JP5880484B2 - ポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液、水性コーティング剤および積層体 - Google Patents
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Description
(1)少なくとも10重量%のメタクリル酸メチルを含有する(メタ)アクリル系単量体の存在下、構成単位としてシクロヘキサン環をジオール成分又は多価イソシアネート成分の少なくとも一方に含む、ジオール成分と多価イソシアネート成分とを反応させてシクロヘキサン環の含有量がポリウレタン1kgあたり4.73〜6.18モルのポリウレタンを製造する工程、
(2)得られたポリウレタンを含有する反応液に水を加え、ポリウレタンと(メタ)アクリル系単量体とを水中に分散させて水性分散液を得る工程、
(3)上記分散液中の(メタ)アクリル系単量体を乳化重合させてガラス転移温度が81℃〜140℃のビニル重合体を得る工程。
1/Tg=Wa/Tga+Wb/Tgb+…
S樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(Ny)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリスチレン樹脂(PSt)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)の少なくとも一種を含む樹脂基材上、または、アルミニウム板、鋼板(例えば、冷間圧延鋼板等のいわゆる鋼板類、亜鉛メッキ鋼板(溶融亜鉛メッキ鋼板、電気メッキ鋼板など)のメッキ鋼板類、その他の表面処理鋼板など)、銅板のような金属基材上に塗布され、得られたコーティング皮膜を有する積層体は各種の用途に供される。また、上記の塗料は、住宅用の建装材の塗装用や、車両用鋼板、内装用材料などの各種樹脂部材の塗装用に使用することが出来る。更に、本発明のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液によれば、トップコート剤として使用する場合、従来問題とされていた耐摩擦性(耐擦傷性)が改良される利点がある。
(1)シクロヘキサン環の含有量の算定:
表1に示す各原料の1モル中のシクロヘキサン環含有モル数は次の通りである。UC100(シクロヘキサンジメタノール):6.026モル/モル(水酸基価から求めた分子量/構成単位の式量)、H12MDI:2モル、IPDI:1モル。これらより、下記の式でシクロヘキサン環の含有量を算出する。なお、複数のシクロヘキサン環含有原料を使用する場合は、各原料について下式で求めた含有量の合計値をシクロヘキサン環含有量とする。
[(シクロヘキサン環含有原料添加量/原料の分子量)×各原料1分子に含まれるシクロヘキサン環の個数]/1000
(a)試験片作成:
PP板上に乾燥後の皮膜の厚さが200μmになるようにテープにてギャップを形成し、ガラス棒にて各水分散液を塗布し、室温下で一夜放置し造膜させる。このとき、室温で十分に造膜可能になるよう、適宜造膜助剤としてN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学(株)製)(NMPと略記することがある)を添加する。次いで、皮膜をPP板から剥離し、真空乾燥機にて6時間乾燥させ助剤と水分を十分に取り除く。
上記の方法で得られた試験片を0.5cm幅の短冊に切り、オートコムC型万能機((株)キーエスイー製)を使用し、下記の測定条件で、最大伸度(%)、最大強度(MPa)を測定する。測定条件は、23℃、50%RHの雰囲気下で、チャック間隔を2cm、200mm/minの引張り速度とする。
(a)試験片作成:
ガラス板(日本テストパネル(株)製:標準試験片)に前記(2)(a)と同様にして各水分散体を0.1mmのアプリケーターを使用して塗布する。次いで、50℃で2hr乾燥させ、その後、23℃で50%RHの雰囲気下に一日静置する。
23℃で50%RHの雰囲気下で自動鉛筆引掻き試験機(井元製作所製)を使用して750gの荷重をかけて測定し、塑性変形(永久くぼみ)の発現を目視にて評価する(JIS K 5600−5−4に準拠)。
(a)試験片作成:
下記の各基材表面を、エタノール(工業用)で拭き、各基材の表面の脱脂を行う。次いで、セロテープ(登録商標・ニチバン(株)製)厚ギャップを使用し、各水分散液を50μm(wet)の厚さに加工する。そして、直ちに60℃の熱風乾燥機にて20分間乾燥し、その後、室温にて1日養生して試験片を作成する。
ABS樹脂板(以下「ABS板」と称する)。ポリカーボネート樹脂板(以下「PC板」と称する)。硬質塩化ビニル樹脂板(以下「塩ビ板」と称する)すべて日本テストパネル(株)製の標準試験片である。
上記の方法で得られた試験片の塗膜を形成した側の面に、2mm角の切れ込みを入れ、10×10の100マス目を形成する。次いで、セロテープ(登録商標・ニチバン(株)製)を貼った後に剥がす、剥離試験を行う。この剥離試験において、残存したマス目の数を計測する。
(a)試験片作成:
下記の各基材表面を、エタノール(工業用)で拭き、各基材の表面の脱脂を行った。次いで、セロテープ(登録商標・ニチバン(株)製)厚ギャップを用い、各水分散液を50μm(wet)の厚さに加工した。そして、直ちに60℃の熱風乾燥機にて20分間乾燥し、その後、室温にて1日養生して試験片を作成した。
表面の耐摩擦性への効果のみを確認するため、実施例および比較例ともに基材との密着性は良好である塩ビ板を用いた。
上記の方法で得られた試験片の塗膜を形成した側の面に、500g荷重をかけながらRubbing Tester(大栄科学精器製作所製)を用いて耐摩擦性試験を行った。塗膜表面の変化が目視で容易に確認できるまでの往復回数で評価した。そして、JIS L0849を参考にし、試験は、金巾3号綿布を取り付けた場合(「金巾3号綿布」と略記する)と金巾3号綿布にイソプロパノール(IPA)を十分に含ませた場合(「IPA」と略記する)について行った。
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、表2に示す「仕込み分」の各成分を加え、内温50℃とした。次いで、表2に示す「添加分」の各成分を添加して90℃に加温し、5時間反応させてウレタンポリマーを得た。
Claims (7)
- ポリウレタンと(メタ)アクリル系重合体とが水性媒体中に分散されてなるポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液において、ポリウレタンを構成するジオール由来の構成単位と多価イソシアネート由来の構成単位との少なくとも−方がシクロヘキサン環を有しており、かつ、当該シクロヘキサン環の含有量がポリウレタン1kg当り4.73〜6.18モルであり、しかも、(メタ)アクリル系重合体が単量体成分として少なくとも10重量%のメタクリル酸メチルを含有し、かつ当該(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)が81〜140℃であることを特徴とするポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液。
- キャスト法によってフィルムを形成した際、当該フィルムの膜厚200μmにおける引張強度が28MPa以上である請求項1に記載のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液。
- キャスト法によってフィルムを形成した際、当該フィルムのJIS・K5600−5−4法に従って測定した引っかき硬度がHB以上である請求項1に記載のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液。
- 請求項1〜3の何れかに記載の複合樹脂分散液を含有してなることを特徴とする水性コーティング剤。
- アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂の少なくとも一種を含む基材上に請求項1〜3の何れかに記載の複合樹脂分散液から得られるコーティング皮膜を有することを特徴とする積層体。
- アルミニウム板、鋼板、銅板の少なくとも一種の基材上に請求項1〜3の何れかに記載の複合樹脂分散液から得られるコーティング皮膜を有することを特徴とする積層体。
- 以下の工程(1)〜(3)を順次経ることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン−(メタ)アクリル系重合体複合樹脂水性分散液の製造方法。
(1)少なくとも10重量%のメタクリル酸メチルを含有する(メタ)アクリル系単量体
の存在下、構成単位としてシクロヘキサン環をジオール成分又は多価イソシアネート成分の少なくとも一方に含む、ジオール成分と多価イソシアネート成分とを反応させてシクロヘキサン環の含有量がポリウレタン1kgあたり4.73〜6.18モルのポリウレタンを製造する工程、
(2)得られたポリウレタンを含有する反応液に水を加え、ポリウレタンと(メタ)アクリル系単量体とを水中に分散させて水性分散液を得る工程、
(3)上記分散液中の(メタ)アクリル系単量体を乳化重合させてガラス転移温度が81℃〜140℃のビニル重合体を得る工程。
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