WO2006018927A1 - 歯ブラシ - Google Patents

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Hiroyuki Kobayashi
Takao Kato
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Abstract

 ソフトで当たり心地が優しく、高い刷掃実感とマッサージ感および優れた歯垢除去力を得ることができ、重度あるいは軽度の歯周病・歯肉炎の治療または予防用として好適な歯ブラシを提供する。さらに、植毛強度が高くて毛抜けがなく、ヘッド部のワレや白化も少ない高品質な歯ブラシを提供する。合成樹脂用毛4を束ねた毛束5をヘッド部1の植毛穴3に植設した歯ブラシにおいて、植毛穴3の横断面積を直径1.8mm以上の円形穴もしくは該円形穴相当の大きさとするとともに、該植毛穴3に植設される合成樹脂用毛4の横断面積を直径0.127mm(5mil)以下の円形毛もしくは該円形毛相当とした。また、植毛穴3の穴直径dと穴深さhとの比h/dを1.7~2.5の範囲とした。さらに、隣り合う植毛穴の最短穴間距離を0.1~0.4mmとした。

Description

明 細 書
歯ブラシ
技術分野
[0001] 本発明は、ソフトで当たり心地が優しぐ高い刷掃実感とマッサージ感および優れた 歯垢除去力を得ることができる、歯周病や歯肉炎の治療あるいは予防用として好適 な歯ブラシに関するものである。
背景技術
[0002] 従来、ソフトな細い用毛を有する歯ブラシとしては、獣毛 (豚毛、狸毛、山羊毛、これ らの混毛)を用いた歯ブラシが知られている。これは約 l〜8mil程度の太さの獣毛を 束ねて毛束としたものであり、天然毛であることから合成樹脂毛ほどに品質が安定し ないという問題があった。
[0003] また、歯周病や歯肉炎の治療あるいは予防用の歯ブラシとしては、先端極細毛歯 ブラシが有名であるが、この先端極細毛歯ブラシは毛先部分が細く鋭く尖ったテーパ 一形状の用毛を用いて 、るため、歯肉炎のひど!/、患者の場合には毛先の刺激によ る痛みを感じることがあった。
[0004] 通常、歯周病の治療や予防にはブラッシングによる機械的な刺激が有効であるとさ れて 、るが、一般的な歯ブラシでは 5〜 12mil程度の太さの用毛が使用されており、 これを歯周病に罹患している人が使うと出血したり、歯肉が痛んだりするため、ブラシ を患部にきちんと当てて長い時間ブラッシングすることができな力つた。
[0005] 一方、刷掃実感を向上させる施策としては、これまでにもさまざまな手段が考えられ てきたが、その一つに大きい径の植毛穴の採用がある。植毛穴の径を大きくすること により、毛束を構成する用毛の本数を増やし、毛束の剛性を高くするとともに歯面との 接触面積を増やして刷掃実感を高めるものである。しかし、植毛穴の径を大きくする と、毛束の大きさに対する抜け止め部材 ( 、わゆる平線)の掛かり代 (しろ)の割合が 小さくなり、植毛強度が低くなるという問題があった。
[0006] 平線を長くすることによって掛カり代を大きくし、植毛強度を向上させることも技術的 には可能である力 刷掃実感を高くするためには可能な限り密毛仕様とすることが望 ましぐ密毛仕様で長い平線を打ち込むことはヘッド部植毛面のヮレゃ白化の発生に つながるため、望ましくない。
[0007] 特許文献 1 (日本国特開平 4— 261605号公報)には、植毛穴開口部に対して穴深 さ底部の断面積を小さくすることにより、植毛穴内部の用毛充填率 (パッキングファタ ター)を上げ、植毛強度を高くするとともに刷毛自由端が広がらないようにした歯ブラ シが示されている。しかし、用毛充填率を上げ過ぎると、植毛時に植毛針が折れやす くなつたり、歯ブラシヘッド部のヮレゃ白化などの問題を生じるおそれがある。
[0008] 一方、特許文献 2 (日本国実公昭 63— 95828号公報)には、刷毛束の一部が太い 毛と細い毛の混合用毛束力 なる歯ブラシが示され、さらに毛束内での用毛の配置 なども記載されている力 最適な用毛径については検討がなされていない。組み合 わせた太い毛と細い毛が適切でない場合、刷掃時に太い毛が目立ち、毛先の刺激 による痛みが感じられることがあり、歯肉炎を持つ使用者には不向きな場合もあった。
[0009] 特許文献 3 (日本国特開平 2— 98310号公報)には、先端が球状とされたブリツス ル (用毛)と先端が丸め処理されたブリツスルとを混在植毛した歯ブラシが示されて 、 る力 ブリツスル径については特に明示されていない。この歯ブラシは、毛先が球状と されており、用毛基部よりも大きいため、当たり心地がゴッゴッしてよくない。また、弱 い刷掃圧では歯間などの狭い隙間を効率良く清掃することが困難である。
[0010] 特許文献 4 (日本国特開平 6— 141923号公報)には、毛先がテーパー形状の合 成榭脂フィラメントが示されているが、このフィラメントは毛先が先鋭なため、狭い隙間 を清掃しやすぐ適度な歯ぐきマッサージに適している力 使用者によっては先鋭ィ匕 した毛先のチクチク感が好まれない場合があった。また、毛先の高度先鋭化加工は 高コストとなるため、歯ブラシが高価になるという問題もあった。
[0011] 特許文献 5 (日本国実開平 5— 68328号公報)には、植毛穴の深さ方向の中間部 に縮径部を形成し、この縮径部によって部分的に用毛充填率を上げることで高 、植 毛強度を確保した歯ブラシが示されている。しかし、この歯ブラシの場合、成形の際 に用いる金型の構成 (特にピンの構成)が複雑にならざるを得ず、製造コストや製造 技術の点力も得策とは言い難力つた。
[0012] 特許文献 6 (日本国特開平 8— 19423号公報)には、植毛工程におけるヘッド部の ヮレゃ変形を抑えるとともに、植毛強度の高い歯ブラシとするため、植毛基台部と植 毛穴底面との間の厚さを規定した歯ブラシが示されているが、植毛穴の穴径に関し ては十分な検討がなされて 、な 、。
[0013] 特許文献 1 :日本国特開平 4— 261605号公報 (全文、全図)
特許文献 2 :日本国実公昭 63— 95828号公報 (全文、全図)
特許文献 3 :日本国特開平 2— 98310号公報 (全文、全図)
特許文献 4:日本国特開平 6— 141923号公報 (全文、全図)
特許文献 5 :日本国実開平 5— 68328号公報 (全文、全図)
特許文献 6 :日本国特開平 8— 19423号公報 (全文、全図)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0014] 上記した特許文献記載の歯ブラシを初めとして従来の歯ブラシの場合、次のような 問題があった。
(1)歯周病や歯肉炎の治療あるいは予防のための歯ブラシとしては、ソフトで歯ぐき のマッサージも可能な当たり心地の優し 、歯ブラシが必要である力 これを十分に満 足するものがな力つた。
(2)歯肉炎患者などの歯ぐきが痛んでいる人でも使用可能なように、弱い刷掃圧でも 口腔内の隅々まで高い歯垢除去力を有することが必要であるが、これを十分に満足 するものがな力つた。
(3)従来用いられて!/、るソフトな毛腰の歯ブラシは、刷毛を細 、直径の用毛で構成す ることが一般的であるが、細過ぎると毛腰が弱くなり過ぎ、十分な刷掃力を得ることが 難しい。
(4)ソフト感と毛腰の両立のために異径混合用毛からなる毛束を用いた歯ブラシとし ては天然毛を用いた歯ブラシがあるが、品質の安定化やコストの点で問題があった。 また、天然毛歯ブラシは獣毛のため、刷毛の吸水量が多ぐ合成樹脂用毛歯ブラシ に比べると使用後の清潔感にお 、てやや劣る t 、う問題があつた。
(5)一般的な平線式植毛機では、用毛をピッカーで一定量搔き取って毛束として植 毛するが、天然毛歯ブラシのような異径混合用毛歯ブラシでは複数種類の用毛が毛 束にランダムに存在するため、毛束当たりの用毛本数が一定しない。このため、製品 の刷毛硬さ(毛腰)管理は、通常の合成樹脂用毛歯ブラシのように一穴当たりの用毛 本数と 、う代用特性値管理では困難であり、リングクラッシャーやテンシロンなどの破 壊検査測定機で行なう必要があり、品質管理が難しい。
(6)細い径の用毛を用いた場合、植毛強度が不足しやすぐブラッシング時に用毛が 抜けやすくなつて歯ブラシ寿命が短くなる。
[0015] 本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、ソフトで当たり心地 が優しぐ高 ヽ刷掃実感とマッサージ感および優れた歯垢除去力を得ることができ、 重度あるいは軽度の歯周病 ·歯肉炎の治療または予防用として好適な歯ブラシを提 供することを第 1の目的とするものである。さらに、植毛強度が高くて毛抜けがなぐへ ッド部のヮレゃ白化も少ない高品質な歯ブラシを提供することを第 2の目的とするもの である。
課題を解決するための手段
[0016] 上記目的を達成するため、請求項 1記載の歯ブラシは、合成樹脂用毛を束ねて毛 束とし、該毛束をヘッド部の植毛穴に植設した歯ブラシにおいて、前記植毛穴の横 断面積を直径 1. 8mm以上の円形穴もしくは該円形穴相当の大きさとするとともに、 該植毛穴に植設される合成樹脂用毛の横断面積を直径 0. 127mm (5mil)以下の 円形毛もしくは該円形毛相当の大きさとしたことを特徴とするものである。
[0017] 請求項 2記載の歯ブラシは、請求項 1記載の歯ブラシにお 、て、前記合成樹脂用 毛の横断面積を直径 0. 102mm (4mil)以下の円形毛もしくは該円形毛相当の大き さとし、かつ、植毛穴への用毛充填率を 70〜95%、植毛密度を 45%以上としたこと を特徴とするものである。
[0018] なお、用毛充填率 (パッキングファクター)とは、植毛穴の横断面積力も打ち込まれ る平線の横断面積を引いて得られる実植毛横断面積を A、植毛穴に植毛される刷毛 の横断面積の総和を Bとするとき、(BZA) X 100[%]で与えられる値である。
[0019] また、植毛密度とは、(植毛穴断面積の総和 Z植毛面積) X 100 [%]で与えられる 値である。式中、「植毛面積」とは、ヘッド部植毛面に形成された植毛穴群の外周囲 を直線で結んで得られる領域の面積をいう (JIS S 3016)。 [0020] 請求項 3記載の歯ブラシは、請求項 1記載の歯ブラシにお!/、て、前記合成樹脂用 毛の横断面積を直径 0. 102-0. 127mm (4〜5mil)の円形毛もしくは該円形毛相 当の大きさとし、かつ、植毛穴への用毛充填率を 70〜95%、植毛密度を 40%以上 としたことを特徴とするものである。
[0021] 請求項 4記載の歯ブラシは、請求項 3記載の歯ブラシにお 、て、全植毛穴のうち少 なくとも 5 %以上の植毛穴に直径 0. 127mm ( 5mil)の円形毛もしくは該円形毛相当 の横断面積力もなる合成樹脂毛を植設したことを特徴とするものである。
[0022] 請求項 5記載の歯ブラシは、請求項 1〜4記載の歯ブラシにお 、て、前記植毛穴の 穴直径 dと穴深さ hとの比 hZdを 1. 7〜2. 5の範囲としたことを特徴とするものである
[0023] 請求項 6記載の発明は、請求項 1〜5記載の発明において、隣り合う植毛穴の最短 穴間距離を 0. 1〜0. 4mmとしたことを特徴とするものである。
[0024] 1.用毛
植毛穴に植毛される用毛としては、直径 0. 127mm(5mil)以下の合成樹脂用毛を 用いる。 0. 127mm (5mil)よりも太いと、腰が強くなりすぎ、歯周病患者や歯肉炎患 者にとっては硬すぎるほか、毛束がたわみにくくなつて細かい部分に毛先が届きにく くなる。直径 0. 127mm (5mil)以下の場合、ソフトで当たり心地が優しぐかつ、弱い 刷掃圧でも口腔内の隅々まで高い歯垢除去力を発揮することができる。毛先が歯ぐ きに当たった時に痛みが発生しにくいように、毛先部分を丸め処理すればさらに望ま しい。
[0025] さらに、上記用毛径のうち、重度の歯周病 ·歯肉炎患者用の歯ブラシの場合には、 優しい当たり心地を優先して直径 0. 102mm (4mil)以下、より好ましくは直径 0. 05 08〜0. 102mm (2〜4mil)とすることが望ましい。一方、軽度の歯周病'歯肉炎患 者用の歯ブラシの場合には、直径 0. 102〜0. 127mm(4〜5mil)の範囲が好まし い。 0. 102〜0. 127mm (4〜5mil)の範囲とすると、マッサージ感が良ぐ歯ぐきへ の当たり心地の良い歯ブラシが得られる。直径 0. 102mm (4mil)よりも細い用毛を 用いた場合、当たり心地は良くなるが毛腰が弱くなりすぎ、重度の患者用としては好 ましいが、軽度の患者用としてはものたりないものとなる。 [0026] 通常、用毛の横断面形状は円形が主である力 特に限定するものではない。例え ば、三角形、四角形、六角形、花びら状などの横断面形状の用毛を用いることもでき 、またこれらを組み合わせた形状であってもよい。また、予め用毛全体の外観形状を ウェーブ状、ツイスト状、ギザギザ状などにカ卩ェしたものを用いることもでき、これらを 組み合わせることも可能である。
[0027] 用毛材質は、従来力も用いられている合成樹脂であれば使用可能であり、ポリアミ ド(例:ナイロン 6— 12、ナイロン 6— 10、 12ナイロンなど)、ポリエステル(例:ポリェチ レンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、 ポリプロピレン、エラストマ一などを用いることができる。もちろん、これらを組み合わせ た複合糸でもあってもよい。
[0028] なお、清潔感の向上、狭い隙間への殺菌効果と保存時の衛生状態を保っため、用 毛には抗菌剤をコーティングまたは混練した抗菌用毛を採用することが望ましい。抗 菌剤としては既に知られているものでよぐ特に制限はない。抗菌剤の例としては、酸 化亜鉛または酸化亜鉛と酸化アルミの固溶体、銀系セラミックやべンゼトニゥム、ベン ザルコ-ゥム、セチルピリジ-ゥム、クロルへキシジンなどのカチオン系殺菌剤などを 挙げることができる。
[0029] 2.植毛穴
植毛穴の大きさは、細い用毛束による毛腰の弱さを補い、高い刷掃実感と適度なマ ッサージ感を得るために、直径 1. 8mm以上、より好ましくは直径 1. 8〜2. 6mmの 範囲の円形穴あるいは該円形穴相当の断面積力もなる異形穴とするのがよい。穴径 力 、さくても穴間ピッチを縮めて密毛化すれば、毛腰を適切な範囲にすることはある 程度可能であるが、生産性は低下する。逆に穴径が大き過ぎると、用毛の植毛本数 が多くなり、毛束の広がりが大きくなるため、細径用毛といえども狭い隙間への進入 性が低下し、さらに、ヘッド幅の大型化を招くため、口腔内での操作性が悪ィ匕する傾 向となる。従って、上記した穴径相当の範囲とすることが望ましい。
[0030] 密毛化のためには、植毛穴に充分な本数の用毛が充填されていることが重要であ る。このことから、植毛穴への用毛充填率は 70〜95%程度とすることが望ましい。
[0031] 植毛穴の穴形状は円形が好ましいが、角穴などの多角形穴やそれ以外の異形穴 でもよい。また、植毛穴は単一種類でもよいが、穴径 Z穴形状が異なる複数種類の 植毛穴で構成してもよい。また、ヘッド部に形成された全植毛穴のうち、少なくとも 60 %以上が前記穴断面積の条件を満たして 、れば、その他のさまざまな大きさの横断 面積を持つ植毛穴を組み合わせることも可能である。
[0032] 植毛穴の穴深さ(ヘッド部植毛面から植毛穴の底面までの距離)は、植毛強度に影 響するため、ある程度の深さが必要である。一般的に、穴深さが浅い場合は、毛束が 広がりやすくなり、毛立ちが悪い傾向が見られる力 穴径が大きくなるほど 1穴に植毛 される用毛本数が増えるため、この傾向がより強く現れる。毛束の広がりは外観上好 ましくない上、毛先が細かい隙間に入りに《なるなどの問題がある。一方、あまり穴 深さを深くし過ぎると、ヘッド部が必要以上に厚くなり、口腔内での操作性が悪くなる
[0033] これらの点を考慮して、本発明者らは種々実験を行なった結果、円形穴の場合、穴 深さ hを穴直径 dの 1. 7〜2. 5倍、すなわち、穴深さ hと穴直径 dとの比 hZd= l. 7 〜2. 5の範囲にすることが望ましいことが判明した。円形以外の穴形状の場合、穴直 径 dとしては、断面積が同じ円形穴に置き換えたときの穴直径を採用すればよい。
[0034] 植毛穴の縦断面形状は、穴上縁から穴底面まで断面形状に変化のない柱状穴で もよいが、穴底面を半球状にしたもの、底辺部を面取りしたものなど、任意の穴形状 を採用できる。一般的には、底面部に 0. 3mm程度の面取り加工を施した円柱状穴 が好ましい。
[0035] 3.植毛穴の配列
植毛穴の穴配列は、一般的な碁盤の目配列のほか、千鳥配列やそれらの組み合 わせ配列など、任意の穴配列を採用できる。刷毛の密毛化を図るには、穴間距離( 隣り合う植毛穴の穴縁と穴縁の間の距離)を可能な限り小さくすることが好ましい。従 つて、最短穴間距離を 0. 1〜0. 4mmの範囲内とし、植毛穴配列の少なくとも一部は 千鳥配列にすることが好ま 、。
[0036] 植毛密度は、歯ブラシの刷掃実感と磨き心地に大きく関係する。刷掃実感を高くす るには、植毛密度は 40%以上、より好ましくは 40〜55%とすることが望ましい。植毛 密度をあまり大きくし過ぎると隙間への進入性が低下する。 [0037] なお、最外周に位置する植毛穴とヘッド部外周縁との間の離間距離は、適当な強 度が確保できる最低限の幅があればよぐ 0. 5〜1. 5mm程度、好ましくは 0. 5〜1 . Omm程度あればよい。
[0038] 4.刷毛
ヘッド部に植毛された毛束群 (刷毛)の 7mm毛腰は「やわらかめ」の範囲である 55 N/cm2以下とすることが好ましぐさらには 30〜50N/cm2の範囲であることが好ま しい。毛腰がこれよりも弱いと、やわらか過ぎて清掃に支障をきたし、毛腰がこれよりも 強過ぎると、歯周病や歯肉炎用の歯ブラシとしては硬すぎて不向きになる。
[0039] また、植毛された毛束群の毛丈 (刷毛長)は 7. 5〜 13mmの範囲が好ましぐヘッド 部が小さい仕様では毛丈を短ぐヘッド部が大きい仕様では毛丈を長くすることが望 ましい。ヘッド部のサイズは、ハンドル長軸方向の長さ 幅= 15〜30111111 6〜12 mm程度とすることが好まし 、。
[0040] 植毛された刷毛のトリミングは、オーソドックスなストレートカット(平切り)でもよ 、が、 ドーム形状、山谷形状、凹凸段差形状など、任意の形状とすることができる。ドーム力 ットのように刷毛の上縁角部を丸面取りすると、毛先の当たり心地をより優しくすること ができる。この場合には、刷毛の上縁角部を lmmR〜10mmRの範囲で丸面取りし てドーム状にカットすることが好ましい。毛先はカット後に丸め Zポリッシユカ卩ェを施す 方が好ましい。
[0041] 5.歯ブラシハンドル
歯ブラシノヽンドルの基体部を構成する硬質樹脂の材質としては、曲げ弾性率が 50 0〜3000MPa、好ましくは 1000〜2000MPaもの力よく、ポリスチレン榭脂(PS)、 ポリプロピレン榭脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート榭脂(PET)、アクリロニトリルブ タジエンスチレン榭脂(ABS)、セルロースプロピオネート榭脂(CP)、ポリアリレート榭 脂、ポリカーボネート榭脂、アクリロニトリルスチレン榭脂 (AS)などが単独または混合 して用いられる力 成形性、コストなどの点で、ポリプロピレン榭脂が好ましい。透明性 を重視する場合には、例えば米国イーストマン社製ポリエステル榭脂の一種である P CTA榭脂などがコストゃ耐歯磨性の点力も好ましい。
[0042] また、軟質樹脂の材質としては、硬さ (JIS K 6253硬さ試験、試験条件 JIS A) 力 〜 100、好ましくは 20〜60のものがよぐポリオレフイン系熱可塑性エラストマ一、 ポリスチレン系熱可塑性エラストマ一、 1, 2ポリブタジエン系熱可塑性エラストマ一、 エチレン 酢酸ビュル系熱可塑性エラストマ一、ポリ塩化ビュル系熱可塑性エラスト マー、天然ゴム系熱可塑性エラストマ一、フッ素系熱可塑性エラストマ一、トランス ポリイソプレン系熱可塑性エラストマ一などを用いることができる。
[0043] 歯ブラシノヽンドルは、上記硬質榭脂単独で、あるいは硬質樹脂と軟質榭脂を組み 合わせて適宜製造されるが、歯ブラシ材料として求められる物性、価格や相互の相 溶性から、硬質榭脂単独の場合にはポリプロピレン榭脂が好ましぐ硬質樹脂と軟質 榭脂を組み合わせる場合には、硬質榭脂としてポリプロピレン榭脂を用い、軟質榭脂 としてポリオレフイン系熱可塑性エラストマ一またはポリスチレン系熱可塑性エラストマ 一を用いることが好ましい。例えば、ポリオレフイン系熱可塑性エラストマ一としては、 ゴム成分として EPDM (エチレン プロピレン ジェン 3元共重合体)を、硬成分とし てポリプロピレン榭脂をそれぞれ選び、これらをブレンドして一部あるいは全部を架橋 したものが用いられる。さらに、熱可塑性エラストマ一の代わりに、 2液混合射出によ る熱硬化性シリコーン榭脂を使用してもよい。
[0044] 毛束を植毛されるヘッド部の構造にも特に限定はな!/ヽが、硬質樹脂と弾性体を組 み合わせた多層構造や、少なくとも一部にヒンジ機構が付いているものでもよい。弹 性体の材質は前記軟質樹脂の材質と同様である。また、ヘッド部の少なくとも一部が 部分的にたわむものや、ヘッド部全体がしなるようにたわむものなど、種々の構造の ものを用いることができる。
[0045] 6.平線
平線植毛式の歯ブラシの場合、毛束を植設する平線としては、一般的に生産性、コ ストの点から真鍮またはアルミニウムの平板状の平線が用いられる力 特に制限はな ぐ植毛穴に毛束を打ち込むことが可能であればよい。材質 (金属、プラスチック、天 然材料など)、寸法、形状など、任意に選択可能である。
[0046] 平線の長さも特に限定はないが、確実に毛束を保持することができ、かつ、植毛時 に歯ブラシヘッド部にヮレゃ白化を生じない長さとすることが望ましい。一般的には、 植毛穴の平線打ち込み方向の長軸長さよりも 0. 3〜0. 5mm長い長さとするとよい。 また、平線の打ち込み角度も自由に選択できる力 ヘッド部のヮレゃ白化を避けるた め、ハンドル長手方向軸線に対して 5〜80° の角度範囲、より好ましくは 15〜30° の角度範囲とするとよい。平線の打ち込み角度はすべての植毛穴で同一である必要 はなく、異なる打ち込み角度の組み合わせとしてもよ 、。
[0047] 7.歯ブラシの製造
使用する用毛の紡糸は通常の歯ブラシの場合と同様に行なえばよぐ所定の用毛 径になるように延伸した後、毛束として巻き取る。平線式植毛の場合、この毛束を紙 などでまとめ、さらに定寸(25〜40mm程度)にカットした後、このカットピースを植毛 機にセットし、所定本数の用毛をピッカーで搔き取りながら、搔き取った毛束を植毛 針で二つ折りにして平線とともに歯ブラシヘッド部の植毛穴に打ち込み、植設する。 その後、刷毛先端部分をカッターで任意の形状にトリミングし、毛先を丸め Zポリッシ ュ加工して所望仕様の歯ブラシとする。
発明の効果
[0048] 請求項 1記載の歯ブラシによれば、植毛穴の横断面積を直径 1. 8mm以上の円形 穴相当とするとともに、該植毛穴に植設される合成樹脂用毛の横断面積を直径 0. 1 27mm (5mil)以下の円形毛相当とし、細 、合成樹脂用毛を大径の植毛穴に植毛し ているので、高いマッサージ感を有しながらソフトで当たり心地が優しぐ適度な毛腰 を有する歯ブラシとすることができる。また、細い用毛を密毛とすることで、弱い刷掃 圧でも口腔内の隅々まで高い歯垢除去力を発揮でき、弱った歯ぐきでも心地よくマツ サージでき、泡立ちもよい歯ブラシとすることができる。さらに、刷毛を合成樹脂用毛 とすることで品質が安定し、常に清潔な感覚で使用することができるとともに、歯周病 や歯肉炎用の歯ブラシを一般の歯ブラシ並のコストで提供することができる。
[0049] 請求項 2記載の歯ブラシによれば、合成樹脂用毛の横断面積を直径 0. 102mm ( 4mil)以下の円形毛相当とし、植毛穴への用毛充填率 70〜95%、植毛密度 45% 以上としたので、弱 ヽ刷掃圧(150g以下)でブラッシングした場合でも高!、歯垢除去 力を発揮することができる。このため、特に重度の歯周病患者あるいは歯肉炎患者に 用いて好適な歯ブラシとなる。
[0050] 請求項 3および 4記載の歯ブラシによれば、合成樹脂用毛の横断面積を直径 0. 1 02-0. 127mm (4〜5mil)の円形毛相当とし、植毛密度 40%以上とし、さらには、 全植毛穴のうち少なくとも 5%の植毛穴に直径 0. 127mm (5mil)の円形毛相当の合 成榭脂毛を植設したので、一般的な刷掃圧 (200〜300g)で磨 、ても毛先がきちん と歯面に当たり、高いマッサージ感と歯垢除去のための適切な刷掃力を発揮するす ることができる。このため、特に軽度な歯周病患者や歯肉炎患者に用いて好適な歯 ブラシとなる。また、毛腰もあるため、刷毛耐久性にも優れ、健常者と同じ刷掃圧で磨 Vヽてもすぐに毛先が開 、てしまうと 、うようなこともな 、。
[0051] 請求項 5記載の歯ブラシによれば、植毛穴の穴直径 dと穴深さ hの比 hZdを 1. 7〜 2. 5の範囲としたので、細い径の用毛と大径の植毛穴を用いながら、高い植毛強度 を実現することができ、毛抜けなどをなくして歯ブラシの寿命を延ばすことができる。
[0052] 請求項 6記載の歯ブラシによれば、隣り合う植毛穴との間の最短穴間距離を 0. 1〜 0. 4mmとしたので、さらなる密毛化を図ることができ、上記した各効果をさらに確実 なちのとすることができる。
図面の簡単な説明
[0053] [図 1]本発明に係る歯ブラシの第 1の実施の形態を示すもので、(a)はヘッド部の平 面図、(b)はヘッド部の正面図、(c)は毛束の略示平面図、(d)は植毛穴の断面寸法 図である。
[図 2]本発明に係る歯ブラシの第 2の実施の形態を示すもので、 (a)はヘッド部の平 面図、(b)はヘッド部の正面図、(c)は毛束の略示平面図、(d)は植毛穴の断面寸法 図である。
[図 3]本発明に係る歯ブラシの第 3の実施の形態を示すもので、 (a)はヘッド部の平 面図、(b)は植毛穴の断面図である。
[図 4]本発明に係る重度の歯周病患者用の歯ブラシの 150g荷重における歯垢除去 力の試験結果を示すグラフである。
[図 5]本発明に係る重度の歯周病患者用の歯ブラシの 7mm毛腰強度の試験結果を 示すグラフである。
[図 6]本発明に係る軽度および重度の歯周病患者用の歯ブラシの 200g荷重におけ る歯垢除去力の試験結果を示すグラフである。 [図 7]本発明に係る軽度および重度の歯周病患者用の歯ブラシの 200g荷重時の毛 先開き率の試験結果を示すグラフである。
[図 8]毛先開き率の計算方法の説明図であって、(a)は刷掃前の刷毛の状態を示す 図、(b)は刷掃後の刷毛の状態を示す図である。
[図 9]本発明を適用して構成した歯ブラシノヽンドルの具体的な形状例を示すもので、 (a)は平面図、(b)は側面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0054] 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図 1に、本発明に係る歯ブラシの第 1の実施の形態を示す。この第 1の実施の形態 に係る歯ブラシは、重度の歯周病患者あるいは歯肉炎患者に用いて好適な歯ブラシ の例である。
[0055] 図において、 1はヘッド部、 2は植毛面、 3は植毛穴、 4は用毛、 5は用毛 4を束ねた 毛束であって、直径 2. Ommの円形断面力もなる植毛穴 3を植毛密度 50%、最短穴 間距離 0. 3mmとなるように 4列変則千鳥配列(30穴)し、この植毛穴 3に直径 0. 10 2mm (4mil)の円形断面力もなる用毛 4を 1穴当たりの用毛充填率 85%となるように 植毛したものである。なお、植毛穴 3の直径 d= 2. Omm、穴深さ h= 3. 7mm、穴直 径と穴深さの比 hZd= l. 85である。また、 7mm毛腰は約 35NZcm2である。
[0056] 図 1の構成になる歯ブラシを製造するには、直径 0. 102mm(4mil)の用毛 4を用 毛押出し成形機にて紡糸し、植毛用の用毛束として直径 50mm程度に纏める。この 用毛束を整えて紙巻きした後、用毛長 32mmに定寸カットし、このカットピースを平線 式植毛機にセットし、充填率 85%となるようにピッカーで用毛を搔き取り、直径 2. Om mの植毛穴 3を 4列変則千鳥配列(30穴)したヘッド部 1に平線とともに二つ折りにし て打ち込み、毛束 5とする。その後、植毛された刷毛をロータリーカッターにて毛丈 10 mmにストレートカットするとともに、刷毛の上縁角部を 3mmRで丸面取りしてドーム力 ットし、最後に毛先に丸め Zポリッシユカ卩ェを施し、図 1の歯ブラシとする。
[0057] 図 2に、本発明に係る歯ブラシの第 2の実施の形態を示す。この第 2の実施の形態 に係る歯ブラシも、前記第 1の実施の形態と同じぐ重度の歯周病患者あるいは歯肉 炎患者に用いて好適な歯ブラシの例である。 [0058] この第 2の実施の形態に係る歯ブラシは、直径 2. 3mmの円形断面力もなる植毛穴 3を植毛密度 65%、最短穴間距離 0. 2mmとなるように 3列千鳥配列(19穴)し、この 植毛穴 3に直径 0. 0762mm (3mil)の円形断面力もなる用毛 4を 1穴当たりの用毛 充填率 80%となるように植毛したものである。なお、植毛穴 3の直径 d= 2. 3mm、穴 深さ h= 3. 7mm、穴直径と穴深さの比 hZd= 1. 61である。また、 7mm毛腰は約 4 ONZcm2である。
[0059] 図 2の構成になる歯ブラシを製造するには、直径 0. 0762mm (3mil)の用毛 4を用 毛押出し成形機にて紡糸し、植毛用の用毛束として直径 50mm程度に纏める。この 用毛束を整えて紙巻きした後、用毛長 32mmに定寸カットし、このカットピースを平線 式植毛機にセットし、充填率 80%となるようにピッカーで用毛を搔き取り、直径 2. 3m mの植毛穴 3を 3列千鳥配列(19穴)したヘッド部 1に平線とともに二つ折りにして打 ち込み、毛束 5とする。その後、刷毛をロータリーカッターにて毛丈 9mmにストレート カットするとともに、刷毛の上縁角部を 2mmRで丸面取りしてドームカットし、最後に 毛先に丸め Zポリッシュ加工を施し、図 2の歯ブラシとする。
[0060] 図 3に、発明に係る歯ブラシの第 3の実施の形態を示す。この第 3の実施の形態に 係る歯ブラシは、軽度の歯周病患者ある 、は歯肉炎患者に用いて好適な歯ブラシの 例である。
[0061] この第 3の実施の形態に係る歯ブラシは、直径 2. Ommの円形断面力もなる植毛穴 3a, 3bを植毛密度 40%、最短穴間距離 0. 4mmとなるように 4列変則格子配列(26 穴)し、中央部分の 12個の植毛穴 3a (ハッチングを付した穴)に直径 0. 127mm (5 mil)の円形断面力もなる用毛(図示せず)を 1穴当たりの用毛充填率 79%で植毛す るとともに、その周りの 14個の植毛穴 3b (白丸の穴)に直径 0. 102mm (4mil)の円 形断面力もなる用毛(図示せず)を 1穴当たりの用毛充填率 79%となるように植毛し たものである。なお、植毛穴 3a, 3bの直径 d= 2. Omm、穴深さ h= 3. 7mm、穴直 径と穴深さの比 hZd= l. 85である。また、 7mm毛腰は約 38NZcm2である。
[0062] 図 3の構成になる歯ブラシを製造するには、直径 0. 127mm(5mil)と直径 0. 102 mm (4mil)の用毛をそれぞれ用毛押出し成形機にて紡糸し、植毛用の用毛束として 直径 50mm程度に纏める。この用毛束を整えて紙巻きした後、用毛長 32mmに定寸 カットし、まず一方の用毛、例えば 5mil毛力もなるカットピースを平線式植毛機にセッ トし、用毛充填率 79%となるようにピッカーで用毛を搔き取り、直径 2. Ommの各植 毛穴 3a (12穴)に二つ折りにして打ち込んだ後、 4mil毛からなるカットピースを同様 にして用毛充填率 79%となるようにピッカーで用毛を搔き取り、直径 2. Ommの各植 毛穴 3b (14穴)打ち込み、それぞれ用毛太さの異なる毛束 5a, 5bとする。その後、刷 毛をロータリーカッターにて毛丈 9mmにストレートカットするとともに、刷毛の上縁角 部を ImmRで丸面取りしてドームカットし、最後に毛先に丸め Zポリッシュ加工を施し 、図 3の歯ブラシとする。
[0063] <評価試験 >
1.重度の歯周病患者用歯ブラシの場合
1 - 1.歯垢除去力試験
表 1に示す仕様力もなる重度の歯周病患者のための本発明歯ブラシ (本発明品 1) と、用毛径と植毛穴径を従来仕様とした一般の歯ブラシ (一般仕様品 1)について、 歯牙モデルを用いて歯垢除去力の比較試験を行なった。その試験結果を図 4に示 す。
[0064] (試験条件)
荷重: 150g
刷掃ストローク: 15mm
刷掃回数:往復 10回
[0065] 図 4の試験結果力も明らかなように、本発明品 1は、健常者の一般的な刷掃圧(20 0〜300g程度)よりもかなり弱めの 150gと 、う刷掃圧で磨 、ても、高 、歯垢除去力を 得られることが確認された。
[0066] [表 1] 評価試験に用いた歯ブラシ
Figure imgf000017_0001
[0067] 1 -2.毛腰強度試験
表 1の歯ブラシについて、 7mm毛腰強度を測定した (JIS S 3016に準拠)。その 結果を図 5に示す。図 5から明らかなように、一般仕様品 1は毛腰強度 73NZcm2で あり、硬さ「ふつう」(60〜85NZcm2)の範囲であるのに対して、本発明品 1は 36N Zcm2と一般仕様品 1の約半分の毛腰強度であり、硬さ「やわらかめ」(60NZcm2以 下)の範囲となり、歯ぐきなどへの当たり具合もソフトであることが確認された。
[0068] 1 -3.使用感の評価試験
表 1の歯ブラシを用 、て実際の使用感の評価試験を行なつた。その結果を表 2に示 す。
(試験条件)
被験者数: 50名(重度の歯周病患者)
使用期間:2週間
評価方法:次の 7段階絶対評価で評価し、被験者の平均値を評価結果とした。
7:非常によい 6 :よい 5 :ややよい 4:普通
3 :やや悪い 2:悪い 1 :非常に悪い
[0069] 表 2の評価結果から明らかなように、歯肉の弱った重度の歯周病患者にとって、一 般仕様品 1は刷毛が硬過ぎてやや不向きであった。これに対し、本発明品 1は、ソフト な毛先の当たり心地とマッサージ感で特に高い評価を得ており、歯ぐきの弱った重度 の歯周病患者でも安心して使用できる歯ブラシであることが確認された。
[0070] [表 2] 使用感の評価結果
Figure imgf000018_0001
[0071] 2.軽度の歯周病患者用歯ブラシの場合
2- 1.歯垢除去力試験
表 3中の軽度の歯周病患者用の本発明品 2と一般仕様品 1について、歯牙モデル を用いて歯垢除去力の比較試験を行なった。その試験結果を図 6に示す。なお、参 考のため、前述した重度の歯周病患者用の本発明品 1 (表 1参照)についても同じ条 件で歯垢除去力試験を行な 、、その結果を図 6中に併記した。
[0072] (試験条件)
荷重: 200g
刷掃ストローク: 20mm
刷掃回数:往復 10回
[0073] 図 6の試験結果から明らかなように、軽度の歯周病患者用の本発明品 2は、 200gと いう通常の健常者の刷掃圧で磨いても、一般仕様品 1と同等の歯垢除去力を持つこ とが確認された。一方、重度の歯周病患者用の本発明品 1の場合、直径 0. 102mm (4mil)という細い用毛だけを用いているため、 4mil毛と 5mil毛を用いた軽度歯周病 患者用の本発明品 2に比べて毛腰が弱ぐ 200gという健常者の通常の刷掃圧で磨く と、毛先がたわんでしまい、歯垢除去力が落ちることも確認された
[0074] [表 3] 評価試験に用いた歯ブラシ
Figure imgf000019_0001
[0075] 2-2.使用感の評価試験
表 3の歯ブラシを用いて使用感の評価試験を行なった。その結果を表 4に示す。な お、参考のため、前述した重度の歯周病患者用の本発明品 1 (表 1)についても同じ 条件で試験を行な!ヽ、その結果を表 4に併記した。
[0076] (試験条件)
被験者数: 30名(軽度の歯周病患者)
使用期間:2週間
評価方法:次の 7段階絶対評価で評価し、被験者の平均値を評価結果とした。
7:非常によい 6:よい 5:ややよい 4:普通
3:やや悪い 2:悪い 1:非常に悪い
[0077] [表 4] 使用感の評価結果
Figure imgf000020_0001
[0078] 表 4の評価結果から明らかなように、健常者と同じ程度の刷掃圧(200〜300g)で 歯を磨くことのできる軽度の歯周病患者の場合、本発明品 2, 3のような仕様によれば 、一般仕様品 1, 2に比べて高い刷掃実感とソフトな毛先の当たり心地、程よいマッサ 一ジ感が得られ、軽度な歯周病患者にとって好適な歯ブラシとなることが確認された 。なお、重度の歯周病患者用の本発明品 1は、用毛が細ぐ通常の刷掃圧では刷毛 のたわみが大き!/、ため、歯垢が落ちる感じの評価が低 、ことも確認された。
[0079] 3.刷毛耐久試験
表 1の本発明品 1 (重度用)と一般仕様品 1、表 3の本発明品 2 (軽度用)について、 モデル刷掃試験機を用いて刷掃耐久性の評価試験を行なった。その結果を図 7〖こ 示す。なお、毛先開き率 [%]は、図 8 (a) (b)に示すように、刷掃開始前の刷毛の先 端幅を a、刷掃終了後の刷毛の先端幅を bとするとき、
毛先開き率 = { (b-a) /a} X 100 [%]で算出した。
[0080] (試験条件)
荷重: 200g
往復ストローク: 40mm
刷掃回数:往復 1万回
サンプル数:各 5本
[0081] 図 7の試験結果力も明らかなように、軽度歯周病患者用の本発明品 2は、一般仕様 品 1と同等の刷毛耐久性を持つことが確認された。一方、重度歯周病患者用の本発 明品 1は、刷毛が柔らかいために毛先開き率が大きぐ耐久性が低いことが確認され た。
[0082] 4.植毛穴の穴径と穴深さの違いによる植毛強度試験
表 5の仕様力もなる本発明仕様の歯ブラシ (実施例 1, 2)と、従来使用の歯ブラシ ( 比較例 1, 2)を用い、植毛穴の穴直径 dと穴深さ hの違いによる植毛強度と毛立ちの 評価試験を行なった。その結果を表 5中に示す。
[0083] [表 5] 植毛強度と毛立ちの評価試験
Figure imgf000021_0001
〇:よい X :悪い
[0084] 表 5の評価結果から明らかなように、植毛穴の直径 1. 8mm以上で、かつ穴直径 d と穴深さ hとの比 hZdが 1. 7〜2. 5の条件を満たす実施例 1, 2の場合、植毛強度が 高ぐ毛立ちも優れていることが確認された。
[0085] 5.使用感の評価
表 6に示す本発明仕様の歯ブラシ (実施例 2)と、従来仕様の歯ブラシ (比較例 3)を 用い、使用感の評価試験を行なった。その結果を表 7に示す。
[0086] (試験条件)
被験者数: 30名
使用期間:2週間
評価方法:次の 7段階絶対評価で評価し、被験者の平均値を評価結果とした。
7 :非常によい 6 :よい 5 :ややよい 4 :普通
3 :やや悪い 2 :悪い 1 :非常に悪い
[0087] [表 6] 使用感の評価試験に用いた歯ブラシ
Figure imgf000022_0001
[0088] [表 7]
Figure imgf000022_0002
[0089] 表 7の評価結果から明らかなように、植毛穴の直径 1. 8mm以上、用毛径 0. 127m m(5mil)以下で、穴直径 dと穴深さ hとの比 hZdが 1. 7〜2. 5の条件を満たす実施 例 2の場合、髙レヽ刷掃実感と程よレ、マッサージ感が得られることが確認された。
[0090] なお、参考のため、本発明を適用して構成した歯ブラシハンドルの具体的な形状例 を図 9に示す。
符号の説明
[0091] 1 ヘッド部
2 植毛面
3, 3a, 3b 植毛穴
4 用毛
車^ qg 'Bg 'g
lMllO/SOOZdf/X3d YZ .Ζ68Ϊ0/900Ζ OAV

Claims

請求の範囲
[1] 合成樹脂用毛を束ねて毛束とし、該毛束をヘッド部の植毛穴に植設した歯ブラシ において、
前記植毛穴の横断面積を直径 1. 8mm以上の円形穴もしくは該円形穴相当の大き さとするともに、該植毛穴に植設される合成樹脂用毛の横断面積を直径 0. 127mm (5mil)以下の円形毛もしくは該円形毛相当の大きさとしたことを特徴とする歯ブラシ
[2] 前記合成樹脂用毛の横断面積を直径 0. 102mm (4mil)以下の円形毛もしくは該 円形毛相当の大きさとし、かつ、植毛穴への用毛充填率を 70〜95%、植毛密度を 4
5%以上としたことを特徴とする請求項 1記載の歯ブラシ。
[3] 前記合成樹脂用毛の横断面積を直径 0. 102-0. 127mm (4〜5mil)の円形毛も しくは該円形毛相当の大きさとし、かつ、植毛穴への用毛充填率を 70〜95%、植毛 密度を 40%以上としたことを特徴とする請求項 1記載の歯ブラシ。
[4] 全植毛穴のうち少なくとも 5%以上の植毛穴に直径 0. 127mm(5mil)の円形毛も しくは該円形毛相当の横断面積カゝらなる合成樹脂用毛を植設したことを特徴とする 請求項 3記載の歯ブラシ。
[5] 前記植毛穴の穴直径 dと穴深さ hの比 hZdを 1. 7〜2. 5の範囲としたことを特徴と する請求項 1〜4記載の歯ブラシ。
[6] 隣り合う植毛穴の最短穴間距離を 0. 1〜0. 4mmとしたことを特徴とする請求項 1
〜5記載の歯ブラシ。
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