JP5879803B2 - 固形医薬組成物、その製造方法及び医薬製剤 - Google Patents
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Description
[1].(A)プロピオン酸系又は酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬と、(B)アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEと、(C)ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、(D)二酸化珪素、結晶セルロース、糖アルコール、並びに乳糖、粉糖、ショ糖及びブドウ糖から選ばれる1種以上とを含有し、(C)/(A)で表される(A)成分と(C)成分との質量比が0.3〜1.5であり、(D)/(A)で表される(A)成分に対する(D)成分の含有質量比が、0.8〜1.3であり、上記(A)成分、(B)成分及び(D)成分を含む粒子と、上記(C)成分を含む粒子とを配合してなり、(A)成分が非晶質化したものである固形医薬組成物。
[2].(A)成分が、イブプロフェンである[1]記載の固形医薬組成物。
[3].(B)/(A)で表される(A)成分に対する(B)成分の含有質量比が、0.3〜3である[1]又は[2]記載の固形医薬組成物。
[4].固形医薬組成物中の含有量が、(A)成分:1〜50質量%、(B)成分:0.1〜50質量%、(C)成分:0.1〜50質量%、(D)成分:0.1〜50質量%である[1]〜[3]のいずれかに記載の固形医薬組成物。
[5].[1]〜[4]のいずれかに記載の固形医薬組成物を配合してなり、錠剤、粒状剤、細粒剤又はカプセル剤である医薬製剤。
[6].(A)プロピオン酸系又は酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬と、(B)アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEと、(C)ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、(D)二酸化珪素、結晶セルロース、糖アルコール、並びに乳糖、粉糖、ショ糖及びブドウ糖から選ばれる1種以上とを含有し、(C)/(A)で表される(A)成分と(C)成分との質量比が0.3〜1.5であり、(D)/(A)で表される(A)成分に対する(D)成分の含有質量比が、0.8〜1.3であり、(A)成分が非晶質化したものである固形医薬組成物の製造方法であって、上記(A)成分、(B)成分及び(D)成分を含む粒子と、上記(C)成分を含む粒子とを予め調製して配合することを特徴とする固形医薬組成物の製造方法。
(I)固形医薬組成物
本発明の固形医薬組成物は、(A)プロピオン酸系又は酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬と、(B)アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEと、(C)ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、(D)賦型剤とを含有するものである。
プロピオン酸系、酢酸系とは、それぞれプロピオン酸基、酢酸基を有するものをいう。
1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。非ステロイド性抗炎症
薬としては公知のものが挙げられ、例えば、プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬としては、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン等が挙げられる。酢酸系非ステロイド性抗炎症薬としては、ジクロフェナク、インドメタシン、フェルビナク、エトドラク等が挙げられる。
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEは、化学名:メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーであり、医薬品添加物規格に記載された成分である。前記(B)成分としては、市販のものを用いることができ、例えば、エボニック社のオイドラギットE100、オイドラギットEPO(モノマーモル比;メタクリル酸メチル1:メタクリル酸ブチル1:メタクリル酸ジメチルアミノエチル2、いずれも商品名)等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の特定の水溶性高分子化合物を配合することで、溶解した(A)イブプロフェンの胃中(酸性)における溶解状態を安定化させることができる。
本願発明の賦型剤としては、二酸化珪素、結晶セルロース、糖アルコール、糖類等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。賦型剤を配合することで、製剤の凝集が防止され、製造性も向上する。二酸化珪素としては、軽質無水ケイ酸、含水二酸化珪素、シリカ、ホワイトカーボン等の一般名称を有する。また、市販品を用いることもでき、富士シリシア化学社の「サイリシア」、「サイロスフェア」(いずれも商品名)等が挙げられる。糖アルコールとしては、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット等が挙げられる。糖類としては、乳糖、コーンスターチ、粉糖、ショ糖、ブドウ糖等が挙げられる。賦型剤としては、結晶セルロースが好ましい。
固形医薬組成物は内服用とすることができ、そのまま医薬製剤(この場合は固形医薬組成物と医薬製剤は同じ組成である)、又は他の任意成分と混合して医薬製剤とすることができる。例えば、粒状剤(顆粒剤、細粒剤、散剤)や、さらに必要に応じて打錠して錠剤、カプセル剤等の内服用固形医薬組成物にすることができる。固形医薬組成物の含有量は100質量%でもよく、医薬製剤中20〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましい。上限は98質量%としてもよい。なお、医薬製剤には、上記(D)成分を、固形医薬組成物とは別に配合することができる。医薬製剤中の(D)成分の配合量はOTC医薬品として許容される配合量であれば特に限定されず、0.5〜50質量%が好ましい。
また、錠剤の場合は、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の観点から、錠剤の径として8.0〜13mmφが好ましく、8.0〜11mmφがより好ましい。また、1錠あたりの錠剤質量としては180〜600mg程度が適切である。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
(A)、(B)及び(D)成分を粉体混合後、40℃で16時間加熱し、冷却後卓上ミキサーにて粉砕した。得られた粉砕物に、(C)成分を添加し、粒状剤を得た。なお、粒状剤の平均粒径は200〜400μmであった。
(A)〜(D)成分を粉体混合後、40℃で16時間加熱し、冷却後卓上ミキサーにて粉砕し粒状剤を得た。
得られた粒状剤について下記評価を行った。結果を表中に併記する。なお、粒状剤の平均粒径は200〜400μmであった。なお、非晶質化をDSC(A)成分のピークにより確認した。
日局溶出試験法に基づき、下記試験を実施した。試験開始後5分及び15分における溶出率を試験した。(5分:溶解速度、15分:高溶解性維持効果)
イブプロフェン390mg/900mLとなるように、調製したサンプルを投入して試験を実施した。溶出試験液はpH1.2試験液(日局1液)を用い、溶出試験器(DISSOLUTION TESTER 富山産業(株)製)にて試験した。
溶出率(%)は、製剤中に含まれるイブプロフェンの量と溶液中に溶出したイブプロフェンの溶出量から、下記の式を用いて算出し、得られた溶出率(%)から下記評価基準で溶出性を評価した。
溶出率(%)=溶出したイブプロフェンの量(mg)/製剤中のイブプロフェンの量(mg)×100
[評価基準]
◎:溶出率70%以上
○:60%以上70%未満
×:60%未満
(1)経口投与4時間後、イソフルラン麻酔下で胃を摘出した。胃摘出直後、ゾンデにて胃内に生理食塩水10mLを注入し、1質量%ホルマリン溶液に1時間以上入れて固定した。
(2)ホルマリンにて固定終了後、胃の大湾を切り開き、内容物を生理食塩水にて洗い流し、胃を濾紙に広げて張り付け、潰瘍の長さ(mm)を測定し、平均値(n=8)を算出した。得られた平均値から、下記評価基準に従って胃障害性抑制を示す。
[評価基準]
○:10mm未満
×:10mm以上
下記組成を混合し、タブレッティングテスターにて打錠して直径10mmの錠剤を得た。
組成 g
実施例1の顆粒(固体医薬組成物) 1530g
アセトアミノフェン 390g
無水カフェイン 240g
アリルイソプロピルアセチル尿素 180g
乾燥水酸化アルミニウムゲル 210g
二酸化珪素(サイリシア350) 150g
結晶セルロース(セオラスUF−711) 200g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスカルメロースナトリウム 80g
ステアリン酸マグネシウム 8g
下記組成を混合し、タブレッティングテスターにて打錠して直径10mmの錠剤を得た。
組成 g
実施例2の顆粒(固体医薬組成物) 1230g
アセトアミノフェン 390g
無水カフェイン 240g
アリルイソプロピルアセチル尿素 180g
乾燥水酸化アルミニウムゲル 210g
二酸化珪素(サイリシア350) 150g
結晶セルロース(セオラスUF−711) 290g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH−31) 30g
クロスカルメロースナトリウム 80g
ステアリン酸マグネシウム 8g
下記組成を混合し、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤とした。
実施例2の顆粒(固体医薬組成物) 1230g
アセトアミノフェン 390g
無水カフェイン 240g
アリルイソプロピルアセチル尿素 180g
乾燥水酸化アルミニウムゲル 210g
二酸化珪素(サイリシア740) 150g
クロスポビドン 80g
ステアリン酸マグネシウム 8g
Claims (6)
- (A)プロピオン酸系又は酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬と、(B)アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEと、(C)ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、(D)二酸化珪素、結晶セルロース、糖アルコール、並びに乳糖、粉糖、ショ糖及びブドウ糖から選ばれる1種以上とを含有し、(C)/(A)で表される(A)成分と(C)成分との質量比が0.3〜1.5であり、(D)/(A)で表される(A)成分に対する(D)成分の含有質量比が、0.8〜1.3であり、上記(A)成分、(B)成分及び(D)成分を含む粒子と、上記(C)成分を含む粒子とを配合してなり、(A)成分が非晶質化したものである固形医薬組成物。
- (A)成分が、イブプロフェンである請求項1記載の固形医薬組成物。
- (B)/(A)で表される(A)成分に対する(B)成分の含有質量比が、0.3〜3である請求項1又は2記載の固形医薬組成物。
- 固形医薬組成物中の含有量が、(A)成分:1〜50質量%、(B)成分:0.1〜50質量%、(C)成分:0.1〜50質量%、(D)成分:0.1〜50質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の固形医薬組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の固形医薬組成物を配合してなり、錠剤、粒状剤、細粒剤又はカプセル剤である医薬製剤。
- (A)プロピオン酸系又は酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬と、(B)アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEと、(C)ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、(D)二酸化珪素、結晶セルロース、糖アルコール、並びに乳糖、粉糖、ショ糖及びブドウ糖から選ばれる1種以上とを含有し、(C)/(A)で表される(A)成分と(C)成分との質量比が0.3〜1.5であり、(D)/(A)で表される(A)成分に対する(D)成分の含有質量比が、0.8〜1.3であり、(A)成分が非晶質化したものである固形医薬組成物の製造方法であって、上記(A)成分、(B)成分及び(D)成分を含む粒子と、上記(C)成分を含む粒子とを予め調製して配合することを特徴とする固形医薬組成物の製造方法。
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