JP5876856B2 - 血糖降下剤を調製するための、桑の枝由来のアルカロイドの有効画分の使用 - Google Patents
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該有効画分は桑の枝から調製され、活性成分がアルカロイドの組成物であり、該有効画分中の総アルカロイドの割合が50重量%以上であり、該総アルカロイド中の化合物1−ジオキシノジリマイシンの割合が30重量%以上であることを特徴とする、アルカロイドの有効画分。
[2]N−メチル−1−デオキシノジリマイシン、ファゴミン、3−エピ−ファゴミン、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−アラビニトール、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、カリステギンB2、2−O−(α−D−ガラクトピラノシル)−1−デオキシノジリマイシン、6−O−(β−D−グルコピラノシル)−1−デオキシノジリマイシン、および、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−(2−O−β−D−グルコピラノシル)−D−アラビニトールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含んでいることを特徴とする1に記載のアルカロイドの有効画分。
[3]前記総アルカロイド中の化合物1−ジオキシノジリマイシンの割合は、40重量%以上であることを特徴とする1または2に記載のアルカロイドの有効画分。
[4]前記総アルカロイド中の化合物1−ジオキシノジリマイシンの割合は、50重量%以上であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のアルカロイドの有効画分。
[5]1〜4のいずれかに記載のアルカロイドの有効画分を調製する方法であって、
(a)溶媒によって桑の枝を抽出し、抽出液を濃縮して沈殿を生成させ、そして不純物を除去するステップ、
(b)上澄み液を陽イオン交換樹脂に加え、弱塩基性の溶出液を用いて溶出するステップ、および、
(c)該溶出液を濃縮し、陰イオン交換樹脂に加え、吸収されなかった部分を収集し、乾燥させて、該有効画分の粉末を得るステップ、
を包含していることを特徴とする方法。
[6]前記陽イオン交換樹脂が、強スルホン酸型および弱カルボン酸型から選択され、
前記陰イオン交換樹脂が、強塩基型陰イオン交換樹脂および弱塩基型陰イオン交換樹脂から選択されることを特徴とする5に記載の方法。
[7]前記強塩基型陰イオン交換樹脂は、(第4級アミンとしても知られる)第4級アミン−NR3OH型(Rは炭化水素基である。)であり、
前記陰イオン交換樹脂は、第1級アミン−NH2型、第2級アミン−NHR型、および第3級アミン−NR2型を包含していることを特徴とする6に記載の方法。
[8]前記イオン交換樹脂の材料が、スチレン系、アクリル酸系、フェノール(FP)系、エポキシ(EPA)系、ビニールピリジン(VP)系、および尿素ホルムアルデヒド(UA)系を包含していることを特徴とする6または7に記載の方法。
[9]前記スチレン系が、ゲル型および多孔型を包含していることを特徴とする8に記載の方法。
[10]前記弱塩基性の溶出液が0.2〜1Nのアンモニア溶液であり、
前記陽イオン交換樹脂が001×7(732#)の陽イオン樹脂から選択され、
前記陰イオン交換樹脂がDowex1×2(OH−)の陰イオン交換樹脂または201×7(717、OH−)の陰イオン交換樹脂であることを特徴とする5に記載の方法。
[11](a)新鮮な桑の枝350kg毎に2000Lの水を加え、混合物を2時間還流させ、抽出のプロセスを2回繰り返し、抽出物を合わせ、250Lの体積まで濃縮し、濃縮物に、250〜270Lのエタノールを加え、混合物を24時間かけて沈殿させ、混合物を濾過するステップ、
(b)生薬と樹脂との重量比が1:0.2〜0.3となるような量で上澄み液を001×7(732#)の陽イオン交換樹脂に加え、中性になるまで蒸留水を用いて洗浄し、0.5Nのアンモニア溶液を用いて洗浄し、溶出液を収集するステップ;および、
(c)生薬と樹脂との重量比が1:0.5〜0.6になるような量で該溶出液を、Dowex1×2(OH−)陰イオン交換樹脂または201×7(717,OH−)陰イオン交換樹脂に加え、吸収されない部分を収集し、減圧濃縮によって濃縮し、乾燥させ、淡褐色の粉末を得るステップ、
を包含していることを特徴とする5に記載の方法。
[12]1〜4のいずれかに記載のアルカロイドの有効画分を、薬学的に受容可能な賦形剤と混合する工程を包含することを特徴とする血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
[13]前記医薬が、錠剤、分散性錠剤、チュアブル錠、カプセル、顆粒、ドリッピングピル、または経口液を包含していることを特徴とする12に記載の血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
[14]前記アルカロイドの有効画分の含有量が、前記医薬中における総アルカロイドに換算して12.5〜300mg/錠であることを特徴とする13に記載の血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
[15]前記アルカロイドの有効画分の含有量が、前記医薬中における総アルカロイドに換算して25〜100mg/錠であることを特徴とする14に記載の血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
[16]前記アルカロイドの有効画分の含有量が、前記医薬中における総アルカロイドに換算して50〜100mg/錠であることを特徴とする15に記載の血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
[17]血糖降下剤の調製における、1〜4のいずれかに記載のアルカロイドの有効画分の、使用。
(a)溶媒によって桑の枝を抽出し、抽出液を濃縮して沈殿を生成させ、そして不純物を除去する。
(b)上澄み液を陽イオン交換樹脂に加え、弱塩基性の溶出液を用いて溶出する。
(c)この溶出液を濃縮し、陰イオン交換樹脂に加え、吸収されなかった部分を収集し、乾燥して、有効画分の粉末を得る。
桑の枝は、新鮮な桑の枝であることが好ましい;
溶媒との接触面を増大させ、かつ効率を向上させるために、好ましい桑の枝を乾燥し、適切に粉砕する;
水、アルコール、水とアルコールとの混合物、および、酸性水からなる群から溶媒を選択する。好ましいアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられる。最も好ましい溶媒は水である;
溶媒の量は薬用材料の4〜12倍であり、上記抽出を1〜3回繰り返す。静止条件下、または動的条件下にて抽出を行うが、動的条件下にて抽出を行うことが好ましい。抽出の効率を向上させるために、超音波を使用してもよい。室温(例えば20℃)〜溶媒の還流温度の温度にて、好ましくは還流温度にて、抽出を行う。抽出のプロセスは、連続的または間欠的であってもよい。間欠的なプロセスは1〜3回繰り返されてもよい。抽出時間は、1〜4時間の範囲内、好ましくは1.5〜2.5時間の範囲内である;
沈殿はアルコール沈殿またはフロキュレーションであることが好ましく、フロキュレーションには、50〜80%のアルコールを使用する;
濾過または遠心分離を用いて不純物の除去を行うことが好ましい。
上澄み液を陽イオン交換樹脂に加え、蒸留水を用いてこの樹脂を選択的に洗浄し、吸収されなかった不純物を除去し、その後、弱塩基性の水溶液を用いて溶出する。この溶出によって、純度を上げることができる;
好ましい溶出液は、アンモニア溶液であり、その濃度は0.2〜1Nであることが好ましい;
陽イオン交換樹脂を強スルホン酸型および弱カルボン酸型から選択する;強スルホン酸型であることが好ましく、001×7(732#)の陽イオン樹脂であることが最も好ましい;
生薬と陽イオン樹脂との重量比は、1:0.1〜0.5であり、より好ましくは1:0.1〜0.4であり、最も好ましくは1:0.2〜0.3である。
濃縮された溶出液を陰イオン交換樹脂に加え、蒸留水を用いてこの樹脂を選択的に洗浄し、吸収されなかった全ての化合物を収集し、最終収率を高める;
乾燥方法としては、減圧濃縮法、噴霧乾燥法、および凍結乾燥法が挙げられる;
陰イオン交換樹脂は、(第4級アミンとしても知られる)第4級アミン−NR3OH(Rは炭化水素族)などの強塩基型、または第1級アミン−NH2、第2級アミン−NHR、および第3級アミン−NR2などの弱塩基型であってもよく、好ましくは第4級アミンの強塩基型である;
最も好ましい樹脂は、Dowex1×2(OH−)の陰イオン交換樹脂、または201×7(717,OH−)の陰イオン交換樹脂である;
生薬と陰イオン交換樹脂との重量比は1:0.2〜0.8であり、好ましくは1:0.3〜0.7、最も好ましくは1:0.5〜0.6である。
(a)新鮮な桑の枝350kg毎に、2000Lの水を加え、混合物を2時間還流させる。抽出のプロセスを2回繰り返し、抽出物を合わせ、250Lの体積まで濃縮する。この濃縮物に250〜270Lのエタノールを加える。混合物に対して24時間沈殿の生成を行い、混合物を濾過する。
(b)生薬と樹脂との重量比が1:0.2〜0.3となるような量で上澄み液を001×7(732#)の陽イオン交換樹脂に加え、中性になるまで蒸留水を用いて洗浄し、0.5Nのアンモニア溶液を用いて洗浄し、溶出液を収集する。
(c)生薬と樹脂との重量比が1:0.5〜0.6になるような量でこの溶出液を、Dowex1×2(OH−)の陰イオン交換樹脂または201×7(717,OH−)の陰イオン交換樹脂に加え、吸収されない部分を収集し、減圧濃縮によって濃縮し、乾燥し、淡褐色の粉末を得る。
有効画分中のアルカロイドは、紫外線吸収性を有さない多価アルカロイドおよびそのグリコシドからなる。そのために、このアルカロイドに対して誘導体化試薬を用いて誘導化を行い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分離する必要がある。この定量法は、特異性および感受性が高く、再現性に優れていることが立証されている。
有効画分中の活性成分の構造は、プレカラム誘導体化LC−MS/MSによって特徴づけられた。その結果、これらの活性成分は、多価アルカロイド類であることが示された。これらの活性成分の本来の構造は以下の通りである。
パイロット実験から得られる有効画分を室温にて密封して保存し、異なる期間においてHPLCを用いて分析した。その結果、24ヵ月後の品質が安定していることが示された。結果を表1に示す。
原材料が豊富で廉価であり、その品質が制御可能である。
プロセスが単純で、低コストである。
下記の調製例を用いて本願に開示された本発明を例示するが、この例は、本発明の範囲を限定するものではない。
(例1:総アルカロイドの有効画分の調製および含有量定量)
新鮮な桑の枝を粉砕し、乾燥させた。乾燥した桑の枝350kgに、脱イオン水2000Lを加え、混合物を2時間還流した。抽出のプロセスを2回繰り返し、抽出物を混合して250Lまで濃縮し、この濃縮物に700Lのエタノールを加えた。24時間、混合物に対して沈殿の生成を行い、混合物を濾過した。生薬と樹脂との重量比が1:0.2になるような量で上澄み液を001×7(732#)の陽イオン交換樹脂に加え、中性になるまで蒸留水を用いて洗浄し、そして、0.5Nアンモニア溶液を用いて洗浄し、溶出液を収集した。生薬と樹脂との重量比が1:0.6になるような量でこの溶出液を201×7(717、OH−)の陰イオン交換樹脂に加え、吸収されなかった部分を収集し、減圧濃縮によって濃縮し、乾燥させて淡褐色の粉末530gを得た。収率1.51%。
他の乾燥した桑の枝350kgに、脱イオン水2000Lを加え、混合物を2時間還流した。抽出のプロセスを2回繰り返し、抽出物を混合して250Lまで濃縮し、この濃縮物に700Lのエタノールを加えた。24時間混合物に対して沈殿の生成を行い、混合物を濾過した。生薬と樹脂との重量比が1:0.2になるような量で上澄み液を001×7(732#)の陽イオン交換樹脂に加え、中性になるまで蒸留水を用いて洗浄し、そして、0.5Nアンモニア溶液を用いて洗浄し、溶出液を収集した。生薬と樹脂との重量比が1:0.6になるような量でこの溶出液を201×7(717、OH−)の陰イオン交換樹脂に加え、吸収されなかった部分を収集し、減圧濃縮によって濃縮し、乾燥させて淡褐色の粉末500gを得た。
新鮮な桑の枝を粉砕し、乾燥させた。乾燥した桑の枝350kgに、脱イオン水2000Lを加え、混合物を2時間還流した。抽出のプロセスを2回繰り返し、抽出物を混合して250Lまで濃縮し、当該濃縮物に250Lのエタノールを加えた。24時間混合物に対して沈殿の生成を行い、混合物を濾過した。生薬と樹脂との重量比が1:0.2になるような量で上澄み液を001×7(732#)の陽イオン交換樹脂に加え、中性になるまで蒸留水を用いて洗浄し、そして、0.5Nアンモニア溶液を用いて洗浄し、溶出液を収集した。生薬と樹脂との重量比が1:0.5になるような量でこの溶出液を201×7(717、OH−)の陰イオン交換樹脂に加え、吸収されなかった部分を収集し、減圧濃縮によって濃縮し、乾燥させて淡褐色の粉末495gを得た。
新鮮な桑の枝を粉砕し、乾燥させた。乾燥した桑の枝350kgに、脱イオン水2000Lを加え、混合物を2時間還流した。抽出のプロセスを2回繰り返し、抽出物を混合して250Lまで濃縮し、この濃縮物に500Lのエタノールを加えた。24時間混合物に対して沈殿の生成を行い、混合物を濾過した。生薬と樹脂との重量比が1:0.3になるような量で上澄み液を001×7(732#)陽イオン交換樹脂に加え、中性になるまで蒸留水を用いて洗浄し、そして、0.5Nアンモニア溶液を用いて洗浄し、溶出液を収集した。生薬と樹脂との重量比が1:0.5になるような量でこの溶出液を、Dowex1×2(OH−)陰イオン交換樹脂に加え、吸収されない部分を収集し、減圧濃縮によって濃縮し、乾燥させて淡褐色の粉末520gを得た。
(例1:桑の枝からの血糖降下に有効な画分の錠剤の調製)
例1において調製された有効画分10g、リン酸カルシウム5g、乳糖15g、およびマグネシウム0.3gをそれぞれ80メッシュのふるいにかけ、混合した。混合物に対して、70%のエタノールを加えて湿潤性の塊(damp mass)を調合し、これを20メッシュのふるいにかけて粉状にし、乾燥させ、14メッシュのふるいにかけて調整し、圧縮して錠剤を生成した。各錠剤の重さは約300mgであり、100mgの有効画分の抽出物、すなわち、50mgの総アルカロイドを含有する。
例1において調製された有効画分10g、リン酸カルシウム5g、乳糖15g、およびマグネシウム0.3gをそれぞれ80メッシュのふるいにかけ、混合した。混合物に対して、70%のエタノールを加えて湿潤性の塊を調合し、それを20メッシュのふるいにかけて粉状にし、乾燥させ、40メッシュのふるいにかけて調整し、NO.2ハードカプセルに加えた。各カプセルの含有量は約100mgであり、100mgの有効画分の抽出物を含有し、そのうち50mgが総アルカロイドである。
例1において調製された有効画分10gを、蒸留水500mlにて希釈し、0.05%の安息香酸を加え、任意で香料を加え、5mlまたは10mlのバイアルに混合物を小分けして入れ、フタを取り付けた。各ビンが100〜200mgの有効画分の抽出物を含有しており、そのうち50〜100mgが総アルカロイドである。
ポリエチレングリコール(PEG6000)50gを取り、溶融するまで加熱し(100℃)、例1において調製された有効画分10gを加えて攪拌し、溶融液を得た。丸薬機の液体貯蔵タンクにこの溶融液を注ぎ、流動パラフィンに液滴状に加え、冷却成形し、パラフィンを洗い流し、乾燥させた。各ドリッピングピルの重さは30mgであり、有効画分の抽出物を5mg含有しており、このうち2.5mgが総アルカロイドである。
例1において調製された有効画分10g、リン酸カルシウム20g、乳糖5g、マンニトール15g、架橋ポリエチレンピロリドン10g、および、マグネシウム0.3gを、それぞれ80メッシュのふるいにかけ、混合した。混合物に対して、70%のエタノールを加えて湿潤性の塊を調合し、それを20メッシュのふるいにかけて粉状にし、乾燥させ、14メッシュのふるいにかけて調整し、圧縮して錠剤を生成した。各錠剤の重さは約600mgであり、100mgの有効画分の抽出物を含有しており、このうち50mgが総アルカロイドである。
例1において調製された有効画分10g、リン酸カルシウム5g、乳糖5g、マンニトール15g、および、マグネシウム0.3gを、それぞれ80メッシュのふるいにかけ、混合した。混合物に対して、70%のエタノールを加えて湿潤性の塊を調合し、それを20メッシュのふるいにかけて粉状にし、乾燥させ、14メッシュのふるいにかけて調整し、圧縮して錠剤を生成した。各錠剤の重さは約300mgであり、100mgの有効画分の抽出物を含有しており、このうち50mgが総アルカロイドである。
(例1:in vitroの実験)
グルコバイ(Acarbose)を陽性コントロールとして使用して、異なる濃度において例1の有効画分中のα−グルコシダーゼ阻害作用の比率を測定し、IC50値を算出した。その結果、in vitroにおいて、桑の枝の総アルカロイドは、スクラーゼおよびマルターゼに対して強い阻害作用をもち、スクラーゼに対する阻害作用はグルコバイよりも強く、マルターゼに対する阻害作用はグルコバイと同一である一方、アミラーゼに対する阻害作用はグルコバイよりも顕著に低いことがわかり、有効画分の血糖降下作用はグルコバイと同一で、かつ、消化管のガス膨張の副作用はグルコバイよりも少ない可能性があることが示された。結果を表2に示す。
有効画分の試験群を、10mg/kg、20mg/kg、および40mg/kg(経口)の3つの服用量に設定し、陰性コントロール群(空)、および、陽性コントロール群(陽性コントロール薬としてグルコバイを用いる、10mg/kg;経口)に設定した。その結果、10mg/kg〜40mg/kgの服用量における桑の枝の有効画分が、スクロースが投与されたマウスの高血糖値を大幅に低減させ、曲線下の血糖の面積がコントロール群より顕著に小さいことがわかった。試験群の結果と陽性コントロール群には顕著な差異は見られなかった(図1参照)。
アロキサンによって誘発された5群の糖尿病マウスを、陰性コントロール群とグルコバイを使用する陽性コントロール群とに分け、異なる服用量群(10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg)に分けた。その結果、桑の枝の有効画分が血糖値のピークを下げるとともに遅らせ、曲線下の血糖の面積を低減させることがわかった。20mg/kgおよび40mg/kgの治療群の効果が、陽性コントロール群よりも高かった(図2参照)。
図1は、桑の枝からの有効画分が、スクロース投与後の正常マウスの血糖曲線に及ぼす影響を示すグラフである。
Claims (16)
- アルカロイドの有効画分を調製する方法であって、
(a)溶媒によって桑の枝を抽出し、抽出液を濃縮して沈殿を生成させ、そして不純物を除去するステップ、
(b)上澄み液を陽イオン交換樹脂に加え、弱塩基性の溶出液を用いて溶出するステップ、および、
(c)該溶出液を濃縮し、陰イオン交換樹脂に加え、吸収されなかった部分を収集し、乾燥させて、該有効画分の粉末を得るステップ、
を包含し、
該アルカロイドの有効画分は、活性成分がアルカロイドの組成物であり、該有効画分中の総アルカロイドの割合が50重量%以上であり、該総アルカロイド中の化合物1−ジオキシノジリマイシンの割合が30重量%以上であることを特徴とする方法。 - 前記陽イオン交換樹脂が、強スルホン酸型および弱カルボン酸型から選択され、
前記陰イオン交換樹脂が、強塩基型陰イオン交換樹脂および弱塩基型陰イオン交換樹脂から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記強塩基型陰イオン交換樹脂は、(第4級アミンとしても知られる)第4級アミン−NR3OH型(Rは炭化水素基である。)であり、
前記陰イオン交換樹脂は、第1級アミン−NH2型、第2級アミン−NHR型、および第3級アミン−NR2型を包含していることを特徴とする請求項2に記載の方法。 - 前記イオン交換樹脂の材料が、スチレン系、アクリル酸系、フェノール(FP)系、エポキシ(EPA)系、ビニールピリジン(VP)系、および尿素ホルムアルデヒド(UA)系を包含していることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
- 前記スチレン系が、ゲル型および多孔型を包含していることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記弱塩基性の溶出液が0.2〜1Nのアンモニア溶液であり、
前記陽イオン交換樹脂が001×7(732#)の陽イオン樹脂から選択され、
前記陰イオン交換樹脂がDowex1×2(OH-)の陰イオン交換樹脂または201×7(717、OH-)の陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - (a)新鮮な桑の枝350kg毎に2000Lの水を加え、混合物を2時間還流させ、抽出のプロセスを2回繰り返し、抽出物を合わせ、250Lの体積まで濃縮し、濃縮物に、250〜270Lのエタノールを加え、混合物を24時間かけて沈殿させ、混合物を濾過するステップ、
(b)生薬と樹脂との重量比が1:0.2〜0.3となるような量で上澄み液を001×7(732#)の陽イオン交換樹脂に加え、中性になるまで蒸留水を用いて洗浄し、0.5Nのアンモニア溶液を用いて洗浄し、溶出液を収集するステップ;および、
(c)生薬と樹脂との重量比が1:0.5〜0.6になるような量で該溶出液を、Dowex1×2(OH-)陰イオン交換樹脂または201×7(717,OH-)陰イオン交換樹脂に加え、吸収されない部分を収集し、減圧濃縮によって濃縮し、乾燥させ、淡褐色の粉末を得るステップ、
を包含していることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記アルカロイドの有効画分が、N−メチル−1−デオキシノジリマイシン、ファゴミン、3−エピ−ファゴミン、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−アラビニトール、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、カリステギンB2、2−O−(α−D−ガラクトピラノシル)−1−デオキシノジリマイシン、6−O−(β−D−グルコピラノシル)−1−デオキシノジリマイシン、および、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−(2−O−β−D−グルコピラノシル)−D−アラビニトールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含んでいることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルカロイドの有効画分における前記総アルカロイド中の化合物1−ジオキシノジリマイシンの割合は、40重量%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルカロイドの有効画分における前記総アルカロイド中の化合物1−ジオキシノジリマイシンの割合は、50重量%以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法によって調製されたアルカロイドの有効画分を、薬学的に受容可能な賦形剤と混合する工程を包含することを特徴とする血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
- 前記医薬が、錠剤、分散性錠剤、チュアブル錠、カプセル、顆粒、ドリッピングピル、または経口液を包含していることを特徴とする請求項11に記載の血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
- 前記アルカロイドの有効画分の含有量が、前記医薬中における総アルカロイドに換算して12.5〜300mg/錠であることを特徴とする請求項12に記載の血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
- 前記アルカロイドの有効画分の含有量が、前記医薬中における総アルカロイドに換算して25〜100mg/錠であることを特徴とする請求項13に記載の血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
- 前記アルカロイドの有効画分の含有量が、前記医薬中における総アルカロイドに換算して50〜100mg/錠であることを特徴とする請求項14に記載の血糖降下作用を有する医薬を調製する方法。
- 血糖降下剤の調製における、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法によって調製されたアルカロイドの有効画分の、使用。
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