JP5879071B2 - 歯間ブラシ - Google Patents
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Description
歯間ブラシとしては、ブラシ材の長さが一定にされているストレートタイプのものと、ブラシ材の長さが歯間ブラシの先端側から基端側に向かうにつれて長くされたテーパータイプのものが知られている(特許文献1,2)。
一方、テーパータイプでは、歯間サイズに一致するのはブラシ体の長手方向の1箇所のみであり、それよりもブラシ材が長い部分は為害性が高くなり、短い部分は清掃性が低下し、使用感が不充分であった。
本発明は、様々なサイズの歯間に対しても、ブラシ体の歯間挿入性および歯間清掃性が高く、使用感に優れた歯間ブラシを提供することを目的とする。
[1]軸材と該軸材から放射状に突出する複数本のブラシ材からなる2個以上の清掃部とを備える歯間ブラシであって、各清掃部は、前記軸材の基端側に、基端側から先端側に向かうにつれて漸次拡径する拡径部を有し、前記軸材の先端側に、基端側から先端側に向かうにつれて漸次縮径する縮径部を有することを特徴とする歯間ブラシ。
[2]前記ブラシ材は、軸材に沿って基端で折曲した際に、清掃部間の露出した軸材を被覆可能な長さである、[1]に記載の歯間ブラシ。
図1に、本実施形態の歯間ブラシの側面図を示す。この歯間ブラシ1は、ハンドル体10と、ハンドル体10に設けられたブラシ体20とを具備し、ハンドル体10とブラシ体20とが直線状に配置されたI字型のものである。
ハンドル体10の材質としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー)等の軟質樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ABS樹脂等を使用することができる。
また、ハンドル体10の表面には、グリップ性を高めるために凹凸が形成されていてもよいし、天然ゴムや合成ゴム等の滑り止め部材が被覆されていてもよい。
各清掃部A1,A2,A3は、ワイヤ21の基端側に、基端側から先端側に向かうにつれて漸次拡径する拡径部αを有し、ワイヤ21の先端側に、基端側から先端側に向かうにつれて漸次縮径する縮径部βを有する。本実施形態では、拡径部αと縮径部βとが連続している。また、拡径部αは、中央から基端側に向かうにつれてフィラメント22の長さの変化量が大きくなり、縮径部βは、中央から先端側に向かうにつれてフィラメント22の長さの変化量が大きくなっている。
ワイヤ21の材質としては特に限定されず、例えば、オーステナイト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、Co含有量30〜60質量%のCo合金等が挙げられる。これらの中でも、ワイヤ21の耐久性がより向上することから、Co含有量30〜60質量%のCo合金が好ましい。
ワイヤ21の、フィラメント22を設けた部分の長さは、歯間ブラシ1の用途、すなわち、想定する歯間の形状等を勘案して適宜選択され、例えば、5〜15mmとされる。
フィラメント22の材質としては、例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
本実施形態では、歯肉にワイヤ21が接触することを防止するために、フィラメント22は、ワイヤ21に沿うように基端で折曲した際に、清掃部A1,A2の間または清掃部A2,A3の間の露出したワイヤ21を被覆可能な長さになっている。具体的には、先端側清掃部A1の基端側のフィラメント22および中央清掃部A2の先端側のフィラメント22の長さが、ワイヤ21の、先端側清掃部A1と中央清掃部A2との間で露出する部分の長さより長くなっている。また、具体的には、中央清掃部A2の基端側のフィラメント22および基端側清掃部A3の先端側のフィラメント22の長さが、ワイヤ21の、中央清掃部A2と基端側清掃部A3との間で露出する部分の長さより長くなっている。
歯間への挿入性と歯垢の除去性も考慮すると、全てのフィラメント22の長さは0.1〜8.0mmの範囲内にあることが好ましい。さらに、本実施形態では、先端側清掃部A1の先端側のフィラメント22の長さが1.0〜7.0mmの範囲内にあることが好ましく、1.6〜6.0mmの範囲内にあることがより好ましい。また、基端側清掃部A3の基端側のフィラメント22の長さが1.0〜8.0mmの範囲内にあることが好ましく、1.5〜7.0mmの範囲内にあることがより好ましい。ここで、フィラメント22の長さとは、ワイヤ21からフィラメント22の先端までの距離のことである。
ブラシ体作製工程は、折り返したワイヤ21にフィラメント22を挟み込むと共に、ワイヤ21を捻り合わせ、清掃部A1,A2,A3の形状が得られるようにフィラメント22を切り揃えてブラシ体20を作製する工程である。
ハンドル体作製工程は、射出成形によるインサート成形が適用される。すなわち、射出成形用の金型の内部にブラシ体20のワイヤ21の基端を配置し、その状態のまま、射出成形によってハンドル体形成用樹脂を金型内に充填する。これにより、ハンドル体10を成形すると共にワイヤ21の基端をハンドル体10に接続する。
また、清掃部A1,A2,A3の各々が、基端側に拡径部αを有すると共に先端側に縮径部βを有することで、ブラシ体20に、くびれた部分が2つ形成される。くびれた部分においては、フィラメント22がやや立った状態で歯間を通過するため、掻き取り効果が高くなっている。そのため、歯間清掃性が高くなっており、使用感(清掃実感)も向上している。
また、各清掃部A1,A2,A3の拡径部αおよび縮径部βは、各々、長さが異なるフィラメント22で構成されているため、様々なサイズの歯間に対しても、ブラシ体20のいずれかの部分が合うようになっている。
さらに、ブラシ体20を歯間に一往復させた際に、フィラメント22が歯肉に当たる圧力が変化するため、歯肉のマッサージ感に優れる。
例えば、図2に示すように、各清掃部A1,A2,A3の形状が、2つの切頭円錐を底面同士で連結した形状(以下、「算盤珠状」という。)で、基端側に拡径部αを有すると共に先端側に縮径部βを有し、拡径部αおよび縮径部βにてフィラメント22の長さが一定に変化するものでもよい。また、図3に示すように、各清掃部A1,A2,A3が、基端側に拡径部αを有すると共に先端側に縮径部βを有し、拡径部αと縮径部βとの間に直径が一定の円柱部γを有するものでもよい。
また、先端側清掃部A1が最も太く、基端側清掃部A3が最も細くなるようにしてもよいし、中央清掃部A2が、先端側清掃部A1および基端側清掃部A3よりも太くてもよい。また、先端側清掃部A1、中央清掃部A2、基端側清掃部A3の太さが同一であってもよい。
また、歯間ブラシにおいては、清掃部A1,A2の間隔、清掃部A2,A3の間隔を拡げて、フィラメント22が、ワイヤ21に沿って基端で折曲した際に、清掃部A1,A2の間、清掃部A2,A3の間の露出したワイヤ21を被覆しない長さであっても構わない。
清掃部の数は3つに限らず、2つでもよいし、4つ以上でも構わない。
本実施形態では、各清掃部A1,A2,A3の形状が球状であるため、横断面形状は円形であるが、本発明における各清掃部A1,A2,A3の横断面形状は、円形以外に、例えば、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等。)、異形(例えば、星形、三つ葉のクローバー形、四つ葉のクローバー形等。)等とすることができる。
また、本発明の歯間ブラシは、I字型のものに限らず、ハンドル体とブラシ体との間にノズル体が設けられ、ノズル体がハンドル体に対して屈曲しているL字型のものであってもよい。また、歯間ブラシは、ノズル体が交換可能になっていてもよい。
実施例1の歯間ブラシとして、ハンドル体と、3つの清掃部(先端側清掃部、中央清掃部、基端側清掃部)が形成されたブラシ体とを具備するものを、射出成形によるインサート成形により作製した。
本例において、ブラシ体は、1本の金属線(NAS604PH、直径0.3mm)が2つ折りで折り返され、螺旋状に捻り合わされたワイヤにフィラメント(ナイロン製、直径3mil、植毛本数320本、長さ10mm)が設けられたものである。先端側清掃部はワイヤの先端から3mm未満の部分、中央清掃部はワイヤの先端から3mm以上6mm未満の部分、基端側清掃部はワイヤの先端から6mm以上10mm未満の部分とした。
また、本例では、先端側清掃部を直径3.0mmの球状とし、側面視において、中央清掃部を長径3.7mmで短径3.0mmの楕円球状とし、基端側清掃部を長径4.5mmで短径4.0mmの楕円球状とした。したがって、各清掃部は基端側に拡径部を有すると共に先端側に縮径部を有する。
ブラシ体の先端側清掃部を直径3.0mmで、ワイヤの長手方向の長さが3.0mmの算盤珠状とし、中央清掃部を直径3.7mmで、ワイヤの長手方向の長さが3.0mmの算盤珠状とし、基端側清掃部を直径4.5mmで、ワイヤの長手方向の長さが4.0mmの算盤珠状とした以外は実施例1と同様にして、歯間ブラシを作製した。
ブラシ体を、先端側のフィラメントの長さが3.0mm、中央のフィラメント長さが3.75mm、基端側のフィラメントの長さが4.5mmになるテーパー状とした以外は実施例1と同様にして、Lサイズの歯間ブラシを作製した。
ブラシ体を、先端側から基端側の全体にわたってフィラメントの長さが4.0mmと一定であるストレート状とした以外は実施例1と同様にして、Lサイズの歯間ブラシを作製した。
各実施例および各比較例の歯間ブラシについて、使用時の歯間挿入性、清掃実感、汚れ落ち実感、マッサージ感を以下の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
Mサイズ適応パネラー5人が、各例の歯間ブラシを口腔内(歯間)で使用し、歯間挿入性を以下の基準で評価した。
5:かなり挿入しやすい
4:やや挿入しやすい
3:どちらともいえない
2:やや挿入しにくい
1:かなり挿入しにくい
Mサイズ適応パネラー5人が、各例の歯間ブラシを口腔内(歯間)で使用し、清掃実感を以下の基準で評価した。
5:刷掃実感をかなり感じる
4:刷掃実感をやや感じる
3:どちらともいえない
2:刷掃実感をあまり感じない
1:刷掃実感をほとんど感じない
Mサイズ適応パネラー5人が、各例の歯間ブラシを口腔内(歯間)で使用し、汚れ落ち実感を以下の基準で評価した。
5:汚れ落ち実感をかなり感じる
4:汚れ落ち実感をやや感じる
3:どちらともいえない
2:汚れ落ち実感をあまり感じない
1:汚れ落ち実感をほとんど感じない
Mサイズ適応パネラー5人が、各例の歯間ブラシを口腔内(歯間)で使用し、マッサージ感を以下の基準で評価した。
5:マッサージ感をかなり感じる
4:マッサージ感をやや感じる
3:どちらともいえない
2:マッサージ感をあまり感じない
1:マッサージ感をほとんど感じない
これに対し、テーパー状のブラシ体である比較例1の歯間ブラシ、ストレート状のブラシ体である比較例2の歯間ブラシは、歯間挿入性、清掃実感、マッサージ感が不充分であった。
10 ハンドル体
20 ブラシ体
21 ワイヤ
22 フィラメント
A1 清掃部(先端側清掃部)
A2 清掃部(中央清掃部)
A3 清掃部(基端側清掃部)
α 拡径部
β 縮径部
γ 円柱部
Claims (2)
- 軸材と該軸材から放射状に突出する複数本のブラシ材からなる3個以上の清掃部とを備える歯間ブラシであって、
前記清掃部として、前記軸材の先端側から順に、先端側清掃部、中央清掃部、基端側清掃部が少なくとも備えられ、
前記先端側清掃部、前記中央清掃部、前記基端側清掃部、の順に各清掃部の最大太さが太くされており、
各清掃部は、前記軸材の基端側に、基端側から先端側に向かうにつれて漸次拡径する拡径部を有し、前記軸材の先端側に、基端側から先端側に向かうにつれて漸次縮径する縮径部を有することを特徴とする歯間ブラシ。 - 前記ブラシ材の長さは、前記ブラシ材が前記軸材に沿って前記ブラシ材の基端で折曲した際に、清掃部間の露出した軸材を被覆可能な長さである、請求項1に記載の歯間ブラシ。
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