JP5880484B2 - ポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液、水性コーティング剤および積層体 - Google Patents

ポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液、水性コーティング剤および積層体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液、水性コーティング剤および積層体に関する。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体(以下「ABS」と略記することもある)等の熱可塑性樹脂基材の表面に塗料を塗工する際、基材と塗膜との密着性が不十分な場合があった。近年、環境などの観点から、塗料の分野においても、溶剤系から水系への転換が求められている。
本出願人は、先に、ポリウレタン(A)とビニル重合体(B)とを水性媒体中で分散してなるポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液において、上記(A)成分を構成するジオール成分は、所定の構造式を有し、数平均分子量が500〜5000であるポリカーボネートジオールを含有し、このポリカーボネートジオールの連結基Rとしてヘキサメチレン単位を有するものが、ジオール成分全体の40モル%以上有し、上記(B)成分のガラス転移温度(Tg)は20℃以上、80℃以下であり、かつ、(A)成分100重量部あたりの(B)成分の含有量が20重量部以上、400重量部以下であるポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液を提案した(特許文献1)。このポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液は、特に、アルミニウム基材用アンダーコート剤として好適であり、基材と塗膜との密着性や耐ブロッキング性が良好である。
特開2005−281544号公報
本発明の目的は、ABS等の樹脂基材やアルミニウム等の金属基材に対する密着性とフィルム(塗膜)とした際の引張強度と硬度(引っかき硬度)に優れるポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液を提供することにある。
本発明者らは、前記の先行技術に基づいて更に検討を進めた結果、ポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液において、特定のポリウレタンを使用し、先行技術に記載されたものよりもガラス転移温度(Tg)の高いビニル重合体を使用することにより、上記の目的を達成し得るとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき達成されたものであり、その第1の要旨は、ポリウレタンと(メタ)アクリル系重合体とが水性媒体中に分散されてなるポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液において、ポリウレタンを構成するジオール由来の構成単位と多価イソシアネート由来の構成単位との少なくとも一方がシクロヘキサン環を有しており、かつ、当該シクロヘキサン環の含有量がポリウレタン1kg当り4.73〜6.18であり、しかも、(メタ)アクリル系重合体が単量体成分として少なくとも10重量%のメタクリル酸メチルを含有し、かつ当該(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)が81〜140℃であることを特徴とするポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液に存する。
本発明の第2の要旨は、上記の複合樹脂分散液を含有してなることを特徴とする水性コーティング剤に存する。
本発明の第3の要旨は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂の少なくとも一種を含む基材上に上記の複合樹脂分散液から得られるコーティング皮膜を有することを特徴とする積層体に存する。
本発明の第4の要旨は、アルミニウム板、鋼板、銅板の少なくとも一種の基材上に上記の複合樹脂分散液から得られるコーティング皮膜を有することを特徴とする積層体に存する。
そして、本発明の第4の要旨は、以下の工程(1)〜(3)を順次経ることを特徴とする、第1の要旨に係るポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液の製造方法に存する。
(1)少なくとも10重量%のメタクリル酸メチルを含有する(メタ)アクリル系単量体の存在下、構成単位としてシクロヘキサン環をジオール成分又は多価イソシアネート成分の少なくとも一方に含む、ジオール成分と多価イソシアネート成分とを反応させてシクロヘキサン環の含有量がポリウレタン1kgあたり4.73〜6.18モルのポリウレタンを製造する工程、
(2)得られたポリウレタンを含有する反応液に水を加え、ポリウレタンと(メタ)アクリル系単量体とを水中に分散させて水性分散液を得る工程、
(3)上記分散液中の(メタ)アクリル系単量体を乳化重合させてガラス転移温度が81℃〜140℃のビニル重合体を得る工程。
本発明によれば、ABS等の樹脂基材やアルミニウム等の金属基材に対する密着性とフィルム(塗膜)とした際の引張強度と硬度(引っかき硬度)に優れるポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の複合樹脂水性分散液は、ポリウレタンと(メタ)アクリル系重合体とが水性媒体中に分散されてなる。なお、この明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
ポリウレタンは、多価イソシアネート成分とジオール成分との重縮合体である。
上記多価イソシアネート成分としては、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
上記ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、メチルペンタンジオールアジペート、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール等が挙げられる。また、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などのジメチロールアルカン酸などのカルボキシル基含有ポリオールが挙げられる。また、本発明の目的・効果を損なわない限り、上記ジオール成分に加えて、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを併用してもよい。
本発明で使用するポリウレタンは、ジオール由来の構成単位と多価イソシアネート由来の構成単位との少なくとも一方がシクロヘキサン環を有しており、かつ、当該シクロヘキサン環の含有量がポリウレタン1kg当り4.73〜6.18モルでなければならない。斯かる条件を満足することにより、前述の先行技術で排除された、Tgの高いビニル重合体を使用することが出来、ABS等の樹脂基材やアルミニウム等の金属基材に対する密着性とフィルムとした際の引張強度と硬度に優れるポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液を得ることが出来る。
前記の(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル系単量体の重合体であるが、(メタ)アクリル系単量体を50重量%以上含むものであれば、他の重合性単量体との共重合体であってもよい。
上記(メタ)アクリル系単量体とは、(メタ)アクリル酸又はそのエステル化合物などをいい、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸系単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等が挙げられ、重合に際しては、その1種を使用しても、それらの2種以上の混合物を使用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル等が挙げられる。本発明において、少なくとも10重量%のメタクリル酸メチルを含有する(メタ)アクリル系重合体が好適に使用される。
本発明で使用する(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)は50〜160℃である。上記のガラス転移温度は次のようにして求める。すなわち、ビニル重合体中の各構成単量体a,b,…の構成重量分率をWa,Wb,…とし、各構成単量体a,b,…の単独重合体のガラス転移温度Tga,Tgb,…としたとき、下記の式で、共重合体であるビニル重合体のTgの値を求める。
[数1]
1/Tg=Wa/Tga+Wb/Tgb+…
本発明で使用する(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)が50℃未満の場合は、フィルムとした際の引張強度と硬度に優れるポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液は得られない。一方、(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)が160℃を超える場合は、フィルムとした際にクラックが入り易くなる。(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)の範囲は81〜140℃、より好ましい範囲は90〜110℃である。
本発明のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液は、例えば、次のようにして製造される。
先ず、(メタ)アクリル系単量体の存在下、ジオール成分と多価イソシアネート成分とを反応させてポリウレタンを製造する。この場合、ジオール成分と多価イソシアネート成分との混合比は、ジオール成分/多価イソシアネート(重量比)として、通常1/1.1〜1/2.5、好ましくは1/1.2〜1/2である。1/1.1よりジオール成分が多いと、反応時の粘度が上昇し、水への分散状態が悪化することがある。一方、1/2.5よりジオール成分が少ないと、未反応のイソシアネートが過剰となり、水分散時に凝集したり、粗大粒子が発生することがある。また、(メタ)アクリル系単量体とジオール成分および多価イソシアネート成分との合計量との混合比は、得られるポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液中のポリウレタン100重量部当りのビニル重合体の量比として、通常20〜400重量部、好ましくは25〜300重量部となるように選択される。ビニル重合体の量比が400重量部より多いと、水分散に必要な親水性が不足して、分散状態が悪化することがある。一方、20重量部より少ないと、ウレタンポリマーを形成する際の粘度が高くなり、均一な反応進行が困難となることがある。
次いで、上記の重合でカルボキシル基含有ポリオールを使用した場合は、得られたポリウレタンに含まれるカルボキシル基を塩基性化合物により中和する。これにより、得られる水分散液がより安定化する。上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類などが挙げられる。
次いで、得られたポリウレタンを含有する反応液(以下「反応液」と記す)に水を加えてポリウレタンと(メタ)アクリル系単量体とを水中に分散させて水性分散液を得る。この際、必要に応じて、乳化剤が使用される。この乳化剤としては、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性などのイオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
上記水分散液を得るために使用される水の量は、上記反応液に対し、通常0.5〜9重量倍量、好ましくは1〜4重量倍量である。水の量が9重量倍量より多いと、樹脂の含有割合が低下し、厚めの塗膜を得にくくなる傾向がある。一方、水の量が0.5重量倍量より少ないと、水分散時の粘度が高くなり、取り扱い性が悪化することがある。
次いで、上記水分散液中の(メタ)アクリル系単量体を乳化重合させてビニル重合体を得る。乳化重合は、重合開始剤を添加して行われる。この重合開始剤としては、通常の乳化重合で使用される重合開始剤を使用することが出来る。重合開始剤の例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物などのラジカル重合開始剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することが出来る。また、これらラジカル重合開始剤と、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸などの還元剤とを併用してレドックス系重合開始剤として使用することも出来る。乳化重合の重合温度は、通常50〜100℃程度、反応時間は通常2〜16時間程度である。
上述のようにして得られる本発明のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液は、フィルムとした際の引張強度と硬度に優れる。すなわち、キャスト法によってフィルムを形成した際、当該フィルムの膜厚200μmにおける引張強度が28MPa以上であり、当該フィルムのJIS・K5600−5−4法に従って測定した引っかき硬度がHB以上である。
本発明のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液は、各種の基材に対する塗料やコーティング剤として又はその成分として有用である。コーティング剤として使用する場合は造膜剤を併用するのが好ましい。造膜剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール等が好適である。また、任意成分としては、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を配合することが出来る。更に、塗料として使用する場合は、これらの添加剤に加えて、所望の色調を得るために、染料や顔料を適宜配合すればよい。これらの塗料やコーティング剤の調製には、ボールミル、サンドグラインドミル等を使用することが出来る。このようにして得られた塗料やコーティング剤は、刷毛、スプレー等を使用して塗布される。上記のコーティング剤は、特に、AB
S樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(Ny)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリスチレン樹脂(PSt)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)の少なくとも一種を含む樹脂基材上、または、アルミニウム板、鋼板(例えば、冷間圧延鋼板等のいわゆる鋼板類、亜鉛メッキ鋼板(溶融亜鉛メッキ鋼板、電気メッキ鋼板など)のメッキ鋼板類、その他の表面処理鋼板など)、銅板のような金属基材上に塗布され、得られたコーティング皮膜を有する積層体は各種の用途に供される。また、上記の塗料は、住宅用の建装材の塗装用や、車両用鋼板、内装用材料などの各種樹脂部材の塗装用に使用することが出来る。更に、本発明のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液によれば、トップコート剤として使用する場合、従来問題とされていた耐摩擦性(耐擦傷性)が改良される利点がある。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の諸例で使用した原材料を表1に示す(なお、表2中の「OHV」は、JIS K 1557で測定された水酸基価(単位:mgKOH/g)を意味する)。また、評価方法は後述の通りである。
<原材料>
Figure 0005880484
<評価方法>
(1)シクロヘキサン環の含有量の算定:
表1に示す各原料の1モル中のシクロヘキサン環含有モル数は次の通りである。UC100(シクロヘキサンジメタノール):6.026モル/モル(水酸基価から求めた分子量/構成単位の式量)、H12MDI:2モル、IPDI:1モル。これらより、下記の式でシクロヘキサン環の含有量を算出する。なお、複数のシクロヘキサン環含有原料を使用する場合は、各原料について下式で求めた含有量の合計値をシクロヘキサン環含有量とする。
[数2]
[(シクロヘキサン環含有原料添加量/原料の分子量)×各原料1分子に含まれるシクロヘキサン環の個数]/1000
(2)引張り試験:
(a)試験片作成:
PP板上に乾燥後の皮膜の厚さが200μmになるようにテープにてギャップを形成し、ガラス棒にて各水分散液を塗布し、室温下で一夜放置し造膜させる。このとき、室温で十分に造膜可能になるよう、適宜造膜助剤としてN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学(株)製)(NMPと略記することがある)を添加する。次いで、皮膜をPP板から剥離し、真空乾燥機にて6時間乾燥させ助剤と水分を十分に取り除く。
(b)測定方法:
上記の方法で得られた試験片を0.5cm幅の短冊に切り、オートコムC型万能機((株)キーエスイー製)を使用し、下記の測定条件で、最大伸度(%)、最大強度(MPa)を測定する。測定条件は、23℃、50%RHの雰囲気下で、チャック間隔を2cm、200mm/minの引張り速度とする。
(3)鉛筆硬度:
(a)試験片作成:
ガラス板(日本テストパネル(株)製:標準試験片)に前記(2)(a)と同様にして各水分散体を0.1mmのアプリケーターを使用して塗布する。次いで、50℃で2hr乾燥させ、その後、23℃で50%RHの雰囲気下に一日静置する。
(b)測定方法:
23℃で50%RHの雰囲気下で自動鉛筆引掻き試験機(井元製作所製)を使用して750gの荷重をかけて測定し、塑性変形(永久くぼみ)の発現を目視にて評価する(JIS K 5600−5−4に準拠)。
(4)密着性試験:
(a)試験片作成:
下記の各基材表面を、エタノール(工業用)で拭き、各基材の表面の脱脂を行う。次いで、セロテープ(登録商標・ニチバン(株)製)厚ギャップを使用し、各水分散液を50μm(wet)の厚さに加工する。そして、直ちに60℃の熱風乾燥機にて20分間乾燥し、その後、室温にて1日養生して試験片を作成する。
(b)使用基材:
ABS樹脂板(以下「ABS板」と称する)。ポリカーボネート樹脂板(以下「PC板」と称する)。硬質塩化ビニル樹脂板(以下「塩ビ板」と称する)すべて日本テストパネル(株)製の標準試験片である。
(c)測定方法:
上記の方法で得られた試験片の塗膜を形成した側の面に、2mm角の切れ込みを入れ、10×10の100マス目を形成する。次いで、セロテープ(登録商標・ニチバン(株)製)を貼った後に剥がす、剥離試験を行う。この剥離試験において、残存したマス目の数を計測する。
(5)耐摩擦性:
(a)試験片作成:
下記の各基材表面を、エタノール(工業用)で拭き、各基材の表面の脱脂を行った。次いで、セロテープ(登録商標・ニチバン(株)製)厚ギャップを用い、各水分散液を50μm(wet)の厚さに加工した。そして、直ちに60℃の熱風乾燥機にて20分間乾燥し、その後、室温にて1日養生して試験片を作成した。
(b)使用基材:
表面の耐摩擦性への効果のみを確認するため、実施例および比較例ともに基材との密着性は良好である塩ビ板を用いた。
(c)試験方法:
上記の方法で得られた試験片の塗膜を形成した側の面に、500g荷重をかけながらRubbing Tester(大栄科学精器製作所製)を用いて耐摩擦性試験を行った。塗膜表面の変化が目視で容易に確認できるまでの往復回数で評価した。そして、JIS L0849を参考にし、試験は、金巾3号綿布を取り付けた場合(「金巾3号綿布」と略記する)と金巾3号綿布にイソプロパノール(IPA)を十分に含ませた場合(「IPA」と略記する)について行った。
参考例1及び2、実施例3及び4並びに比較例1〜3:
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、表2に示す「仕込み分」の各成分を加え、内温50℃とした。次いで、表2に示す「添加分」の各成分を添加して90℃に加温し、5時間反応させてウレタンポリマーを得た。
次いで、得られたウレタンポリマー溶液に、塩基性化合物(TEA)を表2に示す量だけ加え、このウレタンポリマー溶液中のカルボキシル基を中和した。次いで、表2に示す量の水を、50℃で15分間かけて滴下し、乳白色の透明性のある分散液を得た。
次いで、上記の分散液を50℃に保温し、この温度で、「H−70」と「AsA」とを表2に示す量だけ加え、ラジカル重合性単量体の重合を開始した。発熱終了後、更に80℃に昇温して、2時間維持することにより、ポリウレタンと(メタ)アクリル系重合体を含む水性分散液を得た。
上記の各水性分散液について、前記の評価を行い、その結果を表3に示した。
Figure 0005880484
Figure 0005880484

Claims (7)

  1. ポリウレタンと(メタ)アクリル系重合体とが水性媒体中に分散されてなるポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液において、ポリウレタンを構成するジオール由来の構成単位と多価イソシアネート由来の構成単位との少なくとも−方がシクロヘキサン環を有しており、かつ、当該シクロヘキサン環の含有量がポリウレタン1kg当り4.73〜6.18モルであり、しかも、(メタ)アクリル系重合体が単量体成分として少なくとも10重量%のメタクリル酸メチルを含有し、かつ当該(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)が81〜140℃であることを特徴とするポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液。
  2. キャスト法によってフィルムを形成した際、当該フィルムの膜厚200μmにおける引張強度が28MPa以上である請求項1に記載のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液。
  3. キャスト法によってフィルムを形成した際、当該フィルムのJIS・K5600−5−4法に従って測定した引っかき硬度がHB以上である請求項1に記載のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の複合樹脂分散液を含有してなることを特徴とする水性コーティング剤。
  5. アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂の少なくとも一種を含む基材上に請求項1〜3の何れかに記載の複合樹脂分散液から得られるコーティング皮膜を有することを特徴とする積層体。
  6. アルミニウム板、鋼板、銅板の少なくとも一種の基材上に請求項1〜3の何れかに記載の複合樹脂分散液から得られるコーティング皮膜を有することを特徴とする積層体。
  7. 以下の工程(1)〜(3)を順次経ることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液の製造方法。
    (1)少なくとも10重量%のメタクリル酸メチルを含有する(メタ)アクリル系単量体
    の存在下、構成単位としてシクロヘキサン環をジオール成分又は多価イソシアネート成分の少なくとも一方に含む、ジオール成分と多価イソシアネート成分とを反応させてシクロヘキサン環の含有量がポリウレタン1kgあたり4.73〜6.18モルのポリウレタンを製造する工程、
    (2)得られたポリウレタンを含有する反応液に水を加え、ポリウレタンと(メタ)アクリル系単量体とを水中に分散させて水性分散液を得る工程、
    (3)上記分散液中の(メタ)アクリル系単量体を乳化重合させてガラス転移温度が81℃〜140℃のビニル重合体を得る工程。
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