JP5873963B2 - 音響スピーカー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、音響スピーカー装置に関するものである。
近年、音響機器の小型化が進むとともに、スピーカーシステムも小型・薄型化が進められてきている。しかし、小型スピーカーではスピーカーキャビネットの容積が小さいため低音域の再生が困難であるという課題を有している。
スピーカーに電気信号が印加されるとスピーカーの振動によりキャビネット内の空気が圧縮され、これが空気バネとなってスピーカーの動きを妨げるが、キャビネット容積が小さい程この影響が大きく発現し、特に低音領域において音圧レベルが低下し、最低共振周波数が高まるためである。
そこで、小型スピーカーシステムの短所である低音域の再生限界を高める様々な技術が提案されている。
例えば、スピーカーキャビネットの壁面に複数の音響フィンが傾斜して取り付けられ、音響フィンの終端に開口部を設けた構成とすることにより、低音域の量感を増す技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、スピーカーキャビネット内に活性炭などの吸着材を配設し、活性炭が、スピーカーの振動により発生するキャビネット内の気体の圧縮・膨張を急速に吸着・脱離することにより、キャビネット内の圧力変動を抑制し、低音部における音質レベルの低下を防ぐ技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、同様にスピーカーキャビネット内に活性炭を配設する場合、活性炭が水分を含まないことが望ましいとして、少なくとも部分的に疎水性であるか、疎水性になるよう処理された活性炭を適用する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、一方で、有機物にゼオライトを混錬したものをフィルム状に加工し、アンモニア、水分、炭酸ガスなどを吸着除去する技術が多数提案されている。
例えば、アンモニアや、硫化水素を吸着するように、ゼオライト系吸着剤を1から50重量%配合した合成樹脂をフィルム状に押出した後、延伸させたフィルム状気体吸着剤が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、アルミ箔及びPE(ポリエチレン)フィルムをラミネートした多層フィルムの周囲をヒートシールして袋状にし、その内部に骨材として粉末のシリカなどを充填し内部を真空排気後、開口部をヒートシールした真空断熱材において、前記PETフィルムとPEフィルムにゲッター剤としてゼオライトや活性炭を混練し、外部から侵入する水分、炭酸ガスがフィルム内に侵入する前に吸着させる技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2008−79268号公報 特表昭60−500645号公報 特表2004−537938号公報 特開昭63−256133号公報 特開平7−103389号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、音響フィンの設置空間を必要とするため、小型・薄型スピーカーには適さない場合がある。
また、特許文献2の構成においては、乾燥した環境下では、活性炭は、スピーカーの振動により発生するキャビネット内の気体の圧縮・膨張を急速に吸着・脱離することができるが、高湿環境では、水分子が活性炭の細孔に吸着することにより吸着飽和し、キャビネット内の空気を吸着しにくくなり、その結果、キャビネット内の圧力変動の抑制に対応できなくなり、音質レベルの低下を招く場合がある。
そのため、キャビネット内のスピーカーと活性炭との間に水分を通さない隔壁を設けることも提案しているが、構造が複雑化するとともに、その設置空間も必要となる。
また、水分吸着による活性炭の吸着飽和を抑制するために、予めキャビネット内へ乾燥ガスを導入しておくことも考えられるが、徐々に大気との置換が生じるため、長期的に効果が持続するものではない。
また、特許文献3に記載の技術は、特許文献2と同様の課題を踏まえて、活性炭細孔内への水分子吸着を抑制したものではあるが、文献に示されており、また一般的な疎水化処理にも用いられている珪素含有化合物による疎水化プロセスは、比較的高価である。また、疎水化処理によっても活性炭の水分子吸着を十分に抑制できないことが我々の検討により明らかとなった。
図1に、吸着容量法によるBELSORP−18(日本ベル社製)にて、活性炭(疎水化未処理)と、表面を疎水化処理した活性炭における25℃の水の吸着等温線を評価した結果を示す。疎水化処理は、特許文献3に準じた方法にて実施し、疎水化材としてヘキサメチルジシロキサンを用いた。
図1は、横軸に水の吸着平衡圧を、縦軸に水の吸着量を示しており、活性炭(疎水化未処理)と、表面を疎水化処理した活性炭のそれぞれに低圧から水(気体状態)を接触させ、吸着を開始する水分圧から25℃の飽和水分圧である3169Pa付近において、吸着平衡に達する水分量を定量したものである。
図1より、疎水化未処理活性炭では、吸着開始圧が80Paであり、平衡水分圧が1000Paを越える付近から急激に吸着量が増大し、3169Pa付近での吸着量は750ml/gにまで達することがわかる。
また一方で、疎水化処理した活性炭では、未処理活性炭と同様に吸着開始圧は80Pa、平衡圧が1500Paを越える付近から急激に吸着量が増大する傾向も変化はなく、1000Pa以上の吸着量のみが低減することがわかった。
ここで、水の平衡圧1000Paについて、説明を加える。一例として大阪の平均気温、平均相対湿度から算出した年間水分圧変化を図2に示す。
図2より、大阪においては概ね4月から11月の期間において、水分圧が1000Pa
以上となることがわかり、1000Paの水分圧は、スピーカーの使用環境として一般的な環境であるといえる。
よって、疎水化未処理活性炭、表面を疎水化処理した活性炭ともに、水分圧1000Pa近傍にて急激な水吸着が生じることは、通常の使用環境において、活性炭が、キャビネット内の気体の圧縮・膨張を急速に吸着・脱離する機能に対する課題であると考える。
よって、活性炭による低音再生能力改善効果を発現するためには、音響スピーカー装置のキャビネット内の水分圧を1000Pa以下に抑制し、活性炭に水分を吸着させないことが重要と考える。
一方で、有機物に単にゼオライトを混錬したものをフィルム状に加工したものでは、大容量に水を吸着できるものではなく、音響スピーカー装置にとって、最も問題になる気体である水分を1000Pa以下まで吸着除去することはできない。
そこで、ゼオライトを高活性化することにより大容量に気体を吸着できるように、ゼオライトにイオン交換などにより金属イオンを導入する方法が考えられるが、樹脂成分を基材としたシート状成形の場合は、製造条件によっては、導入した金属イオンが、その触媒作用により、基材となる樹脂成分を侵食し、成形を阻害することがあることが、我々の検討により判明した。
例えば、特許文献4にて提案されているゼオライト含有フィルムは、アンモニアおよび硫化水素を吸着対象ガスとしており、ゼオライトの型、及び、ゼオライトに導入されている陽イオンの種別の限定はなく、ゼオライトの添加量を規定しているのみである。
また、フィルム化工程の加熱温度は、樹脂としてポリプロピレンを用いた実施例において230℃〜250℃とされているが、この条件では、樹脂組成物が金属イオンによる触媒作用により劣化し、フィルムに裂け、割れ、変色が生じる可能性がある。
よって、特許文献4に記載の構成では、音響スピーカー装置のキャビネット内の水を大容量に吸着することに適した構成とは言えない。
また、特許文献5にて提案されている外被材は、PETフィルムとPEフィルムにゲッター剤としてゼオライトや活性炭を混練しているが、水および炭酸ガスを吸着対象ガスとしており、ゼオライトの型、及び、ゼオライトに導入されている陽イオンの種別の限定はない。
また、樹脂との混錬工程の加熱温度は特に指定はないが、大容量に気体を吸着できるように、金属イオンを含み、加熱温度が不適切な場合、樹脂組成物が、金属イオンによる触媒作用により劣化し、フィルムに裂け、割れ、変色が生じる可能性がある。
よって、特許文献5に記載の構成では、音響スピーカー装置のキャビネット内の水を大容量に吸着することに適した構成とは言えない。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、キャビネット内の圧力変動を抑制し、低音域における音質レベルの低下を防ぐ、小型で、かつ、きわめて優れた低音域再生能力を有する音響スピーカー装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の音響スピーカー装置は、スピーカーユニットが取り付けられるキャビネットの内部に配設するスピーカー装置用気体吸着材料として、少なくとも銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトと熱可塑性樹脂成分とを含むシート状
水分吸着剤と、多孔性炭素材料とを備え、熱可塑性樹脂成分に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトの配合部数を、40重量部以下としたものである。
これにより、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、水に対して高い吸着活性を有する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを含むシート状水分吸着剤が、キャビネット内の水分を迅速に吸着除去し、音響スピーカー装置のキャビネット内を水分圧1000Pa未満に保ち、多孔性炭素材料が、水分を吸着して飽和することを抑制する。
その結果、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に発揮でき、また、シート状水分吸着剤は、音響スピーカー装置に適用する際に、設置に要する空間容積が小さいので、小型音響スピーカー装置の低音域音質を向上することが可能となる。
また、本構成により、熱可塑性樹脂成分に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトの配合部数が適正化され、シート状水分吸着剤は、割れや裂けが生じることなく、1〜10μm厚程度まで薄肉化可能な、十分な強度を有するものとなる。
本発明の音響スピーカー装置は、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、シート状水分吸着剤が、キャビネット内の水分を迅速に吸着除去し、多孔性炭素材料が、水分を吸着して吸着飽和することを抑制するので、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に発揮できる。
また、そのため、多孔性炭素材料に高価な疎水化処理を施す、キャビネット内へ乾燥ガスを導入する、などの工数を排除できるものである。
また、水分吸着剤がシート状であるため、キャビネット内壁に設置することができ、設置に要する空間容積が小さく、音響スピーカー装置の一層の小型化が可能となる。
活性炭と疎水化処理を施した活性炭における水吸着等温線を示す特性図 大阪の年間水分圧変化を示す特性図 本発明の実施の形態1における音響スピーカー装置の模式断面図 同実施の形態の音響スピーカー装置に用いたシート状水分吸着剤の断面図 同実施の形態の音響スピーカー装置に用いたシート状水分吸着剤における水吸着等温線を示す特性図 同実施の形態の音響スピーカー装置における音圧測定結果を示す特性図
第1の発明は、少なくとも、キャビネットと、前記キャビネットに取り付けられたスピーカーユニットと、前記キャビネット内部に配設されたスピーカー装置用気体吸着材料とを有する音響スピーカー装置であって、前記スピーカー装置用気体吸着材料が、少なくとも、多孔性炭素材料と、シート状水分吸着剤とを備え、前記シート状水分吸着剤が、少なくとも銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトと、熱可塑性樹脂成分とを含むものである。
これにより、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、水に対して高い吸着活性を有する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを含むシート状水分吸着剤が、キャビネット内の水分を迅速に吸着除去し、音響スピーカー装置のキャビネット内を水分圧1000Pa未満に保ち、多孔性炭素材料が、水分を吸着して飽和することを抑制する。
その結果、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に発揮でき、また、シート状水分吸着剤は、音響スピーカー装置に適用する際に、設置に要する空間容積が小さいので、小型音響スピーカー装置の低音域音質を向上することが可能となる。
の発明は、特に、第の発明において、シート状気体吸着剤が、加熱成形によって成形され、加熱成型時の熱可塑性樹脂温度が、前記熱可塑性樹脂の軟化温度より60℃高い温度以下であるものである。
シート状水分吸着剤を加熱成形によって成形し、加熱時の熱可塑性樹脂温度を、熱可塑性樹脂の軟化温度より60℃高い温度以下にすることにより、割れや裂けが生じることなく、1〜10μm厚程度まで薄肉化可能な、十分な強度を有するシート状水分吸着剤が容易に作製できる。
の発明は、特に、第の発明において、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが、成形までに予め加熱乾燥処理がなされているものである。
本構成により、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトに予め含まれる水分を脱離させ、さらに常温・低分圧下の大容量水分吸着が可能となる。
の発明は、特に、第の発明において、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが、成形までに予め真空熱処理がなされているものである。
本構成により、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトに予め含まれる水分を脱離させ、水分吸着機能を向上させるとともに、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトに含まれるCu2+をCu+へと還元することで、より高い吸着活性を発現し、水分吸着機能を向上させることができる。その結果、音響スピーカー装置のキャビネット内に存在する水分を一層高度に吸着除去することができる。
の発明は、特に、第1から第のいずれかひとつの音響スピーカー装置において、シート状水分吸着剤を、キャビネット内壁に貼付したものである。
本構成により、設置に要する空間容積が小さく、音響スピーカー装置の一層の小型化が可能となる。
以下、本発明の断熱体の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1における音響スピーカー装置の模式断面図である。
図3に示すように、本実施の形態の音響スピーカー装置1は、スピーカーユニット3が取り付けられるキャビネット2の内部に、多孔性炭素材料4Aとシート状水分吸着剤4B
とからなるスピーカー装置用気体吸着材料を配設している。
ここで、多孔性炭素材料4Aは、通気性を有する不織布の四方シール袋に封入されたものであり、キャビネット2内の床部に配置している。
また、シート状水分吸着剤4Bは、少なくとも銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトと熱可塑性樹脂成分とを含んでおり、キャビネット2の内壁の床面と天面に貼付されている。
図3における音響スピーカー装置1は、密封方式の音響スピーカー装置であるが、特に限定するものではなく、バスレフ式の音響スピーカー装置であっても、低音域の再生効果を必要する音響スピーカー装置であれば利用できる。
図3において、スピーカーユニット3に電気信号を印加するとボイスコイルに圧力が発生し、コーン型振動板を振動させて音が発生する。このコーン型振動板で発生した音圧は、キャビネット2の内部圧力を上昇させる。
本実施の形態では、キャビネット2内には、多孔性炭素材料4Aとシート状水分吸着剤4Bとからなる音響スピーカー装置用気体吸着材料が配設されているため、高湿度下であっても、シート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去し、多孔性炭素材料4Aが、水分を吸着して飽和することを抑制するので、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られることとなる。
その結果、キャビネット2内の圧力変動が抑制され、等価的に大きな容積となるため、音響スピーカー装置1においては、充分な低音域の再生効果が得られ、大容量のキャビネット2を用いた場合と同等の音響効果が得られるものである。
また、水分吸着剤がシート状であるため、キャビネット2内壁に設置することができ、外観を損なうことなく、かつ、設置に要する空間容積が小さく、音響スピーカー装置1の一層の小型化が可能となる。
ここで、多孔性炭素材料4Aとは、特に指定するものではないが、鉱物原料系活性炭、植物原料系活性炭、合成原料系活性炭や、カーボンブラック、カーボンナノチューブなど、主として炭素系材料からなる多孔性構造を有するものである。
安価で、かつ、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られる多孔性炭素材料4Aの材料としては、活性炭が好ましい。また、2種以上の多孔性炭素材料4Aを混合して利用しても良い。
多孔性炭素材料4Aの形状は、特に指定するものではないが、粉末状、ペレット状、繊維状など種々の形状のものを利用することが可能である。粉末状、ペレット状の多孔性炭素材料4Aを用いる場合は、本実施の形態に示すように、通気性を有する袋に封入して使用することも可能である。
一般的な多孔性炭素材料4Aの吸着開始水分圧は、80〜500Pa程度、また、水分を大量に、また、急激に吸着し始める水分圧は、1200〜2000Pa程度であるため、シート状水分吸着剤4Bの水分吸着開始水分圧が、多孔性炭素材料4Aより低いものを用いることによって、多孔性炭素材料4Aの水分吸着をほぼ完全に抑制することが可能である。
図4は、本実施の形態の音響スピーカー装置1に用いたシート状水分吸着剤4Bの断面図である。
図4に示すように、本実施の形態の音響スピーカー装置1に用いるシート状水分吸着剤4Bは、熱可塑性樹脂成分6中に銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5が分散されてシート化されている。
シート状水分吸着剤4Bとしては、少なくとも銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とが含まれていればよく、さらに他の気体吸着剤や、複数の熱可塑性樹脂成分を含んでいてもよい。
またシート状とは、厚さがおおよそ1mm以下、1μm以上のものを指し、幅などは特に指定するものではない。
さらに、本実施の形態で用いるシート状水分吸着剤4Bの作製方法の一例について説明する。
本発明に利用できる熱可塑性樹脂成分6は、特に指定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなど、熱可塑性の樹脂組成物を使用することができる。
はじめに、熱可塑性樹脂成分6の原料ペレットに所定量の銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5を混合する。この混合の際、両者の分散性を向上するための潤滑剤、例えばパラフィンのようなものを使用しても良い。
この熱可塑性樹脂成分6の原料ペレットと、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5との混合物をシート状に成形するために用いる装置としては、特に指定するものではないが、押出し成形機やフィルムキャスト装置などを用いることができる。
ここで、シート状水分吸着剤4Bが、加熱成形によって成形される場合、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下であることとは、一例として、軟化温度が130℃である高密度ポリエチレン(HDPE)では、加熱時の樹脂温度190℃以下を指している。
しかし、ポリエチレン組成物であっても、重合度などにより軟化温度に100〜140℃程度の幅があり、その際は、使用した熱可塑性樹脂成分6ごとの軟化温度を基準として、「軟化温度より60℃高い温度以下」を考慮する。
また、本発明に利用できる銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5は、その細孔径と細孔形状が水吸着に適していることに加え、イオン交換により導入した銅イオンを減圧下での加熱処理により活性化させ、化学的水分吸着に類した挙動で低分圧領域における水分吸着に優れた活性を発現することができるものであり、市販のZSM−5型ゼオライトの銅イオン交換工程と、水洗工程と、乾燥工程のプロセスを経て調製する。
銅イオン交換は、既知の方法にて行うことができるが、塩化銅水溶液や硝酸銅水溶液など銅の可溶性塩の水溶液に浸漬する方法が一般的であり、中でもプロピオン酸銅(II)や酢酸銅(II)などカルボキシラトを含むCu2+溶液を用いた方法で調整されたものは、水分吸着活性が高い。
水洗は、イオン交換後に十分に行う。
次いで、加熱乾燥または減圧下乾燥を行い、表面付着水を除去する。
このように調製された銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5を、熱可塑性樹脂成分6に対し40重量部以下の配合部数としたシート状水分吸着剤4Bでは、割れや裂けが生じることなく、十分な強度を有することができる。
もし、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が、40重量部よりも多い場合は、シート状水分吸着剤4Bに割れや裂けが生じ、外観が損なわれる場合がある。
また、調製された銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5は、そのまま熱可塑性樹脂成分6とともにシート状に成形されてもよいが、調製後、シート状に成形するまでの保管期間に空気中の水分を吸着している場合もあるため、シート状に成形する前に加熱乾燥処理がなされていてもよい。
加熱乾燥することにより、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め含まれる水分を脱離させ、さらに大容量の水分吸着が可能となる。なお、加熱乾燥の条件は、特に指定するものではないが、100℃〜300℃程度の加熱乾燥により、含まれる水分の約90〜95%を乾燥除去することができる。
また、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5は、成形までに真空熱処理がなされていてもよい。
真空熱処理することにより、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め含まれる水分を脱離させることができるとともに、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれるCu2+をCu+へと還元し、より高い水分吸着活性を発現し、水分吸着機能を向上させることができるため、水分吸着量を多く望む用途には、真空熱処理されていることが望ましい。
この際の真空熱処理の条件は、圧力が10mPa以下、好ましくは1mPa以下であり、温度はCu+への還元を進行させるため、300℃以上、好ましくは500℃〜600℃程度である。
また、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5は、粉体状であっても、顆粒状に加工を施してあっても良い。
また、シート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内壁に貼付されていることにより、設置に要する空間容積が小さく、音響スピーカー装置1の一層の小型化が可能となる。
ここで、キャビネット2内壁とは、キャビネット2内側の壁面を指し、音響スピーカー装置1を構成する部材の設置を阻害しない面が望ましい。貼付の方法は特に指定するものではないが、各種接着剤や、両面テープによる貼付などが利用できる。
以上のプロセスを経て作製された、少なくとも銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むシート状水分吸着剤4Bは、大気と接触すると大気中の窒素や酸素などを吸着してしまうが、窒素や酸素より水への吸着活性の方が高いため、窒素や酸素と水との置換が生じ、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去することができる。
その結果、多孔性炭素材料4Aが、水分を吸着して飽和することを抑制し、音響スピー
カー装置1の振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分に発揮できるものである。
ここで、吸着開始水分圧とは、吸着容量法により25℃の条件にて測定した水分吸着等温線において、おおむね0.1ml/g以上の吸着量が測定される平衡圧のことである。0.1ml/g未満の場合は、多孔性炭素材料4Aの水分吸着抑制に対して不十分となり、多孔性炭素材料4Aが、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果を発揮することができない。
以下、本実施の形態について、実施例1から実施例9と、比較例1から比較例3として、シート状水分吸着剤4Bに含まれる樹脂の種類、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の前処理条件などを可変して、押出し成形機にて作製したシート状水分吸着剤4Bの単体評価、および多孔性炭素材料4Aとしてヤシ殻を原料とした活性炭と、シート状水分吸着剤4Bとを適用した音響スピーカー装置1の低音域再生能力の評価を行った結果を、(表1)に示す。
Figure 0005873963
各シート状水分吸着剤4Bについて、外観評価、水分吸着開始圧と、引っ張り強度の評価、製造可能なシートの厚さの評価を実施した。
外観評価については、シート状水分吸着剤4Bの割れや裂けの発生有無、変色を目視にて評価した。
吸着開始水分圧の評価は、気体吸着容量を測定可能なオートソーブ1−C(カンタクロム社製)を用い、25℃条件での水の吸着等温線を測定し、0.1ml/g以上の吸着量が測定される平衡圧として、吸着開始水分圧を求めた。
ここで、水の吸着等温線の測定方法を簡単に説明する。
まず、評価に用いるシート状水分吸着剤4Bの重量を秤量し、既知の容積のサンプル管にサンプルを挿入する。次にサンプル管と、既知の容積のマニホールドとを、開閉部(コック)を介して接続する。そしてマニホールドとサンプル管の温度が測定温度になるように温度調節する。
本実施の形態では25℃で測定しているため、マニホールドを恒温槽に、サンプル管を恒温水槽に入れて温度を一定とする。
次に開閉部を開けた状態でマニホールドとサンプル管との内部を真空にする。この後、開閉部を閉じて、マニホールド内に所定量の水分を導入する。この量は、以上と同じ操作をサンプルがサンプル管に入っていない状態で開閉部を開いたときに所定の圧力になる量である。
例えば後述するように10Paでの吸着量を測定する場合には、マニホールドとサンプル管の容積を基に、マニホールド内に10Paより少し大きな圧力になるまで気体を導入する。
この状態で開閉部を開き、マニホールドからサンプル管へ気体を導入し、所定時間経過後にマニホールド内の圧力を測定する。この時の圧力低下からサンプルに吸着した気体の量を算出し、予め測定しておいたシート状水分吸着剤4Bの重量で除することで、単位重量あたりの吸着容量を求める。
なお、以下の説明において、サンプルに吸着した気体の量は25℃1気圧の標準状態における体積として、吸着容量を表示する。
また、引っ張り強度の評価は、島津社製オートグラフにて、JISK7127に準じて行った。
製造可能なシートの厚さの評価は、以下の手順で行った。シート状水分吸着剤4B作製の際に、当初はシート厚さ300μmの条件にて作製を開始し、割れ、裂けの発生がないかを目視で確認しつつ、徐々にシート厚を薄くしていき、割れ、裂けが発生する直前のシート厚を製造可能なシート厚さとした。
シート厚さは、ミツトヨ製スーパキャリパーにて計測した。本実施例では、厚さ10μmまでの製造を行った。よって、評価結果として10μmが得られた実施例においては、より一層の薄肉化成形が可能であると考える。
音響スピーカー装置1の低音域再生能力の評価は、実施の形態1における音響スピーカー装置1を、夏季を想定した、気温30℃、相対湿度70%、すなわち水分圧2970Paの環境に設置し、音響スピーカー装置1に正弦波1Wの入力を加え、音響スピーカー装置1から1mの距離にて音圧測定を実施した。この評価は、設置直後、および1日後に実施した。表1には、低音域の代表値として、1日後の20dBおよび50dBの計測値を示した。
(実施例1)
実施例1においては、熱可塑性樹脂成分6として、軟化温度130℃のHDPEを使用し、HDPEに対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数は40重量部とした。
また、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5は、予め600℃4時間の真空熱処理を施したものを用い、押出し成形機にて、シート状水分吸着剤4Bを作製した。作製時の樹脂温度は、190℃であった。
このようにして得られたシート状水分吸着剤4Bの水の吸着等温線を図5に示す。図5
より、活性炭では確認されなかった1000Pa以下の領域においても、水吸着が生じていることがわかる。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施の形態1に準じて、スピーカー装置用気体吸着材料は、通気性を有する不織布の四方シール袋に封入された多孔性炭素材料4Aはキャビネット内床部に設置し、シート状水分吸着剤4Bはキャビネット内壁に貼付して作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、特にシートに割れや裂けが生じることなく、また変色も見られなく、良好であった。
これは、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が40重量部以下であるため、シート状水分吸着剤4Bに割れや裂けが生じることなく、十分な強度を有するシート状水分吸着剤4Bが作製できたためである。
また、水分吸着開始圧は3Paであった。実施例1のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
また、後に述べる、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に前処理として200℃4時間の加熱処理を施した実施例2、および、前処理を加えていない同配合部数の実施例6と比較しても、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
これは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め真空熱処理がなされたため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め含まれる水分を脱離させるとともに、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれるCu2+をCu+へと還元し、より高い水分吸着活性を発現できたものと考える。
また、シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、33.1MPa、製造可能なシートの厚さは、10μmであった。押出し成形機による加熱成形によって成形され、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲であるため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が侵食されて銅蝕、すなわち、シート状水分吸着剤4Bに、変色や割れ、裂けが生じることを抑制し、十分な強度を有する薄肉のシート状水分吸着剤4Bが容易に作製できた。
次に、音響スピーカー装置1の音圧測定評価結果を図6に示す。
図6より、スピーカー装置用気体吸着材料を設置したものでは、活性炭のみを設置した比較例1の音響スピーカー装置と比較して、30〜100Hzの低周波数領域において良好な音圧レベルを示すことがわかる。また、設置直後および1日後には、ほとんど変化が見られなかった。
一日後の20Hzおよび50Hzの音圧は、それぞれ54dBおよび69dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、高い値が得られていることがわか
る。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分に発揮できているためであると考える。
以上のことから、本実施例1においては、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料4Aが水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に得られることを確認できた。
(実施例2)
実施例2においては、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5は、予め200℃4時間の加熱乾燥処理を施したものを用い、他の条件は実施例1と同様とした。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、特にシートに割れや裂けが生じることなく、また変色も見られなく、良好であった。
これは、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が40重量部以下であるため、シート状水分吸着剤4Bに割れや裂けが生じることなく、十分な強度を有するシート状水分吸着剤4Bが作製できたためである。
また、水分吸着開始圧は5Paであった。
実施例2のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むものであるため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
また、実施例1より水分吸着開始圧がやや高いが、これは、前処理として200℃4時間の加熱処理を施したため、600℃4時間の加熱処理を施した実施例1のように、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれるCu2+をCu+へと還元することがないためであると考える。
しかしながら、後に述べる同配合部数の実施例6と比較すると水分吸着開始圧が低いことが分かる。これは、前処理として200℃4時間の加熱処理を施したため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め含まれる水分が脱離し、より低圧領域からの水分吸着が可能となったものと考える。
また、シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、33MPa、製造可能なシートの厚さは、10μmであった。
押出し成形機による加熱成形によって成形され、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑
性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲であるため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が侵食されて銅蝕、すなわち、シート状水分吸着剤4Bに、変色や割れ、裂けが生じることを抑制し、十分な強度を有する薄肉のシート状水分吸着剤4Bが容易に作製できた。
また、実施例2における、一日後の音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ53dBおよび67dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、高い値が得られていることがわかる。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分に発揮できているためであると考える。
以上のことから、本実施例2においては、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料4Aが水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に得られることを確認できた。
(実施例3)
実施例3においては、熱可塑性樹脂成分6として、軟化温度160℃のポリプロピレン(PP)を使用し、他の条件は実施例1と同様とした。
作製時の樹脂温度は、200℃であった。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、特にシートに割れや裂けが生じることなく、また変色も見られなく、良好であった。
これは、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が40重量部以下であるため、シート状水分吸着剤4Bに割れや裂けが生じることなく、十分な強度を有するシート状水分吸着剤4Bが作製できたためである。
また、水分吸着開始圧は2Paであった。
実施例3のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むものであるため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
また、前処理として200℃4時間の加熱処理を施した実施例2および、後に述べる銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に前処理を加えていない、同配合部数の実施例6と比較しても、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
これは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め真空熱処理がなされたため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め含まれる水分を脱離させるとともに、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれるCu2+をCu+へと還元し、より高い水分吸着活性を発現できたものと考える。
また、シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、100MPa、製造可能なシートの厚さは、10μmであった。
押出し成形機による加熱成形によって成形され、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲であるため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が侵食されて銅蝕、すなわち、シート状水分吸着剤4Bに、変色や割れ、裂けが生じることを抑制し、十分な強度を有する薄肉のシート状水分吸着剤4Bが容易に作製できた。
また、実施例3における、一日後の音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ55dBおよび69dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、高い値が得られていることがわかる。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分に発揮できているためであると考える。
実施例3のシート状水分吸着剤4Bは、熱可塑性樹脂成分6としてポリプロピレンを適用したものであるが、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
以上のことから、本実施例3においては、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトと熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料4Aが水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に得られることを確認できた。
(実施例4)
実施例4においては、熱可塑性樹脂成分6として、軟化温度225℃のナイロン(Ny)を使用し、他の条件は実施例1と同様とした。
作製時の樹脂温度は、250℃であった。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、特にシートに割れや裂けが生じることなく、また変色も見られなく、良好であった。
これは、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が40重量部以下であるため、シート状水分吸着剤4Bに割れや裂けが生じることなく、十分な強度を有するシート状水分吸着剤4Bが作製できたためである。
また、水分吸着開始圧は2Paであった。実施例4のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むものであるため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
また、前処理として200℃4時間の加熱処理を施した実施例2、および、後に述べる銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に前処理を加えていない、同配合部数の実施例6と比較しても、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
これは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め真空熱処理がなされたため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め含まれる水分を脱離させるとともに、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれるCu2+をCu+へと還元し、より高い水分吸着活性を発現できたものと考える。
また、シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、180MPa、製造可能なシートの厚さは、10μmであった。
押出し成形機による加熱成形によって成形され、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲であるため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が侵食されて銅蝕、すなわち、シート状水分吸着剤4Bに、変色や割れ、裂けが生じることを抑制し、十分な強度を有する薄肉のシート状水分吸着剤4Bが容易に作製できた。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分に発揮できているためであると考える。
また、実施例4における、一日後の音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ55dBおよび68dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、高い値が得られていることがわかる。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分に発揮できているためであると考える。
実施例4のシート状水分吸着剤4Bは、熱可塑性樹脂成分6としてナイロンを適用したものであるが、実施例1および実施例3とほぼ同様の結果が得られた。
以上のことから、本実施例4においては、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料4Aが水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に得られることを確認できた。
(実施例5)
実施例5においては、熱可塑性樹脂成分6として、軟化温度130℃のHDPEを使用し、HDPEに対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数は20重量部とした。また、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5は、特に前処理を施すことなく、押出し成形機にて、シート状水分吸着剤4Bを作製した。作製時の樹脂温度は、190℃であった。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、特にシートに割れや裂けが生じることなく、また変色も見られなく、良好であった。
これは、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が40重量部以下であるため、シート状水分吸着剤4Bに割れや裂けが生じることなく、十分な強度を有するシート状水分吸着剤4Bが作製できたためである。
また、水分吸着開始圧は10Paであった。実施例5のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むものであるため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく20重量部添加した比較例2と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
実施例1から4よりは水分吸着開始圧がやや高いが、これは、前処理として200℃4時間の加熱処理や、600℃4時間の真空加熱処理を施していないため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に予め含まれる水分の脱離や、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれるCu2+をCu+へと還元することがないためであると考える。
しかしながら、比較的低圧領域からの水吸着活性を有するのは、成形時の高熱により水分が一部脱離しているためと考えられる。
シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、30.2MPa、製造可能なシートの厚さは、10μmであった。
押出し成形機による加熱成形によって成形され、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲であるため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が侵食されて銅蝕、すなわち、シート状水分吸着剤4Bに、変色や割れ、裂けが生じることを抑制し、十分な強度を有する薄肉のシート状水分吸着剤4Bが容易に作製できた。
また、実施例5における、一日後の音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ53dBおよび67dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく20重量部添加した比較例2と比べると、高い値が得られていることがわかる。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分
に発揮できているためであると考える。
以上のことから、本実施例5においては、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料が水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に得られることを確認できた。
(実施例6)
実施例6においては、HDPEに対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数は40重量部とし、その他の条件は実施例5と同様とした。
作製時の樹脂温度は、190℃であった。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、特にシートに割れや裂けが生じることなく、また変色も見られなく、良好であった。
これは、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が40重量部以下であるため、シート状水分吸着剤4Bに割れや裂けが生じることなく、十分な強度を有するシート状水分吸着剤4Bが作製できたためである。
また、水分吸着開始圧は10Paであった。実施例6のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むものであるため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
実施例1から4よりは水分吸着開始圧がやや高いが、これは実施例5と同様の要因であると考える。
シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、32.2MPa、製造可能なシートの厚さは、10μmであった。
押出し成形機による加熱成形によって成形され、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲であるため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が侵食されて銅蝕、すなわち、シート状水分吸着剤4Bに、変色や割れ、裂けが生じることを抑制し、十分な強度を有する薄肉のシート状水分吸着剤4Bが容易に作製できた。
また、実施例6における、一日後の音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ53dBおよび67dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、高い値が得られていることがわかる。
これは、キャビネット内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによ
って吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分に発揮できているためであると考える。
以上のことから、本実施例6においては、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料4Aが水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に得られることを確認できた。
(実施例7)
実施例7においては、HDPEに対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数は42重量部とし、その他の条件は実施例5と同様とした。
作製時の樹脂温度は、190℃であった。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、シートの一部に裂けの発生を確認した。
これは、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が40重量部以上であるためと考えられる。
また、水分吸着開始圧は15Paであった。実施例7のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むシート状水分吸着剤4Bであるため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
実施例1から4よりは水分吸着開始圧がやや高いが、これは実施例5と同様の要因であると考える。
シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、30.8MPa、シートの一部に裂けが生じる直前の製造可能なシートの厚さは123μmであった。
また、引っ張り強度は、実施例1および実施例2と比較して、シート厚さが123μmと厚かったにも関わらず、ほぼ同等の30.8MPaであった。
シートの厚さが、添加重量部数以外の作製条件が同一である実施例5および6と比較すると肉厚の123μmと高い値であったのは、熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が40重量部以上であるためと考えられる。
一方、押出し成形機による加熱成形によって成形され、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲であるため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が侵食されて銅蝕起因による変色や割れ、裂けの発生は抑制された。
また、シート厚さが実施例6と比較すると厚かったにも関わらず、引っ張り強度が同等であった。これは、おそらく、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数が過剰なため発生した裂けにより、相対的な樹脂強度が低下したためと考えられる。
また、実施例7における、一日後の音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ52dBおよび66dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、高い値が得られていることがわかる。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が発揮できているためであると考える。
以上のことから、実施例7の条件においても、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料4Aが、水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に発揮できるといえるが、シートに裂けが生じてしまう場合があり、その結果、音響スピーカー装置1の外観および低音域再生能力に影響を及ぼすこともあるため、シート状水分吸着剤4Bに含まれる熱可塑性樹脂成分6に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の配合部数は、40部以下にすることが望ましいことがわかる。
(実施例8)
実施例8においては、実施例5と同様の条件にて、作製時の樹脂温度のみ200℃と変更した。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、シートに茶褐色の変色が確認できた。
これは、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲を超えた200℃であったため、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が銅蝕を生じたためと考えられる。
また、水分吸着開始圧は12Paであった。実施例8のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むシート状水分吸着剤4Bであるため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく40重量部添加した比較例3と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着活性が高いことがわかる。
実施例1から4よりは水分吸着開始圧がやや高いが、これは実施例5と同様の要因であると考える。
また、シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、50MPa、製造可能なシートの厚
さは150μmであった。
おそらくは銅蝕のため、熱可塑性樹脂成分6の脆化が生じ、シートの厚さを薄肉化すると割れや裂けが生じ、製造可能なシートの厚さは、実施例6と比較すると肉厚の150μmであり、これ以上の薄肉化は困難であった。
また、シート厚さが実施例5と比較すると厚かったにも関わらず、引っ張り強度の増大幅が小さく、銅蝕により相対的な樹脂強度が低下していると考えられる。
また、実施例8における、一日後の音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ52dBおよび67dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく20重量部添加した比較例2と比べると、高い値が得られていることがわかる。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が発揮できているためであると考える。
以上のことから、実施例8の条件においても、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料4Aが、水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に発揮できるといえるが、シートに変色が生じ、その結果シート厚さが増すことによって、その結果、音響スピーカー装置の外観および低音域再生能力に影響を及ぼす場合があるため、加熱時の熱可塑性樹脂温度を、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下とすることが望ましいことがわかる。
(実施例9)
実施例9においては、実施例5と同様の条件にて、作製時の樹脂温度のみ220℃と変更した。
さらに、このシート状水分吸着剤4Bを適用した音響スピーカー装置1を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
シート状水分吸着剤4Bの外観評価においては、シートに濃い茶褐色へ変色し、さらに割れを確認した。
これは、加熱時の熱可塑性樹脂温度が、熱可塑性樹脂成分6の軟化温度より60℃高い温度以下の範囲を超えた220℃であることにより、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5に含まれる銅イオンにより熱可塑性樹脂成分6が銅蝕を生じ、シート状水分吸着剤4Bに、変色だけであった実施例8の現象に加えて、割れも生じた。
また、水分吸着開始圧は18Paであった。実施例8のシート状水分吸着剤4Bは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と、熱可塑性樹脂成分6とを含むものであるため、水分吸着剤の適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく20重量部添加した比較例2と比べると、水分吸着開始圧が顕著に低く、水分吸着
活性が高いことがわかる。
実施例1から4よりは水分吸着開始圧がやや高いが、これは実施例5と同様の要因であると考える。
また、シート状水分吸着剤4Bの引っ張り強度は、34.5MPa、製造可能なシートの厚さは180μmであった。
おそらくは銅蝕のため、熱可塑性樹脂成分6の脆化が生じ、製造可能なシートの厚さは、実施例8と比較しても肉厚の180μmであり、これ以上の薄肉化は困難であった。
また、シート厚さが実施例5と比較すると厚かったにも関わらず、引っ張り強度の増大幅が小さく、銅蝕により相対的な樹脂強度が低下していると考えられる。
また、実施例9における、一日後の音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ52dBおよび66dBであり、シート状水分吸着剤4Bの適用のない比較例1、および、銅イオン交換されたX型ゼオライトを同じく20重量部添加した比較例2と比べると、高い値が得られていることがわかる。
これは、キャビネット2内の水分が活性炭に達するまでに、シート状水分吸着剤4Bによって吸着除去されるため、活性炭が、水分を吸着して吸着飽和することを効果的に抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が発揮できているためであると考える。
以上のことから、実施例9の条件においても、大気の水分圧が1000Paを超える環境であっても、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5と熱可塑性樹脂成分6を含むシート状水分吸着剤4Bが、キャビネット2内の水分を迅速に吸着除去するため、多孔性炭素材料4Aが、水分を吸着して吸着飽和することを抑制し、スピーカーの振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域再生効果が十分に発揮できるといえるが、シートに変色が生じ、その結果シート厚さが増すことによって、その結果、音響スピーカー装置1の外観および低音域再生能力に影響を及ぼす場合があるため、加熱時の熱可塑性樹脂温度を、熱可塑性樹脂の軟化温度より60℃高い温度以下とすることが望ましいことがわかる。
次に本発明の実施の形態の比較例として、比較例1から比較例3を説明する。
(比較例1)
比較例1においては、実施例と同じ手順で、スピーカー用気体吸着材料は、多孔性炭素材料4Aとしてヤシ殻を原料とした活性炭を用い、シート状水分吸着剤4Bや、他の水分吸着材を適用することなく、音響スピーカー装置を作製した。
本構成により、活性炭は、水分圧100Paから水分の吸着を開始し、1000Paを超えると急激に大量吸着し、2000Paでは約80%の細孔が水分子吸着により吸着飽和となり、キャビネット2内の気体を十分に吸着・脱離できない状態となった。
また、比較例1における、音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ50dBおよび64dBであり、実施例と比較すると低い値であった。
(比較例2)
比較例2においては、水分吸着剤としても利用されている汎用ゼオライトであるX型ゼ
オライトに銅イオン交換を施した、銅イオン交換されたX型ゼオライトを用いた。熱可塑性樹脂成分6として、軟化温度130℃のHDPEを使用し、HDPEに対する銅イオン交換されたX型ゼオライトの配合部数は20重量部とした。
また、銅イオン交換されたX型ゼオライトは、予め600℃4時間の真空熱処理を施したものを用い、押出し成形機にて、シート状水分吸着剤を作製した。作製時の樹脂温度は、190℃であった。
さらに、このシート状水分吸着剤を適用した音響スピーカー装置を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
比較例2では、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の代わりに銅イオン交換されたX型ゼオライトを用いたため、水分吸着開始圧は200Paであった。
本構成により、活性炭は、水分圧100Paから水分の吸着を開始し、200Pa付近からは銅イオン交換されたX型ゼオライト、および、活性炭の両方が水分吸着を生じる。
しかしながら、活性炭は、1000Paを超えると急激に大量吸着し、2000Paではキャビネット内の気体を十分に吸着・脱離できない状態となった。
また、比較例2における、音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ50dBおよび64dBであり、比較例1と同等、実施例と比較すると低い値であった。
この結果から、水分吸着剤としても利用されている汎用ゼオライトであるX型ゼオライトは、熱可塑性樹脂成分6とともにシート状水分吸着剤として成形しても、音響スピーカー装置内の水分を吸着することに不適合であり、比較例2の音響スピーカー装置は、低音域の再生効果が十分に発揮できなかったと判断した。
(比較例3)
比較例3においては、HDPEに対する銅イオン交換されたX型ゼオライトの配合部数は40重量部とし、その他の条件は、比較例2と同様とした。
作製時の樹脂温度は、190℃であった。
さらに、このシート状水分吸着剤を適用した音響スピーカー装置を、実施例1と同様の手順で作製した。
評価結果を(表1)に示す。
比較例2では、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト5の代わりに銅イオン交換されたX型ゼオライトを用いたため、水分吸着開始圧は180Paであった。
本構成により、活性炭は、水分圧100Paから水分の吸着を開始し、180Pa付近からは、銅イオン交換されたX型ゼオライト、および、活性炭の両方が水分吸着を生じる。
しかしながら、活性炭は、1000Paを超えると急激に大量吸着し、2000Paではキャビネット内の気体を十分に吸着・脱離できない状態となった。
また、比較例3における、音圧測定結果から得られた20Hzおよび50Hzの値は、それぞれ50dBおよび64dBであり、比較例1および2と同等、実施例と比較すると低い値であった。
この結果から、水分吸着剤としても利用されている汎用ゼオライトであるX型ゼオライトは、熱可塑性樹脂成分6とともにシート状水分吸着剤として成形しても、音響スピーカー装置内の水分を吸着することに不適合であり、比較例3の音響スピーカー装置は、低音域の再生効果が十分に発揮できなかったと判断した。
本発明にかかる音響スピーカー装置は、高湿環境であっても、音響スピーカー装置の振動時に十分な気体吸着・脱着効果が得られ、低音域の再生効果が十分に発揮できるものである。そのため、密封式スピーカーやバフレス式スピーカーなどの低音域の音質の改善に利用することができ、高湿環境下でも良好な低音域の再生効果を有する音響スピーカー装置を提供できるものである。
1 音響スピーカー装置
2 キャビネット
3 スピーカーユニット
4A 多孔性炭素材料
4B シート状水分吸着剤
5 銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト
6 熱可塑性樹脂成分

Claims (5)

  1. 少なくとも、キャビネットと、前記キャビネットに取り付けられたスピーカーユニットと、前記キャビネット内部に配設されたスピーカー装置用気体吸着材料とを有する音響スピーカー装置であって、前記スピーカー装置用気体吸着材料は、少なくとも、多孔性炭素材料と、シート状水分吸着剤とを備え、前記シート状水分吸着剤が、少なくとも銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトと、熱可塑性樹脂成分とを含むものであり、熱可塑性樹脂成分に対する銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトの配合部数を、40重量部以下としたことを特徴とする音響スピーカー装置。
  2. シート状気体吸着剤が、加熱成形によって成形され、加熱成型時の熱可塑性樹脂温度が、前記熱可塑性樹脂の軟化温度より60℃高い温度以下であることを特徴とする請求項に記載の音響スピーカー装置。
  3. 銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが、成型までに予め加熱乾燥処理がなされていることを特徴とする請求項に記載の音響スピーカー装置。
  4. 銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが、成型までに予め真空熱処理がなされていることを特徴とする請求項に記載の音響スピーカー装置。
  5. シート状水分吸着剤が、キャビネット内壁に貼付されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の音響スピーカー装置。
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