〔第1実施形態〕
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。そして、センターケース40の下部には棚状をなし遊技球が左右に転動可能なステージ40bが設けられ、該ステージ40bの中央部には遊技球を流下させる流下口40cが設けられている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。一般入賞口35、…には、入賞した遊技球を検出するための球検出センサ611(図9参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図16参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図16参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図16参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤30の右下隅には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図16参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図16参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図16参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、一般入賞口35の球検出センサ611には、発光素子と受光素子とを有するフォトインタラプタが使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、上記のような構成を有する遊技盤30のより詳細な構造について、図3の分解斜視図を用いて説明する。
図3に示すように、遊技盤30にはセンターケース40の開口部40aに対応した開口部30aが形成され、該開口部30aに遊技盤の前面側からセンターケース40が装着されるように構成されている。また、センターケース40の下方に配置される始動入賞口36および普通変動入賞装置37は始動口ユニット600として一体に構成されている。また、三つの一般入賞口35が下部の装飾プレートと共に左入賞ユニット610として一体に構成され、一つの一般入賞口35が下部の装飾プレートと共に右入賞ユニット640として一体に構成されている。
また、遊技盤30の裏面側には、表示装置41および遊技制御装置100を取り付けるための制御ベースユニット650が装着され、遊技盤30の裏面、制御ベースユニット650の下方には、上記一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38に入賞した遊技球を誘導し、検出するため裏面下部構成ユニット660が装着されるように構成されている。
図4には、上記左入賞ユニット610の詳細な構造が示されている。なお、図4は、左入賞ユニット610を背部斜め上方から見た斜視図である。図4に示すように、左入賞ユニット610は、遊技盤30の前面に接合され該ユニット610を遊技盤に固定するための取付ベース621と、該取付ベース621の前面上部に形成され遊技領域を流下して来る遊技球を受け止める一般入賞口35を形成する入賞口形成部材623,624,625と、取付ベース621の裏面上部に形成され上記入賞口形成部材623,624,625で受け止められた遊技球を裏面側へ誘導する樋状の後方誘導部627,628,629と、取付ベース621の裏面に形成された収納枠631およびその開口部を覆うカバー部材632からなるLED基板収納部630とを備える。取付ベース621の中央部には半透明な装飾プレート622(図7参照)が設けられ、LED基板収納部630内には装飾プレートを発光させるための装飾用のLEDランプを実装した基板が収納されている。
図5には、遊技盤30の裏面下部に設けられる前記裏面下部構成ユニット660の詳細な構造が示されている。なお、図5は、裏面下部構成ユニット660を前面側斜め上方から見た斜視図である。
図5に示すように、裏面下部構成ユニット660は、その下端部に設けられた取付ベース部材701と、前記左入賞ユニット610および右入賞ユニット640に対応して取付ベース部材701の左右両側の収納部に下側から保持されるように配置された左側集合流路部材702および右側集合流路部材703と、前記左入賞ユニット610と右入賞ユニット640の後方にそれぞれ配置され取付ベース部材701の裏面に装着される左側中継基板ホルダー704および右側中継基板ホルダー705と、左右の中継基板ホルダー704および705の裏面側に装着される遊技制御装置ホルダー706と、を備えている。
上記取付ベース部材701の左端および右端にはそれぞれ遊技盤30の裏面に接合される取り付け部711および712が、上端部中央には前記始動入賞口36および普通変動入賞装置37に入賞した遊技球を後方へ誘導するU字状の誘導樋713が、またその下方、取付ベース部材701の下端部中央には特別変動入賞装置38の後部を収納する収納部714と、特別変動入賞装置38に入賞した遊技球を後方へ排出するための排出口715および716が設けられている。また、遊技制御装置ホルダー706の裏面には遊技制御装置100が装着されており、遊技制御装置ホルダー706を介して裏面下部構成ユニット660と一体にされるようになっている。
上記左側集合流路部材702は、前記左入賞ユニット610の入賞口形成部材623,624,625で受け止められ後方誘導部627,628,629によって裏面側へ誘導された遊技球を集合して下方、遊技盤中央側へ誘導するように右下がりに傾斜した集合樋724を有する。また、上記右側集合流路部材703は、前記右入賞ユニット640の入賞口へ入賞した遊技球を途中で検出しつつ下方へ流下させる流下路731を有する。
図6には、前記取付ベース部材701の左側の収納部に装着される左側集合流路部材702の詳細な構造が示されている。左側集合流路部材702には、前記左入賞ユニット610の後方誘導部627,628,629の後端が臨む位置から集合樋724へ向かって球流下路721,722,723が設けられている。さらに、集合樋724の流下端部には、垂直方向の球合流流下路725が設けられ、該球合流流下路725の途中に後述の入賞球検出センサを保持するセンサ取付部726が設けられている。
上記取付ベース部材701には、左側集合流路部材702を収納する収納空間が設けられ、該収納空間の淵に当たる部分には左側集合流路部材702を取付ベース部材701に結合するビスの先端が螺合するためのボス部717a,717bが設けられている。
図7には、前記左入賞ユニット610の詳細な構造と左側集合流路部材702との関係が示されている。なお、この図は仮想的な状態を表すもので、実際には、左入賞ユニット610と左側集合流路部材702との間に遊技盤が介在し、左入賞ユニット610は遊技盤の前面に装着され、左側集合流路部材702は遊技盤の裏面に装着されることとなる。そして、左入賞ユニット610と左側集合流路部材702が遊技盤に装着されると、後方誘導部627,628,629の後端が球流下路721,722,723の上部に対向するようになる。また、入賞口形成部材623,624,625の下方の取付ベース621の中央部には、半透明な装飾プレート622が設けられ、内部にLED基板が収納されている。
図8には、左入賞ユニット610を遊技盤30の前面に、また左側集合流路部材702を遊技盤30の裏面に装着した状態の断面側面図が示されている。遊技盤30には、左入賞ユニット610裏面の後方誘導部627,628,629が前後に貫通する球通過開口部30Aが形成されており、入賞口形成部材624に形成される中央の入賞口35へ流入した遊技球は、後方誘導部628上を転動して球通過開口部30A内を通過して遊技盤30の裏面側の球流下路722内に流入し、下方へ流下し集合樋724を経て球合流流下路725より排出されるようになっている。そして、この球合流流下路725の途中に配設された球検出センサ611により入賞球が検出されるように構成されている。
図9には、球合流流下路725の途中に設けられる球検出部および不正防止機構の詳しい実施例が示されている。この実施例では、球検出センサ611として発光素子と受光素子とを有するコの字型のフォトインタラプタが用いられ、センサ取付部726は球検出センサ611を収納可能な収納部として構成されている。球検出センサ611には、発光素子が埋め込まれた発光腕部611aと、受光素子が埋め込まれ前記発光腕部611aと平行に延びる受光腕部611bと、コネクタ部611cとが設けられており、発光腕部611aと受光腕部611bとが球合流流下路725を挟む状態でセンサ取付部726に取り付けられる。球合流流下路725を流下する遊技球は、球検出センサ611の発光腕部611aと受光腕部611bの間を通過することにより検出されるようになっている。すなわち、球検出センサ611の発光腕部611aと受光腕部611bの間が、通過した遊技球を検出する球検出通過部740をなし、球検出通過部740の内側に球検出領域DAが設定されている。
また、球合流流下路725のセンサ取付部726よりも上方には、第1規制部材取付部727Aと第2規制部材取付部727Bとが設けられ、第1規制部材取付部727Aと第2規制部材取付部727Bには、図9(B)に示すように、第1回動軸728aと第2回動軸728bが設けられている。そして、この第1回動軸728aと第2回動軸728bに、「ヘ」の字状の第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bがそれぞれ回動自在に装着される。
第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bは、中央に回動軸728a,728bが挿通される軸受け部615a,615bが形成され、先端側(図では左側)が球合流流下路725内に突出するように取り付けられるとともに、後端側(図では右側)には錘となる金属ピン614A,614Bが埋設されており、その重量で第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bにそれぞれ時計回り方向の力を与えるように構成されている。さらに、球合流流下路725のセンサ取付部726近傍には、L字状のカバー部材616が前方から装着され、球検出センサ611と第1球戻り規制部材613Aおよび第2球戻り規制部材613Bが抜け落ちるのを防止するように構成されている。
図10には、球合流流下路725が設けられた部分の右方から見た拡大断面図を示し、図11には、球合流流下路725が設けられた部分の前方から見た拡大断面図を示した。図10に示すように、センサ取付部726の上流側に隣接する部分である直上流部における流路の前後幅(L1)は、少なくとも遊技球が通過可能な幅であり、かつ、球検出通過部740である球検出センサ611の発光腕部611aと受光腕部611bとの間の幅(L2)よりも狭い幅とされた小幅領域741となっている。また、センサ取付部726の下流側に隣接する部分である直下流部における流路の前後幅(L3)は、球検出通過部740である球検出センサ611の発光腕部611aと受光腕部611bとの間の幅(L2)と同じ幅となっている。さらに、この直下流部よりも下流側にいくにつれて徐々に流路の前後幅が狭くなり、最終的な流路の前後幅(L4)は、直上流部に設けられた小幅領域741における流路の前後幅(L1)と同じ幅となるようにされている。
また、図11に示すように、センサ取付部726の上流側に隣接する部分である直上流部における流路の左右幅(L5)は、少なくとも遊技球が通過可能な幅であり、かつ、球検出センサ611の球検出通過部740が配された部分の流路の左右幅(L6)よりも狭い幅とされた小幅領域741となっている。なお、球検出センサ611の球検出通過部740が配された部分の流路の左右幅(L6)は、球検出センサ611の発光腕部611aと受光腕部611bとの間の幅(L2)と等しい幅となっている。また、センサ取付部726の下流側に隣接する部分である直下流部における流路の左右幅(L7)は、球検出センサ611の球検出通過部740が配された部分の流路の左右幅(L6)と同じ幅となっている。さらに、この直下流部よりも下流側にいくにつれて徐々に流路の左右幅が狭くなり、最終的な流路の左右幅(L8)は、直上流部に設けられた小幅領域741における流路の左右幅(L5)と同じ幅となるようにされている。
すなわち、センサ取付部726の上流側に隣接する部分である直上流部の小幅領域741は、流路の幅が少なくとも遊技球が通過可能であり、かつ、球検出通過部740の幅よりも小さい幅に設定されている。このような小幅領域741を備えることで、この小幅領域741を通過できるような不正球では球検出センサ611の球検出通過部740に引っ掛かることがなくなる。これにより、球検出センサ611の球検出通過部740に遊技球を引っ掛けて電磁波を照射することで複数の遊技球が通過したかのように誤検出させる不正行為を効率的に防止することが可能となる。また、小幅領域741の遊技球の流下方向への長さは、遊技球の半径よりも大きく設定されており、小幅領域741に不正球が引っ掛かったとしても球検出通過部740まで遊技球が到達しないことから球検出センサ611で不正球を検出してしまうということがなくなる。
また、センサ取付部726の下流側に隣接する部分である直下流部は、流路の幅が球検出通過部740と略同一であり、該直下流部よりも下流側の幅が直上流部の小幅領域741と略同一となるように徐々に狭まるよう構成されている。これにより、球検出通過部740の下流部に不正球を留まらせて電磁波を照射することで複数の遊技球が通過したかのように誤検出させる不正行為も効率的に防止することが可能となる。また、球検出通過部740を通過した遊技球が衝突することによって球流下路が削れるといったことを極力軽減することができる。なお、直下流部の流路の幅を球検出通過部740よりも広くしても良い。
以上のことから、遊技盤30の表面に区画形成された遊技領域32を流下する遊技球が入賞可能な入賞口(一般入賞口35)と、該入賞口に入賞した遊技球を流下させる球流下路(球合流流下路725)と、該球流下路を流下する遊技球を検出可能な球検出センサ611と、を備えた遊技機において、球検出センサ611は、遊技球が通過可能な幅を有する球検出通過部740を通過した遊技球を検出するとともに、該球検出通過部740が球流下路に臨むように配設されてなり、球流下路は、球検出通過部740よりも上流側に、流路の幅が少なくとも遊技球を通過可能であり、かつ、球検出通過部740の幅よりも小さい幅に設定された小幅領域741を備えていることとなる。
また、小幅領域741は、球検出通過部740の直上流部に形成されてなり、遊技球の流下方向への長さが遊技球の半径よりも大きく設定されていることとなる。
また、球流下路(球合流流下路725)は、球検出センサ611の直下流部の幅が球検出通過部740と略同一又は該球検出通過部740よりも大きく設定されているとともに、該直下流部よりも下流側の幅が直上流部と略同一となるように徐々に狭まるよう構成されていることとなる。
次に、球戻り規制部材613A,613Bの作用について、図11〜図13を用いて説明する。図11〜図13は左側集合流路部材702の球合流流下路725を拡大して示す断面図であり、図11は球合流流下路725に遊技球が流入する前の状態を、図12は球合流流下路725に遊技球が流入し球検出センサ611の球検出通過部740に侵入し始める状態を、図13は遊技球が球検出センサ611の球検出通過部740から流出する状態をそれぞれ示している。
図11に示すように、球合流流下路725を形成する部材には、下側から上記第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bに接触して回動を規制するストッパ片725a,725bが設けられており、球合流流下路725に遊技球が流入する前にあっては、第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bは後端の金属ピン614A,614Bの重量で時計回り方向に回ろうとするのを規制して、延設部614a,614bがほぼ水平な姿勢を保持するようにストッパ片725a,725bの位置や高さが設定されている。そして、この状態では、第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bの先端側の規制片613a,613bが、球合流流下路725内に斜め下方へ向かって突出するように設定されている。すなわちこの状態が突出状態となる。
また、ストッパ片725a,725bは、球合流流下路725を形成する壁体の一部を外側(図では右側)に突出させ、端部が上方を向くように湾曲させてある。これにより、ストッパ片725a,725bの内側に、球戻り規制部材613Aと613Bが反時計方向に回動して先端側の規制片613aと613bが垂直になった際に、規制片613aと613bが球合流流下路725の壁面から飛び出した状態にならないようにする規制片退避空間729aと729bが形成されるようになっている。なお、図11から分かるように、第2球戻り規制部材613Bはその回動軸728bが球検出センサ611の上部の延長上に配置されることで、先端側の規制片613bが球検出センサ611の球検出領域DAの近傍に突出し、第1球戻り規制部材613Aはその回動軸728aが回動軸728bよりもおよそ球1つ分高い位置に配設されることで、球検出センサ611の上方にて球合流流下路725内に突出するように構成されている。
上記のように構成された第1規制部材取付部727Aと第2規制部材取付部727Bが設けられた球合流流下路725においては、図12(A)に示すように、球合流流下路725に遊技球が流入して第1球戻り規制部材613Aの先端側の規制片613aに接触すると、その重量で第1球戻り規制部材613Aを反時計回り方向へ回動させながら下方へ流下する。このとき、球合流流下路725の内径は遊技球の径よりも若干大きい程度であるが、第1球戻り規制部材613Aの規制片613aが規制片退避空間729a内に収まることで、遊技球の流下が許容される。すなわちこの状態が退避状態となる。
その後、図12(B)に示すように、遊技球が球検出センサ611の球検出領域DAに侵入し始めて球の中心が第1球戻り規制部材613Aの先端よりも下方に位置するまで移動すると、先端側の規制片613aが後端の金属ピン614Aの重量で時計回り方向に回動し始める。そして、遊技球の下端部が第2球戻り規制部材613Bの先端側の規制片613bに接触する位置まで流下すると、第1球戻り規制部材613Aは先端側の規制片613aが完全に元の位置まで回動復帰し、突出状態となる。
この状態になると、規制片613aの先端面である当接部613eに遊技球が当接することで、遊技球にテグスが巻かれていて上方に引かれたとしても規制片613aに阻止されて戻り方向へ移動することはない。なお、遊技球の下端部が第2球戻り規制部材613Bの先端側の規制片613bに接触する位置は、遊技球の下端部が球検出センサ611の球検出領域DAに侵入した状態になる位置である。また、遊技球の一部が球検出センサ611の球検出領域DAに侵入している状態では、球検出センサ611の発光素子からの光が遊技球によって遮断され、受光素子に届かなくなることによって、センサは球有り状態として検出するようになっている。遊技球の一部が球検出センサ611の球検出領域DAに侵入しても上方へ戻るとセンサは非検出状態となってしまうが、上記のように第1球戻り規制部材613Aの規制片613aにより遊技球の戻りを阻止することによって同一の遊技球が再度検出されてしまうのを防止することができる。
その後、遊技球がさらに流下して、図13(A)に示すように、球の中心が球検出センサ611の球検出領域DAの中心まで来ると、その重量で第2球戻り規制部材613Bを反時計回り方向へ回動させ、先端の規制片613bが流路内から規制片退避空間729bへ後退した退避状態となる。そして、遊技球の上端部が球検出センサ611の球検出領域DAから抜け出る位置まで流下すると、後端の金属ピン614Bの重量で時計回り方向に回動し、図13(B)に示すように、第2球戻り規制部材613Bは先端側の規制片613bが完全に元の位置まで回動復帰し、突出状態となる。このとき、球検出センサ611は非検出状態となるが、この状態では、遊技球にテグスが巻かれていてそのテグスが上方に引かれたとしても規制片613bの先端面である当接部613fにより遊技球の戻り方向へ移動が阻止されて、再度球検出センサ611が検出状態となるのを防止することができる。
上記のように、この実施例においては、第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bが設けられていることにより、不正を行おうとする者が、遊技球にテグスを巻いて一般入賞口35に入賞させ、さらに遊技球を球検出センサ611の位置まで流下させた状態でテグスを引いたり緩めたりして、遊技球を球検出領域近傍で上下させて同一の遊技球で何度も検出信号を発生させようとしてもそれを効果的に防止することができる。
このうち、球検出領域DAとその上流との間で糸球を上下させて何度もセンシングさせるような不正行為を第1規制部材により防止し、球検出領域DAとその下流との間で遊技球を上下させて何度もセンシングさせるような不正行為を第2規制部材により防止している。また、第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bは遊技球から受ける押圧力によって、退避状態と突出状態に状態変換するので、状態変換のための駆動源を別途設ける必要がない。
以上のことから、球検出センサ611に対応して設けられ、球検出通過部740の内側に設定される球検出領域DA内に進入した遊技球が当該球検出領域DA内に再進入することを規制することが可能な規制部材(球戻り規制部材613A,613B)を備えていることとなる。
また、規制部材(球戻り規制部材613A,613B)は、球流下路(球合流流下路725)から外れた位置で当該球流下路を横断する方向に設定される回動軸728a、728bを中心に回動可能に軸着される軸受け部615a,615bと、軸受け部615a,615bから回動軸728a、728bに対して直交する方向に延設されて球流下路内に進退自在な規制部(規制片613a,613b)と、を備え、規制部が上流側からの遊技球の押圧力を受けて球流下路から後退し、下流側への流下を許容する退避状態に変換する一方、規制部が上流側からの遊技球の押圧力から開放されることで球流下路内に突出し、上流側に戻ることを規制する突出状態に変換するようにしている。
また、規制部材(球戻り規制部材613A,613B)は、退避状態となることで球流下路(球合流流下路725)を流下してきた遊技球が球検出領域DAに進入することを許容し、突出状態となることで球検出領域DAに進入した遊技球が上流側に戻ることを規制する第1規制部材(球戻り規制部材613A)と、退避状態となることで球検出領域DAに進入した遊技球が下流側に移動することを許容し、突出状態となることで球検出領域DAから下流側に移動した遊技球が当該球検出領域DAに再進入することを規制する第2規制部材(球戻り規制部材613B)と、を備えていることとなる。
次に、上記実施形態のさらに望ましい構造について説明する。具体的には、図13(B)に示すように、第2球戻り規制部材613Bの規制片613bが球合流流下路725内に完全に突出した突出状態(延設部614bがストッパ片725bに当接して水平になった状態)で、規制片613bと球合流流下路725の内壁面とのなす角度θが45度となり、規制片613bの先端の当接部613fに接触している遊技球の中心と当該規制片613bの中心線と第2回動軸728bとが一直線上に並ぶように、各部品の寸法や取り付け位置を設計する。これにより、遊技球に巻かれたテグスが上方に引かれたときに、規制片613bにかかる球圧を第2回動軸728bが受けることになり、規制片613bに曲げ応力がかかるのを回避することができる。
そのため、第2回動軸728bを金属等の強度の高い材料で形成すれば、規制片613bがプラスチックのような比較的変形や破損しやすい材料で形成されたとしても変形や破損を防止することができるという利点がある。第1球戻り規制部材613Aの構造についても同様である。また、規制片613a,613bが突出状態で水平な姿勢となるように構成されたものであっても遊技球の戻りを阻止することができるが、上記実施例のように突出状態で規制片613a,613bが斜め下方へ突出する構成であれば、退避状態から突出状態への復帰時における規制片613a,613bの回動角度を少なくして速やかに復帰させることができるとともに、遊技球の戻り量も小さくすることができる。
なお、突出状態で、規制片613a,613bと球合流流下路725の内壁面とのなす角度θが45度でなくても、規制片613a,613bが軸受け部615a,615bよりも下流側の球合流流下路725内に配置され、球合流流下路725の上流側からの遊技球の押圧力を受けるように当該球合流流下路725を下流側に向けて斜めに横切るように配されていれば良い。これにより、突出状態で規制片613a,613bが球合流流下路725と直交する状態になるものに比べて、規制片613a,613bが状態変換する際の回動量が少なくて済むため、退避状態に変換されても、速やかに突出状態に復帰することができるので、不正行為を効果的に防止できる。また、上流側からの遊技球の押圧力を受ける規制片613a,613bが遊技球の衝突時の衝撃によって破損し難くなる。
さらに、規制片613a,613bに設けられた当接部613e,613fは、球合流流下路725の中心よりも軸受け部615a,615b側に位置するように設定されている。これにより、規制片613a,613の長さが短くて済むこととなり破損し難くなる。また、規制片613a,613bが状態変換する際の回動量がさらに少なくて済むうえに、当接部613e,613fが遊技球の押圧力を受けたとしても回動方向への力が作用しないようにすることができ、効果的に不正行為を防止することができる。
以上のことから、規制部材(球戻り規制部材613A,613B)は、常態となる突出状態において規制部(規制片613a,613b)が軸受け部615a,615bよりも下流側の球流下路(球合流流下路725)内に配置され、球流下路の上流側からの遊技球の押圧力を受けるように当該球流下路を下流側に向けて斜めに横切るよう設定されていることとなる。
また、規制部(規制片613a,613b)は、突出状態において球流下路(球合流流下路725)内の遊技球が上流側に向けて移動した際に当該遊技球が下流側から当接する当接部613e,613fを備え、当接部613e,613fは、規制部とともに球流下路へ突出する部位として当該球流下路の中心よりも軸受け部615a,615b側に設定され、下流側から当接した遊技球の押圧力を回動軸728a、728bに向けて伝達する形状に設定されていることとなる。
なお、2つの球戻り規制部材を共に遊技球の流下方向とは逆の方向への移動を禁止する手段として構成したが、上流側の球戻り規制部材に関しては逆方向への移動を検出したならば流下方向への移動を禁止するような規制部材(シャッタ)を設けて、検出領域への再侵入を禁止するように構成してもよい。
また、一般入賞口35に対する不正(釣り糸ゴト)の対策を左入賞ユニット610に適用した場合について説明したが、右入賞ユニット640に適用しても良い。さらに、始動口ユニット600に適用して始動入賞口36や普通変動入賞装置37に対する不正行為を防止するようにしても良い。また、球検出センサ611として光電型のセンサの代わりに非接触型の磁気近接スイッチや、他の方式のセンサやスイッチを使用しても良い。
図14、図15には、球合流流下路725の途中に設けられる球検出部および不正防止機構の別例を示した。図14に示す例では、球検出センサ611の本体ケースを略L字状に形成し、球合流流下路725側に設けられていた第1球戻り規制部材613Aと第2球戻り規制部材613Bを球検出センサ611の本体ケースと一体に設けている。
図15に示す例では、第2球戻り規制部材613Bを球検出センサ611と一体の構造としている。この例で使用される球検出センサ611は、マイクロスイッチと呼ばれるメカ式のスイッチに似た構造を有するとともに、ドミノ牌に似た形状の本体部の先端に遊技球が通過可能な開口611A(球検出領域に相当)が形成され、該開口611A内にアクチュエータ611Bが突出するように構成されている。
球検出センサ611は、アクチュエータ611Bの一端が開口611Aの縁部に回動軸611Dにより回動自在に装着されているとともに、センサ本体内には、軸方向に移動可能な円筒状のプランジャ611Eおよび該プランジャ611Eを開口611A側へ押圧する圧縮バネ611Fが内蔵され、該プランジャ611Eの先端が上記アクチュエータ611Bの裏面に当接してこれを前方すなわち開口611Aの中心側へ押圧するように構成されている。
また、アクチュエータ611Bは開口611A内へ約45度の角度で下傾斜する姿勢で取り付けられており、開口611Aの内壁には該アクチュエータ611Bの退避空間611Gが設けられている。さらに、この退避空間611Gの上部、開口611Aの縁部にはアクチュエータ611Bが45度以上反時計まわり方向へ回動しないように規制するストッパ部611Hが設けられている。なお、図示しないが、センサ本体内には、上記プランジャ611Eの移動によって開閉される電気的接点や該接点の開閉状態に応じた信号を生成する回路が内蔵されており、該回路で生成された信号がコネクタ611cを介して遊技制御装置へ送信可能に構成されている。
このような不正防止機構では、球合流流下路725に遊技球が流入して第1球戻り規制部材613Aの先端側の規制片613aに接触すると、その重量で第1球戻り規制部材613Aを反時計回り方向へ回動させながら下方へ流下する。その後、遊技球が球検出センサ611の開口611A内に侵入しアクチュエータ611Bに接触する位置まで移動すると、アクチュエータ611Bは遊技球に押されてプランジャ611Eが後退し、時計回り方向へ回動して退避空間へ後退することで、遊技球の流下を許容する。そして、遊技球がアクチュエータ611Bを作動させる位置まで流下すると、第1球戻り規制部材613Aは規制片613aが完全に元の状態に復帰する。この状態になると、遊技球にテグスが巻かれていて上方に引かれたとしても規制片613aに阻止されて戻り方向へ移動することはない。これによって、遊技球が戻って再度検出されてしまうのを防止することができる。
その後、遊技球がさらに流下して、遊技球の中心が球検出センサ611のアクチュエータ611Bの先端よりも下になる位置まで遊技球が来ると、圧縮バネ611Fの復元力でプランジャ611Eが前方すなわち流下路中心側へ押されてアクチュエータ611Bが元の状態(45度傾斜した状態)に戻り、球検出センサ611は接点が「開」すなわち非検出状態となる。そして、この状態では、遊技球の上端にアクチュエータ611Bの先端が接触しているとともに、アクチュエータ611Bはストッパ部611Hによって45度以上の回動が規制されているため、アクチュエータ611Bによって遊技球の戻り方向へ移動が阻止されて、再度球検出センサ611が検出状態となるのを防止することができる。
上記のように、この不正防止機構においては、第1球戻り規制部材613Aと球検出センサ611のアクチュエータ611Bにより、遊技球の戻り方向の移動を阻止することができるため、不正を行おうとする者が、遊技球にテグスを巻いて一般入賞口35に入賞させ、さらに遊技球を球検出センサ611の位置まで流下させた状態でテグスを引いたり緩めたりして、遊技球を検出領域近傍で上下させて同一の遊技球で何度も検出信号を発生させようとしてもそれを有効に防止することができる。なお、アクチュエータ611Bの形状を、図11に示されている第2球戻り規制部材613Bのように、先端に遊技球が下流側から当接する当接部613f(接触面)を有する形状に設計して、遊技球を戻そうとした時に生じる球圧を回動軸611Dで受けることができるように構成してもよい。
このように、遊技球の逆戻りを規制する第2球戻り規制部材613Bがメカ式センサのアクチュエータを兼用するようにしたことで、球検出センサ611や第2球戻り規制部材613Bの配置効率が高まるとともに部品点数が少なくなって組み付け作業が簡単になる。以上のことから、球検出センサ611は、規制部材613Bをアクチュエータとして備え、当該規制部材613Bが突出状態から退避状態へと変換することで接点状態が変化するメカ式センサとして構成されていることとなる。
図16は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチに接続されたインタフェースチップ(I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111C、個別ICレジスタ111Dを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ、プレミアリーチ)が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。また、遊技用マイコン111は、電源投入時や、大当り時などのイベント発生時、磁石や電波等による不正の検出時に個別IDレジスタ111Dに記憶されたIDを、情報伝達部71から出力する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットと電気的に接続されていることを条件に発射装置を制御する発射制御装置201に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口35の球検出センサ611、カウントスイッチ38aがI/F121を介して接続される。I/F121は、接続されるスイッチが近接スイッチである場合に、スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップである。I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のようにI/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口35の球検出センサ611、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。情報伝達部(外部情報端子板)71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図17を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、前面枠12に設けられているLEDを有する枠エラーランプ46を駆動制御する枠エラーLED制御回路338、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置45(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335及び338は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
また、演出制御装置300には、本遊技機10と他の遊技機10との間で情報通信を可能とする情報通信手段として、他の遊技機10との間で無線通信するための無線通信回路350が設けられている。また、演出制御装置300には、自遊技機が出力する無線の通信強度を設定するための通信強度設定スイッチ351、自遊技機の台番号を設定するための台番号設定スイッチ352、自遊技機の設置エリアを設定するエリア設定手段をなす設置エリア設定スイッチ353、自遊技機が設置されている遊技場の営業時間を設定する営業時間設定手段をなす営業時間設定スイッチ354、自遊技機を統括制御遊技機又は従属制御遊技機に設定するためのMASTER(親子)設定スイッチ355、現実の時間(現在時刻)を計時するRTC(リアルタイムクロック)356などが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335及び338、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
図18には、遊技場における遊技機の配置と通信範囲の一例を示した。各遊技機は自遊技機から所定の通信範囲内にある遊技機と無線通信可能となっている。この無線通信により、後述するように遊技機でのイベントの発生を他遊技機に通知し、当該他遊技機においてイベントの発生の報知を行わせることが可能となっている。ここで、イベントには、セキュリティやエラーに関するイベントとして、特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37への不正な入賞や、下皿オーバーフロー、シュート玉切れ、前枠(ガラス枠15)の開放、内枠(前面枠12)の開放、磁石による不正行為、振動による不正行為などが含まれるとともに、遊技に関する遊技イベントとして、特別結果の発生、特定のリーチの発生、特定のキャラクタの登場、特定の音声の出力、特定の予告演出の実行などが含まれる。
なお、各遊技機の通信範囲は、少なくとも周囲の数台と通信できるようであれば良いが、遊技場内のすべての遊技機と通信できる通信範囲であることが望ましい。また、無線通信ではなく有線通信としても良い。この場合には、遊技場システムの情報収集ネットワークのインフラに演出制御装置300が接続されると良い。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
すなわち、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームとは異なる補助変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の始動条件を成立させる補助始動領域(普図始動ゲート34)への遊技球の入賞により補助変動表示ゲームを実行可能な補助変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、補助変動表示ゲームが特定結果になったことに基づき始動入賞領域(普通変動入賞装置37)を所定の変換態様で第1状態(閉状態)から第2状態(開状態)に変換することが可能な状態変換手段をなす。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
表示装置41に表示させる複数の表示データは演出制御装置300に記憶され、演出制御装置300は、この表示データから遊技に応じた表示データを選択して表示装置41に表示する。すなわち、演出制御装置300が、表示装置41に表示させる複数の表示データを記憶する表示データ記憶手段をなす。また、演出制御装置300が、表示データ記憶手段に記憶された表示データを表示装置41に表示させることが可能な表示データ表示手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は4回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが600ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば300ms)よりも長い第2開放時間(例えば1400ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。なお、以下の説明や図中では、時短状態を特定遊技状態や普電サポート又は電サポと称することがある。
図19に示すように、特別結果には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき特別遊技状態の実行態様や付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を高確率状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とすることである。また、特別結果の振り分けは、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームの方が遊技者にとって有利な特別結果が選択される確率が高くなるようにされている。
特別結果には、15R確変(図柄)、4R確変A(図柄)、4R確変B(図柄)、4R通常A(図柄)、4R通常B(図柄)の5種類が設定されている。15R確変は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドである。また、特別遊技状態の終了後に127回の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態が高確率状態となるとともに時短状態(電サポあり状態)となり、その後通常確率状態かつ通常動作状態(電サポなし状態)となる。
4R確変A及び4R確変Bは、何れも特別遊技状態でのラウンド数が4ラウンドである。ただし、4R確変Bは開放可能時間が4R確変Aよりも短く、獲得可能な賞球数が少ない。また、何れも特別遊技状態の終了後に127回の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態が高確率状態となり、その後通常確率状態となる。そして、4R確変Aは、特図変動表示ゲームの種類(特図1又は特図2)や、発生時の確率状態(高確率状態又は通常確率状態)にかかわらず、特別遊技状態の終了後に70回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。また、4R確変Bは、高確率状態において第1特図変動表示ゲームで発生した場合は、特別遊技状態の終了後に通常動作状態となり、これ以外の場合は特別遊技状態の終了後に70回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。
4R通常A及び4R通常Bは、何れも特別遊技状態でのラウンド数が4ラウンドである。ただし、4R通常Bは開放可能時間が4R通常Aよりも短く、獲得可能な賞球数が少ない。また、何れも特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる。そして、4R通常Aは、第2特図変動表示ゲームでのみ発生可能であり、発生時の確率状態にかかわらず特別遊技状態の終了後に70回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。また、4R通常Bは、第1特図変動表示ゲームでのみ発生可能であり、高確率状態において発生した場合は特別遊技状態の終了後に通常動作状態となり、通常確率状態において発生した場合は特別遊技状態の終了後に70回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。なお、高確率状態において特別遊技状態の終了後に高確率状態となる特別結果が連続して10回発生した場合は、当該10回目の特別結果の種類にかかわらず、特別遊技状態の終了後は通常確率状態かつ通常動作状態となる。
ここで、高確率状態(確率は1/39)は通常確率状態(確率は1/40)よりも特別結果となる確率が高いが、その差は僅かであり、高確率状態における第1特図変動表示ゲームでは11%しか時短状態となる特別結果が選択されないのに対し、通常確率状態における第1特図変動表示ゲームでは必ず時短状態となる特別結果が選択される。時短状態では普通変動入賞装置37への入賞が容易となるので、第1特図変動表示ゲームよりも有利な第2特図変動表示ゲームの実行頻度が増える。この第2特図変動表示ゲームでは必ず時短状態となる特別結果が選択される。すなわち本実施形態の遊技機では、高確率状態よりも通常確率状態である方が遊技者にとって有利な状態となっている。
図20に示すように、遊技モードの種類には、通常状態、時短状態、潜伏状態、確変状態の4種類がある。通常状態は、通常確率状態(特図低確)かつ通常動作状態(電サポなし)である場合に選択され、潜伏状態は、高確率状態(特図高確)かつ通常動作状態である場合に選択される。通常状態と潜伏状態は、表示される背景の種類やキャラクタの種類、変動表示ゲームの実行態様等が類似しており、遊技者が何れの遊技モードであるかを認識困難となっている。また、時短状態は、通常確率状態かつ時短動作状態(電サポあり)である場合に選択され、確変状態は、高確率状態かつ時短動作状態である場合に選択される。時短状態と確変状態は、表示される背景の種類やキャラクタの種類、変動表示ゲームの実行態様等が類似しており、遊技者が何れの遊技モードであるかを認識困難となっている。すなわち、遊技の演出から確率状態を認識することが困難となるようにされ、遊技の興趣を高めるようにしている。なお、表示される背景の種類やキャラクタの種類、変動表示ゲームの実行態様を僅かに異ならせることで確率状態を示唆するようにしても良い。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図21及び図22に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図23に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図21に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図22のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図22のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図22のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。この初期化の処理により確率状態が通常確率状態になる。本実施形態の遊技機では、高確率状態よりも通常確率状態である方が遊技者にとって有利な状態であるため、初期化の処理により遊技者にとって有利な状態となることとなる。また、初期化の処理のより、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる特別結果が連続して発生した回数の計数結果がクリアされる。
そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。演出制御装置300では、電源投入時のコマンドを受信することに基づき、RAMがクリアされたことを報知するRAMクリア報知を行う。
ステップS29では、個別IDレジスタ111Dに格納された個体識別情報をシリアル通信回路にセットし、情報伝達部71から出力する処理を行う。そして、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う(ステップS30)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS30のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS31)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS32)、割込みを許可する(ステップS33)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS34)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS34の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS35)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS36)。停電監視信号がONでない場合(ステップS36;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS34)の前に割り込みを許可する(ステップS33)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS34での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS36;Yes)は、ステップS35で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS37)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS37;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS36;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS37;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS39)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS40)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS41)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS42)、チェックサムをセーブする処理(ステップS43)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図23に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図23のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口35の球検出センサ611、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口35の球検出センサ611、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)、振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する振動不正監視処理(ステップS62)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS63)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS64)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS65)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS66)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔入賞口SW/エラー監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口SW/エラー監視処理(ステップS57)の詳細について説明する。入賞口SW/エラー監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるかを監視し、賞球の設定や、セキュリティにかかわるイベントの発生を監視する処理である。また、セキュリティにかかわるイベントの発生についての報知を行うために、演出制御装置300に対して送信されるコマンドの設定を行う。
図24に示すように入賞口SW/エラー監視処理では、まず、特別変動入賞装置(大入賞口)38内の入賞口スイッチ(カウントスイッチ38a)の不正監視テーブル(例えばカウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS71)。それから、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS72)を行う。その後、普電(普通変動入賞装置37)内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の不正監視テーブルを準備し(ステップS73)、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS74)を行う。
次に、不正監視処理が不要な入賞口スイッチの入賞監視テーブル(例えば不正監視不要なスイッチを示すリスト)を準備する(ステップS75)。不正監視処理が不要な入賞口スイッチとは、上述の特別変動入賞装置38内のカウントスイッチ38aと普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aを除く入賞口スイッチである。これらの不正監視処理が不要な入賞口スイッチについては、不正監視はしないが入賞検出処理は行うので、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS76)を行う。
そして、不正を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新して準備する(ステップS77)。続いて、払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ、オーバーフロースイッチ及び払出制御装置の異常監視用の遊技機エラー監視テーブル1を準備する(ステップS78)。それから、これらのスイッチ及び払出制御装置に異常が発生していないかをタイマを参照しながら判定するエラーチェック処理(ステップS79)を行う。
その後、前枠開放検出スイッチ63及び遊技枠開放検出スイッチ64からの信号に基づく前枠(ガラス枠15)及び遊技枠(前面枠12)の開放監視用の遊技機エラー監視テーブル2を準備する(ステップS80)。それから、エラースキャンカウンタをロードし、遊技機エラー監視テーブル2用に変換して準備し(ステップS81)、前枠及び遊技枠の開放に異常が発生していないかをタイマを参照しながら判定するエラーチェック処理(ステップS82)を行い、入賞口SW/エラー監視処理を終了する。
〔不正&入賞監視処理〕
次に、上述の入賞口SW/エラー監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS72、S74)の詳細について説明する。入賞監視処理は、大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37aに対して行なわれる処理であり、入賞の検出の他に不正の監視をする。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)は、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いためである。
図25示すように不正&入賞監視処理においては、まず、対象の不正監視期間フラグをチェックする(ステップS91)。不正監視期間フラグは、対象の入賞口が不正監視期間中である場合に設定されるフラグであり、不正監視期間とは通常の遊技中では遊技球が検出されることがない期間である。この不正監視期間中である場合(ステップS92;Yes)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかをチェックする(ステップS93)。そして、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップB94;Yes)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS95)、不正入賞数が対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかをチェックする(ステップS96)。
所定数の不正発生判定個数を設定しているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しない、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。不正入賞数が対象の不正発生判定個数を超えた場合(ステップS97;Yes)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS98)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば、60000msに対応する値)をセーブする(ステップS99)。その後、対象の不正入賞発生コマンドを準備し(ステップS100)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを設定し(ステップS101)、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS110)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップS92;No)や、不正入賞数が対象の不正発生個数を超えていない場合(ステップS97;No)は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備し(ステップS102)、賞球排出の対象として入賞数を計数する入賞数カウンタ更新処理を行う(ステップS103)。その後、対象の不正入賞報知タイマが既にタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックする(ステップS104)。また、不正監視期間中であって対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップB94;No)も、対象の不正入賞報知タイマが既にタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックする(ステップS104)。
そして、タイムアップしていない場合(ステップS105;No)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、タイムアップしている場合(ステップS105;Yes)は、不正報知の終了タイミングであるかを判定する(ステップS106)。不正報知の終了タイミングでない場合(ステップS106;No)は、対象の不正入賞解除コマンドを準備する(ステップS108)。また、不正報知の終了タイミングである場合(ステップS106;Yes)は、対象の不正入賞数をリセットし(ステップS107)、対象の不正入賞解除コマンドを準備する(ステップS108)。
その後、不正フラグとして不正入賞解除フラグを設定し(ステップS109)、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS110)。設定した不正フラグが対象の不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS111;Yes)、すなわち、不正フラグの変化がない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、設定した不正フラグが対象の不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS111;No)、すなわち、不正フラグの変化があった場合は、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS112)、コマンド設定処理を行い(ステップS113)、不正&入賞監視処理を終了する。ここで設定された不正フラグに関する情報を含むコマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は不正フラグに関する情報に基づき不正発生の報知又は不正の報知の終了に関する処理を行う。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
次に、上述の入賞口SW/エラー監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS76)及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS103)の詳細について説明する。
図26に示すように、入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS121)、対象の入賞口スイッチに入力があるかをチェックする(ステップS122)。そして、入力がない場合(ステップS123;No)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS128)。また、入力がある場合(ステップS123;Yes)は、対象の入賞数カウンタ領域の値をロードして(ステップS124)、対象の入賞数カウンタを+1更新してオーバーフローするかをチェックする(ステップS125)。
カウンタがオーバーフローした場合(ステップS126;Yes)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS128)。また、カウンタがオーバーフローしていない場合(ステップS126;No)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域にセーブし(ステップS127)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS128)。そして、全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS128;No)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかをチェックする処理(ステップS122)に戻り、監視が終了していないスイッチについて処理を行う。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS128;Yes)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。
〔エラーチェック処理〕
次に、上述の入賞口SW/エラー監視処理におけるエラーチェック処理(ステップS79、S82)の詳細について説明する。図27に示すように、エラーチェック処理においては、まずエラースキャンカウンタに対応するエラー監視テーブルを取得し(ステップS131)、監視対象のスイッチの状態をチェックする(ステップS132)。
そして、スイッチがONである場合(ステップS133;Yes)は、エラーフラグとしてエラー発生フラグを設定し(ステップS134)、対象のエラー報知コマンドを準備する(ステップS135)。その後、対象のエラー発生監視タイマ比較値を設定し(ステップS136)、対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態を比較する(ステップS140)。
一方、スイッチがONでない場合(ステップS133;No)は、エラーフラグとしてエラー解除フラグを設定し(ステップS137)、対象のエラー報知終了コマンドを準備する(ステップS138)。その後、対象のエラー解除監視タイマ比較値を設定し(ステップS139)、対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態を比較する(ステップS140)。
対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態が一致する場合(ステップS141;Yes)、すなわち前回処理時のスイッチ状態から変化していない場合は、対象のエラー監視タイマを+1更新して監視タイマ比較値に達したかをチェックする(ステップS144)。また、対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態が一致しない場合(ステップS141;No)、すなわち前回処理時のスイッチ状態から変化した場合は、スイッチ状態領域に今回のスイッチ状態をセーブする(ステップS142)。その後、対象のエラー監視タイマをクリアして(ステップS143)、対象のエラー監視タイマを+1更新して監視タイマ比較値に達したかをチェックする(ステップS144)。
対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップS145;No)は、エラーチェック処理を終了する。また、対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(ステップS145;Yes)は、エラー監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップS146)、設定したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域の値と比較する(ステップS147)。
そして、設定したエラーフラグが対象のエラーフラグ領域の値と一致する場合(ステップS148;Yes)、すなわちエラーフラグの変化がない場合は、エラーチェック処理を終了する。また、設定したエラーフラグが対象のエラーフラグ領域の値と一致しない場合(ステップS148;No)、すなわちエラーフラグの変化があった場合は、設定したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域にセーブし(ステップS149)、コマンド設定処理(ステップS150)を行い、エラーチェック処理を終了する。
ここで設定されるエラー報知コマンド又はエラー報知終了コマンドとしては、対象のエラーの種類により、下皿オーバーフロー報知、報知終了コマンド、払出待機球不足報知、報知終了コマンド、前枠(ガラス枠)開放報知、報知終了コマンド、内枠開放報知、報知終了コマンドの何れかが設定される。このコマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300はエラー報知コマンド又はエラー報知終了コマンドに基づきエラー発生の報知又はエラーの報知の終了に関する処理を行う。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS61)の詳細について説明する。磁石不正監視処理では、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないかを判定して不正報知の開始や終了の設定等を行う。図28に示すように磁石不正監視処理では、まず、磁気センサスイッチ61から出力される磁石センサ検出信号の状態をチェックして(ステップS161)、センサがONである場合(ステップS162;Yes)、すなわち磁気を検出している場合は、磁石不正監視タイマを+1更新してタイムアップしたかをチェックする(ステップS163)。
磁石不正監視タイマは磁気センサスイッチ61で磁気を連続して検出している期間を監視するためのタイマであり、本実施形態の遊技機では値が8になった場合、すなわち割込みが4msごとなので32ms経過した場合にタイムアップして不正行為が実行されていると判定するようになっている。この磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップS164;Yes)は、磁石不正監視タイマをクリアして(ステップS165)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば、60000msに対応する値)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS166)。その後、磁石不正報知コマンドを準備し(ステップS167)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを設定して(ステップS168)、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域の値と比較する(ステップS174)。
一方、センサがONでない場合(ステップS162;No)、すなわち磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアして(ステップS169)、磁石不正報知タイマが既にタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックする(ステップS170)。また、センサがONであって磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップS164;No)も、磁石不正報知タイマが既にタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックする(ステップS170)。なお、磁石不正報知中でないときは、磁石不正報知タイマはタイムアップした状態となっている。
磁石不正報知タイマがタイムアップしていない場合(ステップS171;No)は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマがタイムアップしている場合(ステップS171;Yes)は、磁石不正報知終了コマンドを準備し(ステップS172)、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを設定して(ステップS173)、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域の値と比較する(ステップS174)。
設定した磁石不正フラグと磁石不正フラグ領域の値が一致する場合(ステップS175;Yes)、すなわち磁石不正フラグの変化がない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、設定した磁石不正フラグと磁石不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS175;No)、すなわち磁石不正フラグの変化があった場合は、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップS176)、コマンド設定処理を行い(ステップS177)、磁石不正監視処理を終了する。ここで設定される磁石不正報知又は磁石不正報知終了コマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は磁石不正報知コマンド又は磁石不正報知終了コマンドに基づき磁石不正発生の報知又は磁石不正の報知の終了に関する処理を行う。
図29には、磁気センサスイッチ61で不正が検出された場合の一例を示した。磁気センサスイッチ61が磁気を検出してONになり(t1)、所定時間(32ms)が経過すると磁石による不正行為が行われていると判断される(t2)。これにより、不正発生状態となり不正報知コマンドが送信される。磁気センサスイッチ61が磁気を検出してONになっている状態では、32ms毎に磁石不正監視タイマがタイムアップして磁石不正報知タイマが初期値に戻るため、不正発生状態が継続される(t2からt3)。その後、磁気センサスイッチ61が磁気を検出しない状態となってOFFとなると(t3)、磁石不正監視タイマがタイムアップしなくなるため、ここから磁石不正報知タイマがタイムアップする60000msまで不正発生状態が継続された後に解除され、不正報知終了コマンドが送信される(t4)。
〔振動不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における振動不正監視処理(ステップS62)の詳細について説明する。振動不正監視処理では、振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないかを判定して不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図30に示すように振動不正監視処理では、まず、振動センサスイッチ62から出力される振動センサ検出信号の状態をチェックして(ステップS181)、センサがONである場合(ステップS182;Yes)、すなわち振動を検出した場合は、振動不正報知タイマ初期値(例えば、60000msに対応する値)を振動不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS183)。その後、振動不正報知コマンドを準備し(ステップS184)、振動不正フラグとして振動不正発生フラグを設定して(ステップS185)、設定した振動不正フラグを振動不正フラグ領域の値と比較する(ステップS190)。
一方、センサがONでない場合(ステップS182;No)、すなわち振動を検出していない場合は、振動不正報知タイマがタイムアップ済又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックする(ステップS186)。そして、振動不正報知タイマがタイムアップしていない場合(ステップS187;No)は、振動不正監視処理を終了する。また、振動不正報知タイマがタイムアップしている場合(ステップS187;Yes)は、振動不正報知終了コマンドを準備し(ステップS188)、振動不正フラグとして振動不正解除フラグを設定して(ステップS189)、設定した振動不正フラグを振動不正フラグ領域の値と比較する(ステップS190)。
設定した振動不正フラグと振動不正フラグ領域の値が一致する場合(ステップS191;Yes)、すなわち振動不正フラグの変化がない場合は、振動不正監視処理を終了する。また、設定した振動不正フラグと振動不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS191;No)、すなわち振動不正フラグの変化があった場合は、設定した振動不正フラグを振動不正フラグ領域にセーブし(ステップS192)、コマンド設定処理を行い(ステップS193)、振動不正監視処理を終了する。ここで設定される振動不正報知又は振動不正報知終了コマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は振動不正報知コマンド又は振動不正報知終了コマンドに基づき振動不正発生の報知又は振動不正の報知の終了に関する処理を行う。
以上のことから、遊技制御装置100が、イベント(セキュリティイベント)の発生を検出可能なイベント検出手段をなす。このイベント検出手段は複数種類のセキュリティイベントを検出可能であって、上述したように、特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37への不正な入賞や、下皿オーバーフロー、シュート玉切れ、前枠(ガラス枠15)の開放、内枠(前面枠12)の開放、磁石による不正行為、振動による不正行為を検出可能である。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図31に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。そして、特図2表示器の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図32に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図33に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードし(ステップA205)、始動口信号出力回数を更新(+1)して出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA206)。そして、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローすると判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA215)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA216)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA217)、コマンド設定処理(ステップA218)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA219)を行い、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA220)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA221)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA222)。さらに、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブする(ステップA223、A224、A225)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。ここで、遊技制御装置100は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入による始動条件の成立に基づき判定情報(乱数)を抽出して変動表示ゲームの始動記憶として所定の上限数まで記憶することが可能な始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA211)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA212;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA212にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合(ステップA212;No)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA226)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図34に示すように、まず、始動口2の入賞(普通変動入賞装置37への入賞)であるかを判定し(ステップA231)、始動口2の入賞である場合(ステップA231;Yes)は、高確率時(高確率状態)であるかの判定を行う(ステップA233)。また、始動口2の入賞でない場合(ステップA231;No)は、電サポ(時短状態)又は大当り(特別遊技状態)中であるかを判定する(ステップA232)。そして、電サポ又は大当り中である場合(ステップA232;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、電サポ又は大当り中でない場合(ステップA232;No)は、高確率時(高確率状態)であるかの判定を行う(ステップA233)。
高確率時である場合(ステップA233;Yes)は、高確率時の判定値を設定し(ステップA234)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA236)。また、高確率時でない場合(ステップA233;No)は、低確率時(通常確率状態)の判定値を設定し(ステップA235)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA236)。そして、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する(ステップA237)。
判定結果が大当りである場合(ステップA237;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブル(図35参照)を設定し(ステップA238)、対象の大当り図柄乱数をロードする(ステップA239)。その後、設定した大当り図柄情報テーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得し(ステップA240)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA242)、コマンド設定処理を行う(ステップA243)。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA237;No)は、はずれ図柄情報を取得し(ステップA241)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA242)、コマンド設定処理を行う(ステップA243)。
次に、対象の変動パターン乱数1をロードし(ステップA244)、対象の変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備して(ステップA245)、コマンド設定処理を行い(ステップA246)、特図保留情報判定処理を終了する。この処理により始動記憶の発生に基づき、演出制御装置300に対して飾り特図保留数コマンドが送信され、その後、事前判定情報として特図種別・図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンドが送信される。演出制御装置300では、飾り特図保留数コマンドに基づき特図始動記憶数を増加し、図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドに基づき先読み演出を行う。
すなわち、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示82を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
ここで、秘匿性を高める必要がある(結果に影響を及ぼす)大当り乱数及び大当り図柄乱数については、判定後の結果情報を図柄情報コマンドとして演出制御装置300に送信している。これに対して秘匿性を高める必要のない(結果に影響を及ぼさない)変動パターン乱数については変動パターン乱数コマンドとして、乱数値のまま、若しくは、乱数値を示す情報に変換して演出制御装置300に送信するようにしている。なお、変動パターン乱数1は後半変動のリーチ系統(変動グループ)を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動を選択するための乱数である。事前判定時点ではリーチ系統さえ演出制御装置300側に伝達できれば良いので、変動パターン乱数1に関する情報を送信すれば良い。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の判定情報が特別結果となるものか否かを、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。また、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3を変動パターン乱数コマンドに含めるようにしても良いし、変動パターン乱数コマンドに代えて変動パターン乱数1〜3により判定した変動パターンを示すコマンドを送信するようにしても良い。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図36に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、特図2保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、特図1保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
一方、ステップA302にて、特図2保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行う。この場合の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器の変動中に係るフラグ、特図2表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、特図1保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行う。この場合の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器の変動中に係るフラグ、特図1表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における特図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、第2始動記憶に基づく特図変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。図37に示すように、この特図変動開始処理では、まず、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグにはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理(ステップA321)を行う。
次に、特図停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、設定された特図停止図柄の特図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域セーブする(ステップA323)。続けて、図柄情報を特図(特図1又は特図2)に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA324)。
次に、特図(特図1又は特図2)に対応する特図変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA325)、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備する(ステップA326)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA327)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA328)を行う。
その後、変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA329)を行って、特図変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA329)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かを決定することが可能な結果決定手段をなす。
〔特図停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における特図停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。図38に示すように、特図停止図柄設定処理では、まず、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグが大当りであるかをチェックする(ステップA351)。そして、大当りである場合(ステップA352;Yes)は、特図(特図1又は特図2)に対応する大当り図柄情報テーブルを設定し(ステップA353)、大当り図柄乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードする(ステップA354)。
その後、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して準備し(ステップA355)、取得した停止図柄番号を特図停止図柄領域にセーブする(ステップA356)。この処理により特別結果の種類が選択される。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、複数種類の特別結果から一の特別結果を選択する特別結果選択手段をなす。そして、対象の停止図柄番号に対応する図柄情報を取得して図柄情報領域にセーブする(ステップA357)。これにより特別結果の図柄が設定される。
次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA358)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態を設定するためのものである。その後、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA359)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA360)。これにより特別遊技状態の実行態様が設定される。
そして、飾り特図コマンドテーブルを設定して(ステップA363)、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得し(ステップA364)、飾り特図コマンド(MODE)を設定する(ステップA365)。さらに、飾り特図コマンド領域に図柄情報コマンドをセーブし(ステップA366)、特図に対応する大当り図柄乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA367)、特図停止図柄設定処理を終了する。
一方、大当りでない場合(ステップA352;No)は、はずれ時の停止図柄番号を特図停止図柄領域にセーブし(ステップA361)、はずれ時の図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップA362)。そして、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA363)以下の処理を行う。
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA327)の詳細について説明する。図39に示すように後半変動パターン設定処理では、まず、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であるかをチェックする(ステップA371)。そして、はずれ図柄情報である場合(ステップA372;Yes)は、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブル(図41、図42参照)を準備して(ステップA373)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA375)。また、はずれ図柄情報でない場合(ステップA372;No)は、特図(特図1又は特図2)に対応する大当り時の変動グループ選択テーブル(図40参照)を準備して(ステップA374)対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA375)。
その後、2バイト振り分け処理(ステップA376)を行い、振り分けた結果得られたリーチ系統のアドレスを取得して準備する(ステップA377)。次に、対象の領域から変動パターン乱数2をロードして準備し(ステップA378)、振り分け処理(ステップA379)を行って、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得する(ステップA380)。その後、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブして(ステップA381)後半変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、変動パターン乱数1に基づき変動グループ(リーチなし、ノーマル又はSP1から4リーチ、特殊変動の何れか)が選択され、変動パターン乱数2に基づき変動グループの中から詳細な演出の振り分け(変動パターンの選択)が行われる。
図40に示す大当り時の変動グループ選択テーブルでは、リーチ状態となる変動グループのみが選択可能である。また、第2特図変動表示ゲームの場合のみSP4リーチが選択可能である。図41に示す第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、時短状態であるか否かにより使用するテーブルが異なり、時短状態でない場合は(a)から(c)のテーブルを用い、時短状態である場合は(d)、(e)のテーブルを用いる。
さらに、第1始動記憶数によって使用するテーブルが異なり、時短状態でない場合は第1始動記憶数が1である場合、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる場合に、当該特図変動表示ゲームについて(a)のテーブルを用いる。また、第1始動記憶数が2である場合は(b)のテーブルを用い、第1始動記憶数が3又は4である場合は(c)のテーブルを用いる。第1始動記憶数が多いほどリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。
また、時短状態である場合は第1始動記憶数が1である場合、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる場合に、当該特図変動表示ゲームについて(d)のテーブルを用い、第1始動記憶数が2、3又は4である場合は(e)のテーブルを用いる。この場合も、第1始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。また、第1始動記憶数が1である場合におけるリーチなしの変動時間は、時短状態でない場合におけるリーチなしの変動時間よりも長く、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な時短状態において特図変動表示ゲームが途切れてしまうことを防止するようにしている。
図42に示す第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでも、時短状態であるか否かにより使用するテーブルが異なり、時短状態でない場合は(a)、(b)のテーブルを用い、時短状態である場合は(c)、(d)のテーブルを用いる。
さらに、第2始動記憶数によって使用するテーブルが異なり、時短状態でない場合は第2始動記憶数が1である場合、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる場合に、当該特図変動表示ゲームについて(a)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である場合は(b)のテーブルを用いる。第2始動記憶数が多いほどリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。
また、時短状態である場合は第2始動記憶数が1である場合、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる場合に、当該特図変動表示ゲームについて(c)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である場合は(d)のテーブルを用いる。この場合も、第2始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。また、第2始動記憶数が1である場合は、リーチなし及びノーマルリーチの変動グループを共通の特殊変動としている。この特殊変動は、時短状態でない場合におけるリーチなしの変動時間よりも長く、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な時短状態において特図変動表示ゲームが途切れてしまうことを防止するようにしている。
すなわち、時短状態において特図変動表示ゲームの開始時に第2始動記憶数が特定数(ここでは1)である場合には、当該第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームの変動パターンとして、変動時間の異なる複数種類の変動パターンの中から比較的変動時間の長い変動パターンである特殊変動を高確率で選択するようにされている。また、時短状態においては特図変動表示ゲームの開始時に始動記憶が特定数(ここでは1)よりも多い場合には、複数種類の変動パターンの中から通常遊技状態中には決定することのない変動時間の最も短い変動パターン(ここでは変動時間3秒の変動パターン)を高確率で選択するようにされている。これにより、始動記憶を素早く消化してオーバーフローを防止するようにしている。また、時短状態であっても特図変動表示ゲームの結果を特別結果とすると決定された場合には、始動記憶の数に拘わらずに変動パターンが選択され、特殊変動は選択されない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA328)の詳細について説明する。図43に示すように変動パターン設定処理では、まず、対象の領域から後半変動番号をロードし(ステップA391)、後半変動番号がリーチなし変動の番号かをチェックする(ステップA392)。
そして、リーチなし変動である場合(ステップA393;Yes)は、前半変動選択テーブル1(リーチなし用)を準備し(ステップA394)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA396)。また、リーチなし変動でない場合(ステップA393;No)は、前半変動選択テーブル2(リーチ用)を準備し(ステップA395)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA396)。その後、振り分け処理を行い(ステップA397)、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得して準備し(ステップA398)、変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、変動パターン乱数3に基づきリーチ状態となるまでの前半変動の変動態様が選択される。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA329)の詳細について説明する。図44に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA401)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA402)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA403)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA404)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA405)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップ406)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA407)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA408)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA409)、コマンド設定処理を行う(ステップA410)。
次に、飾り特図コマンド領域から図柄情報コマンドをロードして準備し(ステップA411)、コマンド設定処理を行う(ステップA412)。その後、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA413)、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定して(ステップA414)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(ステップA415)。そして、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA416)、コマンド設定処理を行う(ステップA417)。その後、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA418)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップA419)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定され、後に演出制御装置300に送信されることとなる。事前判定時は変動パターン乱数1の値をそのまま演出制御装置300に送信したが、変動開始時は遊技制御装置100で変動パターン乱数に基づく詳細な変動パターンを決定し、判定後の変動パターン情報(番号)を演出制御装置300に送信するようにしている。すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、前記変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図45に示すように、特図表示中処理では、まず、特図変動開始処理における大当りフラグ設定処理にて設定された大当りフラグ1、2をロードして(ステップA501)、大当りフラグ1、2領域をクリアする処理(ステップA502)を行う。なお、大当りフラグ1は、第1始動記憶を対象に大当りフラグ設定処理を行った場合にはずれ情報又は大当り情報が設定され、大当りフラグ2は、第2始動記憶を対象に大当りフラグ設定処理を行った場合にはずれ情報又は大当り情報が設定される。
そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかをチェックして(ステップA503)、特図2が大当りである(ステップA504;Yes)と判定すると、特図2大当り(特別遊技状態)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA508)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行う。一方、ステップA504にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA504;No)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかをチェックする(ステップA505)。そして、大当りである(ステップA506;Yes)と判定すると、特図1大当り(特別遊技状態)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA507)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA510)。続けて、ラウンド数上限値情報対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA511)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA512)、コマンド設定処理(ステップA513)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA514)、コマンド設定処理(ステップA515)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する図柄情報コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA516)、コマンド設定処理(ステップA517)を行う。
次に、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA518)、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA519)、大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA520)。その後、大入賞口不正入賞数をリセットした後(ステップA521)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA522)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA523)を行い、特図表示中処理を終了する。この処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り確率変動回数及び時短変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA506にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA506;No)と判定すると、変動回数更新処理(ステップA528)を行い、特図表示中処理を終了する。
〔変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における変動回数更新処理(ステップA528)の詳細について説明する。図46に示すように、変動回数更新処理では、まず、確率変動(高確率状態)中であるかを判定する(ステップA531)。確率変動中である場合(ステップA531;Yes)は、確率変動回数を−1更新し(ステップA532)、確率変動回数が0であるかを判定する(ステップA533)。なお、確率変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数に合わせて初期値(ここでは127)が設定される。
この確率変動回数が0である場合(ステップA533;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで高確率状態が終了する場合は、確変終了時の確率情報コマンド(低確)を準備し(ステップA534)、コマンド設定処理を行う(ステップA535)。その後、低確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA536)、低確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA537)。
そして、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA538)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA539)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(ステップA540)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA541)、変動回数更新処理を終了する。
一方、確率変動中でない場合(ステップA531;No)や、確率変動回数が0でなく(ステップA533;No)次回の特図変動表示ゲームでも高確率状態が継続する場合は、普電サポートあり(時短状態中)であるかを判定する(ステップA542)。そして、普電サポートありでない場合(ステップA542;No)は、変動回数更新処理を終了する。また、普電サポートありである場合(ステップA542;Yes)は、時短変動回数を−1更新し(ステップA543)、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップA544)。
時短変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、時短状態となる特図変動表示ゲームの実行回数に合わせて初期値(ここでは70又は127)が設定される。この時短変動回数が0でない場合(ステップA544;No)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、変動回数更新処理を終了する。また、時短変動回数が0である場合(ステップA544;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短終了時の確率情報コマンド(サポ無し高確or低確)を準備し(ステップA545)、コマンド設定処理を行う(ステップA546)。これにより時短状態が終了する。
その後、確率変動中であるかを判定し(ステップA547)、確率変動中である場合(ステップA547;Yes)は、変動回数更新処理を終了する。また、確率変動中でない場合(ステップA547;No)は、ステップA536以下の処理を行う。以上の処理により、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行することにより高確率状態から通常確率状態に移行するようになる。また、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行することにより時短状態が終了して通常遊技状態に移行するようになる。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図47に示すように、大当り終了処理では、まず、高確での大当りであるか、すなわち今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果が高確率状態で発生したものかを判定する(ステップA551)。高確での大当りである場合(ステップA551;Yes)は、高確となる大当りであるか、すなわち特別遊技状態の終了後に高確率状態となる特別結果であるかを判定する(ステップA552)。
そして、高確となる大当りである場合(ステップA552;Yes)は、高確大当り継続回数を+1更新し(ステップA553)、継続回数が上限値(ここでは10)に達したかを判定する(ステップA555)。また、高確での大当りでない場合(ステップA551;No)や高確となる大当りでない場合(ステップA552;No)は、高確大当り継続回数に1をセットし(ステップA554)、継続回数が上限値(ここでは10)に達したかを判定する(ステップA555)。
継続回数が上限値に達していない場合(ステップA555;No)は、大当り前の遊技状態と大当り図柄情報から分岐ポインタを算出し(ステップA556)、分岐ポインタによる分岐処理(ステップA559)を行う。また、継続回数が上限値に達した場合(ステップA555;Yes)は、高確大当り継続回数をリセットし(ステップA557)、分岐ポインタに0をセットして(ステップA558)、分岐ポインタによる分岐処理(ステップA559)を行う。すなわち、高確率状態において特別遊技状態の終了後に高確率状態となる特別結果が連続して10回発生した場合は、当該10回目の特別結果の種類にかかわらず、特別遊技状態の終了後は通常確率状態かつ通常動作状態となるようにされている。
分岐ポインタが0である場合は大当り終了設定処理1(ステップA560)を行う。この場合は、高確率状態において第1特図変動表示ゲームで4R通常Bの特別結果が導出された場合又は、高確率状態において特別遊技状態の終了後に高確率状態となる特別結果が連続して10回発生した場合であって、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となるとともに時短状態ならない場合である。
分岐ポインタが1である場合は大当り終了設定処理2(ステップA561)を行う。この場合は通常確率状態において第1特図変動表示ゲームで4R通常Bの特別結果が導出された場合又は確率状態にかかわらず第2特図変動表示ゲームで4R通常Aの特別結果が導出された場合であって、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となるとともに時短状態となる場合である。
分岐ポインタが2である場合は大当り終了設定処理3(ステップA562)を行う。この場合は通常確率状態において第1特図変動表示ゲームで4R確変Bの特別結果が導出された場合であって、特別遊技状態の終了後に高確率状態となるとともに時短状態とならない場合である。
分岐ポインタが3である場合は大当り終了設定処理4(ステップA563)を行う。この場合は通常確率状態において第1特図変動表示ゲームで15R確変もしくは4R通常Aの特別結果が導出された場合、高確率状態において第1特図変動表示ゲームで15R確変、4R通常Aもしくは4R確変Bの特別結果が導出された場合、又は、確率状態にかかわらず第2特図変動表示ゲームで15R確変もしくは4R通常Aの特別結果が導出された場合であって、特別遊技状態の終了後に高確率状態となるとともに時短状態となる場合である。
大当り終了設定処理1から4の何れかを行った後、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA564)、コマンド設定処理(ステップA565)を行う。確率情報コマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、この情報に基づき演出状態を設定する。そして、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」をセーブし(ステップA566)、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA567)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA568)。さらに、確率変動判定フラグ領域をリセットし(ステップA569)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA570)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図48には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA560)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、低確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA581)、低確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA582)。
次に、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA583)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA584)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(ステップA585)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップA586)。その後、時短変動回数領域をリセットして(ステップA587)、大当り終了設定処理1を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となり、時短状態とならない。
〔大当り終了設定処理2〕
図49には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA561)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA591)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA592)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA593)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA594)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブし(ステップA595)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(ステップA596)。その後、時短変動回数領域に時短変動回数(ここでは70)をセーブして(ステップA597)、大当り終了設定処理2を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。
〔大当り終了設定処理3〕
図50には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理3(ステップA562)を示した。この大当り終了設定処理3では、まず、潜伏確変の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA601)、潜伏確変の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA602)。
次に、遊技状態表示番号領域に潜伏確変の番号をセーブし(ステップA603)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA604)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA605)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブする(ステップA606)。その後、確率変動回数領域に確率変動回数(ここでは127)をセーブし(ステップA607)、時短変動回数領域をリセットして(ステップA608)、大当り終了設定処理3を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となり、時短状態とならない。
〔大当り終了設定処理4〕
図51には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理4(ステップA563)を示した。この大当り終了設定処理4では、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA611)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA612)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA613)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA614)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短フラグをセーブし(ステップA615)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(ステップA616)。その後、確率変動回数領域に確率変動回数(ここでは127)をセーブし(ステップA617)、時短変動回数領域に時短変動回数(ここでは70or127)をセーブして(ステップA618)、大当り終了設定処理4を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となり時短状態となる。
以上のことから、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後における変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を、当該特別遊技状態の発生の契機となった特別結果の種類に基づき通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定する確率設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に通常遊技状態よりも始動条件の成立を容易化する特定遊技状態(時短状態)を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段をなす。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図52に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、CPUの初期化やRAMの初期値設定、乱数の初期化等を行う各種初期化処理を行う(ステップB12)。そして、各種割込みのタイマを起動して(ステップB13)、割込みを許可する(ステップB14)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB15)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB16)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB17)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB17)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB18)を行う。このテストモード処理(ステップB18)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB19)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB19)の詳細については後述する。次に、客待ち画面(デモ表示)で表示する告知表示の情報の入力や記憶を行う告知表示情報入力処理(ステップB20)を行う。その後、自遊技機が統括制御遊技機(MASTER)に設定されている場合に各種情報の設定及び外部通信の設定を行うMASTER(親機)処理(ステップB21)を行い、自遊技機が従属制御遊技機(SLAVE)に設定されている場合に各種情報の設定及び外部通信の設定を行うSLAVE(子機)処理(ステップB22)を行う。
そして、遊技制御装置100からの報知コマンドに基づき自遊技機で発生したイベントに関する報知を開始するための情報設定を行う内部イベント報知開始処理(ステップB23)を行い、遊技制御装置100からの報知終了コマンドに基づき自遊技機で発生したイベントに関する報知を終了するための情報設定を行う内部イベント報知終了処理(ステップB24)を行う。さらに、他遊技機から受信した報知情報に基づき他遊技機で発生したイベントに関する報知を開始するための情報設定を行う外部イベント報知開始処理(ステップB25)を行い、他遊技機から受信した報知終了情報に基づき他遊技機で発生したイベントに関する報知を終了するための情報設定を行う外部イベント報知終了処理(ステップB26)を行う。なお、内部、外部イベントの報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB27)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB28)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB29)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB30)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB31)を行い、無線通信回路350により他遊技機10との通信を行う外部通信処理(ステップB32)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB15)に戻る。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図53に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB41)を行い、RAMを0クリアして(ステップB42)、RAMの初期値を設定する(ステップB43)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB44)を行い、各種割込みを許可する(ステップB45)。さらに、各種制御処理の初期化処理(ステップB46)を行い、画面描画を許可する(ステップB47)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB48)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB49)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB49)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB49;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップB50)。
その後、受信コマンドチェック処理(ステップB51)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB51)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB52)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB52)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置41に表示する処理を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB53)を行う。背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン等に応じた背景を表示する処理を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理である変動表示処理(ステップB54)を行い、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の設定を行う保留表示処理(ステップB55)を行う。保留表示処理では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づき、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる事前演出(先読み演出)の表示に関する処理も行う。
さらに、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB56)を行う。客待ちデモ処理では、キャラクタや映像等を表示する客待ち画面の設定に関する処理や、客待ち画面に表示する告知表示の設定に関する処理等を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB57)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB48)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
図54には、図52に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB19)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB68)を行う。また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB69)を行う。この変動中処理(ステップB69)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB70)を行う。この図柄停止処理(ステップB70)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB71)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB72)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB73)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理である大当りエンディング処理(ステップB74)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB75)を行い、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う飾り特図コマンド受信処理(ステップB76)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)に基づく処理を行う事前判定コマンド受信処理(ステップB77)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づき、対応する値を内部設定するとともに背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)312に送信する処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB78)を行って1stシーン制御処理を終了する。
演出制御装置300は、客待ち状態中に表示される客待ち画面において、図55(a)に示すように告知表示41aを行うことが可能となっている。この告知表示41aの表示内容は、遊技場の店員が演出ボタン25の所定の操作を行うことで図55(b)に示す入力情報選択案内表示を表示させることにより設定可能となる。本実施形態の遊技機で設定可能な表示内容は、店名情報、イベント情報1及びイベント情報2の3種類の情報となっている。
演出ボタン25は、上下左右への移動を入力可能な選択ボタンと、決定の意思を入力可能な決定ボタンと、主に遊技の演出で用いる枠ボタンとを有している。そして、図55(a)に示す状態で選択ボタンと決定ボタンを長押しすることで、図55(b)に示す選択画面に移行するようになっている。図55(b)に示す入力情報選択案内表示では、選択ボタンにより入力する告知情報の種類にカーソルを移動させて決定ボタンを押下することで、入力する告知情報を選択できるようになっている。
図55(c)から(e)に示すように、各告知情報は予め設定された入力フォーマットに情報を入力するようになっている。図55(c)に示すように店名情報は14文字の情報を入力可能であり、入力された店名は告知表示41aにおいて「本日は(店名)にようこそ!」と表示される。また、図55(d)に示すようにイベント情報1は曜日と6文字のイベント名の情報を入力可能であり、図55(e)に示すようにイベント情報2は日にちと6文字のイベント名の情報を入力可能である。
図56には各告知情報の入力を選択した場合の入力案内画面を示した。図56(a)は店名の入力を選択した場合、図56(b)はイベント情報1の入力を選択した場合、図56(c)はイベント情報2の入力を選択した場合である。この入力案内画面では、画面の上部に入力を選択した告知情報の入力フォーマットが表示される。また画面の下部には入力可能な文字が表示され、選択ボタンにより入力したい文字にカーソルを合わせて決定ボタンを押下することで選択した文字が入力されるようになっている。
図57には、入力案内画面における入力の一例を示した。この例ではイベント情報1の入力例を示している。入力は入力フォーマットにおける左側の入力欄から行われ、図57(a)に示すように選択ボタンを操作してカーソルを「水」に合わせ、図57(b)に示すように決定ボタンを押下することで「水」の文字が入力される。文字を入力することで入力対象の欄が順次右に移動するようになっており、選択ボタンと決定ボタンの操作により文字を入力することで、図57(c)に示すように「甘釘」の文字が入力されている。入力が済んだ場合は、図57(d)に示すようにカーソルを「確定」に合わせ、図57(e)に示すように決定ボタンを押下することで、入力した文字が確定されて入力案内画面から図55(b)に示す入力情報選択案内表示に戻る。
〔告知表示情報入力処理〕
以上のような制御を行うため、図52に示す1stメイン処理における告知表示情報入力処理(ステップB20)において図58に示す処理を行う。この告知表示情報入力処理では、まず、客待ち状態中であるかを判定する(ステップB81)。そして、客待ち状態中でない場合(ステップB81;No)は、選択ボタンと決定ボタンの長押し操作の時間を計時する操作継続タイマをリセットし(ステップB93)、告知表示情報入力処理を終了する。また、客待ち状態中である場合(ステップB81;Yes)は、図57に示した入力案内画面が表示された告知表示情報入力中であるかを判定する(ステップB82)。
告知表示情報入力中である場合(ステップB82;Yes)は、告知情報入力受付処理(ステップB92)を行い、告知表示情報入力処理を終了する。また、告知表示情報入力中でない場合(ステップB82;No)は、図56(b)に示した入力情報選択案内表示が表示された入力情報選択中であるかを判定する。入力情報選択中である場合(ステップB83;Yes)は、入力する告知情報の選択があるかの判定(ステップB89)を行う。また、入力情報選択中でない場合(ステップB83;No)は、選択ボタンと決定ボタンの操作が行われているかをチェックする(ステップB84)。
選択ボタンと決定ボタンの操作が行われていない場合(ステップB85;No)は、選択ボタンと決定ボタンの長押し操作の時間を計時する操作継続タイマをリセットし(ステップB93)、告知表示情報入力処理を終了する。また、選択ボタンと決定ボタンの操作が行われている場合(ステップB85;Yes)は、操作継続タイマを+1更新し(ステップB86)、継続タイマが上限値に達したかを判定する(ステップB87)。
継続タイマが上限値に達していない場合(ステップB87;No)は、告知表示情報入力処理を終了する。また、継続タイマが上限値に達した場合(ステップB87;Yes)、すなわち選択ボタンと決定ボタンを所定時間長押しした場合は、入力情報選択案内表示をセットし(ステップB88)、入力する告知情報の選択があるかの判定(ステップB89)を行う。
そして、入力する告知情報の選択がない場合(ステップB89;No)は、告知表示情報入力処理を終了する。また、入力する告知情報の選択がある場合(ステップB89;Yes)は、選択情報に対応する入力フォーマットをセットし(ステップB90)、選択情報に対応する入力案内画面を表示する(ステップB91)。その後、告知情報入力受付処理(ステップB92)を行い、告知表示情報入力処理を終了する。なお、入力する告知情報の選択として入力情報選択案内表示の終了が選択された場合(「EXIT」が選択された場合)は、入力情報選択案内表示を終了して告知表示情報入力処理を終了する。
〔告知情報入力受付処理〕
図59には、上述の告知表示情報入力処理における告知情報入力受付処理を示した。この告知情報入力受付処理では、まず、選択規制がセット済であるかを判定する(ステップB101)。選択規制とは、入力フォーマットにおいて入力できる文字を規制するものであり、例えば、イベント情報1における曜日の入力欄では「月、火、水、木、金、土、日」の文字のみ入力できるように規制する。
この選択規制がセット済である場合(ステップB101;Yes)は、選択ボタンの操作による選択入力があるかを判定する(ステップB103)。また、選択規制がセット済でない場合(ステップB101;No)は、フォーマット情報から入力カウンタに対応する選択規制をセットし(ステップB102)、選択ボタンの操作による選択入力があるかを判定する(ステップB103)。なお、入力カウンタは入力フォーマットにおける入力位置を示すカウンタである。
選択ボタンの操作による選択入力がない場合(ステップB103;No)は、決定ボタンの操作による決定入力があるかを判定する(ステップB105)。また、選択ボタンの操作による選択入力がある場合(ステップB103;Yes)は、選択カーソルを移動し(ステップB104)、決定ボタンの操作による決定入力があるかを判定する(ステップB105)。
そして、決定ボタンの操作による決定入力がない場合(ステップB105;No)は、告知情報入力受付処理を終了する。また、決定ボタンの操作による決定入力がある場合(ステップB105;Yes)は、カーソルを「確定」に合わせて決定ボタンを操作することによる確定入力があるかを判定する(ステップB106)。この確定入力がある場合(ステップB106;Yes)は、作成された告知情報データを登録して(ステップB107)、告知情報入力受付処理を終了する。これにより、遊技場に固有の固有表示データが記憶される。
また、確定入力がない場合(ステップB106;No)は、カーソルを文字以外に合わせて決定ボタンを操作することによる文字入力以外であるかを判定する(ステップB108)。文字入力以外である場合(ステップB108;Yes)は、対応する処理を実行し(ステップB110)、入力カウンタを更新して(ステップB111)、告知情報入力受付処理を終了する。文字入力以外の入力とは、例えば1文字削除する機能である「1字削」の入力があった場合で、この場合は入力された文字を1文字削除し、入力カウンタを−1更新する。また、拗音や促音を表示するための機能である「小文字」の入力があった場合は、一つ前に入力された文字を小文字にし、入力カウンタは増減させない。
文字入力以外でない場合(ステップB108;No)は、選択規制された文字以外であるかを判定する(ステップB109)。そして、選択規制された文字以外である場合(ステップB109;Yes)は、入力対象の告知情報データに文字データを追加し(ステップB112)、入力カウンタを+1更新して(ステップB113)、告知情報入力受付処理を終了する。また、選択規制された文字以外でない場合(ステップB109;No)は、エラー音を出力し(ステップB114)、告知情報入力受付処理を終了する。
以上の処理により、遊技機に表示装置41に表示させる複数の表示データとして客待ち画面に表示する告知表示情報が入力され、表示データ記憶手段(演出制御装置300)に記憶されることとなる。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームが実行されていない客待ち状態中において表示装置41に表示させる、遊技場に固有の固有表示データの入力操作を受け付ける操作受付手段をなす。また、演出制御装置300が、操作受付手段が受け付けた入力操作に対応する固有表示データを所定のデータ数の範囲内で表示データ記憶手段に設定記憶させることが可能な固有表示データ設定手段をなす。
また本実施形態の遊技機は、MASTER(親子)設定スイッチ355により遊技機の属性を統括制御遊技機(属性マスター)と従属制御遊技機(属性スレーブ)の何れかに設定可能である。統括制御遊技機は、無線通信回路350により無線通信可能な遊技機のうち同一機種の台数を把握して、客待ち画面に表示する告知表示41aの設定や演出モードの設定を行う。そして、これらの情報を従属制御遊技機に対して送信し、従属制御遊技機は統括制御遊技機から受信した情報に基づき告知表示41aの設定や演出モードの設定を行う。
〔MASTER(親機)処理〕
図60には、図52に示す1stメイン処理におけるMASTER(親機)処理を示した。このMASTER(親機)処理では、まず、MASTER(親子)設定スイッチの設定がMASTER(親)設定であるかを判定し(ステップB121)、MASTER(親)設定でない場合(ステップB121;No)は、MASTER(親機)処理を終了する。また、MASTER(親)設定である場合(ステップB121;Yes)は、台数特定条件が成立したかを判定する(ステップB122)。
台数特定条件は、電源投入後に始めてMASTER(親機)処理を行った場合、RTC(リアルタイムクロック)356により計時される現在時刻が営業時間設定スイッチ354で設定された営業時間の開始5分前である場合又は所定の時間になった場合などに成立する。この台数特定条件が成立した場合(ステップB122;Yes)は、同一機種に対する応答要求(台番号含む)を外部通信バッファにセットする(ステップB123)。その後、応答待機タイマ(例えば30秒)をセットし(ステップB124)、同一機種に対する応答要求に対する応答待機中であるかを判定する(ステップB125)。また、台数特定条件が成立していない場合(ステップB122;No)は、同一機種に対する応答要求に対する応答待機中であるかを判定する(ステップB125)。
同一機種に対する応答要求に対する応答待機中でない場合(ステップB125;No)は、MASTER(親機)処理を終了する。また、同一機種に対する応答要求に対する応答待機中である場合(ステップB125;Yes)は、要求応答があるかを判定する(ステップB126)。
要求応答がない場合(ステップB126;No)は、応答待機タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップB129)また、要求応答がある場合(ステップB126;Yes)は、要求応答台との通信強度と台番号とを紐付けて応答リストに追加する(ステップB127)。その後、同一機種台数カウンタを+1更新し(ステップB128)、応答待機タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップB129)。
応答待機タイマがタイムアップしていない場合(ステップB130;No)は、MASTER(親機)処理を終了する。また、応答待機タイマがタイムアップした場合(ステップB130;Yes)は、同一機種台数カウンタに基づき同一機種台数を確定し(ステップB131)、告知情報の表示量を設定する告知表示情報設定処理(ステップB132)を行う。そして、演出モードを設定する演出モード設定処理(ステップB133)を行い、MASTER(親機)処理を終了する。
以上の処理により、MASTER(親機)設定された遊技機が、自遊技機以外に同一機種(同一属性の遊技機)が何台あるかを把握することができる。すなわち、演出制御装置300が、同一属性の遊技機の属性マスターであることを設定するためのマスター設定手段をなす。また、演出制御装置300が、情報通信手段(無線通信回路350)を介して他の遊技機10と情報通信を行うことで、本遊技機10と同一属性の遊技機の設置数を特定可能な設置数特定手段をなす。
〔告知表示情報設定処理〕
図61には、図60に示すMASTER(親機)処理における告知表示情報設定処理を示した。この告知表示情報設定処理では、まず、告知設定テーブルから同一機種カウンタに応じた告知量を取得する(ステップB141)。図62に示すように告知設定テーブルには、同一機種台数カウンタの値と設定される告知量が設定されている。同一機種台数カウンタの値が0から2の場合は告知量として1が設定され、客待ち画面において表示可能な告知表示41aが店名情報のみとなる。また、同一機種台数カウンタの値が3から5の場合は告知量として2が設定され、客待ち画面において表示可能な告知表示41aが店名情報とイベント情報1となり、同一機種台数カウンタの値が6以上の場合は告知量として3が設定され、客待ち画面において表示可能な告知表示41aが店名情報、イベント情報1、イベント情報2となる。すなわち、同一機種の設置数が多いほど表示されるデータの制限が緩和されるようになっている。
そして、取得した告知量と応答リストの台番号から告知設定要求を生成し(ステップB142)、告知設定要求を外部通信バッファにセットする(ステップB143)。この告知設定要求は、後に従属制御遊技機に設定された同一機種の遊技機に送信され、従属制御遊技機ではこの情報に基づき告知表示41aの告知量を設定する。なお、告知設定要求に、入力された告知情報(固有表示データ)を含めて送信しても良い、このようにすれば、従属制御遊技機において告知情報の入力が不要となる。
その後、自遊技機の設定として、同一機種台数カウンタに応じた告知表示対象を特定し(ステップB144)、特定した告知表示対象をデモ(客待ち)画面時の表示情報に設定して(ステップB145)、告知表示情報設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、設置数特定手段(演出制御装置300)により特定された設置数に基づき、表示データ表示手段(演出制御装置300)が表示に用いる表示データを制限することが可能なデータ制限手段をなす。また、演出制御装置300が、客待ち状態中において表示データ表示手段(演出制御装置300)が表示する固有表示データのデータ数を制限することが可能な表示データ数制限手段をなす。
図63には、客待ち画面における告知表示41aの表示態様を示した。同一機種設置台数が1から3台の場合は、図63(a)に示すように告知表示41aは店名情報のみが表示される。また、同一機種設置台数が4から6台の場合は、図63(b)に示すように告知表示41aは店名情報とイベント情報1が表示される。同一機種設置台数が7台以上の場合は、図63(c)に示すように告知表示41aは店名情報、イベント情報1及びイベント情報2が表示される。表示される告知表示41aは、表示数に応じて表示画面の上下中心である基準ラインを中心として表示されるように調整される。また、表示される告知表示41aが2以上である場合は、それぞれの告知表示41aが見やすいようにスクロールの開始位置を少しずつずらして表示する。これにより、複数の固有表示データを効率よく遊技者に視認させることが可能となる。なお、告知情報が未入力である場合は、同一機種設置台数の数にかかわらず図63(d)に示すように告知表示41aとして予め設定された情報である「本日は当店にようこそ!」の表示が表示される。
このように設置数に応じて告知表示41aの表示数を増加させることで、表示装置41の表示内容に変化を与えることが可能となる。また、同一属性の遊技機を複数購入してもらうための購買意欲をそそることができる。なお、同一属性の遊技機の設置数として同一機種の遊技機の設置数をカウントするようにしたが、同一属性の遊技機の設置数として同一メーカーの遊技機の設置数をカウントするようにしても良い。この場合でも遊技機の販促機能として成り立つ。
〔演出モード設定処理〕
図64には、図60に示すMASTER(親機)処理における演出モード設定処理を示した。この演出モード設定処理では、まず、演出モードが設定済であるかを判定する(ステップB151)。演出モードには、演出モード1(バトル演出モード)、演出モード2(ミッション演出モード)、演出モード3(ストーリー演出モード)、演出モード4(シリアス演出モード)の4種類がある。各演出モードは表示される背景の種類やキャラクタの種類、変動表示ゲームの実行態様等が異なっており、この演出モードのうち何れかの演出モードが設定されるようになっている。また、各演出モードには、遊技モード(通常状態、時短状態、潜伏状態、確変状態、図20参照)に応じた背景の種類やキャラクタの種類、変動表示ゲームの実行態様等が含まれ、通常状態と潜伏状態を類似の演出とし、時短状態と確変状態を類似の演出とすることで、遊技の演出から確率状態を認識することを困難としている。この複数の演出モードにそれぞれ対応付けられた複数の演出表示データ(背景の種類やキャラクタの種類、変動表示ゲームの実行態様等)も、表示装置41に表示させる複数の表示データを記憶する表示データ記憶手段(演出制御装置300)に記憶されている。
この演出モードが設定済である場合(ステップB151;Yes)は、モード変更条件1が成立したかを判定する(ステップB157)。また、演出モードが設定済でない場合(ステップB151;No)は、演出モード設定テーブル1から同一機種台数カウンタに応じた設定情報を取得する(ステップB152)。なお、電源投入後、初めて演出モード設定処理を行う場合は演出モードが設定されていない状態となっている。
そして、自己設定情報に基づき演出モードを設定し(ステップB153)、他機設定情報と応答リスト内容に基づきモード設定要求を生成して(ステップB154)、モード設定要求を外部通信バッファにセットする(ステップB155)。このモード設定要求は、後に従属制御遊技機に設定された同一機種の遊技機に送信され、従属制御遊技機ではこの情報に基づき演出モードを設定する。その後、使用する演出モード設定テーブルを指定するテーブル選択カウンタを+1更新し(ステップB156)、モード変更条件1が成立したかを判定する(ステップB157)。
図65(a)に示すように演出モード設定テーブル1には、同一機種台数カウンタ値に応じて自遊技機で設定可能な演出モードの情報である演出モード自己設定情報と、他遊技機で設定可能な演出モードの情報である演出モード他機設定情報が設定されている。なお、図65に示す演出モード設定テーブルにおいて、自己設定情報や他機設定情報に「選択」と記載されている場合は、遊技者が何れかの演出モードを選択可能となるパターンである。この場合、デフォルトの演出モードとしては番号が若い演出モードが設定される。
例えば、同一機種台数カウンタ値が1である場合は、自遊技機で演出モード1と2の何れかを遊技者が選択可能とし、他遊技機に対しては演出モード2と3の何れかを遊技者が選択可能とする旨のモード設定要求を設定する。また、同一機種台数カウンタ値が3である場合は、自遊技機で演出モード1を設定する。そして、他遊技機に対しては自遊技機との通信強度の相対的な比較結果に応じて、通信強度大の遊技機には演出モード2を設定する旨のモード設定要求を設定し、通信強度中の遊技機には演出モード3を設定する旨のモード設定要求を設定し、通信強度小の遊技機には演出モード1を設定する旨のモード設定要求を設定する。この場合、遊技者は演出モードを選択できない。
図64に戻り、モード変更条件1が成立したかの判定(ステップB157)では、モード変更条件1の成立としてRTC(リアルタイムクロック)356で計時される時間が予め設定された時間となったかを判定する。このモード変更条件1は遊技の結果とは関連がない条件である。モード変更条件1が成立した場合(ステップB157;Yes)は、テーブル選択カウンタに対応する演出モード選択テーブルを設定する(ステップB158)。そして、自己設定情報に基づき演出モードを設定し(ステップB160)、他機設定情報と応答リスト内容に基づきモード設定要求を生成して(ステップB161)、モード設定要求を外部通信バッファにセットする(ステップB162)。その後、テーブル選択カウンタを+1更新し(ステップB163)、演出モード設定処理を終了する。
すなわち、モード変更条件1の成立により自遊技機や他遊技機の演出モードが再設定される。このとき、使用する演出モード設定テーブルを指定するテーブル選択カウンタの値が更新されるので、次回の演出モードの再設定の際には今回の演出モードの再設定の際に用いた演出モード選択テーブルとは異なる演出モード選択テーブルが用いられるようになる。特に、設置台数が特定数(ここで2から6台)の場合は、図65に示すように演出モード選択テーブルの変更により、各遊技機の演出モードが現在の演出モードとは異なる演出モードに変更されることとなる。
一方、モード変更条件1が成立していない場合(ステップB157;No)は、所定条件が成立したかを判定する(ステップB164)。所定条件とは遊技の結果に関連する条件であって、ここでは大当りの発生や変動表示ゲームの実行回数が所定回数となった場合、特定のリーチが発生した場合である。なお、このうち何れか一つの条件としても良いし、これ以外の条件を含んでいても良い。この所定条件が成立していない場合(ステップB164;No)は、演出モード設定処理を終了する。また、所定条件が成立した場合(ステップB164;Yes)は、成立カウンタを+1更新し(ステップB165)、成立カウンタの値がモード変更条件2を成立させるかをチェックする(ステップB166)。
成立カウンタの値がモード変更条件2を成立させない場合(ステップB167;No)は、演出モード設定処理を終了する。また、成立カウンタの値がモード変更条件2を成立させる場合(ステップB167;Yes)は、特別演出モード(演出モード4)を設定し(ステップB168)、成立カウンタをリセットして(ステップB169)、演出モード設定処理を終了する。
以上の処理により、遊技機の電源投入時に同一機種の台数に応じて自遊技機と他遊技機の演出モードが設定され、同一属性の遊技機の設置数によって表示装置41に表示される演出表示データが変化し、遊技場に特有の演出表示を行うことが可能となる。また、他店との差別化を図ることも可能となる。特に、設置数が特定数(ここでは2から6台)である場合には、それぞれの遊技機で異なる演出表示が行われることになるため、多くの演出表示を楽しみたい場合にそれぞれの遊技機で遊技を行うことになり、遊技機の稼動の向上に繋がる。
また、予め設定された時間となった場合に、変更された演出モード設定テーブルを用いて自遊技機や他遊技機の演出モードが再設定され、設置台数に対応する他の演出モードになるので、表示演出を変化させて遊技者が飽きないようにすることができる。また、同一の台を特定の遊技者が独占していたとしても、他の遊技者にも様々な演出表示を楽しんでもらうことが可能となる。さらに、遊技の結果に関連する条件の成立が所定回数発生した場合には、自遊技機の演出モードとして通常は選択されない特別演出モード(演出モード4)が設定される。これにより、特別演出モードを発生させるために遊技を継続するようになり、遊技機の稼働率を高めることができる。この特別演出モードは、予め設定された時間となることによる演出モードの更新により終了することとなり、特別演出モードとなる期間は自遊技機の特図変動表示ゲームの実行結果次第により変化する。
すなわち、演出制御装置300が、設置数特定手段(演出制御装置300)により特定された設置数に基づき、変動表示ゲームの演出を異ならせるための複数の演出モードの何れかを設定可能な演出モード設定手段をなす。また、演出制御装置300が、属性マスターであるか否かに拘らずに、本遊技機の複数の演出モードの何れかを設定する第1演出モード設定手段をなす。また、演出制御装置300が、属性マスターであることを条件に、情報通信手段(無線通信回路350)を介して同一属性の他の遊技機に演出モードを設定させることが可能な第2演出モード設定手段をなす。また、演出制御装置300が、変動表示ゲームを実行可能な通常状態中(客待ち状態中でなく特別遊技状態中でもない状態)において表示データ表示手段(演出制御装置300)が表示に用いる演出表示データを制限するデータ使用制限手段をなす。
〔SLAVE(子機)処理〕
図66には、図52に示す1stメイン処理におけるSLAVE(子機)処理を示した。このSLAVE(子機)処理では、まず、MASTER(親子)設定スイッチの設定がSLAVE(子)設定であるかを判定し(ステップB171)、SLAVE(子)設定でない場合(ステップB171;No)は、SLAVE(子機)処理を終了する。また、SLAVE(子)設定である場合(ステップB171;Yes)は、MASTER(親機)設定された遊技機が自遊技機と同一機種の遊技機を検索する応答要求を受信したかを判定する(ステップB172)。
応答要求を受信していない場合(ステップB172;No)は、告知設定要求を受信したかを判定する(ステップB176)。また、応答要求を受信した場合(ステップB172;Yes)は、応答要求情報に含まれる機種情報と同一機種であるかをチェックする(ステップB173)。そして、応答要求情報に含まれる機種情報と同一機種でない場合(ステップB174;No)は、告知設定要求を受信したかを判定する(ステップB176)。また、応答要求情報に含まれる機種情報と同一機種である場合(ステップB174;Yes)は、要求元に対する要求応答(台番号含む)を外部通信バッファにセットし(ステップB175)、告知設定要求を受信したかを判定する(ステップB176)。
告知設定要求を受信したかの判定(ステップB176)では、MASTER(親機)設定された遊技機が同一機種の台数に応じて設定した客待ち画面において表示可能な告知表示41aの数を他遊技機に送信する告知設定要求を受信したかを判定する。この告知設定要求を受信していない場合(ステップB176;No)は、モード設定要求を受信したかを判定する(ステップB181)。また、告知設定要求を受信した場合(ステップB176;Yes)は、告知設定要求に含まれる機種情報と同一機種かをチェックする(ステップB177)。
そして、告知設定要求に含まれる機種情報と同一機種でない場合(ステップB178;No)は、モード設定要求を受信したかを判定する(ステップB181)。また、告知設定要求に含まれる機種情報と同一機種である場合(ステップB178;Yes)は、告知設定テーブルから告知設定要求に対応する告知表示を特定する(ステップB179)。その後、特定した告知表示をデモ(客待ち)画面時の表示情報に設定し(ステップB180)、モード設定要求を受信したかを判定する(ステップB181)。
モード設定要求を受信したかの判定(ステップB181)では、MASTER(親機)設定された遊技機が同一機種の台数に応じて設定した選択可能な演出モードの情報であるモード設定要求を受信したかを判定する。このモード設定要求を受信していない場合(ステップB181;No)は、所定条件が成立したかを判定する(ステップB185)。また、モード設定要求を受信した場合(ステップB181;Yes)は、モード設定要求に含まれる機種情報と同一機種かをチェックする(ステップB182)。
そして、モード設定要求に含まれる機種情報と同一機種でない場合(ステップB183;No)は、所定条件が成立したかを判定する(ステップB185)。また、モード設定要求に含まれる機種情報と同一機種である場合(ステップB183;Yes)は、モード設定テーブルからモード設定要求に対応する演出モードを設定し(ステップB184)、所定条件が成立したかを判定する(ステップB185)。
所定条件が成立したかの判定(ステップB185)では、大当りの発生や変動表示ゲームの実行回数が所定回数となった場合、特定のリーチが発生した場合などの遊技の結果に関連する条件が成立したかを判定する。なお、このうち何れか一つの条件としても良いし、これ以外の条件を含んでいても良い。この所定条件が成立していない場合(ステップB185;No)はSLAVE(子機)処理を終了する。また、所定条件が成立した場合(ステップB185;Yes)は、成立カウンタを+1更新し(ステップB186)、成立カウンタの値がモード変更条件2を成立させるかをチェックする(ステップB187)。
成立カウンタの値がモード変更条件2を成立させない場合(ステップB188;No)は、SLAVE(子機)処理を終了する。また、成立カウンタの値がモード変更条件2を成立させる場合(ステップB188;Yes)は、特別演出モード(演出モード4)を設定し(ステップB189)、成立カウンタをリセットして(ステップB190)、SLAVE(子機)処理を終了する。
以上の処理により、SLAVE(子機)設定された遊技機は、MASTER(親機)設定された同一機種の遊技機からの応答要求に応答し、MASTER(親機)設定された遊技機において同一機種の台数を計数することが可能となる。また、SLAVE(子機)設定された遊技機は、MASTER(親機)設定された同一機種の遊技機で設定された告知表示41aの表示数や演出モードを設定可能となる。さらに、SLAVE(子機)設定された遊技機でも、遊技の結果に関連する条件の成立が所定回数発生した場合には、自遊技機の演出モードとして通常は選択されない特別演出モード(演出モード4)が設定される。この特別演出モードは、MASTER(親機)設定された遊技機において予め設定された時間となることによる演出モードの更新に基づき送信されるモード設定要求の受信により終了することとなり、特別演出モードとなる期間は自遊技機の特図変動表示ゲームの実行結果次第により変化する。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの演出を異ならせるための複数の演出モードの何れかを設定可能な演出モード設定手段をなす。
以上のことから、始動条件の成立に基づき表示装置41で複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となったことに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、本遊技機と他の遊技機との間で情報通信を可能とする情報通信手段(無線通信回路350)と、情報通信手段を介して他の遊技機と情報通信を行うことで、本遊技機と同一属性の遊技機の設置数を特定可能な設置数特定手段(演出制御装置300)と、表示装置41に表示させる複数の表示データを記憶する表示データ記憶手段(演出制御装置300)と、表示データ記憶手段に記憶された表示データを表示装置41に表示させることが可能な表示データ表示手段(演出制御装置300)と、設置数特定手段により特定された設置数に基づき、表示データ表示手段が表示に用いる表示データを制限することが可能なデータ制限手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、変動表示ゲームが実行されていない客待ち状態中において表示装置41に表示させる、遊技場に固有の固有表示データの入力操作を受け付ける操作受付手段(演出制御装置300)と、操作受付手段が受け付けた入力操作に対応する固有表示データを所定のデータ数の範囲内で表示データ記憶手段に設定記憶させることが可能な固有表示データ設定手段(演出制御装置300)と、を備え、データ制限手段は、客待ち状態中において表示データ表示手段(演出制御装置300)が表示する固有表示データのデータ数を制限することが可能な表示データ数制限手段(演出制御装置300)を備え、表示データ数制限手段は、設置数特定手段(演出制御装置300)により特定された設置数が多いほど固有表示データのデータ数制限を緩和するようにしていることとなる。
また、設置数特定手段(演出制御装置300)により特定された設置数に基づき、変動表示ゲームの演出を異ならせるための複数の演出モードの何れかを設定可能な演出モード設定手段(演出制御装置300)を備え、表示データ記憶手段(演出制御装置300)は、表示データとして複数の演出モードにそれぞれ対応付けられた複数の演出表示データを記憶してなり、データ制限手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームを実行可能な通常状態中において表示データ表示手段が表示に用いる演出表示データを制限するデータ使用制限手段(演出制御装置300)を備え、データ使用制限手段は、演出モード設定手段により設定された演出モードに対応付けられた演出表示データ以外の演出表示データを制限するようにしていることとなる。
また、同一属性の遊技機の属性マスターであることを設定するためのマスター設定手段(演出制御装置300)を備え、設置数特定手段(演出制御装置300)は、マスター設定手段により属性マスターであると設定されたことに基づき、本遊技機と同一属性の遊技機の設置数を特定し、演出モード設定手段(演出制御装置300)は、属性マスターであるか否かに拘らずに、本遊技機の複数の演出モードの何れかを設定する第1演出モード設定手段(演出制御装置300)と、属性マスターであることを条件に、情報通信手段(無線通信回路350)を介して同一属性の他の遊技機に演出モードを設定させることが可能な第2演出モード設定手段(演出制御装置300)と、を備え、第2演出モード設定手段は、設置数特定手段により特定された設置数が特定数である場合には、第1演出モード設定手段により設定された演出モードとは異なる演出モードを同一属性の他の遊技機に設定させるようにしたこととなる。
また、第1演出モード設定手段(演出制御装置300)は、所定の変更条件の成立に基づき先に設定した演出モードを設置数特定手段(演出制御装置300)により特定された設置数に対応する他の演出モードに変更するよう構成され、データ使用制限手段(演出制御装置300)は、第1演出モード設定手段による演出モードの変更に対応して演出表示データの制限を変更するようにしたこととなる。
また、第2演出モード設定手段(演出制御装置300)は、第1演出モード設定手段(演出制御装置300)により演出モードが変更された場合には、当該第1演出モード設定手段により設定された演出モードとは異なる演出モードを同一属性の他の遊技機に設定させるようにしている。
なお、MASTER(親機)設定された遊技機が自遊技機及び他遊技機の告知表示41aの表示数や演出モードを設定するとしたが、MASTER(親機)、SLAVE(子機)の設定をせずに、同一機種の台数と台番号に応じて各遊技機が自己で告知表示41aの表示数や演出モードを設定するようにしても良い。また、特別演出モードとして演出モード4のみを選択可能としたが、この特別演出モードを複数設定しておき、遊技者が特別演出モードを選択できるようにしても良い。また、遊技者が選択可能な特別演出モードの数を同一機種の設置台数により変化させるようにしても良い。例えば、設置台数が1〜6台では演出モード4のみを選択可能とし、設置台数が7台以上である場合は演出モード4と5の選択が可能なようにしても良い。
〔客待ち処理〕
次に、客待ち状態中に表示装置41に客待ち画面を表示するとともに上述のように設定された告知表示41aを客待ち画面において表示する処理について説明する。図67には、図54に示す1stシーン制御処理における客待ち処理を示した。この客待ち処理では、まず、客待ち状態となり客待ち画面を表示するまでの間に設定される客待ち開始フラグがあるかを判定する(ステップB201)。この客待ち開始フラグがある場合(ステップB201;Yes)は、客待ち開始タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB201)。また、客待ちフラグがない場合(ステップB201;No)は、客待ち状態となった場合に遊技制御装置100から送信される客待ちデモコマンドを受信したかを判定する(ステップB202)。
この客待ちデモコマンドを受信していない場合(ステップB202;No)は、演出モードの設定がモード選択可能かをチェックする(ステップB209)。また、客待ちデモコマンドを受信した場合(ステップB202;Yes)は、客待ち開始タイマをセットし(ステップB203)、客待ち開始フラグをセットして(ステップB204)、客待ち開始タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップB205)。
そして、客待ち開始タイマがタイムアップしていない場合(ステップB206;No)は、演出モードの設定がモード選択可能かをチェックする(ステップB209)。また、客待ち開始タイマがタイムアップした場合(ステップB206;Yes)は、客待ち画面で表示する告知表示41aの種類やレイアウト等を設定する客待ちデモ設定処理を行い(ステップB207)、客待ち開始フラグをリセットして(ステップB208)、演出モードの設定がモード選択可能かをチェックする(ステップB209)。
演出モードの設定がモード選択可能であるとは、客待ち状態でありかつ遊技者が演出モードの選択を可能である設定になっていることである。遊技者が演出モードの選択を可能である設定とは、図65に示した演出モード選択テーブルに基づく設定が複数の演出モードを選択可能である場合であって、同一機種台数カウンタ値が0、1又は6以上である場合である。この演出モードの設定がモード選択可能でない場合(ステップB210;No)は、後述する外部イベント報知時に告知表示41aのレイアウトを変更する告知レイアウト変更処理(ステップB214)を行い、客待ち処理を終了する。また、演出モードの設定がモード選択可能である場合(ステップB210;Yes)は、モード選択操作があるかを判定する(ステップB211)。
モード選択操作がない場合(ステップB211;No)は、告知レイアウト変更処理(ステップB214)を行い、客待ち処理を終了する。また、モード選択操作がある場合(ステップB211;Yes)は、選択操作に対応する演出モードを設定し(ステップB212)、設定された演出モードに対応するモード背景情報をセットする(ステップB213)。その後、告知レイアウト変更処理(ステップB214)を行い、客待ち処理を終了する。
図68には、モード選択操作の一例を示した。図68(a)に示すようにモード選択が可能である場合は、客待ち画面においてモード選択が可能である旨を示すモード選択案内41bが表示される。この状態で遊技者が枠ボタンを操作(短押し)すると、図68(b)に示すように選択可能な演出モードの一覧が表示される。その後、図68(c)、(d)に示すように、選択ボタンを操作(短押し)することで所望の演出モードにカーソルを移動させた状態で、図68(e)に示すように決定ボタンを操作(短押し)することで、カーソルが示す演出モードが設定される。そして、図68(f)に示すように設定された演出モードの情報が表示された後、図68(a)の客待ち画面に戻る。
〔客待ちデモ設定処理〕
図69には図67に示す客待ち処理における客待ちデモ設定処理を示した。この客待ちデモ設定処理では、まず、告知表示情報が入力済みかをチェックし(ステップB221)、入力済みである場合(ステップB222)は、同一機種の設置台数に応じた設定済みの告知表示対象に対応する告知表示情報を抽出する(ステップB223)。
そして、抽出された告知表示情報を表示対象としてセットし(ステップB224)、通常告知表示レイアウトの選択テーブルをセットして(ステップB225)、選択テーブルから表示対象の告知に対応するレイアウトを取得する(ステップB226)。その後、取得した通常告知表示レイアウトをセットして(ステップB227)、設定済みの演出モードがモード選択可能かをチェックする(ステップB228)。
一方、告知表示情報が入力済みでない場合(ステップB222;No)は、デフォルトの告知表示情報を表示対象としてセットする(ステップB228)。そして、デフォルト告知情報のデフォルト告知表示レイアウトをセットし(ステップB229)、設定済みの演出モードがモード選択可能かをチェックする(ステップB228)。
設定済みの演出モードがモード選択可能である場合(ステップB231;Yes)は、演出モードの選択が可能であることを報知するためのモード選択案内41bの表示をセットし(ステップB232)、各種のセット情報に基づく客待ちデモ表示の開始をセットして(ステップB233)、客待ちデモ設定処理を終了する。また、設定済みの演出モードがモード選択可能でない場合(ステップB231;No)は、各種のセット情報に基づく客待ちデモ表示の開始をセットし(ステップB233)、客待ちデモ設定処理を終了する。
図70には、通常告知表示レイアウト選択テーブルを示した。この通常告知表示レイアウト選択テーブルには告知表示対象(告知表示41aの数)に応じたレイアウトが設定されている。このように告知表示41aの表示数によってレイアウトを変更することで、複数の告知表示41aを効率よく遊技者に視認させることが可能となる。なお、告知表示情報が入力されていない場合のデフォルト告知表示レイアウトは、デフォルト告知表示を画面中心線上に配置するレイアウトとなっている。また、モード選択案内41bは、モード選択可能な場合のみ表示される。
以上の処理により、客待ち状態の開始から所定時間経過後に客待ち画面が表示されるとともに、客待ち画面に設置台数に応じて設定された数の告知表示41a(遊技場に固有の固有表示データ)が表示される。すなわち、演出制御装置300が、表示データ記憶手段(演出制御装置300)に設定記憶された固有表示データを表示する固有表示データ表示手段をなす。
以上のことから、表示データ表示手段(演出制御装置300)は、表示データ記憶手段(演出制御装置300)に設定記憶された固有表示データを表示する固有表示データ表示手段(演出制御装置300)を備え、固有表示データ表示手段は、表示データ数制限手段(演出制御装置300)によるデータ数制限の範囲内で固有表示データを表示するとともに、固有表示データの表示数に応じて当該固有表示データの表示レイアウトを変更するようにしていることとなる。
〔告知レイアウト変更処理〕
図71には図67に示す客待ち処理における告知レイアウト変更処理を示した。この告知レイアウト変更処理では、まず、客待ちデモ(客待ち画面)の表示中であるかを判定し(ステップB241)、客待ちデモの表示中でない場合(ステップB241;No)は、告知レイアウト変更処理を終了する。また、客待ちデモの表示中である場合(ステップB241;Yes)は、外部イベント報知の開始タイミングであるかを判定する(ステップB242)。
外部イベントの報知とは、後述するように他遊技機で発生した異常を報知するものである。この外部イベントの報知開始タイミングでない場合(ステップB242;No)は、外部イベント報知の終了タイミングであるかを判定する(ステップB247)。また、外部イベントの報知開始タイミングである場合(ステップB242;Yes)は、特殊告知表示レイアウトの選択テーブルをセットし(ステップB243)、選択テーブルから表示対象の告知に対応するレイアウトを取得する(ステップB244)。
その後、取得した特殊告知表示レイアウトをセットし(ステップB245)、モード選択案内41bの表示を解除して(ステップB246)、外部イベント報知の終了タイミングであるかを判定する(ステップB247)。これにより、外部イベント報知が開始される。すなわち、演出制御装置300が、イベント情報が受信されたことに基づき、報知表示データを表示することが可能な報知表示データ表示手段をなす。
外部イベント報知の終了タイミングでない場合(ステップB247;No)は、告知レイアウト変更処理を終了する。また、外部イベント報知の終了タイミングである場合(ステップB247;Yes)は、外部イベント報知発生前の通常告知表示レイアウトをセットし(ステップB248)、モード選択案内の表示をセットして(ステップB249)、告知レイアウト変更処理を終了する。
図72には、特殊告知表示レイアウト選択テーブルを示した。この特殊告知表示レイアウト選択テーブルには告知表示対象(告知表示41aの数)に応じたレイアウトが設定されている。外部イベント報知41cを表示する場合と外部イベント報知41cを表示しない場合とで表示レイアウトを変更するようになっており、外部イベント報知41cを表示する場合は、外部イベント報知41cが常に表示領域の中央に表示されるようになっている。これにより、遊技場にとって重要な不正行為の可能性がある報知表示データを目立たせるような表示レイアウトとすることができる。また、演出モードの設定がモード選択可能な設定であっても、外部イベント報知中はモード選択が不可とされ、モード選択案内41bは表示されない。
次に、遊技機で発生したイベントの報知に関する処理について説明する。このイベントの報知には、自遊技機で発生したイベントを報知する内部イベント報知と、他遊技機で発生したイベントを報知する外部イベント報知とがある。また、イベントには、セキュリティやエラーに関するセキュリティイベントや、大当りやリーチの発生などの遊技に関する遊技イベントがある。ここでは、まずセキュリティやエラーに関するセキュリティイベントの報知に関する処理について説明する。
〔内部イベント報知開始処理〕
図73には、図52に示す1stメイン処理における、自遊技機で発生したセキュリティやエラーに関するイベントの報知を開始するための処理である内部イベント報知開始処理を示した。この内部イベント報知開始処理では、まず、遊技制御装置100からイベント発生報知コマンドを受信したかをチェックする(ステップB251)。イベント発生報知コマンドには、セキュリティ関連コマンドである、電源投入コマンド(RAMクリア時)、停電復旧コマンド(停電復旧時)、不正入賞発生コマンド、前枠(ガラス枠)開放報知コマンド、内枠(前面枠)開放報知コマンド、振動不正報知コマンド、磁石不正報知コマンドと、エラー関連コマンドである、下皿オーバーフロー報知コマンド、払出待機球不足報知コマンドが含まれる。
これらのイベント発生報知コマンドを受信していない場合(ステップB252;No)は、内部イベント報知開始処理を終了する。また、イベント発生報知コマンドを受信した場合(ステップB252;Yes)は、受信したイベント発生報知コマンドがエラー関連コマンドであるかを判定する(ステップB253)。
受信したイベント発生報知コマンドがエラー関連コマンドである場合(ステップB253;Yes)は、エラーイベントに対応するエラー報知情報(音声、ランプ点灯)をセットし(ステップB270)、内部イベント報知開始処理を終了する。すなわちこの場合は、下皿オーバーフロー又は払出待機球不足が発生した場合であって、エラー報知情報として、対応する音声情報と図74(a)に示すように枠エラーランプ46を白色で点灯させる情報をセットする。なお、図74(b)に示すように、このエラーの報知期間は、エラーが解消されるまで継続されるようになっており、報知期間は遊技制御装置100で管理される。
また、受信したイベント発生報知コマンドがエラー関連コマンドでない場合(ステップB253;No)は、RTC(リアルタイムクロック)から計時(日時)情報を取得し(ステップB254)、営業時間内であるかを判定する(ステップB255)。そして、営業時間内でない場合(ステップB255;No)は、内部イベント報知開始処理を終了する。これにより、営業時間外はイベントの報知が実行されなくなるため、営業時間外に行われる遊技機のメンテナンス等を邪魔することがない。なお、営業時間内である場合に、他遊技機にイベントの発生を通知する外部報知情報の送信のみを実行しないようにして他遊技機での報知が行われないようにし、自遊技機では報知を行うようにしても良い。また、営業時間内である場合(ステップB255;Yes)は、受信したイベント発生報知コマンドが停電復旧コマンドであるかを判定する(ステップB256)。
受信したイベント発生報知コマンドが停電復旧コマンドでない場合(ステップB256;No)は、コマンドに対応するセキュリティ報知情報(音声、ランプ点灯)をセットする(ステップB264)。すなわちこの場合は、RAMクリアを伴う電源投入、不正入賞、前枠(ガラス枠)の開放、内枠(前面枠)の開放、振動不正又は磁石不正が発生した場合であって、エラー報知情報として、対応する音声情報と図74(a)に示すような枠エラーランプ46の点灯態様の情報をセットする。なお、不正行為の可能性が高いイベント報知の場合は、枠エラーランプ46を点滅させる点灯態様とされている。その後、受信したイベント発生報知コマンドが電源投入コマンドであるかを判定する(ステップB265)。
受信したイベント発生報知コマンドが電源投入コマンドでない場合(ステップB265;No)は、セキュリティイベントに対応する外部報知情報を外部通信バッファにセットし(ステップB269)、内部イベント報知開始処理を終了する。また、受信したイベント発生報知コマンドが電源投入コマンドである場合(ステップB265;Yes)は、RTCの計時情報(日時)を記憶し(ステップB266)、RAMクリア報知(自機用の音声、画面、ランプ点灯)をセットする(ステップB267)。その後、RAMクリア報知タイマをセットし(ステップB268)、セキュリティイベントに対応する外部報知情報を外部通信バッファにセットして(ステップB269)、内部イベント報知開始処理を終了する。
図74(b)に示すように、RAMクリアを伴う電源投入の発生である場合は、RAMクリア報知タイマに電源投入から所定時間(1分)に亘り報知を行うように値を設定することで演出制御装置300において報知期間を管理する。これ以外の不正入賞、前枠(ガラス枠)の開放、内枠(前面枠)の開放、振動不正又は磁石不正の発生の場合は、遊技制御装置100で報知期間を管理する。
また、セキュリティイベントに対応する外部報知情報を外部通信バッファにセットする処理(ステップB269)では、発生したセキュリティイベントの種類と台番号の情報を含む外部報知情報がセットされる。この外部情報は、無線通信回路350を介して他遊技機へ送信され、他遊技機ではこの外部報知情報に基づきイベント報知が行われる。すなわち、演出制御装置300が、イベントの発生を検出したことに基づき、情報通信手段(無線通信回路350)を介して他の遊技機に当該イベントの発生を示すイベント情報を送信可能なイベント情報送信手段をなす。
一方、受信したイベント発生報知コマンドが停電復旧コマンドである場合(ステップB256;Yes)は、停電復旧報知(自機用の音声、画面、ランプ点灯)をセットし(ステップB257)、停電復旧報知タイマをセットする(ステップB258)。すなわちこの場合は、RAMクリアを伴わない電源投入が発生した場合であって、エラー報知情報として、対応する音声情報と図74(a)に示すように枠エラーランプ46を青色で点灯させる情報をセットする。図74(b)に示すように、このエラーの報知期間は、停電復旧報知タイマに電源復旧から所定時間(30秒)に亘り報知を行うように値を設定することで演出制御装置300において報知期間を管理する。
その後、RTCから計時(日時)情報を取得し(ステップB259)、取得した計時情報と記憶してあった計時情報とを比較する(ステップB260)。記憶してあった計時情報とは、RAMクリアを伴う電源投入があった場合の電源投入コマンドを受信した場合にステップB266で記憶された計時情報である。
取得した計時情報と記憶してあった計時情報との時間差分が閾値よりも大きい場合(ステップB261;No)は、内部イベント報知開始処理を終了する。また、取得した計時情報と記憶してあった計時情報との時間差分が閾値よりも小さい場合(ステップB261;Yes)は、不正RAMクリア報知(自機用の音声、画面、ランプ点灯)をセットし(ステップB262)、不正RAMクリア報知タイマをセットする(ステップB263)。その後、セキュリティイベントに対応する外部報知情報を外部通信バッファにセットし(ステップB269)、内部イベント報知開始処理を終了する。
すなわち、RAMクリアを伴う電源投入から所定時間内に再度電源投入があった場合は、不正RAMクリア報知を行う。この場合、エラー報知情報として、対応する音声情報と図74(a)に示すように枠エラーランプ46を赤色で点滅させる情報をセットする。図74(b)に示すように、このエラーの報知期間は、不正RAMクリア報知タイマに電源復旧から所定時間(1分)に亘り報知を行うように値を設定することで演出制御装置300において報知期間を管理する。
RAMクリアを伴う電源投入があった場合はRAMクリア報知が行われるが、上述の不正RAM報知の機能を有しない場合はRAMクリア報知中に電源をOFFにして再度ONにすることでRAMクリア報知を報知期間の満了前に停止させることが可能となる。本実施形態の遊技機のように、RAMクリアを行うことで遊技者にとって有利な状態となる遊技機においては、RAMクリアを伴う電源投入の後に再度電源をOFF、ONすることで、RAMクリア報知を店員が気付かないうちに終了させて有利な状態とする不正行為が行われる虞がある。しかし、このような不正行為が行われた場合に不正RAMクリア報知を行うようにしたことで、RAMクリアが行われたことを確実に報知でき、不正行為を防止することができる。この他にRAMクリアにより遊技者にとって有利な状態となる遊技機としては、RAMクリアによって特別結果の振り分けが遊技者にとって有利な振分となる遊技機などが挙げられるが、このような遊技機でも効果的に不正行為を防止できる。
なお、RAMクリアを伴う電源投入から所定時間を経過した後の電源復旧、下皿オーバーフロー又は払出待機球不足の発生については不正が発生する可能性が低いことから、外部報知情報を送信せずに他遊技機での報知を行わないようにしている。また、下皿オーバーフロー又は払出待機球不足の発生はセキュリティとは異なるエラーイベントであるため、営業時間内であるか否かにかかわらずエラー報知が行われる。また、電源投入、電源復旧、不正RAMクリアの発生の報知は表示装置41を用いた報知を行うが、その他のイベントの発生の報知は表示装置41を用いずに音声と枠エラーランプ46のみで報知を行うようにしている。すなわち、演出制御装置300が、イベントの発生を検出したことに基づき、音声出力部(スピーカ19a,19b)を介して当該遊技機でのイベントの発生を示す音声報知を実行する第1報知手段をなす。
また、後述する他遊技機でのイベントの発生を報知する外部イベント報知の実行中であっても、自遊技機でイベントが発生した場合は外部イベント報知に優先して内部イベント報知を実行する。これにより、他の遊技機で発生したイベントの音声報知中であっても自身で発生したイベントの音声報知を確実に実行することができる。
〔内部イベント報知終了処理〕
図75には、図52に示す1stメイン処理における、自遊技機で発生したセキュリティやエラーに関するイベントの報知を終了するための処理である内部イベント報知終了処理を示した。この内部イベント報知終了処理では、まず、イベント報知終了コマンドを受信したかをチェックする(ステップB281)。イベント報知終了コマンドは、図74(b)に示すイベントのうち、遊技制御装置100で報知期間を管理するイベントについて、当該イベントの発生の報知を終了する際に遊技制御装置100から送信されるコマンドである。このイベント報知終了コマンドには、不正入賞解除コマンド、振動不正報知終了コマンド、磁石不正報知終了コマンド、下皿オーバーフロー報知終了コマンド、払出待機球不足報知終了コマンド、前枠(ガラス枠)開放報知終了コマンド、内枠開放報知終了コマンドが含まれる。
これらのイベント報知終了コマンドを受信していない場合(ステップB282;No)は、セット済みのイベント報知タイマのうちタイムアップしたものをチェックする(ステップB284)。また、イベント報知終了コマンドを受信した場合(ステップB281;Yes)は、イベント報知終了コマンドに対応するイベント報知の終了をセットし(ステップB283)、セット済みのイベント報知タイマのうちタイムアップしたものをチェックする(ステップB284)。これにより、イベント報知終了コマンドに対応する内部イベント報知が終了する。
イベント報知タイマは、図74(b)に示すイベントのうち、演出制御装置300で報知期間を管理するイベントについて、当該イベントの発生の報知期間を計時するタイマである。セット済みのイベント報知タイマのうちタイムアップしたタイマがない場合(ステップB285;No)は、内部イベント報知終了処理を終了する。また、セット済みのイベント報知タイマのうちタイムアップしたタイマがある場合(ステップB285;Yes)は、タイムアップしたタイマに対応するイベント報知の終了をセットし(ステップB286)、内部イベント報知終了処理を終了する。これにより、イベント報知期間が終了した内部イベント報知が終了する。
〔外部イベント報知開始処理〕
図76には、図52に示す1stメイン処理における、他遊技機で発生したセキュリティに関するイベントの報知を開始するための処理である外部イベント報知開始処理を示した。この外部イベント報知開始処理では、まず、他遊技機から出力されたイベントの発生を通知する外部報知情報を受信したかを判定し(ステップB291)、外部報知情報を受信した場合(ステップB291;Yes)は、自身がイベント報知中であるかを判定する(ステップB292)。
自身がイベント報知中である場合(ステップB292;Yes)は、外部イベント報知開始処理を終了する。すなわち、自遊技機の内部イベントの報知中は他遊技機のイベント報知を行わない。これにより、他の遊技機で発生したイベントによって自身で発生したイベントの音声報知が実行されなくなる不都合を回避できる。また、自身がイベント報知中でない場合(ステップB292;No)は、受信した外部報知情報が同一エリア内の遊技機からのものであるかを判定する(ステップB293)。
受信した外部報知情報が同一エリア内の遊技機からのものでない場合(ステップB293;No)は、外部イベント報知開始処理を終了する。また、受信した外部報知情報が同一エリア内の遊技機からのものである場合(ステップB293;Yes)は、他台のイベント報知中であるかを判定する(ステップB294)。遊技機が存在するエリアは設置エリア設定SW353により設定可能であり、例えば図18に示したように、同一の通路に面した遊技機を同一エリアに設定する。このようにエリアを設定することで、イベントが発生した遊技機の特定を、エリアを絞って効率よく行うことが可能となる。
他台のイベント報知中でない場合(ステップB294;No)は、客待ち中であるかを判定する(ステップB300)。また、他台のイベント報知中である場合(ステップB294;Yes)は、報知中の台のイベントと今回受信の台のイベントレベルを比較し(ステップB295)、報知中台と受信台のイベントレベルが等しいかを判定する(ステップB296)。
イベントレベルとは、発生したイベントが不正行為に関係する可能性の高さにより分類されるレベルである。図77(a)に示すように、RAMクリアを伴う電源投入、不正RAMクリア、不正入賞、磁石不正の発生については、営業時間内に行われた場合は不正行為である可能性が高いためイベントレベルが最も高い「上」とされている。また、振動不正の発生については意図的なものでない場合もあるためイベントレベルは「中」とされ、前枠開放、内枠開放の発生については、球詰まりなどの不具合の発生時にも発生する可能性があるため、イベントレベルは「下」とされている。
報知中台と受信台のイベントレベルが等しくない場合(ステップB296;No)は、報知中台よりも今回受信台のイベントレベルが高いかを判定する(ステップB299)。そして、報知中台よりも今回受信台のイベントレベルが低い場合(ステップB299;No)は、外部イベント報知開始処理を終了する。すなわち、現在実行中のイベント報知の方が重要な報知であるため報知を継続する。また、報知中台よりも今回受信台のイベントレベルが高い場合(ステップB299;Yes)は、客待ち中であるかを判定する(ステップB300)。すなわち、今回受信台の方が報知中台よりも重要なイベントを発生したので、今回受信台についてのイベント報知に関する処理を行う。このようにイベントレベルの高い方のイベントを優先することで、不正行為が行われる可能性が高い遊技機のイベントを的確に報知することができる。
一方、報知中台と受信台のイベントレベルが等しい場合(ステップB296;Yes)は、報知中の台との通信強度と今回受信の台との通信強度を比較し(ステップB297)、報知中台よりも今回受信台の通信強度が強いかを判定する(ステップB298)。そして、報知中台よりも今回受信台の通信強度が弱い場合(ステップB298;No)は、外部イベント報知開始処理を終了する。すなわち、報知中台の方が今回受信台よりも近い位置にあるため、実行中のイベント報知を継続する。また、報知中台よりも今回受信台の通信強度が強い場合(ステップB298;Yes)は、客待ち中であるかを判定する(ステップB300)。すなわち、今回受信台の方が報知中台よりも近い位置にあるため、今回受信台についてのイベント報知に関する処理を行う。このように、通信強度が高い方のイベントを優先することで、イベントが発生した遊技機の近くで音声報知を行うことが可能となり、音声報知に対応するイベントが発生した遊技機を特定し易くなる。
自遊技機が客待ち中である場合(ステップB300;Yes)は、イベントと台番号に応じた外部イベント報知(音声、画面)をセットし(ステップB301)、イベントに応じた報知タイマをセットして(ステップB304)、外部イベント報知開始処理を終了する。なお、これにより外部イベント報知の開始が設定され、図71に示した告知レイアウト変更処理において図72に示す特殊告知表示レイアウトが設定される。
また、自遊技機が客待ち中でない場合(ステップB300;No)は、リーチ変動中であるかを判定する(ステップB302)。そして、リーチ変動中でない場合(ステップB302;No)は、イベントと台番号に応じた外部イベント報知(音声、画面)をセットし(ステップB301)、イベントに応じた報知タイマをセットして(ステップB304)、外部イベント報知開始処理を終了する。また、リーチ変動中である場合(ステップB302;Yes)は、イベントと台番号に応じた外部イベント報知(音声)をセットし(ステップB303)、イベントに応じた報知タイマをセットして(ステップB304)、外部イベント報知開始処理を終了する。
すなわち、リーチ変動中である場合は実行中の特図変動表示ゲームが特別結果となる可能性があるため、画面での他遊技機のイベント報知は行わないようにし、画像報知により特別結果となる特図変動表示ゲームの進行を阻害しないようにして、遊技の興趣が減衰することを回避している。なお、特別結果となる可能性が高いリーチ変動中(例えばNリーチ以外のリーチ変動中)のみ画像報知を行わないようにしたり、特別結果となる場合のみ画像報知を行わないようにしたりしても良い。また、リーチ変動中である場合は、枠エラーランプ46等の特図変動表示ゲームに関係のない装置で報知を行うようにしても良い。
ここで設定される外部イベント報知は、自遊技機で発生した内部イベントの報知とは異なる報知態様が設定されるようになっており、例えば報知内容にイベントが発生した台番号を含むようにしたり、枠エラーランプ46の点灯を行わないようにしたりして内部イベントの発生報知と区別できるようにしている。また、イベントに応じた報知タイマをセットする処理(ステップB304)では、図77(b)に示すように、発生したイベントに応じたイベント報知期間を設定する。なお報知期間の管理はすべて演出制御装置300で行う。
すなわち、演出制御装置300が、情報通信手段(無線通信回路350)を介して他の遊技機から送信されたイベント情報を受信可能なイベント情報受信手段をなす。また、演出制御装置300が、イベント情報の受信に基づき、音声出力部(スピーカ19a,19b)を介して他の遊技機でのイベントの発生を示す音声報知を実行可能な第2報知手段をなす。また、演出制御装置300が、予め定められた判定情報に基づきイベント情報受信手段が受信したイベント情報の異常レベル(イベントレベル)を特定する異常レベル特定手段をなす。
以上の処理により、他遊技機で発生したイベントの報知を行うことが可能となる。これにより、不正行為が行われる遊技機のスピーカ19a、19bが不正に破壊されたとしても、他の遊技機を介してイベントの発生を的確に報知することが可能となる。
〔外部イベント報知終了処理〕
図78には、図52に示す1stメイン処理における、他遊技機で発生したセキュリティに関するイベントの報知を終了するための処理である外部イベント報知終了処理を示した。この外部イベント報知終了処理では、まず、他台のイベント報知中であるかを判定し(ステップB311)、他台のイベント報知中でない場合(ステップB311;No)は、外部イベント報知終了処理を終了する。また他台のイベント報知中である場合(ステップB311;Yes)は、現在リーチ変動中であるかを判定する(ステップB312)。
現在リーチ変動中である場合(ステップB312;Yes)は、外部イベント報知の中止をセットし(ステップB316)、外部イベント報知タイマをリセットして(ステップB317)、外部イベント報知終了処理を終了する。すなわち、自遊技機で特別結果となる可能性がある場合は外部イベント報知を終了するようにしている。
また、現在リーチ変動中でない場合(ステップB312;No)は、セット済みの外部イベント報知タイマのうちタイムアップしたものをチェックし(ステップB313)、セット済みの外部イベント報知タイマのうちタイムアップしたタイマがない場合(ステップB313;No)は、外部イベント報知終了処理を終了する。また、セット済みの外部イベント報知タイマのうちタイムアップしたタイマがある場合(ステップB313;Yes)は、タイムアップしたタイマに対応する外部イベント報知の終了をセットし(ステップB314)、外部イベント報知終了処理を終了する。これにより、イベント報知期間が終了した外部イベント報知が終了する。
図79、図80には、内部イベントの報知の一例を示した。図79には、RAMクリアを伴う電源投入が行われた場合のイベント報知を示した。図79(a)に示すように遊技機の電源がOFFの状態からRAMクリアを伴う電源投入が行われると、図79(b)に示すようにRAMクリア報知が行われる。このRAMクリア報知では、表示装置41に電源投入画面が表示され、スピーカ19a、19bから「電源が投入されました」の音声が出力され、枠エラーランプ46が黄色で点滅する。
その後、図79(c)に示すように遊技機の電源がOFFとされた後、RAMクリアを伴う電源投入から所定時間以内に再度の電源投入(電源復旧)があった場合は、図79(d)に示すように不正RAMクリア報知が行われる。この不正RAMクリア報知では、表示装置41に不正電源投入画面が表示され、スピーカ19a、19bから「不正な電源投入です」の音声が出力され、枠エラーランプ46が赤色で点滅する。
一方、図79(c)に示すように遊技機の電源がOFFとされた後、RAMクリアを伴う電源投入から所定時間経過後に再度の電源投入(電源復旧)があった場合は、図79(e)に示すように停電復旧報知が行われる。この停電復旧報知では、表示装置41に停電復旧画面が表示され、スピーカ19a、19bから「停電から復旧しました」の音声が出力され、枠エラーランプ46が青色で点灯する。
図80には、特図変動表示ゲームの実行中に振動不正が発生した場合のイベント報知を示した。図80(a)に示すように、イベント報知が行われていない状態では、表示装置41に飾り特図変動表示ゲームが表示され、スピーカ19a、19bから飾り特図変動表示ゲームに対応した音声(ここではAメロ)が出力され、枠エラーランプ46は消灯した状態となっている。
この状態から振動センサスイッチ62が振動を検知すると、遊技制御装置100から振動不正報知コマンドが演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では、振動不正報知コマンドの受信に基づき振動不正のイベント報知を行う。図80(b)に示すようにこの振動不正のイベント報知では、スピーカ19a、19bから、飾り特図変動表示ゲームに対応する音声(ここではBメロ)に替えて「振動不正が発生しました」の音声が出力され、枠エラーランプ46が緑色で点滅する。なお、表示装置41での報知は行われない。
そして、振動センサスイッチ62が振動を検知しない状態が30秒継続すると、遊技制御装置100から振動不正報知終了コマンドが演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では、振動不正報知終了コマンドの受信に基づき、振動不正のイベント報知を終了する。これにより、図80(c)に示すように、スピーカ19a、19bから飾り特図変動表示ゲームに対応した音声(ここではCメロ)が出力され、枠エラーランプ46は消灯した状態となる。なお、画面による報知を行っても良い。
図81、図82には、外部イベントの報知の一例を示した。図81には、図18に示す第3遊技エリアに位置する022番台の遊技機が客待ち状態中である場合に外部イベントが発生した場合のイベント報知を示した。図81(a)に示すように、客待ち状態中では客待ち画面が表示されるとともに告知表示41aが表示され、モード選択が可能である場合はモード選択案内41bが表示される。この状態で、同一エリアにない031番台の遊技機から磁石不正が発生した旨の外部報知情報を受信した場合、同一エリアではないため図81(b)に示すように外部イベントの報知は行わない。
これに対して、同一エリアにある028番台で磁石不正が発生した旨の外部報知情報を受信すると、当該外部イベントの報知が行われる。図81(c)に示すように、この外部イベントの報知では告知表示41aのレイアウトが変更されて、「028番台で磁石不正が発生しました」と表示する外部イベント報知41cが表示領域の中央に表示されるとともに、「028番台で磁石不正が発生しました」の音声による報知が行われる。なお、外部イベントの報知であるため枠エラーランプ46による報知は行われない。
そして、028番台の外部イベント報知の実行中に、同一エリアにあり報知中の028番台よりも近い021番台において、磁石不正とイベントレベルが同じ不正入賞が発生した場合は、図81(d)に示すように028番台の外部イベント報知を終了して021番台の外部イベント報知を行う。これに対して、028番台の外部イベント報知の実行中に、同一エリアにあり報知中の028番台よりも遠い030番台において、磁石不正とイベントレベルが同じ不正入賞が発生した場合は028番台の外部イベント報知を継続する。
図82には、図18に示す第3遊技エリアに位置する022番台の遊技機が特図変動表示ゲームの実行中である場合に外部イベントが発生した場合のイベント報知を示した。図82(a)、(b)に示すように、イベント報知が行われていない状態では、表示装置41に飾り特図変動表示ゲームが表示され、枠エラーランプ46は消灯した状態となっている。
そして、図82(c)に示すようにリーチ変動となる特図変動表示ゲームの実行中に、同一エリアにある021番台で不正入賞が発生した旨の外部報知情報を受信すると、当該外部イベントの報知が行われる。この場合はリーチ変動中であるので、図82(d)に示すように、「021番台で入賞不正が発生しました」との音声による報知のみが実行される。
図83には、外部イベント報知開始処理の別例を示した。この処理では、設置エリア設定SW353によるエリア設定や外部報知情報の重複受信を考慮していない。外部報知情報を受信し(ステップB291;Yes)、自身がイベント報知中でない場合(ステップB292;No)は、通信強度が予め設定された閾値の範囲内であるかをチェックする(ステップB321)。
通信強度が予め設定された閾値の範囲内である場合(ステップB321;Yes)は、客待ち状態中であるかの判定(ステップB300)以下の処理を行う。すなわち、設置エリアにかかわらず、自遊技機から所定範囲内の遊技機で発生したイベントについては報知を行う。また、他遊技機のイベントの報知中に新たに自遊技機から所定範囲内にある別の遊技機でイベントが発生した場合は新たに発生したイベントの報知を行う。
一方、通信強度が予め設定された閾値の範囲内でない場合(ステップB321;No)は、客待ち状態中であるかを判定し(ステップB323)、客待ち状態中でない場合(ステップB323;No)は、外部イベント報知開始処理を終了する。また、客待ち状態中である場合(ステップB323;Yes)は、発生したイベントが前枠又は内枠の開放であるかを判定する(ステップB324)。
発生したイベントが前枠又は内枠の開放である場合(ステップB324;Yes)は、外部イベント報知開始処理を終了する。また、発生したイベントが前枠又は内枠の開放でない場合(ステップB324;No)は、イベントと台番号に応じた外部不正報知(音声、画面)をセットし(ステップB301)、イベントに応じた報知時間をセットして(ステップB304)、外部イベント報知開始処理を終了する。すなわち、自遊技機から所定範囲外の遊技機で発生したイベントについては、自湯聞きが客待ち状態であり、発生したイベントが不正行為に関係する可能性の高い重要なイベントである場合のみ報知を行うようにしている。
以上のことから、始動条件の成立に基づき表示装置41で複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となったことに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、音声を出力することが可能な音声出力部(スピーカ19a、19b)と、当該遊技機のセキュリティに関するイベントの発生を検出可能なイベント検出手段(遊技制御装置100)と、イベントの発生を検出したことに基づき、音声出力部を介して当該遊技機でのイベントの発生を示す音声報知を実行する第1報知手段(演出制御装置300)と、イベントの発生を検出したことに基づき、他の遊技機に当該イベントの発生を示すイベント情報を送信可能なイベント情報送信手段(演出制御装置300)と、他の遊技機から送信されたイベント情報を受信可能なイベント情報受信手段(演出制御装置300)と、イベント情報の受信に基づき、音声出力部を介して他の遊技機でのイベントの発生を示す音声報知を実行可能な第2報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、第2報知手段(演出制御装置300)は、第1報知手段(演出制御装置300)による音声報知の実行中においてはイベント情報が受信された場合であっても音声報知を実行しないこととなる。
また、第1報知手段(演出制御装置300)は、第2報知手段(演出制御装置300)による音声報知の実行中であってもイベントの発生が検出された場合には当該第2報知手段による音声報知に優先して音声報知を実行するようにしていることとなる。
また、イベント検出手段(遊技制御装置100)は、複数種類のイベントを検出可能であり、イベント情報送信手段(演出制御装置300)は、イベント検出手段により検出されたイベントの種類を特定可能なイベント情報を送信するよう構成され、第2報知手段(演出制御装置300)は、予め定められた判定情報に基づきイベント情報受信手段(演出制御装置300)が受信したイベント情報の異常レベルを特定する異常レベル特定手段(演出制御装置300)を備えてなり、イベント情報の受信に基づく音声報知の実行中に他のイベント情報を受信した場合には、異常レベル特定手段が特定した異常レベルの高い方のイベント情報に基づく音声報知を優先して実行するようにしていることとなる。
また、イベント情報送信手段(演出制御装置300)は、イベント情報を無線通信により送信するよう構成され、イベント情報受信手段(演出制御装置300)は、イベント情報の受信時の通信強度を特定可能であり、第2報知手段(演出制御装置300)は、イベント情報の受信に基づく音声報知の実行中に受信したイベント情報の異常レベルが同一の場合には、イベント情報受信手段が特定した通信強度の高い方のイベント情報に基づく音声報知を優先して実行するようにしていることとなる。
また、第2報知手段(演出制御装置300)は、イベントの発生を示す音声報知と併せて表示装置41にイベントの発生を示す画像報知を実行可能であり、特別結果となる変動表示ゲームの実行中にイベント情報受信手段(演出制御装置300)によりイベント情報を受信した場合には画像報知を実行しないようにしていることとなる。
また、現実の時間を計時する計時手段(RTC356)と、遊技場の営業時間を設定する営業時間設定手段(営業時間設定SW354)と、を備え、イベント情報送信手段(演出制御装置300)は、遊技場の営業時間内にイベントの発生が検出された場合にはイベント情報を送信する一方、遊技場の営業時間外にイベントの発生が検出された場合にはイベント情報を送信しないようにしていることとなる。
また、当該遊技機が遊技場に設定される複数の遊技エリアのいずれに設置されているかを設定するエリア設定手段(設置エリア設定SW353)を備え、イベント情報送信手段(演出制御装置300)は、エリア設定手段により設定された遊技エリアを特定可能なイベント情報を送信するよう構成され、第2報知手段(演出制御装置300)は、イベント情報受信手段(演出制御装置300)が受信したイベント情報により特定される遊技エリアが当該遊技機に設定された遊技エリアとは異なる場合には音声報知を実行しないようにしていることとなる。
また、本遊技機のイベントの発生を検出可能なイベント検出手段(遊技制御装置100)と、イベントの発生を検出したことに基づき、情報通信手段(無線通信回路350)を介して他の遊技機に当該イベントの発生を示すイベント情報を送信可能なイベント情報送信手段(演出制御装置300)と、情報通信手段を介して他の遊技機から送信されたイベント情報を受信可能なイベント情報受信手段(演出制御装置300)と、を備え、表示データ記憶手段(演出制御装置300)は、表示データとして他の遊技機でのイベントの発生を示す報知表示データを記憶してなり、表示データ表示手段(演出制御装置300)は、イベント情報が受信されたことに基づき、報知表示データを表示することが可能な報知表示データ表示手段(演出制御装置300)を備え、固有表示データ表示手段(演出制御装置300)は、報知表示データが表示される場合と報知表示データが表示されない場合とで固有表示データの表示レイアウトを変更するようにしたこととなる。
次に、特図変動表示ゲームを実行していく過程で発生した遊技イベントの報知に関する処理について説明する。遊技イベントとは例えば特別結果の発生であり、他遊技機で遊技イベントが発生したことを報知する外部イベント報知を実行可能である。
〔変動中処理〕
図84には、図54に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB69)を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB331)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB331;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB332)、可動体リクエストセット処理(ステップB333)を行う。次に、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB334)を行い、乱数シード初期化処理(ステップB335)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB336)。
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。その後、各種期間を演出制御装置300で管理する変動回数管理処理(ステップB337)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB338)を行う。そして、最初のシーン及びシーン更新タイマをセットし(ステップB339)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB340)変動中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB331;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB341)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB341;No)は、変動中処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB341;Yes)は、シーンデータ設定処理(ステップB342)を行い、変動中処理を終了する。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
〔変動パターン情報設定処理〕
図85には、図84に示す変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB334)を示した。この変動パターン情報設定処理では、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB351)、設定された演出モードに対応する変動パターン選択テーブルをセットする(ステップB352)。その後、停止図柄情報と変動パターンコマンドに応じた変動パターンを選択し(ステップB353)、選択した変動パターンによる演出を設定して(ステップB354)、停止図柄情報と変動パターンに基づいて停止図柄(詳細)を設定する(ステップB355)。図86に示すように変動パターン選択テーブルは各演出モードに対応して設定されており、演出モードに応じて使用する変動パターン選択テーブルを選択する。そして、選択した変動パターン選択テーブルから停止図柄情報(ハズレ図柄又は大当り図柄)と変動パターンコマンドとに基づき、変動パターンを選択する。
その後、他遊技機で発生した遊技イベントの報知に関する外部イベント演出設定処理(ステップB356)を行い、自遊技機で発生した遊技イベントを他遊技機に通知する演出データ外部送信処理(ステップB357)を行って、変動パターン情報設定処理を終了する。
〔外部イベント演出設定処理〕
図87には、図85に示す変動パターン情報設定処理における外部イベント演出設定処理(ステップB356)を示した。この外部イベント演出設定処理では、まず、他遊技機から遊技イベントの発生を通知する外部演出データを受信したかを判定する(ステップB361)。なお、外部演出データは受信した際に受信時間(RTC356の時刻)とともにバッファに格納され、外部イベント演出設定処理ではバッファに格納された外部演出データを参照する。
この外部演出データを受信していない場合(ステップB361;No)は、受信から所定時間(3秒)を経過している外部演出データを抽出する(ステップB364)。また、外部演出データを受信した場合(ステップB361;Yes)は、同一エリア内から受信したかを判定する(ステップB362)。
同一エリア内から受信していない場合(ステップB362;No)は、受信から所定時間(3秒)を経過している外部演出データを抽出する(ステップB364)。また、同一エリア内から受信している場合(ステップB362;Yes)は、外部演出データ領域に受信した外部演出データと受信時間(RTCの時間値)を記憶し(ステップB363)、受信から所定時間(3秒)を経過している外部演出データを抽出する(ステップB364)。なお、外部演出データを記憶する対象は同一エリア内に限らなくても良い。
そして、受信から所定時間(3秒)を経過している外部演出データがない場合(ステップB365;No)は、外部演出データ領域に外部演出データが残存しているかをチェックする(ステップB367)。また、受信から所定時間(3秒)を経過している外部演出データがある場合(ステップB365;Yes)は、抽出された経過データを外部演出データ領域から削除し(ステップB366)、外部演出データ領域に外部演出データが残存しているかをチェックする(ステップB367)。
図88(a)に示すように、外部演出データ領域には受信した外部演出データと受信時間が順次記憶されるとともに、受信から所定時間(3秒)を経過した外部演出データは順次消去されるようになっている。これにより、他の遊技機で発生した遊技イベントから時間間隔をあまり開け過ぎずに機種固有演出を実行することで、効果的に変動表示ゲームの演出を盛り上げることができる。
この外部演出データのデータ構造は図88(b)に示すように規定されており、送信元アドレスに相当する台番号・遊技エリア情報及び宛先アドレスに相当するブロードキャストアドレスが含まれるパケットヘッダ部を有する。そして、遊技機のメーカーを示すメーカーコード部、機種を示す機種情報である機種コード部、発生したイベントの種類を示すイベント部が含まれる全メーカーに共通のデータである全メーカー共通フォーマットデータを有する。さらに、演出モードを示す演出モード情報である演出モード部を含む機種に固有の機種固有データを有する。これにより異なるメーカーや異なる機種間であっても認識可能な演出情報とすることが可能となっている。
外部演出データ領域に外部演出データが残存していない場合(ステップB368;No)は、外部イベント演出設定処理を終了する。また、外部演出データ領域に外部演出データが残存している場合(ステップB368;Yes)は、複数存在しているかを判定する(ステップB369)。そして、外部演出データが複数存在していない場合(ステップB369;No)は、自遊技機と同一の機種からの受信であるかを判定する(ステップB371)。また、外部演出データが複数存在している場合(ステップB369;Yes)は、予告演出優先テーブルに基づいて演出対象とする外部演出データを抽出し(ステップB370)、自遊技機と同一の機種からの受信であるかを判定する(ステップB371)。
図89に示すように、予告演出優先テーブルには、遊技イベントの種類、機種情報、通信強度により優先する順位(イベントレベル)が決められており、複数の外部演出データのうち最も優先度の高い外部演出データを抽出する。これにより、複数の外部イベント演出が実行されることによって特図変動表示ゲームの演出が煩雑になり過ぎてしまい、特別結果に対する遊技者の期待感が減衰されてしまうことを防止できる。特に、通信強度が最も高い演出情報を優先的に外部イベント演出の実行対象とすることで、他の遊技機で発生した遊技イベントと外部イベント演出とが関連したものであることを遊技者に認知させることが可能となる。
抽出した外部演出データが同一機種から受信したものでない場合(ステップB371;No)は、外部イベント用の予告演出画像選択テーブル1を設定する(ステップB372)。その後、設定テーブルから自身演出モード及びイベント(変動結果)に対応する予告演出画像を選択し(ステップB373)、選択した予告演出画像による予告演出の実行を設定する(ステップB376)。また、抽出した外部演出データが同一機種から受信したものである場合(ステップB371;Yes)は、外部イベント用の予告演出画像選択テーブル2を設定する(ステップB374)。その後、設定テーブルから外部演出データの演出モード及び自身イベント(変動結果)に応じた予告演出画像を選択し(ステップB375)、選択した予告演出画像による予告演出の実行を設定する(ステップB376)。
そして、予告実行タイミング及び予告演出音を予告選択テーブルから選択し(ステップB377)、選択したタイミング及び音による予告演出の実行を設定して(ステップB378)、外部イベント演出設定処理を終了する。
図90(a)に示すように予告演出画像選択テーブル1では、自遊技機の現在の演出モードと、これから開始される自遊技機での特図変動表示ゲームの結果(内部イベント)とから、外部イベント演出をなす機種固有演出である予告演出画像を選択するようになっている。これにより、異なる機種で発生したイベントを、自遊技機の演出モードに応じた演出として実行可能となり、異なるメーカーの遊技機間であっても他の遊技機から送信される演出情報に基づいて機種固有演出を行うことが可能となる。また、機種に特有の世界観等を変えることなく演出を実行することができ、遊技の興趣が向上する。さらに、異機種専用の機種固有演出を設定しておかずに済む。
また、図90(b)に示すように予告演出画像選択テーブル2では、他遊技機の現在の演出モードと、これから開始される自遊技機での特図変動表示ゲームの結果(内部イベント)とから、外部イベント演出をなす機種固有演出である予告演出画像を選択するようになっている。これにより、同一機種間では同一の機種固有演出を実行することができ、同一機種間の統一感を出すことができて遊技の興趣が向上する。また、同一機種で発生したイベントを当該イベントが発生した遊技機の演出モードに応じた演出として実行可能となり、近隣の同一機種の遊技機の演出モードを見ることで何れの遊技機でイベントが発生しているかを認識できる。さらに、他遊技機が自遊技機とは異なる演出モードであった場合に、当該他遊技機の演出モードに対する興趣を高めることができ、自遊技機で当該演出モードでの遊技を行う意欲を与えることができるので、遊技の興趣を高めることができるとともに遊技機の稼働率を高めることができる。
また、図90(c)に示すように予告選択テーブルでは、外部イベントの種類と、外部演出データの受信から自遊技機での特図変動表示ゲームの開始までの経過時間に基づき、予告演出の実行タイミングが決定される。これにより、外部演出データの受信から機種固有演出を実行するまでのタイムラグを調整することが可能となり、適切なタイミングで機種固有演出を実行することができる。さらに、これから開始される自遊技機での特図変動表示ゲームの結果(内部イベント)に基づき予告演出音が決定される。これにより、他の遊技機で発生した遊技イベントを契機として実行される機種固有演出を、自遊技機での特図変動表示ゲームの予告演出とすることが可能となり、特別結果への期待感を向上させることができる。
以上のような予告演出画像の表示や予告演出音の出力によって、他遊技機での遊技イベントの発生を報知できるとともに、予告演出画像や予告演出音の種類により自遊技機の遊技イベントを示唆することが可能となる。なお、外部イベントの種類を自遊技機と同じく4R大当りと15R大当りとしたが、他遊技機のスペックが自遊技機と異なる場合は、適宜振分を変更できるように、外部イベントの種類の振分態様を複数設定しておくようにしても良い。
すなわち、演出制御装置300が、他の遊技機の演出情報送信手段によって送信された演出情報を、情報通信手段を介して受信可能な演出情報受信手段をなす。また、演出制御装置300が、演出情報受信手段が受信した演出情報により特定される遊技イベントに対応して設定される機種固有演出を実行可能な固有演出実行手段をなす。
〔演出データ外部送信処理〕
図91には、図85に示す変動パターン情報設定処理における演出データ外部送信処理(ステップB357)を示した。この演出データ外部送信処理では、まず、自遊技機で外部イベント演出の実行中であるかを判定し(ステップB381)、外部イベント演出の実行中である場合(ステップB381;Yes)は、演出データ外部送信処理を終了する。また、外部イベント演出の実行中でない場合(ステップB381;No)は、外部演出データ領域に外部演出データが残存しているかをチェックする(ステップB382)。
外部演出データ領域に外部演出データが残存している場合(ステップB383;Yes)は、演出データ外部送信処理を終了する。また、外部演出データ領域に外部演出データが残存していない場合(ステップB383;No)は、内部イベント用の予告演出画像選択テーブル2を設定する(ステップB384)。
その後、設定テーブルから対応する外部演出データを取得し(ステップB385)、取得した外部演出データを外部通信バッファにセットして(ステップB386)、演出データ外部送信処理を終了する。図92に示すように予告演出画像選択テーブル2では、自遊技機で発生する内部イベントと自遊技機の演出モードとに基づき外部演出データを選択するようになっている。他遊技機ではこの外部演出データに基づき上述した外部イベント演出設定処理によって外部イベント演出を設定する。なお、自遊技機で予告演出画像選択テーブル2に規定された内部イベントが発生しない場合は外部演出データは送信されない。
すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームを実行していく過程で予め定めた複数種の遊技イベントの何れかが発生するか否かを判定可能な遊技イベント判定手段をなす。また、演出制御装置300が、遊技イベントの発生が判定されたことに基づき、当該遊技イベントの種類を異機種間であっても認識可能な演出情報を情報通信手段を介して送信可能な演出情報送信手段をなす。
図93には、各演出モードで実行される外部イベント演出をなす機種固有演出において表示される固有画像(予告演出画像)と、表示領域における固有画像の表示例を示した。図93(a)には、演出モード1(バトル演出モード)である場合の固有画像1,2と、表示領域における固有画像の表示例を示した。固有画像は表示領域の右上部から上下にジグザグ移動するように表示される。図93(b)には、演出モード2(ミッション演出モード)である場合の固有画像1,2と、表示領域における固有画像の表示例を示した。固有画像は表示領域の左右上部で回転するように表示される。
図93(c)には、演出モード3(ストーリー演出モード)である場合の固有画像1,2と、表示領域における固有画像の表示例を示した。固有画像は表示領域の上部で左方へ向けて移動するように表示されるとともに、下部で右方へ向けて移動するように表示される。図93(d)には、演出モード4(シリアス演出モード)である場合の固有画像1,2と、表示領域における固有画像の表示例を示した。固有画像は表示領域の上部から右下方へ向けて斜めに移動するように表示されるとともに、下部から左上方へ向けて斜めに移動するように表示される。このように、各演出モードに固有の固有画像を用いることで、機種に特有の世界観等を変えることなく演出を実行することができる。
以上のことから、始動条件の成立に基づき表示装置41で複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となったことに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、本遊技機と他の遊技機との間で情報通信を可能とする情報通信手段(無線通信回路350)と、変動表示ゲームを実行していく過程で予め定めた複数種の遊技イベントの何れかが発生するか否かを判定可能な遊技イベント判定手段(演出制御装置300)と、遊技イベントの発生が判定されたことに基づき、当該遊技イベントの種類を異機種間であっても認識可能な演出情報を情報通信手段を介して送信可能な演出情報送信手段(演出制御装置300)と、他の遊技機の演出情報送信手段によって送信された演出情報を情報通信手段を介して受信可能な演出情報受信手段(演出制御装置300)と、演出情報受信手段が受信した演出情報により特定される遊技イベントに対応して設定される機種固有演出を実行可能な固有演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、変動表示ゲームの演出を異ならせるための複数の演出モードの何れかを設定可能な演出モード設定手段(演出制御装置300)を備え、演出情報送信手段(演出制御装置300)は、演出情報に本遊技機の機種を示す機種情報及び演出モード設定手段により設定された演出モード情報を含めて送信するよう構成され、固有演出実行手段(演出制御装置300)は、複数の演出モード毎に遊技イベントの種類に対応する機種固有演出を実行可能であり、演出情報が同一の機種からの受信である場合には、当該演出情報により特定される演出モード及び遊技イベントの種類に対応する機種固有演出を実行するようにしていることとなる。
また、固有演出実行手段(演出制御装置300)は、演出情報が異なる機種からの受信である場合には、演出モード設定手段(演出制御装置300)により設定された演出モード及び演出情報により特定される遊技イベントの種類に対応する機種固有演出を実行するようにしていることとなる。
また、固有演出実行手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの実行に伴い機種固有演出を実行するよう構成されてなり、演出情報の受信から所定時間以内に変動表示ゲームが開始される場合には、当該変動表示ゲームの実行中に演出情報に基づく機種固有演出を実行する一方、演出情報の受信から所定時間以上が経過しても変動表示ゲームが開始されない場合には、当該演出情報に基づく機種固有演出を実行しないようにしていることとなる。
また、固有演出実行手段(演出制御装置300)は、機種固有演出を実行する場合には、演出情報の受信から変動表示ゲームが開始されるまでの時間に応じて機種固有演出を実行するタイミングを変化させることが可能であることとなる。
また、固有演出実行手段(演出制御装置300)は、演出情報の受信から所定時間以内に実行される変動表示ゲームの結果に対応させて機種固有演出の演出態様を変化させることが可能であることとなる。
また、固有演出実行手段(演出制御装置300)は、予め定められた判定情報に基づき演出情報受信手段(演出制御装置300)が受信した演出情報により特定される遊技イベントのイベントレベルを特定可能であり、演出情報受信手段が複数の演出情報を受信した場合には、イベントレベルが最も高い演出情報を機種固有演出の実行対象とするようにしていることとなる。
また、情報通信手段(無線通信回路350)は、本遊技機と他の遊技機とを無線により情報通信可能とし、演出情報受信手段(演出制御装置300)は、演出情報の受信時の通信強度を特定可能であり、固有演出実行手段(演出制御装置300)は、演出情報受信手段が複数の演出情報を受信した場合には、通信強度が最も強い演出情報を機種固有演出の実行対象とするようにしていることとなる。
図94、図95には、外部イベント演出の一例を示した。図94に示す例では、図94(a)に示すように、遊技場の島設備に020番台のAメーカー製機種δ、021番台のAメーカー製機種δ、022番台のCメーカー製機種γが並んで配置されている。
図94(b)に示すように、022番台の遊技機が演出モード3において4R大当りとなる特図変動表示ゲームを開始すると、022番台の遊技機から、Cメーカー(CC)の機種γ(Pγ)で4R大当りのイベント(04)が演出モード3(M3)で発生した旨を通知する「CCPγ04M3」のデータを含む外部演出データが出力される(t11)。020番台、021番台の遊技機はこの外部演出データを受信し、外部演出データ領域に記憶する。
020番台、021番台は、022番台からの外部演出データの受信から3秒以上経過した後に特図変動表示ゲームを開始している(t12、t13)。このため、022番台から受信して記憶した外部演出データは削除されており、020番台、021番台の特図変動表示ゲームでは022番台についての外部イベント演出は行われない。
020番台で開始された特図変動表示ゲームは、演出モード2において15R大当りとなる特図変動表示ゲームである。よって、020番台の遊技機から、Aメーカー(CA)の機種δ(Pδ)で15R大当りのイベント(15)が演出モード2(M2)で発生した旨を通知する「CAPδ15M2」のデータを含む外部演出データが出力される(t12)。021番台、022番台の遊技機はこの外部演出データを受信し、外部演出データ領域に記憶する。
021番台は、020番台からの外部演出データの受信から1.5秒より遅く3秒以内に特図変動表示ゲームを開始している(t13)。このため、記憶している020番台の外部演出データに基づき、特図変動表示ゲームにおいて外部イベント演出をなす機種固有演出を実行する。021番台は演出モード1であり、当該021番台で実行される特図変動表示ゲームはSP1リーチとなるが結果がはずれとなるものである。また、020番台と021番台は同一の機種であるので、図90(b)の予告演出画像選択テーブル2が選択され、020番台の演出モードが2であるので予告演出画像としてモード2固有画像1が選択される。また、図90(c)の予告選択テーブルに従い、予告演出実行タイミングとして変動開始時が選択され、予告演出音として予告音2の出力が選択される。
以上のような設定に従い、図94(c)に示すように021番台の表示画面では、演出モード1の背景画像が表示されて特図変動表示ゲームが実行されていない状態から、特図変動表示ゲームが開始されることに伴い、表示画面の左右上部にモード2固有画像1が回転するように表示されるとともに、予告音2(ブッブー♪)が出力される。これにより021番台の遊技者は、自身の演出モードに対応しない固有画像が表示されていることから、近隣の同一機種の遊技機のうち演出モード2である遊技機において、4R又は15R大当りが発生することを認識可能となる。また、自遊技機の特図変動表示ゲームが大当りとなる又はSPリーチ変動となることを認識可能となる。
また、図95に示す例では、図95(b)に示すように、020番台の遊技機が演出モード2において結果がはずれとなる特図変動表示ゲームを開始している(t21)この場合、結果が外れであるので外部演出データは出力されない。その後、022番台の遊技機が演出モード3において結果が4R大当りとなる特図変動表示ゲームを開始すると、022番台の遊技機から、「CCPγ04M3」のデータを含む外部演出データが出力される(t22)。020番台、021番台の遊技機はこの外部演出データを受信し、外部演出データ領域に記憶する。
020番台は、すでに特図変動表示ゲームを開始しており、次の特図変動表示ゲームの開始は外部演出データの受信から3秒以上経過した後になるので、020番台では外部イベント演出は行われない。
021番台は、022番台からの外部演出データの受信から1.5秒以内に特図変動表示ゲームを開始している(t23)。このため、記憶している022番台の外部演出データに基づき、特図変動表示ゲームにおいて外部イベント演出をなす機種固有演出を実行する。021番台は演出モード1であり、当該021番台で実行される特図変動表示ゲームは結果が15R大当りとなるものである。また、022番台と021番台は同一の機種ではないので、図90(a)の予告演出画像選択テーブル1が選択され、021番台の演出モードが演出モード1であるので予告演出画像としてモード1固有画像1が選択される。また、図90(c)の予告選択テーブルに従い、予告演出実行タイミングとして前半変動終了時が選択され、予告演出音として予告音2の出力が選択される。
以上のような設定に従い、図95(c)に示すように021番台の表示画面では、演出モード1の背景画像が表示されて特図変動表示ゲームが実行されていない状態から、特図変動表示ゲームが開始されて前半変動が終了することに伴い、表示画面の左右上部にモード1固有画像1がジグザグに移動するように表示されるとともに、予告音2(ブッブー♪)が出力される。
これにより021番台の遊技者は、自身の演出モードに対応した固有画像が表示されていることから、近隣の同一機種でない遊技機において、4R又は15R大当りが発生することを認識可能となる。また、自遊技機の特図変動表示ゲームが15R大当りとなることを認識可能となる。なお、自身の演出モードに対応した固有画像が表示されていることから、近隣の同一機種の遊技機のうち演出モード1である遊技機で4R又は15R大当りが発生し、自遊技機の特図変動表示ゲームが大当りとなる又はSPリーチ変動となる可能性もある。いずれにしても、近隣の遊技機で大当りが発生し、自遊技機で大当りとなる可能性が高いことを認識可能となる。
なお、他遊技機で発生した遊技イベントの報知を自遊技機の特図変動表示ゲームにおいて行うとしたが、客待ち中に行うようにしても良い。この場合、例えば、図81に示したようなセキュリティイベントの報知と同様の報知態様により行うようにする。
以上のような遊技機10は、始動条件の成立に基づき表示装置41で複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となったことに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、本遊技機と他の遊技機との間で情報通信を可能とする情報通信手段(無線通信回路350)と、情報通信手段を介して他の遊技機と情報通信を行うことで、本遊技機と同一属性の遊技機の設置数を特定可能な設置数特定手段(演出制御装置300)と、表示装置41に表示させる複数の表示データを記憶する表示データ記憶手段(演出制御装置300)と、表示データ記憶手段に記憶された表示データを表示装置41に表示させることが可能な表示データ表示手段(演出制御装置300)と、設置数特定手段により特定された設置数に基づき、表示データ表示手段が表示に用いる表示データを制限することが可能なデータ制限手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、設置数特定手段により特定された設置数に基づき、表示データ表示手段が表示に用いる表示データを制限することが可能なデータ制限手段を備えるので、設置された同一属性(機種、メーカー等)の遊技機の設置数によって表示装置の表示内容に変化を与えることが可能となる。
また、変動表示ゲームが実行されていない客待ち状態中において表示装置41に表示させる、遊技場に固有の固有表示データの入力操作を受け付ける操作受付手段(演出制御装置300)と、操作受付手段が受け付けた入力操作に対応する固有表示データを所定のデータ数の範囲内で表示データ記憶手段に設定記憶させることが可能な固有表示データ設定手段(演出制御装置300)と、を備え、データ制限手段は、客待ち状態中において表示データ表示手段(演出制御装置300)が表示する固有表示データのデータ数を制限することが可能な表示データ数制限手段(演出制御装置300)を備え、表示データ数制限手段は、設置数特定手段(演出制御装置300)により特定された設置数が多いほど固有表示データのデータ数制限を緩和するようにしている。
したがって、表示される固有表示データ(店名、イベント情報等)のデータ数が同一属性の遊技機の設置数に比例して多くなるため、同一属性の遊技機を複数購入してもらうための購買意欲をそそることができる。
また、表示データ表示手段(演出制御装置300)は、表示データ記憶手段(演出制御装置300)に設定記憶された固有表示データを表示する固有表示データ表示手段(演出制御装置300)を備え、固有表示データ表示手段は、表示データ数制限手段(演出制御装置300)によるデータ数制限の範囲内で固有表示データを表示するとともに、固有表示データの表示数に応じて当該固有表示データの表示レイアウトを変更するようにしている。
したがって、複数の固有表示データを効率よく遊技者に視認させることが可能となる。
また、本遊技機のイベントの発生を検出可能なイベント検出手段(遊技制御装置100)と、イベントの発生を検出したことに基づき、情報通信手段(無線通信回路350)を介して他の遊技機に当該イベントの発生を示すイベント情報を送信可能なイベント情報送信手段(演出制御装置300)と、情報通信手段を介して他の遊技機から送信されたイベント情報を受信可能なイベント情報受信手段(演出制御装置300)と、を備え、表示データ記憶手段(演出制御装置300)は、表示データとして他の遊技機でのイベントの発生を示す報知表示データを記憶してなり、表示データ表示手段(演出制御装置300)は、イベント情報が受信されたことに基づき、報知表示データを表示することが可能な報知表示データ表示手段(演出制御装置300)を備え、固有表示データ表示手段(演出制御装置300)は、報知表示データが表示される場合と報知表示データが表示されない場合とで固有表示データの表示レイアウトを変更するようにしている。
したがって、遊技場にとって重要な不正行為の可能性がある報知表示データを目立たせるような固有表示データの表示レイアウトとすることができる。
また、設置数特定手段(演出制御装置300)により特定された設置数に基づき、変動表示ゲームの演出を異ならせるための複数の演出モードの何れかを設定可能な演出モード設定手段(演出制御装置300)を備え、表示データ記憶手段(演出制御装置300)は、表示データとして複数の演出モードにそれぞれ対応付けられた複数の演出表示データを記憶してなり、データ制限手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームを実行可能な通常状態中において表示データ表示手段が表示に用いる演出表示データを制限するデータ使用制限手段(演出制御装置300)を備え、データ使用制限手段は、演出モード設定手段により設定された演出モードに対応付けられた演出表示データ以外の演出表示データを制限するようにしている。
したがって、同一属性の遊技機の設置数によって表示装置に表示される演出表示データが変化するため、遊技場に特有の演出表示を行うことが可能となる。また、他店との差別化を図ることも可能となる。
また、同一属性の遊技機の属性マスターであることを設定するためのマスター設定手段(演出制御装置300)を備え、設置数特定手段(演出制御装置300)は、マスター設定手段により属性マスターであると設定されたことに基づき、本遊技機と同一属性の遊技機の設置数を特定し、演出モード設定手段(演出制御装置300)は、属性マスターであるか否かに拘らずに、本遊技機の複数の演出モードの何れかを設定する第1演出モード設定手段(演出制御装置300)と、属性マスターであることを条件に、情報通信手段(無線通信回路350)を介して同一属性の他の遊技機に演出モードを設定させることが可能な第2演出モード設定手段(演出制御装置300)と、を備え、第2演出モード設定手段は、設置数特定手段により特定された設置数が特定数である場合には、第1演出モード設定手段により設定された演出モードとは異なる演出モードを同一属性の他の遊技機に設定させるようにしている。
したがって、同一属性の遊技機の設置数が特定数である場合には、それぞれの遊技機で異なる演出表示が行われることになるため、多くの演出表示を楽しみたい場合にそれぞれの遊技機で遊技を行うことになり、遊技機の稼動の向上に繋がる。
また、第1演出モード設定手段(演出制御装置300)は、所定の変更条件の成立に基づき先に設定した演出モードを設置数特定手段(演出制御装置300)により特定された設置数に対応する他の演出モードに変更するよう構成され、データ使用制限手段(演出制御装置300)は、第1演出モード設定手段による演出モードの変更に対応して演出表示データの制限を変更するようにしている。
したがって、演出モードの変更に対応して表示演出も変化することで、遊技者が飽きないようにすることができる。
また、第2演出モード設定手段(演出制御装置300)は、第1演出モード設定手段(演出制御装置300)により演出モードが変更された場合には、当該第1演出モード設定手段により設定された演出モードとは異なる演出モードを同一属性の他の遊技機に設定させるようにしている。
したがって、同一の台を特定の遊技者が独占していたとしても、他の遊技者にも様々な演出表示を楽しんでもらうことが可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。