以下、情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における情報処理システムの概念図である。本情報処理システムは、情報処理装置1と、2以上の端末2a,2b,…と、1以上の移動体3A,3B,…とを備える。なお、以下では、2以上の端末2a,2b,…を特に区別する必要がない場合、単に“端末2”と記す。同様に、1以上の移動体3A,3B,…を区別する必要がない場合、“移動体3”と記す。
情報処理装置1は、例えば、後述するコンピュータシステムなどで実現されるサーバ装置であるが、その種類は問わない。
端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット、モバイルPCなどの携帯端末であるが、その種類は問わない。
移動体3は、通常、不特定多数の人が乗り降りする公共交通の移動体、例えば、電車、バス、飛行機、船などであるが、その種類は問わない。複数の車両を連結した電車の場合は、全車両を一の移動体とみなしてもよいし、個々の車両を一の移動体とみなすことも可能である。
各端末2は、例えば、無線LANまたは携帯電話網を介してインターネットに接続するための無線通信モジュールを有しており、インターネットを介して情報処理装置1と接続され、情報処理装置1を介して他の端末2と通信を行うことができる。また、各端末2は、例えば、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)等の近距離無線通信を行うための近距離無線通信モジュールをさらに有する。各移動体3にも同様の近距離無線通信モジュールが設けられており、各移動体3は、当該移動体3内の各端末2と通信可能である。または、移動体3内に複数のタグを配置したり、ユーザが端末2をタグにかざしたりすることで、より近距離の無線通信方式であるNFC、RFID等も利用可能である。
なお、各移動体3は、例えば、上記のようにして近距離無線通信が可能となった端末2を介して、情報処理装置1に、当該移動体3を識別する移動体識別子(以下“移動体ID”と記す場合がある)などの情報を送信することもできる。または、インターネットに接続するための無線通信モジュールを各移動体3にも設ければ、各移動体3は、端末2を介さずに、情報処理装置1に同様の情報を送信可能になる。
図2は、情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。情報処理装置1は、受信部11、処理部12、格納部13、送信部14を備える。
受信部11は、例えば、端末2、移動体3等の外部装置から情報を受信する。受信部11は、第一受信部111、第二受信部112、第三受信部113を備える。
処理部12は、例えば、受信部11が受信した情報、格納部13に格納されている情報などを利用した処理を行う。処理部12は、構成部121、識別子取得部122、関連情報取得部123、検知部124、削除部125、速度取得部126を備える。なお、情報の内容や処理の詳細については、後述する。
格納部13には、例えば、処理部12が処理を行うための情報、処理部12の処理結果などが格納される。格納部13は、第一格納部131、第二格納部132、第三格納部133を備える。
送信部14は、例えば、処理部12の処理結果、格納部13に格納されている情報などを外部装置に送信する。
第一受信部111は、一の移動体3内に存在する2以上の各端末2から端末2を識別する端末識別子(以下“端末ID”と記す場合がある)を有する端末情報を受信する。
例えば、図1に示されるように、移動体3A内に3台の端末2a,端末2b,端末2cが存在する場合、第一受信部111は、端末2aから端末2aを識別する端末ID“a”を有する端末情報を受信し、端末2bから端末2bを識別する端末ID“b”を有する端末情報を受信し、端末2cから端末2cを識別する端末ID“c”を有する端末情報を受信する。また、移動体3B内に1以上の端末2d,…が存在する場合、第一受信部111は、端末2dから端末2dを識別する端末ID“d”を有する端末情報を受信し、他の各端末2からも同様の端末情報を受信する。
端末情報は、端末IDに加えて、端末2の位置を示す端末位置情報をさらに有していてもよい。例えば、端末2aからの端末情報は、端末ID“a”に加えて、端末2aの位置を示す端末位置情報Paをさらに有していてもよい。同様に、端末2bからの端末情報は、端末ID“b”に加えて、端末2bの位置を示す端末位置情報Pbをさらに有していてもよい。他の端末2c,2d,…からの端末情報も同様に、端末ID“c”,“d”,…に加えて、端末位置情報Pc,Pd,…をさらに有していてもよい。
または、端末情報は、端末IDに加えて、端末2が存在する移動体3を識別する識別子であり、当該端末2が当該移動体3から受信した識別子である移動体IDをさらに有していてもよい。例えば、端末2aからの端末情報は、端末ID“a”に加えて、端末2aが存在する移動体3Aを識別する識別子であり、端末2aが移動体3Aから受信した識別子である移動体ID“A”をさらに有していてもよい。端末2b,2cからの端末情報も同様に、端末ID“b”,“c”に加えて、端末2b,2cが存在する移動体3Aを識別する識別子であり、端末2b,2cが移動体3Aから受信した識別子である移動体ID“A”をさらに有していてよい。端末2dからの端末情報は、端末ID“d”に加えて、端末2dが存在する移動体3Bを識別する識別子であり、端末2dが移動体3Bから受信した識別子である移動体ID“B”さらに有していてもよい。
第一受信部111が受信した端末情報は、通常、処理部12によって第一格納部131に蓄積される。第一受信部111が受信した1以上の端末情報である端末対応情報は、第一格納部131に格納されている1以上の端末情報の集合であり、具体的には、例えば、端末IDと端末位置情報との対の集合を含む。
第二受信部112は、端末IDと端末2が受け付けたメッセージとを有するメッセージ情報を端末2から受信する。端末2が受け付けたメッセージとは、具体的には、端末2のユーザがキーボードやタッチパネル等の入力デバイスを介して入力したテキストや画像や音声を、後述する端末受付部20が受け付けたものである。受信されたメッセージ情報は、例えば処理部12によって格納部13に蓄積されてもよい。
第二受信部112は、例えば、端末ID“a”と端末2aが受け付けたメッセージとを有するメッセージ情報Maを端末2aから受信する。同様に、端末ID“b”,“c”,“d”,…と、端末2b,2c,2d,…が受け付けたメッセージとを有するメッセージ情報Mb,Mc,Md,…を、端末2b,2c,2d,…から受信する。なお、メッセージのデータタイプは問わない。
第三受信部113は、2以上の各移動体3から移動体3を識別する移動体IDと移動体3の位置を示す移動体位置情報とを有する移動体情報を受信する。
第三受信部113は、例えば、移動体3Aから移動体ID“A”および移動体位置情報PAを有する移動体情報を受信し、移動体3Bから移動体ID“B”および移動体位置情報PBを有する移動体情報を受信する。移動体情報は、例えば、端末2を介して受信されても、端末2を通さずに受信されてもよい。
第三受信部113が受信した移動体情報は、通常、処理部12によって第二格納部132に蓄積される。第三受信部113が受信した1以上の移動体情報である移動体対応情報は、第二格納部132に格納されている1以上の移動体情報の集合であり、具体的には、例えば、移動体IDと移動体位置情報との対の集合を含む。
構成部121は、例えば、第一受信部111が受信した2以上の端末情報を用いて、一の移動体3内に存在する2以上の各端末2を識別する端末IDを有する情報であり、一のグループに関する情報であるグループ情報を構成する。構成されたグループ情報は、通常、処理部12によって第三格納部133に蓄積される。構成とは、例えば、識別子、位置情報等といった各種の情報に所定のデータ構造を持たせることをいう。
グループ情報は、例えば、グループを識別するグループ識別子(以下“グループID”と記す場合がある)と、複数の端末IDとの対の集合を含む。グループIDには、移動体IDがさらに対応付いていてもよい。
構成部121は、通常、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が予め決められた条件(以下、単に“条件”と記す場合がある)を満たす場合に、グループ情報を構成する。条件とは、2以上の端末2が同じ移動体3内に存在するための条件である。
構成部121は、例えば、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する端末位置情報が予め決められた条件を満たす程互いに近接した位置を示す場合に、当該2以上の端末情報が有する2以上の端末IDと、一のグループを識別するグループIDとの対を含むグループ情報を構成する。ここでは、グループIDとして、例えば1,2,3,…といった連続番号を用いる。ただし、ユニークになるように生成された識別子であれば、タイプは問わない。
この場合の予め決められた条件とは、例えば、2以上の各端末位置情報の示す位置の間の距離が閾値以下(または閾値未満:以下同様)という条件である。例えば、図1に示した4つの端末2a〜2dの場合、まず、3つの端末2a〜2cに対応する3つの端末位置情報Pa〜Pcから選択される任意の2つの組み合わせに関して、当該2位置間の距離を計算し、計算された3つの距離(すなわち、端末2a・2b間の距離、端末2b・2c間の距離、および端末2c・2a間の距離)のうち、最も長い距離を閾値と比較して、当該距離が閾値以下であれば、3つの端末2a〜2cは一のグループに属すると判断される。
次に、端末2dに対応する端末位置情報Pdと、上記3つの端末位置情報Pa〜Pc各々に関して、当該2位置間の距離を計算し、計算された3つの距離(すなわち、端末2d・2a間の距離、端末2d・2b間の距離、および端末2d・2c間の距離)のうち、最も長い距離を閾値と比較して、当該距離が閾値以下であれば、端末2dも上記一のグループに属すると判断される一方、閾値より大であれば、端末2dは上記一のグループには属さないと判断される。
そこで、構成部121は、上記一のグループに、例えばグループID“1”を付与し、このグループID“1”と、当該グループに属すると判断された3つの端末の端末2a〜2cの端末ID“a”,“b”,“c”との対を含むグループ情報を構成する。
さらには、端末位置情報Pdの示す位置と、上記以外の端末2、例えば端末2eから受信した端末位置情報Peの示す位置との間の距離が閾値以下であれば、構成部121は、端末2dおよび2eは他のグループに属すると判断して、例えば、グループID“2”と2つの端末ID“d”,“e”との対を含むもう一つのグループ情報を構成する。
または、例えば、後述する速度取得部126が端末2の移動速度を示す端末速度情報を取得し、構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する端末位置情報および速度取得部126が取得した端末速度情報が予め決められた条件を満たす程互いに近接した位置および移動速度を示す場合に、上記のグループ情報、すなわち、当該2以上の端末情報が有する2以上の端末IDと、一のグループを識別するグループIDとの対を含むグループ情報を構成してもよい。
この場合の予め決められた条件は、例えば、2以上の各端末位置情報の示す位置の間の距離が閾値以下(または未満)、かつ、当該2以上の各端末速度情報の示す速度の間の速度差が閾値以下(または閾値未満)という条件である。構成部121は、例えば、グループID“1”と、かかる条件を満たした2以上の端末位置情報に対応する2以上の端末IDとの対を含むグループ情報を構成する。
または、例えば、構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の端末情報が有する2以上の端末IDおよび2以上の端末位置情報の間の対応を示す端末対応情報と、第三受信部113が受信した2以上の移動体情報が有する2以上の移動体IDおよび2以上の移動体位置情報の間の対応を示す移動体対応情報とを用いて、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する端末位置情報が、第三受信部113が受信した移動体情報が有する移動体位置情報に対して予め決められた条件を満たす程近接した位置を示す場合に、当該2以上の端末情報が有する2以上の端末IDと、当該移動体情報が有する移動体IDと、一のグループを識別するグループ識別子との対を含むグループ情報を構成してもよい。
この場合の予め決められた条件は、例えば、2以上の各端末位置情報の示す位置および移動体位置情報の示す位置の間の距離が閾値以下(または未満)という条件である。構成部121は、例えば、グループID“1”と、かかる条件を満たした2以上の端末位置情報に対応する2以上の端末IDおよび移動体位置情報に対応する移動体IDとの対を含むグループ情報を構成する。
または、例えば、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が、端末IDに加えて、端末2が移動体3から受信した移動体IDをさらに有する場合、構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する移動体IDが同一である場合に、当該2以上の端末情報が有する2以上の端末IDと、当該同一の移動体IDと、一のグループを識別するグループIDとの対を含むグループ情報を構成してもよい。
例えば、第一受信部111が受信した2以上の端末情報が同一の移動体識別情報を含む場合、構成部121は、グループID“1”と、当該2以上の端末位置情報に対応する2以上の端末IDと、当該同一の移動体位置情報に対応する移動体IDとの対を含むグループ情報を構成する。
識別子取得部122は、第二受信部112が受信した端末IDと対になる1以上の端末IDを、グループ情報から取得する。対になるとは、通常、同じグループに属することである。
関連情報取得部123は、構成部121が構成したグループ情報を用いて、一の移動体3内で実現された通信可能なグループまたは当該一の移動体3に関する関連情報を取得する。
関連情報とは、例えば、当該グループに属する端末数(人数)、人数の増減(例えば「一人加わった」、「二人出て行った」等)、当該グループが乗っている移動体3に関する情報(例えば「○○行き普通列車」等)などである。
取得とは、例えば、グループ情報に含まれる端末IDを計数して、当該グループに属する端末2の数(人数)を求めたり、求めた端末数の変化から乗降した人数を計算したり、グループ情報に含まれる移動体IDを参照して、これに対応する移動体3から行き先、到着予定時刻、遅延等に関する情報を受信したりすることなどである。
すなわち、関連情報の取得先は、例えば、グループ情報、グループ情報から計算された結果に関する結果情報、またはこれらを格納している格納部13やその他の記録媒体、あるいは、端末2、移動体3や鉄道会社のサーバ等の外部装置などである。ただし、関連情報の内容や取得先は問わない。また、関連情報は、格納部13に格納されてよい。
検知部124は、端末2が移動体3から離れたことを検知する。
具体的には、例えば、端末2が、移動体3内では端末IDおよび移動体IDを有する端末情報を連続して(例えば定期的または不定期的に)送信し、移動体3外では端末IDを有し移動体IDを有さない端末情報を定期的に送信する前提で、検知部124は、定期的に受信される端末情報から移動体IDが検出されない状態が一定期間以上継続したとき、当該端末情報が有する端末IDで識別される端末2を離脱したものとして検出する。
または、構成部121が、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する端末位置情報が予め決められた条件を満たす場合に、グループ情報を構成する状況では、検知部124は、条件を満たさなくなった端末2を離脱したものと見なして検知してもよい。
あるいは、例えば、端末2が、移動体3内では端末情報を定期的に送信し、移動体3外では端末情報を送信しない場合には、検知部124は、端末情報が定期的に受信されている状態から、端末情報が受信されない状態に移行したとき(すなわち、端末情報が一定期間以上受信されないとき)、当該端末IDで識別される端末2は離脱したと見なし得る。
削除部125は、検知部124が検知した端末2の端末IDをグループ情報から削除する。例えば、上述のように、グループID“1”と3つの端末ID“a”,“b”,“c”との対を含むグループ情報が構成部121によって構成された後、検知部124が端末2cの離脱を検知した場合、削除部125は、当該グループ情報から端末ID“c”を削除してよい。
速度取得部126は、2以上の各端末2の移動速度を取得する。移動速度は、例えば、端末位置情報の示す位置の変化から計算可能である。ただし、各端末2が自身の移動速度に関する移動速度情報を例えば端末情報に含めて送信し、速度取得部126は、各端末2から送信された移動速度情報を受信してもよい。
送信部14は、例えば、識別子取得部122が取得した1以上の端末IDで識別される1以上の各端末2に、第二受信部112が受信したメッセージ情報を送信する。
ただし、送信部14は、第二受信部112が受信したメッセージ情報に含まれるメッセージのみを送信してもよい。すなわち、メッセージの送信元である端末を示す端末IDは、他の端末2には必ずしも送信しなくてよい。これは、例えばプライバシー保護などに役立つ。
また、送信部14は、関連情報取得部123が取得した関連情報を、グループ情報が有する2以上の端末IDで識別される2以上の端末2に送信してもよい。
図3は、端末2の構成例を示すブロック図である。端末2は、端末受付部20、端末受信部21、端末処理部22、端末格納部23、端末出力部24、端末送信部25を備える。
端末受付部20は、例えば、キーボードやタッチパネル等の入力デバイスを介してメッセージを受け付ける。
端末受信部21は、例えば、情報処理装置1(送信部14)から送信されたメッセージを受信する。
また、端末受信部21は、例えば、当該端末2(例えば端末2a)が存在する移動体3(例えば移動体3A)から送信された移動体ID(例えば“A”)をさらに受信してもよい。具体的には、端末送信部25が、例えば近距離無線通信モジュールを介して(または無線通信モジュールおよびインターネットを介して)移動体3に移動体IDの要求を送信し、端末受信部21は、要求に応じて移動体3から送信された移動体IDを受信することが可能である。または、移動体3から、例えば近距離無線通信モジュールを介して定期的に移動体IDが送信(マルチキャスト送信)される場合には、端末受信部21は、マルチキャスト送信された端末IDを受信すればよい。
端末処理部22は、例えば、端末受付部20が受け付けたメッセージ、端末受信部21が受信したメッセージ情報またはメッセージ、端末格納部23に格納されている情報などを用いて、所定の処理を実行する。
所定の処理とは、例えば、端末受付部20が受け付けたメッセージを含む情報であって、当該端末2(例えば端末2a)が属するグループ内の他の1以上の端末2(例えば端末2b,端末2c)に送信する情報であるメッセージ情報を作成する処理、端末受信部21が受信したメッセージ情報からメッセージを抽出する処理、メッセージを含む画面の情報である画面情報を作成する処理、端末格納部23に格納されている端末IDを少なくとも有する端末情報を作成する処理などである。ただし、処理の内容は問わない。
端末処理部22が作成する端末情報は、端末IDに加えて、当該端末2の位置(例えば現在位置)に関する端末位置情報をさらに有していてもよい。
または、端末情報は、端末IDに加えて、当該端末2が存在する移動体3(例えば移動体3A)を識別する移動体ID(例えば“A”)をさらに有していてもよい。端末ID、移動体IDとしては、例えばIPアドレスやMACアドレスなどを用いることができるが、種類は問わない。
端末位置情報、移動体位置情報は、例えば緯度・経度等の位置座標を含むが、位置を特定できる情報であれば、種類は問わない。
端末格納部23は、例えば、端末処理部22が上記処理を行うための情報、端末処理部22の処理結果などが格納される。情報とは、例えば、当該端末2(例えば端末2a)を識別する識別子(例えば“a”)、メッセージを受け付けたり表示したりするためのテキストや画像の情報などである。処理結果とは、例えば上記の端末情報、メッセージ情報(またはメッセージ)、画面情報などである。
端末出力部24は、例えば、端末処理部22の処理結果、例えば上記の画面情報などを、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを介して出力する。
端末送信部25は、例えば、端末処理部22の処理結果、例えば上記の端末情報、メッセージ情報などを情報処理装置1に送信する。
例えば、移動体3A内の端末2a,端末2b,端末2cから送信される端末情報は、端末ID“a”,端末ID“b”,端末ID“c”を有する。好ましくは、端末位置情報Pa,端末位置情報Pb,端末位置情報Pcまたは移動体ID“A”,移動体ID“B”,移動体ID“C”をさらに有する。あるいは、この端末情報は、端末ID“a” ,端末ID“b”,端末ID“c”と端末位置情報Pa,端末位置情報Pb,端末位置情報Pcと端末速度情報Va,端末速度情報Vb,端末速度情報Vcとを有していてもよい。
他方、移動体3B内の端末2dから受信される端末情報は、少なくとも端末ID“d”を有し、好ましくは、端末位置情報Pdまたは移動体ID“B”をさらに有する。
また、各端末2から送信されるメッセージ情報は、当該端末2の端末IDと、当該端末2が受け付けたメッセージとを有する。あるいは、この端末情報は、端末ID“d”と端末位置情報Pdと端末速度情報Vdとを有していてもよい。
なお、受信部11、第一受信部111、第二受信部112、第三受信部113、端末受信部21、送信部14は、端末送信部25は、一般に、無線通信手段で実現されるが、放送手段で実現されてもよい。
通常、受信部11、第一受信部111、第二受信部112、第三受信部113、送信部14、端末受信部21、端末送信部25には、例えば、無線LAN等を介してインターネットに接続する無線通信モジュールを用いる。また、端末受信部21、端末送信部25には、無線通信モジュールに加えて、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信モジュールをさらに用いてもよい。
処理部12、構成部121、識別子取得部122、関連情報取得部123、検知部124、削除部125、速度取得部126は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部12等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
格納部13は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。格納部13に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部13で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部13で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部13で記憶されるようになってもよい。
次に、情報処理装置1の動作について図4および図5のフローチャートを用いて説明する。
図4は、情報処理装置1の全体動作を説明するためのフローチャートである。
(ステップS401)最初、処理部12は、終了イベントが発生したか否かを判別する。終了イベントが発生するとは、例えば電源オフ操作が行われたり、終了処理の割り込みが発生したりすることである。終了イベントが発生した場合は動作を終了し、終了イベントが発生していない場合はステップS402に進む。
(ステップS402)処理部12は、端末情報または移動体情報を受信したか否かを判別する。第一受信部111が端末情報を受信したか、または第三受信部113が移動体情報を受信した場合は、ステップS403に進み、いずれも受信していない場合はステップS409に進む。
(ステップS403)処理部12は、端末情報が受信された場合には、当該端末情報を第一格納部131に蓄積し、移動体情報が受信された場合には、当該移動体情報を第二格納部132に蓄積する。かかる蓄積が繰り返されることよって、第一格納部131には、例えば、各端末情報が端末IDと端末位置情報とを有する場合は、端末IDと端末位置情報との対の集合である端末対応情報が格納され、端末情報が端末IDと端末位置情報と端末速度情報とを有する場合は、端末IDと端末位置情報と端末速度情報との対の集合である端末対応情報が格納され、端末情報が端末IDと移動体IDとを有する場合は、端末IDと移動体IDとの対の集合である端末対応情報が格納される結果となる。同様に、第二格納部132には、例えば、各移動体情報が移動体IDと移動体位置情報とを有する場合は、移動体IDと移動体位置情報との対の集合である移動体対応情報が格納される結果となる。
(ステップS404)次に、処理部12は、第一格納部131に2以上の端末IDが格納されているか否かを判別する。第一格納部131に2以上の端末IDが格納されている場合はステップS405に進み、格納されていない場合はステップS401に戻る。
(ステップS405)処理部12は、当該2以上の端末IDに対応する2以上の端末2が一の移動体3内に存在するか否かを判別する。当該2以上の端末IDに対応する2以上の端末2が一の移動体3内に存在すると判別された場合はステップS406に進み、存在していないと判別された場合は、ステップS401に戻る。
具体的には、例えば、第一格納部131において、当該2以上の各端末IDに移動体IDが対応付いている場合、当該2以上の端末IDに対応付いている2以上の移動体IDが互いに対応(例えば一致)していれば、当該2以上の各端末IDに対応する2以上の端末2は一の移動体3内に存在すると判別でき、互いに対応していなければ、一の移動体3内に存在していないと判別できる。
または、例えば、第一格納部131において、当該2以上の各端末IDが端末速度情報と対応付いている場合、当該2以上の端末速度情報の示す速度が互いに対応(例えば一致または近接)していれば、当該2以上の各端末IDに対応する2以上の端末2は一の移動体3内に存在すると判別でき、互いに対応していなければ、一の移動体3内に存在していないと判別できる。
あるいは、例えば、第一格納部131において、当該2以上の各端末IDに端末位置情報が対応付いており、かつ、第二格納部132において、移動体IDに移動体位置情報が対応付いている場合、当該2以上の端末位置情報および当該移動体位置情報の示す併せて3以上の位置が互いに対応(例えば一致または近接)していれば、当該2以上の各端末IDに対応する2以上の端末2は一の移動体3内に存在すると判別でき、互いに対応していなければ、一の移動体3内に存在していないと判別できる。
(ステップS406)構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の端末情報、つまり第一格納部131に格納されている端末対応情報を用いて、一の移動体内3に存在する2以上の各端末2を識別する端末IDを有する情報であり、一のグループに関する情報であるグループ情報を構成する処理(以下“グループ情報構成処理”と記す場合がある)を実行する。ただし、端末情報が端末IDと端末位置情報とを有する場合は、第三受信部113が受信した1以上の移動体情報、つまり第二格納部132に格納されている端末対応情報も用いて、グループ情報が構成される。
図5は、情報処理装置1の一部動作(グループ情報構成処理)の詳細に関するフローチャートである。
このグループ情報構成処理が実行される時点で、第一格納部131には、例えば図6に示すような端末対応情報が格納されている。移動体対応情報は、2以上の端末IDと、当該2以上の端末IDに対応する2以上の端末位置情報とを少なくとも含む。端末対応情報は、当該2以上の端末IDに対応する2以上の端末速度情報、当該2以上の端末IDに対応する2以上の移動体IDをさらに含んでいてもよい。
例えば、1番目の端末ID“a”には、端末位置情報Paが少なくとも対応付いており、端末速度情報Va、端末ID“A”がさらに対応付いていてもよい。同様に、2番目の端末ID“b”には、端末位置情報Pbが少なくとも対応付いており、端末速度情報Vb、端末ID“A”がさらに対応付いていてもよい。
同様に、グループ情報構成処理が実行される時点で、第二格納部132には、移動体対応情報が格納されていてもよい。移動体対応情報は、1以上の移動体IDと、当該1以上の移動体IDに対応する1以上の移動体位置情報とを含む。
例えば、1番目の移動体ID“A”には、移動体位置情報PAが対応付いており、2番目の移動体ID“B”には、移動体位置情報PBが対応付いている。
なお、第一格納部131に格納されている端末対応情報が、端末IDおよび端末位置情報に加えて、端末速度情報または移動体IDをさらに含んでいる場合は、第二格納部132に移動体情報が格納されていなくてもよい。
(ステップS501)構成部121は、端末対応情報に含まれている2以上の端末IDの順序を示す変数iに初期値1をセットする。
(ステップS502)構成部121は、端末対応情報の中に、i番目の端末IDとの間で予め決められた条件を満たす端末IDがあるか否かを判別する。i番目の端末IDとの間で条件を満たす1以上の端末IDがあると判別された場合はステップS503に進み、ないと判別された場合はステップS504に進む。
具体的には、例えば、条件が“2以上の各端末位置情報の示す位置の間の距離が閾値以下(または閾値未満)”である場合、i番目以外の端末IDに対応する1以上の端末位置情報の中に、i番目の端末IDに対応する位置情報との間で当該2位置間の距離が閾値以下であるような端末位置情報が1つでも含まれていれば、構成部121は、i番目の端末IDとの間で条件を満たす端末IDがあると判別し、かかる端末位置情報が1つも含まれていなければ、i番目の端末IDとの間で条件を満たす端末IDはないと判別し得る。
または、例えば、条件が“2以上の各端末位置情報の示す位置の間の距離が閾値以下(または未満)、かつ、2以上の各端末速度情報の示す速度の間の速度差が閾値以下(または閾値未満)”である場合、i番目以外の端末IDに対応する1以上の端末位置情報の中に、i番目の端末IDに対応する端末位置情報との間で当該2位置間の距離が閾値以下であり、かつ、i番目以外の端末IDに対応する1以上の端末速度情報の中に、i番目の端末IDに対応する端末速度情報との間で当該2速度間の速度差が閾値以下であるような端末速度情報が1つでも含まれていれば、構成部121は、i番目の端末IDとの間で条件を満たす端末IDがあると判別し、かかる端末位置情報が1つも含まれていなければ、i番目の端末IDとの間で条件を満たす端末IDはないと判別する。
(ステップS503)構成部121は、i番目の端末IDを第三格納部133に蓄積する。その後、ステップS504に進む。
(ステップS504)構成部121は、変数1をインクリメントする。
(ステップS505)構成部121は、第一格納部131にi番目の端末IDがあるか否かを判別する。第一格納部131にi番目の端末IDがある場合はステップS506に進み、ない場合はステップS502に戻る。
(ステップS506)構成部121は、第三格納部133に2以上の端末IDが格納されているか否かを判別する。第三格納部133に2以上の端末IDが格納されている場合はステップS507に進み、ない場合は図4のフローチャートに戻る。
(ステップS507)構成部121は、当該2以上の端末IDにグループIDを対応付けることによりグループ情報を構成する。その後、図4のフローチャートに戻る。
例えば、第三格納部133に端末ID“a”,“b”および“c”が格納されている場合、当該端末ID“a”,“b”および“c”に対応付けてグループID“1”を蓄積することで、例えば図7に示すようなグループ情報が構成される。
なお、当該2以上の端末IDに対応する2以上の端末2が存在する一の移動体3の移動体IDが特定可能な場合、当該2以上の端末IDには、移動体IDがさらに対応付けられてもよい。
例えば、移動体情報が端末IDと移動体IDとを有し、条件が“2以上の端末情報が同一の移動体識別情報を含む”という条件である場合、かかる移動体IDが特定可能であり、図7の例では、端末ID“a”,“b”および“c”に移動体ID“A”がさらに対応付けられる。
(ステップS407)関連情報取得部123は、構成されたグループ情報を用いて、一の移動体3内で実現された通信可能なグループまたは当該一の移動体3に関する関連情報を取得する。
具体的には、関連情報取得部123は、例えば、グループ情報から、当該グループに属する端末数(人数)を計算したり、人数の増減を求めたりすることができる。また、例えば、グループ情報が移動体IDを含む場合、関連情報取得部123は、これに対応する移動体3等の外部装置から、当該グループが乗っている移動体3に関する情報(例えば、行き先、遅延といった運行情報など)を取得してもよい。
(ステップS408)送信部14は、取得された関連情報を、構成されたグループ情報に含まれている2以上の端末IDに対応する2以上の端末2に送信する。その後、ステップS401に戻る。
(ステップS409)処理部12は、第二受信部112が端末2からメッセージ情報を受信したか否かを判別する。第二受信部112が端末2からメッセージ情報を受信したと判別された場合はステップS410に進み、受信していないと判別された場合は413に進む。
(ステップS410)処理部12は、送信元の端末IDはグループ情報中に存在するか否かを判別する。送信元の端末IDはグループ情報中に存在すると判別された場合はステップS411に進み、存在しないと判別された場合はステップS401に戻る。
例えば、第二受信部112が端末2から端末ID“a”と端末2aが受け付けたメッセージとを有するメッセージ情報Maを受信した場合、処理部12は、送信元の端末ID“a”が第三格納部133のグループ情報中に存在するか否かを判別する。
(ステップS411)識別子取得部122は、第二受信部112が受信した端末IDと対になる1以上の端末IDを、グループ情報から取得する。
具体的には、識別子取得部122は、第二受信部112が受信したメッセージ情報に含まれる端末IDと対になる1以上の端末IDを、第三格納部133のグループ情報から取得する。
例えば、メッセージ情報に端末ID“a”が含まれる一方、グループ情報に端末ID“a”,“b”および“c”が含まれている場合、識別子取得部122は、端末ID“a”と対になる端末ID“b”および“c”を取得する。
(ステップS412)送信部14は、取得された1以上の端末IDに対応する1以上の端末2にメッセージ情報を送信する。その後、ステップS401に戻る。
(ステップS413)検知部124は、例えば、グループ情報中に一定期間以上受信していない端末IDがあるか否かを判別して、グループから離脱した端末2の端末IDを検知する。
具体的には、例えば、グループ情報に端末ID“a”,“b”および“c”が含まれていて、このうち端末ID“c”が一定期間以上受信されていない(第一受信部111が端末ID“c”を最後に受信してから一定期間以上が経過している)とすると、検知部124は、グループ情報中に一定期間以上受信していない端末ID“c”があると判別して、グループから離脱した端末2cの端末ID“c”を検出する。
(ステップS414)削除部125は、検知部124が検知した端末2の端末IDをグループ情報から削除する。
例えば、グループ情報に端末ID“a”,“b”および“c”が含まれており、検知部124が端末2cの離脱を検知した場合、削除部125は、当該グループ情報から端末ID“c”を削除する。その後、ステップS401に戻る。
なお、図4および図5のフローチャートでは、送信部14は、第二受信部112が受信したメッセージ情報を送信しているが、当該メッセージ情報に含まれるメッセージのみを送信してもよい。
以下、本実施の形態における情報処理システムの具体的な動作について説明する。具体例として、端末2a〜2cを携帯した3人のユーザが、一の移動体3A(例えば電車)に乗り合わせた場合の動作を説明する。
(具体例)
図1に示されるように、移動体3Aおよび端末2a〜2cの各々は、移動体A内をカバーする近距離無線通信モジュールを有しており、移動体3Aから、当該移動体3A内に存在する端末2a〜2cに対して、当該移動体3A自身の移動体ID“A”が送信される。
なお、別の移動体3B内(つまり移動体3Aの外部)に位置する端末2dも、同様の近距離無線通信モジュールを有するが、移動体3Aから送信された移動体ID“A”は、端末2dには到達しない。端末2dは、移動体3Bから移動体ID“B”を受信する。
端末2aにおいて、端末受信部21が、移動体3Aから送信された移動体ID“A”を受信し、端末送信部25は、当該端末2a自身の端末ID“a”と、受信された移動体ID“A”とを有する端末情報を、インターネットを介して情報処理装置1に送信する。
端末2b,端末2cにおいても同様の動作が行われ、端末2bからは、端末ID“b”と移動体ID“A”とを有する端末情報が、端末2cからは、端末ID“c”と移動体ID“A”とを有する端末情報が、情報処理装置1に送信される。
なお、端末2dからは、端末ID“d”と移動体ID“B”とを有する端末情報が情報処理装置1に送信される。
情報処理装置1において、第一受信部111が、各端末2a〜2dから送信された端末情報を受信し、処理部12は、受信された端末情報を第一格納部131に蓄積する。これによって、第一格納部131には、例えば図6に示されるような移動体対応情報が格納される結果となる。
構成部121は、移動体対応情報を参照して、3つの端末ID“a”,“b”および“c”に対応する3つの移動体IDがいずれも“A”であるため、端末2a〜2cは一の移動体3A内に存在すると判断して、例えば図7に示されるようなグループ情報を構成する。このグループ情報は、例えば、グループID“1”に対応付けて、第一格納部131から取得した端末ID“a”,“b”および“c”と、同じく第一格納部131から取得した移動体ID“A”とを、第三格納部133に蓄積することにより構成される。
次に、関連情報取得部123は、構成されたグループ情報を用いて、一の移動体3内で実現された通信可能なグループまたは当該一の移動体3に関する関連情報を取得する。例えば、グループ情報から、当該グループ“1”に属する端末数(人数)が3台(3人)であることを計算したり、「一人離脱した」、「二人増えた」といった人数の増減に関する情報を求めたりすることができる。
また、例えば、グループ情報に含まれる移動体ID“A”を用いて、端末2a〜2cのいずれかを介して移動体3Aと通信を行うことにより、または、端末2は介さずに移動体3Aと通信することで、移動体3Aに関する情報(例えば、行き先、遅延といった運行情報など)を取得してもよい。情報の取得先は、移動体3Aとは限らず、例えば、移動体3Aを運行する鉄道会社のサーバなどでもよい。
送信部14は、取得された関連情報を、グループ情報に含まれる端末ID“a”〜“c”に対応する端末2a〜2cに送信する。
端末2a〜2cにおいて、端末受信部21が、情報処理装置1の送信部14から送信された関連情報を受信し、端末出力部24は、受信された関連情報をディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。これにより、例えば図8(A)に示すように、「この列車は○○行き快速です。○○駅付近で信号が故障したため、この先遅れが見込まれます」といった関連情報がディスプレイに表示される。
その後、例えば、端末2aにおいて、端末受付部20が、例えば「最近よく遅れますね」等のメッセージを受け付けると、端末出力部24は、受け付けられたメッセージをディスプレイ等の出力手段を介して出力し、端末送信部25は、端末2aの端末IDと、受け付けられたメッセージとを含むメッセージ情報Maを情報処理装置1に送信する。
情報処理装置1において、第二受信部112が、端末2aから送信されたメッセージ情報Maを受信し、識別子取得部122は、受信されたメッセージ情報Maに含まれる端末ID“a”と対になる端末ID“b”および“c”をグループ情報から取得する。送信部14は、取得された端末ID“b”および“c”に対応する端末2bおよび2cにメッセージ情報Maを送信する。
端末2b,2cにおいて、端末受信部21が、情報処理装置1の送信部14から送信されたメッセージ情報Maを受信し、端末出力部24は、受信されたメッセージ情報Maに含まれるメッセージをディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。これにより、例えば図8(B)に示すように、各端末2のディスプレイに「最近よく遅れますね」といったメッセージが表示される。
続いて、例えば、端末2bにおいて、「次の駅で○○線に乗り換えた方が早く着きますよ」といたメッセージを受け付けると、端末出力部24は、受け付けられたメッセージをディスプレイ等の出力手段を介して出力し、端末送信部25は、端末2bの端末IDと、受け付けられたメッセージとを含むメッセージ情報Mbを情報処理装置1に送信する。
情報処4置1において、上記と同様、第二受信部112がメッセージ情報Mbを受信し、識別子取得部122は端末ID“b”と対になる端末ID“a”および“c”をグループ情報から取得し、送信部14は端末2aおよび2cにメッセージ情報Mbを送信する。
端末2a,2cにおいて、端末受信部21がメッセージ情報Mbを受信し、端末出力部24はメッセージ情報Maに含まれるメッセージを出力する。これにより、例えば図8(C)に示すように、各端末2のディスプレイに「次の駅で○○線に乗り換えた方が早く着きますよ」といったメッセージがさらに表示される。
こうして、例えば、移動体3Aに遅延が生じた場合に、移動体3A内で構成されたグループ“1”に属する端末2a〜2cの間で、上記のようなメッセージの送受信が可能となり、イライラの解消に役立つ。この他、例えば、移動体3内で危険が発生したとき、乗客同士が危険を知らせ合ったり、対応を相談したりすることができ、リスクの低減にも役立つ。
その後、例えば、端末2cのユーザが移動体3Aから降りたとする。これによって、端末2cが移動体3Aから移動体IDを受信できなくなるのに伴い、端末2cから受信される端末情報には、移動体ID“A”が含まれなくなる。
検知部124は、端末2cからの端末情報に移動体ID“A”が含まれていない状態が所定時間以上継続したことを以て、端末2cがグループ“1”から離脱したことを検知する。削除部125は、グループ情報から、離脱した端末ID“c”に関する情報を削除する。これによって、離脱した端末2cにはメッセージが送信されないようにできる。
以上のようにして、移動体3内で動的に通信可能なグループが構成され、当該グループ内でのメッセージの送受信が実現されることで、同じ移動体3に乗り合わせたユーザ間で、例えば、その移動体3の遅延等に関する情報を交換し合ったり、その移動体3で発生した危険を知らせ合ったりすることができるようになる。また、当該移動体3の移動体IDが特定され、当該移動体3に関する情報を含む関連情報の取得および配信が可能になる。
なお、上記の具体例では、各端末情報が、端末IDと、端末2が移動体3から近距離無線通信モジュールを介して受信した移動体IDを有し、第一格納部131において、端末ID“a”〜“c”に同一の移動体ID“A”が対応付いていることにより、端末2a〜2cは移動体3A内に存在していると判別した。端末2dについては、端末ID“d”に別の移動体ID“B”が対応付いていることで、移動体3A内には存在しないと判別できた。
これにより、2以上の端末2が移動体3内に存在するか否かの判別を精度よく行え、当該移動体3の移動体IDも特定できる。しかし、判別方法はこれに限らない。以下に、いくつかの変形例を説明する。
(変形例1)
例えば、各端末情報が端末IDと端末位置情報とを有し、第一格納部131において、端末ID“a”〜“c”に端末位置情報Pa〜Pcが対応付いている場合、当該端末位置情報Pa〜Pcの示す位置が互いに対応(例えば一致または近接)していることにより、端末ID“a”〜“c”に対応する端末2a〜2cは一の移動体3内に存在すると判別できる。
端末2dについては、端末位置情報Pdの示す位置が端末位置情報Pa〜Pcの示す位置に対応していない(例えば閾値以上離れている)ことで、当該移動体3内には存在しないと判別できる。
(変形例2)
好ましくは、各端末情報が端末IDと端末位置情報と端末速度情報とを有し、第一格納部131において、端末ID“a”〜“c”に端末位置情報Pa〜Pcと端末速度情報Va〜Vcとが対応付いている場合、当該端末位置情報Pa〜Pcの示す位置が互いに対応(例えば一致または近接)し、かつ当該端末速度情報Va〜Vcの示す速度が互いに対応(例えば一致または近接)していることにより、端末ID“a”〜“c”に対応する端末2a〜2cは一の移動体3内に存在すると判別できる。
端末2dについては、端末位置情報Pdの示す位置が端末位置情報Pa〜Pcの示す位置に対応していない(例えば閾値以上離れている)こと、および端末速度情報Vdの示す速度が端末速度情報Pa〜Pcの示す速度に対応していない(例えば速度差が閾値以上である)ことで、当該移動体3内には存在しないと判別できる。位置に加えて移動速度も考慮することで、判別の精度が高まり、端末2同士の一時的な接近(すれ違い等)によるグループ構成が効果的に排除される。
なお、変形例1,2において、端末2a〜2cが存在する移動体3の移動体IDを特定するには、例えば端末2a〜2cのいずれかと近距離無線通信モジュールとを介して、または無線通信モジュールを介して、当該移動体3から移動体IDを取得すればよい。移動体IDを特定しない場合は、移動体3に近距離無線通信モジュールも無線通信モジュールも設ける必要がないので、本情報処理システムの構成が簡単になる。
(変形例3)
あるいは、例えば、各端末情報が端末IDと端末位置情報とを有し、第一格納部131において、端末ID“a”〜“c”に端末位置情報Pa〜Pcが対応付いており、かつ、各移動体3から移動体IDと移動体位置情報とを有する移動体情報が無線通信モジュールを介して送信され、第二格納部132において、移動体ID“A”に移動体位置情報PAが対応付いている場合、端末位置情報Pa〜Pcおよび移動体位置情報PAの示す併せて4つの位置が互いに対応(例えば一致または近接)していることにより、端末2a〜2cは移動体3A内に存在すると判別してもよい。
端末2dについては、端末位置情報Pdの示す位置が端末位置情報Pa〜Pcおよび移動体位置情報PAの示す位置に対応していない(例えば閾値以上離れている)ことで、移動体3A内には存在しないと判別できる。
以上、本実施の形態によれば、第一受信部111が、一の移動体3内に存在する2以上の各端末2から端末2を識別する端末IDを有する端末情報を受信すると、構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の端末情報を用いて、一の移動体3内に存在する2以上の各端末2を識別する端末IDを有する情報であり、一のグループに関する情報であるグループ情報を構成する。第二受信部112が、端末IDとメッセージとを有するメッセージ情報を端末から受信すると、識別子取得部122は、第二受信部112が受信した端末IDと対になる1以上の端末IDをグループ情報から取得し、送信部14は、識別子取得部122が取得した1以上の端末IDで識別される1以上の各端末2に、第二受信部112が受信したメッセージ情報に含まれるメッセージを送信するので、同一の移動体3内の2以上の端末2間で、動的に通信可能なグループを構成し、当該グループ内でのメッセージの送受信を実現できる。
その結果、同じ移動体3に乗り合わせたユーザ間で、例えば、その移動体3の遅延等に関する情報を交換し合ったり、その移動体3で発生した危険を知らせ合ったりできるようになる。
また、端末情報が、端末IDに加えて、端末2の位置を示す端末位置情報をさらに有する場合、構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する端末位置情報が予め決められた条件を満たす程互いに近接した位置を示す場合に、当該2以上の端末情報が有する2以上の端末識別子と、一のグループを識別するグループIDとの対を含むグループ情報を構成するので、端末IDと端末位置情報との対の集合を用いて、互いに対応した位置を有する2以上の端末2を一の移動体3内に存在すると見なすことで、2以上の端末IDとグループIDとの対を含むグループ情報を構成できるようになる。
また、速度取得部126が、2以上の各端末2の移動速度を取得する場合、構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する端末位置情報および速度取得部126が取得した移動速度が予め決められた条件を満たす程互いに近接した位置および移動速度を示す場合に、グループ情報を構成するので、端末IDと端末位置情報と移動速度との対の集合を用いて、互いに近接した位置および移動速度を有する2以上の端末2を一の移動体3内に存在すると見なすことで、2以上の端末IDとグループIDとの対を含むグループ情報を構成できるようになる。
また、第三受信部113が、一の移動体3から移動体3を識別する移動体IDと移動体3の位置を示す移動体位置情報とを有する移動体情報を受信する場合、構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する端末位置情報が、第三受信部113が受信した移動体情報が有する移動体位置情報に対して予め決められた条件を満たす程近接した位置を示す場合に、当該2以上の端末情報が有する2以上の端末IDと、当該移動体情報が有する移動体IDと、一のグループを識別するグループIDとの対を含むグループ情報を構成するので、移動体IDと移動体位置情報との対の集合、および端末IDと端末位置情報との対の集合を用いて、一の移動体3の位置に近接した位置を有する2以上の端末2を当該移動体3内に存在すると見なすことで、2以上の端末IDと移動体IDとグループIDとの対を含むグループ情報を構成できるようになる。
また、端末情報が、端末IDに加えて、移動体3を識別する識別子であり、端末2が移動体3から受信した識別子である移動体IDをさらに有する場合、構成部121は、第一受信部111が受信した2以上の各端末情報が有する移動体IDが同一である場合に、当該2以上の端末情報が有する2以上の端末IDと、当該同一の移動体IDと、一のグループを識別するグループIDとの対を含むグループ情報を構成するので、端末IDと移動体IDとの対の集合を用いて、同一の移動体IDに対応する2以上の端末IDと、当該同一の端末IDと、一のグループを識別するグループIDとを含むグループ情報を構成できるようになる。
また、検知部124が、端末2が移動体3から離れたことを検知し、削除部125は、検知部124が検知した端末2の端末IDをグループ情報から削除するので、移動体3から離脱した端末2の端末IDをグループ情報から削除できるようになる。
また、関連情報取得部123が、グループ情報を用いて、一の移動体3内で実現された通信可能なグループまたは当該一の移動体3に関する関連情報を取得し、送信部14は、関連情報を、グループ情報が有する2以上の端末IDで識別される2以上の端末2に送信するので、関連情報をグループ内の各端末2に送信できるようになる。
また、移動体3は、公共交通の移動体、例えば電車、バス、飛行機、船のうちのいずれかであり、同一の電車内、バス内、飛行機内、船内に位置する2以上の端末2間で、動的に通信可能なグループを構成し、当該グループ内でのメッセージの送受信を行えるようになる。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアを記録媒体に記録して流布してもよい。なお、本実施の形態における情報処理装置1を実現するソフトウェアは、コンピュータ(例えば、図9に示すコンピュータシステム900におけるコンピュータ901)を、上記各部として機能させるためのプログラムである。
図9は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による情報処理装置1を実現するコンピュータシステム900の一例を示す図である。図9において、コンピュータシステム900は、CD−ROMドライブ905と、MPU911と、ROM912と、RAM913と、ハードディスク914と、バス915とを備える。CD−ROMドライブ905には、CD−ROM921が装着される。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。図9に示した各構成要素は、公知であるので、説明を省略する。この実施の形態では、MPU911、ROM912、RAM913、ハードディスク914、バス915およびCD−ROMドライブ905を「コンピュータ901」と呼ぶ場合がある。ただし、これに限らず、例えば、MPU911およびメモリ(ROM912,RAM913)をコンピュータと呼んでもよいし、MPU911をコンピュータと呼んでも構わない。コンピュータシステム900は、例えばモバイルPCであるが、スマートフォンやタブレットでもよく、種類は問わない。スマートフォンやタブレットの場合、キーボード902は、例えばタッチパネルに置き換えられ、ハードディスクは、例えばフラッシュメモリに置き換えられ、CD−ROMドライブ905およびCD−ROM921は、例えばメモリカードスロットおよびメモリカードに置き換えられる。ここで挙げた各構成要素も、公知であるので、説明を省略する。なお、上で挙げたハードウェア構成は例示に過ぎず、本発明を何ら限定するものではないことは言うまでもない。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(受信部11、送信部14等)は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。