JP5256136B2 - 電磁波測定装置、及び電磁波測定方法 - Google Patents

電磁波測定装置、及び電磁波測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外光やマイクロ波などの電磁波を測定対象物に照射し、測定対象物を透過した電磁波を測定し、測定対象物の特性を求める装置及び方法に関する。
希薄な気体に光を透過させたときの光の吸収に関する法則として、ランバート・ベールの法則が知られている。ランバート・ベールの法則は、入射光の強度をI、透過光の強度をI、気体の吸収係数をε、気体の濃度をc、光が気体を通過する長さ(光路長)をLとすると、以下の式(1)のように表される。
気体の吸収係数εは、気体の種類により定まる。また、光路長Lは、測定対象物となる気体を入れるガスセルの形状などにより定まる。そのため、ランバート・ベールの法則によれば、原理的には、希薄な気体の吸収係数εと光路長Lが予め分かっていれば、入射光の強度Iと透過光の強度Iから、希薄な気体の濃度cを求めることができる。
しかし、気体の濃度cが小さくなるにつれ、入射光の強度Iと透過光の強度Iとの差ΔIも小さくなり、十分な精度で気体の濃度cを測定することが困難になる。
そこで、希薄な気体による光の吸収を測定するために、2つの凹面鏡を含む多重反射光学系を用いて、光路長Lを長くするマルチパスセル法が知られている。図8は、マルチパスセル法を用いる装置50の概略を示す。装置50は、細長い空間を有するセル51を用い、両端面に反射率の高い鏡52を備えている。セル51に入射したレーザ光を鏡52を配した両端面で何度も反射させることで、レーザ光の光路を長くすることができる。検出器53は、鏡52で複数回反射した後のレーザ光を検出する。また、検出器54は、セル51にレーザ光が入射する直前に分離して得られた参照光を検出する。検出器53が検出した信号強度と、検出器54が検出した信号強度との差分を求めることにより、ガスの濃度を測定することができる。
また、互いに対向する2枚のミラーにより構成される光学キャビティ内で光を往復させながら、光強度が減衰する寿命を測定するキャビティリングダウン法が知られている。図9は、キャビティリングダウン法の装置60の概略を示す。装置60は、細長い空間61の両端面に凹面鏡62,63を備えており、この空間61内にレーザ光を閉じ込めて、レーザ光の光路を長くする。凹面鏡63からの反射回数に応じて取り出されたレーザ光p,p,…pを、検出器64が検出する。コンピュータ65は、検出器64が検出した結果を用いて、ガスの吸収量を算出する。このように、凹面鏡62,63を用いることにより、レーザ光の光路を長くすることができる。そのため、測定対象のガスによる吸収量が大きくなり、微量なガスであってもレーザ光の吸収量を測定することができる。
Laser Spectroscopy, Springer出版,Wolfgang Demtroder, P370 Laser Spectroscopy, Springer出版,Wolfgang Demtroder, P383
しかしながら、上述したマルチパスセル法やキャビティリングダウン法では、いずれも特別な光学系が必要となる。そのため、光路長が比較的短い測定空間において、局所的な気体の濃度を測定することが困難であった。
本発明は、従来よりも高い精度で、測定対象物を透過した電磁波を測定し、測定対象物の特性を求める装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明の電磁波測定装置は、電磁波を測定対象物に照射し、前記測定対象物を透過した電磁波を測定する電磁波測定装置であって、前記測定対象物に電磁波を照射する電磁波発生部と、前記測定対象物に対する電磁波の透過率が異なる2つの波長の間で、前記電磁波発生部が照射する電磁波の波長を、第1周波数で切り替える変調信号を生成する変調回路と、前記電磁波発生部が前記変調信号に対応する波長のパルス状の電磁波を照射するように、入力されるパルス信号のタイミングで前記電磁波発生部を駆動する駆動回路と、前記測定対象物を透過した電磁波を測定する測定部と、前記測定部が測定した電磁波の信号が予め定めた閾値を上回るタイミングで、単一のパルス信号を生成して前記駆動回路に出力する波形整形回路と、前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を求める制御部と、前記制御部が求めた時間を信号値とする時系列データをフーリエ変換し、第1周波数におけるスペクトル強度から前記測定対象物の特性を求める演算部と、を有する。
また、本発明の電磁波測定方法は、電磁波を測定対象物に照射し、前記測定対象物を透過した電磁波を測定する電磁波測定方法であって、前記測定対象物に対する電磁波の透過率が異なる2つの波長の間で、電磁波の波長を第1周波数で切り替える変調信号を生成する工程と、電磁波発生部が前記変調信号に対応する波長のパルス状の電磁波を照射するように、入力されるパルス信号のタイミングで駆動回路が前記電磁波発生部を駆動する第1工程と、前記測定対象物を透過した電磁波を測定する第2工程と、測定した電磁波の信号が予め定めた閾値を上回るタイミングで、波形整形回路が単一のパルス信号を生成して前記駆動回路に出力する第3工程と、第1工程、第2工程、及び第3工程を繰り返し、前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を求める第4工程と、前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を信号値とする時系列データをフーリエ変換し、第1周波数におけるスペクトル強度から前記測定対象物の特性を求める工程と、を有する。
本発明によれば、従来よりも高い精度で、測定対象物を透過した電磁波を測定し、測定対象物の特性を求めることができる。
本発明の一実施形態である赤外線測定装置の概略構成を示す図である。 図1に示す赤外線測定装置の変調回路が生成する変調信号の一例を示す図である。 図1に示す赤外線測定装置の波形整形回路の構成の一例を示す図である。 赤外線測定装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。 (a)と(c)は、図3に示す波形整形回路に入力される測定信号と参照信号を示す図であり、(b)と(d)は、図3に示す波形整形回路が生成するパルス信号を示す図である。 図1に示す赤外線測定装置の測定データの一例を示す図である。 図1に示す赤外線測定装置の測定データのフーリエスペクトルの一例を示す図である。 従来のマルチパスセル法を用いる装置の概略を示す図である。 従来のキャビティリングダウン法を用いる装置の概略を示す図である。
以下、本発明の測定対象物を透過した電磁波を測定する装置及び方法について、実施形態に基づいて説明する。
<実施形態>
本実施形態では、パルス状の赤外線レーザ光を希薄な気体に照射し、その透過光を測定することにより、希薄な気体の濃度を測定する方法について説明する。
(赤外線測定装置の概略構成)
まず、図1を参照して、本実施形態の赤外線測定装置の概略構成を説明する。本実施形態の赤外線測定装置は、測定対象物となる気体に赤外線レーザ光を照射し、さらに、気体を透過したレーザ光に基づいて、レーザ光を照射するためのパルス信号を生成することにより、気体にレーザ光を繰り返し照射する。気体の濃度が希薄でありレーザ光の吸収がわずかな場合であっても、レーザ光の照射を繰り返すことで、気体の濃度を測定することが可能となる。図1に示すように、本実施形態の赤外線測定装置は、レーザ光源100と、駆動回路102と、変調回路104と、パルス生成回路106と、ガスセル110と、測定部120と、波形整形回路130と、制御部140と、演算部150と、を備える。
レーザ光源100は、駆動回路102から供給される駆動パルス信号に応じて、赤外領域の波長のレーザ光をパルス状に出射する。本実施形態では、レーザ光源100は、赤外領域の波長領域のレーザ光を出射する量子カスケードレーザ(QCL)光源である。レーザ光源100の波長は、駆動回路102によって可変に制御される。
駆動回路102は、パルス信号(後述するスタートパルス信号を含む)が入力されると、この入力に応じてレーザ光源100に駆動パルス信号を供給し、レーザ光源100を駆動する。また、駆動回路102は、変調回路104により生成される変調信号に応じて、レーザ光源100が出射するレーザ光の波長を制御する。
変調回路104は、レーザ光源100の波長を制御するための変調信号を生成する。生成された変調信号は、駆動回路102に供給される。図2を参照して、変調回路104が生成する変調信号について説明する。図2に示すグラフの横軸は、レーザ光の波長を示す。図2に示す上方向に向く縦軸は、ガスセル110を透過するレーザ光の透過率を示す。一般に、ある気体に対するレーザ光の透過率は、レーザ光の波長により異なる。これは、上述したランバート・ベールの法則における気体の吸収係数εがレーザ光の波長λの関数で表されることを意味する。以下、気体の吸収係数εがレーザ光の波長λの関数であることを明確にするため、気体の吸収係数εをε(λ)と表す。
図2に示す例は、波長λのレーザ光は気体に吸収されにくく、透過率が高くなり、波長λのレーザ光は、気体に吸収されやすく、透過率が低くなることを示す。波長に対する透過率の変化を示すグラフは、吸収スペクトルと呼ばれる。吸収スペクトルは、気体の種類によって異なるため、予め測定対象となる気体の吸収スペクトルを参照することにより、レーザ光の透過率が異なる2つの波長λ、λが選択される。
図2に示す下方向に向く縦軸は、時刻を示す。図2に示すように、変調回路104は、レーザ光源100が出射するレーザ光の波長を、所定の変調周波数f(第1周波数)で、波長λとλとの2値に切り替えるための変調信号を生成する。変調周波数fは、制御部140により制御される。変調周波数fは、例えば、5Hzである。
図1に戻り、パルス生成回路106はパルス信号を生成し、生成したパルス信号を駆動回路102に供給する。このパルス信号は、駆動回路102が駆動パルス信号を作成するために用いられる。パルス生成回路106がパルス信号を生成するタイミングは、制御部140により制御される。以下、パルス生成回路106が生成するパルス信号を「スタートパルス信号」と呼ぶ。
ガスセル110は、測定対象の気体を収納する容器である。本実施形態において、測定対象の気体は、メタンである。ガスセル110は、密閉された容器であってもよいし、密閉されていない容器であってもよい。例えば、ガスセル110に気体導入口と気体排出口を設け、ガスセル110に測定対象となる気体を流しながら、気体の濃度を測定することもできる。レーザ光の進行方向に沿ったガスセル110の長さは、例えば、数cm〜1mである。
測定部120は、ガスセル110を透過したレーザ光を測定する。測定部120は、例えば、PINダイオード(p-intrinsic-n diode)、HgCdTeを受光面とする光導電素子(MCT素子:Mercury Cadmium Telluride素子)である。測定部120が測定した信号(測定信号)は、波形整形回路130に供給される。
波形整形回路130は、測定部120から出力された測定信号が予め定めた閾値を横切って上回るタイミングにおいて、単一のパルス信号を生成し、生成したパルス信号を駆動回路102と制御部140に出力する。図3を参照して、波形整形回路130の構成を説明する。図3に示すように、波形整形回路130は、コンパレータ132と、パルス生成部134と、を備える。コンパレータ132には、測定部120から出力される測定信号と、制御部140から出力される参照信号とが入力される。コンパレータ132は、入力された測定信号と参照信号との比較を行う。参照信号は、後述するように、RとRの信号強度を持ち、Rの値は閾値として用いられる。また、コンパレータ132は、入力された測定信号が参照信号を上回るタイミングにおいて、パルス生成部134に信号を出力する。
パルス生成部134は、コンパレータ132が出力した信号の入力を受けると、単一のパルス信号を生成し、生成したパルス信号を駆動回路102と制御部140に出力する。
制御部140は、各信号が生成されるタイミングを制御する。制御部140は、例えば、タイミングコントローラを備える。具体的には、制御部140は、変調回路104が生成する変調信号の変調周波数fを制御する。また、制御部140は、パルス生成回路106がスタートパルス信号を生成するタイミングを制御する。また、制御部140は、波形整形回路130に入力される参照信号を制御する。
また、制御部140は、波形整形回路130が生成したパルス信号の入力を受け、波形整形回路130が生成したパルス信号を計数する。制御部140は、例えば、ビットカウンタを備える。また、制御部140は、波形整形回路130が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を求める。
演算部150は、制御部140が求めた、波形整形回路130が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を信号値とする時系列データを用いて、測定対象となる気体の濃度を求める。演算部150が気体の濃度を求める具体的な方法は、後述する。
以上が、本実施形態の赤外線測定装置の概略構成である。
(赤外線測定方法の概要)
次に、本実施形態の赤外線測定方法の概要を説明する。レーザ光源100が出射するレーザ光の強度をIとし、レーザ光の波長をλとすると、ランバート・ベールの法則より、透過光の強度I(λ)は、以下の式(2)のように表される。

また、レーザ光源100が出射するレーザ光の強度をIとし、レーザ光の波長をλとすると、ランバート・ベールの法則より、透過光の強度I(λ)は、以下の式(3)のように表される。なお、λ,λは、図2に示される波長である。
また、式(2)と式(3)より、以下の式(4)が得られる。

ここで、ε(λ)とε(λ)は、気体の種類により定まる定数である。また、光路長Lもガスセル110の形状により定まる定数である。そのため、式(4)は、異なる2つの波長λとλにおける透過光の強度の比I(λ)/I(λ)を測定することにより、気体の濃度cが求まることを意味する。
以下、本実施形態の赤外線測定方法について、より詳細に説明する。図4は、上述した赤外線測定装置の動作を示すタイミングチャートの一例である。図4(a)は、変調回路104が生成する変調信号を示す。変調回路104は、図2を参照して説明した波長λ、λのレーザ光をレーザ光源100が出射するように、変調周波数fの変調信号を生成する。本実施形態において、変調周波数fは5Hzである。
(変調信号がλの場合)
まず、変調回路104で生成される変調信号がλからλに変化した後、変調信号がλからλに変化するまでのタイミングチャートについて説明する。
図4(b)は、パルス生成回路106が生成するスタートパルス信号を示す。図4に示す例では、パルス生成回路106は、変調回路104の出力の変化と同期して、スタートパルス信号の矩形パルスの生成を開始する。また、パルス生成回路106は、変調周波数fの2倍の周波数よりも高い所定の周波数f(第2周波数)で、矩形パルスを生成する(2f<f)。パルス生成回路106が生成する矩形パルスのパルス幅は、例えば、1n秒程度である。また、本実施形態において、周波数fは60Hzである。
次に、駆動回路102は、パルス生成回路106により生成されたスタートパルス信号の入力を受け、レーザ光源100に駆動パルス信号を供給し、レーザ光源100を駆動する。次に、測定部120は、ガスセル110を透過したレーザ光を測定する。次に、測定部120は、測定信号を波形整形回路130に供給する。
ここで、図5を参照して、波形整形回路130がパルス信号を生成するタイミングについて説明する。図5(a)は、レーザ光の波長をλとした際に波形整形回路130に入力される測定信号(以下、「第1測定信号」と呼ぶ。)と、参照信号を示す。図5(a)の横軸は、駆動回路102が駆動パルス信号を生成するタイミングを基準とした時刻を示し、縦軸は信号強度を示す。tは、第1測定信号が、信号強度Rの参照信号を上回る時刻である。図5(b)は、図5(a)に示す第1測定信号が入力された際に、波形整形回路130が生成するパルス信号を示す。図5(b)に示すように、波形整形回路130は、第1測定信号が参照信号を上回るタイミング(時刻t)において、所定のパルス幅tのパルス信号を生成する。
図4に戻り、図4(c)は、波形整形回路130が生成するパルス信号を示す。上述した図5(b)に示すパルス信号は、図4(c)に示すパルス信号Aに対応する。
次に、波形整形回路130は、生成したパルス信号を駆動回路102と制御部140に供給する。次に、駆動回路102は、波形整形回路130により生成されたパルス信号の入力を受け、レーザ光源100に駆動パルス信号を供給し、レーザ光源100を駆動する。以後、同様に、波形整形回路130によるパルス信号の生成と、駆動回路102による駆動パルス信号の供給を、所定の回数(N回)だけ繰り返す。図4(c)は、波形整形回路130によるパルス信号の生成を8回繰り返す例である。繰り返し回数Nは、任意の回数に設定することができる。繰り返し回数Nは、例えば、制御部140が備えるビットカウンタによりカウントされる。
次に、制御部140は、パルス生成回路106がスタートパルス信号を生成するタイミングを基準とし、波形整形回路130が所定の数N(本実施形態では、N=8)のパルス信号の生成を開始するまでの時間Tを求める。また、制御部140は、求めた時間Tのデータを演算部150に供給する。
次に、制御部140は、波形整形回路130が所定の数N個のパルス信号を生成した後に、信号強度Rの参照信号を波形整形回路130に供給する。図5(a)に示すように、参照信号の信号強度Rは、第1測定信号の信号強度の最大値よりも大きな信号強度である。そのため、第1測定信号は、信号強度Rの参照信号を上回らないため、波形整形回路130はパルス信号を発生しない。これにより、上述した繰り返し動作が終了する。
その後、再びパルス生成回路106がスタートパルス信号を生成し、上述した処理が行われる。本実施形態では、f=5Hz、f=60Hzであるため、変調信号がλである期間において、時間Tのデータを6点取得することができる。
(変調信号がλの場合)
次に、変調回路104で生成される変調信号がλからλに変化した後、変調信号がλからλに変化するまでのタイミングチャートについて説明する。
図4(b)に示すように、パルス生成回路106は、変調回路104の出力の変化と同期して、矩形パルスの生成を開始する。また、パルス生成回路106は、所定の周波数fで、スタートパルス信号の矩形パルスを生成する。次に、駆動回路102は、パルス生成回路106により生成されたスタートパルス信号の入力を受け、レーザ光源100に駆動パルス信号を供給し、レーザ光源100を駆動する。次に、測定部120は、ガスセル110を透過したレーザ光を測定する。次に、測定部120は、測定信号を波形整形回路130に供給する。
ここで、図5を参照して、波形整形回路130がパルス信号を生成するタイミングについて説明する。図5(c)は、レーザ光の波長をλとした際に波形整形回路130に入力される測定信号(以下、「第2測定信号」と呼ぶ。)と、参照信号を示す。図5(c)の横軸は、駆動回路102が駆動パルス信号を生成するタイミングを基準とした時刻を示し、縦軸は信号強度を示す。tは、第2測定信号が、信号強度Rの参照信号を上回る時刻である。図5(d)は、図5(c)に示す第2測定信号が入力された際に、波形整形回路130が生成するパルス信号を示す。図5(d)に示すように、波形整形回路130は、第2測定信号が参照信号を上回るタイミング(時刻t)において、所定のパルス幅tのパルス信号を生成する。
本実施形態では、図2を参照して説明したように、波長λのレーザ光は気体に吸収されにくく、波長λのレーザ光は、気体に吸収されやすい。そのため、図5(c)に示すように、第2測定信号の信号強度は、第1測定信号の信号強度よりも小さくなる。これに伴って、図5(c)に示すように、第2測定信号が信号強度Rの参照信号を上回る時刻tは、第1測定信号が信号強度Rの参照信号を上回る時刻tよりも遅くなる(t<t)。なお、信号強度Rは、第2測定信号の信号強度の最大値よりも小さい信号強度である。
図5(d)に示すパルス信号は、図4(c)に示すパルス信号Bに対応する。以下、レーザ光の波長をλとして説明した場合と同様に、波形整形回路130によるパルス信号の生成と、駆動回路102による駆動パルス信号の供給を、所定の回数Nだけ繰り返す。
次に、制御部140は、パルス生成回路106がスタートパルス信号を生成するタイミングを基準とし、波形整形回路130が所定の数N(本実施形態では、N=8)個のパルス信号を生成するまでの時間Tを求める。また、制御部140は、求めた時間Tのデータを演算部150に供給する。上述したように、t<tであるため、T<Tとなる。
次に、制御部140は、波形整形回路130が所定の数N個のパルス信号を生成した後に、信号強度Rの参照信号を波形整形回路130に供給する。これにより、上述した繰り返し動作が終了する。
その後、再びパルス生成回路106がスタートパルス信号を生成し、上述した処理が行われる。本実施形態では、f=5Hz、f=60Hzであるため、変調信号がλである期間において、期間Tのデータを6点取得することができる。
以後、変調周波数fで、上述した変調信号がλの場合の動作と、変調信号がλの場合の動作が繰り返される。
図5(c)では、説明の便宜上、第1測定信号の最大値と第2測定信号の最大値との差が明確となるように図示したが、希薄な気体の濃度を測定する場合、第1測定信号の最大値と第2測定信号の最大値との差を精度よく測定することは困難である。同様に、希薄な気体の濃度を測定する場合、時刻tと時刻tとの差Δtが、例えば、フェムト秒オーダーとなることがあり、これを精度よく測定することは困難である。
本実施形態では、波形整形回路130が生成するパルス信号を駆動回路102に供給し、以後、駆動回路102による駆動パルス信号の供給と、波形整形回路130によるパルス信号の生成とを所定の回数(N回)繰り返す。これにより、例えば、N=10のように十分多い回数の繰り返しを行うことで、時間Tと時間Tとの差ΔTが、例えば、ナノ秒オーダーとなり、ΔTを精度よく測定することが可能となる。
(演算部の演算方法)
上述した方法により、演算部150は、時間T,Tの測定データを多数取得する。図6を参照して、測定データの一例について説明する。図6は、時間T,Tの測定データの一例を模式的に示す図である。図6の横軸は時刻を示す。図6の右縦軸は、変調回路104が出力する変調信号を示す。図6の左縦軸は、演算部150が取得した測定データの時間Tを示す。上述したように、本実施形態では、変調信号の大きさが一定となっている期間内に、演算部150が時間T又は時間Tの測定データを6つ取得する。
次に、演算部150は、取得した測定データの時間T,Tを信号値とする時系列データをフーリエ変換する。図7は、図6に示す時系列の測定データをフーリエ変換したスペクトルの一例を模式的に示す図である。図7において、横軸は周波数を示し、縦軸はスペクトル強度を示す。図6に示すように、時系列の測定データは方形波に近い波形となるため、測定データをフーリエ変換すると、図7に示すように、f、3f、5f、…にスペクトルが現れる。変調周波数と等しい周波数fにおけるスペクトル強度をSとすると、時間Tと時間Tの差ΔTが大きくなるほど、スペクトル強度Sも大きくなる。演算部150は、スペクトル強度Sを用いて、式(4)に示した波長λとλにおける透過光の強度の比I(λ)/I(λ)を、予め設定された参照テーブルを用いて求める。これにより、演算部150は、気体の濃度cを求めることができる。
なお、図6を参照して説明した測定データの一例は、測定装置などに起因する測定データの揺らぎがない理想的な測定データを示すものであるが、現実には測定データには揺らぎが含まれる。この場合、変調信号がλである期間における測定データ、変調信号がλである期間における測定データも変動する。そのため、測定データから一意にTやTの値を定めることが困難となる場合も生じ得る。
本実施形態の赤外線測定装置は、一定の時間間隔で取得される測定データT,Tの時系列データをフーリエ変換し、変調周波数fにおけるスペクトル強度Sを用いて、波長λとλにおける透過光の強度の比I(λ)/I(λ)を求める。そのため、例えば、変調周波数fよりも低い周波数成分の揺らぎが測定データに含まれる場合であっても、本実施形態の赤外線測定装置は、気体の濃度cを求めることができる。
また、気体の吸収係数ε(λ)は、気体の種類とレーザ光の波長により定まるものである。しかし、より精度の高い測定を行うために、濃度が既知の気体に対して波長λとλのレーザ光を照射し、その透過光の強度I(λ)とI(λ)を測定することにより、ε(λ)−ε(λ)の値を求めておくことが好ましい。濃度が既知の気体からε(λ)−ε(λ)の値を求めることにより、レーザ光源100や測定部120の装置に起因する誤差を低減することができる。
また、本実施形態においては、制御部140が、パルス生成回路106がパルス信号を生成するタイミングを基準とし、波形整形回路130が所定の数Nのパルス信号の生成を開始するまでの時間を測定する例を説明した。しかし、波形整形回路130が所定の数Nのパルス信号の生成を開始するまでの時間を測定する基準は、必ずしもパルス生成回路106がスタートパルス信号を生成するタイミングとする必要はない。例えば、波形整形回路130が所定の数n(n<N)のパルス信号の生成を開始するタイミングを基準とし、波形整形回路130が所定の数Nのパルス信号の生成を開始するまでの時間を測定してもよい。
(変形例)
上述した実施形態では、電磁波を測定対象物に照射し、測定対象物を透過した電磁波を測定する一例として、赤外線レーザ光を希薄な気体に照射し、その透過光を測定することにより、希薄な気体の濃度を測定する方法を説明した。しかし、本発明は、赤外線レーザ光以外の電磁波を測定対象物に照射し、測定対象物を透過した電磁波を測定する方法にも適用することができる。
例えば、マイクロ波を測定対象物に照射し、測定対象物を透過したマイクロ波を測定する核磁気共鳴装置(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)や電子スピン共鳴装置(ESR:Electron Spin Resonance)に本発明を適用することもできる。
50,60 装置
51 セル
52 鏡
53,54,64 検出器
61 空間
62,63 凹面鏡
100 レーザ光源
102 駆動回路
104 変調回路
106 パルス生成回路
110 ガスセル
120 測定部
130 波形整形回路
132 コンパレータ
134 パルス生成部
140 制御部
150 演算部

Claims (9)

  1. 電磁波を測定対象物に照射し、前記測定対象物を透過した電磁波を測定する電磁波測定装置であって、
    前記測定対象物に電磁波を照射する電磁波発生部と、
    前記測定対象物に対する電磁波の透過率が異なる2つの波長の間で、前記電磁波発生部が照射する電磁波の波長を、第1周波数で切り替える変調信号を生成する変調回路と、
    前記電磁波発生部が前記変調信号に対応する波長のパルス状の電磁波を照射するように、入力されるパルス信号のタイミングで前記電磁波発生部を駆動する駆動回路と、
    前記測定対象物を透過した電磁波を測定する測定部と、
    前記測定部が測定した電磁波の信号が予め定めた閾値を上回るタイミングで、単一のパルス信号を生成して前記駆動回路に出力する波形整形回路と、
    前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を求める制御部と、
    前記制御部が求めた時間を信号値とする時系列データをフーリエ変換し、第1周波数におけるスペクトル強度から前記測定対象物の特性を求める演算部と、
    を有する電磁波測定装置。
  2. 第2周波数でスタートパルス信号を生成して前記駆動回路に出力するパルス生成回路を備え、
    前記制御部は、前記パルス生成回路が前記スタートパルス信号を生成するタイミングを基準とし、前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を求める、請求項1に記載の電磁波測定装置。
  3. 第2周波数は、第1周波数の2倍以上の周波数である、請求項2に記載の電磁波測定装置。
  4. 前記制御部は、前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成した後に、前記閾値を前記測定部が測定した電磁波の信号の最大値より大きい値に設定する、請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁波測定装置。
  5. 前記測定対象物は気体であり、
    前記演算部は、前記スペクトル強度から前記気体の濃度を求める、請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁波測定装置。
  6. 前記電磁波発生部は、赤外領域の波長のレーザ光を照射する、請求項1乃至5のいずれかに記載の電磁波測定装置。
  7. 電磁波を測定対象物に照射し、前記測定対象物を透過した電磁波を測定する電磁波測定方法であって、
    前記測定対象物に対する電磁波の透過率が異なる2つの波長の間で、電磁波の波長を第1周波数で切り替える変調信号を生成する工程と、
    電磁波発生部が前記変調信号に対応する波長のパルス状の電磁波を照射するように、入力されるパルス信号のタイミングで駆動回路が前記電磁波発生部を駆動する第1工程と、
    前記測定対象物を透過した電磁波を測定する第2工程と、
    測定した電磁波の信号が予め定めた閾値を上回るタイミングで、波形整形回路が単一のパルス信号を生成して前記駆動回路に出力する第3工程と、
    第1工程、第2工程、及び第3工程を繰り返し、前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を求める第4工程と、
    前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を信号値とする時系列データをフーリエ変換し、第1周波数におけるスペクトル強度から前記測定対象物の特性を求める工程と、
    を有する電磁波測定方法。
  8. 第2周波数でスタートパルス信号を生成する工程を有し、
    前記第4工程は、前記スタートパルス信号が生成されるタイミングを基準とし、前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成するまでの時間を求める、請求項7に記載の電磁波測定方法。
  9. 前記波形整形回路が所定の数のパルス信号を生成した後に、前記測定した電磁波の信号の最大値より大きい値に、前記閾値を設定する工程を有する、請求項7又は8に記載の電磁波吸収測定方法。
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