まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。本実施例の遊技領域10における演出表示装置5の左側は、遊技球が流下可能な左遊技領域10Lを構成しており、遊技領域10における演出表示装置5の右側は、遊技球が流下可能な右遊技領域10Rを構成している。尚、図3に示すように、左遊技領域10Lを流下する遊技球は、後述する普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能となっており、右遊技領域10Rを流下する遊技球は、後述する普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に入賞可能となっている。更に、本実施例の右遊技領域10Rを流下する遊技球は後述する案内路202を介して後述するクルーンユニット210内に進入可能となっている。
演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの上方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、後述する第1進入口201’を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
演出表示装置5の下部正面側には、大当り遊技におけるラウンド数を遊技球によって決定するためのクルーンユニット210が設けられている。また、図1及び図3〜図5に示すように、演出表示装置5の右方には、右遊技領域10Rを流下する遊技球をクルーンユニット210に向けて案内するための案内路202が設けられている。この案内路202の上流側端部は右遊技領域10Rの上部に配置されており、下流側端部はクルーンユニット210の上端部に接続されている。
また、案内路202の上流側端部には、装飾体201が設けられている。該装飾体201の背面側には、第1進入口201’と第2進入口201’’とが形成されており、右遊技領域10Rを流下する遊技球は、第1進入口201’と第2進入口201’’とのいずれかの進入口を介して案内路202を通過し、クルーンユニット210内に到達可能となっている。また、第1進入口201’には、後述するゲートスイッチ21が内蔵されている。
尚、本実施例の案内路202は、右遊技領域10Rの上部からクルーンユニット210にかけて左右方向及び前後方向にかけて湾曲形成されている。このため、案内路202内を流下する遊技球は、案内路202の内壁に当接しながらクルーンユニット210に向けて流下するため、該案内路202内にて減速される。
案内路202の下流側には、クルーンユニット210に設けられたソレノイド83(図2参照)によって駆動する規制部材230が設けられている。規制部材230は、ソレノイド83の駆動によって案内路202内に突出することで、案内路202内を流下してきた遊技球のクルーンユニット210内への進入を規制する規制状態と、案内路202内から退避することで、案内路202内を流下してきた遊技球のクルーンユニット210内への進入を許容する許容状態と、の間でスライド移動可能に設けられている。尚、本実施例では、前述したように、案内路202内を流下する遊技球は案内路202内を流下する過程で減速されるため、規制状態の規制部材230が遊技球との接触によって破損してしまうことが防止されている。
本実施例の案内路202の下流側端部には、クルーンユニット210内に進入した遊技球を検出するための進入検出スイッチ204が設けられている。進入検出スイッチ204は、スイッチ回路110に接続されている。このため、CPU103は、進入検出スイッチ204から出力される信号に基づいて遊技球がクルーンユニット210内に進入したか否かを判定可能となっている。尚、CPU103は、進入検出スイッチ204から出力される信号に基づいて遊技球がクルーンユニット210内に進入したと判定した場合、ソレノイド83を駆動させることによって規制部材230を規制状態に変化させ、クルーンユニット210内に2球以上の遊技球が進入してしまうことを防止するようになっている。
また、本実施例の案内路202の下流側端部近傍からは、規制状態である規制部材230によってクルーンユニット210への進入を阻止(規制)された遊技球を案内路202内から排出するための排出路203が分岐して形成されている。尚、排出路203の下流側端部は、図3に示すように、特別可変入賞球装置7及び普通可変入賞球装置6Bの上方に配置されている。このため、後述する大当り遊技中や時短状態においてクルーンユニット210への進入を阻止(規制)された遊技球は、排出路203内を流下することで大入賞口や第2始動入賞口に入賞する場合がある。
次に、クルーンユニット210の構造について図5〜図9に基づいて説明する。図5に示すように、クルーンユニット210は、遊技球が上面を転動可能な円盤皿状を成す円盤部材270と、円盤部材270に対して上方から取り付けられるカバー部材220と、円盤部材270が配置される配置部材271と、を備える。
カバー部材220は、透過性を有する樹脂材等によって構成されており、円盤部材270を上方から被覆する蓋体である。該カバー部材220の上部は、案内路202内を流下してきた遊技球が進入する中空部205に形成されている。該中空部205内における上面には上下方向を向く貫通口206が形成されており、中空部205内に進入した遊技球は、該中空部205内から貫通口206内に進入し、カバー部材220の下方に落下するようになっている。
円盤部材270は、平面視で円形状を成す部材であり、上面には、該上面を中心角が90度となる4つの扇形状に仕切る4条のリブ225が形成されている。以降、本実施例では、これら4条のリブ225によって形成された4つの扇形状の領域のうち、左後方(図5における左上方)の領域を第1領域221、左前方(図5における左下方)の領域を第2領域、右前方(図5における右下方)の領域を第3領域、右後方(図5における右上方)の領域を第4領域と呼称する。
これら各領域のうち、第1領域221には第1領域用貫通口221’が、第2領域222には第2領域用貫通口222’が、第3領域223には第3領域用貫通口223’が、第4領域224には第4領域用貫通口224’が、それぞれ上下方向に向いて形成されている。また、円盤部材270の背面側には、第1領域用貫通口221’を通過した遊技球を検出するための第1領域スイッチ251と、第2領域用貫通口222’を通過した遊技球を検出するための第2領域スイッチ252と、第3領域用貫通口223’を通過した遊技球を検出するための第3領域スイッチ253と、第4領域用貫通口224’を通過した遊技球を検出するための第4領域スイッチ254と、が設けられている。
円盤部材270の平面視における中心部には、上下方向を向く貫通口270aが形成されており、該貫通口270aには、上下方向を向く略円柱状に形成された回動軸229が挿通されている。回動軸229は、後述する駆動モータ260の駆動によって回動する部材であり、上端部には、該回動軸229の外側方に向けて下方に傾斜を成す傾斜面を有する回転体211が取り付けられている。尚、貫通口270aに挿通された回動軸229の下端部は、円盤部材270の下方(クルーンユニット210の底部側)に配置されており、ギヤ255が枢支されている。
また、回動軸229は、貫通口270aに挿通された状態では、上端部が円盤部材270の上方に突出して配置されている。更に、回動軸229は、図6に示すように、貫通口270aに挿通されている状態では、貫通口206の下方に配置されている。このため、後述する駆動モータ260の駆動によって回動している回動軸229は、貫通口206を通って落下してくる遊技球に対して上端部に設けられた回転体211の傾斜面と接触することで、該遊技球を第1領域221、第2領域222、第3領域223、第4領域224のいずれかの領域に弾き飛ばすようになっている。
そして、第1領域221、第2領域222、第3領域223、第4領域224のいずれかの領域に弾き飛ばされた遊技球は、弾き飛ばされた領域に形成された貫通口を通過することで、第1領域スイッチ251、第2領域スイッチ252、第3領域スイッチ253、第4領域スイッチ254(以下、第1〜第4領域スイッチ251〜254と略記する)のいずれかの領域スイッチにて検出される。尚、第1〜第4領域スイッチ251〜254のいずれかの領域スイッチにて検出された後の遊技球は、円盤部材270の下方に設けられているアウト用流路226を介して遊技盤2の背面側に誘導される。
また、図7〜図9に示すように、クルーンユニット210の底部における前方側には、回動軸229を回動させるための駆動モータ260がヒートシンク265及び取付部材257に保持された状態で配置されている。ヒートシンク265は、熱伝導率の高く、加工性に優れ、安価である、アルミニウムにて構成されている板体であり、水平方向を向く第1板部265aと、該第1板部265aの前後両端部から下方に向けて突出する第2板部265b,265bと、第1板部265aから水平方向に延設された放熱板265cとから構成されている。また、第1板部265aには、上下方向を向く貫通口266が形成されているとともに、第1板部265aの下面には、熱伝導性シート264が配置されている。本実施例の貫通口266は、平面視で円形状に形成されており、熱伝導性シート264は、該貫通口266よりも大径である環状に形成されている。更に、熱伝導性シート264は、貫通口266に対して該貫通口266を包囲する同心円状に配置されている。尚、ヒートシンク265の材質は、アルミニウム限定されるものではなく、熱伝導性が高く、機械加工性を有し、安価なものであれば、例えば銅等の他の金属であってもよいし、非金属であってもよい。
ここで、本実施例に用いた熱伝導性シート264について説明すると、熱伝導性シート264は、ゴム弾性を有する高分子材料をシート状に成形したものであって、該高分子材料が有する熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する熱伝導率フィラーを高分子材料中に分散させたものである。
ゴム弾性を有する高分子材料としては、多量の熱伝導率フィラーを分散させても弾性や機械的強度を失わないものが好ましく、例えば、熱可塑性エラストマー樹脂や、熱硬化性のシリコーン樹脂等であれば良い。特に、シリコーン樹脂は、硬化剤を混合するまでは、硬化せずに低粘度や低粘性であるものが多く、熱伝導率フィラーの分散が容易であるとともに、その取り扱いが容易であることから、例えば、液状のものであって、硬化によってゴム弾性を有するシート状に成形可能な液状シリコーンレジンを好適に用いることができる。
これら高分子材料に配合、分散させる熱伝導率フィラーとしては、使用する高分子材料よりも高い熱伝導率を有し、少ない配合量で高分子材料の熱伝導率を高めることができ、且つ、安価なものであることが好ましく、例えば、カーボンやグラファイト等の炭素系導電材、各種の金属粉、又は、アルミナセラミックスや窒化ホウ素セラミックスや窒化ケイ素セラミックスや窒化アルミニウムセラミックスや炭化ケイ素等の高熱伝導性セラミックが例示される。
これらのうち、炭素系導電材や金属粉は、比較的安価ではあるものの、高分子材料の熱伝導率が向上するまで配合すると、高分子材料の電気絶縁性が低下してしまい、接触する電気部品において短絡等による不具合が生じる可能性が高くなってしまうので、高分子材料の電気絶縁性を低下させない高熱伝導性セラミックが好適である。但し、炭素系導電材である例えば、カーボンナノチューブと高熱伝導性セラミックとを混合したもの等であってもよい。
これらから適宜に選択した熱伝導率フィラーは、例えば、液状シリコーンレジンに混合、分散された後、硬化材を混合し、シート状に成形した後に加熱等により硬化させればよい。
また、混合、分散する熱伝導率フィラーの配合量は、これが多い程、熱伝導率を高めることができるものの、得られる弾性シートの機械的強度や弾性が低下してしまうので、得られる弾性シートの機械的強度や弾性が実用的な範囲となる配合量とすることが好ましく、実際的には、40〜65容量%の範囲内とすればよい。
また、得られる弾性シートの熱伝導率としては、1W/m・K以上、より好ましくは、2W/m・K以上であるものが好ましい。
尚、シート状とした場合に、駆動モータ260の形状に適合した形状に打ち抜き加工する必要があると、個々に形状のバラツキ等が大きく、形状再現性が悪くなってしまい、駆動モータ260との当接面よりも熱伝導性シート264がはみ出してしまうと、熱伝導性シート264が破断する可能性が高くなってしまうことから、例えば、硬化材を混合した、硬化前の液状シリコーンレジンを、熱伝導性シート264の形状とされたスクリーン版を用いて、離型紙等にスクリーン印刷して成形した後、加熱硬化させ、該離型紙上に高精度の寸法精度で印刷成型された熱伝導性シート264を、ヒートシンク265に転写して、適宜な位置に貼り付けるようにすればよい。
尚、熱伝導性シート264の厚みとしては、厚みが薄すぎると駆動モータ260とヒートシンク265の間隙を良好に埋めることができず、駆動モータ260からヒートシンク265への熱の良好な移動が図れなくなり、逆に、厚みが厚すぎても熱伝導性シート264内の伝熱抵抗が大きくなってしまうことから、駆動モータ260とヒートシンク265の間隙を良好に埋めることができる最小限の厚み、例えば、0.5mm〜1.0mm程度の厚みとすればよい。
尚、熱伝導性シート264としては、上記のようにして作製したものだけではなく、同様の特定を有するものであれば、外販または市販されているものを適宜に使用してもよい。
また、第1板部265aからは、右方に向けて放熱板265cが延設されている。この放熱板265cには、上下方向を向く複数の貫通口267が形成されているとともに、各貫通口267の周囲には、各貫通口267の周縁に沿う壁部268が下方に向けて突出形成されている。
駆動モータ260は、両第2板部265b,265b間に配置されており、ヒートシンク265に対して取付部材257が複数のボルトによって緊締されることによってこれらヒートシンク265と取付部材257とに保持される。つまり、本実施例におけるヒートシンク265は、第1板部265aと両第2板部265b,265bとによって、本発明における収容部を構成している。尚、駆動モータ260の上端部には、上方に向けて突出し、その中心に駆動モータ260が駆動されることによって回転する駆動軸260’が露出している突部260aが形成されており、該突部260aは、貫通口266内に挿通される。
また、図9(B)に示すように、ヒートシンク265に対して取付部材257が複数のボルトによって緊締されることによって、駆動モータ260は、該駆動モータ260の上端部と第1板部265aとで熱伝導性シート264を挟圧する。このとき、熱伝導性シート264は、駆動モータ260の上端部(上面)と第1板部265aとで挟圧されることによって弾性変形するが、該弾性変形後の熱伝導性シート264の縁部は、駆動モータ260の上端部と第1板部265aとの間から駆動モータ260及び上端部と第1板部265aの内側方(貫通口266内)や外側方に膨出しないようになっている。このため、駆動モータ260の駆動や該駆動によって回動するギヤ258(後述)によって駆動モータ260が振動したとしても、熱伝導性シート264の端部が破断し、該破断片によって駆動モータ260の駆動や回動軸229の回動等に不具合が生じることが防止されている。
尚、実際に駆動モータ260をヒートシンク265と取付部材257とで保持する場合は、突部260aと貫通口266及び熱伝導性シート264の位置関係が正しいことを確認した上でヒートシンク265と取付部材257とをボルトによって緊締する必要がある。このため、クルーンユニット210の組み立てを行う際には、駆動モータ260の上端部における突部260aの周囲に熱伝導性シート264を配置した状態で該駆動モータ260を駆動モータ260を両第2板部265b,265b間に配置した後、ヒートシンク265と取付部材257とを複数のボルトにより緊締してもよい。また、第1板部265aの下面に弾性変形した状態の熱伝導性シート264を収容可能な形状の溝部を形成するとともに、図8に示すように、第1板部265aの下面が上方を向いている状態で該溝部内に熱伝導性シート264を配置することによって貫通口266に対して熱伝導性シート264の位置決めを行い、更に駆動モータ260を上方から両第2板部265b,265b間に配置した情愛でヒートシンク265と取付部材257とを複数のボルトにより緊締してもよい。
以上のように、駆動モータ260は、ヒートシンク265と取付部材257とによって保持されたことによって、駆動による発熱を熱伝導性シート264と第1板部265aとを介して放熱板265cに伝達させるようになっている。そして、放熱板265cに伝達された熱は、該放熱板265cから放熱される。尚、本実施例の放熱板265cは、複数の貫通口267及び壁部268が形成されていることによって、これら貫通口267及び壁部268が形成されていない場合よりも空気が触れる面積が広くなっているため、貫通口267及び壁部268が形成されていない場合よりも効率的に駆動モータ260からの発熱を放熱することができる。ヒートシンク265と取付部材257とによって保持された駆動モータ260は、取付部材257がクルーンユニット210に対して複数のボルトによって取り付けられることによって、クルーンユニット210の底部における前方側に配置される。
尚、駆動モータ260は、下端部に上下方向を向く枢軸を有している。該枢軸は、駆動モータ260の駆動により回動可能に設けられているとともに、該枢軸には、ギヤ258が枢支されている。
クルーンユニット210の底部における前方側には、ギヤ258と噛合するギヤ256も回動可能に枢支されている。更に、該ギヤ256は、前述した回動軸229の下端部に枢支されているギヤ255にも噛合している。つまり、本実施例の駆動モータ260は、ギヤ255,256,258を介して駆動力を回動軸229に対して伝達し、回動軸229は、該駆動モータ260から伝達された駆動力によって一定速度で回動するようになっている。
尚、本実施例のクルーンユニット210の底部における前方側には、ギヤ255に形成された切欠部を一定時間毎に検出することによってギヤ255(更には回動軸229)の回動を検出するためのセンサSも設けられている(図2では省略)。該センサSは、スイッチ回路110を介して信号をCPU103に対して出力可能となっており、CPU103は、該センサSから出力される信号に基づいて回動軸229が回動しているか否か及び回動速度が一定速度であるか否かを判定可能となっている。
図7(A)及び図8に示すように、クルーンユニット210の底部における後方側には、左右幅方向に長寸に形成された壁部261’が設けられている。該壁部261’の前方側には、前述した駆動モータ260やヒートシンク265、取付部材257、各ギヤ255,256,258が配置されている。また、該壁部261’の後方側には、CPU103の制御に応じて駆動モータ260を駆動するためのモータ駆動回路やセンサSに関する回路等を含む駆動基板261が配置されている。つまり、本実施例における壁部261’は、駆動モータ260とモータ駆動回路とを分断するように配置されており、駆動モータ260が発する電磁ノイズやヒートシンク265からの放熱による駆動基板261上のモータ駆動回路等の誤作動が防止されている。
尚、本実施例の駆動基板261に搭載されているモータ駆動回路は、パチンコ遊技機1に電源が投入されて遊技が可能となった状態から、パチンコ遊技機1の遊技状態にかかわらず駆動モータ260を予め定められた一定の出力で継続駆動させる。つまり、本実施例の回動軸229は、パチンコ遊技機1の遊技状態にかかわらず、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止するまで定速で回動し続ける。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1〜第4領域スイッチ251〜254、進入検出スイッチ204等の各スイッチからの入力信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜83に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、第1進入口201’を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9、昇降用モータ308L,308R、回動用モータ350、突出用モータ360、下方位置検出スイッチ313L,313R、中間位置検出スイッチ314L,314R、上方位置検出スイッチ315L,315R、演出用ソレノイド318L,318R、初期位置スイッチ351、展開位置スイッチ352、収納位置スイッチ361、突出位置スイッチ362といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、後述する第1進入口201’を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
尚、本実施例の大当り開放前処理においては、CPU103は、ソレノイド83を駆動することによって規制部材230を許容状態に変化させ、案内路202内を流下する遊技球がクルーンユニット210内に進入可能な状態とする。また、CPU103は、大当り種別に応じて遊技球が第1領域スイッチ251にて検出された場合のラウンド数、遊技球が第2領域スイッチ252にて検出された場合のラウンド数、遊技球が第3領域スイッチ253にて検出された場合のラウンド数、遊技球が第4領域スイッチ254にて検出された場合のラウンド数の割り当てをそれぞれ抽選して決定する。
例えば、大当り種別として大当りA〜大当りDの計4つの大当り種別を設け、大当り遊技中に実行するラウンド数として16ラウンドと2ラウンドとが設けられていると仮定する。このような場合は、大当り種別が大当りAであるときは、全ての領域スイッチを、遊技球を検出することで大当り遊技中に実行するラウンド数を16ラウンドに決定する領域スイッチに設定し(16ラウンド決定割合:100%、2ラウンド決定割合0%)、大当り種別が大当りBであるときは、いずれか3の領域スイッチを、遊技球を検出することで大当り遊技中に実行するラウンド数を16ラウンドに設定するとともに、残りの1の領域スイッチを、遊技球を検出することで大当り遊技中に実行するラウンド数を2ラウンドに決定する領域スイッチに設定する(16ラウンド決定割合:75%、2ラウンド決定割合25%)。
更に、大当り種別が大当りCであるときは、いずれか2の領域スイッチを、遊技球を検出することで大当り遊技中に実行するラウンド数を16ラウンドに設定するとともに、残りの2の領域スイッチを、遊技球を検出することで大当り遊技中に実行するラウンド数を2ラウンドに決定する領域スイッチに設定し(16ラウンド決定割合:50%、2ラウンド決定割合50%)、大当り種別が大当りDであるときは、いずれか1の領域スイッチを、遊技球を検出することで大当り遊技中に実行するラウンド数を16ラウンドに設定するとともに、残りの3の領域スイッチを、遊技球を検出することで大当り遊技中に実行するラウンド数を2ラウンドに決定する領域スイッチに設定する(16ラウンド決定割合:25%、2ラウンド決定割合75%)。
そして、CPU103は、進入検出スイッチ204によって遊技球が検出されるまで待機する。進入検出スイッチ204によって遊技球が検出された場合、CPU103は、ソレノイド83を駆動することによって規制部材230を許容状態から規制状態に変化させ、クルーンユニット210内への2球以上の遊技球の進入を防止する。次いで、CPU103は、第1〜第4領域スイッチ251〜254のいずれかの領域スイッチにて遊技球が検出されるまで待機する。
次に、第1〜第4領域スイッチ251〜254のいずれかの領域スイッチにて遊技球が検出された場合、CPU103は、遊技球が検出された領域スイッチに対応するラウンド数をセットし、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を実行してく。
尚、本実施例では、進入検出スイッチ204にて遊技球が検出されたことに基づいてCPU103が規制部材230を許容状態から規制状態に変化させることでクルーンユニット210内への2球以上の遊技球の進入を防止する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、クルーンユニット210内に2球以上の遊技球が進入した場合は、最初に遊技球を検出した領域スイッチに対応したラウンド数を大当り遊技として実行しても良いし、最後に遊技球を検出した領域スイッチに対応したラウンド数を大当り遊技として実行してもよい。更に、大当り種別が前述した大当りB〜大当りDのいずれかである場合は、16ラウンドに対応する領域スイッチにて遊技球が検出されたことに基づいて16ラウンドの大当り遊技を実行するようにしてもよい。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9の発光及び演出ユニット300の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施例では、以下に説明する演出ユニット300の第1可動体302による可動体演出や、演出ユニット300とスピーカ8L,8R、及び演出用LED9等とによる複合演出や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。
次に、図10〜図16に基づいて、演出ユニット300について説明する。図10は、第1可動体が第1位置にある演出ユニットを示す正面図である。図11は、(A)は第1可動体が第1位置にて第1回動状態にある第1可動体ユニットを示す正面図、(B)は第1可動体が第2位置にて第2回動状態にある第1可動体ユニットを示す正面図である。図12は、(A)は動作前の第2可動体ユニット及び第3可動体ユニットを示す正面図、(B)は動作後の第2可動体ユニット及び第3可動体ユニットを示す正面図である。図13は、演出ユニットを正面側から見た分解斜視図である。図14は、演出ユニットを背面側から見た分解斜視図である。図15は、(A)は第1可動体が第1位置にある第1可動体ユニットを示す説明図、(B)は同じく背面図である。図16は、(A)(B)は第1可動体の駆動機構を示す説明図である。
図10〜図14に示すように、演出ユニット300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、正面視略下向きコ字形に形成されるベース部301、及び該ベース部301の上部の第1位置(図11(A)参照)と該第1位置よりも下方の第2位置(図11(B)参照)とに移動可能であるとともに、後述する回動中心Pを中心に回動可能な第1可動体302から成る第1可動体ユニットと、ベース部301の左側辺部301b及び右側辺部301cの後方に設けられるベース部401L,401R、及びベース部401L,401Rから側方(演出表示装置5の前面)に向けて突出可能な第2可動体402L,402Rから成る第2可動体ユニットと、ベース部301の下方に設けられるベース部501、及びベース部501から上方(演出表示装置5の前面)に向けて突出可能な第3可動体502から成る第3可動体ユニットと、を有する。
第1可動体ユニットにおけるベース部301は、上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cにより下向き略コ字形に形成され、各上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cが演出表示装置5の表示画面の各辺に沿うように配設されている。また、ベース部401L,401Rは、左側辺部301b及び右側辺部301cの後方に前後方向に重畳して配置されている。また、ベース部501は、演出表示装置5の表示画面の下辺に沿うように配設されている。したがって、ベース部301(上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301c)、ベース部401L,401R、ベース部501により矩形状に囲まれた開口から演出表示装置5の表示画面を視認できるようになっている(図1参照)。
また、上辺部301aの前面側には、第1可動体302の背面側に配置される装飾体380が取付けられており、装飾体380は、第1位置にある状態、及び後述する突出体370が突出した状態(図11(B)及び図25)において、突出体370の背面側の周囲を装飾するようになっている。言い換えれば、装飾体380は、遊技者(前方側)から見て第1可動体302の奥側に設けられている。尚、図11(A)は、第1可動体302が第1回動状態となっており、図11(B)は、第1可動体302が第2回動状態となっている。つまり、第1回動状態は、第1可動体302の回動状態における初期状態であり、第2回動状態は、第1可動体302の回動状態における展開状態である。尚、第1可動体302の第1回動状態及び第2回動状態の詳細については、後段にて説明する。
図12に示すように、第2可動体402L,402Rは、複数のアームが端部同士で回動可能に接続された帯状を成しており、所定の駆動機構により、ベース部401L,401Rの後方に重畳する非動作状態(図12(A)の状態)と、ベース部401L,401Rから略環状を成して側方に突出される動作状態(図12(B)の状態)と、に動作可能となっている。
また、第3可動体502は、ベース部501に対して回動可能に取付けられるアーム503L,503Rと、該アーム503L,503Rを回動させる回動機構と、から構成されており、前記回動機構により、アーム503L,503Rの端部同士が離間して開いた非動作状態(図12(A)の状態)と、アーム503L,503Rがベース部501の上方に配置されるように回動し所定の図形(例えば、ハート形等)を形成する動作状態(図12(B)の状態)と、に動作可能となっている。
図15に示されるように、ベース部301の左側辺部301b及び右側辺部301cの前面には、後述する第1可動体302を上下方向に案内する案内軸306L,306Rが設けられている。また、左側辺部301b及び右側辺部301cには、案内軸306L,306Rを前面側から挟み込むように固定されるカバー部材307L,307R(図10及び図11参照)が設けられており、案内軸306L,306Rが遊技者から視認し難くなっている。尚、図15においては、上辺部301aの構成の図示を省略している。
案内軸306L,306Rは、左側辺部301b及び右側辺部301cの前面上部に固定される上軸受部と、カバー部材307L,307Rの後面下部に設けられる下軸受部と、により、軸心周りに回転可能に軸支されている。案内軸306L,306Rの周面には、凹状の溝部321が螺旋状に形成されている。
また、図16の右図に示すように、案内軸306L,306Rの上端には、従動ギヤ339が固着されており、その近傍には、昇降用モータ308L,308Rが固定されている。尚、昇降用モータ308L,308Rは、駆動軸337が下方に突出するように設けられており、該駆動軸337の先端に固着された駆動ギヤ338は案内軸306L,306Rの従動ギヤ339に噛合されている。よって、昇降用モータ308L,308Rを駆動させることにより案内軸306L,306Rが軸心周りに回転する。
図15に戻って、案内軸306L,306Rには、第1可動体302から左右方向に延びるアーム309L,309Rが昇降可能に取付けられている。尚、案内軸306L,306Rに対するアーム309L,309Rの取付形態については、後段にて説明する。
また、図15(B)に示すように、左側辺部301b及び右側辺部301cには、左側辺部301b及び右側辺部301cの上方位置にてアーム309L,309Rの一部を検出する上方位置検出スイッチ315L,315Rと、左側辺部301b及び右側辺部301cの中間位置にてアーム309L,309Rの一部を検出する中間位置検出スイッチ314L,314Rと、左側辺部301b及び右側辺部301cの下方位置にてアーム309L,309Rの一部を検出する下方位置検出スイッチ313L,313Rが設けられている。また、第1位置に配置された第1可動体302の上部には、遊技盤2を装飾する装飾部材390が遊技機用枠3の上部に固定されており、この装飾部材390には、第1位置にある第1可動体302の一部と当接する2つの当接部391が設けられている。尚、第1可動体302と当接部391との当接については、後段にて詳述する。
更に、左側辺部301b及び右側辺部301cの上部には、第1可動体302を装飾体380と前後方向に重畳する位置(第1位置)に保持するための演出用ソレノイド318L,318Rと、第1可動体302を上方に向けて付勢する付勢手段310L,310Rと、が設けられている。
尚、演出用ソレノイド318L,318Rは、図16の左図に示すように、左右に進退可能な係止部材318aを備えている。演出用ソレノイド318L,318Rがオフの状態時には、係止部材318aがアーム309L,309R側に突出するようになっている。つまり、図16(A)に示すように、演出用ソレノイド318L,318Rがオフの状態時には、第1可動体302を係止部材318aに係止させて第1可動体302を第1位置に保持でき、該第1位置での第1回動状態において振動等により落下及び回動してしまうことを抑制することができる。また、図16(B)に示すように、演出用ソレノイド318L,318Rがオンの状態時には、係止部材318aがアーム309L,309R側から退避するようになっている。つまり、演出用ソレノイド318L,318Rがオンの状態時には、第1可動体302と係止部材318aとの係止状態を解いて第1可動体302を第2位置に移動可能な状態とすることができる。
付勢手段310L,310Rは、左右方向に延びる軸を中心に回動可能に軸支されるボビン316と、ボビン316に巻き取り可能に設けられた帯状の定荷重バネ317と、から主に構成される。定荷重バネ317は、所定長さを有する帯状のバネ部材であり、一端はボビン316に固定され、他端は、アーム309L,309Rに固定されており、自然状態において、ボビン316に巻き取られる方向に戻り力が働いている。すなわち、第1可動体302が上方位置にあるときにはボビン316の周面に巻回され、第1可動体302が少なくとも下方位置まで落下可能に引き出されるのに必要な長さを有している。
定荷重バネ317は、直線に引き伸ばすときに生じる戻り力(荷重)がストロークにかかわらず略一定になっており、第1可動体302は、その自重が定荷重バネ317の戻り力よりも大きい状態で支持されている。このように、第1可動体302の重量が定荷重バネ317の戻り力を上回ることで、第1可動体302は自重で落下可能となるが、定荷重バネ317の戻り力により小さな出力の昇降用モータ308L,308Rで上昇(または下降)させることができる。
尚、本実施例では、第1可動体302は、その自重が定荷重バネ317の戻り力よりも大きい状態で支持されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その自重が定荷重バネ317の戻り力とバランスが取られた状態で支持されるようにしてもよい。このようにすることで、第1可動体302の重量が理論上ゼロとなり、小さな出力の昇降用モータ308L,308Rで上昇(または下降)させることができる。
図15及び図16に示すように、案内軸306L,306Rには、第1可動体302のアーム309L,309Rが上下方向に移動可能に設けられる。詳しくは、アーム309Lは、案内軸306Lに向けて延びており、その左端部には、上下方向に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。この貫通孔には、案内軸306Lが挿通され、該貫通孔の内周面に形成された図示しない係合部が案内軸306Lの溝部321に嵌合している。
また、アーム309Rは、第1可動体302の右側方から突出する第1アーム309Aと、第1アーム309Aに連結される別体の第2アーム309Bと、から構成されている。図15(A)の拡大部及び図18、図19に示すように、第1アーム309Aの右端には、右側に突出する突出部342が設けられており、突出部342には、左右方向に延びる長孔343が上下に2つ形成されている。第2アーム309Bは、突出部342の前面側に配置される第1分割体344と、突出部342の背面側に配置される第2分割体345と、を有している。第1分割体344は、長孔343に遊び(隙間S)を持って挿通されるピン344aと、上下方向に貫通する貫通孔344bと、を備えており、貫通孔344bには、案内軸306Rが挿入されている。
また、第2分割体345は、ピン344aと突出部342よりも右方に離れた位置とで第1分割体344に連結されることで第2アーム309Bが構成される。すなわち、第2アーム309Bは、ピン344aが長孔343に遊びを持って挿通された状態で第1アーム309Aに連結される。
図16の右図に示すように、貫通孔344bの内周面には、係合部333が突設されており、係合部333は、案内軸306Rの溝部321内に嵌合されている。このように、アーム309Lの係合部及びアーム309Rの係合部333が案内軸306L,306Rの溝部321に嵌合されていることで、案内軸306L,306Rが第1方向に回転するとアーム309L,309Rが上昇し(図39(B)参照)、案内軸306L,306Rが第1方向とは逆の第2方向に回転するとアーム309L,309Rが下降するようになっている(図37(B)参照)。更に、係合部333は、案内軸306L,306Rの溝部321内に遊びを持って嵌合されているため、案内軸306L,306Rの回転時における係合部333と溝部321との摩擦が少なく、アーム309L,309Rが昇降移動しやすくなっている。
また、第2アーム309Bは、ピン344aが長孔343に遊びを持って挿通された状態で第1アーム309Aに連結されているため、例えば、アーム309L,309Rの昇降移動時に上下方向の相対的な位置ずれ等が生じた場合であっても、ピン344aが長孔343内を左右に移動して、アーム309L,309Rに捻じれ等の負荷が掛かることを防止できる。尚、アーム309L,309Rと第1可動体302における後述する箱状部302Aとの具体的な接続構造については、後段にて詳述する。
尚、ここでは、案内軸306L,306Rにより第1可動体302が昇降移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラックピニオン等の他の昇降機構により第1可動体302が昇降移動するようになっていてもよい。
次に、第1可動体302の構造について、図17〜図35に基づいて説明する。図17は、第1可動体の構造を示す六面図である。図18は、第1可動体を正面側から見た分解斜視図である。図19は、第1可動体を背面側から見た分解斜視図である。図20は、第1可動体における突出体を正面側から見た分解斜視図である。図21は、第1可動体における突出体を背面側から見た分解斜視図である。図22は、(A)は第1可動体の底面図、(B)は(A)からギヤベース部材の構成を省略した図である。図23は、蓋部材の構造を省略した第1可動体の背面図である。図24は、第1可動体が第2位置にて第2回動状態となった状態を示す説明図である。図25は、C−C断面図である。図26は、図24の状態から突出体が突出した第2状態となった状態を示す説明図である。図27は、D−D断面図である。図28は、(A)は第2回動状態となった第1可動体を後方から見た状態を示す説明図、(B)は(A)の第1可動体を右側方から見た状態を示す説明図、(C)は(A)におけるギヤを後方から見た状態を示す説明図、(D)は(A)におけるギヤを前方から見た状態を示す説明図、(E)は(A)の第1可動体を前方からみた状態を示す説明図である。図29は、(A)は蓋部材が開放した第1可動体を後方から見た状態を示す説明図、(B)は(A)の第1可動体を右側方から見た状態を示す説明図、(C)は(A)におけるギヤを後方から見た状態を示す説明図、(D)は(A)におけるギヤを前方から見た状態を示す説明図、(E)は(A)の第1可動体を前方からみた状態を示す説明図である。図30は、(A)は突出体が突出した第1可動体を後方から見た状態を示す説明図、(B)は(A)の第1可動体を右側方から見た状態を示す説明図、(C)は(A)におけるギヤを後方から見た状態を示す説明図、(D)は(A)におけるギヤを前方から見た状態を示す説明図、(E)は(A)の第1可動体を前方からみた状態を示す説明図である。図31は、第1可動体における第1部位と第2部位を示す説明図である。図32は、第1可動体が第2回動状態から第1回動状態に変化した状態を示す説明図である。図33は、第1可動体の退避動作を示す説明図である。図34は、第1可動体が第1位置に移動した状態を示す説明図である。図35は、(A)は、第2回動状態における第1可動体の配線状態を後方から見た概略図、(B)は第2回動状態における第1可動体の配線状態を上方から見た概略図、(C)は第1回動状態における第1可動体の配線状態を上方から見た概略図である。
図17には、第1回動状態における第1可動体302を図示している。図17に示すように、第1可動体302は、断面視略矩形状を成す箱状部302Aと、前述したアーム309L,309Rと、を有しており、アーム309L,309Rと箱状部302Aとは相対的に回動可能となっている。第1回動状態における箱状部302Aの正面は、パチンコ遊技機1のロゴ等を表示する第1回動面322となっており、第2回動状態において下方向を向く。また、第1回動状態における箱状部302Aの上面は、第2回動状態において遊技者側(正面側)を向く第2回動面323となっており、装飾が施されている(図18参照)。また、第1回動状態における箱状部302Aの底面は、第2回動状態において後方側を向く第3回動面324となっており、第1回動状態においては、遊技者から視認可能となっているので装飾が施されている。また、第1回動状態における箱状部302Aの背面は、第2回動状態において上方を向く第4回動面325となっており、この第4回動面325は、開閉可能な蓋部材319により構成されている。
より詳しくは、図18及び図19に示すように、箱状部302Aは、第1回動面322、第2回動面323、第3回動面324、左側面326及び右側面327を構成する板材により断面視略コ字状に形成された基部を有し、該基部の開口部を蓋部材319により開閉するようになっている。この箱状部302Aの内部には、突出体370が設置されており、突出体370は、箱状部302A内に収納される第1状態(図11(A)及び図24参照)と、箱状部302Aの開口部(第4回動面325側)から突出する第2状態(図11(B)及び図24参照)と、に変化可能である。
また、蓋部材319は、側方側の両端部に側方へ突出する軸部319aを備えており、軸部319aが箱状部302Aの左側面326及び右側面327を構成する板材に設けられた貫通孔に挿通されることで回動可能に軸支されており、後述する開閉機構348により蓋部材319が開閉動作するようになっている。尚、蓋部材319の回動可能範囲は、箱状部302Aに設けられた図示しないストッパ部により90度未満となっている。
次に、アーム309L,309Rの具体的構成について説明する。図18及び図19に示すように、アーム309Lは、内側軸受部330と、外側軸受部331と、内側軸受部330及び外側軸受部331の間に回動自在に取付けられる回動部材332と、から主に構成されており、回動部材332は、内側軸受部330を介して箱状部302Aの左側面326に設けられた突出軸368に固定されている。また、外側軸受部331に取付けられた後述する電子基板336を保護するための保護カバー334が取付けられており、この保護カバー334には、電子基板336と図示しないベース部に設置された駆動制御手段(演出制御用CPU120/電源を含む)とを接続するケーブル335が設けられている。
また、アーム309Rは、内側軸受部330’と、外側軸受部331’と、内側軸受部330’及び外側軸受部331’の間に回動自在に取付けられる回動部材332’と、回動部材332’を駆動させる回動用モータ350と、から主に構成されており、回動部材332’は、内側軸受部330’を介して箱状部302Aの右側面327に設けられた突出軸(図示略)に固定されている。すなわち、回動用モータ350を駆動させることによりアーム309L,309Rと箱状部302Aとが左右に延びる回動中心Pを中心に相対的に回動する。尚、アーム309L,309Rは、案内軸306L,306Rに対して回動不能に取付けられているため、回動用モータ350を駆動させると、アーム309L,309Rは姿勢を変えない状態で箱状部302Aが回動する。すなわち、第1可動体302を回動させることで、第4回動面325が後方を向く(遊技者から視認困難または視認不能となる)第1回動状態(図11(A)参照)と、第4回動面325が上方を向く(第1回動状態とは異なる方向を向く)第2回動状態(図11(B))と、に変化させることができる。
また、図17の拡大部に示すように、回動部材332’には、所定の被検知部340が設けられており、被検知部340の回動軌道上には、被検知部340を検出するセンサとしての初期位置スイッチ351と展開位置スイッチ352とが所定間隔離間して配置されている。尚、図示しないが、第1可動体302の第1回動状態では、初期位置スイッチ351により被検知部340が検出され、第2回動状態では、展開位置スイッチ352により被検知部340が検出されるようになっている。
次いで、突出体370について説明する。図20〜図22に示すように、突出体370は、第1可動体302から突出する演出を行う演出機構371と、演出機構371に駆動力を付与する駆動機構372と、駆動機構372からの駆動力を演出機構371に伝達するパンタグラフ機構373と、を備えている。
演出機構371は、箱状部302Aに固定されるベース部材374と、ベース部材374に対して上下にスライド可能に取付けられる第1演出部材375と、第1演出部材375に対して上下にスライド可能に取付けられる第2演出部材376と、を備えている。ベース部材374は、上下方向に延びる2つのスリット377が形成されている。第1演出部材375の背面には、それぞれのスリット377に対し離脱不能に前面側から挿通されるピン375aが設けられており、ピン375aがスリット377に沿って移動することにより第1演出部材375がベース部材374に対して上下にスライド可能となっている。尚、第1演出部材375及び第2演出部材376の前面には所定の装飾が施されている。
また、第1演出部材375の背面上部には、上下に貫通して延びる2つの凹溝部378が形成されている。第2演出部材376の背面には、上下方向に延びる2つの支柱379を備えるフレーム部材382が第1演出部材375に対し相対移動可能に取付けられており、各凹溝部378に沿って移動可能に各支柱379が凹凸嵌合している。また、ベース部材374の前面には、上下に延びる断面凹形状の第1レール部材385が固定されており、第1演出部材375の背面には、第1演出部材375に沿って移動可能に嵌合される第2レール部材386が固定されており、第1レール部材385と第2レール部材386とによりベース部材374に対する第1演出部材375のスライド移動が案内される。
また、第2演出部材376の背面には、上下方向に延びる2つの棒状部383が固定的に設置されており、フレーム部材382の上部には、上下方向に貫通する2つの貫通孔384が形成されており、貫通孔384に棒状部383が挿通されることにより、フレーム部材382と第2演出部材376とが相対移動可能に取付けられている。
尚、詳しくは、第2演出部材376は、フレーム部材382の前面に固定される第1分割部材376Aと、棒状部383が固定される第2分割部材376Bと、から構成されており、前後にずれて配置されているため、第1分割部材376Aと第2分割部材376Bとは、相対移動可能となっている(図27参照)。
駆動機構372は、箱状部302Aに固定されるギヤベース部材387と、ギヤベース部材387に固定される突出用モータ360と、突出用モータ360の駆動軸に固定される駆動ギヤ388と、ギヤベース部材387の背面側に保持される第1ギヤ392〜第4ギヤ395と、ギヤベース部材387の背面側に回動可能に軸支される回動アーム389と、を備えている。
駆動ギヤ388は、第1ギヤ392に噛合しており、第1ギヤ392は、第2ギヤ393の厚み方向の後方側に噛合している。また、第2ギヤ393の厚み方向の前方側には、第3ギヤ394が噛合している。詳しくは、図20及び図28(D)に示すように、第2ギヤ393は、その厚み方向における前方側の周方向の所定範囲が欠落した欠落部393aを有しており、第2ギヤ393の欠落部393a以外の箇所に第3ギヤ394が噛合するようになっている。言い換えれば、欠落部393aは、第3ギヤ394に対して噛合しない。また、第3ギヤ394は、第4ギヤ395に噛合されている。すなわち、駆動ギヤ388が駆動すると、第1ギヤ392、第2ギヤ393が回動するとともに、欠落部393a以外の箇所に第3ギヤ394が噛合したときに、第3ギヤ394と第4ギヤ395とが回動する。尚、図示しないが、第2ギヤ393の所定位置には被検出部が設けられており、被検出部の回動軌道上には被検出部を検出するセンサとしての収納位置スイッチ361及び突出位置スイッチ362が所定間隔離間して配置されている。
また、図20及び図21に示すように、第3ギヤ394及び第4ギヤ395には、第3ギヤ394及び第4ギヤ395の回動中心よりも外側の位置から前方側に突出する突出ピン394a,395aが設けられている。また、ギヤベース部材387には、突出ピン394a,395aの回動軌道に沿って形成される湾曲スリット387a,387bが形成されている。突出ピン394a,395aは、湾曲スリット387a,387bを介してパンタグラフ機構373における第1リンク部材346と第2リンク部材347とに設けられた長孔346a,347aに挿入されている。すなわち、第3ギヤ394及び第4ギヤ395が回動することに伴って第1リンク部材346と第2リンク部材347とが回動するようになる。
図20〜図22に示すように、回動アーム389は、略中央部の位置で回動軸によりギヤベース部材387に対して回動可能に取付けられている。回動アーム389の一端には、前方側に突出するピンが設けられており、当該ピンは、第2ギヤ393の背面側に形成された案内溝393bに挿入されている。案内溝393bは、第2ギヤ393の外縁に沿って形成される第1案内部393cと、第1案内部393cの一端が第2ギヤ393の回動中心に向けて延びる第2案内部393dと、を備えている(図28(C)参照)。また、回動アーム389の他端は、開閉機構348における移動体349に設けられた凹部349a内に挿入されている。
パンタグラフ機構373は、第1リンク部材346〜第6リンク部材356を有している。第1リンク部材346及び第2リンク部材347は、その一端が前後に重畳した状態でギヤベース部材387の下部から前方に突出する軸部387cに対して回動可能に軸支されている。第1リンク部材346及び第2リンク部材347の他端には、第3リンク部材353及び第4リンク部材354の一端が回動可能に軸支されており、この第3リンク部材353及び第4リンク部材354は、その略中央部で回動可能に軸支されている。また、第3リンク部材353及び第4リンク部材354の他端には、第5リンク部材355及び第6リンク部材356の一端が回動可能に軸支されており、第5リンク部材355及び第6リンク部材356の他端は、前後に重畳した状態で第2演出部材376の背面側上端に設けられた連結ピン376aに対して回動可能に軸支されている。
すなわち、パンタグラフ機構373は、第1リンク部材346及び第2リンク部材347が回動することにより屈曲動作及び延伸動作するようになっており、パンタグラフ機構373が屈曲動作時には、演出機構371が箱状部302A内に収納される第1状態(図11(A)及び図24参照)となり、パンタグラフ機構373が延伸動作時には、演出機構371が箱状部302Aの開口部(第4回動面325側)から突出する第2状態(図11(A)及び図24参照)となる。尚、図示しないが、演出機構371が第1状態では、収納位置スイッチ361により第2ギヤ393の被検出部が検出され、第2状態では、突出位置スイッチ362により第2ギヤ393の被検出部が検出される。
また、軸部387cには、第1リンク部材346及び第2リンク部材347を前後から挟むように第1バネ部材357と第2バネ部材358とが配置されている。この第1バネ部材357及び第2バネ部材358は、所謂トーションバネであって、第1リンク部材346の後方に配置される第1バネ部材357は、その一端が第1リンク部材346を立設する方向に付勢するように係合されており、他端がギヤベース部材387に固定されている。また、第2リンク部材347の前方に配置される第2バネ部材358は、その一端が第2リンク部材347を立設させる方向に付勢するように係合されており、他端がベース部材374に固定されている。
つまり、第1リンク部材346及び第2リンク部材347が第1バネ部材357及び第2バネ部材358により突出方向に付勢されるので、突出体370を突出させる際における突出用モータ360の負荷を軽減できるとともに、第1リンク部材346及び第2リンク部材347の一端が第1バネ部材357及び第2バネ部材358によりにより前後方向から支持されることで、突出体370を安定して突出させることができる。
また、ベース部材374とギヤベース部材387とは、パンタグラフ機構373を前後から挟むように連結されており、パンタグラフ機構373の軸部387cからの離脱が防止されるとともに、パンタグラフ機構373と第1演出部材375及び第2演出部材376とを支持する支持強度が高まる。尚、パンタグラフ機構373は、延伸動作と屈曲動作とを行うことができるようになっているため、ベース部材374とギヤベース部材387との間で圧接されておらず、部材間に若干の隙間を空けて配置されている。すなわち、箱状部302Aが回動停止していてもパンタグラフ機構373の先端側が揺動し易くなっている。
図23は、第1回動状態における第1可動体302の背面図である。図23に示すように、第1回動状態において、第1可動体302の回動中心Pよりも下方側に突出用モータ360を含む駆動機構372と、パンタグラフ機構373と、が配置されており、第1可動体302の回動中心Pよりも下方側に演出機構371が配置されている。駆動機構372及びパンタグラフ機構373の重量は、演出機構371の重量よりも大きくなっている。すなわち、第1可動体302の重量部(駆動機構372及びパンタグラフ機構373)は、第1回動状態において回動中心Pよりも下方に位置する。これによれば、第1可動体302が第1回動状態にあるときは重量部が回動中心Pより下方に位置するので安定性が向上する。
次に、第1可動体302が第1位置から第2位置に移動するまでの流れを図24〜図27に基づいて説明する。図24及び図25に示すように、第1可動体302を第1位置から第2位置に移動させる際には、第4回動面325が後方を向く第1回動状態から第4回動面325が上方を向く第2回動状態へと変化させる。このときには、図25及び図31に示すように、第1可動体302を前方側に約92度回転させる。すなわち、第2回動状態に変化した第1可動体302は、第4回動面325が前方側へ約2度傾くこととなる。尚、第2回動状態に変化した第1可動体302は、回動用モータ350が励磁され第1可動体302が回動停止状態に維持されることで、第4回動面325が前方側へ約2度傾いた状態が保持される。また、第1可動体302を第2回動状態に変化させた際には、回動中心Pよりも後方側に第1可動体302の重量部が位置することとなる。
そして、図26及び図27に示すように、突出体370が第1状態から第2状態へ変化したとき(突出体370が箱状部302A内から突出したとき)には、突出した突出体370は、その一部(例えば、第1演出部材375及び第2演出部材376の前面)が遊技者から見て装飾体380の前側に視認可能に重畳するとともに、突出体370が前方側に約2度傾倒するようになる。すなわち、突出体370は、装飾体380と反対側(装飾体380から離れる方向)に傾倒するため、突出体370が第1状態から第2状態へ突出した際に突出体370の先端側(上端側)が第1可動体302の回動方向に揺れ動くことがあっても装飾体380に接触しにくく、突出体370や装飾体380の破損等を抑制することができる。
さらに、第1可動体302は前方側に約2度傾倒することに加え、前述のように蓋部材319の回動可能範囲が90度未満となっているため、突出体370が第2状態へ変化する際に開放される蓋部材319が装飾体380に接触することを回避できる。
詳しくは、突出体370が第1状態から第2状態へ変化したときの箱状部302Aからの該突出体370の突出寸法L30は、第2状態における箱状部302Aの上下の寸法L20よりも長くなっている(L20<L30)。さらに、第1演出部材375及び第2演出部材376(第1分割部材376Aと第2分割部材376B)は、第1状態において前後に重畳して配置されているため、第2状態において漸次前方側に向かうように突出される。尚、突出体370は、突出しても前方側のガラス窓50aに該突出体370の先端が当接しないようになっている。すなわち、第1可動体302は、第2状態において重心バランスが不安定であり、回動中心Pを中心として前方側に回動し易くなっている。
しかしながら、前述のように、第2状態にあっては、回動用モータ350の励磁により第1可動体302が回動停止状態に維持されるとともに、第1可動体302の重量部が第1可動体302の回動中心Pよりも後方側に位置しているため、第1可動体302には、後方側に回転しようとする力が働き、突出体370が前方側へ傾倒しようとする力とバランスが取れ、第1可動体302の回動を抑制できる。
さらに、箱状部302Aが回動停止していてもパンタグラフ機構373の先端側が揺動し易くなっているとともに、突出体370の突出寸法L30は、第2状態における箱状部302Aの上下の寸法L20よりも長くなっているため、突出体370の先端が前後に揺動し易いが、突出体370の先端の前後には所定の空間が形成されているため、突出体370の先端が装飾体380やガラス窓50aに当接し難くなっている。
次いで、突出体370の動作にかかる各種部材の状態を図28〜図30に基づいて説明する。図28は、第1可動体302の第2回動状態における突出体370の第1状態(第2ギヤ393の被検出部が収納位置スイッチ361により検出された状態)を示している。図28(A)に示すように、第1可動体302の第2回動状態にあっては、第1回動面322が下方向を向き、第4回動面325が上方向を向き、パンタグラフ機構373は、屈曲動作状態となっている。尚、収納位置スイッチ361により第2ギヤ393の被検出部が検出された信号に基づいて突出用モータ360の駆動は停止されている。
このとき、図28(C)に示すように、回動アーム389の一端は、案内溝393bにおける第2案内部393dに嵌合されており、回動アーム389の回動軸よりも上方に位置し、回動アーム389の他端は、回動軸よりも下方に位置している。また、図28(D)に示すように、突出体370の突出待機状態にあっては、第3ギヤ394が第2ギヤ393の欠落部393aに位置しており、第2ギヤ393と第3ギヤ394とは噛合していない。
図28(B)に示すように、開閉機構348は、左側面326に対して第1回動面322及び第4回動面325方向に向けてスライド可能な移動体349と、蓋部材319の軸部319aに固着される回動ギヤ363と、から主に構成されており、回動ギヤ363は、移動体349の第4回動面325側の端部に設けられるラックギヤ部349bに噛合している。また、第1可動体302の左側面326におけるラックギヤ部349bよりも第2回動面323側には、左側に突出する突出壁部328が設けられている。
前述のように、回動アーム389の他端は、回動軸よりも下方に位置していることから開閉機構348の移動体349が下方に押し下げられている。したがって、蓋部材319は、閉塞状態となっている。
図28(E)に示すように、開閉機構348は、第1回動状態における第1可動体302を正面側から見てアーム309Lと突出壁部328の後方に配置される。つまり、開閉機構348は、第2回動状態においてアーム309Lと突出壁部328により正面側から視認困難または視認不能となっている。
次いで、図28の状態から突出用モータ360を駆動させると、図29に示すように、蓋部材319が開放状態となる。詳しくは、図29(C)に示すように、突出用モータ360の駆動により、駆動ギヤ388が背面視時計回りに回動し、第1ギヤ392が背面視反時計回りに回動し、これにより第2ギヤ393が時計回りに回動するため、回動アーム389の一端が案内溝393bにおける第2案内部393dから第1案内部393cに移動する。
これにより、回動アーム389の一端が第1案内部393cを構成する内壁に押し下げられて回動アーム389の他端が上向きに回動し、図29(A)(B)に示すように、移動体349が上方(第4回動面325方向)にスライドする。そして、移動体349のスライドに伴い、ラックギヤ部349bにより回動ギヤ363が回動し、蓋部材319が開放される。言い換えれば、突出体370が第2状態へ変化可能となる。また、蓋部材319が開放されたときには、図29(D)に示すように、第2ギヤ393のギヤ部と第3ギヤ394とが噛合する。
尚、この状態にあっては、第2ギヤ393のギヤ部と第3ギヤ394とが噛合するだけで、第2ギヤ393の回動は第3ギヤ394に伝達されていない(第3ギヤ394は回動していない)。したがって、図29(E)に示すように、突出体370は、第1状態のままとなっている。
次いで、図29の状態から突出用モータ360をさらに駆動させると、図30に示すように、突出体370が第2状態となる。詳しくは、図30(C)に示すように、突出用モータ360の駆動により、駆動ギヤ388、第1ギヤ392、第2ギヤ393がさらに回動して、回動アーム389の一端が第1案内部393cを移動する。そのため、回動アーム389の他端が上向きに回動した状態が保たれ、蓋部材319の開放状態が保持される。
また、図30(C)(D)に示すように、第2ギヤ393の回動が第3ギヤ394に伝達され、第3ギヤ394及び第4ギヤ395が回動する。これにより、突出ピン394a,395aが第3ギヤ394及び第4ギヤ395の回動中心の直上位置を越えてその反対側に位置するように回動する。
すなわち、図30(A)(B)に示すように、突出ピン394a,395aが第1リンク部材346と第2リンク部材347とを押し上げるように作用し、パンタグラフ機構373が延伸動作する。したがって、第1演出部材375及び第2演出部材376が第1可動体302から突出して、突出体370が第2状態となる。尚、突出体370が第2状態となった際には、第2ギヤ393の被検出部が突出位置スイッチ362により検出されるようになり、演出制御用CPU120は、突出位置スイッチ362により第2ギヤ393の被検出部が検出された信号に基づいて突出用モータ360の駆動を停止させる。
次いで、第1可動体302の各部位の寸法関係について図31に基づいて説明する。図31に示すように、第1可動体302は、その回動中心Pから第2回動面323と第4回動面325とで成す角頂部364までの距離(回動半径)が第1寸法L1となっており、回動中心Pから第3回動面324と第4回動面325とで成す角頂部365までの距離(回動半径)が第1寸法L2となっている。言い換えれば、角頂部364及び角頂部365は、回動半径が第1寸法L1,L2となる第1部位となっている。尚、第1寸法L2は、第1寸法L1よりも短寸である(L1>L2)。
また、第1回動状態で且つ第1位置に配置された第1可動体302は、角頂部364及び角頂部365が装飾体380の前面に当接しないようになっている。尚、第1回動状態で且つ第1位置に配置された際の第1可動体302の回動中心Pから装飾体380の前面までの寸法L10は、第1寸法L1,L2よりも短寸となっている(L1>L2>L10)が、第1可動体302は、第1位置において第2回動状態になることがないため、角頂部364及び角頂部365が装飾体380の前面に当接しない。
また、蓋部材319は、第1回動状態においてその自重により後方側に傾斜する場合があり、第1可動体302は、その回動軸から傾斜した蓋部材319の端部319bまでの距離(回動半径)が第2寸法L3となっている。言い換えれば、傾斜した蓋部材319の端部319bは、回動半径が第2寸法L3となる第2部位となっている。尚、第2寸法L3は、第1寸法L1,L2よりも長寸となっている(L3>L1>L2>L10)。また、第1可動体302は、第1回動状態で且つ第2位置に配置された状態にあっては、傾斜した蓋部材319の端部319bは、装飾体380の後方側に配置されるため、第1回動状態において第2位置から第1位置に第1可動体302を上昇移動させると、傾斜した蓋部材319が装飾体380に接触して第1可動体302(蓋部材319)や装飾体380が破損する虞がある。尚、本実施例では、傾斜した蓋部材319が装飾体380に接触する第1可動体302の回動状態が第3回動状態となっている(第1回動状態を含む)。
次いで、第1可動体302が第2位置から第3位置に移動するまでの流れを図32〜図34に基づいて説明する。図32に示すように、第1可動体302を第2位置から第1位置に移動させる際には、第2回動状態から第1回動状態へと変化させながら第1可動体302を上昇移動させる。このときには、第1可動体302が回動する勢いにより蓋部材319が後方側に傾斜する。
そして、図33に示すように、蓋部材319の端部319bが装飾体380の下端部近傍まで上昇移動すると、第1可動体302を所定角度前方側に回動させ、蓋部材319の端部319bが装飾体380に接触しない第4回動状態とする。これによれば、第1可動体302が回動する勢いと蓋部材319の自重とにより前方側に傾斜するため、蓋部材319と装飾体380との接触を抑制できる。
また、装飾体380の下端部には、装飾体380の前面から背面側に向けて下方に傾斜する傾斜面380aが設けられているため、例えば、蓋部材319が閉塞の途中で装飾体380の下端部に到達したとしても、傾斜面380aにより蓋部材319が閉塞方向に回動するように案内され、蓋部材319と装飾体380との接触により第1可動体302(蓋部材319)や装飾体380が破損することを抑制できる。
図34に示すように、第1可動体302が第1位置の近傍に到達すると、第1可動体302を所定角度後方側に回動させ、第1回動状態(第3回動状態)に復帰させる。これにより、蓋部材319が開放しても装飾体380の前面に接触してそれ以上の開放動作が規制される。また、第1可動体302が第1回動状態に復帰した際には、蓋部材319の回動軸側に設けられる凸部398が装飾部材390に設けられる当接部391と当接するため、第1回動状態における第1可動体302の回動が規制される。
次に、第1可動体302の配線状態を図35に基づいて説明する。図35(A)(B)に示すように、第1可動体302には、ベース部側の演出制御用CPU120と回動用モータ350及び突出用モータ360等とを電気的に接続する可撓性を有する複数のケーブル396が配設されている。複数のケーブル396は、一端が電子基板336に接続されており、他端が回動用モータ350や突出用モータ360等の接続部に接続されている。詳しくは、回動用モータ350や突出用モータ360等の接続部からアーム309L,309Rの軸受部を挿通させて電子基板336へ配線されている。これにより、ベース部側の演出制御用CPU120からの供給される電気信号により回動用モータ350及び突出用モータ360等を駆動できるようになっている。尚、複数のケーブル396は、回動用モータ350や突出用モータ360等の接続部から所定長さ離れた位置で結束バンド397により束ねられている。
ギヤベース部材387は、該ギヤベース部材387の背面側の所定位置に複数の爪部387dが形成されており、複数のケーブル396は、結束バンド397の位置が電子基板336から所定距離離れた所定位置に配置されるように爪部387dに保持されている。詳しくは、爪部387dは、その先端側が弾性力によりギヤベース部材387に向けて圧接するようになっており、ケーブル396をギヤベース部材387と爪部387dとで挟み込むことで結束バンド397の位置が所定位置に保持される。尚、ケーブル396における所定位置から電子基板336までの部位は、固定されておらず、第2回動状態においてゆとりを持った状態となっている。
これによれば、複数のケーブル396を配線する際に、回動用モータ350や突出用モータ360等の接続部から所定長さ離れた保持位置を結束バンド397にて束ね、結束バンド397を複数の爪部387dにより所定位置に保持するだけで、回動用モータ350や突出用モータ360等の接続部から結束バンド397までの距離を一定にできるため、第1可動体302の回動や突出体370が動作しても、ギヤ等の各種駆動機構にケーブル396が巻き込まれて断線する虞がない。また、ケーブル396において第1可動体302の回動に応じて捻じれなどが生じやすい部位(ケーブル396における所定位置から電子基板336までの部位)に好適な長さを確保することができる。
具体的には、図35(C)に示すように、第1可動体302が第2回動状態から第1回動状態に変化しても、複数のケーブル396を配線する際において、予めケーブル396における所定位置から電子基板336までの部位にゆとりを持たせているため、ケーブル396が捻じれによる負荷により断線することを抑制できる。
次いで、本実施例における可動体演出の演出態様における各種モータの動作の一例を図36に基づいて説明する。図36は、可動体演出における各種モータの動作の一例を示すタイミングチャートである。
本実施例における可動体演出では、図36のタイミングチャートに示すように、演出制御用CPU120は、可動体演出の開始条件が成立する(例えば、可動演出の実行中におけるスティックコントローラ31Aの操作受付期間中にスティックコントローラ31Aの操作を検出したときや、操作有効期間が終了して可動体の実行タイミングとなったときなど)と、昇降用モータ308L,308Rを逆回転(案内軸306L,306Rを第2方向に回転)させ、第1可動体302を第1位置から第2位置に移動を開始させる(演出動作開始)。このとき、演出制御用CPU120は、第1可動体302の回転を止めた状態、つまり、第1可動体302の第1回動面322が遊技者側(正面側)を向いた状態(第1回動状態)を保つように回動用モータ350を励磁する。
演出制御用CPU120は、中間位置検出スイッチ314L,314Rによりアーム309L,309Rの一部を検出したことに基づいて回動用モータ350を正転方向(前方側に向けて)に回動させる。このとき、演出制御用CPU120は、昇降用モータ308L,308Rによる昇降用モータ308L,308Rの下降移動を継続している。
次いで、演出制御用CPU120は、下方位置検出スイッチ313L,313Rによりアーム309L,309Rの一部を検出(第2位置に到達)したことに基づいて昇降用モータ308L,308Rを停止させるとともに、展開位置スイッチ352により回動部材332'の被検知部340を検出(第2回動状態に変化)したことに基づいて回動用モータ350を第2回動状態に保持するように回動用モータ350を励磁する。
尚、本実施例では、第1可動体302が第2位置に到達したタイミングで第2回動状態に変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302が第2位置に到達した後に第2回動状態に変化してもよいし、第1可動体302が第2位置に到達する前に第2回動状態に変化してもよい。
続いて、演出制御用CPU120は、第1可動体302が第2位置に到達し、第2回動状態に変化したことに基づいて、突出用モータ360を正転方向に駆動させる。これにより、蓋部材319が開放し、その後突出体370が第1状態(収納状態)から第2状態(突出状態)に変化する。演出制御用CPU120は、突出位置スイッチ362が第2ギヤ393の被検出部を検出したことに基づいて突出用モータ360を停止させるが、突出用モータ360や各種ギヤ等の負荷により突出体370の第2状態が維持される。尚、回動用モータ350は、突出用モータ360の駆動中及び駆動後も第2回動状態に保持するように継続して励磁されている。
突出体370の第2状態となってから所定期間が経過したら、演出制御用CPU120は、突出用モータ360を逆転方向に駆動させる(収納動作開始)。これにより、突出体370が第2状態(突出状態)から第1状態(収納状態)に変化する。そして、演出制御用CPU120は、収納位置スイッチ361が第2ギヤ393の被検出部を検出したことに基づいて突出用モータ360を停止させる。
次いで、演出制御用CPU120は、突出体370が第2状態(突出状態)から第1状態(収納状態)に変化したことに基づいて、回動用モータ350を逆転方向(後方に向けて)に回動させるとともに、昇降用モータ308L,308Rを正回転(案内軸306L,306Rを第1方向に回転)させ、第1可動体302を第2位置から第1位置に移動を開始させる。尚、演出制御用CPU120は、収納位置スイッチ361が第2ギヤ393の被検出部を検出しない場合には、回動用モータ350を駆動させない。
次いで、演出制御用CPU120は、初期位置スイッチ351により回動部材332'の被検知部340を検出(第1回動状態に変化)したことに基づいて回動用モータ350を第1回動状態に保持するように回動用モータ350を励磁する。
尚、本実施例では、第1可動体302を回動用モータ350により第1回動状態に変化させる動作と、昇降用モータ308L,308Rにより第1位置に移動させる動作と、を同じタイミングで開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、互いの動作タイミングをずらしてもよい。例えば、第1可動体302を第1回動状態に変化させる動作を行った後に第1位置に移動させる動作を行ってもよいし、第1可動体302を第1位置に移動させる動作を行った後に第1回動状態に変化させる動作を行ってもよい。
そして、演出制御用CPU120は、中間位置検出スイッチ314L,314Rによりアーム309L,309Rの一部を検出したことに基づいて、回動用モータ350を正転方向に駆動させ、第1可動体302を所定角度前方側に傾斜させる第4回動状態とし、傾斜した蓋部材319の端部319bと装飾体380との接触を避ける退避動作を行う。
第1可動体302が第1位置の近傍に到達すると、第1可動体302を所定角度後方側に回動させ、第1回動状態(第3回動状態)に復帰させ、第1回動状態に保持するように回動用モータ350を励磁する。演出制御用CPU120は、上方位置検出スイッチ315L,315Rによりアーム309L,309Rの一部を検出(第1位置に到達)したことに基づいて昇降用モータ308L,308Rを停止させる。そして、所定時間経過すると、回動用モータ350をオフ状態とすることで可動体演出を終了する。
次に、本実施例における可動体演出の演出態様の一例を図37〜図39に基づいて説明する。図37は、(A)〜(D)は第1可動体が第1位置から第2位置に移動する流れを示す説明図である。図38は、(A)〜(D)は突出体が第1状態〜第2状態、第2状態〜第1状態となる流れを示す説明図である。図39は、(A)〜(D)は第1可動体が第2位置から第1位置に移動する流れを示す説明図である。
先ず、図37(A)に示すように、例えば、所定の変動表示中においてリーチ状態が成立した後にスーパーリーチ演出等が実行され、該スーパーリーチ演出の実行中における所定タイミングにおいて、演出表示装置5に遊技者に対してスティックコントローラ31Aを操作するよう促す表示が実行される。このとき、第1可動体302は、第1回動状態で第1位置に配置されている。尚、ここでは、理解を助けるために、第1回動面322をA面とし、第2回動面323をB面として説明する。
遊技者がスティックコントローラ31Aの操作受付期間中に該スティックコントローラ31Aを操作すると、本実施例における可動体演出の開始条件が成立したとして可動体演出が実行され、図37(B)に示すように、第1可動体302が第1位置から第2位置に移動を開始する。このとき、第1可動体302は、A面が遊技者(正面側)を向くように励磁されながら第2位置に下降移動する。
図37(C)に示すように、第1可動体302は、第1位置と第2位置との略中間位置(中間位置検出スイッチ314L,314Rの位置)において第1回動状態から第2回動状態となるように回動を開始する。このときには、第1可動体302が装飾体380よりも下方に位置しているため、第1可動体302が回動しても装飾体380に接触することが無い。
そして、図37(D)に示すように、第1可動体302は、第2位置に到達すると下降移動が停止されるとともに、第2回動状態となり回動が停止される。このとき、第1可動体302は、B面が遊技者(正面側)を向き、B面が遊技者(正面側)を向いた状態を維持するように励磁されるとともに、B面は2度程度前方に傾斜している。
次いで、図38(A)に示すように、蓋部材319を開放状態とする。そして図38(B)に示すように、突出体370が突出して第1状態から第2状態に変化する。このとき、突出体370は前方側に2度程度傾斜した状態で突出する。そのため、突出体370と装飾体380との間の空間を大きくとれるため、突出した勢いなどで第1可動体302が後方側に傾斜したとしても、突出体370と装飾体380とが接触することを抑制できる。
その後、図38(C)に示すように、突出体370の第2状態が所定期間が経過すると、突出体370を第2状態から第1状態に変化させ、突出体370を第1可動体302内に収納し、突出体370が第1状態に変化すると、図38(D)に示すように、蓋部材319を閉塞状態とする。
次いで、図39(A)に示すように、第1可動体302を第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に上昇移動させる。図39(B)に示すように、第1可動体302が第1回動状態となると、その回動の勢いや蓋部材319の自重により後方側に傾斜するようになる。このとき、傾斜した蓋部材319の端部319bは、装飾体380の下方側の位置で該装飾体380よりも後方側に位置する(第3回動状態)。また、第1可動体302のA面が遊技者(正面側)を向き、A面が遊技者(正面側)を向いた状態を維持するように励磁される。
図39(C)に示すように、第1可動体302を第1位置と第2位置との略中間位置(中間位置検出スイッチ314L,314Rの位置)において前方側に所定角度傾斜させ、少なくとも傾斜した蓋部材319の端部319bが装飾体380よりも前方側に位置させる(第4回動状態)。このとき、蓋部材319は、第1可動体302の回動の勢いや第1可動体302により閉塞状態となる。
そして、図39(D)に示すように、第1可動体302が装飾体380の下端部を越えて第1位置の近傍に到達すると、第1可動体302が第1回動状態に復帰する。これにより、第1可動体302が第1回動状態に復帰時に蓋部材319が後方側に傾斜したとしても、装飾体380によりそれ以上の後方側への傾斜が規制される。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、駆動モータ260の熱が、ヒートシンク265に良好に伝達するようになるので、駆動モータ260の温度上昇を良好に抑えることができる。
また、上記実施例によれば、図9(B)に示すように、熱伝導性シート264の縁部が、駆動モータ260の当接面からはみ出さない形状とされているので、駆動モータ260の振動等によって熱伝導性シート264が破断し、該破断片によって駆動に不具合が生じてしまうことを防ぐことができる。
また、上記実施例によれば、ヒートシンク265の放熱板265cには、多数の貫通口267が穿設されているとともに、貫通口267の一方側には、該貫通口267に連通する壁部268が形成されているので、ヒートシンク265の放熱性を高めることができる。
また、上記実施例によれば、ヒートシンク265の第2板部265bが、駆動モータ260と駆動基板261との間に位置するように設けられているので、駆動モータ260から放射されるノイズ等の駆動回路への悪影響を防ぐことができる。
また、上記実施例によれば、図9(B)に示すように、駆動軸260’が露出している突部260aを収容可能な貫通口266の周囲を除いて熱伝導性シート264が設けられているので、駆動軸260’が回転することによって、熱伝導性シート264が破断し、該破断片によって駆動に不具合が生じてしまうことを防ぐことができる。
また、上記実施例によれば、放熱板265cが、駆動モータ260の回動軸229側とは反対側に設けられているとともに、クルーンユニット210の外周より外側に張り出して設けられているので、ヒートシンク265による放熱性を高めることができる。
また、上記実施例によれば、熱伝導性シート264が、第1板部265aと該第1板部265aの両端から下方に延びる2つの第2板部265bとからなるコ字状の収容部の底面となる第1板部265aにのみ設けられているので、ヒートシンク265の駆動モータ260への取付けの作業性を向上できる。
また、回動可能な第1可動体302と、第1可動体302の近傍に設けられる装飾体380と、を備え、第1可動体302は、第1可動体302の内部に少なくとも一部が収納される第1状態と第1可動体302の第4回動面325から少なくとも一部が突出する第2状態とに変化可能な突出体370を有し、第1回動状態と、該第1回動状態とは第4回動面325が異なる方向を向く第2回動状態とに変化可能に回動し、突出体370は、第1可動体302が第1回動状態から第2回動状態へ変化するまで回動した後に第1状態から第2状態へ変化し、第2回動状態において、突出体370が第2状態へ変化したときに突出体370が装飾体380と反対側に傾倒するように保持される。
具体的には、第1可動体302の第4回動面325が後方を向く(遊技者とは反対側を向く)第1回動状態、つまり、第4回動面325が遊技者から視認困難または視認不能となる第1回動状態と、第4回動面325が上方を向く第2回動状態とに回動可能であり、突出体370は、第1可動体302が第1回動状態から第2回動状態へ変化するまで回動した後に、該第2回動状態において第1可動体302から突出し、遊技者から見て装飾体380の前側に視認可能に重畳し、遊技者から見て第1可動体302の奥側に設けられる装飾体380とは反対側(前方側)に突出体370が略2度傾斜するように第1可動体302を傾斜させる。
これによれば、第1可動体302は第2回動状態において装飾体380と反対側に傾倒するように保持されることで、突出体370が第1状態から第2状態へ突出した際に突出体370の先端側が第1可動体302の回動方向に揺れ動くことがあっても装飾体380に接触しにくいため、突出体370や装飾体380の破損等を抑制することができる。
詳しくは、第1可動体302は、回動用モータ350を含む回動機構や突出用モータ360を含む突出機構が設けられ、重量が重くなっており、且つ突出体370が突出する構造であり、突出体370の第1状態(収納状態)と第2状態(突出状態)とで重心のバランスが変化するため、回動状態によって回動し易くなっているが、突出体370の先端側は、回動中心Pを通る垂直線に対し装飾体380と反対側(装飾体380から離れる方向)、つまり前側に傾倒するため、突出した際の振動等により突出体370の先端側(上端側)が第1可動体302の回動方向に揺れ動くことがあっても装飾体380に接触しにくく、突出体370や装飾体380の破損等を抑制することができる。
また、第2回動状態において回動用モータ350をオフ状態とすると、突出した際の振動等により突出体370の先端側(上端側)が揺れ動くことにより箱状部302Aが回動してしまい、これにより突出体370の先端が装飾体380やガラス窓50aに接触してしまう虞があるが、第2回動状態において回動用モータ350を停止状態で励磁しておくことで、箱状部302Aの回動により突出体370の先端が揺れ動いて装飾体380やガラス窓50aに接触することを回避できる。
さらに、第1可動体302が第1回動状態にあるときには遊技者から視認困難または視認不能な第4回動面325から突出体370が突出するので、遊技者に意外性を与えることができる。
尚、本実施例では、突出体370が第1可動体302から略垂直上方向に突出する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれの方向に突出してもよい。例えば、下方向や前後方向、左右方向、または斜め方向等に突出するようになっていてもよい。
また、本実施例では、第1可動体302の近傍に設けられる所定部が装飾体380である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302が回動するときに突出体が接触可能な近傍位置に設けられるものであれば、演出表示装置5やガラス窓50a、ベース部材に取付けられるその他の構造物等も含まれる。例えば、第1可動体302の近傍に設けられる所定部がガラス窓50aである場合には、ガラス窓50aとは反対方向である後方側に第1可動体302を傾斜させればよい。さらに所定部は、第1可動体302とは異なる他の可動体のように動作可能な部材等であってもよい。
また、本実施例では、第1状態において突出体370全体が第1可動体302内に収納される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、突出体370は、第1状態において少なくともその一部が収納されていればよい。つまり、突出体370は、第2状態において第1状態よりも突出していればよい。
また、回動用モータ350は、可動体演出の開始条件が成立してから可動体演出終了までの可動体演出の期間において、第1可動体302を正転方向または逆転方向に回動させる駆動以外は第1可動体302の向きを維持するように常に励磁されるため、第1可動体302の回動が停止した状態において遊技者に対して第1可動体302の第1回動面322または第2回動面323を確実に向けることができる(図36参照)。
また、第1可動体302は、第4回動面325に内部を開閉可能な蓋部材319を有し、突出体370は、蓋部材319が閉鎖位置から開放位置へ回動することで第2状態へ変化可能(突出体370が突出動作可能)となっており、第4回動面325は第2回動状態において装飾体380と反対側に傾倒するように保持されることで、突出体370が第2状態へ変化する際に蓋部材319が装飾体380に接触することを回避できる。
具体的には、蓋部材319の回動可能範囲は、90度未満となっており、さらに第1可動体302は前方側に約2度傾倒するため、蓋部材319が開放位置に回動しても装飾体380に接触することを回避できる。
尚、本実施例では、蓋部材319が回動することにより突出体370が突出可能となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、蓋部材はスライドすることにより突出体370が突出可能な状態にしてもよい。
第1可動体302は、突出体370を第1状態と第2状態とに変化させるためのパンタグラフ機構373と、パンタグラフ機構373を構成する複数のうち第1リンク部材346を突出方向に付勢する第1バネ部材357及び第2リンク部材347を突出方向に付勢する第2バネ部材358と、を有し、第1バネ部材357と第2バネ部材358は、第1リンク部材346及び第2リンク部材347の一端を軸部387cの両側から挟むように配置されている。このように、第1リンク部材346及び第2リンク部材347が第1バネ部材357及び第2バネ部材358によりそれぞれ突出方向に付勢されるので、突出体370を突出させる際における突出用モータ360の負荷を軽減できる。さらに、第1リンク部材346及び第2リンク部材347の一端が第1バネ部材357及び第2バネ部材358により前後方向、つまり、第1可動体302の回動方向の両側から支持されることで、第1リンク部材346及び第2リンク部材347の回動時に発生する捻じれ等が抑制され、突出体370を安定して突出させることができる。
また、第1可動体302は、突出用モータ360と、突出用モータ360の駆動力を蓋部材319と突出体370とに伝達する第1ギヤ392〜第4ギヤ395、開閉機構348、回動アーム389及びパンタグラフ機構373を有し、第1ギヤ392〜第4ギヤ395、開閉機構348、回動アーム389及びパンタグラフ機構373は、蓋部材319が開放した後に突出体370が第1状態から第2状態へ変化するように突出用モータ360の駆動力を伝達するようになっている。
具体的には、第2ギヤ393と第3ギヤ394とが該第2ギヤ393の欠落部393aにより噛合しないときに、回動アーム389及び開閉機構348を動作させて蓋部材319を開放し、その後第2ギヤ393と第3ギヤ394とが噛合することでパンタグラフ機構373を動作させて突出体370を突出させる。これによれば、突出用モータ360で蓋部材319と突出体370とをタイミングをずらして駆動できるため、突出体370が第2状態へ変化するときに蓋部材319に接触することを防止できる。
尚、本実施例では、蓋部材319を開閉する機構としての開閉機構348及び回動アーム389と、突出体370を動作させる機構としての第3ギヤ394、第4ギヤ395及びパンタグラフ機構373と、が第1ギヤ392及び第2ギヤ393により連動することで蓋部材319と突出体370とをタイミングをずらして駆動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、蓋部材319と突出体370とをタイミングをずらして駆動できれば、別々の機構を連動させなくともよい。
また、突出体370は、突出用モータ360と、突出用モータ360の駆動力を蓋部材319に伝達する開閉機構348と、を有し、開閉機構348の少なくとも一部は、第1可動体302が第2回動状態であるときには遊技者から視認困難または視認不能である。具体的には、開閉機構348は、第1可動体302を正面側から見てアーム309Lと突出壁部328の後方に配置されており、開閉機構348は、第2回動状態においてアーム309Lと突出壁部328により正面側から視認困難または視認不能となっている。そのため、開閉機構348の動作により蓋部材319が開放することを遊技者が予測できてしまうことを回避できる。
また、第1可動体302は、装飾体380に重畳する第1位置と装飾体380に重畳しない第2位置との間で移動可能であり、回動するときの回動半径が第1寸法L1,L2である角頂部364及び角頂部365(第1部位)と角頂部364及び角頂部365よりも長い第2寸法L3である第2回動状態において傾斜した蓋部材319の端部319b(第2部位)とを有し、第1位置において傾斜した蓋部材319の端部319bが装飾体380側に突出する第3回動状態と装飾体380に突出しない第4回動状態とに回動により変化可能であり、第1可動体302を第3回動状態で第2位置から第1位置へ移動させる際に、少なくとも傾斜した蓋部材319の端部319bが装飾体380に突出しないように第3回動状態から第4回動状態へ回動により変化させるため、第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動させる際に傾斜した蓋部材319の端部319bが装飾体380に接触して第1可動体302や装飾体380が破損することを抑制できる。
具体的には、第2回動状態において傾斜した蓋部材319の端部319bは、装飾体380の前面よりも後方側に配置されている。つまり、傾斜した蓋部材319が装飾体380に接触する第1可動体302の回動状態は第3回動状態となっており、第3回動状態で第2位置から第1位置に第1可動体302を移動させると、蓋部材319が装飾体380に接触して破損する虞があるが、第2位置から第1位置に第1可動体302を移動させる途中で第1可動体302を所定角度前方側(蓋部材319が装飾体380から離れる方向)に回動させ、傾斜した蓋部材319の端部319bが装飾体380に接触しない第4回動状態とすることで、傾斜した蓋部材319の端部319bや装飾体380が破損することを抑制できる。
尚、本実施例では、第2回動状態において傾斜した蓋部材319の端部319bが第2部位である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の回動中心Pからの寸法が他の部位(第1部位)よりも長い部位であればよく、例えば、本実施例の突出体370や第1可動体の外面から突出可能に設けられた装飾用の突起なども含まれる。さらに、本実施例では、第2部位は動作不能な固定部であってもよい。
また、本実施例では、第1可動体302の第1位置が演出表示装置5の上方位置に設定され、第2位置が演出表示装置5と重畳する位置に設定されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置にて装飾体380に重畳し、第2位置にて装飾体380に重畳しなければ、第1位置及び第2位置の位置関係は自由に設定してもよい。例えば、第1位置を演出表示装置5の下方位置に設定し、第2位置を演出表示装置5と重畳する位置に設定してもよいし、第1位置を演出表示装置5の左右のいずれか一方に設定し、第2位置を演出表示装置5と重畳する位置に設定してもよい。すなわち、第1可動体302の移動方向も自由に設定することができる。
また、演出制御用CPU120は、突出体370を第2状態(突出状態)から第1状態(収納状態)に変化させた後、第2位置にある第1可動体302を第2回動状態から第1回動状態に変化させるときに、収納位置スイッチ361が第2ギヤ393の被検出部を検出しない場合には、回動用モータ350を駆動させない。これによれば、動作不良等により、突出体370が第2状態から第1状態に変化しなかった場合、つまり、突出体370が突出したままの状態で第1可動体302を回動させることがないため、第1可動体302と装飾体380との接触を回避できる。
また、第1可動体302が第1回動状態において回動することを規制する係止部材318a及び当接部391を備える。詳しくは、第1可動体302を係止部材318aに係止させて第1位置に保持できるとともに、第1可動体302が第1位置にて第1回動状態に復帰した際には、蓋部材319の回動軸側に設けられる凸部398が装飾部材390に設けられる当接部391と当接するため、第1回動状態において振動等により回動してしまうことを抑制することができる。尚、第1回動状態において第1可動体302の回動を規制できれば、上記以外の規制手段であってもよい。
また、第1可動体302に設けられる回動用モータ350及び突出用モータ360と、所定のベース部に設けられ回動用モータ350及び突出用モータ360の制御を行う駆動制御手段である演出制御用CPU120と、回動用モータ350及び突出用モータ360と前記駆動制御手段とを接続する可撓性を有する複数のケーブル396と、を備え、複数のケーブル396は、回動用モータ350及び突出用モータ360との接続部から第1可動体302のアーム309L,309Rの軸受部を介して前記ベース部へ配線され、回動用モータ350及び突出用モータ360との接続部から所定長さ離れた保持位置において結束バンド397により束ねられており、第1可動体302には、結束バンド397を所定位置に保持する爪部387dが設けられているため、複数のケーブル396を配線する際に、回動用モータ350及び突出用モータ360との接続部から所定長さ離れた保持位置を結束バンド397にて束ねて該結束バンド397を爪部387dにより保持するだけで、ケーブル396において第1可動体302の回動に応じて捻じれなどが生じやすい部位に好適な長さを確保することができる。
すなわち、複数のケーブル396を配線する際において、予めケーブル396における所定位置から電子基板336までの部位にゆとりを持たせることで、第1可動体302が第2回動状態から第1回動状態に変化しても、ケーブル396が捻じれによる負荷がかかり断線することを抑制できる。また、回動用モータ350や突出用モータ360の接続部から結束バンド397までの距離を一定にできるため、第1可動体302の回動や突出体370が動作しても、ギヤ等の各種駆動機構にケーブル396が巻き込まれて断線する虞がない。さらに、ケーブル396に対する結束バンド397の位置を変えるだけで、結束バンド397から回動用モータ350及び突出用モータ360との接続部までの長さと、結束バンド397から電子基板336までの長さと、を容易に調整できる。
尚、本実施例では、複数のケーブル396を保持する保持手段である爪部387dが、ギヤベース部材387に設けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ギヤ等の各種駆動機構にケーブル396が巻き込まれない位置であれば、いずれの位置に設けられてもよく、例えば、箱状部302Aの内面等に沿って保持手段が設けられていてもよい。
さらに尚、保持手段は、爪部387dのみに限られず、ベースとなるギヤベース部材387や箱状部302Aの内面等に対してケーブル396を固定的に配置できるものであれば自由に構成してもよい。また、電子部品は、回動用モータ350及び突出用モータ360のみに限られず、電力により動作するものであれば、LED基板等の他の電子部品も含まれる。
また、第1可動体302の重量部(駆動機構372及びパンタグラフ機構373)は、第1回動状態において回動中心Pよりも下方に位置し、第2回動状態において回動中心Pよりも装飾体380側に位置することにより、第1可動体302が第1回動状態にあるときは重量部が回動中心Pより下方に位置するので安定性が向上し、第2回動状態にあるときは回動中心Pよりも装飾体380側に位置するため、突出体370が第2状態となったときに装飾体380側へ傾きやすくなるが、突出体370が装飾体380と反対側へ傾倒することによりバランスすることで、突出体370の揺れ動きを抑制できる。
また、第1可動体302を第1位置へ移動させる際に、第3回動状態から第4回動状態へ回動により変化させた後、第1位置において第3回動状態に復帰させるため、少なくとも第1可動体302を移動させているときに第2部位が装飾体380に接触して第1可動体302や装飾体380が破損することを抑制できる。
また、第2部位は蓋部材319の端部319bであり、該蓋部材319の動作に応じて回動半径が変化するため、第1可動体302の回動による反動で蓋部材319が動作して回動半径が変化することがあっても、蓋部材319の端部319bが装飾体380に接触することを好適に回避することができる。
すなわち、第1可動体302の回動による反動で蓋部材319が開放方向に動作した際に、蓋部材319の端部319bが開放動作前の寸法よりも長い第2寸法L3を有する第2部位となる(第3回動状態となる)が、第1可動体302を第1位置へ移動させる際には、第1可動体302を前方側に回動させるため、その反動で蓋部材319が閉塞するように動作(回動半径が第2寸法L3よりも小さくなる方向に動作)し、蓋部材319の端部319bが装飾体380に接触することを好適に回避することができる。
また、装飾体380は、第1可動体302が第1位置にあるときに第1可動体302の背面側の周囲を装飾するため、第1可動体302が第1位置にあるときの演出効果が向上する。さらに、装飾体380は、突出体370が突出した状態(図11(B)及び図25)においても、突出体370の背面側を装飾するようになっているため、演出効果が向上する。
尚、例えば、第1可動体302が第1位置にあるとき、または突出体370が突出した状態のときに該第1可動体302と連続するような模様や図柄等を装飾体380に形成することで、演出効果をさらに向上させてもよい。
また、蓋部材319は、第1可動体302が第3回動状態で第1位置に位置するとき、装飾体380に接触することで動作が規制されるため、第1位置においては、装飾体380を利用して蓋部材319の動作を規制することができる。詳しくは、第1可動体302を第1位置へ移動させる際に、第1可動体302を第3回動状態から第4回動状態へ回動により変化させた後、第1位置において第3回動状態に復帰させた際に、その回動の反動で蓋部材319が開放方向に動作しても、蓋部材319の背面側に装飾体380が配置されているため、装飾体380に接触してそれ以上の蓋部材319の開放方向への動作を規制することができる。
また、第1可動体302を駆動する昇降用モータ308L,308Rと、第1位置にて第1可動体302を検出する上方位置検出スイッチ315L,315Rと、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたことに基づき、上方位置検出スイッチ315L,315Rの検出結果に基づいて上方位置検出スイッチ315L,315Rにより第1可動体302を第1位置まで動作させる初期動作処理を実行する演出制御用CPU120と、を備え、演出制御用CPU120は、前記初期動作処理において、第1可動体302を移動させることが可能な速度のうち最低速度で第1位置へ移動させる(図示略)。
具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時等には、第1可動体302を初期位置である第1位置に移動させる初期動作処理(原点復帰動作)を一般的に行うが、初期動作処理において第1可動体302を第1位置に復帰させる際に、演出制御用CPU120は、第1可動体302の移動速度のうち最も遅い速度に切り換えて第1位置へ移動させるため、演出制御用CPU120は、第1可動体302がいずれの位置にある場合でも安全に復帰させることができる。
また、本実施例での可動体演出は、第1可動体302が第1位置(上方位置検出スイッチ315L,315R)から第2位置(下方位置検出スイッチ313L,313R)まで下降動作する形態のみを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302が第1位置(上方位置検出スイッチ315L,315R)から第3位置(中間位置検出スイッチ314L,314R)まで下降動作した後、回動せずに第1位置まで戻るといった演出を予告演出として実行するようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、放熱板265cに複数の壁部268を突出形成することで放熱板265cにて空気が触れる面積を広くし、放熱効率を向上させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1として図40(A)に示すように、各壁部268の下端部を凹凸状に形成することによって更に放熱板265cにて空気が触れる面積を広くし、放熱効率を向上させてもよい。更に、前記実施例では、放熱板265cに複数の壁部268を下方に向けて突出形成させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、壁部268は、放熱板265cの上方に向けて突出形成してもよい。特に、図40(B)に示すように、放熱板265cに下方を向く壁部268と上方を向く壁部とをそれぞれ複数設ける場合は、放熱板265cの下面側と上面側とで隣接する壁部268間の間隔を広くすることができるので、放熱板265cの下面側と上面側とで空気が滞留せずにスムーズに流れるようになるため、放熱効率を向上できる。
また、前記実施例では、遊技が可能な状態において常時駆動される可動体であるクルーンユニット210の回転体211を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら可動体は、遊技領域を流下する遊技球に当接可能に遊技領域に設けられた可動体を駆動する他の回転体等であってもよいし、遊技領域を流下する遊技球に当接しない可動体であって、演出等に使用される役物装置等の可動体を駆動する駆動モータであっても良い。
また、前記実施例では、弾性体の形状をシート状とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、駆動モータ260とヒートシンク265の間に液状の状態で供給して、その後、室温状態で、空気中の湿度や炭酸ガス等により硬化して弾性体となるものであってもよい。
また、前記実施例のヒートシンク265の形状や配置位置等は、一例に過ぎず、これらヒートシンク265の形状や配置位置等は、放熱の効果を考慮して適宜に決定すればよい。
また、前記実施例では、第2位置において、第1可動体302を第1回動状態から第2可動状態に変化させる際に、第1可動体302が略92度回動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、先ず、第1可動体302を略90度回転させた後、突出体370を第1状態から第2状態に変化させる際に略2度程度更に第1可動体302を回動させてもよい。尚、第1可動体302が回動する回動角度は、本実施例に記載の角度に限定されるものではなく、第1可動体302の重量部の位置や重さ、突出体370の重さや突出角度等に応じて自由に変更してもよい。
また、前記実施例では、突出体370を第1状態と第2状態とに変化させる機構としてパンタグラフ機構を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラックピニオン機構などの種々の機構に変更してもよい。
尚、前記実施例では、可動体演出として、第1可動体302を用いた演出の形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可動体演出の前後、または可動体演出中に第2可動体402L,402Rや第3可動体502による演出を行う複合演出としてもよい。これにより、演出効果が向上するため、遊技者に期待を持たせることができる。
また、前記実施例では、第1可動体302は、左右方向を向く回動中心Pを中心として回動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前後方向を向く回動中心を中心として回動可能に設けられていてもよい。また、第1可動体302は、上下方向に移動可能に設けられていたが、左右方向や前後方向に移動可能に設けられていてもよい。尚、第1可動体302は回動可能に設けられていれば、必ずしも移動可能に設けられていなくてもよい。
さらに、所定部としての装飾体380は、遊技者から見て第1可動体302より奥側に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の回動方向に設けられていれば、第1可動体302の前側等であってもよい。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技球を遊技機の下方から発射する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技球の発射を上方から行うものであってもよい。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。