JP2013197179A - 半導体評価方法、及び半導体評価装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体評価装置1に、半導体に光パルスを照射する光照射部10と、光パルスが照射された領域を含む光パルス照射領域に測定波を照射する測定波照射部20と、光パルス照射領域で反射した測定波を検出するマイクロ波検出部31と、マイクロ波検出部31で検出した測定波の反射強度の時間変化を測定する反射強度測定部32と、を備える。その上で、半導体評価装置1に、反射強度測定部32で測定した反射強度の時間変化を基に強度変化曲線を求め、求めた強度変化曲線の傾きに基づいて半導体の表面再結合速度を評価する表面再結合評価部2を備える。
【選択図】図1
Description
なお近年では、太陽電池など、半導体ウェハの表面性状がデバイス特性に大きく影響するデバイスが多く存在している。このようなデバイスに用いられる半導体ウェハの品質管理には、半導体ウェハの表面処理を最適化するためにも、バルクでのキャリア寿命のみならず表面再結合によるキャリア寿命の評価も重要である。
非特許文献1も、表面再結合によるキャリア寿命を評価する技術であって、異なる波長の光パルス照射による反射波強度変化の解析から、バルクライフタイムおよび表面再結合速度を求める技術を開示している。
特許文献1及び非特許文献1は、いずれも光照射直後におけるマイクロ波の反射強度(
最大変化)を基準として、この最大変化の信号値と一定時間経過後の信号値との差異から表面再結合速度(S)を評価するものである。また、両文献では、光照射直後におけるマイクロ波の反射強度が1/e(e:自然対数の底)となるまでの時間がライフタイム(キャリア寿命)と称されている。一般に、マイクロ波光導電減衰法(μ−PCD)においては、光照射直後のマイクロ波の反射強度信号を基準として、マイクロ波の反射強度が1/eとなるまでの時間をライフタイムとしている。
そこで本発明は、光照射直後の反射強度信号に含まれるノイズの影響を受けずに、表面再結合速度(S)を安定にかつ高精度で測定する半導体評価方法及び半導体評価装置を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体評価方法は、半導体に光パルスを照射することによって前記半導体に励起キャリアを生成するキャリア生成工程と、前記光パルスが照射された領域を含む光パルス照射領域に測定波を照射する測定波照射工程と、前記光パルス領域で反射した測定波を検出する測定波検出工程と、前記測定波検出工程で検出した測定波の反射強度の時間変化を測定する反射強度測定工程と、を備える半導体評価方法であって、前記反射強度測定工程で測定した反射強度の時間変化を基に強度変化曲線を求め、求めた強度変化曲線の傾きに基づいて前記半導体の表面再結合速度を評価する表面再結合評価工程を備えることを特徴とする。
また、前記表面再結合評価工程は、前記補正強度変化曲線の傾きを、前記補正強度変化曲線を構成する時系列データを用いた回帰分析により求めてもよい。
さらに、前記キャリア生成工程で照射される光パルスの波長は、可視又は紫外領域の波長であってもよい。
本発明に係る半導体評価装置は、半導体に光パルスを照射する光照射部と、前記光パルスが照射された領域を含む光パルス照射領域に測定波を照射する測定波照射部と、前記光パルス照射領域で反射した測定波を検出するマイクロ波検出部と、前記マイクロ波検出部で検出した測定波の反射強度の時間変化を測定する反射強度測定部と、を備える半導体評価装置であって、上記いずれかの半導体評価方法によって前記半導体の表面再結合速度を評価する表面再結合評価部を有することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る半導体評価装置は、いわゆるマイクロ波光導電減衰法によって半導体のキャリア寿命を測定する装置である。
半導体評価装置は、過剰キャリアを生成すべく、所定波長の光を半導体表面の所定領域(測定領域)に照射するとともに、生成した過剰キャリアの消滅過程を検出すべく、当該所定領域に、例えばマイクロ波等の測定波を照射する。本実施形態による半導体評価装置は、これによって得られた所定領域からの測定波の反射波を検出器で測定し、この測定結果に基づいて半導体のキャリア寿命を求める装置である。
光照射部10は、例えばシリコンウェハ等の半導体ウェハ(測定試料)SW表面の所定領域(測定領域)に、可視〜紫外所定波長を有する測定光を照射するものである。測定領域は、半導体評価装置1によって1回の測定でキャリア寿命が測定される測定範囲である。
測定波生成部21は、演算制御部2の制御に従って、例えばマイクロ波等の所定の測定波を生成する装置である。本実施形態による半導体評価装置1では、過剰キャリアの生成消滅過程で生じる半導体の導電率変化を測定波の反射強度の変化に基づいて取り出すため
、所定の測定波は電磁波であるとよい。よって、本実施形態において測定波生成部21は、所定の測定波としてマイクロ波を採用しており、例えば26GHzのガンダイオード等によってマイクロ波を生成するマイクロ波発振器を備えている。測定波生成部21は、分岐部22に接続される。
導波管24は、伝播した測定波を、半導体ウェハSW表面の測定領域に導いて放射(送信)するとともに、半導体ウェハSWとの間で相互作用を受けた測定波、つまり半導体ウェハSWの測定領域で反射した反射測定波を受波(受信)する。
導波管24の上方には、光照射部10から放射された測定光を導波管アンテナ24A内に案内するための孔部を備えている。
演算制御部2は、半導体評価装置1の各部を制御することにより、半導体評価装置1の全体制御を司る装置であり、例えば、マクロプロセッサやメモリ等を備えるマイクロコンピュータを備えて構成される。後述するが、演算制御部2は、表面再結合評価部であって、検出部30で検出された検出結果に基づいて半導体ウェハSWにおけるキャリア寿命を求めるものである。
本実施形態による半導体評価装置1は、測定試料(半導体ウェハSW)に照射されて反射したマイクロ波(測定波)の反射率(減衰率)に基づいて、半導体ウェハSWの表面再結合速度(S)を評価するものであって、特に、検出したマイクロ波の反射強度からマイクロ波の反射率(減衰率)を求める方法に特徴を有するものである。
まず、測定したい半導体ウェハSWの表面の汚れや表面ダメージ等が、事前に例えばいわゆるケミカルエッチング等によって落とされ(洗浄処理)、自然酸化膜が付与された状態とされる。そして、この洗浄処理後の半導体ウェハSWが測定試料としてステージ41に載置される。
2に指示を出し、指示を受けたステージ制御部42は、ステージ41を駆動して半導体ウェハSWを所定の位置に移動させる。
以下、より具体的に説明する。測定波入出力部20において、測定波生成部21は、演算制御部2の制御に従って測定波を生成する。生成された測定波は、測定波生成部21から分岐部22へ射出されて2つに分岐され、その一方の測定波は、サーキュレータ28を経て導波管24へ射出され、導波管アンテナ24Aから半導体ウェハSWの測定領域に照射される(測定波照射工程)。また、分岐部22で分岐された他方の測定波は、検出部30のミキサ31へ照射される。
続いて、図2に示す反射率の時間変化から反射測定波の減衰率を求める方法について、以下に説明する。図2は、横軸にナノ秒(ns)を単位とした時間を示し、縦軸に反射測定波の信号レベルを電圧(mV)で示している。
しかし従来は、このノイズを含むパルスレーザ光の照射直後の信号を用いた手法で表面再結合速度(S)を評価していた。つまり、図3に示すように、ノイズであるパルスレーザ光の照射直後の信号を起点とした点線で示す減衰直線と測定値との差δから表面再結合が評価されていた。しかし、この場合、パルスレーザ光の照射直後の信号レベルはノイズを含んで不安定であるため、この従来の手法によって高精度かつ安定に表面再結合を評価することは困難である。
短いことに伴って信号レベルのデータ数が少なく、減衰率の算出値にばらつきが生じている。しかし、回帰分析区間の拡張に伴ってデータ数が増加するので、減衰率の算出値は安定してゆく。この安定し始めた算出値をもって初期減衰とし、以降のグラフの傾き、つまり減衰率の変化を基に表面再結合を評価することができる。このように、回帰分析区間の拡張により得られた算出値は、半導体ウェハSWの表面および裏面の再結合速度(S)と半導体ウェハSWの内部におけるバルクライフタイム(τ)で規定される減衰率である。
実施例として、図5(a)に、表面再結合速度(S)が異なる2枚のシリコンウェハに対する強度変化曲線を示す。いずれも、パルスレーザ光の照射直後に信号レベルが急峻に立ち上がり、その後、過剰キャリアの拡散および、これらの再結合過程を通して信号レベルが減衰することが確認できる。
図5(b)に示すように、上記各シリコンウェハに関して減衰率に有意な差異が確認された。いずれもパルスレーザ光の照射後、数100nsにわたって表面再結合に起因する減衰率の変化が観測されるので、この減衰率の変化を基に各シリコンウェハに対する表面再結合速度(S)を評価することができる。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、動作条件や測定条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
S)を求めるに際しては、特開昭57−54338号公報や特開2011ー82312号公報などに開示されている公知の手法を用いると説明した。しかし、これら特許文献は単なる例示であり、上記実施形態で説明した反射測定波の減衰率を、これら例示した文献以外の手法に用いて表面再結合速度(S)を求めることができることは明らかである。
2 演算制御部(表面再結合評価部)
10 光照射部
11 光源部
12 ミラー
13 レンズ
20 測定波入出力部(測定波照射部)
21 測定波生成部
22 分岐部
23 出力
24 導波管
24A 導波管アンテナ
25 出力
26 第2導波管
28 サーキュレータ
30 検出部
31 ミキサ(マイクロ波検出部)
32 検出器(反射強度測定部)
40 移動部
41 ステージ
42 ステージ制御部
SW 半導体ウェハ
Claims (6)
- 半導体に光パルスを照射することによって前記半導体に励起キャリアを生成するキャリア生成工程と、前記光パルスが照射された領域を含む光パルス照射領域に測定波を照射する測定波照射工程と、前記光パルス領域で反射した測定波を検出する測定波検出工程と、前記測定波検出工程で検出した測定波の反射強度の時間変化を測定する反射強度測定工程と、を備える半導体評価方法であって、
前記反射強度測定工程で測定した反射強度の時間変化を基に強度変化曲線を求め、求めた強度変化曲線の傾きに基づいて前記半導体の表面再結合速度を評価する表面再結合評価工程を備えることを特徴とする半導体評価方法。 - 前記表面再結合評価工程は、
前記求めた強度変化曲線の最初の部分を除いた補正強度変化曲線を取得し、
取得した補正強度変化曲線の傾きに基づいて前記半導体の表面再結合速度を評価することを特徴とする請求項1に記載の半導体評価方法。 - 前記表面再結合評価工程は、
前記補正強度変化曲線の傾きを、前記補正強度変化曲線を構成する時系列データを用いた回帰分析により求めることを特徴とする請求項2に記載の半導体評価方法。 - 前記表面再結合評価工程は、
前記回帰分析に用いる時系列データを増やすために、補正強度変化曲線における回帰分析の対象となる時間区間を増加させることを特徴とする請求項3に記載の半導体評価方法。 - 前記キャリア生成工程で照射される光パルスの波長は、可視又は紫外領域の波長であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体評価方法。
- 半導体に光パルスを照射する光照射部と、前記光パルスが照射された領域を含む光パルス照射領域に測定波を照射する測定波照射部と、前記光パルス照射領域で反射した測定波を検出するマイクロ波検出部と、前記マイクロ波検出部で検出した測定波の反射強度の時間変化を測定する反射強度測定部と、を備える半導体評価装置であって、
請求項1〜5のいずれかの半導体評価方法によって前記半導体の表面再結合速度を評価する表面再結合評価部を有することを特徴とする半導体評価装置。
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