JP5880978B2 - 燃料ポンプモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ポンプモジュールに関する。
従来、エンジンの運転状態に合わせて吐出圧が異なる複数の燃料ポンプを使い分け、エンジンの高出力化や燃費の向上を達成する燃料ポンプモジュールが知られている。特許文献1には、メインポンプ、サブポンプ、メインポンプなどを収容する有底筒状のサブタンク、及び、サブタンクの開口を塞ぐよう設けられメインポンプなどを支持するカバー部材を備える燃料ポンプモジュールが記載されている。
特開2009−228653号公報
しかしながら、特許文献1に記載の燃料ポンプモジュールでは、二つのポンプが駆動するとき、二つのポンプを支持するカバー部材にポンプの振動が伝わる。当該振動がカバー部材及びサブタンクを介して燃料タンクに伝わると、発生する騒音が大きくなるおそれがある。
本発明の目的は、騒音を低減する燃料ポンプモジュールを提供することにある。
本発明は、燃料タンク内の燃料を内燃機関に供給する燃料ポンプモジュールであって、燃料タンク内の燃料に含まれる異物を除去する第1サクションフィルタと、第1サクションフィルタを通過した燃料を内燃機関の燃焼室に吐出する第1ポンプと、第1ポンプが吐出する燃料に含まれる異物を除去する第1フィルタと、第1フィルタと燃焼室との間に設けられ第1フィルタを通過した燃料が流れる第1供給口と、第1サクションフィルタとは別に燃料タンクの燃料に含まれる異物を除去する第2サクションフィルタと、第2サクションフィルタを通過した燃料を内燃機関の吸気系に吐出する第2ポンプと、第2ポンプが吐出する燃料に含まれる異物を除去する第2フィルタと、第2フィルタと吸気系との間に設けられ第2フィルタを通過した燃料が流れる第2供給口と、第1ポンプまたは第2ポンプのいずれか一方を収容するポンプ収容部材と、ポンプ収容部材とは別体に形成されポンプ収容部材を支持する支持部を有し第1ポンプまたは第2ポンプのいずれか他方を収容するポンプ支持部材と、ポンプ支持部材が第1ポンプを収容するとき第1サクションフィルタと第1ポンプとの間、または、ポンプ支持部材が第2ポンプを収容するとき第2サクションフィルタと第2ポンプとの間にポンプ支持部材と係合するよう設けられポンプ支持部材に対する第1ポンプまたは第2ポンプの中心軸方向への相対移動を規制する規制部材と、弾性材料から形成されポンプ支持部材が第1ポンプを収容するとき第1ポンプと規制部材との間にのみまたはポンプ支持部材が第2ポンプを収容するとき第2ポンプと規制部材との間にのみ設けられ規制部材に当接する弾性部材と、ポンプ収容部材とともにポンプ支持部材を内部に収容可能に設けられポンプ支持部材を支持するサブタンクと、を備えることを特徴とする。
本発明の燃料ポンプモジュールでは、二つのポンプ、二つのフィルタ、及び、二つの供給口を備えており、二つのポンプのいずれか他方を収容するポンプ支持部材は、二つの燃料ポンプのいずれか一方を収容するポンプ収容部材を支持する支持部を有している。ポンプ支持部材に収容されている二つの燃料ポンプのいずれか他方ポンプ支持部材と係合する規制部材によってポンプ支持部材に対するポンプの中心軸方向の移動が規制される。このとき、ポンプの駆動により発生する振動が規制部材やポンプ支持部材を介して燃料タンクに伝わる。本発明の燃料ポンプモジュールでは、ポンプ支持部材に収容されるポンプと規制部材との間にのみ弾性部材が設けられている。これにより、ポンプ支持部材に収容されているポンプが発生する振動が規制部材に伝わりにくくなり、規制部材を介してポンプ支持部材に伝わる振動が小さくなる。したがって、ポンプ支持部材から燃料タンクに伝わる振動が小さくなり、振動により発生する騒音を低減することができる。
本発明の一実施形態による燃料ポンプモジュールのシステムを表す模式図である。 本発明の一実施形態による燃料ポンプモジュールの第1モジュールの斜視図である。 本発明の一実施形態による燃料ポンプモジュールの第1モジュールの上面図である。 本発明の一実施形態による燃料ポンプモジュールの第1モジュールの断面図である。 図4のV―V線断面図である。 本発明の一実施形態による燃料ポンプモジュールの第2モジュールの斜視図である。 本発明の一実施形態による燃料ポンプモジュールの第2モジュールの上面図である。 本発明の一実施形態による燃料ポンプモジュールの第2モジュールの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による燃料ポンプモジュール1のシステムを説明する模式図を図1に示す。燃料ポンプモジュール1は、プライマリタンク室201及びセカンダリタンク室301の二つの「燃料貯留室」を有する燃料タンク8に貯留されている燃料をエンジン4に供給する。燃料ポンプモジュール1では、エンジン4の運転状態に応じて、圧力が異なる燃料を、エンジン4が有する燃焼室6、または、エンジン4に接続する吸気系5のいずれかに供給する。燃料ポンプモジュール1は、図1に示すように、第1モジュール101、第2モジュール102、及び、第1モジュール101と第2モジュール102とを接続しプライマリタンク2とセカンダリタンク3との間を流れる燃料が行き来する移送管91、92などから構成されている。なお、図1中の白抜き矢印F1は、燃料の流れを示す。また、図1中の実線矢印F2は、気体の流れを示す。
第1モジュール101は、プライマリタンク2に設けられる。第1モジュール101は、プライマリタンク2内の燃料を加圧し、加圧した燃料をエンジン4に供給したり、セカンダリタンク3に移送したりする。第1モジュール101は、ダイレクトインジェクション用サクションフィルタ(以下、「DI用サクションフィルタ」という)13、ダイレクトインジェクション用燃料ポンプ(以下、「DI用燃料ポンプ」という)10、ポートインジェクション用サクションフィルタ(以下、「PI用サクションフィルタ」という)23、ポートインジェクション用燃料ポンプ(以下、「PI用燃料ポンプ」という)20、ダイレクトインジェクション用フィルタ(以下、「DI用フィルタ」という)30、第1ジェットポンプ35、第1フランジ50、サブタンク7などから構成されている。DI用サクションフィルタ13は、特許請求の範囲に記載の「第1サクションフィルタ」に相当する。DI用燃料ポンプ10は、特許請求の範囲に記載の「第1ポンプ」に相当する。PI用サクションフィルタ23は、特許請求の範囲に記載の「第2サクションフィルタ」に相当する。PI用燃料ポンプ20は、特許請求の範囲に記載の「第2ポンプ」に相当する。DI用フィルタ30は、特許請求の範囲に記載の「第1フィルタ」に相当する。
DI用サクションフィルタ13は、袋状のエレメント131及び略筒状の接続部132などから構成される。DI用サクションフィルタ13は、エレメント131内でサブタンク7内の燃料に含まれる異物を除去する。接続部132は、エレメント131とDI用燃料ポンプ10の吸入部12との間に設けられ、吸入部12と接続する。接続部132が形成する接続口133は、エレメント131内とDI用燃料ポンプ10の吸入部121が有する吸入口121とを連通する。
DI用燃料ポンプ10は、プライマリタンク2に収容されているサブタンク7内に設けられる電動式のポンプである。DI用燃料ポンプ10は、サブタンク7内の燃料を、例えば、500kPaまで加圧し、第1フランジ50に設けられるダイレクトインジェクション用供給口(以下、「DI用供給口」という)51に接続するダイレクトインジェクション用供給管(以下、「DI用供給管」という)15を介してエンジン4の燃焼室6に直接燃料を供給する。一実施形態による燃料ポンプモジュール1では、DI用燃料ポンプ10がエンジン4に供給する燃料の量は、PI用燃料ポンプ20がエンジン4に供給する燃料の量より多くなるよう設定されている。DI用燃料ポンプ10は、吸入部12、ポンプ部14、モータ部16、および吐出部18などから構成される。DI用供給口51は、特許請求の範囲に記載の「第1供給口」に相当する。
吸入部12は、DI用燃料ポンプ10のDI用サクションフィルタ13側に設けられ、DI用燃料ポンプ10のポンプ部14に接続している。吸入部12は、吸入口121を有する。吸入口121は、DI用サクションフィルタ13内とポンプ部14内とを連通する。吸入口121は、DI用燃料ポンプ10の中心軸上とは異なる位置に設けられ、DI用サクションフィルタ13を経由するサブタンク7内の燃料をポンプ部14に送る。
ポンプ部14は、図示しないインペラ、インペラを回転可能に収容するポンプ室を形成するポンプケーシング141などから構成される。ポンプ室は、吸入部12の吸入口121と吐出部18の吐出口181とを連通している。ポンプケーシング141のサクションフィルタ13側には、ポンプ部14で蒸気となった燃料をサブタンク7内に排出する蒸気排出口142(図5参照)が形成されている。
モータ部16は、いずれも図示しないステータ、ロータ、シャフトなどから構成されるブラシレスモータである。円筒状のステータに巻回される図示しない巻線にワイヤハーネス161(図2参照)及び通電端子162を介して電力が供給されると、ステータの径内方向に設けられるロータがシャフトとともに回転する。シャフトの回転トルクは、ポンプ部14のインペラに伝達される。これにより、ポンプ部14のインペラが回転し、ポンプ室の燃料が加圧され、吐出部18に送られる。
吐出部18は、ポンプ部14およびモータ部16に対して吸入部12とは反対側に設けられる。吐出部18は、ポンプ部14内と「ポンプ収容部材」としてのポンプケース11内とを連通する吐出口181を有する。ポンプ部14により加圧された燃料は、吐出口181を介してポンプケース11内に形成されている燃料通路111に送られる。
ポンプケース11は、樹脂から形成される有底筒状の部材である。ポンプケース11は、底部112、側部113、接続部119などから構成される。ポンプケース11の内部にはDI用燃料ポンプ10及びDI用フィルタ30が収容されている。
底部112は、樹脂から略円板状に形成されている。底部112には、DI用燃料ポンプ10の中心軸に対して略平行に貫通孔116が形成されている。貫通孔116は、モータ部16の通電端子162と電気的に接続するコネクタが挿入される。
側部113は、底部112の貫通孔116に連通する開口117及びDI用サクションフィルタ13側に形成される開口115を有する有底筒状空間と、当該有底筒状空間の径外方向に形成される円環状空間とを有する。有底筒状空間には、DI用燃料ポンプ10が位置する。DI用燃料ポンプ10は、開口115を介して当該有底筒状空間に収容される。また、開口117は、通電端子162と電気的に接続するコネクタが挿入される。側部113の吐出口181に対応する位置には、吐出口181と燃料通路111とを連通する接続室114が形成されている。吐出口181から吐出される燃料は、接続室114を流れ燃料通路111に送られる。
側部113が有する円環状空間には、略筒状に形成されているDI用フィルタ30が収容される。DI用フィルタ30は、例えば、カーボンを含まない導電性樹脂から形成され、吐出口181から吐出される燃料に含まれる異物を除去する。DI用フィルタ30を通過した燃料は、ポンプケース11の径方向外側に設けられている接続部119に送られる。
接続部119は、側部113の径方向外側に設けられており、調圧弁153が収容されている。接続部119に送られる燃料は、調圧弁153により所望の圧力に調整される。圧力が調整された燃料は、供給管182(図1参照)及び第1フランジ50に設けられるDI用供給口51を介してプライマリタンク2の外部に送られる。
PI用サクションフィルタ23は、袋状のエレメント231および略筒状の接続部232などから構成される。PI用サクションフィルタ23は、エレメント231内でサブタンク7内の燃料に含まれる異物を除去する。接続部232は、エレメント231とPI用燃料ポンプ20の吸入部22との間に設けられ、吸入部22と接続する。接続部232が形成する接続口233は、エレメント23内とPI用燃料ポンプ20の吸入部22が有する吸入口221とを連通する。
PI用燃料ポンプ20は、DI用燃料ポンプ10と同様にプライマリタンク2のサブタンク7内に設けられる電動式のポンプである。PI用燃料ポンプ20は、サブタンク7内の燃料を、例えば、350から500kPaまでの任意の圧力に加圧し、第1フランジ50に設けられる移送口52に接続する移送管91を介してセカンダリタンク3に送ると同時に後述する第1ジェットポンプ35に加圧した燃料を供給する。PI用燃料ポンプ20は、吸入部22、ポンプ部24、モータ部26、および吐出部28などから構成される。
吸入部22は、PI用燃料ポンプ20のPI用サクションフィルタ23側に設けられ、PI用燃料ポンプ20のポンプ部24に接続している。吸入部22は、吸入口221を有する。吸入口221は、PI用サクションフィルタ23内とポンプ部24内とを連通する。吸入口221は、PI用燃料ポンプ20の中心軸上とは異なる位置に設けられ、PI用サクションフィルタ23を経由するサブタンク7内の燃料をポンプ部24に送る。
ポンプ部24は、図示しないインペラ、インペラを回転可能に収容するポンプ室を形成するポンプケーシング241などから構成される。ポンプ室は、吸入部22の吸入口221と吐出部28の吐出口281とを連通している。
モータ部26は、いずれも図示しないステータ、ロータ、シャフトなどから構成されるブラシレスモータである。円筒状のステータに巻回される図示しない巻線にワイヤハーネス261(図2参照)及び通電端子262を介して電力が供給されると、ステータの径内方向に設けられるロータがシャフトとともに回転する。シャフトの回転トルクは、ポンプ部24のインペラに伝達される。これにより、ポンプ部24のインペラが回転し、ポンプ室の燃料が加圧され、吐出部28に送られる。
吐出部28は、ポンプ部24およびモータ部26に対して吸入部22とは反対側に設けられる。吐出部28は、ポンプ部24内とポンプケース21内とを連通する吐出口281を有する。吐出部28は、ポンプケース21が形成する接続部212に接続している。ポンプ部24により加圧された燃料は、吐出口281を通って接続部212に送られる。
ポンプケース21は、樹脂から形成される略筒状部材である。ポンプケース21は、筒部211、接続部212、支持部29などから構成されている。ポンプケース21は、特許請求の範囲に記載の「ポンプ支持部材」に相当する。
筒部211は、有底筒状に形成されている。筒部211のPI用サクションフィルタ23側には開口213が形成されている。PI用燃料ポンプ20は開口213を介して筒部211の内部に挿入される。また、筒部211のPI用サクションフィルタ23とは反対側の接続部212とは異なる位置に貫通孔216が形成されている。貫通孔216は、モータ部26の通電端子262と電気的に接続するコネクタが挿入される。
接続部212は、筒部211のPI用サクションフィルタ23とは反対側に設けられる。接続部212は、2つの方向に分岐する流路を有する。当該分岐する流路の一方の流路214は、オリフィス491を有する供給管351(図1、2参照)を介して第1ジェットポンプ35内に連通している。また、当該分岐する流路の他方の流路215は、燃料の流れ方向を一方向のみに規制する逆止弁49が収容されている。他方の流路215を流れる燃料は、移送管492(図1、2参照)、及び第1フランジ50の移送口52を介してプライマリタンク2の外部に送られる。
支持部29は、筒部211の外壁から延びるよう形成されている。支持部29は、図3に示すように、PI用燃料ポンプ20の中心軸に対して垂直な方向の断面形状が略C字状になるよう形成されている。支持部29が形成する挿入孔292にポンプケース11が挿通されることにより、支持部29はポンプケース11を支持する。
支持部29の径方向外側には、ステー291が3つ径外方向に延びるよう形成されている。また、筒部211の支持部29と接続する側とは反対側にはステー217が形成されている。ステー217、291は、図3に示すように、サブタンク7と接続している。これにより、ポンプケース21に収容されるPI用燃料ポンプ20、及び、支持部29に支持されるDI用燃料ポンプ10及びDI用フィルタ30などは、サブタンク7に対する相対位置が固定される。
ブラケット70は、図4に示すように、PI用燃料ポンプ20とPI用サクションフィルタ23との間に設けられる樹脂製部材である。「規制部材」としてのブラケット70は、ベース部71及び縁部72などから構成されている。ブラケット70は、ポンプケース21に対するPI用燃料ポンプ20の中心軸方向の移動を規制する。
ベース部71は、PI用燃料ポンプ20の中心軸に対して略垂直に形成されている略平板状の部位である。ベース部71は、中心角が180°より大きい扇状に形成されている。
縁部72は、ベース部71の径方向外側の縁からPI用サクションフィルタ23とは反対側の方向に延びるよう形成されている。一実施形態による燃料ポンプモジュール1では、縁部72は、3個形成されている。縁部72の内壁721は、ポンプケース21の筒部211の外壁219と当接可能なよう形成されている。
弾性部材75は、弾性材料から形成され、ブラケット70とPI用燃料ポンプ20との間に設けられる。具体的には、弾性部材75は、ブラケット70のベース部71とPI用サクションフィルタ23の接続部232に設けられているガイド部234とに当接するよう設けられている。ガイド部234は、PI用燃料ポンプ20の吸入部22に当接し、吸入部22からPI用サクションフィルタ23側に突出するよう形成されている突部222をガイドする、ガイド部234は、ブラケット70を介してポンプケース21に対するPI用燃料ポンプ20の径方向の移動を規制する。
弾性部材75は、図5に示すように、略C字状に形成されている。弾性部材75の中心に形成されている開口751には、突部222が位置する。開口751と連通する切り欠き752には、吸入口221を形成する吸入部22が位置する。これにより、PI用燃料ポンプ20がポンプケース21の中心軸を略中心としてポンプケース21に対して相対回転するとき、PI用燃料ポンプ20が弾性部材75に当接するため当該相対回転の角度が一定角度の範囲内となる。
第1ジェットポンプ35は、図2に示すように、サブタンク7の径方向外側であって第1フランジ50と反対側に設けられる。第1ジェットポンプ35は、PI用燃料タンク20が吐出する燃料の圧力を利用して、プライマリタンク室201の燃料をサブタンク7内に導入する。
センダゲージ38は、図2、3に示すように、サブタンク7の径方向外側に設けられる。センダゲージ38は、アーム382を介してフロート381と接続している。液面高さの変化に応じてフロート381が動くとアーム382が回動し、センダゲージ38によりアーム381の回動量を検出することで液面高さが検出される。センダゲージ38は、ワイヤハーネス383及び第1フランジ50を介して外部に設置された図示しない電子制御装置(以下、「ECU」という)に液面検出信号を出力する。
第1フランジ50は、円板状に形成され、プライマリタンク2の「一の開口」としての開口200を塞ぐよう設けられる(図1参照)。第1フランジ50は、DI用供給口51、移送口52の他に、セカンダリタンク3からサブタンク7に向かって流れる燃料が通過する移送口53、及び、後述するポートインジェクション用供給管(以下、「PI用供給管」という)25に設けられる調圧弁253がサブタンク7に還流する燃料が通過する還流口54が設けられている。また、第1フランジ50には、ワイヤハーネス161、261と電気的に接続しDI用燃料ポンプ10及びPI用燃料ポンプ20に電力を供給する外部コネクタ551、及び、ワイヤハーネス383を介してセンダゲージ38が検出する液面を表す信号を外部に出力する外部コネクタ552が設けられている。
サブタンク7は、有底筒状の樹脂から形成されている。サブタンク7は、上述したようにDI用燃料ポンプ10、PI用燃料ポンプ20などを収容しつつ、サブタンク7の径方向外側に第1ジェットポンプ35、センダゲージ38が設けられる。
第1フランジ50とサブタンク7とは、図2に示すように、2本のシャフト17により相対位置を変更可能なよう接続されている。シャフト17の径外方向には第1フランジ50とサブタンク7とを離間する方向に付勢するスプリング171が設けられている。これにより、サブタンク7は、プライマリタンク2の底面に押し付けられるよう設けられる。
第2モジュール102は、セカンダリタンク3に設けられる。第2モジュール102は、プライマリタンク2から送られる燃料の異物を除去しエンジン4に供給したり、プライマリタンク2から送られる燃料の圧力を利用してセカンダリタンク3内の燃料をプライマリタンク2に移送したりする。第2モジュール102は、ポートインジェクション用フィルタ(以下、「PI用フィルタ」という)40、フィルタケース41、残圧保持弁47、第2ジェットポンプ45、第2フランジ60などを備える。PI用フィルタ40は、特許請求の範囲に記載の「第2フィルタ」に相当する。
PI用フィルタ40は、略円筒状に形成され、DI用燃料ポンプ10のポンプケース11と同一形状のフィルタケース41に形成されている円環状空間に収容されている。PI用フィルタ40は、例えば、カーボンを含まない導電性樹脂から形成されている。PI用フィルタ40は、プライマリタンク2から送られる燃料の異物を除去する。
フィルタケース41は、略円環状の内側ブラケット42を介して外側ブラケット43に支持されている。フィルタケース41の略中央の円柱状空間には、図8に示すように、グランドに接地するアースブラケット44が収容されている。
フィルタケース41には、第2フランジ60に設けられる移送口62を介してプライマリタンク2から送られる燃料をフィルタケース41内に導く移送管412及び移送口413が設けられている。移送口413を通ってフィルタケース41内に導入される燃料は、フィルタケース41内の燃料通路414及びPI用フィルタ40を通過する。PI用フィルタ40を通過した燃料は、供給管282及び第2フランジ60に設けられるポートインジェクション用供給口61(以下、「PI用供給口」という)、PI用供給口61に接続するPI用供給管25を介してエンジン4の吸気系5に供給される。また、PI用フィルタ40を通過する燃料の一部は、フィルタケース41の径方向外側に収容されている残圧保持弁47に導入される。PI用供給口61は、特許請求の範囲に記載の「第2供給口」に相当する。
残圧保持弁47は、図8に示すように、フィルタケース41の径方向外側に設けられている接続部411内に収容されている。残圧保持弁47は、上流側のPI用フィルタ40内の圧力を一定程度、例えば、320kPa程度に保持し、PI用フィルタ40内の燃料が気体となることを防止する。残圧保持弁47を通る燃料は供給管451を通って第2ジェットポンプ45に送られる。
第2ジェットポンプ45は、外側ブランケット43の第2フランジ60側とは反対側に設けられるサブタンク452に収容されている。第2ジェットポンプ45は、いわゆる、押し込み式のジェットポンプであり、残圧保持弁47から送られる燃料の圧力を利用してセカンダリタンク3の燃料を吸引する。第2ジェットポンプ45が吸引する燃料は、移送管453及び第2フランジ60に設けられる移送口63を介してセカンダリタンク3の外部に送られる。
センダゲージ48は、図6に示すように、フィルタケース41の径方向外側に設けられる。センダゲージ48は、アーム482を介してフロート481と接続している。液面高さの変化に応じてフロート481が動くとアーム482が回動し、センダゲージ48によりアーム482の回動量を検出することで液面高さが検出される。センダゲージ48は、第2フランジ60を介して外部に設置されたECUに液面検出信号を出力する。
第2フランジ60は、円板状に形成され、セカンダリタンク3の「他の開口」としての開口300を塞ぐよう設けられる。第2フランジ60には、PI用供給口61、移送口62、63が設けられている。また、第2フランジ60には、ワイヤハーネス483を介してセンダゲージ48が検出する液面を表す信号を外部に出力する外部コネクタ651が設けられている。
燃料ポンプモジュール1では、第1フランジ50の移送口52と第2フランジ60の移送口62とは、プライマリタンク2からセカンダリタンク3に向かう燃料が流れる移送管91によって接続されている。また、第1フランジ50の移送口53と第2フランジ60の移送口63とは、セカンダリタンク3からプライマリタンク2に向かう燃料が流れる移送管92によって接続されている。これにより、二つの燃料ポンプが備えられているプライマリタンク2にセカンダリタンク3の燃料が移送され、プライマリタンク2及びセカンダリタンク3の燃料が確実にエンジン4に供給される。
第2フランジ60とフィルタケース41とは、図6に示すように、2本のシャフト27により接続されている。シャフト27の径外方向には第2フランジ60とフィルタケース41とを離間する方向に付勢するスプリング271が設けられている。これにより、第2フランジ60に対してフィルタケース41は、セカンダリタンク3の底面に押し付けられるよう設けられる。
次に、燃料ポンプモジュール1の作動について説明する。
外部から外部コネクタ551を介してDI用燃料ポンプ10及びPI用燃料ポンプ20に電力が供給されると、DI用燃料ポンプ10及びPI用燃料ポンプ20が駆動し、DI用サクションフィルタ13、23を介してサブタンク7内の燃料を吸引し、加圧する。
DI用燃料ポンプ10では、ポンプ部14が吐出する燃料は、ポンプケース11内に収容されているDI用フィルタ30により異物が除去される。DI用フィルタ30により異物が除去された燃料は、調圧弁153により適切な圧力に調整された後、供給管182、第1フランジ50のDI用供給口51、DI用供給管15を通ってエンジン4の燃焼室6に直接供給される。
一方、PI用燃料ポンプ20では、ポンプ部24が吐出する燃料は、一部が逆止弁49を通った後、移送管492、第1フランジ50の移送口52、移送管91、第2フランジ60の移送口62、移送管412を通ってセカンダリタンク3内に移送される。また、ポンプ部24が吐出する燃料の一部は、供給管351を通って第1ジェットポンプ35に供給される。第1ジェットポンプ35では、供給される燃料の圧力を利用してプライマリタンク2内の燃料をサブタンク7内に導入する。
移送管91を通ってプライマリタンク2からセカンダリタンク3に移送される加圧された燃料は、PI用フィルタ40により異物が除去される。PI用フィルタ40を通った燃料は、一部が供給管282、第2フランジ60のPI用供給口61、PI用供給管25を通ってエンジン4の吸気系5に供給される。このとき、PI用供給管25を通る燃料は、例えば、吸気系5と連通している通気管255を介して導入される吸気の圧力の大きさに応じて調圧弁253によって圧力が調整される。圧力の調整によって吸気系5に供給されなくなった燃料は、リターン管254及び第1フランジ50の還流口54を介してプライマリタンク2内に戻される。
また、PI用フィルタ40を通った燃料の一部は、残圧保持弁47及び供給管451を通って第2ジェットポンプ45に供給される。第2ジェットポンプ45は、供給された燃料の圧力を利用してセカンダリタンク3内の燃料を移送管453、第2フランジ60の移送口63、移送管92、第1フランジ50の移送口53を介してサブタンク7内に送る。これにより、セカンダリタンク室301の燃料は、プライマリタンク2内のDI用燃料ポンプ10及びPI用燃料ポンプ20により加圧され、エンジン4に供給される。
一実施形態による燃料ポンプモジュール1では、DI用燃料ポンプ10は、ポンプケース21に支持されるポンプケース11に収容されている。これにより、DI用燃料ポンプ10の駆動によって発生する振動は、ポンプケース11及びポンプケース21を介してサブタンク7や燃料タンク8に伝わる。一方、PI用燃料ポンプ20は、サブタンク7に直接支持されているポンプケース21に収容されている。これにより、PI用燃料ポンプ20の駆動によって発生する振動は、ポンプケース21を介してサブタンク7や燃料タンク8に伝わる。このため、PI用燃料ポンプ20の振動は、サブタンク7に比較的伝わりやすい。そこで、燃料ポンプモジュール1では、ポンプケース21に係合するブラケット70とPI用燃料ポンプ20との間にブラケット70に当接する弾性部材75を設け、PI用燃料ポンプ20の駆動によって発生する振動をポンプケース21に伝わりにくくする。これにより、サブタンク7や燃料タンク8に伝わる振動を小さくし、燃料タンク8の振動により発生する騒音を低減することができる。
(他の実施形態)
(ア)上述の実施形態では、燃料タンクは、移送管を介してプライマリタンクとセカンダリタンクとが連通する分割型の燃料タンクであるとした。しかしながら、燃料タンクの構成はこれに限定されない。例えば、鞍型の燃料タンクであって、燃料が貯留される「燃料貯留室」の底面が2つに分割されているような燃料タンクであってもよい。また、燃料貯留室の数は2つに限定されない。1つであってもよいし、2つ以上の複数であってもよい。燃料貯留室が一つである場合、二つの燃料ポンプ及び二つのフィルタは、一つのサブタンク内に収容されてもよい。
(イ)上述の実施形態では、燃焼室に燃料を供給するDI用燃料ポンプ及びDI用フィルタが収容されるポンプケースをPI用燃料ポンプが収容されるポンプケースの支持部が支持するとした。しかしながら、支持するポンプケースと支持されるポンプケースとの関係はこれに限定されない。DI用燃料ポンプまたはPI用燃料ポンプのいずれか一方が収容されるポンプケースがDI用燃料ポンプまたはPI用燃料ポンプのいずれか他方が収容されるポンプケースを支持してもよい。
(ウ)上述の実施形態では、PI用燃料ポンプが収容されるポンプケースの支持部はサブタンクと接続するステーが設けられるとした。しかしながら、ステーとは別の部材によってサブタンクと接続してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 ・・・燃料ポンプモジュール、
4 ・・・エンジン(内燃機関)、
5 ・・・吸気系、
6 ・・・燃焼室、
8 ・・・燃料タンク、
10 ・・・ダイレクトインジェクション用燃料ポンプ(第1ポンプ)、
13 ・・・ダイレクトインジェクション用サクションフィルタ(第1サクションフィルタ)、
20 ・・・ポートインジェクション用燃料ポンプ(第2ポンプ)、
21 ・・・ポンプケース(ポンプ支持部材)、
23 ・・・ポートインジェクション用サクションフィルタ(第2サクションフィルタ)、
29 ・・・支持部、
70 ・・・ブラケット(規制部材)、
75 ・・・弾性部材。

Claims (1)

  1. 燃料タンク(8)内の燃料を内燃機関(4)に供給する燃料ポンプモジュール(1)であって、
    前記燃料タンク内の燃料に含まれる異物を除去する第1サクションフィルタ(13)と、
    前記第1サクションフィルタを通過した燃料を前記内燃機関の燃焼室(6)に吐出する第1ポンプ(10)と、
    前記第1ポンプが吐出する燃料に含まれる異物を除去する第1フィルタ(30)と、
    前記第1フィルタと前記燃焼室との間に設けられ、前記第1フィルタを通過した燃料が流れる第1供給口(51)と、
    前記第1サクションフィルタとは別に前記燃料タンクの燃料に含まれる異物を除去する第2サクションフィルタ(23)と、
    前記第2サクションフィルタを通過した燃料を前記内燃機関の吸気系(5)に吐出する第2ポンプ(20)と、
    前記第2ポンプが吐出する燃料に含まれる異物を除去する第2フィルタ(40)と、
    前記第2フィルタと前記吸気系との間に設けられ、前記第2フィルタを通過した燃料が流れる第2供給口(61)と、
    前記第1ポンプまたは前記第2ポンプのいずれか一方を収容するポンプ収容部材(11)と、
    前記ポンプ収容部材とは別体に形成され、前記ポンプ収容部材を支持する支持部(29)を有し、前記第1ポンプまたは前記第2ポンプのいずれか他方を収容するポンプ支持部材(21)と、
    前記ポンプ支持部材が前記第1ポンプを収容するとき前記第1サクションフィルタと前記第1ポンプとの間、または、前記ポンプ支持部材が前記第2ポンプを収容するとき前記第2サクションフィルタと前記第2ポンプとの間に前記ポンプ支持部材と係合するよう設けられ、前記ポンプ支持部材に対する前記第1ポンプまたは前記第2ポンプの中心軸方向への相対移動を規制する規制部材(70)と、
    弾性材料から形成され、前記ポンプ支持部材が前記第1ポンプを収容するとき前記ポンプ支持部材内の前記第1ポンプと前記規制部材との間にのみ、または、前記ポンプ支持部材が前記第2ポンプを収容するとき前記ポンプ支持部材内の前記第2ポンプと前記規制部材との間にのみ設けられ、前記規制部材に当接する弾性部材(75)と、
    前記燃料タンク内に設けられ、内部に前記ポンプ支持部材を収容可能に形成され、前記ポンプ支持部材を支持するサブタンク(7)と、
    を備えることを特徴とする燃料ポンプモジュール。
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