JP5882801B2 - 半導体結晶性評価装置および該方法 - Google Patents

半導体結晶性評価装置および該方法 Download PDF

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Description

本発明は、膜状(層状)の薄い半導体(半導体膜)における結晶性を評価する半導体結晶性評価装置および半導体結晶性評価方法に関し、特にマイクロ波光導電減衰法を用いた半導体結晶性評価装置および半導体結晶性評価方法に関する。
近年のエレクトロニクスの発展により、様々な分野に半導体製品が活用されている。特に、近年では、半導体製品の製造に、例えばシリコン等の、膜状(層状)の薄い半導体(半導体膜)が活用されており、半導体製品の高性能化のために、このような半導体膜の品質管理が重要である。この半導体の品質を評価する指標の一つとして、半導体の結晶性が挙げられ、この半導体の結晶性を評価する手法の一つとして、マイクロ波光導電減衰法(μ−PCD法)が知られている(例えば、特許文献1のシリコンウェハのライフタイム測定方法)。
このμ−PCD法は、測定対象である半導体(半導体試料、被測定試料)に光を照射することによって過剰キャリア(光励起キャリア)を生成し、この過剰キャリアが前記半導体試料の物性によって決まるキャリア寿命で再結合して消滅する過程を、マイクロ波の反射率の時間変化または透過率の時間変化によって検出する方法である。過剰キャリアの生成は、半導体の導電率を増加させるため、光励起によって過剰キャリアの生成された半導体の部位(部分、領域)に照射されたマイクロ波は、その反射率または透過率が過剰キャリアの密度に対応して変化する。このμ−PCD法は、この現象を利用することによってキャリア寿命を測定するものである。一方、前記過剰キャリアの再結合過程は、格子欠陥等の結晶格子における配列の乱れに依存する。このため、μ−PCD法の測定結果は、結晶性を評価する結晶性の指標として扱うことができる。そして、このμ−PCD法は、その反射波または透過波における強度を、非破壊かつ非接触で、さらに比較的短時間で、検出(測定)することができるという利点を有している。
一方、このμ−PCD法では、それに用いられるマイクロ波の波長が数ミリ以上と比較的長いため、微小領域の結晶性を評価することが難しい。半導体試料が、数nm〜数十nm程度の多結晶シリコンや、数μm以下の単結晶シリコン等である場合のように、半導体試料の厚さが薄い(薄膜試料である)場合、マイクロ波の照射波に対する反射波の強度の変化(半導体試料の結晶性に起因する反射波の強度変化)は、微小となってしまう。このため、従来のμ−PCD法では、充分な測定感度、すなわち測定精度を確保することが難しい。一方、測定感度を高めるために励起光の強度を強くすることが考えられるが、充分な測定感度となる強度に何ら工夫せずに単に励起光の強度を上げると、半導体試料が損傷してしまう虞があり、さらに励起光の光源にコストがかかってしまう。
そこで、本件発明者は、特許文献2を提案している。この従来技術では、前記励起光は、所定周期で強度変調され光であり、前記反射光の強度から励起光の強度変調に同期した成分を抽出することによって、SN比(signal-to-noise ratio)の向上が図られている。
特開2007−48959号公報 特開2008−51719号公報
ところで、前記特許文献2に開示の手法は、TFT等、微小領域の結晶性を評価することができる優れたものであるが、従来のμ−PCD法では、評価対象の半導体膜の直下に、導電性膜が存在する場合には、半導体膜中で充分な電界強度が得られず、該電界の光励起キャリアとの相互作用も弱くなり、測定が非常に困難であった。より具体的には、太陽電池において、特に低コストなアモルファスシリコンや微結晶シリコンが用いられる場合、ガラス基板に前記太陽電池の裏面(ボトム)電極を形成した上に半導体膜を形成するので、前記ボトム電極が前記導電性膜となる。これと同様な問題が、ボトムゲート構造を採用したフラットパネルディスプレイ(FPD)分野でも生じる。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、μ−PCD法で半導体膜の結晶性を評価する際に、半導体膜下に導電性膜が形成されている場合でも結晶性を評価することができる半導体結晶性評価装置および半導体結晶性評価方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる半導体結晶性評価装置は、電気的な導電性を有する導電性膜上に形成された評価対象の半導体膜に向けて所定の励起光を照射する励起光照射部と、前記半導体膜に向けて波長λの電磁波を照射する電磁波照射部と、前記半導体膜で反射された前記電磁波の反射波における強度を検出する検出部と、前記検出部の検出出力に基づいて前記半導体膜の結晶性を評価する評価部と、前記励起光に対して透明である誘電体から形成され、互いに厚さの異なる複数の板状部材とを備え、前記複数の板状部材のうちの1つが誘電体板として、前記半導体膜における前記励起光および前記電磁波が照射される面側に配置され、前記誘電体板の厚さDは、誘電率がεであって厚さがλ/(4×(ε)1/2)である基準誘電体板を配置した際の前記検出部の検出出力をLmaxとし、ネイピア数をeとする場合に、前記検出部の検出出力がLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの値であることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様にかかる半導体結晶性評価方法は、電気的な導電性を有する導電性膜上に形成された評価対象の半導体膜に向けて所定の励起光を照射する励起光照射工程と、前記励起光の照射に合わせて、前記半導体膜に向けて波長λの電磁波を照射する電磁波照射工程と、前記半導体膜で反射された前記電磁波の反射波における強度を検出する検出工程と、前記検出工程で検出された検出出力に基づいて前記半導体膜の結晶性を評価する評価工程とを備え、前記半導体膜における前記励起光および前記電磁波が照射される面側には、前記励起光に対して透明である誘電体から形成された互いに厚さの異なる複数の板状部材が配置されており、前記複数の板状部材のうちの1つが誘電体板として用いられ、前記誘電体板の厚さDは、誘電率がεであって厚さがλ/(4×(ε)1/2)である基準誘電体板を配置した際の前記検出工程の検出出力をLmaxとし、ネイピア数をeとする場合に、前記検出工程の検出出力がLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの値であることを特徴とする。
このような構成の半導体結晶性評価装置および半導体結晶性評価方法では、いわゆるμ−PCD法を用いて半導体膜の結晶性が評価される。ここで、検出部の検出出力は、誘電率がεであって厚さがλ/(4×(ε)1/2)である基準誘電体板を用いた場合に理論的には最大(最大値Lmax)となり、工学一般において、有意な測定値とされるLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの厚さを持つ誘電体板が、前記半導体膜における前記励起光および前記電磁波が照射される面側に用いられるので、前記半導体の他面側に導電性膜が形成されている場合でも、半導体膜の結晶性の評価が可能となる。
このような構成の半導体結晶性評価装置では、上記範囲を満たす互いに厚さの異なる複数の誘電体の板状部材が予め用意されているので、前記半導体膜に対して配置される前記誘電体板として用いる板状部材を容易に取り替えることができる。このため、このような構成の半導体結晶性評価装置は、前記誘電体板として用いる板状部材をその厚さを異ならせて順次に取り替えて評価することができるので、前記複数の板状部材に対して前記検出部の検出出力が最大となる誘電体板で前記半導体膜を評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
また、上述したように、前記誘電体板の誘電率をεとし、その厚さをdとし、照射電磁波の波長をλとする場合に、これらの間にd=λ/(4×(ε)1/2)の関係が成立している場合に、前記検出部の検出出力が最大(最大値Lmax)となる。しかしながら、実際の評価では、評価対象のばらつき等によって、d=λ/(4×(ε)1/2)の関係が成立する誘電体板を用いたとしても、最大値Lmaxとならない場合もある。このような場合でも、上記構成の半導体結晶性評価装置は、前記複数の板状部材に対して前記検出部の検出出力が最大となる誘電体板で前記半導体膜を評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
また、他の一態様では、上述の半導体結晶性評価装置において、前記電磁波照射部は、前記電磁波の波長を変更可能であり、前記電磁波照射部の前記電磁波の波長を制御する波長制御部をさらに備えることを特徴とする。
このような構成の半導体結晶性評価装置は、前記半導体膜に前記誘電体板を介して照射される電磁波の波長λを変更することができるので、前記電磁波の波長λを走査しながら評価することができる。このため、このような構成の半導体結晶性評価装置は、走査範囲に対して前記検出部の検出出力が最大となる波長λで前記半導体膜を評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
このような構成の半導体結晶性評価装置では、互いに厚さの異なる複数の誘電体の板状部材が予め用意されているので、前記半導体膜に対して配置される前記誘電体板として用いる板状部材を容易に取り替えることができる。このため、このような構成の半導体結晶性評価装置は、前記誘電体板として用いる板状部材をその厚さを異ならせて順次に取り替えて評価することができるので、前記複数の板状部材に対して前記検出部の検出出力が最大となる誘電体板で前記試料を評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
また、他の一態様では、上述の半導体結晶性評価装置において、前記電磁波照射部は、前記電磁波の波長を変更可能であり、前記電磁波照射部の前記電磁波の波長を制御する波長制御部をさらに備えることを特徴とする。
このような構成の半導体結晶性評価装置は、前記半導体膜に前記誘電体板を介して照射される電磁波の波長λを変更することができるので、前記電磁波の波長λを走査しながら評価することができる。このため、このような構成の半導体結晶性評価装置は、走査範囲に対して前記検出部の検出出力が最大となる波長λで前記半導体膜を評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
また、本発明の他の一態様にかかる半導体結晶性評価装置は、電気的な導電性を有する導電性膜上に形成された評価対象の半導体膜に向けて所定の励起光を照射する励起光照射部と、前記半導体膜に向けて波長λの電磁波を照射し、前記電磁波の波長を変更可能である電磁波照射部と、前記半導体膜における前記励起光および前記電磁波が照射される面側に配置され、前記励起光に対して透明である誘電体から形成された互いに厚さの異なる複数の板状部材と、前記電磁波照射部の前記電磁波の波長を制御する波長制御部と、前記半導体膜で反射された前記電磁波の反射波における強度を検出する検出部と、前記検出部の検出出力に基づいて前記半導体膜の結晶性を評価する評価部とを備え、前記複数の板状部材のうちの1つが誘電体板として用いられ、前記誘電体板の厚さDは、誘電率がεであって厚さがλ/(4×(ε) 1/2 )である基準誘電体板を配置した際の前記検出部の検出出力をLmaxとし、ネイピア数をeとする場合に、前記検出部の検出出力がLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの値であることを特徴とする。
このような構成の半導体結晶性評価装置は、前記半導体膜に誘電体板を介して照射される電磁波の波長λを変更することができるので、前記電磁波の波長λを走査しながら評価することができる。このため、このような構成の半導体結晶性評価装置は、走査範囲に対して前記検出部の検出出力が最大となる波長λで前記半導体膜を評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
そして、上述したように、評価対象のばらつき等によって、d=λ/(4×(ε)1/2)の関係が成立する誘電体板を用いたとしても、最大値Lmaxとならない場合でも、上記構成の半導体結晶性評価装置は、走査範囲に対して前記検出部の検出出力が最大となる波長λで前記半導体膜を評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
本発明にかかる半導体結晶性評価装置および半導体結晶性評価方法は、μ−PCD法で半導体膜の結晶性を評価する際に、半導体膜下に導電性膜が形成されている場合でも結晶性を評価することができる。
第1実施形態にかかる半導体結晶性評価装置の構成を示すブロック図である。 金属製のステージにマイクロ波を照射した場合の定在波の様子を示す図である。 誘電体板の誘電率別における誘電体板の厚さと反射マイクロ波の強度との関係を示すグラフである。 半導体の表面と、誘電体板の表面とによるマイクロ波の反射の様子を示す図である。 半導体への励起光照射による時間経過に伴う光励起キャリアの密度変化を示すグラフである。 第2実施形態にかかる半導体結晶性評価装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる半導体結晶性評価装置の構成を示すブロック図である。図2は、金属製のステージにマイクロ波を照射した場合の定在波の様子を示す図である。図2(A)は、金属製のステージのみの場合を示し、図2(B)は、金属製のステージ上に比較的薄い誘電体板を載置した場合を示し、そして、図2(C)は、金属製のステージ上に比較的厚い誘電体板を載置した場合を示す。図3は、誘電体板の誘電率別における誘電体板の厚さと反射マイクロ波の強度との関係を示すグラフである。図3の横軸は、μm単位で示す誘電体の厚さであり、その縦軸は、a.u.単位で示す信号強度である。■は、誘電率εが9.0である場合の計算値であり、△は、誘電率εが7.5である場合の計算値である。図4は、半導体の表面と、誘電体板の表面とによるマイクロ波の反射の様子を示す図である。図4の横軸は、励起光の照射開始を原点とする経過時間(Time)であり、その縦軸は、反射波の強度(Microwave Reflectivity)である。図5は、半導体への励起光照射による時間経過に伴う光励起キャリアの密度変化を示すグラフである。
第1実施形態の半導体結晶性評価装置APAは、基本的に前述のμ−PCD法を用いることによって半導体の結晶性を評価する装置であり、後述するように、試料SMに誘電体板DIAを重ねることによって、試料SMが、電気的な導電性を有する導電性膜SMb上に形成された評価対象の半導体膜SMaである場合でもその結晶性を評価することができる。
より具体的には、試料SMは、ガラス基板(厚さ数mm)SMcと、ガラス基板上に形成された導電性膜SMbと、導電性膜SMb上に形成された、例えば厚さ数μm程度の比較的薄い半導体膜SMaとを備えている。このような試料SMは、例えばボトム電極が形成された太陽電池や、ボトムゲート構造を採用したフラットパネルディスプレイ(FPD)等が挙げられる。
半導体結晶性評価装置APAは、例えば、図1に示すように、電磁波発振器1と、導波管2、3、4と、方向性結合器5と、導波管アンテナ6Aと、励起光光源7と、検出器8と、演算制御部9と、記憶部10と、入力部11と、出力部12と、ステージ13と、前記誘電体DIAとを備えている。
励起光光源7は、演算制御部9の制御に従って、試料SMに向けて照射される所定の励起光を放射するための装置である。励起光光源7は、例えばランプと波長フィルタとを備えた光源装置等であってもよいが、本実施形態では、比較的大きな出力が得られる、レーザ光を発光するレーザ光源装置を備えて構成される。所定の励起光は、試料SMの半導体膜SMaに光励起キャリアを生じさせる波長を含む光であり、例えば、半導体膜SMaのバンドギャップ以上のエネルギーを有する波長の光であることが好ましく、より具体的には、例えば、単色光であって、紫外線領域における所定波長のレーザ光(紫外励起光)である。励起光の波長は、例えば、評価対象の半導体膜SMaの種類に応じて適宜に選択される。励起光は、試料SMに励起光を照射することによって光励起によるキャリア(光励起キャリア、電子と正孔(ホール))を試料SMの半導体膜SMaに生じさせ、半導体結晶性評価装置APAは、この生じた光励起キャリアの再結合過程(生成消滅過程)で生じる半導体膜SMaの導電率変化を電磁波の強度変化で取り出すことによってその結晶性を評価する装置であるから、励起光は、点灯状態からステップ状に消灯状態に移行するものが好ましく、本実施形態では、例えばパルス光、より具体的にはパルスレーザ光である。
電磁波発振器1は、演算制御部9の制御に従って測定波として所定の電磁波を生成する装置である。本実施形態の半導体結晶性評価装置APAでは、前記所定の電磁波としてマイクロ波が用いられ、電磁波発振器1は、例えばガンダイオード等を備え、マイクロ波を生成するマイクロ波発振器を備えて構成される。電磁波生成部1は、導波管2を介して方向性結合器5の1個の端子に接続され、電磁波生成部1から放射された電磁波は、方向性結合器5に入射される。
方向性結合器5は、3つ以上の端子(ポート)を持ち、非可逆的に、一の端子の入力をサイクリックに他の端子へ出力する素子であり、本実施形態では、3個の第1ないし第3端子を備え、第1端子に入射された電磁波を第2端子へ射出し、第2端子に入射された電磁波(反射波)を第3端子へ射出するサーキュレータである。方向性結合器5の第1端子は、導波管2を介して電磁波発振器1に接続され、その第2端子は、導波管3に接続され、そして、その第3端子は、導波管4を介して検出器8に接続される。
導波管2、3、4は、電磁波を導く伝播路を形成する部材であり、本実施形態では、電磁波がマイクロ波であることから、導波管2、3、4は、マイクロ波導波管である。導波管2の一方端は、電磁波発振器1に接続され、その他方端は、方向性結合器5の第1端子に接続される。導波管3の一方端は、方向性結合器5の第2端子に接続され、その他方端は、導波管アンテナ6Aに接続される。導波管4の一方端は、方向性結合器5の第3端子に接続され、その他方端は、検出器8に接続される。
導波管アンテナ6Aは、導波管3を伝播して来た電磁波を試料SMへ放射するとともに、試料SMと相互作用を受けた電磁波を受信して導波管3へ導くアンテナであり、本実施形態では、電磁波がマイクロ波であることから、導波管アンテナ6Aは、マイクロ波アンテナである。導波管アンテナ6Aは、試料SMの法線方向に沿って配設されており、一方端部が導波管3に接続され、他方端部に開口部6Aaを備えている。この開口部6Aaは、マイクロ波の電磁波を試料SMへ放射するとともに、試料SMと相互作用を受けた電磁波を受信するための開口である。そして、導波管アンテナ6Aの一方端部には、励起光光源7から放射された励起光を導波管アンテナ6A内に案内するための開口部6Abを備えている。
これら電磁波発振器1、導波管2、3、4、方向性結合器5および導波管アンテナ6Aは、試料SMにおける励起光照射領域を含む電磁波照射領域に向けて波長λの電磁波を照射するとともに、試料SMで所定の相互作用を受けた電磁波の反射波を検出器8へ射出するための電磁波入出力部を構成している。
検出器8は、試料SMで相互作用を受けた電磁波(反射波の電磁波、反射電磁波)を検出する装置であり、例えば、試料SMで相互作用を受けた反射電磁波の強度を検出する装置である。本実施形態では、電磁波がマイクロ波であることから、検出器8は、マイクロ波検出器を備える。
演算制御部9は、半導体結晶性評価装置APAの全体制御を司る装置であり、例えば、マクロプロセッサやメモリ等を備えるマイクロコンピュータを備える。そして、演算制御部9は、例えば、検出器8で検出した反射電磁波の強度に基づいて半導体膜SMaの結晶性を評価する半導体結晶性評価プログラムを実行することにより、機能的に、制御部91と、評価部92とを備える。
制御部91は、半導体膜SMaの結晶性を評価するために、半導体結晶性評価装置APAの各部を当該機能に応じて制御するものである。
評価部92は、検出器8で検出した反射電磁波の強度に基づいて半導体膜SMaの結晶性を評価するものである。評価部92は、例えば、検出器8の検出出力そのものの値を結晶性の評価値として出力してもよく、この場合では、評価値(検出器8の検出出力値)が大きいほど結晶性がより良好と判定される。また例えば、評価部92は、予め、検出器8の検出出力を複数の区分(例えば10個の区分)に区分けし、検出出力の大きい方から順に評価値(例えば10から1までの各整数値)をそれぞれ割り付け、実際の評価の際に得られた検出出力に該当する区分の評価値を出力してもよい。評価部92は、出力部12へ出力するとともに、必要に応じてその評価結果を記憶部10に記憶させる。
記憶部10は、半導体膜SMaの結晶性を評価するために必要なデータやプログラムを記憶する例えばROM(Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の記憶素子やハードディスク等を備える。記憶部10は、ユーザ(オペレータ)の指示に従い評価部92の評価結果を記憶する。
入力部11は、半導体結晶性評価装置APAの評価開始指示等の各種コマンドや、半導体膜SMaの結晶性を評価するために必要な各種データを半導体結晶性評価装置APAに入力する機器であり、例えば、キーボードやマウス等である。
出力部12は、入力部11から入力されたコマンドやデータおよび評価結果等を出力する機器であり、例えばCRTディスプレイ、LCD、有機ELディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印字装置等である。
ステージ13は、試料SMを載置する載置台である。試料SMの評価箇所を異ならせるために、ステージ13は、例えばXYステージ等の、励起光の入射方向と交差する面内で移動可能であることが好ましい。
誘電体板DIAは、励起光に対して透明である誘電体から形成された板状部材であり、試料SMの半導体膜SMaの結晶性を評価する際に、試料SMの半導体膜SMaにおける前記励起光および前記電磁波が照射される面側に配置される。誘電体板DIAは、例えばガラスで形成される。誘電体板DIAの厚さDは、後述するように、誘電率がεであって厚さがλ/(4×(ε)1/2)である基準誘電体板を誘電体板DIAに代えて配置した際に検出器8の検出出力をLmaxとし、ネイピア数(ネピア数、Napier's constant、数学一般において自然対数の底として用いられる)をeとする場合に、検出器8の検出出力がLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの値である。
このような構成の半導体結晶性評価装置APAにおいて、半導体の結晶性を評価する際に、まず、ユーザによって、ステージ13上に、試料SMが載せられ、そして、誘電体板DIAがその上に載せられる。このように誘電体板DIAが半導体膜SMaにおける前記励起光および前記電磁波が照射される面側に配置される。そして、ユーザによって入力部11から評価開始の指示を受け付けると、半導体結晶性評価装置APAは、次のように動作することによって試料SMの半導体膜SMaの結晶性を評価する。
電磁波発振器1から放射された電磁波(本実施形態ではマイクロ波)は、導波管2から方向性結合器5および導波管3を伝播し、導波管アンテナ6Aの開口部6Aaからステージ13上の試料SMの測定部位へ照射される。導波管アンテナ6Aの開口部6Aaから試料SMに照射された電磁波は、該試料SMで反射し、再び導波管アンテナ6Aの開口部6Aaに入射される。一方、励起光光源7から放射された、例えば試料SMの半導体膜SMaのバンドギャップ以上のエネルギーを有する紫外励起光は、導波管アンテナ6Aの開口部6Abに入射され、導波管アンテナ6A内を伝播し、導波管アンテナ6Aの開口部6Aaから射出され、前記電磁波の照射領域より狭小な領域に照射される。その紫外励起光が照射されている間には、半導体膜SMa中に光励起キャリアが発生し、一時的に電磁波の反射率が増加する。その電磁波の反射波(反射電磁波、本実施形態では反射マイクロ波)は、再び導波管3から方向性結合器5を経由して導波管4へ導かれ、検出器8で検出される。検出器8の検出出力(検波信号)は、演算制御部9へ出力される。
ここで、紫外励起光の照射によって半導体膜SMa中に発生した光励起キャリアは、その再結合過程において、例えば半導体中の不純物や格子欠陥等の結晶格子における配列の乱れに依存する。このため、上記構成の半導体結晶性評価装置APAは、検出器8で、試料SMからの反射電磁波の強度を検出し、演算制御部9で解析することによって、半導体膜SMaの結晶性を評価することができる。そして、その反射電磁波の強度の検出(測定)は、非破壊かつ非接触で、比較的短い時間のうちに行うことができる。また、その際に、演算制御部9によってXY方向に移動可能なステージ13の位置を制御するように、半導体結晶性評価装置APAが構成されることで、試料SMの所定の範囲における個々の領域の結晶性を判定するマッピング測定も可能である。
一方、図2(A)で示すように、金属製のステージ21の表面21aにマイクロ波を照射すると、参照符号22で示すように、その表面21aを節とする定在波が形成される。したがって、図2(B)で示すように、この金属製のステージ21上に比較的薄い試料23を置いた場合、その表面における定在波の電界振幅W1が小さいので、光励起キャリアとの相互作用が弱まり、検出器8の信号強度(検出出力の大きさ)が小さく、検出が困難あるいは実質的に検出することができない。これに対して、比較的厚い試料24(電磁波の波長をλとする場合に、その厚さの最適値は、λ/4である)の場合は、図2(C)で示すように、比較的電界振幅W2が大きくなり、信号も大きくなる。すなわち、相対的に厚い試料24の場合における電界振幅W2は、相対的に薄い試料23の場合における電界振幅W1より大きくなり、信号も大きくなる。
このため、本実施形態では、前述のようなμ−PCD法を用いて結晶性の評価を行う際に、比較的薄い半導体膜SMaが導電性膜SMb上に形成された試料SMである場合には、誘電体板DIAがSM2の半導体膜SMa上に重ねられ、試料SMが測定される。
このように構成することによって、μ−PCD法を用いて半導体の結晶性を評価する際に、励起光による光励起キャリアの発生は、励起光に対し透明な誘電体板DIAによって阻害されることなく、誘電体板DIA無しでは評価することが困難であった試料SMを、評価することが可能となる。そして、照射領域と試料SMとの間、すなわち空気と半導体との間に、中間的なインピーダンスを有する媒質(誘電体板DIA)が介在することによって、インピーダンスの急激な変化が避けられ(インピーダンスが整合し)、パワー伝達の効率が向上する。
より具体的には、本件発明者のシミュレーション結果が、図3に示されている。このシミュレーションは、電磁波が周波数26GHzのマイクロ波であって、誘電体板DIAの誘電率εが7.5および9.0である各場合について行われた。この図3から分かるように、誘電体板DIAの厚さと検出器8の信号強度との関係は、誘電体板DIAの厚さdが厚くなるとともに検出器8の信号強度も大きくなり、所定の厚さDで最大値Lmaxとなり、その後、誘電体板DIAの厚さdが厚くなるとともに検出器8の信号強度が小さくなるプロファイルとなる。そして、誘電体板DIAの表面が反射電磁波の振幅の腹の位置となる場合に、検出器8の信号強度は、最大値Lmaxとなり、前記反射電磁波の感度は、最大となる。このため、検出器8の信号強度が最大値Lmaxとなる場合における誘電体板DIAの厚さdは、その誘電率をεとし、電磁波の波長をλとする場合に、次式(1)によって与えられる。また、この検出器8の信号強度が最大値Lmaxとなる場合における誘電体板DIAが基準誘電体板とされる。
d=λ/(4×(ε)1/2) ・・・(1)
ここで、工学一般では、ネイピア数をeとする場合に最大値の1/eが有意なデータとして扱われることから、本実施形態では、誘電体板DIAの厚さDは、検出器8の検出出力がLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの値となるように、設定される。
例えば、誘電率εが9.0である誘電体板DIA(ε=9.0)の場合では、図3に示すように、その最大値をLmax1とし、Lmax1×1/eとなる誘電体板DIAの厚さをd11、d12(d11<d12)とすると、誘電体板DIA(ε=9.0)の厚さD1は、厚さd11から厚さd12までの範囲のいずれかの値である。
また例えば、誘電率εが7.5である誘電体板DIA(ε=7.5)の場合では、図3に示すように、その最大値をLmax2とし、Lmax2×1/eとなる誘電体板DIAの厚さをd21、d22(d21<d22、d22は不図示)とすると、誘電体板DIA(ε=7.5)の厚さD2は、厚さd21から厚さd22までの範囲のいずれかの値である。
また、より大きな検出出力が得られる観点から、好ましくは、誘電体板DIAの厚さDは、半値全幅の範囲のうちのいずれかの値である。
また、前記条件式(1)とする場合には、図4で示すように、誘電体板DIAの表面DIsで反射する電磁波DIrと、試料SMの表面SMsで反射する電磁波SMrとが、節と腹との関係となって、互いに打ち消し合う。誘電体板DIAの表面DIsでの反射は、その厚さがd=λ/(4n)(n:屈折率)である場合に、誘電体板DIAの表面DIsでの反射波と試料SMの表面SMsからの反射波が干渉により弱め合い、最小となる。この場合に、空気から誘電体板DIAへの電磁波のエネルギー透過率(エネルギー伝達効率)は、最大となり、その結果、評価対象の半導体膜SMaに、より大きな電界を入れることができるので、信号強度を大きくすることができる。
また、励起光を吸収しない誘電体の範囲で、前記誘電体板DIAは、感度を向上させるために、その誘電率εが半導体膜SMaの誘電率(例えばシリコンで11.7〜8)に近い材料で形成されることが好ましい。また、励起光は、半導体膜SMa中に効率良く励起光を吸収させるために、半導体膜SMaの厚さ<浸透長となる波長であることが好ましい。また、より高感度な検出を可能とするために、検出器8には、差動アンテナ方式が用いられてもよい。
さらにまた、演算制御部9の評価部92は、半導体膜SMaの結晶性の評価を、検出器8の検出出力によって行う。これは、光励起キャリアのライフタイムτが次のように反射電磁波の強度のピーク値Peakに近似するからである。
励起光の照射による光励起キャリアの密度は、図5で示すように変化し、nsec(ナノ秒)オーダーのレーザーパルス照射期間tに比べて、光励起キャリアのライフタイムτがns以下(ピコ秒オーダー)の短い場合では、光励起キャリアの消滅時間は、発生した光励起キャリア数に近似する。
すなわち、時刻t=0から照射を開始すると、光励起キャリアの密度が増加し、ライフタイムτを超える充分な時間が経過すると、励起光の照射によって新たに発生する光励起キャリア数と、ライフタイムτが経過して再結合して消失する光励起キャリア数とが均衡(平衡)し、光励起キャリアの密度は、一定となる。その後、時刻t=tで励起光の照射を停止すると、光励起キャリアの密度は、ライフタイムτで減少する。
より詳しくは、キャリア注入速度(光励起による電子−正孔対の発生割合:単位体積および単位時間当たり)をgとし、ライフタイムを前記τとする場合に、半導体の光励起キャリアの密度pは、次式(2)を解くことで求められ、初期条件p=0、t=0で、次式(3)と表すことができる(時間tの関数であることを明示するならばp(t)と書いてもよい。)。
dp/dt=g−p/τ ・・・(2)
p=g×τ×(1−exp(−t/τ)) ・・・(3)
そして、光励起キャリアの密度pのピーク値Peak(生成消滅が平衡した状態における光励起キャリアの密度値)は、パルスレーザ光の照射終了タイミングであるt=tの値であるので、次式(4)で表すことができる。
Peak=g×τ×(1−exp(−t/τ)) ・・・(4)
ここで、前述のように、τ≪tであるので、 Peak≒g×τ である。したがって、gは、一定であるので、ライフタイムτは、次式(5)となる(近似できる)。
τ∝Peak ・・・(5)
したがって、ライフタイムτがns以下(ピコ秒オーダー)の短い場合には、このように結晶性の評価値として、ライフタイムτに代えて、peak値を代用することで、高コストな機器を用いることなく比較的安価な検出器8でライフタイムτを評価し、結晶性を評価することが可能となる。
また、励起光光源7が、試料SMに対して所定周期で強度変調した励起光を照射し、演算制御部9が、検出器8で検出された反射電磁波の強度の中から、前記励起光の強度変調に同期した周期成分を抽出(検出)し、その検出信号強度に基づいて試料SMの結晶性を評価するように、半導体結晶性評価装置APAが構成されてもよい。このように構成することによって、高感度な計測および評価が可能となる。特に、励起光の照射領域が微小領域の場合には、反射電磁波の強度変化は、小さく、ノイズの影響を受け易い。このため、このような構成では、同期検波によって、測定値から不要な周波数成分(ノイズ)が除去され、好適である。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態にかかる半導体結晶性評価装置の構成を示すブロック図である。第2実施形態の半導体結晶性評価装置APBは、前述の第1実施形態における評価装置APAに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。ここで、第2実施形態における半導体結晶性評価装置APBでは、第1実施形態における誘電体板DIAに代え誘電体板DIBが導波管アンテナ6Bにおける電磁波を入出射するための先端の開口部6Baに取付けられており、誘電体板DIBと試料SMとの間に、微小間隔Lを開けて測定が行なわれる。
すなわち、第1実施形態の導波管アンテナ6Aに代えて、導波管3に接続される導波管アンテナ6Bは、導波管3を伝播して来た電磁波を試料SMへ放射するとともに、試料SMと相互作用を受けた電磁波を受信して導波管3へ導くアンテナであり、本実施形態では、電磁波がマイクロ波であることから、導波管アンテナ6Bは、マイクロ波アンテナである。導波管アンテナ6Bは、試料SMの法線方向に沿って配設されており、一方端部が導波管3に接続され、他方端部に開口部6Baを備えている。この開口部6Baは、マイクロ波の電磁波を試料SMへ放射するとともに、試料SMと相互作用を受けた電磁波を受信するための開口であり、本実施形態では、この開口部6Baに誘電体板DIBが取り付けられている。そして、導波管アンテナ6Bの一方端部には、励起光光源7から放射された励起光を導波管アンテナ6B内に案内するための開口部6Bbを備えている。
そして、前記微小間隔Lは、例えば誘電体板DIBの誘電率εが5.5で、50μm程度である。すなわち、前記微小間隔Lは、電磁波(本実施形態ではマイクロ波)が、この微小間隔Lを感じない(伝播に影響しない)程度で、より長い距離に選ばれる。したがって、前記微小間隔Lを設けることで、試料SMに完全に非接触で評価を行なうことができる。また、誘電体板DIBは、第1実施形態のように試料SM全体の大きさではなく、より小さく、誘電体板DIBが取付けられる導波管アンテナ6Bの開口部6Baの大きさに形成されればよく、撓みを小さくし、前記微小間隔Lを小さくすることができる。
このような構成によっても第2実施形態における半導体結晶性評価装置APBは、第1実施形態における半導体結晶性評価装置APAと同様に、μ−PCD法で半導体膜SMaの結晶性を評価する際に、半導体膜SMa下に導電性膜SMbが形成されている場合でも結晶性を評価することができる。
なお、上述の第1および第2実施形態において、半導体結晶性評価装置APA、APBは、前記誘電体板DIA、DIBとして、上記範囲D1、D2を満たす互いに厚さの異なる複数の誘電体の板状部材をさらに備え、これら複数の板状部材のうちの1つが前記誘電体板DIA、DIBとして用いられてもよい。例えば、第2実施形態の半導体結晶性評価装置APBでは、導波管アンテナ6Bは、導波管アンテナ本体と、前記導波管アンテナ本体の一方端の開口部に脱着可能な構造であって誘電体板を備えるアタッチメントとを備えて構成され、前記アタッチメントは、複数用意され、各アタッチメントに設けられる各誘電体板は、それぞれ、互いに厚さの異なる誘電体で形成される。
このような構成では、上記範囲D1、D2を満たす互いに厚さの異なる複数の誘電体の板状部材が予め用意されているので、半導体膜SMaに対して配置される誘電体板DIA、DIBとして用いる板状部材を容易に取り替えることができる。このため、このような構成では、誘電体板DIA、DIBとして用いる板状部材をその厚さを異ならせて順次に取り替えて評価することができるので、前記複数の板状部材に対して検出器8の検出出力が最大となる誘電体板DIA、DIBで半導体膜SMaを評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
また、上述したように、誘電体板DIA、DIBの誘電率をεとし、その厚さをdとし、照射電磁波の波長をλとする場合に、これらの間にd=λ/(4×(ε)1/2)の関係が成立している場合に、検出器8の検出出力が最大(最大値Lmax)となる。しかしながら、実際の評価では、評価対象のばらつき等によって、d=λ/(4×(ε)1/2)の関係が成立する誘電体板DIA、DIBを用いたとしても、最大値Lmaxとならない場合もある。このような場合でも、上記構成では、前記複数の板状部材に対して検出器8の検出出力が最大となる誘電体板DIA、DIBで半導体膜SMaを評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
また、上述の第1および第2実施形態において、半導体結晶性評価装置APA、APBは、電磁波発振器1が電磁波の波長λを変更可能に構成され、図1および図6に破線で示すように、演算制御部9に機能的に電磁波発振器1の前記電磁波の波長λを制御する波長制御部93をさらに備えてもよい。例えば、ガンダイオードの印加電圧を制御することによって電磁波発振器1が周波数26GHzを中心に25.8GHzから26.2GHzまでの間で掃引される場合では、誘電体板DIA、DIBのガラス(ε=5.5)内部での波長は、1240μmから1220μmまで変化するため、ガラス厚換算で数十μmオーダーでの走査が可能である。
このような構成では、半導体膜SMaに誘電体板DIA、DIBを介して照射される電磁波の波長λを変更することができるので、前記電磁波の波長λを走査しながら評価することができる。このため、このような構成では、走査範囲に対して検出器8の検出出力が最大となる波長λで半導体膜SMaを評価することが可能であるから、より精度の高い評価結果を得ることができる。
また、このような構成では、第1に、まず、粗い波長間隔で第1走査が行われ、この第1の走査で最も大きい検出出力を示した波長付近で、第2に、より狭い波長間隔で第2走査(精密走査)が行われてもよい。あるいは、上述の互いに厚さの異なる複数の誘電体の板状部材によって前記第1走査が行われ、前記電磁波の波長λの走査によって前記第2走査が行われてもよい。このような2段階走査を行うことで、評価時間を短縮しつつ、より精度の高い評価結果を得ることができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
APA、APB 半導体結晶性評価装置
SM 試料
SMb 導電性膜
SMa 半導体膜
DIA、DIB 誘電体板
1 電磁波発振器
7 励起光光源
8 検出器
9 演算制御部
92 評価部
93 波長制御部

Claims (4)

  1. 電気的な導電性を有する導電性膜上に形成された評価対象の半導体膜に向けて所定の励起光を照射する励起光照射部と、
    前記半導体膜に向けて波長λの電磁波を照射する電磁波照射部と、
    前記半導体膜で反射された前記電磁波の反射波における強度を検出する検出部と、
    前記検出部の検出出力に基づいて前記半導体膜の結晶性を評価する評価部と、
    前記励起光に対して透明である誘電体から形成され、互いに厚さの異なる複数の板状部材とを備え、
    前記複数の板状部材のうちの1つが、誘電体板として、前記半導体膜における前記励起光および前記電磁波が照射される面側に配置され、
    前記誘電体板の厚さDは、誘電率がεであって厚さがλ/(4×(ε) 1/2 )である基準誘電体板を配置した際の前記検出部の検出出力をLmaxとし、ネイピア数をeとする場合に、前記検出部の検出出力がLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの値であること
    を特徴とする半導体結晶性評価装置。
  2. 前記電磁波照射部は、前記電磁波の波長を変更可能であり、
    前記電磁波照射部の前記電磁波の波長を制御する波長制御部をさらに備えること
    を特徴とする請求項に記載の半導体結晶性評価装置。
  3. 電気的な導電性を有する導電性膜上に形成された評価対象の半導体膜に向けて所定の励起光を照射する励起光照射部と、
    前記半導体膜に向けて波長λの電磁波を照射し、前記電磁波の波長を変更可能である電磁波照射部と、
    前記半導体膜における前記励起光および前記電磁波が照射される面側に配置され、前記励起光に対して透明である誘電体から形成された互いに厚さの異なる複数の板状部材と、
    前記電磁波照射部の前記電磁波の波長を制御する波長制御部と、
    前記半導体膜で反射された前記電磁波の反射波における強度を検出する検出部と、
    前記検出部の検出出力に基づいて前記半導体膜の結晶性を評価する評価部とを備え、
    前記複数の板状部材のうちの1つが誘電体板として用いられ、
    前記誘電体板の厚さDは、誘電率がεであって厚さがλ/(4×(ε) 1/2 )である基準誘電体板を配置した際の前記検出部の検出出力をLmaxとし、ネイピア数をeとする場合に、前記検出部の検出出力がLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの値であること
    を特徴とする半導体結晶性評価装置。
  4. 電気的な導電性を有する導電性膜上に形成された評価対象の半導体膜に向けて所定の励起光を照射する励起光照射工程と、
    前記励起光の照射に合わせて、前記半導体膜に向けて波長λの電磁波を照射する電磁波照射工程と、
    前記半導体膜で反射された前記電磁波の反射波における強度を検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出された検出出力に基づいて前記半導体膜の結晶性を評価する評価工程とを備え、
    前記半導体膜における前記励起光および前記電磁波が照射される面側には、前記励起光に対して透明である誘電体から形成された互いに厚さの異なる複数の板状部材が配置されており、前記複数の板状部材のうちの1つが誘電体板として用いられ、
    前記誘電体板の厚さDは、誘電率がεであって厚さがλ/(4×(ε)1/2)である基準誘電体板を配置した際の前記検出工程の検出出力をLmaxとし、ネイピア数をeとする場合に、前記検出工程の検出出力がLmax×1/e以上となる範囲のうちのいずれかの値であること
    を特徴とする半導体結晶性評価方法。
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