JP2005142359A - 半導体ウェーハのライフタイム評価方法 - Google Patents

半導体ウェーハのライフタイム評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】任意の深さのライフタイムを測定でき、デバイス活性層の金属汚染評価を行うことができる半導体ウェーハのライフタイム評価方法を提供する。
【解決手段】本半導体ウェーハのライフタイム測定方法は、μ−PCD法において、ウェーハ上のレーザ光照射位置に磁場を印加した状態で光励起を行いライフタイムを測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体ウェーハのライフタイム評価方法に係わり、特にμ−PCD法においてウェーハ表面から任意の深さまでの表面−表層領域のライフタイムを精度良く測定可能にした半導体ウェーハのライフタイム評価方法に関する。
半導体ウェーハ製造時において発生する不純物汚染を検出するために、半導体ウェーハのライフタイム、すなわち半導体ウェーハ中に光を照射して、光励起により発生した光電子・正孔対(以下キャリアという)が、消滅するまでのライフタイムを測定する方法として、μ−PCD(Micro wave Photoconductive Decay)法が用いられている。
従来、μ−PCD法でライフタイムの測定を行う際には、以下の方法が用いられている。1)ウェーハのバルク全体のライフタイムを測定する際には、988nmのレーザ光を入射し、レーザ光を表面より400〜500μmの深さまで到達させ、過剰キャリアを生成している。過剰キャリアの生成はウェーハの伝導率を増加させ、マイクロ波の反射率を高める。過剰キャリアが再結合するまでの時間はウェーハ表面に照射するマイクロ波の反射率より求めている。バルク内部に金属不純物が拡散している場合、過剰キャリアは容易に再結合し、ライフタイムを短くする。2)ヘビードープウェーハを用いたEpi層や、SOI層のライフタイム測定には、波長が522nmや488nmのレーザ光を用いて、レーザ光の進入深さを1μm以下として、過剰キャリアの生成領域を表層1μm以内としている。発生した過剰キャリアは、Epiサブ基板やBOX層で再結合しライフタイムの絶対値は短くなるが、Epi層やSOI層内部の金属汚染は相対的に比較評価することが可能である。
従来、抵抗率の高いサンプルのライフタイム測定では、たとえ波長522nmのレーザ光を用いてレーザ光の進入深さを1μm以下としても、図5に示すように、発生した過剰キャリアがウェーハ裏面まで到達してしまう。そのため、キャリアライフタイムの情報はバルク全体の情報となってしまい、ウェーハ表面から任意の深さまでの表面−表層領域の金属汚染のみを切り分けて、評価、解析することが不可能であった。なお、デバイス形成部、すなわち、デバイス活性層はウェーハ表面からおよそ数十μm程度の深さまのでウェーハ表層領域が主として使用されるため、デバイス活性層での汚染情報を切り分け、精度良く測定できる評価方法が必要とされる。
しかし、従来のμ−PCD法によるライフタイム測定では、ライフタイムを測定する深さを制御できない。
なお、測定域の測定環境を変えるμ−PCD法によるライフタイム測定として、特許文献1に記載の方法があるが、この方法はオゾン雰囲気でマイクロ波を照射しながらライフタイムを測定する方法であり、表面から任意の深さまでの表面−表層領域を精度良く測定することができない。
また、特許文献2には、半導体基板表面に薄膜が形成された半導体基板を評価する評価方法として、半導体基板の表面の薄膜に所定の電圧を印加してライフタイムを測定する評価方法が開示されている。しかしながら、この特許文献2の発明は、表面に保護膜(特に酸化膜)が形成された半導体基板の評価方法に関するものであり、磁場を印加して深さ方向のキャリアに方向性をもたせ、任意の表面−表層領域を精度良く測定できる本発明とは目的、手段が異なるものである。
特開平6−283584号(段落番号[0013]、[0014]、[0017]、図2) 特開平7−7060号(段落番号[請求項1]、[0006]、[0012]、[0026]、図1)
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、ウェーハ表面から任意の深さまでの表面−表層領域のライフタイムを精度良く測定でき、デバイス活性層の金属汚染評価を好適に行うことができる半導体ウェーハのライフタイム評価方法、及び、ライフタイム評価装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、半導体ウェーハの表面近傍に光励起により過剰キャリアを注入し、過剰キャリア濃度の減衰過程をとらえて、マイクロ波の反射量の時間的変化を検出する半導体ウェーハのライフタイム測定方法において、ウェーハ上のレーザ光照射位置に磁場を印加した状態で光励起を行いライフタイムを測定することを特徴とする半導体ウェーハのライフタイム測定方法が提供される。これにより、ウェーハ表面から任意の深さまでの表面−表層領域のライフタイムを測定でき、デバイス活性層の金属汚染評価を行うことができる半導体ウェーハのライフタイム評価方法が実現される。
好適な一例では、前記磁界の強さは10mW/cm以下である。
本発明に係わる半導体ウェーハのライフタイム評価方法によれば、ウェーハ表面から任意の深さまでの表面−表層領域のライフタイムを測定でき、デバイス活性層の金属汚染評価を精度良く行うことができる半導体ウェーハのライフタイム評価方法を提供することができる。
以下、本発明に係わる半導体ウェーハのライフタイム評価方法の一実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明に係わるライフタイムの評価方法に用いられるライフタイム評価装置の概念図である。
図1に示すように、本発明に係わる半導体ウェーハのライフタイム測定方法は、半導体ウェーハWの表面近傍にレーザダイオード1から発せられるレーザ光を半導体ウェーハWに照射し、光励起により過剰キャリアを発生させ、過剰キャリア濃度の減衰過程をとらえて、発振器であるガンダイオード2で発振され減衰器3、サーキュレータ4、導波管5を介して照射されるマイクロ波の反射量の時間的変化をマイクロ波検知器6により検出する方法であり、ウェーハW上のレーザ光照射位置に電磁石7(S極、N極)により磁場を印加した状態で光励起を行いライフタイムを測定する測定方法である。この測定方法を用いることで、図2に示すように、電磁石7から発生した磁場の影響により、励起された過剰キャリアが磁場の発生方向、すなわち、横方向に移動するため、図4のように、発生した過剰キャリアが裏面まで到達することを抑制し、ウェーハ表面から任意の深さまでの表面−表層領域のライフタイムを精度よく測定することができる。
上記レーザ光の波長は、532nm以下であるのが好ましい。レーザの侵入深さが1μm以下となるので、これにより、磁場の印加と相俟って、キャリアの到達深さを抑制でき、回路が形成される表面から特定のウェーハ表層部(デバイス活性層)までの領域でのライフタイムの測定が容易になる。また、上記磁界の強さは10mW/cm以下であるのが好ましい。10mW/cmを超えるとキャリアの到達深さはレーザの侵入深さと同等となるので、磁界をこれ以上強くする効果はなくなる。また、ガンダイオード2の周波数は例えば10GHzのものを用いる。
図3に示すように、過剰キャリアとして発生した電子と正孔がZ軸方向の下向きに拡散しているとする。ウェーハ表層部で発生したキャリアの拡散速度は、注入した過剰キャリア濃度、抵抗率、温度により変化するが、ここでは10m/sとして説明する。ここで磁場をY軸方向より印加すると磁界によるローレンツ力が働き電子と正孔は、それぞれX軸方向−と+方向に力を受ける。
好ましい例として、上記磁界の強さが10mW/cmの場合、キャリアは半径5nmで回転運動を開始するので、キャリアが到達する深さは過剰キャリア発生地点から10nmとなる。実質、レーザ光の注入された深さまでのライフタイムを求めることができる。磁界の強度を小さくすると、キャリアの到達する深さは深くなる。
図4に示すような縦型基板熱処理装置に、片面が鏡面化されたシリコンウェーハを試料ウェーハとして用いて熱処理を行った。その際に、ボート上端部に、不純物で汚染されたシリコンウェーハを配置し、アルゴンガスを縦型基板熱処理炉上方から供給し、1100℃にて1時間、熱処理時を行ない、試料ウェーハ表面〜表層5μm程度の部分に不純物を逆汚染させた。なお、上記試料ウェーハに対するレファレンスウェーハとして、汚染ウェーハを設置せずに同一熱処理をおこなったウェーハを用いた。
この逆汚染させた試料ウェーハと逆汚染させていないレファレンスウェーハを用いて、図1に示すような本発明の評価方法(実施例)と、図5に示すような従来の評価方法(従来例)を用いてライフタイムの測定を行い、その効果を確認した。
Figure 2005142359
逆汚染していないレファレンスウェーハにおいては、従来例よりも実施例の方がライフタイムが低下している。これは、実施例においてウェーハ表面でのキャリア再結合の影響をより強く受けているものと推察される。また、逆汚染させた試料ウェーハにおいては、従来の方法で測定した場合、逆汚染させていないレファレンスウェーハと比べると、逆汚染させた影響により5〜15μSec程度、ライフタイムが低下するが、本願発明の方法を用いると、15〜25μSec程度、ライフタイムが低下しており、ウェーハ表面から5μm付近までの不純物汚染をより顕著にひろっていることを示している。
すなわち、本発明は、ウェーハ表面から任意の深さまでの表面−表層領域、すなわち、ウェーハ表層部(デバイス活性層)のライフタイムをより高精度に測定することが可能となる。上記のように本実施形態によれば、ウェーハ上のレーザ光照射位置に磁場を印加した状態で光励起を行い、ライフタイムを測定することにより、ウェーハ表面から任意の深さまでの表面−表層領域のライフタイムを測定でき、ウェーハ表層部(デバイス活性層)の金属汚染評価を行うことができ、また、ウェーハに加える磁界の強さを制御することにより、ライフタイムを測定するウェーハ表面からの深さを制御することができる。
本発明に係わる半導体ウェーハのライフタイム評価方法に用いられるライフタイム装置の概念図。 本発明に係わる半導体ウェーハのライフタイム評価方法に用いられるライフタイム装置の概念図。 本発明に係わる半導体ウェーハのライフタイム評価方法の概念図。 本発明及び従来の実施例におけるライフタイム評価方法に用いた縦型基板熱処理装置の概念図。 従来の半導体ウェーハのライフタイム評価方法の概念図。

Claims (2)

  1. 半導体ウェーハの表面近傍に光励起により過剰キャリアを発生させ、過剰キャリア濃度の減衰過程をとらえて、マイクロ波の反射量の時間的変化を検出する半導体ウェーハのライフタイム測定方法において、ウェーハ上のレーザ光照射位置に磁場を印加した状態で光励起を行いライフタイムを測定することを特徴とする半導体ウェーハのライフタイム測定方法。
  2. 請求項1に記載のライフタイムの測定方法において、前記磁界の強さは10mW/cm以下であることを特徴とする半導体ウェーハのライフタイム評価方法。
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