JP4354932B2 - テラヘルツ光源 - Google Patents

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Description

本発明は、テラヘルツ光源に係り、特に、中空導波路型レーザー励起テラヘルツ光源に関する。
一般に、テラヘルツ波と呼ばれる光は、波長が30μmから3000μmの光とされる。この波長域の光は分子の振動準位のエネルギーと合致するため、分子の微量分析等の応用が期待されている。しかし、テラヘルツ波の波長が電波と光の間に位置することから、発生・計測が電気的にも光学的にも簡単ではなかった。近年、超短パルスレーザー技術の進展に伴い、レーザー励起によるいくつかの簡便なテラヘルツ波の発生手法が実現している。パルスレーザーを用いたテラヘルツ新光源の登場により、テラヘルツ波の各種センサーへの応用が開発されつつあり、テラヘルツ光源は、今後の発展性の大きな分野である。
図1に、従来技術によるレーザーを用いたテラヘルツ波発生の説明図を示す。これまでに、図示のようなテラヘルツ発生手法が報告されている。
(1) 図1(A)は、電圧を印可された半導体表面からのテラヘルツ波発生について示し、フェムト秒レーザーパルスが表面に照射されて、電界に平行な偏光をもったテラヘルツ波が放射される。また、パルスレーザーを半導体上(例えばGaAs(100)面)に集光して、表面近傍に過渡的な電流を誘起する。この表面電流はテラヘルツ程度の振動数をもつため、テラヘルツ波が双極子放射される。
この場合、レーザー光は直線偏光でも円偏光でもよい。電界は、図1の紙面で、左から右方向に印可されている。発生するテラヘルツ波は直線偏光であり、その方向は電界の向きと同じ(左右方向)となる。
テラヘルツ波を増大させるために、オーストンスイッチと呼ばれるバイアス電圧を印可する手法や、外部から強い磁場を印可する手法も試みられている(非特許文献1)。
なお、オーストンスイッチは、半導体基板上に二つの電極を向かい合わせて配置し、DC電圧を印可し、さらに、電極の間隔が非常に近い箇所にレーザーパルスを集光する。すると、光吸収によって半導体中にキャリヤ(電子等の電荷を持つ粒子)が発生し、それらが電極で作られている強いDC電界によって加速されて散乱される過程で、なだれ式に多数のキャリヤを瞬間的に発生する。その結果、光が照射される前では絶縁状態だった光伝導素子が、光が照射されることによって導通状態となる。これは電気的にはスイッチのオンオフ動作に相当することから、オーストン「スイッチ」と呼ばれている。オーストンスイッチでは、光照射によって導通状態になった後に、キャリヤが半導体中に高速で拡散する。それにともない、振動する電気双極子が過渡的に形成され、テラヘルツ波を放射する。
(2) 図1(B)は、光整流によるテラヘルツ波発生について示し、配置は図1(A)と同様だが、フェムト秒レーザーパルスと同じ偏光のテラヘルツ波が発生する。パルスレーザーを反転対称性を持たない固体表面(例えばGaAs(110)面)に集光して、光整流と呼ばれる非線形光学効果によって、過渡的な電流を誘起する。この場合、レーザー光は直線偏光である必要がある。図では、偏光の向きは左右方向である。発生したテラヘルツ波は直線偏光であり、その偏光の向きはレーザーと同じ(左右方向)である。
(3) 図1(C)は、パラメトリック光学過程によるテラヘルツ波発生について示し、ナノ秒のパルスレーザーを用いて、持続時間の長い単色テラヘルツ波が放射される。有極性結晶中のパラメトリック光学過程を利用して、波長の近接した二色のレーザー光の差周波を発生する。
P.R.Smith,D.H.Auston,M.C.Nuss,IEEE Journal of Quantum Electronics Vol.24,No.2,p.255 (1988).
上述(1)及び(2)の手法は、集光点に置かれた材料の表面上に点状に誘起された双極子からの放射を利用している。簡便な装置でパルス的なテラヘルツ波発生が可能という特徴がある反面、テラヘルツ波の発生領域が非常に小さいため、パルスレーザーからテラヘルツ波へのエネルギー変換効率や指向性が必ずしも良くない。上述(3)の手法では単色性のよいテラヘルツ波が効率的に得られているが、テラヘルツ波の持続時間が長いため瞬間的な光強度は低く、集光特性が必ずしも良くない。共通して言えることは、これらの手法で発生されたテラヘルツ波はピーク強度が弱く、通常は分析用途にしか使われていない。
また、パルスレーザーを用いたテラヘルツ波発生において、時間的に短く(即ち、パルス幅が短く)、集光特性の高いテラヘルツ波を効率的に発生できれば、高強度のテラヘルツ波電磁場を物質に加えることが可能となる。特に、可視光に比べて振動数が2〜3桁低いため、テラヘルツ電磁場は持続時間が1ピコ秒程度の準静的な電磁場と考えられる。その特性を生かして、分子線・電子線のビーム制御、磁性体の制御、材料加工等、様々な理学的、工業的応用が期待できる。しかし前述のように従来のテラヘルツ波発生ではこれらの応用は困難であった。なお、「時間的に短い」ということは、パルス幅が短いことと同義である。これによって、わずかのエネルギーでもピーク出力(=パルスエネルギー/パルス幅、単位はW)を高くし、光強度(W/cm)を強くすることができる。また、「集光特性が高い」ということは、空間コヒーレンスが高い(電磁波の波面が乱れてなく揃っている)ため、回折限界まで集光できるという意味である。
本発明では、以上の点に鑑み、「時間的に短い」特性と、「集光特性が高い」という特性を併せ持つことによって、集光点での光強度を高くすることを目的とする。
本発明の解決手段によると、
レーザー光を照射してテラヘルツ領域の光を発生させるテラヘルツ光源において、
レーザー光を導波する中空導波路を形成する中空管と、
前記中空管の中空導波路の内壁の向かい合う位置の一部に、それぞれ前記中空管の軸方向へ沿って導入された半導体と、
前記中空管の一端からレーザーパルス光を中空導波路に導入し、前記軸方向に垂直且つ二つの相対する前記半導体を結んだ線に垂直な方向に電圧を印することにより、前記中空導波路にレーザーパルス光を導波しながら前記半導体に双極子を誘起し、双極子から放射されたテラヘルツ波を前記中空管の他端から出力する前記テラヘルツ光源が提供される。
本発明によると、「時間的に短い」特性と、「集光特性が高い」という特性を併せ持つことによって、集光点での光強度を高くすることができる。
1.テラヘルツ波光源と発生原理
図2に、テラヘルツ波光源の構成図とテラヘルツ波発生の原理図を示す。
図2(A)で示すように、テラヘルツ波光源は、中空導波路2を形成する中空管1、半導体3、レーザー光源4、光学系5、導電層6を備える。この図は、一例として、半導体3の薄板を導入された円形の中空導波路2を示し、二カ所に中空管1に導入された半導体3の薄板が設けられる。
中空管1、中空導波路2及び半導体3については、後述の「2.導波路」で詳細に説明する。
レーザー光源4は、例えば、フェムト秒レーザーや他のレーザーを用いることができる。一例として、パルス幅 100fs、波長 800nm、パルスエネルギー 1mJ(再生増幅器を使用して、レーザーパルスを増幅する)、繰り返し 1kHz、の特性を持つ高出力フェムト秒チタンサファイアレーザーが挙げられるが、これに限定されない。
光学系5としては、例えば、レーザーを中空導波路2に放射するためには、自由空間を伝搬しているレーザービームを単レンズでゆるやかに集光し、集光点に中空導波路2の入射端を置くとよい。集光点ではレーザー光のスポット直径を、中空導波路2の直径と同程度にすることによって、効率よく中空導波路2の中へ導くことができる。なお、光学系5は、省略することもできるし、レーザー光源4にその機能を含めてもよい。
1組の導電層6は、中空管1の内壁のうち半導体3が導入されていない部分と、半導体3の中空部1に導入された境界面を覆い、向かい合う位置に設けられる。導電層6は、例えば、金属等の蒸着、コーティング等により形成される。導電層6により、内壁での反射率を高くすることができ、導波路中のテラヘルツ波の伝搬損失を低減することができる。
図2(B)に示すように、テラヘルツ波光源では、内部を金属等の導電層6で覆われた中空管1をレーザーパルス光の中空導波路2として用い、その内壁の一部を半導体3に置換して、テラヘルツ波を発生させる。レーザー光が中空導波路2を伝搬する様子は、幾何光学的には、光が内壁にすれすれの角度で入射して反射しながら進行すると理解できる。内壁に半導体3部分を導入することにより、レーザーパルスが中空導波路2を通り抜ける際に、半導体3の表面に過渡的な双極子が次々に誘起される。それぞれの双極子が発生したテラヘルツの一部は、中空導波路2中に放出され、中空導波路2中で強め合うように干渉しながら伝搬する。その結果、強度が高く、空間形状の良好なテラヘルツ波が、中空管1の中空導波路2の出力端でレーザー光と同軸方向に得られる。
図10に、テラヘルツ波の発生とコヒーレント長についての説明図を示す。
本装置では、中空管を伝搬するレーザー光によって、半導体表面にテラヘルツの振動数で振動する電気双極子が次々に誘起される。図(A)では、上の山がフェムト秒レーザーパルスに相当し、左から右へ進んでいる。半導体表面にレーザーパルスが来ると、そこに双極子(両方向矢印)が誘起されて、それがテラヘルツ波(波線)を放射する。
一般に導波路中では、電磁波の進行速度は光速と異なり、波長の関数となる。そのため、レーザー光の伝搬速度で電気双極子が表面に次々と誘起されていくが、それぞれの電気双極子から放射されるテラヘルツ波の位相は少しずつ、ずれていく。図(B)では、少し離れた場所の二つの双極子から放射されたテラヘルツ波の位相が、わずかにずれているところを表している。
さらにフェムト秒レーザーパルスが伝搬していくと、あるところでテラヘルツ波の位相がπずれる。位相がπずれるということは、電場波形が反転するということである(図(C)参照)。ここで、位相差がπずれるところまでの伝搬距離が「コヒーレント長」である。中空管の長さがコヒーレント長を越えると、そこから先で発生するテラヘルツ波は、そこより手前で発生したテラヘルツ波と位相が反対になるため、テラヘルツ波の全強度は弱くなる。
2.導波路
図3に、中空導波路の断面図を示す。
斜線部が中空管1の基板材で、中央が中空導波路2であり、レーザーパルス光が紙面に垂直方向へ伝搬する。中空管1に導入された二カ所の薄板状部分が半導体3である。半導体3の上下面から中空導波路2の内壁(太線部)に、金属の蒸着・被覆等を行うことにより、導電層6が設けられ、電極が形成される。半導体3には、直流電源7により電圧が印加され、中空導波路2及び半導体3を覆う導電層6により紙面の上下方向に電界が形成される。中空導波路2に露出した半導体3表面がレーザーパルス光で励起されて、半導体3内部に双極子が誘起される(半導体の中の矢印が双極子の向きを表す)。放射されたテラヘルツ波は中空導波路2に放出される。中空管1の中空導波路2中でテラヘルツ波は、紙面の上下方向の矢印で示される方向に直線偏光しているモードとして伝搬する。
なお、中空管1及び中空導波路2は円形以外にも、例えば、矩形(正方形や長方形)の導波路も考えられる。また、半導体3は、中空管1の基板材を貫通している例を示したが、必ずしも貫通している必要はなく、断面の一部に埋め込まれるような構造としてもよい。さらに、半導体3の長さも、中空管1全体に及ばずに、一部の長さとしてもよい。
このように、中空管1の内壁の一部(中空導波路2の一部)を半導体3で置換するが、ここでは、半導体3で置換することにより導波路を伝播する光のモードは変化しないと仮定される。励起用レーザ光の中空導波路2中の電界と半導体3表面での電界の方向が、テラヘルツ発生で重要である。半導体3は、内壁の向かい合う位置二カ所に位置し、中空管1の軸に沿う方向へ伸びている。半導体3の厚さ方向(中空管1の円周方向)に、直流電源7により、バイアス電圧を印可することにより、パルスレーザーが照射されたときに生じる電流の向きを、半導体3の厚さ方向に揃える。それによって、中空導波路2内に、二つの相対する半導体3層を結んだ線に垂直な方向に偏光したテラヘルツ波を発生させることができる。
図9に、電源回路図の一例を示す。
また、直流電源7による電界強度はなるべく高いことが望ましいが、絶縁破壊の強度よりも低いことが必要である。一例としては、典型的には1kV/cmが上限であり、半導体層の厚さが50ミクロンなので、電圧は5V程度である。普通の直流電源もしくは市販の電池を使うことができる。ショートによる過電流を防ぐために、電流制限用の抵抗およびバッファー用のコンデンサを用いてもよい。
3.伝播モード
中空導波路を光が進む場合は、以下の様な決まったモードとして伝播することは電磁気学で古くから知られている。
導波路の中空管の半径をaとし、
n次のベッセル関数の微分を
Figure 0004354932
とし、
方程式Jn−1’(x)=0のm番目の零点をu’nm (m=1,2,3,・・・)
とする。このとき、図4で表されるような導波路モードの電場は、円筒座標を用いて次式で与えられる。
Figure 0004354932
ここで、u’nmの値は、低次のモードについて次表で与えられる。
Figure 0004354932
導波路の中空管の半径aが与えられたとき、中空導波路の遮断周波数ωcutoffは次式で与えられる。
Figure 0004354932
これを用いて、コヒーレント長Lは次式で与えられる。
Figure 0004354932
これらのモードの光が単一あるいは重なり合って導波路を伝播する。本実施の形態では以下に述べるようにモード形状が重要である。
4.表面被覆層及び微細構造
図4に、表面加工によるテラヘルツ放射の導波路モード結合効率の改善についての説明図を示す。図4(A)は、中空管1の断面図である。灰色部分がテラヘルツ波を放射する半導体3、斜線部が中空管1の基板材、白色部が中空導波路2を示す。太線楕円で示された半導体3の表面部を、以下、図4(B)(C)で拡大表示してある。
半導体3表面が平坦な場合、半導体内部(表面近傍)で発生したテラヘルツ電磁波は半導体内部での全反射によって外部に比較的放出しにくい。半導体内部で発生したテラヘルツ電磁波を効率的に中空管1に放出させるために、(1)半導体表面にSiO等の屈折率の低い透明層を付加して全反射角が大きくなるようにする、もしくは、(2)表面に微細な櫛形構造を形成して全反射が起きないようにする、といった工夫をすることができる。
半導体表面を平坦なままにするかわりに、金属で周期的に覆うことによって、テラヘルツ電磁波の発生を部分的かつ完全に抑制することもできる。図4(D)にその場合の構造を示す。図4(D)上図は、半導体層の断面を表している。上部が、導波路の中空部に露出している面である。黒い線が金属コートされている部分を示す。図では金属コートされていない部分は、効率的にテラヘルツ電磁波を放出させるために櫛形構造となるように描かれている。図4(D)下図は、同じ箇所を、中空部の内側から見た図である。上下にある左右方向の黒い太線が、半導体を挟む電極である。中央を周期的に覆っている黒い四角が、半導体表面を被覆している金属面を示す。上下にある黒太線の電極と半導体層の間にある斜線部の層が、SiOの絶縁層である。この絶縁層によって、半導体層を挟む電極間の短絡を防ぐことができる。
図4(B)は、加工を施されていない半導体表面の場合を示す。図中、誘導双極子の位置を白丸に点で表している。図示のように、双極子から放射されるテラヘルツ波の大半は境界での全反射によって、中空管内に出てこない。一方、図4(C)は、非対称な溝構造を施した場合を示す。図示のように、右方向へ放射されたテラヘルツ波は境界で全反射しないで、中空管2内に放出される。なお、半導体がGaAsの場合、一例として、櫛形構造の溝深さは1ミクロン程度(半導体の吸収長程度)、溝の間隔は100ミクロン程度(半導体中でのコヒーレント長以下)とすることができる。
5.特性
図5に、中空導波路中を伝搬できる低次のTEモードの強度分布(上)と電場方向(下)の図を示す。図(A)はTE21モード、図(B)はTE31モード、図(C)はTE11モードをそれぞれ示す。
一般に、中空導波路中を伝搬できるモードの個数は、中空管の直径によって決まる。各モードは固有の強度分布、偏光分布、伝搬係数、カットオフ周波数をもつ。中空管の直径をテラヘルツ波の波長と同程度にすることにより、中空導波路中を伝搬するテラヘルツ波のモードを一つもしくは数個まで制限できる。
平坦な強度分布をもち、直線偏光に最も近いTE21モードが応用上もっとも重要である。すなわち、TE21モードがもっとも直線偏光度が高いため、このモードが選択的に励起される。図3等に示される構成により、半導体表面で発生するテラヘルツ波を効率的にTE21モードに結合させることができる。また、この構成では、二つの側壁から中空管に放出されるテラヘルツ電磁波が同じ直線偏光をもつため、低い他の低次モード(例えばTE11、TE31)の発生を効果的に抑制できる。
以下に、「直線変更の純度」の定義、また、「同じ直線偏光をもつため、偏光度の低い他の低次モードの(例えばTE11,TE31)の発生を効果的に抑制できる」ことについて説明する。
図11に、TE31モード強度分布の説明図の一例を示す。
導波路中での電磁場モードは、強度だけでなく電磁場の方向も、空間的に一様ではない。ある瞬間の電場の方向は左図のようになっている。電場の振動の1/2周期後には、電場の方向は右図のように反転する。したがって、四つの「山」は異なる方向に偏光している。また、向かい合う「山」では、偏光の方向は同じであるが、電場の方向が反対になっている。
通常、光学では偏光度は「ある場所での電場ベクトルの軌跡が楕円を描くとき、その短軸の長さ/長軸の長さ」と定義される。具体的に式で書くと、
Figure 0004354932
と電場ベクトルが与えられたとき、εが「偏光度」である。ε=0が直線偏光、ε=1が円偏光、0<ε<1が楕円偏光に相当する。
一方、本実施の形態で用いた「偏光度」とは、通常の偏光度の意味とは異なり、「直線偏光の純度」という用語を用いるほうが適当であろう。その定義としては、電場ベクトルの空間分布E(x,y)が、次式で与えられたとき、その空間積分された量A(t)が次のように表され、そのときのA×εが本実施の形態で用いている「直線偏光の純度」となる。
Figure 0004354932
なお、TE31モードの場合、隣り合う山の偏光が直交していることから、空間的に平均化したときの「直線偏光の純度」はゼロとなる。
図12に、テラヘルツ波の放射についての説明図を示す。
本実施の形態での配置では、中空管の相対する面上に半導体を配置して、そこに誘起される電気双極子からテラヘルツ波を放射させる。話をわかりやすくするために、一例として、図(A)のような座標軸(x、y、z)をとり、中空管(半径=a)は(x、y)=(0,0)を中心として、+z方向に伸びているものとする。テラヘルツ波を放射する半導体は、(x,y)=(+a,0),(−a,0) (図中、黒丸)にあり、それらが中空管の中心遠方(白丸)につくる電場(=中空管へ導かれたテラヘルツ波)を考える。図(A)を簡略化すると図(B)のようになる。黒丸に書かれた矢印が誘起された電気双極子である。電気双極子の振動方向は上下方向のため、白丸の位置で観測されるテラヘルツ波は直線偏光であり、その向きは紙面の上下方向になる。白丸の位置から二つの黒丸の位置までの距離は等しいので、二つの相対する双極子から放射されるテラヘルツ波は、白丸の位置で強め会うように干渉する。
以上をまとめると、本実施の形態での配置では、
・テラヘルツ波は直線偏光となる
・中空管の中心軸上でテラヘルツ波の強度は最大となる
という特徴がある。
図5を見るとわかるように、TE31とTE11モードでは、電場を空間平均すると直線偏光の純度は低い(無方向)なる。それに加えて、中心軸上で電場強度がゼロになっている。したがって、TE31やTE11モードの発生は困難であると結論できる。
6.疑似位相整合
以上説明したようなテラヘルツ波発生の原理は、光が半導体に入射する点または狭い領域で作用していると考える事が出来る。効率よくテラヘルツ波を発生させるためには各点から発生したテラヘルツ波が強め合う様な工夫が必要である。中空導波路中では、レーザーパルス光は光速で伝搬するが、テラヘルツ電磁波は導波路のモードで規定される速度で伝搬する。レーザーパルス光とテラヘルツ電磁波の伝搬速度の差があるため、レーザーパルスがある距離(コヒーレント長)を伝搬すると、そこまでで誘起した双極子からの放射と、そこから先の部分で誘起する双極子からの放射が逆位相になり、弱め合うという現象が発生する。それを避けるために、誘導双極子が逆位相となる部分の半導体素子の表面は前述したような加工を施さず、平坦なままにする。それにより、平坦部分からのテラヘルツ波が中空導波路内に出てこないようにする。この結果、テラヘルツ波が中空導波路中でコヒーレント長よりも長い距離にわたって強め合うような位相で発生させることが可能となる。この手法は、可視域のレーザー光の波長変換における疑似位相整合を、テラヘルツ波の導波路において実現するものである。
図6は、導波路中でのテラヘルツ波の周波数とレーザーパルス光の間のコヒーレント長の関係を示す。ある周波数において、半導体の長さがコヒーレント長を越えると、中空導波路内の異なる場所で発生したテラヘルツ波が打ち消し合うように干渉して、テラヘルツ波の強度が弱くなる。
図7に、疑似位相整合の構成図を示す。図中、テラヘルツを発生する半導体3と、半導体がカバーされた被覆層8(黒い部分)を表す。図のように、被覆層8により、導波路内の半導体表面をコヒーレント長の間隔で周期的に被覆すると、中空導波路2内で発生したテラヘルツ波は長い距離にわたって強め合って干渉する。その結果、テラヘルツ波の強度が飛躍的に増大する。
また、図8に、エシェレット構造の説明図を示す。具体的には、平坦な半導体平面では全反射によって、内部で発生したテラヘルツ波が表面から放出されやすくするために、周期的に半導体表面をエシェレット格子状の形状とすることができる(図8拡大部分)。一般に、回折格子の断面形状を鋸歯状にして、緩斜面と急斜面をつけたものをエシェレット格子と呼ぶ。それにより、エシェレット格子状の部分から発生したテラヘルツ波だけを、中空導波管内に放出させる。エシェレット格子の周期は典型的には数100μm以下であり、図6に示されるTE21モードのコヒーレント長(〜1cm程度)に較べて、非常に短い。したがって、エシェレット格子によるテラヘルツ波の放出の効率化と、疑似位相整合によるテラヘルツ波の強度増大を同時に実現することができる。
7.応用
レーザーパルスの形状が良好なガウシアンビームである場合、光学系5又はレーザー光源4により、中空導波路2の入射端への集光条件を適切に設定することによって、レーザー光を中空導波路中のモードの一つだけと結合させて伝搬させることができる。ここで、「集光条件を適切に設定する」ということは、例えば、ガウシアンの空間形状で自由空間を伝搬するレーザービームの大きさを、導波路で定まるTE11モードに合わせるということである。
自由空間を伝搬するレーザービームは、理想的にはガウシアンの空間形状をもつはずであるが、光学素子の収差等によって、ゆがんだ形状となっていることがある。TE11モードは理想的なガウシアンビームの形状とよく一致しているので、理想的なガウシアンビームは、効率よくTE11モードに結合して導波路を伝搬する。ゆがんだガウシアンビームの場合、レーザービームを効率よくTE11モードに結合させることが出来なくなることがある。
このとき、中空導波路を出射するレーザー光は、内部で発生するテラヘルツ波と同様に良好なビーム形状を保持しているため、出射するテラヘルツ波と同様、有効に利用することが出来る。中空導波路を通過したレーザー光は、導波路中で発生したテラヘルツ波と空間的には同軸に重なっており、時間的にも同期している。
例えば、レーザー光とテラヘルツ波が、中空導波路内でTE11モードとして伝搬している場合、中空導波路から出てくるレーザー光とテラヘルツ波はともに、強度と波面がスムースな指向性の高いビームとなる。
したがって、この特性にもとづき、高強度テラヘルツパルスとフェムト秒レーザーパルスを同時に利用することが出来る。たとえば、単一の凹面鏡で、レーザー光とテラヘルツ波を材料に同時に照射することが可能となる。それにより、例えば、
・高強度のテラヘルツ波が材料にあたえる効果を、フェムト秒レーザーパルスをプローブとして調べる
・フェムト秒レーザーパルスが材料に与える効果を、テラヘルツ波で調べる
という応用が考えられる。
8.具体例
一例として、中空管1、中空導波路2、半導体3及び導電層6について、次のような具体例(材料例、内径外径・長さ等の例)が挙げられるが、これに限定されない。
中空管1:ガラス、内径0.2〜1mm、外径6mm等の絶縁体、絶縁性材料又は半導体
中空導波路2:直径0.2〜1mm
半導体3:GaAs、厚さ50ミクロン
導電層6:金または銀の蒸着膜、厚さ0.1ミクロン程度
また、以下に、一例として、波長1700μm以下のテラヘルツ波を効率的に発生させるための設計例について述べるが、各パラメータはこれに限定されない。中空導波路のカットオフ波長を1700μmとすると、その為には導波管の遮断周波数から内径2aは1mm以上となる。これ以下の内径では1700μmの波長のテラヘルツ波がTE21モードとして導波しなくなる。一方波長1700μmでのTE31モードのカットオフ径は同様に2a=1.660mmである。したがって内径1mmとすると波長1700μm付近のテラヘルツは、TE21モードのみが伝播する。
半導体の材料はプロセス技術が確立しているGaAsとすることができる。図6に示すように中空導波路の中心軸を通る波長1700μmのテラヘルツ波の周波数はほぼ1THzであるのでコヒーレント長が9.6mmと計算され、これに等しい周期dで半導体表面からのテラヘルツ波発生効率を抑制する。この具体例では、さらにエシェレット格子状の微細構造を備える。このように、今までは不可能であった擬似位相整合の考えが導入可能となり強力なテラヘルツ光源の実現が可能である。
パルスレーザーを用いたテラヘルツ波発生において、時間的に短く(即ち、パルス幅が短く)、集光特性の高いテラヘルツ波を効率的に発生できれば、高強度のテラヘルツ波電磁場を物質に加えることが可能となる。特に、可視光に比べて振動数が2〜3桁低いため、テラヘルツ電磁場は持続時間が1ピコ秒程度の準静的な電磁場と考えられる。本発明は、その特性を生かして、分子線・電子線のビーム制御、磁性体の制御、材料加工等、様々な理学的、工業的応用が期待できる。
従来技術によるレーザーを用いたテラヘルツ波発生の説明図。 テラヘルツ波光源の構成図とテラヘルツ波発生の原理図。 中空導波路の断面図。 表面加工によるテラヘルツ放射の導波路モード結合効率の改善についての説明図。 中空導波路中を伝搬できる低次のTEモードの強度分布(上)と電場方向(下)の図。 導波路中でのテラヘルツ波の周波数とレーザーパルス光の間のコヒーレント長の関係図。 疑似位相整合の構成図。 エシェレット構造の説明図。 電源回路図の一例。 テラヘルツ波の発生とコヒーレント長についての説明図。 TE31モード強度分布の説明図。 テラヘルツ波の放射についての説明図。
符号の説明
1 中空管
2 中空導波路
3 半導体
4 レーザー光源
5 光学系
6 導電層
7 直流電源
8 被覆層

Claims (11)

  1. レーザー光を照射してテラヘルツ領域の光を発生させるテラヘルツ光源において、
    レーザー光を導波する中空導波路を形成する中空管と、
    前記中空管の中空導波路の内壁の向かい合う位置の一部に、それぞれ前記中空管の軸方向へ沿って導入された半導体と、
    前記中空管の一端からレーザーパルス光を中空導波路に導入し、前記軸方向に垂直且つ二つの相対する前記半導体を結んだ線に垂直な方向に電圧を印することにより、前記中空導波路にレーザーパルス光を導波しながら前記半導体に双極子を誘起し、双極子から放射されたテラヘルツ波を前記中空管の他端から出力する前記テラヘルツ光源。
  2. 前記中空管の内壁のうち前記半導体が導入されていない部分と、前記半導体の前記中空部に導入された境界面を覆い、向かい合う位置に設けられた1組の導電層をさらに備えた請求項1に記載のテラヘルツ光源。
  3. 前記半導体に直流電界を発生するための電源をさらに備えた請求項1に記載のテラヘルツ光源。
  4. 入射端からフェムト秒レーザーパルス光を前記中空管に導入するためのレーザ光源をさらに備えた請求項1に記載のテラヘルツ光源。
  5. 前記中空管は、中空導波路の断面を、円形又は矩形としたことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ光源。
  6. 前記半導体は、レーザー光が照射されたときに生じる電流の向きを、前記軸方向に垂直且つ二つの相対する前記半導体を結んだ線に垂直な方向に揃え、それによって、前記中空導波路中に、二つの相対する前記半導体の薄膜層を結んだ線に垂直な方向に偏光した直線偏光モードとしてテラヘルツ波を発生することを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ光源。
  7. 前記中空管は、中空管導波路の直径をテラヘルツ波の波長と同程度にすることにより、中空導波路中を伝搬するテラヘルツ波のモードを一つもしくは数個に制限することを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ光源。
  8. 前記半導体は、中空導波路表面に、櫛形構造、三角形状又はエシェレット格子状の微細構造を付加したことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ光源。
  9. 前記半導体は、中空導波路表面に、全反射角を大きくするための屈折率を有する被覆層を付加したことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ光源。
  10. 前記半導体は、前記微細構造又は前記被覆層を、中空導波路のコヒーレント長に等しい周期で光軸方向に周期的に設けたことを特徴とする請求項8又は9に記載のテラヘルツ光源。
  11. 前記中空管に入射されるレーザー光をガウシアンビーム形状のレーザーパルスに設定することによって、前記レーザー光を中空導波路で定まるモードと結合させて伝搬させ、前記中空管の他端から、前記レーザ光を前記中空導波路中で発生したテラヘルツ波とを共に出力することを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ光源。
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