以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えた透明部材保持枠としてのガラス枠15が一体に設けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bを備えた入力操作部25が設けられている。
ガラス枠15の下方には、該ガラス枠15とほぼ同一平面をなし下皿23と操作部24とを有するパネル状の下皿ユニット26が設けられ、該下皿ユニット26とガラス枠15とによって前面枠12が構成されており、このうちガラス枠15は左側を支点として回動可能にされている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25aを操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。
さらに、上記ガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。
この実施例の遊技盤においては、遊技領域32のほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
また、センターケース40の上部、表示装置41の前方位置には、盤演出装置としての回転体ユニット80が配設され、その左隣には回転体ユニット80の駆動源が前方から見えないように隠すための隠蔽用装飾部材46が配設されている。回転体ユニット80の構成については後に詳しく説明する。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図15参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図15参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図15参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図15参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図15参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図15参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図15参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特図1表示器または特図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3には、上記センターケース40の背部に設けられる表示装置41を収納する表示装置収納枠47の詳しい構成が示されている。図3に示すように、表示装置収納枠47は、その上部に、盤演出装置としての回転体ユニット80が固定され、その左隣には回転体ユニット80の駆動機構(駆動源82、伝達機構83)を隠す隠蔽用装飾部材46が配設されている。
また、表示装置収納枠47の下部には、通常はセンターケース40によって見えない位置に、一対の「剣」を模した可動部材を有する盤演出装置としての可動演出ユニット90が配設されている。可動演出ユニット90の構成については後に詳しく説明する。
図4〜図13には、回転体ユニット80の具体例が示されている。図4に示すように、本実施形態の回転体ユニット80は、断面多角形(図では5角形)の筒状をなす回転ドラム81と、該回転ドラム81の側方(図では左)に配設される回転駆動源82と、該回転駆動源82の回転力を上記回転ドラム81に伝達する複数のギヤからなる歯車伝達機構83と、上記回転ドラム81の背部に配設され上記回転ドラム81の回転位置を検出する位置検出用センサ84などから構成されている。センサ84には、例えば発光素子と受光素子を備え、発光素子からの光を物体が遮るのを受光素子で検出することによって、物体の有無や位置を判定するフォトインタラプタが用いられる。
回転ドラム81の左側壁には、ドラムを回転可能に支持するための軸部81aがそれぞれ設けられており、この軸部81aに上記歯車伝達機構83を構成する従動ギヤ83bが結合されている。また、回転ドラム81の左側端部の外面には、ドラムの回転に伴い上記位置検出用センサ84の光軸と交差する位置に複数の検出片81bが設けられている。
さらに、回転ドラム81の筒状フレームの各外周面には、長方形の窓部81cがそれぞれ形成され、各窓部81cの内周面にはガラスなどの透明部材からなる導光板85の縁部と係合して当該導光板85を保持する係合溝81dが形成されており、ドラムの各面にそれぞれ導光板85が配設されるように構成されている。回転ドラム81の右側の端面には、右側方に配置されるLED基板86(図3参照)から照射される光を分散させる複数の光拡散部材87が収納される複数のスリット81eが形成されている。
次に、図5を用いて、図4の実施例の回転ドラム81におけるLED基板86と光拡散部材87との関係および導光板85の機能について説明する。図5のうち(A)はLED基板86と光拡散部材87との関係を示す断面図、(B)は導光板85の機能を示す断面図、(C)は導光板85における表示例を示す。本実施例の回転体ユニット80は、導光板85を形成するガラスの表面に入射する光の方向に応じて反射する異方性反射パターンを形成しておいて、側方のLED基板86からガラス内へ光を照射すると、ガラスに形成されている異方性反射パターンで光がガラスの前方へ屈折もしくは反射することで、図5(C)のように文字もしくは模様が見えるようになる。本実施例はこの反射文字もしくは模様を表示として利用するものである。
LED基板86は複数のLED(発光ダイオード)86aが一列に並んで実装され、光拡散部材87は前記複数のLED86aに対応して複数の山形の平面レンズ87aが連なるように形成されてなる。図5(A)に示すように、光拡散部材87は、隣り合う2つのレンズ体87aの谷の部位にLED86の中心が来るように位置決めされている。
上記のようなLED基板86が、回転ドラム81の側方に、ドラムの筒状フレームのうち最も前方に位置するものの端面に対向するように配置され、各LED86aが点灯されると、図5(A)に示すように、その光は各レンズ87aで拡散されて、導光板85内に入射されガラス面に沿って進行する。なお、LED基板86は、回転ドラム81の側方ではなく、上方あるいは下方に設けてもよい。
ここで、導光板85による表示の原理について説明する。図5(A)に示すように、LED基板86の各LED86aが通電されて発光すると、光拡散部材87の平坦をなす裏面87bにLED86aからの光が入射される。
光拡散部材87に入射された光は内部を進行し、各レンズ体87aの円弧状の山形表面より出射されるが、この出射の際にレンズの曲面で屈折する。これにより、LED86aの出射光が色々な方向へ拡散されて、導光板85の端面から内部に入射されることになる。そのため、複数のLED86aから出射された配列方向に強弱のある光が、ほぼ均等に導光板85の端面に照射され、ほぼ均一な光としてガラス内を進行する。
また、導光板85の裏面85aには、図5(B)に示すように、導光板85の入射面85bと平行な面f1と、導光板85の入射面に対し所定の角度をなす傾斜面f2とを備える断面Vの字状の溝G1が形成されている。このような溝は、導光板85が透明であるため、LED86aが消灯している状態では、前方からはほとんど見ることができない。
一方、LED86aが発光すると、出射された光は、導光板85の側面85bから入光して導光板85内をガラス面と平行に進行し、垂直面f1では屈折せずにそのまま透過し、傾斜面f2に当ると屈折して導光板85の前面側に導かれる。この光の屈折により傾斜面f2が発光して見えるようになる。つまり、導光板85の裏面に形成された溝が異方性反射パターンとして機能する。
なお、傾斜面f2では光の反射も起きるが、この実施例では、屈折が多くなるように傾斜面f2の角度が設定されている。
そして、このような溝G1を、導光板85の裏面に、表示したい模様や情報に応じて複数刻み込み、導光板85の端面から光を照射することにより、溝で光が屈折されるため、図5(C)のように文字もしくは模様が見えない状態から見える状態に変化して表示が発現するようになるようになる。図5(C)には、一例として「REGULAR BONUS」なる文字が発現するものを示したが、回転ドラム81の他の面にそれぞれ、例えば「BIG BONUS」や、「MIDDLE BONUS」、「SUPER BONUS」、「GEKIATSU」などの文字が発現するように構成することができる。
なお、ここでは導光板85の溝における光の屈折で文字が発現されるようにしたものを説明したが、反射光が多くなるように傾斜面f2の角度を設定することで、溝における光の反射で文字が発現されるように溝G1を形成することも可能である。
また、導光板85の裏面側ではなく表面側に、断面レの字状の溝を形成するようにしてもよい。溝の断面形状もレの字状に限定されず、V字状等であってもよい。実施例のように、導光板85の裏面側に溝を形成することによって、汚れが付着しにくくなって表示の低下を防止することができる。さらに、回転ドラムの両側方にLED基板を配設し、導光板85には右側からの光を反射する溝と左側からの光を反射する溝を設けて、両方の反射で上記のような表示を行うようにしてもよい。また、導光板85の代わりに、通常は透明な透過型液晶パネルを用いてドラム内部に光源を配設するようにしてもよい。
また、導光板85は透明であり特にLED86aが消灯している状態では前方から導光板85を通して回転ドラム81の内部が見えるので、図6(A)に黒塗りで示した部位すなわちドラムのフレームの角部Fの内面に、装飾となる模様を施しておいたり、先読み予告となるマークや情報などを付しておいてもよい。そして、その場合、フレームの内面に付す装飾あるいはマークや情報などは、それが後方に位置して見える状態のときに前方に位置する導光板85に表示される内容と関連性のあるものとするのがよい。なお、回転ドラム81の回転に伴い、図6(B)や(C)示すように内部の視認可能領域が変化するので、ドラムのフレームのすべての角部F1〜F5の内面に、装飾となる模様やマーク、情報などを付しておくようにするのが望ましい。図6(A)は、導光板85を外した状態の回転ドラム81を表している。
図7には、図4〜図6の実施例の回転体ユニット80の変形例を示す。図7のうち(A)は、回転ドラム81のフレームを五角形ではなく六角形に形成するとともに、各辺に二枚の導光板85A,85Bを前後に重ねるように配置したものである。また、図示しないが、回転ドラム81の側方には二個以上のLED基板86が配設される。
この変形例の回転ドラム81は、同一の辺の外側と内側の二枚の導光板85A,85Bに対応するLED基板86のLEDを点灯させることによって同時に表示状態にさせることで、立体感のある表示が行える。また、図7(A)に破線で示すように、対向する2辺のうち前方に位置する辺の外側導光板85Aと後方に位置する辺の内側導光板85Bの各々に対応するLEDを点灯させることによって、奥行き感のある表示が行える。
図7(B)は、六角形回転ドラム81の各辺に配置される導光板85を上下半分ずつの領域にそれぞれ、図5(B)に示すVの字状の溝G1の反射面f2が互いに逆の関係になるように形成したものを設け、回転ドラム81の下方には、前方に位置する導光板85と後方に位置する導光板85にそれぞれ対応したLED基板86を配設するように構成したものである。
このような構成であれば、各導光板85が前方に位置したときと、後方に位置したときで表示状態にされる領域が逆になり、両方のLED基板86のLEDを点灯させることにより、前方と後方の2枚の導光板85の表示が重なって見えるように表示させることができる。また、前方または後方のLED基板86のLEDのみを点灯させることで、一方の導光板85の表示のみが見える状態を作り出すこともできる。
なお、理解を容易にするため、導光板85を上下半分ずつの領域に分け、反射面f2が互いに逆の関係のV溝を形成と説明したが、反射面f2が互いに逆の関係のV溝を同一の領域すなわち各導光板85の全領域に形成したとしても、前方に位置したときと後方に位置したときで異なる模様等を表示させることができる。また、LED基板86を左右にそれぞれ配設することができるスペースがあるならば、導光板85を左右半分ずつの領域に分け、反射面f2が互いに逆の関係のV溝をそれぞれの領域に形成することで、上記と同様に、前方と後方の2枚の導光板85の表示が重なって見えるように表示させることができる。さらに、光源としてのLED基板86を回転ドラム81の後方に配置して、点灯状態では導光板85の表示が見え、消灯状態では導光板85の表示が見えなくなるように構成してもよい。
図8には、図4〜図6の実施例の回転体ユニット80の第2の変形例を示す。図8のうち(A)は回転ドラム81の正面図、(B)は斜視図である。図8の変形例は、回転ドラム81のフレーム右側方からフレーム内に突出するように配置された支持軸88aと、該支持軸88aの先端に固着された内部演出部材88bと、支持軸88aを回転させるための駆動モータ88cと、該駆動モータ88cの回転力を支持軸88aに伝達する歯車伝達機構88dとからなる内部演出装置88を設けたものである。
なお、図8には示されていないが、回転ドラム81の左側方には、図4の実施例と同様に、回転ドラム81を回転させる駆動機構(駆動源82、伝達機構83)が設けられる。
ここで、内部演出部材88bの見せ方としては、例えば内部演出部材88bにペットの図柄を付したり内部演出部材88bを動物の形状に形成しておいたりして、内部演出部材88bを所定の角度範囲で往復回転揺動させるのに連動して回転ドラム81を回転させることで、恰もペットが回し車を回しているかのような演出を行うことが考えられる。
また、この内部演出装置88を、支持軸88aの回転角度に応じて、内部演出部材88bが前方に移動して回転ドラム81の前方に位置する導光板85を通して視認可能な状態と、内部演出部材88bが後方に移動して前方から見えない状態とに変換可能に制御して、回転ドラム81による表示と相俟って演出効果を高めるような演出を行うようにしてもよい。さらに、支持軸88aを回転させる代わりに、横方向に往復移動するような構成にしてもよい。
次に、図9および図10を用いて、第2の実施例の回転体ユニット80について説明する。
第2の実施例の回転体ユニット80は、図9に示すように、第1の実施例の回転体ユニット80における回転ドラム81と同様な5角形状の回転ドラム81の内側に配置された円筒状の内側ドラム89aと、該内側ドラム89aを回転させるための駆動モータ89bと、該駆動モータ89bの回転力を内側ドラム89の軸に伝達する歯車伝達機構89cと、内側ドラム89aの回転位置を検出するための位置検出センサ89dとからなる補助演出装置89を設けたものである。
内側ドラム89aの表面には、種々の図柄もしくは文字などが付されている。また、歯車伝達機構89cを構成のギヤの一つには、位置検出センサ89dの検出対象となる検出片89eが設けられており、制御装置は常にドラムの回転位置を把握することができるようになっている。なお、内側ドラム89aは例えば半透明な部材で形成し、内部に光源となるLED89f(図17参照)を配設して、LEDを点灯させることでドラム表面の図柄や文字などが見え易くするように構成することができる。
この実施例の回転体ユニット80においては、図10(A)に示すように内側ドラム89aを外側の回転ドラム81と同一方向または図10(B)に示すように内側ドラム89aを外側の回転ドラム81と逆方向に回転させることでその時々に前方より視認できる表示を変化させることで演出を行うことができる。内側ドラム89aのみの場合には、特に低速回転時には次に表示される内容が遊技者に分かってしまうが、この実施例の回転体ユニット80においては、外側の回転ドラム81によって内側ドラム89aの表示を見えにくくして次に表示される内側ドラム89aの内容を遊技者が予測しにくくし、それによって興趣を高めることができる。
なお、図9の実施例では、外側の回転ドラム81と内側ドラム89aに対応してそれぞれ異なる駆動機構(駆動源82、伝達機構83)を設けているが、駆動源をひとつにして伝達機構によって異なる速度で回転させるように構成してもよい。
ここで、第2の実施例の回転体ユニット80による演出表示の一例について説明する。第1の表示形態においては、回転ドラム81の導光板85に、第1の実施例で説明したように例えば図5(C)に示すような「REGULAR BONUS」などの文字が発現するようにしておくとともに、内側ドラム89aの表面には、例えば図11に示すように、演出モードを示す文字を付しておく。
そして、図12に示すように、内側ドラム89aの表面の表示と回転ドラム81の導光板85の表示との組み合わせによって、様々な遊技の制御状態を遊技者に報知するような制御を行うことができる。また、内側ドラム89aの表面の文字と回転ドラム81の導光板85の文字との組み合わせの仕方で、例えば「勝」と「利」または「機」の組み合わせで「勝利」や「勝機」のように、異なる意味を持つ表示を行わせるようにしてもよい。
第2の表示形態においては、内側ドラム89aの表面に、第1の実施例では回転ドラム81の導光板85に付されていた図5(C)に示すような「BONUS」などの文字を付しておくとともに、回転ドラム81の導光板85には、例えば大当り遊技時のラウンド数のような情報を付しておく。そして、図13に示すように、内側ドラム89aの表面の表示と回転ドラム81の導光板85の表示との組み合わせによって、大当り遊技の進行状態を遊技者に報知するような制御を行う。
このような演出制御は、例えば大当りの発生は直ちに報知する一方、次第に変化するラウンド数は後から報知したいような場合に有効な制御である。
また、図13のような演出は、大当り遊技時のみでなく、例えばいわゆる先読み演出で次に発生する大当りの報知やラウンド数が何ラウンドであるかを報知するような場合にも実行することができる。そして、その場合、本実施例の演出装置によれば、先ず内側のドラムの表示でボーナス(当り)の発生を予告するとともに、外側のドラムをその予告対象のボーナス(当り)のラウンド数が付されている導光板85を、見えない状態(LED消灯状態)のまま前方に位置させるように回転させ、ボーナス(当り)が確定した時点でLEDを点灯させてラウンド数を表示させるような制御を行うことで遊技者の期待感を一層高めることができる。
図14(A)には、遊技機が遊技の制御状態としての3つの遊技モードを有する場合に、遊技モードが遷移する様子が示されている。
この実施例では、遊技モードには、通常の遊技状態である通常モードの他に、確変図柄で大当りしたときに移行する大当りの発生確率の高い遊技状態(普電サポートあり)である確変モード、内部的には大当りの発生率が高確率になるがそのことを明確に報知しない潜伏確変大当りを備え、潜伏確変大当り(もしくは小当り)が発生すると、遊技の制御状態として高確率であることを明確に報知しない曖昧モードがある。
図14(B)には、曖昧モードにおける確変状態の期待度を例えば4段階で報知する場合の報知態様の一例が示されている。また、図14(C)には、発生するボーナス(当り)の種類とラウンド数との関係の一例が示されている。
図15は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムの構成例を示す。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(図21参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図16を用いて、演出制御手段としての演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。VDP313については後に詳しく説明する。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める演出装置80,90等のLED)42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば演出装置80,90等の駆動源)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているLEDやモータ等の枠演出装置45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
上記盤装飾装置42には、前述した実施例における回転体ユニット80のLED基板86のLED86aも含まれる。また、盤演出装置44には、前述した実施例における回転体ユニット80の駆動源82、補助役物装置88の駆動モータ88c、補助演出装置89の駆動モータ89bが含まれる。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた入力操作部25の演出ボタン25aやセレクトボタン25bに内蔵されているスイッチ、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
図17には、演出制御装置300を構成する上記盤演出装置44(盤装飾装置42としてのLEDを含む)の内部構成を示す機能ブロック図が示されている。
盤演出装置44は、図9に示されている実施例の演出装置としての回転体ユニット(外ドラム)80の位置検出センサ84、補助演出装置(内ドラム)89の位置検出センサ89d、可動演出ユニット90の位置検出センサ94A,94Bからの検出信号を演出制御装置300へ入力する。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から受信したコマンドの上記位置検出センサ84、89d、94A,94Bからの検出信号に応じて、回転体ユニット(外ドラム)80の駆動源83、補助演出装置(内ドラム)89の駆動源89b、可動演出ユニット90の左右の駆動源92A,92Bへ駆動信号を出力してドラム81,89aや可動部材96A,96Bを動かす。また、演出制御装置300は、上記各駆動源83、89b、92A,92Bの駆動制御と並行して、対応する演出装置内のLEDを点灯させる駆動信号を出力して、ドラムや可動部材4の動きと連動して発光による装飾効果を高める制御を行う。
次に、遊技制御装置100において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。従って、CPU111Aは、乱数値の取得条件検出手段および乱数値取得手段として機能する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理および前記演出装置としての回転体ユニット80や可動演出ユニット90の制御を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。以下、かかる制御モードを普電サポートと称する。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
以下、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図18及び図19に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図20に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図18に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図19のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図19のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図19のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について図20のフローチャートを用いて説明する。
図20に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図21に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
そして、特図1表示器51または特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51または特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態においては、遊技制御装置100が変動表示ゲーム実行手段として機能する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図22に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA118における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA114:Yes)と判定すると、当該始動口スイッチ監視処理から抜ける。一方、ステップA114にて、普通電動役物が作動中でない(No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA115)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA116)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA116にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(No)と判定すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA117)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA118)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA116にて、不正入賞数が不正判定個数以上である(Yes)と判定された場合は、ステップA117,A118をスキップして始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について、図23を用いて説明する。
なお、この特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図23に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。
ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。
続いて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について、図24を用いて説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。従って、本実施形態においては、遊技制御装置100が始動記憶の事前判定手段として機能する。
図24に示すように、先ず、先読み演出を実行してもよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。そして、条件を満たしていない(ステップA232;No)と判定すると、何もせずに当該特図保留情報判定処理から抜ける。一方、先読み演出を実行してもよい条件を満たしている(ステップA232;Yes)と判定すると、大当り判定処理(ステップA233)を行う。
そして、判定処理結果は大当りか否かの判定(ステップA234)を行い、大当り中である(Yes)と判定された場合には、次のステップA235で監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し、大当り図柄乱数チェックして対応する大当り情報テーブルを取得して設定する処理(ステップA236)を行って、ステップA238へ移行する。
一方、ステップA234で大当り中でない(No)と判定すると、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA237)を行った後、ステップA238へ移行する。
ステップA238では、設定されたはずれ情報テーブルまたは大当り情報テーブルから図柄情報を取得して、当該図柄情報を作業用のRWM(リードライトメモリ)の図柄情報領域にセーブする(ステップA239)。
続いて、はずれ情報テーブルまたは大当り情報テーブルから監視対象の始動口入賞演出図柄コマンドを取得して、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA240)。
次に、始動口スイッチ33aまたは34aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA241)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA242)を行う。その後、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA243)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
そして、変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備(ステップA245)した後、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備(ステップA246)し、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
上記処理により、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。以上の説明より、本実施形態においては、演出制御装置300が、事前報知手段として機能することが分かる。
図25には、上記特図保留情報判定処理中のステップA239で取得される始動口入賞演出図柄コマンドの例が示されている。
図25に示すように、本実施形態においては、5種類の始動口入賞演出図柄コマンドと10種類の始動口入賞演出コマンドが用意されている。例えば始動口入賞演出図柄コマンド1は、当該保留(始動入賞)に対応する変動表示ゲームの結果が外れであることを指示する。また、始動口入賞演出図柄コマンド5は、当該保留に対応する変動表示ゲームはその結果が10R(ラウンド)の確変大当りであることを指示する。
一方、始動口入賞演出コマンド1は、当該保留に対応する変動表示ゲームがはずれのノーマルリーチ以下であることを指示する。また、始動口入賞演出コマンド10は、当該保留に対応する変動表示ゲームはSP1(スペシャルリーチ1)を経てその結果が大当りであることを指示する。さらに、図示は省略するが、始動口入賞演出図柄コマンド以外にも全遊技結果、全変動パターンの組み合わせごとにコマンドが用意されている。
さらに、本実施形態においては、図26に示すように、始動記憶数(保留数)に応じて、実行する変動表示ゲームの変動パターンを選択するテーブルが切り替えられるようにされており、始動記憶数(保留数)が多いほどリーチなしの変動パターンが選択される確率が高くなるようにテーブルが設定されている。これにより、始動記憶数(保留数)が多いほど変動表示ゲームの平均的な所要時間が短くなるように制御が行われる。
ただし、このようなテーブルの切り替え制御を行うと、例えば図26の乱数「15000〜20000」のように、選択された場合に始動記憶数(保留数)によって「リーチなし」となるのか「ノーマルリーチ」になるのか変わるものが出てくる。そして、そのような乱数を引いた始動記憶に対して、始動記憶が発生した時点で先読み予告で報知を行ってしまうと、その後に発生した始動記憶の数によって先読み予告の結果と実際の結果とが異なってしまうおそれがある。そこで、第1の実施形態においては、図26において、網掛け表示が付されている範囲の乱数については先読み予告を実行せず、網掛け以外の範囲の乱数を引いた場合にのみ先読み予告を実行するようにしている。
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図27に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
〔1stメイン処理〕
図27に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの入力処理(ステップB9)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、テストモード処理(ステップB11)、他の遊技機との間でデータの送受信を行うデータ通信処理(ステップB12)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行う1stシーン制御処理(ステップB13)を行う。このうち、データ通信処理(ステップB12)と1stシーン制御処理(ステップB13)については、後に詳しく説明する。
その後、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB14)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB15)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB16)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB17)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB18)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB19)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
図28には、図27に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB13)の具体的な手順の一例を示す。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB72)を行う。この図柄停止処理(ステップB72)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB73)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB74)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB75)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB76)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB77)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB78)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読み予告設定処理(ステップB79)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB80)を行う。
〔先読み予告設定処理〕
図29には、図28に示す1stシーン制御処理における先読み予告設定処理(ステップB71)の具体的な手順の一例を示した。
この先読み予告設定処理は演出制御装置によって行われるもので、先ず、既に先読み予告実行中か確認する(ステップB241)。そして、先読み予告実行中である(ステップB242;Yes)と判定した場合は、先読み予告設定処理から抜ける。また、ステップB242で、先読み予告実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB243へ進んで、遊技制御装置から新たにコマンド(図25の始動口入賞演出図柄コマンドや始動口入賞演出コマンド等)を受信したか確認する。ここで、先読みコマンド(事前判定コマンド)を受信してない(ステップB244;No)と判定した場合は、先読み予告設定処理から抜ける。また、ステップB244で、先読みコマンドを受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB245へ進んで、先読み予告を実行するか否かの抽選を行う。
その後、ステップB245の抽選で先読み予告を実行することになったか否か判定する。そして、実行しない(ステップB246;No)と判定した場合は、先読み予告設定処理から抜ける。また、ステップB246で、先読み予告を実行する(Yes)と判定した場合は、ステップB247へ進んで、始動口入賞演出図柄コマンド(図25参照)から当該始動記憶の図柄情報を取得する。そして、当該始動記憶の変動表示ゲームは大当りか否かの判定(ステップB248)を行う。
ここで、大当りでない(No)と判定した場合は、先読み予告設定処理から抜ける。一方、大当りである(Yes)と判定した場合は、ステップB249へ進んで、ステップB247で取得した始動記憶の図柄情報と対応する表示(ボーナスの種類)が前方位置に来るように内ドラム89aを回転する。
続いて、ステップB250へ進んで、ステップB247で取得した始動記憶の図柄情報と対応する表示(ラウンド数)のある導光板85が前方位置に来るように外ドラム81を回転する。なお、これによって先読み予告としてのボーナスの種類に対応するラウンド数の表示を有する導光板が前方に移動するが、この時点ではLEDが発光していないため視認はできない。
その後、対象となる変動表示ゲームの開始時に導光板の表示を行うつまりLED86を点灯させるように設定(ステップB251)を行って当該先読み予告設定処理を終了する。これにより、大当り(ボーナス)が発生するという予告が行われているが、ラウンド数が視認可能となるのは、対象となる変動表示ゲームの開始の際になるので、遊技の緊張感が維持されることとなる。
次に、先読み予告の他の例を、図30を用いて説明する。なお、以下に説明するような先読み予告を可能にするため、内ドラム89aには、ボーナスの種類を示す文字が付され、外ドラム81の導光板85には例えば「かも?」のような文字が付されたものを用意しておく。また、図30(B)に示すように、始動記憶数(保留数)に応じて、大当り先読み予告の実行の際における回転体ユニット80のLED86の光量が変化するように設定しておく。
演出制御装置300は、先読み予告制御を開始すると、先ず図30(A)における(a)のように、内ドラム89aのボーナスの種類を示す文字が前方に来るように回転させるとともに、外ドラム81は「かも?」のような否定的な意味を有する文字が付されている導光板85を前方に位置させた状態でLEDを点灯して、両方のドラムの表示が重なるようにすることで、後方のボーナスの種類を示す文字が見えにくくする。
そして、大当りが発生する場合には、その後、LEDの発光輝度を弱くすることで、(b)のように、前方の導光板85の表示の視認性を低くする。さらにその後、LEDを消灯することで、(c)のように、前方の導光板85の表示が見えないようにすることで、大当りの発生を完全予告する。上記のような制御を行うことによって、変動表示ゲームに対する期待感を徐々に高めるような演出が可能となる。なお、外れとなるゲームでも上記のような予告演出を実行して、予告対象となるゲームでは「かも?」の文字が消えないように制御してもよい。
図31(A)には、図29の制御フローに従って先読み予告演出(例1)を行う場合のタイミングが、また図31(B)には、図30のような先読み予告演出(例2)を行う場合のタイミングが示されている。
図31(A)に示すように、例1の先読み予告演出においては、タイミングt1で内ドラムと外ドラムの回転が開始され、タイミングt2で停止され、その後タイミングt3でLEDが点灯されることで、導光板85の表示が視認可能となる。
一方、図31(B)に示すように、例2(図30)の先読み予告演出においては、タイミングt1で内ドラムと外ドラムの回転が開始され、内ドラムと外ドラムの回転が終了したタイミングt2で、導光板85のLEDが点灯されて内ドラムの表示が見えにくい状態にされ、その後LEDの輝度が段階的に低くなることで内ドラムの表示が見え易くなるように制御される。なお、LEDの輝度は、図31(B)に破線で示すように、徐々に弱くなったり、弱くなったり強くなったりを繰り返すように制御してもよい。
また、上記とは逆に、外ドラムの表示が次第にはっきりと見えて行くような制御を行ってもよい。
以上の説明から、上記実施形態には、遊技の進行に関連して作動する演出装置と、該演出装置を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備えた遊技機において、前記演出装置は、周方向に沿って複数の表示面を有する回転可能な回転ドラムと、前記回転ドラムの所定の表示面を構成し、表面に前記遊技の進行に関連した所定の画像を示す異方性反射パターンが形成された透明な導光板と、前記導光板に対して所定の方向から光を照射する光照射手段(LED基板86)と、を備え、前記光照射手段の消灯状態においては前記導光板の前記所定の画像は非表示状態となり、前記光照射手段が前記導光板に対して光を照射すると前記所定の画像が表示状態となるように構成され、前記演出制御手段は、前記遊技の進行に関連して前記回転ドラムを回転動作させて所定の表示面を前方に位置させ、前記光照射手段を点灯させることにより前記所定の画像を視認可能に制御するようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、光照射手段が消灯状態においては導光板の画像が非表示となるため、表面に導光板を有する回転ドラムを、非表示のまま回転させたり、光照射手段を点灯させることで導光板の画像が表示された状態で回転させたり、導光板の状態を非表示状態と表示状態に切り替えながら回転させたりできるので、ドラム型の演出装置において演出の幅が広がり、遊技の興趣を高めることができる。
回転ドラムにLEDやLCD(液晶表示器)などからなる表示手段を設けようとすると、部品点数が多くなり重量が重くなるとともに給電構造が複雑になるが、上記手段によれば、表示面を構成する導光板に光を照射するだけで表示状態を変化させることができるので、簡易な構成で表示手段を実現でき、ドラムの軽量化が可能となるため回転駆動機構への負担を増大させることなく興趣の高い演出を行うことができる。
また、上記実施形態には、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な表示装置と、前記変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、前記変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段と、前記始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記事前判定手段の判定結果に応じて、前記回転ドラムの回転動作及び前記光照射手段による光の照射態様を制御し、前記導光板の画像の表示状態によって前記変動表示ゲームの実行情報を事前報知可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、始動記憶に基づいて変動表示ゲームの実行情報の事前報知として、回転ドラムおよび光照射手段が制御されるため、例えば、変動表示ゲームの実行情報に対応する画像を有する表示面が前方となるように回転ドラムの回転角度を制御し、光照射手段を発光させて表示状態に切り替える制御や、変動表示ゲームの実行情報に対応する画像を有する表示面が前方となるように回転ドラムの回転角度を制御するものの、非表示状態のままにするような制御が可能となり、変動表示ゲームの進行に関連する予告演出の態様が豊富となって変動表示ゲームの興趣を高めることができる。
さらに、上記実施形態には、上記回転ドラムは、内部に所定の空間が形成され、該空間に遊技の進行に関連して動作可能な内部演出装置が配設され、回転ドラムの表示面を構成する前記導光板を介して前記内部演出装置が視認可能に構成されているようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、光照射手段の消灯状態においては導光板の画像が非表示となるため、導光板を介してドラム内部が視認可能な状態とすることができるとともに、ドラム内部には演出装置が配置されているため、ドラムによる演出と内部演出装置による演出を組み合わせた演出が可能となり、演出内容が多様化する。
さらに、上記実施形態には、演出制御手段としての演出制御装置は、回転ドラムの駆動源と、上記光照射手段及び内部演出装置の駆動源を制御可能であり、内部演出装置は、数の動作態様で動作可能に構成され、演出制御手段は、事前判定手段の判定結果に応じて、前記回転ドラムの動作態様、前記光照射手段による光の照射態様、及び前記内部演出装置の動作態様を組み合わせて、実行中の変動表示ゲームに関連する演出を実行可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、内部演出装置の動作に関連して回転ドラムを動かしたり、回転ドラムの動作及び導光板の表示状態と連携して内部演出装置を動作させたりして予告演出を実行することができ、単なるドラム装置とは異なるインパクトのある演出を実現することが可能となる。
また、上記実施形態には、上記回転ドラムは、表面に複数の導光板を保持するフレームを備え、該フレームの前記導光板以外の部位の内面に装飾が付されているようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、光照射手段の消灯状態では導光板の画像が非表示となるため、透明な導光板を介してフレーム内面の装飾が視認可能となることで、ドラム内部の装飾を利用した演出を行うことができ、演出内容が多様化する。
また、上記実施形態には、上記導光板には各々入射方向の異なる光を反射可能な2種類の異方性反射パターンが形成され、光照射手段は、前記回転ドラムの最前方に位置する前記導光板に対して光を照射可能な第1発光手段と、前記回転ドラムの最後方に位置する前記導光板に対して光を照射可能な第2発光手段とを備えるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、表面に複数の導光板を有する演出装置は、最前方に位置する導光板を介して最後方に位置する導光板の異方性反射パターンによる画像を視認することが可能であるため、2つの導光板の重なった画像、前方に位置する導光板の画像のみ、あるいは後方に位置する導光板の画像のみを見せることができ、ドラムの回転位置によって様々表示が可能となり、演出内容が多様化する。
さらに、上記実施形態には、上記演出装置は、補助演出措置を備え、上記回転ドラムは、内部に所定の空間が形成され、補助演出装置は、回転ドラムの内部の空間に回転可能に配設され該回転ドラムの径よりも小さな径の表示面を有するドラムと、該ドラムを回転動作可能な駆動手段とを備えるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、表面に複数の導光板を有する演出装置は、回転ドラムの最前方に位置する導光板を介して内部の補助演出装置のドラムの表示面を視認することができるため、回転ドラムの導光板の画像と内部演出装置のドラムの表示面の表示とを組み合わせによる表示が可能となり、演出内容が多様化となるとともに2重ドラムの特性を生かした変動表示ゲームの予告演出が可能となる。
次に、図3に示されている表示装置41を収納する表示装置収納枠47の下部に設けられている可動演出ユニット90の詳細について説明する。
実施例の可動演出ユニット90は、左右にそれぞれ回動軸92A,92Bを有し、回動されると図32に示すように、液晶表示パネルなどで構成された表示装置41の画面の手前で例えばX字状に交差するような位置に回動可能な「剣」を模した一対の可動部材91A,91Bと、これらの可動部材91A,91Bを回動させるための駆動源としての駆動モータ93A,93Bと、該モータの回転力を回動軸92A,92Bに伝達する回転伝達機構94A,94Bなどから構成されている。
この実施例の可動演出ユニット90は、「剣」を模した細長形状の可動部材91A,91Bの長さを表示装置41の画面の大きさに対応させ、可動部材91A,91Bを作動させて表示装置41の画面の手前でX字状に交差させることで、画面を複数の表示領域に区画するような働きをさせるとともに、区画された表示領域でそれぞれ異なる内容の画像を表示することで、例えばこれから発展する遊技内容に複数の選択肢があるかのような演出を行えるようにしたものである。なお、可動部材91A,91Bは、直線状のものに限定されず、例えば「く」の字状の可動部材を表示装置41の画面の手前で背中合わせに接合させることで、画面を区画するようにしてもよい。
可動部材91A,91Bは、刃の部分(以下、装飾部と称する)全体が不透明に形成されていてもよいが、透明な合成樹脂で形成するとともに、図33に示すように、可動部材91A,91Bの裏面側にLED基板95A,95Bおよび拡散用のレンズ96A,96Bをそれぞれ配置して一体に結合させ、LEDを点灯させることで画面区画部材として機能するように構成してもよい。
また、装飾部を導光板で形成し、回動軸側にLED基板を配設して、前記実施形態の回転体ユニット80の導光板と同様な照明の仕方で全体を発光させるように構成してもよい。さらに、装飾部をLEDで発光させる場合、フルカラーのLEDを設けておいて、図34に示すように、装飾部の発光色で変動表示ゲームの結果を予告するような演出を行うことも可能である。図34において、装飾部の模様の違いは、色が異なっていることを意味している。
また、一対の可動部材91A,91Bの互いに交差する図34の丸で囲まれたような部位のみを透明もしくはLEDなしの領域に設定して、当該部位では後方の表示装置の画像が前方から視認可能となるように構成してもよい。
次に、上記のように発光可能な装飾部を有するように構成された可動演出ユニット90と表示装置41による表示とを連携させた演出の具体的な例について説明する。
図35(A)は、可動部材91A,91Bを交差状態になるように回動させて表示装置41の画面を4つの領域に区画するとともに、区画された各領域にそれぞれ複数のリーチ演出パターンのそれぞれに対応されたキャラクタなどを表示させる。そして、いずれか一つの領域の背景色を明るくし、明るい領域を右回りあるいは左回りに順繰りに移動させて、最後に停止した領域のキャラクタに対応したリーチ演出を開始させるリーチ選択演出を行うというものである。なお、このリーチ選択演出中に装飾部の発光態様によってリーチの信頼度を示唆したり、選択されるリーチの種類を示唆するような制御を行うようにしてもよい。
また、区画された各領域に変動表示ゲームの表示態様を表示し、遊技機の前面に設けられている演出ボタンなどを有する入力操作部25を用いて、遊技者に区画された各領域に表示されている表示態様の中からひとつを選択させ、以後の演出においては選択された表示態様に基づいて、変動表示ゲームの進行を制御するようにしてもよい。
また、図35(B)は、図35(A)と同様にして可動部材91A,91Bの装飾部によって表示装置41の画面を4つの領域に区画するとともに、区画された各領域のそれぞれに同一のキャラクタなどを表示して滅多に出現しないプレミアリーチが発生することを予告する表示を行うようにしたものである。なお、区画された各領域にそれぞれ同一のキャラクタを表示する代わりに、図35(C)に示すように、全領域にまたがるようにキャラクタを表示するようにしてもよい。
そして、この場合、可動部材91A,91Bの装飾部が導光板で構成されているものであれば、装飾部を発光させないように制御することで、透明な導光板を通して表示装置41の画像が見易くなるようにすることができる。入力操作部25を用いて遊技者が、可動部材91A,91Bによって区画された各領域に表示されている表示態様の中からひとつを選択させる制御状態において、図35(C)に示すような表示を行ってもよい。この場合、遊技者がどの領域を選択してもその後の演出は同じになるので、演出してのインパクトが強くなり、遊技の興趣が高まることとなる。
図36(A)は、可動部材91A,91Bを交差状態になるように回動させて表示装置41の画面を4つの領域に区画するとともに、区画された各領域に複数のリーチ演出パターンのそれぞれに対応されたキャラクタなどを表示させる。そして、例えば期待度の低いリーチ演出に対応した領域のような領域は背景画像のみとしキャラクタを表示しないようにするというものである。なお、この場合、可動部材91A,91Bの装飾部の発光色と期待度の低いリーチ演出に対応した領域の背景色を同一の色で表示することによって、装飾部と期待度の低い領域との境界を分かりにくくするような表示を行うようにしてもよい。
また、図36(B)は、図36(A)と同様な演出表示を、可動部材91A,91Bによって区画された4つの領域のうち2つの領域で行うようにしたものである。この場合、可動部材91A,91Bの装飾部を中央で2つに分け、先端側と基端側とで発光色を異ならせるとともに同一色で挟まれた領域の背景画像を装飾部の発光色と同一の色で表示するようにしてもよい。
さらに、図36(C)に示すように、可動部材91A,91Bの装飾部を長さ方向の中心線にて2つに分け、それぞれの領域を異なる色で発光できるように構成してもよい。このように構成しておくことで、可動部材91A,91Bによって区画された4つの領域の背景画像の色とこれと接する部位の装飾部の発光色を同一色とすることによって、区画部材としての装飾部の存在を視認しにくくするような表示が可能となる。
また、上記実施形態の可動演出ユニット90は、可動部材91A,91Bと表示装置41の画面との距離が大きいため、上記のように、可動部材91A,91Bを交差状態になるように回動させて表示装置41の画面を4つの領域に区画したとしても、はっきりと区画部材として認識させにくいことが考えられる。そこで、表示装置41としてパララックスバリア方式の表示装置のような立体画像(3D画像)を表示可能な装置を使用し、可動部材91A,91Bによって区画された各領域にそれぞれキャラクタなどを表示させる場合、キャラクタを3D表示させて、可動部材91A,91Bとキャラクタが同一平面にあるかのような表示を行うようにしてもよい。これによって、よりインパクトの高い演出が可能となる。
次に、上記のような可動部材91A,91Bを有する可動演出ユニット90と表示装置41による表示とを連携させた演出の他の例について説明する。
図37(A)は、可動部材91A,91Bのうち一方の可動部材91Aを約45度回動させて、表示装置41の画面を斜めに横切って画面を2つの領域に区画するとともに、区画された各領域で、変動表示ゲームを実行させるようにしたものである。
図37(B)は、図37(A)と同様に、一方の可動部材91Aを約45度回動させて、表示装置41の画面を2つの領域に区画するとともに、区画された一方の領域で変動表示ゲームを実行させ、他方の領域では予告表示(カットイン予告)をするようにしたものである。なお、この予告表示の際には、当該予告の期待度に応じて回動した可動部材91Aの装飾部の発光色を変えるように制御してもよい。
図38は、(A)のように、可動部材91A,91Bのうち一方の可動部材91Bを約30度回動させて斜めの状態を保持させてスロープを形成するとともに、表示装置41の画面には、可動部材91Bにより形成されたスロープの上部近傍に例えば「宝石」を模したアイテムを表示し、スロープの下部近傍にキャラクタを表示する。そして、キャラクタをスロープに沿って移動させる演出を行い、(B)のように、アイテムまで到達した場合には変動表示ゲームを発展させ、アイテムまで到達しなかった場合には変動表示ゲームを終了させるようにしたものである。
また、この演出では、可動部材91Bにより形成されるスロープの角度を変化させて、図38(C)のように、急な角度のスロープが形成されている場合に、キャラクタがアイテムまで到達した場合には変動表示ゲームを発展させ、アイテムまで到達しなかった場合には変動表示ゲームを終了させるように制御してもよい。
図39には、上記のような可動部材91A,91Bを有する可動演出ユニット90と表示装置41による表示とを連携させた演出を実行する場合に、演出制御装置300によって実行される表示領域区画演出設定処理の手順が示されている。
この表示領域区画演出設定処理においては、先ず、遊技制御装置から新たに受信したコマンドを確認する(ステップB261)。そして、受信したコマンドが変動パターンコマンドでない(ステップB262;No)と判定した場合は、表示領域区画演出設定処理から抜ける。また、ステップB262で、受信したコマンドが変動パターンコマンドである(Yes)と判定した場合は、ステップB263へ進んで、変動パターンコマンドに対応した演出選択テーブルを設定する。
その後、ステップB264へ進んで、ステップB263で設定した演出選択テーブルを用いて演出パターンを選択してから、選択した演出パターンを今回の変動パターンとして設定する(ステップB265)。続いて、役物(可動演出ユニット90)の作動を伴う演出であるか否か判定する(ステップB266)。そして、役物の作動を伴う演出でない(No)と判定した場合は、表示領域区画演出設定処理から抜ける。一方、ステップB266で、役物の作動を伴う演出である(Yes)と判定した場合は、ステップB267へ進んで、ステップB264で選択した演出パターンにおける表示内容に対応する役物の動作パターン(動作態様)を設定して表示領域区画演出設定処理を終了する。
次に、可動演出ユニット90と表示装置41による表示とを連携させた演出の変形例を、図40〜図42を用いて説明する。このうち図40は、図38の実施例の変形例を示す。
図40(A)は、表示装置41の画像によって、可動部材91Bにより形成されたスロープの途中に障害物が出現したように見せる例である。図40(B),(C)は、キャラクタが乗り物に乗ってスロープを登る演出表示を行い、キャラクタがアイテムまで到達した場合には変動表示ゲームを発展させ、アイテムまで到達しなかった場合には変動表示ゲームを終了させるように制御する例である。このとき障害物を可動部材91Bの角度に沿って表示することで、遊技者は可動部材91Bによるスロープと障害物が一体形成されているように認識可能となる。
また、図41は、図35の実施例の変形例を示すもので、可動部材91A,91Bを交差状態になるように回動させて表示装置41の画面を4つの領域に区画するとともに、可動部材91A,91Bの装飾部の点灯/消灯が、回数区切り確変(ST)中における始動記憶の数を表すようにする。そして、図41(B)のように、区画された各領域で対応する始動記憶の消化による変動表示ゲームを実行させるようにしたものである。この場合、確変状態で抽選が行われる変動表示ゲームの回数を4回に設定するのが望ましい。なお、区画された各領域で、対応する始動記憶の先読み予告演出を行うようにしてもよい。
図42は、図41に示される遊技が進行した状態を表す。
(A)のように、区画された各領域で、回数区切り確変中の変動表示ゲームを実行させる。そして、いずれかの領域の変動表示ゲームでリーチが発生すると、図42(B)のように、その変動表示ゲームを画面全体に拡大表示させ、可動部材91Aと91Bの角度を変化させながら、表示装置41の画面には火花が散るような画像を表示させて剣によるバトルが行われているような演出を行う。その演出の態様で、ゲームの信頼度を示唆するように制御する。なお、この場合にも、可動部材91A,91Bの装飾部としての「剣」の発光色でゲームの信頼度を示唆するように制御してもよい。
図43は、回転体ユニット80と可動演出ユニット90とを連携させた演出の例を示す。
この演出例は、回転体ユニット80による演出を開始する前に、可動部材91Aをその先端が、回転体ユニット80のほぼ中央に向くような位置まで回動させた後、可動部材91Aの装飾部の背部に設けられている複数のLEDを、装飾部の基部から先端へ向けて順繰りに点灯させることで、光が先端へ向かって移動するような表示を行うようにしたものである。これによって、遊技者の注意を回転体ユニット80に向かわせることができる。
なお、この場合、可動部材91Aを透明な部材で形成しておいて、表示装置41の画面上に、斜めの状態の可動部材91Aの装飾部に沿って、スポット状の光が先端へ向かって移動するような表示を行わせるように制御してもよく、それによって上記と同様な効果が得られる。また、上記のような回転体ユニット80と可動演出ユニット90の作動に連携させて、表示装置41において関連する画像を表示するようにしてもよい。
以上の説明から、上記実施例には、遊技の進行に関連する表示情報を表示可能な表示装置を備え、前記遊技の結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記遊技の進行に関連して作動する演出装置と、該演出装置を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、前記演出装置は、前記表示装置の表示画面の縁部から表示画面の前方へ該表示画面と重なるように移動可能な複数の装飾部材(可動部材91A,91B)と、前記装飾部材を移動させるための駆動機構と、前記装飾部材に複数の照射態様で光を照射可能な照明手段(LED基板94A,94B)と、を備え、前記装飾部材は、長さに対する幅の比が小さな細長形状に形成され、前記演出制御手段は、前記遊技の進行に関連して、前記複数の装飾部材の一部が前記表示装置の前方で重なるように移動させ、当該複数の装飾部材によって前記表示装置の表示画面を複数の表示領域に区画可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、細長形状の装飾部材によって表示装置の表示領域を区画するので、表示画面上において単に表示演出として画面を分割した演出を行うよりもインパクトが強く、興趣の高い表示演出を実行することが可能となる。
特に、複数の装飾部材を、表示装置の前方で2本の細長形状の部材が交差する状態に移動させることで表示画面を区画するので、交差した部分を中心として装飾部材の発光態様などに応じて様々な見え方で複数の表示領域を区画することができる。
なお、「遊技に関連する表示情報を表示」とは、パチンコ機であれば信頼度に応じた予告や図柄の変動演出の実行であり、スロットマシンであればリール制御に関連した演出などの実行である。「表示画面の縁部」には、表示装置と多少重なる位置、全く重ならず、遊技者から隠蔽されている位置などが含まれる。また、照明手段による「照射態様」とは、光の強弱、発光色、点滅パターンなどを含む。「細長形状」には、直線状の他、「く」の字状なども含まれる。「重なる状態」とは、交差するものや、隣り合って接するものなどを含む。
また、上記実施例には、演出制御手段としての演出制御装置は、複数の装飾部材によって表示装置の表示画面を複数の表示領域に区画した場合に、遊技の進行に関連した複数の発光態様から一の発光態様を選択し、上記照明手段の発光態様を制御するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、表示装置の表示画面を複数の表示領域に区画した状態で、その区画部材をなす装飾部材に対して照射される光の発光態様によって、遊技の結果が特別結果となる信頼度が異なるように演出を行うことができるので、単に表示画面を区画するだけではなく、装飾部材の発光態様を視覚的に楽しませながら、遊技の結果に対する期待感を変化させてはらはらどきどきする感覚を遊技者に与えることができる。
さらに、上記実施例には、上記表示装置において識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行制御手段と、前記変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に特別遊技状態を発生させる遊技制御手段と、を備え、演出制御手段としての演出制御装置は、複数の装飾部材によって区画された複数の表示領域に、実行中の前記変動表示ゲームの結果に関連する表示情報をそれぞれ異なる態様で表示させ、前記照明射手段の発光態様を前記複数の表示領域のそれぞれに表示される表示情報に応じて制御するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となるか否かなどで異なる態様で表示される表示情報に対応して、区画部材としての装飾部材に照射される光の発光態様も変化することとなり、表示画面の表示と区画部材の発光とで連携した予告演出を実行することができるようになる。
また、上記実施例には、遊技者が操作可能な操作手段を備え、演出制御手段としての演出制御装置は、複数の装飾部材によって区画された複数の表示領域のうち、いずれかの表示領域を前記操作手段によって遊技者に選択させ、選択された表示領域における表示情報の態様に基づいて、変動表示ゲームの結果に関連する表示情報の表示態様および前記照明手段の発光態様を制御するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、複数の装飾部材によって区画された複数の表示領域に表示情報の表示態様を表示して遊技者に表示領域を選択させることで、変動表示ゲームの結果に関連する表示情報の表示態様および照明手段の発光態様を制御するので、表示画面がどのように区画され、どのような表示情報が表示されているかなどが遊技者の選択に影響を及ぼすとともに、遊技者が任意に選択することできるため興趣が高まる。
また、上記実施例には、演出制御手段としての演出制御装置は、変動表示ゲームの結果が特別結果となるときは、全ての領域に亘って一つの表示情報を表示し、いずれの領域が選択されても、当該表示情報が選択されたとみなし対応する制御を実行するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、変動表示ゲームの結果が特別結果となるときは、全ての領域に亘って一つの表示情報を表示し、いずれの領域が選択されても、当該表示情報が選択されたとみなし対応する制御を実行するので、選択が可能な場合の演出としてはインパクトが強く、遊技の興趣が高まる。
さらに、上記実施例には、前記複数の装飾部材は、それぞれ前記表示装置の表示画面を挟んで対称的な位置に配設された軸により回動可能に支持された直線状をなす一対の装飾部材により構成され、前記一対の装飾部材が回動されて前記表示装置の表示画面の前方で交差する状態にされることによって、複数の表示領域に区画するように構成されているようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、一対の装飾部材による立体的な画面の区画方法であるので、表示装置の表示画面上において単に表示演出として画面を分割するのとは異なり、表示画面の前方に回動された装飾部材の存在感によりインパクトのある区画方法を実現することができる。
また、上記実施例には、前記複数の装飾部材は、それぞれ複数の領域に分割されて、各領域に対応してそれぞれ発光手段が設けられ、交差する状態に回動された場合に、前記各領域に対応した発光手段が異なる発光態様で制御可能に構成されているようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、複数の領域に分割された装飾部材の各領域を、装飾部材によって区画された各表示領域の表示態様に対応した発光態様で発光させることにより、表示装置の表示画像と区画部材としての装飾部材との一体感が増した演出が可能となる。
また、上記実施例には、複数の装飾部材は、互いに交差する状態に回動された場合に各装飾部材の交差する位置に対応する部位が透明にされて、前記表示装置の画面が視認可能となるように構成されているようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、特別な箇所である交差部分で表示装置の表示内容を視認可能であるので、遊技者の注意を引きやすく、また、全ての区画領域に対する予告表示として利用した演出を行うことができる。
さらに、上記実施例には、回転ドラムを備え遊技の進行に関連して作動する第1の演出装置と、遊技の進行に関連して作動する第2の演出装置を備え、第2の演出装置は、表示装置の表示画面の縁部から表示画面の前方に移動可能な複数の装飾部材と、前記装飾部材を移動させるための駆動機構と、前記装飾部材に複数の照射態様のうち所定の照射態様で光を照射可能な照明手段と、を備え、前記装飾部材は、長さに対する幅の比が小さな細長形状に形成され、演出制御手段としての演出制御装置は、前記遊技の進行に関連して、前記各装飾部材の一部が前記表示装置の前方で重なるように移動させ、当該各装飾部材によって前記表示装置の表示画面を複数の表示領域に区画可能であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、回転ドラムを備えた第1の演出装置以外に、表示装置の前方に移動可能な複数の装飾部材とこれらの装飾部材に複数の照射態様のうち所定の照射態様で光を照射可能な照明手段とを有する第2の演出装置を備えているので、回転ドラムを備えた第1の演出装置と、表示画面の前方に移動可能な細長形状の可動部材を備えた第2の演出装置の連携動作により、表示装置の表示を中心に様々な演出が実行可能となり、遊技の興趣を一層高めることができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、センターケースの表示装置41の前方に、演出装置として、回転体ユニット80と可動演出ユニット90を設けたものを示したが、回転体ユニット80または可動演出ユニット90のいずれか一方を演出装置として設けるように構成しても良い。
また、前記実施形態では、表示装置41とは別個に本来の変動表示ゲームを実行する特図表示器51,52を設けて表示装置41では飾り特図変動表示ゲームを表示するようにしたものを説明したが、特図表示器51,52を設けずに表示装置41で本来の変動表示ゲームを実行するように構成しても良い。
さらに、前記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明はパチンコ遊技機に限定されず、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシンなどの遊技機にも適用可能である。