JP5236579B2 - 時系列信号測定装置および時系列信号測定方法 - Google Patents
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Description
その一般的な方法として、パルスレーザ光をビームスプリッタにより測定用パルスレーザ光および検出用パルスレーザ光の2つに分割し、測定用パルスレーザ光を繰返し現象の発生に使用し、検出用パルスレーザ光の光路長を動的に制御して検出器の作動に使用することにより、光路長に依存した時間分解で現象を測定するものが知られている(特許文献1参照)。
さらに最近では、レーザの制御技術が発達し、パルスレーザ光の繰返し周波数を高精度に制御できるようになってきた。このようなレーザを2台使用し、一方を繰り返し現象の発生に、他方を検出器の作動に使用し、その繰返し周波数の違いにより、相対的なタイミングを特許文献1のような動的な光路長制御の場合と同様に制御することができる手法が提案された(特許文献2参照)。この方法では、従来のような光路長を動的に制御するための遅延光学系が不要であるため、高速でタイミングを変化させることができるという利点がある。
本発明の時系列信号測定装置は、繰り返し周波数を変化させてパルスレーザ光を出射するパルスレーザ光源と、該パルスレーザ光源からのパルスレーザ光を測定用パルスレーザ光と検出用パルスレーザ光とに分割するビームスプリッタと、前記測定用パルスレーザ光によって励起された光または該測定用パルスレーザ光とされた入射光が入射されるとともに、前記検出用パルスレーザ光が入射されている時間内で前記入射光による信号を出力する検出手段と、前記ビームスプリッタと前記検出手段との間に設けられ、前記検出用パルスレーザ光が導光される検出側光路とを備え、前記検出手段からの各時刻における出力信号を時間分解信号として得ることによって前記入射光の時系列信号を測定する時系列信号測定装置であって、前記検出側光路の光路長は、前記検出用パルスレーザ光が出射された時刻とは異なる時刻で出射された入射光を得るように設定されていることを特徴とする。
パルスレーザ光源から出射されたパルスレーザ光は、ビームスプリッタによって測定用パルスレーザ光と検出用パルスレーザ光に分割される。
測定用パルスレーザ光からの光は、測定対象物である試料を透過または反射した後に、入射光として検出手段へと入射する。なお、試料に照射する光は、測定用パルスレーザ光によって励起された励起光(例えばテラヘルツ光)や、測定用パルスレーザ光そのものが用いられる。
検出手段には、検出用パルスレーザ光が入射されるようになっている。検出手段は、検出用パルスレーザ光が入射されている時間内で、入射光による信号を時間分解信号として出力する。
検出用パルスレーザ光は、ビームスプリッタから検出側光路を通って検出手段へと導かれる。この検出側光路の光路長は、検出用パルスレーザ光が出射された時刻とは異なる時刻で出射された入射光を得るように設定されている。上述のように、パルスレーザ光源から出射されるパルスレーザ光は、繰り返し周波数が変化させられていることから、入射光の繰り返し周波数とは異なる繰り返し周波数で出射された検出用パルスレーザ光を用いて入射光を得ることになる。このように、入射光と検出用パルスレーザ光との間で繰り返し周波数が異なるので、各時刻における入射光の時間分解信号の検出タイミング(位相)が順次ずれることになり、結果として入射光の時系列信号を得ることができる。
なお、検出用パルスレーザ光が出射された時刻とは異なる時刻の入射光としては、検出用パルスレーザ光の出射時刻の次時刻の入射光が好ましい。ただし、次時刻以降の入射光を用いても良い。
光ファイバの長さとしては、例えば、パルスレーザの繰り返し周波数が50MHz程度の場合には、9m程度となる。
なお、光ファイバを用いない場合には、例えば、ミラーを用いた光学系を構成し、光路長を適宜設定することとしても良い。
パルスレーザ光源から出射されたパルスレーザ光は、ビームスプリッタによって測定用パルスレーザ光と検出用パルスレーザ光に分割される。
測定用パルスレーザ光からの光は、測定対象物である試料を透過または反射した後に、入射光として検出手段へと入射する。なお、試料に照射する光は、測定用パルスレーザ光によって励起された励起光(例えばテラヘルツ光)や、測定用パルスレーザ光そのものが用いられる。
検出手段には、検出用パルスレーザ光が入射されるようになっている。検出手段は、検出用パルスレーザ光が入射されている時間内で、入射光による信号を時間分解信号として出力する。
検出用パルスレーザ光は、ビームスプリッタから検出側光路を通って検出手段へと導かれる。この検出側光路の光路長は、検出用パルスレーザ光が出射された時刻とは異なる時刻で出射された入射光を得るように設定されている。上述のように、パルスレーザ光源から出射されるパルスレーザ光は、繰り返し周波数が変化させられていることから、入射光の繰り返し周波数とは異なる繰り返し周波数で出射された検出用パルスレーザ光を用いて入射光を得ることになる。このように、入射光と検出用パルスレーザ光との間で繰り返し周波数が異なるので、各時刻における入射光の時間分解信号の検出タイミング(位相)が順次ずれることになり、結果として入射光の時系列信号を得ることができる。
なお、検出用パルスレーザ光が出射された時刻とは異なる時刻の入射光としては、検出用パルスレーザ光の出射時刻の次時刻の入射光が好ましい。ただし、次時刻以降の入射光を用いても良い。
図1には、本実施形態にかかる時系列信号測定装置が示されている。レーザ光源として、1台のフェムト秒レーザ1が用いられる。フェムト秒レーザ1は、出射するパルスレーザ光の繰り返し周波数を変化させることができるようになっている。
フェムト秒レーザ1の出射側には、ビームスプリッタ3が設けられている。ビームスプリッタ3により、測定用パルスレーザ光L1と、検出用パルスレーザ光L2とに分割される。
同図は、横軸が時間tとなっており、各グラフにおいて共通となっている。
最上段のグラフは、縦軸がフェムト秒レーザ1の繰り返し周波数となっており、図2を拡大表示したものとなっている。
上から二段目のグラフは、ビームスプリッタ3にてパルスレーザ光が分割される位置A(図1参照)におけるタイミングが示されている。ビームスプリッタ3は、フェムト秒レーザ1の近傍に設置されているので、パルスレーザ光の出射タイミングとほぼ同時刻となっている。
上から三段目のグラフは、測定用パルスレーザ光L1がパルス光放射手段7の光伝導素子に入射する位置B(図1参照)におけるタイミングが示されている。位置A及び位置Bの各パルスを結ぶ破線によって、位置Aから位置Bまでの光路長による時間遅れが示されている。
上から四段目のグラフは、入射光P2が検出器9の光伝導素子に入射する位置Cにおけるタイミングを示している。位置B及び位置C(入射光)の各パルスを結ぶ破線によって、位置Bから位置Cまでの光路長による時間遅れが示されている。なお、入射光P2は、パルス光放射手段7によってテラヘルツ光(THz光)に変換された波形となっている。
上から五段目(最下段)のグラフは、検出用パルスレーザ光L2が検出器9の光伝導素子に入射する位置Cにおけるタイミングを示している。位置Aのタイミングと位置C(検出光)のパルスとを結ぶ破線によって、位置Aから光ファイバ13を経て検出器9の光伝導素子に到達する光路長(検出側光路長)による時間遅れが示されている。
3×108×1.5/(50×106)=9(m)
ただし、所定の誤差を許容するために、1/fn+α(ここで、αは5ps程度)に相当する光路長とすることが好ましい。
なお、繰り返し周波数fnに対応した光ファイバ13の長さに変えて、f1からfn−1までの周波数から任意に選定した周波数に対応した光ファイバ13の長さを用いても良い。どの繰り返し周波数を選定するかは、計測する入射光P2のどの位相を中心として測定すべきかを考慮して決定すると良い。
すなわち、繰り返し周波数を変化させることによって、1台のフェムト秒レーザ1を用いるだけで、高分解能とされた時系列信号を得ることができる。
具体的には、下式に示すように繰り返し周波数を変化させれば良い。
fN+1=1(1/fN−Δt)
ここで、Δtは、隣り合う時間分解信号間の時間差であり、一定値となる。
このように、隣り合う一の時刻と次時刻とのパルスレーザ光の繰り返し周期の差分Δtを一定とすることにより、入射光に対する検出用パルスレーザ光のずれ時間が一定となり、検出器9によって得られる時間分解信号の時間間隔Δtが一定となるので、精度の良い計測が可能となる。
3 ビームスプリッタ
7 パルス光放射手段
9 検出器(検出手段)
13 光ファイバ
L1 測定用パルスレーザ光
L2 検出用パルスレーザ光
P1 テラヘルツ光
P2 入射光
Claims (5)
- 繰り返し周波数を変化させてパルスレーザ光を出射するパルスレーザ光源と、
該パルスレーザ光源からのパルスレーザ光を測定用パルスレーザ光と検出用パルスレーザ光とに分割するビームスプリッタと、
前記測定用パルスレーザ光によって励起された光または該測定用パルスレーザ光とされた入射光が入射されるとともに、前記検出用パルスレーザ光が入射されている時間内で前記入射光による信号を出力する検出手段と、
前記ビームスプリッタと前記検出手段との間に設けられ、前記検出用パルスレーザ光が導光される検出側光路と、
を備え、
前記検出手段からの各時刻における出力信号を時間分解信号として得ることによって前記入射光の時系列信号を測定する時系列信号測定装置であって、
前記検出側光路の光路長は、前記検出用パルスレーザ光が出射された時刻とは異なる時刻で出射された入射光を得るように設定されていることを特徴とする時系列信号測定装置。 - 前記パルスレーザ光源は、所定周期にて繰り返し周波数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の時系列信号測定装置。
- 前記検出側光路には、光路長を設定するための光ファイバが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の時系列信号測定装置。
- 前記パルスレーザ光源は、一の時刻におけるパルスレーザ光の繰り返し周波数から得られる繰り返し周期と、次時刻におけるパルスレーザ光の繰り返し周波数から得られる繰り返し周期との差分が、各時刻間において一定となるように、パルスレーザ光の繰り返し周波数を変化させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の時系列信号測定装置。
- 繰り返し周波数を変化させてパルスレーザ光を出射するパルスレーザ光源と、
該パルスレーザ光源からのパルスレーザ光を測定用パルスレーザ光と検出用パルスレーザ光とに分割するビームスプリッタと、
前記測定用パルスレーザ光によって励起された光または該測定用パルスレーザ光とされた入射光が入射されるとともに、前記検出用パルスレーザ光が入射されたタイミングで前記入射光による信号を出力する検出手段と、
前記ビームスプリッタと前記検出手段との間に設けられ、前記検出用パルスレーザ光が導光される検出側光路と、
を備え、
前記検出手段からの各時刻における出力信号を時間分解信号として得ることによって前記入射光の時系列信号を測定する時系列信号測定方法であって、
前記検出側光路の光路長は、前記検出用パルスレーザ光が出射された時刻とは異なる時刻で出射された入射光を得るように設定されていることを特徴とする時系列信号測定方法。
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CN111537444A (zh) * | 2020-05-25 | 2020-08-14 | 南京航空航天大学 | 一种重复频率虚拟调控的激光超声无损检测方法及系统 |
CN111537444B (zh) * | 2020-05-25 | 2021-07-06 | 南京航空航天大学 | 一种重复频率虚拟调控的激光超声无损检测方法及系统 |
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