JP5878015B2 - スフィンゴシン一リン酸受容体調節因子および筋肉炎症を治療するためのその使用 - Google Patents

スフィンゴシン一リン酸受容体調節因子および筋肉炎症を治療するためのその使用 Download PDF

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Description

本発明は、一般には、特定のスフィンゴシン一リン酸(S1P)受容体調節因子に関し、より詳細には、筋肉炎症、例えば多発性筋炎および他の炎症性の症状、例えば皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎を治療するためのその使用に関する。
多発性筋炎(Polymyositis)は、筋肉の炎症を引き起こす免疫介在性疾患であり、重症となり得る衰弱につながる。多発性筋炎は、発赤(flares)または再発(relapses)と呼ばれる、症状が増加した期間、および寛解と呼ばれる、症状が軽度または症状を示さない期間を有する慢性疾患である。
こうした筋肉炎症疾患、特に多発性筋炎の療法は、部分的にのみ有効であり、ほとんどの場合、抗炎症治療および免疫抑制治療を行っても疾患の進行を少し遅延させるだけである。したがって、筋肉に影響を及ぼす症状の低減、軽減、安定化または症状からの解放を含む、筋肉疾患、例えば多発性筋炎の抑制または治療において有効な薬剤(agents)が必要とされている。
本発明の第1の態様によれば、多発性筋炎、皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎(inclusion body myositis)から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療するための医薬品の調製における、式IaまたはIbのS1P受容体調節因子:

[式中、
Aは、−C(O)OR、−OP(O)(OR、−P(O)(OR、−S(O)OR、−P(O)(R)ORまたは1H−テトラゾール−5−イルであり、Rは、HまたはC1〜6アルキルであり、
Wは、結合、C1〜3アルキレンまたはC2〜3アルケニレンであり、
Yは、C6〜10アリールまたはC2〜9ヘテロアリール、例えばC3〜9ヘテロアリールであり、ハロゲン、−OH、−NO、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルキルおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で(optionally)置換されており、
Zは、以下から選択され、

[式中、Zの左右の星印はそれぞれ、式IaまたはIbの−C(R)(R)−とAとの間の結合点を示し、Rは、水素およびC1〜6アルキルから選択され、JおよびJは、それぞれ独立に、メチレンであるか、またはS、OおよびNRから選択されるヘテロ原子であり、このときRは、水素およびC1〜6アルキルから選択され、Zのいずれのアルキレンも、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルキルから選択される1〜3個の基によってさらに置換されていてもよく、あるいは、Rは、Yの炭素原子に結合して、5〜7員環、例えば、WO04/103306Aに示されているような複素環基、例えば、アゼチジンを形成していてもよい]
は、C6〜10アリールまたはC2〜9ヘテロアリール、例えばC3〜9ヘテロアリールであり、C1〜6アルキル、C6〜10アリール、C6〜10アリールC1〜4アルキル、C3〜9ヘテロアリール、C3〜9ヘテロアリールC1〜4アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキルまたはC3〜8ヘテロシクロアルキルC1〜4アルキルによって任意選択で置換されており、Rのいずれのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルも、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロ置換C1〜6アルキルまたはハロ置換C1〜6アルコキシから選択される1〜5個の基によって置換されていてもよく、Rのいずれのアルキル基も、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−および−O−から選択される原子または基によって置換されているメチレンを任意選択で有してもよく、このときRは、水素またはC1〜6アルキルから選択され、
は、H、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはC2〜6アルキニルであり、RまたはRはいずれも、それぞれ独立に、H、ハロゲン、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルキルまたはハロ置換C1〜6アルコキシである]
およびそのN−オキシド誘導体またはそのプロドラッグ、その個々の異性体および異性体の混合物、ならびに薬理学的に許容されるその塩、溶媒和物または水和物の使用が提供される。
本発明の第2の態様によれば、多発性筋炎、皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療する際に使用するための、第1の態様において定義したようなS1P受容体調節因子が提供される。
本発明の第3の態様によれば、それを必要としている対象において、多発性筋炎、皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎、のような炎症性の症状を予防、抑制、または治療する方法であって、第1の態様において定義したようなS1P受容体調節因子の治療有効量を前記対象に投与することを含む方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、多発性筋炎、皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療する際に使用する、第1の態様において定義したようなS1P受容体調節因子を、1種または複数の薬学的に許容されるその希釈剤または担体と共に含有する医薬組成物が提供される。
図1(a)および1(b)は、サイトカインにより誘導される筋管萎縮(myotube atrophy)に対する本発明の化合物の有益な効果を示す。図1(a)は、DMSO(対照)、種々の濃度の化合物A、サイトカインと種々の濃度の化合物Aに曝露した後の筋管直径を示す。図1(b)は、種々の濃度の化合物A、およびサイトカインと種々の濃度の化合物Aに曝露した後の筋管直径を、対照の筋管直径(DMSO対照に曝露したもの)に対する百分率として示す。
本発明に従って使用することができるS1P受容体調節因子は、式IaまたはIbの化合物、例えば、その内容が参照により国内法で許可される程度まで本明細書に組み込まれている、WO04/103306A、WO05/000833、WO05/103309またはWO05/113330に開示されているようなものである。
例えば、S1P受容体調節因子は、以下に定義するような式IaまたはIbの化合物:

[式中、
Aは、−C(O)OR、−OP(O)(OR、−P(O)(OR、−S(O)OR、−P(O)(R)ORまたは1H−テトラゾール−5−イルであり、Rは、HまたはC1〜6アルキルであり、
Wは、結合、C1〜3アルキレンまたはC2〜3アルケニレンであり、
Yは、C6〜10アリールまたはC2〜9ヘテロアリール、例えばC3〜9ヘテロアリールであり、ハロゲン、−OH、−NO、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルキルおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されており、
Zは、以下から選択され、

[式中、Zの左右の星印はそれぞれ、式IaまたはIbの−C(R)(R)−とAとの間の結合点を示し、Rは、水素およびC1〜6アルキルから選択され、JおよびJは、それぞれ独立に、メチレンであるか、またはS、OおよびNRから選択されるヘテロ原子であり、このときRは、水素およびC1〜6アルキルから選択され、Zのいずれのアルキレンも、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルキルから選択される1〜3個の基によってさらに置換されていてもよく、あるいは、Rは、Yの炭素原子に結合して、5〜7員環、例えば、WO04/103306Aに示されているような複素環基、例えば、アゼチジンを形成していてもよい]、
は、C6〜10アリールまたはC2〜9ヘテロアリール、例えばC3〜9ヘテロアリールであり、C1〜6アルキル、C6〜10アリール、C6〜10アリールC1〜4アルキル、C3〜9ヘテロアリール、C3〜9ヘテロアリールC1〜4アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキルまたはC3〜8ヘテロシクロアルキルC1〜4アルキルによって任意選択で置換されており、Rのいずれのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルも、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロ置換C1〜6アルキルまたはハロ置換C1〜6アルコキシから選択される1〜5個の基によって置換されていてもよく、Rのいずれのアルキル基も、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−および−O−から選択される原子または基によって置換されているメチレンを任意選択で有してもよく、このときRは、水素またはC1〜6アルキルから選択され、
は、H、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはC2〜6アルキニルであり、RまたはRはいずれも、それぞれ独立に、H、ハロゲン、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルキルまたはハロ置換C1〜6アルコキシである]
およびそのN−オキシド誘導体またはそのプロドラッグ、その個々の異性体および異性体の混合物、ならびに薬理学的に許容されるその塩、溶媒和物または水和物であってもよい。式IaまたはIbのこれらの化合物については、一実施形態では、Rは、C6〜10アリール、C6〜10アリールC1〜4アルキル、C2〜9ヘテロアリール、C2〜9ヘテロアリールC1〜4アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキルC1〜4アルキルまたはC1〜6アルキルによって任意選択で置換されているフェニル、ナフチルまたはチエニルであり、このときRのいずれのアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基も、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルキルおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択される1〜5個の基によって任意選択で置換されていてもよく、Rのいずれのアルキル基も、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−および−O−から選択される原子または基によって置換されているメチレンを任意選択で有してもよく、このときRは、水素またはC1〜6アルキルである。
他の一実施形態では、Yは以下から選択される:

[式中、Rは、水素またはC1〜6アルキルであり、Yの左右の星印はそれぞれ、a)式Iaの−C(R)=NOWRと−CR−との間、または−CR−と−C(R)=NOWRとの間のいずれか、あるいは、それぞれb)式Ibの−CR−とWとの間、またはWと−CR−との間のいずれかの結合点を示し、このときYのいずれのアリールまたはヘテロアリールも、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルキルおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されていてもよい]。
さらなる実施形態では、Rは以下から選択される:

[式中、星印は、RのWとの結合点であり、Rは、C6〜10アリール、C6〜10アリールC1〜4アルキル、C2〜9ヘテロアリール、C2〜9ヘテロアリールC1〜4アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜4アルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキルC1〜4アルキルまたはC1〜6アルキルであり、このときRのいずれのアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基も、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルキルおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されていてもよく、Rのいずれのアルキル基も、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−および−O−から選択される原子または基によって置換されているメチレンを任意選択で有してもよく、このときRは、水素またはC1〜6アルキルであり、Rは、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルキルおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択される]。
他の一実施形態では、Aは−C(O)OHであり、Zは以下から選択される:

[式中、Zの左右の星印はそれぞれ、式IaまたはIbの−C(R)(R)−とAとの間の結合点を示し、Rは、水素およびC1〜6アルキルから選択され、RおよびRは、いずれも水素である]。
さらなる実施形態では、Yは、フェニル、ピリジニル、チエニルおよびフラニルから選択され、このとき、Yのいずれのフェニル、ピリジニル、チエニルまたはフラニルも、メチル、エチル、シクロプロピル、クロロ、ブロモ、フルオロおよびメトキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されており、あるいはYがフェニルである場合、RはYの炭素原子に結合して3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルを形成していてもよい。
他の一実施形態では、Wは結合またはメチレンであり、Rは以下から選択される:

[式中、Rは、フェニル、シクロヘキシル、チエニル、3,3−ジメチル−ブチル、ピリジニル、シクロペンチルおよびピペリジニルから選択され、このときRは、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメトキシおよびメチルから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されていてもよく、Rは、トリフルオロメチル、フルオロ、メチル、クロロ、メトキシおよびエチルから選択される]。
好ましい本発明の化合物としては、以下のものが挙げられる:
3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−({2−クロロ−6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ピリジン−3−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ピリジン−3−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、4−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−酪酸、1−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、1−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−ピペリジン−3−カルボン酸、{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−酢酸、3−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−シクロペンタンカルボン酸、3−{4−[1−(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(5−フェニル−フラン−2−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(ビフェニル−3−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−チオフェン−2−イル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−チオフェン−2−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、1−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−ピロリジン−3−カルボン酸、1−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−ピペリジン−3−カルボン酸、3−{4−[1−(3’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、2−ヒドロキシ−3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−メチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−フェニル−チオフェン−2−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−ピロリジン−3−カルボン酸、3−{4−[1−(4−フラン−3−イル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−チオフェン−3−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−チオフェン−3−イル−2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、2−フルオロ−3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−酪酸、3−{4−[1−(5−フェニル−チオフェン−2−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3−フルオロ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−フラン−2−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(2’−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−(4−{1−[4−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−ベンジルアミノ)−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−フラン−3−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−ピリジン−3−イル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−ピリジン−4−イル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(2−フルオロ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−({2−メトキシ−6−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ピリジン−3−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{2−ブロモ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロペンチル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{2−クロロ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−({6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ピリジン−3−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({5−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−チオフェン−2−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({5−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ピリジン−2−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({5−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−フラン−2−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({2−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ピリジン−4−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−フルオロ−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{2−クロロ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ピリジン−3−イルメチル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{2−エチル−4−[1−(4−ピペリジン−1−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−メチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3−クロロ−4−シクロヘキシル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−メトキシ−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−メトキシ−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−メチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−メチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−シクロプロピル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−シクロプロピル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{2−エチル−4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−メチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、1−{2−クロロ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{2−クロロ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−フルオロ−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−フルオロ−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−プロピオン酸、3−{6−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−プロピオン酸、3−{4

−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イル)−エチリデンアミノオキシメチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチリデンアミノオキシメチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチリデンアミノオキシメチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチリデンアミノオキシメチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸および1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−フェニル)−エチリデンアミノオキシメチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸。
本発明は、保護された型で存在するヒドロキシル基またはアミン基を有する化合物の型(forms)を提供し、これらは、プロドラッグとして機能する。プロドラッグは、投与後に、1種または複数の化学的または生化学的な変換を通して、活性な薬剤型に変換される化合物である。生理学的な条件下で特許請求された化合物(claimed compound)に容易に変換される本発明の化合物の型は、特許請求された化合物のプロドラッグであり、本発明の範囲に含まれる。プロドラッグの例としては、ヒドロキシル基がアシル化されて酢酸エステルのような比較的不安定なエステルを形成している型およびアミン基がグリシン、またはセリンなどのL−アミノ酸のカルボキシレート基でアシル化されて一般的な代謝酵素によって特に加水分解されやすいアミド結合を形成している型が挙げられる。
式IaまたはIbの化合物が分子内に不斉中心を有する場合、多様な光学異性体が得られる。本発明は、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオ異性体およびこれらの混合物も包含する。さらに、式IaまたはIbの化合物に幾何異性体がある場合、本発明は、シス化合物、トランス化合物およびこれらの混合物を包含する。上記のように不斉炭素原子または不飽和結合を示している出発物質に対して、同様の考えが適用される。式IaまたはIbの化合物は、遊離の形態であってもよく、または塩の形態、例えば、無機酸または有機酸との付加塩であってもよい。ヒドロキシル基が存在する場合、これらの基は、例えば、アンモニウム塩、またはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛もしくはマグネシウムのような金属との塩、あるいはその混合物など、塩の形態で存在していてもよい。水和物または溶媒和物の形態の式IaまたはIbの化合物およびその塩も、本発明の一部である。
好ましい式Iaの化合物は、例えば、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物A)、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグである。
他に明記しない限り、アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニルは、直鎖であってもよく、または分枝していてもよい。
ハロまたはハロゲンとは、F、Cl、BrまたはI、好ましくはFまたはClを意味する。ハロ置換アルキル基およびハロ置換アルキル化合物は、部分的にハロゲン化または過ハロゲン化されていてもよく、それによって、複数のハロゲン化の場合、ハロゲン置換基は、同一であっても、または異なっていてもよい。好ましい過ハロゲン化アルキル基は、例えば、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシである。
いずれの二重結合も、シス配置(cis-configuration)であってもよく、またはトランス配置であってもよい。基としての「アルキニル」ならびに他の基および化合物の構造的な要素としての「アルキニル」は、少なくとも1個のC≡C三重結合を含有し、1個または複数のC=C二重結合をさらに含有してもよく、可能である限り、直鎖であってもよく、または分枝していてもよい。いずれのシクロアルキル基も、単独で、または他の基の構造的な要素として、3〜8個の炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子を有し得る。
「アルキレン」および「アルケニレン」はそれぞれ、「アルキル」基および「アルケニル」基に由来する二価の基である。本出願においては、Rのいずれのアルキル基も、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR20−および−O−から選択される基のうちの1種によって任意選択で遮断(interrupted)されていてもよい(このとき、R20は、水素またはC1〜6アルキルである)。これらの基としては、−CH−O−CH−、−CH−S(O)−CH−、−(CH−NR20−CH−、−CH−O−(CH−などが挙げられる。
「アリール」とは、6〜10個の環炭素原子を含有する単環式または融合二環式(fused bicyclic)の芳香族環の集合を意味する。例えば、アリール、例えばC6〜10アリールは、フェニル、ビフェニルまたはナフチル、例えばフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。融合二環式環は、部分的に飽和した、例えば1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレンなどであってもよい。
「ヘテロアリール」とは、他に明記しない限り、本出願において定義しているような、N、OまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子部分の付加を有するアリールを意味し、各々の環は5〜6個の環原子からなる。例えば、Cヘテロアリールとしては、オキサジアゾール、トリアゾールなどが挙げられる。Cヘテロアリールとしては、キノリン、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンなどが挙げられる。本出願において使用するC2〜9ヘテロアリールとしては、チエニル、ピリジニル、フラニル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリルまたはベンゾ[1,3]ジオキソリル、好ましくは、チエニル、フラニルまたはピリジニルが挙げられる。融合二環式ヘテロアリール環系は、部分的に飽和した、例えば、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンなどであってもよい。
本発明によれば、炎症性筋疾患としては、筋肉炎症、多発性筋炎、皮膚筋炎、筋ジストロフィー症などの神経−筋肉疾患、および封入体筋炎(IBM)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のS1P受容体調節因子は炎症性筋疾患、例えば多発性筋炎に対する抑制効果を有することが現在明らかになっている。
一連のさらに特定の実施形態または代替の実施形態において、本発明は、以下を提供する:
1.1 筋肉炎症または炎症性筋疾患、例えば多発性筋炎を予防、抑制、または治療する方法であって、それを必要としている対象において、本発明の調節因子のS1P受容体調節因子、例えば、式IaまたはIbの化合物、例えば化合物Aの治療有効量を前記対象に投与することを含む方法。
1.2 炎症性筋疾患、例えば多発性筋炎の症状の進行を軽減または遅延させる方法であって、その方法において前記疾患に関連した筋肉炎症が予防または抑制され、それを必要としている対象において、本発明のS1P受容体調節因子、例えば、式IaまたはIbの化合物、例えば化合物Aの治療有効量を前記対象に投与することを含む方法。
1.3 炎症性筋疾患、例えば多発性筋炎における再発を低減または予防または軽減する方法であって、その方法の中で前記疾患に関連した筋肉炎症が予防または抑制され、それを必要としている対象において、本発明のS1P受容体調節因子、例えば、式IaまたはIbの化合物、例えば化合物Aの治療有効量を前記対象に投与することを含む方法。
1.4 疾患の再発寛解期(relapsing-remitting phase)にある対象において、炎症性筋疾患、例えば多発性筋炎の進行を遅らせる方法であって、その方法において前記疾患に関連した筋肉炎症が予防または抑制され、本発明の調節因子のS1P受容体調節因子、例えば、式IまたはIbの化合物、例えば化合物Aの治療有効量を前記対象に投与することを含む方法。
2. 本発明のS1P受容体調節因子、例えば、式IaまたはIbの化合物、例えば、本明細書中で上記に定義した化合物Aを、1種または複数の薬学的に許容されるその希釈剤または担体と共に含有する、方法1.1〜1.5のうちのいずれか1つにおいて使用するための医薬組成物。
3. 方法1.1〜1.5のうちのいずれか1つにおいて使用するための本発明のS1P受容体調節因子、例えば、式IaまたはIbの化合物、例えば、本明細書中で上記に定義した化合物A。
4. 方法1.1〜1.5のうちのいずれか1つにおいて使用する医薬品の調製において使用するための本発明のS1P受容体調節因子、例えば、式IaまたはIbの化合物、例えば、本明細書中で上記に定義した化合物A。
5. 方法1.1〜1.5のうちのいずれか1つ、例えば1.1における、本発明のS1P受容体調節因子、例えば、式IaまたはIbの化合物、例えば、本明細書中で上記に定義した化合物Aの使用。
6. 方法1.1〜1.5のうちの1つ、例えば1.1による方法において使用する医薬品の調製における、本発明のS1P受容体調節因子、例えば、式IaまたはIbの化合物、例えば、本明細書中で上記に定義した化合物Aの使用。
7. 前段落1.1〜1.5および2〜6のうちのいずれか1つによる方法、使用、または医薬組成物、ここで、本発明のS1P受容体調節因子は、遊離の形態または薬学的に許容される塩の形態にある1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸である。
投与
本発明のS1P受容体調節因子を単独で使用する場合、本発明の方法を実施する際に必要とされる1日用量は、例えば、使用する化合物、受容者(host)、投与方法および治療する症状の重症度によって、変化するであろう。好ましい1日用量の範囲は、単回用量として、または分割用量で、約0.01〜100mgである。患者に適切な1日用量は、例えば体重あたり0.03〜2.5mg/kg程度である。本発明のS1P受容体調節因子は、従来のいかなる経路によっても、特に、経腸的に、例えば、経口的に、例えば、錠剤、カプセル剤の形態で、または非経口的に、例えば、注射液もしくは懸濁液の形態で、または局所的に、例えば、ローション、ゲル、軟膏またはクリームの形態で、または経鼻もしくは坐剤の形態で、投与することができる。経口投与に適切な単位剤形は、約0.5〜約100mg、例えば1〜50mgの本発明のS1P受容体調節因子を、1種または複数の薬学的に許容されるその希釈剤または担体と共に含有する。
式IaまたはIbの化合物は、単独の活性成分として、あるいは、例えばアジュバントとして、他の薬剤、例えば免疫抑制剤もしくは免疫調節剤または他の抗炎症剤と組み合わせて投与することもできる。例えば、式IaまたはIbの化合物は、カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリンAまたはFK506;免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えば、ABT−281、ASM981など;コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン(azathioprene);メトトレキサート;レフルノミド;ミゾリビン;ミコフェノール酸;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたはその免疫抑制性のホモログ、類似体もしくは誘導体;免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体、例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD58、CD80、CD86またはこれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;他の免疫調節性化合物、例えば、CTLA4またはその変異体の少なくとも一部の細胞外領域を有する組換え結合分子、例えば、非CTLA4タンパク質配列と結合されたCTLA4またはその変異体の細胞外の少なくとも一部、例えば、CTLA4Ig(例えば、所定のATCC68629)またはその変異体、例えば、LEA29Y;接着分子阻害剤、例えば、LFA−1アンタゴニスト、ICAM−1アンタゴニスト、ICAM−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニストと組み合わせて使用することもできる。
本発明において使用する化合物を調製する方法
本発明の態様において使用する化合物は、例えば、WO2004/103306に明記されている方法によって調製することができる。
本明細書中で先に明記したような、炎症性の筋疾患、例えば多発性筋炎の予防または治療における、本発明のS1P受容体調節因子、例えば1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物A)の有用性は、臨床と同様に、in vitroおよび動物試験法で、例えば以下に説明する方法により、証明することができる。
in vitro:サイトカインにより誘導される、初代ヒト筋管の萎縮に対する効果。
ヒトの骨格筋(skMC)細胞をCambrex(#CC−2561)から入手する。試験のために、skMCストックを解凍し、20%FCSおよび0.1%ゲンタマイシンを含有するSkBM(Lonza CC−3161)中、37℃、5%COで維持する。4〜5日後、試験のために、細胞をマトリゲルでコーティングされた6ウェルプレート上へ播種し(450,000/ウェル)、37℃、5%COで1日間培養する。次いで、細胞を、SkBMで3回洗浄し、1μMのSB431542(ALK4/5阻害剤;Sigma #S4317)を含有するSkBMで4日間、筋管に分化させる(SB431542は、細胞を処置する24時間前に除去する)。次いで、筋管を、0.1%ゲンタマイシンを加えたSkBM中、サイトカインカクテル(TNFα 10ng/ml、IL−1β 2ng/ml、IFNγ 10ng/ml)の非存在下または存在下のいずれかにおいて試験化合物で24時間処理し、CSB緩衝液:80mM PIPES、5nM EGTA、1mM MgCl 6HOおよび4%PEG35000(Fluka #94646)で1回洗浄して、CSB中、4%パラホルムアルデヒド(Electron Microscopy Sciences #15714)を用いて室温で15分間固定する。次いで、細胞をCSBですすぎ、0.2%Triton X−100(Merk #1.12298.0100)で室温で20分間浸透性にして、CSBですすぎ、10%標準ヤギ血清ブロッキング溶液(Zymed Laboratories #50−062Z)で室温で20分間ブロッキングする。1.5%ヤギ血清を含有するPBS中に1:500で希釈した一次抗体(抗ミオシン重鎖抗体;Upstate #05−716)を室温で1時間添加する。次いで、筋管をCSBで2回洗浄し(5分間/洗浄)、次いで、PBS中に1:750で希釈した二次抗体(Alexa Fluor 488 F(ab’);Invitrogen #A11017)を室温で1時間添加する。筋管をCSBで1回(10分間)洗浄し、次いで、PBS(Invitrogen#14190)および再蒸留水で洗浄する。最後に、DAPI含有ProLong Gold褪色防止試薬(antifade reagent)(Invitrogen #P36931)を添加し、筋管を撮影する。それぞれの条件について、筋管の長さに沿って50μm離れた3地点で少なくとも40個の筋管の平均直径を測定する。
4日間分化させてサイトカインカクテルで24時間処理し、固定して、筋管直径の変化を試験した、ヒトの初代筋芽細胞は、賦形剤の対照と比較して筋管直径が約20%減少している異なった萎縮性の表現型を示す。1nMの濃度での化合物Aの添加は、サイトカインにより誘導される萎縮をほぼ完全に阻害するのに十分である。より高濃度の化合物Aも同じ効果を発揮する。この結果を、図1(a)および1(b)に示している。
in vivo:例えば、その内容が参照によって包含されている、K.Nagarajuら(PNAS、August 1、2000、第97巻、第16号,9209〜9214ページ)に記載されているような、マウスの骨格筋においてMHCクラスIを上方制御する制御可能な筋特異的プロモーターシステム。
簡単に説明すると、筋クレアチンキナーゼプロモーター(T)制御下のトランス活性化因子(tTA)とテトラサイクリン応答配列(TRE)−H−2K(H)との双方を遺伝子導入したマウスを用いる。Hマウスにおいて、テトラサイクリン類似体がtTAに結合することにより、トランス活性化因子がTRE領域に結合するのが阻止され、それによって標的遺伝子の発現が阻止される。したがって、遺伝子導入したH−2Kの発現は、テトラサイクリン類似体を除去することによって誘導することができ、テトラサイクリン類似体を投与することによって抑制することができる。テトラサイクリン応答配列(TRE)−H−2Kb(H)のみを有するマウスは、対照としての役割をする。Hマウスは、ヒトの筋炎と同様の臨床的特徴、生化学的特徴、組織学的特徴、および免疫学的特徴を発現する。疾患の第1の徴候は、筋肉衰弱である(雌では約3カ月齢、すなわち、導入遺伝子誘導の2カ月後)。
行動試験を用いて、生じている筋肉衰弱を測定する(例えば、トレッドミル試験、ロータロッド(RotaRod)試験、オープンフィールド歩行活動試験、走行輪試験、握力試験)。このモデルの他の情報としては、筋肉障害を示す血液マーカー(CK、GOTなど)ならびに骨格筋の組織病理学および免疫組織化学(単核細胞浸潤、CD3T細胞浸潤、ICAMなどを含む)が挙げられる。
治療的方法における化合物の適用は、筋肉衰弱の第1の臨床的徴候が生じ、例えば2カ月間、持続し得る場合、雌のマウスにおいて約3カ月齢(導入遺伝子誘導の2カ月後)で始めることができる。化合物は、腹腔内、皮下、または口腔内へのシロップ滴剤によって適用する。経口胃管栄養法(oral gavage)は、咽頭筋のジストロフィーのために推奨されない。n=8マウスの群を用いる。化合物を、双方の導入遺伝子を有するマウス、H、およびテトラサイクリン応答配列(TRE)−H−2Kbのみを有するマウス(H、対照)に適用する。賦形剤で処理した動物を、化合物で処理した動物と比較する。
予防的方法における化合物の適用は、導入遺伝子誘導の日から始める。治療的方法および予防的治療方法はいずれも、例えばプレドニゾンまたは同様のステロイドのような、他の療法と組み合わせることができる。
[1]
多発性筋炎、皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療するための医薬品の調製における、式IaまたはIbのS1P受容体調節因子:
[式中、
Aは、−C(O)OR 、−OP(O)(OR 、−P(O)(OR 、−S(O) OR 、−P(O)(R )OR または1H−テトラゾール−5−イルであり、R は、HまたはC 1〜6 アルキルであり、
Wは、結合、C 1〜3 アルキレンまたはC 2〜3 アルケニレンであり、
Yは、C 6〜10 アリールまたはC 2〜9 ヘテロアリール、例えばC 3〜9 ヘテロアリールであり、ハロゲン、−OH、−NO 、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、ハロ置換C 1〜6 アルキルおよびハロ置換C 1〜6 アルコキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されており、
Zは、以下から選択され、
[式中、Zの左右の星印はそれぞれ、式IaまたはIbの−C(R )(R )−とAとの間の結合点を示し、R は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され、J およびJ は、それぞれ独立に、メチレンであるか、またはS、OおよびNR から選択されるヘテロ原子であり、このときR は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され、Zのいずれのアルキレンも、ハロ、ヒドロキシ、C 1〜6 アルキルから選択される1〜3個の基によってさらに置換されていてもよく、あるいは、R は、Yの炭素原子に結合して、5〜7員環、例えば、WO04/103306Aに示されているような複素環基、例えば、アゼチジンを形成していてもよい]、
は、C 6〜10 アリールまたはC 2〜9 ヘテロアリール、例えばC 3〜9 ヘテロアリールであり、C 1〜6 アルキル、C 6〜10 アリール、C 6〜10 アリールC 1〜4 アルキル、C 3〜9 ヘテロアリール、C 3〜9 ヘテロアリールC 1〜4 アルキル、C 3〜8 シクロアルキル、C 3〜8 シクロアルキルC 1〜4 アルキル、C 3〜8 ヘテロシクロアルキルまたはC 3〜8 ヘテロシクロアルキルC 1〜4 アルキルによって任意選択で置換されており、R のいずれのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルも、ハロゲン、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、およびハロ置換C 1〜6 アルキルまたはハロ置換C 1〜6 アルコキシから選択される1〜5個の基によって置換されていてもよく、R のいずれのアルキル基も、−S−、−S(O)−、−S(O) −、−NR −および−O−から選択される原子または基によって置換されているメチレンを任意選択で有してもよく、このときR は、水素またはC 1〜6 アルキルから選択され、
は、H、C 1〜6 アルキル、ハロ置換C 1〜6 アルキル、C 2〜6 アルケニルまたはC 2〜6 アルキニルであり、R またはR はいずれも、それぞれ独立に、H、ハロゲン、OH、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、ハロ置換C 1〜6 アルキルまたはハロ置換C 1〜6 アルコキシである]およびそのN−オキシド誘導体またはそのプロドラッグ、その個々の異性体および異性体の混合物、ならびに薬理学的に許容されるその塩、溶媒和物または水和物の使用。
[2]
式IaまたはIbの化合物において、R が、C 6〜10 アリール、C 6〜10 アリールC 1〜4 アルキル、C 2〜9 ヘテロアリール、C 2〜9 ヘテロアリールC 1〜4 アルキル、C 3〜8 シクロアルキル、C 3〜8 シクロアルキルC 1〜4 アルキル、C 3〜8 ヘテロシクロアルキル、C 3〜8 ヘテロシクロアルキルC 1〜4 アルキルまたはC 1〜6 アルキルによって任意選択で置換されているフェニル、ナフチルまたはチエニルであり、このときR のいずれのアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基も、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、ハロ置換C 1〜6 アルキルおよびハロ置換C 1〜6 アルコキシから選択される1〜5個の基によって任意選択で置換されていてもよく、R のいずれのアルキル基も、−S−、−S(O)−、−S(O) −、−NR −および−O−から選択される原子または基によって置換されているメチレンを任意選択で有してもよく、このときR は水素またはC 1〜6 アルキルである、前記[1]に記載の使用。
[3]
式IaまたはIbの化合物において、Yが以下から選択される、前記[1]に記載の使用
[式中、R は、水素またはC 1〜6 アルキルであり、Yの左右の星印はそれぞれ、a)式Iaの−C(R )=NOWR と−CR −との間、または−CR −と−C(R )=NOWR との間のいずれか、または、それぞれ、b)式Ibの−CR −とWとの間、またはWと−CR −との間のいずれかの結合点を示し、このときYのいずれのアリールまたはヘテロアリールも、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、ハロ置換C 1〜6 アルキルおよびハロ置換C 1〜6 アルコキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されていてもよい]。
[4]
式IaまたはIbの化合物において、R が以下から選択される、前記[1]に記載の使用
[式中、星印は、R のWとの結合点であり、R は、C 6〜10 アリール、C 6〜10 アリールC 1〜4 アルキル、C 2〜9 ヘテロアリール、C 2〜9 ヘテロアリールC 1〜4 アルキル、C 3〜8 シクロアルキル、C 3〜8 シクロアルキルC 1〜4 アルキル、C 3〜8 ヘテロシクロアルキル、C 3〜8 ヘテロシクロアルキルC 1〜4 アルキルまたはC 1〜6 アルキルであり、このときR のいずれのアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基も、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、ハロ置換C 1〜6 アルキルおよびハロ置換C 1〜6 アルコキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されていてもよく、R のいずれのアルキル基も、−S−、−S(O)−、−S(O) −、−NR −および−O−から選択される原子または基によって置換されているメチレンを任意選択で有してもよく、このときR は、水素またはC 1〜6 アルキルであり、R は、ハロ、C 1〜6 アルキル、C 1〜6 アルコキシ、ハロ置換C 1〜6 アルキルおよびハロ置換C 1〜6 アルコキシから選択される]。
[5]
式IaまたはIbの化合物において、Aが−C(O)OHであり、Zが以下から選択される、前記[1]に記載の使用
[式中、Zの左右の星印はそれぞれ、式IaまたはIbの−C(R )(R )−とAとの間の結合点を示し、R は、水素およびC 1〜6 アルキルから選択され、R およびR は、いずれも水素である]。
[6]
式IaまたはIbの化合物において、Yが、フェニル、ピリジニル、チエニルおよびフラニルから選択され、このとき、Yのいずれのフェニル、ピリジニル、チエニルまたはフラニルも、メチル、エチル、シクロプロピル、クロロ、ブロモ、フルオロおよびメトキシから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されており、あるいはYがフェニルである場合、R がYの炭素原子に結合して3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルを形成していてもよい、前記[5]に記載の使用。
[7]
式IaまたはIbの化合物において、Wが結合またはメチレンであり、R が以下から選択される、前記[6]に記載の使用
[式中、R は、フェニル、シクロヘキシル、チエニル、3,3−ジメチル−ブチル、ピリジニル、シクロペンチルおよびピペリジニルから選択され、このときR は、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメトキシおよびメチルから選択される1〜3個の基によって任意選択で置換されていてもよく、R は、トリフルオロメチル、フルオロ、メチル、クロロ、メトキシおよびエチルから選択される]。
[8]
式IaまたはIbの化合物が、3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−({2−クロロ−6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ピリジン−3−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ピリジン−3−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、4−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−酪酸、1−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、1−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−ピペリジン−3−カルボン酸、{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−酢酸、3−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−シクロペンタンカルボン酸、3−{4−[1−(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(5−フェニル−フラン−2−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(ビフェニル−3−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}プロピオン酸、3−{4−[1−(4−チオフェン−2−イル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−チオフェン−2−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、1−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−ピロリジン−3−カルボン酸、1−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−ピペリジン−3−カルボン酸、3−{4−[1−(3’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、2−ヒドロキシ−3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−メチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−フェニル−チオフェン−2−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジル}ピロリジン−3−カルボン酸、3−{4−[1−(4−フラン−3−イル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−チオフェン−3−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−チオフェン−3−イル−2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、2−フルオロ−3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−酪酸、3−{4−[1−(5−フェニル−チオフェン−2−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3−フルオロ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4’−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−フラン−2−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(2’−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−(4−{1−[4−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−ベンジルアミノ)−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−フラン−3−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−ピリジン−3−イル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−ピリジン−4−イル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(2−フルオロ−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−({2−メトキシ−6−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ピリジン−3−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{2−ブロモ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロペンチル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{2−クロロ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−({6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ピリジン−3−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({5−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−チオフェン−2−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({5−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ピリジン−2−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({5−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−フラン−2−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−({2−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ピリジン−4−イルメチル}−アミノ)−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−フルオロ−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{2−クロロ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ピリジン−3−イルメチル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{2−エチル−4−[1−(4−ピペリジン−1−イル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−メチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(3−クロロ−4−シクロヘキシル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−メトキシ−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−メトキシ−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−メチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−メチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−シクロプロピル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−シクロプロピル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{2−エチル−4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−メチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、1−{2−クロロ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{2−クロロ−4−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−フルオロ−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−フルオロ−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、3−{6−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン

−2−イル}−プロピオン酸、3−{6−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−プロピオン酸、3−{4−[1−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イル)−エチリデンアミノオキシメチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチリデンアミノオキシメチル]−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、3−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチリデンアミノオキシメチル]−2−エチル−ベンジルアミノ}−プロピオン酸、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−エチリデンアミノオキシメチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸および1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−エチル−フェニル)−エチリデンアミノオキシメチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸から選択される、前記[6]に記載の使用。
[9]
式IaまたはIbの化合物が、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物A)、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグである、前記[6]に記載の使用。
[10]
多発性筋炎、皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療する際に使用する、前記[1]から[9]のいずれか一項に記載のS1P受容体調節因子。
[11]
それを必要としている対象において、多発性筋炎、皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療する方法であって、前記[1]から[9]のいずれか一項に記載のS1P受容体調節因子の治療有効量を前記対象に投与することを含む方法。
[12]
多発性筋炎、皮膚筋炎および神経−筋肉疾患、例えば筋ジストロフィーおよび封入体筋炎から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療する際に使用する、前記[1]から[9]のいずれか一項に記載のS1P受容体調節因子を、1種または複数の薬学的に許容されるその希釈剤または担体と共に含有する医薬組成物。
[13]
以上に実質的に定義および記載したような使用のための方法、使用、医薬組成物またはS1P受容体調節因子。

Claims (2)

  1. 多発性筋炎または皮膚筋炎から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療するための医薬品の調製における、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物A)、そのN−オキシド誘導体または薬理学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは水和物の使用。
  2. 多発性筋炎または皮膚筋炎から選択される炎症性の症状を予防、抑制、または治療するための医薬組成物であって、1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物A)、そのN−オキシド誘導体、または薬理学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは水和物を、1種または複数の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含有する医薬組成物。
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