JP5872362B2 - 燃料タンク - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンクに関わり、特に燃料タンク内の燃料が急激に流動した際に発生する流動音(衝突音)を抑えるように構成した燃料タンクに関する。
自動車の車体は燃料を貯蔵する燃料タンクを備える。この燃料タンクのなかには、内部に波消し部を設け、この波消し部で、燃料タンク内の燃料が急激に流動した際に生じる流動音を小さく抑えるように構成したものがある。
例えば、特許文献1には、合成樹脂で一体成型した燃料タンクにおいて、波消し部(アブソーバ)として中空波消板を一体成型で構成し、燃料タンク内の燃料が急激に車両の前後方向に流動するのを抑制する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術は、燃料タンクの上面壁又は下面壁から中空波消板を下方又は上方に燃料タンク内へ突出させたり、上面壁から下面壁まで連通する中空波消板を設けたり、左右側面壁間を連通する中空波消板を設けたりして、中空波消板により燃料タンク内の燃料が急激に車両の前後方向に流動(スロッシング)するのを抑制するものである。
特許文献2には、燃料タンクの前部において、前壁面から小間隔をおいて燃料タンクの天面から垂下させたバッフルプレートを設ける技術が開示されている。このバッフルプレートには複数の小径孔が複数設けられ、車両の減速時に燃料が前方へ移動するのを抑制している。
また、特許文献2には、前記した燃料タンクの前部のバッフルプレートの構成では、燃料タンク内の燃料液位が低下したときは、車両の減速時に燃料が前方へ移動するのを抑制することができず、燃料タンクの前壁面に衝突後、揺り返された反動波がバッフルプレートの下方を通って、燃料タンクの後壁面に衝突して流動音を出す点を改善する技術が開示されている。その改善技術では、燃料タンクの後壁面が左右前方側に広がるような平面形状に構成され、後壁面の左右ほぼ中央部分が燃料タンクの後方側に位置し、その部分の燃料タンクの深さが高くなるように構成され、後壁面のほぼ中央部分から前方側に小間隔をおいて燃料タンクの天面から垂下させたバッフルプレートを設ける構成となっている。
この改良技術によれば、燃料タンク内で燃料の反動波が後方に向かうと、燃料は左右のほぼ中央部分に集まって波頭が高くなる。その結果、燃料液位が低下した場合でも、後壁面のほぼ中央部分から前方側に小間隔をおいて設けられたバッフルプレートで燃料の流れの勢いが抑制され、後壁面に強く衝突し、燃料タンクの天面の後端部に跳ね返って大きな流動音の発生をさせるのを抑制できるというものである。
特許文献3には、自動車等の車体に取り付け、タンク本体内に燃料を蓄える樹脂製の樹脂燃料タンクにおいて、タンク本体の前壁からタンク本体内に向けて張出し部を張り出すとともに、この張出し部を前壁と一体に形成し、この張出し部で、タンク本体内の燃料が前壁に沿って上面まで上がることを抑えるように構成したことを特徴とする樹脂燃料タンクの技術が開示されている。
実開昭56−87926号公報(第1図〜第6図参照) 特開平08−156617号公報(図1〜図6参照) 特開2005−263043号公報(図2、図7、段落[0054]〜[0058]参照)
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、中空波消板の成型のためには中子を用いたブロー成型を行う必要があり、複雑化するとともに、燃料タンクの容量が中空波消板によって減じられてしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示された技術では、バッフルプレートを天面から垂下させる構成となり、そのバッフルプレートを設ける構成が複雑であり、燃料タンクの製造コストが掛かるという問題があった。
更に、特許文献3に開示された技術では、タンク本体内に向けて張出し部を張り出す構成とすることにより、燃料タンクの容量が張出し部の分だけ減じられてしまうという問題があった。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、燃料タンク内の燃料の前後方向のスロッシングによる流動音を緩和する燃料タンクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の燃料タンクであって、車幅方向に延びる前壁面及び後壁面と、車両の前後方向に延びる左右側壁面と、天面と、底面と、を有し、前記前壁面及び後壁面のうちの少なくとも一方の上部の前記天面との境界部分に、前記燃料タンクの内方側に窪む複数条の凹部が形成され、前記凹部は、前記前壁面又は前記後壁面に対して垂直方向に延設し、前記凹部は、前記垂直方向の断面が円形状となる曲面を形成していることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、燃料タンク内で燃料が車両の前方側又は後方側に急激に移動(スロッシング)して前壁面又は後壁面に衝突したときに、燃料タンクの内方側に窪む複数条の凹部が、車両の前後方向断面が円形状となる曲面を形成しているので、前壁面又は後壁面に向かって衝突する燃料の流れを凹部の内面の車幅方向の左右に分散させることにより流動音を緩和できる。
また、凹部が前壁面又は後壁面と天面との境界部分に設けられていることから、天面の前後の縁部が凹部を有することにより、結果として天面の前後の縁部の剛性が高められる。従って、燃料が車両の前方側又は後方側に急激に移動して、その波頭が天面の前後の縁部を打つときに、天面の前後の縁部が凹部を有することにより、天面がドラム音を生じる効果を抑制することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加え、凹部は、車幅方向に複数近接して形成され、複数の凹部を含む内面が車幅方向に滑らかに波打つ曲面を形成していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、凹部は、車幅方向に複数近接して形成されているので、凹部に衝突する一定の幅の燃料を車幅方向に左右に分散でき、効果的に流動音を緩和できる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の構成に加え、前壁面及び後壁面のうちの少なくとも一方は、その左右両翼部が斜めに燃料タンクの平面中央側に向いており、左右両翼部に複数条の凹部が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、その左右両翼部が斜めに燃料タンクの平面中央側に向いた前壁面又は後壁面に衝突した急激な燃料の流れの揺り返された反動波を、燃料タンクの平面中央に向けることができ、そこで左右両翼部及び左右中央からの反動波が衝突して、反動波の運動量が一部相殺される。その結果、反動波が、後壁面又は前壁面に衝突するときの運動量を低減でき、反動波による流動音を緩和できる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明の構成に加え、燃料タンクは、車幅方向に延びる前壁面及び後壁面と、車両の前後方向に延びる左右側壁面と底面とを有する底板部、並びに車幅方向に延びる前壁面及び後壁面と、車両の前後方向に延びる左右側壁面と天面とを有する天板部を合わせて形成され、燃料タンクの少なくとも底板部の底面は、坦形状であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、燃料タンクの少なくとも底面は、坦形状あることから、燃料タンクの容量を、特許文献1に記載の従来技術のように大きく減少させることなく、燃料の燃料タンク内での急激な移動(スロッシング)による流動音を緩和できる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記凹部は、前記天板部に形成され、前記垂直方向に延設して形成されるに当たり、前記垂直方向の両端部は、滑らかに窪みが近傍の平坦部に融合し、前記前壁面又は後壁面に向かって衝突する燃料の前記垂直方向の流れを前記凹部の前記垂直方向の両端部の内面において阻害しない曲面を形成していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、凹部の両端部が滑らかに近傍の平坦部に融合しているので、前壁面又は後壁面に衝突した燃料の流れが上向きの流れになり、その波頭が凹部の端部に衝突しても、滑らかな曲面を構成しているので、流動音を生じない。
本発明によれば、燃料タンク内の燃料の前後方向の急激な移動(スロッシング)による流動音を緩和する燃料タンクを提供することができる。
実施形態の燃料タンクの上面図である。 実施形態の燃料タンクの右後方向から見た斜視図である。 燃料タンク内の燃料の急激な移動の流れが前壁面又は後壁面の凹部に衝突したときの流れの説明図であり、(a)は、図1のX−X矢視の斜め上方に見上げる斜視図、(b)は、(a)におけるY−Y矢視断面図である。 燃料タンク内の燃料の急激な移動の流れが後壁面に衝突したときの反動波の説明図である。
以下に、本発明の実施形態に係る燃料タンクについて図を参照しながら詳細に説明する。
図1、図2を参照して本実施形態における燃料タンクについて説明する。
図1は、実施形態の燃料タンクの上面図であり、図2は、実施形態の燃料タンクの右後方向から見た斜視図である。
ちなみに、以下の説明における前後左右、上下の方向は、燃料タンク1が車両に搭載された際の車両における前後左右、上下の方向で表示している。
図1に示す燃料タンク1は、例えば、樹脂製であり、上下が接合面Aで合わされ、例えば、ブロー成型された天板部2と底板部3とで構成された、平面視ほぼ矩形に近い形状である。
天板部2は、前壁面2a、左側壁面2b、右側壁面2c、天面2eを有して一体に形成されている。
底板部3は、図2に示すように前壁面3a、左側壁面3b、右側壁面3c、底面3eを有して一体に形成されている。
図1に示すように天板部2及び底板部3の後壁面2d,3dの中央部は、左右方向に平坦であるが、天板部2及び底板部3の後壁面2d,3dの左右両翼部分が燃料タンク1の平面視における平面中央側に斜めに向いている。
そして、図1、図2に示すように天板部2の前壁面2aの上部から天面2eの前方側の縁部にかけての部位に、燃料タンク1の内方側に窪み、車両の前後方向に延伸された凹部5が、左右方向に複数連続して設けられている(特許請求の範囲の「凹部が前壁面又は後壁面と天面との境界部分に設けられている」に対応)。図1の例では、天板部2の前側の左右翼部にそれぞれ2条の凹部5が設けられている。
また、天板部2の後壁面2dの上部から天面2eの後方側の縁部にかけての部位に、燃料タンク1の内方側に窪み、車両のほぼ前後方向に延伸された凹部5が、左右方向に複数連続して設けられている(特許請求の範囲の「凹部が前壁面又は後壁面と天面との境界部分に設けられている」に対応)。図1の例では、天板部2の後側の左翼部に2条の凹部5が設けられ、天板部2の後側の右翼部に3条の凹部5が設けられている。
この凹部5は、前後方向断面がほぼ半円形状をしており、その左右に隣接する天面2eの縁の平坦部6、前壁面2a及び後壁面2dの平坦部6と滑らかに左右方向に曲面をなすように形成されている(図3参照)。
更に凹部5は、凹部5の前後壁面側端部5aが、滑らかに前壁面2a又は後壁面2dの平坦部6に融合するように形成されているとともに、凹部5の天面側端部5bが、滑らかに天面2eの前方側又は後方側の縁部の平坦部6に融合するように形成されている(図3(a)参照)。ここで、凹部5の前後壁面側端部5a、凹部5の天面側端部5bが、特許請求の範囲に記載の「凹部の前後方向の両端部」に対応する。
ちなみに、底面3eは、ほぼ平坦な平面である。
燃料タンク1には、図2に示すように通常設けられる給油パイプ11、空気抜き用パイプ12が接続され、又、燃料ポンプ13や燃料カットバルブ14が設けられ、燃料カットバルブ14には図示しないチャコールキャニスタに接続するパージパイプ15が接続されている。
図1、図2の例では、燃料タンク1の天板部2の前方側ほぼ半分が後方側よりも高く立ち上がっており、その頂部の中央に燃料カットバルブ14を配して、燃料蒸気をパージパイプ15側に流すようになっている。
また、燃料タンク1の天板部2の後方側ほぼ半分は、天面2eがほぼ平坦であり、扁平型タンクの特徴である上下の垂れ下がりを防ぐために、例えば、燃料ポンプ13のほぼ左右両側に燃料ポンプ13から左右方向に所定距離だけ離した部位において、天面2eと底面3eとを互いに燃料タンク1の内方へ向けほぼ円柱状に膨出させ、溶着された上下溶着部8,8を設けてある。
この上下溶着部8,8が配置された燃料タンク1における左右方向の位置は、前壁面2aの上部から天面2eの前方側の縁部にかけての部位に設けられた複数条の凹部5の左右方向の位置、及び後壁面2dの上部から天面2eの後方側の縁部にかけての部位に設けられた複数条の凹部5の左右方向の位置と重ならないようにずれた位置である。つまり、図1に示すように左右方向の中央寄りの位置である。
次に、図3を参照しながら車両が発進する際に燃料タンク1内の燃料が急激に後方に移動したり、車両が停止する際に燃料タンク1内の燃料が急激に前方に移動したりして、燃料タンク1の後壁面2d,3d又は前壁面2a,3aに衝突するときの凹部5の機能について説明する。
図3は、燃料タンク内の燃料の急激な移動の流れが前壁面又は後壁面の凹部に衝突したときの流れの説明図であり、(a)は、図1のX−X矢視の斜め上方に見上げる斜視図、(b)は、(a)におけるY−Y矢視断面図である。
例えば、停止の際に燃料タンク1内の燃料が前壁面2a,3aに衝突する場合を例に、図3を用いて説明する。燃料の液面が低くて、前壁面2aに達しないまでの液面の状態であっても、燃料タンク1内の燃料が前方に急激に移動すると、液面は前壁面2aにまで達して衝突し、従来はその衝突の際に発生する飛沫の大きな塊が天面2eに衝突して大きな流動音(衝突音)を発生させていた。しかし、本実施形態によれば、波頭TWが前壁面2aに衝突すると、凹部5が内側に出っ張り、凹部5の左右に隣接する平坦部6が外側に出っ張り、左右方向に図3(b)に示すよう滑らかな曲面(滑らかに波打つ曲面)を形成しているので、凹部5に衝突した流れは矢印で示すように、左右に別れ、平坦部6のCで示した部位において反対側からの流れと衝突することになる。この左右方向の流れの部位Cにおける衝突は、燃料の運動量を一部相殺することになり、天板部2の天面2eの前方側縁部や前壁面2aの上部に衝突する燃料の運動量が小さくなる。その結果、主に天面2eから生じるドラム音である流動音を緩和させる効果がある。
そして、凹部5の条数が多いほど、より多くの左右方向の流れを前壁面2aで生じさせることができ、より大きな燃料の前方への運動量を部位Cで相殺させることができる。つまり、凹部5は、車幅方向に複数近接して形成されているので、凹部5に衝突する一定の幅の燃料を車幅方向に左右に分散できる。その結果、流動音を緩和させる効果が高まる。
この効果は、後壁面2dの凹部5においても同様である。
なお、燃料ポンプ13のほぼ左右両側に前記した上下溶着部8、8を配置したことにより、燃料タンク1の上下溶着部8,8を配した左右方向の中央部位においては、燃料ポンプ13とともに上下溶着部8,8が、燃料の前後方向のスロッシングを抑制する効果が十分生じるので、少しでも燃料タンク1の燃料容量の減少を抑制するため、凹部5を設けない。
ちなみに、凹部5の前後壁面側端部5a、凹部5の天面側端部5bは、平坦部6に滑らかに融合するように形成されているので、燃料の液面が上下動するときや、燃料の前後方向のスロッシングで生じる燃料の前後方向の流れに対して、前後壁面側端部5a、凹部5の天面側端部5bにおいて大きな流動音を発生させることは無い。
更に、本実施形態によれば、凹部5は、前壁面2aの上部から天面2eの前方側の縁部にかかるように、又は後壁面2dの上部から天面2eの後方側の縁部にかかるように設けられている(凹部が前壁面又は後壁面と天面との境界部分に設けられている)ので、結果として天面2eの前方側の縁部及び後方側の縁部の剛性が高められる。従って、燃料が車両の前方側又は後方側に急激に移動して、その波頭が天面2eの前後の縁部を打つときに、天面2eの前後の縁部が凹部5を有することにより、天面2eがドラム音を生じる効果を抑制することになる。
次に、図4を参照しながら後壁面2d、3dの左右両翼部分が燃料タンク1の平面視における平面中央側に斜めに向けて構成されていることによる流動音の抑制効果について説明する。図4は、燃料タンク内の燃料の急激な移動の流れが後壁面に衝突したときの反動波の説明図である。
図4に示すように、例えば、車両の発進の際に燃料が燃料タンク1内で急激の後方側に移動すると、TWで示したように波頭が後方に移動し後壁面2dに衝突する。その衝突する流れの方向を太矢印AC,AL,ARで示す。太矢印AL,ARの流れは、凹部5においてCL,CRの矢印で示したように衝突し、流れの運動量を一部失う。これは、海岸堤防における消波ブロックのような波消し効果である。そして、太矢印AC,AL,ARの流れに対して後壁面2dによる反動波が白抜き矢印RC,RL,RRで示したような方向に発生し、燃料タンク1の平面視の中央の領域Bで互いに干渉し、反動波の運動量が一部相殺される。その結果、反動波が前壁面2aに衝突したときの流動音を緩和することができる。
特に、この効果を期待するには、底板部3の底面3eがほぼ平坦であることが、反動波の進行速度が白抜き矢印RC,RL,RRともほぼ同一速度となり、中央の領域Bで干渉させることが期待できる。もし、底面3eがほぼ平坦でなく平面視で深い部位と浅い部位とがあると、波動の速度は底面3eの深い部位から浅い部位に進むと波動の速度が速まり波動の位相がずれてしまい、互いの波動を打ち消す方向に働かなくなるからである。
本実施形態によれば、凹部5は、前壁面2aの上部又は後壁面2dの上部から天面2eの前方側の縁部又は後方側の縁部(天面2eの前後の縁部)にかかるように設けられている(凹部が前壁面又は後壁面と天面との境界部分に設けられている)ので、特許文献2の従来技術のようにバッフルプレートを設けることなく、簡単な構成で、しかも、燃料タンク1の容量をほとんど減じることなく、流動音を緩和することができる。
本実施形態において、燃料タンク1は、天板部2の天面2eを前方側で高くしたそれに限定されるものではなく、ほぼ平坦にしても良い。
そのような扁平型の燃料タンク1の場合、同じ燃料容量を確保するためには、燃料タンク1の前後方向の幅が、図1に示したものより大きくなり、スロッシングによる波の移動距離が長くなり、複数条の凹部5に衝突する燃料の運動量も大きくなるので、複数条の凹部5による前記した流動音の抑制効果は、図1に示した燃料タンク1の場合よりも更に高まる。
また、本実施形態の燃料タンク1においては、底板部3の底面3eはほぼ平坦としたが、鞍型のように左右がほぼ中央で分断されるようなものでも良い。
本実施形態において、燃料タンク1は、天板部2の前壁面2aの上部から天面2eの前方側の縁部にかけての部位に、燃料タンク1の内方側に窪み、車両の前後方向に延伸された凹部5が、左右方向に複数連続して設けられているとともに、天板部2の後壁面2dの上部から天面2eの後方側の縁部にかけての部位に、燃料タンク1の内方側に窪み、車両のほぼ前後方向に延伸された凹部5が、左右方向に複数連続して設けられているとしたが、それに限定されるものではない。
燃料タンク1は、天板部2の前壁面2aの上部から天面2eの前方側の縁部にかけての部位と、天板部2の後壁面2dの上部から天面2eの後方側の縁部にかけての部位とのうちの、一方の方にのみ燃料タンク1の内方側に窪み、車両のほぼ前後方向に延伸された凹部5が、左右方向に複数連続して設けられている構成としても良い。
更に、本実施形態において、燃料タンク1は、天板部2及び底板部3の後壁面2d,3dの左右両翼部分が燃料タンク1の平面視における平面中央側に斜めに向いているとしたがそれに限定されるものではない。燃料タンク1は、天板部2及び底板部3の前壁面2a,3aの左右両翼部分が燃料タンク1の平面視における平面中央側に斜めに向いている構成としても良い。
1 燃料タンク
2 天板部
2a 前壁面
2b 左側壁面
2c 右側壁面
2d 後壁面
2e 天面
3 底板部
3a 前壁面
3b 左側壁面
3c 右側壁面
3d 後壁面
3e 底面
5 凹部
5a 凹部の前後壁面側端部
5b 凹部の天面側端部
6 平坦部
8 上下溶着部

Claims (5)

  1. 車両の燃料タンクであって、
    車幅方向に延びる前壁面及び後壁面と、車両の前後方向に延びる左右側壁面と、天面と、底面と、を有し、
    前記前壁面及び後壁面のうちの少なくとも一方の上部の前記天面との境界部分に、前記燃料タンクの内方側に窪む複数条の凹部が形成され、
    前記凹部は、前記前壁面又は前記後壁面に対して垂直方向に延設し、
    前記凹部は、前記垂直方向の断面が円形状となる曲面を形成していることを特徴とする燃料タンク。
  2. 前記凹部は、車幅方向に複数近接して形成され、前記複数の凹部を含む内面が車幅方向に滑らかに波打つ曲面を形成していることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク。
  3. 前記前壁面及び後壁面のうちの少なくとも一方は、その左右両翼部が斜めに前記燃料タンクの平面中央側に向いており、前記左右両翼部に前記複数条の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料タンク。
  4. 前記燃料タンクは、車幅方向に延びる前記前壁面及び前記後壁面と、車両の前後方向に延びる前記左右側壁面と前記底面とを有する底板部、並びに車幅方向に延びる前記前壁面及び後壁面と、車両の前後方向に延びる前記左右側壁面と前記天面とを有する天板部を合わせて形成され、
    前記燃料タンクの少なくとも前記底板部の前記底面は、坦形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料タンク。
  5. 前記凹部は、前記天板部に形成され、
    前記垂直方向に延設して形成されるに当たり、前記垂直方向の両端部は、滑らかに窪みが近傍の平坦部に融合し、前記前壁面又は後壁面に向かって衝突する燃料の前記垂直方向の流れを前記凹部の前記垂直方向の両端部の内面において阻害しない曲面を形成していることを特徴とする請求項4に記載の燃料タンク。
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