JP2012047595A - テラヘルツ波検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トリガー光の光子エネルギーが光伝導アンテナを構成している半導体基板のバンドギャップエネルギーよりも小さい場合でもテラヘルツ波の検出感度を向上させる。
【解決手段】テラヘルツ波検出装置は、トリガー光が照射されるとキャリアを発生させる基板と、前記基板上に所定のギャップを有するように形成された1対の金属パターンからなり、前記基板にテラヘルツ波が照射されることにより生じる前記キャリアに基づく電流を検出するアンテナと、を備え、前記基板のバンドギャップエネルギーは前記トリガー光の光子エネルギーよりも大きく、前記アンテナの所定のギャップが5μm未満であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】テラヘルツ波検出装置は、トリガー光が照射されるとキャリアを発生させる基板と、前記基板上に所定のギャップを有するように形成された1対の金属パターンからなり、前記基板にテラヘルツ波が照射されることにより生じる前記キャリアに基づく電流を検出するアンテナと、を備え、前記基板のバンドギャップエネルギーは前記トリガー光の光子エネルギーよりも大きく、前記アンテナの所定のギャップが5μm未満であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、テラヘルツ波検出装置に関する。
テラヘルツ波(ミリ波・サブミリ波を含む周波数30GHz〜12THzの電磁波)の特徴として、高い空間分解能を有すること、赤外線や可視光に比べると波長が長いため空間伝搬時の塵や煙、炎などによる散乱が小さいこと、有害物質や有毒ガスなどの吸収スペクトルがサブミリ波帯にあるためこれらの物質を検知可能であること、などが挙げられる。テラヘルツ波は、これまで未開拓領域の電磁波と呼ばれてきたが、工業、医療、バイオ、セキュリティ等の様々な分野での応用が期待されており、テラヘルツ波の発生方法と検出方法について、活発な技術開発が行われている。
テラヘルツ波の発生技術については、バイアス電界を印加した光伝導アンテナに、フェムト秒の光パルスを照射してテラヘルツ波を発生させる方式が広く用いられている。また、半導体表面や半導体微小共振器を用いた発生方法も確立されつつある。そのほかの方法として、非線形光学結晶による差周波発生を利用する方法や、最近ではカスケード型のサブミリ波レーザを用いる方法の報告もある。
一方、テラヘルツ波の検出技術については、ボロメータや焦電センサを用いる熱的な方法、光伝導アンテナを用いた方法、電気光学効果を用いた電気光学サンプリング方法などが挙げられるが、テラヘルツ波の発生技術に比べて開発は遅れている。
図1(A)に、光伝導アンテナによるテラヘルツ波の検出方法を示す。光伝導アンテナは、半導体基板の一方の面上にダイポールアンテナを形成した構成である。ダイポールアンテナには、電流計が接続される。この光伝導アンテナに、基板のダイポールアンテナが形成された面、またはその反対の面側からテラヘルツ波のパルスを入射させる。また、基板のダイポールアンテナが形成された面側から、トリガーとなるフェムト秒の光パルスをダイポールアンテナのギャップに照射する。すると、半導体基板内には光パルスによってキャリアが生成され、このキャリアがテラヘルツ波の振動電場により加速されて、テラヘルツ波の振動電場に比例して瞬時電流が流れる。この瞬時電流を電流計で計測することによって、テラヘルツ波を検出することができる。半導体基板としては、光伝導アンテナが形成される面に250℃程度の低温で結晶成長させたGaAsからなる光伝導膜を有するものが広く用いられている。
M. Tani, K. Lee, and X. C. Zhang, "Detection of terahertz radiation with low-temperature-grown GaAs-based photoconductive antenna using 1.55 um probe", Appl. Phys. Lett. 77, 1396 (2000)
テラヘルツ波の検出に用いるフェムト秒レーザとしては、従来、波長が約0.8μmのモードロックチタンサファイヤレーザが一般的であったが、最近では通信用の1.5μm帯のフェムト秒レーザも開発されており、この1.5μm帯のフェムト秒レーザをテラヘルツ波検出に利用することが検討されている。しかしながら、例えば低温成長GaAsを光伝導膜として1.5μm帯のトリガー光を用いた場合は、テラヘルツ波の検出効率が、トリガー光の波長が0.8μmの場合よりも一桁程度小さいことが報告されている(非特許文献1)。
また、半導体レーザやファイバレーザ等による1μm帯のフェムト秒レーザも開発されているが、テラヘルツ波の検出効率は、1.5μm帯と同様、トリガー光の波長が0.8μmの場合よりも小さいことが知られている。
このように、トリガー光の波長が0.8μmより長波長になるとテラヘルツ波の検出効率が低下するのは、トリガー光の光子エネルギーが光伝導アンテナを構成している半導体基板のバンドギャップエネルギーよりも小さくなることに起因するものである。
また、半導体レーザやファイバレーザ等による1μm帯のフェムト秒レーザも開発されているが、テラヘルツ波の検出効率は、1.5μm帯と同様、トリガー光の波長が0.8μmの場合よりも小さいことが知られている。
このように、トリガー光の波長が0.8μmより長波長になるとテラヘルツ波の検出効率が低下するのは、トリガー光の光子エネルギーが光伝導アンテナを構成している半導体基板のバンドギャップエネルギーよりも小さくなることに起因するものである。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、トリガー光の光子エネルギーが光伝導アンテナを構成している半導体基板のバンドギャップエネルギーよりも小さい場合でもテラヘルツ波の検出感度を向上させることにある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、トリガー光が照射されるとキャリアを発生させる基板と、前記基板上に所定のギャップを有するように形成された1対の金属パターンからなり、前記基板にテラヘルツ波が照射されることにより生じる前記キャリアに基づく電流を検出するアンテナと、を備え、前記基板のバンドギャップエネルギーは前記トリガー光の光子エネルギーよりも大きく、前記アンテナの所定のギャップが5μm未満であることを特徴とするテラヘルツ波検出装置である。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記アンテナの所定のギャップが1μm以上であることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記トリガー光は、波長960nmから1080nmまたは波長1490nmから1640nmであることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記基板はガリウム砒素を含む基板であることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記テラヘルツ波の周波数は、30GHzから12THzであることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記テラヘルツ波の周波数は、300GHzから2THzであることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記トリガー光を集光して前記基板に照射するインライン型の集光手段を備えることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記トリガー光は、波長960nmから1080nmまたは波長1490nmから1640nmであることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記基板はガリウム砒素を含む基板であることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記テラヘルツ波の周波数は、30GHzから12THzであることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記テラヘルツ波の周波数は、300GHzから2THzであることを特徴とする。
また、上記テラヘルツ波検出装置において、前記トリガー光を集光して前記基板に照射するインライン型の集光手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、トリガー光の光子エネルギーが光伝導アンテナを構成している半導体基板のバンドギャップエネルギーよりも小さい場合でもテラヘルツ波の検出感度を向上させることができる。
また、本発明によれば、十分な感度でテラヘルツ波を検出することができる。
また、本発明によれば、多光子吸収による非線形効果を用いることができるため、テラヘルツ波の検出を高効率で行うことができる。
また、本発明によれば、基板にガリウム砒素を用いることで、安価に高速応答性に優れた検出が可能である。
また、本発明によれば、広い周波数範囲のテラヘルツ波の検出が可能である。
また、本発明によれば、テラヘルツ分光等への応用が可能である。
また、本発明によれば、非常に微細な金属パターンであるダイポールアンテナへの異物の混入を防ぎ、短絡等の不具合を防止することができる。また、基板へ照射されるトリガー光の位置ずれを抑制することができ、より安定した検出が可能となる。
また、本発明によれば、十分な感度でテラヘルツ波を検出することができる。
また、本発明によれば、多光子吸収による非線形効果を用いることができるため、テラヘルツ波の検出を高効率で行うことができる。
また、本発明によれば、基板にガリウム砒素を用いることで、安価に高速応答性に優れた検出が可能である。
また、本発明によれば、広い周波数範囲のテラヘルツ波の検出が可能である。
また、本発明によれば、テラヘルツ分光等への応用が可能である。
また、本発明によれば、非常に微細な金属パターンであるダイポールアンテナへの異物の混入を防ぎ、短絡等の不具合を防止することができる。また、基板へ照射されるトリガー光の位置ずれを抑制することができ、より安定した検出が可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態によるテラヘルツ波検出装置1の構成を示す図である。テラヘルツ波検出装置1は、光伝導アンテナ10と電流計20を有する。
図1は、本発明の実施形態によるテラヘルツ波検出装置1の構成を示す図である。テラヘルツ波検出装置1は、光伝導アンテナ10と電流計20を有する。
光伝導アンテナ10は、半導体(GaAs等)基板101の一方の面M1上にダイポールアンテナ102を形成した構成である。ダイポールアンテナ102には、電流計20が接続される。この光伝導アンテナ10に、基板101のダイポールアンテナ102が形成された面M1と反対の面M2側からテラヘルツ波のパルスを入射させる。また、基板101のダイポールアンテナ102が形成された面M1側から、トリガーとなるフェムト秒の光パルスをダイポールアンテナ102のギャップGに照射する。すると、半導体基板101内には光パルスによってキャリアが生成され、このキャリアがテラヘルツ波の振動電場により加速されて、テラヘルツ波の振動電場に比例して瞬時電流が流れる。この瞬時電流を電流計20で計測することによって、テラヘルツ波を検出することができる。
半導体基板101には、温度300℃程度以下で膜成長させたGaAsを用いる。この低温成長GaAs中には過剰のAsが含まれている。そのため、膜中にはAsGa(GaサイトへのAs置換)等の欠陥が多数存在し、これらの欠陥がキャリアの捕獲または再結合中心となることにより、非常に短いキャリア寿命(<0.5ps)を示す。これにより、高速な時間応答性を得ることができる。なお、半導体基板101は、GaAs単体に限らず、光照射によってキャリアを発生させる光伝導性を有するものであればよく、例えば、GaAs等の薄膜(光伝導膜)と他の半導体材料との多層構造で構成されたものであってもよい。
ダイポールアンテナ102は、図1に示されるように、ダイポール長Ld=50μm、電極間のギャップ間隔Lg<5μmである。ここで、ギャップ間隔Lgは電極間の最短距離と定義する。
キャリアを生成するためのトリガー光は、1.5μm帯(1490nm〜1640nm)のフェムト秒パルスレーザ光を用いる。このトリガー光は、不図示のレンズ等の集光手段によって、そのスポットサイズがダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgより少し大きいサイズ(例えば、ギャップ間隔Lgを1.5μmとしたとき、トリガー光のスポットサイズは2.7μmとする。)に集光されて、ダイポールアンテナ102のギャップへ照射される。なお、トリガー光として、1μm帯(960nm〜1080nm)のフェムト秒パルスレーザ光を用いてもよい。
トリガー光を小さなスポットサイズに集光して半導体基板101に照射することにより、テラヘルツ波の検出感度を向上させることができる。すなわち、低温成長GaAsを基板に用いた光伝導アンテナにおいて、トリガー光の波長が1.5μm帯の場合には、テラヘルツ波の検出感度はトリガー光のパワーの約1.4乗に比例する。この非線形性は、GaAsの1.5μm帯の光に対する不純物準位や二光子吸収を介した吸収に起因すると考えられている。よって、トリガー光を小さなスポットサイズに集光して基板中の光パワー密度を高くすることで、テラヘルツ波の検出感度の向上が可能である。
ただし、トリガー光のスポットサイズがダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgよりも小さくなってしまうと、トリガー光によって生成されたキャリアがダイポールアンテナ102の電極付近に存在しないため、テラヘルツ波による電流の検出効率が低下してしまう。そこで、上記のように、トリガー光のスポットサイズはダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgより少し大きいサイズとし、トリガー光のスポットがダイポールアンテナ102の電極とオーバーラップするようにする。これにより、テラヘルツ波の検出感度を大幅に向上させることが可能である。
図2,図3に、波長1.5μmのトリガー光を用いた場合のテラヘルツ波の検出感度を計測した実験結果の例を示す。トリガー光のパワーは図2,図3において9.5mWで共通である。
図2において、横軸はテラヘルツ波の周波数であり、縦軸は計測されたテラヘルツ波の振幅(任意単位)である。図2から、ギャップ間隔Lgを1.5μm、トリガー光のスポットサイズを2.7μmとした場合は、ギャップ間隔Lgを5μm、トリガー光のスポットサイズを5.4μmとした場合に比べて、テラヘルツ波の検出感度は10倍程度向上していることが分かる。
図3において、横軸はダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgであり、縦軸は計測されたテラヘルツ波の振幅である。また、図中の数値はトリガー光のスポットサイズ(単位はμm)を示している。図3から、ダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgを5μmより小さくすることで、テラヘルツ波の振幅すなわちテラヘルツ波の検出感度が向上することが分かる。また、図3からは、トリガー光のスポットサイズはダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgよりもやや大きい方が、テラヘルツ波の検出感度は高いことも分かる。
図4に、半導体基板101の低温成長GaAs膜中におけるテラヘルツ波の強度を計算した結果の例を示す。計算は、低温成長GaAs膜の膜厚を2μm、ダイポールアンテナ102のダイポール長Ldを50μmとし、ギャップ間隔Lg=1μm,2μm,3μmの場合それぞれについて、ダイポールアンテナ102のギャップ中央部(図中の点Pで示す箇所)のテラヘルツ波強度を有限差分時間領域法(FDTD法)で求めた。図の横軸はテラヘルツ波の周波数であり、縦軸はテラヘルツ波の強度をダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgが5μmのときの強度で規格化した相対強度である。図4から、ダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgが2μmの場合に、最大のテラヘルツ波強度が得られることが分かる。なお、図4においてテラヘルツ波強度の周波数依存性は、ダイポールアンテナ102の共振特性に起因するものである。
図2,図3の実験結果からは、ダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgが小さいほどテラヘルツ波の検出感度が高くなることが分かるが、図4の計算結果から、ダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgが2μmより小さくなると低温成長GaAs膜中のテラヘルツ波強度は低下してしまうことが理解される。したがって、ダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgを1μmよりさらに小さくしても、テラヘルツ波の検出感度(図2,図3)を向上させることは困難である。また、トリガー光はフェムト秒パルスであり波長の広がりを持っているため、スポットサイズを1μmより小さくすることは難しい。これらのことから、ダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgを1μm程度とした場合に、テラヘルツ波の検出感度を最大化することが可能である。
また、図4の計算結果によれば、テラヘルツ波の周波数が2THz以上の領域では、ダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgが1μmの場合はギャップ間隔Lgが5μmの場合よりもテラヘルツ波強度が低下する。そのため、ダイポールアンテナ102のギャップ間隔Lgを1μmとした構成では、テラヘルツ波の周波数が2THzより低い領域において、テラヘルツ波の検出感度を従来(ギャップ間隔Lg=5μm)より向上させることが可能である。また、図2によれば、テラヘルツ波のうちサブミリ波の周波数の下限である300GHz付近まで、検出感度の向上の効果が認められる。これらのことから、周波数範囲0.3〜2THzのテラヘルツ波に対して、検出感度の向上が可能である。
なお、テラヘルツ波の周波数が2THz以上の領域においては、トリガー光のパルス幅やプロファイルを調整することにより半導体基板101内に生成されるキャリアの応答速度を高速化することができるため、原理的には周波数40THz以上のテラヘルツ波を検出することが可能である(例えば、S. Kono, M. Tani, P. Gu and K. Sakai: Appl. Phys. Lett. 77, 4104-4106 (2000).,S. Kono, M. Tani, and K. Sakai: Appl. Phys. Lett. 79, 898-900 (2001).,S. Kono , M. Tani and K. Sakai: IEE Proceedings - Optoelectronics, 149, 105 (2002).等を参照)。
なお、テラヘルツ波の周波数が2THz以上の領域においては、トリガー光のパルス幅やプロファイルを調整することにより半導体基板101内に生成されるキャリアの応答速度を高速化することができるため、原理的には周波数40THz以上のテラヘルツ波を検出することが可能である(例えば、S. Kono, M. Tani, P. Gu and K. Sakai: Appl. Phys. Lett. 77, 4104-4106 (2000).,S. Kono, M. Tani, and K. Sakai: Appl. Phys. Lett. 79, 898-900 (2001).,S. Kono , M. Tani and K. Sakai: IEE Proceedings - Optoelectronics, 149, 105 (2002).等を参照)。
図5(A),(B)に、本実施形態によるテラヘルツ波検出装置1の光伝導アンテナ10に適用可能なダイポールアンテナの変形例を示す。同図(A)はボウタイ型、同図(B)はスパイラル型の構成である。なお、これらの構成において、ギャップ間隔Lgは、トリガー光が照射される領域における電極間の最短距離と定義する。なお、光伝導アンテナ10の形状はこの例に限定されず、トリガー光が照射される領域において電極間にギャップを有するものであればよい。例えば、図5(C)に示すような、高周波特性を重視したコプレーナストリップラインでもよい。
図6に、光伝導アンテナ10にテラヘルツ波とトリガー光を照射するための構成例を示す。テラヘルツ波は、集束レンズを介して半導体基板101に照射される。トリガー光は、シングルモード光ファイバ、GRINコリメータレンズ、GRINコンデンサレンズを介して半導体基板101上のダイポールアンテナ102のギャップに照射される。
このように光ファイバ、レンズ、および基板を一体化した構成、すなわち空間系とは異なるインライン型の構成を用いてトリガー光を入射させることで、非常に微細な金属パターンであるダイポールアンテナへの異物の混入を防ぎ、短絡等の不具合を防止することができる。また、基板へ照射されるトリガー光は基板上のミクロンオーダーの微小部分に照射する必要があるため高精度で安定した光学系が要求されるが、本構成のように各部品が接着剤等で強固に固定されることで、基板へ照射されるトリガー光の位置ずれを抑制することができ、より安定した検出が可能となる。
このように光ファイバ、レンズ、および基板を一体化した構成、すなわち空間系とは異なるインライン型の構成を用いてトリガー光を入射させることで、非常に微細な金属パターンであるダイポールアンテナへの異物の混入を防ぎ、短絡等の不具合を防止することができる。また、基板へ照射されるトリガー光は基板上のミクロンオーダーの微小部分に照射する必要があるため高精度で安定した光学系が要求されるが、本構成のように各部品が接着剤等で強固に固定されることで、基板へ照射されるトリガー光の位置ずれを抑制することができ、より安定した検出が可能となる。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
1…テラヘルツ波検出装置 10…光伝導アンテナ 20…電流計 101…半導体基板 102…ダイポールアンテナ
Claims (7)
- トリガー光が照射されるとキャリアを発生させる基板と、
前記基板上に所定のギャップを有するように形成された1対の金属パターンからなり、前記基板にテラヘルツ波が照射されることにより生じる前記キャリアに基づく電流を検出するアンテナと、を備え、
前記基板のバンドギャップエネルギーは前記トリガー光の光子エネルギーよりも大きく、
前記アンテナの所定のギャップが5μm未満である
ことを特徴とするテラヘルツ波検出装置。 - 前記アンテナの所定のギャップが1μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波検出装置。
- 前記トリガー光は、波長960nmから1080nmまたは波長1490nmから1640nmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテラヘルツ波検出装置。
- 前記基板はガリウム砒素を含む基板であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置。
- 前記テラヘルツ波の周波数は、30GHzから12THzであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置。
- 前記テラヘルツ波の周波数は、300GHzから2THzであることを特徴とする請求項5に記載のテラヘルツ波検出装置。
- 前記トリガー光を集光して前記基板に照射するインライン型の集光手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置。
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