JP6945001B2 - 検査装置、検査方法、ライブラリ生成装置、ライブラリ生成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

検査装置、検査方法、ライブラリ生成装置、ライブラリ生成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、例えばテラヘルツ波を用いて試料を構成する複数の層の間の界面の位置を推定する検査装置及び検査方法、検査装置若しくは検査方法が界面の位置を推定するために用いるライブラリを生成するライブラリ生成装置及びライブラリ生成方法、コンピュータにこのような検査方法若しくはライブラリ生成方法を実行させるコンピュータプログラム、並びに、このようなコンピュータプログラムが記録された記録媒体の技術分野に関する。
テラヘルツ波を用いた検査装置が知られている。テラヘルツ波検査装置は、以下の手順で、試料の特性を推定(言い換えれば、算出又は特定)する。まず、超短パルスレーザ光(例えば、フェムト秒パルスレーザ光)を分岐することで得られる一のレーザ光であるポンプ光(言い換えれば、励起光)が、バイアス電圧が印加されているテラヘルツ波発生素子に照射される。その結果、テラヘルツ波発生素子は、テラヘルツ波を発生する。テラヘルツ波発生素子が発生したテラヘルツ波は、試料に照射される。試料に照射されたテラヘルツ波は、試料からの反射テラヘルツ波(或いは、透過テラヘルツ波)として、超短パルスレーザ光を分岐することで得られる他のレーザ光であって且つポンプ光に対する光学的な遅延(つまり、光路長差)が付与されたプローブ光(言い換えれば、励起光)が照射されているテラヘルツ波検出素子に照射される。その結果、テラヘルツ波検出素子は、試料で反射又は透過したテラヘルツ波を検出する。テラヘルツ波検査装置は、当該検出したテラヘルツ波(つまり、時間領域のテラヘルツ波であり、電流信号)を解析することで、試料の特性を推定する。
テラヘルツ波検査装置が推定可能な特性の一例として、複数の層が積層された積層物が試料である場合において、当該層の膜厚がある。膜厚を推定可能なテラヘルツ波検査装置の一例が、特許文献1に記載されている。具体的には、特許文献1に記載されたテラヘルツ波検査装置は、膜厚を推定するために、あるパラメータ(例えば、膜厚や、材料等)によって特定される試料が反射したテラヘルツ波に含まれるであろうと推定されるパルス波形(以降、“推定波形”と称する)と実際に検出されたテラヘルツ波(以降、“検出波形”と称する)とを比較する動作を、異なるパラメータに対応する複数の推定波形を対象に複数回繰り返すことで、膜厚を推定している。
特開2014−122875号公報
推定波形は、以下のように生成される。まず、所望の反射率を有する基準板で反射した(或いは、所望の透過率を有する基準板を透過した)テラヘルツ波の波形の検出結果に基づいて、テラヘルツ波の基準波形が設定される。その後、当該設定された基準波形のテラヘルツ波が試料内をどのように伝搬するかが、試料のシミュレーションモデルを用いて推定される。この推定結果に基づいて、推定波形が生成される。
しかしながら、基準板の特性が試料の特性と大きく異なる可能性がある。この場合には、推定波形の推定精度が悪化してしまう可能性がある。一例として、テラヘルツ波が照射される試料の表面が相対的に粗い場合や試料の表面の形状が複雑な凹凸を含む場合には、試料の表面でテラヘルツ波が拡散反射されてしまう。その結果、試料の表面でテラヘルツ波が拡散反射されてしまう場合には、試料の表面でテラヘルツ波が拡散反射されない場合と比較して、試料内を伝搬するテラヘルツ波の強度が弱くなる。他の一例として、テラヘルツ波に対する試料の反射率(特に、試料の表面を構成する部材の反射率)が相対的に高い場合には、テラヘルツ波に対する試料の反射率が相対的に低い場合と比較して、試料内を伝搬するテラヘルツ波の強度が弱くなる。しかしながら、基準波形は、このような基準板の特性と試料の特性との違いを何ら考慮することなく取得されている。このため、試料のシミュレーションモデルを用いて推定波形が生成されたとしても、基準波形に基づいて推定される推定波形と、試料内を実際に伝搬するテラヘルツ波の波形とが、大きく乖離してしまう可能性がある。つまり、基準波形に基づいて推定される推定波形の精度が悪化してしまう可能性がある。推定波形の精度が悪化すると、推定波形に基づく膜厚の推定精度もまた悪化してしまう可能性がある。
尚、ある層の界面からのテラヘルツ波の反射波に相当するパルス波形に基づいて膜厚が推定されていることを考慮すれば、ある層の膜厚を推定する動作は、実質的には、ある層の界面の位置を推定する動作と等価である。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、複数の層の界面の位置を適切に推定することが可能な検査装置及び検査方法、このような検査装置若しくは検査方法に用いられる推定波形を示すライブラリを生成するライブラリ生成装置及びライブラリ生成方法、コンピュータにこのような検査方法若しくはライブラリ生成方法を実行させるコンピュータプログラム、並びに、このようなコンピュータプログラムが記録された記録媒体を提供することを課題とする。
検査装置の第1の態様は、複数の層が積層された試料にテラヘルツ波を照射する照射部と、前記試料からの前記テラヘルツ波を検出して検出波形を取得する検出部と、前記検出波形と前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリとに基づいて、前記複数の層の界面の位置を推定する推定部とを備え、前記ライブラリは、前記試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材に前記テラヘルツ波を照射することで取得される前記検出波形であるサンプル波形に基づいて生成される。
検査方法の第1の態様は、複数の層が積層された試料にテラヘルツ波を照射する照射工程と、前記試料からの前記テラヘルツ波を検出して検出波形を取得する検出工程と、前記検出波形と前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリとに基づいて、前記複数の層の界面の位置を推定する推定工程とを備え、前記ライブラリは、前記試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材に前記テラヘルツ波を照射することで取得される前記検出波形であるサンプル波形に基づいて生成される。
ライブラリ生成装置の第1の態様は、テラヘルツ波が照射された試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材からの前記テラヘルツ波の検出波形に関する波形情報を取得する取得部と、前記波形情報に基づいて、前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリを生成する生成部とを備える。
ライブラリ生成方法の第1の態様は、テラヘルツ波が照射された試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材からの前記テラヘルツ波の検出波形に関する波形情報を取得する取得工程と、前記波形情報に基づいて、前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリを生成する生成工程とを備える。
コンピュータプログラムの第1の態様は、コンピュータに上述した検査方法の第1の態様を実行させる。コンピュータプログラムの第2の態様は、コンピュータに上述したライブラリ生成方法の第2の態様を実行させる。
本発明の記録媒体の第1の態様は、上述したコンピュータプログラムの第1又は第2の態様が記録された記録媒体である。
図1は、本実施例のテラヘルツ波検査装置の構成を示すブロック図である。 図2(a)は、試料に照射されるテラヘルツ波の光路及び試料によって反射されたテラヘルツ波の光路を示す試料の断面図であり、図2(b)は、検出波形を示す波形図である。 図3は、本実施例のテラヘルツ波検査装置が行う界面の位置を推定する推定動作の流れの一例を示すフローチャートである。 図4は、界面の候補位置と推定波形との対応付けを示すライブラリを示すテーブルである。 図5は、基準波形を生成する動作を示す波形図である。 図6(a)は、試料とは異なる基準板に照射されたテラヘルツ波の検出波形に基づいて基準波形が生成される動作を説明する波形図であり、図6(b)は、試料に照射されたテラヘルツ波の検出波形に基づいて基準波形が生成される動作を説明する波形図である。 図7(a)は、図6(a)の下段に記載の基準波形(つまり、比較例の基準波形)から生成される推定波形を示す波形図であり、図7(b)は、図6(b)の下段に記載の基準波形BW(つまり、本実施例の基準波形)から生成される推定波形を示す波形図であり、図7(c)は、試料に照射されたテラヘルツ波THzの検出波形を示す波形図である。 図8(a)は、試料に照射されたテラヘルツ波の検出波形に基づいて基準波形が生成される動作を説明する波形図であり、図8(b)は、サンプル部材に照射されたテラヘルツ波の検出波形に基づいて基準波形が生成される動作を説明する波形図である。 図9は、メインパルス及び付随パルスを含むテラヘルツ波の検出波形に基づいて基準波形が生成される動作を説明する波形図である。 図10(a)及び図10(b)は、検出波形と推定波形とのマッチングを行うべき比較対象範囲の一例を示す波形図である。
以下、検査装置、検査方法、ライブラリ生成装置、ライブラリ生成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の実施形態について説明を進める。
(検査装置の実施形態)
<1>
検査装置の実施形態は、複数の層が積層された試料にテラヘルツ波を照射する照射部と、前記試料からの前記テラヘルツ波を検出して検出波形を取得する検出部と、前記検出波形と前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリとに基づいて、前記複数の層の界面の位置を推定する推定部とを備え、前記ライブラリは、前記試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材に前記テラヘルツ波を照射することで取得される前記検出波形であるサンプル波形に基づいて生成される。
検査装置の実施形態によれば、試料とは異なる基準板に照射されたテラヘルツ波の検出波形に基づいてライブラリ(つまり、推定波形)が生成される比較例と比較して、推定波形と試料内を実際に伝搬するテラヘルツ波の波形とが大きく乖離してしまう可能性が小さくなる。つまり、推定波形の精度が向上する。このため、推定波形に基づく界面の位置の推定精度もまた向上する。従って、検査装置の実施形態は、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
<2>
検査装置の実施形態の他の態様では、前記ライブラリは、前記サンプル波形のうち前記試料又は前記サンプル部材の表面に対応する第1パルス波形に基づいて生成される。
この態様によれば、推定波形の精度が向上する。従って、検査装置は、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
<3>
上述したように第1パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記ライブラリは、前記第1パルス波に基づいて設定される基準パルス波を用いたシミュレーションによって生成される。
この態様によれば、推定波形の精度が向上する。従って、検査装置は、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
<4>
上述したように第1パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記ライブラリは、前記第1パルス波を反転することで得られる基準パルス波を用いたシミュレーションによって生成される。
この態様によれば、推定波形の精度が向上する。従って、検査装置は、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
<5>
上述したように第1パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記第1パルス波は、前記テラヘルツ波のメインパルスに対応し、前記ライブラリは、前記第1パルス波形と、前記サンプル波形のうち前記テラヘルツ波のメインパルスに付随して前記テラヘルツ波に含まれる付随パルスに対応する第2パルス波形とに基づいて生成される。
この態様によれば、ライブラリの生成の際に、第1パルス波形のみならず第2パルス波形も考慮される。このため、推定波形の精度がより一層向上する。従って、検査装置は、複数の層の界面の位置をより一層適切に推定することができる。
<6>
上述したように第1及び第2パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記付随パルスは、前記メインパルスよりも低周波である。
この態様によれば、検査装置は、複数の層の界面の位置をより一層適切に推定することができる。
<7>
上述したように第1及び第2パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記付随パルスは、ノイズパルスを含む。
この態様によれば、検査装置は、複数の層の界面の位置をより一層適切に推定することができる。
<8>
上述したように第1及び第2パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記ライブラリは、前記第1及び第2パルス波に基づいて設定される基準パルス波を用いたシミュレーションによって生成される。
この態様によれば、検査装置は、複数の層の界面の位置をより一層適切に推定することができる。
<9>
上述したように第1及び第2パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記ライブラリは、前記第1及び第2パルス波を反転することで得られる基準パルス波を用いたシミュレーションによって生成される。
この態様によれば、検査装置は、複数の層の界面の位置をより一層適切に推定することができる。
<10>
上述したように第1パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記第1パルス波形は、前記サンプル波形のうち前記試料又は前記サンプル部材の表面で反射された前記テラヘルツ波に相当するパルス波形を含む。
この態様によれば、検出部が試料の表面で反射したテラヘルツ波を検出する場合において、推定波形の精度が向上する。従って、検査装置は、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
<11>
上述したように第1パルス波形に基づいてライブラリが生成される検査装置の他の態様では、前記第1パルス波形は、前記サンプル波形のうち前記試料又は前記サンプル部材の表面での反射の影響を受けたパルス波形を含む。
この態様によれば、検出部が試料の表面で反射したテラヘルツ波を検出する場合において、推定波形の精度が向上する。従って、検査装置は、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
<12>
検査装置の実施形態の他の態様では、前記ライブラリを生成する生成部を更に備える。
この態様によれば、検査装置は、ライブラリを生成することができる。従って、検査装置は、生成したライブラリに基づいて、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
<13>
上述したように生成部を備える検査装置の他の態様では、前記照射部は、前記試料又は前記サンプル部材に前記テラヘルツ波を照射し、前記検出部は、前記試料又は前記サンプル部材からの前記テラヘルツ波を検出して前記サンプル波形を取得し、前記生成部は、前記検出部から前記サンプル波形に関する波形情報を取得し、前記波形情報を用いて前記ライブラリを生成する。
この態様によれば、検査装置は、ライブラリを適切に生成することができる。
<14>
検査装置の実施形態の他の態様では、前記推定部は、前記複数の層の第1界面よりも前記試料の表面から遠い前記複数の層の第2界面に対応して前記検出波形に現れる界面パルス波形と前記ライブラリとに基づいて、前記第1界面の位置を推定する。
この態様によれば、検査装置は、第1界面の位置を適切に推定することができる。
尚、推定部は、第1界面の位置を推定するために、第2界面に対応して検出波形に現れる界面パルス波形とライブラリとを常に参照しなくてもよい。例えば、推定部は、第1界面に対応して検出波形に現れる界面パルス波形とライブラリとに基づいて、第1界面の位置を推定してもよい。例えば、推定部は、第1界面よりも試料の表面に近い複数の層の第3界面に対応して検出波形に現れる界面パルス波形とライブラリとに基づいて、第1界面の位置を推定してもよい。
(検査方法の実施形態)
<15>
検査方法の実施形態は、複数の層が積層された試料にテラヘルツ波を照射する照射工程と、前記試料からの前記テラヘルツ波を検出して検出波形を取得する検出工程と、前記検出波形と前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリとに基づいて、前記複数の層の界面の位置を推定する推定工程とを備え、前記ライブラリは、前記試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材に前記テラヘルツ波を照射することで取得される前記検出波形であるサンプル波形に基づいて生成される。
検査方法の実施形態によれば、上述した検査装置の実施形態が享受することが可能な効果と同様の効果を好適に享受することができる。尚、検査装置の実施形態が採用する各種態様に対応して、検査方法の実施形態も、各種態様を採用してもよい。
(ライブラリ生成装置の実施形態)
<16>
ライブラリ生成装置の実施形態は、テラヘルツ波が照射された試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材からの前記テラヘルツ波の検出波形に関する波形情報を取得する取得部と、前記波形情報に基づいて、前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリを生成する生成部とを備える。
ライブラリ生成装置の実施形態によれば、上述した検査装置の実施形態が使用するライブラリを適切に生成することができる。尚、検査装置の実施形態が採用する各種態様に対応して、ライブラリ生成装置の実施形態も、各種態様を採用してもよい。
(ライブラリ生成方法の実施形態)
<17>
ライブラリ生成方法の実施形態は、テラヘルツ波が照射された試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材からの前記テラヘルツ波の検出波形に関する波形情報を取得する取得工程と、前記波形情報に基づいて、前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリを生成する生成工程とを備える。
ライブラリ生成方法の実施形態によれば、上述した検査装置の実施形態が使用するライブラリを適切に生成することができる。尚、検査装置の実施形態が採用する各種態様に対応して、ライブラリ生成方法の実施形態も、各種態様を採用してもよい。
(コンピュータプログラムの実施形態)
<18>
コンピュータプログラムの第1実施形態は、コンピュータに上述した検査方法の実施形態を実行させる。
コンピュータプログラムの第1実施形態によれば、上述した検査方法の実施形態が享受する効果と同様の効果を好適に享受することができる。尚、検査方法の実施形態が採用する各種態様に対応して、コンピュータプログラムの第1実施形態も、各種態様を採用してもよい。
<19>
コンピュータプログラムの第2実施形態は、コンピュータに上述したライブラリ生成方法の実施形態を実行させる。
コンピュータプログラムの第2実施形態によれば、上述したライブラリ生成方法の実施形態が享受する効果と同様の効果を好適に享受することができる。尚、ライブラリ生成方法の実施形態が採用する各種態様に対応して、コンピュータプログラムの第2実施形態も、各種態様を採用してもよい。
(記録媒体の実施形態)
<20>
記録媒体の実施形態には、上述したコンピュータプログラムの第1又は第2実施形態が記録されている。
記録媒体の実施形態によれば、上述した検査方法の実施形態又は上述したライブラリ生成方法の実施形態が享受する効果と同様の効果を好適に享受することができる。尚、検査方法の実施形態又はライブラリ生成方法の実施形態が採用する各種態様に対応して、記録媒体の実施形態も、各種態様を採用してもよい。また、記録媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
検査装置、検査方法、ライブラリ生成装置、ライブラリ生成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の実施形態の作用及び他の利得については、以下に示す実施例において、より詳細に説明する。
以上説明したように、検査装置の実施形態は、照射部と、検出部と、推定部とを備える。検査方法の実施形態は、照射工程と、検出工程と、推定工程とを備える。ライブラリ生成装置の実施形態は、取得部と、生成部とを備える。ライブラリ生成方法の実施形態は、取得工程と、生成工程とを備える。コンピュータプログラムの第1実施形態は、コンピュータに上述した検査方法の実施形態を実行させる。コンピュータプログラムの第2実施形態は、コンピュータに上述したライブラリ生成方法の実施形態を実行させる。記録媒体の実施形態には、上述したコンピュータプログラムの第1又は第2実施形態が記録されている。従って、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
以下、図面を参照しながら、検査装置、検査方法、ライブラリ生成装置、ライブラリ生成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の実施例について説明する。特に、以下では、検査装置、検査方法、ライブラリ生成装置、ライブラリ生成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体がテラヘルツ波検査装置に適用された例を用いて説明を進める。尚、テラヘルツ波検査装置は、複数の層が積層された試料に照射されたテラヘルツ波を検出することで、複数の層の界面の位置を推定する。
(1)テラヘルツ波検査装置100の構成
初めに、図1を参照しながら、本実施例のテラヘルツ波検査装置100の構成について説明する。図1は、本実施例のテラヘルツ波検査装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、テラヘルツ波検査装置100は、複数の層Lが積層された試料Sに対して、複数の層Lの積層方向に交わる方向に沿って伝搬するテラヘルツ波THzを照射する。更に、テラヘルツ波検査装置100は、試料Sが反射したテラヘルツ波THz(つまり、試料Sに照射されたテラヘルツ波THz)を検出する。
テラヘルツ波THzは、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後の周波数領域(つまり、テラヘルツ領域)に属する電磁波成分を含む電磁波である。テラヘルツ領域は、光の直進性と電磁波の透過性を兼ね備えた周波数領域である。テラヘルツ領域は、様々な物質が固有の吸収スペクトルを有する周波数領域である。従って、テラヘルツ波検査装置100は、試料Sに照射されたテラヘルツ波THzを解析することで、試料Sの特性を推定(言い換えれば、計測)することができる。
本実施例では、3つの層L(具体的には、層L1、層L2及び層L3)が積層された試料Sを用いて説明を進める。層L1から層L3は、互いに異なる物性を有する材料から構成されている。層L1から層L3の少なくとも一つは、固体状の材料から構成されていてもよい。層L1から層L3の少なくとも一つは、液体状の材料から構成されていてもよい。層L1から層L3の少なくとも一つは、気体状の材料から構成されていてもよい。
層L1から層L3が積層された試料Sの一例として、内部を薬液が流れる配管があげられる。この場合、試料Sは、図1に示すように、層L1の一具体例である管壁層L1と、層L2の一具体例である管壁層L2と、層L3の一具体例である管路層L3とを備えている。管壁層L1は、配管を構成する筒状の管壁のうち管壁層L2よりも外側(つまり、管路層L3から遠い側)に位置する筒状の壁部分である。管壁層L1は、配管を構成する筒状の管壁のうち管路層L3を流れる薬液が浸透していない筒状の壁部分である。管壁層L2は、配管を構成する筒状の管壁のうち管壁層L1よりも内側(つまり、管路層L3に近い側)に位置する筒状の壁部分である。管壁層L2は、配管を構成する筒状の管壁のうち管路層L3を流れる薬液が浸透した筒状の壁部分である。管路層L3は、管壁層L2によって囲まれた、薬液が流れる流路に相当する層である。管路層L3を薬液が流れている場合には、管路層L3は、液体の層となる。一方で、管路層L3を薬液が流れていない場合には、管路層L3は、気体(例えば、空気等)の層となる。従って、管路層L3は、相が変化し得る層であるとも言える。管壁層L1が、薬液が浸透していない壁部分である一方で、管壁層L2が、薬液が浸透した壁部分であるがゆえに、管壁層L1の物性は、管壁層L2の物性とは異なる。更に、薬液層L3の物性は、管壁層L1及び管壁層L2の物性とは異なる。
テラヘルツ波検査装置100は、試料Sの特性として、試料Sを構成する複数の層Lの界面Bの位置を推定する。ここに、界面Bは、ある層Lの境界を規定する面である。特に、テラヘルツ波検査装置100が界面Bの位置を推定する関係上、界面Bは、テラヘルツ波THzの照射方向に交わる面である。本実施例では、界面Bとして、界面B0、界面B1及び界面B2が存在する。界面B0は、層L1と試料Sの外部との境界を規定する。つまり、層L1は、界面B0を介して試料Sの外部に接している。尚、界面B0は試料Sの表面でもあるため、以下では、界面B0を、表面B0と称する。界面B1は、層L1と層L2との境界を規定する。つまり、層L1は、界面B1を介して層L2に接している。界面B2は、層L2と層L3との境界を規定する。つまり、層L2は、界面B2を介して層L3に接している。
界面Bの位置を推定するために試料Sに照射されるテラヘルツ波THzの周期は、サブピコ秒のオーダーの周期であるがゆえに、当該テラヘルツ波THzの波形を直接的に検出することが技術的に困難である。そこで、テラヘルツ波検査装置100は、時間遅延走査に基づくポンプ・プローブ法を採用することで、テラヘルツ波THzの波形を間接的に検出する。以下、このようなポンプ・プローブ法を採用するテラヘルツ波検査装置100についてより具体的に説明を進める。
図1に示すように、テラヘルツ波検査装置100は、パルスレーザ装置101と、「照射部」の一具体例であるテラヘルツ波発生素子110と、ビームスプリッタ161と、反射鏡162と、反射鏡163と、ハーフミラー164と、光学遅延機構120と、「検出部」の一具体例であるテラヘルツ波検出素子130と、バイアス電圧生成部141と、I−V(電流−電圧)変換部142と、制御部150とを備えている。
パルスレーザ装置101は、当該パルスレーザ装置101に入力される駆動電流に応じた光強度を有するサブピコ秒オーダー又はフェムト秒オーダーのパルスレーザ光LBを生成する。パルスレーザ装置101が生成したパルスレーザ光LBは、不図示の導光路(例えば、光ファイバ等)を介して、ビームスプリッタ161に入射する。
ビームスプリッタ161は、パルスレーザ光LBを、ポンプ光LB1とプローブ光LB2とに分岐する。ポンプ光LB1は、不図示の導光路を介して、テラヘルツ波発生素子110に入射する。一方で、プローブ光LB2は、不図示の導光路及び反射鏡162を介して、光学遅延機構120に入射する。その後、光学遅延機構120から出射したプローブ光LB2は、反射鏡163及び不図示の導光路を介して、テラヘルツ波検出素子130に入射する。
テラヘルツ波発生素子110は、テラヘルツ波THzを出射する。具体的には、テラヘルツ波発生素子110は、ギャップを介して互いに対向する一対の電極層を備えている。ギャップには、一対の電極層を介して、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧が印加されている。有効なバイアス電圧(例えば、0Vでないバイアス電圧)がギャップに印加されている状態でポンプ光LB1がギャップに照射されると、ギャップの下側に形成されている光伝導層にもまたポンプ光LB1が照射される。この場合、ポンプ光LB1が照射された光伝導層には、ポンプ光LB1による光励起によってキャリアが発生する。その結果、テラヘルツ波発生素子110には、発生したキャリアに応じたサブピコ秒オーダーの又はフェムト秒オーダーのパルス状の電流信号が発生する。発生した電流信号は、一対の電極層に流れる。その結果、テラヘルツ波発生素子110は、当該パルス状の電流信号に起因したパルス状のテラヘルツ波THzを出射する。
テラヘルツ波発生素子110から出射したテラヘルツ波THzは、ハーフミラー164を透過する。その結果、ハーフミラー164を透過したテラヘルツ波THzは、試料S(特に、層L1の表面B0)に照射される。試料Sに照射されたテラヘルツ波THzは、試料Sによって(特に、表面B0、界面B1及び界面B2の夫々によって)反射される。試料Sによって反射されたテラヘルツ波THzは、ハーフミラー164によって反射される。ハーフミラー164によって反射されたテラヘルツ波THzは、テラヘルツ波検出素子130に入射する。
テラヘルツ波検出素子130は、テラヘルツ波検出素子130に入射するテラヘルツ波THzを検出する。具体的には、テラヘルツ波検出素子130は、ギャップを介して互いに対向する一対の電極層を備えている。ギャップにプローブ光LB2が照射されると、ギャップの下側に形成されている光伝導層にもまたプローブ光LB2が照射される。この場合、プローブ光LB2が照射された光伝導層には、プローブ光LB2による光励起によってキャリアが発生する。その結果、キャリアに応じた電流信号が、テラヘルツ波検出素子130が備える一対の電極層に流れる。プローブ光LB2がギャップに照射されている状態でテラヘルツ波検出素子130にテラヘルツ波THzが照射されると、一対の電極層に流れる電流信号の信号強度は、テラヘルツ波THzの光強度に応じて変化する。テラヘルツ波THzの光強度に応じて信号強度が変化する電流信号は、一対の電極層を介して、I−V変換部142に出力される。
光学遅延機構120は、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の差分(つまり、光路長差)を調整する。具体的には、光学遅延機構120は、プローブ光LB2の光路長を調整することで、光路長差を調整する。光路長差が調整されると、ポンプ光LB1がテラヘルツ波発生素子110に入射するタイミング(或いは、テラヘルツ波発生素子110がテラヘルツ波THzを出射するタイミング)と、プローブ光LB2がテラヘルツ波検出素子130に入射するタイミング(或いは、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミング)との時間差が調整される。テラヘルツ波検査装置100は、この時間差を調整することで、テラヘルツ波THzの波形を間接的に検出する。例えば、光学遅延機構120によってプローブ光LB2の光路が0.3ミリメートル(但し、空気中での光路長)だけ長くなると、プローブ光LB2がテラヘルツ波検出素子130に入射するタイミングが1ピコ秒だけ遅くなる。この場合、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミングが、1ピコ秒だけ遅くなる。テラヘルツ波検出素子130に対して同一の波形を有するテラヘルツ波THzが数十MHz程度の間隔で繰り返し入射することを考慮すれば、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミングを徐々にずらすことで、テラヘルツ波検出素子130は、テラヘルツ波THzの波形を間接的に検出することができる。つまり、後述するロックイン検出部151は、テラヘルツ波検出素子130の検出結果に基づいて、テラヘルツ波THzの波形を検出することができる。
テラヘルツ波検出素子130から出力される電流信号は、I−V変換部142によって、電圧信号に変換される。
制御部150は、テラヘルツ波検査装置100の全体の動作を制御するための制御動作を行う。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)150aと、メモリ150bとを備える。メモリ150bには、制御部150に制御動作を行わせるためのコンピュータプログラムが記録されている。当該コンピュータプログラムがCPU150aによって実行されることで、CPU150aの内部には、制御動作を行うための論理的な処理ブロックが形成される。但し、メモリ150bにコンピュータプログラムが記録されていなくてもよい。この場合、CPU150aは、ネットワークを介してダウンロードしたコンピュータプログラムを実行してもよい。
制御部150は、制御動作の一例として、テラヘルツ波検出素子130の検出結果(つまり、I−V変換部142が出力する電圧信号)に基づいて、試料Sの特性を推定する推定動作を行う。推定動作を行うために、制御部150は、CPU150aの内部に形成される論理的な処理ブロックとして、「検出部」の一具体例であるロックイン検出部151と、信号処理部152とを備えている。
ロックイン検出部151は、I−V変換部142から出力される電圧信号に対して、バイアス電圧生成部141が生成するバイアス電圧を参照信号とする同期検波を行う。その結果、ロックイン検出部151は、テラヘルツ波THzのサンプル値を検出する。その後、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の差分(つまり、光路長差)を適宜調整しながら同様の動作が繰り返されることで、ロックイン検出部151は、テラヘルツ波検出素子130が検出したテラヘルツ波THzの波形(時間波形)を検出することができる。ロックイン検出部151は、テラヘルツ波検出素子130が検出したテラヘルツ波THzの波形である検出波形DW(つまり、検出波形DWを示す波形情報としての波形信号)を、信号処理部152に対して出力する。つまり、ロックイン検出部151は、I−V変換部142から出力される電圧信号から参照信号とは異なる周波数のノイズ成分を除去する。即ち、ロックイン検出部151は、I−V変換部142から出力される電圧信号と参照信号とを用いて同期検波をすることによって、検出波形DWを、相対的に高い感度で且つ相対的に高精度に検波する。尚、テラヘルツ波検査装置100がロックイン検出を用いない場合は、テラヘルツ波発生素子110には、バイアス電圧として直流電圧が印加されればよい。
ここで、図2(a)から図2(b)を参照しながら、検出波形DWについて説明する。図2(a)に示すように、テラヘルツ波発生素子110が発生したパルス状のテラヘルツ波THzは、試料Sの表面B0に照射される。表面B0に照射されたテラヘルツ波THzの一部は、表面B0によって反射される。表面B0によって反射されたテラヘルツ波THzは、試料Sからテラヘルツ波検出素子130に伝搬していく。表面B0に照射されたテラヘルツ波THzの一部は、表面B0によって反射されることなく、表面B0を通過する。表面B0を通過したテラヘルツ波THzは、試料Sの内部を透過していく。その後、表面B0を通過したテラヘルツ波THzの一部は、界面B1によって反射されると共に、表面B0を通過したテラヘルツ波THzの他の一部は、界面B1を通過する。界面B1を通過したテラヘルツ波THzの一部は、界面B2によって反射されると共に、界面B1を通過したテラヘルツ波THzの他の一部は、界面B2を通過する。このため、界面B1によって反射されたテラヘルツ波THz及び界面B2によって反射されたテラヘルツ波THzの夫々もまた、試料Sからテラヘルツ波検出素子130に伝搬していく。
その結果、図2(b)に示すように、検出波形DWには、表面B0によって反射されたテラヘルツ波THzに相当するパルス波PW0、界面B1によって反射されたテラヘルツ波THzに相当するパルス波PW1及び界面B2によって反射されたテラヘルツ波THzに相当するパルス波PW2が現れる。
再び図1において、信号処理部152は、ロックイン検出部151から出力される検出波形DWに基づいて、試料Sの特性を推定する。例えば、信号処理部152は、テラヘルツ時間領域分光法を用いてテラヘルツ波THzの周波数スペクトルを取得すると共に、当該周波数スペクトルに基づいて試料Sの特性を推定する。
本実施例では特に、信号処理部152は、制御動作の一例として、検出波形DWに基づいて、界面Bの位置を推定する推定動作を行う。推定動作を行うために、信号処理部152は、CPU150aの内部に形成される論理的な処理ブロックとして、「生成部」及び「ライブラリ生成装置」の夫々の一具体例であるライブラリ生成部1521と、「推定部」の一具体例である位置推定部1522とを備える。尚、ライブラリ生成部1521及び位置推定部1522の動作の具体例については、後に詳述するためここでの説明を省略する。
(2)テラヘルツ波検査装置100が行う界面Bの位置の推定動作
続いて、図3を参照しながら、テラヘルツ波検査装置100が行う界面Bの位置を推定する推定動作について説明する。図3は、テラヘルツ波検査装置100が行う界面Bの位置を推定する推定動作の流れの一例を示すフローチャートである。尚、以下では、界面Bの位置を推定する推定動作の一例として、界面B1の位置を推定する推定動作について説明する。但し、テラヘルツ波検査装置100は、界面B1の位置を推定する推定動作と同様の態様で、界面B1とは異なる他の界面B(例えば、表面B0及び界面B2の少なくとも一方)の位置を推定する推定動作を行ってもよい。
図3に示すように、まず、ライブラリ生成部1521は、試料Sの界面B1の位置を推定するために参照される試料Sに固有のライブラリ1521aが、制御部150が備えるメモリ150b(或いは、その他の任意の記録媒体)に既に格納されているか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、ライブラリ生成部1521は、ライブラリ生成部1521が試料Sを対象に過去に生成したライブラリ1521aが、メモリ150bに既に格納されているか否かを判定する。
ここで、図4を参照しながら、ライブラリ1521aについて説明する。ライブラリ1521aは、試料Sにテラヘルツ波THzを照射した場合にテラヘルツ波検出素子130が検出するであろうと推定されるテラヘルツ波THzの波形(つまり、検出波形DWの推定結果)を記憶している。以降、ライブラリ1521aに含まれるテラヘルツ波THzの波形を、“推定波形EW”と称する。特に、ライブラリ1521aは、推定波形EWを、当該試料Sにおいて想定され得る界面B1の位置の候補と対応付けて記憶している。つまり、ライブラリ1521aは、界面B1がある候補位置に存在する試料Sにテラヘルツ波THzを照射した場合にテラヘルツ波検出素子130が検出するであろうと推定されるテラヘルツ波THzの波形(つまり、推定波形DW)を、複数の候補位置毎に複数記憶している。
尚、界面B1の位置は、層L1の膜厚及び層L2の膜厚によって変動し得る。このため、本実施例では、ライブラリ1521aは、推定波形EWを、当該試料Sにおいて想定され得る層L1及びL2の夫々の膜厚の候補と対応付けて記憶しているものとする。つまり、ライブラリ1521aは、層L1及びL2の夫々がある膜厚となる試料Sにテラヘルツ波THzを照射した場合にテラヘルツ波検出素子130が検出するであろうと推定されるテラヘルツ波THzの波形(つまり、推定波形EW)を、膜厚の複数の候補毎に複数記憶しているものとする。
例えば、図4に示す例では、ライブラリ1521aは、(i)層L1及びL2の膜厚が夫々1.0及び1.0になる試料Sに対応する推定波形EW、(ii)層L1及びL2の膜厚が夫々1.0及び2.0になる試料Sに対応する推定波形EW、(iii)層L1及びL2の膜厚が夫々1.0及び3.0になる試料Sに対応する推定波形EW、(iv)層L1及びL2の膜厚が夫々2.0及び1.0になる試料Sに対応する推定波形EW、(v)層L1及びL2の膜厚が夫々2.0及び2.0になる試料Sに対応する推定波形EW、(vi)層L1及びL2の膜厚が夫々2.0及び3.0になる試料Sに対応する推定波形EW、(vii)層L1及びL2の膜厚が夫々3.0及び1.0になる試料Sに対応する推定波形EW、(viii)層L1及びL2の膜厚が夫々3.0及び2.0になる試料Sに対応する推定波形EW、及び、(ix)層L1及びL2の膜厚が夫々3.0及び3.0になる試料Sに対応する推定波形EWを記憶している。図4から分かるように、層L1の膜厚が変わることで界面B1の候補位置が変わると、界面B1に対応するパルス波PW1の位置もまた推定波形EW中において変わっている。同様に、層L1及びL2の少なくとも一方の膜厚が変わることで界面B2の候補位置が変わると、界面B2に対応するパルス波PW2の位置もまた推定波形EW中において変わっている。
再び図3において、ステップS101の判定の結果、ライブラリ1521aがメモリ150bに格納されていると判定される場合には(ステップS101:Yes)、ライブラリ生成部1521は、新たにライブラリ1521aを生成しない。このため、制御部150は、メモリ150bに格納されている既存のライブラリ1521aを用いて、界面B1の位置を推定する。
他方で、ステップS101の判定の結果、ライブラリ1521aがメモリ150bに格納されていないと判定される場合には(ステップS101:No)、ライブラリ生成部1521は、ライブラリ1521aを新たに生成する(ステップS103からステップS104)。
具体的には、ライブラリ生成部1521は、まず、検査対象となっている試料Sに対応する基準波形BWを生成する(ステップS103)。基準波形BWは、ライブラリ1521aを生成する際に基準となるテラヘルツ波THzの波形である。具体的には、図5の上段の波形図に示すように、ライブラリ生成部1521の制御下で、試料Sにパルス状のテラヘルツ波THzが照射される。その結果、図5の中段の波形図に示すように、検出波形DWが取得される。その後、ライブラリ生成部1521は、検出波形DWの中から、表面B0に対応するパルス波PW0を抽出する。例えば、ライブラリ生成部1521は、パルス波PW1及びPW2を除外してパルス波PW0を抽出するように設定された窓関数(例えば、ガウス窓やハミング窓等に基づく窓関数)を用いた演算を検出波形DWに対して施すことで、パルス波PW0を抽出する。その後、ライブラリ生成部1521は、図5の下段の波形図に示すように、抽出したパルス波PW0を反転する(具体的には、時間軸方向及び振幅方向の双方において反転する)。抽出したパルス波PW0を反転することで得られる波形が、基準波形BWとして用いられる。つまり、本実施例では、ライブラリ生成部1521は、検査対象となっている試料Sそのものにテラヘルツ波THzを照射することで取得される検出波形DWから、基準波形BWを生成している。
但し、検査対象となっている試料Sに対応する基準波形BWが既に生成済みである(例えば、既に生成済みの基準波形BWを示す基準波形情報がメモリ150bに格納されている)場合には、ライブラリ生成部1521は、基準波形BWを新たに生成することなく、既に生成済みの基準波形BWを用いてライブラリ1521aを生成してもよい。
その後、ライブラリ生成部1521は、基準波形BWを用いてライブラリ1521aを生成する(ステップS104)。具体的には、ライブラリ生成部1521は、まず、試料Sを模擬するシミュレーションモデル上において、層L1からL3の物性値(例えば、誘電率や、透磁率や、減衰率や、導電率等)を、層L1からL3の物性値を事前に実際に計測することで得られた実測値に設定する。その後、ライブラリ生成部1521は、シミュレーションモデル上で、基準波形BWのテラヘルツ波THzが試料Sに照射された場合のテラヘルツ波THzの伝搬態様を推定することで、推定波形EWを算出する。ライブラリ生成部1521は、推定波形EWを算出する動作を、界面B1の位置(つまり、層L1及びL2の夫々の膜厚)を変えながら繰り返す。その結果、複数の推定波形EWを含むライブラリ1521aが生成される。尚、ライブラリ生成部1521は、推定波形EWの算出方法として、電磁波の波形を模擬するための既存の方法を採用してもよい。既存の方法の一例として、FDTD(Finite Difference Time Domain)法や、ADE−FDTD(Auxiliary Differential Equation FDTD)法)があげられる。
その後、テラヘルツ波発生素子110は、テラヘルツ波THzを試料Sの表面B0に向けて出射する(ステップS111)。その結果、テラヘルツ波検出素子130は、試料Sによって反射されたテラヘルツ波THzを検出する(ステップS112)。つまり、信号処理部152は、検出波形DWを取得する(ステップS112)。
その後、位置推定部1522は、ステップS112で取得された検出波形DWとライブラリ1521aに含まれる推定波形EWとのマッチングを行う(ステップS122)。つまり、位置推定部1522は、ステップS112で取得された検出波形DWとライブラリ1521aに含まれる推定波形EWとを比較する。具体的には、位置推定部1522は、検出波形DWと推定波形EWとの間の類似度Rを算出する。尚、類似度Rは、検出波形DWと推定波形EWとがどれだけ似ているかを示す指標である。このため、類似度Rは、検出波形DWと推定波形EWとが似ていれば似ているほど大きくなる指標である。つまり、類似度Rは、実質的には、検出波形DWと推定波形EWとの間の相関係数と等価である。
位置推定部1522は、2つの信号波形の類似度を算出するための既存の算出方法を用いて、類似度Rを算出してもよい。既存の算出方法として、以下の数式1及び数式2があげられる。尚、数式1及び数式2中において、「u(t)」は、時刻tにおける検出波形DWの振幅(但し、時刻tは、上述した比較対象範囲WRに属する時刻)を示し、「u(t)」は、時刻tにおける推定波形EWの振幅を示し、「μ」は、検出波形DWの振幅の平均値(いわゆる、DC成分)を示し、「μ」は、推定波形EWの振幅の平均値(いわゆる、DC成分)を示す。
Figure 0006945001
Figure 0006945001
位置推定部1522は、このような類似度Rの算出動作を、ライブラリ1521aが記憶している複数の推定波形EW(或いは、その一部)を対象に繰り替えし行う。その結果、複数の推定波形EWに対応する複数の類似度Rが算出される。
その後、位置推定部1522は、ステップS122で算出した複数の類似度Rに基づいて、界面B1の位置を推定する(ステップS123)。具体的には、位置推定部1522は、複数の類似度Rのうち最も大きい類似度Rに対応する推定波形EWを特定する。位置推定部1522は、特定した推定波形EWに対応付けられている界面B1の位置を、界面B1の実際の位置であると推定する。
(4)テラヘルツ波検査装置100の技術的効果
以上説明したように、本実施例のテラヘルツ波検査装置100は、界面B1の位置(つまり、試料S中の界面Bの位置)を適切に推定することができる。
さらに、テラヘルツ波検査装置100は、検査対象となっている試料Sそのものにテラヘルツ波THzを照射することで取得される検出波形DWから、基準波形BWを生成している。このため、テラヘルツ波検査装置100は、試料Sとは異なる基準板Pにテラヘルツ波THzを照射することで取得される検出波形DWに基づいて基準波形BWが生成される比較例のテラヘルツ波検査装置と比較して、界面B1の位置をより高精度に推定することができる。以下、その理由について、図6(a)から図6(b)及び図7(a)から図7(b)を参照しながら説明する。
図6(a)は、試料Sとは異なる基準板Pに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWに基づいて基準波形BWが生成される動作を説明する波形図である。一方で、図6(b)は、試料Sに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWに基づいて基準波形BWが生成される動作を説明する波形図である。基準板Pが試料Sとは異なるがゆえに、基準板Pの表面B0pに対するテラヘルツTHzの振る舞い(言い換えれば、応答性ないしは反応)は、試料Sの表面B0に対するテラヘルツTHzの振る舞いとは異なる。例えば、基準板Pが試料Sとは異なる場合には、基準板Pの表面B0pの構造は、試料Sの表面B0の構造とは異なる。具体的には、例えば、図6(a)の上段の波形図及び図6(b)の上段の波形図は、基準板Pの表面B0pが相対的に平坦な構造を有する一方で、試料Sの表面B0が相対的に平坦でない(つまり、粗い)構造を有する例を示している。この場合、基準板Pの表面B0pではテラヘルツ波THzが正反射される一方で、試料Sの表面B0ではテラヘルツ波THzが拡散反射される。このため、図6(a)の中段の波形図及び図6(b)の中段の波形図に示すように、基準板Pに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWは、試料Sに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWとは大きく異なるものになる可能性がある。その結果、図6(a)の下段の波形図及び図6(b)の下段の波形図に示すように、基準板Pに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWは、試料Sに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWとは大きく異なるものになる可能性がある。この原因は、基準板Pに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWには、テラヘルツ波THzが試料Sによって実際に反射される際にテラヘルツ波THzが試料Sから受ける影響が加味されていない一方で、試料Sに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWには、テラヘルツ波THzが試料Sによって実際に反射される際にテラヘルツ波THzが試料Sから受ける影響が加味されているという違いがあるからである。
このため、テラヘルツ波THzが試料Sによって実際に反射される際にテラヘルツ波THzが試料Sから受ける影響が考慮されることなく基準波形BWが生成される比較例では、このような基準波形BWから生成される推定波形EW(図7(a)参照)は、試料Sにテラヘルツ波THzを照射することで実際に取得される検出波形DW(図7(c)参照)から大きく乖離する可能性がある。一方で、テラヘルツ波THzが試料Sによって実際に反射される際にテラヘルツ波THzが試料Sから受ける影響が考慮された上で基準波形BWが生成される本実施例では、このような基準波形BWから生成される推定波形EW(図7(b)参照)が、試料Sにテラヘルツ波THzを照射することで実際に取得される検出波形DW(図7(c)参照)から大きく乖離することはない。つまり、テラヘルツ波検査装置100によれば、比較例のテラヘルツ波検査装置と比較して、生成される推定波形EWの精度(言い換えれば、実際の検出波形DWに対する類似度ないしは忠実度)が向上する。このため、テラヘルツ波検査装置100によれば、比較例のテラヘルツ波検査装置と比較して、推定波形EWに基づく界面Bの位置の推定精度もまた向上する。従って、テラヘルツ波検査装置100は、複数の層の界面の位置を適切に推定することができる。
尚、比較例のテラヘルツ波検査装置においても、試料Sの2次元形状又は3次元形状を考慮したシミュレーションモデルを用いてテラヘルツ波THzの伝搬態様を2次元的に又は3次元的に推定すれば(つまり、上述した試料Sの表面B0での拡散反射等の影響をも考慮してテラヘルツ波THzの伝搬態様を推定すれば)、推定波形EWの精度の悪化自体は防止可能である。しかしながら、この場合には、シミュレーションモデルの構築に要する演算負荷が相対的に大きくなると共に、このようなシミュレーションモデルを用いてテラヘルツ波THzの伝搬態様を推定するために要する演算負荷もまた相対的に大きくなる。しかるに、本実施例では、テラヘルツ波THzの伝搬態様を推定するために要する演算負荷の増大を抑制しつつも推定波形EWの精度の向上を図ることができるという点で大きなメリットがある。
(5)変形例
(5−1)第1変形例
上述した説明では、ライブラリ生成部1521は、検査対象となっている試料Sそのものにテラヘルツ波THzを照射することで取得される検出波形DWから、基準波形BWを生成している。しかしながら、ライブラリ生成部1521は、検査対象となっている試料Sそのものではないものの当該試料Sと同一仕様のサンプル部材SPにテラヘルツ波THzを照射することで取得される検出波形DWから、基準波形BWを生成してもよい。
具体的には、第1変形例では、ライブラリ1521aがメモリ150bに格納されていないと判定される場合には(図3のステップS101:No)、試料Sに代えて、サンプル部材SPがテラヘルツ検査装置100にローディングされる。その後、サンプル部材SPにパルス状のテラヘルツ波THzが照射され、検出波形DWが取得され、検出波形DWの中から表面B0に対応するパルス波PW0が抽出され、抽出したパルス波PW0を反転することで得られる波形が基準波形BWとして生成される(図3のステップS103)。その後、基準波形BWを用いて推定波形EW(つまり、ライブラリ1521a)が生成される(図3のステップS104)。その後、サンプル部材SPがテラヘルツ検査装置100からアンローディングされると共に、試料Sがテラヘルツ検査装置100にローディングされる。その後、試料Sの界面の位置が推定される(図3のステップS111からステップS123)。
試料Sの仕様とサンプル部材SPの仕様が同一であるため、サンプル部材SPの表面B0spに対するテラヘルツTHzの振る舞い(言い換えれば、応答性ないしは反応)は、試料Sの表面B0に対するテラヘルツTHzの振る舞いと同一になる。例えば、試料Sの仕様とサンプル部材SPの仕様が同一である場合には、サンプル部材SPの表面B0spの構造は、試料Sの表面B0の構造と同一になる。具体的には、例えば、図8(a)に示すように試料Sの表面が相対的に平坦でない構造を有する場合には、図8(b)に示すようにサンプル部材SPの表面もまた相対的に平坦でない構造を有する。このため、図8(a)の中段の波形図及び図8(b)の中段の波形図に示すように、サンプル部材SPに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWは、試料Sに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから大きく乖離することはない。その結果、図8(a)の下段の波形図及び図8(b)の下段の波形図に示すように、サンプル部材SPに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWは、試料Sに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWから大きく乖離することはない。
このため、第1変形例においても、上述した実施例と同様に、このような基準波形BWから生成される推定波形EWは、試料Sに照射したテラヘルツ波THzの検出波形DWから大きく乖離する可能性が小さい。つまり、第1変形例においても、上述した実施例と同様に、生成される推定波形EWの精度が向上する。このため、推定波形EWに基づく界面Bの位置の推定精度もまた向上する。
このようにサンプル部材SPに照射したテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWを用いる場合であっても界面Bの位置の推定精度を向上させることができる理由は、サンプル部材SPに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWにも、試料Sに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される基準波形BWと同様に、テラヘルツ波THzが試料Sによって実際に反射される際にテラヘルツ波THzが試料Sから受ける影響が実質的に加味されているからである。そうすると、「サンプル部材SPと試料Sとが同一仕様となる」状態は、実質的には、サンプル部材SPの表面B0spに対するテラヘルツTHzの振る舞いと試料Sの表面B0に対するテラヘルツTHzの振る舞いとは同一になる状態で等価であると言える。逆に言えば、「サンプル部材SPと試料Sとが同一仕様となる」状態は、試料Sの仕様とサンプル部材SPの仕様とが文字通り完全に同一になる状態に加えて、サンプル部材SPの表面B0spに対するテラヘルツTHzの振る舞いと試料Sの表面B0に対するテラヘルツTHzの振る舞いとが実質的に同一であるとみなすことができる程度のわずかな仕様の違いが試料Sとサンプル部材SPとの間に存在することが許容されている状態をも含む。
試料Sの構造、形状、材料、サイズ及びテラヘルツ波THzに対する光学特性がサンプル部材SPの構造、形状、材料、サイズ及びテラヘルツ波THzに対する光学特性と夫々同一になる場合には、サンプル部材SPの表面B0spに対するテラヘルツTHzの振る舞いと試料Sの表面B0に対するテラヘルツTHzの振る舞いとが同一となる(或いは、実質的に同一であるとみなすことができる)可能性が高い。このため、第1変形例における「仕様」は、構造、形状、材料、サイズ及びテラヘルツ波THzに対する光学特性を含むことが好ましい。但し、サンプル部材SPの表面B0spに対するテラヘルツTHzの振る舞いと試料Sの表面B0に対するテラヘルツTHzの振る舞いとが実質的に同一であるとみなすことができる程度の構造の違いが試料Sとサンプル部材SPとの間に存在していてもよい(つまり、許容されている)ことは、既に上述した説明から明らかである。形状、材料、サイズ及びテラヘルツ波THzについても同様のことが言える。
加えて、基準波形BWは、サンプル部材SPの表面B0spで反射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから生成される。このため、少なくともサンプル部材SPの表面B0spの仕様と試料Sの表面B0の仕様とが同一になっていれば、サンプル部材SPの表面B0spに対するテラヘルツTHzの振る舞いと試料Sの表面B0に対するテラヘルツTHzの振る舞いとが実質的に同一になる可能性が高い。このため、「サンプル部材SPと試料Sとが同一仕様となる」状態は、少なくともサンプル部材SPの表面B0sp(或いは、サンプル部材SPの最外層)の仕様と試料Sの表面B0(或いは、試料Sの最外層)の仕様とが同一になる状態を意味していてもよい。但し、サンプル部材SPの内部構造が検出波形DWに何らかの影響を及ぼす可能性がゼロではないことから、「サンプル部材SPと試料Sとが同一仕様となる」状態は、サンプル部材SPの内部構造(特に、積層構造)と試料Sの内部構造とが同一になる状態を意味していることが好ましい。
(5−2)第2変形例
図9の上段の波形図に示すように、テラヘルツ波発生素子100が発生するパルス状のテラヘルツ波THzには、テラヘルツ波発生素子100が本来発生するべき(つまり、意図的に発生するべき)メインパルスMPに加えて、テラヘルツ波発生素子100が意図せず発生してしまう付随パルスNPが含まれる。付随パルスNPは、メインパルスMPよりも低周波のパルスとなる。このような付随パルスNPの一例として、テラヘルツ波発生素子100の特性上ゼロにすることが困難なノイズパルスが含まれる。
このようにテラヘルツ波THzにメインパルスMP及び付随パルスNPが含まれる場合には、図9の中段の波形図に示すように、検出波形DWには、表面B0に対応するパルス波PW0として、表面B0からのメインパルスMPの反射波に相当するパルス波PW0(MP)と、表面B0からの付随パルスNPの反射波に相当するパルス波PW0(NP)とが現れる。このような検出波形DWから基準波形BWを生成する場合には、ライブラリ生成部1521は、図9の中段の波形図に示すように、検出波形DWの中から、パルス波PW0(MP)及びパルス波PW0(NP)の双方を含むパルス波PW0を抽出してもよい。その後、ライブラリ生成部1521は、図9の下段の波形図に示すように、抽出したパルス波PW0を反転することで得られる波形を、基準波形BWとして生成してもよい。
その結果、第2変形例では、ライブラリ生成部1521は、テラヘルツ波発生素子100が実際に発生している付随パルスNPによる影響をも考慮した基準波形BWを生成することができる。このため、このような基準波形BWから生成される推定波形EWの精度がより一層向上する。このため、推定波形EWに基づく界面Bの位置の推定精度もまたより一層向上する。
但し、検出波形DWにパルス波PW0(MP)及びパルス波PW0(NP)が現れる場合であっても、ライブラリ生成部1521は、検出波形DWの中から、パルス波PW0(NP)を除外してパルス波PW0(MP)を抽出してもよい。この場合であっても、検査対象となっている試料Sそのものに照射されたテラヘルツ波THzの検出波形DWから基準波形BWが生成されることに変わりはない以上、比較例と比較して、推定波形EWの精度及び界面Bの位置の推定精度が向上することに変わりはない。
尚、試料Sの表面B0と表面B0の次に現れる界面B1との間の距離が相対的に小さい場合には、付随パルスNPに対応するパルス波PW0(NP)が表面B0以外の他の界面Bに対応するパルス波PWに埋もれてしまう可能性がある。このため、検出波形DWの中からパルス波PW0(MP)及びパルス波PW0(NP)の双方を抽出する場合には、表面B0と界面B1との間の距離が、付随パルスNPに対応するパルス波PW0(NP)が表面B0以外の他の界面Bに対応するパルス波PWに埋もれない程度に大きい試料S(或いは、サンプル部材SP)が用いられることが好ましい。
(5−3)第3変形例
上述した説明では、位置推定部1522は、検出波形DWと推定波形EWとのマッチングを行うことで、界面B1の位置を推定している。しかしながら、位置推定部1522は、検出波形DWのうちの比較対象範囲WRに含まれる波形部分と推定波形EWのうち比較対象範囲WRに含まれている波形部分とのマッチングを行うことで、界面B1及びB2の位置を推定してもよい。この場合、位置推定部1522は、検出波形DWと推定波形EWとのマッチングを行う前に、比較対象範囲WRを設定する。
位置推定部1522は、ステップS112で取得された検出波形DWに適した比較対象範囲WRを設定する。つまり、位置推定部1522は、ステップS112でどのようなパルス波PWを含む検出波形DWが取得された場合であっても常に同じ比較対象範囲WRを設定することに代えて、検出波形DWに基づいて適宜変化する比較対象範囲WRを設定する。従って、位置推定部1522は、実質的には、検出波形DWに応じて適切に調整された比較対象範囲WRを設定していると言える。尚、検出波形DWは、試料Sの状態に応じて変化する。このため、位置推定部1522は、実質的には、試料Sの状態に応じて適切に調整された比較対象範囲WRを設定していると言える。
位置推定部1522は、テラヘルツ波検査装置100がある界面Bの位置を推定したい場合には、当該ある界面Bによって反射されたテラヘルツ波THzに相当するパルス波PWを含む比較対象範囲WRを設定する。従って、テラヘルツ波検査装置100が界面B1の位置を推定したい場合には、位置推定部1522は、図10(a)に示すように、界面B1に対応するパルス波PW1を少なくとも含む比較対象範囲WRを設定する。
但し、位置推定部1522は、推定波形DWの状態によっては、テラヘルツ波検査装置100がある界面Bの位置を推定したい場合であっても、当該ある界面Bによって反射されたテラヘルツ波THzに相当するパルス波PWを含まない比較対象範囲WRを設定してもよい。この場合、位置推定部1522は、推定波形DWの状態によっては、テラヘルツ波検査装置100がある界面Bの位置を推定したい場合であっても、当該ある界面Bによって反射されたテラヘルツ波THzに相当するパルス波PWを含まない一方で、当該ある界面Bよりも試料Sの表面B0から遠い他の界面Bによって反射されたテラヘルツ波THzに相当するパルス波PWを含む比較対象範囲WRを設定してもよい。例えば、テラヘルツ波検査装置100が界面B1の位置を推定したい場合には、位置推定部1522は、図10(b)に示すように、界面B1に対応するパルス波PW1を含まない一方で、界面B1よりも表面B0から遠い界面B2に対応するパルス波PW2を少なくとも含む比較対象範囲WRを設定してもよい。
位置推定部1522は、パルス波PWを比較対象範囲WRに含めるか否かを判定するために、パルス波PWが明瞭であるか否かを判定してもよい。パルス波PWが明瞭であるか否かを判定するために、位置推定部1522は、例えば、パルス波PWの振幅(特に、検出波形DWの振幅の平均値で正規化された振幅)が所定振幅より小さいか否かを判定してもよい。パルス波PWが明瞭であるか否かを判定するために、位置推定部1522は、例えば、パルス波PWの強度(特に、検出波形DWの強度の平均値で正規化された振幅)が所定強度より小さいか否かを判定してもよい。パルス波PWの振幅が所定振幅よりも小さい及び/又はパルス波PWの強度が所定強度よりも小さいと判定される場合には、位置推定部1522は、パルス波PWが明瞭でないと判定してもよい。位置推定部1522は、明瞭でないと判定されたパルス波PWを含まない比較対象範囲WRを設定してもよい。
試料Sの状態によっては、検出波形DWが取得される都度、比較対象範囲WRに含めるべきパルス波PWの検出波形DW上での位置(つまり、検出時刻)が変動し得る。この場合、位置推定部1522は、位置が変動し得るパルス波PWが比較対象範囲WRに適切に含まれるように、比較対象範囲WRを適宜調整してもよい。
このような第3変形例によれば、テラヘルツ波検査装置100は、検出波形DWに応じて比較対象範囲WRを調整することができる。このため、テラヘルツ波検査装置100は、比較対象範囲WRを調整することができない比較例のテラヘルツ波検査装置100と比較して、界面Bの位置を高精度に推定することができる。
更に、テラヘルツ波検査装置100は、ある一の界面B(例えば、界面B1)の位置を推定したい場合であっても、当該一の界面Bに対応する一のパルス波PW(例えば、パルス波PW1)が明瞭でない場合には、当該明瞭でない一のパルス波PWを含まない比較対象範囲WRを設定可能である。この場合、テラヘルツ波検査装置100は、一の界面Bに対応する一のパルス波PWが明瞭でないものの当該一の界面Bの位置を推定したい場合には、当該一の界面Bに対応する一のパルス波PWを含まない一方で当該一の界面Bよりも試料Sの表面B0から遠い他の界面B(例えば、界面B2)に対応する他のパルス波PW(例えば、パルス波PW2)を含む比較対象範囲WRを設定可能である。ここで、他の界面Bが一の界面Bよりも表面B0から遠いがゆえに、他のパルス波PWは、一の界面B2を通過したテラヘルツ波THzが他の界面Bによって反射する(更には、その後一の界面Bを再度通過する)ことで得られる波形である。このため、他のパルス波PWには、他の界面Bに関する情報(例えば、他の界面Bの位置に関する情報)のみならず、一の界面Bに関する情報(例えば、一の界面Bの位置に関する情報)も実質的に含まれているはずである。このため、テラヘルツ波検査装置100は、一の界面Bに対応する一のパルス波PWが明瞭でない場合であっても、他のパルス波PWに基づいて、一の界面Bの位置を適切に推定することができる。
但し、位置推定部1522は、どのようなパルス波PWを含む検出波形DWが取得された場合であっても常に同じ比較対象範囲WRを設定してもよい。
(5−4)その他の変形例
上述した説明では、テラヘルツ波検査装置100は、試料Sによって反射されたテラヘルツ波THzを検出している。しかしながら、テラヘルツ波検査装置100は、試料Sを透過したテラヘルツ波THzを検出してもよい。この場合、基準波形BWは、試料S又はサンプル部材SPを透過したテラヘルツ波THzの検出結果に基づいて生成される。
上述した説明では、テラヘルツ波検査装置100は、3つの層L(つまり、層L1から層L3)が積層された試料Sの特性を推定している。しかしながら、テラヘルツ波検査装置100は、4つ以上の層Lが積層された試料Sの特性を推定してもよい。或いは、テラヘルツ波検査装置100は、2つの層Lが積層された試料Sの特性を推定してもよい。つまり、テラヘルツ波検査装置100は、試料Sを構成する2つ又は4つ以上の層Lの界面Bの位置を推定してもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う検査装置、検査方法、ライブラリ生成装置、ライブラリ生成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
100 テラヘルツ波検査装置
101 パルスレーザ装置
110 テラヘルツ波発生素子
120 光学遅延機構
130 テラヘルツ波検出素子
141 バイアス電圧生成部
142 I−V変換部
150 制御部
150a CPU
150b メモリ
151 ロックイン検出部
152 信号処理部
1521 ライブラリ生成部
1521a ライブラリ
1522 位置推定部
161 ビームスプリッタ
162、163 反射鏡
164 ハーフミラー
LB1 ポンプ光
LB2 プローブ光
THz テラヘルツ波
S 試料
L、L1、L2、L3 層
B、B0、B1、B2 界面
DW 検出波形
EW 推定波形
BW 基準波形
PW0、PW1、PW2 パルス波

Claims (20)

  1. 複数の層が積層された試料にテラヘルツ波を照射する照射部と、
    前記試料からの前記テラヘルツ波を検出して検出波形を取得する検出部と、
    前記検出波形と前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリとに基づいて、前記複数の層の界面の位置を推定する推定部と
    を備え、
    前記ライブラリは、前記試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材に前記テラヘルツ波を照射することで取得される前記検出波形であるサンプル波形に基づいて生成される検査装置。
  2. 前記ライブラリは、前記サンプル波形のうち前記試料又は前記サンプル部材の表面に対応する第1パルス波形に基づいて生成される
    請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記ライブラリは、前記第1パルス波に基づいて設定される基準パルス波を用いたシミュレーションによって生成される
    請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記ライブラリは、前記第1パルス波を反転することで得られる基準パルス波を用いたシミュレーションによって生成される
    請求項2又は3に記載の検査装置。
  5. 前記第1パルス波は、前記テラヘルツ波のメインパルスに対応し、
    前記ライブラリは、前記第1パルス波形と、前記サンプル波形のうち前記テラヘルツ波のメインパルスに付随して前記テラヘルツ波に含まれる付随パルスに対応する第2パルス波形とに基づいて生成される
    請求項2から4のいずれか一項に記載の検査装置。
  6. 前記付随パルスは、前記メインパルスよりも低周波である
    請求項5に記載の検査装置。
  7. 前記付随パルスは、ノイズパルスを含む
    請求項5又は6に記載の検査装置。
  8. 前記ライブラリは、前記第1及び第2パルス波に基づいて設定される基準パルス波を用いたシミュレーションによって生成される
    請求項5から7のいずれか一項に記載の検査装置。
  9. 前記ライブラリは、前記第1及び第2パルス波を反転することで得られる基準パルス波を用いたシミュレーションによって生成される
    請求項5から8のいずれか一項に記載の検査装置。
  10. 前記第1パルス波形は、前記サンプル波形のうち前記試料又は前記サンプル部材の表面で反射された前記テラヘルツ波に相当するパルス波形を含む
    請求項2から9のいずれか一項に記載の検査装置。
  11. 前記第1パルス波形は、前記サンプル波形のうち前記試料又は前記サンプル部材の表面での反射の影響を受けたパルス波形を含む
    請求項2から10のいずれか一項に記載の検査装置。
  12. 前記ライブラリを生成する生成部を更に備える
    請求項1から11のいずれか一項に記載の検査装置。
  13. 前記照射部は、前記試料又は前記サンプル部材に前記テラヘルツ波を照射し、
    前記検出部は、前記試料又は前記サンプル部材からの前記テラヘルツ波を検出して前記サンプル波形を取得し、
    前記生成部は、前記検出部から前記サンプル波形に関する波形情報を取得し、前記波形情報を用いて前記ライブラリを生成する
    請求項12に記載の検査装置。
  14. 前記推定部は、前記複数の層の第1界面よりも前記試料の表面から遠い前記複数の層の第2界面に対応して前記検出波形に現れる界面パルス波形と前記ライブラリとに基づいて、前記第1界面の位置を推定する
    請求項1から13のいずれか一項に記載の検査装置。
  15. 複数の層が積層された試料にテラヘルツ波を照射する照射工程と、
    前記試料からの前記テラヘルツ波を検出して検出波形を取得する検出工程と、
    前記検出波形と前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリとに基づいて、前記複数の層の界面の位置を推定する推定工程と
    を備え、
    前記ライブラリは、前記試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材に前記テラヘルツ波を照射することで取得される前記検出波形であるサンプル波形に基づいて生成される検査方法。
  16. テラヘルツ波が照射された試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材からの前記テラヘルツ波の検出波形に関する波形情報を取得する取得部と、
    前記波形情報に基づいて、前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリを生成する生成部と
    を備えるライブラリ生成装置。
  17. テラヘルツ波が照射された試料又は前記試料と同一仕様のサンプル部材からの前記テラヘルツ波の検出波形に関する波形情報を取得する取得工程と、
    前記波形情報に基づいて、前記試料からの前記テラヘルツ波の推定波形を示すライブラリを生成する生成工程と
    を備えるライブラリ生成方法。
  18. コンピュータに請求項15に記載の検査方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  19. コンピュータに請求項17に記載のライブラリ生成方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  20. 請求項18又は19に記載のコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
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