本発明は、宅配ボックスに関し、詳しくは、集合住宅の各住宅宛の宅配物を受け取ることができ、かつ、宛先に対応した施錠を行うことができる宅配ボックスに関する。
(実施形態1)
図1及び図2には、実施形態1の宅配ボックス1が示されている。宅配ボックス1は、荷受け口20を有し、宅配物が収容される荷受け箱2と、荷受け口20を開閉する扉3とを備える。以下では、荷受け箱2に対して荷受け口20を閉じたときの扉3が位置する側を前方とし、その反対側を後方とし、平面視においてこの前後方向に直交する方向を左右方向として、各構成について説明する。各図において、矢印Xで示す方向が前方であり、矢印Yで示す方向が右方であり、矢印Zで示す方向が上方である。
宅配ボックス1は、荷受け箱2に設けられたラッチ受け4と、扉3の裏側に設けられたラッチ5と、扉3の表側に設けられた開操作部6と、扉3に設けられた複数の鍵装置7と、扉3の裏側に設けられたリンク機構8を備える。
さらに、宅配ボックス1は、扉3の表側に設けられたスタンプ操作部9と、扉3に設けられた伝票差込口10と、扉3に複数の鍵装置7と対応するように設けられた複数の窓部11と、扉3に設けられ、宅配ボックス1の使用状態を示す第二窓部12を備える。さらに、宅配ボックス1は、扉3の裏側に設けられたカバー材13を備える。
荷受け箱2は、前面が開口した略直方体の箱体である。荷受け箱2は、天板部21と、底板部22と、左右一対の側板部23と、後板部24とを一体に組み立てて設けられる。各板部21、22、23、24によって囲まれて形成される収容空間S1の前端部が、荷受け口20である。
荷受け箱2は、天板部21の左半部の前端部から垂下した受け板25をさらに有する。受け板25と底板部22の前面にそれぞれ、矩形孔状のラッチ受け4が設けられている。つまり、荷受け箱2には、ラッチ受け4が上下一対に設けられている。また、受け板25には、前方に向けて突出するトリガー部26が設けられている。
扉3は、その右端部が、荷受け箱2の右端部に回転自在に支持されており、右開きである。なお、扉3は、荷受け箱2の荷受け口20を開閉するように荷受け箱2に取り付けられればよく、左開きであってもよい。
ラッチ5は、ラッチ受け4に引っ掛かる施錠位置と、ラッチ受け4から外れる解錠位置との間で移動自在である。本実施形態では、ラッチ5は、扉3の裏側に回転自在に設けられた回転軸50の上端部と下端部にそれぞれ設けられている。すなわち、扉3の裏側には、上下一対のラッチ5が、上下一対のラッチ受け4に対応するように設けられている。上下一対のラッチ5は、開操作部6の操作に連動して、施錠位置と解除位置との間で回転する。
開操作部6は、利用者によって操作されることで、ラッチ5を施錠位置から解錠位置にまで移動させて扉3を開く操作部分である。開操作部6は、本実施形態では、押しボタンである。利用者によって開操作部6が押されることで、上下一対のラッチ5が、施錠位置から解除位置へと回転してラッチ受け4から外れて、扉3を開くことが可能となる。開操作部6が押されていない状態では、上下一対のラッチ5は、施錠位置に位置する。
図3には、カバー材13の図示が省略された、扉3の裏側の構造が示されている。
回転軸50には、その長手方向の一部に、矩形板状の回転片51と、バネからなる付勢部52が設けられている。
開操作部6の裏側(後方)には、開操作部6の操作に伴って回転する伝達片60が設けられている。開操作部6が押されて、伝達片60が回転することで、伝達片60によって回転片51が前方に押されて、回転軸50が回転し、これにより、上下一対のラッチ5が解錠位置へと回転移動する。開操作部6から手を放すと、付勢部52の付勢力によって、回転片51は、伝達片60に押される前の状態へと復帰する。
複数の鍵装置7は、ラッチ5を解錠位置にまで移動(回転)しないように規制する装置である。本実施形態では、複数の鍵装置7のそれぞれは、プッシュ錠である。複数の鍵装置7は、互いに同じ構造である。
鍵装置7は、左右方向に長い略直方体状のケース70と、ロック位置とアンロック位置との間で移動自在なロック部71と、ロック位置にあるロック部71をアンロック位置へと移動させるためのロック解除操作部72を有する(図1参照)。
ケース70は、扉3の裏面に固定されている。扉3には、ケース70の固定箇所に開口30が設けられており、ケース70の前面は、開口30を通じて扉3の表側に露出している。
ロック部71は、ロック位置にあるときに、ケース70から外側に突出し、ロック解除操作部72によってアンロック位置に移動させたときに、ケース70内に収容される。ロック部71は、ケース70内に設けられた付勢部(図示せず)によって付勢されており、進退自在であり、通常は、ロック位置に位置する。
図1に示すように、ロック解除操作部72は、ケース70の前面に設けられ、開口30を通じて扉3の表側に露出している。ロック解除操作部72は、本実施形態では、複数のロック解除ボタン73と、操作片74を有する。操作片74は、ロック部71と連結されており、操作片74を右にスライド操作することで、ロック部71は、ロック位置からアンロック位置へと移動する。操作片74のスライド操作は、複数のロック解除ボタン73によって規制される。
複数のロック解除ボタン73のうち、あらかじめ設定された設定ボタン、つまり入居者固有の暗証番号が全て押されることで、操作片74がスライド操作可能となり、これにより、ロック部71をロック位置からアンロック位置へと移動させることができる。なお、設定ボタンの全てが押されていない状態では、操作片74は、スライド操作不可であり、ロック部71を移動させることができない。
図3に示すように、鍵装置7は、複数のロック解除ボタン73の中から、設定ボタンを設定するための設定操作部75と、設定操作部75を覆うカバー部76をさらに有する。設定操作部75は、ケース70の裏面に設けられている。カバー部76は、設定操作部75を覆うように、ケース70の裏面にねじ等の固定具で着脱自在に取り付けられる。カバー部76を取り外すことで、設定操作部75の操作が可能となる。設定ボタンは、設定操作部75を操作することで、変更自在である。
図1及び図3に示すように、複数の鍵装置7は、本実施形態では、上下に並んで位置する4つの鍵装置7である。扉3には、4つの鍵装置7に対応して4つの矩形の長孔状の開口30が設けられている。4つの鍵装置7に対応して、扉3には4つの窓部11が設けられる。4つの窓部11のそれぞれは、4つの開口30の側方に、間隔をおいて位置する。本実施形態では、4つの窓部11のそれぞれは、扉3を厚み方向に貫通する丸孔である。扉3の表面(前面)のうち、各窓部11と、その右側に位置する対応する開口30の間には、部屋番号が記載される。
続いて、リンク機構8について説明する。
リンク機構8は、開操作部6と複数の鍵装置7との間に介在する機構である。リンク機構8は、複数の鍵装置7のうちの1つの鍵装置7に選択的に接続可能に設けられている。リンク機構8に接続された1つの鍵装置7が、リンク機構8を介して、ラッチ5を解錠位置まで移動しないように規制する。
リンク機構8は、複数の鍵装置7の並ぶ方向に沿って位置する軸部80と、軸部80に沿ってスライド自在に操作される接続操作部81とを有する。接続操作部81が、1つの鍵装置7に選択的に接続される。
さらに、リンク機構8は、ラッチ5の回転を規制する規制位置とラッチ5の回転を許容する許容位置との間で移動自在な規制部82と、規制部82と軸部80の間に介在するリンク部83とを有する。リンク部83は、軸部80側に接続される第一リンク部830と、規制部82側に接続される第二リンク部831を含む。第一リンク部830には、第二リンク部831の一部が挿通される連結孔832が設けられている。
軸部80は、本実施形態では、角棒状である。軸部80は、扉3の裏面に設けられた上下一対の軸受け84によって回転自在に支持されている。接続操作部81は、上下一対の軸受け84間において、軸部80に沿ってスライド自在であり、かつ軸部80と一体に回転可能である。リンク機構8は、上側の軸受け84の上方において、軸部80に嵌め込まれた回転板85をさらに有する。回転板85には、下方に突出する規制片(図示せず)が設けられている。上側の軸受け84には、規制片の移動範囲を規制する切り欠き840が設けられている。これにより、軸部80は、上側の軸受け84によって回転範囲が規制されて、一定の範囲内で回転可能となっている。
回転板85上には、第一リンク部830の一端部が回転自在に取り付けられている。ここで、第一リンク部830は、軸部80の規制された範囲内での回転に伴って、左右方向に移動するように、回転板85に取り付けられている。
接続操作部81は、図3、図4A及び図4Bに示すように、略円筒状の筒部810と、筒部810から突出した操作片811、接続片812及び表示片813を有する。筒部810の内側の孔に、軸部80が嵌め込まれている。操作片811は、利用者(配達人)によって把持されて操作される操作部分である。接続片812は、ロック位置にあるときのロック部71に引っ掛かって接続される部分である。操作片811と接続片812のそれぞれは、筒部810から径外方向に突出する略板状の突片である。操作片811と接続片812とは、筒部810の外周面のうち、互いに異なる部分から突出している。筒部810には、操作片811、接続片812、及び表示片813がこの順に、筒部810の周方向に並ぶように設けられている。
表示片813は、接続片812がロック部71に接続されている状態にあることを表示するための部分である。本実施形態では、表示片813は、平面視略V字状である。表示片813は、筒部810から径外方向に突出した第一片部814と、第一片部814の先端から延びた第二片部815とを有する。第二片部815の筒部810側とは反対側を向く外面816が、複数の窓部11のうちの1つを通じて視認可能な表示部817である。本実施形態では、表示片813の外面816は、赤色に着色されており、すなわち、表示部817は、赤色の面である。なお、表示部817には、「使用中」等の印字が設けられてもよい。
接続操作部81は、ロック位置にあるときのロック部71に引っ掛かって接続される接続姿勢(図4B参照)と、ロック位置にあるときのロック部71に引っ掛からず接続されない非接続姿勢(図4A参照)との間で回転自在である。接続操作部81には、接続姿勢から非接続姿勢となる方向(平面視にて反時計回りの方向)に付勢力が付与されている。
接続操作部81が接続姿勢にあるとき、ロック位置にあるときのロック部71が、接続片812と操作片811との間に位置し、かつこのロック部71に接続片812が引っ掛かる。非接続姿勢にあるとき、ロック位置にあるときのロック部71が、接続片812と表示片813の間に位置し、かつこのロック部71に接続片812が引っ掛からない。
接続操作部81が接続姿勢にあるとき、表示片813の第二片部815の外面816(つまり表示部817)は、対応する1つの窓部11の真後ろに位置する。言い換えると、表示部817は、対応する1つの窓部11に対して、距離をおいて対向して位置する。これにより、接続操作部81が接続姿勢にあるときに、対応する1つの窓部11から表示部817が視認可能であり、どの鍵装置7が接続状態にあるのか確認することができる。ここで、窓部11と表示部817が上記の位置関係であるため、対応する1つの窓部11を正面側から真っすぐ見た場合には、表示部817が視認可能であるが、対応する1つの窓部11を正面側から斜めに視た場合には、表示部817が視認不可である。
本実施形態では、宅配ボックス1は、複数の窓部11の後方に位置する透明板14と、透明板14の後方に位置する表示板15とをさらに有する。表示板15の透明板14側の外面150には、表示片813の第二片部815の外面816とは異なる色が着色されている。外面150は、例えば、緑色に着色されている。
これにより、接続操作部81と接続状態にある1つの鍵装置7を除いた残りの3つの鍵装置7に対応した3つの窓部11からは、表示板15の外面150の色が視認可能である。なお、複数の鍵装置7のいずれにも接続操作部81が接続されていない状態では、複数の窓部11の全てから、表示板15の外面150の色が視認可能である。
なお、透明板14は、例えば宅配ボックス1に手が届く距離まで近づいたときにだけ、後方の表示板15の外面150が見える程度の透明度であってもよい。この場合、遠くから窓部11を見ただけでは、宅配ボックス1内の荷物の有無や、どの入居者向けの荷物が届いているのか、確認しにくくすることができる。
規制部82は、許容位置(図3参照)とその下側の規制位置との間で、上下移動自在である。規制部82は、規制位置にあるときに、開操作部6の伝達片60の前方に位置し、これにより、伝達片60の回転を規制して、ラッチ5の解錠位置までの回転を規制する。
規制部82は、許容位置にあるときに、開操作部6の伝達片60よりも上方に位置し、これにより、伝達片60の回転が許容され、ラッチ5の解錠位置までの回転が許容される。
さらに、宅配ボックス1は、扉3の裏側に、伝票差込口10に挿入された伝票に、押印するためのスタンプ機構16を備える。スタンプ機構16は、スタンプ操作部9が操作されることによって、伝票差込口10内の伝票に、押印を一度だけ行えるように構成されている。スタンプ操作部9は、本実施形態では、押しボタンである。
スタンプ機構16は、スタンプ160と、スタンプ160が装着されて昇降する昇降部161と、昇降部161の上半部を昇降自在に保持する保持カバー162と、保持カバー162と昇降部161を繋ぐ付勢部163を有する。付勢部163は、昇降部161が降下したときに、昇降部161に対して後ろ斜め上方の付勢力を付与する。
昇降部161は、その上端部に、引っ掛かり部164を有する。保持カバー162の上端部には、引っ掛かり部164が引っ掛かる段部165を有する。昇降部161は、引っ掛かり部164が段部165に引っ掛かる状態からトリガー部26により扉3側へと押されて、引っ掛かり部164が段部165から外れることによって、降下可能となり、スタンプ160による押印が可能となる。
本実施形態では、宅配ボックス1は、荷受け可能な状態か否かを表示する表示板18をさらに備える。表示板18は、規制部82に固定されており、規制部82の昇降に伴って昇降する。表示板18は、その前面(扉3側の面)に、受け取り可能であることを示す下表示部と、受け取り不可であること(つまり、宅配ボックス1内に宅配物があること)を示す上表示部とを有する。規制部82が規制位置にあるときに、上表示部が第二窓部12を通じて扉3の表側から視認可能となり、規制部82が許容位置にあるときに、下表示部が第二窓部12を通じて扉3の表側から視認可能となる。
宅配物の配達人によって接続操作部81が非接続姿勢から接続姿勢に回転操作され、この状態で扉3が閉じられることによって、受け板25から前方に突出するトリガー部26が、昇降部161の上端部を扉3側へ押す。これにより、昇降部161の引っ掛かり部164が保持カバー162の段部165から外れて、昇降部161が降下可能となる。
この状態で、スタンプ操作部9が操作されることで、スタンプ160を降下させて、伝票差込口10に挿入された伝票に対して押印することができる。スタンプ操作部9から手を放すと、昇降部161は付勢部163によって後ろ斜め上方の付勢力が付与されて、上昇し、引っ掛かり部164が保持カバー162の段部165に引っ掛かる。これにより、昇降部161は、降下不可な状態となり、スタンプ操作部9を押しても、スタンプ160が降下できず、押印不可となる。このように、スタンプ機構16は、伝票に対する押印が一度のみ可能な機構となっている。
カバー材13は、接続操作部81が露出する状態で、リンク機構8を覆っている。本実施形態では、カバー材13は、リンク機構8と鍵装置7の両方を覆っている。カバー材13には、スライド移動する接続操作部81に対応する部分に、接続操作部81を露出させるための開口部130が設けられている。これにより、接続操作部81は、扉3を開いた状態で操作が可能である。
以上説明した本実施形態の宅配ボックス1は、例えば、小規模の集合住宅の共通する入口部分の壁に取り付けられる。宅配ボックス1は、1つの荷受け箱2で複数の宛先の荷物を受け取ることができる構造であるため、宛先毎の荷受け箱2を配する場合に比べて、設置スペースを抑えることができる。また、宅配ボックス1は、施錠、解錠を機構的に行うことができる構造であるため、電源に接続する必要がなくて、設置を簡単に行うことができ、また、配線の数を抑えることができる。
続いて、本実施形態の宅配ボックス1の使用方法の一例について説明する。宅配ボックス1は、荷受け箱2の荷受け口20が扉3で閉じられ、扉3のラッチ5が荷受け箱2のラッチ受け4に引っ掛かり、鍵装置7による施錠がなされていない状態が、受け取り前の状態である。このとき複数の鍵装置7は、集合住宅のそれぞれの世帯に応じた暗証番号(解錠用に設定された設定ボタンの組み合わせ)があらかじめ設定されており、各設定ボタンが押し込み操作前の状態にあるため、各鍵装置7の操作片74がスライド操作不可である。またこのとき、各鍵装置7のロック部71は、ロック位置に位置している。またこのとき、接続操作部81の接続片812は、いずれのロック部71とも接続しない状態(つまり非接続姿勢)に配置されている。
宅配物の配達人は、まず、開操作部6を押して、扉3を開く。次いで、配達人は、宅配物を、荷受け箱2内に収容し、接続操作部81の操作片811をスライド操作して、宅配物の宛先の住宅の鍵装置7のロック部71と、接続操作部81の上下位置を合わせる。このとき、接続操作部81は、非接続姿勢である。
次いで、配達人は、接続操作部81の操作片811を軸部80を中心に平面視時計回りに回転操作して、接続操作部81を非接続姿勢から接続姿勢に切り替える。このとき規制部82が、許容位置から規制位置へ移動する。またこのとき、接続片812が鍵装置7のロック部71をロック位置からアンロック位置へと押し込みながら乗り越えて、再びロック位置に戻ったロック部71に対して接続片812が引っ掛かって接続される。
またこのとき、接続操作部81の表示片813の第二片部815の外面816(つまり表示部817)が、接続状態にある鍵装置7に対応する1つの窓部11の後方に位置して、窓部11を通じて視認可能となる。またこのとき、表示板18が降下して、第二窓部12の後方に、表示板18の上表示部が位置し、宅配ボックス1が使用状態にあること(宅配ボックス1内に宅配物があること)が、扉3の表側から視認可能となる。
次いで、配達人は、扉3を閉じる。このとき、荷受け箱2の受け板25から前方に突出するトリガー部26によって、スタンプ機構16の昇降部161の上端部が扉3側に押されて、昇降部161が保持カバー162に対して引っ掛かる状態が解除されて、昇降部161が降下可能となる。
次いで、配達人は、伝票差込口10に伝票を差し込んで、スタンプ操作部9を押し操作して、伝票に押印する。スタンプ操作部9から手を放すと、昇降部161は付勢部163による付勢力を受けて、上昇し、保持カバー162に対して引っ掛かり、昇降不可な状態となる。したがって、伝票への押印は一度だけ可能である。
続いて、宅配ボックス1から宅配物を取り出す方法の一例について説明する。
まず、集合住宅の入居者は、宅配ボックス1の複数の窓部11と1つの第二窓部12の両方、もしくは郵便受けに届けられた不在通知を視て、宅配ボックス1内に、自宅宛の宅配物が収容されているのか確認する。このとき、入居者は、該当の(つまり割り当てられた)1つの窓部11から表示部817が視認可能か確認することによって、宅配ボックス1内に自宅宛の宅配物が届いているのかどうかを確認することができる。
次いで、該当の入居者は、該当の鍵装置7の複数のロック解除ボタン73の中から、あらかじめ設定された設定ボタンを押し操作した後、操作片74をスライド操作することで、ロック部71をロック位置からアンロック位置へと移動させる。なお、設定ボタンの押し操作を間違えた場合には、操作片74を押し込み操作することで、リセット可能である。
ロック部71がアンロック位置へ移動すると、接続操作部81が接続姿勢から非接続姿勢へと回転し、ロック部71に対して接続操作部81が接続された状態が解除される。このとき、規制部82が、規制位置から許容位置へと移動し、開操作部6の押し操作が可能な状態となる。またこのとき、表示板18の下表示部が第二窓部12の後方に位置する。また、該当の入居者が、操作片74から手を離すと、操作片74はスライド操作前の位置へと戻り、ロック部71は、アンロック位置からロック位置へと戻る。
次いで、該当の入居者は、開操作部6を押し操作して、扉3を開き、荷受け箱2内から宅配物を取り出す。
次いで、該当の入居者は、扉3を閉じる。扉3の第二窓部12からは、表示板18の下表示部が視認可能であるため、宅配ボックス1が使用可能な状態にあること(宅配ボックス1内に宅配物が無いこと)がわかる。
(変形例)
上述した実施形態1の宅配ボックス1は、下記の変形例を採用可能である。
ラッチ5は、ラッチ受け4に引っ掛かる施錠位置と、ラッチ受け4から外れる解錠位置との間で移動自在であればよく、回転自在に限らず、スライド自在でもよい。
リンク機構8は、開操作部6と複数の鍵装置7との間に介在し、複数の鍵装置7のうちの1つの鍵装置7に選択的に接続可能に設けられ、接続されたときに開操作部6によるラッチ5の回転を規制する機構であればよく、上記の構造とは別の構造であってもよい。
扉3には、接続状態にある接続操作部81を視認可能な複数の窓部11が設けられなくてもよく、例えば、各鍵装置7に使用状態を表示する表示部分が設けられてもよい。
複数の鍵装置7のそれぞれは、複数のロック解除ボタン73を有するプッシュ錠に限らず、鍵穴とこの鍵穴に差し込んで回す鍵とで構成されてもよいし、ダイヤル錠であってもよい。
宅配ボックス1は、図5に示す設置構造の他例のように、集合住宅の共通する入口部分の壁100に、縦横に並ぶように複数(例えば8つ)取り付けられてもよい。縦方向に隣接する2つの宅配ボックス1と、横方向に隣接する2つの宅配ボックス1のそれぞれは、荷受け箱2の外面同士が接する状態で、壁100に取り付けられる。
各宅配ボックス1では、図6に示すように、扉3は、その左右方向の長さが、荷受け箱2よりも一回り小さい。扉3の左右の端面31のそれぞれは、荷受け箱2の左右の端面27のそれぞれよりも、例えば2mmほど左右方向内側に位置している。扉3の回転軸32は、扉3を開閉する際に、この扉3が隣接する他の宅配ボックス1の閉じた状態の扉3に接触しないように、その位置が設定されている。なお、宅配ボックス1の数と配置は、適宜設定可能である。
以上説明した設置構造の他例では、複数の宅配ボックス1のそれぞれで、集合住宅の各住宅宛の荷物を受け取ることができ、利便性が高い。また、設置構造の他例では、複数の宅配ボックス1が隙間なく設置されているものの、各扉3の開閉の際に、隣接する他の扉3が邪魔になることを抑えられる。
カバー材13は、図7に示す変形例のように、接続操作部81に宅配物が接触することを抑える保護面131を有してもよい。この保護面131は、接続操作部81よりも扉3から離れて位置する。
接続操作部81は、軸部80を中心に、保護面131よりも前方(扉3に近い側)で回転する。つまり、接続操作部81の回転範囲は、保護面131よりも前側である。接続操作部81は、操作片811の先端(後端)が最も後方に位置するときの姿勢においても、保護面131よりも前側に位置する。保護面131は、カバー材13の外面のうち、開口部130の右側の孔縁から後方に向けて突出したリブ132の先端面(後面)である。
リブ132は、開口部130の右側の孔縁に上下方向に亘って位置する。開口部130の上下長さは、軸部80に沿って上下にスライド移動する接続操作部81の移動範囲と略同じである(図2参照)。そのため、接続操作部81が上下方向のどの位置にある場合でも、リブ132の先端の保護面131が、接続操作部81に隣接して位置する。
図7に示す変形例では、荷受け箱2内に収容された宅配物が、接続操作部81の操作片811に当たって接続操作部81の回転の妨げとなることを、保護面131によって抑制することができる。さらに、図7に示す変形例では、接続操作部81の上下位置にかかわらず、接続操作部81に保護面131が隣接して位置するため、保護面131によって、接続操作部81への宅配物の接触を効果的に抑えることができる。
(実施形態2)
続いて、実施形態2の宅配ボックス1について説明する。図8Aには、実施形態2の宅配ボックス1の扉3が示されている。以下では、実施形態1の宅配ボックス1と同様の構成については図中に同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
実施形態2の宅配ボックス1では、カバー材13は、接続操作部81と軸部80が露出する状態で、リンク機構8を覆うように構成されている。カバー材13は、複数の鍵装置7を覆っていない。本実施形態の宅配ボックス1は、複数の鍵装置7を覆う第二カバー材133を、カバー材13とは別体に備える。
カバー材13は、前面が開口した扁平な直方体状であり、外面のうち後側(裏側)を向く面に、保護面131を有する。図8Bに示すように、保護面131は、接続操作部81よりも、扉3から離れて位置する。接続操作部81は、保護面131よりも前側(扉3に近い側)で、軸部80に沿ってスライド移動する。
図8Aに示すように、保護面131は、カバー材13の後面のうち、外周部分を除いた残りの部分全体である。保護面131は、軸部80全体の側方に、隣接して位置する。そのため、接続操作部81の上下位置に関わらず、接続操作部81の側方には保護面131が隣接して位置する。
なお、カバー材13の後面には、接続操作部81の操作の仕方が表示された表示部が設けられてもよく、この表示部は、例えばカバー材13の後面に貼られたシールで構成される。
本実施形態では、接続操作部81は、軸部80に沿って上下方向にスライド移動することで、ロック部71に接続される接続状態と、ロック部71に接続されない非接続状態とに切り替えられる。
接続操作部81は、赤などの目立つ色で構成されており、その外面の一部が表示部817として機能する。接続操作部81は、ロック部71が差し込まれる差込凹部818を有する。差込凹部818は、ロック部71側に開口している。
ロック部71は、その上面が軸部80に近い側ほど下方に位置するように傾斜した傾斜面である。軸部80は、平面視時計回りの方向に付勢されており、そのため、接続操作部81は、平面視時計回りの方向に付勢されている。
リンク機構8は、接続操作部81の前側に位置するスライド板86をさらに有する。スライド板86は、接続操作部81を差し込むことのできる複数の接続凹部860と、複数の接続凹部860のそれぞれの側方に位置する貫通孔861を有する。スライド板86は、軸部80に連結されており、軸部80に沿って上下にスライドする。スライド板86は、リンク部83を介して規制部82に接続されている。スライド板86は、上方に付勢されている。
複数の接続凹部860は、軸部80に沿って等間隔に並ぶ。スライド板86は、各接続凹部860が対応する各ロック部71の前側に位置する下位置と、各接続凹部860が対応する各ロック部71の前斜め上方に位置する上位置との間で、スライド可能である。
本実施形態では、接続操作部81は、宅配物の配達人によって以下のように操作される。配達人によって施錠操作される前の状態では、図8Aに示すように、スライド板86は上位置に位置し、接続操作部81は、複数の接続凹部860のうちのいずれか1つに差し込まれた状態で、対応する1つのロック部71の上方に位置する。
まず、配達人は、接続操作部81を掴んで回転させて、接続凹部860から引き出す。次いで、配達人は、施錠対象の1つの鍵装置7のロック部71の上方まで、接続操作部81を軸部80に沿ってスライド移動させる。
次いで、配達人は、接続操作部81を回転させて、該当の1つのロック部71に対応した1つの接続凹部860に差し込む。このとき、接続操作部81が差し込まれた接続凹部860の側方に位置する貫通孔861の真後ろに、接続操作部81の外面の一部(表示部817)が位置する。
次いで、配達人は、接続操作部81を下方にスライド移動させて、接続操作部81の差込凹部818内に該当の1つのロック部71を挿入する。このとき、接続操作部81が、該当の1つのロック部71の上面に当たりながら下がっていくことで、該当の1つのロック部71は、ロック位置からアンロック位置を経由してロック位置へと戻り、接続操作部81の差込凹部818内に収まる。差込凹部818内にロック位置にある該当の1つのロック部71が収まった状態では、接続操作部81は上方に付勢され、差込凹部818の下側の壁が、ロック位置にある該当の1つのロック部71に引っ掛かる。
また配達人によって接続操作部81が下方にスライド移動されたとき、スライド板86は、上位置から下位置へと移動する。下位置にあるときのスライド板86の各貫通孔861は、扉3の各窓部11の真後ろに位置する。これにより、該当の1つのロック部71に対応した1つの窓部11を通じて、接続操作部81の表示部817が視認可能となり、どの鍵装置7が施錠状態にあるのか確認することができる。
入居者は、該当の鍵装置7のロック解除ボタン73と操作片74を解錠操作して、ロック部71をロック位置からアンロック位置へと移動させる。このとき、ロック部71が接続操作部81の差込凹部818から引き出され、これにより、接続操作部81及びスライド板86が、上方に付勢されてスライド移動する。
上述のように本実施形態では、該当の1つの鍵装置7が解錠操作されたときに、接続操作部81が、実施形態1の接続操作部81のように軸部80周りに回転するのではなく、軸部80に沿って上方にスライド移動するように構成されている。
以上説明した実施形態2の宅配ボックス1では、図8Bに示すように、荷受け箱2内に収容された宅配物104が、接続操作部81に当たって接続操作部81のスライド移動の妨げとなることを、保護面131によって効果的に抑えることができる。そのため、実施形態2の宅配ボックス1では、該当の1つの鍵装置7を解錠操作したときに、この1つの鍵装置7のロック部71と接続操作部81との接続状態が解除されないといった不具合を回避することができる。
(変形例)
上述した実施形態2の宅配ボックス1は、以下の変形例を採用可能である。
接続操作部81は、実施形態1の接続操作部81と同様に、該当の1つの鍵装置7が解錠操作されたときに、軸部80周りに付勢されて回転するように構成されてもよい。
(実施形態3)
続いて、実施形態3の宅配ボックス1について説明する。図9Aには、実施形態3の宅配ボックス1の扉3が示されている。以下では、実施形態2の宅配ボックス1と同様の構成については図中に同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
実施形態3の宅配ボックス1は、扉3の裏側に設けられ、カバー材13とは別体のスペーサー19をさらに備える。スペーサー19は、接続操作部81に宅配物が接触することを抑える保護面190を有し、この保護面190は、接続操作部81よりも扉3から離れて位置する。
スペーサー19は、本実施形態では、平断面U字状である。スペーサー19は、図9Bに示すように、扉3の裏面に溶着等で固定される矩形板状の固定部191と、固定部191から後側に延長された矩形板状の立ち上がり部192と、立ち上がり部192の後端から左側に延長された矩形板状の保護部193を含む。固定部191と保護部193は、互いに平行である。スペーサー19は、例えば、金属製であり、矩形状の鋼板を折り曲げ加工して形成される。保護部193の後側を向く面が、保護面190である。本実施形態では、保護面190は、前後方向において、接続操作部81とカバー材13の保護面131の間に位置する。
本実施形態の宅配ボックス1では、軸部80は、カバー材13よりも長く、軸部80の下端部が、カバー材13よりも下方に位置している。スペーサー19は、扉3の裏面のうち、カバー材13の下方で、かつ軸部80の下端部の側方に隣接する箇所に、配される。
以上説明した実施形態3の宅配ボックス1では、図9Bに示すように、荷受け箱2内に収容された宅配物104が、接続操作部81に当たって接続操作部81のスライド移動の妨げとなることを、保護面131,190によって効果的に抑えることができる。接続操作部81が軸部80の下端部に位置するときには、隣接するスペーサー19の保護面190によって、宅配物104の接触を効果的に抑えることができる。接続操作部81が軸部80の下端部以外の部分に位置するときには、隣接するカバー材13の保護面131によって、宅配物104の接触を効果的に抑えることができる。
そのため、実施形態3の宅配ボックス1では、該当の1つの鍵装置7を解錠操作したときに、この1つの鍵装置7のロック部71と接続操作部81との接続状態が解除されないといった不具合を回避することができる。
また、実施形態3の宅配ボックス1では、カバー材13とは別体にスペーサー19を設けたことで、スペーサー19の形状、材質、及び配置の自由度が高い。また、カバー材13を、接続操作部81のスライド移動範囲(軸部80の上下長さ)と同程度の上下長さを有するように形成する必要がなくて、型代などの製造コストを抑えることができる。
(変形例)
上述した実施形態3の宅配ボックス1は、以下の変形例を採用可能である。
接続操作部81は、実施形態1の接続操作部81と同様に、該当の1つの鍵装置7が解錠操作されたときに、軸部80周りに付勢されて回転するように構成されてもよい。
スペーサー19の保護面190は、カバー材13の保護面131と前後位置が同じであってもよいし、保護面131よりも後側に位置してもよい。
スペーサー19は、接続操作部81よりも扉3から離れて位置し、かつ接続操作部81に宅配物が接触することを抑える保護面190を有すればよく、スペーサー19の形状及び配置は、その他の形状及び配置であってもよい。
また、実施形態3のスペーサー19は、実施形態1や実施形態2の宅配ボックス1にも採用可能である。
また、実施形態3の宅配ボックス1は、図5に示す設置構造の他例のように、集合住宅の共通する入口部分の壁100に、縦横に並ぶように複数(例えば4つ)取り付けられてもよい。壁100に取り付ける宅配ボックス1の数は、集合住宅の世帯数と、宅配ボックス1が備える鍵装置7の数に合わせて適宜設定可能である。
(実施形態の効果)
以上説明した実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、第一の特徴として、下記の構成を備える。
すなわち、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、荷受け口20を有し、宅配物が収容される荷受け箱2と、荷受け口20を開閉する扉3と、荷受け箱2に設けられたラッチ受け4と、扉3の裏側に設けられたラッチ5とを備える。ラッチ5は、ラッチ受け4に引っ掛かる施錠位置と、ラッチ受け4から外れる解錠位置との間で移動自在である。
宅配ボックス1は、扉3の表側に設けられ、ラッチ5を施錠位置から解錠位置にまで移動させて扉3を開くための開操作部6と、ラッチ5を解錠位置にまで移動しないように規制する複数の鍵装置7と、リンク機構8とをさらに備える。リンク機構8は、扉3の裏側に設けられ、開操作部6と複数の鍵装置7との間に介在し、複数の鍵装置7のうちの1つの鍵装置7に選択的に接続可能に設けられている。
リンク機構8に接続された1つの鍵装置7が、リンク機構8を介して、ラッチ5を解錠位置にまで移動しないように規制する。
上記第一の特徴のように、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、1つの荷受け箱2の扉3に、複数の鍵装置7が設けられ、複数の鍵装置7のうちの1つがリンク機構8を介して、開操作部6によるラッチ5の施錠位置から解錠位置までの移動を規制する。よって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1によれば、1つの荷受け箱2で、集合住宅の各住宅宛の宅配物を受け取ることができ、宛先に対応した鍵装置7で扉3を施錠することができる。したがって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1によれば、住宅毎の荷受け箱2が必要とならないため、設置スペースを抑えることができる。また、実施形態1乃至3の宅配ボックス1によれば、扉3の施錠と解錠を、ラッチ5の移動を機構的に規制するリンク機構8を介して行うことができるため、扉3の施錠と解錠を電気的に行うものに比べて、配線の数を抑えることができる。
さらに、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、第二の特徴として、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、リンク機構8は、複数の鍵装置7の並ぶ方向に沿って位置する軸部80と、軸部80に沿ってスライド自在に操作される接続操作部81とを有する。接続操作部81が、1つの鍵装置7に選択的に接続される。
したがって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、扉3を開いて、扉3の裏側にある接続操作部81をスライド操作することで、複数の鍵装置7の中から1つの鍵装置7を選択して接続することができ、宛先に対応した鍵装置7の選択を簡単に行うことができる。
さらに、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、第三の特徴として、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、扉3の裏側に設けられ、接続操作部81が露出する状態でリンク機構8を覆うカバー材13をさらに備える。カバー材13は、接続操作部81に宅配物が接触することを抑える保護面131を有し、この保護面131は、接続操作部81よりも扉3から離れて位置する。
したがって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、荷受け箱2に荷受けされた宅配物が、接続操作部81に接触することを、カバー材13の保護面131によって抑えることができる。これにより、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、鍵装置7の解錠がしにくい等の不具合が生じることを抑制することができる。
さらに、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、第四の特徴として、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、扉3の裏側に設けられ、カバー材13とは別体のスペーサー19をさらに備える。スペーサー19は、接続操作部81に宅配物が接触することを抑える保護面190を有し、この保護面190は、接続操作部81よりも扉3から離れて位置する。
したがって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、荷受け箱2で受け取った宅配物が、接続操作部81に接触することを、スペーサー19の保護面190によって抑えることができる。これにより、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、鍵装置7の解錠がしにくい等の不具合が生じることを抑制することができる。
さらに、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、第五の特徴として、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、複数の鍵装置7に対応して、扉3に設けられる複数の窓部11をさらに備える。接続操作部81は、表示部817を有する。表示部817は、接続操作部81が1つの鍵装置7に接続されたときに、複数の窓部11のうち、前記1つの鍵装置7に対応する1つの窓部11を通じて視認可能に設けられている。
したがって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、接続操作部81が1つの鍵装置7に接続されたときに、この鍵装置7に対応する窓部11を通じて、接続操作部81が有する表示部817を視認することができる。よって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、接続操作部81が接続された1つの鍵装置7が、複数の鍵装置7のうちのどの鍵装置7であるのか、窓部11を通じて簡単に視認することができる。
さらに、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、第六の特徴として、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、1つの鍵装置7に接続されたときの接続操作部81の表示部817は、前記1つの鍵装置7に対応する1つの窓部11に対して、距離をおいて対向して位置する。
したがって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、窓部11を正面から(つまり窓部11と表示部817が並ぶ方向から)視たときにだけ表示部817が視認可能であり、窓部11を斜めから視たときには表示部817が視えない。これにより、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、宅配ボックス1内に荷物が入っていることをわかりにくくできて、防犯性の向上を図れる。また、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、どの住宅宛の荷物が宅配ボックス1内に入っているのかわかりにくくすることができて、プライバシーの保護が図りやすい。
さらに、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、第七の特徴として、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、複数の鍵装置7のそれぞれは、複数のロック解除ボタン73を有する。1つの鍵装置7は、複数のロック解除ボタン73のうち、あらかじめ設定された設定ボタンが押されることで、リンク機構8との接続が解除される。
したがって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、複数のロック解除ボタン73の中から、あらかじめ設定された設定ボタンを押すといった簡単な操作で、鍵装置7とリンク機構8との接続を解除して、扉3を開くことができる。
さらに、実施形態1乃至3の宅配ボックス1は、第八の特徴として、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、複数の鍵装置7のそれぞれは、複数のロック解除ボタン73の中から、前記設定ボタンを設定するための設定操作部75を有する。
したがって、実施形態1乃至3の宅配ボックス1では、マスターキーが不要であるため配達業者が限定されないといった利点や、入居者が変わったときに設定操作部75によって設定ボタン(つまり暗唱番号)を簡単に変更することができるといった利点を有する。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。