JP2005101401A - テラヘルツ電磁波発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 超短光パルスを照射して発生するテラヘルツ電磁波を、高い出力で空気中に出射させることができるテラヘルツ電磁波発生装置を提供する。
【解決手段】 屈折率nを有し、励起パルス光5を照射されてテラヘルツ電磁波7を発生する半導体1と、屈折率0.7n〜1.3nを有し、上記の半導体に接して覆い、表面において気体に面し、気体側に向って凸状の、絶縁体からなる凸状電磁波部材3とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 屈折率nを有し、励起パルス光5を照射されてテラヘルツ電磁波7を発生する半導体1と、屈折率0.7n〜1.3nを有し、上記の半導体に接して覆い、表面において気体に面し、気体側に向って凸状の、絶縁体からなる凸状電磁波部材3とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、テラヘルツ電磁波発生装置に関し、とくにテラヘルツ電磁波の出力を高めたテラヘルツ電磁波発生装置に関するものである。
遠赤外線から赤外線にかけての光と電波の中間域のテラヘルツ電磁波およびその光源については、未開拓であり、これからの研究開発が期待される分野である。上記テラヘルツ電磁波の光源には次の3タイプが知られている(たとえば特許文献1)。
(s1)電圧を印加した光伝導スイッチのギャップ部に超短光パルスを照射して励起し、光導電スイッチの端子間に超短電圧パルスを発生させ、この電圧変化によりテラヘルツ域の電磁波を発生させる。
(s2)半導体表面または量子井戸構造に励起光を照射して、電子−ホール対を発生させ、その電子−ホール対の加速によりテラヘルツ域の電磁波を発生させる。
(s3)半導体表面に超短光パルスを照射して、そこで発生するキャリアを空間的に移動させることによりテラヘルツ域の電磁波を発生させる。
(s1)電圧を印加した光伝導スイッチのギャップ部に超短光パルスを照射して励起し、光導電スイッチの端子間に超短電圧パルスを発生させ、この電圧変化によりテラヘルツ域の電磁波を発生させる。
(s2)半導体表面または量子井戸構造に励起光を照射して、電子−ホール対を発生させ、その電子−ホール対の加速によりテラヘルツ域の電磁波を発生させる。
(s3)半導体表面に超短光パルスを照射して、そこで発生するキャリアを空間的に移動させることによりテラヘルツ域の電磁波を発生させる。
この中で、上記の(s2)および(s3)は半導体中に形成される双極子を利用するため、非常に広帯域のテラヘルツ電磁波を発生できる特徴を有している。とくに上記の(s3)では、半導体に微細加工などを施す必要がなく、バルクまたは薄膜の半導体をそのまま用いる。また、励起パルス光に、フェムト秒程度の超短光パルスを利用するので、安価に製造できる利点を有している。
しかしながら、上記(s3)の光源は十分な出力を得ることが難しい。その理由は、半導体表面に生じる双極子は表面に垂直な双極子モーメントを持つので、双極子モーメントの変動に起因して発生する電磁波は、双極子モーメントの方向に垂直な方向に強く出射されるからである。
一方、上記の半導体は屈折率がテラヘルツ帯では3以上あるのが普通であり、半導体内で発生し気体中に出射される場合、表面に対し垂直〜70°程度の範囲の光しか気体中に出射されない。すなわち、半導体/気体の界面への入射角0°〜20°程度の範囲の光しか気体中に出射されない。それより斜めに傾いた光は全反射されて半導体中に留められる。したがって、上記の双極子モーメントの方向に対して20°より大きい角度をもって生じたテラヘルツ電磁波は、半導体の表面から出射されず、半導体中に留められる。この結果、テラヘルツ電磁波の利用効率は低いものとなる。
これを改善するために、テラヘルツ電磁波を出射する半導体としてGaAs上に成長させたInAs薄膜を用い、その上に半導体GaAsのプリズムを配置して屈折率の相違の緩和をはかったテラヘルツ電磁波発光装置が提案されている。このGaAsのプリズムの配置により全反射が緩和され、テラヘルツ電磁波出力を増大させることができる(非特許文献1)。
特許第3243510号公報
M.B.Johnston, et al. Opt. Lett. 27, 1935(2002)
しかしながら、上記のテラヘルツ帯発光装置の作製には特別な薄膜成長技術が必要である。また、上記のプリズムは集光効率が低いという問題を有する。
上記の方法と異なるアプローチとして、1テスラ以上の強力な磁場を半導体表面に対して印加することにより、双極子モーメントの向きを磁場に沿うように傾ける方法が知られている。この双極子モーメントの傾きによりテラヘルツ電磁波の放射方向は半導体表面に対して垂直に近づき、多くのテラヘルツ電磁波が全反射せずに気体中に出射される。この結果、テラヘルツ電磁波の出力を高めることができる。
しかしながら、1テスラ以上の磁場を発生するためには、強力な永久磁石を要し、装置は大掛かりになる。このため、上記(s3)のテラヘルツ発光装置の簡単な構造という長所が失われてしまう。
本発明は、励起パルス光を照射して発生するテラヘルツ電磁波の多くを、磁場などを用いることなく、気体中に高出力で出射させることができるテラヘルツ電磁波発生装置を提供することを目的とする。
本発明のテラヘルツ電磁波発生装置は、屈折率nを有し、励起パルス光を照射されてテラヘルツ電磁波を発生する半導体と、屈折率0.7n〜1.3nを有し、上記の半導体に接して覆い、表面において気体(空間)に面し、気体(空間)に向って凸状の、絶縁体からなる凸状電磁波部材とを有する。
この構成によれば、半導体と凸状電磁波部材との屈折率の相違は小さく、凸状電磁波部材の屈折率が、半導体の屈折率nの±30%以内の範囲とされる。一般に、屈折率の比が1より大きくなるにしたがって全反射する入射角の範囲は小さい側に拡大する。しかし、上記のように、屈折率の相違を制限することにより、(半導体/凸状電磁波部材)の界面における全反射する入射角を大きい範囲に限定することができる。なお、上記の屈折率は、テラヘルツ電磁波に対する屈折率をさすが、テラヘルツ電磁波の実験データは限られるため、たとえば赤外域〜メートル波(VHF:超短波)に対する屈折率で代用してもよい。以後の説明でも同様である。
このため、フェムト秒の超短光パルスを照射してテラヘルツ電磁波を生じ、そのテラヘルツ電磁波が双極子モーメントの垂直方向に分布をもって進行しても、(半導体/凸状電磁波部材)の界面で全反射するものは限定される。よほど双極子モーメントに垂直な方向に合致した進行方向を有する電磁波以外は、その多くが半導体から凸状電磁波部材の中に屈折して入射され、その中を伝播してゆく。
なお、凸状電磁波部材の屈折率は、上記の半導体の屈折率の±30%以内としているが、好ましくは半導体の屈折率の±25%以内の範囲がよく、さらに好ましくは半導体の屈折率の±20%以内の範囲とするのがよい。
凸状電磁波部材では気体(空間)に接する側の表面を凸状にしているので、電磁波は凸状でない場合よりもこの表面の接線に直交する向きに近い形で進行することになる。その結果、凸状電磁波部材と気体との界面で全反射する電磁波は少なくなり、気体中に取り出され、活用することが可能になる。
上記の凸状電磁波部材は、テラヘルツ電磁波に対する吸収立率が上記の半導体の十分の一以下としてもよい。この構成により、テラヘルツ電磁波が凸状電磁波部材を通過する際に吸収されず、高い強度のテラヘルツ電磁波を得ることができる。
上記の凸状電磁波部材が、紫外域〜マイクロ波域の励起パルス光に対して実質的に透明としてもよい。この構成により励起パルス光の強度を低下させずに上記半導体に照射して励起することができるので、より強いテラヘルツ電磁波を発生させることができる。
上記凸状電磁波部材が、テラヘルツ電磁波に対して実質的に透明としてもよい。この構成により、半導体で発生したテラヘルツ電磁波を凸状電磁波部材に導入した後、減衰させずに空間側に出射することができる。
また、上記のテラヘルツ電磁波発生装置においては、凸状電磁波部材の気体に接する側の表面が、気体の側に膨らんだ曲面形状を有するようにしてもよい。
この構成によれば、双極子モーメントの垂直方向に分布をもって凸状電磁波部材の中を伝播してきた電磁波は、凸状電磁波部材の凸状曲面により集光されるので大きな立体角に広がって出射されない。このため、所定の立体角内に出力密度の高い電磁波を出射することができる。また、曲面形状にすることにより全反射防止するのに好都合な表面の構成をとるのが容易になる。
上記の凸状電磁波部材の気体(空間)に接する他方の表面が、気体(空間)の側に突き出た形状を有するようにしてもよい。
この構成によっても、双極子モーメントの垂直方向に分布をもって凸状電磁波部材の中を伝播してきた電磁波は、凸状電磁波部材と気体との界面への入射角が小さくなる。
上記のテラヘルツ電磁波を発生する半導体をInAs化合物半導体とすることができる。
InAs化合物半導体は、フェムト秒の超短光パルスの照射により高出力のテラヘルツ電磁波を発生することができる。このため本発明のいずれのテラヘルツ電磁波発生装置も高い電磁波出力を得ることができる。
上記の凸状電磁波部材はMgOによって形成されてもよい。絶縁体であるMgOの屈折率は3.1である。たとえば電磁波発生の半導体にInAsを用いた場合、InAsの屈折率は3.8であるので、0.7×3.8=2.66であり、1.3×3.8=4.94である。したがって、MgOの屈折率3.1は、InAsの屈折率3.8の±30%の範囲に入る。また、0.8×3.8=3.04なので、MgOの屈折率3.1は、InAsの屈折率3.8の±20%のなかにも入る。
上記のテラヘルツ電磁波発生装置は、励起パルス光の光源を含み、その励起パルス光が前記半導体表面の法線に対して傾くように配置されるのがよい。
この構成により、テラヘルツ電磁波を容易に取り出すことができる。なお、上記の励起パルス光はパルスレーザ発生装置などが好ましいが、レーザ光である必要はなく、各種の光源を用いることができる。フェムト秒レベルのゆらぐ光にできれば、極端な場合、市販の白色電球を用いることもできる。
上記の励起パルス光は、凸状電磁波部材底部の中心部から外に外れた位置の半導体に照射されるように設定されるのがよい。
この構成により、励起光は中心から手前にずれた位置の半導体に照射され、より長い距離を凸状電磁波部材の中を伝播して気体(空間)側に出射される。中心から手前にずれた位置へ照射すると、中心部の半導体への照射に比べて、発生したテラヘルツ電磁波は、凸状電磁波部材からより小さい立体角の範囲の気体中に出射される。このため、所定の方向の光出力密度を増大させることができる。
本発明のテラヘルツ電磁波発生装置を用いることにより、励起パルス光を照射して発生するテラヘルツ電磁波を、磁場などを用いることなく、気体中に高い出力で出射させることができる。
次に図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明を実施するための最良の形態におけるテラヘルツ電磁波発生装置10を示す図である。図1を参照して、励起パルス光5として、数十〜数百フェムト秒の超短パルス光を、半導体であるInAs基板1に照射する。InAs基板1の上には半球の形状のMgOからなる凸状電磁波部材3をInAs基板1の表面に密着して配置する。励起パルス光5はInAs基板に垂直な方向41から少し傾けて照射するのがよい。また、実施例において詳しく説明するが、励起パルス光5は、MgOの半球の中央部よりも少し外側の位置のInAs基板に照射するほうが、半球の集光効果を利用することができて出力を大きくすることができる。InAs基板1の表面では、励起パルスに誘起されて電流が生じ、その電流の時間微分に比例するテラヘルツ電磁波7が発生し、空間側に出射される。
本発明のテラヘルツ電磁波発生装置10は、InAs基板1と、その表面に密着する半球状MgOからなる凸状電磁波部材3とから構成される。半導体InAsの屈折率はテラヘルツ波に対して約3.8であり、凸状電磁波部材を形成するMgOの屈折率は、同じくテラヘルツ波に対して約3.1である。したがって、MgOの上記屈折率はInAsのそれの±30%以内にあり、また±20%の範囲内にも入っている。
このため、InAs/MgO界面での全反射をInAs/気体界面の場合よりも大幅に抑制することができ、テラヘルツ電磁波の多くを外に取り出すことができる。また、MgOは透明な絶縁体であり、遠赤外域〜メートル波(VHF)域の電磁波を吸収しないので、励起パルス光をInAs基板に減衰させずに照射することができる。さらに、凸状電磁波部材3は半球状であるので、集光効率を高めることができる。
図2は、InAs基板表面に生起する物理現象を説明する図である。図2(a)は励起パルス光の波形を示し、図2(b)は半導体に発生する電流Jの波形を示し、また図2(c)は上記電流Jの時間微分を示し、テラヘルツ電磁波の強度の波形を示す図面である。説明が前後するが、本発明のテラヘルツ電磁波発生装置では、励起パルス光に誘起されて半導体表層部にスパイク状電流が発生し、そのスパイク状電流の時間微分に比例して強度が決まる電磁波が発生する。この電磁波の周波数は、図3に示すように、ピコ秒、サブピコ秒程度の時間範囲の電磁波波形をフーリエ変換してその1ピコ秒(ps)付近に分布する周波数分布を求めることにより確認することができる。
図4は、本発明の実施の形態におけるテラヘルツ発生装置10から出射される電磁波出力の角度分布を示す図である。InAs基板1の表面の法線41に対して、およそ30°の入射角で照射した場合、図5に示すように、テラヘルツ電磁波の出力は上記法線41から65°〜70°の付近に最大の出力部分を有する。
なお、上記の励起パルス光はパルスレーザ発生装置などが好ましいが、レーザ光である必要はなく、各種の光源を用いることができる。フェムト秒レベルのゆらぐ光にできれば、極端な場合、市販の白色電球を用いることもできる。
次に、光伝導アンテナによるテラヘルツ波の検出方法について説明する。図6は、検出器である光伝導アンテナ20と、測定対象のテラヘルツ電磁波と、測定の感度を上げるプローブパルスとを示す模式図である。図7は、プローブパルスを用いずにテラヘルツ電磁波のみを照射した場合の光伝導アンテナ20を示す図である。光伝導アンテナ20は、主としてキャリア寿命の短い半導体、例えば低温成長させたGaAs薄膜を有する基板21と、そこに形成された金属膜22とで形成される。感度が十分高く、電磁波に反応する場合には、離れて相対向する突起部22aの間に電磁波が伝播し、電流計23に電流が流れる。しかし、プローブパルスを用いない場合は、通常、電磁波に反応しないため電流Isignalはほとんどゼロである。
しかし、プローブパルスを用いる場合には、プローブパルスがGaAsの伝導帯にキャリアを励起する。この結果、矢印で示すように、電流計23において、テラヘルツ電磁波の強度(電場振幅)に比例する電流信号Isignalを検出することができる(図8)。
図9は、上記図8における全体の装置構成を示す図である。図9を参照して、励起用パルスレーザー51には、チタンサファイアレーザーを用いている。この励起パルスは、レーザー装置から出射された後、ビームスプリッタ52で2つパルスに分けられ、一方は半導体を励起するポンプパルス5として用いられ、他方はプローブパルス55として用いられる。
ポンプパルス5は、本発明のテラヘルツ電磁波発生装置10の半導体に照射される。その際、半導体表層から反射される形でテラヘルツ電磁波を出射する配置(反射配置)を満たすように、パルスを照射する。出射されるテラヘルツ電磁波7は、放物面鏡53により向きを変えられるなどして、検出器20の一方の面の側に照射される。
一方、励起用パルスレーザー装置51を出て直ぐに位置するビームスプリッタ52で分けられたプローブパルス55は、光学遅延ステージ54で遅延時間を調節された後、対物レンズ56を経て、検出器20のもう一方の表面に照射される。図9に示す装置を用い、光学遅延ステージ54によりプローブパルスが検出器に到達する、ポンプパルスからの遅延時間を調節することにより、テラヘルツ電磁波7の電場振幅ETHzの時間分解測定を行なうことができる。
図10(a)および(b)は、本発明の実施例1におけるテラヘルツ電磁波発生装置を示す図である。図10(a)では、励起パルス光の光線がMgOの半球3の中心を通る。これに対して、図10(b)では、MgOの半球3の直径4mmの場合、中心位置から0.5mm外側にずれた線43が半導体と交差する位置の半導体をめがけて励起パルス光5を照射する。励起パルス光の光線の法線41からの傾き角θinは20°である。図10(b)に示す配置にすると、図10(a)および(b)を比較して分るように、テラヘルツ電磁波7の立体角を小さくすることができる。この結果、単位立体角あたりの電磁波の強度を増大させることができる。図10(a)に示す配置の場合に比較して、図10(b)の配置では、単位立体角あたり1.5倍の電磁波の電場振幅を得ることができた。
図11は、図10(b)の配置の場合の電磁波の電場強度を、半球MgOを用いずにInAs基板のみを用いた場合と比較した図である。測定には、図9に原理を示す測定装置を用いた。図11によれば、上記の図10(b)の配置では、半球MgOを用いずに半導体InAsのみを用いた場合に比較して、約10倍の電場振幅(約100倍の強度増大)を得られることが分る。なお、ここに実測データは示さないが、図10(a)の配置の場合は、半球MgOを用いずに半導体InAsのみを用いた場合に比較して、約60倍〜70倍の強度増大を得ることができる。この強度上昇は、きわめて大きく、これまで研究があまりなされていなかったこの波長域の研究開発を一気に加速させる可能性を有している。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明のテラヘルツ電磁波発生装置を用いることにより、簡単で安価な機構により、高い出力のテラヘルツ電磁波を得ることができるので、未開拓の分野の発展に資することが期待される。
1 InAs層またはInAs基板(半導体)、3 半球MgO(凸状電磁波部材)、5 ポンプパルス(励起パルス光)、7 テラヘルツ電磁波、7a,7b InAs内の屈折角、10 テラヘルツ電磁波発生装置、11 2層構造におけるInAs層、12 Si層、20 検出器、21 GaAs基板、22 金属膜、22a 金属膜の突起部、23 電流計、25 検出器で発生するテラヘルツ電磁波、33 半球Si、41 半球中心を通る半導体表面の法線、43 励起パルス光が照射される半球中心から外れた位置を示す線、51 励起用パルスレーザー、52 ビームスプリッタ、53 放物面鏡、54 光学遅延ステージ、55 プローブパルス、56 対物レンズ。
Claims (10)
- 屈折率nを有し、励起パルス光を照射されてテラヘルツ電磁波を発生する半導体と、
屈折率0.7n〜1.3nを有し、前記半導体に接して覆い、表面において気体に面し、気体に向って凸状の、絶縁体からなる凸状電磁波部材とを有するテラヘルツ電磁波発生装置。 - 前記凸状電磁波部材は、そのテラヘルツ電磁波に対する吸収率が、前記半導体の十分の一以下である、請求項1に記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記凸状電磁波部材が、紫外域〜マイクロ波域の前記励起パルス光に対して実質的に透明である、請求項1または2に記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記凸状電磁波部材が、テラヘルツ電磁波に対して実質的に透明である、請求項1〜3に記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記凸状電磁波部材の表面が、前記気体の側に膨らんだ曲面形状を有している、請求項1〜4のいずれかに記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記凸状電磁波部材の表面が、前記気体の側に突き出た形状を有している、請求項1〜4のいずれかに記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記テラヘルツ電磁波を発生する半導体がInAs化合物半導体である、請求項1〜6のいずれかに記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記凸状電磁波部材がMgOによって形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記励起パルス光の光源を含み、その励起パルス光が前記半導体表面の法線に対して傾くように配置されている、請求項1〜8のいずれかに記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記励起パルス光は、前記凸状電磁波部材底部の中心部から外に外れた位置の半導体に照射されるように設定されている、請求項9に記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
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