JP5881225B2 - オリゴシラン又はポリシランを形成する方法、及び、半導体フィルムを形成する方法 - Google Patents

オリゴシラン又はポリシランを形成する方法、及び、半導体フィルムを形成する方法 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は2011年7月29日に出願された米国特許出願第13/194,472号(代理人整理番号IDR3511)からの優先権を主張する。
本発明は、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを形成するためのシラン(並びに、そのゲルマン及びシラゲルマン対応物)をオリゴマー化及び/又はポリマー化するための方法に関する。本発明はまた、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを含有する組成物、そのようなポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンから半導体薄膜を形成する方法、そのような方法によって形成される半導体薄膜、及び、そのような薄膜を含む構造物に関する。
ペルヒドロポリシラン(perhydropolysilane)は、塗布技術及び印刷技術を使用して電子機器中の半導体フィルムを形成する物質として研究及び追跡されてきた。様々なペルヒドロポリシランを形成するために、アリールシランの脱水素カップリングとそれに続くペルヒドロポリシランへの転換、及びペルヒドロシランモノマーのポリマー化等、様々な方法が発展してきた。プリント電子機器への応用にオリゴシラン又はポリシランを使用することは、非常に大きな利点がある。その理由は、低価格で高性能のシリコンデバイスを形成するための様々な溶液堆積法において有用なインクを、これらの組成物によって調製できるためである。しかしながら、ポリシランを形成するためのシラン(例えばシクロペンタシラン、Si10)のポリマー化に可能性のあるモノマーは、市販されておらず、形成が困難であり(特に大規模には)、そのため高価で製造に時間を要し、及び/又は製造が非効率的である。
従って、市販されている(ヒドロ)シランを、経済的で容易に、且つ、高収率及び高純度でポリシランに転換することの可能な触媒及び触媒反応過程が必要とされている。さらに、市販されている多くのシラン前駆体は、炭素含有基(例えばアルキル、アリール、等)を有している。その結果、そのようなシラン前駆体からのポリシランを含有するインクによって形成されたフィルム中には、容認できないほど高いレベルの炭素不純物が存在してしまう。また、オリゴシラン及びポリシランは、金属をベースとする触媒を使用して調製することができるが、このような触媒は、所望の生成物を汚染しかねず、及び/又は、金属不純物を除去するために、比較的長い又は非効率的な精製ステップが必要となり得る。市販されている出発物質を利用して、経済的で有用なポリシランを製造するためのプロセスが望まれている。
この20年以上にわたって、N−ヘテロ環状カルベン(NHC)類が、有機金属化学における重要な配位子となってきた。今日までに合成されたNHC配位子には様々なものがあり、その調製の容易さと独特の特性(一般的に電子リッチであり、高い立体的要請を有し得る)とが相まって、様々な用途に対して魅力的なものとなっている。その使用の有名な例として、ルテニウム触媒メタセシス、遷移金属触媒クロスカップリング、及び、通常ではない有機金属錯体類の安定化が含まれる。
本発明の1つの側面においては、(ペルヒドロ)シラン及び/又は(ペルヒドロ)シクロシランのポリマー化の効率的な触媒作用のために、N−ヘテロ環状カルベン(NHC)類が使用される。シランのポリマー化に使用されるNHC触媒は、ヘテロ環のリングに様々な有機置換基を有するN−ヘテロ環状カルベン類(例えば、N,N−ジアリール及びN,N−ジアルキルイミダゾリニリデン化合物、N,N−ジアルキル及びN,N−ジアリールイミダゾリリデン化合物、N,N−ジアルキル及びN,N−ジアリール二環式イミダゾリニリデン及びイミダゾリリデン化合物、等)であってよい。別の側面においては、触媒はNHC−金属錯体であって、遷移金属(例えばAg、Cu、Au、Pd、Rh、Ru、Pt、又はNi)に結合した1つ又は2つのNHC配位子を含んでよい。NHC触媒は、不均一又は均一のどちらかであるシランのオリゴマー化及び/又はポリマー化に使用することができる。いくつかのNHC−金属錯体類は市販されており(つまり、Strem又はSigma-Aldrich, Inc.から直接購入することが可能であり、例えば図1の錯体1参照)、他のものは、市販される物質から調製することができる。これらの触媒は様々な形で調製することが可能であるが、一般的には、NHC又はNHC前駆体を対応する遷移金属塩と混ぜることによって調製することができる。
本発明のまたさらに別の側面においては、ランタノイド金属の塩、化合物、及び錯体類が、ポリシラン合成用の活性な脱水素カップリング触媒である。本発明は、低原子価のランタノイド化合物を、ポリシランの均一な又は不均一な合成用の触媒又はプレ触媒として使用することを含む。モノシラン及びモノゲルマン、並びに、10個まで又はそれ以上のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子の鎖(分岐型及び/又は環状型であってもよい)を有するシラン出発物質をポリマー化するために、ランタノイド金属化合物を使用することができる。本方法の1つの実施例は、合成が困難及び/又は時間の掛かりかねない従来のランタノイドヒドリド及びアルキルランタノイド触媒前駆体よりも、低原子価のランタノイド化合物を触媒又はプレ触媒として使用する。
本発明の目的は、オリゴシラン又はポリシランを形成する方法を提供することであり、この方法は、式Aで表されるシラン化合物(例えば、式A2a+2のペルヒドロシラン及び/又は式c−A2mのペルヒドロシクロシラン)と、N−ヘテロ環状カルベン、N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体、ランタノイド金属化合物、又は、これらの支持された誘導体とを混合させてオリゴシラン又はポリシランを形成する段階、及び、オリゴシラン又はポリシランから触媒を除去する段階を備える。ここでそれぞれのAは独立にSi又はGeであり、n(又はa)は少なくとも1(例えば1から10まで、好ましくは1から5まで)である整数であり、mは4から12までの整数であり、nが奇数の場合j+kはn+1から2n+2までの整数であり、nが偶数の場合j+kはnから2n+2までの整数であり、jは少なくとも2である整数であり、0であってもよいkは、n、j、及び、原子A上に得られる結合サイトの数及び/又は原子Aの骨格中の環状リングの数によって定義され、それぞれのRは独立にアリール基、ハロゲン原子、又は擬ハロゲン化物である。いくつかの実施例においては、オリゴシラン又はポリシランを形成するべく、式A2a+2−bで表される化合物及び/又は式c−Apm rmで表される化合物と、N−ヘテロ環状カルベン、N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体、ランタノイド金属化合物、又はこれらの支持された誘導体とを混合させることにより、オリゴシラン又はポリシランが形成されてよい。ここでA、a、及びmは上記と同じであり、それぞれのR及びRはそれぞれ独立にアリール、置換されたアリール、ハロゲン、又は擬ハロゲン化物であり、bは0から2aまでであり、pは1又は2であり、rは2−pである。Rがアリールである場合には、この方法は、アリール基をハロゲン又は擬ハロゲン化物によって置換する段階をさらに備えてよい。また、Rがハロゲン又は擬ハロゲン化物である場合には、この方法は、水素供給源を用いてハロゲン又は擬ハロゲン化物を還元する段階をさらに備えてよい。
本発明の他の目的は、式−[(A2a]−、及び/又は、−(c−A(2m−2)−で定義される1つ以上のブロックを含むポリシランを提供することである。ここで、それぞれのAは独立にSi又はGeであり、aは1から100までの整数であり、mは4から8までの整数であり、q=0の場合はn×a≧15であり、n=0の場合はq≧3であり、n≠0且つq≠0の場合はn≧2且つq≧1である。
本発明のさらなる目的は、本質的に(i)水素と、(ii)シリコン及び/又はゲルマニウムとから成り、少なくとも1つの他のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子に結合されるシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子を15から10,000まで、100,000まで、又は1,000,000まで有するか、もしくは、15から1,000まで、10,000まで、又は100,000までの範囲のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子の平均鎖長を有する、オリゴシラン又はポリシランを含む組成物を提供することである。いずれの場合も、生成されるオリゴシラン及び/又はポリシランは、直鎖型でも、分岐型でも、クロスリンクしていてもよく、本質的にランダムに、直鎖型及び/又は環状のブロック、セクション、あるいは鎖を含んでよい。
本発明の他の目的は、上記のオリゴシラン又はポリシラン(例えば、上記の方法の1つ以上により形成されてよい)と溶媒とを含むインク組成物を提供することである。インク組成物は、組成物を塗布又は印刷して(任意で、同時又は直ちに続けての化学線照射を伴う)ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンフィルムを形成した後、次いでキュア処理を行い、パーセントで0.1よりも大きくない炭素含有量を有するアモルファス性の水素化された半導体フィルムを形成する。他の実施例においては、インク組成物中のオリゴシラン又はポリシランは、10、15、又は25のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子から、10,000、100,000、又は1,000,000のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子までの全体の長さを有する、1つ以上の共有結合鎖を含んでよい。
本発明のさらに別の目的は、上述のオリゴシラン又はポリシランを含有するインク組成物から半導体フィルムを形成する方法を提供することである。この方法は、(1)基板上にインク組成物を塗布又は印刷する段階であって、任意で同時及び/又は直ちに続けて化学線照射する段階と、(2)アモルファス性の水素化された半導体フィルムを形成するように、塗布された又は印刷された組成物を十分に加熱する段階と、任意で、(3)少なくとも部分的に結晶化して、及び/又は、アモルファス性の水素化された半導体フィルムの水素含有量を低減して半導体フィルムを形成するために、アモルファス性の水素化された半導体フィルムを十分にアニーリングする段階及び/又は照射する段階と、を備える。
シランのポリマー化に使用することのできる、市販されるN−ヘテロ環状カルベン−金属錯体類の例を示す図である。
シランのポリマー化に使用することのできる、既知の安定なN−ヘテロ環状シリレン類及びN−ヘテロ環状シリレン−金属錯体の例を示す図である。
支持媒体としてのシリカに付着させたN−ヘテロ環状パラジウム錯体を合成するための典型的なスキームの手順を示す図である。
本方法の1つの実施例に従って、N−ヘテロ環状カルベン−パラジウム錯体を触媒として使用して形成されたポリシラン生成物のゲル浸透クロマトグラフ(GPC)である。
ここからは、発明の様々な実施例を詳細に参照する。その例は、添付の図面に例示される。本発明を様々な実施例に関連して説明するが、これらの実施例に発明を限定することを意図したものでないことが理解されるであろう。それどころか、発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される発明の精神及び範囲内に含まれてよい代替手段、変更、及び等価物もその範囲に含むことを意図している。さらに、以下の開示においては、発明に対する完全な理解をもたらすために、多くの具体的な詳細が提供されている。しかしながら、これらの具体的な詳細が無くとも、当業者であれば本発明を実施することができることは明らかであろう。その他の場合においては、本発明の側面を不必要にぼやけさせることを避けるべく、既知の方法、手順、部品、及び回路は詳細には記載されていない。
簡便性及び単純化のために、"結合された"、"接続された"、及び"通信する"(並びにそれらの変形形態)という用語は、そうでないことが明確に文脈中に示されない限り、直接的又は間接的な結合、接続、又は通信を意味するものである。これらの用語は、ここでは通常、互いに入れ換え可能に使用される。そのような用語の1つが使用される場合はいつでも、そうでないことが明確に文脈中に示されない限り、その他の用語もまた包含するものである。本開示においては、"堆積"という用語(及びそれらの文法上の変形形態)は、ブランケット堆積(例えばCVD及びPVD)を含めた全ての形態の堆積、塗布、及び印刷を包含することを意図している。さらに、特定の物質に関して"本質的に成る"という表現は、意図的に添加されたドーパントを排除するものではない。ドーパントが添加される物質(又は、そのような物質から形成される要素もしくは構造)に対して、特定の望ましい(そして、全く違う可能性のある)物理的及び/又は電気的特性をドーパントが与えてよい。"オリゴシラン"及び"ポリシラン"という用語は、本質的に(1)シリコン及び/又はゲルマニウムと(2)水素とから成り、少なくとも15個のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子を有する種を主として含む化合物もしくは化合物の混合物を意味する。そのような種は1つ以上の環状リングを含んでよい。"(シクロ)シラン"という用語は、本質的に(1)15個よりも少ないシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子と(2)水素とから成り、1つ以上の環状リングを含む化合物もしくは化合物の混合物を意味する。
また、構造又は構成の"主要な面"とは、構造又は構成の最も大きな軸によって少なくとも部分的に定義される面である。(例えば、もしも構造が円形であって、その厚さよりも大きな半径を有する場合、半径方向の面が構造の主要な面である。しかし構造が正方形、長方形、又は楕円形の場合には、構造の主要な面は、通常、一般的には長さ及び幅である2つの最も大きな軸によって定義される面である。)"上の"及び"上に"等の用語は、1つの構成(例えば層又はフィルム)が他の構成に直接位置する又は直接接触するような2つの構成間の関係について言及するものである。あるいは、1つ以上の中間に介在する構成(例えば層又はフィルム)が、2つの構成の間に存在してもよい。
ここでの(例えば、本方法の1つ以上によって生成された)ポリシラン、ポリゲルマン、及びポリシラゲルマンは、本発明によるポリシラン、ポリゲルマン、及びポリシラゲルマンの1つ以上を含む組成物を塗布又は印刷(例えばインクジェット印刷)することによって無機半導体薄膜を形成するために、高い分子量、低い揮発性、高い純度、及び、優れた物理的特性(例えば、溶解性、粘度等)を有する。ここでのポリシランは、半導体デバイス(例えばトランジスタ、キャパシタ、ダイオード等)、及び、様々な基板上に半導体デバイスを含んだ回路を形成するのに他に無いほど適している。様々な基板としては、これらに限定されるものではないが、(例えば石英、ホウケイ酸ガラス等の)ガラスシート、ウェハ又は小片、プラスチック製及び/又は金属製のホイル又はスラブ(例えば、ポリイミド製又はポリエチレン製のシート、又は、ステンレス鋼、あるいは、アルミホイル)、シリコンウェハ等を含み、これらはいずれも、1つ以上の付加的な層(例えば、1つ以上の誘電層、バッファ層、平坦化層、及び/又は機械的支持層)をその上に備えてよい。こうしたフィルム及びデバイス(及び、それらから形成されるこのような基板上の製品)に対する用途としては、これらに限定するものではないが、ディスプレイ(例えば、フラットパネル、プラズマ、LCD、有機又は無機LED等)、RF及び/又はRFIDデバイス、EASデバイス、いわゆる"スマート"タグ(料金所タグのような高周波デバイス)、センサ、MEMSデバイス、及び太陽電池が含まれる。
本発明の方法は、直鎖型及び/又は分岐型のヒドロシラン及び環状ヒドロシラン(例えば、それぞれ一般式Si2a+2又はSi2mである)の制御されたポリマー化及び/又はオリゴマー化を可能にする。典型的な出発物質としては、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、ペンタシラン(Si12)、ヘキサシラン(Si14)、ヘプタシラン(Si16)等のペルヒドロシラン、及び、シクロペンタシラン(Si10)、シクロヘキサシラン(Si12)、シリルシクロペンタシラン(HSi−Si)等のシクロヒドロシランが含まれ、高純度、正確な厚さ制御、良好な表面滑らかさ、一貫した密度、及び/又は良好なパターン忠実度(例えば、パターン中の基板上にフィルムが印刷される、あるいはそうでなければ堆積される場合に、堆積されたインクがその中に印刷されるパターンを実質的に保持する)を有するシリコン薄膜を形成するための前駆体として使用される、溶解性のペルヒドロポリシラン含有物質を生成する。少なくとも4個のSi原子及び/又はGe原子を有するペルヒドロシランは、直鎖型でも分岐型でもよい。
式A2a+2−b及び/又は式c−Apm rmで表される化合物に本方法を適用して、ポリシランを形成することができる。ここでA、a、及びmは上述の通りであり、それぞれのR及びRは独立なアリール、置換されたアリール、ハロゲン、又は擬ハロゲン化物であり、bは0から2aまでの整数であり、pは1又は2であり、p+r=2である。好ましいアリールシラン出発化合物においては、R及びRはフェニル、トリル、メシチル、又はナフチル(特にフェニル又はトリル)である。
低い揮発性及び高い分子量、純度、溶解性及び/又は粘度を有するオリゴシラン又はポリシラン(例えば、ペルヒドロオリゴシラン及び/又はペルヒドロポリシラン)は、薄膜トランジスタ、ダイオード、キャパシタ等の電子デバイス中の導体層、半導体層、又は誘電体層を形成するために適しており、また、ディスプレイ、集積回路(IC)、マイクロマシンシステム(MEMS)、センサ、無線周波数(RF)タグ、太陽電池等の用途に適している。本発明の方法に従って、オリゴシラン及び/又はポリシランを形成するためにアリールシラン前駆体が使用される場合、アリール基は、一般的にポリマー化の後に除去される。従って、(例えば、式ArSiHの)アリールシランがモノマーとして使用される実施例においては、(例えば、式H−[ArSiH]−H及び/又はシクロ−[ArSiH]の)オリゴアリールシラン及び/又はポリアリールシラン生成物を、(i)ハロゲン源並びに(任意で)ルイス酸と、又は(ii)トリフルオロメタンスルホン酸(HOTf)と反応させて、ポリハロシランを形成する。(本方法によってハロシランモノマーから生成することもできる)ポリハロシラン中のハロゲン原子は、還元プロセス(例えば、ポリハロシランを、LiAlHのような水素源と反応させること)によって除去することができる。従って、アリール置換及びハロゲン置換されたシランを本手順を用いてポリマー化及び/又はオリゴマー化することも考えられる。また、本方法に従って形成されるポリアリールシラン及びポリハロシランを(例えばハロゲン化及び/又は還元によって)転換して、高分子量、低揮発性、高純度、高溶解性、及び/又は高粘度のペルヒドロポリシランを提供することも考えられる。(ハロゲン化及び/還元については、それぞれ2004年2月27日、2005年10月6日、及び2007年10月4日に出願された、米国特許出願第10/789,317号明細書、米国特許出願第11/246,014号明細書、及び米国特許出願第11/867,587号明細書(それぞれ代理人整理番号IDR0020、IDR0422、及びIDR0884)を参照のこと。それらの開示の関連する部分を参照により本願に組み込む。)
N−ヘテロ環状カルベン及びN−ヘテロ環状カルベン−金属錯体類を触媒として使用するシランカップリング
本発明の1つの側面においては、低分子量のシラン(例えば、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、これらの混合物、等)のようなペルヒドロシランのポリマー化に効果的な触媒作用を与えるために、NHC類及びNHC−金属錯体類が使用される。ペルヒドロシランとN−ヘテロ環状カルベン類との触媒作用によるポリマー化反応は再現可能であり、反応生成物の分子量を良好に制御することができる。シランのポリマー化に使用されるNHC触媒は、(例えば5員環又は6員環の飽和又は不飽和ヘテロ環状リングであって、イミダゾール−2−イリデンのようにN原子が1位及び3位にあるか、又は、N原子が1位にあり、O原子もしくはS原子が3位にあるような)ヘテロ環状リング上に様々な有機置換基を有するN−ヘテロ環状カルベン類であってよい。他の実施例においては、触媒は、遷移金属(例えば、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、又はHg、特にAg、Cu、Au、Pd、Rh、Ru、Pt、又はNi)に結合した1つ以上のNHC配位子から成り、NHC−金属錯体を形成する。これらのNHC−金属錯体類は、ここで記載するように、シランのポリマー化に触媒として機能させるべく、単独で使用することもできるし、独立したNHCと組み合わせて使用することもできる。さらに、NHC類を不均一触媒法に使用してもよい。特に、NHC又はNHC−金属錯体は、担体上(例えば、シリカ、アルミナ、炭素、ポリマー等上)に固定されることが可能であり、これにより、触媒からシランインク(例えば図3及び対応する以下の記載を参照)へと不純物が導入されることを低減する又は防止することができる。
一般的に、オリゴシラン又はポリシランを形成する1つの方法は、式A2a+2のシラン化合物及び/又は式A2mのシクロシラン化合物と、NHC触媒(例えば、ビス(1,3−ジアリール)イミダゾリニリデン化合物、ビス(1,3−ジアルキル)イミダゾリニリデン化合物、又はビス(1,3−ジアラルキル)イミダゾリニリデン化合物)及び/又はNHC−金属錯体とを混合してオリゴシラン又はポリシランを形成する段階と、オリゴシラン又はポリシランから触媒を除去する段階とを含む。ここでそれぞれのAは独立にSi又はGeであり、aは少なくとも1(例えば1から12まで、好ましくは1から5まで)の整数であり、mは4から12まで(好ましくは4から6まで)の整数である。aが相対的に大きな例(例えば少なくとも5である整数)においては、この方法によって、オリゴシラン又はポリシランが触媒によってクロスリンクされ、より大きなオリゴシラン又はポリシランを形成することができる。他の実施例においては、直鎖型、分岐型、及び/又は環状型のポリシラン(例えば、A2a、A、及び/又はシクロ−A2m−2ユニットが繰り返されたブロックを含んだポリシラン)であって、12個よりも大きな数のA原子(例えば13から500個までのA原子、50から150個までのA原子、又は、その中の任意の値もしくは値の範囲)を含むポリシラン間のポリマー化反応に対して触媒作用を及ぼし、さらにもっと大きなポリシランを形成するために、NHC及び/又はNHC−金属錯体を使用してよい。ここで開示する方法において触媒として使用することのできるNHC類の例としては、1,3−ジフェニルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−o−トリルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−o,o'−キシリルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジメチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジエチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジイソプロピルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジイソブチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−t−ブチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−t−ブチル−4,5−ジヒドロ1H−イミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス(1−アダマンタニル)イミダゾール−2−イリデン、N,N'−(2,4,6−トリメチルフェニル)ジヒドロイミダゾール−2−イリデン、N,N'−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ジヒドロイミダゾール−2−イリデン、及び、これらの誘導体が含まれる。
NHC及びNHC−金属錯体触媒を使用することの1つの大きな利点は、これらが、Si10(例えば、n−テトラシラン、イソテトラシラン、又は、1:100から100:1まで(例えば75:25)のモル比を有してよいn−テトラシランとイソテトラシランとの混合物)、Si、又は可能性としてSi及びSiHのような小さな直鎖型のシランをポリマー化できる点である。これらのモノマーのうちのいくつかは市販されている(例えば、トリシラン(Si)は、Sigma-Aldrich, Inc.を介してSAFC Hitechから入手可能であり(CAS番号7783−26−8)、また、電子グレードのトリシラン及びテトラシラン(Si10、CAS番号7783−29−1)を製造しているVoltaixから入手可能である)。従って、(例えば、オリゴシラン又はポリシランインクを基板上に印刷又は塗布してシリコンフィルムを形成する等)液体シラン組成物を用いることにより、(例えば、シリコン及び/又はゲルマニウムのようなIVA族元素を含み、酸化されて誘電性フィルムを形成できる、又は、高濃度にドープされて導電性フィルムを形成できるような)無機導電性フィルム、半導体フィルム、又は誘電性フィルムを形成するために必要なコストと時間を簡略化及び低減できる。(c−Si10のような)環状シランは市販されておらず、また、形成すること及び電子グレード品質まで精製することが一般的に困難なので、本発明の方法は、比較的低分子量のシランからポリシラン物質へのルートであって、より安価で、他の方法に比べてより純度の高い可能性のある物質を製造するルートを提供するものである。さらに本方法は、(i)生成物の分子量分布のより良好な制御、及び、(ii)他のポリマー化法に比べて遥かに広い分子量の範囲を提供することができる。また、より大きな安定性(そのままで、及び/又は溶液中で)、より長い保存期間(例えば、様々な温度及び/又はその他の保存条件において)、及び、改善された溶解性を有するオリゴシラン及び/又はポリシランを提供することができる。NHC及びNHC金属錯体触媒は、完全に水素化されたシランを効果的にポリマー化できるので、ポリマー性の物質をポリヒドロシランに転換するための追加的な段階(例えば、後重合又は後還元)が不要になる。これによって、特に金属、炭素、酸素、及びその他の不純物である汚染物が系に導入される機会を最小限にし、工業化を目的とした、より大きな製造量に至るまでの良好な拡張可能性を有する、単純化されたプロセスを提供する。
ここに記載されるNHC及びNHC−金属錯体触媒は、比較的小さな分子量のシランのポリマー化に触媒作用を及ぼすために、様々な広い反応条件下で使用することができる。NHC及びNHC−金属錯体触媒は、液相及び気相のシランのどちらもポリマー化することができる。さらに、NHC及びNHC−金属錯体触媒は、標準的な条件(例えば、室温及び1気圧)において、又は高圧あるいは減圧条件、及び/又は高温又は低温条件において、比較的低分子量のシランをポリマー化することができる。例えば、NHC触媒を使用して、ジシランの沸点(−14℃)よりも低い温度で、1気圧もしくはそれ以上の圧力において、ジシランをポリマー化することができる。
(NHC類が金属との錯体ではない)NHC触媒の使用もまた、NHC類が金属を有さない触媒であり、金属汚染物が最終生成物に混入される可能性を避けられるので、ポリシランの製造にとって有利である。NHC触媒を使用する方法は、極めて低いレベルの金属不純物が要求される用途(例えばソーラー用途)におけるポリシラン、及び/又は無機導電性フィルム、半導体フィルム、及び誘電性フィルムを提供することができる。
さらに、NHC又はNHC−金属錯体類は、生成するポリシランに触媒不純物を混入させずにポリマー化することを容易にするために、担体上(例えばシリカ、アルミナ、炭素、ポリマー等上)に固定することが可能である(例えば図3参照)。実質的に、全てのNHC又はNHC−金属錯体(例えば、図3に示されるPd錯体16)は、図3に示すプロセスによって担体(例えばSiO層)上に固定されてよい。例えば、1−メチル−1,3−イミダゾール(参照番号10)のようなN−アルキルイミダゾールを、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン(参照番号11)のようなハロアルキルトリアルコキシシランと反応させて、(トリアルコキシシリル)アルキルイミダゾリウム塩(例えば参照番号1)を形成することができる。次いで塩基性試薬又は銀試薬(例えばAgOの銀塩)によって12を活性化し、続いて、ビス(アセトニトリル)パラジウムジクロリド(参照番号13)のような遷移金属に(例えば混合物中又は溶液中での攪拌によって)移動させることにより、トリアルコキシシリル−NHC−遷移金属錯体(例えば図3の参照番号14)を形成する。トリアルコキシシリル−NHC−遷移金属錯体を、活性化されたシリカと直接反応させて、支持されたトリアルコキシシリル−NHC−遷移金属錯体(例えば参照番号16)を形成してよい。NHC−遷移金属錯体の基本的な構造に影響を及ぼさない限りにおいては、任意で、活性化剤及び/又は触媒(例えば酢酸又はトルエンスルホン酸アンモニウムのような弱酸及び/又は緩衝された酸)を用いてもよい。しかしながら、NHC又はNHC−金属錯体類と担体との間の反応が完全ではないために、少量のNHC又はNHC−金属錯体が、担体に対して完全には、あるいは十分には結合しない場合がある。例えば、NHC又はNHC−金属錯体類に付加されている種12及び/又は14中のSi(OMe)"リンカー"基は、担体物質との反応効率が100%を示さないことがあり得、基板との結合反応後でもSi−O−Me基の1つ又は2つが残り得る。また、NHC−金属錯体は、リンカー基を含有するNHC配位子を1つしか含まないこともある。しかしながら、リンカー基を含有する単一のNHC配位子でも、一般的には、NHC−金属錯体を基板又は担体に固着するのに実質的に十分である。炭素をベースとするNHC触媒が担体(例えば参照番号16の化合物中)に固着されているので、一般的にこれらの触媒は、反応混合物中に浸出しないか、もしくは反応混合物を汚染しない。参照番号16のように固着されたNHC触媒はまた、濾過、あるいは、その他の機械的な手段(例えば傾瀉、遠心分離等)によって、反応混合物から簡単に除去される。従って、担体によって支持されたNHC及びNHC−金属錯体触媒は、最終ポリシラン生成物における金属汚染物又は炭素汚染物を最小限にするシランポリマー化触媒に向けた、一般的な基盤を提供するものである。
不均一触媒中での使用に向けた、基板上に支持されたNHC又はNHC−金属錯体触媒の使用は、さらに大きな経済的利点をももたらす。これらの支持された触媒は、モノシラン、ジシラン、又はトリシランのように非常に小さな分子量のシランを、気相中において、任意で高圧下(例えば、少なくとも5又は10気圧から、15、20、又は30気圧まで)又は加圧滅菌条件下で、支持された触媒上に通すことを含むプロセス中で有利に使用することができる。液相及び/又は低揮発性のポリシランが、このような反応の生成物として回収される。高温及び/又は減圧下の気相中において支持された触媒上に通すことにより、より高い分子量のシランモノマー(例えば、テトラシラン、ペンタシラン等)もポリマー化されてよい。もちろん、支持されたNHC触媒は、シランモノマー、オリゴマー、及び、液相中の相対的にさらに小さなポリマーを(例えば室温、又は高温において)ポリマー化するために使用されてもよい。
非常に最近になって、NHC類とトリクロロシラン(HSiCl)との反応が、(NHC)HClの抽出下で、対応するモノマー性のシリレン類(例えばSiCl;Ghadwal等、Angew. Chem. 2009, 121, 5793-5796)を産出することが示された。ジクロロシリレンはまた、対応するNHC−SiCl ClをKCによって還元することにより得ることができる(同書)。ジクロロシリレンの場合、(例えばNHC中の一重項カルベンによる)その強いシグマドナー特性のために、NHCはまた安定化配位子としても作用する。これらの特徴により、シランポリマー化の触媒としてNHC類及びNHC−金属錯体類を使用することは、後重合化学(例えば、ポリフェニルシランの脱フェニル化)が関与する、及び/又は、炭素及び/又はその他の不純物を含有する配位子をポリシラン中に導入しかねない有機金属触媒が関与するその他のシランポリマー化方法に対する効果的な代替手段となる。対応するジクロロゲルミレン及びジブロモゲルミレンは既知である(Sidiropoulos等、Angew. Chem. Int. Ed., 2009, 48, 9701-9704、Filippou等、Angew. Chem., 2009, 121, 5797-5800)。
NHC類は、Ge、B、P、及びSi二重結合を有する化合物を安定化することができる。(例えば、Wang等、Science, vol. 321, August 22, 2008;Sidiropoulos等、Angew. Chem. Int. Ed., 2009, 48, 9701-9704を参照のこと。両者の関連する部分を参照により本出願に組み込む。)従って、本発明のさらなる実施例においては、元素(又は、Dがホウ素の場合はH原子)上に孤立電子対を持ったさらに低い原子価のA=A結合又はD=D結合を有する化合物をNHC類は安定化させる。ここで、AはSi又はGeであり,DはP、As、Sb、又はBである。(例えば、式[NHC][A]、[NHC][D]、又は、[NHC][HB=BH]の化合物である。)そのような前駆体は、溶解性のSi、Geとして、又はSi、Geの堆積用のドーパント源として、あるいは水素含有率の低い、又は水素を含有しないSi及び/又はGeフィルムとして、特に興味を持たれている。Dがホウ素以外の場合には、A原子又はD原子に水素が付随していないので、レーザ結晶化によって多結晶性の半導体フィルムを形成するための脱水素化キュアが必要無い。もちろんNHCは、薄膜のキュアの間に、分解することなく、A種及び/又はD種から解離して、きれいに除去されるべきである。
以下において、NHC及びNHC−金属触媒を用いてペルヒドロシラン(例えばトリシラン、テトラシラン、シクロペンタシラン等)をポリマー化する方法を記載する。これらの新たなNHCをベースとする触媒は、非常に活性であり、それらの合成は単純で再現性がある。NHCをベースとする触媒を使用したポリマー化により、炭素汚染及び金属汚染の小さなオリゴシラン及びポリシランを製造するための、より効率的な手段を提供することができる。これらのオリゴシラン及びポリシランは、電子デバイスにおいてシリコンフィルム及びゲルマニウムフィルムを堆積及び形成するための新たなシラン前駆体インクに使用することができる。
本方法の1つの実施例においては、出発物のシラン化合物は、NHC触媒又はNHC−金属錯体と混合される。触媒は、シラン/ゲルマンモノマーの1モル当たり0.001−10mmolの触媒量で、又は、その中の値の任意の範囲の触媒量で、シランモノマー又はゲルマニウムモノマーと混合されてよい。あるいは、モノマーのSi原子及び/又はGe原子100−1,000,000個当たり、1個のNHC分子又は金属原子の比率で(例えば、0.0001から1までの原子百分率、又は、それらのうちの任意の値、もしくはそれらの値の任意の範囲で)触媒は存在してよい。
NHC触媒は、イミダゾール−2−イリデン、イミダゾリン−2−イリデン、ベンズイミダゾール−2−イリデン、又はその他のアリールイミダゾール−2−イリデン、トリアゾリリデン、チアゾリリデン、アリールチアゾリリデン(例えば、ベンゾチアゾリリデン)、ピロリジニリデン、アリールジヒドロピリミジニリデン(例えば、1,8−ナフタジイルジヒドロピリミジニリデン)、又はテトラヒドロピリミジニリデンであってよい。それらはいずれも、以下に示す基の1つ以上によって置換されていてもよい。C−Cアルキル(1つ以上のハロゲン、C−Cアルコキシ基、ジ−C−Cアルキルアミノ基、C−Cアルキルチオ基、又はC−C10アリールチオ基によって置換されていてもよい);C−Cシクロアルキル(1つ以上のハロゲン、C−Cアルキル基、又はC−Cハロアルキル基によって置換されていてもよい);C−C12アリール(1つ以上のC−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、ハロゲン、擬ハロゲン化物、C−Cアルコキシ基、ジ−C−C−アルキルアミノ基、C−Cアルキルチオ基、又はC−C10アリールチオ基によって置換されていてもよい);C−C13アラルキル(1つ以上のC−Cアルキル基、ハロゲン、C−Cアルコキシ基、又はジ−C−C−アルキルアミノ基によって置換されていてもよい);ハロゲン又は擬ハロゲン化物;C−Cアルコキシ(1つ以上のC−Cアルコキシ基、又はC−Cアルコキシ−C−Cアルキレンオキシ基によって置換されていてもよい);又は、アダマンチル基、ジ−C−C−アルキルアミノ基、ジ−C−C12−アリールアミノ基、C−Cアルキルチオ基、又はC−C12アリールチオ基である。例えば、NHC触媒は、1,3−二置換イミダゾリリデン、1,3−二置換イミダゾリニリデン、1,3−二置換ベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−二置換トリアゾリリデン、N−置換チアゾリリデン、1,3,3−三置換ピロリジニリデン、又は、1,3−二置換テトラヒドロピリミジニリデンであってよい。ここに開示する方法において触媒として使用することのできるNHC類の例としては、1,3−ジアリールイミダゾリン−2−イリデン類(例えば、1,3−ジフェニルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス[2,6−ジイソプロピルフェニル]イミダゾリン−2−イリデン等)、1,3−ジアラルキルイミダゾリン−2−イリデン類(例えば、1,3−ジベンジルイミダゾリン−2−イリデン)、1,3−ジアリールイミダゾール−2−イリデン類(例えば、1,3−ジフェニルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス[2,6−ジイソプロピルフェニル]−イミダゾール−2−イリデン等)、1,3−ジアルキルイミダゾール−2−イリデン類(例えば、1,3−ジイソプロピルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ−t−ブチルイミダゾール−2−イリデン等)、1,3−ビス(1−アダマンタニル)−イミダゾール−2−イリデン、1,3−ジアルキルイミダゾリン−2−イリデン類(例えば、1,3−ジ−t−ブチルイミダゾリン−2−イリデン)、及び、それらの誘導体が含まれる。
他の実施例においては、触媒は、遷移金属と錯体を形成したNHCであってよい。NHC−金属錯体は、(上述したように)1つ又は2つのNHC類と、Ag、Cu、Au、Pd、Rh、Ru、Pt、及びNiから成る群から選択される1つの遷移金属とを含むことができる。いくつかのNHC−金属錯体類は市販されている(例えば、図1の化合物1、2、及び3は、マサチューセッツ州NewburyportのStrem Chemicals, Inc.から市販されている)。類似のPd NHC触媒は、ミズーリ州St. LouisのSigma Aldrichから市販されている(例えば、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン(1,4−ナフトキノン)パラジウム(0)ダイマー、アリル[1,3−ビス(メシチル)イミダゾール−2−イリデン]パラジウムクロリド、及び、アリル[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−イミダゾール−2−イリデン]パラジウム(II)クロリド)。他のNHC−貴金属触媒、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン(アセトニトリル)金(I)テトラフルオロホウ酸塩、がStrem Chemicals, Inc.より市販されている。他のNHC−金属触媒は、市販されているNHC類から調製することができる。例えば、NHC−金属錯体類は、NHCを遷移金属塩と反応させることによって調製できる。1つの例においては、NHCは、式MXで表される金属化合物と反応させてよい。ここでMはAg、Cu、Au、Pd、Rh、Pt、又はNi等の遷移金属であり、yは1、2、又は3であり、それぞれのXは独立にハロゲン、擬ハロゲン化物、又は置換されたもしくは置換されていないC−Cアルコキシ、C−Cアラルコキシ、ジ−C−C12−アリールアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−Cアルキルチオ、又は、C−C12アリールチオである。これにより、式[M(NHC)y'で表されるNHC−金属錯体が生成される。ここで、xは1又は2であり、y'は1又は2であり、zは1又は2である(図1の例を参照のこと)。
本方法のさらなる側面においては、触媒はN−ヘテロ環状シリレン(NHS)又はN−ヘテロ環状ゲルミレン(NHG)である。N−ヘテロ環状シリレン類は、一般的に室温で安定である。その結果、ここに記載されるN−ヘテロ環状カルベン類の実質的にあらゆるシリレン類似物又はゲルミレン類似物が形成及び使用可能である。例えばNHS触媒は、イミダゾール−2−シリレン、イミダゾリン−2−シリレン、ベンズイミダゾール−2−シリレン、又はその他のアリールイミダゾール−2−シリレン、トリアゾールシリレン、チアゾールシリレン、アリールチアゾールシリレン(例えば、ベンゾチアゾールシリレン)、ピロリジンシリレン、アリールジヒドロピリミジン−シリレン(例えば、1,8−ナフタジイルジヒドロピリミジンシリレン)、又はテトラヒドロピリミジンシリレンであってよい。それらはいずれも、以下に示す基の1つ以上によって置換されていてもよい。C−Cアルキル(1つ以上のハロゲン、C−Cアルコキシ基、ジ−C−Cアルキルアミノ基、C−Cアルキルチオ基、又はC−C10アリールチオ基によって置換されていてもよい);C−Cシクロアルキル(1つ以上のハロゲン、C−Cアルキル基、又はC−Cハロアルキル基によって置換されていてもよい);C−C12アリール(1つ以上のC−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、ハロゲン、擬ハロゲン化物、C−Cアルコキシ基、ジ−C−C−アルキルアミノ基、C−Cアルキルチオ基、又はC−C10アリールチオ基によって置換されていてもよい);C−C13アラルキル(1つ以上のC−Cアルキル基、ハロゲン、C−Cアルコキシ基、又はジ−C−C−アルキルアミノ基によって置換されていてもよい);ハロゲン又は擬ハロゲン化物;C−Cアルコキシ(1つ以上のC−Cアルコキシ基、又はC−Cアルコキシ−C−Cアルキレンオキシ基によって置換されていてもよい);又は、アダマンチル基、ジ−C−C−アルキルアミノ基、ジ−C−C12−アリールアミノ基、C−Cアルキルチオ基、又はC−C12アリールチオ基である。NHS触媒は、様々な例において、1,3−二置換イミダゾール−2−シリレン、1,3−二置換イミダゾリン−2−シリレン、1,3−二置換ベンズイミダゾール−2−シリレン、1,3−二置換トリアゾールシリレン、N−置換チアゾールシリレン、1,3,3−三置換ピロリジンシリレン、又は、1,3−二置換テトラヒドロピリミジンシリレンであってよい。ここに開示される方法において触媒として使用することのできるN−ヘテロ環状シリレン類の特定の例が図2に示されており、1,3−ジ−t−ブチルイミダゾール−2−シリレン(参照番号4)、1,3−ジ−t−ブチルイミダゾリン−2−シリレン(参照番号5)、及び、6員環種(参照番号6)を含んでよい。
同様に、本方法における触媒はまた、N−ヘテロ環状シリレン(NHS)又はN−ヘテロ環状ゲルミレン(NHG)の遷移金属錯体であってもよい。NHS−遷移金属錯体類も、一般的に室温で安定である。その結果、ここに記載されるNHC−金属錯体類の実質的にあらゆるシリレン類似物又はゲルミレン類似物が形成及び使用可能である。ここに開示される方法において触媒として使用することのできるN−ヘテロ環状シリレン−遷移金属錯体の特定の例が図2に示されており、ビス−(1,3−ジ−t−ブチルイミダゾール−2−シリレン)ビス−(トリフェニルホスフィン)ジパラジウム(参照番号7)を含んでよい。
別の実施例においては、NHC及びNHC−金属錯体触媒は、シリカ、アルミナ、ケイ酸塩、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩(例えばゼオライト)、炭素、ポリマーゲル又はポリマービーズ、あるいは、その他の固定相上に支持されてよい。固定支持体に触媒を結合させることにより、より効率的にポリシラン生成物から触媒を除去することが可能になる。支持体に結合された触媒は、ポリマー化を実行した後で、ポリシラン溶液から容易に濾過して除くことができるし(以下の濾過プロセスの議論参照)、あるいは、その他の機械的な手段(例えば傾瀉、遠心分離等)によって除去することもできる。その結果、支持された触媒を使用することによって、生成するポリシランの純度を一層高めることができる。
ポリマー化に先立って、触媒が支持体(例えばシリカ、アルミナ、ケイ酸塩、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、又はその他の固定相)に付着されている実施例においては、触媒は、支持体の0.001mmol/mgから0.5mmol/mgまでの量で支持体上に充填されてよい。例えば、NHC−金属触媒は、1mgのシリカ当たり0.04から0.1mmolまでのNHC又は金属を与える比率でシリカに付着させられてよい。
好ましい実施例においては、シランモノマー化合物は式A2a+2を有する。ここで、それぞれのAは独立にSi又はGeであり(好ましい実施例においてはAはSi)、aは好ましくは1から12まで、特に1から5までの整数である。好ましい実施例においては、シランモノマーは、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、又はペンタシラン(Si12)であってよい。また、テトラシラン及び/又はペンタシランは、直鎖型シラン(つまりHSi−SiH−SiH−SiH)、分岐型シラン(つまりHSi[SiH)、又は、直鎖型シラン及び分岐型シランの混合物であってよい。1つの実施例においては、直鎖型テトラシランと分岐型テトラシランの混合物は、1:100から100:1までの直鎖型:分岐型の比、又は、その中の値の任意の範囲を取ることができる。ペンタシランは、ネオペンタシラン([SiHSi)であってよく、ニュージャージー州BranchburgのVoltaixから市販されている(少量のトリシラン及びテトラシランを不純物として含み得る)。
ある実施例においては、シランモノマーは、さらに式c−A2bを有するシクロシランを含む。特にここでは、AはSiであり、bは4から8までであり、特にbは5である(つまりシクロペンタシラン[c−Si10])。少量のシクロシランモノマー(例えば、直鎖型及び/又は分岐型のシランモノマーの量に対して0.1−10mol%)は、開環機構によってシランのポリマー化の開始を促進することができると考えられている(例えば、孤立した又は遷移金属から解離した後のNHCがSi−Si結合を開裂させてよい)。また、開環したシクロシランは、直鎖型及び/又は分岐型のシランモノマーと比較的容易に反応して、Si−Si結合を形成する、及び/又は、水素を引き抜くことができる。
他の好ましい実施例においては、一般式Sia'2a'+2、Sia'2a'、又はSia'H2a'−pで表される直鎖型、環状型、分岐型、及び/又は架橋型のシランが、本方法によって、さらに架橋化、オリゴマー化、及び/又はポリマー化されてよい。ここで、a'は10、15、20まで、又はそれ以上の整数であり、pはa'よりも大きくはない偶数である。そのような実施例においては、直鎖型、環状型、分岐型、及び/又は架橋型のシランを、本方法によって、又は、米国特許出願第11/246,014号明細書もしくは11/867,587号明細書(それぞれ、代理人整理番号IDR0422[2005年10月6日出願]及びIDR0884[2007年10月4日出願])に記載される方法によって調製することができる。これらの関連する部分を参照により本願に組み込む。
別の実施例においては、式A2a+2−b及び/又は式c−Apm rmで表される化合物が、N−ヘテロ環状カルベン類、N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体類、ランタノイド金属の塩、化合物、及び錯体類、並びに、そのような触媒の支持された誘導体から選択される触媒によってポリマー化されてよく、ポリ(アリール)シラン又はポリ(ハロ)シランを形成する。ここで、それぞれのAは独立にSi又はGeであり、aは少なくとも1(例えば1から10まで)であり、bは0から2aまで(好ましくは0からaまで)であり、それぞれのR及びRは独立にアリール、置換されたアリール、ハロゲン、又は擬ハロゲン化物であり、mは3から12まで(好ましくは4から8まで)の整数であり、pは1又は2であり、p+rは2である。好ましいアリールシラン出発化合物は、式Aa+2−b'b'の化合物を含み、b'は1からaまでであり、Rはフェニル、トリル、メシチル、又はナフチル(特にフェニル又はトリル)である。
さらなる実施例においては、12個よりも多くのA原子(例えば、13から500個までのA原子、50から150個までのA原子、又は、これらの中の任意の値、もしくはこれらの中の値の任意の範囲)を有する直鎖型、分岐型、及び/又は環状型ポリシラン(例えばA2a、A、及び/又はシクロ−A2m−2の単位が繰り返されるブロックを含むポリシラン)の間のポリマー化反応に触媒作用を及ぼし、より一層大きなポリシランを形成するために、NHC及び/又はNHC−金属錯体が使用されてよい。
実質的に炭素汚染物質の無いオリゴシラン又はポリシランは、電子デバイス中の半導体層を形成するのに適している。本方法に従ってアリールシランモノマーを使用してオリゴシラン及び/又はポリシランを形成する場合、アリール基は、好ましくはポリマー化反応後に除去される。従って、モノマーとしてアリールシランが使用される実施例においては、オリゴアリールシラン及び/又はポリアリールシラン生成物を(i)ハロゲン源及び(任意で)ルイス酸、又は、(ii)トリフルオロメタンスルホン酸(HOTf)と反応させて、ポリハロシランを形成させる。ルイス酸触媒下のハロゲン化(例えば、シクロヘキサンのような不活性有機溶媒中におけるHCl及びAlClによるポリアリールシランの処理又は反応)の手順は、主として、米国特許第7,485,691号明細書及び米国特許第7,498,015号明細書に記載されており、これらの関連部分を参照により本願に組み込む。しかしながら、この手順の典型的な変形例としては、オリゴクロロシラン及び/又はポリクロロシランを形成するために、オリゴアリールシラン及び/又はポリアリールシランとルイス酸との溶液に、HXガス(例えばドライHCl)を30分から約6時間までの間バブリングすることによるハロゲン化(例えば塩素化)と、金属水素化物還元剤(これらに限定するものではないが、水素化アルミニウムリチウム[LAH]及び水素化ジイソブチルアルミニウム[DIBAL]を含む)を用いて、約1時間から約16時間まで(例えば一晩)の間還元することを含む。他の典型的な金属水素化物還元剤は、米国特許第7,314,513号明細書、米国特許第7,485,691号明細書、米国特許第7,498,015号明細書、及び米国特許第7,674,926号明細書に開示されており、これらの関連部分を参照により本願に組み込む。また、試薬添加の手順は、好ましくは、不活性有機溶媒(例えばドライジエチルエーテル)中の金属水素化物(例えばLAH)の溶液を、オリゴクロロシラン及び/又はポリクロロシランの撹拌された溶液中に添加することを含む。ワークアップは、概して、米国特許第7,314,513号明細書、米国特許第7,485,691号明細書、米国特許第7,498,015号明細書、及び米国特許第7,674,926号明細書に記載されており、これらの関連部分を参照により本願に組み込む。
さらなる実施例においては、ポリマー化混合物は、1つ以上のドーパント種をさらに含んでもよい。ドーパント種としては、好ましくは、シリコン及び/又はゲルマニウム、水素、及びB、Ga、P、As、Sb等のようなドーパント原子を含有する(又は本質的にこれらから成る)化合物を含んでよい。例えば、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを形成する本方法における使用に特に適したドーパント種としては、式D(A2x+1(例えばD(AH)の化合物を含む。ここでDは、B、Ga、P、As、及びSbから成る群から選択され、AはSi又はGeであり、それぞれのxは独立な1から4までの整数である。他の種は、式AH(DH(例えばA(DH)の化合物を含む。A及びDはここに記載した通りであり、(y+z)=4である。
本方法の1つの実施例においては、シラン化合物とNHC又はNHC−金属錯体とを混合し、(例えばここに記載したような)オリゴシラン又はポリシランを形成するのに十分な長さの時間反応が行われる。ここでのポリマー化反応は、一般的に大気温(例えば、加熱又は冷却が適用されず、約15から30℃未満まで、又はその中の値の任意の範囲)において実行される。しかしながら、シラン化合物と触媒とを混合し、少なくとも約−196℃(例えば、液体窒素の温度)、約−78℃(例えば、ドライアイスバスの温度)、又は0℃(例えば、氷の温度)から、大気温又はより高い温度(例えば、[もしもポリマー化が未希釈の状態で行われる場合は]シランモノマーの沸点まで、又は、溶媒の沸点までであってデカリンの場合は約187−196℃)まで、あるいは、これらの温度のうちの任意の範囲の温度において反応させてもよいことが予測される。あるいは、300−500℃までの温度で反応が行われてもよい。(例えば、シラン[SiH]又はジシラン[Si]といった気相のシランモノマーの場合である。この場合、反応が行われる圧力は、>1気圧であってよい。)他の箇所にて記載するように、高められた圧力及び/又は温度もまた、気相及び液相/凝縮相の両者において、ジシランよりも高い分子量を有するシラン(例えばペルヒドロシラン)のポリマー化に対して有利となり得る。
一般的に、反応が溶媒中で、溶媒混合物中で、又は、追加の溶媒無しで行われる場合、反応時間は少なくとも1秒、1分、10分、又は1時間であってよい。例えば、5分から96時間まで、10分から24時間まで、30分から8時間まで、又は、これらの値の任意の範囲の時間長にわたって反応が行われてよい。NHC又はNHC−金属錯体触媒とシラン(例えばトリシラン[Si]、テトラシラン[Si10]、シクロペンタシラン[Si10]、その他のペルヒドロシラン及びヒドロシラン)との組み合わせの多くに対して、15−30℃の温度における30分から2時間までの反応時間は、大部分(例えば、少なくとも60%、70%、又は80%)のモノマーを消費するのに十分であり、また、オリゴシラン又はポリシランの平均分子量(例えば、重量平均分子量又は数平均分子量だが、好ましくは、シリコン原子の平均の数として表される)を少なくとも100%、200%、もしくはそれ以上増加させるのに十分であり、及び/又は、有機溶媒(例えばC−C10シクロアルカン溶媒)中のポリシラン生成物1−40wt%から本質的に成るインクの粘度を増加させるのに十分である。このポリマー化反応に適した溶媒及び溶媒混合物は、一般的に非極性有機溶媒を含む。非極性有機溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロオクタン、及びデカリンといったC−C10アルカン及びC−C10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、及びテトラリンといったC−C10アレーン、ジエチルエーテル及びメチルt−ブチルエーテルといったC−Cジアルキルエーテル等、及び、これらの混合物がある。あるいは、反応が気相中で行われる場合(例えば、シランモノマーが1から2個のSi原子及び/又はGe原子を有するシランを含む場合)、あるいは、より高い分子量のシランを十分に揮発させることができる条件下(例えば、真空中、高い温度等)で反応が行われる場合、気相の反応物を触媒上に通すための全体の時間は比較的長いとしても、気相のシランモノマーと触媒との間の接触時間はかなり短くてよい。
1つの実施例においては、オリゴシラン又はポリシランから触媒を除去することは、ポリマー化反応混合物を濾過して触媒を除去することを含む。1つの実施例においては、濾過することは、反応混合物を吸着剤パッド又は吸着剤床に通すことを含む。これに適した吸着剤としては、クロマトグラフィー用ゲル、又は、実質的にオリゴシラン又はポリシランと反応しない、細かく分割されたシリコン及び/又はアルミニウムの酸化物(ケイ酸塩、アルミン酸塩、及び/又はアルミノケイ酸塩を含む)を含む。好ましい吸着剤はセライトである。他の実施例においては、濾過することは、反応混合物を、0.45μmよりも小さな(例えば、0.2μm、もしくはその中又はそれよりも小さなその他の値の)細孔径を有するPTFEメンブレンフィルタに通すこと、もしくは、金属除去及び/又は精製フィルタ及び/又は樹脂に通すことを含む。さらなる実施例においては、オリゴシラン及び/又はポリシランを、傾瀉、遠心分離等の機械的な方法によって反応混合物から除去してもよい。例えば、オリゴシラン及び/又はポリシランは、遠心分離によって触媒から分離され、続いて個別の容器に傾瀉されてよい。次いで触媒を洗浄、乾燥、再活性化、及び再利用して、その後のポリマー化反応に使用してもよい。
ポリマー化された時点で、(例えば、分子量分布、1つ以上の不純物原子の同定及び/又は含有量等を決定するために)ポリマー(又はポリマー混合物)の特性を調べてよい。ポリマーの微細構造的特徴を確立するための特性評価技術は、質量分光法(例えば、FAB−MS又はESI−MS)、ガスクロマトグラフィ及び/又はゲル浸透クロマトグラフィ、核磁気分光法(例えばH及び/又は29Si)、(例えば、キュアによってアモルファスシリコンに転換された後の堆積されたポリシランフィルムの)SIMS解析等を含んでよい。
ランタノイド金属触媒を用いた、シランの脱水素カップリング
ランタノイド化合物は、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンの合成に対して、非常に活性な脱水素カップリング触媒であると考えられている。残念なことに、(ヒドリド及び/又はアルキル配位子を含有する)既知の触媒は、合成が困難である、及び/又は、合成に時間を要する。ランタノイドヒドリド及びアルキルランタノイド触媒を使用する代わりに、本発明は、低原子価のランタノイド化合物(例えば、比較的低い酸化状態(例えば+2)及び/又は(例えば、ランタノイド金属原子当り2又は3よりも大きくない)比較的小さな配位子数を有するランタノイド塩又はランタノイド化合物)を用いて、ポリシランの均一合成に対する触媒として作用させることを含んでよい。低原子価のランタノイド錯体類は、酸化−還元化学を利用して、シランのポリマー化に対する活性サイトを生成するランタノイド金属−Si結合を形成するものと考えられている。比較的安定な酸化還元対(例えばCe、Pr)及び比較的小さな配位子数を有する任意のランタノイド化合物又は錯体が本方法に適したものであってよいが、これらの反応における駆動力は、ランタノイド金属(例えばYb、Sm、Tm、Nd、Eu、又はDy)に対するLn(II)からLn(III)への酸化還元カップリングであると考えられている。直鎖型、分岐型、及び/又は環状型シラン及び/又はゲルマニウム化合物は、ランタノイド金属化合物及びランタノイド金属−配位子錯体類を触媒として使用するポリシランの合成に対するモノマーとして作用することができる。
例えば、ランタノイド塩及び/又は化合物(例えばTmI)及びランタノイド錯体類(例えばCpSm又はCp Sm)は、低分子量シラン(例えばトリシラン又はテトラシラン)及びシクロシラン(例えばシクロペンタシラン)のポリマー化及び/又はオリゴマー化に対して、NHC及びNHC−金属触媒と同様な様式で触媒作用を及ぼすことができる。一般的に、この方法によってポリマー化及び/又はオリゴマー化されることのできるシランモノマーは、本願の他の箇所にて記載されたものを含む。この方法は、(シクロ)シランモノマー間のシリコン−シリコン結合の形成を含み、水素ガス及び/又は揮発性のシランを放出してよい。一般的に、このポリマー化反応は、NHC又はNHC−金属錯体を触媒として作用させるポリマー化によって形成されたポリシランと同様な又は同一のポリシランを形成する。一般的に、本方法によって形成されたオリゴシラン及び/又はポリシランは、非極性溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロオクタン、及びデカリンといったC−C10アルカン及びC−C10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、テトラリンといったC−C10アレーン、ジエチルエーテル及びメチルt−ブチルエーテル等のC−Cジアルキルエーテル、及びこれらの混合物)に可溶である。
ランタノイドをベースとする触媒は二価の化合物であってよく、配位子又は活性化因子を含んでも含まなくてもよい。例えば、Tm、Dy、及びNdのいくつかのランタノイド塩/化合物は、例えばTmI、DyI、及びNdIのように、配位子又は活性化因子を含まなくてよい。ランタノイド錯体類は、ランタノイド金属(例えばYb、Sm、Tm、Nd、Eu、Dy等)と1つ以上の配位子とを含む二価の化合物を含んでよい。配位子としては、シクロペンタジエン、置換されたシクロペンタジエン(例えば、ペンタメチル−シクロペンタジエン(Cp))、ペンタジエニル(1から5個までのアルキル基、又は1から5個までのシリル基もしくはトリアルキルシリル基によって置換されていてよい)、アリル(1から5個までのアルキル基、又は1から3個までのシリル基もしくはトリアルキルシリル基によって置換されていてよい)、又はピリミジノン(例えば、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU))等である。
さらに、ランタノイド金属触媒は、シランインクに触媒不純物を取り込まないようなポリマー化を容易にするために、担体上(例えば、ケイ酸塩、アルミナ、炭素、ポリマービーズ、又はポリマーゲル上等)に固定されてもよい。ランタノイド金属触媒は、1つ以上の適切な配位子を介して担体に固着されているので、一般的に反応混合物に浸出しない、あるいは、反応混合物を汚染しない。シランの不均一触媒において、基板上に支持されたランタノイド金属触媒を使用することはまた、経済的に大きな利点をももたらす。これらの支持された触媒は、任意で高圧下(例えば、少なくとも5又は10気圧で、15、20、あるいは30気圧まで)又は加圧滅菌条件下で、支持された触媒上で気相のモノシラン、ジシラン、又はトリシラン等の小さなシランモノマーをポリマー化するために使用することができる。そのような反応から、液相のポリシランが生成物として回収されてよい。より高い分子量のシランモノマーもまた、気相中において支持された触媒上にこれらを通すことにより、又は、液相中において温度を上げた状態及び/又は減圧状態にて、支持された触媒にこれらを接触させることにより、ポリマー化されてよい。さらに、固体に支持されたランタノイド金属触媒は、最終ポリシラン生成物における金属汚染を最小限にするシランポリマー化触媒に向けた一般的な基盤を提供する。
1−5個までのシリコン原子又はゲルマニウム原子を有するシランがモノマーとして使用されるいくつかの実施例においては、Cp Sm、TmI、DyI、及びNdIといった、より反応性の高い二価のランタノイド化合物の1つを触媒として使用してよい。その理由は、これらの化合物が、小さなシラン(例えばトリシラン、テトラシラン等であり、テトラシラン又はより大きなペルヒドロシランモノマーの場合は、直鎖型、環状型、及び/又は分岐型であってよい)のポリマー化に対してより高い効率で触媒作用を及ぼすことができるからである。1−5個までのシリコン原子又はゲルマニウム原子を有するシランがモノマーとして使用される他の実施例においては、直鎖型又は分岐型のシラン及びランタノイド触媒とともに、少量のシクロペンタシランが反応混合物中に含まれてもよい。
別の実施例においては、式A2a+2−b及び/又はc−Apm rmのシラン化合物が、ランタノイド金属化合物(又は、それらの支持された誘導体)によりポリマー化されてよく、ポリ(アリール)シラン又はポリ(ハロ)シランを形成し、本願の他の箇所にて記載するように、次いで(もし存在するのであれば)アリール基を除去し、ハロゲン/擬ハロゲン化物基を還元する。さらなる実施例においては、ここに記載されるように、出発物質は1つ以上のドーパント種を任意で含んでよい。(ドーパント種は、例えば、式D(A2x+1又はAH(DHの化合物であって、A及びDはここに記載する通りであり、xは1から4までの整数であり、(y+z)=4である。)反応は、上記したNHC−及び/又はNHC−金属錯体触媒によるポリマー化に対する条件と一般的に同じ条件を含んでよく、結果として、ドープされたオリゴシラン及び/又はポリシランが形成される。
ここでの均一及び/又は不均一ポリマー化方法の全てにおいて、反応の間に発生した水素ガス及び/又は揮発性のシランガスは、不活性ガス流(例えば、窒素、アルゴン等)を用いて、又は動的な真空を介して、又は液相−気相界面面積を増大させて水素除去速度の増加を促進することによって、あるいはその他の既知の方法によって、連続的に除去されてよい。また、いくつかの場合においては、オリゴシラン又はポリシランの分子量(例えば、重量平均分子量又は数平均分子量)を増加させ続けるため、オリゴシラン又はポリシランの溶液の粘度を増加させるため、又は、より多くのモノマーを消費するために、初期の反応期間(例えば、約1秒、1分、又は1時間から、全反応時間の約50%まで)の完了後に、新鮮な触媒を添加することが有利になり得る。
均一ランタノイド触媒は、水洗によって反応生成物から容易に除去され得る。(米国特許第7,498,015号明細書を参照。その関連部分を参照により本願に組み込む。)ポリシランをアルカリ条件にさらすことは、制御不能なSi−Si結合の切断とポリマー化につながりかねないので、避けるべきである。(好ましくは中性又は脱イオン化された水を用いた)水性の洗浄が実行される場合に、シラン化合物に対する最小限の化学的影響が実現されてよい。ポリシラン(又は反応混合物)に対する水の比率は、10:1から1:10までの範囲内であり、より好ましくは5:1から1:5までの間であり、さらに好ましくは約2:1である。水性相から分離した後、モレキュラーシーブに接触させる等の通常の乾燥法を使用してポリシラン溶液を乾燥させる。好ましくは、モレキュラーシーブは、(例えば、Aldrich Chemical Co.から市販されている)4Åタイプのビーズを含む。一般的にポリシランは温度及び光に敏感であるので、いかなる不要な異性化又はより高い分子量成分の生成をさらに避けるために、濾過の後は、低温、好ましくは0℃よりも低い温度で、且つ、光及びUV保護(例えば、暗い小ビン中に保存する、又はアルミホイルで包む)を用いて保存される。
あるいは、フロリジル(登録商標)のような吸着剤を通す濾過によって触媒を反応混合物から除去してよい。又は、触媒が不均一な場合、あるいは、傾瀉、遠心分離、濾過といった機械的な手法によって均一な触媒を沈殿させた後で、溶媒を(もし存在する場合には)蒸発させて透明なオイル状の物質又はゲル様の物質を得てもよい。触媒の種類及び配位子の選択、反応時間及び温度等の反応条件を変化させてよいが、一般的には、NHC−及びNHC−金属錯体触媒によるポリマー化に対して上記した通りである。圧力、触媒の充填量、及び溶媒といったその他の反応条件の変更により、(シクロ)シランの長鎖状のオリゴマー及びポリマーの生成を制御することができる。
フロリジル(登録商標)又はセライト(登録商標)のような吸着剤を通して濾過するのに加え、あるいは濾過する代わりに、金属ベースの塩、化合物、又は錯体触媒を金属捕捉カラムによって除去してもよい。金属捕捉カラムは、チオール基及び/又はチオ尿素基のような固定された配位子機能性、又は、触媒中の金属に結合するための高い親和力を有する機能性を含む。他の実施例においては、ポリシラン生成物の単離及び/又は触媒の回収を容易にするために、シリカ、アルミナ、又はポリスチレンビーズ等の固定されたゲル又はポリマー相上に触媒が支持されてもよい。従って、触媒は、支持体又はその他の基板に固定及び/又は固着されてよい。そして、そのような触媒を生成物(例えばポリシラン)から除去することは、固定された及び/又は固着された触媒を濾過すること又は遠心分離すること、及び/又はポリシランを傾瀉することを含んでよい。あるいは、ポリシランから触媒を除去することは、チオール基又はチオ尿酸基を有するカラムを使用した触媒の固相抽出を含んでよい。さらに他の1つの実施例においては、ポリシランから触媒を除去することは、水性相中における水溶性のチオールによって、ポリシランを含む有機相から触媒を抽出することを含む。オリゴシラン及び/又はポリシラン生成物からひとたび触媒が分離されると、その後のポリマー化反応に使用するべく、触媒は続いて洗浄、乾燥、再活性化、及び、再利用されてよい。
さらに、(トリシラン、テトラシラン、シクロペンタシラン、又はその他のモノマーのような)未反応のモノマーを反応混合物から除去及び/又は回収し、その後の反応に使用すること(又は再利用すること)が可能である。ランタノイド金属−触媒によるポリマー化、NHC−及びNHC−金属錯体触媒によるポリマー化を含む様々な実施例において、未反応のモノマーを除去及び/又は回収することは、未反応のモノマーを蒸発させること、及び、蒸発させた未反応のモノマーを、比較的低い温度(例えば、−196℃のコールドトラップ中、−78℃のコールドフィンガ上、等)で捕捉することを含む。NHC−及びNHC−金属錯体をベースとした触媒に対して上記したような溶媒、ドーパント種等のその他の反応条件、及び、特性評価法又は特性評価技術が使用され、変更され、及び/又は最適化されてよい。
オリゴシラン/ポリシラン混合物から低分子量(MW)シランを除去する典型的な方法
ポリシランの粗反応混合物に対する典型的な反応ワークアップは、好ましくはドライボックス(グローブボックス)中での、シクロヘキサンによる希釈、それに続く濾過及び穏やかな溶媒の除去(例えば、家庭用真空のような比較的低い真空によって、つまり、例えば10、20、又は30Torrよりも大きい、あるいはその中の任意の値の真空による)を含む。しかしながら、少量のモノマー又は相対的に不要な任意のオリゴマー(例えば、鎖長が10個以下の原子数であるSi及び/又はGeを有するシラン)を保持することは、より鎖長の長い成分のポリシランを容易に溶解させる点で有利になり得るものの、そのように比較的低い真空は、残留モノマー又はそうしたオリゴマーを必ずしも全て除去するものではない。
過剰なシランモノマー又は低分子量オリゴマーは、(例えば、≦1Torr、500mTorr、200mTorr、50mTorr、又はこれらのうちの任意の値であり、1、2、又は5mTorrのように、10個又はそれ以下のSi原子数を有するオリゴマーの量を著しく低減できる値までの)高真空を約2時間又はそれ以上適用することにより除去されてよい。このようにして、反応混合物中に残存するシランモノマーの量は、(重量で)10%、8%、又は5%未満まで低減されてよい。しかしながらいくつかの実施例においては、10個又はそれ以下のSi原子数を有するオリゴマーをオリゴシラン/ポリシラン混合物中に少なくとも1wt%、2wt%、又はそれ以上保つことが有益なことがある。(例えば、続いて形成されるインク中において、より高い分子量のポリヒドロシランの溶解性を増大するため。)特定の印刷表面及びその表面エネルギー次第では、(例えば、150℃又は200℃未満の沸点を有する)揮発性のシランを、重量で5又は10%よりも多く含有する組成物が好ましいことがある。
代表的なポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン
本発明の他の側面は、シリコン、ゲルマニウム、及び水素に関して90%よりも大きな原子純度(つまり、ポリシラン中の原子の90%よりも大きな分がSi又はHのどちらかである)を有するポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを含む。特に、ここでのオリゴシラン及び/又はポリシランは、シリコン、ゲルマニウム、及び水素に関して、少なくとも95%、少なくとも99%、又は、その中の任意の値の原子純度を有してよい。式Si2n+2及び/又はシクロ−Si2mのシランモノマーからポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンが形成される1つの実施例においては、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンは、シリコン及び水素に関して99%よりも大きな原子純度を有してよい(つまり、ポリシラン中の原子の99%よりも大きな分がSi又はHのどちらかである)。好ましくは、そのようなオリゴシラン及び/又はポリシランは、シリコン及び水素に関して、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、又は>99%である任意の値の原子純度を有する。
好ましいポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン組成物は、本質的に(i)水素と(ii)シリコン及び/又はゲルマニウムとから成り、15から10,000、100,000、又は1,000,000までのシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子、あるいは、15から1,000、10,000、又は100,000までの範囲のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子の平均鎖長を有する。ここでのポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン組成物によって、非常に高い純度レベル、精密な厚さ制御、良好な表面滑らかさ、一貫性のある密度、及び/又は、高いパターン忠実度を有する、塗布又は印刷された薄い導電性フィルム、半導体フィルム、又は誘電性フィルムが形成可能なことは注目に値する。従って、ここでの組成物のいくつかの実施例においては、組成物を塗布及び/又は印刷(任意で、同時又は直ちに続けての化学線照射を伴う)してオリゴシラン又はポリシランフィルムを形成した後、次いでキュアによってアモルファス性の水素化された半導体フィルムを形成する。このアモルファス性の水素化された半導体フィルムは、パーセントで0.1よりも大きくない炭素含有量を有してよい。さらなる実施例においては、薄い半導体フィルムの炭素含有量は、パーセントで0.05、0.02、又は0.01よりも大きくはない。さらなる実施例においては、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン組成物から形成されるフィルムは、1ppmよりも大きくない遷移金属含有量、好ましくは0.1ppmよりも大きくはなく、より好ましくは0.02ppmよりも大きくない遷移金属含有量を有する。またさらなる実施例においては、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン組成物から形成されるフィルムは、パーセントで<0.05の酸素含有量、及び/又は100ppmよりも大きくない窒素含有量を有する。
他の実施例においては、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンは、通常は、少なくとも1つ又は2つの他のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子に共有結合されたシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子を、15から10,000、100,000、又は1,000,000まで有してよい。さらなる実施例においては、分子量(分子量分布、又は、重量平均分子量もしくは数平均分子量であってよい)は、少なくとも約1000g/molであり、好ましくは少なくとも約1500g/molである。さらなる実施例においては、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンは、約15から約10,000までのシリコン単位及び/又はゲルマニウム単位、好ましくは、約15から約1000までのシリコン単位及び/又はゲルマニウム単位の鎖長(鎖長分布又は平均鎖長であってよい)を有してよい。例えば、組成物は、溶解性のオリゴシラン及び/又はポリシランの混合物を含んでよいし、あるいは本質的にこの混合物から成るものであってよい。それぞれのオリゴシラン又はポリシランは、本質的にその中の(i)水素と(ii)シリコン及び/又はゲルマニウムとから成り、特定の溶媒(例えば、シクロヘキサン、シクロオクタン、又はシスデカリン及び/又はトランスデカリン等のC−C10シクロアルカン)に可溶であり、所定の分子量及び/又は鎖長を有する。
ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを含む代表的なインク
一般的に、ある1つの組成物は、1つ以上の(ここに記載の)ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンと、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンが溶解することのできる溶媒とを含有する。溶媒は、米国特許第7,314,513号明細書、米国特許第7,485,691号明細書、米国特許第7,674,926号明細書、及び米国特許第7,879,696号明細書に記載されるような、広く多様な溶媒のうちの任意のものであってよい。これらの関連する部分を参照により本願に組み込む。しかしながら、除去の容易さ及び/又は完全性、塗布及び印刷を容易にする特性、及び、組成の安定性に関連した理由により、好ましい溶媒としては、直鎖アルカン、シクロアルカン、ポリシクロアルカン、及び、これらの混合物が含まれる。例えば、溶媒は、直鎖型又は分岐型のC−C12アルカン(例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン)、C−C10シクロアルカン(例えばシクロヘキサン、シクロオクタン)、C−C14ポリシクロアルカン(例えばデカリン)、又はこれらの混合物であってよい。
組成物は、重量又は体積で約0.5から約50%まで(例えば、重量又は体積で約1から約30%まで、又は約5から約25%まで、又は0.5から50%までの間の値の任意の範囲)の量のポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを含有してよい。さらに、当該組成物から生成される半導体薄膜の純度を向上させるために、インク組成物は、好ましくは、本質的にポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン、溶媒、並びに任意でドーパントから成る。他の好ましい実施例においては、本インク組成物のポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン成分は、モノマーの種類(アイデンティティ)に応じて任意で、重量で<10%のモノマー、及び/又は、≦10、8、7、又は5のシリコン原子及び/又はゲルマニウム原子を有するシラン、ゲルマン、及び/又はシラゲルマンを含有する。ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンインクに対してここに記載する溶媒及び質量負荷は、式(NHC)(A)及び(NHC)(H)の化合物を含有するインクに対しても適したものであってよい。ここで、DがBの場合はxは1であり、そうでない場合はxは0である。式(NHC)(H)の化合物は、ここに記載するポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンに対する有用なドーパント源となり得る。
シリコン含有及び/又はゲルマニウム含有薄膜を形成する代表的な方法
本発明の低炭素汚染、低金属汚染組成物から半導体(又は、その他のシリコン含有及び/又はゲルマニウム含有)フィルムを形成する一般的な方法は、上記のインク組成物を基板上に塗布又は印刷すること、及び、(i)アモルファス性の水素化された半導体フィルムを形成するのに十分な不活性又は還元性の雰囲気中において、又は、(ii)シリコン含有及び/又はゲルマニウム含有酸化膜を形成するのに十分な酸化性雰囲気中において、塗布又は印刷された組成物を加熱することを含む。アモルファス性の水素化された半導体フィルムを形成する方法は、少なくとも部分的に結晶化して、及び/又は、アモルファス性の水素化された半導体フィルムの水素含有量を低減して半導体フィルムを形成するために、アモルファス性の水素化された半導体フィルムを十分にアニーリングすること及び/又は照射することを任意で含む。いずれの方法も、組成物を基板に塗布又は印刷すると同時に又は直ちに続けて、化学線を用いて組成物を照射することをさらに含んでもよい。これらは実質的に米国特許第7,314,513号明細書、米国特許第7,485,691号明細書、米国特許第7,674,926号明細書、米国特許第7,687,327号明細書、米国特許第7,767,520号明細書、及び米国特許第7,879,696号明細書に記載されており、これらの関連部分を参照により本願に組み込む。
組成物は、1つ以上のドーパントをさらに含んでもよい。十分に高いドーズ量においては、ドーパントの存在によって結果的に導体フィルムが形成される。ドーパントは一般的に、例えばB、Al、Ga、P、As、及びSbから成る群より選択される1つ以上のドーパント原子を含有する化合物である。例えば、ドーパント化合物は、上記のものから選択されてよい。しかしながら、好ましい実施例においては、ドーパント化合物は本質的に、ドーパント原子、シリコン原子及び/又はゲルマニウム原子、水素、イソプロピル基(−CH[CH)及び/又はt−ブチル基(−C[CH)から成る。最も好ましい実施例においては、ドーパント化合物は本質的に、ドーパント原子、シリコン原子及び/又はゲルマニウム原子、及び水素から成る。従って、好ましいドーパントは、以下の式を有するものであってよい。式シクロ−(AH(DR(ここで、nは2から12までであり、mは1又は2であり、n個のzのそれぞれは独立に1又は2であり、m個のRのそれぞれはアルキル(例えばt−ブチル)、アリール、アラルキル、又は、SiH及びSi(SiHのようなAR であり、ここでRは水素又はA2y+1(例えば1≦y≦4)である)。式(Az'(DR 3−m(ここで、nは3から12までであり、z'は(n−q)から(2n+2−q)までであり、mは1から3までであり、qは1からnまで(好ましくは1又は2)であり,(3−m)個のRのそれぞれは独立にH、アルキル(例えばt−ブチル)、又はAR である)。式(AH(DR (ここで、nは3から12までであり、n個のpのそれぞれは独立に1又は2であり、それぞれのRは独立にH、アルキル(例えばt−ブチル)、又はAR である)。式D (ここで、aは1から20までであり、b個のRのそれぞれは独立にH、アルキル(例えばt−ブチル)、又はAR であり、b個のRのうちの少なくとも1つはアルキル又はAR であり、bはa個のDにおいて利用可能な結合サイトの数に対応する整数である)。式(R A)(DR (ここで、cは1から4までであり、r+s=2c+2であり、s≧1(好ましくはs≧3)であり、R及びRはD に関して記載したものと同じである)。あるいは、(上記したように)式D(A2x+1又は式AH(DHであり、ここで、DはB、Al、Ga、P、As、及びSb(好ましくはB、P、As、及びSb)から成る群から選択され、AはSi又はGeである。適切なドーパント含有化合物は、米国特許第7,314,513号明細書及び米国特許第7,674,926号明細書、米国特許出願公開第2008−0085373号明細書(代理人整理番号IDR0884)、及び米国特許出願番号第11/249,167号明細書(代理人整理番号IDR0423、2011年1月21日に許可された)に開示されており、これらの関連する部分を参照により本願に組み込む。ドーパントは、1013から1021原子/cm(例えば1015から1017、1016から1018、1017から1019、1019から1021原子/cm、又はこれらの中の値の任意の範囲)のドーパント原子(例えばホウ素、リン、ヒ素等)濃度を与えるような量で存在してよい。
さらなる実施例においては、ここに開示されるインク組成物から誘電性フィルムが形成されてよい。誘電性フィルムは、1つ以上のポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを含むインク組成物を塗布又は印刷し、続いてポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを酸化することによって形成されてよい。塗布された又は印刷されたインク組成物は、(例えば、加熱炉又は高速熱アニール(RTA)装置中において大気温以上且つ400℃以下の温度で)加熱することによって、又は、酸素(O)、オゾン(O)、NOのような窒素酸化物、H蒸気等を含む酸化性の雰囲気中において構造物を照射することによって酸化されてよい。酸化性の雰囲気は、N、Ar、He等といった不活性な成分を含有してよもく、また、(無水CaCl、CaSO等のような)乾燥剤中又は乾燥剤上を通すことによって使用前に乾燥させてよい。酸化の間の圧力は、約1気圧から3、4、5、又はそれ以上の気圧までであってよい。さらなる実施例においては、塗布された又は印刷されたインク組成物は、酸化性の雰囲気中で酸化される前に、≦200℃、≦150℃、≦120℃、又は、200℃未満の任意の最高温度である温度において、不活性な雰囲気中(例えばN、Ar、He等、約1気圧であるほぼ大気圧において)にてキュアされてよい。
あるいは、酸化されたポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンインクは、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンの溶液に対して、制御された様式で酸素を導入することによって得てもよい。酸化された(ポリ)シランインクを形成するために、溶媒中のポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン溶液中を通すように酸素源(例えばドライエアー)をバブリングする。ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンは、例えば1から99wt%まで(例えば1から40wt%まで)のように、任意の量、溶液中に存在することができる。溶媒は、炭化水素溶媒(例えば、C−C12アルカン又はシクロアルカン、C−C12アレーン又はアルキル化されたアレーン等)、C−C12アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール)、2から4個までの酸素原子を含有するC−C12エーテルアルコール(例えば、ブチルカルビトール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジプロピレングリコールブチルエーテル等)、ポリエーテル、メチコン溶媒、窒素原子上に2つまでのC−Cアルキル基を含有するC−Cアルカン酸のアミド(例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド)、C−Cスルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)、C−C10水酸化アルカン酸の環状エステル(例えばブチロラクトン)、C−Cアルカン酸のC−Cアルキルエステル(例えば酢酸エチル)、C−Cエーテル(例えばジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン)、C−Cケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルt−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン)、シロキサン(例えば、シクロ−([MeSi]O)、シクロ−([MeSi]O)等)、又はこれらの混合物を含んでよい。酸素源は、不要な汚染物を含有しない任意の酸素供給源を含んでよい(例えばO、O、H等)。気相中の場合は、ガスバブラ、シリンジ、酸素源を含有する雰囲気下で活発にかき混ぜること等によって、酸素源を反応混合物中に導入してもよい。気相の酸素源はまた、N、Ar、He等といった不活性成分を含んでもよく、また、反応混合物中に導入する前に、(無水CaCl、CaSO等のような)乾燥剤中又は乾燥剤上を通すことによって乾燥させてもよい。反応は、反応が起こる任意の温度で行われてよい(例えば、−78℃から400℃までの温度、又はその中の任意の値、もしくはその中の値の任意の範囲)。しかし通常は、室温又は大気温(例えば約15℃から約30℃まで)で反応はスムーズに進行する。反応は、分光法(例えば赤外分光法)によってモニターされてよく、Si−Si結合が開裂して−Si−O−Si−結合を形成した後に停止されてよい。前駆体分子がペルヒドロオリゴシラン及び/又はペルヒドロポリシランであることができる(すなわち、Si−O−C結合又はSi−C結合を含まない)ので、この酸化プロセスは、実質的に炭素の無い誘電性の前駆体という恩恵を提供する。
ドープされた誘電性フィルムは、1つ以上のドーパント(例えば、ホウ素、リン等であり、B又はPHのようなペルヒドロ化された種であってよい)、及び/又は、上述のドーパント前駆体(例えば、式D の化合物)を、酸化ステップの前又は後のどちらかにおいて、ここに記載するように、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンに導入することによって形成されてよい。例えば1つの実施例においては、ここに記載するように、酸化ステップの前に、ドーパント及び/又はドーパント前駆体をポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンに添加することにより、ドープされ、酸化されたシランを形成してよい。そのようなポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンを酸化ステップの前にドーピングすることによって、得られる酸化されドープされたポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン中に、(例えば、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマン中のドーパント及び/又はドーパント前駆体の酸化性の組み込みを介して)ドーパント原子を組み込むことができる。
半導体薄膜、及び/又は、シリコン含有及び/又はゲルマニウム含有薄膜
組成物を基板上に塗布又は印刷すること、アモルファス性の水素化された半導体を形成するのに十分な程度に塗布又は印刷された組成物を加熱すること、及び、少なくとも部分的に結晶化して、及び/又は、アモルファス性の水素化された半導体の水素含有量を低減して半導体フィルムを形成するために、アモルファス性の水素化された半導体を任意で十分にアニーリングすること及び/又は照射することによって、ここに記載される組成物から半導体フィルム又はシリコン含有フィルムが形成されてよい。この方法は、組成物を基板上に塗布又は印刷することと同時に又は直ちに続けて、化学線によって組成物を照射することを含んでよい。組成物は、ここに記載する1つ以上のドーパントをさらに含んでもよい。
本発明に従った好ましい薄膜は、シリコン及びゲルマニウムから選択される、1つ以上のIVA族元素から本質的に成る。従って、ある薄膜は本質的に(例えば、結晶、多結晶、及び/又は微結晶形状の)シリコンから成り、他の薄膜は本質的に水素と(例えばアモルファス形状の)シリコンとから成る。好ましい実施例においては、SIMS分析で決定される薄膜の炭素含有量は、パーセントで0.1よりも大きくなく、好ましくは、パーセントで0.05よりも大きくない。このポリシラン組成物から形成される好ましいフィルムが有する遷移金属の含有量は、1ppmよりも大きくなく、特に0.1ppm又は0.02ppmよりも大きくなく、あるいは、1ppmよりも小さな任意の値である。また、フィルムは、パーセントで0.1よりも大きくはない酸素含有量を有してよい。特に、酸素含有量はパーセントで<0.05であってよい。フィルムは、100ppmよりも大きくない窒素含有量を有してよい。上述のように、本フィルムは、ポリシラン、ポリゲルマン、及び/又はポリシラゲルマンの堆積の前又は後のどちらかに、高濃度に又は非常に高濃度にドープされて導電性フィルムを形成してもよく、及び/又は、酸化されて誘電性フィルムを形成してもよい。
上述の方法は、薄膜トランジスタ、キャパシタ、ダイオード、及び/又は抵抗デバイス、及び/又はそのようなデバイスを含む回路における、導電性、半導体性、及び/又は誘電性のシリコン含有及び/又はゲルマニウム含有層を形成するために用いられてよく、また、例えばEAS(電子式商品監視)又はRFID(無線自動識別)タグ、ディスプレイ、センサ、MEMS、光検知、光放出、及び/又は光起電性(例えばソーラーデバイス)への応用に用いられてよい。従って本発明は、ここに記載される導電性フィルム、半導体フィルム、及び/又は誘電性フィルムを含む、及び/又は、ここに記載される物質及び/又は方法を使用して形成される、薄膜トランジスタ、キャパシタ、ダイオード、及び/又は抵抗デバイス、及び/又は回路を含む。本発明はまたさらに、EAS又はRFIDタグ、ディスプレイバックプレーン又はドライバ、センサ、MEMS、及び/又は光起電性デバイス又は回路を形成する方法に関するとともに、この方法を含み、そのようなタグ、バックプレーン、ドライバ、センサ、デバイス、及び/又は回路におけるトランジスタ、キャパシタ、ダイオード、及び/又は抵抗用の導電性薄膜、半導体薄膜、及び/又は誘電性薄膜を形成することを含む。
例1
NHC−Pd金属錯体の合成と、支持体としてのシリカゲルへのNHC−Pd錯体の結合
ビス[N−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)−3−メチルイミダゾール−2−イリデン]−ジクロロパラジウム(II)の合成
250mLの二口シュレンク型フラスコ中において、純粋なトルエン(120mL)中の1−メチルイミダゾール(10.12g)溶液に、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン(24.23g)を加える。系に対して排気とアルゴンによる再充填とを3回行い、アルゴン雰囲気下において系を24時間還流させた。得られた二相の反応混合物を次いで室温まで冷却し、イオン性の液体(IL)層から有機層を分離した。得られた淡い黄色のIL層を、次いで乾燥EtO(5×20mL)によって完全に洗浄し、室温にて12時間真空乾燥させた。得られたイオン性の液体は、30%のN−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)−3−メチルイミダゾリウム塩化物を含み、重量は10.3gであった。
N−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)−3−メチルイミダゾリウム塩化物を抽出し、150mgの0.53mmol溶液を、10mLの塩化メチレン中のAgO(63mg、0.27mmol)に添加した。溶液を室温で6時間撹拌し、次いで濾過して無色の溶液を得た。真空内で溶媒を除去して、90%の[(NHC)Ag][AgClを含有し、重量が190mgの淡い黄色の油分を生成した。
[(NHC)Ag][AgCl(190mg、0.38mmol)を、(CHCN)PdCl(100mg、0.38mmol)を有する10mLのCHClに添加した。混合物を室温で12時間撹拌した。白色沈殿物(AgCl)を濾過して、淡い黄色の溶液を生成した。真空内で溶媒を除去して、125mgの淡い黄色の油分を生成した。次いで油分をTHFで沈殿させ、[N−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)−3−メチルイミダゾール−2−イリデン]−ジクロロパラジウム(II)を生成した。
シリカゲルPd−NHC錯体類の合成
メソ多孔性シリカゲル(平均細孔直径60Å)を、濃塩酸(6M)中で24時間撹拌して活性化させ、次いで中性になるまで蒸留水で完全に洗浄し、化学表面修飾を起こす前に90℃で乾燥させた。(0.38mmolのPd−NHC錯体を含有する)ビス[N−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)−3−メチルイミダゾール−2−イリデン]ジクロロパラジウム(II)のCHCl溶液を、アルゴン雰囲気下で、乾燥CHCl(50mL)中の活性化されたシリカゲル(10g)懸濁液に添加した。生成した混合物を24時間還流させた。冷却した後、固体の物質を濾過し、残留物を連続抽出装置(ソックスレー)中で12時間温CHClによって洗浄し、次いで、オーブン中において90℃で一晩乾燥させて、シリカゲル上に固定されたN−ヘテロ環状カルベンパラジウム錯体を生成した。
例2
NHC−Pd錯体類を用いた触媒反応によるポリシランの合成
シクロヘキサン中において質量負荷20%(300mg)を有するテトラシランを、100ppmのNHC−Pd錯体[N−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)−3−メチルイミダゾール−2−イリデン]ジクロロパラジウム(II)と一緒に、不活性雰囲気下で4mLのアンバービンに添加した。この反応混合物を、ゆるくふたをした小ビン中で12時間撹拌させた。次いで、蒸留したシクロヘキサン2gによって反応を抑え、得られた混合物を40mLの(スターラーバーを備えた)アンバービンに移し、さらに、5gのシクロヘキサンで希釈した。30分撹拌した後、不溶性の物質を約15分間安定化させた。次いで、濾床上にNHC−Pd触媒が確実に留まるように、混合物を(蒸留したシクロヘキサンで前処理された)セライトの短い栓を通して濾過した。次いで溶液をシュレンク管に移し、高真空(<〜300mTorr)を約2時間適用することによって、揮発性の物質を除去した。この乾燥ステップによって、得られた生成物中のテトラシラン(モノマー)含有量は、<10%まで低減されるべきである(モノマー含有量はGPCでチェックされる)。テトラシラン含有量が反応混合物の10%を越える場合には、溶液を、真空下でさらに乾燥させるべきである。この全体の処理によって、通常は、およそ60から80%の収率でポリテトラシランが生成される。生成物質は、乾燥、蒸留されたシスデカリンの20wt%溶液として保存されてよい。
例3
シリカゲルNHC−Pd錯体類を用いた不均一触媒反応によるポリシランの合成
テトラシラン(300mg)を、不活性雰囲気下において、50mgのシリカゲルNHC−Pd錯体類(1mgのシリカに対して0.066molのNHC−Pd錯体)を含む4mLのアンバービンに添加した。この反応混合物を、ゆるくふたをした小ビン中で12時間撹拌させた。次いで、蒸留したシクロヘキサン2gによって反応を抑え、得られた混合物を40mLの(スターラーバーを備えた)アンバービンに移し、さらに、5gのシクロヘキサンで希釈した。30分撹拌した後、不溶性の物質を約15分間安定化させた。次いで、濾床上にシリカゲルNHC−Pd錯体類が確実に留まるように、混合物を(蒸留したシクロヘキサンによって前処理された)セライトの短い栓を通して濾過した。次いで溶液をシュレンク管に移し、高真空(<〜300mTorr)を約2時間適用することによって、揮発性の物質を除去した。この乾燥ステップによって、得られた生成物中のテトラシラン(モノマー)含有量は、<10%まで低減されるべきである(モノマー含有量はGPCによってチェックしてよい)。テトラシラン含有量が反応混合物の10%を越える場合には、溶液を、真空下でさらに乾燥させるべきである。この全体の処理によって、通常は、およそ60から80%の収率でポリテトラシランが生成される。生成物質は、乾燥、蒸留されたシスデカリンの20wt%溶液として保存されてよい。
図4は、上述したシリカゲルNHC/金属ポリマー化反応によって生成されたポリシランの分子量分布を示すガスクロマトグラフィのデータである。得られたポリシランは、重量平均分子量(Mw)が1580、数平均分子量(Mn)が934であり、また、多分散性指数(PDI)が1.69であった。
このプロセスから得たポリシランによって、(80:20のシクロヘキサン:シクロオクタン中において、10−30%の質量負荷で)シランインク組成物を調製した。全てのインク組成物が、UVキュアを伴うシリコンウェハ上でのスピン塗布における良好な塗布特性を示した。ポリシランが塗布されたウェハはHFに浸漬して<1分で広がり、レーザ結晶化後に水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)中でエッチングした。2004年2月27日に出願された米国特許出願第10/789,274号明細書に記載されるUV−スピン塗布及びキュア処理に従って、複数のフィルムを同じように調製した。フィルムの金属(Pd)含有量は著しく低く(<0.02ppm)、ソーラー用途のように高純度のシリコンフィルムが必要とされる用途に対しても十分低い。炭素含有量及び酸素含有量は、それぞれパーセントで0.05未満であり、電子グレードのフィルムに適したレベルである。窒素不純物は約10ppm又はそれ未満のレベルであり、典型的な金属不純物(例えばNa、K、Al、Mg)は0.01ppm未満である。
本発明の特定の実施例についての上述の記載は、例示及び説明を目的としたものであった。これらは、包括的であること、又は、開示された厳密な形態に発明を限定することを意図したものではない。また、上記の教示を考慮すると、多くの修正や変更が可能なことは明白である。発明の原理及びその実際的な応用を最も良く説明するために、そして、これにより他の当業者が、発明及び期待される特定の使用に対して適した様々な修正を有する様々な実施例を最も良く利用することができるように、実施例を選択し、記載した。発明の範囲は、ここに添付する特許請求の範囲及びその均等物によって定義されることを意図している。上記の実施形態によれば、以下の構成もまた開示される。
(項目1)
a)(i)式A で表される1つ以上のシラン化合物と、(ii)N−ヘテロ環状カルベン類、N−ヘテロ環状シリレン類、N−ヘテロ環状ゲルミレン類、N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体類、N−ヘテロ環状シリレン−金属錯体類、N−ヘテロ環状ゲルミレン−金属錯体類、ランタノイド金属触媒、及び、これらの支持された形態から成る群から選択される触媒とを混合させ、オリゴシラン又はポリシランを形成する段階と、
b)上記オリゴシラン又は上記ポリシランから上記触媒を除去する段階と、
を備え、
式中、それぞれのAは独立にSi又はGeであり、nは少なくとも1である整数であり、jは少なくとも2である整数であり、nが奇数の場合j+kはn+1から2n+2までの整数であり、nが偶数の場合j+kはnから2n+2までの整数であり、それぞれのRは独立にアリール基、ハロゲン原子、又は擬ハロゲン化物である、
オリゴシラン又はポリシランを形成する方法。
(項目2)
上記触媒は、上記N−ヘテロ環状カルベン類、又は上記N−ヘテロ環状シリレン類を含む項目1に記載の方法。
(項目3)
上記触媒は、N,N−二置換イミダゾール−2−イリデン、又は、イミダゾリン−2−イリデンを含む項目2に記載の方法。
(項目4)
上記触媒は、N,N−二置換イミダゾール−2−シリレン、又は、イミダゾリン−2−シリレンを含む項目2に記載の方法。
(項目5)
上記触媒は、上記N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体類、又は、上記N−ヘテロ環状シリレン−金属錯体類を含む項目1に記載の方法。
(項目6)
上記触媒は、(i)Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Hg、Ag、Cu、Au、Pd、Rh、Ru、Pt、及びNiから成る群から選択される金属と、(ii)少なくとも1つのN−ヘテロ環状カルベン配位子と、を含む項目5に記載の方法。
(項目7)
上記触媒は式[M(NHC) の錯体を含み、
Mは、Ag、Cu、Au、Pd、Rh、Ru、Pt,及びNiから成る群から選択され、NHCはN−ヘテロ環状カルベンであり、x=1又は2であり、y=1又は2であり、zは1又は2であり、それぞれのXは独立にハロゲン化物、カルボキシ、ヒドリド、又は、置換されたもしくは置換されていないアルキル、アリル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ベータ−ジケトナート、ジアリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、ボリル、Cp、又はCp 配位子である項目6に記載の方法。
(項目8)
上記触媒は、固定された相に固着される項目1に記載の方法。
(項目9)
上記触媒は、低原子価のランタノイド金属触媒である項目1に記載の方法。
(項目10)
上記ランタノイド金属触媒は、Yb、Sm、Tm、Nd、Eu、又はDyの塩、化合物、又は錯体を含む項目1に記載の方法。
(項目11)
上記ランタノイド金属触媒は、式[M'L の錯体を有し、
M'は、Yb、Sm、Tm、Nd、Eu、及びDyから成る群から選択され、
Lは、シクロペンタジエニル(1から5個までのアルキル基又は1から5個までのシリル基もしくはトリアルキルシリル基によって独立に置換されていてもよい)、インデニル(1から7個までのアルキル基によって置換されていてもよい)、フルオレニル(1から9個までのアルキル基によって置換されていてもよい)、ペンタジエニル(1から5個までのアルキル基、又は1から5個までのシリル基もしくはトリアルキルシリル基によって独立に置換されていてもよい)、アリル(1から5個までのアルキル基、又は1から3個までのシリル基もしくはトリアルキルシリル基によって独立に置換されていてもよい)、及び、ピリミジノン(1から6個までのアルキル基によって置換されていてもよい)から成る群から選択される配位子であり、
aは1から4までの整数であり、b=2であり、cは1又は2であり、
それぞれのXは独立にハロゲン化物である項目10に記載の方法。
(項目12)
上記ランタノイド金属触媒は、TmI 、DyI 、YbCl 、YbI 、EuI 、又はNdI を含む項目10に記載の方法。
(項目13)
上記1つ以上のシラン化合物及び上記触媒は溶媒中で混合され、
上記溶媒は、C −C 10 アルカン、C −C 10 シクロアルカン、及びこれらの混合物から成る群より選択される項目1に記載の方法。
(項目14)
上記1つ以上のシラン化合物は、重量において1から90%までの量で上記溶媒中に存在する項目13に記載の方法。
(項目15)
上記溶媒中に存在するシラン化合物の1モル当りに対し、上記触媒が上記溶媒中に0.001から1mmolまでの量で存在する項目14に記載の方法。
(項目16)
上記1つ以上のシラン化合物は、トリシラン、テトラシラン、又はネオペンタシランを含む項目1に記載の方法。
(項目17)
上記1つ以上のシラン化合物は、さらにシクロペンタシランを含む項目16に記載の方法。
(項目18)
上記オリゴシラン又は上記ポリシランから上記触媒を除去する段階は、混合された上記触媒と上記オリゴシラン又は上記ポリシランとを濾過することを含む項目1に記載の方法。
(項目19)
k=0であり、上記オリゴシラン又は上記ポリシランは、本質的にA原子及びH原子から成る項目1に記載の方法。
(項目20)
k≧1であり、
a)Rがアリール基である場合、上記方法はさらに、上記アリール基をハロゲン又は擬ハロゲン化物で置換する段階を含み、
b)(i)Rがハロゲン原子又は擬ハロゲン化物である場合、もしくは(ii)上記オリゴシラン又は上記ポリシランがハロゲン原子又は擬ハロゲン化物を含む場合、上記方法はさらに、上記ハロゲン原子又は上記擬ハロゲン化物を水素源によって還元し、本質的にA原子及びH原子から成るオリゴシラン又はポリシランを形成する段階を含む、項目1に記載の方法。
(項目21)
a)項目1に記載の方法により形成される上記オリゴシラン又は上記ポリシランと、
b)上記オリゴシラン又は上記ポリシランが可溶な溶媒と、
を含むインク組成物。
(項目22)
項目21に記載の上記インク組成物から半導体フィルムを形成する方法であって、
a)上記インク組成物を基板上に塗布又は印刷する段階と、
b)アモルファス性の水素化された半導体を形成するように、塗布又は印刷された上記インク組成物を十分に加熱する段階と、
c)少なくとも部分的に結晶化して、及び/又は、上記アモルファス性の水素化された半導体の水素含有量を低減して上記半導体フィルムを形成するために、上記アモルファス性の水素化された半導体を任意で十分にアニーリングする段階及び/又は照射する段階と、
を備える方法。
(項目23)
項目22に記載の方法により半導体フィルムを形成する段階と、
上記半導体フィルムに物理的に近接して、1つ以上の導電性フィルム及び/又は絶縁性フィルムを形成する段階と、
を備える、薄膜トランジスタ、キャパシタ、ダイオード、及び/又は抵抗を形成する方法。
(項目24)
項目22に記載の方法により形成される上記半導体フィルムを有する、薄膜トランジスタ、キャパシタ、ダイオード、抵抗、回路、RFIDタグ、ディスプレイバックプレーン、センサ、又は光起電デバイス。
(項目25)
半導体フィルムを形成する方法であって、
a)基板上にインク組成物を塗布又は印刷する段階と、
b)アモルファス性の半導体を形成するように、塗布又は印刷された上記インク組成物を十分に加熱する段階と、
c)上記アモルファス性の半導体を少なくとも部分的に結晶化させ、上記半導体フィルムを形成するために、上記アモルファス性の半導体を任意で十分に加熱する段階及び/又は照射する段階と
を備え、
上記インク組成物は、溶媒と、式(NHC) (A )、(NHC) (H DA)、(NHS) (A )、(NHS) (H DA)、(NHS) (H )、及び/又は(NHC) (H )で表されるうちの1つの化合物とを有し、
NHCはN−ヘテロ環状カルベンであり、NHSはN−ヘテロ環状シリレンであり、それぞれのAは独立にSi又はGeであり、それぞれのDは独立にP、As、Sb、又はBであり、DがBの場合はxは上記式中のD原子の数に等しく、DがBでない場合はxはゼロである方法。
(項目26)
上記化合物は、上記式(NHC) (A )、(NHC) (H DA)、及び/又は、(NHC) (H )を有する項目25に記載の方法。
(項目27)
上記N−ヘテロ環状カルベンは、イミダゾール−2−イリデン又はイミダゾリン−2−イリデンである項目26に記載の方法。
(項目28)
上記化合物は、上記式(NHC) (A )を有し、AはSi又はGeである項目26に記載の方法。
(項目29)
上記化合物は、上記式(NHC) (H )を有し、DはP又はBである項目26に記載の方法。
(項目30)
上記溶媒は、C −C 10 アルカン、C −C 10 シクロアルカン、又はこれらの混合物を含む項目25に記載の方法。
(項目31)
上記化合物は、重量において0.001から90%までの量で上記溶媒中に存在する項目25に記載の方法。
(項目32)
上記半導体フィルムはIVA族半導体フィルムであり、上記アモルファス性の半導体はアモルファス性のIVA族半導体である項目25に記載の方法。

Claims (14)

  1. a)(i)式Aで表される1つ以上のシラン化合物と、(ii)N,N−二置換イミダゾール−2−イリデン、イミダゾリン−2−イリデン、N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体類、N−ヘテロ環状シリレン−金属錯体類、YbCl、YbI、TmI、NdI、EuI、DyI、及び、これらの支持された形態から成る群から選択される触媒とを混合させ、オリゴシラン又はポリシランを形成する段階と、
    b)前記オリゴシラン又は前記ポリシランから前記触媒を除去する段階と、
    を備え、
    式中、それぞれのAは独立にSi又はGeであり、nは少なくとも1である整数であり、jは少なくとも2である整数であり、nが奇数の場合j+kはn+1から2n+2までの整数であり、nが偶数の場合j+kはnから2n+2までの整数であり、それぞれのRは独立にアリール基、ハロゲン原子、又は擬ハロゲン化物である、
    オリゴシラン又はポリシランを形成する方法。
  2. a)(i)式Aで表される1つ以上のシラン化合物と、(ii)N−ヘテロ環状カルベン類、N−ヘテロ環状シリレン類、N−ヘテロ環状ゲルミレン類、N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体類、N−ヘテロ環状シリレン−金属錯体類、N−ヘテロ環状ゲルミレン−金属錯体類、Yb、Sm、Tm、Nd、Eu、又はDyの二価の塩、及び、これらの支持された形態から成る群から選択される触媒とを溶媒の中で混合させ、オリゴシラン又はポリシランを形成する段階と、
    b)前記オリゴシラン又は前記ポリシランから前記触媒を除去する段階と、
    を備え、
    式中、それぞれのAは独立にSi又はGeであり、nは少なくとも1である整数であり、jは少なくとも2である整数であり、nが奇数の場合j+kはn+1から2n+2までの整数であり、nが偶数の場合j+kはnから2n+2までの整数であり、それぞれのRは独立にアリール基、ハロゲン原子、又は擬ハロゲン化物であり、
    前記溶媒は、C−C10アルカン、C−C10シクロアルカン、及びこれらの混合物から成る群より選択される、
    オリゴシラン又はポリシランを形成する方法。
  3. a)(i)トリシラン、テトラシラン、又はネオペンタシランを含む1つ以上のシラン化合物と、(ii)N−ヘテロ環状カルベン類、N−ヘテロ環状シリレン類、N−ヘテロ環状ゲルミレン類、N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体類、N−ヘテロ環状シリレン−金属錯体類、N−ヘテロ環状ゲルミレン−金属錯体類、Yb、Sm、Tm、Nd、Eu、又はDyの二価の塩、及び、これらの支持された形態から成る群から選択される触媒とを混合させ、オリゴシラン又はポリシランを形成する段階と、
    b)前記オリゴシラン又は前記ポリシランから前記触媒を除去する段階と、
    を備える、
    オリゴシラン又はポリシランを形成する方法。
  4. 前記触媒は、N−ヘテロ環状カルベン、又はN−ヘテロ環状シリレンを含む請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記触媒は、N,N−二置換イミダゾール−2−イリデン、又は、イミダゾリン−2−イリデンを含む請求項4に記載の方法。
  6. 前記触媒は、N−ヘテロ環状カルベン−金属錯体、又は、N−ヘテロ環状シリレン−金属錯体を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記触媒は式[M(NHC)の錯体を含み、
    Mは、Ag、Cu、Au、Pd、Rh、Ru、Pt,及びNiから成る群から選択され、NHCはN−ヘテロ環状カルベンであり、x=1又は2であり、y=1又は2であり、zは1又は2であり、それぞれのXは独立にハロゲン化物、カルボキシ、ヒドリド、又は、置換されたもしくは置換されていないアルキル、アリル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ベータ−ジケトナート、ジアリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、ボリル、Cp、又はCp配位子である請求項6に記載の方法。
  8. 前記触媒は、固定された相に固着される請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記触媒は、TmI、DyI、YbCl、YbI、EuI、又はNdIを含むランタノイド金属触媒である請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記1つ以上のシラン化合物及び前記触媒は溶媒中で混合され、
    前記溶媒は、C−C10アルカン、C−C10シクロアルカン、及びこれらの混合物から成る群より選択される請求項1又は3に記載の方法。
  11. 前記1つ以上のシラン化合物は、トリシラン、テトラシラン、又はネオペンタシランを含む請求項1又は2に記載の方法。
  12. k=0であり、前記オリゴシラン又は前記ポリシランは、A原子及びH原子から成る請求項1又は2に記載の方法。
  13. k≧1であり、
    a)Rがアリール基である場合、前記方法はさらに、前記アリール基をハロゲン又は擬ハロゲン化物で置換する段階を含み、
    b)(i)Rがハロゲン原子又は擬ハロゲン化物である場合、もしくは(ii)前記オリゴシラン又は前記ポリシランがハロゲン原子又は擬ハロゲン化物を含む場合、前記方法はさらに、前記ハロゲン原子又は前記擬ハロゲン化物を水素源によって還元し、A原子及びH原子から成るオリゴシラン又はポリシランを形成する段階を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の方法により形成される前記オリゴシラン又は前記ポリシランと、前記オリゴシラン又は前記ポリシランが可溶な溶媒と、を含むインク組成物から半導体フィルムを形成する方法であって、
    a)前記インク組成物を基板上に塗布又は印刷する段階と、
    b)アモルファス性の水素化された半導体を形成するように、塗布又は印刷された前記インク組成物を十分に加熱する段階と、
    c)少なくとも部分的に結晶化して前記半導体フィルムを形成する、及び、前記アモルファス性の水素化された半導体の水素含有量を低減して前記半導体フィルムを形成するうちの少なくとも一方のために、前記アモルファス性の水素化された半導体を任意で十分にアニーリングする段階及び照射する段階の少なくとも一方の段階と、
    を備える方法。
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