JP5875915B2 - 優先席利用支援システム、乗客支援装置および優先席利用支援方法 - Google Patents

優先席利用支援システム、乗客支援装置および優先席利用支援方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば、電車やバスなどの交通機関に設けられている優先席を、優先的に利用して然るべき人が優先して利用できるようにするシステム、装置、方法に関する。
電車やバスなどの優先席に居座って、優先されるべき人がそばに居ても優先席を譲らない人がいまだに存在している。また、優先席の周囲の人もトラブルになることを避けてあえて注意をすることは少ない。このように、せっかく設けられている優先席が優先席でなくなっている状況がしばしば起こっている。このような状況を背景に、優先席を必要とする人が利用できるようにするための幾つかの発明がなされている。
例えば、後に記す特許文献1には、優先席を必要としない利用者へ、優先席を必要とする利用者の存在を通知する優先席利用者通知システムに関する発明が開示されている。この特許文献1に記載の発明は、優先席を必要とする利用者に対して所定の発信機を貸し出す。当該発信機を持った利用者が優先席に近づくと、当該発信機からの信号を受信した優先席に設けられている振動機が振動し、発信機を所持せずに優先席を利用している人に優先席を譲ることを促すというものである。
また、後に記す特許文献2には、優先席に座っている人に対して、老人等が乗車してきたことを速やかに知らせる自動アナウンスシステムに関する発明が開示されている。この特許文献2に記載の発明は、音声発生部と非接触ICカードリーダを車両の優先席や乗車口の近傍に設ける。そして、非接触ICカードを携帯した利用者が乗車してきたときに、非接触IDカードの情報に応じた音声を音声発生部から放音し、優先席を必要とする人が存在することを報知するものである。
特開2004−136703号公報 特開2005−037786号公報
上述した特許文献1、2に記載の発明は、交通機関の優先席を適切に利用できるようにするための有効な手段を提供している。しかしながら、上述した特許文献1、2に記載の発明は、優先席を必要とする人が専用の発信機や非接触ICカードを携帯しなければならない。また、電車やバスなどの交通機関の優先席に振動機を設けたり、優先席の近傍等に音声発生部および非接触ICカードリーダを設けたりしなければならない。このため、特許文献1、2に記載の発明は、多くの交通機関において採用するには、時間とコストが掛かる。上述したように、優先席が優先席でなくなっている状況はしばしば発生しており、これを解消するために、種々の機器を設けたりすることなく、簡単かつ迅速に実施可能な方策が講じされることが望まれている。
以上のことに鑑み、この発明は、利用者が特別な機器を用いたり、交通機関の優先席や優先席の近傍に新たな機器を設けたりすること無く、必要とする人が優先席を優先して利用できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の優先席利用支援システムは、
優先席が設けられている交通機関の当該優先席を優先的に利用可能な乗客が所持する携帯通信端末と、前記携帯通信端末と通信可能な乗客支援装置とからなる優先席利用支援システムであって、
前記携帯通信端末は、
非優先者が優先席を利用している場合に、当該非優先者を撮影する撮影手段と、
現在位置測位手段と、
撮影することにより得られた非優先者の画像データと測位された現在位置とを含む支援要請情報を形成する要請形成手段と、
前記支援要請情報を前記乗客支援装置側に送信する要請送信手段と
を備え、
前記乗客支援装置は、
前記携帯通信端末からの前記支援要請情報を受信する要請受信手段と、
少なくとも位置に基づいて個々の交通機関の特定が可能な運行情報を記憶する運行情報記憶手段と、
受信した前記支援要請情報に含まれる現在位置に基づいて、前記運行情報を参照し、前記支援要請情報を送信してきた携帯通信端末の乗客が利用している交通機関を特定する特定手段と、
特定した前記交通機関の乗務員に対して、非優先者により利用されている優先席を優先者が利用できるように支援することを指示する支援指示情報を形成す指示形成手段と、
前記支援指示情報を特定した交通機関に対して送信する指示送信手段と
を備えることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明の優先席利用支援システムによれば、優先席を優先的に利用可能な乗客が所持する携帯通信端末では、非優先者が優先席を利用している場合に、撮影手段を通じて当該非優先者を撮影する。ここで、非優先者は優先席を積極的に利用できる優先者ではない人を意味する。また、現在位置測位手段が、自機の現在位置を測位する。そして、撮影することにより得られた非優先者の画像データと測位された現在位置とを含む支援要請情報を要求形成手段が形成し、これを要求送信手段が乗客支援装置側に送信する。
一方、乗客支援装置では、要請受信手段を通じて優先席を優先的に利用可能な乗客の携帯通信端末からの支援要請情報を受信すると、受信した支援要請情報の現在位置に基づいて、特定手段が運行情報記憶手段の運行情報を参照し、当該乗客が利用している交通機関を特定する。ここで特定するのは、交通機関が電車やバスである場合には、当該乗客がどの電車やバスに乗車しているのかを電車単位やバス単位に特定する。そして、指示形成手段は、優先席を利用可能な乗客が優先席を利用できるように支援することを指示する支援指示情報を形成し、これを指示送信手段が特定手段によって特定された交通機関に対して送信する。
これにより、支援指示情報を受信した交通機関の乗務員は、優先席を優先的に利用可能な乗客(優先席を必要としている乗客)が乗車していることを車内放送するなどして、優先席を利用している非優先者に対して、優先席を譲るように促すことができる。そして、乗客が利用する携帯通信端末は、広く普及している携帯電話端末等を利用でき、また、乗客が乗車する交通機関の優先席や優先席の近傍などに新たな機能を搭載する必要もない。このため、時間やコストをかけることなく種々の交通機関において、この発明の優先席利用支援システムを適用できる。
この発明によれば、利用者が特別な機器を用いたり、交通機関の優先席や優先席の近傍に新たな機器を設けたりすること無く、優先席を必要とする人が優先して利用できるように支援できる。
実施の形態の優先席利用支援システムの概要を説明するための図である。 携帯電話端末1と、乗客支援装置2と、通信装置3の構成例を説明するためのブロック図である。 優先者Prの携帯電話端末1で実行される支援要請処理について説明するためのフローチャートである。 図3に示した支援要請処理において表示部107に表示される画像の例を説明するための図である。 車両運行会社の乗客支援装置2で実行される乗客支援処理について説明するためのフローチャートである。 車両運行会社の乗客支援装置2で実行される常習者等の報知処理について説明するためのフローチャートである。 電車に搭載される通信装置3で実行される乗客支援処理について説明するためのフローチャートである。
以下、図を参照しながら、この発明のシステム、装置、方法の一実施の形態について説明する。なお、この発明は、高齢者、妊婦、乳幼児を連れた方、身体に障害を有する方などが優先して利用可能な座席である優先席が設けられている電車、バス、モノレール等の種々の交通機関について適用可能なものである。しかし、以下においては説明を簡単にするため、電車について適用する場合を例にして説明する。また、以下に説明する実施の形態においては、優先席を優先して利用できる方である高齢者、妊婦、乳幼児を連れた方、身体に障害を有する方などのいわゆるハンディキャップ・パッセンジャーを総称して優先者と記載し、優先者以外の方を非優先者と記載する。
[優先席利用支援システムの概要]
図1は、この実施の形態の優先席利用支援システムの概要を説明するための図である。当該優先席利用支援システムは、この発明の装置、システム、方法が用いられて構成されたものである。図1において、電車100は、複数の車両が連結されて所定の軌道上を走行する交通機関(乗物)の1つである。車両運行会社200は、電車100等の多数の電車の運行を行っている事業体(鉄道会社)である。また、図1においては、電車100の内部を簡略化して示しており、この実施の形態の電車100の各車両の所定の位置には優先席100Pが設けられている。
また、図1に示すように、電車100の乗客である優先者Prは携帯電話端末1を所持し、車両運行会社200には乗客支援装置2が設けられ、電車100の車掌の乗務場所には通信装置3と車内放送装置4が設けられている。車内放送装置4には車掌が用いるマイクロホン5と各車両に設けられたスピーカ6が接続されている。なお、図1においては、説明を簡単にするため、優先者Prは1人しか示していない。しかし、実際には、多数の優先者Prが、自己の携帯電話端末1を所持して電車100に乗車しており、そのそれぞれが以下に説明するようにして、優先席の利用ができるように支援を受けることができる。
そして、優先者Prが所持する携帯電話端末1は、優先者だけが支援を受けられるようにするために、優先マークが携帯電話番号に付与されたものである。すなわち、携帯電話番号に優先マークが付与されているか否かに応じて、当該携帯電話番号が割り当てられている携帯電話端末1の使用者が優先者か否かが判別可能になっている。この他にも、携帯電話端末1は、使用者が優先者であることを示す専用のマークや当該支援を受けられるようにするアプリケーションソフトウェア(以下、単に支援アプリケーションと記載する。)がインストールされたものであってもよい。この実施の形態においては、携帯電話端末1は、優先マークが携帯電話番号に付与されていると共に、当該支援を受けるための支援アプリケーションがインストールされているものとする。
なお、携帯電話端末1の携帯電話番号への優先マークの付与や当該支援アプリケーションのインストールは、例えば、携帯電話端末1の購入時において、携帯電話端末1の販売店において行われる。この場合、携帯電話端末1の購入者(使用者)は、販売店に対して自分が優先者であることを証明する証明書を提示して証明する。使用者が優先者であることを証明する証明書は、使用者が高齢者である場合には健康保険証等の年齢が分かるものであり、使用者が妊婦や乳幼児の保護者である場合には例えば母子手帳等であり、使用者が障害者である場合には障害者手帳等である。
また、使用者が妊婦や乳幼児の保護者である場合には、例えば、3年を有効期間として、優先マークを付与したり、アプリケーションをインストールしたりすることができる。すなわち、優先期間の終了日(末日)を携帯電話端末1に登録しておくことにとり、優先マークやアプリケーションの有効期間を管理することができる。また、携帯電話端末1の購入後においても、例えば、販売店等において、購入時と同様の手続きを経ることにより、携帯電話番号に優先マークを付与し、支援アプリケーションをインストールすることもできる。このように、携帯電話番号に優先マークが付与されていると共に、所定の支援アプリケーションがインストールされている点を除けば、携帯電話端末1は広く流通している携帯電話端末と同様の機能を有する。したがって、この実施の形態で用いられる携帯電話端末1は、携帯電話機能、電子メール機能等を備えると共に、カメラ機能やGPS機能等も備える。
そして、図1に示すように、優先者Prが電車100に乗車し、優先席100Pに向かうと、優先席100Pは明らかに優先者ではない若者等の非優先者が使用しており、使用できない状態にあったとする。この場合、優先者Prは、携帯電話端末1において支援アプリケーションを実行する。そして、携帯電話端末1では、当該支援アプリケーションにしたがって、カメラ機能を用いて優先席100Pを使用している非優先者を撮影し、GPS機能を用いて現在位置を取得し、時間管理機能を用いて現在日時を取得する。そして、撮影して得た非優先者の画像データと取得した現在位置と現在時刻とを含む支援要請情報を形成し、これを乗客支援装置2に送信する。なお、携帯電話端末1と乗客支援装置2との間の通信は、種々の態様を取ることが可能であるが、この実施の形態においては、簡単かつ確実な通信方法として、現在広く用いられている電子メールとして情報を乗客支援装置2に送信する。
乗客支援装置2は、車両運行会社200によって運用される装置である。乗客支援装置2は、通信機能を備えると共に、車両運行会社200が運行している電車の運行情報を管理し、位置と時刻とが分かれば、当該位置を当該時刻に走行する(走行した)電車はどの電車かを特定する機能を備える。乗客支援装置2は、優先者Prの携帯電話端末1からの支援要請情報を受信すると、当該支援要請情報に含まれる現在位置と現在日時とに基づいて、自機が管理している運行情報を参照し、優先者Prが乗車している電車を特定する。図1に示した例の場合には、優先者Prが乗車している電車は、電車100であると特定できたものとする。
そして、乗客支援装置2は、特定した電車100に対して、優先者Prが優先席を利用できないため、支援を行うように指示する支援指示情報を形成し、これを電車100に対して送信する。当該支援指示情報は、音声情報として鉄道無線を通じて送信することも可能である。しかし、この実施の形態においては、優先者Prの携帯電話端末1から送信された非優先者の画像データをも電車100に送信するため、例えば、インターネット等の広域ネットワークを用いるなどして、高速に画像データをも含めた支援指示を電車100に送信する。この実施の形態においては、乗客支援装置2から目的とする電車に支援指示情報を送る場合にも電子メールを用いるものとする。
電車100の通信装置3は、乗客支援装置2からの支援指示情報を受信し、優先者を支援することの指示や非優先者の画像データを再生して電車100の車掌Cdに提供する。具体的に通信装置3は、機能としては携帯電話端末やタブレット型情報端末などの携帯通信端末と同程度のものであり、例えば、乗務する電車に車掌が携帯して電車に搭載(載置)するなど、簡単に電車に対して搭載できるものである。なお、通信装置3は、乗客支援装置2からの電子メールが受信できればよく、電子メールの送信機能は持たなくてもよい。
そして、電車100の車掌Cdは、乗客支援装置2からの支援指示情報に応じて、車内放送装置4を用いて、優先席を利用している非優先者に対して、優先者に優先席を譲ることを促す車内放送(警告放送)を行う。当該車内放送では、携帯電話端末1からの画像データに基づいて、優先席を利用している非優先者の容姿や衣服の特徴などを放送し、できるだけ当該非優先者を特定可能なように放送できる。
なお、優先者に優先席を譲ることを促す車内放送(警告放送)後、優先者Prが優先席100Pに着席できたとする。この場合、優先者Prは、携帯電話端末1を通じて解消通知情報を、上述した支援要請情報と同様に乗客支援装置2に送信する。これに応じて、乗客支援装置2は、支援完了情報を形成して電車100の通信装置3に送信し、電車100の車掌Cdに優先者Prが優先席に着席できたことを通知することができる。
このように、この実施の形態の優先席利用支援システムは、優先者Prが普段から利用している携帯電話端末1と、車両運行会社200が運用する乗客支援装置2とが協働することによって、電車の優先席を優先者Prが利用できるように支援できる。この場合、優先者Prが特別な装置を所持することも、また、電車100の各車両に新たな装置を搭載することも無く、優先者Prを支援できる。また、特定の電車だけでなく、乗客支援装置2が運行情報を管理している多数の電車を対象として、乗客である優先者を支援できる。すなわち、この実施の形態の優先席利用支援システムは、手間、時間、コストをかけることなく実施できる。
[優先席利用支援システムで用いられる機器]
次に、優先席利用支援システムで用いられる各機器の構成例について説明する。図2は、優先者Prが用いる携帯電話端末1と、車両運行会社200が運用する乗客支援装置2と、電車100に搭載される通信装置3の構成例を説明するためのブロック図である。図2において、ネットワーク7は、主にインターネットであるが、各通信機器からインターネットまでを接続する例えば携帯電話網、固定電話網、その他、種々のLAN(Local Area Network)等を含むものである。また、ネットワーク7には、乗客支援装置2や通信装置3に宛てた電子メールを保持するメールサーバ8が接続されている。
[携帯電話端末1の構成例]
まず、携帯電話端末1の構成例について説明する。携帯電話端末1は、図2の下端側に基本構成をブロック図で示したように、10の基本的な機能を備える。無線通信部101は、ネットワーク7を通じて受信した信号を自機が処理可能なデータに変換して取り込んだり、送信用の種々のデータをプロトコルに準拠した信号に変換してネットワーク7に送出したりする。制御部102は、携帯電話端末1の各部を制御するものであり、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access Memory)がCPUバスを通じて接続されて構成されたコンピュータ装置である。
記憶装置103は、記録媒体として不揮発性メモリを備え、種々のアプリケーションプログラムや種々の処理により得られたデータ等の不揮発性メモリへの書込み/記録保持/読み出し/削除を行う。なお、記憶装置103には、例えば、地図データ、車両運行会社特定データ、各車両運行会社の乗客支援装置2の電子メールアドレス等の必要な情報も格納される。操作部104は、後述する表示部107の表示画面に貼付されたタッチパネルや携帯電話端末1に設けられたハードウェアキー等からなり、ユーザーからの操作入力を受け付けて、受け付けた情報を制御部102に供給する。時間制御部105は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を管理する。GPS部106およびGPSアンテナ106Atは、自機の現在位置を測位する。
表示部107は、種々の画像データや映像データの供給を受けて、これを映像信号に変換し、当該映像信号に応じた画像や映像を自己の表示画面に表示する。カメラ部108は、撮像レンズ、撮像素子、カメラ信号処理回路などを備え、被写体の画像(映像)を撮影し、これをデジタル信号の画像(映像)データとして取り込む。送信情報形成部109は、制御部102の制御の下、後述する乗客支援装置2に対して電子メールとして送信する支援要請情報や解消通知情報を形成する。
ここで、支援要請情報は、ヘッダ情報として、送信元である携帯電話端末1の電子メールアドレス、送信先である乗客支援装置2の電子メールアドレス、件名として当該電子メールが支援要請情報であることを示す「支援要請」とのテキスト情報が含められる。さらに、支援要請情報は、カメラ部108を通じて撮影した非優先者の画像データが添付情報として添付されると共に、例えば本文情報として、撮影時にGPS部106から取得した現在位置と、撮影時に時間制御部105から取得した現在日時(現在年月日と現在時刻)とが含められる。このような電子メールとしての支援要請情報により、誰が、どこで、いつ、どのような状態の非優先者が優先席を利用しているために、優先席が利用できないのかを乗客支援装置に通知し、支援を求めることができる。
また、解消通知情報は、ヘッダ情報として、送信元である携帯電話端末1の電子メールアドレス、送信先である乗客支援装置2の電子メールアドレス、件名として当該電子メールが解消通知情報であることを示す「解消通知」とのテキスト情報が含められる。解消通知情報は、本文情報として、送信直前に時間制御部105から取得した現在日時(現在年月日と現在時刻)が含められる。この解消通知情報により、誰が、いつ、優先席の利用が可能になったのかを乗客支援装置に通知することができる。このように、送信情報形成部109で形成される支援要請情報や解消通知情報は、制御部102の制御の下、無線通信部101を通じてネットワーク7に送出され、メールサーバ8に送信されて乗客支援装置2が受信可能となる。
通話処理部110は、制御部102の制御の下、無線通信部101を通じて受信する相手先からの音声データを復号して音声信号に変換し、これを受話器としてのスピーカ110Rに供給する。また、通話処理部110は、送話器としてのマイクロホン110Sによって収音したユーザーの音声を、音声データに変換し、無線通信部101を通じて相手先に送信する。
このような構成を有する携帯電話端末1は、交通機関の優先席を非優先者が使用していて優先者Prが利用できない場合に、優先者Prからの指示に応じて、支援要請情報を形成して、これを乗客支援装置2に送信して支援を要請できる。この後、優先者Prが優先席を利用することができるようになった後において、携帯電話端末1は、解消通知情報を形成して、これを乗客支援装置2に送信することにより、優先席が利用できない状態が解消したことを通知できる。
[乗客支援装置2の構成例]
次に、乗客支援装置2の構成例について説明する。乗客支援装置2は、図2の上端側に基本構成をブロック図で示したように、10の基本的な機能を備える。通信I/F201は、ネットワーク7を通じて受信した信号を自機が処理可能なデータに変換して取り込んだり、送信用の種々のデータをプロトコルに準拠した信号に変換してネットワーク7に送出したりする。制御部202は、乗客支援装置2の各部を制御するものであり、図示しないが、CPU、ROM、RAMがCPUバスを通じて接続されて構成されたコンピュータ装置である。記憶装置203は、記録媒体としてハードディスクを備え、種々のアプリケーションプログラムや種々の処理により得られたデータ等のハードディスクへの書込み/記録保持/読み出し/削除を行う。なお、記憶装置203のハードディスクには、自機の電子メールアドレスや、各電車の識別情報に対応付けて各電車に搭載された通信装置3に対して割り当てられている電子メールアドレスなども格納されている。
受信情報ファイル204は、例えばハードディスクなどの大容量記録媒体に形成され、通信I/F201を通じてメールサーバ8から受信される、携帯電話端末1からの支援要請情報や解消通知情報を記憶保持する。運行情報データベース(以下、運行情報DBと記載する。)205は、乗客支援装置2を運用する車両運行会社200が運行している全電車の運行情報を記憶保持する。当該運行情報は、各電車の識別情報や運行予定などからなり、位置と時刻が特定できれば、当該位置を当該時刻に走行している電車は「どの電車」かを特定でき、逆に、電車が特定できれば、その電車は「どこ」を「いつ」走行するかも分かるようになっている。電車特定部206は、受信した携帯電話端末1からの支援要請情報に含まれる現在位置と現在日時とに基づいて、運行情報DB205の運行情報を参照し、当該現在位置で示される位置を、当該現在日時で示される日時に走行している電車は、どの電車かを特定する。
支援指示形成部207は、電車特定部206で特定された電車に対して電子メールとして送信する支援指示情報を形成する。当該支援指示情報は、ヘッダ情報として、送信元である乗客支援装置2の電子メールアドレスと、送信先である特定した電車の通信装置3の電子メールアドレスと、件名として当該電子メールが支援指示情報であることを示す「支援指示」とのテキスト情報と、元になった支援要請情報の送信元である携帯電話端末1の電子メールアドレスとが含められる。さらに、支援指示情報には、優先者Prの携帯電話端末1から送信されてきた非優先者の画像データが添付されて含められる。
完了情報形成部208は、携帯電話端末1からの解消通知情報を受信した場合に、当該解消通知情報の送信元からの支援要請情報に応じて支援指示情報を送信した電車に対して電子メールとして送信する支援完了情報を形成する。当該支援完了情報は、ヘッダ情報として、送信元である乗客支援装置2の電子メールアドレスと、送信先の電車の通信装置3の電子メールアドレスと、件名として当該電子メールが支援完了情報であることを示す「支援完了」とのテキスト情報と、元になった解消通知情報の送信元である携帯電話端末1の電子メールアドレスとが含められる。
そして、支援指示形成部207で形成された支援指示情報と、完了情報形成部208で形成された支援完了情報とは、制御部202の制御の下、通信I/F201を通じてネットワーク7に送出され、メールサーバ8に送信されて電車の通信装置3が受信可能にされる。なお、支援指示形成部207で形成された支援指示情報は、上述したように携帯電話端末1からの支援要請情報に含まれる現在位置と現在日時とに基づいて電車特定部206で特定された電車の通信装置3に送信される。
また、完了情報形成部208で形成された支援完了情報は、対応する支援指示情報が送信された電車の通信装置3に送信される。このため、乗客支援装置2では、携帯電話端末1からの支援要請情報を受信し、これに応じて支援指示情報を特定した電車に送信した場合には、当該支援要請情報の送信元の電子メールアドレスと、送信先の電車の通信装置3の電子メールアドレスとを対応付けて記憶装置203に記憶保持し、当該送信元の電子メールアドレスで特定される携帯電話端末1から解消通知情報が送信されてきたときには、どの電車に支援完了情報を送信するのかを迅速に特定できるようにしている。
なお、支援指示情報の場合と同様にして、電車特定部206で特定した電車に対して支援完了情報を送信することもできる。この場合には、携帯電話端末1からの解消通知情報に、当該解消通知情報の作成時においてGPS部106から取得した現在位置をも含めて乗客支援装置2に送信する。そして、携帯電話端末1からの当該解消通知情報に含められた現在位置と現在日時とに基づいて、電車特定部206で当該解消通知情報を送信してきた携帯電話端末1の優先者Prが乗車している電車を特定する。そして、この特定した電車の通信装置3の電子メールアドレスに対して乗客支援装置2からの支援完了情報を送信する構成とすることもできる。
画像分析部209は、受信情報ファイル204に蓄積された支援要請情報の画像データに比較、分析処理を行って、優先席を利用している非優先者として繰り返し画像を撮影された非優先者の画像データを抽出する。情報公開処理部210は、画像分析部209において抽出された、繰り返し優先席を利用している非優先者の画像を、車両運行会社200が運営するWebサイトにアップロードして公開する処理を行う。但し、情報公開処理部210は、非優先者のプライバシーを不当に侵害することがないように、例えば、画像データが形成する非優先者の画像の例えば目の部分に目隠し処理を施したり、モザイク処理を施したりできる。
また、情報公開処理部210は、制御部202と協働し、受信情報ファイル204から解消通知情報とペアにならない支援要請情報を抽出する。そして、情報公開処理部210は、抽出した当該支援要請情報の画像データによる画像を、警告を無視した非優先者の画像として、車両運行会社200が運営するWebサイトにアップロードして公開する処理を行うこともできる。すなわち、解消通知情報とペアにならない支援要請情報は、携帯電話端末1から解除通知情報が来ていないのであるから、車掌からの優先席を譲ることの警告にも従わなかった非優先者の画像データを含むと判別できる。このため、当該非優先者の画像データによる画像をも公開する。もちろん、この場合にも、画像データが形成する非優先者の画像の例えば目の部分に目隠し処理を施したり、モザイク処理を施したりできる。
このような構成を有する乗客支援装置2は、優先者Prの携帯電話端末1からの支援要請情報に応じて、当該優先者Prが乗車している電車の車掌に対して、優先席を利用している非優先者に対して優先席を譲るように警告することを指示できる。また、優先者Prの携帯電話端末1からの解消通知情報に応じて、当該優先者Prが乗車している電車の車掌に対して、当該優先者Prが優先席を利用できるようになったことを通知できる。また、優先席を繰り返し利用している非優先者や、車掌の警告を無視して優先席を利用し続けた非優先者を、車両運行会社200が運営するWebサイトを通じて公開し、非優先者に対して改善を促すこともできる。
[通信装置3の構成例]
次に、交通機関である電車に搭載される通信装置3の構成例について説明する。通信装置3は、図2の中央部に基本構成をブロック図で示したように、6つの基本的な機能を備える。無線通信部301は、ネットワーク7を通じて受信した信号を自機が処理可能なデータに変換して取り込んだり、送信用の種々のデータをプロトコルに準拠した信号に変換してネットワーク7に送出したりする。制御部302は、通信装置3の各部を制御するものであり、図示しないが、CPU、ROM、RAMがCPUバスを通じて接続されて構成されたコンピュータ装置である。
記憶装置303は、記録媒体として不揮発性メモリを備え、種々のアプリケーションプログラムや種々の処理により得られたデータ等の不揮発性メモリへの書込み/記録保持/読み出し/削除を行う。操作部304は、後述する表示部306の表示画面に貼付されたタッチパネルや通信装置3に設けられたハードウェアキー等からなり、ユーザーからの操作入力を受け付けて、受け付けた情報を制御部302に供給する。受信情報ファイル305は、例えば比較的に記憶容量の大きな不揮発性メモリなどに形成され、無線通信部301を通じてメールサーバ8から受信される、乗客支援装置2からの支援指示情報や支援完了情報を記憶保持する。表示部306は、種々の画像データや映像データの供給を受けて、これを映像信号に変換し、当該映像信号に応じた画像や映像を自己の表示画面に表示する。
このような構成を有する通信装置3は、制御部302の制御の下、無線通信部301が機能してメールサーバ8にアクセスし、乗客支援装置2からの支援指示情報や支援完了情報を受信して、受信情報ファイル305に格納できる。そして、受信した支援指示情報に基づいて、優先席を利用している非優先者に対して優先席を譲るように警告することを、通信装置3が搭載された電車の車掌に指示できる。また、受信した支援完了情報に基づいて、優先者Prが優先席に着席できたことを、通信装置3が搭載された電車の車掌に通知できる。
[携帯電話端末1、乗客支援装置2、通信装置3の処理について]
次に、図1、図2を用いて説明した携帯電話端末1、乗客支援装置2、通信装置3のそれぞれにおいて実行される処理について、フローチャートを参照しながら説明する。
[優先者Prの携帯電話端末1で実行される支援要請処理]
まず、優先者Prの携帯電話端末1で実行される支援要請処理について説明する。図3は、当該支援要請処理を説明するためのフローチャートである。この図3に示す処理は、上述した支援アプリケーションによって行われる処理であり、携帯電話端末1の所定のメニューから当該支援アプリケーションの実行を選択することにより制御部102において実行される。また、支援アプリケーションを実行するための所定の操作ボタンを操作することによっても、図3に示した支援要請処理を実行することができる。また、図4は、図3に示した処理において表示部107の表示画面107Gに表示される画像の例を説明するための図である。
図3に示す処理が実行されると、まず、制御部102はカメラ部108を起動し、カメラ部108を通じて画像の撮影ができるようにする(ステップS101)。この場合、カメラ部108がとらえている画像の画像データが、カメラ部108から制御部102を通じて表示部107に供給される。これにより、カメラ部108が捉えている画像が表示部107に表示される。したがって、優先者Prは表示部107に表示されたカメラ部108がとらえている画像を確認しながら、被写体の撮影を行うことができる。
このとき、表示部107の表示画面には、図4Aに示すように、カメラ部108がとらえている画像と共に、優先席に座っている人の撮影を指示するメッセージと、撮影してもシャッター音は放音されないことを通知するメッセージとを表示する。なお、シャッター音を無音化するのは、非優先者とのトラブルを避けるためである。もちろん、シャッター音の無音化が行われるのは、当該支援アプリケーションにより実行されるこの図3に示す処理における撮影時だけである。また、表示画面の右下端部には、撮影を行わずに当該支援アプリケーションを終了させるための「終了」ボタンも表示される。
そして、制御部102は、操作部104を通じてユーザーである優先者Prからの操作入力を受け付け(ステップS102)、受け付けた操作入力は撮影を指示するもの、すなわちシャッター操作か否かを判別する(ステップS103)。ステップS103の判別処理において、シャッター操作ではないと判別したときには、制御部102は受け付けた操作入力は「終了」ボタンの選択操作か否かを判別する(ステップS104)。
ステップS104の判別処理において、受け付けた操作入力が「終了」ボタンの選択操作であると判別したときには、制御部102は、カメラ部108を停止させるなどの所定の終了処理を行って(ステップS105)、この図3に示す処理を終了する。また、ステップS104の判別処理において、受け付けた操作入力が「終了」ボタンの選択操作ではないと判別したときには、有効な操作入力は受け付けていないので、制御部102は、ステップS102からの処理を繰り返す。
また、ステップS103の判別処理において、受け付けた操作入力はシャッター操作であると判別したときには、制御部102はシャッター音を無音化し、撮影を実行する(ステップS106)。この場合、制御部102は、図2には示さなかったが、シャッター音を放音する放音部の機能を停止させて、撮影を実行する。また、制御部102は、シャッター操作されたときにカメラ部108を通じて取り込まれていた被写体の画像データを記憶装置103に記録する。そして、制御部102は、記憶装置103に記録した当該画像データを表示部107に供給し、撮影した被写体の画像を表示部107の表示画面107Gに表示した状態を維持する(ステップS107)。
ステップS107において、表示部107の表示画面107Gに表示される画像は、例えば、図4Bに示すような画像である。この実施の形態においては、図4Bに示したように、表示画面107Gには、撮影することにより得られた画像データに応じた被写体の画像がされる。表示画面107Gの下端部には、撮影された画像でよしとする「OK」ボタンと、撮り直しを指示する「撮り直し」ボタンとが設けられている。
そして、制御部102は、操作部104を通じてユーザーである優先者Prからの操作入力を受け付け(ステップS108)、受け付けた操作入力は、「OK」ボタンの選択操作か否かを判別する(ステップS109)。ステップS109の判別処理において、受け付けた操作入力は、「OK」ボタンの選択操作ではないと判別したときには、制御部102は、「撮り直し」ボタンの選択操作がされたと判別する。この場合、制御部102は、記憶装置103に格納した画像データを削除し、撮影状態に遷移させ(ステップS110)、この後にステップS102からの処理を繰り返す。したがって、ステップS110においては、図4Aに示したように、カメラ部108がとらえている画像が表示部107に表示されるとともに、ガイダンスメッセージなどが表示された状態となる。
また、ステップS109の判別処理において、受け付けた操作入力は、「OK」ボタンの選択操作であると判別したときには、制御部102は、カメラ部108を停止させる(ステップS111)。そして、制御部102はGPS部106から現在位置を取得すると共に、時間制御部105から現在日時を取得する(ステップS112)。この後、制御部102は、ステップS112で取得した現在位置に基づいて、記憶装置103の地図データと車両運行会社特定データとを参照し、携帯電話端末1を所持する優先者Prが乗車している電車の車両運行会社を特定する処理を行う(ステップS113)。
すなわち、ステップS113においては、現在位置を示す地図データ上の位置が、何という路線名の軌道上か(いわゆる何線か)を判別する。そして、判別した路線名に基づいて、路線名と車両運行会社とを対応付けた車両運行会社特定データを参照し、自機を所持するユーザーが乗車している電車の車両運行会社(鉄道会社)を特定する。このステップS113の処理により、種々の車両運行会社によって運行されているどのような電車に乗っても、その電車を運行している車両運行会社が特定できる。なお、地図データは、取得した現在位置に基づいて、インターネット上の地図サーバから取得することもできる。
この後、制御部102は、送信情報形成部109を制御し、ステップS106で撮影した画像データと、ステップS112で取得した現在位置と現在日時を含む支援要請情報を形成し、これをステップS113で特定した車両運行会社の乗客支援装置2に送信する(ステップS114)。そして、上述もしたように、支援要請情報は、電子メールとして送信されるので、実際には、図2に示したように、メールサーバ8を介して目的とする車両運行会社の乗客支援装置2に送信される。なお、各車両運行会社の乗客支援装置2の電子メールアドレスは、記憶装置103に予め記憶保持されている。そして、ステップS114の処理の後、この図3に示す処理は終了する。
この図3に示す処理により、優先者Prは、自己の携帯電話端末1を用いて優先席を利用している非優先者の画像を撮影し、撮影した画像の画像データと撮影時の現在位置と現在日時とを含む支援要請情報を形成することができる。そして、形成した支援要請情報を、優先者Prが乗車している電車の車両運営会社の乗客支援装置2に送信することができる。
なお、優先者Prが用いる携帯電話端末1は、解消通知情報を形成して乗客支援装置2に対して送信する処理も行う。解消通知情報の場合には、撮影を行うこともない。このため、解消通知情報を形成して乗客支援装置2に対して送信する処理を行うことを指示する所定の操作が行われた場合に、解消通知情報を形成して、送信する処理を行うことになる。なお、解消通知情報は、前述もしたように、送信元である携帯電話端末1の電子メールアドレス、送信先である乗客支援装置2の電子メールアドレス、件名として当該電子メールが解消通知情報であることを示す「解消通知」とのテキスト情報、送信直前に時間制御部105から取得した現在日時からなる。
ここで、送信先である乗客支援装置2の電子メールアドレスは、図3に示した処理により、支援要請情報の送信先の電子メールアドレスを記憶装置103に保持しておくことで、これを用いることができる。もちろん、図3に示したステップS112〜ステップS113の処理と同様に、現在位置と現在日時とを取得し、これに基づき地図データと車両運行会社特定データとを参照し、乗客支援装置2の電子メールアドレスを特定する構成としてもよい。すなわち、解消通知情報の形成、送信処理は、支援要請情報に替えて解消通知情報を形成するようにすれば、図3に示したステップS114の処理と同様の処理となる。あるいは、支援要請情報に替えて解消通知情報を形成するようにすれば、図3に示したステップS112〜ステップS114の処理と同様の処理となる。
[車両運行会社200の乗客支援装置2での乗客支援処理]
次に、車両運行会社の乗客支援装置2で実行される乗客支援処理について説明する。図5は、当該乗客支援処理を説明するためのフローチャートである。この図5に示す処理は、乗客支援装置2の制御部202において常時実行される処理である。
図5に示す処理が実行されると、まず、制御部202は、通信I/F201を通じてメールサーバ8にアクセスし、自機宛てに電子メールとして送信されてきている支援要請情報や解消通知情報を受信する(ステップS201)。そして、制御部202は、自機宛ての支援要請情報や解消通知情報を受信したか否かを判別し(ステップS202)、受信していないと判別したときには、ステップS201からの処理を繰り返す。
また、ステップS202の判別処理において、自機宛ての支援要請情報や解消通知情報を受信したと判別したときには、制御部202は受信した情報を受信情報ファイル204に格納する(ステップS203)。なお、ステップS201においては、自機宛ての複数の支援要請情報や解消通知情報が送られてきている場合には、それら複数の情報が受信される。また、複数の支援要請情報や解消通知情報を受信した場合、ステップS203においては例えばメールサーバ8での受信順に処理される。
この後、制御部202は、処理対象の情報は、支援要請情報か否かを判別する(ステップS204)。ステップS204の判別処理において、処理対象の情報は支援要請情報であると判別したときには、制御部202は、電車特定部206を制御して、当該支援要請情報の送信元の優先者Prが乗車している電車を特定する処理を行う(ステップS205)。このステップS205の処理は、電車特定部206が当該支援要請情報に含まれる現在位置と現在日時とに基づいて運行情報DB205を参照し、当該支援要請情報の送信元の優先者Prが乗車している電車を特定する処理である。
そして、制御部202は、支援指示形成部207を制御し、今回処理の対象になっている支援要請情報に基づいて支援指示情報を形成し、これを電子メールとして、ステップS205で特定した電車の通信装置3に対して送信する(ステップS206)。なお、特定した電車の通信装置3の電子メールアドレスは、上述もしたように、記憶装置203に格納されているものが用いられる。
また、ステップS204の判別処理において、処理対象になっている当該情報は支援要請情報ではないと判別したときには、制御部202は、処理対象の情報は、解消通知情報か否かを判別する(ステップS207)。ステップS207の判別処理において、処理対象の情報は解消通知情報であると判別したときには、制御部202は、完了情報形成部208を制御し、支援完了情報を形成し、これを対応する支援指示情報を送信した電車の通信装置3に対して送信する(ステップS208)。上述もしたように、制御部202は、支援指示情報を電車の通信装置3に対して送信した場合には、元になった支援要請情報の送信元の電子メールアドレスと、送信先の電車の通信装置3の電子メールアドレスとを対応付けて管理している。このため、携帯電話端末1からの解消通知情報に含まれる送信元の電子メールアドレスに基づいて、支援完了情報を送信する電車の通信装置3が特定できる。
そして、ステップS206またはステップS208の処理の後、あるいは、ステップS207の判別処理において、処理対象の受信情報が解消通知情報ではないと判別したときには、次に処理の対象とすべき受信情報が有るか否かを判別する(ステップS209)。このステップS209の判別処理は、ステップS201で受信した自機宛ての電子メールについて、全て処理したか否かを判別する処理である。なお、ステップS207の判別処理において、当該情報は解消通知情報ではないと判別したときにステップS209の処理を行うのは、受信した情報が、支援要請情報でも解消通知情報でもなく、処理の対象にならない情報であるためである。
そして、ステップS209の判別処理において、次に処理の対象とすべき情報があると判別したときには、受信情報ファイル204に格納した情報であって、次に処理すべき情報に位置付ける(ステップS210)。この後、ステップS204からの処理を繰り返す。また、ステップS209の判別処理において、次に処理の対象とすべき情報はないと判別したときには、ステップS201で受信した自機宛ての電子メールについては全て処理したと判断できるので、ステップS201からの処理を繰り返し、新たにメールサーバ8に蓄積された自機宛ての電子メールについての処理を行う。
この図5の処理により、車両運行会社の乗客支援装置2は、電子メールとして送信されてくる支援要請情報の送信元の携帯電話端末1を所持する優先者が乗車している電車の車掌に対して、当該優先者を支援するように指示できる。また、車両運行会社の乗客支援装置2は、電子メールとして送信されてくる解消通知情報の送信元の携帯電話端末1を所持する優先者が乗車している電車の車掌に対して、当該優先者が優先席を利用できるようになったことを通知することができる。
[車両運行会社200の乗客支援装置2での常習者等の報知処理]
次に、車両運行会社の乗客支援装置2で実行される常習者等の報知処理について説明する。図6は、当該常習者等の報知処理を説明するためのフローチャートである。この図6に示す処理は、乗客支援装置2の制御部202により、例えば、1週間に1回、10日に1回、1ヶ月に1回といった所定のタイミング毎に実行される処理である。
図6に示す処理が実行されると、制御部202は、まず、画像分析部209を制御して、受信情報ファイル204から、度々、優先席を利用している非優先者の画像データを抽出する(ステップS301)。具体的に、画像分析部209は、受信情報ファイル204に格納されている携帯電話端末1からの支援要請情報の画像データについて比較、分析を行い、度々、優先席を利用している非優先者として撮影された非優先者の画像データを抽出する。そして、制御部202は、情報公開処理部210を制御し、ステップS301で抽出された画像データによる画像を、優先席を常習的に利用している非優先者の画像として自社のWebページに掲載する(ステップS302)。なお、情報公開処理部210は、公開する非優先者の画像の顔の部分にいわゆる目隠しを設けたり、あるいは、顔の部分にモザイク処理を施したりすることにより、当該非優先者のプライバシーを著しく害することがないようにできる。
次に、制御部202は、携帯電話端末1からの解消通知情報とペアにならない支援要請情報を受信情報ファイル204から特定し、その特定した支援要請情報から非優先者の画像データを抽出する(ステップS303)。上述もしたように、携帯電話端末1から支援要請情報を送信し、これに応じて支援を受けて優先席が利用できるようになると、優先者は携帯電話端末1から解消通知情報を送信する。そして、優先者の携帯電話端末1からの支援要請情報と解消通知情報とはいずれも受信情報ファイル204に格納されるので、優先席が利用できるようになれば、基本的に同じ送信元からの支援要請情報と解消通知情報とがペアになる。このため、解消通知情報とペアにならない支援要請情報については、警告を無視した非優先者の画像データを有すると推定できる。
そして、制御部202は、情報公開処理部210を制御し、ステップS303で抽出された画像データによる画像を、警告を無視して優先席を利用し続けた非優先者の画像として自社のWebページに掲載する(ステップS304)。なお、この場合にも、情報公開処理部210は、公開する非優先者の画像の顔の部分にいわゆる目隠しを設けり、あるいは、顔の部分にモザイク処理を施したりすることにより、当該非優先者のプライバシーを著しく害することがないようにできる。そして、ステップS304の後、この図6に示す処理を終了し、次の実行タイミングを待つことになる。
この図6の処理により、優先席を度々利用している非優先者の画像や車内放送による警告を無視した非優先者の画像が、車両運行会社200のWebページに公開される。そして、公開される画像には、目隠し処理やモザイク処理が施されて個人を特定でできないとしても、本人が見れば自分であることは分かるので、当該非優先者の反省を促すことができる。なお、悪質な場合には、画像に対して目隠しやモザイク処理を施すことなく公開することも可能である。
[電車の通信装置3での乗客支援処理]
次に、電車に搭載される通信装置3で実行される乗客支援処理について説明する。図7は、当該乗客支援処理を説明するためのフローチャートである。この図7に示す処理は、通信装置3の制御部302により、常時実行される処理である。
図7に示す処理が実行されると、制御部302は、まず、無線通信部301を通じてメールサーバ8にアクセスし、自機宛てに電子メールとして送信されてきている支援指示情報や支援完了情報を受信する(ステップS401)。そして、制御部302は、自機宛ての支援指示情報や支援完了情報を受信したか否かを判別し(ステップS402)、受信していないと判別したときには、ステップS401からの処理を繰り返す。
また、ステップS402の判別処理において、自機宛ての支援指示情報や支援完了情報を受信したと判別したときには、制御部302は受信した情報を受信情報ファイル305に格納する(ステップS403)。なお、ステップS401においては、自機宛ての複数の支援指示情報や支援完了情報が送られてきている場合には、それら複数の情報が受信される。また、複数の支援指示情報や支援完了情報を受信した場合、ステップS403においては例えばメールサーバ8での受信順に処理される。
この後、制御部302は、処理対象の情報は、支援指示情報か否かを判別する(ステップS404)。ステップS404の判別処理において、処理対象の情報は支援指示情報であると判別したとする。この場合、制御部302は、処理対象の当該支援指示情報に含まれる画像データを表示部306に供給することにより、当該画像データに応じた画像を表示部306に表示し、車掌に対して警告放送(支援放送)の実施を促す(ステップS405)。この場合、例えば、「優先者が優先席に着席できるように警告放送を行って下さい。」といった表示メッセージも含めて表示する。
これにより、例えば、表示された画像データが、図4に示した画像である場合には、例えば、「横ストライプのシャツを着て、優先席でゲーム機を操作されているお客様、優先席を必要とれているお客様がいらっしゃいます。優先席をお譲りいただけますようにお願い致します。」といった、該当する非優先者の外観を含めた警告放送を行うことができる。
そして、制御部302は、操作部304を通じて車掌からの操作入力を受け付ける(ステップS406)。この実施の形態において、電車の車掌Cdは、ステップS405の画像表示に応じて警告放送を行うと、警告放送を行ったことを示す所定の操作入力を通信装置3に対して行うようになっている。そして、制御部302は、ステップS406において、所定の操作入力を受け付けたか否かを判別し(ステップS407)、所定の操作入力を受け付けていないと判別したときには、ステップS406からの処理を繰り返す。
また、ステップS404の判別処理において、当該情報は支援指示情報ではないと判別したとする。この場合、制御部302は、当該情報は支援完了情報であるか否かを判別する(ステップS408)。ステップS408の判別処理において、処理対象の当該情報は、支援完了情報であると判別したときには、制御部302は、処理対象の当該支援完了情報の内容を表示部306に表示するなどして車掌に通知する(ステップS409)。ステップS409の処理は、通信装置3に音声出力部とスピーカを搭載し、音声を放音することにより通知することもできる。
そして、制御部302は、当該支援完了情報に対応する支援指示情報を処理済みにする(ステップS410)。上述もしたように、乗客支援装置2からの支援指示情報や支援完了情報には、これらの情報の元になった支援要請情報や解消通知情報の送信元の携帯電話端末1の電子メールアドレスも含められている。このため、当該携帯電話端末1の電子メールアドレスによって、支援指示情報と支援完了情報の対応付けを行うことができる。そして、支援完了情報と対応付けられた支援指示情報には、例えば完了フラグを更新するなどして、処理済みとされる。なお、ステップS409とステップS410の間に車掌の確認入力を求めるようにし、車掌が支援完了情報の内容を確実に認識できるようにすることも可能である。
そして、ステップS407において、警告放送後に行われる所定の操作入力を受け付けたと判別した場合と、ステップS410の処理の後と、ステップS408の判別処理において、当該情報は支援完了情報ではないと判別したときには、次に処理対象とすべき受信情報が有るか否かを判別する(ステップS411)。このステップS411の判別処理は、受信情報ファイル305に格納されている全ての支援指示情報を処理したか否かを判別する処理である。すなわち、ステップS411の判別処理を行なうのは、既に受信情報ファイル305に格納されている支援指示情報であって、処理済みになっていない支援指示情報があるときには、当該処理済みになっていない支援指示情報に応じた警告放送を繰り返し行うためである。
ステップS411の判別処理において、処理済みになっていない支援指示情報があると判別したときには、受信情報ファイル305に格納され、処理済みになっていない支援指示情報であって、次に処理すべき支援指示情報を処理対象に位置付ける(ステップS412)。この後、ステップS404からの処理を繰り返す。また、ステップS411の判別処理において、処理済みになっていない支援指示情報はないと判別したときには、ステップS401からの処理を繰り返し、新たにメールサーバ8に蓄積された電子メールについての処理を行う。
この図7の処理により、当該通信装置3が搭載された電車の車掌に対して、優先者の携帯電話端末1からの支援要請情報に応じて、警告放送を行うことを指示できる。また、警告放送後に、優先者が優先席を利用できるようになったときには、これが通信装置3にも通知されるので、電車の車掌は、優先者が優先席を利用できるようになったことを知ることができる。
[実施の形態の効果]
上述したように、電車100に乗車した優先者Prは、優先席を非優先者が利用していて利用できない場合に、当該非優先者の画像データと、現在位置と、現在日時とを、簡単な操作で車両運行会社の乗客支援装置2に送信できる。これにより、乗客支援装置2が、当該優先者Prが乗車している電車を特定し、当該電車の車掌に対して、優先者Prが優先席を利用することができるように、車内放送により支援することを指示できる。また、当該電車の車掌は、乗客支援装置2からの指示に応じて、車内放送を行うことにより、優先者Prが優先席を利用できるように支援することができる。
そして、優先者Prはいつも自分が用いている携帯電話端末1を通じて支援要請を行うことができ、車両運行会社も乗客支援装置2を設ければよく、運行している全ての電車の各車両の優先席やその近傍に、新たな機器を設ける必要もない。したがって、多数の電車を運行する大規模な車両運行会社においても、時間、手間、コストをかけることなく、この実施の形態の優先席利用支援システムを構築できる。
[変形例等]
なお、上述した実施の形態においては、支援指示情報に応じて行う車内放送(警告放送)は、非優先者画像に基づいた身体的な特徴や外観の特徴を含めて、車掌が肉声で行うようにしたが、これに限るものではない。定型的な合成音声や録音音声を用いて車内放送を行ってもよい。
また、支援指示情報に含まれる非優先者の画像データによる画像から、非優先者が明らかに外国人であると判断される場合には、日本語の他に、英語、中国語、韓国語等の外国語でも警告放送を行うこともできる。外国語で警告放送を行う場合には、外国語の警告用の合成音声や録音音声を用意しておけばよい。もちろん、車掌等の乗務員が肉声で警告放送を外国語で行ってもよい。
また、上述した実施の形態においては、撮影時に現在位置と現在日時とを取得するものとして説明したが、必ずしも撮影時に取得しなくてもよい。すなわち、現在位置と現在日時とは、非優先者の画像を撮影してから支援要請情報を送信するまでの間のいずれかの時点において取得し、これを支援要請情報に含めるようにすればよい。
また、上述した実施の形態においては、優先者Prの携帯電話端末1から送信する支援要請情報には、非優先者の画像撮影時に時間制御部105から取得した現在日時を含めるようにしたが、これに限るものではない。現在日時として、支援要請情報の送信日時を用いるようにしてもよい。また、運行されている車両が少ない小規模な車両運行会社の場合には、撮影時の現在日時を用いるまでもなく、撮影時の現在位置に基づいて、支援要請情報を送信してきた携帯電話端末1の使用者が乗車している電車等を特定することができる。
また、この発明が用いられ場合には、非優先者が優先席を占拠している状態にあるので、通常の携帯電話網を通じてのインターネット接続により、優先者Prの携帯電話端末1から乗客支援装置2への通信を行うようにしても問題は少ないと考えられる。しかし、優先席付近からの通信になることを考慮すると、Wi−Fi(Wireless Fidelity)などと呼ばれるIEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN通信設備を通じて通信を行うことが望ましい。Wi−Fiは使用周波数帯域が高く、出力する信号も微弱であり、心臓ペースメーカー等の医療機器に影響を与えないためである。
また、Wi−Fiを利用する場合には、各車両に設置する無線LAN通信設備(アクセスポイント)に異なるSSID(Service Set Identifier)を設定しておく。これにより、SSIDを用いて、電車のみならず、何両目の無線LAN通信設備と通信を行ったのかをも特定できるので、車両(何両目か)をも特定して、警告放送を行うこともできる。
また、優先者の携帯電話端末1において、例えば、一定周期で現在位置を取得して保持しておき、非優先者の画像撮影時点から一定期間分の過去の現在位置を支援要請情報に含めて送信してもよい。このようにした場合には、優先者の移動の軌跡を把握できる。これにより、例えば、異なる鉄道会社が運行する電車が並走している場所や異なるバス会社が路線バスを運行しているエリアなどにおいても、優先者が利用している交通機関(電車やバスなど)は、どの会社のどの電車やバスであるかをより正確に特定することができる。
また、例えば、乗客支援装置2が目的とする電車の通信装置3に対して支援支持情報を送信した後、乗客支援装置2から当該支援支持情報の元になった支援要請情報の送信元の携帯電話端末1に対して、支援支持を行ったことを通知するようにしてもよい。すなわち、優先者Prの携帯電話端末1と乗客支援装置2とは、必要に応じて相互に通信を行うことができる。
また、上述した実施の形態では、通常の電子メールを用いて通信を行うようにしたが、これに限るものではない。例えば、電話番号により相手先を指定して、テキスト情報や画像データを直接に送る方法を用いたり、車両運行会社のインターネット上のサイトにアクセスして、情報を送信する方法を用いたりすることもできる。また、優先者と車両運行会社とが所定のSNS(Social Networking Service)において、事前に友人関係を成立させている場合には、優先者と車両運行会社とは当該所定のSNSを通じて支援要請情報や解通知情報の投稿と参照とを行うようにしてもよい。もちろん、車両運行会社と各電車等の通信装置との間においても、所定のSNSで友人関係が成立していれば、当該所定のSNSを通じて、支援支持情報や支援完了情報の投稿と参照とを行うようにすることもできる。
また、上述した実施の形態においては、この発明を電車について適用した場合を例にして説明したが、電車に限らず、路線バス、モノレールなど、優先席が設けられている種々の交通機関についてこの発明を適用することができる。例えば、路線バスに適用した場合には、乗客支援装置2から路線バス運転手が用いる通信装置に対して支援指示情報や支援完了情報を送信することになる。この場合、乗客支援装置2の電車特定部206はバス(車両)特定部になる。
また、乗客支援装置2から合成音声により、あるいは、担当者の肉声により、支援指示情報や支援完了情報を電車やバスを特定できるようにして、鉄道無線やバス無線などの業務用無線を通じて送信する場合には、電車やバス側に通信装置3を設ける必要もない。但し、鉄道無線やバス無線などの業務用無線は、送信情報は音声情報であり、また、運行中の全ての電車やバスなどに情報が送信されるため、確実な伝達が難しい場合もあると考えられる。この場合には、不必要な通信を行わないように制限を設けた携帯電話端末やタブレット型PC(パーソナルコンピュータ)等を乗務員に所持させるようにすれば、当該携帯電話端末やタブレットPCを上述した通信装置3として利用できる。
また、車両運行会社によっては、高齢者、妊婦、乳幼児を連れた方、身体に障害を有する方などが優先して利用可能な座席を、「優先席」とはいわずに、「優先座席」、「シルバーシート」、「専用席」、「おもいやりぞーん(ゾーン)」、などという名称を用いている場合もある。しかし、これは単なる名称(呼び名)の違いであり、名称の如何を問わず、所定の優先者が優先して利用できる座席を有する種々の交通機関についてこの発明を適用できることは言うまでもない。
[その他]
なお、上述した実施の形態の説明からも明らかであるように、携帯通信端末の撮影手段の機能は、携帯電話端末1のカメラ部108が実現し、携帯通信端末の現在位置測位手段の機能は、携帯電話端末1のGPS部106およびGPSアンテナ106Atが実現している。また、携帯通信端末の要請形成手段の機能は、携帯電話端末1の主に送信情報形成部109が実現し、携帯通信端末の要請送信手段の機能は、携帯電話端末1の制御部102と無線通信部101とが実現している。
また、乗客支援装置の要請受信手段と指示送信手段の機能は、乗客支援装置2の制御部202と通信I/F201とが実現し、乗客支援装置の運行情報記憶手段の機能は、乗客支援装置2の運行情報DB205が実現している。また、乗客支援装置の特定手段の機能は、乗客支援装置2の電車特定部206が実現し、乗客支援装置の指示形成手段の機能は、乗客支援装置2の支援指示形成部207が実現している。
また、図3、図5に示したフローチャートの処理が、この発明の優先席利用支援方法が適用されたものである。また、図3に示した処理を実行するプログラムが、上述した実施の形態で用いるようにした支援アプリケーションに対応している。したがって、図3に示した処理を実行するプログラムを形成し、携帯電話端末等に搭載することにより、この発明の携帯通信端末を実現できる。
また、図5、図6に示した処理を実行するプログラムが、車両運行会社の乗客支援装置で実行されるプログラムである。したがって、図5、図6に示した処理を実行するプログラムを形成し、これを例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置に搭載することにより、この発明の乗客支援装置を実現できる。また、図7に示した処理を実行するプログラムが、電車等の交通機関に搭載される通信装置で実行されるプログラムである。したがって、図7に示した処理を実行するプログラムを形成し、これを例えば携帯電話端末やタブレット型PCなどの装置に搭載することにより、種々の交通機関で用いられる通信装置を実現できる。
1…携帯電話端末、101…無線通信部、102…制御部、103…記憶装置、104…操作部、105…時間制御部、106…GPS部、106At…GPSアンテナ、107…表示部、108…カメラ部、109…送信情報形成部、110…通信処理部、110R…受話器、110S…送話器、2…乗客支援装置、201…通信I/F、202…制御部、203…記憶装置、204…受信情報ファイル、205…運行情報DB、206…電車特定部、207…支援指示形成部、208…完了情報形成部、209…画像分析部、210…情報公開処理部、3…通信装置、301…無線通信部、302…制御部、303…記憶装置、304…操作部、305…受信情報ファイル、306…表示部、4…マイクロホン、5…車内放送装置、6…スピーカ、7…ネットワーク、8…メールサーバ、100…電車、100P…優先席、200…車両運行会社、Pr…優先者、Cd…車掌

Claims (4)

  1. 優先席が設けられている交通機関の当該優先席を優先的に利用可能な乗客が所持する携帯通信端末と、前記携帯通信端末と通信可能な乗客支援装置とからなる優先席利用支援システムであって、
    前記携帯通信端末は、
    非優先者が優先席を利用している場合に、当該非優先者を撮影する撮影手段と、
    現在位置測位手段と、
    撮影することにより得られた非優先者の画像データと測位された現在位置とを含む支援要請情報を形成する要請形成手段と、
    前記支援要請情報を前記乗客支援装置側に送信する要請送信手段と
    を備え、
    前記乗客支援装置は、
    前記携帯通信端末からの前記支援要請情報を受信する要請受信手段と、
    すくなくとも位置に基づいて個々の交通機関の特定が可能な運行情報を記憶する運行情報記憶手段と、
    受信した前記支援要請情報に含まれる現在位置に基づいて、前記運行情報を参照し、前記支援要請情報を送信してきた携帯通信端末の乗客が利用している交通機関を特定する特定手段と、
    特定した前記交通機関の乗務員に対して、非優先者により利用されている優先席を優先者が利用できるように支援することを指示する支援指示情報を形成す指示形成手段と、
    前記支援指示情報を特定した交通機関に対して送信する指示送信手段と
    を備えることを特徴とする優先席利用支援システム。
  2. 請求項1に記載の優先席利用支援システムであって、
    前記乗客支援装置の前記指示形成手段は、乗客からの支援要請情報に含まれる優先席を利用している非優先者の画像データを含めた支援指示情報を形成することを特徴とする優先席利用支援システム。
  3. 優先席が設けられている交通機関の当該優先席を優先的に利用可能な乗客が所持する携帯端末と、前記携帯通信端末と通信可能な乗客支援装置とからなる優先席利用支援システムで用いられる前記乗客支援装置あって、
    前記携帯通信端末からの支援要請情報を受信する要請受信手段と、
    少なくとも位置に基づいて個々の交通機関の特定が可能な運行情報を記憶する運行情報記憶手段と、
    受信した前記支援要請情報に含まれる現在位置に基づいて、前記運行情報を参照し、前記支援要請情報を送信してきた携帯通信端末の乗客が利用している交通機関を特定する特定手段と、
    特定した前記交通機関の乗務員に対して、非優先者により利用されている優先席を優先者が利用できるように支援することを指示する支援指示情報を形成す指示形成手段と、
    前記支援指示情報を特定した交通機関に対して送信する指示送信手段と
    を備えることを特徴とする乗客支援装置。
  4. 優先席が設けられている交通機関の当該優先席を優先的に利用可能な乗客が所持する携帯通信端末と、前記携帯通信端末と通信可能な乗客支援装置とからなる優先席利用支援システムで用いられる優先席利用支援方法であって、
    前記携帯通信端末においては、
    非優先者が優先席を利用している場合に、撮影手段が当該非優先者を撮影する撮影工程と、
    現在位置測位手段を通じて現在位置を取得する現在位置取得工程と、
    撮影することにより得られた非優先者の画像データと測位した現在位置とを含む支援要請情報を、要請形成手段を通じて形成する要請形成工程と、
    前記支援要請情報を、要請送信手段を通じて前記乗客支援装置側に送信する要請送信工程と
    を有し、
    前記乗客支援装置においては、
    要請受信手段通じて、前記携帯通信端末からの前記支援要請情報を受信する要請受信工程と、
    特定手段が、位置に基づいて交通機関の特定が可能な交通機関の運行情報を記憶する運行情報記憶手段の前記運行情報を、受信した前記支援要請情報に含まれる現在位置に基づいて参照し、前記支援要請情報を送信してきた携帯通信端末の乗客が利用している交通機関を特定する特定工程と、
    非優先者により利用されている優先席を優先者が利用できるように支援することを特定した前記交通機関の乗務員に対して指示する支援指示情報を、指示形成手段が形成す指示形成工程と、
    特定した交通機関の乗務員に対して、前記支援指示情報を指示送信手段が送信する指示送信工程と
    を有することを特徴とする優先席利用支援方法。
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