実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、表示ユニット550が設けられている。また、表示ユニット550内には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の左上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。また、例えば、1つのLEDを用いて、点灯している場合には大当り図柄が停止表示されたことを表し、消灯している場合には大当り図柄が停止表示されなかったことを表すようにしてもよい。また、例えば、1つのフルカラーLEDを用いて、赤色に点灯している場合には大当り図柄が停止表示されたことを表し、青色に点灯している場合には大当り図柄が停止表示されなかったことを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、後述する所定演出を実行する所定演出実行エリア9Fが設けられている。
遊技盤6における右側方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの近傍には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の右側(演出表示装置9の下方右側)には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の左側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、例えば、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタンが設けられている。また、例えば、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、例えば、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられている。また、スティックコントローラ122には、例えば、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータが内蔵されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなるように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。なお、この実施の形態では、大当りとなった場合には必ず確変状態に移行されるのであるが、大当りとなった場合に、確変状態以外にいわゆる時短状態に移行される場合もあるように遊技機を構成してもよい。この場合、時短状態においても高ベース状態に移行されるようにしてもよい。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図1に示すように、第1始動入賞口13が演出表示装置9の下方に設けられているのに対して、第2始動入賞口14が演出表示装置9の下方右側に設けられており、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態(例えば、通常状態)では、第1始動入賞口13に入賞させるために、図1の矢印Aで示されるルートに遊技球を打ち出すことが望ましい。
一方、上述の高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる。従って、高ベース状態である場合には、第2始動入賞口14に入賞させるために、図1の矢印Aで示されるルートではなく、矢印Bで示されるルートに遊技球を打ち出すことが望ましい。以下、矢印Bで示されるルートに遊技球を打ち出すことを右打ちという。
また、この実施の形態では、図1に示すように、大入賞口が演出表示装置9の下方右側に設けられ、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。従って、大当り遊技状態である場合にも、矢印Bで示されるルートに遊技球を打ち出すことが望ましいため、例えば、右打ちを指示する画像を演出表示装置9に表示する操作指示演出が行われる。このように高ベース状態や大当り遊技状態である場合に操作指示演出が行われることによって、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
次に、表示ユニット550の構造について説明する。図2は、(a)は表示ユニットを斜め前方から見た状態を示す斜視図、(b)は斜め後方から見た状態を示す斜視図である。図3は、表示ユニットの内部構造を示す分解斜視図である。図4は、(a)は前導光板、(b)は後導光板、(c)はドットパターンを示す要部拡大図、(d)はドットパターンを示す拡大断面図である。図5は、上フレームの内部構造を示す分解斜視図である。図6は、(a)は集光レンズの平面図、(b)は集光レンズの正面図、(c)は(a)のA−A断面図、(d)は(a)のB−B断面図である。図7は、(a)は上フレームを示す要部拡大平面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は(a)のD−D断面図である。図8は、表示ユニットを示す縦断面図である。
なお、以下の説明においては、表示ユニット550を遊技機1の正面から見た場合を規準として上下左右方向を説明することとする。
図2及び図3に示すように、表示ユニット550は、演出表示装置9と、演出表示装置9の前面側に配置された表示装置500と、が一体的に組み付けられてなる。演出表示装置9は、左右側辺に遊技機1に取り付けるための取付金具501a、501bが設けられた取付部材502の前面に取り付けられている。表示装置500は、演出表示装置9の表示領域の前面側を覆うように配置された状態で、上辺及び下辺から背面側に向けて突設された係止爪503a〜503cを介して取付部材502に係止されている。
表示装置500は、光を透過可能な透光性を有する前導光板505a及び後導光板505bからなる導光板505と、該導光板505の端面に光を入射可能に設けられる発光体としての表示用LED62a,62b(図5参照)と、導光板505に所定の表示情報を表す態様にて設けられ、導光板505の端面から内部に入射された表示用LED62a,62bからの入射光を誘導して前面から出射させることで表示情報を表示する反射部510a〜510c、511a〜511c(図4参照)と、導光板505と表示用LED62a,62bとの間に配置され、該表示用LED62a,62bからの入射光を導光板505側に誘導しながら板厚方向に集光して該導光板505の端面に向けて出射する前レンズ507a及び後レンズ507bからなる集光レンズ507(図5参照)と、非透光性を有する合成樹脂材により四角枠状に形成されたフレーム枠体504と、から主に構成されている。なお、前導光板505a及び後導光板505bからなる導光板505は、詳しくは後述するが、フレーム枠体504とともに、モータが駆動することにより可動可能である。
フレーム枠体504は、左フレーム504a及び右フレーム504bと、これら左フレーム504a及び右フレーム504bの下端間を連結する下フレーム504c及び上端間を連結する上フレーム504dと、により四角枠状に形成されている。左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cは一体化され上向きコ字形に形成されているとともに、上フレーム504dは、左フレーム504a及び右フレーム504bの上端にネジN1により着脱可能に取り付けられ、上辺を開放可能に設けられている。
左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cの内側面には、前導光板505aが差し込まれる差込溝508aと、後導光板505bが差し込まれる差込溝508bと、が長手方向にわたり連続して、かつ平行に形成されており、図3に示すように上フレーム504dを取り外すことで、導光板505を上方から差込溝508a、508b内に差し込み及び上方に抜き取り可能とされている。
このように導光板505を左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cから取り外し可能に設けることで、導光板505を容易に交換することができるため、例えば表面が汚れたり傷付いたり、あるいは表示情報が異なる他の導光板505へ交換する場合において、導光板505のみを容易に交換することができる。
前導光板505a及び後導光板505bは、所定の前後幅寸法L3{板厚(例えば、5mm)}を有するアクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂板により正面視横長長方形状に形成されている。なお、導光板505は、透光性を有していれば必ずしも透明でなくても良く、例えば着色されていても良いし、半透明とされていても良い。
前導光板505aの背面505Bには、表示用LED62aからの光を反射して前面505Fから出射させるための反射部510a〜510cが形成されている。また、後導光板505bの背面505Bには、表示用LED62bからの光を反射して前面505Fから出射させるための反射部511a〜511iが形成されている。反射部511d〜511iは、511a〜511cの周りを取り囲むように形成されている。よって、これら反射部510aと511a、510bと511b、510cと511cとは、前導光板505aと後導光板505bとがフレーム枠体504に差し込まれた状態で前後に重畳する位置に配置される。
これら反射部510a〜510c、511a〜511iは、図4に示すように、導光板505内を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。具体的には、スタンパーやインジェクションにより導光板505の背面505Bに凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成してもよい。
なお、本実施例では、導光板505の背面505Bにおける反射部510a〜510c、511a〜511iを光の進行方向の断面視が略三角波形状の凹凸部としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら反射部510a〜510c、511a〜511cの断面形状を略半円形状等、光を前面505Fに向けて反射可能な反射面を構成するものであれば種々に変形可能である。
また、本実施例では、導光板505により表示可能とする表示情報として、文字や絵柄、記号、図柄の他、模様等の装飾も含む表示情報が表示可能である。以下、導光板505により文字や絵柄を表示する演出を導光板演出という。導光板演出は、例えば、スーパーリーチ時や、大当り図柄が停止表示された時、大当り遊技状態中、大当り遊技後の高ベース状態中などの他に特別図柄変動中の任意のタイミングで実行される。なお、本実施の形態では、上述したように導光板505は可動可能であり、詳しくは後述するが、導光板演出が実行されるとともに、当該導光板505が導光板505の中心位置を中心として回転方向に可動することがある。
図5及び図7に示すように、上フレーム504cには、左右方向に延設されるとともに上下方向に貫通される前後一対のレンズ溝512a、512bが形成されている。レンズ溝512a、512bは、中央の壁部513を挟んで前後に隔てて並設され、上方から下方に向けて漸次前後幅寸法が小さくなるようにテーパ状に形成されている。また、壁部513の左右端部には、レンズ溝512a、512bそれぞれに臨む前後一対の係止爪517a、517bが設けられており、レンズ溝512a、512bに嵌合された集光レンズ507の上端を係止して、上方への移動を規制するようになっている。
また、上フレーム504cの上面開口には、表示用LED62a、62bが下面に設けられたLED基板514が嵌合可能な凹状の基板配置部515が形成されている。この基板配置部515に、LED基板514を配置することで、前後のレンズ溝512a、512bの上面開口に表示用LED62a、62bが対向して配置され、その左右端部に取り付けたネジN2をネジ穴516a、516bに螺入することでLED基板514を固定できるようになっている。
図5及び図6に示すように、前レンズ507a及び後レンズ507bは、アクリルまたはポリカーボネート等の透光性を有する合成樹脂材により横長板状に形成され、導光板505の上端面505Hに沿うように延設され、導光板505の上端面505Hと表示用LED62a、62bとの間に配設される。
具体的には、前レンズ507a及び後レンズ507bの下辺部には、正面視で下向きに膨出する略半円形状の複数の凸部518が長手方向に複数連続して並設されている。各凸部518は、表示用LED62a、62b各々に対応して1つずつ形成され、各凸部518の先端面、つまり前レンズ507a及び後レンズ507bにおいて導光板505の上端面505Hに対向する下端面507L(出射面)は、複数の湾曲面(レンズ面)を構成している。
なお、複数の凸部518は表示用LEDに一対一に対応するものに限らず、例えば2以上のLED(発光体)に対応する凸部518(レンズ面)が複数設けられていてもよい。また、前レンズ507a及び後レンズ507bは複数の凸部518が一体に設けられた単一の部材にて構成されていたが、上端面505Hに沿って複数並設される表示用LED62a、62b各々に対応して、互いに別個に形成された複数の集光レンズを配設してもよい。
前レンズ507a及び後レンズ507bの上辺部には、正面視で上向きに僅かに膨出する湾曲形状の膨出部519が長手方向に複数連続して形成されている。各膨出部519は、表示用LED62a、62b各々に対応して1つずつ形成され、各膨出部519の先端面、つまり前レンズ507a及び後レンズ507bにおいて表示用LED62a、62bに対向する上端面507H(入射面)は、複数の湾曲面(レンズ面)を構成している。なお、湾曲状の上端面507Hは、湾曲状の下端面507Lに比べて曲率は小さく、僅かに膨出する程度に形成されている。
また、前レンズ507a及び後レンズ507bの下端面507Lにおける最下位部の前後幅寸法L1(板厚)は、上端面507Hの最上位部の前後幅寸法L2(板厚)よりも短寸とされている(L1<L2)。また、下端面507Lの前後幅寸法L1は、導光板505の前後幅寸法L3とほぼ同寸とされ(L1≒L3)、上端面507Hの前後幅寸法L2は、表示用LED62a、62bの発光面62cの前後幅寸法L4とほぼ同寸に形成されている。
そして、前面507Fは、上端面507Hから下端面507Lに向けて漸次後側に傾斜する平坦な傾斜面を構成し、背面507Bは、上端面507Hから下端面507Lに向けて漸次前側に傾斜する平坦な傾斜面を構成している。つまり、前面507F及び背面507Bは、上端面507Hから下端面507Lに向けて漸次互いに近づく方向に傾斜する傾斜面を構成しているため、前レンズ507a及び後レンズ507bは、上端面507Hから下端面507Lに向けて漸次板厚が薄くなる縦断面視略逆ハの字状に形成されている。よって、前レンズ507a及び後レンズ507bの下端面507Lの前後幅寸法(板厚)は、各凸部518における最下位部に近づくにつれて短寸となり、最下位部において前後幅寸法L1が最小となる。尚、本実施例では、上端面507Hと傾斜面との間に互いに平行をなす短寸の非傾斜面507Fa、507Bbが設けられている。
前レンズ507a及び後レンズ507bの左右端部にはフック片520a、520bが形成されており、上フレーム504d内に設けられたリブ(図示略)に上方から係止され、レンズ溝512a、512b内に保持されるようになっている。図7に示すように、このように構成された前レンズ507a及び後レンズ507bは、上フレーム504dの上面開口から前後のレンズ溝512a、512b内に上方から差し込まれる。そして、上端面507Hがレンズ溝512a、512bの上面開口とほぼ同高さ位置に位置するまで差し込まれ、フック片520a、520bがリブ(図示略)に係止された状態において、下端面507Lはレンズ溝512a、512bの下面開口よりもやや上方位置に位置し、レンズ溝512a、512b内下部に、導光板505が差し込まれる凹溝部が形成されるようになっている。
実際には、上フレーム504dを左フレーム504a及び右フレーム504bの上端間に連結したときに、前導光板505a及び後導光板505bがレンズ溝512a、512b内下部に差し込まれる。このように、前導光板505a及び後導光板505bがレンズ溝512a、512b内下部に差し込まれることで、前導光板505a及び後導光板505bの上端面505Hと、前レンズ507a及び後レンズ507bの下端面507Lとは、レンズ溝512a、512b内にて所定の隙間を隔てて対峙する。このように前導光板505a及び後導光板505bがレンズ溝512a、512b内下部に嵌合されることで、上端面505Hと下端面507Lとの前後方向の位置ずれが防止される。
また、特に図7(c)に示すように、凸部518により下端面507Lが湾曲面にて形成されていることで、下端面507Lと上端面505Hとの間に空間部が形成されるが、レンズ溝512a、512bを構成する上フレーム504dの非透光性壁面によりこの空間部が密封されることで、下端面507Lから出射される光が周囲に漏出することなく上端面505Hに入射される。なお、この実施の形態で示す例に限らず、同じ効果を得るために、例えば、上端面507Hや上端面505Hが、凹面となるように形成されていたり、ローレット形状に加工されていてもよい。
図8に示すように、このように構成された表示装置500は、演出表示装置9の前面側に組み付けられる(図2参照)。前面側に組み付けられた状態において、フレーム枠体504により演出表示装置9の表示領域の周囲が囲まれるとともに、前後一対の導光板507により演出表示装置9の表示領域が全て覆われる。
また、後導光板505bは、演出表示装置9の表示領域に対して所定の隙間(例えば、約20mm)を隔てて前面側に配置され、前導光板505aは、後導光板505bに対して所定の隙間(例えば、約15mm)を隔てて前面側に配置される。尚、この隙間幅は種々に変更可能である。また、前導光板505aと後導光板505bとを互いに当接させた状態で配置してもよい。
また、演出表示装置9と表示装置500とは別個に構成され、互いに着脱可能に組み付けられて一体化できるようになっていることで、演出表示装置9と表示装置500とを一体化した状態で遊技機1に組み付けたり取り外したりすることができるため、作業性が向上するばかりか、遊技機1への組み付け時に演出表示装置9と表示装置500との相対位置にずれなどが生じることがない。
また、演出表示装置9と前後の導光板507及び表示用LED62a、62bの交換作業等を互いに分離した状態で別個に行うことができるため、交換作業が容易になる。さらに表示装置500は、導光板505、LED基板514、集光レンズ507などがフレーム枠体504を介して一体化されていることで、演出表示装置9から分離しても各部材の相対位置関係が変わることがないため、作業性が向上するとともに、交換による取り外しにより各部材の相対位置関係が変化して発光表示に悪影響が及ぶことがない。
表示装置500は、集光レンズ507、LED基板514、導光板505がフレーム枠体504に一体に組み付けられた状態において、前導光板505aの上辺に沿って前レンズ507aが配設され、前レンズ507aの上方位置に複数の表示用LED62aが長手方向に並設されるとともに、後導光板505bの上辺に沿って後レンズ507bが配設され、後レンズ507bの上方位置に複数の表示用LED62bが長手方向に並設される。つまり、導光板505と表示用LED62a、62bとの間に集光レンズ507が配設される。
具体的には、集光レンズ507は、下端面507Lが導光板505の上端面505Hに対向し、上端面507Hが各表示用LED62a、62bの発光面62cに対向する。また、各表示用LED62a、62bは、各凸部518に対応する個々の上端面507H及び下端面507Lの左右方向の略中央位置に配置される。
そして、上端面507Hの前後幅寸法L2と発光面62cの前後幅寸法L4とはほぼ同寸であり(L2≒L4)、発光面62cと上端面507Hとの前後方向のずれはないことで、発光面62cからの出射光は前後方向に拡散されることなく上端面507Hに入射される。また、上端面505Hの前後幅寸法L3は下端面507Lの最下位部付近の前後幅寸法L1とほぼ同寸であり(L3≒L1)、上端面505Hと下端面507Lとの前後方向のずれはないことで、下端面507Lからの出射光は前後方向に拡散されることなく上端面505Hに入射される。
また、下端面507Lの最下位部と上端面505Hとの間及び上端面507Hと表示用LED62a,62bの発光面62cとの間には、所定の隙間(例えば、約1〜3mm程度)が設けられる。これにより、遊技機の輸送や使用の際に生じる振動により集光レンズ507や導光板505に傷が付くことが防止されている。
次に、表示用LED62a,62bからの出射光の導光状態について説明する。
各表示用LED62a,62bから出射された出射光は、集光レンズ507の上端面507H内に入射される。ここで、上端面507Hの前後幅寸法L2と発光面62cの前後幅寸法L4とはほぼ同寸であるため(L2≒L4)、各表示用LED62a,62bからの出射光は、前後方向に拡散せずにほぼ上端面507H内に入射される。また、上端面507Hの左右幅は発光面62cの左右幅よりも長寸であるため、左右方向に拡散される光もほぼ上端面507H内に入射される。
上端面507Hから集光レンズ507内に入射された入射光は、下方の導光板505に向けて誘導される。LEDの光は指向性が高いが、レンズ面をなすように湾曲状に形成された上端面507Hを通して入射されることで、入射光は左右方向に放射状に拡散される。そして、同じように湾曲状のレンズ面として形成された下端面507Lを通過する際に鉛直下方に向けて屈折して出射されるようになっている。
これにより、指向性が高い表示用LED62a,62bからの出射光を、集光レンズ507によりある程度左右方向に放射状に拡散させて発光領域を広げることが可能となるとともに、下端面507Lにおける左右方向の異なる位置から出射される光は鉛直下方に導光されて放射状に拡がることはないので、各表示用LED62a,62bに対応する鉛直下方領域のみを部分的に発光させることが可能となる。
また、上端面507Hから集光レンズ507内に入射された入射光は、下方の導光板505に向けて誘導されながら、前後(板厚)方向に全反射を繰り返し、該前後方向の略中央位置に向けて集光され、最終的に上端面507Hよりも前後幅が短い下端面507Lから出射される。
このように、表示用LED62a,62bからの光を前後幅(板厚)方向に拡散させることなく集光して導光板505の上端面505Hに導くことができるため、光の減衰が抑制される。特に、表示用LED62a,62bの発光面62cの前後幅寸法L4が、上端面505Hの前後幅寸法L3よりも大きい場合(L4>L3)であっても、表示用LED62a,62bからの光を前後幅(板厚)方向に拡散させることなく導光板505の上端面505Hに導くことができるため、表示用LED62a,62bからの光が周囲に拡散されることが防止される。
また、例えば表示用LED62a,62bが前後幅方向に複数配置される場合でも、上端面507Hの前後幅寸法L2を表示用LED62a,62bに応じて拡げ、これにより出射光を周囲に拡散させずに上端面507Hに入射させることができる。よって、導光板505の前後幅寸法L3(板厚)よりも表示用LED62a,62bの発光領域の前後幅寸法が大きい場合でも、表示用LED62a,62bからの出射光を誘導しながら板厚方向に集光して導光板505内に入射させることができる。
下端面507Lから出射された光は、導光板505の上端面505Hに入射され、前後面により全反射を繰り返しながら下方に誘導されていく。そして、反射部510a〜510c、511a〜511iに到達したときに、凹部により形成された反射面にて入射光が前面側に向けて反射されることで、遊技者からは、それぞれの反射部510a〜510c、511a〜511iに対応する箇所が反射光により発光されることで、所定の文字やキャラクタ等の表示情報が表示されるようになる。
図9は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図9は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、前導光板505aに対応する表示用LED62a、後導光板505bに対応する表示用LED62b、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図10は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図10に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図12には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。なお、出力ポート571は、図11に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78(図示せず)を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、導光板505を可動させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、前導光板505aに対応する表示用LED62aや、後導光板505bに対応する表示用LED62bなどに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図11は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図20参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図14に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための異常入賞報知処理を行う(ステップS21a)。また、CPU56は、入力ポートの入力データに変化が生じたときに、入力ポートの入力データを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する入力ポートデータ確認処理を実行する(ステップS21b)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、ステップS27の普通図柄プロセス処理では、ゲート32への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じであり、これによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態で示すように大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。ただし、この実施の形態では、後述するように、大当り遊技終了後71回目の変動表示の際に高確率/低ベース状態とするときにスーパーリーチとなる割合を高めているのであるが、このように高確率/低ベース状態となる突然確変大当りを設けるように構成する場合には、突然確変大当りによる大当り遊技を終了した後、71回転目の変動表示を終了するまで全ての変動表示において高確率/低ベース状態に制御された状態となるので、確変状態を終了するまでのての変動表示においてスーパーリーチとなる割合が高くなってしまう。従って、高確率/低ベース状態となる突然確変大当りを設けるように構成する場合には、高確率/低ベース状態であるときにスーパーリーチとなる割合を必ず毎回高めるのではなく、スーパーリーチとなる割合を高めるときと高めない(通常の割合のまま)ときとを設けるようにしてもよい。また、例えば、遊技状態を見るのではなく、大当り遊技後の変動表示の回数をカウントし、71回目の変動表示となったときにのみ、スーパーリーチとなる割合を高めるようにしてもよい。
図13は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図13に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合や「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして各種の変動パターンが用意されている。図13に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、各種の変動パターンが用意されている。なお、図15において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。
なお、この実施の形態では、図15に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい(例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるなど)。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図14は、各乱数を示す説明図である。ランダム1(MR1)は、大当りの種類(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)ための乱数であり、ランダム2(MR2)は、変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)ための乱数であり、ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)ための乱数であり、ランダム4(MR4)は、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)ための乱数であり、ランダム5(MR5)は、ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)するための乱数である。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、ランダム2を用いて変動パターン種別を決定し、その後ランダム3を用いて決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定するといった、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化(例えば、リーチの種類や擬似連の再変動回数でグループ化)したものである。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別と、に種別分けされている。
図12に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図15(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
なお、この実施の形態では、確変状態には、大当り抽選において大当りと決定される確率を高めた高確率状態に移行されるとともに、高ベース状態にも移行された状態である場合と、高確率状態にのみ移行され高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)状態である場合との2つのケースがあるが、いずれのケースの場合であっても、確変状態である場合には確変時大当り判定テーブルが用いられ、それ以外の場合に通常時大当り判定テーブルが用いられる。なお、後述するように、この実施の形態では、大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を71回終了するまで確変状態が継続する。ただし、高ベース状態は、大当り終了後、変動表示を70回終了したときに終了して低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を71回終了するまで継続される。
図15(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図17(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図17(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図17(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図17(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図15(B),(C)に示すように、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図15(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図15(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図15(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図15(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの確変大当り「15R確変大当り」、10ラウンドの確変大当り「10R確変大当り」および2ラウンドの確変大当り「2R確変大当り」とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図15(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、10ラウンドおよび2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。また、この実施の形態では、いずれの大当りも大当り遊技状態が終了した後に高確率状態に移行する確変大当りであるが、例えば、大当り遊技状態が終了した後も通常状態のまま高確率状態に移行しない通常大当りが大当り種別として設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が4種類である場合を示しているが、4種類にかぎらず、例えば、5種類以上の大当り種別を設けるようにしても、逆に、大当り種別が4種類よりも少なくてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りであり、「10R確変大当り」とは、10ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S169参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S169参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態が終了し(ステップS169,S144参照)、変動表示を71回終了すると高確率状態が終了する(ステップS167,S140参照)。
なお、「2R確変大当り」は、後述する「突然確変大当り」と同様に大入賞口の開放回数が2回(2ラウンド)のみ許容される大当りであるが、「突然確変大当り」と異なり、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長い(この実施の形態では29秒)。従って、後述する「突然確変大当り」の場合には、大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することは殆ど期待できないのであるが、「2R確変大当り」となった場合には、大入賞口の開放回数は少ないものの大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することを期待することができる。
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」や「10R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S169参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態が終了し(ステップS169,S144参照)、変動表示を71回終了すると高確率状態が終了する(ステップS167,S140参照)。
なお、この実施の形態で示すように大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、この実施の形態のように大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。ただし、この実施の形態では、後述するように、大当り遊技終了後71回目の変動表示を実行するときにスーパーリーチとなる割合を高めているのであるが、小当りおよび高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるように構成する場合には、71回目の変動表示においてスーパーリーチとなる割合を必ず毎回高めるのではなく、スーパーリーチとなる割合を高めるときと高めない(通常の割合のまま)ときとを設けるようにし、突然確変大当り後の高確率状態において低確率/低ベース状態のときと同じ選択割合/選択方法で変動パターンを選択するように構成すればよい。そのように構成すれば、大当り終了後71回目の変動表示でスーパーリーチの出現率が永久的に高くなってしまう状態を防止することができる。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図16(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、複数の変動パターン種別のうちのいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図16(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りや10R確変大当り、2R確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図16(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図18(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図17(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。このうち、図17(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図17(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図17(C)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態(大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、図17(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態(大当り終了後、70回目の変動表示を終了してから71回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図17(C),(D)に示すように、この実施の形態では、確変状態である場合であっても、大当り終了後、最後の71回目の変動表示が行われる場合には、それ以前の70回目の変動表示が行われる場合までと比較して、スーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合が高い。そのようにすることによって、この実施の形態では、確変状態が終了する最後の変動表示では高い確率でスーパーリーチの変動表示を行うようにすることによって、確変状態終了時における遊技者の大当りに対する期待感を高めている。なお、最後の71回目の変動表示だけにかぎらず、例えば、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示にわたってスーパーリーチとなる割合を高めるなど、複数回の変動表示にわたって高い確率でスーパーリーチの変動表示を行うようにしてもよい。
なお、図17に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Dを用いる場合を示しているが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図17(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、複数の変動パターン種別のうちいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図17(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図17(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図17(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
図18(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
なお、図18(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図18(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図18(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。
図19は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図20および図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図31参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)また、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)また、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
図22は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
図23および図24は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図23および図24に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値に応じて、EXTデータに「00(H)」〜「07(H)」を設定した変動カテゴリ1〜7のいずれかのコマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図17(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図16(A)〜(D)や図17(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/低ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0B(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態や高確率/低ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値に応じて、EXTデータに「10(H)」〜「12(H)」を設定した変動カテゴリ21〜23コマンドを送信する。また、例えば、始動入賞時に、「15R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値に応じて、EXTデータに「13(H)」〜「15(H)」を設定した変動カテゴリ24〜26コマンドを送信する。また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値に応じて、EXTデータに「16(H)」または「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図16、図17参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して、所定予告演出として、後述する保留予告演出が実行される。なお、「所定予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。
なお、この実施の形態では、高ベース状態であるときに第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合を除いて(ステップS1215A,S1216A参照)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図22に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図23および図24に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図20および図21に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図20および図21に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図25および図26は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図20参照)を送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)や高確率回数カウンタに所定回数(例えば71回)ををセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図27は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図27(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図27(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図27(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否かを確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図28参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
図28は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図28に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1215A)。セットされていれば、そのままステップS1220Aに移行する。高ベースフラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままステップS1220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
なお、ステップS1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。また、この実施の形態では、ステップS1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、ステップS1215AまたはステップS1216AでYと判定したことによりステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が低ベース状態である場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS1217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS1217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。
次に、図27(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS12101B)。高ベースフラグがセットされていなければ、第2始動口への不正入賞と判断して、該当する入力ポートの入力データを更新し(ステップS12102B)、第2始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、ステップS12102Bにおいて第2始動口への不正入賞を示す入力ポートの入力データが更新されると、図12の入力ポートデータ確認処理(ステップS21a)で入力ポートの入力データが更新されたことが確認され、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)で、第2始動口への不正入賞を示す入力ポートデータ指定コマンドが送信される。
また、高ベースフラグがセットされていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否かを確認する(ステップS1211B)。そして、第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第2始動口スイッチ通過処理を終了する。第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図28参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1217B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
なお、ステップS1218B,S1219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1215Aと同様の処理を行い、高ベース状態であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、低ベース状態である場合にのみステップS1217Bの入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1216Aと同様の処理を行い、大当り遊技中であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。
図29は、ステップS1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図15(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図15(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図15(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図15(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図15(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを判定する。なお、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図23および図24に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図23参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図23参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/低ベース状態であると判定した場合には閾値79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図23参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(図23参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値に応じて、EXTデータに「00(H)」〜「07(H)」を設定した変動カテゴリ1〜7のいずれかのコマンドを送信する(図23参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。なお、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図24参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図15(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図15(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「10R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「10R確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)(図24参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図16、図17参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する保留予告演出を実行するようにしてもよい。
図30および図31は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図29に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグのみがセットされ、高ベースフラグがセットされていない場合には、高確率低ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図15(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では71回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図15(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図15(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図15(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。そして、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「2R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「10R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図32は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図16(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図16(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、高ベースフラグは、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
高ベースフラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS96)。高確率フラグもセットされていなければ(ステップS96のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS97)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS97のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図17(A)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。一方、合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS97のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図17(B)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
高確率フラグがセットされている場合(ステップS96のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/低ベース状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図17(D)参照)を選択する(ステップS100)。そして、ステップS102に移行する。高ベースフラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(この実施の形態では、低確率/高ベース状態に制御されることはないので、高ベースフラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図17(C)参照)を選択する(ステップS101)。そして、ステップS102に移行する。なお、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S98、S99、S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図18参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図19参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。なお、はずれと決定されている場合、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、高確率状態であることを示す高確率フラグ、および高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「15R確変大当り」の場合には15回。「10R確変大当り」の場合には10回。「2R確変大当り」または「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。この場合、突然確変大当りの場合と2R確変大当りの場合とでは、ラウンド回数として同じ2回がセットされるものの、異なるラウンド時間が設定される。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、2R確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。なお、15R確変大当りや10R確変大当りの場合にも、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS137)。高確率フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態(高確率/高ベース状態または高確率/低ベース状態)である場合には)、高確率状態における特別図柄の変動可能回数を示す高確率回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の高確率回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、高確率フラグをリセットする(ステップS140)。高確率フラグがセットされていなければ、ステップS141に移行する。
次いで、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。高ベースフラグがセットされている場合には(すなわち、高確率/高ベース状態である場合には)、高ベース状態における特別図柄の変動可能回数を示す高ベース回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の高ベース回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、高ベースフラグをリセットする(ステップS144)。そして、ステップS145に移行する。なお、高ベースフラグがセットされていなかった場合には、そのままステップS145に移行する。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS145)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS146)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS149)。小当りフラグもセットされていなければ(ステップS145のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図34は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図35は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図20および図21参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図36〜図36は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
図41は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図41に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、図27の第1始動口スイッチ通過処理のステップS1218A〜S1220Aおよび第2始動口スイッチ通過処理のステップS1218B〜S1220Bで示したように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドがセットで送信される。そのため、図41に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図41に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図41では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図41に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理のステップS6515で順次削除される。この場合、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先実行するので、まず、第2保留記憶を格納している格納領域5(第2保留記憶数加算指定コマンド(C100(H))が格納されている)の記憶内容が削除される。次いで、新たに第2保留記憶が発生しなければ、第1保留記憶のみが記憶されている状態となるので、次に演出図柄の変動表示を開始するタイミングで1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。なお、第1始動入賞口13への始動入賞時に受信したコマンドを格納する第1始動入賞時コマンド格納領域と、第2始動入賞口14への始動入賞時に受信したコマンドを格納する第2始動入賞時コマンド格納領域とを別々に設けるように構成してもよい。
また、図41に示す始動入賞時コマンド格納領域のうち、格納領域2については、コマンド受信を正常に行えず、変動カテゴリコマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図41に示す例では、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域2において、本来、変動カテゴリコマンドが格納されるべき2つ目の記憶領域の内容が「0000(H)」のままとなっている状態が示されている。また、この実施の形態では、後述するように、図41に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド)にもとづいて、保留予告演出処理(1)(ステップS800B参照)や保留予告演出処理(2)(ステップS660C,S662C参照)において保留予告演出の設定が行われるのであるが、始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド)の取りこぼしや不整合が発生した場合には、その始動入賞時のコマンドに対応する保留記憶の変動表示を消化するまで、保留予告演出が制限される。なお、以下、保留予告演出が制限される始動入賞時のコマンドの取りこぼしや不整合が発生した保留記憶を消化するまでの期間を保留予告制限期間ともいう。
また、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、所定演出の実行中である場合や、可動物予告演出の実行中である場合、スーパーリーチ演出の実行中である場合、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合にも、直ちに保留予告演出を開始しないようにし(この場合、後述するように、その後の保留記憶の消化時(保留表示のシフト時)に遡及的に保留予告演出が開始されうる)、保留予告演出が制限される。図41に示す例では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信したときに、所定演出の実行中、可動物予告演出の実行中、スーパーリーチ演出の実行中、第2保留記憶の存在、または第2特別図柄の変動表示中などの理由により、保留予告演出の判定を延期し保留予告演出を直ちに開始しないようにした場合には、その保留記憶に対応する格納領域(図41に示す例では、格納領域4)の判定延期情報の値が保留予告演出の判定を延期したことを示す「1」に設定される。
なお、この実施の形態において、「保留予告演出を制限する」とは、保留予告制限期間内に発生した始動入賞に対応する保留記憶に対して、全く保留予告演出の設定を行わず保留予告演出を実行しない概念と、保留予告演出の開始タイミングを遅らせる概念との両方を含む。さらに、「保留予告演出を制限する」という概念には、既に現在表示中である保留表示に対応する保留記憶に対して、遡及的に保留予告演出を実行することを禁止したり、保留予告演出の開始タイミングを遅らせたりすることも含まれる。
また、この実施の形態では、図41に示すように、始動入賞時コマンド格納領域に新たにコマンドが格納されると、その新たにコマンドが格納された格納領域の未判定情報が「1」に設定される。未判定情報とは、後述する保留予告演出処理(1)(ステップS800B参照)や保留表示復帰処理(ステップS8114参照)において、まだ未処理であることを示す情報である。未判定情報は、新たにコマンドを受信したときに「1」に設定され、その後、保留予告演出処理(1)(ステップS800B参照)でそのコマンドが処理され、または保留表示復帰処理(ステップS8114参照)でそのコマンドが処理されると、「0」にクリアされる。なお、この実施の形態では、未判定情報は、図柄指定コマンドの取りこぼしがなければ、ステップS652で図柄指定コマンドを格納するときに「1」に設定される。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図29参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS654)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に変動カテゴリコマンドや保留記憶数加算指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で変動カテゴリコマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納するとともに、その格納領域の未判定情報を「1」に設定する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS656A)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1保留記憶数加算指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS656B)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS658A)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2保留記憶数加算指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS658B)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS660A)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留表示を1つ消去し、その消去した第1保留記憶以降の残りの第1保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数表示を更新する(ステップS660B)。次いで、演出制御用CPU101は、保留予告演出処理(2)を実行する(ステップS660C)。
この実施の形態では、保留予告演出が実行される場合に、新たな始動入賞が発生して始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで、新たに表示する保留表示を通常態様とは異なる態様で表示して直ちに保留予告演出を開始する場合(保留予告演出(1))と、保留予告演出の判定が延期された後に、保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングで、その判定が延期された保留表示の表示態様を通常態様とは異なる態様に変更して遡及的に保留予告演出を開始する場合保留予告演出(2)とがある。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS662A)。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留表示を1つ消去し、その消去した第2保留記憶以降の残りの第2保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶表示部9aにおける第2保留記憶数表示を更新する(ステップS662B)。次いで、演出制御用CPU101は、保留予告演出処理(2)を実行する(ステップS662C)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数および第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数をクリアする(ステップS665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、第1保留記憶数および第2保留記憶数がともに0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する第1保留記憶数および第2保留記憶数をリセットする。ステップS665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で第1保留記憶数や第2保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った第1保留記憶数や第2保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって第1保留記憶数および第2保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS667)。この実施の形態では、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面に制御することを、演出モードAに制御するともいう。次いで、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が高確率状態であることを示す高確率状態フラグや、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをリセットする(ステップS668)。
また、受信した演出制御コマンドが高確率/高ベース状態背景指定コマンドであれば(ステップS669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/高ベース状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS670)。この実施の形態では、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/高ベース状態に応じた背景画面に制御することを、演出モードBに制御するともいう。次いで、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットするとともに高ベース状態フラグをセットする(ステップS671)。
また、受信した演出制御コマンドが高確率/低ベース状態背景指定コマンドであれば(ステップS672)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、橙色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS673)。この実施の形態では、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面に制御することを、演出モードCに制御するともいう。次いで、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットする(ステップS674)とともに、高ベース状態フラグをリセットする(ステップS675)。
この実施の形態では、演出モードに応じて、背景画面の表示色とともに第4図柄(第4図柄表示領域9c,9d)の表示位置が異なる。具体的には、演出モードAまたはCの場合と、演出モードBの場合とで、第4図柄の表示位置が異なる(詳細については後述する)。なお、例えば演出モードAの場合と、演出モードBまたはCの場合とで異なるように制御されてもよいし、演出モードに応じてそれぞれ異なるように制御されてもよい。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS678)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS679)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS680)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS682)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS683)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS684)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知フラグをセットするとともに、異常入賞報知演出を実行する(ステップS685)。演出制御用CPU101は、例えば、異常入賞が発生したことを示す画像を演出表示装置9に表示させる異常入賞報知演出を行う。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS684)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知フラグをセットするとともに、異常入賞報知演出を実行する(ステップS685)。演出制御用CPU101は、例えば、異常入賞が発生したことを示す画像を演出表示装置9に表示させる異常入賞報知演出を行う。また、演出制御用CPU101は、後導光板505bを照射して発光表示する制御が行われている場合には(ステップS686のY)、前導光板505aを照射して発光表示する制御に切り替える(ステップS687)。このように、異常入賞報知演出を実行する場合には、後導光板505bから前導光板505aに、照射する導光板を切り替えるように制御することで、異常入賞報知演出(例えば、演出表示装置9に表示される異常入賞が発生したことを示す画像)が視認しにくくなることを防ぐことができる。なお、異常入賞報知演出が実行されている場合に、演出表示装置9に表示される異常入賞が発生したことを示す画像と導光板505の発光表示とが重ならなければ、前導光板505aおよび後導光板505bをそれぞれ発光させてもよい。また、異常入賞報知演出が実行されている場合には、導光板505の発光を行わないようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが入力ポートデータ指定コマンドであれば(ステップS688)、演出制御用CPU101は、入力ポートデータ受信フラグをセットするとともに、コマンドによって示される入力ポートの入力データに対応する報知演出を実行する(ステップS689)。具体的には、図29のステップS12102A〜S12102Bにおいて、第2始動口への不正入賞と判断されて入力ポートの入力データが更新された場合には、演出制御用CPU101は、受信した入力ポートデータ指定コマンドに従って、例えば、第2始動口への不正入賞が発生したことを示す画像を演出表示装置9に表示させる報知演出を行う。また、演出制御用CPU101は、後導光板505bを照射して発光表示する制御が行われている場合には(ステップS690のY)、前導光板505aを照射して発光表示する制御に切り替える(ステップS687)。このように、報知演出を実行する場合には、後導光板505bから前導光板505aに照射する導光板を切り替えるように制御することで、報知演出が視認しにくくなることを防ぐことができる。なお、前導光板505aが照射されたときに形成される模様は、あらかじめ上述の異常入賞報知演出や入力ポートの入力データに対応する報知演出が行われている場合にも重ならないように形成されていることが望ましい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS692)。そして、ステップS611に移行する。
図42は、図36に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、所定演出の決定および実行を行う所定演出処理を実行する(ステップS800A)。
なお、「所定演出」とは、予告演出の1つであり、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御される可能性を報知する演出である。ステップS800Aの所定演出処理では、演出制御用CPU101は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した普通図柄の変動開始や変動表示結果を示すコマンドにもとづいて、普通図柄の変動表示結果が当り(可変入賞球装置15が開放状態となる)となるか否かを判定し、その判定結果にもとづいて所定演出の有無を決定したり所定演出を実行する制御を行う。この実施の形態では、具体的には、所定演出実行エリア9Fにおいて普通図柄の変動表示に対応してルーレットを回転させるような態様の演出を実行し、可変入賞球装置15が開放状態となる場合には所定演出実行エリア9Fに「○」の表示結果を停止表示し、可変入賞球装置15が開放状態とならない場合には所定演出実行エリア9Fに「×」の表示結果を停止表示するような態様の演出を行う。なお、所定演出では、リーチ演出が実行されるか否かや大当りとなる可能性を報知するようにしてもよい。この場合、例えば、所定演出の表示結果として「○」や「×」に代えて「チャンス」や「激熱」の表示結果を停止表示するようにしてもよい。また、例えば、「小」の表示結果を停止表示することによって小当りとなる可能性を報知するように構成してもよい。
また、演出制御用CPU101は、保留予告演出処理(1)を実行する(ステップS800B)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。なお、演出図柄変動開始処理には、導光板演出を実行するか否かを決定する処理が含まれている。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。なお、演出図柄変動中処理には、導光板演出の実行態様を保留表示や第4図柄の表示に応じて決定して当該導光板演出を実行する処理が含まれている。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、大当り中には遊技者に右打ちを促すための右打ち表示が行われる場合があり、当該右打ち表示が行われているか否かに応じて導光板演出の実行が制限される。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図43および図44は、保留予告演出処理(1)(ステップS800B)を示すフローチャートである。保留予告演出処理(1)(始動入賞が発生したタイミングで保留予告演出の決定および実行を行う処理)において、演出制御用CPU101は、まず、後述する保留表示を非表示状態とする非表示制御の実行中であることを示す保留非表示中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6000)。
なお、この実施の形態では、後述するように、可動物予告演出の実行中である場合やスーパーリーチ演出の実行中である場合に非表示制御が実行される。従って、ステップS6000の処理が実行されることによって、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、可動物予告演出やスーパーリーチ演出の実行中である場合には、保留予告演出の判定を延期し保留予告演出を直ちに開始しないようにし、保留予告演出が制限される。
保留非表示中フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。保留非表示中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、図41に示す始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域があるか否かを確認する(ステップS6001)。未判定情報が「1」となっている格納領域がなければ(ステップS6001のY)、そのまま処理を終了する。
未判定情報が「1」となっている格納領域があれば(ステップS6001のN)、演出制御用CPU101は、その未判定情報が「1」となっている格納領域に格納されているコマンドを処理対象とするとともに、保留予告制限期間であることを示す保留予告設定制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。保留予告設定制限フラグがセットされていれば、ステップS6018に移行する。保留予告設定制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の始動入賞時のコマンドの内容を確認し、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したか否かを確認する(ステップS6003)。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS6017に移行する。始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(ステップS6004)。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C400(H))が格納されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ12コマンドのいずれかが格納されている筈である(図22および図23参照)。それにもかかわらず、大当りや突然確変大当り、小当りに対応した変動カテゴリ21コマンド〜変動カテゴリ29コマンド(図24参照)が格納されていた場合には、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しておらず矛盾があると判断できる。
図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していないと判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS6017に移行する。ステップS6002〜S6004の処理が実行されることによって、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、始動入賞時のコマンドを受信できなかった場合や不整合が生じている状態である場合には、保留予告演出が制限される(この実施の形態では、保留予告演出の実行が禁止される)。
なお、この実施の形態では、ステップS6003〜S6004の判定処理のうちのいずれか1つでもNと判定した場合に、ステップS6017に移行して保留予告制限期間に移行する場合を示しているが、例えば、ステップS6003〜S6004の全ての判定処理においてNと判定されたことを条件に、ステップS6017に移行して保留予告制限期間に移行するようにしてもよい。また、プログラム上必ずしもステップS6003〜S6004の2つの判定処理を全て設けなくとも、ステップS6003〜S6004のうちのいずれか1つの判定処理のみを設けるようにプログラムを構成してもよい。
図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、所定演出の実行中であるか否かを確認する(ステップS6005)。なお、所定演出の実行中であるか否かは、例えば、ステップS800Aの所定演出処理において所定演出を実行する場合に所定演出実行中フラグをセットするようにしておき、ステップS6005において所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認することによって判定できる。所定演出の実行中である場合には、ステップS6021に移行する。
所定演出の実行中でない場合には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数の値(ステップS658B,S662A参照)が0となっているか否かを確認する(ステップS6006)。第2保留記憶数が0でなければ、ステップS6021に移行する。第2保留記憶数が0であれば、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動表示中であるか否かを確認する(ステップS6007)。なお、第2特別図柄の変動表示中であるか否かは、例えば、第2図柄変動指定コマンド受信フラグ(ステップS628参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄の変動表示中であれば、ステップS6021に移行する。
ステップS6005〜S6007の処理が実行されることによって、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、所定演出の実行中である場合や、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合には、保留予告演出の判定を延期し保留予告演出を直ちに開始しないようにし、保留予告演出が制限される。第2特別図柄の変動表示中でもなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(ステップS6008)。
図45は、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための保留予告決定テーブルの具体例を示す説明図である。図45に示すように、保留予告決定テーブルには、保留予告演出なし、保留予告演出(青)、保留予告演出(赤)、および保留予告演出(虹)に対して、それぞれ判定値が割り振られている。なお、この実施の形態では、通常の表示態様(保留予告演出を行わない場合の表示態様)で保留表示を表示する場合、その保留表示を緑色の丸形表示で表示するものとする。また、図示するように、この実施の形態における保留予告決定テーブルでは、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出が実行されうる。なお、上記以外の変動カテゴリとなる場合も保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、変動カテゴリコマンドにもとづいて大当りとなるか否かのみを特定し、その特定結果に従って保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
また、この実施の形態では、図45に示すように、保留予告演出(赤)および保留予告演出(虹)については、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りとなる場合にのみ判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、予告対象の保留表示が赤色もしくは虹色の丸形表示で表示される態様で保留予告演出が実行された場合には、スーパーリーチとなることが確定することになる。なお、保留予告演出(虹)の大当りに対する期待度(信頼度)が最も高く、その次に保留予告演出(赤)の大当りに対する期待度(信頼度)が高く、保留予告演出(青)の大当りに対する期待度(信頼度)が最も低くなるように判定値が割り振られている。
また、図45に示すように、この実施の形態では、1回の乱数を用いた抽選処理によって、保留予告演出の有無を決定するとともに保留予告演出の態様も一括して決定する場合を示しているが、保留予告演出の有無と保留予告演出の態様とを別々の乱数を用いた抽選処理によって2段階に決定するようにしてもよい。
なお、ステップS6008では、演出制御用CPU101は、大当り遊技中であるか否かも確認するようにし、大当り遊技中であれば、強制的に保留予告演出を実行しないように決定することが望ましい。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が大当り表示処理〜大当り終了演出処理を示す値(具体的には、4〜7)となっているか否かを確認することによって判定できる。なお、大当り遊技中であっても保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
いずれかの態様で保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6009のY)、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6010)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、決定した保留予告演出の態様で、第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留表示を1つ増加させる(ステップS6011)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、決定した保留予告演出の態様で、第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留表示を1つ増加させる(ステップS6012)。
保留予告演出を実行しないことに決定した場合(ステップS6009のN)には、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6013)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留表示を1つ増加させる(ステップS6014)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留表示を1つ増加させる(ステップS6015)。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の未判定情報をクリアし、未判定情報の値を0にする(ステップS6016)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS6001に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、未判定情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、ステップS6002以降の処理を繰り返し実行する。
ステップS6017では、演出制御用CPU101は、保留予告設定制限フラグをセットし(ステップS6017)、保留予告制限期間を開始する。次いで、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6018)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留表示を1つ増加させる(ステップS6019)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留表示を1つ増加させる(ステップS6020)。
なお、保留記憶数加算指定コマンドを取りこぼしたり正常に受信できなかった場合には、ステップS6019,S6020の処理をスキップして誤った保留表示を増加させないようにすることが望ましい。なお、保留記憶数加算指定コマンドを取りこぼしたり正常に受信できなかった場合に、デフォルトで第1保留表示を増加させたり第2保留表示を増加させたりするようにしてもよい。また、ステップS6019,S6020で通常の態様で保留表示を1増加した後も、演出制御用CPU101は、ステップS6001に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、未判定情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、ステップS6002以降の処理を繰り返し実行する。
ステップS6021では、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6021)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留表示を1つ増加させる(ステップS6022)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留表示を1つ増加させる(ステップS6023)。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の判定延期情報の値を1にセットする(ステップS6024)。なお、この場合、ステップS6024で判定延期情報がセットされたことにもとづいて、保留記憶を消化する(保留表示をシフトする)タイミングで、後述する保留予告演出処理(2)において判定が延期された保留記憶に対する保留予告演出の判定が行われ、遡及的に保留予告演出が開始される場合がある。
また、ステップ6026で判定延期情報をセットした後も、演出制御用CPU101は、ステップS6001に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、未判定情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、ステップS6002以降の処理を繰り返し実行する。
図46は、保留予告演出処理(2)(ステップS660C,S662C)を示すフローチャートである。保留予告演出処理(2)(保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングで保留予告演出の決定および実行を行う処理)において、演出制御用CPU101は、まず、保留予告設定制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6501)。保留予告設定制限フラグがセットされていなければ(すなわち、保留予告制限期間中でなければ)、ステップS6506に移行する。
保留予告設定制限フラグがセットされていれば(すなわち、保留予告制限期間中であれば)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドの内容を確認する(ステップS6502)。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞時のコマンドが格納されている全ての格納領域1〜8において、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信した格納状態となっているか否かを確認する(ステップS6503)。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していると判断した格納状態の格納領域がまだ残っている場合には、演出制御用CPU101は、そのまま処理を終了する。全ての格納領域1〜8において始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信した格納状態となっていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている全ての格納領域1〜8において、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(ステップS6504)。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C400(H))が格納されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ12コマンドのいずれかが格納されている筈である(図22および図23参照)。それにもかかわらず、大当りや突然確変大当り、小当りに対応した変動カテゴリ21コマンド〜変動カテゴリ29コマンド(図24参照)が格納されていた場合には、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しておらず矛盾がある格納状態の格納領域がまだ残っていると判断できる。
図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していない格納状態の格納領域がまだ残っていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、そのまま処理を終了する。全ての格納領域1〜8において図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合している格納状態となっていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、保留予告設定制限フラグをリセットする(ステップS6505)。すなわち、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8において、始動入賞時のコマンドを正常に受信した格納状態となっているので、保留予告制限期間の開始の契機となったコマンドの取りこぼしや不整合の生じた保留記憶が消化されたと判断し、保留予告設定制限フラグをリセットして、保留予告制限期間を終了する。
次いで、演出制御用CPU101は、図41に示す始動入賞時コマンド格納領域に判定延期情報が「1」となっている格納領域があるか否かを確認する(ステップS6506)。判定延期情報が「1」となっている格納領域がなければ(ステップS6506のY)、そのまま処理を終了する。判定延期情報が「1」となっている格納領域があれば(ステップS6506のN)、演出制御用CPU101は、その判定延期情報が「1」となっている格納領域に格納されているコマンドを処理対象とするとともに、所定演出の実行中であるか否かを確認する(ステップS6507)。なお、所定演出の実行中であるか否かは、例えば、ステップS800Aの所定演出処理において所定演出を実行する場合に所定演出実行中フラグをセットするようにしておき、ステップS6507において所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認することによって判定できる。所定演出の実行中である場合には、そのまま処理を終了する。
所定演出の実行中でない場合には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数の値(ステップS658B,S662A参照)が0となっているか否かを確認する(ステップS6508)。第2保留記憶数が0でなければ(すなわち、第2保留記憶がある場合には)、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第2保留記憶がなければ)、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動表示中であるか否かを確認する(ステップS6509)。なお、第2特別図柄の変動表示中であるか否かは、例えば、第2図柄変動指定コマンド受信フラグ(ステップS628参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄の変動表示中であれば、そのまま処理を終了する。
ステップS6507〜S6509の処理が実行されることによって、この実施の形態では、保留予告演出の判定を延期した後に保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングであっても、依然として所定演出の実行中である場合や、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合には、さらに保留予告演出の判定を延期し、保留予告演出が制限される。なお、この実施の形態では、保留予告演出処理(2)が実行されるのは、演出図柄の変動表示の開始時に保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングであるので、可動物予告演出やスーパーリーチ演出が実行されている場合はないので、可動物予告演出やスーパーリーチ演出の実行中であるか否かを判定して保留予告演出を制限する処理を行う必要はない。
第2特別図柄の変動表示中でもなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の変動カテゴリコマンド(すなわち、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている判定延期情報が設定されていた変動カテゴリコマンド)にもとづいて、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(ステップS6510)。なお、ステップS6510の処理内容は、保留予告演出処理(1)のステップS6008の処理と同様である。
いずれかの態様で保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6511のY)、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンド(すなわち、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている判定延期情報が設定されていた保留記憶数加算指定コマンド)が第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6512)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおいて、その処理対象のコマンドに対応する第1保留表示の表示態様を、通常の表示態様から、決定した保留予告演出の態様に変更する(ステップS6513)。
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部18dにおいて、その処理対象のコマンドに対応する第2保留表示の表示態様を、通常の表示態様から、決定した保留予告演出の態様に変更する(ステップS6514)。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域のうち、今回開始される演出図柄の変動表示に対応したコマンドを格納している格納領域の始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド))を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS6515)。また、演出図柄の変動開始時に第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合(ステップS662Cで保留予告演出(2)を実行する場合)には、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドを記憶する1つ目の格納領域のこれらのコマンドを削除し、以降の始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域の内容をシフトする。
一方、保留予告演出を実行しないことに決定した場合(ステップS6511のN)には、そのままステップS6516に移行する。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の判定延期情報をクリアし、判定延期情報の値を0にする(ステップS6516)。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS6506に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に判定延期情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、判定延期情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、ステップS6507降の処理を繰り返し実行する。
なお、この実施の形態では、保留予告演出を制限したときに、保留予告演出の決定自体も保留記憶の消化(保留表示のシフト)時まで遅らせる場合を示しているが(ステップS6510参照)、始動入賞時に保留予告演出の有無や態様の決定の処理までは実行するようにしておき、その保留予告演出の実行のみを保留記憶の消化(保留表示のシフト)時まで遅らせるように構成してもよい。
図47は、図42に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(保留予告演出以外の予告演出。例えば、導光板演出やステップアップ予告演出、ミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。なお、予告演出として導光板演出を実行すると決定した場合には、例えば、大当り期待度に応じて実行する演出を振り分けるようにしてもよい。具体的には、大当り期待度が高い場合には、前導光板505aと後導光板505bの両方を照射して模様(例えば、大当りとなることを示唆する(期待度高)模様)を発光表示する制御を行うようにし、大当り期待度が低い場合には、前導光板505aのみを照射して模様(例えば、大当りとなることを示唆する(期待度低)模様)を発光表示する制御を行うようにしてもよい。
図48は、当該予告演出設定処理にて行われる処理(予告演出設定処理内の処理)の一例を示すフローチャートである。図48に示す予告演出設定処理内の処理において、演出制御用CPU101は、導光板演出を実行するか否かを決定する導光板演出決定処理を実行し(ステップS8003A)、当該予告演出設定処理内の処理を終了する。ステップS8003Aの処理では、大当り種別に応じて、図49(A)または(B)に示す導光板演出決定テーブルを選択し、図示する決定割合に従って導光板演出を実行するか否かを決定すればよい。図49に示す例では、大当りとなる場合の方が、はずれとなる場合よりも導光板演出を実行すると決定する割合が高くなるように決定割合が設定されている。したがって、導光板演出が実行された場合には、大当りとなる確率が高いことを示しているため、遊技者の期待感を向上させることができる。なお、当該ステップS8003Aにて導光板演出を実行するか否かを決定する例を示したが(導光板演出が実行されない場合もあることを示したが)、当該導光板演出は可変表示が行われる度に確実に実行されるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図50は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図50に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8004において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図51は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。また、この実施の形態では、ステップS8105の処理が実行されることによって、可動物予告演出を実行する際に、モータ86を駆動させることによって可動部材78を可動させたり、導光板演出を実行する際に、モータ87を駆動させることによって導光板505を可動させる演出が行われる(導光板505は実行態様によっては可動しない場合もある)。また、この実施の形態では、後述するように、スーパーリーチ演出が実行される際にも、モータ86を駆動させることによって可動部材78が可動される。
次いで、演出制御用CPU101は、導光板演出の実行タイミングであるか否かを確認する(ステップS8105A)。なお、導光板演出の実行タイミングであるか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。導光板演出の実行タイミングであれば、ステップS8105Bに移行し、導光板演出の実行タイミングでなければ、ステップS8106に移行する。
ステップS8105Bでは、演出制御用CPU101は、保留非表示中フラグがセットされているか否かと、保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS8105B)。保留記憶数が「0」であるか否かは、図41に示す始動入賞時コマンド格納領域を確認することにより判定すればよい。保留非表示中フラグがセットされているか、または、保留記憶数が「0」である場合(ステップS8105のY)には、第4図柄の変動表示が行われているか否かを判定する(ステップS8105C)。第4図柄の変動表示が行われていない場合(ステップS8105CのN)、導光板演出の実行態様として予め定められた態様1または態様2のいずれかの態様を選択して導光板演出の実行制御を行う(ステップS8105D)。一方、保留非表示中フラグがセットされておらず、かつ、保留記憶数が「0」でない場合(ステップS8105CのN)、または、第4図柄の変動表示が行われている場合(ステップS8105CのY)には、導光板演出の実行態様として予め定められた態様1の導光板演出の実行制御を行う(ステップS8105E)。なお、ステップS8105Dにて態様2の導光板演出を実行する場合には、まず前導光板505aおよび後導光板505bを発光表示させてから導光板505の可動(回転)を開始する。また、当該導光板演出が終了した場合には、当該発光表示を消灯してから導光板505を元の位置に戻す。これによれば、好適に導光板の可動を制御することができる。
この実施の形態における導光板演出の実行態様としては、図58に示すように、前導光板505aと後導光板505bとが停止したまま発光表示される態様1の実行態様と、図59に示すように、前導光板505aと後導光板505bとが可動されながら発光表示される態様2の実行態様とが予め用意されている。ここで、保留表示が行われている場合や第4図柄の変動表示が行われている場合に、態様2の実行態様の導光板演出が実行されると、当該導光板演出により発光表示される模様と重なってしまう。そのため、保留非表示中フラグがセットされておらず、かつ、保留記憶数が「0」でない場合(すなわち、保留表示が行われている場合)、または、第4図柄の変動表示が行われている場合には、導光板演出の実行態様として、前導光板505aと後導光板505bとが停止したまま発光表示される態様1の導光板演出を行う。なお、この実施の形態では、導光板演出を前導光板505aと後導光板505bとを発光表示させることにより実現させている。そのため、保留表示が行われている場合や第4図柄の変動表示が行われている場合であっても、図59(d)に示すように、後導光板505bの一部の模様を消灯(発光表示の一部消灯)することなどにより、態様2の実行態様(導光板505を回転させる態様)の導光板演出を実行可能にしてもよい。発光表示の一部消灯は、保留表示が行われている領域、または、第4図柄の変動表示が行われている領域と当該発光表示とが重なる際に行えばよい。具体的には、予め保留表示数に応じて、当該導光板505の可動(回転)を開始してから発光表示の一部消灯を行うまでの期間(一部消灯期間)が設定されていればよく(保留記憶数等に応じてタイマ設定がされていればよく)、設定内容に従って発光表示の一部消灯を行えばよい。
また、この実施の形態では、演出モードAまたはCの場合と、演出モードCの場合とで第4図柄の表示位置が異なる。そのため、保留表示が行われている場合や第4図柄の変動表示が行われているときに、態様2の実行態様の導光板演出を実行可能とする場合、いずれの演出モードであるかを特定する(具体的には、高確率状態フラグおよび高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認することで演出モードBであるかそれ以外の演出モードであるかを特定する)。そして、特定した演出モードに合わせて、演出モード毎に設定された一部消灯期間を選択して態様2の実行態様の導光板演出を実行すればよい。
また、発光表示の一部消灯は、一部のLEDを消灯するなどにより行えばよい。具体的には、1枚の導光板に対して異なる箇所に設けた複数の発光部材のうちのいずれを発光させるかで、導光板の複数の箇所で個別に演出表示を行う構成とし、保留表示や第4図柄等の識別情報や他の情報と重なる箇所のみを発光させないように制御すればよい。なお、保留表示が行われている場合や第4図柄の変動表示が行われている場合に態様2の実行態様の導光板演出を実行可能とする場合には、例えば、後導光板505bによる発光表示を行わないようにして(すなわち、保留表示が行われている領域や第4図柄の変動表示が行われている領域に発光表示が重ならないようにして)導光板505を回転させてもよい。また、第4図柄等の識別情報の変動中には、識別情報と重なる箇所を発光させない(または導光板演出を実行しない)ように制限し、デモ中や大当り時には、制限なく導光板演出を実行するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、可動物予告演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8106)。なお、可動物予告演出の開始タイミングとなっているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。可動物予告演出の開始タイミングとなっていれば、ステップS8108に移行する。
可動物予告演出の開始タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8107)。なお、スーパーリーチ演出の開始タイミングとなっているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。スーパーリーチ演出の開始タイミングでもなければ、ステップS8111に移行する。
可動物予告演出の開始タイミングまたはスーパーリーチ演出の開始タイミングとなっている場合には(ステップS8106のYまたはステップS8107のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける現在の第1保留表示の表示状態および第2保留記憶表示部18dにおける現在の第2保留表示の表示状態を記憶する(ステップS8108)。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、第1保留表示および第2保留表示の表示状態をRAMに設けられた保留表示状態記憶領域に記憶する。次いで、演出制御用CPU101は、保留表示を非表示状態とする非表示制御の実行中であることを示す保留非表示中フラグをセットする(ステップS8109)。そして、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部18dにおける第2保留表示を全て消去し、保留表示を非表示状態として非表示制御を開始する(ステップS8110)。
次いで、演出制御用CPU101は、可動物予告演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8111)。なお、可動物予告演出の終了タイミングとなっているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。可動物予告演出の終了タイミングとなっていれば、ステップS8113に移行する。
可動物予告演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8112)。なお、スーパーリーチ演出の終了タイミングとなっているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。スーパーリーチ演出の終了タイミングでもなければ、ステップS8115に移行する。
可動物予告演出の終了タイミングまたはスーパーリーチ演出の終了タイミングとなっている場合には(ステップS8111のYまたはステップS8112のY)、演出制御用CPU101は、保留非表示中フラグをリセットする(ステップS8113)。そして、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部18dにおける第2保留表示を表示状態に復帰する保留表示復帰処理を実行して、非表示制御を終了する(ステップS8114)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8115)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8116)。
図52は、保留表示復帰処理(ステップS8114)を示すフローチャートである。保留表示復帰処理において、演出制御用CPU101は、まず、図41に示す始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域があるか否かを確認する(ステップS7000)。未判定情報が「1」となっているものがなければ(すなわち、非表示制御中に新たな始動入賞が発生しなかった場合には)、演出制御用CPU101は、そのままステップS8108で記憶した保留表示の表示状態に、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部18dにおける第2保留表示を復帰する(ステップS7011)。
未判定情報が「1」となっているものがあれば(すなわち、非表示制御中に新たな始動入賞が発生していた場合には)、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞の発生により受信した全ての始動入賞時のコマンドについて処理を終了したか否かを確認する(ステップS7001)。全ての始動入賞時のコマンドについて処理を終了していれば、処理を終了する。
未処理の始動入賞時のコマンドがあれば、演出制御用CPU101は、その未判定情報が「1」となっている格納領域に格納されているコマンドを処理対象とするとともに、保留予告設定制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS7002)。保留予告設定制限フラグがセットされていれば、ステップS7006に移行する。
保留予告設定制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の始動入賞時のコマンドの内容を確認し、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したか否かを確認する(ステップS7003)。なお、演出制御用CPU101は、ステップS7003において、保留予告演出処理(1)のステップS6003と同様の処理を実行することにより、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したか否かを判定できる。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS7005に移行する。始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(ステップS7004)。なお、演出制御用CPU101は、ステップS7004において、保留予告演出処理(1)のステップS6004と同様の処理を実行することにより、現在の処理対象の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを判定できる。図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS7006に移行する。
始動入賞時のコマンドを順番通りに受信していないと判定した場合(ステップS7003のN)、または現在の処理対象の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していないと判定した場合(ステップS7004のN)には、演出制御用CPU101は、保留予告設定制限フラグをセットする(ステップS7005)。
ステップS7006では、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS7006)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、ステップS8108で記憶した保留表示の表示状態にもとづいて、通常の態様で第1保留表示を1つ増加させた状態で、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部18dにおける第2保留表示を復帰する(ステップS7007)。
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、ステップS8108で記憶した保留表示の表示状態にもとづいて、通常の態様で第2保留表示を1つ増加させた状態で、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部18dにおける第2保留表示を復帰する(ステップS7008)。
ただし、ステップS7007,S7008の処理を実行する場合、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域が複数存在する場合には、未判定情報が「1」となっている格納領域のうち最後に処理を行う格納領域のコマンドについてステップS7007,S7008を実行するタイミングで第1保留記憶表示部18cにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部18dにおける第2保留表示を復帰するようにする。例えば、非表示制御中に新たな始動入賞が2つ発生していた場合には、1つ目の未判定のコマンドについてステップS7007,S7008の処理を行う際には、ステップS8108で記憶した保留表示の表示状態を保留表示を1つ増加させた状態に記憶内容を更新するのみとし、2つ目の未判定のコマンドについてステップS7007,S7008の処理を行う際に、さらに保留表示を1つ増加させた状態で(すなわち、ステップS8108で記憶した保留表示の表示状態から保留表示を2つ増加させた状態で)、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部18dにおける第2保留表示を復帰するようにする。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の未判定情報をクリアし、未判定情報の値を0にする(ステップS7009)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の判定延期情報の値を1にセットする(ステップS7010)。なお、この場合、ステップS7010で判定延期情報がセットされたことにもとづいて、保留記憶を消化する(保留表示をシフトする)タイミングで、保留予告演出処理(2)において判定が延期された保留記憶に対する保留予告演出の判定が行われ、遡及的に保留予告演出が開始される場合がある。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS7001に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、未判定情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、ステップS7002以降の処理を繰り返し実行する。
図53は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1907)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択して(ステップS1908)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1909)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータに右打ちを指示するための操作指定演出を行う制御が含まれているか否かを判定する(ステップS1910)。この実施の形態では、大当り図柄が導出表示されたときに生起する大当り遊技状態においてソレノイド21によって特別可変入賞球装置20の開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。また、大入賞口は、演出表示装置9の下方右側に設けられている。そのため、大当り遊技状態が開始される際には、右打ちを指示する画像を演出表示装置9に表示する操作指示演出が行われる。なお、大当り種別に基づいて右打ちを指示する操作指示演出を異ならせるようにしてもよい。例えば、15R大当りのときには、大きな表示領域を使って右打ちを指示する画像を表示する操作指示演出を行い、突確のときには、小さな表示領域を使って右打ちを指示する画像を表示する操作指示演出を行うようにしてもよい。この場合、突確のときには、15R大当りのときに比べて小さな画像が表示されるため、後述する導光板演出の制限を行わないようにしてもよい(すなわち、制限なく導光板演出を行うようにしてもよい)。
ステップS1910で右打ちを指示するための操作指定演出を行う制御が含まれていると判定した場合(ステップS1910のY)には、演出制御用CPU101は、導光板演出を制限する制御を行う(ステップS1911)。ここでは、例えば、演出制御用CPU101は、導光板演出を実行しない。なお、右打ちを指示するための操作指定演出が行われている領域に重ならないような態様(例えば導光板505を回転させないな態様(上記態様1)や回転させた場合であっても重なる際には消灯する制御を行う態様など)で導光演出を実行してもよい。これによれば、所定の演出表示の視認性が悪くなることを防止することができる。一方、ステップS1910で右打ちを指示するための操作指定演出を行う制御が含まれていないと判定した場合(ステップS1910のN)には、演出制御用CPU101は、導光板演出を実行する制御を行う(ステップS1912)。ここでは、例えば、演出制御用CPU101は、上述した態様2の実行態様の導光板演出を実行する制御を行う。このように、操作指定演出として右打ちを指示する画像を演出表示装置9に表示する制御が行われている場合には、右打ちを指示する画像が視認しにくくならないように(すなわち重ならないように)導光板を照射して模様を発光表示する制御が行われる。そのため、操作指示に気付かずに遊技者に不利益になってしまうことを防止することができる。
ステップS1911またはS1913の処理に続いて、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1914)。なお、大当り表示用のプロセス処理とは別に小当り表示用のプロセス処理を設けるようにし、小当りである場合には、例えば、所定期間(大入賞口が0.1秒間2回開放するのに十分な時間。例えば0.5秒間)、突然確変大当り時と同様の態様の演出を行うようにしてもよい。
また、小当りや突然確変大当りである場合に、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの受信にもとづいて演出を実行するのではなく、演出制御用CPU101は、例えば、小当り/突然確変大当り用の変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を所定期間実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を行うためのプロセスデータをプロセス時間ごとに切り替え、切り替えたプロセスデータに従って演出を行う。
図54は、図34に示された演出制御メイン処理における第4図柄プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。第4図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセスフラグの値に応じてステップS9000〜S9200のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第4図柄プロセス処理では、演出表示装置9における第4図柄表示領域9c,9dの表示状態が制御され、第4図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第4図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第4図柄の可変表示に関する制御も、一つの第4図柄プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した第4図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した第4図柄の可変表示とを、別の第4図柄プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの第4図柄プロセス処理により第4図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
なお、第4図柄の変動表示を行う処理をプロセス処理として構成するのではなく、特別図柄表示制御処理と同様に、第4図柄の変動表示用の表示制御データを第4図柄表示制御データ設定用の出力バッファに順次設定していく第4図柄表示制御処理として構成するようにしてもよい。この場合、例えば、図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示用の表示制御データの更新を開始することによって第4図柄の変動表示を開始するようにし、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の停止図柄表示用の表示制御データを出力バッファに設定し停止図柄を停止表示するようにしてもよい。そして、次の図柄変動指定コマンドを受信するまで継続して停止図柄を停止表示させるようにしてもよい。
第4図柄変動開始処理(ステップS9000):開始時コマンド(図柄変動指定コマンドや表示結果指定コマンド)の受信により、第4図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動中処理(ステップS9100)に対応した値に更新する。
なお、開始時コマンドとは、図柄変動の開始時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される演出制御コマンドのことである。具体的には、開始時コマンドには、図柄変動指定コマンドや、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンドが含まれる。なお、演出制御用CPU101は、それら全てのコマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始するようにしてもいし、それらのコマンドのうちのいずれか複数または1つのみ受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)も、開始時コマンドに含めてもよい。
第4図柄変動中処理(ステップS9100):第4図柄の変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御する。そして、図柄確定指定コマンドを受信したら、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動停止処理(ステップS9200)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS9200):第4図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動開始処理(ステップS9000)に対応した値に更新する。
図55は、図54に示された第4図柄プロセス処理における第4図柄変動開始処理(ステップS9000)を示すフローチャートである。第4図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示されている背景画面が高確率/高ベース状態に応じた背景画面(演出モードB)であるか否かを確認する(ステップS9001A)。そして、演出制御用CPU101は、背景画面が高確率/高ベース状態に応じた背景画面(演出モードB)である場合には、第4図柄(第4図柄表示領域9c,9d)の表示位置を演出モードBの時の表示位置に変更し(ステップS9001B)、背景画面が高確率/高ベース状態に応じた背景画面(演出モードB)ではない場合には、第4図柄の表示位置を演出モードAまたはCの時の表示位置に変更する(ステップS9001C)。この実施の形態では、ステップS9001A〜S9001Cの処理が実行されることによって、演出モードに応じて第4図柄(第4図柄表示領域9c,9d)の表示位置が変更される。
次いで、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9001D)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄を変動表示させるためのプロセステーブルを選択する(ステップS9002)。また、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9003)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄を変動表示させるためのプロセステーブルを選択する(ステップS9004)。
第2図柄変動指定コマンド受信フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9005)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、停電復旧時用の第4図柄を変動表示させるためのプロセステーブル(この実施の形態では、両方の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄を変動表示させるためのプロセステーブル)を選択する(ステップS9006)。
この実施の形態では、ステップS9001D〜S9004の処理が実行されることによって、開始時コマンドとしての図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示が開始される。また、この実施の形態では、ステップS9005,S9006の処理が実行されることによって、図柄変動中に遊技機への電源供給が停止した後に電源供給が再開された場合に、演出図柄の変動表示については再開されないものの第4図柄の変動表示については再開されるように制御される。すなわち、この実施の形態では、遊技機への電源供給が再開された場合にはバックアップRAM領域に記憶されている表示結果指定コマンドが再送される(ステップS44参照)のであるから、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を再開することができる。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備え、図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始する場合を示しているが、1つの特別図柄表示器のみを備えた遊技機において第4図柄の変動表示を行う場合には(この場合、図柄変動指定コマンドは送信されない)、開始時コマンドとしての表示結果指定コマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始するようにすればよい。なお、1つの特別図柄表示器のみを備えた遊技機の場合、通常時には、開始時コマンドとしての変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。ただし、この場合であっても、停電復旧時には、表示結果指定コマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始するようにすればよい。
また、図柄変動指定コマンドをバックアップRAM領域に記憶するようにし電源供給が再開された場合に図柄変動指定コマンドを送信するように構成された遊技機である場合には、ステップS9005,S9006の処理を含まなくてもよい。この場合、演出制御用CPU56は、遊技機への電源供給が再開された場合であっても、第1図柄変動指定コマンドを受信した場合には、ステップS9001,S9002の処理を行って第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示を再開するようにし、第2図柄変動指定コマンドを受信した場合には、ステップS9003,S9004の処理を行って第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の変動表示を再開するようにすればよい。
次いで、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、第4図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS9007)。この実施の形態では、受信した表示結果指定コマンドが15ラウンドの大当り(確変大当り、通常大当り)を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として第4図柄表示領域9c,9dにおいて所定の大当り用の表示色(例えば、赤色)の表示を点灯状態とすることを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが2ラウンドの当り(突然確変大当り、小当り)を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として第4図柄表示領域9c,9dにおいて所定の2ラウンド当り用の表示色(例えば、黄色)の表示を点灯状態とすることを決定する。なお、突然確変大当りのときと小当りのときとで第4図柄の停止図柄を異ならせてもよい(例えば、異なる表示色(例えば、黄色と黄緑色)の表示を点灯状態とすることに決定してもよい。また、受信した表示結果指定コマンドがはずれを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として第4図柄表示領域9c,9dにおいてはずれ用の表示色(例えば、青色)の表示を点灯状態とすることを決定する。
なお、ステップS9007では、2つの第4図柄表示領域9c,9dのうち、受信した図柄変動指定コマンドに対応する方の停止図柄を決定する。例えば、第1図柄変動指定コマンドを受信した場合には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cの停止図柄を決定し、第2図柄変動指定コマンドを受信した場合には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dの停止図柄を決定する。以下、同様に、第4図柄プロセス処理において、2つの第4図柄表示領域9c,9dのうち、受信した図柄変動指定コマンドに対応する方の第4図柄の変動表示が開始され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて図柄変動指定コマンドに対応する方の第4図柄の停止図柄が停止表示され、その停止図柄が次の変動表示が開始されるまで継続して表示される。
また、この実施の形態では、2つの第4図柄表示領域9c,9dにおいて同じ表示色や変動パターンで第4図柄を変動表示させる場合を示しているが、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cで第4図柄の変動表示を行う場合と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dで第4図柄の変動表示を行う場合とで、異なる表示色や変動パターン(例えば、異なる点灯および点滅の時間間隔)で変動表示を実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cで第4図柄の変動表示を行う場合と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dで第4図柄の変動表示を行う場合とで、第4図柄の停止図柄の態様(例えば、表示色や形状)を異ならせるようにしてもよい。
なお、第4図柄の停止図柄の態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、15ラウンド大当りの場合であっても、さらに、確変大当りである場合と通常大当りである場合とで、第4図柄表示領域9c,9dにおいて異なる表示色の表示を点灯状態とするようにしてもよい。また、例えば、確変大当りとなる場合であれば、15ラウンドの確変大当りと2ラウンドの確変大当りとを区別することなく、第4図柄表示領域9c,9dにおいて同じ表示色の表示を点灯状態とするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を設けるようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS9002,S9004,S9006で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS9008)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の変動表示を開始する制御を行う(ステップS9009)。この場合、ステップS9002で選択されたプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って第4図柄の変動表示が開始される場合には、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が開始される。例えば、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて一定の時間間隔で所定の表示色(例えば、青色)の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示が開始される。また、ステップS9004で選択されたプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って第4図柄の変動表示が開始される場合には、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の変動表示が開始される。例えば、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて一定の時間間隔で所定の表示色(例えば、青色)の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示が開始される。また、ステップS9006で選択されたプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って第4図柄の変動表示が開始される場合には、両方の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の変動表示(停電復旧時用の変動表示)が開始される。例えば、両方の第4図柄表示領域9c,9dにおいて一定の時間間隔で所定の表示色(例えば、青色)の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示が開始される。
なお、この実施の形態では、停電復旧時に両方の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の変動表示を実行する場合を示しているが、停電復旧時には、第4図柄表示領域9c,9dとは別の表示領域を設定して、その別に設定した表示領域において第4図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動中処理(ステップS9100)に対応した値にする(ステップS9010)。
図56は、第4図柄プロセス処理における第4図柄変動中処理(ステップS9100)を示すフローチャートである。第4図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS9101)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS9102)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS9103)。また、その次に設定されているプロセスデータの内容に従って演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の変動表示を実行する制御を行う(ステップS9104)。この場合、ステップS9002で選択されたプロセステーブルのプロセスデータの内容に従って第4図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。例えば、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて一定の時間間隔で所定の表示色(例えば、青色)の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示が行われる。また、ステップS9004で選択されたプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って第4図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の変動表示が実行される。また、ステップS9006で選択されたプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って第4図柄の変動表示が実行される場合には、両方の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の変動表示(停電復旧時用の変動表示)が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9105)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS9106)。そして、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動停止処理(ステップS9200)に対応した値にする(ステップS9107)。
なお、停電復旧したときであっても、バックアップRAM領域に保存された変動時間タイマがタイムアウトしたときに遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドが送信される。従って、停電復旧時に表示結果指定コマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始した場合であっても(ステップS9005,S9006参照)、ステップS9105で図柄確定指定コマンドの受信が確認されたことにもとづいて第4図柄の変動表示を停止するように制御される。
また、図柄確定指定コマンドを受信していない場合であっても、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグ、大当り開始指定コマンド受信フラグ、または客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS9108,S9109,S9110)、ステップS9107に移行し、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動停止処理(ステップS9200)に対応した値にする。
この実施の形態では、ステップS9108〜S9110の処理が実行されることによって、万一、図柄確定指定コマンドを受信できなかった場合であっても、変動パターンコマンド、大当り開始指定コマンドまたは客待ちデモ指定コマンドを受信していれば、第4図柄の変動表示を停止することができる。従って、図柄確定指定コマンドを取りこぼして、特別図柄や演出図柄の変動表示が終了しているにもかかわらず、第4図柄の変動表示が継続したままとなるような不自然な演出が継続することを防止することができる。
図57は、第4図柄プロセス処理における第4図柄変動停止処理(ステップS9200)を示すフローチャートである。第4図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、第4図柄表示領域9c,9dにおいてステップS9007で決定した停止図柄を停止表示させる(ステップS9201)。なお、ステップS9201で停止表示された第4図柄の停止図柄は、次の変動表示が開始されるまで継続して第4図柄表示領域9c,9dに表示される。
そして、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動開始処理(ステップS9000)に対応した値にする(ステップS9202)。
図58および図59は、導光板演出の実行態様の具体例を示す説明図である。図58は、上述したように、態様1の導光板演出の表示例を示しており、図58(a)は、演出表示装置9における表示例を、図58(b)は、前導光板505aにおける発光表示例を、図58(c)は、後導光板505bにおける発光表示例を、図58(d)は、図58(a)〜(c)とを組合せた、すなわち、導光板演出が実行された場合の表示例を示している。図示するように、態様1の導光板演出では、導光板505(前導光板505aおよび後導光板505b)は回転せず停止したままであるため、保留表示領域および第4図柄表示領域に導光板505の発光表示が重ならない。そのため、表示される情報を適切に遊技者に視認させることができ、視認性が悪くなることを防止することができる。
図59は、態様2の導光板演出の表示例を示しており、具体的には、保留表示または第4図柄の変動表示が行われている場合における(第4図柄表示中における)態様2の導光板演出の表示例を示している。図59(a)は、演出表示装置9における表示例を、図59(b)は、前導光板505aにおける発光表示例を、図59(c)は、後導光板505bにおける発光表示例を、図59(d)は、図59(a)〜(c)における図59(c)の発光表示を一部消灯して組合せた、すなわち、導光板演出が実行された場合の表示例を示している。図示するように、態様2の導光板演出では、導光板505が回転する。そして、図59(c)に示すように、保留表示の表示領域または第4図柄表示領域に後導光板505bの発光表示が重なる。そのため、図59(d)に示すように、後導光板505bにおける当該保留表示の表示領域または第4図柄表示領域に重なる部分の発光表示を消灯させる。これによれば、保留表示および第4図柄表示の視認を妨げることなく導光板演出を実行することができる。したがって、表示される情報を適切に遊技者に視認させることができ、視認性が悪くなることを防止することができる。なお、この実施の形態では、図59(d)に示すように、後導光板505bにおける発光表示の一部を消灯させる例を示したが、例えば、後導光板505bにおける発光表示の一部ではなく、後導光板505bにおける発光表示全てを消灯させるようにしてもよい(図61参照)。また、この実施の形態では、前導光板505aと後導光板505bの導光板505により導光板演出を実行する例を示したが、例えば、図60および図61に示すように、1枚の導光板で、複数の異なる方向に導光板を光らせるための発光部材を設けるとともに、導光板が受ける光の方向に応じて異なる演出表示が可能な構成とし、保留表示や第4図柄とは重ならない位置の発光部材のみを光らせるように制御してもよい。
また、前導光板505aにおける発光表示が保留表示の表示領域または第4図柄表示領域に重なる場合には、前導光板505aにおける発光表示の一部または全部を消灯させるようにしてもよい。さらに、前導光板505aにおける発光表示または後導光板505bにおける発光表示が保留表示の表示領域または第4図柄表示領域に重なる場合には、導光板505(前導光板505aおよび後導光板505b)における発光表示を行わないようにしてもよい(導光板演出自体を実行しないようにしてもよい)。これによれば、好適に発光表示を行うことができる。
また、この実施の形態では、演出モードAまたはCの場合の演出表示装置9における第4図柄(第4図柄表示領域9c,9d)の表示位置と、演出モードBの場合の演出表示装置9における第4図柄の表示位置とが異なるため、態様1および態様2の導光板演出(導光板505が回転しない態様と回転する態様の導光板演出)であっても、演出モードに応じて異なる発光表示が行われるようにしてもよい。また、上述したように、態様2の実行態様の導光板演出の場合、演出モード毎に異なる一部消灯期間が設定されていてもよい。
以上に説明したように、本発明による遊技機は、導光板によって表示される模様が演出表示装置9に表示されている情報(例えば保留表示や第4図柄表示など)に重なってしまい、情報を視認できなくなることを回避する。そのため、表示される情報を適切に遊技者に視認させることができ、視認性が悪くなることを防止することができる。
なお、この実施の形態では、前導光板505aと後導光板505b(導光板505)は、それぞれ第4図柄表示領域9c,9dと重なる位置に配置されているが、これに限らず、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、第1特別図柄や第2特別図柄、演出図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8b、演出表示装置9)と、可変表示手段の前面側で少なくとも一部の特定領域が識別情報に重なる位置に配置されていてもよい。そして、この場合にも、導光板505は、少なくとも可変表示手段で可変表示を行っているときは特定領域での演出表示の実行を制限する。そのように構成することによって、識別情報の視認を妨げることなく導光板505による演出を実行することができる。
また、この実施の形態では、所定条件が成立したとき(例えば、大当り遊技状態や高ベース状態に移行したとき)に、所定の操作を促すための操作指示表示(例えば、「右を狙って」の文字表示など)を行い、少なくとも操作指示表示を行っているときは重なる位置での導光板演出の実行を制限する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS1911において導光板演出を制限する制御を行う部分:図53参照)ように構成されている。そのため、操作指示表示の視認を妨げることなく演出表示手段による演出を実行することができ、操作指示に気付かずに遊技者に不利益になってしまうことを防止することができるとともに、好適に発光表示を行うことができる。
また、この実施の形態では、遊技機の制御中に発生する異常を判定し、異常が発生したと判定されたときに、異常が発生していることを示す異常表示を行う。そのため、導光板演出を実行する場合には、少なくとも異常表示が行われている領域と重なる位置での実行を制限するようにしてもよい(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS687やS691の処理を行う部分)ように構成されている。そのため、異常表示の視認を妨げることなく導光板505による発光表示を行うことができる。
なお、この実施の形態では、導光板によって表示される模様が演出表示装置9に表示されている情報に重なってしまい、情報を視認できなくなることを回避するために、導光板演出の制御を行う(具体的には、導光板演出の実行態様を選択する)構成であるが、これに限らず、導光板演出が行われているときには、演出表示装置9に表示されている情報の表示位置を視認可能な位置に変更するように制御してもよい。すなわち、保留表示や第4図柄や異常表示の表示位置を変更することで導光板演出と重なることを回避できる場合には、演出モードに関わらず、保留表示や第4図柄や異常表示の表示位置を変更するように制御してもよい。これとは反対に、導光板演出を実行する場合には、保留表示および代4図柄の表示を消去するようにしてもよい。また、この実施の形態では、第4図柄を演出表示装置9の表示領域において表示しているが、この形態に限らず、第4図柄を表示するための専用ランプを設けるようにしてもよい。
また、導光板演出は、「大当り」,「BONUS GET!!」といった文字や絵柄を表示し、大当りの発生を報知するものであってもよいし、。例えば、「チャンス」や「激熱」などの文字や絵柄を表示する導光板を用いた導光板演出を演出図柄の変動中に行い、大当り期待度を示唆するようにしてもよい。
実施形態2.
この実施の形態では、導光板演出の他にも、初期化処理において導光板505を可動させる。以下、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
図62は、第2の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、メイン処理において、第1の実施の形態で示した処理に加えて、遊技機への電力供給開始時に可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作を行う役物等初期動作処理を実行する(ステップS708)。そして、役物等初期動作処理を実行すると、その後、ステップS702に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS707の報知制御処理において、排出異常報知や異常入賞報知の処理に加えて、初期化処理が実行されたことを報知する初期化報知も実行される。
図63〜図65は、第2の実施の形態における報知制御処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、報知制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3101)。初期化報知中フラグがセットされていれば(初期化報知中であれば)演出制御用CPU101は、初期化報知の実行期間を計測するための初期化報知タイマを1減算し(ステップS3102)、減算後の初期化報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3103)。初期化報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じたランプ表示および音出力を停止し初期化報知を停止する(ステップS3104)。そして、演出制御用CPU101は、初期化報知中フラグをリセットする(ステップS3105)とともに、初期化報知の実行済みであることを示す初期化報知済フラグをセットする(ステップS3106)。
初期化報知中フラグがセットされていない場合には(ステップS3101のN)、演出制御用CPU101は、初期化コマンドを受信しているか否かを確認する(ステップS3107)。初期化コマンドは、サブ基板を初期化するためのコマンドであり、CPU56により、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、その内容に従って送信されるコマンドである。初期化コマンドを受信していれば(ステップS3107のY)、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS3108)。また、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3109)。よって、以後、初期化報知に応じたランプ表示および音出力が行われる。そして、演出制御用CPU101は、初期化報知中フラグをセットし(ステップS3110)、初期化報知タイマに30秒に対応する値をセットする(ステップS3111)。
以上のように、ステップS3101〜S3111の処理が実行されることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で初期化処理が実行され初期化コマンドを受信したことにもとづいて、30秒間にわたって初期化報知が実行される。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS3001以降の処理に移行する。ステップS3001の処理において、演出制御用CPU101は、排出異常報知指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS3001)。排出異常報知指定コマンドを受信していれば(すなわち、排出異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、排出異常報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3002)。さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面(例えば、「排出異常」などの文字列を表示する画面)を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS3003)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する。よって、以後、排出異常報知に応じたランプ表示が行われるとともに、演出表示装置9に排出異常報知画面が重畳表示される。
なお、この実施の形態では、排出異常報知が開始されると、遊技機への電源供給が停止するまで排出異常報知が継続される。そして、遊技機への電源供給が停止したことにもとづいて排出異常報知を終了し、遊技機への電源供給復旧後には排出異常報知は実行されない。具体的には、この実施の形態では、排出異常報知の実行中に電源供給が停止しても、遊技機への電源供給の再開後に排出異常報知指定コマンドを再送するなどの処理は行われないので、電源復旧後には排出異常報知は再開されない。
また、この実施の形態では、排出異常報知として排出異常報知に応じたランプ表示と排出異常報知画面の表示とを行う場合を示しているが、排出異常報知の報知態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、さらに、排出異常報知に応じた音出力を行うことによって排出異常報知を実行するように構成してもよい。
排出異常報知指定コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3005)。異常入賞1報知中フラグがセットされていれば(異常入賞1報知中であれば)演出制御用CPU101は、異常入賞1報知の実行期間を計測するための異常入賞1報知タイマを1減算し(ステップS3006)、減算後の異常入賞1報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3007)。異常入賞1報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知に応じたランプ表示を停止し異常入賞1報知を停止する(ステップS3008)。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグをリセットする(ステップS3009)。
異常入賞1報知中フラグがセットされていない場合(ステップS3005のN)、または異常入賞1報知タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS3007のN)には、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信しているか否かを確認する(ステップS3010,S3011)。異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信していれば(ステップS3010のY、ステップS3011のY)、すなわち大入賞口または始動入賞口14への異常入賞を20回検出した場合には、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3012)。よって、以後、異常入賞1報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグをセットし(ステップS3013)、異常入賞1報知タイマに31秒に対応する値をセットする(ステップS3014)。
以上のように、ステップS3005〜S3014の処理が実行されることによって、異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、31秒間にわたって異常入賞1報知が実行される。
なお、この実施の形態では、異常入賞1報知として異常入賞1報知に応じたランプ表示を行う場合を示しているが、異常入賞1報知の報知態様は、例えば、さらに、異常入賞1報知に応じた画面表示や音出力を行うことによって異常入賞1報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合と始動異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合とで(すなわち、大入賞口への異常入賞を20回検出した場合と始動入賞口14への異常入賞を20回検出した場合とで)、共通の態様で異常入賞1報知を行う場合を示しているが、異常入賞報知の態様を異ならせてもよい。例えば、異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞1報知に応じたランプ表示および音出力を行う一方で、始動異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞1報知に応じたランプ表示のみを行うようにしてもよい。
異常入賞1報知指定コマンドおよび始動異常入賞1報知指定コマンドのいずれも受信していなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3015)。異常入賞2報知中フラグがセットされていれば(異常入賞2報知中であれば)演出制御用CPU101は、異常入賞2報知の実行期間を計測するための異常入賞2報知タイマを1減算し(ステップS3016)、減算後の異常入賞2報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3017)。異常入賞2報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力を停止し異常入賞2報知を停止する(ステップS3018)。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグをリセットする(ステップS3019)。
異常入賞2報知中フラグがセットされていない場合(ステップS3015のN)、または異常入賞2報知タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS3017のN)には、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信しているか否かを確認する(ステップS3020,S3021)。異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信していれば(ステップS3020のY、ステップS3021のY)、すなわち大入賞口または始動入賞口14への異常入賞を50回検出した場合には、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS3022)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。また、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3023)。よって、以後、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグをセットし(ステップS3024)、異常入賞2報知タイマに300秒に対応する値をセットする(ステップS3025)。
以上のように、ステップS3015〜S3025の処理が実行されることによって、異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、300秒間にわたって異常入賞2報知が実行される。
なお、この実施の形態では、異常入賞2報知として異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力を行う場合を示しているが、異常入賞2報知の報知態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、さらに、異常入賞2報知に応じた画面表示を行うことによって異常入賞2報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合と始動異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合とで(すなわち、大入賞口への異常入賞を50回検出した場合と始動入賞口14への異常入賞を50回検出した場合とで)、共通の態様で異常入賞2報知を行う場合を示しているが、異常入賞報知の態様を異ならせてもよい。例えば、異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞2報知に応じた画像表示、ランプ表示および音出力を行う一方で、始動異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力のみを行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大入賞口や始動入賞口14への異常入賞の発生回数をカウントして、20回検出したタイミングで異常入賞1報知指定コマンドや始動異常入賞1報知指定コマンドを送信し、50回検出したタイミングで異常入賞2報知指定コマンドや始動異常入賞2報知指定コマンドを送信する場合を示しているが、この実施の形態で示した処理方法にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で大入賞口や始動入賞口14への異常入賞の発生回数をカウントするように構成してもよい。
図66は、第2の実施の形態における役物等初期動作処理(ステップS708)を示すフローチャートである。役物等初期動作処理において、演出制御用CPU101は、まず、可動部材78などの役物および導光板505の初期動作を実行済みであることを示す役物等初期動作済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3501)。役物等初期動作済フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。役物等初期動作済フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、初期化報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3502)。初期化報知済フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。初期化報知済フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、役物等初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3503)。
役物等初期動作中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ可動部材78などの役物および導光板505の初期動作の実行中でなければ)、演出制御用CPU101は、モータ86,87への駆動信号の出力を開始して、可動部材78などの役物および導光板505の可動を開始させる(ステップS3504)。そして、演出制御用CPU101は、役物等初期動作中フラグをセットする(ステップS3505)。なお、ステップS3504の処理では、可動部材78と導光板505とを同期させて可動する。導光板505を可動させる際には、図61に示すように、前導光板505aと後導光板505bとを発光表示させてから回転方向に可動させる。これによれば、透光性を有する導光板が可動していることを目視で確認することができる。また、ステップS3504の処理では、可動部材78については、所定位置まで可動させた後、予め定められている収納位置に格納させる動作を行い、導光板505については、所定位置まで回転して可動させた後、予め定められている初期位置まで戻す動作を行う。
一方、役物等初期動作中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材78などの役物および導光板505の初期動作の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、可動部材78などの役物および導光板505が初期位置まで移動したことを検出したか否かを確認する(ステップS3506)。例えば、この実施の形態では、遊技領域において可動部材78や導光板505の初期位置に初期位置センサ(例えば、フォトセンサ)が設けられており、初期位置センサからの検出信号を入力すると、演出制御用CPU101は、可動部材78などの役物および導光板505が初期位置まで移動したと判定する。なお、導光板505の可動を開始させた後(発光表示させてから可動させた後)、所定位置まで回転させた後は、当該導光板505の発光表示を消灯させてから、初期位置まで戻す。これによれば、好適に導光板の可動を制御することができる。また、当該導光板505は、所定位置まで可動させる動作の際には、可動部材78などの役物と同期して可動するが、初期位置に戻す動作の際には、可動部材78を格納位置に格納させてから、当該導光板505を初期位置まで戻す動作を行うようにしてもよい。これによれば、好適に導光板の発光表示を行うことができる。
可動部材78などの役物および導光板505が初期位置まで移動したと判定すると、演出制御用CPU101は、モータ86,87への駆動信号の出力を停止して、可動部材78などの役物および導光板505の可動を停止させる(ステップS3507)。そして、演出制御用CPU101は、役物等初期動作中フラグをリセットする(ステップS3508)とともに、可動部材78および導光板505の初期動作の実行済みであることを示す役物等初期動作済フラグをセットする(ステップS3509)。なお、以降、役物等初期動作済フラグがセットされていることにもとづいて、ステップS3501でYと判定され、ステップS3502以降の処理が実行されることはない。従って、ステップS3502以降の役物および導光板505の初期動作を行う処理は、遊技機への電力供給が開始され初期化処理および初期化報知が実行された後に1回だけ実行されることになる。
なお、この実施の形態では、複数の役物が設けられているので、より正確には、演出制御用CPU101は、全ての役物および導光板505についてステップS3506,S3507の処理を実行して可動を停止した後に、ステップS3508,S3509の処理に移行して役物等初期動作中フラグをリセットするとともに役物等初期動作済フラグをセットする。
以上の処理が実行されることによって、遊技機への電力供給が開始され初期化処理が実行されたときに、可動部材78などの役物および導光板505の初期動作が実行される。また、この実施の形態では、ステップS3502で初期化報知済フラグがセットされていることを条件にステップS3503以降の処理に移行して役物および導光板505の初期動作が実行されるので、初期化処理の実行を終了して初期化報知の実行を終了した後に、役物および導光板505の初期動作が実行される。そのため、初期化処理が実行されたときに初期化報知と役物および導光板505の初期動作とにかかる電力消費を分散することができる。
また、遊技機への電力供給が開始された後、初期化処理および初期化報知を実行し、さらに役物および導光板505の初期動作を終了するまでには、ある程度の時間がかかるのであるが、初期化処理を終了し遊技制御処理を実行可能な状態となると、初期化処理や役物および導光板505の初期動作を終了していなくても遊技を開始可能な状態となることになる。そのため、役物および導光板505の初期動作の開始タイミングとなったときに既に遊技が開始され演出図柄の変動表示の実行中であるというケースもありうる。この実施の形態では、役物等初期動作処理において、役物および導光板505の初期動作を開始するにあたって、特に演出図柄の変動表示中であるか否かを区別することなく、そのままステップS3504の処理に移行して役物および導光板505の初期動作を開始するように構成されている。つまり、役物および導光板505の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、その演出図柄の変動表示とともに役物および導光板505の初期動作を実行する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても役物および導光板505の初期動作を実行することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立(本例では、クリアスイッチのオン)にもとづいて変動データ記憶手段(本例では、バックアップRAM)の記憶内容を初期化する初期化処理を実行し、初期化処理が実行されたことにもとづいて初期化報知を実行する。また、遊技機への電力供給が開始されたことにもとづいて、可動部材78などの役物および導光板505の初期動作を実行する。そして、この場合、初期化処理の実行を終了した後に、役物および導光板505の初期動作を実行する。そのため、初期化処理が実行されたときに初期化報知と役物および導光板505の初期動作とにかかる電力消費を分散することができる。また、導光板505を発光させながら可動させるため、透光性を有する導光板が可動していることを目視で確認することができる。また、導光板505を、可動部材78などの役物と同期させて可動させるため、透光性を有する導光板が可動していることを目視で確認することができる。
例えば、この実施の形態では、ランプおよびスピーカ27を用いて初期化報知を行うのであるが、一般に遊技機においてはスピーカ27で消費される電力が最も大きく代替手段もないため省力化に限界がある。また、役物や導光板505の初期動作を実行する場合はモータ86,87の消費電力が大きい。さらに初期化報知などにおいてランプやLEDを点灯すれば消費電力がさらに大きくなる。そのため、初期化処理と役物および導光板505の初期動作とを重複したタイミングで実行してしまうと、一時的に電力消費が著しく大きくなり遊技店などの電源に余裕がない事態などが生じてしまうおそれがあり、遊技機が瞬停状態に陥るおそれが高くなる。また、一時的に電力消費が大きくなると過電流などにより遊技機内の各回路が損傷するおそれも生じる。そのため、過電流などにより回路が損傷しにくくなるように回路設計を行う必要が生じることになる。さらに、遊技機内部においても、一時的にスピーカ27やモータ86,87での電力消費が集中すると、例えば、ランプや演出表示装置9(液晶表示装置)に供給される電力が不足し、遊技演出を正常に行えなくなるなどの弊害を生じるおそれもある。そこで、この実施の形態では、初期化処理の実行を終了した後に役物および導光板505の初期動作を実行するように構成されているので、初期化処理と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることを防止し、回路設計にコストをかけることなく、電力消費を分散できるようにしている。
また、この実施の形態によれば、遊技中に少なくとも音出力手段(本例では、スピーカ27)を用いた音出力による演出を実行可能である(本例では、演出図柄の変動表示において、変動表示に応じた音出力を可能である)とともに、音出力手段を用いた音出力を伴う初期化報知を実行する。そして、初期化報知が実行されているときには、音出力手段を用いた音出力による演出を実行しない(本例では、演出図柄の変動表示中であっても、初期化報知に応じた音出力が継続される)。そのため、初期化報知と音出力手段を用いた音出力による演出とが重複したタイミングで実行されることを防止し、電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技中に少なくとも発光手段(本例では、ランプ)を用いた発光表示による演出を実行可能である(本例では、演出図柄の変動表示において、変動表示に応じたランプ表示を可能である)とともに、発光手段を用いた発光表示を伴う初期化報知を実行する。そして、初期化報知が実行されているときには、発光手段を用いた発光表示による演出を実行しない(本例では、演出図柄の変動表示中であっても、初期化報知に応じたランプ表示が継続される)。そのため、初期化報知と発光手段を用いた発光表示による演出とが重複したタイミングで実行されることを防止し、電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始されるときには、その演出図柄の可変表示とともに初期化報知を実行する。また、役物および導光板505の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、その演出図柄の変動表示とともに役物および導光板505の初期動作を実行する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても初期化報知や役物および導光板505の初期動作を実行することができる。
なお、この実施の形態で示したように、演出図柄の変動表示と役物および導光板505の初期動作とを並行して実行可能に構成してしまうと、初期動作のために可動部材78などの役物および導非価値板505を可動しているにもかかわらず、その役物の可動が大当りやリーチなどの予告を表しているものと誤解を与えてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態のように演出図柄の変動表示とともに役物および導光いた505の初期動作を実行可能に構成した場合には、役物および導光板505の初期動作の実行中に、例えば「役物等初期動作中」などの文字列を表示して役物および導光板505の初期動作中であることを報知するようにすることが望ましい。そのようにすれば、役物および導光板505の初期動作の実行中であるにもかかわらず、その役物の可動が大当りやリーチなどの予告を表しているものと誤解を与えてしまうことを防止することができる。
また、上記のような誤解が生じないようにするために、例えば、役物および導光板505の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示を開始する場合には、その演出図柄の変動表示において予告演出を実行しないように制限したり予告演出をキャンセルしたりするように構成してもよい。
以上、この実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれらに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
(変形例1)
例えば、図67(a)および(b)に示すように、演出表示装置9に表示される雷の画像と同一のエフェクト画像が導光板505に施されていてもよく、当該エフェクト画像が表示用LED62a,62bの点灯により表示されるようにしてもよい。そして、図67(c)に示すように、導光板演出を実行するときに、演出表示装置9のエフェクト画像と導光板505のエフェクト画像とが重複して表示されるようにしてもよい。これによれば、導光板505のエフェクト画像と演出表示装置9のエフェクト画像とが重複して表示されるため、遊技者の視点位置から見た場合に、エフェクト画像である雷の画像が明瞭に見えるようになる。すなわち、導光板505に表示される演出画像を、演出表示装置9の表示を暗くすることなく目立たせることができる。なお、導光板505のエフェクト画像よりも演出表示装置9のエフェクト画像の方が若干拡大されて表示されるようにしてもよく、これによれば、遊技者の視点位置から見た場合に、導光板505のエフェクト画像が演出表示装置9のエフェクト画像と同じ大きさに見えることとなる。また、導光板505に表示される画像の色は、表示用LED62a,62bの点灯色により設定されるため、導光板505のエフェクト画像と演出表示装置9のエフェクト画像とが互いに同一色(例えば、黄色)の画像として表示されるようにしてもよい。これによれば、雷のエフェクト画像は、背景画像より手前側にあるように見える立体的な発色のよい画像となる。このように本発明では、演出表示装置9及び導光板505のいずれも2次元画像を表示しているが、演出表示装置9及び導光板505の各画像を重複して表示することで、あたかも3次元画像を表示しているような表現が可能となる。
なお、導光板505のエフェクト画像と演出表示装置9のエフェクト画像とが互いに異なる色としてもよく、例えば、導光板505のエフェクト画像を青色とし、演出表示装置9のエフェクト画像を赤色とすることで、遊技者から見た場合に、紫色の雷のエフェクト画像に見えるようにしてもよい。
(変形例2)
また、導光板演出が実行される場合には、導光板505の発光表示の色を経過時間に応じて適宜変更するようにしてもよい。また、大当り期待度に応じて異なる色の発光表示を行うようにしてもよい。これによれば、好適に導光板の発光表示を行うことができる。
(変形例3)
なお、上記の各実施の形態では、保留表示、第4図柄や操作指示表示、異常表示などと重ならないように導光板演出を制御する例を説明したが、これに限らず、例えば、二次元コード、特別な画像(表示される機会が少なく希少価値が高い画像)などと重ならないように導光板演出を制御するようにしてもよい。
(変形例4)
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(変形例5)
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図10に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
(変形例6)
また、上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。