JP5879058B2 - 什器 - Google Patents
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Description
「本体の開口部を開閉する扉に、前記本体に係合して扉を閉じた状態に保持するラッチ手段と、人が手動で開き操作する引手と、前記扉を閉じた状態で前記引手を引いても扉が開かないように前記ラッチ手段をロックする押釦錠装置とを設けており、
前記ラッチ手段は、前記引手の手動操作に連動して回転する作動軸と、前記作動軸に設けられていて前記本体に係脱するラッチ爪とを有しており、前記引手を開き操作すると前記作動軸が回転して前記ラッチ爪が前記本体から係合解除する一方、
前記押釦錠装置は、予め選択された組合せの複数の押釦を全て押下すると施錠状態から解錠状態に動くことが可能になる解錠作動体を有しており、前記解錠作動体は、付勢手段によって施錠方向に付勢されていて、前記選択された押釦を全て押下した状態で前記引手を開き操作したときのみ、前記解錠作動体が解錠状態に動くと共に前記ラッチ手段の操作軸が回転してラッチ爪が本体から離脱する構成であって、
前記引手は、前記解錠作動体によって施錠方向に付勢されている一方、
前記作動軸には、当該作動軸と一体に回動するラッチ作動体が、前記引手の開き操作によってラッチ解除方向に回動するように取付けられており、前記予め選択された組合せの複数の押釦が全て押下された状態で前記引手を開き回動させると、前記解錠作動体が付勢手段に抗して解錠状態に動くと共に、前記作動軸が回転して前記ラッチ爪が本体から係合解除する」
という構成にした。
前記予め選択された複数の押釦を全て押下した状態で前記引手を開き操作すると、前記第1作動杆を介して前記ラッチ手段が本体から係合解除するようになっている。
請求項2の発明では、ユーザーが解錠すべき暗証を忘れても扉を開くことができる。また、マスターキーを使用すると引手をを開き操作する必要がないので、引手の故障時の扉開きにも役に立つ。
「暗証情報」とは、暗証情報(数字(番号),文字,記号,符号を含むもので、本発明では、押釦の前面に刻印または印刷などにより付されたものをいう。「暗証」とは、一般に秘密保持者にのみ開示されうる暗証情報、例えば4桁の数字の組合せなどを言い、パスワードまたは暗証番号ともいう。「暗証」が一致すれば、本発明では解錠可能となる。「解錠すべき暗証」とはユーザー(使用者)または管理者が予め設定した暗証をいう。
次に、図1〜図9を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。図1(A)は什器としてのキャビネット1を示し、その本体2の開口部2aは、開閉部材としての2枚の扉3が観音開き式に設けられている。一方の扉2には、引手(指掛け体)10と押釦錠装置11とが、ユニットケース12に収納された状態で配置されている。
本発明に適用する押釦錠装置11は、特許文献1及び2に開示されている構成のものや、特許文献3や特許文献4に開示されている構成を有するものなど、いずれにも適用できる。
本発明において、部品の配置関係を示す「前面(側)」とは、押釦錠装置11の押釦31が扉3等に突出している側を言い、「背面(側)」とは押釦31の押し込み下流側(扉3の裏面から遠い側)をいう。また、上下、左右とは図7(A)、図8(A)及び図7(B)における上下、左右を言う。
図7(A)、図8(A)及び図7(B)はハウジング32の背面カバー32aを外して見た内部構造であり、リセットプレート35が最も背面側に配置され、その前面側に開閉プレート36が配置されている。リセットプレート35と開閉プレート36とは図7(A)、図8(A)及び図7(B)においてそれぞれ独立的に上下動する。開閉プレート36には各軸体33の端部が挿通可能で、解錠可能時に軸体33の端部が係止しうる係止孔34が穿設されている。なお、図8(A)では係止孔34を図示省略している。
施錠状態(図7(A)及び図8(A)参照)では、全ての押釦31が突出状態に保持されている。また、施錠状態では、開閉プレート36が、ハウジング32の移動可能空間37内で、下位置に保持されて、移動可能空間37の上部と開閉プレート36の上端との間に寸法H1の隙間が形成されている。
キャリア38の下面の下向き凸部43は第1作動杆40の上面に摺動可能に当接され、且つ、キャリア38と開閉プレート36とに装架された連結バネ(圧縮バネ)45により、キャリア38と開閉プレート36とが上下方向に突っ張り合うように構成されている。
また、キャリア38の下面の下向き凸部43が、第1作動杆40の上面に設けられた凹部46に嵌まっているとき(施錠状態のとき)、移動可能空間37の上部と開閉プレート36の上端との間に寸法H1の隙間が形成されるように、不図示のストッパ機構により、開閉プレート36が下位置に保持されている。なお、リセットプレート35とキャリア38とも、別の連結バネ(圧縮バネ)47にて連結されている(図7(A)及び図7(B)にのみ示す)。
引手10と解錠作動体(回動主軸39と第1作動杆40とを含む)との「連動機構」は、本実施形態においては、上記カムフォロア54とカム部55を含む構成である。既述のとおり、「付勢手段」とは、本実施形態では圧縮ばね44である。圧縮ばね44に代えて、回動主軸39を施錠方向に付勢する捩じりばねを使用しても良い。本実施形態では、回動主軸39には、回動式の第2作動杆(回動プレート)60が設けられ、この第2作動杆60の先端部(回動半径外周側)にはストッパブロック61が固着されている(図5(B)、図5(C)、図6(C)など参照)。
そして、図6(B)に示すように、ラッチ作動体22とケース本体13の内面との間に蹴り込み用バネ30を装架することで、ラッチ爪24が係止部25に蹴り込み逃げ回動した後、係止部25に係合保持されるように付勢している。この場合、ラッチ作動体22は連動体21から離れるので、連動体21及び引手10は引手非操作姿勢に保持される。蹴り込み用バネとして、作動軸18またはラッチ爪24に捩じりばねを設けても良い。なお、引手10の姿勢保持のため、圧縮ばね44に加え、引手10にさらに補助的な付勢手段を設けてもよい。
上記の構成において、施錠時には、全ての押釦31が突出状態となり、扉3の表面からは、解錠すべき暗証となる押釦31がいずれであるか判別できないようになっている。そして、ユーザーが扉3を開口部2aに対して閉止するように押すと、ラッチ爪24の斜面部が係止部25の一側縁に当たり、これによりラッチ爪24が係止部25から一旦逃げ回動(図6(C)で反時計回り方向に可動)したのち、ラッチ爪24が係止部25に嵌まる。この場合、ラッチ爪24と一体的に回動する作動軸18を介してラッチ作動体22だけが連動体21から離れて、図6(C)で反時計回り方向に可動する(従って、引手10は回動しない。)。
扉3を開くには、予め設定された暗証と一致する押釦31を全て押下する(但し、押下する順序は問わない)。これにより、不図示のストッパ機構の作動により、開閉プレート36は図7(B)に示すように上昇し、ストッパ杆50も上昇する。これにより、ストッパ杆50の下端側面が段付き状の係止部49よりも半径外側に位置し、回動主軸39はロック解除方向(解錠可能方向、図7(A)及び図8(A)において時計回り方向)に回動可能になり、第1作動杆40も(解錠可能方向、図7(A)及び図8(A)において右方向)に移動できる状態となる。
ユーザーが解錠すべき暗証を忘れたために扉3を開くことができない事態であっても、ロッカーや、キャビネットなどを緊急に開かなければならない非常解錠操作時について説明する。この場合、管理者は押釦錠装置11における回動主軸39の前面側に設けられ、扉3の前面にキー差し込み口が露出しているシリンダ錠62をマスターキーで回動する。これにより、シリンダ錠62の内筒62aが解錠方向に回動する。すると、内筒62aに固定された第2作動杆60も一体的に回動する。
この第2作動杆60の先端に固定されたストッパブロック61は、図5(B)、図5(C)に示すように、ラッチ作動体22をロック解錠方向に回動させるから、作動軸18を介してラッチ爪24を係止部25から外れるように回動させることができる。なお、この場合、回動主軸39は非回転であり、引手10も非開き操作姿勢に保持されたままである。この非常解錠操作時には、引手10を開き操作する必要がないので、引手10の故障時の扉開きにも役立つ。
暗証情報(暗証番号)を変更するには、一旦扉3を開き、且つ、押釦錠装置11を解錠状態に保持して実行する必要がある。本実施形態においては、回動主軸39や第1作動杆40がロック方向に付勢されており、この付勢力が連動機構を介して引手10を扉3の表面から引いた状態に対して反対向きの力として作用するから、引手10を解錠所定位置に保持することは、作業性が悪くなる。
これにより、ストッパブロック61、第2作動杆60ひいては回動主軸39が施錠状態に戻らないので、作業者は、扉3の裏面のユニットケース12における裏カバー体14に設けられた窓57を介して、押釦錠装置11の背面に設けられた切換スイッチ56(図2、図9(C)に示す)を一旦「固定位置」から「自由位置」へ回動した状態で、暗証情報(暗証番号)の変更作業を実行し、その後、切換スイッチ56を「固定位置」に戻すことで完了する。
図10は第1実施形態の変形例を示す概略図であり、この変形例では、押釦錠装置11に設けられた解錠作動体としての回動主軸39は施錠時には作動不能で、解錠可能時には解錠方向に作動可能に構成され、回動主軸39と引手10とは、連動機構と及び付勢手段により、施錠方向(ロック方向)に姿勢保持され、解錠すべき暗証の押釦31を押下した状態で引手10を開き操作すると、引手10を介してラッチ手段にロック解除方向の作動力が伝達されて、扉3を開口部2aから開放可能に構成されている。
この変形例における連動機構は、作動軸18と、回動主軸39から作動軸18に平行な回動軸65と、この回動軸65に作動力を方向変換して伝達する傘歯車対66と、回動軸65と作動軸18とを連結するリンク機構67とからなる。引手10を解錠方向に引き回すとき、回動主軸39も解錠方向に回動する構成であれば良い。付勢手段は、回動主軸39、リンク機構67、回動軸65等に設けられた引きバネ、捩じりバネなどで、最終的に引手10を非開き操作姿勢に保持し、回動主軸39を施錠方向(ロック方向)に付勢するものであれば良い。
他方、作動軸18の中途部において、引手10の基部10aに隣接して作動軸18と一体的に回動可能に被嵌するボス体70には、アーム71が半径外方向に突設される。アーム71と扉3の裏面との間に、作動軸18をロック方向に付勢する復帰バネ72が設けられている。
引手10を開き操作したときのみ、基部10aに設けられた突起73がボス体70に設けられた当接部74をロック解除方向に押して、復帰バネ72の付勢力に抗して、作動軸18及びラッチ爪24をロック解除方向に回すことができる構成である。この構成によれば、扉3の閉止回動時には、引手10を操作することなく、扉3を本体2の開口部2aに当接するように閉じ回動するだけで、ラッチ爪24が係止部25に対して蹴り込まれた後ロックすることができる。
図12(A)では、図示しない引手を操作することなく、扉3を本体2の開口部2aに当接するように閉じ回動し、ラッチ爪24が係止体77に対して蹴り込まれた後のロック状態を示す。図12(B)は、図示しない引手をロック解除方向に回して、ラッチ爪24が係止体77から外れた状態(ロック解除状態)を示す。
図15〜図18に示す第2実施形態では、片開き式の扉86に押釦錠装置11を設けている。押釦錠装置11の基本的構成は上記第1実施例と同じであるので、詳細な説明は省略する。
解錠すべき暗証の押釦31を押下した状態で引手10を開き操作したとき、少なくとも引手10を介して第2作動杆60に解錠方向の作動力が伝達されて、扉86を開口部から開放可能に構成されている。
図19(A)、図19(B)は第2実施形態の変形例であり、この変形例では、引手10の扉開き動作と回動主軸39との連動機構は、押釦錠装置11に設けられた解錠作動体としての回動主軸39は施錠時には回動不能で、解錠可能時には解錠方向に作動可能に構成され、回動主軸39と引手10とは、連動機構と及び付勢手段により、施錠方向に姿勢保持され、解錠すべき暗証の押釦を押下した状態で引手10を解錠方向に操作したとき、この引手10を介してラッチ手段に解錠方向の作動力が伝達されて、扉3を開口部2aから開放可能に構成されている。
この実施例における連動機構は、引手10の回動軸94と、回動主軸39から回動軸94に平行な回動軸65と、この回動軸65に作動力を方向変換して伝達する傘歯車対66と、回動軸65と回動軸94とを連結するリンク機構67とからなる。引手10を開き操作すると回動主軸39も解錠方向に回動する構成であれば良い。ラッチ手段87は第2実施例と同じであるので、詳細な説明は省略する。また、作用効果も第2実施例と同じである。付勢手段は回動主軸39、リンク機構67、回動軸65等に設けられた引きバネ、捩じりバネなどで、最終的に引手10を非開き操作姿勢に付勢し、回動主軸39をロック方向に付勢するものであれば良い。
2 本体
3、86 扉
10 引手
11 押釦錠装置
12 ユニットケース
18、102 作動軸
22 ラッチ作動体
24、89、103 ラッチ爪
31 押釦
39 回動主軸
40 第1作動体
44 付勢手段の一例としての圧縮ばね
60 第2作動杆
54 カムフォロア
55 カム部
Claims (6)
- 本体の開口部を開閉する扉に、前記本体に係合して扉を閉じた状態に保持するラッチ手段と、人が手動で開き操作する引手と、前記扉を閉じた状態で前記引手を引いても扉が開かないように前記ラッチ手段をロックする押釦錠装置とを設けており、
前記ラッチ手段は、前記引手の手動操作に連動して回転する作動軸と、前記作動軸に設けられていて前記本体に係脱するラッチ爪とを有しており、前記引手を開き操作すると前記作動軸が回転して前記ラッチ爪が前記本体から係合解除する一方、
前記押釦錠装置は、予め選択された組合せの複数の押釦を全て押下すると施錠状態から解錠状態に動くことが可能になる解錠作動体を有しており、前記解錠作動体は、付勢手段によって施錠方向に付勢されていて、前記選択された押釦を全て押下した状態で前記引手を開き操作したときのみ、前記解錠作動体が解錠状態に動くと共に前記ラッチ手段の操作軸が回転してラッチ爪が本体から離脱する構成であって、
前記引手は、前記解錠作動体によって施錠方向に付勢されている一方、
前記作動軸には、当該作動軸と一体に回動するラッチ作動体が、前記引手の開き操作によってラッチ解除方向に回動するように取付けられており、前記予め選択された組合せの複数の押釦が全て押下された状態で前記引手を開き回動させると、前記解錠作動体が付勢手段に抗して解錠状態に動くと共に、前記作動軸が回転して前記ラッチ爪が本体から係合解除する、
什器。 - 前記引手から手を離すと、前記押釦が施錠状態にリセットされるように前記引手と前記押釦錠装置とが連係されており、かつ、前記押釦錠装置は、押釦を押下げしなくてもマスターキーで解錠可能であり、前記マスターキーで解錠操作すると、前記引手は回動することなく連動体が回動してラッチ爪が本体から係合解除される、
請求項1に記載した什器。 - 前記解錠作動体は、回動主軸と、前記回動主軸に連動して前記作動軸の軸線と直交した方向に往復動可能な第1作動杆とを備えており、前記回動主軸または前記第1作動杆のいずれか一方もしくは双方が、付勢手段により、前記ラッチ手段をロックする施錠状態の方向に付勢されていて、前記引手は、前記第1作動杆によって常時押圧されて施錠方向に付勢されており、
前記予め選択された複数の押釦を全て押下した状態で前記引手を開き操作すると、前記第1作動杆を介して前記ラッチ手段が本体から係合解除する、
請求項1または2に記載した什器。 - 前記解錠作動体は、回動主軸と、前記回動主軸と一体に回動する第2作動杆とを備えており、
前記回動主軸と前記第2作動杆のうち少なくとも1つが、付勢手段により前記ラッチ手段をロックする方向に付勢され、
前記予め選択された複数の押釦を押下した状態で前記引手を開き操作すると、前記第2作動杆を介して前記ラッチ手段が本体から係合解除する、
請求項1または2に記載した什器。 - 前記引手が施錠姿勢に保持された状態で、前記ラッチ爪は前記本体の係止部に蹴り込み係合可能である、
請求項1〜4のうちのいずれかに記載した什器。 - 前記押釦錠装置と引手とラッチ作動体とは、前記扉に着脱可能なユニットケース内に収納されており、前記作動軸は、前記ユニットケースを上下両方向に貫通している、
請求項1〜5のうちのいずれかに記載した什器。
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