JP5878941B2 - ポリマーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリマーの製造方法に関する。
従来、フェノール、2つのフェノールが直接結合したビフェノール、2つのフェノールが連結基を介して結合したビスフェノールなどフェノール類のフェノール性水酸基に対してクロロホーメート化を行い、クロロホーメート化合物を合成する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、N,Nージエチルアニリン存在下、トルエンを溶媒とし、p−ニトロフェノールとホスゲンを反応させて、p−ニトロフェニルクロルフォーメートを調製する方法が開示されている。
特許文献2には、N,Nージメチルアニリン存在下、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とし、ビフェノールとホスゲンを反応させて、ビスクロロホーメートとしてのビフェノールビスクロロ蟻酸エステルを調製する方法が開示されている。
特許文献3には、ビスフェノールAとジクロロメタンからなる懸濁液に、ホスゲンを供給し、攪拌して得た混合物、及び水酸化ナトリウム水溶液を管型反応器に導入し、クロロホーメート化合物を得る製造方法が開示されている。
特公昭59−8256号公報 特開平5−70583号公報 特開平8−27068号公報
しかしながら、特許文献1には、ビフェノールやビスフェノールなどの2価フェノール性化合物に対してビスクロロホーメート化を行う方法については記載がない。
また、特許文献2に記載の技術では、ビスクロロホーメート化合物を精製する際、反応液を氷水中に注入し、結晶を析出させている。さらに、アセトンによりビスクロロホーメートの再結晶を行っている。このように、ビスクロロホーメート化合物の精製工程に手間がかかるため、生産性が低くなる場合がある。
そして、特許文献3に記載の技術では、該公報に記載されているように、懸濁液を反応器に導入するため、反応器が閉塞する可能性があるなど、取り扱いが不便となる可能性がある。そのため、生産性が低くなる場合がある。
本発明の目的は、ビスクロロホーメート化合物から製造されるポリマーの製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係るポリマーの製造方法は、
下記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物を原料として使用し、下記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物は、下記式(化2)で表される2価フェノール性化合物をアルカリ水溶液に溶解させた溶液と、ホスゲン化合物を不活性有機溶媒の存在下で、マイクロメートルオーダーの微細流路にて連続的に反応させ、下記式(数1)で得られる平均量体数(n)が1.99以下であり、下記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物を製造する際に、下記式(化2)で表される2価フェノール性化合物をアルカリ水溶液に溶解させた原料溶液を調製する工程と、ホスゲン化合物を不活性有機溶媒に溶解させたホスゲン溶液を調製する工程と、前記原料溶液と前記ホスゲン溶液とを、マイクロメートルオーダーの前記微細流路で混合し、前記微細流路内にて連続的に反応させる工程と、を実施することを特徴とする。
式(化1)及び(化2)において、Arは、2価の芳香族基を表す。
平均量体数(n)=1+(Mav−M1)/M2・・・(数1)
(式(数1)において、Mavは(2×1000/(CF価))であり、M2は(M1−98.92)であり、M1は式(化1)において、n=1のときのビスクロロホーメート化合物の分子量であり、CF価(クロル原子のモル数/Kg)は(CF値/濃度)であり、CF値(N)は反応溶液1Lに含まれる式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物中のクロル原子のモル数であり、濃度(kg/L)は反応溶液1Lを濃縮して得られる固形分の量である。ここで、98.92は、式(化1)において( )nの外にある2個の塩素原子、1個の酸素原子および1個の炭素原子の、原子量の合計である。)
本発明において、微細流路に導入する成分としては、式(化2)で表される2価フェノール性化合物をアルカリ水溶液に溶解させて得た溶液とホスゲン化合物を不活性溶媒に溶解させた溶液の2種類であることが好ましい。この場合、両方の成分共、溶液として微細流路に導入されるため、導入ラインが閉塞することがなく、微細流路を備えた反応器内で均一かつ急速に反応を進行させることができる。このため、平均量体数(n)が1.99以下のビスクロロホーメート化合物を効率よく製造できる。
また、本発明においては、微細流路中でビスクロロホーメート化反応は瞬時に進行する。原料溶液の混合を瞬時に行って、平均量体数(n)が2以上のビスクロロホーメート化合物の生成を防止するために、マイクロメートルオーダーの微細流路が必要である。本発明においては、原料溶液の瞬時混合が重要であり、微細流路中の滞留時間を長くする必要はない。例えば、0.01秒〜数秒程度で十分である。
さらに、本発明においては、原料溶液の瞬時混合が重要である。瞬時混合が可能な微細流路を備えた反応器として、下記実施例に記載のようなマイクロミキサーやマイクロリアクターが市販されている。そのような反応器は瞬時混合が可能なように流路が工夫されているものが多いため、微細流路の内径を一義的に表現することができない。このため、マイクロメートルオーダーという表現を用いている。
上記のように、反応器の内径を一義的に決定できないが、2の溶液を混合するための最少限のミキシング部材を備える微細流路の長径が1mm以下のマイクロメートルオーダーであればよい。例えば、配管内にミキシング部材が並置され、複数の微細流路が形成される場合には、その配管の長径は1mmを超える場合がある。微細流路の長径は、好ましくは、10μm以上1000μm以下であり、より好ましくは、10μm以上700μm以下である。1000μmを超えると、混合するまでの時間が長くなる可能性があり、平均量体数(n)が2以上のビスクロロホーメート化合物が生成しやすくなる。下限値は特にないが、10μm未満では、ミキシング部分の加工が困難になったり、通液量が小さくなり生産性が低下してしまう可能性がある。
本発明では、前記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物は、下記式(化3)又は式(化4)で表されるビスクロロホーメート化合物であり、
前記式(化2)で表される2価フェノール性化合物は、下記式(化5)で表されるビフェノール化合物又は式(化6)で表されるビスフェノール化合物であることが好ましい。
(式(化3)〜(化6)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基を示し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基またはハロゲン原子を示し、Xは、9,9−フルオレニリデン基、2価のアダマンチル基、下記式(化7a)、及び(化7b)で表されるいずれかの結合基である。)
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。また、R、Rは互いに結合して炭素数4〜12のシクロアルキリデン基を構成していてもよい。)
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。また、Rのうち少なくとも一つ、好ましくは3つが炭素数1〜3のアルキル基である。)
(なお、R、R、R、Rに相当する置換基は一つのベンゼン環に複数結合していてもよく、結合する置換基は同じでも異なっていてもよい。)
本発明では、前記微細流路では、前記式(化2)で表される2価フェノ−ル性化合物と、前記ホスゲン化合物を混合した混合液の線速度は、0.2m/秒以上50m/秒以下であることが好ましい。さらに好ましくは、混合液の線速度が0.2m/秒以上30m/秒以下である。
このような発明によれば、特定の線速度となるように、式(化2)の2価フェノ−ル性化合物を含む溶液とホスゲン溶液を混合するため、混合効率が向上し、式(化1)のビスクロロホーメート化合物を高収率で得ることができる。
本発明では、前記微細流路では、前記ホスゲン化合物は、前記式(化2)で表される2価フェノール性化合物の水酸基に対して、0.95当量以上10当量以下で使用することが好ましい。さらに好ましくは、1.0当量以上3.0当量以下である。
このような発明によれば、式(化2)の2価フェノール性化合物と、ホスゲン化合物を特定の当量比で反応させるため、平均量体数(n)が1.99以下という単量体に近いビスクロロホーメート化合物を良好に得ることができる。
ビスクロロホーメート化合物含有溶液は、上述のビスクロロホーメート化合物の製造方法により製造されたビスクロロホーメート化合物を含有する溶液である。
上述のビスクロロホーメート化合物含有溶液は、ポリカーボネートの原料として用いることができる。
上述の本発明の一態様に係るポリマーの製造方法において、前記ポリマーは、ポリカーボネートであることが好ましい。
また、上述の本発明の一態様に係るポリマーの製造方法において、前記ポリマーは、共重合ポリカーボネートであることが好ましい。
本発明に係る実施形態のビスクロロホーメート化合物を製造する製造方法を示すフロー図。 本実施形態のビスクロロホーメート化合物を製造する製造装置を示す模式図。
以下に、本発明に係る実施形態のビスクロロホーメート化合物の製造方法について説明する。
下記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物は、図1に表されるように、下記式(化2)で表される2価フェノール性化合物をアルカリ水溶液に溶解させた原料溶液と、ホスゲン化合物を不活性有機溶媒の存在下で、マイクロメートルオーダーの微細流路にて連続的に反応させることにより得ることができる。
式(化1)及び(化2)において、Arは、2価の芳香族基を表す。
ここで、式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物は、式(化3)又は式(化4)で表されるビスクロロホーメート化合物であることが好ましく、式(化2)で表される2価フェノール性化合物は、式(化5)で表されるビフェノール化合物又は式(化6)で表されるビスフェノ−ル化合物であることが好ましい。
(式(化3)〜(化6)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基を示し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基またはハロゲン原子を示し、Xは、9,9−フルオレニリデン基、2価のアダマンチル基、下記式(化7a)、及び(化7b)で表されるいずれかの結合基である。)
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。また、R、Rは互いに結合して炭素数4〜12のシクロアルキリデン基を構成していてもよい。)
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。また、Rのうち少なくとも一つ、好ましくは3つが炭素数1〜3のアルキル基である。)
(なお、R、R、R、Rに相当する置換基は一つのベンゼン環に複数結合していてもよく、結合する置換基は同じでも異なっていてもよい。)
前記した式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物は、式(化2)で表される2価フェノール性化合物の2つのフェノール性水酸基をクロロホーメート化した化合物である。ここで、式(化2)で表される2価フェノール性化合物としては、例えば、式(化5)で表されるビフェノール化合物や式(化6)で表されるビスフェノール化合物が挙げられる。更には、ベンゼン環やナフタレン環を構成する2個の炭素原子がOH基で置換された2価フェノール性化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、2,7−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオールが挙げられる。
ここで、式(化5)で表されるビフェノール化合物としては、例えば、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5−トリメチル−4,4’−ビフェノール、3−プロピル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジフェニル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジブチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。中でも、4,4’−ビフェノールが着色の少ない共重合PCを与えるという点で好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記した式(化6)で表されるビスフェノール化合物としては、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(2−tert−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。これらのビスフェノール化合物は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、3価以上のフェノールを用いて分岐構造を持たせてもよい。
これらのビスフェノール化合物の中で、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。
さらに好ましくは、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンである。
原料溶液は、例えば、水酸化ナトリウムが水に溶解したアルカリ水溶液に、式(化2)で表される2価フェノール性化合物を溶解させたものである。
ここで、水酸化ナトリウムのほかに、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩などでも採用することができる。
また、水は、水道水などの常水でも、蒸留水でも、イオン交換水でもよく、これらの常水、蒸留水、イオン交換水を減圧下で脱気処理したものでもよい。また、煮沸後窒素気流下で冷却したものでもよい。
ホスゲン溶液は、ホスゲン化合物が所定の不活性有機溶媒に溶解した溶液であり、不活性有機溶媒としては、疎水性有機溶媒が好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、イソオクタン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン及び1,3−ジメチルシクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルムなどの脂肪族炭化水素などであり、これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても良い。なお、テトラヒドロフランなどの親水性有機溶媒でもよい。
また、不活性有機溶媒の使用量は特に制限はないが、式(化2)で表される2価フェノール性化合物に対して3重量部以上50重量部以下となるように使用されることが好ましく、さらに好ましくは、5重量部以上20重量部以下となるように使用されることが好ましい。
また、ホスゲン化合物は、モノホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンなどを採用することができ、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても良い。
また、その使用量は特に制限はないが、式(化2)の2価フェノール性化合物の水酸基に対して0.95当量以上であり、10当量以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.0当量以上3.0当量以下であることが好ましい。過剰のアルカリ量に相当する量以上のホスゲン化合物を使用することにより、反応後の混合液の水素イオン濃度を比較的高くすることができるため、分液操作時に、ビスクロロホーメート化合物とアルカリ水が反応することを防止することができる。また、ホスゲン化合物の使用量を抑え、ミキサー出口で過剰のアルカリ量に相当する酸性溶液を加えることでも同様にビスクロロホーメート化合物とアルカリ水が反応することを防止することができる。
式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物は、図2に表されるように、製造装置10を用いて製造される。なお、本実施形態では、式(化2)で表される2価フェノール性化合物として、式(化5)で表されるビフェノール化合物又は式(化6)で表されるビスフェノール化合物を用いて式(化3)又は式(化4)で表されるビスクロロホーメート化合物を製造してもよい。
製造装置10は、式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物を連続的に製造可能な装置であり、供給ポンプ2A、2Bと、二分岐継手4A、4B、4Cと、圧力計3A、3Bと、反応部1と、開閉弁5D、5Eと、配管6A1、6A2、6A3、6A4、6B1、6B2、6B3、6B4、6C、6D1、6D2、6E1、6E2とを備える。
供給ポンプ2Aは、式(化2)で表される2価フェノール性化合物をアルカリ水溶液に溶解させた原料溶液を有する図示しない原料タンクから、配管6A1を介して原料溶液を連続的に吸い上げ、原料溶液を所定の流速に設定し、配管6A2、二分岐継手4A、配管6A3を介して反応部1に導入する。
圧力計3Aは、配管6A4を介して二分岐継手4Aに接続し、所定の流速で流れる原料溶液の圧力を検出する。
一方、供給ポンプ2Bも、ホスゲン溶液を有する図示しないホスゲンタンクから配管6B1を介してホスゲン溶液を連続的に吸い上げ、配管6B2、二分岐継手4B、配管6B3を介して反応部1に導入する。
圧力計3Bは、圧力計3Aと同様に、配管6B4を介して二分岐継手4Bに接続し、所定の流速で流れるホスゲン溶液の圧力を検出する。
反応部1は、原料タンクから供給される原料溶液と、ホスゲンタンクから供給されるホスゲン溶液を混合するものであり、マイクロ流路反応部と、このマイクロ流路反応部を所定の温度に設定する温度調整槽7とを有する。
マイクロ流路反応部では、原料溶液とホスゲン溶液を混合して、式(化2)で表される2価フェノール性化合物と、ホスゲンを反応させ、式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物を生成させる。ここで、ホスゲン溶液の溶媒が疎水性有機溶媒である場合、原料溶液と混合しにくいが、反応空間が数百μmの流路であるため、ホスゲン溶液と原料溶液を良好に混合することができる。
また、マイクロ流路反応部では、原料溶液とホスゲン溶液を混合した混合液の線速度は、0.2m/秒以上50m/秒以下であることが好ましく、より好ましくは、線速度が0.2m/秒以上30m/秒以下である。ここで、線速度が、0.2m/秒未満であると、平均量体数(n)が1.99以下の式(化1)のビスクロロホーメート化合物が得られない可能性がある。一方、線速度が、50m/秒を超えるためには、原料溶液とホスゲン溶液をマイクロ流路反応部に注入する圧力がかなり大きくなり、特別な装置を準備することが必要になる可能性がある。
マイクロ流路反応部は、温度調整槽7により−10℃以上60℃以下に設定されることが好ましく、さらに好ましくは、0℃以上40℃以下である。
ここで、マイクロ流路反応部の温度が60℃を超えると、平均量体数(n)が1.99以下のビスクロロホーメートを得ることができない場合がある。
マイクロ流路反応部にて得られたビスクロロホーメート化合物の反応液は、配管6Cを介して二分岐継手4Cに流入する。
二分岐継手4Cは、配管6D1を介して開閉弁5Dに接続されるとともに、配管6E1を介して開閉弁5Eに接続されている。開閉弁5Dを開き、開閉弁5Eを閉じることにより、マイクロ流路反応部内の不要な液を廃液として流し出すことができる。一方、開閉弁5Dを閉じ、開閉弁5Eを開くことにより、マイクロ流路反応部で生成されたビスクロロホーメート化合物を取り出すことができる。
次に、製造装置10を使用してビスクロロホーメート化合物を製造する手順について説明する。
まず、開閉弁5Dを開き、開閉弁5Eを閉じて、所定の洗浄液にて、マイクロ流路反応部などの各種部品の内部を洗浄する。洗浄後、開閉弁5Eを開き、開閉弁5Dを閉じる。
次に、原料タンクに、原料溶液を貯留し、ホスゲンタンクにも、ホスゲン溶液を貯留する。そして、供給ポンプ2Aを作動させ、反応部1に供給する原料溶液が所定の流速になるように、供給ポンプ2Aを設定する。また、供給ポンプ2Bも作動させ、反応部1に供給するホスゲン溶液が所定の流速になるように、供給ポンプ2Bを設定する。これにより、原料溶液は、配管6A1、供給ポンプ2A、配管6A2、二分岐継手4A、配管6A3を経て反応部1に至る。一方、ホスゲン溶液も、配管6B1、供給ポンプ2B、配管6B2、二分岐継手4B、配管6B3を経て反応部1に至る。
ここで、原料溶液の圧力を圧力計3Aで測定することができる。ホスゲン溶液の圧力も圧力計3Bで測定することができる。
反応部1に供給された原料溶液及びホスゲン溶液は、マイクロ流路反応部内の流路に流入する。この際、温度調整槽7を作動しておき、マイクロ流路反応部を所定の温度になるように設定する。マイクロ流路反応部では、原料溶液とホスゲン溶液を混合し、式(化1)のビスクロロホーメート化合物を生成させる。マイクロ流路反応部から流出した式(化1)のビスクロロホーメートの反応溶液は、配管6C、二分岐継手4C、配管6E1、開閉弁5E,配管6E2を経て、サンプリングされる。
上述の製造装置10を使用して得られるビスクロロホーメート化合物は、下記式(数1)で得られる平均量体数(n)が1.99以下である。
平均量体数(n)=1+(Mav−M1)/M2・・・(数1)
(式(数1)において、Mavは(2×1000/(CF価))であり、M2は(M1−98.92)であり、M1は式(化1)において、n=1のときのビスクロロホーメート化合物の分子量であり、CF価(クロル原子のモル数/kg)は(CF値/濃度)であり、CF値(N)は反応溶液1Lに含まれる式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物中のクロル原子のモル数であり、濃度(kg/L)は反応溶液1Lを濃縮して得られる固形分の量である。ここで、98.92は、式(化1)において( )nの外にある2個の塩素原子、1個の酸素原子および1個の炭素原子の、原子量の合計である。)
ここで、平均量体数(n)は、1.0以上1.99以下であり、1.0以上1.5以下であることが好ましい。ここで、平均量体数(n)が1.99を超えると、ビスクロロホーメートを含む反応溶液を水洗するのみでは、副生成物の除去が不十分となる場合がある。また、平均量体数(n)が1.99を超えるビスクロロホーメートを、共重合体の原料として用いる場合、コモノマーの含有割合を高めることが難しくなる場合があるなど、用途が狭まる場合がある。
以上のような本実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
式(化2)で表される2価フェノール性化合物を含有する原料溶液と、ホスゲン化合物を含有するホスゲン溶液を、マイクロメートルオーダーの微細流路にて連続的に反応させ、平均量体数(n)が1.99以下の式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物を製造する。
したがって、混合する空間が微細な流路であるため、式(化2)で表される2価フェノール性化合物とホスゲンが混合しやすくなり、式(化2)の2価フェノール性化合物のオリゴマー化、ポリマー化を防止することができる。よって、平均量体数(n)が1.99以下という単量体に近いビスクロロホーメート化合物を良好に得ることができる。
また、ビスクロロホーメート化合物は、平均量体数(n)が1.99以下であるため、共重合PCの原料として使用する際に、再結晶などの精製工程を省略することができる。したがって、共重合PCの製造が容易になる。
[実施形態の変形例]
本実施形態で得られるビスクロロホーメート化合物は、ポリカーボネートの原料として用いられる構成を示したが、これに限られない。ビスクロロホーメート化合物を過酸化処理して過酸化物とすることにより、酸化剤、重合触媒、医薬品、農薬の中間体として利用できる。
実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
本発明のビスクロロホーメート化合物の製造方法について、実施例1−1〜実施例1−5、実施例2−1〜実施例2−5より説明する。なお、これらの実施例1−1〜実施例1−5では、上述の製造装置のマイクロ流路反応部としてマイクロミキサー(株式会社山武社製マイクロミキサーYM−3)を利用し、実施例2−1〜実施例2−5では、マイクロ流路反応部としてマイクロリアクター(株式会社日立プラントテクノロジー社製 マイクロプロセスサーバー MPS−α100)を利用した。
[実施例1−1]
水酸化ナトリウム11.9g(0.298mol)、水酸化カリウム16.7g(0.298
mol)、水317ml、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビス
フェノールZ、以下、「BPZ」と略記する)40.0g(0.149ol)を混合して原料溶液を調製した。
一方、ジクロロメタン(以下、「MDC」と略記する)213ml、ホスゲン38.8
g(0.392mol)を混合してホスゲン溶液を調製した。
また、マイクロミキサーは、氷浴中に浸して、使用した。
原料溶液の流速を50ml/分、ホスゲン溶液の流速を37.2ml/分に設定して、原
料溶液とホスゲン溶液の混合液の線速度を5.8m/秒として、ビスクロロホーメート化
合物を製造した。
このように、原料溶液の流速とホスゲン溶液の流速を設定することにより、理論上、所定時間当たり、ホスゲンはBPZのフェノール性水酸基に対して1.5当量になる。
製造したビスクロロホーメート化合物は、受け器に受け、この時、受け器には希塩酸水溶液を入れておいた。受け器に溜まったビスクロロホーメート化合物溶液を水洗して、ビスクロロホーメート化合物を含むMDC層を取り出した。
[実施例1−2]
実施例1−1において、原料溶液の流速を250ml/分、ホスゲン溶液の流速を186ml/分に設定して、ビスクロロホーメート化合物を製造した以外は、実施例1−1と同様にビスクロロホーメート化合物を製造した。
[実施例1−3]
水酸化ナトリウム12.0g(0.300mol)、水酸化カリウム16.8g(0.300
mol)、水330ml、ビフェノール27.9g(0.150mol)を混合して原料溶液
を調製した。なお、この実施例で使用した水は、煮沸後、窒素気流下で冷却した水である。
MDC270ml、ホスゲン38.2g(0.386mol)を混合してホスゲン溶液を調製した。
原料溶液の流速を200ml/分、ホスゲン溶液の流速を200ml/分に設定して、ビスクロロホーメート化合物を製造した。
これらの条件以外は、実施例1−1と同様にビスクロロホーメート化合物を製造した。
[実施例1−4]
この実施例では、水酸化ナトリウム52.8g(1.32mol)、水酸化カリウム74.
1g(1.32mol)、水1980ml、4,4’−(フルオレン−9−9−ジイル)ジ−2-メチルフェノール250g(0.66mol)を混合して原料溶液を調製した。
一方、MDC1333ml、ホスゲン194.1g(1.96mol)を混合してホスゲン溶液を調製した。
原料溶液を250ml/分、ホスゲン溶液を162ml/分の速度で流して、ビスクロロホーメート化合物を合成した。ビスクロロホーメート化合物溶液は、受け器に受け、この時受け器には希塩酸水溶液を入れておいた。受け器に溜まったビスクロロホーメート化合物溶液を水洗して、ビスクロロホーメート化合物を含有するMDC層を取り出した。
これらの条件以外は、実施例1−1と同様にビスクロロホーメート化合物を製造した。
[実施例1−5]
水酸化ナトリウム44.8g(0.12mol)、水950ml、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン(通称ビスフェノールE)120g(0.56mol)で原料溶液を調製した。
一方、MDC640ml、ホスゲン177.1g(1.79mol)でホスゲン溶液を調製した。
原料溶液の流速を250ml/分、ホスゲン溶液の流速を165ml/分に設定した。
これらの条件以外は、実施例1−1と同様にして、ビスクロロホーメート化合物を含有するMDC層を取り出した。
[実施例2−1]
水酸化ナトリウム16.4g(0.41mol)と水酸化カリウム23.0g(0.41mo
l)を水436mlに溶解させて溶解液を調製した。その溶解液にBPZ55.0g(0.205mol)を溶解させて原料溶液を調製した。
また、MDC293mlにホスゲン77.1g(0.779mol)を溶解してホスゲン
溶液を調製した。
得られた原料溶液とホスゲン溶液をマイクロリアクターにて混合してビスクロロホーメート化合物を製造した。原料溶液の流速は、1.5ml/分、ホスゲン溶液の流速は、1.08ml/分で行った。
ここで、マイクロリアクターの温度設定は、0℃とした。
[実施例2−2]
実施例2−1において、反応温度を20℃とした以外は、実施例2−1と同様にビスクロロホーメート化合物を製造した。
[実施例2−3]
実施例2−1において、反応温度を40℃とした以外は、実施例2−1と同様にビスクロロホーメート化合物を製造した。
[実施例2−4]
実施例2−1において、反応温度を60℃とした以外は、実施例2−1と同様にビスクロロホーメート化合物を製造した。
[実施例2−5]
水酸化ナトリウム10.5g(0.26mol)を水238mlに溶解して溶液とし、この溶液にビスフェノールA30.0(0.131mol)を溶解して、原料溶液を調製した。
MDC160mlにホスゲン26.0g(0.263mol)を溶解してホスゲン溶液を調製した。
そして、実施例2−1と同様のマイクロリアクターを用い、原料溶液の流速及びホスゲン溶液の流速を表2に示す値に設定し、理論上、ホスゲン倍率が1.5当量となるように原料溶液とホスゲン溶液を通液した。
マイクロリアクターの設定温度は、60℃とした。
これら実施例1−1〜実施例1−5、及び実施例2−1〜実施例2−5において得られたビスクロロホーメート化合物の評価結果を表1、2に示す。
表1、2において、CF値は加水分解により遊離する塩素イオンを定量することにより実施した。また、表1、2において、濃度は溶液の溶媒を除去し残る固形分量を測定する事により得た。
実施例1−1〜実施例1−5、実施例2−1〜実施例2−5では、実施例2−4を除き、平均量体数(n)が1.5以下のビスクロロホーメート化合物が得られることがわかった。特に、マイクロミキサーを用いた実施例1−2〜実施例1−5では、平均量体数(n)が1.1以下のビスクロロホーメート化合物が得られることがわかった。
本発明は、ビスクロロホーメート化合物を原料とした種々のポリマーの製造方法として利用することができる。
1…反応部、10…製造装置

Claims (6)

  1. ポリマーの製造方法であって、
    下記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物を原料として使用し
    下記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物は、下記式(化2)で表される2価フェノール性化合物をアルカリ水溶液に溶解させた溶液と、ホスゲン化合物を不活性有機溶媒の存在下で、マイクロメートルオーダーの微細流路にて連続的に反応させ、下記式(数1)で得られる平均量体数(n)が1.99以下であり、
    下記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物を製造する際に、
    下記式(化2)で表される2価フェノール性化合物をアルカリ水溶液に溶解させた原料溶液を調製する工程と、
    ホスゲン化合物を不活性有機溶媒に溶解させたホスゲン溶液を調製する工程と、
    前記原料溶液と前記ホスゲン溶液とを、マイクロメートルオーダーの前記微細流路で混合し、前記微細流路内にて連続的に反応させる工程と、を実施する
    ことを特徴とするポリマーの製造方法
    (式(化1)及び(化2)において、Arは、2価の芳香族基を表す。)
    平均量体数(n)=1+(Mav−M1)/M2・・・(数1)
    (式(数1)において、Mavは(2×1000/(CF価))であり、M2は(M1−98.92)であり、M1は式(化1)において、n=1のときのビスクロロホーメート化合物の分子量であり、CF価(クロル原子のモル数/kg)は(CF値/濃度)であり、CF値(N)は反応溶液1Lに含まれる式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物中のクロル原子のモル数であり、濃度(kg/L)は反応溶液1Lを濃縮して得られる固形分の量である。ここで、98.92は、式(化1)において( )nの外にある2個の塩素原子、1個の酸素原子および1個の炭素原子の、原子量の合計である。)
  2. 請求項1に記載のポリマーの製造方法であって、
    前記式(化1)で表されるビスクロロホーメート化合物は、下記式(化3)又は式(化4)で表されるビスクロロホーメート化合物であり、
    前記式(化2)で表される2価フェノール性化合物は、下記式(化5)で表されるビフェノール化合物又は式(化6)で表されるビスフェノール化合物である
    ことを特徴とするポリマーの製造方法
    (式(化3)〜(化6)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基を示し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基またはハロゲン原子を示し、Xは、9,9−フルオレニリデン基、2価のアダマンチル基、下記式(化7a)、及び(化7b)で表されるいずれかの結合基である。)
    (式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。また、R、Rは互いに
    結合して炭素数4〜12のシクロアルキリデン基を構成していてもよい。)
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。また、Rのうち少なくとも一つが炭素数1〜3のアルキル基である。)
    (なお、R、R、R、Rに相当する置換基は一つのベンゼン環に複数結合していてもよく、結合する置換基は同じでも異なっていてもよい。)
  3. 請求項1または請求項2に記載のポリマーの製造方法において、
    前記微細流路では、前記式(化2)で表される2価フェノール性化合物と、前記ホスゲン化合物を混合した混合液の線速度は、0.2m/秒以上50m/秒以下である
    ことを特徴とするポリマーの製造方法
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のポリマーの製造方法において、
    前記微細流路では、前記ホスゲン化合物は、前記式(化2)で表される2価フェノ−ル性化合物の水酸基に対して、0.95当量以上10当量以下で使用する
    ことを特徴とするポリマーの製造方法
  5. 前記ポリマーは、ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のポリマーの製造方法
  6. 前記ポリマーは、共重合ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のポリマーの製造方法
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