に報知しない確率曖昧状態であるかを判定し(ステップB133)、確率曖昧状態でない場合(ステップB133;No)は、変動パターンが特殊変動であるかを判定する(ステップB135)。また、確率曖昧状態である場合(ステップB133;Yes)は、確率曖昧背景コマンドをセットして(ステップB134)、変動パターンが特殊変動であるかを判定する(ステップB135)。
変動パターンが特殊変動でない場合(ステップB135;No)は、確変回数を−1更新する(ステップB137)。また、変動パターンが特殊変動である場合(ステップB135;Yes)は、先読み背景コマンド1をセットし(ステップB136)、確変回数を−1更新する(ステップB137)。確変回数は、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を演出制御装置300で管理するためのものであり、後述するように所定の特別結果態様(5R通常以外)の導出に基づく特別遊技状態の終了時に初期値(ここでは76又は51)が設定される。
この確変回数が0でない場合(ステップB138;No)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームが高確率状態となる場合は、セット済みの背景コマンドを2nd(2ndCPU312)に送信し(ステップB154)、変動回数管理処理を終了する。また、確変回数が0である場合(ステップB138;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームから通常確率状態となる場合は、時短回数が0であるかを判定する(ステップB139)。
時短回数は、特別遊技状態の終了後に通常確率状態かつ時短状態となる特図変動表示ゲームの実行回数を演出制御装置300で管理するためのものであり、特別結果態様の種類に合わせて初期値(ここでは0、25又は76)が設定される。この時短回数が0でない場合(ステップB139;No)、すなわち、高確率状態の終了後に時短状態となる場合は、時短フラグをセットし(ステップB140)、時短背景コマンドをセットする(ステップB141)。そして、セット済みの背景コマンドを2ndに送信し(ステップB154)、変動回数管理処理を終了する。
また、時短回数が0である場合(ステップB139;Yes)、すなわち、高確率状態の終了とともに時短状態が終了する場合は、時短フラグをクリアし(ステップB150)、通常背景コマンドをセットする(ステップB151)。そして、確率状態を明確に報知しない確率曖昧状態であるかを判定し(ステップB152)、確率曖昧状態でない場合(ステップB152;No)は、セット済みの背景コマンドを2ndに送信し(ステップB154)、変動回数管理処理を終了する。また、確率曖昧状態である場合(ステップB152;Yes)は、確率曖昧状態フラグをセットし(ステップB153)、セット済みの背景コマンドを2ndに送信して(ステップB154)、変動回数管理処理を終了する。
一方、確変中でない場合(ステップB131;No)は、時短(電サポあり)中かを判定し(ステップB142)、時短中でない場合(ステップB142;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、時短中である場合(ステップB142;Yes)は、時短背景コマンドをセットし(ステップB143)、確率状態を明確に報知しない確率曖昧状態であるかを判定する(ステップB144)。
確率曖昧状態でない場合(ステップB144;No)は、変動パターンが特殊変動であるかを判定する(ステップB146)。また、確率曖昧状態である場合(ステップB144;Yes)は、確率曖昧背景コマンドをセットして(ステップB145)、変動パターンが特殊変動であるかを判定する(ステップB146)。
変動パターンが特殊変動でない場合(ステップB146;No)は、時短回数を−1更新する(ステップB148)。また、変動パターンが特殊変動である場合(ステップB146;Yes)は、先読み背景コマンド2をセットし(ステップB147)、時短回数を−1更新する(ステップB148)。そして、時短回数が0であるかを判定し(ステップB149)、時短回数が0でない場合(ステップB149;No)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了しない場合は、セット済みの背景コマンドを2ndに送信して(ステップB154)、変動回数管理処理を終了する。
また、時短回数が0である場合(ステップB149;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームから通常遊技状態となる場合は、時短フラグをクリアし(ステップB150)、通常背景コマンドをセットする(ステップB151)。そして、確率状態を明確に報知しない確率曖昧状態であるかを判定し(ステップB152)、確率曖昧状態でない場合(ステップB152;No)は、セット済みの背景コマンドを2ndに送信し(ステップB154)、変動回数管理処理を終了する。また、確率曖昧状態である場合(ステップB152;Yes)は、確率曖昧状態フラグをセットし(ステップB153)、セット済みの背景コマンドを2ndに送信して(ステップB154)、変動回数管理処理を終了する。
この変動回数管理処理により、演出制御装置300において高確率状態や時短状態とする期間を管理することが可能となる。また、遊技状態に応じた背景コマンドを設定することで後述するゲーム演出処理(図69参照)により遊技状態に応じた背景が表示される。また、先読み背景コマンド1又は先読み背景コマンド2が設定された場合は、演出モードを識別情報の変動表示を主体とする第1演出モードから事前演出を主体とする第2演出モードに変更する処理も行われる。すなわち、演出制御装置300が、変更条件の成立から所定期間に亘って、演出表示装置(表示装置41)における変動表示ゲームの演出モードを変更することが可能な演出モード変更手段をなす。
演出モードの変更は特図変動表示ゲームの開始時に第2始動記憶が1つであり、変動パターンが特殊変動である場合に行われるので、新たな事前演出が行われる機会や可能性が高い状態において演出モードが変更されることとなり、始動条件の成立に対する遊技者の意欲をかきたてることが可能となる。また、始動条件が成立しても始動記憶が増加せずに事前演出が行われないということを極力回避することができる。また、この場合に選択される特殊変動は変動時間が比較的長いため、変動表示ゲーム中に始動条件が複数回成立する可能性が高まり、変動表示ゲーム中に効率良く事前演出を行うことができる。
また、特別結果となる変動表示ゲームでは特殊変動が選択されないので、第2演出モードとならず、事前演出の実行によって識別情報の変動表示が阻害されることを回避することが可能となり、特別結果への遊技者の期待感を効果的に高めることができる。さらに、特殊変動となり第2演出モードが設定されるのは時短状態である場合のみであるため、第2始動記憶が発生しやすく、効率よく事前演出を行うことが可能である。
〔エンディング処理〕
図54には、図46に示す1stシーン制御処理におけるエンディング処理(ステップB76)を示した。このエンディング処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB161)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB161;Yes)は、大当りの終了(特別遊技状態の終了)であるかを判定する(ステップB162)。そして、大当りの終了でない場合(ステップB162;No)は、エンディング処理を終了する。また、大当りの終了である場合(ステップB162;Yes)は、確率情報コマンドに応じた確率状態をセーブする(ステップB163)。
その後、図柄情報コマンドの内容をチェックし(ステップB164)、今回の特別遊技状態の開始の契機となった特別結果が、特別遊技状態の終了後に確率状態を明確に報知しない非報知状態とする確率曖昧図柄(5R確変又は5R通常)であるかを判定する(ステップB165)。そして、確率曖昧図柄である場合(ステップB165;Yes)は、確率曖昧背景コマンドをエンディング後の背景コマンドとしてセットし(ステップB166)、確率曖昧状態フラグをセットして(ステップB167)、図柄情報に応じた確変回数及び時短回数をセットする(ステップB169)。また、確率曖昧図柄でない場合(ステップB166;No)は、確変背景コマンドをエンディング後の背景コマンドとしてセットし(ステップB168)、図柄情報に応じた確変回数及び時短回数をセットする(ステップB169)。
図柄情報に応じた確変回数及び時短回数をセットする処理(ステップB169)では、特別結果が15R確変A、15R確変B、10R確変A、10R確変Bである場合に確変回数として76がセットされ、特別結果が5R確変である場合に確変回数として51がセットされる。また、特別結果が15R確変A、10R確変A、5R確変である場合に時短回数として25がセットされ、特別結果が15R確変B、10R確変Bである場合に時短回数として0がセットされる。また、特別結果が5R通常である場合は時短回数として76がセットされる。
その後、エンディング更新タイマをセットし(ステップB170)、エンディング背景コマンドを2nd(2ndCPU312)に送信する(ステップB171)。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB172)、エンディング処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB161;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB173)。この場合、更新タイマは特別遊技状態の終了時のエンディング時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとはエンディング時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB173;No)は、エンディング処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB173;Yes)は、エンディング終了を設定し(ステップB174)、設定済みのエンディング後の背景コマンドを2nd(2ndCPU312)に送信して(ステップB175)、エンディング処理を終了する。
〔事前判定コマンド受信処理〕
また、図55には、図46に示す1stシーン制御処理における事前判定コマンド受信処理(ステップB79)を示した。この事前判定コマンド受信処理では、まず、事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)を受信したかを判定し(ステップB181)、受信していない場合(ステップB181;No)は、事前判定コマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB181;Yes)は、事前判定コマンドの内容を対応する保留(始動)記憶領域に図柄情報、変動パターン乱数1情報としてセーブし(ステップB182)、後半変動パターン判定処理を行う(ステップB183)。
後半変動パターン判定処理(ステップB183)は、遊技制御装置100から送信された変動パターン乱数コマンドに含まれる変動パターン乱数1についての情報に基づき、図34に示す処理のうちステップA371からステップA376の処理を行う。そして、振り分けた結果得られたリーチ系統を対応する保留(始動)記憶領域にリーチ系統情報としてセーブする処理を行う。
その後、事前演出振分テーブル1をセットし(ステップB184)、事前演出選択処理を行う(ステップB185)。この事前演出選択処理では、図柄情報とリーチ系統情報を事前演出振分テーブル1に参照して事前演出の実行態様を選択する。そして、ペアリング済みであるかを判定し(ステップB186)、ペアリング済みでない場合(ステップB186;No)は、特殊変動中であるかを判定する(ステップB189)。また、ペアリング済みである場合(ステップB186;Yes)は、外部送信データ領域の対応領域に選択された事前演出情報をセーブし(ステップB187)、事前演出外部送信フラグをセットして(ステップB188)、特殊変動中であるかを判定する(ステップB189)。
そして、特殊変動中である場合(ステップB189;Yes)は、対象となる保留記憶領域に選択された事前演出情報をセーブし(ステップB192)、事前判定コマンド受信処理を終了する。また、特殊変動中でない場合(ステップB189;No)は、事前演出振分テーブル2をセットし(ステップB190)、図柄情報とリーチ系統情報を事前演出振分テーブル2に参照して事前演出の実行態様を選択する事前演出選択処理を行う(ステップB191)。その後、対象となる保留記憶領域に選択された事前演出情報をセーブし(ステップB192)、事前判定コマンド受信処理を終了する。
図56には、演出制御装置300の保留(始動)記憶領域を示した。この保留(始動)記憶領域には、第1始動記憶についての情報を記憶する特図1保留(始動)記憶領域と、第2始動記憶についての情報を記憶する第2保留(始動)記憶領域とがある。それぞれの記憶領域は、記憶領域0が保留数(始動記憶数)を記憶する保留数情報記憶領域とされ、記憶領域1から4が各始動記憶の情報を記憶する領域とされている。各始動記憶の情報は、消化順に従い記憶領域1から順次記憶される。記憶領域1から4のそれぞれには、事前判定コマンドの情報(図柄情報、変動パターン乱数1情報)を記憶する事前判定コマンド領域と、事前判定コマンドに基づく判定結果(リーチ系統情報、事前演出情報)を記憶する事前判定情報領域が設定されている。
この事前判定コマンド受信処理により、遊技制御装置100で行われた事前判定の結果に基づく事前演出が設定される。事前演出は飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させることにより行うようになっている。飾り特図始動記憶表示の表示態様には、特別結果となる期待度が高くなる順に、通常(変化なし)、青色、黄色、赤色、虹色の5種類があり、事前演出選択処理(ステップB185、B191)で選択される。また、事前演出を選択するための事前演出振分テーブルには、図57(a)に示す事前演出振分テーブル1と図57(b)に示す事前演出振分テーブル2があり、事前演出振分テーブル1の方が事前演出振分テーブル2よりも信憑性の高い事前演出を選択するようになっている。
そして、ペアリングされた通信端末90には、事前演出振分テーブル1により選択された信憑性の高い事前演出が送信され、遊技機の表示装置41では、特殊変動中でない場合には事前演出振分テーブル2により選択された信憑性の低い事前演出が行われる。これにより、ペアリングを行った遊技者は通信端末90から有益な情報を入手することが可能となり、ペアリングを行うことに対する訴求力を高めることができる。
なお、特殊変動中は第2演出モードとなり、事前演出を主体とした演出が行われるため、事前演出振分テーブル1により選択された信憑性の高い事前演出を行うようにしている。これにより、第2特定遊技状態(確変遊技状態)における事前演出が頻繁にガセ演出となってしまうことを回避することが可能となり、第2演出モードや事前演出に対する期待感を高めることができる。
すなわち、演出制御装置300が、事前判定手段(遊技制御装置100)による事前判定結果に基づいて、特別結果となることに対する期待度を示唆する事前演出を演出表示装置(表示装置41)に表示させることが可能な事前演出手段をなす。
以上のことから、特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)は、特定遊技状態として変動表示ゲームが特別結果となる確率が通常遊技状態と同じ第1特定遊技状態又は変動表示ゲームが特別結果となる確率が通常遊技状態よりも高い第2特定遊技状態を発生可能であり、条件成立判定手段(遊技制御装置100)は、少なくとも第2特定遊技状態の発生中に変更条件の成立を判定するよう構成され、事前演出手段(演出制御装置300)は、事前判定結果が特別結果となる場合には、第1演出モードよりも第2演出モードの方が高い確率で記憶表示の表示態様を変化させるようにしたこととなる。
図58から図60には、表示装置41での演出例を示した。図58、図59には、高確率状態かつ時短状態(第2特定遊技状態)において特殊変動が行われる場合を示した。図58(a)に示すように、表示装置41の表示領域は、飾り特図変動表示ゲームを表示する変動表示領域81と、飾り特図始動記憶表示82を表示する記憶表示領域83が設定されている。
変動表示領域81には、中央に飾り特図変動表示ゲームの結果を表示するための複数の識別情報が表示されるとともに、右上部に遊技状態が変化するまでの特図変動表示ゲームの残り実行回数が表示される。図58(a)に示す場合は高確率状態が終了するまでの残り実行回数が表示されている。なお、通常確率状態かつ時短状態(第1特定遊技状態)の場合は時短状態が終了するまでの特図変動表示ゲームの残り実行回数が表示される。また、変動表示領域81の背景画像は遊技状態により異なる背景とされ、遊技者が遊技状態を認識できるようにしている。なお、図58(a)では高確率状態である場合の確変背景であることを文字により示している。
記憶表示領域82は、第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示82を表示する第1記憶表示領域83aが左側に位置し、第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示82を表示する第2記憶表示領域83bが右側に位置している。この各記憶表示領域の飾り特図始動記憶表示82は、左端が最も古い始動記憶に対応するものであり、特図変動表示ゲームが開始されて始動記憶が消化されることに伴い、一つずつ左側へ移動するようになっている。図58(a)に示す状態では第1始動記憶が4つあり、第2始動記憶が1つある状態となっている。また、図58(a)に示す状態は、特殊変動が選択されていない第1演出モードでの表示であり、この場合は、記憶表示領域83よりも変動表示領域81が大きくなるように設定される。
高確率状態かつ時短状態において、図58(a)に示すように特図変動表示ゲームの開始時に第2始動記憶が1つであり、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンとして特殊変動が選択されると、図58(b)に示すように、演出モードが第1演出モードから第2演出モードに変更される。第2演出モードでは、第1演出モードにおける変動表示領域81と第2記憶表示領域83bの位置が入れ替わり、変動表示領域81よりも記憶表示領域83が大きくなるように設定される。また、背景画像が先読み背景1に変更される。これにより第2演出モードであることが把握し易くなり、また、事前演出を効率よく遊技者に視認させることが可能となる。
このように、演出モードを識別情報の変動表示を主体とする第1演出モードから事前演出を主体とする第2演出モードに変更することで、特図変動表示ゲームにおける事前演出の演出効果が向上して、事前演出に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。また、特定遊技状態中に演出モードが変更されることで、第2演出モードで効率よく事前演出を行うことが可能となる。
この第2演出モードでは、特図変動表示ゲームの実行中に発生する第2始動記憶の事前判定結果に基づく事前演出を主体とする演出が行われる。この例では、1つ目及び2つ目の第2始動記憶として、図58(c)、(d)に示すように、事前判定の結果がリーチなしではずれとなる第2始動記憶が発生しており、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示82における事前演出として変化なし(白色)が選択されている。
さらに、3つ目の第2始動記憶として、図58(e)に示すように、事前判定の結果がSP3リーチとなり15R大当りとなる第2始動記憶が発生しており、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示82における事前演出として赤色が選択されている。また、その後の4つ目の第2始動記憶として、図58(f)に示すように、事前判定の結果がリーチなしではずれとなる第2始動記憶が発生しており、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示82における事前演出として変化なし(白色)が選択されている。
そして、図58(g)に示すように、第2始動記憶数が上限値まで達した旨を報知する表示(「ストック完了!!」)がなされ、図58(h)に示すように、特図変動表示ゲームの終了時に第2始動記憶に大当りとなる期待度の高い始動記憶があることを報知する表示(「ストック期待度UP!!」)がなされる。
図59(a)に示すように、次の特図変動表示ゲームでは演出モードが第1演出モードに戻り、変動表示領域81と第2記憶表示領域83が元の位置に戻る。このとき、第2演出モードで行われた飾り特図始動記憶表示82の事前演出はそのまま引き継がれる。また、第2演出モードで発生した第2始動記憶が消化される際には、その旨を報知する表示(「ストック放出!」)がなされる。
図59(b)に示すように、第2演出モードで発生した1つ目の第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了し、図59(c)に示すように、第2演出モードで発生した2つ目の第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始される際にも、第2演出モードで発生した第2始動記憶である旨を報知する表示(「ストック放出!」)がなされる。この特図変動表示ゲームの実行中に新たな第2始動記憶として、事前判定の結果がSP3リーチとなりはずれとなる始動記憶が発生しているが、図59(d)に示すように当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示82における事前演出としては変化なし(白色)が選択されている。
そして、図59(e)に示すように、事前演出として赤色が選択された3つ目の第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時には、第2演出モードで発生した第2始動記憶である旨に加え、大当りとなる期待度が高いことを報知する表示(「激アツストック放出!」)がなされる。この特図変動表示ゲームはSP3リーチが発生し15R大当りとなるものであり、図59(f)に示すようにリーチ状態となった後にSP3リーチに発展し、図59(g)に示すように特別結果が導出される。
図60(a)から(c)には、高確率状態かつ時短状態(第2特定遊技状態)において特殊変動が行われる場合の別例を示した。この例では、図60(a)に示すように第2演出モードとなる特図変動表示ゲームが開始した後、1つ目の第2始動記憶としてSP4リーチとなり15R大当りとなる始動記憶が発生し、2つ目の第2始動記憶としてリーチなしでありはずれとなる始動記憶が発生している。さらに、3つ目の第2始動記憶としてSP2リーチとなり10R大当りとなる始動記憶が発生し、4つ目の第2始動記憶としてリーチなしでありはずれとなる始動記憶が発生している。
そして、図60(b)に示すように、1つ目の第2始動記憶についての事前演出として虹色が選択され、3つ目の第2始動記憶についての事前演出として赤色が選択されている。2つ目及び4つ目の第2始動記憶についての事前演出としては変化なし(白色)が選択されている。このように、2つの大当りとなる第2始動記憶が発生した場合は、図60(c)に示すように、大当りとなる期待度が非常に高いことを示唆する表示(「期待度×2UP!!」)がなされる。
また、図60(d)には、通常確率状態かつ時短状態である場合に特殊変動が選択され、第2演出モードとなった場合の表示装置41での表示を示した。この場合は背景画像が高確率状態の場合とは異なる先読み背景2となる。なお演出内容は高確率状態の場合と同様である。
また、図60(e)、(f)には時短状態ではない通常遊技状態での表示装置41での表示例を示した。この場合は背景画像が通常背景とされる。また、通常遊技状態では図60(e)に示すように特図変動表示ゲームの開始時に第2始動記憶が1つであっても、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンとして特殊変動が選択されず、図60(f)に示すように、演出モードの変更は行われない。
以上のことから、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを演出表示することが可能な演出表示装置(表示装置41)と、始動条件の成立に基づき判定情報を抽出して変動表示ゲームの始動記憶として所定の上限数まで記憶することが可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、を備え、始動記憶に基づいて変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果になると遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動記憶手段に記憶された始動記憶の判定情報が特別結果となるものか否かを、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段による事前判定結果に基づいて、特別結果となることに対する期待度を示唆する事前演出を演出表示装置に表示させることが可能な事前演出手段(演出制御装置300)と、特別遊技状態の終了後に通常遊技状態よりも始動条件の成立を容易化する特定遊技状態を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、特定遊技状態の発生中に演出表示装置における演出モードを変更するための変更条件が成立したか否かを判定することが可能な条件成立判定手段(遊技制御装置100)と、変更条件の成立から所定期間に亘って、演出表示装置における変動表示ゲームの演出モードを変更することが可能な演出モード変更手段(演出制御装置300)と、を備え、演出モード変更手段は、演出モードを識別情報の変動表示を主体とする第1演出モードから事前演出手段による事前演出を主体とする第2演出モードに変更するようにしたこととなる。
また、演出モード変更手段(演出制御装置300)は、変更条件の成立から当該変更条件を成立させた変動表示ゲームが終了するまで、又は、当該変動表示ゲーム中に始動記憶が上限数に到達するまで演出モードを変更するようにしたこととなる。
また、演出表示装置(表示装置41)の表示領域には、識別情報の変動表示が実行される変動表示領域81と、始動記憶数を示す記憶表示が表示される記憶表示領域83とが設定されてなり、事前演出手段(演出制御装置300)は、記憶表示領域83に表示される記憶表示の表示態様を事前判定結果に基づいて変化させる演出表示を行うことで事前演出を実行し、演出モード変更手段(演出制御装置300)は、第1演出モードにおいては記憶表示領域83よりも変動表示領域81が大きくなるよう設定し、第2演出モードにおいては変動表示領域81よりも記憶表示領域83が大きくなるよう設定することで演出モードを変更するようにしていることとなる。また、記憶表示領域83の大きさの変更に合わせて当該記憶表示領域83に表示される飾り特図始動記憶表示82も大きくなるが、飾り特図始動記憶表示82の大きさは変更しないでも良いし、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とで大きさを変更するようにしても良い。この場合には、高確率状態である第2特定遊技状態の方が第1特定遊技状態よりも大きく設定すると良い。
なお、時短状態において特図変動表示ゲームの開始時に始動記憶が特定数(ここでは1)よりも多い場合には、最も短い変動パターン(ここでは変動時間3秒の変動パターン)を高確率で選択するようにしているが、必ず最も短い変動パターンを選択するようにしても良い。また、第2演出モードは特図変動表示ゲームの終了とともに終了して第1演出モードに戻るようにしたが、第2演出モードにおいて第2始動記憶が上限値に達したことに基づき第1演出モードに戻すようにしても良い。このようにすることで、事前演出が実行されない状態まで第2演出モードが継続することを回避することができ、第2演出モードの興趣低下を防止できる。
また、高確率状態とする特図変動表示ゲームの残り実行回数が少ない場合(例えば、5回等)は、第2演出モードにおいて発生した第2始動記憶の事前判定時の確率状態と、特図変動表示ゲームの実行時の確率状態が異なり、事前演出に矛盾が生じる虞があるため、第2演出モードとなる条件が成立しても第2演出モードに移行しないようにしても良い。もしくは、発生した第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが行われる際の確率状態を考慮して事前演出を行うようにしても良い。また、普図始動記憶がない場合は第2始動記憶を発生させることが困難となるため、第2演出モードに移行する条件の一つとして、普図始動記憶があることを条件とするようにしても良い。
また、本実施形態では、予め定められた回数の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態とする(いわゆるST機)ようにしたが、これに限られるものではなく、次回の特別結果の発生まで高確率状態や時短状態が継続する遊技機としても良い。また、事前演出を飾り特図始動記憶表示82の表示態様を変化させることにより行うとしたが、これに限られるものではなく、可動役物の動作や、始動記憶発生時(始動入賞時や飾り特図始動記憶表示82の表示開始時)の音声の出力などで行うようにしても良い。
〔遊技履歴情報記憶処理〕
図61には、図45に示す1stメイン処理における遊技履歴情報記憶処理(ステップB29)を示した。この遊技履歴情報記憶処理では、まず、変動表示ゲームが終了したかを判定し(ステップB201)、終了していない場合(ステップB201;No)は遊技履歴情報記憶処理を終了する。また、終了した場合(ステップB201;Yes)は、総スタート回数を+1更新し(ステップB202)、大当り間スタート回数を+1更新する(ステップB203)。総スタート回数は、電源投入時からの特図変動表示ゲームのスタート回数であり、大当り間スタート回数は特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームのスタート回数である。
その後、変動パターンがノーマルリーチ以上の変動パターン(Nリーチ、SP1から4リーチ)であったかをチェックし(ステップB204)、ノーマルリーチ以上でない場合(ステップB205;No)、すなわち、リーチなしであった場合は、図柄情報が大当り図柄かをチェックする(ステップB207)。また、ノーマルリーチ以上であった場合(ステップB205;Yes)は、リーチ履歴情報の対応するリーチの出現数を+1更新し(ステップB206)、図柄情報が大当り図柄かをチェックする(ステップB207)。リーチ履歴情報はリーチ系統(Nリーチ、SP1から4リーチ)ごとに出現数を計数しており、今回の特図変動表示ゲームで発生したリーチ系統の出現数が+1更新される。
そして、図柄情報が大当り図柄でない場合(ステップB208;No)は、ペアリング済であるかを判定する(ステップB213)。また、図柄情報が大当り図柄である場合(ステップB208;Yes)は、リーチ履歴情報の対応するリーチの大当り数を+1更新し(ステップB209)、大当り情報レコードを追加する(ステップB210)。次に、大当り情報レコードにリーチの種類と大当り間回転数を登録し(ステップB211)、大当り間スタート回数を0クリアして(ステップB212)、ペアリング済であるかを判定する(ステップB213)。これにより、結果が大当りであった場合には、大当り情報レコードとして、当該大当りが発生した場合のリーチの種類と、当該大当りが発生するまでの特図変動表示ゲームの実行回数が記憶される。
ペアリング済であるかの判定(ステップB213)では、遊技機と通信端末90とのペアリングが行われているかを判定する。遊技機と通信端末90とがペアリング済でない場合(ステップB213;No)は、遊技履歴情報記憶処理を終了する。また、遊技機と通信端末90とがペアリング済である場合(ステップB213;Yes)は、ペアリング時点からの総スタート回数を+1更新し(ステップB214)、変動パターンがノーマルリーチ以上の変動パターン(Nリーチ、SP1から4リーチ)であったかをチェックする(ステップB215)。
変動パターンがノーマルリーチ以上でない場合(ステップB216;No)、すなわち、リーチなしであった場合は、図柄情報が大当り図柄かをチェックする(ステップB218)。また、ノーマルリーチ以上であった場合(ステップB216;Yes)は、ペアリング時点からのリーチ履歴情報の対応するリーチの出現数を+1更新し(ステップB217)、図柄情報が大当り図柄かをチェックする(ステップB218)。
図柄情報が大当り図柄でない場合(ステップB219;No)は、ペアリング後の履歴情報に基づき遊技履歴送信データを生成し(ステップB221)、遊技履歴情報記憶処理を終了する。また、図柄情報が大当り図柄である場合(ステップB219;Yes)は、ペアリング時点からのリーチ履歴情報の対応するリーチの大当り数を+1更新し(ステップB220)、ペアリング後の履歴情報に基づき遊技履歴送信データを生成して(ステップB221)、遊技履歴情報記憶処理を終了する。
以上の処理により、遊技の履歴に関する種々の情報が記憶される。特にペアリングを行っている場合は、ペアリング時点からの履歴が別途記憶されるようになっており、ペアリングを行った遊技者個人の履歴を記憶することができるようになっている。これにより、ペアリング処理の実行により特図変動表示ゲームの予告画像データや個人の履歴情報といった遊技を行ううえで有益な情報を入手することが可能となるため、遊技者のペアリング処理への訴求力を高めることができる。すなわち、演出制御装置300が、ペアリング状態が成立しているか否かに拘わらず変動表示ゲームの実行に関する履歴情報を累積記憶する第1履歴記憶手段をなす。また、演出制御装置300が、ペアリング状態の成立から当該ペアリング状態が解除されるまでの履歴情報を第1履歴記憶手段とは別個に累積記憶する第2履歴記憶手段をなす。
〔外部通信処理〕
図62には、図45に示す1stメイン処理における外部通信処理(ステップB30)を示した。この外部通信処理では、まず、ペアリング処理を行い(ステップB231)、ペアリング済みであるかを判定する(ステップB232)。そして、ペアリング済みでない場合(ステップB232;No)は、外部通信処理を終了する。また、ペアリング済みである場合(ステップB232;Yes)は、音声データ送信処理を行い(ステップB233)、予告データ送信処理を行う(ステップB234)。その後、事前演出データ送信処理を行い(ステップB235)、遊技履歴情報送信処理を行って(ステップB236)、外部通信処理を終了する。
音声データ送信処理(ステップB233)では、ペアリングされた通信端末90に変動表示のBGMを送信する処理を行う。この処理では各フレームの頭で対応するデータを送信するようになっている。また、予告データ送信処理では、ペアリングされた通信端末90に、実行中の特図変動表示ゲームに関わる予告データとして図48に示した変動パターン情報設定処理で設定された予告Bを送信する。この予告Bは、表示装置41に表示される予告Aよりも信憑性の高い予告データである。
事前演出データ送信処理(ステップB235)では、ペアリングされた通信端末90に、保留数の更新毎に事前演出データを送信する処理で、図55に示した事前判定コマンド受信処理で設定されたデータを送信する。この送信される事前演出は、表示装置41に表示される事前演出よりも信憑性の高いデータである。また、遊技履歴情報送信処理(ステップB236)では、ペアリングされた通信端末90に、ペアリング前の遊技履歴データとペアリング後の遊技履歴データとを分けて送信する。送信は遊技者による送信操作に基づき行うようにしても良いし、特図変動表示ゲームの実行毎に自動的に送信するようにして良い。
すなわち、演出制御装置300が、ペアリング処理によりペアリング状態となった通信端末90に対して無線通信手段(無線通信部91)を介して遊技に関わるデータを送信可能な遊技データ送信手段をなす。また、演出制御装置300が、変動表示ゲームの実行中に当該変動表示ゲームの結果を示唆する予告画像データを遊技に関わるデータとして送信する予告画像データ送信手段をなす。また、演出制御装置300が、予め定められた送信条件の成立に基づき、第1履歴記憶手段(演出制御装置300)に記憶された履歴情報及び第2履歴記憶手段(演出制御装置300)に記憶された履歴情報のうち少なくとも後者を送信する履歴情報送信手段をなす。
〔ペアリング処理〕
図63には、図62に示す外部通信処理におけるペアリング処理(ステップB231)を示した。このペアリング処理では、まず、客待ち中であるかを判定し(ステップB241)、客待ち中でない場合(ステップB241;No)は、変動表示ゲーム中であるかを判定する(ステップB246)。また、客待ち中である場合(ステップB241;Yes)は、処理番号による分岐処理を行う(ステップB242)。
ステップB242にて、処理番号が「0」の場合は、ペアリング可能な通信端末90を探索するペアリング端末探索処理(ステップB243)を行う。また、ステップB242にて、処理番号が「1」の場合は、ペアリングする通信端末90を選択するペアリング端末選択処理(ステップB244)を行う。また、ステップB242にて、処理番号が「2」の場合は、通信端末90とのペアリングを確立するためのパスキー設定処理1(ステップB245)を行う。その後、変動表示ゲーム中であるかの判定(ステップB246)を行う。
そして、変動表示ゲーム中でない場合(ステップB246;No)は、ペアリング処理を終了する。また、変動表示ゲーム中である場合(ステップB246;Yes)は、通信端末90とのペアリングを確立するためのパスキー設定処理2(ステップB247)を行い、ペアリング処理を終了する。
〔ペアリング端末探索処理〕
図64には、図63に示すペアリング処理におけるペアリング端末探索処理(ステップB243)を示した。このペアリング端末探索処理では、まず、端末探索処理中であるかを判定し(ステップB251)、端末探索処理中である場合(ステップB251;Yes)は、遊技機とペアリング可能な通信端末90を探索する通信端末探索処理(ステップB256)を行う。また、端末探索処理中でない場合(ステップB251;No)は、遊技者によるペアリング(探索)操作があるかを判定する(ステップB252)。
遊技者によるペアリング操作は、演出ボタン25の操作により表示装置41に表示される案内画像においてペアリングの開始を選択する操作である。この遊技者によるペアリング操作がない場合(ステップB252;No)は、ペアリング端末探索処理を終了する。
また、遊技者によるペアリング操作がある場合(ステップB252;Yes)は、記憶されているパスキーをクリアする(ステップB253)。
その後、ペアリング状態確認LEDにOFFデータを出力し(ステップB254)、探索中画面表示をセットし(ステップB255)、遊技機とペアリング可能な通信端末90を探索する通信端末探索処理(ステップB256)を行う。そして、端末探索が終了したかを判定し(ステップB257)、端末探索が終了していない場合(ステップB257;No)は、ペアリング端末探索処理を終了する。また、端末探索が終了した場合(ステップB257;Yes)は、探索不能画面表示をセットし(ステップB258)、遊技機とペアリング可能な通信端末90のIDである探索端末IDがあるかを判定する(ステップB259)。
探索端末IDがない場合(ステップB259;No)は、ペアリング端末探索処理を終了する。この場合は、案内画像として表示装置41に遊技機とペアリング可能な通信端末90が見つからなかった旨を表示する探索不能画面表示が表示される。また、探索端末IDがある場合(ステップB259;Yes)は、端末ID一覧画面表示をセットし(ステップB260)、処理番号を「1」にセットして(ステップB261)、ペアリング端末探索処理を終了する。この場合は、案内画像として表示装置41に遊技機とペアリング可能な通信端末90のIDの一覧を示す端末ID一覧画面表示がなされる。
すなわち、演出制御装置300が、ペアリング処理を開始するための操作入力に基づき、無線通信手段(無線通信部91)を介して通信範囲内に存在する通信端末90を探索してペアリング処理を開始する端末探索手段をなす。また、演出制御装置300が、所定の解除条件の成立(ここでは新たなペアリング操作)に基づき、ペアリング手段(演出制御装置300)によりペアリング処理された通信端末90とのペアリング状態を解除することが可能なペアリング解除手段をなす。
〔ペアリング端末選択処理〕
図65には、図63に示すペアリング処理におけるペアリング端末選択処理(ステップB244)を示した。このペアリング端末選択処理では、まず、遊技者による端末選択操作があるかを判定する(ステップB271)。遊技者による端末選択操作は、演出ボタン25の操作により表示装置41に表示される端末ID一覧画面表示においてペアリングを行う通信端末90を選択する操作である。この端末選択操作がある場合(ステップB271;Yes)は、複数の端末IDがある場合に現在選択されている端末IDから異なる端末IDの選択に切り替える処理である端末選択状態を更新する処理(ステップB272)を行う。そして、新たな端末IDが選択された状態の選択更新画面表示をセットして(ステップB273)、遊技者による確定操作があるかを判定する(ステップB274)。また、端末選択操作がない場合(ステップB271;No)は、遊技者による確定操作があるかを判定する(ステップB274)。
遊技者による確定操作は、演出ボタン25の操作により表示装置41に表示される端末ID一覧画面表示において現在選択されている通信端末90の選択を確定する操作である。この確定操作がある場合(ステップB274;Yes)は、パスキー入力画面表示をセットし(ステップB275)、処理番号を「2」にセットして(ステップB276)、遊技者による取消操作があるかを判定する(ステップB277)。また、確定操作がない場合(ステップB274;No)は、遊技者による取消操作があるかを判定する(ステップB277)。
遊技者による取消操作は、演出ボタン25の操作により表示装置41に表示される端末ID一覧画面表示においてペアリング処理の取消を選択する操作である。この取消操作がある場合(ステップB277;Yes)は、一時記憶の端末IDをクリアし(ステップB278)、処理番号を「0」にセットして(ステップB279)、ペアリング端末選択処理を終了する。また、取消操作がない場合(ステップB277;No)は、ペアリング端末選択処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、通信端末90を特定するための操作入力に基づき、端末探索手段(演出制御装置300)により探索された通信端末90からペアリング処理の対象とする通信端末90を特定する端末特定手段をなす。
〔パスキー設定処理1〕
図66には、図63に示すペアリング処理におけるパスキー設定処理1(ステップB245)を示した。このパスキー設定処理1では、まず、通信端末90からの確認応答待機中であるかを判定し(ステップB281)、確認応答待機中でない場合(ステップB281;No)は、遊技者による取消操作があるかを判定する(ステップB282)。
遊技者による取消操作がある場合(ステップB282;Yes)は、一時記憶の端末ID及びパスキーをクリアし(ステップB294)、処理番号を「0」にセットして(ステップB295)、パスキー設定処理1を終了する。また、遊技者による取消操作がない場合(ステップB282;No)は、遊技者によるパスキーの選択入力があるかを判定する(ステップB283)。
遊技者によるパスキーの選択入力は、案内表示として表示装置41に表示されるパスキー入力画面表示において、演出ボタン25の操作によりパスキーを入力する操作である。このパスキーの選択入力がない場合(ステップB283;No)は、遊技者によるパスキーの確定操作があるかを判定する(ステップB285)。また、パスキーの選択入力がある場合(ステップB283;Yes)は、パスキーデータを追加更新し(ステップ284)、遊技者によるパスキーの確定操作があるかを判定する(ステップB285)。
そして、パスキーの確定操作がない場合(ステップB285;No)は、パスキー設定処理1を終了する。また、パスキーの確定操作がある場合(ステップB285;Yes)は、入力されたパスキーが予め定められた設定桁数(例えば6桁)に到達済であるかを判定する(ステップB286)。パスキーが設定桁数に到達していない場合(ステップB286;No)は、パスキー設定処理を終了する。この場合は遊技者に設定桁数に達していない旨の報知がなされ、パスキーの再度の設定を促す報知がなされる。また、パスキーが設定桁数に到達している場合(ステップB286;Yes)は、通信端末90に対してパスキー確認要求を出力し(ステップB287)、応答待機時間をセットして(ステップB288)、パスキー設定処理1を終了する。これにより確認応答待機中となる。
一方、確認応答待機中である場合(ステップB281;Yes)は、応答待機時間が経過したかを判定する(ステップB289)。そして、応答待機時間が経過している場合(ステップB289;Yes)は、一時記憶の端末ID及びパスキーをクリアし(ステップB294)、処理番号を「0」にセットして(ステップB295)、パスキー設定処理1を終了する。また、応答待機時間が経過していない場合(ステップB289;No)は、通信端末90からのパスキー確認応答があるかを判定する(ステップB290)。
通信端末90からのパスキー確認応答がない場合(ステップB290;No)は、パスキー設定処理1を終了する。また、通信端末90からのパスキー確認応答がある場合(ステップB290;Yes)は、通信端末90から送信されたパスキーが遊技機で設定されたパスキーと一致するかを判定する(ステップB291)。
パスキーが一致しない場合(ステップB291;No)は、一時記憶の端末ID及びパスキーをクリアし(ステップB294)、処理番号を「0」にセットして(ステップB295)、パスキー設定処理1を終了する。また、パスキーが一致する場合(ステップB291;Yes)は、端末ID及びパスキーを登録し(ステップB292)、ペアリング状態確認LEDにONデータを出力する(ステップB293)。その後、一時記憶の端末ID及びパスキーをクリアし(ステップB294)、処理番号を「0」にセットして(ステップB295)、パスキー設定処理1を終了する。これにより、ペアリングされた通信端末90に遊技機から遊技に関わるデータが送信可能となり、通信端末90において音声の出力や予告、事前演出、遊技履歴などの表示など、遊技に関わるデータに基づく動作が実行可能となる。
すなわち、演出制御装置300が、操作受付手段(操作ボタン25)が受け付けた操作入力に基づき、無線通信手段(無線通信部91)を介して通信範囲内に存在する通信端末90との接続を確立するペアリング処理を実行可能なペアリング手段をなす。また、演出制御装置300が、通信端末90を認証するためのパスキーの操作入力に基づき、予め設定された設定桁数のパスキーを設定するキー設定手段をなす。また、演出制御装置300が、通信端末90とパスキーを確認するための操作入力に基づき、端末特定手段(演出制御装置300)が特定した通信端末90との間でキー設定手段(演出制御手段300)により設定されたパスキーの確認を行うキー確認手段をなす。また、演出制御装置300が、キー確認手段(演出制御装置300)によりパスキーが正当であると確認されたことに基づき、当該確認を行った通信端末90との接続を確立してペアリング処理を完了する接続確立手段をなす。
以上のことから、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与することが可能な遊技機であって、遊技機から受信した遊技に関わるデータに基づく動作が可能な通信端末90が予め設定された通信範囲内に存在することで当該通信端末との無線通信を可能とする無線通信手段(無線通信部91)と、遊技者からの所定の操作入力を受け付けることが可能な操作受付手段(演出ボタン25)と、操作受付手段が受け付けた操作入力に基づき、無線通信手段を介して通信範囲内に存在する通信端末90との接続を確立するペアリング処理を実行可能なペアリング手段(演出制御装置300)と、ペアリング処理によりペアリング状態となった通信端末に対して無線通信手段を介して遊技に関わるデータを送信可能な遊技データ送信手段(演出制御装置300)と、を備え、ペアリング手段は、変動表示ゲームが実行されていない状態における操作入力により、ペアリング処理を実行するようにしたこととなる。
また、所定の解除条件の成立に基づき、ペアリング手段(演出制御装置300)によりペアリング処理された通信端末とのペアリング状態を解除することが可能なペアリング解除手段(演出制御装置300)と、ペアリング状態が成立しているか否かに拘わらず変動表示ゲームの実行に関する履歴情報を累積記憶する第1履歴記憶手段(演出制御装置300)と、ペアリング状態の成立から当該ペアリング状態が解除されるまでの履歴情報を第1履歴記憶手段とは別個に累積記憶する第2履歴記憶手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技データ送信手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの実行中に当該変動表示ゲームの結果を示唆する予告画像データを遊技に関わるデータとして送信する予告画像データ送信手段(演出制御装置300)と、予め定められた送信条件の成立に基づき、第1履歴記憶手段に記憶された履歴情報及び第2履歴記憶手段に記憶された履歴情報のうち少なくとも後者を送信する履歴情報送信手段(演出制御装置300)と、を含んでいることとなる。
ここで、図63に示すペアリング処理において、ペアリング端末探索処理(ステップB243)、ペアリング端末選択処理(ステップB244)、パスキー設定処理1(ステップB245)は、客待ち中である場合(ステップB241;Yes)のみ実行可能である。これにより、特図変動表示ゲームの進行制御を阻害しないように、遊技機10と遊技者所有の通信端末90との接続を確立するペアリングを実行することができる。このため、これらのペアリングに関する処理のすべてが終了する前に特図変動表示ゲームが開始されると、基本的にはペアリングに関する処理は中止される。これにより、ペアリング処理と特図変動表示ゲームの制御が同時に発生しないようになり、制御負荷が集中することを回避することができる。しかし、ペアリングに関する処理が一定段階まで進行していた場合は、それまでの遊技者の操作が無駄となることがないように特図変動表示ゲームの実行中にペアリングに関する処理が継続して実行されるようになっている。
〔パスキー設定処理2〕
図67には、図63に示すペアリング処理におけるパスキー設定処理2(ステップB247)を示した。このパスキー設定処理2では、まず、通信端末90からの確認応答待機中であるかを判定し(ステップB301)、確認応答待機中である場合(ステップB301;Yes)は、ステップB302からB308の処理を行う。この処理は、図64に示すパスキー設定処理1におけるステップB289からB295の処理である。すなわち、確認応答待機中に特図変動表示ゲームが開始された場合は、ペアリングに関する処理が継続して行われるようになっている。
また、確認応答待機中でない場合(ステップB301;No)は、処理番号が「2」であるかを判定する(ステップB309)。そして、処理番号が「2」でない場合(ステップB309;No)は、一時記憶の端末ID及びパスキーをクリアし(ステップB307)、処理番号を「0」にセットして(ステップB308)、パスキー設定処理2を終了する。すなわち、パスキー設定処理1の実行中でない場合に特図変動表示ゲームが開始された場合は、ペアリングに関する処理は中止される。
また、処理番号が「2」である場合(ステップB309;Yes)は、入力されたパスキーデータが予め定められた設定桁数(例えば6桁)に到達しているかをチェックし(ステップB310)、到達していない場合(ステップB311;No)は、一時記憶の端末ID及びパスキーをクリアし(ステップB307)、処理番号を「0」にセットして(ステップB308)、パスキー設定処理2を終了する。すなわち、パスキー設定処理1の実行中に特図変動表示ゲームが開始された場合であっても、パスキーが設定桁数まで入力されていない場合は、ペアリングに関する処理は中止される。
また、入力されたパスキーデータが予め定められた設定桁数(例えば6桁)に到達している場合(ステップB311;Yes)は、通信端末90に対してパスキー確認要求を出力し(ステップB312)、応答待機時間をセットして(ステップB313)、パスキー設定処理2を終了する。これにより確認応答待機中となる。すなわち、パスキー設定処理1の実行中に特図変動表示ゲームが開始された場合であって、パスキーが設定桁数まで入力されている場合は、ペアリングに関する処理が継続して行われるようになっている。
以上のことから、ペアリング手段(演出制御装置300)は、ペアリング処理の実行中に変動表示ゲームの実行が開始された場合には、当該ペアリング処理を中断または中止するようにしたこととなる。
また、ペアリング手段(演出制御装置300)は、ペアリング処理を開始するための操作入力に基づき、無線通信手段(無線通信部91)を介して通信範囲内に存在する通信端末90を探索してペアリング処理を開始する端末探索手段(演出制御装置300)と、通信端末90を特定するための操作入力に基づき、端末探索手段により探索された通信端末90からペアリング処理の対象とする通信端末を特定する端末特定手段(演出制御装置300)と、通信端末90を認証するためのパスキーの操作入力に基づき、予め設定された設定桁数のパスキーを設定するキー設定手段(演出制御装置300)と、通信端末90とパスキーを確認するための操作入力に基づき、端末特定手段が特定した通信端末90との間でキー設定手段により設定されたパスキーの確認を行うキー確認手段(演出制御装置300)と、キー確認手段によりパスキーが正当であると確認されたことに基づき、当該確認を行った通信端末90との接続を確立してペアリング処理を完了する接続確立手段(演出制御装置300)と、を備えてなり、パスキー設定手段によるパスキーの設定中に変動表示ゲームが開始された場合には、設定されたパスキーが設定桁数に到達していることに基づきキー確認手段によってパスキーの確認を行い、当該パスキーが正当であると確認されたことに基づき接続確立手段によりペアリング処理を完了するようにしたこととなる。
また、ペアリング手段(演出制御装置300)は、キー確認手段(演出制御装置300)によるパスキーの確認中に変動表示ゲームが開始された場合には、キー確認手段によるパスキーの確認を継続して行い、当該パスキーが正当であると確認されたことに基づき接続確立手段(演出制御装置300)によりペアリング処理を完了するようにしたこととなる。
〔2ndメイン処理〕
演出制御装置300における映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図68に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB321)を行い、RAMを0クリアして(ステップB322)、RAMの初期値を設定する(ステップB323)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB324)を行い、各種割込みを許可する(ステップB325)。さらに、各種制御装置の初期化処理(ステップB326)を行い、画面描画を許可する(ステップB327)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB328)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB329)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB329)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB329;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB330)、ゲーム演出処理(ステップB331)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB328)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
図69には、図68に示した2ndメイン処理におけるゲーム演出処理(ステップB331)を示した。このゲーム演出処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB341)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB341)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB342)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB342)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置41に表示する処理を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB343)を行う。背景処理では、図46に示した1stシーン制御処理での客待ち処理(ステップB70)や、図53に示した変動回数管理処理、図54に示したエンディング処理でセットされる背景コマンド(客待ち背景コマンド、確変背景コマンド、時短背景コマンド、通常背景コマンド、確率曖昧背景コマンド、先読み背景コマンド1、2)に応じた背景を表示する処理を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB344)を行い、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示82の設定を行う保留表示処理(ステップB345)を行う。保留表示処理では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づき、飾り特図始動記憶表示82の表示態様を変化させる事前演出(先読み演出)の表示に関する処理も行う。
さらに、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB346)を行う。客待ちデモ処理では、キャラクタや映像等を表示する客待ちデモ表示に関する処理や、遊技機10と通信端末90とのペアリングの処理に関する案内画像を表示する処理も行う。これにより特図変動表示ゲームが実行されていない場合に、ペアリング処理を進行させるための案内画像が表示されるようになり、遊技者がすぐにでもペアリング処理を開始することが可能となる。そして、客待ち状態中に遊技履歴情報を表示装置41に表示するための遊技履歴情報閲覧処理(ステップB327)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB348)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示手段(表示装置41)に表示させることが可能な演出画像表示手段をなす。また、演出制御装置300が、ペアリング手段(演出制御装置300)によるペアリング処理を進行させるための案内画像を表示手段(表示装置41)に表示させることが可能な案内画像表示手段をなす。また、演出制御装置300が、変動表示ゲームが実行されていないことに基づき、表示手段(表示装置41)における表示を演出画像表示手段(演出制御装置300)による演出画像の表示から案内画像表示手段(演出制御装置300)による案内画像の表示に切り替える案内表示移行手段をなす。
そして、客待ち中に特図変動表示ゲームが開始された際には、図47に示す変動中処理等により飾り特図変動表示ゲームに関する情報が設定され、設定された情報に基づきゲーム演出処理において飾り特図変動表示ゲームの演出画像を表示する処理が行われる。客待ち中であって案内画像が表示されてペアリング処理が行われている場合も同様であり、特図変動表示ゲームの開始に基づきペアリング処理が中断又は中止され、案内画像の表示を終了して飾り特図変動表示ゲームに関する演出画像を表示する。このように、案内画像の表示よりも特図変動表示ゲームの演出画像の表示を優先して実行することで、遊技者がわざわざ案内画像の表示を終了させる必要がなくなり、表示を切り替えるような操作を省くことができる。すなわち、演出制御装置300が、ペアリング処理が中断または中止されたことに基づき、表示手段(表示装置41)における表示を案内画像表示手段(演出制御装置300)による案内画像の表示から演出画像表示手段(演出制御装置300)による演出画像の表示に切り替える演出表示移行手段をなす。
以上のことから、変動表示ゲームの演出画像を表示することが可能な表示手段(表示装置41)と、変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示手段に表示させることが可能な演出画像表示手段(演出制御装置300)と、ペアリング手段(演出制御装置300)によるペアリング処理を進行させるための案内画像を表示手段に表示させることが可能な案内画像表示手段(演出制御装置300)と、ペアリング処理が中断または中止されたことに基づき、表示手段における表示を案内画像表示手段による案内画像の表示から演出画像表示手段による演出画像の表示に切り替える演出表示移行手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、変動表示ゲームが実行されていないことに基づき、表示手段(表示装置41)における表示を演出画像表示手段(演出制御装置300)による演出画像の表示から案内画像表示手段(演出制御装置300)による案内画像の表示に切り替える案内表示移行手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
図70から図72には、ペアリング処理を進行させるための案内画像の一例を示した。始動記憶がない状態で特図変動表示ゲームが終了して所定時間が経過すると、図70(a)に示すように、表示装置41の背景画像が客待ち背景とされるとともに、ペアリング処理を進行させるための案内画像85が表示される。この案内画像85では、遊技履歴の閲覧を選択するための「履歴閲覧」、ペアリング処理の開始を選択するための「ペアリング開始」、ペアリングを解除するための「ペアリング解除」のメニューが選択可能である。
演出ボタン25には選択ボタンと決定ボタンとがあり、選択ボタンを押下することで矢印のカーソルが次のメニューを指すように移動し、カーソルを所望のメニューを指すように移動させた後に決定ボタンを押下することで当該メニューを選択できるようになっている。この例では、図70(a)に示すようにカーソルが「履歴解除」のメニューを指している状態から、選択ボタンを押下することにより図70(b)に示すように「ペアリング開始」のメニューを選択した状態とし、この状態で決定ボタンを押下している。
これにより、図70(c)に示すように案内画像85が探索中画面表示に切り替わり、遊技機がペアリング可能な通信端末90の探索を開始する。なお、この際にすでにペアリングが行われていた場合は当該ペアリングが解消され、ペアリング状態確認LED92が消灯してペアリングが行われていないことを示すようになる。
所定時間後、遊技機がペアリング可能な通信端末90を発見できない場合は、図70(e)に示すように、案内画像85が探索不能画面表示に切り替わり、所定時間後に図70(a)の表示に戻る。また、遊技機がペアリング可能な通信端末90を発見すると、案内画像85が端末ID一覧画面表示に切り替わり、図70(d)に示すように端末IDが表示される。この例では3つの端末IDが表示されている。
そして、選択ボタンを押下することにより、図71(a)に示すようにカーソルをペアリングしたい端末IDを指す位置に移動させて決定ボタンを押下すると、図71(b)に示すように案内画面85がパスキー入力画面表示に切り替わる。このパスキー入力画面表示では、1から0の数字と矢印(一文字戻る)、確定、取消のボタン表示が表示され、操作ボタンを押下することにより選択されるボタン表示(表示色が異なる)が順次移動するようになっている。遊技者は操作ボタンを押下することにより所望のボタン表示を選択する状態とした後、決定ボタンを押下することで選択されたボタン表示の情報を入力できるようになっている。
この例では、図71(b)では「1」のボタン表示を選択しており、この状態から選択ボタンを押下することで図70(c)に示すように「2」のボタン表示が選択されるように移動させ、この状態で決定ボタンを押下することにより、図71(d)に示すように「2」が入力されている。この操作を繰り返して図71(e)に示すように6桁のパスキーを入力した後、確定ボタン表示を選択した状態で決定ボタンを押下すると、図71(f)に示すように案内画面85が応答待機画面表示に切り替わり、通信端末90の応答を待機する状態となる。
この状態で遊技者が通信端末90にもパスキーを入力し、通信端末90からパスキー確認応答があってパスキーの一致が確認されるとペアリングが確立され、図71(g)に示すように案内画面85がペアリング完了画面表示に切り替わり、所定時間後に図70(a)の画面に戻る。また、ペアリング状態確認LED91が点灯し、ペアリングが確立されていることを示すようになる。これにより、ペアリングされた通信端末90に遊技機から遊技に関わるデータが送信可能となり、通信端末90において音声の出力や予告、事前演出、遊技履歴などの表示など、遊技に関わるデータに基づく動作が実行可能となる。例えば遊技機から送信されたBGMデータに基づく通信端末90からの音声の出力や、その後に発生した始動記憶について事前演出振分テーブル1に基づき選択された事前演出データに基づく事前演出画像の通信端末90での表示が可能となる。
図72には、パスキーを設定桁数まで入力した状態で特図変動表示ゲームが開始した場合を示した。図72(a)に示すようにパスキーを設定桁数まで入力した状態で未だ確定操作していない状態で、始動記憶が発生して特図変動表示ゲームが開始されると、図72(b)に示すように表示装置41の表示が飾り特図変動表示ゲームの演出表示に切り替わる。
この場合はパスキーを設定桁数まで入力した状態であったので、飾り特図変動表示ゲームの実行中も継続してペアリング処理が行われ、通信端末90の応答を待機する状態となり、図72(b)に示すように通信端末90の応答を待機している旨の「パスキー確認(交換)中です」の表示がなされる。
その後、通信端末90からの応答がなかった場合やパスキーが一致しなかった場合は、図72(d)に示すようにパスキーの確認に失敗した旨の「パスキー確認NG」の表示がなされ、ペアリング処理が中止される。また、通信端末90とのペアリングが確立された場合は、図72(c)に示すように、その旨を示す「パスキー確認OK」の表示がなされる。これにより、ペアリングされた通信端末90に遊技機から遊技に関わるデータが送信可能となる。
なお、通信端末90における遊技機から受信した遊技に関わるデータに基づく動作は上述したものに限られるものではなく、例えば、LEDやランプの点灯や点滅、可動装置(バイブレータなど)を動作すること、受信したデータの保存など何でも良い。また、遊技機から受信した遊技に関わるデータに基づく動作のために必要があれば通信端末90に専用のアプリケーションをインストールするようにする。また、本実施形態では遊技機10がペアリング可能な通信端末90を検索するようにしたが、通信端末90でペアリング可能な遊技機10を検索するようにしても良い。また、ペアリング処理の途中で特図変動表示ゲームが開始された場合であって、ペアリング処理を継続できない場合はペアリング処理を中止するようにしたが、この場合に次回の客待ち状態の発生に基づきペアリング処理の続きを行えるようにしても良い。
以上のような遊技機10は、第1可動体を動作させて遊技演出を実行可能な第1可動演出装置と、第2可動体を動作させて遊技演出を実行可能な第2可動演出装置とを遊技の進行に応じて作動させて、第1可動体と第2可動体とに合体動作を行わせることが可能な遊技機であって、第1可動体には、所定の第1状態と、該第1状態とは異なる第2状態とに状態変換可能な可動部材(隠蔽扉706)と、該可動部材を第1状態から第2状態に状態変換させるための変換機構部(変換機構部708)と、を設け、第2可動体には、変換機構部を介して可動部材を状態変換させるための変換部(押圧片609)を設け、変換部は、第1可動体と第2可動体との合体動作時に、前記可動部材が前記第1状態から前記第2状態へと状態変換するように前記変換機後部を作動させるようにしている。
したがって、第1可動体と第2可動体とが遊技の進行に応じて合体動作する際(合体動作時)に、第2可動体に設けられた変換部が第1可動体に設けられた可動部材を第1状態から第2状態へと状態変換するように(換言すれば、複数設けられる可動演出装置のうち、特定の可動演出装置の演出動作が他の可動演出装置の演出態様に影響を与える)変換機後部を作動させるので、遊技の進行に応じた演出効果を格段と向上させて遊技者の期待感をより一層高めることができる。このとき、変換機構部と変換部とを第1可動体と第2可動体とに分けて配設したことにより、第1可動体に変換機構部と変換部との両方を設ける場合に比べて、第1可動体における可動負荷を大幅に軽減することができる。
また、変換機構部(扉可動アーム708)は、外部から与えられる押圧力を入力する押圧受部(押圧受部708a)と、該押圧受部が押圧力を入力することで作動して可動部材(隠蔽扉706)を第1状態から第2状態に状態変換させるリンク部(係合長孔708b、軸受部708c、フック部708d及び付勢バネ740)と、を有し、変換部(押圧片609)は、第1可動体(上部可動部702)と第2可動体(下部可動部602)との合体動作時に、押圧受部を押圧することでリンク部を作動させるようにしている。
したがって、可動部材を状態変換(変換動作)させるための専用の駆動源を設けることを省くことができ、安価で高度な演出表現を行うことが可能となる。
また、第1可動体(上部可動部702)には、所定の遊技演出を実行することが可能な第1演出部(第1演出部720)を備え、可動部材(隠蔽扉706)は、第1状態において第1演出部を隠蔽し、第2状態において第1演出部の隠蔽を解除するようにしている。
したがって、第1可動体と第2可動体との合体動作時に第1可動体に設けられる第1演出部が、可動部材の第1状態から第2状態への状態変換において当該可動部材による隠蔽を解除されるため、第1演出部を露出させて遊技演出を実行可能とするので、第1可動体と第2可動体との合体動作時の演出効果を効率的に向上させることが可能となる。
また、可動部材(隠蔽扉706)は、第1状態から第2状態への状態変換時に第2可動体(下部可動部602)側に移動するよう動作し、第2可動体には、第1状態から第2状態への状態変換に伴い移動した可動部材が合体する(挿入される)合体受部(扉導入開口608)を設けている。
したがって、第1可動体と第2可動体との合体動作時における可動部材の第1状態から第2状態への状態変換において、第1可動体に設けた可動部材が第2可動体に設けた合体受部に合体(挿入)するため、第1可動体と第2可動体との合体動作に加えて、当該合体動作の動作態様をより興趣に富んだものとすることが可能となる。
また、第2可動体(下部可動部602)には、所定の遊技演出を実行することが可能な第2演出部(第1偏光板620、第2偏光板621)を合体受部(扉導入開口608)に対応して配設し、第2演出部は、可動部材(隠蔽扉706)が第1状態から第2状態に状態変換して合体受部に合体した(挿入された)場合に、当該可動部材により隠蔽されるようにしている。
したがって、第2可動体の合体受部に対応して配設した第2演出部は、可動部材が第1状態から第2状態への状態変換時に合体受部に合体(挿入)することで隠蔽されるため、可動部材の動作状態により第2演出部を隠蔽したり、当該隠蔽を解除したりすることができるので、第1可動体と第2可動体との合体動作時の演出効果を一段と効果的に向上させることができる。
また、第1演出部(第1演出部720)は、端面から入射した光を屈曲させて第1識別子(「熱い!!」)を表示させることが可能な透明な第1導光板(第1導光板721)と、第1導光板の端面に対峙して配置され、当該第1導光板に光を入射させる第1発光部(第1導光板用LED基板723a)と、第1導光板に重合配置され、端面から入射した光を屈曲させて第2識別子(「激熱!!」)を表示させることが可能な透明な第2導光板(第2導光板722)と、第2導光板の端面に対峙して配置され、当該第2導光板に光を入射させる第2発光部(第2導光板用LED基板723b)と、を備え、第1導光板への光の入射方向と、第2導光板への光の入射方向と、が異なるように、第1発光部と第2発光部とを配置し、第1導光板には、第2発光部と対峙する部分に当該第2発光部が照射する光の入射を規制する第1入射規制部(受光規制部721a)を設け、第2導光板には、第1発光部と対峙する部分に当該第1発光部が照射する光の入射を規制する第2入射規制部(受光規制部722a)を設けている。
したがって、第1演出部に第1導光板と第2導光板とを重合配置するため、第1演出部の省スペース化を図ることができる。また、第1入射規制部と第2入射規制部とによって、第1導光板と第2導光板とに入射される光が、対応する第1発光部または第2発光部のいずれか一方に規制されるため、第1識別子と第2識別子とを個別に表示させることができる。
また、遊技の進行に応じた遊技画像を表示することが可能な画像表示装置(表示装置41)を備え、第1演出部(第1演出部720)は、可動部材(隠蔽扉706)の第1状態から第2状態への状態変換時に画像表示装置の前方に位置し、第1導光板(第1導光板721)及び第2導光板(第2導光板722)を介して遊技画像を透視可能とするようにしている。
したがって、第1演出部において第1識別子または第2識別子の表示の他に、遊技画像による演出を行うことも可能(換言すれば、第1演出部においては、第1識別子の表示、第2識別子の表示及び画像表示装置における遊技画像を透視させる、という3つの演出パターンで演出可能)となり、遊技者に対し興趣に富んだ演出を提供することができる。
因みに、上述した実施形態においては、第1演出部720に第1導光板721と第2導光板722とを配設する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1偏光板620や第2偏光板621のような偏光板や、専用の駆動源の駆動力や押圧片による押圧力を受けて動作可能な可動部材等を設けるようにしても良い。この場合、可動部材は、上述した隠蔽扉(遮蔽扉)706とは異なり、当該隠蔽扉706によって隠蔽された状態で上部可動部702が合体動作することにより、該隠蔽された状態を解除されて露出するように配設され、このように露出した際に所定の動作を実行するようなものであることが好ましい。また、第1可動体と第2可動体の一方のみを動作させて合体動作を行わせるようにしても良い。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。