JP5879100B2 - 巻胴式エレベータ - Google Patents
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Description
加えて、乗場の近傍に巻上機などの主駆動装置が配置されており、ガイドレール上端に支持台を介して直接載設した巻上機を設けているので、巻上機などから発生した振動が直接ガイドレールに伝わり、該振動に基づく騒音が充分に減衰することなく乗場側に伝わるという課題を有することを見出した。
かかる巻胴式エレベータによれば、巻上機及び振動減衰装置と、かごとの平面投影が重なり合わないと共に、モータとドア駆動装置と平面投影が重なり合わないように配置形成されている。このため、かごが最上階まで進んでも、巻上機及び振動減衰装置とドア駆動装置がかごの進行の障害にならない。したがって、かごの側面部が巻上機と対向する位置まで上昇し得るので、昇降路の高さを抑制できる。
さらに、巻上機を駆動するモータが乗場側方向に延設配置されているので、昇降路の奥域を小さくできる。これにより、上記昇降路の高さの抑制と相まって昇降路の容積を小さくできる。
加えて、かごの乗場側と対向した昇降路側面近傍に巻上機を配置すると共に、モータと巻上機とから成る主駆動装置を連結固定する揺動自在な揺動機構を第1の緩衝部材を介してガイドレールの側面部に連結固定された振動減衰装置とを備えた。これにより、巻上機などから発生した振動を揺動機構が巻胴の回動方向など変換し、揺動機構を第1の緩衝部材を介してガイドレールの側面部に連結固定した振動減衰装置により、上記振動を減衰してガイドレールに伝えるので、振動騒音を抑制し得る。さらに、空間的に乗場から離れた位置に巻上機を設置しているので、乗場側の振動騒音を抑制し得る。
これにより、巻上機のギア部がウォームギアでも、かごの側面部が巻上機のギア部のウォームホィールと対向する位置まで上昇し得るので、昇降路の高さを抑制できる。
θd>θm>θu
前記角度θd,θm,θuとの傾きが前記溝の斜めと同一方向である、ことが好ましい。
かかる巻胴式エレベータによれば、巻胴の溝にロープが案内される際に、かごの中心線とロープとの成す角度がかごの最下階、中間、最上階でθd>θm>θuの関係にある。これにより、かごの中心線とロープとの成す角度が最上階から最下階に行くに従い巻胴の溝の傾きと同一方向を維持しながら大きくなる。
一方、上記角度が上記とは逆にかごの最下階、中間、最上階で第4の角度θda,第5の角度θua、第6の角度θmaとすると、θda<θma<θuaの関係にある比較例と、本件発明のうち好適な本件態様では、本件態様と比較例のうち大きい角度どうしを比較すると、θd<θuaとなる。これは、角度θd,θuaは、巻胴の一端部とかごの上記中心線までの距離により形成されるので、本件態様では、比較例よりも巻胴からかごまでのロープ長さが長くなるからθd<θuaとなる。したがって、本件態様によれば、巻胴の溝からロープが案内され易くなることにより、ロープが巻胴の溝から極めて外れにくくなる。
これにより、かごが最上階で、第2の角度θuが上記傾斜角度よりも大きくなるので、かごが最上階においても、巻胴の溝にロープがより円滑に案内される。
例えば、モータのトルクリップルなどにより巻上機が振動すると、該振動が回動機構により回動方向の成分となり、この成分の振動が第1の緩衝部材を介してガイドレールの側面部に伝えられる。このため、巻上機等から発生した振動が乗場やかご内に伝わりにくくなるので、乗場及びかご内の騒音も減少する。
揺動機構は、ガイドレールに対してX,Y,Z軸方向に自由に揺れ動くもので、回動機構は、ガイドレールに対してX,Y平面状を回動するから、揺動機構の動きを限定したものと捉えることができる。
これにより、回動機構は回動部材とピンと支持部材とにより簡易に形成できると共に、第1の緩衝部材を介してガイドレールに固定される。したがって、巻上機などから発生した振動が第1の緩衝部材により減衰してガイドレールに伝わるので、振動騒音が減少する。
これにより、巻上機などからの振動が第2の緩衝部材を介して回動部材に伝わるので、さらにガイドレールに伝わる振動をより低減できる。
本発明の一実施の形態を図1から図4によって説明する。図1はエレベータの全体構成図である。図2は図1に示す巻胴式エレベータの平面図、図3は図1に示す巻胴式エレベータのかごの中心線とロープとの成す角度をかごの位置により変化することを表す模式説明図、図4は図1に示す主駆動装置が振動減衰装置を介してガイドレールに連結固定する機構図である。
図1において、個人住宅などに施設される巻胴式エレベータ1は、略長方体形状の空洞に形成された昇降路3にかご10などの以下の機器が収納されており、かご10を上昇下降方向に案内する一対のガイドレール18が乗場5と反対側の奥に垂直に立設している。なお、ガイドレール18は、平面視凸形状をしている。このガイドレール18と摺動係合すると共に、かご10の乗場5に遠い他端部10bに連結固定された平面視凹形状のガイドシュー17を有している。
巻胴式エレベータ1は、三停止で各階にかご10の乗場5を有する三階建ての住宅に設置されており、昇降路3の底部に緩衝器7が設置されている。乗場5には、それぞれ一階用、二階用、三階用乗場ドア5a〜5cを有している。
さらに、昇降路3内には、ガイドレール18の底面が昇降路3底部に固定されており、巻上機20が揺動機構としての回動機構30がガイドレール18の側面上部に回動自在に連結されている。
ギア部24はヘリカルギアでも良いが、ウォームギアが好ましい。簡易に減速できるからである。本実施形態では、ギア部24は、ウォーム24mとそれに歯合すると共に、ウォーム24mよりも下側に配置された軸を有するウォームホィール24hとを有しており、ウォーム24mの軸にモータ50の軸50bが連結固定している。
モータ50は、昇降路3内部に配設されて、胴部50aが乗場5側に延設するように設けられており、軸50bがウォーム24mの軸に連結固定され、巻胴22と交差すると共に、巻胴22を回転させるように形成されている。
モータ50と巻上機20とにより主駆動装置55を成して、主駆動装置55が昇降路3内に設けられている。
これにより、かご10が上昇すると、巻上機20とドア駆動装置14に接触することなく図1に示す矢印mまでの距離を有効に移動し得る。したがって、モータ50と衝突するまで、かご10が上昇走行し得るので、昇降路3の上部空間のスペースを少なくできる。
そして、かご10が最下階で図3の正面から見て、かご10床面の水平方向と直交する中心線、すなわち、かご10の上下方向の中心線とロープ16との成す第1の角度θd、かご10が最上階で、上記中心線とロープ16との成す第2の角度θu、かご10が最下階と最上階との中間で、上記中心線とロープ16との成す第3の角度θmとすると、下記関係を有するようにかご10が巻胴22に対して配置されている。
θd>θm>θu
さらに、巻胴22の溝22uは、左ねじの関係で第1の角度θd,第2の角度θu,第3の角度θmと同一方向に斜めに設けられている。巻胴22を回転する際にロープ16を溝22uに案内しやすくするためである。
また、第2の角度θuは、巻胴22の溝22uに対して引いた垂直線と、溝22uの傾きとにより形成される傾斜角度θrよりも大きい、ことが好ましい。
かご10が最上階でも、ロープ16が溝22uの方向に対して同一角度を維持できるので、かご10が最上階において、巻胴22の溝22uにロープ16がより円滑に案内できるからである。
回動機構30は、ガイドレール18に対してロープ16と反対側に設けられており、巻上機20などの矢印Bに示す回転方向の振動を減衰してガイドレール18に伝達するように形成されている。ガイドレール18に対してロープ16と反対側に設けたのは、かご10の進路を阻害しないからである。
回動部材36は巻上機20の底部側に近い一端と、ピン34側に近い他端とを有し、板状でL形状の基体部36aと、基体部36aに連通した板状の天部36bとを有している。
回動機構30は、回動部材36の基体部36aに接着剤により第1の緩衝部材としての第1の防振ゴム38を介してガイドレール18に固定されている。
さらに、回動機構30は、回動部材36の天部32bに接着剤により第2の緩衝部材としての第2の防振ゴム39が台26に固定されることが好ましい。
なお、かご10が最上階よりもさらに上昇方向に進行すると、モータ50とかご10との平面投影が重なるため、かご10の上部にモータ50が接触し得る。
また、モータ50の胴部50aが乗場5側方向に延設配置されているので、モータ50の胴部50aが乗場5側と反対方向に延設配置と場合と比較して昇降路3の奥域を小さくできる。
このように、長方体状の昇降路3の高さ、奥行きを小さくできるので、住宅そのものが小型化し得る。
さらに、かご10の乗場5側と対向した昇降路3側面近傍に巻上機20を配置すると共に、主駆動装置55を連結固定する回動自在な回動機構30を第1の防振ゴム38を介してガイドレール18の側面部に連結固定された振動減衰装置28を備えた。これにより、空間的に乗場5から離れた位置に巻上機20を設置すると共に、主駆動装置55から発生した振動を振動減衰装置28により減衰してガイドレール18に伝えるので、巻上機20などからの発生した振動、騒音が乗場5側に伝達しにくくなる。よって、居室などの騒音が減少し得る。
これにより、巻上機20のギア部24がウォームギアでも、かご10の側面部が巻上機20のギア部24と対向する位置まで上昇し得るので、昇降路3の高さを抑制できる。
θd>θm>θu
したがって、巻胴22の溝22uからロープ16が案内され易くなることにより、ロープ16が巻胴22の溝22uから極めて外れにくくなる。
これにより、かご10が最上階でも、ロープ16が巻胴22の溝22uの方向に同一の角度を維持し得るので、かご10が最上階において、巻胴22の溝22uにロープ16がより円滑に案内される。
モータ50のトルクリップルなどにより巻上機20が振動すると、該振動が回動機構30により回動方向の成分となり、この成分の振動が第1の防振ゴム38を介してガイドレール18に伝えられる。このため、巻上機20等から発生した振動が乗場5やかご10内に伝わりにくくなるので、乗場5及びかご10内の騒音も減少する。
これにより、回動機構30は回動部材36とピン34と支持部材32とにより簡易に形成できると共に、第1の防振ゴム38を介してガイドレール18に固定される。したがって、巻上機20などから発生した振動が第1の防振ゴム38により減衰してガイドレール18に伝わるので、振動騒音が減少する。
これにより、巻上機20などからの振動が第2の防振ゴム39を介して回動部材36に伝わるので、さらにガイドレール18に伝わる振動をより低減できる。
本実施形態を図5に示す比較例1と比較することにより本実施形態の優位性を説明する。図5は図3に対する比較例としてかごの中心線とロープとの成す角度をかごの位置により変化することを表す模式説明図である。
図5において、巻胴22の他端部22bをロープ16の巻始め端16aとして固定し、巻胴22の一端部22aをロープ16の巻終わり端16bとして巻回している。つまり、本実施形態の図3とは巻始め端16aと巻終わり端16bとが巻胴22に対して逆になっている。
かご10が最下階で、かご10床面の水平方向と直交する中心線とロープ16との成す第4の角度θda、かご10が最上階で、上記中心線とロープ16との成す第5の角度θua、かご10が中間で、上記中心線とロープ16との成す第6の角度θmaとすると、下記関係を有するようにかご10が巻胴22に対して配置されている。
θda<θma<θua
すなわち、本実施の形態と本比較例1とで、最も大きい最大角度どうしを比較すると、下記の関係になる。
θd<θua
この関係は、図3及び図5から明らかのように昇降行程が長いほど顕著となる。これにより、図3に示す本実施形態では、比較例1よりも上記最大角度の値がかなり小さくなるので、巻胴22の溝22uからロープ16が外れにくくなることが容易に理解し得る。
本実施形態を図6に示す比較例2と比較することにより本実施形態の優位性を説明する。図6は図3に対する比較例としてかごの中心線とロープとの成す角度をかごの位置により変化することを表す模式説明図である。
単純にかご10のかご10床面の水平方向と直交する中心線とロープ16との成す角度をかご10の最上階と最下階とで、単純に振り分けるのであれば、巻胴22の一端部22aと他端部22bとの間にかご10の上下方向中心に配置すれば、第7の角度θubと第9の角度θdbとが略等しくなる。しかしながら、図6に示す巻胴22の左側が溝22uと上記中心線とロープ16との成す角度とが反対向きとなり、巻胴22の溝22uにロープ16を案内し難くなるので、適当でない。
なお、かご10の中間位置では、上記中心線とロープ16の成す角度は第8の角度θmbとなっている。
Claims (7)
- 乗場に近い一端部と乗場に遠い他端部を有すると共に、ドアを有するかごと、
該かごの一端部側の上部に設けられると共に、前記ドアを開閉するドア駆動装置と、
前記乗場と反対側に立設されると共に、前記かごの他端部側を上下方向に案内する一対のガイドレールと、
該ガイドレールに連結され、該ガイドレールの上部に配設されると共に、前記かごと前記かごの他端部側に連結されたロープを巻回する溝を有する巻胴を有し、該巻胴を回転させる複数の歯車から成るギア部を有し、前記乗場側と対向した前記昇降路側面壁近傍に配置された巻上機と、
前記歯車の軸に連結され、前記巻胴と交差すると共に、前記巻胴を回転させる前記乗場側方向に延設配置されたモータと、
該モータと前記巻上機とから成る主駆動装置を連結固定する揺動自在な揺動機構と第1の緩衝部材とを有し、前記揺動機構を第1の緩衝部材を介して前記ガイドレールの側面部に連結固定された振動減衰装置とを備えた巻胴式エレベータであって、
前記かご、前記ドア駆動装置、前記ガイドレール、前記巻上機、前記モータ、前記振動減衰装置が昇降路内に設けられており、
前記巻上機及び前記振動減衰装置と、前記かごとの平面投影が重なり合わないように配置しており、
前記モータと前記ドア駆動装置との平面投影が重なり合わないように配置している、 ことを特徴とする巻胴式エレベータ。 - 前記ギア部は、ウォームとそれに歯合すると共に、前記ウォームよりも下側に配置された軸を有するウォームホィールとを有しており、前記ウォームの軸に前記モータの軸を連結固定している、
ことを特徴とする請求項1に記載の巻胴式エレベータ。 - 前記巻胴の溝は、斜めに形成され、
前記ウォームホィールと前記巻胴とが連通して設けられており、
前記巻胴の一端部を前記ロープの巻始め端として固定し、前記巻胴の他端部を前記ロープの巻き終わり端として巻回し、
前記かごが最下階で、前記かごの中心線と前記ロープとの成す第1の角度θd、前記かごが最上階で、前記中心線と前記ロープとの成す第2の角度θu、前記かごが前記最下階と前記最上階との中間で、前記中心線と前記ロープとの成す第3の角度θmとすると、下記関係を有するように前記かごが巻胴に対して配置されている、
θd>θm>θu
前記角度θd,θm,θuとの傾きが同一方向で、前記溝の傾きとも同一方向である、
ことを特徴とする請求項2に記載の巻胴式エレベータ。 - 前記第2の角度θuは、前記巻胴の前記溝に対して引いた垂直線と、前記溝の傾きとにより形成される傾斜角度よりも大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の巻胴式エレベータ。 - 前記振動減衰装置は、前記主駆動装置に連結固定されると共に、前記ガイドレールに対して回動自在な回動機構を備え、該回動機構は、前記第1の緩衝部材を介して前記ガイドレールの側面部に連結固定される、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の巻胴式エレベータ。 - 前記回動機構は、前記ガイドレールに連結固定された支持部材と、
前記主駆動装置に連結固定され、前記ガイドレールに沿って設けられ、ピンを介して前記支持部材と回転可能に設けられると共に、前記主駆動装置を回動自在にする回動部材とを備え、
前記第1の緩衝部材は、前記回動部材と前記ガイドレールの側面との間に設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の巻胴式エレベータ。 - 前記回動部材は、前記巻上機の底部側に近い一端と、前記ピン側に近い他端とを有し、
前記回動部材の一端と前記巻上機の底部との間に設けられた第2の緩衝部材を、
備えたことを特徴とする請求項6に記載の巻胴式エレベータ。
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