〔第1実施形態〕
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の右側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための一般入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。なお、障害釘等の配置により、始動入賞口36(第1始動入賞口)には、左打ち(遊技球が遊技領域32の中央より左側の領域を流下するように発射操作)した場合にのみ遊技球が入賞可能とし、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)には、右打ち(遊技球が遊技領域32の中央より右側の領域を流下するように発射操作)した場合にのみ遊技球が入賞可能に構成されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側には、特図変動表示ゲームをなす特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50(図3参照)が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。すなわち、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38が、遊技球の入賞を検出する検出手段を備えた入賞装置をなす。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となり普図の当りとなって、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)で第1又は特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置、演出表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、特図2変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターン選択テーブルを記憶している。変動パターン選択テーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターン選択テーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターン選択テーブル等が含まれる。さらに、これらのパターン選択テーブルには、後半変動パターン選択テーブル、前半変動パターン選択テーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターン選択テーブルの中から、何れか一の変動パターン選択テーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン選択テーブルの中から、何れか一の変動パターン選択テーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターン選択テーブルのうち、何れか一の変動パターン選択テーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。また、演出制御装置300が、飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の演出の制御を行う演出制御手段をなす。また、遊技制御装置100が、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の制御を行う遊技制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが600ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば300ms)よりも長い第2開放時間(例えば1400ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
図5には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合における各特別結果の選択確率と、特別変動入賞装置38の動作態様を示した。図5(a)に示すように、特別結果の種類には15R確変A、15R確変B、15R確変Cの3種類があり、何れの特別結果も特別遊技状態の終了後に高確率状態が設定されるが、遊技者が獲得可能な遊技球数が異なっている。また、特図1変動表示ゲーム(特図1)よりも特図2変動表示ゲーム(特図2)の方が遊技者にとって有利な振り分けとなっている。
図5(b)から(d)には、各特別結果が導出された場合の特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様を示した。図5(b)に示すように15R確変Aでは、所定の開放時間に亘り大入賞口を開放した後、所定の閉鎖時間に亘り大入賞口を閉鎖する動作を各ラウンドで1回行う。すなわち、15回の開閉動作が行われる。図5(c)に示すように15R確変Bでは、15R確変Aと同様に所定の開放時間に亘り大入賞口を開放した後、所定の閉鎖時間に亘り大入賞口を閉鎖する動作を、各ラウンドで2回ずつ行う。すなわち、30回の開閉動作が行われる。また、図5(d)に示すように15R確変Cでは、15R確変Aと同様に所定の開放時間に亘り大入賞口を開放した後、所定の閉鎖時間に亘り大入賞口を閉鎖する動作を、各ラウンドで3回ずつ行う。すなわち、45回の開閉動作が行われる。
これにより、15R確変Aでは約500個の出玉を獲得でき、15R確変Bでは約1000個の出玉を獲得でき、15R確変Cでは約1500個の出玉を獲得できる。なお、一のラウンドで複数回の開閉動作を行う場合であっても、ラウンドの途中で予め定められた所定数の遊技球が入賞した場合は、当該ラウンドでの開放は終了して次のラウンドに移行するので、当初予定されていた開閉回数よりも少なくなることもある。
飾り特図変動表示ゲームの特別結果は各特別結果の種類を明確に報知するものではなく、特別遊技状態では現在のラウンド数の報知は行われないため、特別遊技状態の開始から15回目の開放動作までは、何れの特別結果に基づく特別遊技状態であるかはわからない状態となる。そして、16回目の開放が行われなければ15R確変Aであったことが明確となり、16回目の開放が行われれば15R確変B又は15R確変Cであることが明確となる。その後、31回目の開放が行われなければ15R確変Bであったことが明確となり、31回目の開放が行われれば15R確変Cであることが明確となる。
図6には、遊技状態の遷移を示した。通常遊技状態では、通常確率状態(特図低確、1/300)であり、時短状態でなく(サポなし)、高確率状態である場合に通常確率状態へ移行させるか否かを抽選する転落抽選も行われない。この通常遊技状態で大当りが発生すると、特別遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行する。この確変遊技状態では、高確率状態(特図高確、1/30)であり、時短状態であり(サポあり)、転落抽選は行われない。すなわち、この確変遊技状態で実行される特図変動表示ゲームが、転落抽選による判定が実行されない第2変動表示ゲームをなす。
そして、確変遊技状態で所定ゲーム数(ここでは20ゲーム)を実行すると、転落抽選状態に移行する。転落抽選状態では、高確率状態(特図高確)であり、時短状態であり(サポあり)、転落抽選が行われる(転落確率1/10)。すなわち、この転落抽選状態で実行される特図変動表示ゲームが、転落抽選による判定が実行される第1変動表示ゲームをなす。この転落抽選状態で転落抽選に当選すると通常遊技状態に移行する。また、転落抽選状態で転落抽選に当選せず、所定ゲーム数(ここでは3ゲーム)を実行した場合や大当りとなった場合は確変遊技状態に移行する。
これにより、高確率状態においては、転落抽選が行われない確変遊技状態と、転落抽選が行われる転落抽選状態とを交互に繰り返すようになり、高確率状態における遊技に変化をもたせ、高確率状態における遊技を興趣の高いものとすることができる。そして、転落抽選のない変動表示ゲームでは大当りとなるか楽しむことに集中でき、転落抽選のある変動表示ゲームでは、転落抽選に当選しないことを期待することに加え、次ゲーム以降に転落抽選のない変動表示ゲームが実行されること期待して遊技を楽しむことができる。
また、転落抽選による判定が実行される変動表示ゲームよりも転落抽選による判定が実行されない変動表示ゲームの方が実行されやすいので、転落抽選による判定が実行されるゲームよりも転落抽選による判定が実行されない変動表示ゲームに集中しやすく、大当りとなるかを楽しむことに集中しやすい。そして、転落抽選による判定のある変動表示ゲームでも、それを乗り越えれば転落抽選による判定のない変動表示ゲームが実行されるので、高確率状態での遊技に変化を与え、ゲームの進行を楽しむことができる。
図7には、転落抽選状態における転落抽選に関する演出の一例を示した。確変遊技状態では、図7(a)に示すように「チャンスゾーン」と表示され、高確率状態であって転落抽選が行われないことが報知される。そして、確変遊技状態で所定ゲーム数を行うと転落抽選状態となり、図7(b)に示すように「デンジャーゾーン」と表示されて高確率状態であって転落抽選が行われることが報知され、転落抽選に関する演出が開始される。
この転落抽選に関する演出では、図7(b)、(c)に示すように味方キャラクタと敵キャラクタが戦い、図7(d)に示すように味方キャラクタが負ければ転落抽選に当選して通常確率状態に転落したことが示される。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様に「終了」の図柄を表示することでも通常確率状態に転落したことが示される。これに対して、図7(e)に示すように味方キャラクタが勝てば転落抽選に当選せずに高確率状態が継続することが示される。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様に「継続」の図柄を表示することでも高確率状態が継続することが示される。
なお、敵キャラクタの種類により高確率状態の継続の可能性を示唆するようにしても良い。例えば、弱いキャラクタの場合は高確率状態の継続の可能性が高いことを示唆し、強いキャラクタの場合は高確率状態の継続の可能性が低いことを示唆するようにする。さらに最も強いキャラクタの場合は、高確率状態の継続の可能性が非常に低いことを示唆するが、味方キャラクタが勝利した場合には大当りとなるようにし、転落の可能性が高い場合にも大当りへの期待感を持たせることで興趣を高めることができる。
図8には、転落抽選状態での演出パターンを示した。図8(a)は転落抽選に当選しなかった場合の演出パターンであり、転落抽選状態での1回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t1からt2)で実行される演出において味方キャラクタが勝利する演出が行われる。その後、転落抽選状態での2回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t3からt4)及び、3回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t5からt6)で実行される演出においても味方キャラクタが勝利する演出が行われる。
図8(b)は、転落抽選状態での2回目の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合の演出パターンである。転落抽選状態での1回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t11からt12)で実行される演出においては味方キャラクタが勝利する演出が行われる。そして、転落抽選状態での2回目の特図変動表示ゲームの開始時に行われる転落抽選に当選し(t13)、確率状態が通常確率状態(低確)に移行する。この特図変動表示ゲームにおける変動時間(t13からt14)で実行される演出においては味方キャラクタが負ける演出が行われる。また、この特図変動表示ゲームの終了時(t15)には、時短状態が終了する。次の特図変動表示ゲームでは通常遊技状態に移行し、この特図変動表示ゲームにおける変動時間(t15からt16)では、通常遊技状態での演出が行われる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図9及び図10に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図11に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図10のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図10のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図10のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図11のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図12に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。この大当り終了処理では、特別遊技状態の終了後の遊技状態として確変状態及び時短状態を設定する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率が通常確率状態よりも高く設定された高確率状態を発生させる確率設定手段をなす。
その後、特図1表示器の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。そして、特図2表示器の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図13に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図14に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードし(ステップA205)、始動口信号出力回数を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA206)。出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローすると判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行い、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA217)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。さらに、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブする(ステップA219、A220、A221)。そして、転落抽選乱数を抽出して乱数セーブ領域にセーブし(ステップA222)、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出する乱数抽出手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合(ステップA225;No)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図15に示すように、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェック(ステップA231)を行い、満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、満たしている場合(ステップA232;Yes)は、以下の先読み演出に関する処理を行う。
ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力である場合は、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない場合、即ち、時短状態中でない場合であり、大当り(特別遊技状態)中でもない場合である。
先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)に行われる先読み演出に関する処理では、まず、転落抽選乱数が転落判定値と一致するか否かにより転落抽選に当選するか否かを判定する転落判定処理を行う(ステップA233)。そして、転落抽選に当選すると判定された場合に設定される転落情報があるかを判定する(ステップA234)。
転落情報がある場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。この場合、現在の確率状態は高確率状態であるが、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームは通常確率状態が設定されるので、先読み結果に矛盾が生じる虞があるため先読み処理を行わない。すなわち、特別結果となるか否かの判定を行う時は高確率状態であるが、変動表示ゲームの実行時は通常確率状態である始動記憶については、判定時には特別結果となると判定されても特別結果にならない可能性があり、このような始動記憶について連続的な演出を行うと演出と結果に矛盾が生じる可能性がある。よって、このような可能性がある始動記憶について特別結果となるか否かの判定を行わないようにすることで、当該始動記憶についての結果が特別結果となる旨の連続的な演出が実行されないこととなり、矛盾が生じることがないようにすることができる。
なお、転落情報は所定条件が成立することによりクリアされるようになっている。この所定条件とは、例えば、転落抽選に当選することとなる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了したことや、転落抽選に当選することとなる始動記憶が発生してから4回の特図変動表示ゲームを実行することである。これにより、始動記憶について先読み処理を行った際の確率状態と、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行する際の確率状態が異なることを防止できる。
転落情報がない場合(ステップA234;No)は、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA237)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得して(ステップA238)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得して図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA240)を行う。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)は、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA239)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得して図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA240)を行う。
設定した情報テーブルから図柄情報を取得して図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA240)を行った後、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得して当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA241)。次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA242)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(ステップA243)。
そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA244)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA245)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA246)を行う。なお、ステップA244における特図情報設定処理、ステップA245における後半変動パターン設定処理、ステップA246における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
そして、設定された変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(ステップA247)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA250)、コマンド設定処理(ステップA251)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA247、A248にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA250にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否かや特定の変動パターンとなるか等の実行情報を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔転落判定処理〕
図16には、上述の特図保留情報判定処理における転落判定処理(ステップA233)を示した。この転落判定処理では、まず、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップA261)を行い、高確率時でない場合(ステップA261;No)は、転落判定処理を終了する。また、高確率時である場合(ステップA261;Yes)は、確変中変動回数を確認し(ステップA262)、所定回数に到達したかを判定する(ステップA263)。
確変中変動回数とは、先読み処理対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが、高確率状態の開始からの何ゲーム目に実行される特図変動表示ゲームであるかを示す回数であり、ここでの所定回数とは、転落抽選状態となる回数であって、例えば21,22,23ゲーム目である。この所定回数に到達していない場合(ステップB263;No)は、転落判定処理を終了する。また、所定回数に到達した場合(ステップB263;Yes)は、下限判定値を設定し(ステップA264)、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かチェックする(ステップA265)。なお、転落抽選に当選するとは転落抽選乱数が転落判定値と一致することである。転落判定値は連続する複数の値であり、転落抽選乱数が、転落判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、転落判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、転落抽選に当選すると判定される。
転落抽選乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA266;Yes)、すなわち、当選でない場合は、転落判定処理を終了する。また、下限判定値未満でない場合(ステップA266;No)は、上限判定値を設定し(ステップA267)、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かチェックする(ステップA268)。
転落抽選乱数の値が上限判定値以下でない場合(ステップA269;No)、すなわち、当選でない場合は、転落判定処理を終了する。また、上限判定値以下である場合(ステップA269;Yes)、すなわち、当選である場合は、転落情報を作業用の設定情報領域にセーブし(ステップA270)、転落情報コマンドを準備する処理(ステップA271)を行う。その後、コマンド設定処理(ステップA272)を行い、転落判定処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームに対応する転落抽選の結果を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前転落抽選手段をなす。この転落判定処理において転落情報がセーブされることにより、上述したように所定条件が成立するまで始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないようになる。これにより、矛盾のない演出を行うことができる。また、転落情報コマンドは演出制御装置300に送信される。すなわち、転落抽選についての先読み結果が報知されることとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図17に示すように、特図普段処理では、先ず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、第2特図保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA312)を行う。特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA312)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器の変動中に係るフラグ、特図2表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA314)を行う。特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA314)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器の変動中に係るフラグ、特図1表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図18に示すように、先ず、転落抽選に当選したか否かを判定する転落抽選処理(ステップA320)を行う。なお、転落抽選処理の詳細については後述する。その後、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行う。ここでは結果が大当りである場合に大当り図柄乱数に基づき特別結果の種類が選択される。その後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブし(ステップA323)、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA324)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
次に、特図1変動フラグをロードして準備し(ステップA326)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA327)。続けて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、特図1変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特図1変動開始処理を終了する。なお、変動パターン(変動態様)を選択する際には、変動パターン選択テーブルに変動パターン乱数1から3を参照して対応する変動パターンを選択する。
変動開始情報設定処理(ステップA332)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図1保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図19に示すように、先ず、転落抽選に当選したか否かを判定する転落抽選処理(ステップA340)を行う。なお、転落抽選処理の詳細については後述する。その後、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、第2特図停止図柄の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を行う。ここでは結果が大当りである場合に大当り図柄乱数に基づき特別結果の種類が選択される。その後、特図2停止図柄番号に対応する試験信号をセーブし(ステップA343)、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA344)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA345)。
次に、特図2変動フラグをロードして準備し(ステップA346)、特図2変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA347)。続けて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA348)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA349)を行う。続けて、特図2変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA350)を行った後、特図2変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA351)を行う。なお、変動パターン(変動態様)を選択する際には、変動パターン選択テーブルに変動パターン乱数1から3を参照して対応する変動パターンを選択する。
その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA352)を行って、特図2変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA352)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図2保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
すなわち、遊技制御装置100が、乱数抽出手段(遊技制御装置100)によって抽出された乱数に基づき、変動表示ゲームの開始時に当該変動表示ゲームの結果が特別結果となるかを判定する乱数判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、乱数判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1所定乱数(変動パターン乱数1から3)に基づき、変動表示ゲームの実行に使用する変動パターンを設定する変動パターン設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別結果として、複数種類の特別結果から一の特別結果を選択する特別結果選択手段をなす。
〔転落抽選処理〕
図20には、図18に示す転落抽選処理(ステップA320)及び図19に示す転落抽選処理(ステップA340)を示した。この転落抽選処理では、まず、転落抽選乱数セーブ領域から転落抽選乱数をロードする処理(ステップA361)を行い、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップA362)を行う。そして、高確率時でない場合(ステップA362;No)は、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA377)を行って転落抽選処理を終了する。また、高確率時である場合(ステップA362;Yes)は、転落抽選状態である場合に設定される転落抽選実行情報を確認し(ステップA363)、実行情報があるかを判定する(ステップA364)。
実行情報がない場合(ステップA364;No)は、転落抽選乱数のセーブ領域を0クリアし(ステップA377)、転落抽選処理を終了する。また、実行情報がある場合(ステップA364;Yes)は、下限判定値を設定し(ステップA365)を行い、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かチェックする(ステップA366)。そして、転落抽選乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA367;Yes)、すなわち、当選でない場合は、転落抽選乱数のセーブ領域を0クリアし(ステップA377)、転落抽選処理を終了する。また、下限判定値未満でない場合(ステップA367;No)は、上限判定値を設定し(ステップA368)、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かチェックする(ステップA369)。
転落抽選乱数の値が上限判定値以下でない場合(ステップA370;No)、すなわち、当選でない場合は、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA377)を行って転落抽選処理を終了する。また、上限判定値以下である場合(ステップA370;Yes)、すなわち、当選である場合は、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(ステップA371)。
その後、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(ステップA372)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA373)、コマンド設定処理(ステップA374)を行う。そして、転落抽選実行情報をクリアして(ステップA375)、転落抽選終了カウンタをクリアし(ステップA376)、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA377)を行って転落抽選処理を終了する。
これにより、転落抽選に当選した場合に確率状態が通常確率状態となる。なお、時短状態は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了とともに終了するように設定される。すなわち、遊技制御装置100が、高確率状態を通常確率状態に転落させることを転落抽選の実行によって判定する転落抽選手段をなす。また、遊技制御装置100が、転落抽選手段によって転落抽選に当選したと判定された場合に高確率状態から通常確率状態へ移行させる確率移行手段をなす。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図21に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA381)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA382)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA383)、大当りである(ステップA384;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA390)を行い、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)開始に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA391)、ステップA392に処理を移行する。一方、ステップA384にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA384;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA385)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA386)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA387)、大当りである(ステップA388;Yes)と判定すると、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)開始に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA389)、ステップA392に処理を移行する。
そして、上述したステップA389における特図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップA391における特図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA393)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA394)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA395)、コマンド設定処理(ステップA396)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された停止図柄パターン番号をRWMの停止図柄情報領域からロードして、当該停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備し(ステップA397)、コマンド設定処理(ステップA398)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA399)、コマンド設定処理(ステップA400)を行う。
次に、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA401)、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA402)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA403)。その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA404)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA405)。以上の処理により、特別結果の種類に基づき、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態が発生するときに導出された特別結果の種類に応じて、当該特別遊技状態において遊技者に付与可能な遊技価値を決定する遊技価値決定手段をなす。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA406)、具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行って、特図変動中処理を終了する。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA388にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA388;No)と判定すると、図22に示すように、転落抽選の実行中であるかを判定する(ステップA407)。転落抽選の実行中とは、転落抽選状態であることである。転落抽選の実行中でない場合(ステップA407;No)は、確変(特図高確)中であるかを判定する(ステップA408)。
そして、確変中でない場合(ステップA408;No)、すなわち通常遊技状態である場合は、特図表示中処理を終了する。また、確変中である場合(ステップA408;Yes)、すなわち確変遊技状態である場合は、確変遊技状態の期間を管理するための転落抽選開始カウンタを−1更新し(ステップA409)、カウンタの値が0となったかを判定する(ステップA410)。
カウンタの値が0でない場合(ステップA410;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも確変遊技状態が継続する場合は、特図表示中処理を終了する。また、カウンタの値が0である場合(ステップA410;Yes)、すなわち次の特図変動表示ゲームから転落抽選状態となる場合は、転落抽選実行情報を設定し(ステップA411)、コマンド設定処理(ステップA412)を行い、転落抽選状態の期間を管理するための転落抽選終了カウンタに初期値(ここでは3)を設定して(ステップA413)、特図表示中処理を終了する。
一方、転落抽選の実行中である場合(ステップA407;Yes)は、転落抽選状態の期間を管理するための転落抽選カウンタを−1更新し(ステップA414)、カウンタの値が0となったかを判定する(ステップA415)。そして、カウンタの値が0でない場合(ステップA415;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも転落抽選状態が継続する場合は、特図表示中処理を終了する。また、カウンタの値が0である場合(ステップA415;Yes)、すなわち次の特図変動表示ゲームから確変遊技状態となる場合は、転落抽選実行情報をクリアし(ステップA416)、コマンド設定処理(ステップA417)を行い、確変遊技状態の期間を管理するための転落抽選開始カウンタに初期値(ここでは20)を設定し(ステップA418)、特図表示中処理を終了する。
この処理により、高確率状態において転落抽選を実行しない確変遊技状態を所定ゲーム数(ここでは20ゲーム)設定した後に、転落抽選を実行する転落抽選状態が所定ゲーム数(ここでは3ゲーム)設定される遊技状態の遷移が繰り返されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、高確率状態における変動表示ゲームとして、転落抽選による判定が実行される第1変動表示ゲームと、転落抽選による判定が実行されない第2変動表示ゲームと、を制御可能な変動表示ゲーム制御手段をなす。
また、転落抽選実行情報の設定やクリアに関する情報を含む転落抽選実行情報コマンドを演出制御装置300に送信し、この情報に基づき演出制御装置300でも遊技状態を設定するようにしている。なお、演出制御装置300が独立して遊技状態を管理することも可能であるが、転落抽選実行情報の設定やクリアに関する情報を含む転落抽選実行情報コマンドを遊技制御装置100から送信するようにすることで、停電復旧時に演出制御装置300で遊技状態を把握することが可能となる。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図23に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
図24には、図23に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB22)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの変動時間が終了した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示の停止や停止表示時間の設定等を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行う。
〔変動中処理〕
図25には、図24に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB91)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報である演出ボタン関連情報をクリアし(ステップB92)、可動体リクエストセット処理(ステップB93)を行う。次に、確変(高確率状態)中であるかを判定し(ステップB94)、確変中でない場合(ステップB94;No)は、変動パターン情報設定処理(ステップB99)を行う。また、確変中である場合(ステップB94;Yes)は、転落抽選実行情報コマンドから遊技状態を確認し(ステップB95)、転落抽選状態であるかを判定する(ステップB96)。
上述したように、高確率状態である場合には、確変遊技状態となる場合に転落抽選実行情報のクリアに関する情報を含む転落抽選実行情報コマンドが遊技制御装置100から送信され、転落抽選状態となる場合に転落抽選実行情報の設定に関する情報を含む転落抽選実行情報コマンドが遊技制御装置100から送信される。転落抽選状態であるかの判定(ステップB96)では、送信された転落抽選実行情報コマンドに基づき、現在の遊技状態を判定する。
遊技状態が転落抽選状態でない場合(ステップB96;No)は、変動パターン情報設定パラメータとして確変中演出実行情報を設定し(ステップB97)、変動パターン情報設定処理(ステップB99)を行う。遊技状態が転落抽選状態である場合(ステップB96;Yes)は、変動パターン情報設定パラメータとして転落抽選実行情報を設定し(ステップB98)、変動パターン情報設定処理(ステップB99)を行う。これにより、遊技制御装置100から送信された同じ変動パターンコマンドでも、遊技状態に応じた変動パターンを選択可能となり、例えば、転落抽選状態では、図7、図8に示したような演出を行うことができる。すなわち、演出制御装置300が、転落抽選が行われる第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームの実行に関連する演出(例えば転落抽選手段による転落抽選の実行に関連する演出)を実行する演出制御手段をなす。
変動パターン情報設定処理(ステップB99)を行った後、乱数シード初期化処理(ステップB100)を行い、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する処理(ステップB100)を行う。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示、予告演出における可動役物の動作や表示等の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
次に、確変遊技状態や転落抽選状態での特図変動表示ゲームの実行回数などを演出制御装置300で管理するための変動回数管理処理(ステップB102)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB103)を行う。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB104)、変動中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB91;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB105)。この場合、更新タイマは、シーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB105;No)は、変動中処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB105;Yes)は、次シーンデータの設定(ステップB106)を行い、変動中処理を終了する。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率が通常確率状態よりも高く設定された高確率状態を発生させる確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態を通常確率状態に転落させることを転落抽選の実行によって判定する転落抽選手段(遊技制御装置100)と、転落抽選手段によって転落抽選に当選したと判定された場合に高確率状態から通常確率状態へ移行させる確率移行手段(遊技制御装置100)と、高確率状態における変動表示ゲームとして、転落抽選による判定が実行される第1変動表示ゲームと、転落抽選による判定が実行されない第2変動表示ゲームと、を制御可能な変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)と、第1変動表示ゲーム及び前記第2変動表示ゲームの実行に関連する演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)は、高確率状態における変動表示ゲームとして、第2変動表示ゲームが実行される割合を、第1変動表示ゲームが実行される割合よりも高くするようにしていることとなる。
また、変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)は、高確率状態において、第1所定回数の第2変動表示ゲームが実行されると、第1所定回数よりも少ない第2所定回数の第1変動表示ゲームを実行し、第2所定回数の第1変動表示ゲームが実行されると、第1所定回数の第2変動表示ゲームを実行するようにしていることとなる。
なお、転落抽選状態では、転落抽選に対して遊技者の興味を集中させるために、特図変動表示ゲームの大当り抽選を行わないようにしたり、通常確率状態で抽選したりするようにしても良い。また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間と、転落抽選に当選しなかった特図変動表示ゲームの変動時間を異ならせるようにしても良い。また、確変遊技状態を20ゲーム、転落抽選状態を3ゲームとしたが、これ以外の設定としても良い。また、ゲーム数を状況に応じて変化させられるようにしても良い。例えば、高確率状態の期間が長いほど確変遊技状態の期間を短くする又は転落抽選状態の期間を長くしたり、抽選により選択したランダムな期間を設定したりしても良い。また、確変遊技状態と転落抽選状態の何れの状態であるかを明確に報知するようにしたが、非報知としたり曖昧に報知したりするようにしても良い。
また、特図1変動表示ゲームについては転落抽選を行わないようにしても良い。例えば、時短状態でない場合に大当りとなると、特別遊技状態の直後の数回の特図変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームが実行されるが、ここで転落抽選に当選した場合は、時短状態となる期間がわずかとなってしまう。特に、特図1変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームに比べて出玉が遊技者にとって不利な設定となっており、遊技者にとっては非常に不利な状態となる。このため、特図1変動表示ゲームについては転落抽選を行わないようにすることで、このような事態を防ぐことができる。また、特別遊技状態の終了後の1回または数回の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選を行わないようにしても良い。
また、特図1変動表示ゲームについて転落抽選を行わないとすると、高確率状態において意図的に第1始動口(始動入賞口36)を狙うことが考えられるため、本実施形態の遊技機のように、普図始動ゲート34をセンターケースの右側に設け、時短状態中は右打ちするように構成することが望ましい。このようにすれば、意図的に第1始動口を狙うことを防止できる。この他に、高確率状態での特図変動表示ゲームの実行回数を予め定められた所定回数に限定するようにすることや、特図1変動表示ゲームで転落抽選を行わないゲーム数を制限すること、高確率状態中は特図2変動表示ゲームしか実行できないようにすることでも意図的に第1始動口を狙うことを防止できる。
また、第2変動表示ゲームでは転落抽選による判定を行わないとしたが、この制御は、本実施形態で示したように、転落抽選の当選を決定するための転落抽選乱数を抽出するが当選か否かの判定を行わないようにすることの他、転落抽選乱数を抽出しないようにしたり、転落抽選乱数を抽出して転落抽選を行うが必ず当選しない結果(転落しない結果)が選択されるように判定値を設定したりすることでも実現することができる。
〔第1実施形態の第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、転落抽選状態において複数の特図変動表示ゲームに亘る連続的な演出を行うようになっている。
図26には、本変形例の転落抽選状態における転落抽選に関する演出の一例を示した。図26(a)に示す確変遊技状態で所定数のゲームを実行すると、図26(b)に示すように転落抽選状態となり転落抽選に関する演出が開始される。この転落抽選に関する演出では、味方キャラクタと敵キャラクタが戦い、味方キャラクタが負ければ転落抽選に当選して通常確率状態に転落したことが示される演出となっているが、転落抽選状態の全期間に亘り連続的に演出が行われる。
転落抽選状態での1回目の特図変動表示ゲームでは、図26(b)から(d)に示すように味方キャラクタと敵キャラクタが戦い、決着がつかないまま2回目の特図変動表示ゲームでも図26(e)、(f)に示すように戦いが継続される。そして、転落抽選状態での最後の特図変動表示ゲームとなる3回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選しなかった場合は、図26(g)から(i)に示すように味方キャラクタが勝利する演出が行われて高確率状態が継続することが示され、図26(j)に示すように確変遊技状態となる。なお、転落抽選状態での何れかの特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合は、転落抽選状態での最後の特図変動表示ゲームとなる3回目の特図変動表示ゲームにおいて味方キャラクタが負ける演出が行われて通常確率状態であることが示され、通常遊技状態となる。
図27には、転落抽選状態での演出パターンを示した。図27(a)は転落抽選に当選しなかった場合の演出パターンであり、転落抽選状態での1回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t21からt22)及び停止時間(t22からt23)、2回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t23からt24)及び停止時間(t24からt25)、3回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t25からt26)に亘り、連続的に演出が行われる。そして、3回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t25からt26)において味方キャラクタが勝利する演出が行われ、高確率状態が継続することが示される。
図27(b)は、転落抽選状態での1回目の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合の演出パターンである。この場合も転落抽選状態での1回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t31からt32)及び停止時間(t32からt33)、2回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t33からt34)及び停止時間(t34からt35)、3回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t35からt36)に亘り、連続的に演出が行われる。そして、3回目の特図変動表示ゲームにおける変動時間(t35からt36)において味方キャラクタが負ける演出が行われ、高確率状態が終了したことが示される。
図27(b)の場合は、転落抽選状態での1回目の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選して通常確率状態となっているが、この時点では転落したことは報知されず、転落抽選状態の最後となる3回目の特図変動表示ゲームで報知が行われるようになっている。これにより、転落抽選状態中は高確率状態であることに対する期待感を持たせることができる。また、時短状態(普電サポート)は、転落抽選状態の終了時(t37)に終了するようにし、転落したことがわからないようにしているが、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで終了するようにしても良い。
〔第1実施形態の第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別結果の種類により転落抽選の実行態様が異なるようにしている。
本変形例の遊技機は、図28に示すような特別結果の種類が設定されている。15R確変A1、A2、A3は、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様が第1実施形態の15R確変Aと同様の動作態様であり、この動作態様から何れの特別結果であるかを判別することは困難である。また、15R確変B1、B2、B3は、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様が第1実施形態の15R確変Bと同様の動作態様であり、この動作態様から何れの特別結果であるかを判別することは困難である。
これら複数の特別結果の各々に対応して転落抽選の当選確率である転落確率が設定されている。例えば、15R確変A1であった場合は転落確率が1/10であり、15R確変A2であった場合は転落確率が1/15であり、15R確変A3であった場合は転落確率が1/20である。これらは特別変動入賞装置38の動作態様が同一であることから判別が困難であるため、遊技者が転落確率を知ることは困難である。また、15R確変Cであった場合は、出玉が最も多いことに加えて転落確率も低く、遊技者にとって非常に有利な特別結果となっている。
このような制御を行うために、図12に示す特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)では、特別遊技状態の発生の契機となった特別結果の種類に基づき転落抽選の当選確率を設定する。そして、図16に示す転落判定処理や図20に示す転落抽選処理では、設定された当選確率に応じた判定値を用いるようにする。なお、転落抽選の当選確率を示唆、報知する演出を行うようにしても良い。
このように、特別結果の種類によって、転落抽選における転落確率を制御することで、高確率状態での遊技に変化を与え、興趣を高めることができる。特に、特別結果を遊技者が判別しにくい形態で表示するようにすれば、どのような確率に制御されているか把握しづらく、転落抽選が行われる第1変動表示ゲームを、緊張感を持って遊技することができる。
以上のことから、転落抽選手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の発生契機となった特別結果の種類に基づいて、高確率状態を通常確率状態に転落させると判定する確率を選択するようにしていることとなる。
また、図29に示すように、複数の特別結果の各々に対応して転落抽選状態となる周期を異ならせるようにしても良い。例えば、15R確変A1であった場合は、転落抽選を行わない確変遊技状態で10回の特図変動表示ゲームを実行した後に、転落抽選を行う転落抽選状態で3回の特図変動表示ゲームを実行することを繰り返すようになっている。また、15R確変A2であった場合は確変遊技状態で20回の特図変動表示ゲームを実行し、15R確変A3であった場合は確変遊技状態で30回の特図変動表示ゲームを実行するようになっている。
このような制御を行うために、図12に示す特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)では、特別遊技状態の発生の契機となった特別結果の種類に基づき確変遊技状態で実行するゲーム数を設定する。また、図21、図22に示す特図表示中処理において、転落抽選開始カウンタの初期値として特別結果に応じた値を設定するようにする。なお、転落抽選の周期を示唆、報知する演出を行うようにしても良い。
このように、特別結果によって、転落抽選による判定が実行される変動表示ゲームと転落抽選による判定が実行されない変動表示ゲームの実行タイミングを制御することで、高確率状態での遊技に変化を与え、興趣を高めることができる。特に、特別結果を遊技者が判別しにくい形態で表示するようにすれば、転落抽選による判定が実行される変動表示ゲームがいつ実行されるか把握しづらく、緊張感を持って遊技することができる。
以上のことから、特別結果には、複数種類の特別結果が含まれ、確率設定手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの結果が複数種類の特別結果のうち、いずれかの特別結果となり、特別遊技状態が発生すると、高確率状態を発生させ、変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の発生契機となった特別結果の種類に基づいて、第1所定回数及び第2所定回数を制御可能であることとなる。なお、特別結果に応じた転落抽選の当選確率の設定と転落抽選の周期の設定の両方を行うようにしても良い。
さらに、図29に示したように、複数の特別結果の各々に対応して転落抽選状態となる周期を異ならせる構成と、先読み演出を組み合わせても良い。図30には演出の一例を示した。表示装置41では、転落抽選状態までの期間の長さを示唆する図30(a)に示すような演出表示41a(特定演出)を行うようになっている。この演出表示では、晴れの表示が転落抽選状態までの期間が長いことを示唆し、太陽に雲がかかる表示、曇りの表示の順に転落抽選状態までの期間が短いことを示唆し、雨の表示で転落抽選状態であることを報知するようになっている。
また、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示41bでは、先読み演出として大当りとなる可能性の高さと転落抽選に当選する可能性の高さを同じ演出態様で示唆するようになっている。先読み演出が行われた場合には、転落抽選状態までの期間の長さを示唆する演出表示41aの種類により、当該先読み演出が大当りの可能性を示唆するものか、転落抽選の当選の可能性を示唆するものかをある程度推測可能であり、遊技者に大当りへの期待感と転落抽選の当選の落胆感との両方を抱かせ、興趣を向上することができる。また、転落抽選による判定が実行される変動表示ゲームの実行タイミングが示唆されるので、転落抽選による判定が実行される前に大当りを発生させたい遊技者に転落抽選による判定が実行されない第2変動表示ゲームでの緊張感を与え、興趣を高めることができる。
図30(b)から(d)には、高確率状態において大当りとなる場合の演出の一例を示した。図30(b)に示すように、飾り特図始動記憶表示41bは、表示装置41における表示領域の下部に表示される。この飾り特図始動記憶表示41bは、始動記憶と一対一に対応しており、左端が最も古い始動記憶に対応するものであり、特図変動表示ゲームが開始されて始動記憶が消化されることに伴い、一つずつ左側へ移動するようになっている。
図30(b)に示すように、ここでは3番目に消化される始動記憶が大当りとなる始動記憶であって、この始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bの表示態様を異ならせることで大当りの可能性が高いことを示唆する先読み演出が行われている。遊技者は先読み演出のみでは大当りの可能性が高いことが示唆されているのか、転落抽選に当選する可能性が高いことが示唆されているのかがわからないが、転落抽選状態までの期間の長さを示唆する演出表示41aが、転落抽選状態までの期間が長いことを示唆していることから、当該先読み演出が大当たりの可能性が高いことを示唆しているものと推測することができる。この場合は、先読み演出が大当りとなる可能性が高いことを報知しているものであり、図30(c)に示すように、先読み演出が行われた始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始され、図30(d)に示すように特別結果が導出される。
図30(e)から(g)には、高確率状態において転落抽選に当選する場合の演出の一例を示した。図30(e)に示すように、ここでは3番目に消化される始動記憶が転落抽選に当選する始動記憶であって、この始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bの表示態様を異ならせることで転落抽選に当選する可能性が高いことを示唆する先読み演出が行われている。遊技者は転落抽選状態までの期間の長さを示唆する演出表示41aが、転落抽選状態までの期間が短いことを示唆していることから、当該先読み演出が転落抽選の当選の可能性が高いことを示唆しているものと推測するが、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始までに転落抽選状態とならなければ、大当りとなる可能性が高いため、期待感も抱くこととなる。
この場合は、先読み演出が転落抽選に当選する可能性が高いことを報知しているものであり、図30(f)に示すように、先読み演出が行われた始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは転落抽選状態となる。この時点でも大当りとなる可能性を示唆していたことは否定できず、引き続き期待感も抱くこととなるが、図30(g)に示すように転落抽選の当選が報知されて特図変動表示ゲームが終了する。
なお、図30(e)に示すように、先読み演出が転落抽選に当選する可能性が高いことを報知していると推測できる場合であっても、当該始動記憶より前の始動記憶で大当りとなれば、先読み演出が行われていた始動記憶は確変遊技状態で実行される。すなわち、本実施形態では大当り直後は転落抽選が行われない変動表示ゲームが実行されるように制御される。このため、遊技者は先読み演出が行われた始動記憶よりも前の始動記憶で大当りとなることを期待するようにもなる。特に、先読み演出が行われた始動記憶よりも前の始動記憶に大当りとなる始動記憶がある場合は、転落抽選状態に突入することを煽る演出を行うようにしても良い。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような制御を行うため、図24に示す1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)において、図31に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB111)、受信していない場合(ステップB111;No)は先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB111;Yes)は、記憶済の始動記憶と対応させて先読みコマンドを記憶し(ステップB112)、高確率状態中であるかを判定する(ステップB113)。
高確率状態でない場合(ステップB113;No)は、低確率中の先読み予告を設定し(ステップB120)、先読みコマンド受信処理を終了する。この場合は、例えば大当りとなる始動記憶や、特定のリーチ(例えばSPリーチ)となる始動記憶、結果がはずれとなる始動記憶のうち抽選により選択された始動記憶である場合に、先読み演出を設定する。
また、高確率状態である場合(ステップB113;Yes)は、転落抽選に当選する始動記憶であるかを判定する(ステップB114)。そして、転落抽選に当選する始動記憶である場合(ステップB114;Yes)は、先読み予告テーブル2を設定して(ステップB117)、設定されたテーブルに基づいて先読み予告の実行抽選を行う(ステップB118)。また、転落抽選に当選する始動記憶でない場合(ステップB114;No)は、大当りとなる始動記憶であるかを判定する(ステップB115)。
大当りとなる始動記憶である場合(ステップB115;Yes)は、先読み予告テーブル2を設定して(ステップB117)、設定されたテーブルに基づいて先読み予告の実行抽選を行う(ステップB118)。また、大当りとなる始動記憶でない場合(ステップB115;No)は、先読み予告テーブル1を設定して(ステップB116)、設定されたテーブルに基づいて先読み予告の実行抽選を行う(ステップB118)。その後、選択された態様で先読み予告を設定し(ステップB119)、先読みコマンド受信処理を終了する。
図32に示すように、先読み予告テーブル1よりも先読み予告テーブル2の方が先読み演出の実行を選択する確率が高く、また、複数種類の実行態様のうちパターン3を選択する確率が高くなっている。すなわち、大当りとなる場合や転落抽選に当選する場合に先読み演出が実行されやすく、さらに、パターン1、パターン2、パターン3の順に大当りとなる可能性又は転落抽選に当選する可能性が高いことを示唆するようになっている。
〔変動中処理〕
また、図25に示す変動中処理に替えて図33に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、まず、高確率状態中である場合(ステップB94;Yes)に、前回の大当り図柄から所定回数到達までのゲーム数を確認し(ステップB121)、変動パターン情報設定パラメータとして残りゲーム数に応じた転落抽選実行示唆情報を設定する(ステップB122)。これらの処理により、転落抽選状態となるまでの期間の長さに応じて演出表示41aが設定される。なお、演出表示41aの設定は、基本的には転落抽選状態となるまでの期間の長さに応じて設定されるが、大当りとなることを示唆する先読み演出が行われている場合に、転落抽選状態となるまでの期間の長さが短いことを示唆する演出表示41aを設定したり、転落抽選に当選することを示唆する先読み演出が行われている場合に、転落抽選状態となるまでの期間の長さが長いことを示唆する演出表示41aを設定したりするようにしても良い。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率が通常確率状態よりも高く設定された高確率状態を発生させる確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態を通常確率状態に転落させることを転落抽選の実行によって判定する転落抽選手段(遊技制御装置100)と、転落抽選手段によって転落抽選に当選したと判定された場合に高確率状態から通常確率状態へ移行させる確率移行手段(遊技制御装置100)と、高確率状態における変動表示ゲームとして、転落抽選による判定が実行される第1変動表示ゲームと、転落抽選による判定が実行されない第2変動表示ゲームと、を制御可能な変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)と、第1変動表示ゲーム及び前記第2変動表示ゲームの実行に関連する演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、第1変動表示ゲームが実行される場合と第2変動表示ゲームが実行される場合とで、特定演出の実行態様を異ならせるようにしたこととなる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2変動表示ゲームの実行中に、当該第2変動表示ゲームの後に第1変動表示ゲームが実行されて転落抽選による判定が実行されることを示唆する演出を実行可能であることとなる。
なお、演出表示41aを特定演出とし、第1変動表示ゲームが実行される場合と第2変動表示ゲームが実行される場合とで、演出表示41aを異ならせることで特定演出の実行態様を異ならせるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、飾り特図変動表示ゲームの表示を特定演出とし、第1変動表示ゲームが実行される場合と第2変動表示ゲームが実行される場合とで結果態様や使用する識別情報を異ならせるようにしても良いし、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を特定演出とし、第1変動表示ゲームが実行される場合と第2変動表示ゲームが実行される場合とで変動パターンを異ならせるようにしても良い。
また、第1変動表示ゲームが実行される場合と第2変動表示ゲームが実行される場合とで、上述の特定演出の出現確率を異ならせるようにしても良い。さらに、図7、図8に示した演出を特定演出とし、第1変動表示ゲームが実行される場合と第2変動表示ゲームが実行される場合の何れの場合でもこの特定演出を実行可能として、第2変動表示ゲームでは第1変動表示ゲームよりも実行する確率を低くするようにしても良い。
〔第1実施形態の第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、転落抽選状態では大当りが発生しないようにしている。
〔大当りフラグ2設定処理〕
本変形例の遊技機では、図19に示す特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップB341)において、図34に示す処理を行う。この大当りフラグ設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップA421)、転落抽選実行ゲームであるかを判定する(ステップA422)。
そして、転落抽選実行ゲームでない場合(ステップA422;No)は、大当り乱数セーブ領域(特図2用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップA423)、大当り判定処理を行う(ステップA424)。大当り判定処理での判定結果が大当りでない場合(ステップA425;No)は、大当り乱数セーブ領域(特図2用)を0クリアして(ステップA427)、大当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当り判定処理での判定結果が大当りである場合(ステップA425;Yes)は、大当りフラグ2領域に大当り情報をセーブし(ステップA426)、大当り乱数セーブ領域(特図2用)を0クリアして(ステップA427)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
一方、転落抽選実行ゲームである場合(ステップA422;Yes)は大当り判定を行わず、大当り乱数セーブ領域(特図2用)を0クリアして(ステップA427)、大当りフラグ2設定処理を終了する。これにより、転落抽選状態である場合には、大当り判定が行われず常にはずれ結果となり、転落抽選に当選しないで済むか否かに集中して遊技を楽しむことができる。
なお、転落抽選状態である場合に大当り判定を行わないのではなく、判定結果が常にはずれとなるようにしても良い。すなわち、転落抽選状態では大当り判定値がない状態とし、大当り乱数の値にかかわらず、はずれとなるように判定を行うようにしても良い。また、図18に示した特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理において同様の処理を行い、転落抽選状態で大当りが発生しないようにしても良い。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出する乱数抽出手段(遊技制御装置100)と、乱数抽出手段によって抽出された乱数に基づき、変動表示ゲームの開始時に当該変動表示ゲームの結果が特別結果となるかを判定する乱数判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、乱数判定手段は、第1変動表示ゲームの開始時においては特別結果となるかを判定しない制御、又は、乱数抽出手段によって抽出された乱数に関わらず、第1変動表示ゲームの開始時においては特別結果とならないと判定する制御を実行するようにしていることとなる。
なお、上述した本実施形態の各変形例の構成は、組み合わせて適用することが可能である。また、本実施形態及び本実施形態の変形例の構成は、他の実施形態やその変形例と組み合わせて適用可能である。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の遊技機について説明する。なお、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。本実施形態の遊技機は、大当り抽選に当選することに加え、所定条件を満たすことでも大当りとなるようにしている。
図35には、遊技状態の遷移を示した。通常遊技状態では、通常確率状態(特図低確、1/300)であり、時短状態ではない(サポなし)。また各遊技状態で確変大当りが発生すると、特別遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行する。この確変遊技状態では、高確率状態(特図高確、1/30)であり、時短状態である(サポあり)。また、各遊技状態で通常大当りが発生すると、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態に移行する。この時短遊技状態では、通常確率状態(特図高確、1/300)であり、時短状態である(サポあり)。この時短遊技状態で100回の特図変動表示ゲームを実行すると通常遊技状態に移行する。また、抽選による大当りの発生とは別に、通常大当りに基づく特別遊技状態の終了後に新たな大当りが発生せずに所定回数の特図変動表示ゲームを実行すること(天井到達)でも大当りが発生する。この場合も発生した大当りの種類に応じて確変遊技状態又は時短遊技状態に移行する。
図36には、特別結果の種類を示した。確変大当りには、15R確変A、15R確変B、15R確変Cがあり、これらに基づく特別遊技状態での特別変動入賞装置38の動作態様は図5(b)から(d)に示す動作態様であって、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる。また、通常大当りには、15R通常A、15R通常B、15R通常C、15R通常Dがあり、これらに基づく特別遊技状態での特別変動入賞装置38の動作態様は図5(d)に示す15R確変Cの動作態様と同様であって、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる。また、通常大当りの場合は、特別結果の種類に応じて、特別遊技状態の終了後に新たな大当りが発生せずに消化されることで条件が満たされて大当りが発生する特図変動表示ゲームの実行回数である天井ゲーム数が設定される。例えば、15R通常Aであった場合は天井ゲーム数として400ゲームが設定され、特別遊技状態の終了後、新たな大当りが発生せずに400ゲームの特図変動表示ゲームを実行することで大当りが発生する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
本実施形態の遊技機では、図14に示した特図始動口スイッチ共通処理に替えて図37に示す特図始動口スイッチ共通処理を行う。この特図始動口スイッチ共通処理では、転落抽選乱数を抽出して乱数セーブ領域にセーブする処理を行わない。
〔特図保留情報判定処理〕
また、図15に示した特図保留情報判定処理に替えて図38に示す特図保留情報判定処理を行う。この特図保留情報判定処理では、転落判定処理及び転落情報があるかの判定を行わない。
〔特図1変動開始処理、特図2変動開始処理〕
また、図18に示した特図1変動開始処理に替えて図39に示す特図1変動開始処理を行う。この特図1変動開始処理では、転落抽選処理を行わない。また、図19に示した特図2変動開始処理に替えて図40に示す特図2変動開始処理を行う。この特図2変動開始処理では、転落抽選処理を行わない。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図39に示した特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA321)では、図41に示す処理を行う。この大当りフラグ1設定処理では、まず、通常確率状態であるかを判定し(ステップA431)、通常確率状態でない場合(ステップA431;No)は、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA434)。また、通常確率状態である場合(ステップA431;Yes)は、天井までのゲーム数を確認し(ステップA432)、天井に到達したかを判定する(ステップA433)。
そして、天井に到達した場合(ステップA433;Yes)は、大当りフラグ1領域に大当り情報をセーブし(ステップA438)、大当り乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアして(ステップA439)、大当りフラグ1設定処理を終了する。これにより、通常大当りに基づく特別遊技状態の終了後に新たな大当りが発生せずに所定回数の特図変動表示ゲームを実行すること(天井到達)で大当りが発生することとなる。
また、天井に到達していない場合(ステップA433;No)は、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA434)。そして、大当り乱数セーブ領域(特図1用)から大当り乱数をロードし(ステップA435)、大当り判定処理を行う(ステップA436)。大当り判定処理での判定結果が大当りでない場合(ステップA437;No)は、大当り乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアして(ステップA439)、大当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当り判定処理での判定結果が大当りである場合(ステップA437;Yes)は、大当りフラグ1領域に大当り情報をセーブし(ステップA438)、大当り乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアして(ステップA439)、大当りフラグ1設定処理を終了する。これにより、高確率状態である場合や、天井に到達していない場合は通常の抽選による大当り判定が行われることとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図40に示した特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA341)では、図42に示す処理を行う。この大当りフラグ2設定処理では、まず、通常確率状態であるかを判定し(ステップA441)、通常確率状態でない場合(ステップA441;No)は、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA444)。また、通常確率状態である場合(ステップA441;Yes)は、天井までのゲーム数を確認し(ステップA442)、天井に到達したかを判定する(ステップA443)。
そして、天井に到達した場合(ステップA443;Yes)は、大当りフラグ2領域に大当り情報をセーブし(ステップA448)、大当り乱数セーブ領域(特図2用)を0クリアして(ステップA449)、大当りフラグ2設定処理を終了する。これにより、通常大当りに基づく特別遊技状態の終了後に新たな大当りが発生せずに所定回数の特図変動表示ゲームを実行すること(天井到達)で大当りが発生することとなる。
また、天井に到達していない場合(ステップA443;No)は、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA444)。そして、大当り乱数セーブ領域(特図2用)から大当り乱数をロードし(ステップA445)、大当り判定処理を行う(ステップA446)。大当り判定処理での判定結果が大当りでない場合(ステップA447;No)は、大当り乱数セーブ領域(特図2用)を0クリアして(ステップA449)、大当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当り判定処理での判定結果が大当りである場合(ステップA447;Yes)は、大当りフラグ2領域に大当り情報をセーブし(ステップA448)、大当り乱数セーブ領域(特図2用)を0クリアして(ステップA449)、大当りフラグ2設定処理を終了する。これにより、高確率状態である場合や、天井に到達していない場合は通常の抽選による大当り判定が行われることとなる。
〔特図表示中処理〕
また、図22に示した特図表示中処理の後半部分に替えて図43に示す処理を行う。図21のステップA388にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA388;No)と判定すると、時短時(時短状態)であるかを判定する(ステップA451)。そして、時短時でない場合(ステップA451;No)は、特図普段処理移行設定処理1を行い(ステップA457)、通常確率状態であるかを判定する(ステップA458)。特図普段処理移行設定処理1(ステップA457)では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定する処理等を行う。
また、時短時である場合(ステップA451;Yes)は、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時短変動回数を−1更新し(ステップA452)、時短変動回数が0となったかを判定する(ステップA453)。時短変動回数が0でない場合(ステップA453;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、特図普段処理移行設定処理1を行い(ステップA457)、通常確率状態であるかを判定する(ステップA458)。また、時短変動回数が0である場合(ステップA453;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA454)、コマンド設定処理(ステップA455)を行う。その後、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を行い(ステップA456)、通常確率状態であるかを判定する(ステップA458)。特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA456)では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定する処理や時短状態の終了に関する処理等を行う。
通常確率状態であるかの判定(ステップA458)において、通常確率状態でない場合(ステップA458;No)は、特図表示中処理を終了する。また、通常確率状態である場合(ステップA458;Yes)は、天井までのゲーム数を−1更新する(ステップA459)。後述するように天井までのゲーム数は、特別遊技状態の終了時に特別結果の種類に応じて初期値が設定されるようになっており、通常確率状態である場合にこの値を−1更新することで、天井までのゲーム数を管理することが可能となる。
その後、天井までのゲーム数を指示する天井情報コマンドを準備し(ステップA460)、コマンド設定処理(ステップA461)を行って、特図表示中処理を終了する。天井情報コマンドは演出制御装置300に送信され、演出制御装置300ではこの情報に基づき演出を行うようになっている。なお天井到達までのゲーム数を指示する天井情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始時に演出制御装置300に送信するようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後からの変動表示ゲームの実行回数を計数する計数手段をなす。また、遊技制御装置100が、計数手段による計数結果が所定回数となった場合に、特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段をなす。
〔大当り終了処理〕
また、図12に示す特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)において、図44に示す処理を行う。この大当り終了処理では、まず、特別遊技状態の終了後の確率状態や時短状態の有無を示す確率変動判定フラグが、特別遊技状態の発生の契機となった特別結果の種類が確変大当りであった場合に設定される高確率突入フラグかをチェックし(ステップA471)、高確率突入であるかを判定する(ステップA472)。
そして、高確率突入でない場合(ステップA472;No)、すなわち通常大当りであった場合は、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA473)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA474)。次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA475)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブして(ステップA476)、特図ゲームモードフラグ領域に低確率&時短フラグをセーブする(ステップA477)。
その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA478)、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(ここでは100)をセーブする(ステップA479)。これにより、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短状態で100回の特図変動表示ゲームを実行することにより時短状態が終了するようになる。
そして、大当り図柄に対応する天井回数を設定し(ステップA480)、設定された天井回数に対応する天井回数情報コマンドを設定する(ステップA481)。これにより、特別結果の種類に応じた天井ゲーム数が設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、特別結果の種類に応じて特別遊技状態を発生させる所定回数(天井回数)を選択する選択手段をなす。天井回数情報コマンドは演出制御装置300に送信され、これに基づき演出制御装置300で天井ゲーム数を把握することが可能となる。なお、天井ゲーム数に応じてエンディング画面を異ならせるなど天井ゲーム数を示唆、報知する演出を行うようにしても良い。
その後、特別遊技状態の終了後の確率状態や時短状態の有無を示す確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA490)、コマンド設定処理を行い(ステップA491)、特図普段処理移行設定処理3を行って(ステップA492)、大当り終了処理を終了する。
一方、高確率突入である場合(ステップA472;Yes)は、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA482)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA483)。次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA484)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブして(ステップA485)、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短フラグをセーブする(ステップA486)。
その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA487)、時短変動回数領域をリセットする(ステップA478)。これにより、特別遊技状態の終了後に高確率状態となるとともに時短状態となる。また、次回の大当りまで時短状態が継続するようになる。次に、天井までのゲーム数をリセットし(ステップA489)、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(ステップA490)。そして、コマンド設定処理を行い(ステップA491)、特図普段処理移行設定処理3を行って(ステップA492)、大当り終了処理を終了する。
〔変動中処理〕
また、図25に示す変動中処理に替えて図45に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)に、通常確率状態中であるかを判定する(ステップB131)。そして、通常確率状態中である場合(ステップB131;Yes)は、天井到達までのゲーム数を確認し(ステップB132)、変動パターン情報設定パラメータとして天井到達示唆情報を設定する(ステップB133)。これにより、天井到達までの期間の長さを示唆する演出表示が設定される。
図46には、天井到達までの期間の長さを示唆する演出の一例を示した。表示装置41では、天井到達までの期間の長さを示唆する演出表示41cを行うようになっている。この演出表示41cでは、雨の表示が天井到達までの期間が長いことを示唆し、曇りの表示、太陽に雲がかかる表示の順に天井到達までの期間が短いことを示唆し、晴れの表示で天井到達であることを報知するようになっている。
図46(a)に示すように、天井まで200ゲーム以上ある場合は、演出表示41cとして雨の表示がなされ、天井到達が近づくにつれ曇りの表示、太陽に雲がかかる表示と変化する。そして、図46(b)に示すように天井到達の直前のゲームでは、演出表示41cが太陽に雲がかかる表示となっており、その後、天井に到達すると、演出表示41cが晴れの表示となる。なお、演出ボタン25を操作した場合にのみ図46(c)に示すように天井到達を明確に報知するようにしても良い。
また、図46(d)に示すように、天井到達まで100ゲーム以上ある場合でも天井到達が近いことを示唆する演出表示41cである太陽に雲がかかる表示を行い、天井到達への期待感を煽るようにしても良い。この場合は、天井到達ではないので、図46(e)に示すように演出表示41cが雨の表示に戻る。このような天井到達への期待感を煽る演出は、天井に到達していない状態において、特別結果に応じて設定される天井ゲーム数である400,500,600,700ゲームの直前に行えば効果的である。
以上のことから、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果に関連して、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、特別遊技状態の終了後からの変動表示ゲームの実行回数を計数する計数手段(遊技制御装置100)と、計数手段による計数結果が所定回数となった場合に、特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段(遊技制御装置100)と、を備えることとなる。また、特別結果の種類に応じて特別遊技状態を発生させる所定回数を選択する選択手段(遊技制御装置100)を備えることとなる。
なお、天井に到達した次の特図変動表示ゲームで大当りを発生させるとしたが、天井に到達した特図変動表示ゲームで大当りを発生させるようにしたり、天井到達後に最初に発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで大当りを発生させたり、天井到達後所定ゲーム数で大当りを発生させるようにしたりしても良い。また、天井到達により高確率状態を設定するようにしても良い。
また、天井到達後に大当りを発生させる場合に、当該大当りが発生する特図変動表示ゲームの振り分け(特図1又は特図2)により特別結果の種類を決定するようにしたが、常に特図1又は特図2の何れか一方の振り分けで特別結果の種類を決定するようにしたり、天井到達後に最初に入賞した始動入賞領域の振り分けで特別結果の種類を決定するようにしたりしても良い。また、天井到達後に発生する大当りを確変大当りや出玉の多い大当たりなど価値の高い大当りとするようにしても良い。
また、特別結果の種類により天井ゲーム数を決定するようにしたが、天井到達時や特別遊技状態中、特別遊技状態終了後の最初の特図変動表示ゲーム中などのタイミングで天井ゲーム数を抽選により決定するようにしても良い。また、RAMクリアを伴う電源投入時に抽選により天井ゲーム数を決定するようにしても良い。
また、天井到達により大当りとされる特図変動表示ゲームにおいて、乱数の判定結果も大当りである場合は、乱数の判定による大当りを優先的に発生させるようにしても良い。この場合に、天井到達により発生する予定であった大当りをストックし、乱数の判定により発生した大当りの後に発生させるようにしても良い。また、遊技店に設けられ複数の遊技機を統括的に管理する管理装置(ホールコンピュータ)に対して、乱数の判定により発生した大当りと天井到達により発生した大当りを区別する外部情報を送信するようにしても良い。
また、図47、図48に示すように、確変大当りであった場合にも天井ゲーム数を設定し、特別結果の種類に関係なく特別遊技状態の終了後に所定ゲーム数を消化することで天井に到達して大当りが発生するようにしても良い。図48に示すような天井ゲーム数に設定することで、例えば15R確変Cであった場合は3ゲームで確実に次の大当りが発生するようになり、従来にはない興趣の高い遊技機とすることができる。
また、200ゲームから250ゲームの期間も大当りが発生する可能性が高い期間となるので、この期間をチャンスゾーンとして特定の演出モードを設定するなどして演出することで興趣を高めることができる。さらに、天井ゲーム数として500ゲームが選択された場合にも200ゲームや250ゲームの直前に天井到達への期待感を煽る演出を行うことで興趣を高めることができる。また、このように特別結果の種類に関係なく特別遊技状態の終了後に所定ゲーム数を消化することで天井に到達して大当りが発生するようにした場合は、乱数判定による大当りの抽選を行わないようにしても良い。また、本実施形態の構成は、他の実施形態やその変形例と組み合わせて適用可能である。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、所定の変動態様となる特図変動表示ゲームを所定回数実行することで大当りが発生するようになっている。
図49には、遊技状態の遷移を示した。本変形例の遊技機では、抽選による大当りの発生とは別に、確変状態でなく時短状態でもない通常遊技状態において特定の変動態様の特図変動表示ゲームを実行することによりポイントが獲得可能であり、獲得したポイントが所定ポイントとなると大当りが発生する。すなわち、特定の変動態様の特図変動表示ゲームを所定回数実行すると大当りが発生する。この場合も発生した大当りの種類に応じて確変遊技状態又は時短遊技状態に移行する。
図50には、特別結果の種類を示した。通常大当りであった場合には、大当りを発生させるのに必要なポイント数である次回必要ポイント数が特別結果の種類に応じて設定される。例えば、15R通常Aであった場合は次回必要ポイント数として2ポイントが設定され、特別遊技状態の終了後、獲得したポイントが2ポイントとなると大当りが発生する。
図51には、変動態様の例を示した。図51(a)には、結果がはずれの場合に選択される変動パターンを示した。遊技制御装置100では、変動態様として変動パターン1から11の何れかを選択し、演出制御装置300に選択した変動態様の情報を含むコマンドを送信する。演出制御装置300では、遊技制御装置100で選択された変動態様に対応して演出パターンを選択し、飾り特図変動表示ゲームを実行する。
例えば、変動パターン1又は2が選択された場合は何れも変動時間が10秒であり、リーチなしの演出パターンが選択される。遊技者にとっては演出パターンが同一であるので、変動パターン1と2の何れであるかは判別できないが、変動パターン2であった場合は1ポイントが加算される。すなわち、ポイントの獲得の有無を判別することが困難である。演出パターンがノーマルリーチとなる変動パターン3及び4、SP1リーチとなる変動パターン5及び6、SP2リーチAとなる変動パターン7及び8も同様に、一方の変動パターンである場合は1ポイントが加算されるが、何れの変動パターンであるかを遊技者が判別することができないため、ポイントの獲得の有無を判別することは困難である。ただし、現在獲得しているポイント数に対応する演出がなされることで、ポイントを獲得したことを推測できる場合もある。
また、変動パターン9,10,11が選択された場合は、それぞれ対応する演出パターンとしてSP2リーチB、SP3リーチA、SP3リーチBが選択され、ポイントが加算される。この場合は、結果がはずれとなることで遊技者が演出パターンからポイントの獲得を認識することができる。すなわち、ポイントが付与されない変動態様が第1変動態様をなし、ポイントが付与される変動態様が第2変動態様をなし、第1変動態様及び第2変動態様は何れの変動態様であるかを遊技者が認識困難となっている。また、第1変動態様は、識別図柄を変動表示させる変動表示時間が異なる複数の変動態様を含み、第2変動態様は、変動表示時間が異なる複数の第1変動態様と変動表示時間が同一の複数の変動態様を含んでいることとなる。
また、図51(b)には、結果が大当りの場合に選択される変動パターンを示した。この場合、何れの変動パターンでもポイントは付与されない。なお、SP2リーチBやSP3リーチA,Bは、大当りとなる場合に選択される割合が高く大当りの期待度の高い演出態様である。そして、この大当りの期待度の高い演出が行われた場合に結果がはずれとなってもポイントが付与されるため、この演出パターンであった場合には、遊技者にとっては大当りの期待とともにポイント獲得の期待を持つことができる。
このように、特定の変動態様の特図変動表示ゲームを所定回数実行することで大当りが発生するようにしたことで、遊技者が変動表示ゲームの実行毎にどのような変動態様となるかに注目し、大当り発生までの過程を楽しむことができ、大当りとなる過程が単調となることを防止し、遊技の興趣を高めることができる。
〔大当りフラグ1設定処理〕
このような制御を行うため、図41に示す大当りフラグ1設定処理に替えて図52に示す大当りフラグ1設定処理を行う。この大当りフラグ1設定処理では、確変状態でなく時短状態でもない通常時であるかを判定する(ステップA501)。そして、通常時でない場合(ステップA501;No)は、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする処理(ステップA434)以下の処理を行う。
また、通常時である場合(ステップA501;Yes)は、設定された必要ポイント数と現在のポイント数を確認し(ステップA502)、必要ポイント数に到達していない場合(ステップA503;No)は、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする処理(ステップA434)以下の処理を行う。また、必要ポイント数に到達した場合(ステップA503;Yes)は、大当りフラグ1領域に大当り情報をセーブする(ステップA438)。これにより、必要ポイント数を獲得した場合に大当りが発生するようになる。また、大当りフラグ1領域に大当り情報をセーブする処理(ステップA438)を行った後に、ポイント記憶領域をクリアするようになっている(ステップA504)。
〔大当りフラグ2設定処理〕
また、図42に示す大当りフラグ2設定処理に替えて図53に示す大当りフラグ2設定処理を行う。この大当りフラグ2設定処理では、確変状態でなく時短状態でもない通常時であるかを判定する(ステップA511)。そして、通常時でない場合(ステップA511;No)は、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする処理(ステップA444)以下の処理を行う。
また、通常時である場合(ステップA511;Yes)は、設定された必要ポイント数と現在のポイント数を確認し(ステップA512)、必要ポイント数に到達していない場合(ステップA513;No)は、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする処理(ステップA444)以下の処理を行う。また、必要ポイント数に到達した場合(ステップA513;Yes)は、大当りフラグ2領域に大当り情報をセーブする(ステップA448)。これにより、必要ポイント数を獲得した場合に大当りが発生するようになる。また、大当りフラグ2領域に大当り情報をセーブする処理(ステップA448)を行った後に、ポイント記憶領域をクリアするようになっている(ステップA514)。
〔特図表示中処理〕
また、図43に示す特図表示中処理の後半部分に替えて図54に示す処理を行う。この処理では、確変状態でなく時短状態でもない通常時であるかを判定し(ステップA521)、通常時でない場合(ステップA521;No)は、特図表示中処理を終了する。また、通常時である場合(ステップA521;Yes)は、実行した変動パターンを確認し(ステップA522)、実行した変動パターンに対応するポイントをポイント記憶領域に記憶する(ステップA523)。そして、現在のポイント数に対応するポイント数情報コマンドを準備し(ステップA524)、コマンド設定処理(ステップA525)を行って、特図表示中処理を終了する。
これにより、図39、図40に示す特図1変動開始処理、特図2変動開始処理において選択された変動パターンがポイント付与の対象となる変動パターンであった場合に、対応するポイントが加算されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、識別図柄の変動態様として、第1変動態様(ポイントを付与しない変動態様)と、該第1変動態様とは異なる第2変動態様(ポイントを付与する変動態様)を含む複数の変動態様から一の変動態様を選択する変動態様選択手段をなす。また、遊技制御装置100が、変動態様選択手段によって第2変動態様が選択されたことを判定し、当該判定回数を計数する第2変動態様判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、第2変動態様判定手段による計数結果が所定回数(所定複数回)となった場合に、特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段をなす。
〔大当り終了処理〕
また、図44に示す大当り終了処理に替えて図55に示す大当り終了処理を行う。この大当り終了処理では、高確率突入である場合(ステップA471;Yes)、すなわち確変大当りであった場合に行っていた天井までのゲーム数をリセットする処理(ステップA489)は行わない。また、高確率突入でない場合(ステップA471;No)、すなわち通常大当りであった場合に、大当り図柄に対応する次回必要ポイント数を設定し(ステップA531)、設定された次回必要ポイント数に対応する次回必要ポイント数情報コマンドを設定する(ステップA532)。これにより、特別結果の種類に応じた次回必要ポイント数が設定されることとなり、遊技が単調とならず、また、必要な回数が把握されにくく、興趣が高まる。次回必要ポイント数情報コマンドは演出制御装置300に送信され、これに基づき演出制御装置300で次回必要ポイント数を把握することが可能となる。なお、次回必要ポイント数に応じてエンディング画面を異ならせるなど次回必要ポイント数を示唆、報知する演出を行うようにしても良い。
〔変動中処理〕
また、図45に示す変動中処理に替えて図56に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、確変状態でなく時短状態でもない通常時であるかを判定し(ステップB141)、通常時でない場合(ステップB141;No)は、変動パターン情報設定処理(ステップB99)以下の処理を行う。また、通常時である場合(ステップB141;Yes)は、ポイント数情報コマンドから現在のポイント数を確認し(ステップB142)、あと1ポイントで大当りを発生する所定ポイントに到達するかを判定する(ステップB143)。
そして、あと1ポイントで大当りを発生する所定ポイントに到達しない場合(ステップB143;No)は、変動パターン情報設定パラメータとして現在のポイント数に応じたポイント情報を設定する(ステップB144)。また、あと1ポイントで大当りを発生する所定ポイントに到達する場合(ステップB143;Yes)は、変動パターン情報設定パラメータとして所定ポイント到達直前情報を設定する(ステップB145)。
これにより、現在獲得しているポイントを示唆、報知する演出を実行可能となり、第2変動態様であるかや第2変動態様の出現回数を遊技者に示唆又は報知できるので、大当り発生までの過程を楽しませることができ、大当りとなる過程が単調となることを防止し、遊技の興趣を高めることができる。例えば、必要ポイント数に到達する直前であることを示唆、報知する演出では、リーチ演出を特別のものに差し替えたり、登場するキャラクタを特別のキャラクタに差し替えたりすることで大当りが近いことを示唆、報知し、興趣を高めるとともに遊技を継続させるようにする。すなわち、演出制御装置300が、第1変動態様又は第2変動態様に制御される変動表示ゲームに関連する演出及び第2変動態様判定手段による計数結果に関連する演出を制御する演出制御手段をなす。
以上のことから、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器、特図2表示器、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果に関連して、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、識別図柄の変動態様として、第1変動態様と、該第1変動態様とは異なる第2変動態様を含む複数の変動態様から一の変動態様を選択する変動態様選択手段(遊技制御装置100)と、変動態様選択手段によって第2変動態様が選択されたことを判定し、当該判定回数を計数する第2変動態様判定手段(遊技制御装置100)と、第2変動態様判定手段による計数結果が所定回数となった場合に、特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、第1変動態様又は第2変動態様に制御される変動表示ゲームに関連する演出及び第2変動態様判定手段(遊技制御装置100)による計数結果に関連する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
また、特別遊技状態制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合にも特別遊技状態を発生可能とし、特別結果には複数種類の特別結果が含まれ、第2変動態様判定手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの結果が複数種類の特別結果のうち、いずれかの特別結果となった後に計数を開始し、特別遊技状態制御手段は、当該特別結果の種類に基づいて所定複数回数を決定するようにしたこととなる。
なお、必要ポイントに到達した次の特図変動表示ゲームで大当りを発生させるとしたが、必要ポイントに到達した特図変動表示ゲームで大当りを発生させるようにしたり、必要ポイント到達後に最初に発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで大当りを発生させたり、必要ポイント到達後所定ゲーム数で大当りを発生させるようにしたりしても良い。また、必要ポイント到達により高確率状態を設定するようにしても良い。
また、必要ポイント到達後に大当りを発生させる場合に、当該大当りが発生する特図変動表示ゲームの振り分け(特図1又は特図2)により特別結果の種類を決定するようにしたが、常に特図1又は特図2の何れか一方の振り分けで特別結果の種類を決定するようにしたり、必要ポイント到達後に最初に入賞した始動入賞領域の振り分けで特別結果の種類を決定するようにしたりしても良い。また、必要ポイント到達後に発生する大当りを確変大当りや出玉の多い大当たりなど価値の高い大当りとするようにしても良い。
また、特別結果の種類により必要ポイント数を決定するようにしたが、必要ポイント到達時や特別遊技状態中、特別遊技状態終了後の最初の特図変動表示ゲーム中などのタイミングで必要ポイント数を抽選により決定するようにしても良い。また、RAMクリアを伴う電源投入時には抽選により必要ポイント数を決定するようにしても良い。
また、必要ポイント到達により大当りとされる特図変動表示ゲームにおいて、乱数の判定結果も大当りである場合は、乱数の判定による大当りを優先的に発生させるようにしても良い。この場合に、必要ポイント到達により発生する予定であった大当りをストックし、乱数の判定により発生した大当りの後に発生させるようにしても良い。また、遊技店に設けられ複数の遊技機を統括的に管理する管理装置(ホールコンピュータ)に対して、乱数の判定により発生した大当りと必要ポイント到達により発生した大当りを区別する外部情報を送信するようにしても良い。
また、特定の変動態様の特図変動表示ゲームを所定回数実行することや必要ポイントを獲得することのみを大当り発生の条件とし、乱数判定による大当りの抽選を行わないようにしても良い。また、始動記憶数によりポイント獲得の容易さが変化するようにしても良い。本変形例の遊技機では、100ゲームで平均1.6ポイント程度を獲得可能であり、300ゲーム程度でポイント獲得による大当りが発生するようにしたが、この設定は任意に変更可能である。また、ポイントを加算する変動パターンのみを設定したが、ポイントを減算する変動パターンを設定しても良い。
また、確変状態でなく時短状態でない場合にポイントを獲得可能としたが、時短状態中である場合の方が時短状態中でない場合よりもポイントを獲得しやすくし、時短状態中に再度大当りが発生しやすくしても良い。また、現在のポイント数に対応するポイント数情報コマンドを演出制御装置300に送信せず、演出制御装置300が独立してポイントを計数し、演出に反映させるようにしても良い。
また、特定の変動パターンでポイントを付与するようにしたが、特定の結果態様であった場合にポイントを付与するようにしても良い。例えば、はずれ結果にポイントを付与するはずれ結果とポイントを付与しないはずれ結果を設定する。この場合は、例えば本変形例においてポイントを付与していた変動パターンにポイントを付与するはずれ結果を対応付け、ポイントを付与しない変動パターンにポイントを付与しないはずれ結果を対応付けるようにし、同様の処理を行うようにする。また、はずれリーチが所定回数(例えば20回)発生した場合にポイントを付与したり、時短状態以外で実行される特図2変動表示ゲームで必ずポイントを付与するようにしたりしても良い。また、ポイントを計数するようにしたが、特別結果の種類により次回の大当りに必要な特定の変動パターンの実行回数を設定し、特定の変動パターンとなる特図変動表示ゲームの実行回数を計数するようにしても良い。
〔第3実施形態の第1変形例〕
次に、上述した第3実施形態の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第3実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、演出の実行態様が異なる。
〔変動中処理〕
本変形例の遊技機では、図56に示す変動中処理に替えて図57に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、確変状態でなく時短状態でもない通常時である場合(ステップB141;Yes)に、変動パターンコマンドから設定された変動態様がポイント獲得可能な変動態様かを確認する(ステップB151)。そして、ポイント獲得可能である場合(ステップB152;Yes)は、変動パターン情報設定パラメータとして第2演出情報を設定する(ステップB156)。
また、ポイント獲得可能でない場合(ステップB152;No)は、第2演出実行抽選処理(ステップB153)を行い、抽選の結果が第2演出を実行する結果であるかを判定する(ステップB154)。第2演出を実行する結果である場合(ステップB154;Yes)は、変動パターン情報設定パラメータとして第2演出情報を設定する(ステップB156)。また、第2演出を実行しない結果である場合(ステップB154;No)は、変動パターン情報設定パラメータとして第1演出情報を設定する(ステップB155)。
すなわち、ポイントを獲得できない変動態様(第1変動態様)である場合は、第1演出又は第2演出を実行し、ポイントを獲得可能な変動態様である場合は第2演出を実行するようになっている。第1演出はポイントの獲得に関する演出を含まない演出であり、第2演出はポイントの獲得の有無に関する演出を含む演出である。つまり、演出制御装置300が、第1変動態様に制御される変動表示ゲームの実行中に第1演出を実行する第1演出実行手段及び、第1変動態様又は第2変動態様に制御される変動表示ゲームの実行中に第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段をなす。このような、第2演出の実行により、第2変動態様であることに対する期待感を持たせることができる。また、第2演出が実行された場合であっても、第2変動態様であったとは限らないため、大当り発生へ向けて第2変動態様が発生したのか否か把握しづらく、第2変動態様が発生したことを期待して楽しみながら遊技を続行することができる。
また、第2演出は、少なくとも第1変動態様と第2変動態様が同一の変動時間となる場合に実行可能であり、各変動時間に対応した第2演出が設定されるようになっている。これにより、変動表示時間が短い演出が実行される場合と、変動表示時間が長い演出が実行される場合のいずれにおいても、第2変動態様である可能性があるため、どのような変動であっても大当りへの期待を持つことができる。
図58には第2演出の一例を示した。ここでは、図58(a)、(b)に示すように味方キャラクタと敵キャラクタが戦い、味方キャラクタが勝てば大当りとなるリーチ演出の実行中に行われる第2演出を示した。また、この例では、ポイントの獲得が可能な第2変動態様が実行されている例である。ここで実行される第2演出では、リーチ演出の途中で図58(b)に示すように操作手段をなす演出ボタン25の操作を促す表示がなされる。そして、遊技者が演出ボタン25を操作すると、図58(c)に示すようにリーチ演出が終了した後に、図58(d)に示すようにポイントの獲得が報知される。すなわち第2変動態様であったことが報知される。また、遊技者が演出ボタン25を操作しなかった場合は、図58(e)に示すようにリーチ演出が終了した後に、図58(f)に示すようにポイントの獲得が報知されない。すなわち、第2変動態様であったことが報知されず、第1変動態様であったのか第2変動態様であったのかが不明な状態となる。
このような演出態様とすることで、遊技者が操作手段を操作して遊技に積極的に参加でき、また、第2変動態様が発生したのか否か把握しやすくなるので、遊技者の好みや趣向に応じた遊技とすることができる。なお、第2演出をリーチ演出に替えて実行するようにしても良い。また、第2演出においてポイント獲得の報知だけではなく、累計ポイントや第2変動態様の実行回数を報知するようにしても良い。このようにすれば遊技を続行する意欲を湧かせることができる。
以上のことから、第1変動態様及び第2変動態様は、いずれの変動態様であるかを遊技者が認識困難な変動態様とし、特別遊技状態制御手段(遊技制御装置100)は、第2変動態様判定手段による計数結果が所定複数回数となった場合に、特別遊技状態を発生可能とし、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1変動態様に制御される変動表示ゲームの実行中に第1演出を実行する第1演出実行手段(演出制御装置300)と、第1変動態様又は第2変動態様に制御される変動表示ゲームの実行中に第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2変動態様に制御される変動表示ゲームにおいて第2演出を実行しているときに操作手段に対する操作があった場合に、当該変動表示ゲームが第2変動態様であることを報知するようにしていることとなる。
また、第1変動態様は、識別図柄を変動表示させる変動表示時間が異なる複数の変動態様を含み、第2変動態様は、変動表示時間が異なる複数の第1変動態様と変動表示時間が同一の複数の変動態様を含み、第2演出実行手段(演出制御装置300)は、少なくとも変動表示時間が互いに同一の変動態様に対応する第2演出を実行可能であることとなる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2変動態様判定手段(遊技制御装置100)による計数結果を報知可能であることとなる。
〔第3実施形態の第2変形例〕
次に、上述した第3実施形態の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第3実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特定のゲーム数で必ずポイントを獲得できるようになっている。
図59(a)には、特別結果の種類を示した。本変形例の遊技機では、15R通常DとしてD1,D2,D3の三種類が設定されている。これらは、特別遊技状態の終了から数えた特図変動表示ゲームの実行回数が、変動パターン選択テーブル切替ゲーム数となる特図変動表示ゲームについて、変動態様を決定する変動パターン選択テーブルを特定変動パターン選択テーブルに変更する設定行うようになっている。例えば、特図1変動表示ゲームで15R通常D1,D2,D3が発生した場合、それぞれ220ゲーム目、230ゲーム目、240ゲーム目となる特図変動表示ゲームの変動パターン選択テーブルが特定変動パターン選択テーブルに変更される。なお、この特定変動パターン選択テーブルが選択された特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームからは通常の変動パターン選択テーブルに戻るようになっている。
図59(b)には、特定変動パターン選択テーブルを示した。この特定変動パターン選択テーブルで選択される変動態様は、何れもポイントが獲得可能な変動態様となっている。すなわち、15R通常D1,D2,D3であった場合は、特別遊技状態の終了から数えて所定ゲーム目の特図変動表示ゲームで必ずポイントを獲得できるようになっている。これにより、遊技を継続することで大当りの発生に近づくこととなり、遊技を続行する意欲を湧かせることができる。
このような制御を行うため、遊技制御装置100では、特別遊技状態の終了後からのゲーム数を計数し、特別結果の種類に応じて設定される変動パターン選択テーブル切替ゲーム数となる特図変動表示ゲームについて、図59(b)に示す特定変動パターン選択テーブルを用いて変動態様を設定するようにする。すなわち、遊技制御装置100が、未だ発生していない所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する事前決定手段をなし、事前決定手段は、変動表示ゲームの変動態様を(第2変動態様に)事前に決定可能であることとなる。また、変動態様選択手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの実行回数が所定実行回数となった場合に、変動表示ゲームの変動態様として第2変動態様を選択することとなる。
そして、変動パターン選択テーブル切替ゲーム数となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態で、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する報知である保留発生時予告を行うことが可能となっている。図60には、このような保留発生時予告の一例を示した。なお、図60に示す例では、特図1変動表示ゲームで15R通常D1が導出されて変動パターン選択テーブル切替ゲーム数として220ゲーム目が設定され、特別遊技状態の終了後、220回目となる特図変動表示ゲームについて変動パターン選択テーブルが特定変動パターン選択テーブルに切り替えられる例を示した。
図60(a)において実行中の特図変動表示ゲームは、特別遊技状態の終了後から数えて216回目の特図変動表示ゲームである。そして、217回目と218回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が存在する状態となっている。この状態から、図60(b)に示すように219回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生すると、未だ発生していない220回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが表示される位置で保留発生時予告が行われる。
この保留発生時予告では、飾り特図始動記憶表示41bが表示される領域を点線で囲む表示を行うとともに、内側に当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する情報(ここでは「?」)を表示する。このように、保留発生時予告を飾り特図始動記憶表示41bが表示される領域において行うようにしたことで、その始動記憶を発生させたら何かが発生するということを効果的に報知できる。
保留発生時予告の表示態様の種類には、「?」や「何かが起きる?」などのメッセージを表示し、遊技者によっては情報の内容を理解できないものや、変動態様の種類を表示したり、ポイントの獲得が可能なことを表示したりするなどして情報の内容を明確に報知する認識容易なものなど様々なものが用意されている。この保留発生時予告の報知態様は実行中の特図変動表示ゲームの進行に応じて変更可能であって、この例では、図60(c)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームが終了した際に報知態様が「?」から「ポイント?」に変更されている。さらに、図60(d)に示すように、次の特図変動表示ゲームの実行中に報知態様が「ポイント?」から「ポイント!」に変更されている。すなわち、段階的に、曖昧な報知から確定的な報知へと切り替わっている。
〔保留数コマンド受信処理〕
このような制御を行うため、図24に示した1stシーン制御処理における保留数コマンド受信処理において、図61に示す処理を行う。この保留数コマンド受信処理では、特図始動記憶の増減に応じて飾り特図始動記憶表示41bの表示を増減させる処理の他、設定された特殊情報で予め定められた回数となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態で、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する報知を行う保留発生時予告の制御に関する処理も行う。
この保留数コマンド受信処理では、まず、飾り特図保留数コマンドを確認し(ステップB161)、飾り特図保留数コマンドを受信したかを判定する(ステップB162)。そして、飾り特図保留数コマンドを受信していない場合(ステップB162;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、飾り特図保留数コマンドを受信した場合(ステップB162;Yes)は、オーバーフローコマンドであるかを判定する(ステップB163)。
そして、オーバーフローコマンドである場合(ステップB163;Yes)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、オーバーフローコマンドでない場合(ステップB163;No)は、飾り保留数コマンドの対象が特図1であるかを判定する(ステップB164)。飾り保留数コマンドの対象が特図1である場合(ステップB164;Yes)、すなわち第1始動記憶の増減に基づき送信された飾り保留数コマンドである場合は、現状の特図1保留数記憶領域の値を取得し(ステップB165)、今回受信した飾り特図保留数コマンドに基づく値を取得する(ステップB166)。次に、差分を算出して特図1保留数記憶領域の値を更新し(ステップB167)、更新内容に基づき特図1保留数表示データを設定して(ステップB168)、保留発生時予告を行っている場合にセットされる保留発生時予告実行フラグを確認する(ステップB173)。
一方、飾り保留数コマンドの対象が特図2である場合(ステップB164;No)、すなわち第2始動記憶の増減に基づき送信された飾り保留数コマンドである場合は、現状の特図2保留数記憶領域の値を取得し(ステップB169)、今回受信した飾り特図保留数コマンドに基づく値を取得する(ステップB170)。次に、差分を算出して特図2保留数記憶領域の値を更新し(ステップB171)、更新内容に基づき特図2保留数表示データを設定して(ステップB172)、保留発生時予告を行っている場合にセットされる保留発生時予告実行フラグを確認する(ステップB173)。
以上の処理により、特図始動記憶数(保留数)の増減に応じて飾り特図始動記憶表示41bの表示の増減が行われる。すなわち、演出制御装置300が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶される始動記憶の数を遊技者に認識可能に報知する始動記憶報知手段をなす。なお、始動記憶報知手段は、始動記憶表示領域での表示の制御を行うことで始動記憶数を遊技者に報知する。また、演出制御装置300が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されている始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bの表示制御を行う始動記憶表示制御手段をなすとも言える。
保留発生時予告を行っている場合にセットされる保留発生時予告実行フラグを確認して(ステップB173)、フラグセット状態でない場合(ステップB174;No)は、次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象かを確認する(ステップB179)。また、フラグセット状態である場合(ステップB174;Yes)は、変動パターン選択テーブルの変更の対象となる保留が発生済みであるかを確認する(ステップB175)。
そして、発生済みでない場合(ステップB176;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、発生済みである場合(ステップB176;Yes)は、変動パターン選択テーブル変更対象保留に対する表示を詳細予告表示に切替設定し(ステップB177)、保留発生時予告実行フラグをクリアして(ステップB178)、次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象かを確認する(ステップB179)。詳細予告表示は、保留発生時予告の対象とされた所定の始動記憶に基づいて実行される特図変動表示ゲームでのポイント獲得を遊技者が認識可能に報知する表示である。このように保留発生時予告を行っている始動記憶が発生した場合に詳細予告表示に切り替えることで、始動記憶を発生させた遊技者に特典を与えることができ、止め打ちを防止できる。
次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象かを確認し(ステップB179)、変更の対象でない場合(ステップB180;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、変更の対象である場合(ステップB180;Yes)は、保留発生時予告として、変更される変動パターン選択テーブルの内容に基づく保留発生時予告を設定し(ステップB181)、保留発生時予告実行フラグをセットして(ステップB182)、保留数コマンド受信処理を終了する。変動パターン選択テーブルを変更するゲーム数は特別遊技状態の終了時に遊技制御装置100から送信されており、演出制御装置300では、特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数を計数することで、次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象かを確認することが可能である。
以上の処理により、変動パターン選択テーブルが変更される特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態で、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する報知を行う保留発生時予告が行われることとなる。これにより、始動記憶がなくても、遊技者に対して予告を実行することが可能となり、斬新な予告演出を行うことができる。また、遊技者が、対応する始動記憶を発生させようとするので、遊技機の稼働率を向上することができる。なお、このような保留発生時予告を、変動パターン選択テーブルが変更されない特図変動表示ゲームを実行する未だ発生していない始動記憶に対して行うようにしても良い。この場合、各特別結果の種類により選択される変動パターン選択テーブル切替ゲーム数となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応して行うようにすればより効果的である。
すなわち、演出制御装置300が、事前決定手段(遊技制御装置100)の決定に基づき、所定の始動記憶の発生前に当該所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する保留発生時予告を実行可能な事前報知手段をなす。また、演出制御装置300が、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に対する保留発生時予告の報知態様として、複数の報知態様から一の報知態様を選択し、保留発生時予告を実行する報知態様選択手段をなす。
また、保留発生時予告の報知態様の変化は、変動中処理において特図変動表示ゲームの進行状況に応じた更新設定を行うことで、所定のタイミングとなった際に報知態様を変更することができる。この変化は保留発生時予告の対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでポイントが獲得可能なことを順次認識容易となるように変化するようになっている。これにより、早く保留発生時予告がなされている始動記憶を発生させようとするので止め打ちを抑制できる。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に記憶される始動記憶の数を遊技者に認識可能に報知する始動記憶報知手段(演出制御装置300)と、未だ発生していない所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する事前決定手段(遊技制御装置100)とを備え、始動記憶報知手段は、事前決定手段の決定に基づき、所定の始動記憶の発生前に当該所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する事前報知(保留発生時予告)を行う事前報知手段(演出制御装置300)を有していることとなる。
また、事前決定手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの変動パターン(変動態様)を事前に決定可能とし、事前報知手段は、所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの変動パターンを示唆する事前報知を行うようにしていることとなる。
また、始動記憶報知手段(演出制御装置300)は、変動表示装置(表示装置41)の表示領域の一部に設定される始動記憶表示領域において、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶毎に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示41b)を表示し、事前報知手段(演出制御装置300)は、始動記憶表示領域のうち、所定の始動記憶が発生した場合に始動記憶表示が表示される領域において、事前報知を行うようにしていることとなる。
また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される所定の乱数のうち、変動表示ゲームの実行に関わる第1所定乱数(変動パターン乱数1から3)に基づき、変動表示ゲームの実行態様を制御する変動表示ゲーム実行態様制御手段(遊技制御装置100)を有し、変動表示ゲーム実行態様制御手段は、第1所定乱数に基づき、変動表示ゲームの実行に使用する変動パターンを設定する変動パターン設定手段(遊技制御装置100)と、各々の選択確率が相互に異なるように設定された複数の変動パターンをそれぞれ含む複数の変動パターン選択テーブルと、を備え、変動パターン設定手段は、複数の変動パターン選択テーブルのうち、いずれかの変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定し、所定条件が成立した場合には、複数の変動パターン選択テーブルのうち、特定変動パターンのみを含む特定変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定し、事前決定手段(遊技制御装置100)は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報として、当該変動表示ゲームが特定変動パターンとなることを決定し、事前報知手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立することとなる所定の始動記憶の発生前に、当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームが特定変動パターンとなることを事前報知するようにしていることとなる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に対する事前報知の報知態様として、複数の報知態様から一の報知態様を選択し、事前報知を実行する報知態様選択手段(演出制御装置300)を備え、報知態様選択手段は、変動表示ゲームの進行に応じて、実行中の事前報知の報知態様を、当該実行中の報知態様よりも所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識容易な報知態様に切り替えるようにしたこととなる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、事前報知に対応する所定の始動記憶が発生した場合に、当該所定の始動記憶に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示41b)において当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの変動態様(第2変動態様であること)を遊技者が認識可能に報知するようにしたこととなる。
なお、保留発生時予告を飾り特図始動記憶表示41aで行うようにしたが、これに限られるものではなく、表示装置41における別の表示領域や別途の表示装置で行うようにしても良い。また、保留発生時予告の実行態様も表示によるものに限られず、音声やランプ、LEDの点灯などで行うようにしても良い。
また、図61に示す保留数コマンド受信処理では、次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象かを確認するようにしているが(ステップB179)、変更対象の特図始動記憶よりも複数個手前の特図始動記憶の発生時に保留発生時予告を開始するようにしても良い。ただし、図60に示したように、保留発生時予告を始動記憶表示領域に表示することで行う場合は、変更対象の特図始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが始動記憶表示領域に表示可能な状態となってから保留発生時予告を行うようにする。すなわち、保留発生時予告の表示位置が、飾り特図始動記憶表示41bの表示可能位置を越えないように、最大保留数の位置以内となるようにする。
また、保留発生時予告を行っている場合に遊技者が遊技をやめた場合は、保留発生時予告を終了するようにしても良いし、詳細予告表示に切り替えるようにしても良い。遊技者が遊技をやめたか否かの判定は、例えば、操作部24の操作の有無や、所定期間における始動入賞口36等への入賞の有無などにより行う。
また、先読み処理により大当りとなると判定された始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bを保留発生時予告と同様の表示態様で表示し、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでポイントが必要ポイントに達して大当りとなったように見せる演出を行うようにしても良い。
また、抽選による大当りの発生とは別に、通常大当りに基づく特別遊技状態の終了後に新たな大当りが発生せずに所定回数の特図変動表示ゲームを実行すること(天井到達)でも大当りが発生する構成を備える場合に、天井ゲーム数となる特図変動表示ゲームを実行する未だ発生していない始動記憶に対して保留発生時予告を行うようにしても良い。
また、上述した本実施形態の各変形例の構成は、組み合わせて適用することが可能である。また、本実施形態及び本実施形態の変形例の構成は、他の実施形態やその変形例と組み合わせて適用可能である。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、特別遊技状態の終了後、予め定められた実行回数の特図変動表示ゲームに亘り高確率状態を設定するようになっており、特別結果の種類により高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数が異なるようになっている。
図62には、遊技状態の遷移を示した。通常遊技状態では、通常確率状態(特図低確、1/300)であり、時短状態でなく(サポなし)、通常確率状態であることを示す通常モード表示が設定される。この通常遊技状態で大当りが発生すると、特別遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行する。この確変遊技状態では、高確率状態(特図高確、1/30)であり、時短状態であり(サポあり)、高確率状態であることを示す確変モード表示が設定される。そして、この確変遊技状態で特別結果の種類により選択される所定ゲーム数を消化することで通常遊技状態に移行するようになっている。
図63には、特別結果の種類を示した。15R確変Aであった場合は、特別遊技状態において図5(b)に示す動作態様で特別変動入賞装置38が動作し、特別遊技状態の終了後、120回の特図変動表示ゲームを実行する期間に亘り確変遊技状態となる。また、15R確変B、15R確変C、15R確変Dであった場合は、何れも図5(d)に示す動作態様で特別変動入賞装置38が動作し、特別遊技状態の終了後、それぞれ30、60、90回の特図変動表示ゲームを実行する期間に亘り確変遊技状態となる。
15R確変B,C,Dは、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が共通であり、遊技者にとっては何れの特別結果であるかが判別困難とされている。この15R確変B,C,Dであった場合には、確変遊技状態において、確変遊技状態が継続又は終了する可能性がある区切り回数となる30ゲーム目及び60ゲーム目については、3ゲーム前から区切り回数となるゲームに亘り、確変遊技状態の終了の可能性を示す特殊演出が行われる。図64には、30ゲーム目となる場合の演出の実行態様を示した。
図64(a)は確変遊技状態となる期間が30ゲームである場合である。30ゲーム目の3ゲーム前となる27ゲーム目より前では、確変遊技状態であることを示す確変モード表示としてST中演出が行われる。そして、27ゲーム目から30ゲーム目に亘り確変遊技状態の終了の可能性を示す特殊演出が実行され、31ゲーム目からは通常遊技状態であることを示す通常モード演出として通常演出が行われる。また、確変遊技状態の終了に伴い、時短状態も終了している。
図64(b)は確変遊技状態となる期間が60ゲームである場合である。この場合も同様に30ゲーム目の3ゲーム前となる27ゲーム目より前では、確変遊技状態であることを示す確変モード表示としてST中演出が行われ、27ゲーム目から30ゲーム目に亘り確変遊技状態の終了の可能性を示す特殊演出が実行される。そして、30ゲーム目の特殊演出では確変遊技状態が継続することを報知するST復帰演出が行われ、31ゲーム目から確変遊技状態であることを示すST中演出が行われる。なお、確変遊技状態となる期間が90ゲームである場合も同様である。
図65、図66には、図64に示した期間における演出の一例を示した。図65(a)に示すように27ゲーム目より前ではST中演出が行われる。このST中演出では特別遊技状態の終了後からの確変遊技状態の継続ゲーム数であるST回数が表示される。そして、図65(b)に示すように27ゲーム目となると特殊演出が開始される。この特殊演出では、演出ボタン25を連打して遊技機に設けられたパトライトが光れば大当りであることが報知される演出であり、確変遊技状態の終了までの少ない期間での大当りの発生を期待させる演出となっている。
この演出は、28ゲーム目、29ゲーム目、30ゲーム目でもそれぞれ行われ、ここでは図65(f)に示すように30ゲーム目でもパトライトが光らずに大当りが発生していない。その後、図64(a)に示したように確変遊技状態となる期間が30ゲームである場合は、図66(a)に示すように、大当りとならないことが報知された後に、図66(b)に示すように確変遊技状態が終了することが報知され、図66(c)に示すように次の特図変動表示ゲームから通常遊技状態に戻り通常演出が行われる。また、図64(b)に示したように確変遊技状態となる期間が60ゲームである場合は、図66(d)に示すように爆発する映像が表示され、図66(e)に示すように確変遊技状態が継続することが報知され、図66(f)に示すように次の特図変動表示ゲームでも確変遊技状態となりST中演出が行われる。
〔大当りフラグ1設定処理、大当りフラグ2設定処理〕
以上のような処理を行うために、図41、図42に示した大当りフラグ1設定処理、大当りフラグ2設定処理では、ステップA431からA433及びA441からA443の処理を行わない。
〔特図表示中処理〕
また、図43に示した特図表示中処理の後半部分の処理に替えて図67に示す処理を行う。図21のステップA388にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA388;No)と判定すると、時短時(時短状態)であるかを判定する(ステップA541)。そして、時短時でない場合(ステップA541;No)は、特図普段処理移行設定処理1を行い(ステップA547)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA547)では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定する処理等を行う。
また、時短時である場合(ステップA541;Yes)は、確変状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する確変変動回数を−1更新し(ステップA542)、確変変動回数が0となったかを判定する(ステップA543)。本実施形態の遊技機では、高確率状態の終了とともに時短状態も終了するので、確変変動回数により確変状態と時短状態の管理を行っている。確変変動回数が0でない場合(ステップA543;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも確変状態及び時短状態が継続する場合は、特図普段処理移行設定処理1を行い(ステップA547)、特図表示中処理を終了する。
また、確変変動回数が0である場合(ステップA543;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで確変状態及び時短状態が終了する場合は、確変(時短)終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA544)、コマンド設定処理(ステップA545)を行う。その後、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を行い(ステップA546)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA546)では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定する処理や時短状態の終了に関する処理等を行う。すなわち、遊技制御装置100が、高確率状態を設定した後に実行された変動表示ゲームの回数が所定回数となった場合に、高確率状態を終了させて通常確率状態を設定する通常確率設定手段をなす。
〔大当り終了処理〕
また、図44に示した大当り終了処理に替えて図68に示す大当り終了処理を行う。この大当り終了処理では、ステップA482からA487の処理を行い、確変(時短)変動回数領域に大当り図柄に対応する確変変動回数初期値をセーブする(ステップA551)その後、ステップA490からA492の処理を行って、大当り終了処理を終了する。これにより、特別結果の種類に応じた確変遊技状態での特図変動表示ゲームの実行回数が設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、特別結果の種類に応じて高確率状態とする期間を選択する選択手段をなす。
〔変動中処理〕
また、図45に示した変動中処理に替えて図69に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)に、確変状態中であるかを判定し(ステップB191)、確変状態中でない場合(ステップB191;No)は、変動パターン情報設定処理(ステップB99)以下の処理を行う。
また、確変状態中である場合(ステップB191;Yes)は、特殊フラグがあるかを判定する(ステップB192)。特殊フラグは、直近の特別結果が15R確変B,C,Dであった場合に設定されるフラグである。この特殊フラグがない場合(ステップB192;No)は、変動パターン情報設定処理(ステップB99)以下の処理を行う。この場合は直近の特別結果が15R確変Aであり、特別変動入賞装置38の動作態様から他とは異なることが明確であるので、特殊演出を行わない。
また、特殊フラグがある場合(ステップB192;Yes)は、確変変動回数を確認し(ステップB192)、特定ゲーム数であるかを判定する(ステップB193)。この確変変動回数は、特別遊技状態の終了後からの特図変動表示ゲームの実行回数を演出制御装置300において管理しているものであるが、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの実行毎に確変変動回数を送信し、これに基づき特別遊技状態の終了後からの特図変動表示ゲームの実行回数を演出制御装置300において管理するようにしても良い。また、特定ゲーム数であるとは、確変遊技状態が継続又は終了する可能性がある区切り回数となる30ゲーム目及び60ゲーム目の3ゲーム前から区切り回数のゲーム数であって、特殊演出を行うこととなる特図変動表示ゲームに対応するゲーム数である。
この特定ゲーム数でない場合(ステップB193;No)は、変動パターン情報設定処理(ステップB99)以下の処理を行う。また、特定ゲーム数である場合(ステップB193;Yes)は、変動パターン情報設定パラメータとして特殊演出ゾーン情報を設定し(ステップB194)、変動パターン情報設定処理(ステップB99)以下の処理を行う。この特殊ゾーン情報が設定されることにより、特殊演出を行うための変動パターンが選択されるようになり、特殊演出が実行される。また、区切り回数となる特図変動表示ゲームでは、確変遊技状態の継続の有無により対応する特殊演出を設定する。すなわち、演出制御装置300が、高確率状態において、選択手段が選択可能な期間が経過する際に特定の演出を行う特定演出制御手段をなす。
以上のことから、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率が通常確率状態よりも高く設定された高確率状態を特別遊技状態の終了後に予め定められた期間に亘り発生させる確率設定手段(遊技制御装置100)と、特別結果の種類に応じて高確率状態とする期間を選択する選択手段(遊技制御装置100)と、を備えることとなる。
また、選択手段は、特別結果の種類に応じて予め定められた複数の期間から一の期間を選択するように構成され、高確率状態において、選択手段が選択可能な期間が経過する際に特定の演出を行う特定演出制御手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
なお、区切り回数において確変遊技状態が継続する場合であっても一旦時短状態を終了して確変遊技状態が終了したかのように見せてから再度時短状態に復帰するようにしても良い。この場合、例えば区切り回数においてSPリーチのみが選択される変動パターン選択テーブルを設定してSPリーチを実行し、当該SPリーチ中の演出において確変遊技状態に復帰する演出を行うようにする。また、上述した本実施形態の構成は、他の実施形態やその変形例と組み合わせて適用可能である。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、遊技者の選択により、特図変動表示ゲームの変動時間を変動パターン選択テーブルにより選択される変動時間よりも短い変動時間に変更することが可能となっている。
図70には、変動態様の例を示した。図70(a)には、結果がはずれの場合に選択される変動パターンを示した。遊技制御装置100では、変動態様として変動パターン1から10の何れかを選択し、演出制御装置300に選択した変動態様の情報を含むコマンドを送信する。演出制御装置300では、遊技制御装置100で選択された変動態様に対応して演出パターンを選択し、飾り特図変動表示ゲームを実行する。
また、遊技制御装置100では、選択した変動パターンにより、特図変動表示ゲームの変動時間を変動パターン選択テーブルにより選択される変動時間よりも短い変動時間に変更するスキップが可能であるか否かを決定するようになっている。例えば、遊技制御装置100が変動パターン1又は2を選択した場合は、10秒の変動時間が設定され、演出制御装置300ではリーチなしの演出パターンが選択される。そして、変動パターン1であった場合は、遊技者の選択によりスキップの選択が可能となり、スキップが選択された場合は、変動時間が1秒に変更される。また、変動パターン2であった場合はスキップを選択することができない。
スキップが選択可能な変動パターン1の選択割合は86.5%であるのに対し、スキップが選択不可能な変動パターン2の選択割合は0.5%となっており、同じ演出パターンが選択される変動パターンではスキップが選択可能な変動パターンの方が選択割合が高くなっている。また、他の演出パターンが選択される変動パターンの場合もスキップが選択可能な変動パターンの方が選択割合が高くなっている。
図70(b)には、結果が大当りの場合に選択される変動パターンを示した。この場合も同一の演出パターンを選択する変動パターンとして、スキップが選択可能な変動パターンとスキップが選択不可能な変動パターンが設定されている。結果が大当りの場合には、同じ演出パターンが選択される変動パターンではスキップが選択不可能な変動パターンの方が選択割合が高くなっている。
スキップの選択は特図変動表示ゲームの開始前に当該特図変動表示ゲームを実行する始動記憶に対して可能であり、この選択の時点ではどの変動パターン(演出パターン)であるかや特図変動表示ゲームの結果を遊技者が知ることはできない。よって、スキップが選択できなかった場合は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで大当りとなる可能性が高いことが推測できる。
このような制御を行うために、遊技機には遊技者がスキップの選択を行うためのスキップボタンが設けられる。このスキップボタンの操作による入力は遊技制御装置100に入力されるようになっている。また、遊技状態には通常遊技状態と確変遊技状態があり、特別遊技状態の終了後は所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで確変遊技状態となるものとする。
〔特図ゲーム処理、スキップボタン入力処理〕
また、図12に示す特図ゲーム処理に替えて図71に示す特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、スキップボタン入力処理(ステップA561)を行う。図72に示すようにスキップボタン入力処理では、まず、スキップ待機保留があるかを判定する(ステップA571)。スキップ待機保留とは、遊技者がスキップの有無の選択をしていない始動記憶である。このスキップ待機保留がない場合(ステップA571;No)は、スキップボタン入力処理を終了する。また、スキップ待機保留がある場合(ステップA571;Yes)は、遊技者によるスキップボタンの操作であるスキップ操作があるかを判定する(ステップA572)。
スキップ操作がない場合(ステップA572;No)は、スキップボタン入力処理を終了する。また、スキップ操作がある場合(ステップA572;Yes)は、対象保留のスキップ情報を確認し(ステップA573)、スキップ可能であるかを判定する(ステップA574)。スキップ情報には、先読み処理により判定された変動パターンの情報が含まれており、これによりスキップ可能な変動パターンであるかが判定できるようになっている。
そして、スキップ可能である場合(ステップA574;Yes)は、対象保留にスキップ決定情報を設定し(ステップA575)、スキップ決定コマンドを準備し(ステップA576)、コマンド設定処理を行って(ステップA579)、スキップボタン入力処理を終了する。また、スキップ可能でない場合(ステップA574;No)は、対象保留にスキップ失敗情報を設定し(ステップA577)、スキップ失敗コマンドを準備し(ステップA578)、コマンド設定処理を行って(ステップA579)、スキップボタン入力処理を終了する。スキップ決定コマンドやスキップ失敗コマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、対象の始動記憶のスキップの有無について設定を行う。
〔特図始動口スイッチ共通処理、特図保留情報判定処理〕
本実施形態の遊技機では、図14に示した特図始動口スイッチ共通処理において転落抽選乱数を抽出して乱数セーブ領域にセーブする処理を行わない。また、図15に示した特図保留情報判定処理では、転落判定処理及び転落情報があるかの判定を行わない。
〔特図1変動開始処理〕
また、図18に示した特図1変動開始処理に替えて図73に示す特図1変動開始処理を行う。この特図1変動開始処理では、転落抽選処理を行わない。また、消化する保留スキップ情報を確認し(ステップA581)、スキップ決定情報がある場合(ステップA582;Yes)は、変動パターン決定パラメータとしてスキップ実行情報を設定する(ステップA583)。これにより、変動パターン乱数にかかわらず変動時間が1秒に設定される。
〔特図2変動開始処理〕
また、図19に示した特図2変動開始処理に替えて図74に示す特図2変動開始処理を行う。この特図2変動開始処理では、転落抽選処理を行わない。また、消化する保留スキップ情報を確認し(ステップA591)、スキップ決定情報がある場合(ステップA592;Yes)は、変動パターン決定パラメータとしてスキップ実行情報を設定する(ステップA593)。これにより、変動パターン乱数にかかわらず変動時間が1秒に設定される。
〔特図表示中処理〕
また、図22に示した特図表示中処理の後半部分に替えて図67に示す処理を行う。これにより、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行することで高確率状態が終了するとともに時短状態も終了するようになる。
〔先読みコマンド受信処理〕
また、図24に示した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理において図75に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB201)、受信していない場合(ステップB201;No)は、スキップ失敗情報があるかを判定する(ステップB210)。また、受信している場合(ステップB201;Yes)は、記憶済の始動記憶と対応させて先読みコマンドを記憶し(ステップB202)、高確率状態中であるかを判定する(ステップB203)。
高確率状態でない場合(ステップB203;No)は、低確率中の先読み予告を設定し(ステップB209)、スキップ失敗情報があるかを判定する(ステップB210)。この場合は、例えば大当りとなる始動記憶や、特定のリーチ(例えばSPリーチ)となる始動記憶、結果がはずれとなる始動記憶のうち抽選により選択された始動記憶である場合に、先読み演出を設定する。
また、高確率状態である場合(ステップB203;Yes)は、大当りとなる始動記憶であるかを判定する(ステップB204)。大当りとなる始動記憶である場合(ステップB204;Yes)は、先読み予告テーブル2を設定して(ステップB206)、設定されたテーブルに基づいて先読み予告の実行抽選を行う(ステップB207)。また、大当りとなる始動記憶でない場合(ステップB204;No)は、先読み予告テーブル1を設定して(ステップB205)、設定されたテーブルに基づいて先読み予告の実行抽選を行う(ステップB207)。その後、選択された態様で先読み予告を設定し(ステップB208)、スキップ失敗情報があるかを判定する(ステップB210)。
先読み予告テーブル2は先読み予告テーブル1よりも先読み演出の実行を選択する確率が高く、また、複数種類の実行態様のうち信頼度の高いパターンを選択する確率が高くなっている。すなわち、大当りとなる場合に先読み演出が実行されやすく、さらに信頼度の高い先読み演出が選択されやすくなっている。
その後、スキップ失敗情報があるかを判定し(ステップB210)、スキップ失敗情報がない場合(ステップB210;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、スキップ失敗情報がある場合(ステップB210;Yes)は、対応する保留が先読み予告済みかを確認する(ステップB211)。そして、対応する保留が先読み予告済みである場合(ステップB211;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。
また、対応する保留が先読み予告済みでない場合(ステップB211;No)は、先読み予告テーブル2に基づいて先読み予告実行抽選を行い(ステップB212)、選択された態様で先読み予告を設定して(ステップB213)、先読みコマンド受信処理を終了する。上述したように、スキップができない始動記憶は、大当りとなる可能性が高いため、遊技者がスキップの選択をしたが不可能であった場合には先読み演出を行うようにして遊技者の期待感を高めるようにしている。なお、対応する保留が先読み予告済みである場合(ステップB211;Yes)には、より信頼度の高い先読み演出に変更するようにしても良い。
〔変動中処理〕
また、図25に示す変動中処理に替えて図76に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、時短状態ではない通常中である場合(ステップB221;Yes)に、始動記憶内にスキップ失敗情報があるかを判定する(ステップB222)。そして、スキップ失敗情報がある場合(ステップB222;Yes)に、変動パターン設定パラメータとしてスキップ失敗情報を設定する(ステップB223)。
これにより、遊技者がスキップの選択をしたが不可能であった始動記憶がある場合に、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘り連続的に特定の演出が行われるようになる。上述したように、スキップができない始動記憶は、大当りとなる可能性が高いため、遊技者がスキップの選択をしたが不可能であった場合には当該始動記憶に亘り連続的に特定の演出を行うようにして遊技者の期待感を高めるようにしている。
以上のことから、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器、特図2表示器、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果に関連して、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出する乱数抽出手段(遊技制御装置100)と、乱数抽出手段によって抽出された乱数に基づき、識別図柄の変動態様及び変動時間を選択する変動態様選択手段(遊技制御装置100)と、遊技者の操作を受け付け操作手段(スキップボタン)と、を備え、変動態様選択手段は、変動表示ゲームの開始前における操作手段の操作に基づき、当該変動表示ゲームにおける識別情報の変動時間を、乱数抽出手段によって抽出された乱数にかかわらず所定時間に設定するようにしたこととなる。
また、変動態様選択手段は、操作手段の操作に基づき、乱数抽出手段によって抽出された乱数にかかわらず、識別図柄の変動時間として、乱数抽出手段によって抽出された乱数により選択可能な変動時間よりも短い変動時間を設定するようにしたこととなる。
また、変動態様選択手段は、乱数抽出手段によって抽出された乱数に基づき選択される変動態様が所定の変動態様である場合にのみ、操作手段の操作に基づき乱数抽出手段によって抽出された乱数にかかわらず、識別図柄の変動時間として前記所定時間を設定するようにしたこととなる。
また、前記所定の変動態様は変動表示ゲームの結果が特別結果とならない場合よりも特別結果となる場合の方が高い確率で選択されるようになっている。
また、遊技の演出を行う演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、乱数抽出手段によって抽出された乱数に基づき選択される変動態様が所定の変動態様でなく変動態様選択手段が識別図柄の変動時間として前記所定時間が設定できなかった場合に、特定の演出を行うようにしたこととなる。
なお、始動記憶についてのスキップの選択は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始前であればいつでも良いが、当該始動記憶の発生から所定期間のみ可能としたり、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始前所定期間は選択できないようにしたりしても良い。また、スキップの選択が可能な始動記憶であることを先読み演出で報知するようにしても良い。また、スキップの選択は始動記憶ごとに行えるようにしても良いし、記憶されている始動記憶を一括で選択するようにしても良い。
図77には、遊技者がスキップの選択をしたが不可能であった始動記憶がある場合の演出の実行態様の別例を示した。始動記憶が3つあり、3つ目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当りとなる場合、スキップの選択を行わなければ、図77(a)に示すように各始動記憶に記憶された乱数により選択される通常の演出が行われる。これに対して図77(b)に示すように、1つ目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて大当りとなる始動記憶についてスキップの選択操作を行った場合、当該始動記憶についてのスキップが不可能である結果を提示した後、実行中の特図変動表示ゲームから当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘り連続的な特別演出を行い、最終的に特別結果を導出するようにしても良い。この場合、特別演出を行っている期間では、パチスロ遊技機におけるフリーズ演出のように、スキップボタンの入力を受け付けないようにしても良い。なお、本実施形態及び本実施形態の別例の構成は、他の実施形態やその変形例と組み合わせて適用可能である。
〔第6実施形態〕
次に、第6実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、特図変動表示ゲームの結果が特定の結果となることのみを条件として遊技球を払い出すことが可能となっている。
図78には賞球(遊技球)の払い出し条件を示した。図78(a)に示すように払い出し条件には、各種入賞口への入賞、特定のはずれ図柄の導出及び特定の大当り図柄の導出が設定されている。各種入賞口への入賞については通常の遊技機と同様である。また、特定のはずれ図柄の導出や特定の大当り図柄の導出については、これ以外の条件を課すことなく、特定の図柄(特定結果)が導出されることのみで所定数の賞球が払い出されるようになっている。
図78(b)には、結果がはずれとなる場合に選択される変動パターンを示した。遊技制御装置100では、変動態様として変動パターン1から10の何れかを選択し、演出制御装置300に選択した変動態様の情報を含むコマンドを送信する。演出制御装置300では、遊技制御装置100で選択された変動態様に対応して演出パターンを選択し、飾り特図変動表示ゲームを実行する。
また、遊技制御装置100では、選択した変動パターンにより、賞球を払い出すか否かを決定し、賞球を払い出す場合には、特図変動表示ゲームの終了時に対応する賞球を払い出すように制御する。例えば、遊技制御装置100が変動パターン1又は2を選択した場合は、10秒の変動時間が設定され、演出制御装置300ではリーチなしの演出パターンが選択される。そして、変動パターン1であった場合は通常のはずれ図柄が導出されて賞球は払い出されず、変動パターン2であった場合は特定のはずれ図柄が導出されて特図変動表示ゲームの終了時に150個の賞球が払い出される。
すなわち、変動パターン2,4,6,8,10が選択された場合には特定のはずれ図柄が導出され、この特定のはずれの導出により払い出し条件が成立し、対応する数の遊技球が払い出される。この変動パターン2,4,6,8,10が選択されて特定のはずれ図柄が導出される確率は、特別結果が導出される確率よりも高くなっている。特定のはずれ図柄は特図1表示器又は特図2表示器で表示されるが、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームでも対応する特定のはずれ図柄が表示される。この表示は遊技球の払い出しが行われている期間に亘り継続される。
図78(c)には、特別結果の種類を示した。図5に示した特別変動入賞装置38の動作態様となる15R確変A、15R確変B、15R確変Cの他、15R確変D、15R確変E、15R通常が設定されている。15R確変Dは、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様が短時間の開放を2回行うのみであり、獲得可能な出玉はほぼ0個である。また、特別遊技状態の終了後は高確率状態となる。15R確変Eは、特別遊技状態において特別変動入賞装置38を開放せず、特別結果の導出のみにより2400個の遊技球を払い出すようになっている。また、特別遊技状態の終了後は高確率状態となる。15R通常は、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様が15R確変Cと同様であるが、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる。
つまり、15R確変Eが特定の大当り図柄をなし、この特定大当り図柄の導出により払い出し条件が成立し、対応する数の遊技球が払い出される。すなわち15R確変E以外の特別結果が特定結果に対応しない第1特別結果をなし、特定の大当り図柄である15R確変Eが特定結果に対応する第2特別結果をなす。なお、15R通常も第2特別結果とし、導出により対応する数の遊技球が払い出されるようにしても良い。特定の大当り図柄は特図1表示器又は特図2表示器で表示されるが、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームでも対応する特定の大当り図柄が表示される。この表示は遊技球の払い出しが行われている期間に亘り継続される。すなわち、演出制御装置300は、特定結果(特定のはずれ図柄や特定の大当り図柄)の導出に基づき遊技球の払い出しが行われているときには、表示装置41に表示する飾り特図変動表示ゲームの識別情報の表示態様(結果態様)を、特定結果に関連する表示態様に制御するようにしている。
このように変動表示ゲームで予め定められた特定結果が導出されることで対応する遊技球が払い出されるので、遊技球発射機構の不具合や遊技領域での球止まり等により遊技者が不利益を被ることを防止できる。また、変動表示ゲームで予め定められた特定結果が導出されることによる遊技球の払い出しに加え、従来の入賞に基づく遊技球の払い出しも可能であるので、遊技が多様化され遊技性を高めることができる。すなわち、特定結果に対応する第2特別結果の導出のみを条件とする遊技球の払い出しの他、特定結果に対応しない第1特別結果の導出により従来の遊技機と同様に大入賞口への入賞に基づく遊技球の払い出しも可能となり、遊技が多様化され遊技性を高めることができる。特に、最も出玉の多い15R確変Eについて大当り図柄の導出(特定結果の導出)により払い出し条件が成立し、対応する数の遊技球が払い出されるようにしたことで、より高い遊技価値が付与されるときに、遊技者が不利益を被ることがないようにすることができる。
この大当り図柄の導出のみを条件とする遊技球の払い出しは、通常の特別変動入賞装置38への入賞に基づく遊技球の払い出しよりも全ての遊技球を払い出すまでの期間が短い。特に、主に時短状態で遊技が行われる特図2変動表示ゲームでは、15R確変Eの選択割合を高くすることで、時短状態による遊技の進行の迅速化に加え、大当りの際の遊技球の払い出しも迅速化され、短い期間で多量の遊技球を遊技者に付与できるようになり、遊技の興趣を高めることができる。
〔入賞口スイッチ/エラー監視処理〕
以上のような処理を行うため、図11に示すタイマ割込み処理における入賞口スイッチ/エラー監視処理において図79に示す処理を行う。まず、特別変動入賞装置(大入賞口)38内のカウントスイッチ38aの不正監視テーブル(例えばカウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS71)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS72)を実行する。その後、普電(普通変動入賞装置37)内の始動口2スイッチ37aの不正監視テーブルを準備し(ステップS73)、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS74)を実行する。
そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチの入賞監視テーブル(例えば不正監視不要なスイッチを示すリスト)を準備し(ステップS75)。入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS76)を行う。次に、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新して準備し(ステップS77)、払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ、オーバーフロースイッチ及び払出制御装置の異常監視用の遊技機エラー監視テーブル1を準備する(ステップS78)。そして、これらのスイッチ及び払出制御装置に異常が発生していないかを判定するエラーチェック処理(ステップS79)を実行する。
その後、前枠開放検出スイッチ63及び遊技枠開放検出スイッチ64からの信号に基づく前枠(ガラス枠15)及び遊技枠(前面枠12)の開放監視用の遊技機エラー監視テーブル2を準備する(ステップS80)。そして、エラースキャンカウンタをロードし、前枠及び遊技枠の開放監視用の遊技機エラー監視テーブル2用に変換して準備し(ステップS81)、これらのスイッチに異常が発生していないかを判定するエラーチェック処理(ステップS82)を行い、入賞口スイッチ/エラー監視処理を終了する。
〔不正&入賞監視処理〕
図80には、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS72、S74)を示した。この不正&入賞監視処理は、大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37aに対して行なわれる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)は、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS91)、不正監視期間中であるか、つまり遊技状態として大入賞口(特別変動入賞装置38)が閉じている期間又は普電(普通変動入賞装置37)が閉じている期間かを判定する(ステップS92)。そして、不正監視期間である場合(ステップS92;Yes)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかをチェックする(ステップS93)。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS94;No)は、対象の不正入賞報知タイマがすでにタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックする(ステップS104)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS994;Yes)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS95)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかチェックする(ステップS96)。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しない、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、判定個数を超えていない場合(ステップS97;No)は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する(ステップS102)。また、判定個数を超えた場合(ステップS97;Yes)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS98)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値をセーブする(ステップS99)。次に、対象の不正入賞発生コマンドを準備し(ステップS100)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを設定して(ステップS101)、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS102)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップS92;No)は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備し(ステップS102)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS103)を行う。そして、対象の不正入賞報知タイマがすでにタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックし(ステップS104)、タイムアップしていない場合(ステップS105;No)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、タイムアップした場合(ステップS105;Yes)は、エラー報知終了タイミングであるかを判定する(ステップS106)。
エラー報知終了タイミングでない場合(ステップS106;No)は、対象の不正入賞解除コマンドを準備する(ステップS108)。また、エラー報知終了タイミングである場合(ステップS106;Yes)は、対象の不正入賞数をリセットし(ステップS107)、対象の不正入賞解除コマンドを準備する(ステップS108)。その後、不正フラグとして不正入賞解除フラグを設定し(ステップS109)、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS110)。
そして、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS111;Yes)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS111;No)は、設定した不正フラグを不正フラグ領域にセーブし(ステップS112)、コマンド設定処理を行い(ステップS113)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図81には、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS76、S103)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS121)し、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかをチェックする(ステップS122)。
そして、入力がない場合(ステップS122:No)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS128)。また、入力がある場合(ステップS122;Yes)は、対象の入賞数カウンタ領域の値をロードし(ステップS123)、対象の入賞数カウンタを+1更新し(ステップS124)、オーバーフローするかチェックする(ステップS126)。
そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS126;No)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域にセーブし(ステップS127)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS128)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS126;Yes)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS128)。全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS128;No)は、対象の入賞スイッチに入力があるかをチェックする処理(ステップS122)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS128;Yes)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞に応じた賞球が設定されることとなる。
〔払出コマンド送信処理〕
また、図11に示すタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理において図82に示す払出コマンド送信処理を行う。この払出コマンド送信処理では、まず、入賞口別に設けられている入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかチェックする(ステップS131)。そして、カウント数がない場合(ステップS132:No)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップS133)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS134)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS134;Yes)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS134;No)と判定すると、ステップS131へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS132で、カウント数がある(ステップS132;Yes)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップS135)、入賞数カウンタ領域、即ち、入賞口のアドレスに対応する払出コマンド(負論理のデータ)を取得する(ステップS136)。そして、データの読込みが有効か無効かを示すストローブ信号のオフ時間(例えばロウレベルに維持する時間)を設定し(ステップS137)、上記ステップS136で取得した払出コマンド(負論理のデータ)とオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート131(図3参照)へ出力する(ステップS138)。
その後、ステップS137で設定したオフ時間が経過したか否か判定し(ステップS139)、経過していない場合(ステップS139;No)にはステップS138へ戻り、経過した場合(ステップS139;Yes)には負論理データの出力残り時間を設定する(ステップS140)。次に、払出コマンド(負論理のデータ)を出力するとともにオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート131へ出力する(ステップS141)。そして、ステップS140で設定した負論理データの出力時間が終了したかを判定し(ステップS142)、終了していない場合(ステップS142;No)はステップS141へ戻り、終了した場合(ステップS142;Yes)は、上記負論理の払出コマンドデータを反転して正論理の払出コマンドデータを生成する(ステップS143)。
次に、ストローブ信号のオン残り時間(ハイレベルの時間)を設定し(ステップS144)、上記ステップS143で生成した払出コマンド(正論理のデータ)とオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート131へ出力する(ステップS145)。その後、ステップS144で設定したオン時間が終了したかを判定し(ステップS146)、終了していない場合(ステップS146;No)はステップS145へ戻り、終了した場合(ステップS146;Yes)は、正論理データの出力残り時間を設定する(ステップS147)。
そして、払出コマンド(正論理のデータ)を出力するとともにオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート131へ出力し(ステップS148)、設定した正論理データの出力時間が終了したか否か判定する(ステップS149)。出力時間が終了していない場合(ステップS149;No)はステップS148へ戻り、終了した場合(ステップS149;Yes)は、正論理の払出コマンドデータをポート状態保持データとしてRWMにセーブし(ステップS150)、当該コマンド送信処理を終了する。
以上の処理により、払出制御装置200に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信され、払出制御装置200ではこの払出コマンドに基づき遊技球を払い出す。上記のように、負論理の払出コマンドデータを出力した後に正論理の払出コマンドデータを出力することによって、コマンド受信側では、負論理の払出コマンドデータと正論理の払出コマンドデータを読み込んで比較することによって、正しいコマンドを受信することができたか否かを判定することができる。例えば先に受信した負論理の払出コマンドデータを論理反転して、それと後で受信した正論理の払出コマンドデータとを比較して、同一でない場合にはコマンド受信エラーと判断し、コマンドの再送を遊技制御装置100へ要求することで正確なコマンドを受信することが可能となる。
〔特図表示中処理〕
また、図22に示す特図表示中処理の後半部分に替えて図83に示す特図表示中処理の後半部分を行う。この処理では、ステップA407からA418の処理を行った後に、停止させる図柄を確認し(ステップA601)、賞球を発生させる図柄(特定結果をなす特定のはずれ図柄や特定の大当り図柄)であるかを判定する(ステップA602)。
賞球を発生させる図柄でない場合(ステップA602;No)は、特図表示中処理を終了する。また、賞球を発生させる図柄である場合(ステップA602;Yes)は、入賞数カウンタ領域のうち15個賞球カウンタに停止した図柄に基づく値を加算する(ステップA603)。そして、設定した値に基づく賞球数情報コマンドを準備し(ステップA604)、コマンド設定処理(ステップA605)を行って、特図表示中処理を終了する。
これにより、特定結果をなす特定のはずれ図柄や特定の大当り図柄が導出された場合に、賞球の払い出しが設定されることとなる。また、このときに演出制御装置300に賞球数情報コマンドを送信することで、演出制御装置300において賞球払い出しの演出として、例えばファンファーレを出力する処理や飾り特図図柄の特定の表示態様に制御する処理などを行うことができる。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの結果が予め定められた特定結果となると当該特定結果に対応する所定数の遊技球を払い出す価値付与手段をなす。
以上のことから、遊技領域32に向けて発射された遊技球が、該遊技領域32に設けられた所定領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)を通過することに基づいて、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行する変動表示装置(特図1表示器、特図2表示器)と、変動表示ゲームに対応して識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲームを実行可能な演出表示装置(表示装置41)と、変動表示ゲーム及び飾り変動表示ゲームの制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、飾り変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機であって、遊技制御手段は、変動表示ゲームの結果が予め定められた特定結果となると当該特定結果に対応する所定数の遊技球を払い出す価値付与手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段は、価値付与手段による遊技球の払い出しが行われているときに、識別情報の表示態様を、特定結果に関連する表示態様に制御するようにしたこととなる。
また、遊技領域32に、遊技球の入賞を検出する検出手段(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38a)を備えた入賞装置(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を備え、価値付与手段(遊技制御装置100)は、検出手段で遊技球を検出した場合は、当該検出した検出手段に対応する所定数の遊技球を払い出すようにしていることとなる。
また、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与するように構成され、特別結果には、特定結果に対応しない第1特別結果と、特定結果に対応する第2特別結果とがあり、入賞装置は、遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置38を備え、価値付与手段(遊技制御装置100)は、第1特別結果が導出された場合には、特別変動入賞装置38を開状態に制御するとともに、当該特別変動入賞装置38に入賞した遊技球の検出手段による検出結果に応じて遊技球を払い出し、第2特別結果が導出された場合には、特別変動入賞装置38を開状態に制御せず、検出手段による遊技球の検出の有無に関わらず当該第2特別結果に対応する所定数の遊技球を払い出すようにしていることとなる。
また、第2特別結果に基づいて払い出される遊技球数は、第1特別結果に基づいて払い出し可能な遊技球数よりも多いこととなる。さらに、第2特別結果に基づいて払い出される遊技球数は、第2特別結果の導出以外の払出条件の成立(特定のはずれ図柄の導出や入賞口への入賞など)に基づいて払い出される遊技球数よりも多いこととなる。
なお、払出条件を、例えば特定のはずれ図柄や特定の大当り図柄の導出のみとすれば、遊技領域32に入賞口を設けないようにすることも可能である。ただし、変動表示ゲームの始動条件を発生させる遊技球検出部を設けるようにする。また、変動表示ゲームで予め定められた特定結果が導出されることで賞球を付与することの他に、高確率状態の設定や、特定の演出の実行などを行うようにしても良い。また、特定のはずれ図柄や特定の大当り図柄は、特図1表示器又は特図2表示器と表示装置41aで表示されるようにしたが、特図1表示器又は特図2表示器でのみ特定のはずれ図柄を表示するようにしても良い。また、特定のはずれ図柄は変動パターンごとに異ならせても良い。
また、遊技機内に封入した所定数の遊技球を循環使用する封入球式遊技機や、各遊技機に払い出された遊技球数や発射した遊技球数を管理する各台計数機を備えたパーソナルシステムである場合には、特定のはずれ図柄や特定の大当り図柄が導出されたことに基づき遊技者の持球数データを加算するようにする処理を行うことで、同様の構成とすることができる。
また、特定の変動態様であった場合に特定のはずれ図柄が導出されて賞球が払い出されるようにしたが、特定のはずれ図柄の導出を条件とせずに特定の変動態様の変動表示ゲームが終了することにより賞球を払い出すようにしても良い。すなわち、価値付与手段が、変動表示ゲームで予め定められた特定の条件を満たすこと(特定結果の導出や特定の変動態様の変動表示ゲームの終了など)のみを条件とし、当該条件が成立することにより当該条件に対応する所定数の遊技球を払い出すようにしても良い。この場合、第1特別結果が予め定められた特定の条件を満たさない特別結果となり、第2特別結果が予め定められた特定の条件を満たす特別結果となる。また、特定の変動態様の変動表示ゲームの実行とは関係なく特定のはずれ図柄を所定の確率で導出するようにし、この特定のはずれ図柄の導出による賞球の払い出しを設定しても良い。
つまり、遊技領域32に向けて発射された遊技球が、該遊技領域32に設けられた所定領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)を通過することに基づいて、変動表示装置(特図1表示器、特図2表示器、表示装置41)で識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行する遊技機において、変動表示ゲームで予め定められた特定の条件を満たすことのみを条件とし、当該条件が成立することにより当該条件に対応する所定数の遊技球を払い出す価値付与手段(遊技制御装置100)を備えるようにしても良い。
〔第6実施形態の第1変形例〕
次に、第6実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第6実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、特図変動表示ゲームの結果が特定の大当り結果となることを条件として特別変動入賞装置38を動作せずに高確率状態を設定することが可能となっている。
図84には、遊技状態の遷移を示した。通常遊技状態では、通常確率状態(特図低確、1/300)であり、時短状態ではない(サポなし)。そして、確変大当りが発生すると、特別遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行する。この確変遊技状態では、高確率状態(特図高確、1/30)であり、時短状態であり(サポあり)、確変遊技常態であることを報知する演出が演出制御装置300により行われる。また、通常大当りが発生すると、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態に移行する。この時短遊技状態では、通常確率状態(特図高確、1/300)であり、時短状態であり(サポあり)、時短遊技状態であることを報知する演出が演出制御装置300により行われる。この時短遊技状態で100の特図変動表示ゲームを実行すると通常遊技状態に移行する。
また、潜伏大当りが発生すると潜伏確変遊技状態に移行する。この潜伏確変遊技状態では、高確率状態(特図高確、1/30)であり、時短状態ではない(サポなし)。この潜伏大当りの場合は、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉が行われず、また、潜伏確変遊技状態での演出は、通常遊技状態の演出と同様の演出となるように演出制御装置300により制御され、遊技者とっては潜伏大当りに当選して高確率状態になったことが認識しにくくなっている。ただし、演出制御装置300により、任意のタイミングで潜伏確変遊技状態であることを示唆する高確率示唆演出が行われるため、明確には認識できないが潜伏確変遊技状態であることを推測可能となっている。すなわち、演出制御装置300が、高確率状態の設定に関連する演出を制御する演出制御手段をなす。
図85には特別結果の種類を示した。15R確変Aと15R確変Cは確変大当りである。15R確変Aに基づく特別遊技状態での特別変動入賞装置38の動作態様は、短時間の開放を2回行うのみであり、獲得可能な出玉はほぼ0個である。また、15R確変Cに基づく特別遊技状態での特別変動入賞装置38の動作態様は、図5(d)に示す動作態様と同様であって獲得可能な出玉は約1500個である。15R通常は通常大当りであって、この15R通常に基づく特別遊技状態での特別変動入賞装置38の動作態様は、図5(d)に示す動作態様と同様であって獲得可能な出玉は約1500個である。15R確変Bは潜伏大当りであって、この15R確変Bが導出された場合は特別変動入賞装置38が動作せず、獲得可能な出玉は0個である。すなわち、15R確変Bが特定結果に対応する第2特別結果をなす。ただし、この特定結果に対応して払い出される遊技球は0個である。
このように、特別変動入賞装置38の開閉を伴って高確率状態が設定される場合と、特別変動入賞装置38の開閉を伴わず高確率状態が設定される場合があるため、高確率状態への移行契機が多様化し遊技性が高まる。特に、特別変動入賞装置38の開閉を伴わず高確率状態が設定される場合には、高確率状態が設定されたことを遊技者が認識しづらく、高確率示唆演出が実行されることもあり、遊技を続行する意欲を高めることができる。
〔特図始動口スイッチ共通処理、特図保留情報判定処理〕
このような制御を行うために、本変形例の遊技機では、図14に示した特図始動口スイッチ共通処理において転落抽選乱数を抽出して乱数セーブ領域にセーブする処理を行わない。また、図15に示した特図保留情報判定処理では、転落判定処理及び転落情報があるかの判定を行わない。
〔特図1変動開始処理、特図2変動開始処理〕
また、図18に示した特図1変動開始処理、図19に示した特図2変動開始処理では、転落抽選処理を行わない。
〔特図表示中処理〕
また、図22に示した特図表示中処理の後半部分に替えて図86に示す処理を行う。この処理では、図21のステップA388にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA388;No)と判定すると、時短時(時短状態)であるかを判定する(ステップA611)。そして、時短時でない場合(ステップA611;No)は、特図普段処理移行設定処理1を行い(ステップA617)、停止させる図柄を確認する処理(ステップA601)を行う。特図普段処理移行設定処理1(ステップA617)では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定する処理等を行う。
また、時短時である場合(ステップA611;Yes)は、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時短変動回数を−1更新し(ステップA612)、時短変動回数が0となったかを判定する(ステップA613)。この時短変動回数は、15R通常に基づく特別遊技状態の終了時に、時短状態とする特図変動表示ゲームの回数として100が設定される。なお、次回の大当りまで時短状態となる大当りであった場合には、特別遊技状態の終了時に、時短変動回数はリセットされる。
この時短変動回数が0でない場合(ステップA613;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、特図普段処理移行設定処理1を行い(ステップA617)、停止させる図柄を確認する処理(ステップA601)を行う。また、時短変動回数が0である場合(ステップA613;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA614)、コマンド設定処理(ステップA615)を行う。その後、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を行い(ステップA616)、停止させる図柄を確認する処理(ステップA601)を行う。特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA616)では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定する処理や時短状態の終了に関する処理等を行う。
停止させる図柄を確認する処理(ステップA601)を行い、賞球を発生させる図柄(例えば特定のはずれ図柄)である場合(ステップA601;Yes)は、入賞数カウンタ領域のうち15個賞球カウンタに停止した図柄に基づく値を加算する(ステップA603)。そして、設定した値に基づく賞球数情報コマンドを準備し(ステップA604)、コマンド設定処理(ステップA605)を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、賞球を発生させない図柄である場合(ステップA602;No)は、確変突入であるかを判定する(ステップA618)。そして、確変突入でない場合(ステップA618;No)は、特図表示中処理を終了する。また、確変突入である場合(ステップA618;Yes)、すなわち15R確変Bの図柄が導出された場合は、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA619)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA620)。次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA621)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブして(ステップA622)、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA623)。
その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA624)、高確率&時短なしに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA625)、コマンド設定処理(ステップA626)を行い、特図表示中処理を終了する。これにより、15R確変Bの図柄の導出に伴い高確率状態となり、この処理が特定結果に対応する第2特別結果の導出に基づき高確率状態を設定する第2制御をなす。なお、15R確変A又はCであった場合は、特図ゲーム処理における大当り終了処理において高確率状態が設定され、この処理が特定結果に対応しない第1特別結果の導出に基づき高確率状態を設定する第1制御をなす。
以上のことから、特別結果の導出に基づき特別結果が導出される確率の状態を通常確率状態よりも高めた高確率状態に設定可能な確率設定手段(遊技制御装置100)を備え、確率設定手段は、第1特別結果の導出に基づき高確率状態を設定する第1制御と、第2特別結果の導出に基づき高確率状態を設定する第2制御と、を実行可能とし、演出制御手段は、確率設定手段によって第2制御が実行されたことを示唆する高確率示唆演出を実行可能であることとなる。
なお、本実施形態及び本実施形態の変形例の構成は、他の実施形態やその変形例と組み合わせて適用可能である。特に、変形例の構成である特別変動入賞装置38を動作せずに高確率状態を設定する構成を、第4実施形態における特別遊技状態の終了後に予め定められた実行回数の特図変動表示ゲームに亘り高確率状態を設定し、特別結果の種類により高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数が異なる遊技機に適用すれば効果的である。
すなわち、特別変動入賞装置38を動作せずに高確率状態を設定する第2特別結果を複数種類設け、各第2特別結果により設定される高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数(ST回数)を異ならせるようにする。このようにすることで、遊技者が認識しづらい状態で高確率状態が発生する上に、その終了の回数が異なるため、遊技性を高めることができ、遊技を続行する意欲を高めることができる。
以上のことから、第2特別結果には複数種類の特別結果が含まれ、確率設定手段(遊技制御装置100)は、高確率状態を設定した後に実行された変動表示ゲームの回数が所定回数となった場合に、高確率状態を終了させて通常確率状態を設定する通常確率設定手段(遊技制御装置100)を有し、通常確率設定手段は、第2特別結果の導出に基づいて高確率状態が発生した場合に、当該高確率状態発生の契機となった第2特別結果の種類に応じて、所定回数を決定するようにしたこととなる。
〔第7実施形態〕
次に、第7実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、遊技者が感じる印象が異なる複数の表示モードを備えている。
図87(a)に示すように、本実施形態の遊技機は、特別結果の種類として、15R確変A、15R確変B、15R通常の3種類が設定されている。15R確変Aは、特別遊技状態で獲得可能な出玉数が約1000個であり、特別遊技状態の終了後に次回の大当りまで高確率状態となるとともに時短状態となる。15R確変Bは、特別遊技状態で獲得可能な出玉数が約2000個であり、特別遊技状態の終了後に次回の大当りまで高確率状態となるとともに時短状態となる。15R通常は、特別遊技状態で獲得可能な出玉数が約1000個であり、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となるとともに100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。
すなわち、15R確変A又は15R通常であった場合は第1遊技価値(約1000個の出玉)が付与され、15R確変Bであった場合は第2遊技価値(約2000個の出玉)が付与される。よって、15R確変Aが第1遊技価値を付与するとともに高確率状態を発生させる第1特別結果をなし、15R確変Bが第2遊技価値を付与するとともに高確率状態を発生させる第2特別結果をなし、15R通常が第1遊技価値を付与するとともに通常確率状態を発生させる第3特別結果をなす。そして、第1特別結果を選択する割合(ここでは50%)を、第2特別結果(ここでは20%)又は第3特別結果(ここでは30%)を選択する割合よりも高く設定している。
図87(b)、(c)に示すように、遊技を演出する表示モードのグループである表示モード系統には、確変報知系統、出玉&継続率報知系統、通常系統があり、遊技者はこの表示モード系統を選択可能となっている。確変報知系統及び出玉&継続率報知系統には複数の表示モードが含まれており、遊技の状態によって表示モードが切り替えられるようになっている。
出玉&継続率報知系統は、表示モードにより大当りとなる際の出玉が多いこと又は高確率状態の継続の可能性が高いことを表示モードにより示唆、報知することができる表示モード系統である。この出玉&継続率報知系統には表示モードとして、一発逆転モード、地道モードの2種類が含まれている。一発逆転モードは、当該モード中の大当りが15R確変B又は15R通常となることを報知する表示モードである。地道モードは、当該モード中の大当りが15R確変A又は15R通常となることを報知する表示モードである。これにより、地道モードは、15R確変Aが15R通常よりも選択されやすいことに基づいて、付与可能な遊技価値は低いが高確率状態が発生しやすいモードとなり、一発逆転モードは、15R確変Bと15R通常の導出に対応することに基づいて、付与可能な遊技価値は高いが、高確率状態が発生しやすいとは限らないモードとなる。
これらの表示モードの移行は、モード移行抽選に当選することのほか、15R確変Aとなる始動記憶の発生や当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始により地道モードへ移行するように制御され、15R確変Bとなる始動記憶の発生や当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始により地道モードへ移行するように制御される。すなわち、地道モードが第1特別結果(15R確変A)又は第3特別結果(15R通常)を導出可能な第1演出モードをなし、一発逆転モードが第2特別結果(15R確変B)又は第3特別結果(15R通常)を導出可能な第2演出モードをなし、出玉&継続率報知系統が第1演出モード及び第2演出モードを含む第1演出モードグループをなす。
確変報知系統は、表示モードにより高確率状態となる確変大当りが発生するかを表示モードにより示唆、報知することができる表示モード系統である。この確変報知系統には表示モードとして、地獄モード、地上モード、天国モードの3種類が含まれている。地獄モードは当該モード中の大当りが通常大当りとなることを報知する表示モードであり、天国モードは当該モード中の大当りが確変大当りとなることを報知する表示モードである。地上モードは当該モード中の大当りが通常大当り又は確変大当りとなることを報知する表示モードである。これにより、地獄モードは高確率状態が発生しないモードとなり、天国モードは高確率状態が発生するモードとなる。
これらの表示モードの移行は、モード移行抽選に当選することのほか、確変大当りとなる始動記憶の発生や当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始により地上モード又は天国モードへ移行するように制御され、通常大当りとなる始動記憶の発生や当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始により地獄モード又は地上モードへ移行するように制御される。すなわち、天国モードが第1特別結果(15R確変A)又は第2特別結果(15R確変B)を導出可能な第3演出モードをなし、地獄モードが第3特別結果(15R通常)を導出可能な第4演出モードをなし、確変報知系統が第3演出モード及び第4演出モードを含む第2演出モードグループをなす。
通常系統は、表示モードとして通常モードのみが設定可能であり、この通常モードでは何れの大当りとも発生可能である。すなわち、通常モードが、第1特別結果(15R確変A)、第2特別結果(15R確変B)又は第3特別結果(15R通常)を導出可能な通常演出モードをなし、通常系統が通常演出モードを含む通常演出モードグループをなす。
このように、単に演出が切り替わるだけではなく、各表示モード系統で表示モードにより示唆、報知される大当りの種類が異なることで、表示モード系統により遊技者が感じる印象が異なるようになり、遊技機の性能自体が変化したような印象を与えることができ、表示モードの変化に対する興味を持たせ、遊技の興趣を向上することができる。さらに、表示モードの変化が遊技の結果に関係するため、遊技者が遊技の結果に興味を持つようにすることができる。また、複数の表示系統を設定することでモードが多様化され遊技性が高まる。
〔客待ち処理〕
このような制御を行うため、図24に示す1stシーン制御処理における客待ち処理において図88に示す処理を行う。この客待ち処理では、まず、受信したコマンドを確認し(ステップB231)、受信したコマンドが特図変動表示ゲームの開始時に送信される変動開始コマンドであるかを判定する(ステップB232)。そして、変動開始コマンドである場合(ステップB232;Yes)は、変動中処理移行設定処理を行い(ステップB236)、客待ち処理を終了する。また、変動開始コマンドでない場合(ステップB232;No)は、演出ボタンの操作があるかを判定する(ステップB233)。演出ボタンの操作がない場合(ステップB233;No)は、客待ち画面の設定を行い(ステップB237)、客待ち処理を終了する。また、演出ボタンの操作がある場合(ステップB233;Yes)は、表示モード系統決定操作があるかを判定する(ステップB234)。
表示モード系統決定操作とは遊技者が演出ボタン25を操作することにより、所望の表示モード系統を選択する操作であり、この表示モード系統決定操作がない場合(ステップB234;No)は、客待ち処理を終了する。この場合はデフォルトの表示モード系統として通常系統が設定される。これにより、遊技者の好みが分からない場合は、偏った演出モード制御を行わないようになり、どの遊技者も楽しむことができるようになる。また、表示モード系統決定操作がある場合(ステップB234;Yes)は、対応する表示モード系統を設定し(ステップB235)、客待ち処理を終了する。なお、表示モード系統の選択は客待ち状態中だけでなく遊技中にも選択可能としても良い。
〔変動中処理〕
また、図25に示した変動中処理に替えて図89に示した変動中処理を行う。この変動中処理では、演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)に、表示モード設定処理を行い(ステップB241)、変動パターン設定パラメータとして表示モード情報を設定する(ステップB242)。
〔表示モード設定処理〕
図90には、上述の変動中処理における表示モード設定処理を示した。この表示モード設定処理では、設定中の表示モード系統を確認し(ステップB251)、通常系統であるかを判定する(ステップB252)。そして、通常系統である場合(ステップB252;Yes)は、表示モード設定処理を終了する。また、通常系統でない場合(ステップB252;No)は、確変報知系統であるかを判定する(ステップB253)。
確変報知系統である場合(ステップB253;Yes)は、表示中のモード種類を確認し(ステップB254)、開始する変動の結果を確認して(ステップB255)、滞在条件を満たさない大当りが発生するかを判定する(ステップB256)。滞在条件を満たさない大当りが発生する場合とは、地獄モードである場合に15R確変A又はBが発生する場合や、天国モードである場合に15R通常が発生する場合である。
この滞在条件を満たさない大当りが発生する場合(ステップB256;Yes)は、対応する表示モードを確認し(ステップB266)、対応する表示モードを設定して(ステップB267)、表示モード設定処理を終了する。これにより、発生する大当りの種類に応じた表示モードに移行するようになり、遊技の結果に対応する表示モードで変動表示ゲームを実行できる。
また、滞在条件を満たさない大当りが発生しない場合(ステップB256;No)は、滞在条件を満たす大当りが発生するかを判定する(ステップB257)。滞在条件を満たす大当りが発生する場合とは、天国モードである場合に15R確変A又はBが発生する場合や、地獄モードである場合に15R通常が発生する場合、地上モードで大当りが発生する場合である。
この滞在条件を満たす大当りが発生する場合(ステップB257;Yes)は、表示モード設定処理を終了する。これにより、現在の表示モードで大当りが発生することとなる。また、滞在条件を満たす大当りが発生しない場合(ステップB257;No)、すなわち、結果がはずれである場合は、表示モード移行抽選テーブル1に基づき表示モード移行抽選を実行する(ステップB258)。
そして、抽選の結果、表示モードの変更が選択されなかった場合(ステップB259;No)は、表示モード設定処理を終了する。また、表示モードの変更が選択された場合(ステップB259;Yes)は、対応する表示モードを確認し(ステップB266)、対応する表示モードを設定して(ステップB267)、表示モード設定処理を終了する。これにより抽選により選択された表示モードが設定されることとなる。
一方、確変報知系統でない場合(ステップB253;No)、すなわち、出玉&継続率報知系統である場合は、表示中のモード種類を確認し(ステップB260)、開始する変動の結果を確認して(ステップB261)、滞在条件を満たさない大当りが発生するかを判定する(ステップB262)。滞在条件を満たさない大当りが発生する場合とは、地道モードである場合に15R確変Bが発生する場合や、一発逆転モードである場合に15R確変Aが発生する場合である。
この滞在条件を満たさない大当りが発生する場合(ステップB262;Yes)は、対応する表示モードを確認し(ステップB266)、対応する表示モードを設定して(ステップB267)、表示モード設定処理を終了する。これにより、発生する大当りの種類に応じた表示モードに移行するようになり、遊技の結果に対応する表示モードで変動表示ゲームを実行できる。
また、滞在条件を満たさない大当りが発生しない場合(ステップB262;No)は、滞在条件を満たす大当りが発生するかを判定する(ステップB263)。滞在条件を満たす大当りが発生する場合とは、地道モードである場合に15R確変A又は15R通常が発生する場合や、一発逆転モードである場合に15R確変B又は15R通常が発生する場合である。
この滞在条件を満たす大当りが発生する場合(ステップB263;Yes)は、表示モード設定処理を終了する。これにより、現在の表示モードで大当りが発生することとなる。また、滞在条件を満たす大当りが発生しない場合(ステップB263;No)、すなわち、結果がはずれである場合は、表示モード移行抽選テーブル2に基づき表示モード移行抽選を実行する(ステップB264)。
そして、抽選の結果、表示モードの変更が選択されなかった場合(ステップB265;No)は、表示モード設定処理を終了する。また、表示モードの変更が選択された場合(ステップB265;Yes)は、対応する表示モードを確認し(ステップB266)、対応する表示モードを設定して(ステップB267)、表示モード設定処理を終了する。これにより抽選により選択された表示モードが設定されることとなる。
図91には、抽選により表示モードを選択する場合に参照する表示モード抽選テーブルを示した。この表示モード抽選テーブルには、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始前に判定した先読み結果と、現在の表示モードと、に基づき移行可能な表示モードと選択確率が設定されている。
図91(a)には、確変報知系統である場合に参照する表示モード抽選テーブル1を示した。先読み結果に大当りとなる特定保留がない場合は、地上モードからは各モードへ、地獄モードからは地上モード又は地獄モード、天国モードからは地上モード又は天国モードへの移行が選択可能となっている。先読み結果に15R確変A又はBとなる始動記憶がある場合、滞在条件を満たさないこととなる地獄モードへの移行や滞在が規制される。また、先読み結果に15R通常となる始動記憶がある場合、滞在条件を満たさないこととなる天国モードへの移行や滞在が規制される。
図91(b)には、出玉&継続率報知系統である場合に参照する表示モード抽選テーブル2を示した。先読み結果に大当りとなる特定保留がない場合や15R通常となる始動記憶がある場合は、地道モードと一発逆転モードの何れへの移行とも選択可能となっている。先読み結果に15R確変Aとなる始動記憶がある場合、滞在条件を満たさないこととなる一発逆転モードへの移行や滞在が規制される。先読み結果に15R確変Bとなる始動記憶がある場合、滞在条件を満たさないこととなる地道モードへの移行や滞在が規制される。
このように先読み結果に応じて移行や滞在を規制することで、各特別結果が導出される変動表示ゲームが、対応しない表示モードで実行されることがないので、遊技者に誤解を与えることがなく、モードの変化を遊技の結果に関係させることができる。また、事前に表示モードが切り替るので遊技者がどのような特別結果が導出されるか期待して遊技を進めることができる。また、表示モードの移行は遊技者が選択した表示モード系統の範囲内で行われるので、遊技者の好みに対応するモード制御を行うことができる。
すなわち、演出制御装置300が、演出の実行態様が異なる複数の演出モードから何れかの演出モードを選択して設定する演出モード制御手段をなす。また、演出制御装置300が、第1演出モード(地道モード)及び第2演出モード(一発逆転モード)を第1演出モードグループ(出玉&継続率報知系統)とし、第3演出モード(天国モード)及び第4演出モード(地獄モード)を第2演出モードグループ(確変報知系統)として設定する演出モードグループ設定手段(演出制御装置300)をなす。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器、特図2表示器、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果として特別結果が導出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる遊技機において、特別結果として、複数種類の特別結果から一の特別結果を選択する特別結果選択手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態が発生するときに導出された特別結果の種類に応じて、当該特別遊技状態において遊技者に付与可能な遊技価値を決定する遊技価値決定手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態が発生するときに導出された特別結果の種類に応じて、当該特別遊技状態の実行後に特別結果が導出される確率が通常確率状態よりも高く設定された高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの進行に関連する演出を制御可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技価値決定手段が決定する遊技価値には、第1遊技価値と該第1遊技価値よりも価値の高い第2遊技価値とが含まれ、特別結果選択手段は、第1遊技価値を付与するとともに高確率状態を発生させる第1特別結果(15R確変A)と、第2遊技価値を付与するとともに高確率状態を発生させる第2特別結果(15R確変B)と、第1遊技価値を付与するとともに通常確率状態を発生させる第3特別結果(15R通常)と、を選択可能であるとともに、第1特別結果を選択する割合を、第2特別結果又は第3特別結果を選択する割合よりも高く設定し、演出制御手段は、演出の実行態様が異なる複数の演出モードから何れかの演出モードを選択して設定する演出モード制御手段(演出制御装置300)を備え、演出モード制御手段は、第1演出モード(地道モード)では第1特別結果又は第3特別結果を導出可能とし、第2演出モード(一発逆転モード)では第2特別結果又は第3特別結果を導出可能とするように演出モードを選択するようにしたこととなる。
また、演出モード制御手段(演出制御装置300)は、第1特別結果が導出されることとなる変動表示ゲームを実行する際の演出モードが第2演出モードとなることを禁止するとともに、第2特別結果が導出されることとなる変動表示ゲームを実行する際の演出モードが第1演出モードとなることを禁止するようにしたこととなる。
また、演出モード制御手段(演出制御装置300)は、第2演出モードが設定されている状態で、第1特別結果が導出されることとなる変動表示ゲームが開始される場合には、当該変動表示ゲームが開始するときに第1演出モードを設定し、第1演出モードが設定されている状態で、第2特別結果が導出されることとなる変動表示ゲームが開始される場合には、当該変動表示ゲームが開始するときに第2演出モードを設定するようにしたこととなる。
また、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出モード制御手段(演出制御装置300)は、事前判定手段によって第1特別結果の導出に対応する始動記憶が始動入賞記憶手段に記憶されていると判定された場合に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に第1演出モードを設定し、事前判定手段によって第2特別結果の導出に対応する始動記憶が始動入賞記憶手段に記憶されていると判定された場合に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に第2演出モードを設定するようにしたこととなる。
また、演出モード制御手段(演出制御装置300)は、第3演出モード(天国モード)では第1特別結果(15R確変A)又は第2特別結果(15R確変B)を導出可能とし、第4演出モード(地獄モード)では第3特別結果(15R通常)を導出可能とするように演出モードを選択するようにしたこととなる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1演出モード(地道モード)及び第2演出モード(一発逆転モード)を第1演出モードグループ(出玉&継続率報知系統)とし、第3演出モード(天国モード)及び第4演出モード(地獄モード)を第2演出モードグループ(確変報知系統)として設定する演出モードグループ設定手段(演出制御装置300)を備え、演出モードグループ設定手段は、操作手段の操作に基づいて、第1演出モードグループ又は第2演出モードグループを設定し、演出モード制御手段(演出制御装置300)は、演出モードグループ設定手段によって設定された演出モードグループに対応して、第1演出モード及び第2演出モード間の移行制御及び第3演出モード及び第4演出モード間の移行制御を実行するようにしたこととなる。
また、演出モード制御手段(演出制御装置300)は、第1特別結果、第2特別結果又は第3特別結果を導出可能な通常演出モード(通常モード)を設定可能であり、演出モードグループ設定手段(演出制御装置300)は、通常演出モードを通常演出モードグループ(通常系統)として設定するとともに、操作手段(演出ボタン25)の操作が行われるまでは、当該通常演出モードグループを設定するようにしたこととなる。
〔第7実施形態の第1変形例〕
次に、第7実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第7実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技機の性能自体を変更可能となっている。
本変形例の遊技機には、図92(a)に示すように各特別結果の選択確率と出玉が異なる性能モードA,B,Cの3種類が設定されている。そして、図92(b)に示すように、遊技者の選択により性能モードAに固定される通常系統と、性能モードBとCを移行可能な性能モード移行系統の何れかの性能系統を選択可能となっている。性能モード移行系統においては、所定の移行条件が成立することで、図92(c)に示すような割合で移行先の抽選が行われるようになっている。
このような制御を行うため、遊技機には遊技者が性能系統の選択を行うための性能選択ボタンが設けられる。この性能選択ボタンの操作による入力は遊技制御装置100に入力されるようになっており、この入力に基づき性能系統を切り替えるように制御する。また、遊技制御装置100では、性能モード移行系統である場合に、例えば所定回数の特図変動表示ゲームの実行や、特定の結果態様が導出された場合などの所定条件が成立したことに基づき、図92(c)に示すような割合で移行先の抽選を行い、抽選により決定された性能モードを設定するようにする。すなわち、遊技制御装置100が、複数種類の特別結果の各々に対応付けられた付与可能な遊技価値を変更可能な遊技価値変更手段をなす。また、遊技制御装置100が、複数種類の特別結果の各々について付与可能な遊技価値を対応付けた複数の性能モードから一の性能モードを設定する性能モード設定手段をなす。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器、特図2表示器、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果として特別結果が導出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる遊技機において、特別結果として、複数種類の特別結果から一の特別結果を選択する特別結果選択手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態が発生するときに導出された特別結果の種類に基づいて、当該特別遊技状態において遊技者に付与可能な遊技価値を決定する遊技価値決定手段(遊技制御装置100)と、を備え、遊技価値決定手段は、複数種類の特別結果の各々に対応付けられた付与可能な遊技価値を変更可能な遊技価値変更手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。
また、遊技価値変更手段は、複数種類の特別結果の各々について付与可能な遊技価値を対応付けた性能モードを複数備え、複数の性能モードから一の性能モードを設定する性能モード設定手段(遊技制御装置100)を備えることとなる。また、遊技者が操作可能な操作手段(性能選択ボタン)を備え、性能モード設定手段は操作手段の操作に基づき性能モードを変更するようにしたこととなる。
なお、性能モードA,B,Cから遊技者が任意の性能モードを選択し、選択した性能モードで遊技を行うことができるようにしても良い。また、遊技店の店員のみが任意の性能モードを選択できるようにしても良い。また、本実施形態及び本実施形態の変形例の構成は、他の実施形態やその変形例と組み合わせて適用可能である。
以上のような遊技機10は、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器、特図2表示器、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果に関連して、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、識別図柄の変動態様として、第1変動態様と、該第1変動態様とは異なる第2変動態様を含む複数の変動態様から一の変動態様を選択する変動態様選択手段(遊技制御装置100)と、変動態様選択手段によって第2変動態様が選択されたことを判定し、当該判定回数を計数する第2変動態様判定手段(遊技制御装置100)と、第2変動態様判定手段による計数結果が所定回数となった場合に、特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段(遊技制御装置100)と、を備えている。
ここで、第1変動態様と第2変動態様は、内部的にのみ異なり遊技者が何れかを判別困難な変動態様であっても良いし、遊技者が互いを判別可能な変動態様であっても良い。
したがって、第2変動態様が所定回数出現することで大当りとなるので、変動表示ゲームの実行毎にどのような変動態様となるかに注目し、大当り発生までの過程を楽しむことができ、大当りとなる過程が単調となることを防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、第1変動態様又は第2変動態様に制御される変動表示ゲームに関連する演出及び第2変動態様判定手段(遊技制御装置100)による計数結果に関連する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備えている。
ここで、演出は、変動態様が何れの変動態様であるかや計数結果を示唆又は報知するものである。
したがって、第2変動態様であるかや第2変動態様の出現回数を遊技者に示唆又は報知できるので、大当り発生までの過程を楽しませることができ、大当りとなる過程が単調となることを防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、第1変動態様及び第2変動態様は、いずれの変動態様であるかを遊技者が認識困難な変動態様とし、特別遊技状態制御手段(遊技制御装置100)は、第2変動態様判定手段による計数結果が所定複数回数となった場合に、特別遊技状態を発生可能とし、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1変動態様に制御される変動表示ゲームの実行中に第1演出を実行する第1演出実行手段(演出制御装置300)と、第1変動態様又は第2変動態様に制御される変動表示ゲームの実行中に第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、第2演出の実行により、第2変動態様であることに対する期待感を持たせることができる。また、第2演出が実行された場合であっても、第2変動態様であったとは限らないため、大当り発生へ向けて第2変動態様が発生したのか否か把握しづらく、第2変動態様が発生したことを期待して楽しみながら遊技を続行することができる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2変動態様に制御される変動表示ゲームにおいて第2演出を実行しているときに操作手段に対する操作があった場合に、当該変動表示ゲームが第2変動態様であることを報知するようにしている。
したがって、遊技者が操作手段を操作して遊技に積極的に参加することで、第2変動態様が発生したのか否か把握しやすくするので、遊技者の好みや趣向に応じた遊技となる。
また、第1変動態様は、識別図柄を変動表示させる変動表示時間が異なる複数の変動態様を含み、第2変動態様は、変動表示時間が異なる複数の第1変動態様と変動表示時間が同一の複数の変動態様を含み、第2演出実行手段(演出制御装置300)は、少なくとも変動表示時間が互いに同一の変動態様に対応する第2演出を実行可能である。
したがって、変動表示時間が短い演出が実行される場合、変動表示時間が長い演出が実行される場合のいずれにおいても、第2変動態様である可能性があるため、どのような変動であっても大当りへの期待を持つことができる。
また、変動態様選択手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの実行回数が所定実行回数となった場合に、変動表示ゲームの変動態様として第2変動態様を選択するようにしている。
したがって、所定ゲーム数で第2変動態様が選択されるので、遊技を継続することで大当りの発生に近づくこととなり、遊技を続行する意欲を湧かせることができる。
また、特別遊技状態制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合にも特別遊技状態を発生可能とし、特別結果には複数種類の特別結果が含まれ、第2変動態様判定手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの結果が複数種類の特別結果のうち、いずれかの特別結果となった後に計数を開始し、特別遊技状態制御手段は、当該特別結果の種類に基づいて所定複数回数を決定するようにしている。
したがって、大当りの種類によって次回大当りとなる際に必要な第2変動態様の実行回数が決まるので、遊技が単調とならず、また、必要な回数が把握されにくく、興趣が高まる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2変動態様判定手段(遊技制御装置100)による計数結果を報知可能である。
したがって、現在の第2変動態様の実行回数を参照することができ、遊技を続行する意欲を湧かせることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、上述の各実施形態及び各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。