JP5872128B1 - 太陽電池モジュールの診断方法、太陽電池モジュールの診断用回路および診断システム - Google Patents

太陽電池モジュールの診断方法、太陽電池モジュールの診断用回路および診断システム Download PDF

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Abstract

太陽電池モジュールの診断方法は、太陽電池モジュールの両極間のインピーダンスの共振点を含む周波数特性と、出力ケーブルとフレーム間のインピーダンスの共振点を含む周波数特性とを測定し、太陽電池モジュールの等価回路定数を決定する解析工程と、解析工程で決定された等価回路定数と、予め取得された等価回路定数とを比較して太陽電池モジュールの状態の変化を判定する判定工程とを含む。

Description

太陽電池モジュールの状態を診断する方法と、診断に用いるため太陽電池モジュールに接続するための診断用回路および診断システムに関する。
太陽光発電は、火力発電および原子力発電の代替エネルギー源として大いに期待されており、近年の太陽電池の生産量は飛躍的に増加している。太陽電池は、単結晶あるいは多結晶のシリコン基板を用いて太陽電池セルを形成する結晶系太陽電池、またはガラス基板上にシリコンの薄膜を堆積して太陽電池セルを形成する薄膜太陽電池が用いられている。太陽光発電システムにおける太陽電池の設置単位は、太陽電池モジュールである。上述の太陽電池セルを複数個、目的に合わせて直列あるいは並列に接続してパネル化し、外枠であるフレームおよび端子ボックスを備えつけることで太陽電池モジュールとして機能するようになる。架台上に設置された多数の太陽電池モジュールと送電ケーブル、およびパワーコンディショナなどを組み合わせて太陽光発電システムが構成される。このようなシステムは、一般の家庭用発電用途に留まらず、1MW以上の発電量を持つ大規模な太陽光発電所にも使用されている。
太陽電池モジュールは、機械的に動作する部分がなく、その寿命は一般に20年以上と言われているが、実際には、様々な原因により、運転開始から数年足らずで不具合が発生した事例が報告されている。不具合の原因は、太陽電池セル内の発電層の劣化または電極部の腐食による抵抗増大、太陽電池セルを保護するために太陽電池セルの周囲を囲むように充填された封止材の光透過率の低下、絶縁劣化、太陽電池モジュール内の配線抵抗増大、太陽電池モジュールを固定している金属製架台の接地不良、といった原因が知られている。これらの不具合により、太陽電池モジュールの出力低下が起こり、最終的には動作不良に至る場合もある。太陽光発電システムの信頼度を高め、更なる普及を図るためにも、このような太陽電池モジュールの劣化状態を早期に検知できる診断技術が求められている。
太陽光発電システム内の一部の太陽電池モジュールが故障してしまうと、システム全体に及ぶ不具合が発生するおそれがあるため、各太陽電池モジュールについて劣化が生じているかどうかを定期的に判断し、適切なタイミングで太陽電池モジュールの修理または交換を行うことが理想的である。そのためには、太陽電池モジュールの劣化診断技術または故障予測技術が必要となる。
現状では、太陽電池モジュールの動作状態を確認する方法として、発電電流または電圧を計測し、発電量をモニタリングする方法が一般的である。しかし、太陽電池モジュールの発電量は、計測時の日射量または気象条件などの外的要因によって大きく変化するため、太陽電池モジュールの電流、電圧または発電量をモニタリングするだけでは、モジュールが正常に動作しているかどうかを判断するのは難しい。すなわち、上記のような発電量モニタリングでは、“動作している”または“動作していない”、のようないわゆる“0”または“1”判定は可能であるが、日射量が刻々変動する実際の設置環境において、発電量が低下した状況をもって太陽電池モジュールに異常が発生したかどうかを判断することは困難である。また、太陽光発電システムを施工する場合でも、施工が完了した時点で各モジュールの結線に不具合があるかどうか、あるいは、モジュール自体に問題があるかどうかを現地で判断することは難しい。
このような状況に対して、近年になって、高周波を用いたモジュール診断法が提案されている。周波数可変の信号発生器を用いて太陽電池モジュールに様々な周波数の交流電圧を印加し、各周波数における電流および電圧波形より、太陽電池モジュールのインピーダンスの周波数依存性を測定する。この測定によって得られた周波数特性カーブと、太陽電池モジュールの等価回路モデルにより与えられるインピーダンスの周波数応答特性により、測定したモジュールに固有の特性変数である等価回路定数を得ることができる。これらの定数の値とパネルが正常であるときの値との比較により、電極または配線の直列抵抗の増加を検出して、過大な接触抵抗が生じていることを検知することができる。太陽電池モジュールの等価回路モデルの一例として、モジュールのタブ配線および出力ケーブルのインダクタンスL、配線および電極部の直列抵抗R、太陽電池セルの発電層の接合容量Cと絶縁抵抗Rsh、の4つの回路素子から成る等価回路が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特表2013−527613号公報
太陽電池モジュールの封止剤には、一般的にEVA(Ethylene-Vinyl Acetate)などの高分子材料が使用されるが、長期間の屋外での使用により、紫外線の暴露またはモジュール端部からの水分侵入を受け、材料に経年劣化が生じる。特許文献1では、太陽光に依らない診断方法が示されているが、太陽電池モジュールの両極間のインピーダンスを測定することが前提となっている。したがって、太陽電池セルの発電層の劣化およびモジュール内の電極または配線部の抵抗不良を検知することは可能であるが、太陽電池セルと金属製フレームとの間に充填している封止材の光透過性または電気絶縁性の特性劣化を検知することは困難である。また、封止剤がEVAの場合には、モジュール内に侵入した水分と反応して酢酸が発生するため、EVAの変質によりモジュール内の電極または配線の腐食が引き起こされることが知られている。そのため、封止剤の特性変化も検知できるモジュールの診断装置、診断方法が強く望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、太陽電池セルの劣化、モジュールの電極および配線部の抵抗不良に加え、封止材の劣化度合いも定量的に検知することができる総合的な太陽電池モジュールの診断方法を得ることを目的とする。
この発明の太陽電池モジュールの診断方法は、導電性のフレームを備える太陽電池モジュールに接続された周波数可変のインピーダンス測定器を用いて、太陽電池モジュールのインピーダンスの周波数特性を太陽電池モジュールが備える太陽電池セルが発電しない時間帯に測定して太陽電池モジュールの診断を行う診断方法であって、太陽電池モジュールの2本の出力ケーブル間のインピーダンスの共振点を含む周波数特性と、2本の出力ケーブルのうち1本とフレーム間のインピーダンスの共振点を含む周波数特性とを測定し、測定された周波数特性から太陽電池モジュールの等価回路定数を決定する解析工程と、解析工程で決定された等価回路定数と、予め取得された等価回路定数とを比較して太陽電池モジュールの状態の変化を判定する判定工程とを含むものである。
さらに、この発明の太陽電池モジュールの診断用回路は、導電性のフレームを備える太陽電池モジュールの第1出力端子とブロッキングキャパシタとを接続する回路手段と、ブロッキングキャパシタとインピーダンス測定器の測定端子とを接続する回路手段と、太陽電池モジュールの第2出力端子と第1スイッチとを接続する回路手段と、第1スイッチとインピーダンス測定器のグラウンドとを接続する回路手段と、共振点調整用のインダクタと第2スイッチとを直列に接続した共振点調整回路と、フレームと共振点調整回路の一端とを接続する回路手段と、共振点調整回路の他端とインピーダンス測定器のグラウンドとを接続する回路手段とを備えるものである。
また、この発明の太陽電池モジュールの診断システムは、上記の太陽電池モジュールの診断用回路と、インピーダンス測定器と、演算、データ蓄積、システム制御を担い診断用回路の第1スイッチおよび第2スイッチを制御する制御部と、太陽電池モジュールのインピーダンス情報を制御部に送信し、制御部からインピーダンス測定器、第1スイッチおよび第2スイッチの制御信号を送信する通信手段とを備えるものである。
さらに、この発明の太陽電池モジュールの診断システムは、太陽電池モジュールの温度情報を取得する手段と、取得した温度情報を制御部に送信する手段と、を備えるものである。
本発明によれば、太陽電池モジュールの等価回路定数を取得および監視することにより、封止材の特性劣化を含むモジュールの劣化を定量的に検知することができる。
この発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断に用いる診断用回路を模式的に示す概略構成図 この発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断用回路を用いて診断する手順の一例を示すフローチャート この発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断用回路を用いて太陽電池モジュールのインピーダンスを測定した結果の一例を示す図 この発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断用回路を用いて太陽電池モジュールのインピーダンスを測定した結果の一例を示す図 この発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの等価回路モデルを示す図 この発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断方法で得られる、太陽電池モジュールのインピーダンスの強度と位相の周波数特性の例を示す図 この発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断方法で得られる、太陽電池モジュールのインピーダンスの強度と位相の周波数特性の例を示す図 この発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断方法により測定された、太陽電池モジュールの屋外暴露期間中の等価回路定数のRとCの経時変化の例を示す図 この発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの診断に用いる診断用回路を模式的に示す概略構成図 この発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの診断手順の例を示すフローチャート この発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの診断方法で得られる、太陽電池モジュールのインピーダンスの強度と位相の周波数特性の例を示す図 この発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの診断方法において、共振点調整用のインダクタの自己インダクタンスLをパラメータとして、太陽電池モジュールのインピーダンス強度の周波数特性を計算した例を示す図 この発明の実施の形態3にかかる太陽電池モジュールの診断に用いる診断用回路を模式的に示す概略構成図 この発明の実施の形態4にかかる太陽電池モジュールの診断に用いる診断システムを模式的に示す概略構成図 この発明の実施の形態5にかかる太陽電池モジュールの診断に用いる診断用回路を模式的に示す概略構成図 この発明の実施の形態5にかかる太陽電池モジュールの診断方法により測定された、太陽電池モジュールの屋外暴露期間中の等価回路定数の絶縁抵抗Rshの経時変化の例を示す図であり、図16(a)は温度補正を行わない場合の診断結果を示す図、図16(b)は温度補正を行った場合の診断結果を示す図 この発明の実施の形態5にかかる太陽電池モジュールの診断方法により測定された、太陽電池モジュールの等価回路定数のRshとモジュール温度Tとの相関関係を示す図
実施の形態1.
実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断用回路および診断方法について説明する。本発明で診断すべき太陽電池モジュールは、例えば結晶系または薄膜系の太陽電池セルが搭載された太陽電池モジュールであり、診断対象となる事象は、太陽電池モジュールの故障状態だけでなく、故障に至る途中段階の劣化状態も含んでいる。
<診断用回路の構成>
図1は、実施の形態1による太陽電池モジュールの診断用回路を模式的に示す概略構成図である。太陽電池モジュール11は、周囲に導電性の金属製フレーム12を配置したタイプの太陽電池モジュールであり、太陽電池セルが複数個、直列あるいは並列に接続されている。また、太陽電池モジュール11の裏面側には、電力を取り出すための2個の端子ボックス13a、13b(以下、総称する場合は端子ボックス13)が配置され、端子ボックス13に備えられたそれぞれの出力端子には電力を取り出すための出力ケーブル14a、14b(以下、総称する場合は出力ケーブル14)が接続されている。
本発明の太陽電池モジュールの診断用回路では、この出力ケーブル14は、太陽電池モジュール11の診断のための接続箱15を介してインピーダンス測定器16と接続されている。詳しくは、太陽電池モジュール11の正極側の端子ボックス13aの出力端子は、出力ケーブル14a、接続箱15、同軸ケーブル17の中心導体18を経て、インピーダンス測定器16の測定端子と接続される。なお、後で説明するように、この経路の途中の接続箱15の中に、DCカット用のブロッキングキャパシタ21が挿入されている。
一方、太陽電池モジュール11の端子ボックス13bの負極側の出力端子は、出力ケーブル14b、接続箱15、同軸ケーブル17の外部導体19を経て、インピーダンス測定器16の測定端子のグラウンド(GND)と接続されるが、途中に配置されている接続箱15の中の第1のスイッチ22aをオフすることにより、この接続を切り離すこともできる。この場合には、太陽電池モジュール11の負極側の端子ボックス13bはインピーダンス測定器16のグラウンドと電気的に絶縁される。ここで、同軸ケーブル17では、外部導体19が誘電体20を介して中心導体18と電気的に絶縁されている。
また、太陽電池モジュール11の金属製フレーム12は、アース線23、接続箱15の内部に設けられた共振点調整用のインダクタ24、同軸ケーブル17の外部導体19を経て、インピーダンス測定器16のグラウンドと接続されるが、途中に配置されている接続箱15の中の第2のスイッチ22bをオフにすることにより、この接続を切り離すこともできる。この場合には、太陽電池モジュール11の金属製フレーム12はインピーダンス測定器16の測定端子のグラウンドとは電気的に絶縁される。なお、共振点調整用のインダクタ24と第2のスイッチ22bとは直接に接続されて共振点調整回路を構成しており、共振点調整用のインダクタ24と第2のスイッチ22bの位置は互いに入れ替わってもよい。また、スイッチ22a、22bは、手動のトグルスイッチでもよいし、ゲート信号で駆動されるダイオードスイッチまたはMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)のようなスイッチング素子でもよい。
ここで、インピーダンス測定器16は、高周波を用いてインピーダンスを測定する計測器であるが、測定周波数が実質的に掃引可能であることから、インピーダンスの周波数特性を測定することができる。測定周波数を実質的に掃引するとは、例えば、周波数を連続的に掃引、又は一定間隔で離散的に掃引する動作を指し、それによって共振点を決定する。このようなインピーダンス測定器16としては、例えば、ネットワークアナライザ、インピーダンスアナライザ、コンビネーションアナライザなどが市販されているが、周波数可変の高周波発信器、電流センサ、電圧センサ、A/D変換器または演算装置を組み合わせたものでもよい。
また、図1に示すインピーダンス測定器16の筐体は、3Pタイプのコンセントまたはアース線により接地されているが、必ずしも接地する必要はなく、インピーダンス測定器16の筐体を電気的に浮かした状態で測定を行ってもよい。また、図1に示す太陽電池モジュール11の金属製フレーム12は、第2のスイッチ22bがオンの場合にアース線23によりインピーダンス測定器16の筐体を介して接地されているが、別のアース線を用いて金属製フレーム12を別途接地してもよい。インピーダンス測定器16の筐体および太陽電池モジュール11の金属製フレーム12の接地の有無は、本発明の太陽電池モジュールの診断の結果に殆ど影響を与えない。以上述べた構成により、太陽電池モジュールの診断用回路が構成される。
太陽電池モジュール11のインピーダンス測定は、基本的には太陽電池モジュール11が備える太陽電池セルが発電しない夜間の時間帯、すなわち、暗状態となる時に実施するが、測定の最中に太陽電池モジュール11の受光面に偶発的に光が入射すると、太陽電池モジュール11内の太陽電池セルが発電し、端子ボックス13aと13bとの間に、例えば数10V程度までの直流電圧が発生する。このような場合に備えて、太陽電池モジュール11とインピーダンス測定器16の測定端子との間に、DCカット用のブロッキングキャパシタ21が挿入されており、上記のような過電圧からインピーダンス測定器16を保護している。一方、インピーダンス測定器16の測定端子から太陽電池モジュール11へ供給される測定のための高周波信号は、周波数が充分に高いためにブロッキングキャパシタ21を容易に通過し、太陽電池モジュール11にまで伝播することができる。
<診断方法>
次に、このような診断用回路を用いた太陽電池モジュール11の診断方法について詳細に説明する。図2は、実施の形態1による太陽電池モジュール診断の手順の一例を示すフローチャートであり、大きく分けると第1の解析工程、第2の解析工程、判定工程の3つの工程から成る。ここでは、インピーダンス測定器16として、ネットワークアナライザを使用し、いわゆる1ポート反射法により太陽電池モジュール11のインピーダンスを測定し、太陽電池モジュール11の故障の有無または劣化の程度を診断する方法について説明する。
太陽電池モジュールの診断を開始すると、先ず第1の解析工程を実施する。接続箱15の第1のスイッチ22aをオンとし、太陽電池モジュール11の負極側の端子ボックス13bの出力端子と、同軸ケーブル17の外部導体19およびインピーダンス測定器16のグラウンドとを電気的に接続する(S11)。次に、接続箱15の第2のスイッチ22bをオフとし、太陽電池モジュール11の金属製フレーム12を、インピーダンス測定器16のグラウンドとを電気的に絶縁する(S12)。第1のスイッチ22aをオンとし、第2のスイッチ22bをオフとした状態で、インピーダンス測定器16により太陽電池モジュール11のインピーダンス、すなわち太陽電池モジュール11の出力ケーブル14aと出力ケーブル14bの間のインピーダンス、を測定する(S13)。
この測定では、太陽電池モジュール11の金属製フレーム12とインピーダンス測定器16のグラウンドが電気的に絶縁された状態での太陽電池モジュール11の出力ケーブル14aと出力ケーブル14bの間のインピーダンスを測定したことになる。最後に、得られたインピーダンスの測定結果に、太陽電池モジュール11の後述する第1の等価回路となる等価回路モデルを用いた回路解析を行い、太陽電池モジュール11に固有な等価回路定数のうち、4つの基本的な回路定数C、Rsh、L、Rを求める(S14)。ここで、Cは太陽電池モジュール11内の太陽電池セルの接合容量、Rshは太陽電池セルの絶縁抵抗、Lは出力ケーブル14とモジュール内のタブ配線の全インダクタンス、Rは太陽電池セルの電極部またはモジュールのタブ配線の直列抵抗である。インピーダンス測定(S13)および等価回路解析(S14)の詳細については、後で説明する。
第1の解析工程が終了すると、引き続き、第2の解析工程を実施する。接続箱15の第1のスイッチ22aをオフに切り替え、太陽電池モジュール11の負極側の端子ボックス13bの出力端子と、同軸ケーブル17の外部導体19およびインピーダンス測定器16のグラウンドとを電気的に絶縁する(S21)。次に、接続箱15の第2のスイッチ22bをオンに切り替え、太陽電池モジュール11の金属製フレーム12とインピーダンス測定器16のグラウンドとを電気的に接続する(S22)。第1のスイッチ22aをオフとし、第2のスイッチ22bをオンとした状態で、インピーダンス測定器16により太陽電池モジュール11のインピーダンス、すなわち太陽電池モジュール11の出力ケーブル14aと金属製フレーム12の間のインピーダンス、を測定する(S23)。
この測定では、太陽電池モジュール11の正極側の出力ケーブル14aと金属製フレーム12の間のインピーダンスを測定したことになる。得られたインピーダンスの測定結果に、太陽電池モジュール11の後述する第2の等価回路となる等価回路モデルを用いた回路解析を行い、太陽電池モジュール11の残りの回路定数であるCを求める(S24)。ここで、Cは、太陽電池モジュール11のタブ配線と金属製フレーム12の間の寄生容量であり、タブ配線とフレームの間に位置する封止剤の誘電率に比例する。なお、インピーダンス測定(S23)および等価回路解析(S24)の詳細については、後で説明する。
最後の判定工程では、第1および第2の解析工程で決定した5つの回路定数C、Rsh、L、R、Cをそれぞれの初期の値で規格化する(S31)。初期値は、例えば太陽電池モジュールを現地に設置して診断を開始したときに予め取得した値であり、太陽電池モジュールが正常であるときの値として用いる。すなわち、回路定数の値を初期値で規格化することは、等価的に、回路定数の値を太陽電池モジュール11が正常であるときの値と比較することに相当する。次に、規格化された値と予め設定した閾値とを比較して、太陽電池モジュール11の修理または交換が必要か否かを判断する、劣化または故障の判定が行われる(S32)。例えば、太陽電池セルの絶縁抵抗Rshの規格値が絶縁抵抗用の閾値以下になると、あるいはモジュールの直列抵抗Rの規格値が直列抵抗用の閾値より大きくなると、太陽電池モジュールの修理または交換が必要であると判断できる。また、等価回路定数C、Rsh、L、R、Cの規格化された値について複数の時間の間の変化率をみることで、太陽電池モジュール11の故障時期を予測することもできる。この場合、予測された故障時期をユーザに対して、メッセージ表示またはランプ点灯などの視覚的な方法で報知できる。このように、太陽電池モジュール11の劣化度合いを定量的に診断できる。
第1および第2の解析工程におけるネットワークアナライザを用いたインピーダンス測定では、インピーダンス測定器16の測定端子から微弱な高周波信号を太陽電池モジュール11に送り、その入射波の電力と、太陽電池モジュール11からインピーダンス測定器16に戻ってくる反射波の電力とをそれぞれ測定する。インピーダンス測定器16では、この入射波と反射波との振幅比および位相差から反射係数を求め、最終的には太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVを得ることができる。また、この測定では、高周波信号の周波数Fを、Fを下限、Fを上限として、F<F<Fとなる範囲で掃引し、太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVの周波数F依存性を得る。
第1の解析工程において、接続箱15の第1のスイッチ22aをオン、第2のスイッチ22bをオフとし、太陽電池モジュール11の金属製フレーム12とインピーダンス測定器16の測定端子のグラウンドとを絶縁した状態で、太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVを測定した結果の一例について述べる。図3(a)は、太陽電池モジュール11の出力ケーブル14間のインピーダンスZPVの強度の周波数Fに対する依存性を表し、図3(b)は、周波数Fに対するインピーダンスZPVの位相の依存性を表している。図3は、この測定を、例えば、太陽電池モジュール11が発電しない暗状態となる夜間に行い、例えば、下限周波数をF=1kHz、上限周波数をF=4.8MHzに設定し、周波数FをFからFまで増加させながら、太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVを測定した結果である。なお、太陽電池モジュールは、薄膜セルを用いた外形寸法120cm×100cmのモジュールを用いた。
周波数をF=1kHzから徐々に増加させると、図3(a)に示す太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVの強度は初めに減少し、周波数がF=0.69MHzで最小値を示した後、再び増加している。一方、図3(b)に示すインピーダンスZPVの位相は、周波数がF=0.69MHzの近傍で、容量性の負荷であることを示す−90°から誘導性の負荷であることを示す+90°に急激に変化し、F>1MHzでほぼ平坦な特性を示している。
図3に示されるように、第1の解析工程で測定した太陽電池モジュール11の出力ケーブル14間のインピーダンスZPVの周波数依存性は、典型的な直列共振特性を示し、ZPVの強度が最小で、その位相が0°になる共振点における周波数、すなわち共振周波数Fresを求めると、Fres=0.69MHzであった。また、インピーダンスの最小値はZPV=1.37Ω(@0.69MHz)であった。
次に、第2の解析工程において、接続箱15の第1のスイッチ22aをオフ、第2のスイッチ22bをオンにした状態で、太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVを測定した結果の一例を示す。図4(a)は、太陽電池モジュール11の正極側の出力ケーブル14aと金属製フレーム12の間のインピーダンスZPVの強度の周波数Fに対する依存性を表し、図4(b)は、インピーダンスZPVの位相の周波数Fに対する依存性を表している。図4は、この測定を、例えば、太陽電池モジュール11が発電しない夜間帯に行い、例えば、下限周波数をF=1kHz、上限周波数をF=4.8MHzに設定し、周波数FをFからFまで増加させながら、太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVを測定した結果である。
図4に示されるように、第2の解析工程で測定した太陽電池モジュール11の正極側の出力ケーブル14aと金属製フレーム12の間のインピーダンスZPVの周波数依存性は、第1の解析工程の結果を示す図3と同じく直列共振特性を示し、その共振周波数Fresを求めると、Fres=3.08MHzであった。また、インピーダンスの最小値はZPV=4.86Ω(@3.08MHz)であった。
これらの共振周波数および最小インピーダンスの値は、太陽電池モジュールの状態により決定されるので、これらの数値を計測および監視することで、太陽電池モジュールの状態(例えば、劣化の程度)を絶えず把握および管理することができる。
しかしながら、共振周波数及びインピーダンスの最小値といった数値が変化しても、太陽電池モジュールの、どの箇所に問題が生じているかは直接的に分からない。不具合箇所を特定するためには、太陽電池モジュールを等価回路に置き換えればよい。等価回路中の直列抵抗といった特定の素子の値が変化すれば、この素子に対応する電極または配線部といった箇所に不具合が生じたと考えることができる。このように、太陽電池モジュール固有の等価回路定数を把握および管理することにより、太陽電池モジュールの状態について診断を行うことができる。
図5は、図1に示す太陽電池モジュール11の暗状態における等価回路モデルを表す。太陽電池モジュール11の出力ケーブル14は、その長さが比較的短いため、抵抗成分は無視することができ、ケーブルのインダクタスLのみで表せる。一方、太陽電池モジュール11の本体は、内部のタブ配線および電極部の直列抵抗Rと寄生インダクタンスL、更に、太陽電池セルの発電層の接合容量Cと絶縁抵抗Rsh、を用いて、図5に示すような直列並列回路で表すことができる。接続箱15の第2のスイッチ22bがオフの状態は第1の等価回路を構成する。
また、接続箱15の第2のスイッチ22bがオンの状態、すなわち、金属製フレーム12とインピーダンス測定器16の測定端子のグラウンドとを接続する場合には、第2の等価回路を構成する。太陽電池モジュール11の外縁に配置されるタブ配線と金属製フレーム12との距離は数mm程度と比較的短いので、図5の等価回路に、タブ配線と金属製フレーム12の間の寄生容量C、金属製フレーム12と接続箱15を接続するアース線23の直列抵抗R、共振点調整用のインダクタ24のインダクタンスLから成る直列回路も考慮する必要がある。逆に言えば、接続箱15の第2のスイッチ22bをオフし、金属製フレーム12とインピーダンス測定器16の測定端子のグラウンドとを絶縁する場合には、この寄生容量Cを含む回路部分は無視することができる。
太陽電池モジュールのタブ配線と金属製フレーム12との間には、一般的にEVA(Ethylene-Vinyl Acetate)などの樹脂からなる封止剤が充填されており、タブ配線の寄生容量Cは封止剤の誘電率にも依存するので、太陽電池モジュールのCの値を常時監視すれば、封止剤の劣化および変質の程度を定量的に把握することが可能になると考えられる。
第1の解析工程で測定した太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVは、接続箱15の第1のスイッチ22aをオン、第2のスイッチ22bをオフしているので、上述したようにタブ配線の寄生容量Cを無視することができ、次の数式(1)により表せると考えられる。
Figure 0005872128
ここで、ωは角周波数(F=ω/(2π))、Lは出力ケーブル14のインダクタンスLとモジュール本体のインダクタンスLを合わせた全インダクタンスL(=L+L)、jは複素数の虚数単位を表し、ωと回路定数C、Rsh、Lの値が
Figure 0005872128
の関係を満たすときに、ZPVの虚部の値はゼロになり、このときZPVの強度は最小、位相は0°になる。すなわち、これが太陽電池モジュール11の等価回路の共振条件であり、C、Rsh、Lの値が与えられているときには、共振周波数Fresは次の数式(3)により得られる。
Figure 0005872128
太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVは、周波数範囲を適切に選ぶと、例えば、図3に示すような共振特性を示し、共振周波数Fresの前後の周波数領域でZPVの強度が大きく変化するので、この領域で数式(1)および数式(3)を実測値にフィッティングさせることが望ましい。フィッティング操作により、数式(1),(3)中のフィッティングパラメータである4つの回路定数C、Rsh、L、Rを比較的容易に求めることができる。
なお、数式(1)をフィッティングする際、必ずしもこのような共振特性を利用する必要はないが、フィッティングの精度を向上させるには共振周波数Fresの前後の周波数領域でフィッティングを行うのが最良となる。
具体例として、図3において、共振周波数Fres(=0.69MHz)を含む領域として、周波数がF=0.1MHzから1.3MHzまでの周波数領域でフィッティングを行った結果を図6に示す。ここで、図6(a)は、インピーダンスZPVの強度の周波数Fに対する依存性を表し、図6(b)は、インピーダンスZPVの位相の周波数Fに対する依存性を表している。また、図中の丸印のプロットはインピーダンスの実測値であり、実線は数式(1)をフィッティングした結果である。インピーダンスの強度および位相とも、実測値とフィッティングの結果は良く一致しているのがわかる。このフィッティングにより得られた等価回路定数の値は、接合容量C=25.4nF、絶縁抵抗Rsh=12.1kΩ、モジュールの全インダクタンスL(=L+L)=2.1μH、直列抵抗R=1.5Ωであった。このように、第1の解析工程では、太陽電池モジュールの4つの基本パラメータであるC、Rsh、L、Rを出力する。
次に、第2の解析工程では、接続箱15の第1のスイッチ22aをオフ、第2のスイッチ22bをオンにしているので、太陽電池モジュール11の正極側の出力ケーブル14aと金属製フレーム12の間のインピーダンスZPVを測定することになる。この場合の等価回路は、既に述べたように、出力ケーブル14aのインダクタンスL、モジュール内のタブ配線と金属製フレーム12の間の寄生容量C、金属製フレーム12と接続箱15を接続しているアース線23の直列抵抗R、共振点調整用のインダクタ24のインダクタンスL、から成る直列回路である。よって、第2の解析工程で測定されるインピーダンスZPVは、次の数式(4)により表せると考えられる。
Figure 0005872128
ここで、各周波数ωと回路定数L、L、Cの値が、ω(L+L)−1/ωC=0の関係を満たすときに、ZPVの虚部の値はゼロになり、このときZPVの強度は最小、位相は0°になる。よって、共振周波数Fresは次の数式(5)により得られる。
Figure 0005872128
太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVは、周波数範囲を適切に選ぶと、例えば、図4に示すような共振特性を示し、共振周波数Fresの前後の周波数領域でZPVの強度が大きく変化するので、この領域で数式(4)および数式(5)を実測値にフィッティングさせればよい。これにより、数式(4),(5)中のフィッティングパラメータである3つの回路定数C、(L+L)、Rを比較的容易に求めることができる。
具体例として、図4において、共振周波数Fres(=3.08MHz)を含む領域として、周波数がF=2MHzから4MHzまでの周波数領域でフィッティングを行った結果について述べる。ここで、図7(a)はインピーダンスZPVの強度の周波数Fに対する依存性を表し、図7(b)はインピーダンスZPVの位相の周波数Fに対する依存性を表している。また、図中の丸印のプロットはインピーダンスの実測値であり、実線は数式(4)をフィッティングした結果である。図6で示した第1の解析工程の場合と同様、この第2の解析工程も、実測値とフィッティングの結果は良く一致しているのがわかる。また、このフィッティングにより得られた等価回路定数の値は、タブ配線とフレーム間の容量C=661pF、全インダクタンス(L+L)=4.0μH、アース線の直列抵抗R=4.9Ωであった。ここで、測定対象の太陽電池モジュールに固有の回路定数はCのみであり、他のパラメータ(L+L)、Rは測定系により決まるので、第2の解析工程ではこのCのみを出力する。
このように、第2の解析工程でインピーダンスZPVを測定する際、共振点調整用のインダクタ24のLを変化させると、共振周波数Fresは数式(5)に従って変化するので、測定する周波数の範囲に制限がある場合には、このLの値を適当に選ぶことにより共振のピークが測定周波数の範囲内で観測することができる。しかしながら、測定する周波数が高すぎると信号の伝送に問題が現れるので、測定周波数は10MHz以下、好ましくは5MHz以下、より好ましくは3MHz以下にするのがよい。上記の例で用いた太陽電池モジュールでは、タブ配線とフレームの間の容量はC=661pFであり、さらに出力ケーブルの寄生インダクタンスはL〜0.8μHと見積もることができるので、Lの値が約3μH以上あれば、共振周波数Fresは3MHz以下に抑えることができる。また、出力ケーブル14のインダクタンスLが充分大きい場合、あるいはアース線23の寄生インダクタンスが充分大きい場合には、共振点調整用のインダクタ24が無くても直列共振が起こり得る。何れにせよ、共振周波数Fresの前後の周波数領域でインピーダンスZPVの強度は大きく変化するので、この領域で数式(4)および数式(5)を実測値にフィッティングさせ、封止剤の特性に対応するCの値を精度よく求めることができる。
なお、実施の形態1では、太陽電池モジュール11の正極側の端子ボックス13aにインピーダンス測定器16の測定端子を接続し、負極側の端子ボックス13bにインピーダンス測定器16の測定端子のグラウンドを接続した測定方法を例示しているが、逆に太陽電池モジュール11の負極側の端子ボックス13bにインピーダンス測定器16の測定端子を接続し、正極側の端子ボックス13aにインピーダンス測定器16の測定端子のグラウンドを接続してもよく、同様の結果および効果が得られる。
次に、実施の形態1で示した太陽電池モジュールの診断用回路および診断方法を用いて、太陽電池モジュールを診断した結果について説明する。ここでは、1つの太陽電池モジュールを屋外に設置し、このモジュールの状態の変化について評価した結果を例示的に説明する。
太陽電池モジュールの診断手順は、図2のフローチャートに従って、第1の解析工程ではC、Rsh、L、Rを、第2の解析工程でCを求め、これらを記録した。また、太陽電池モジュールのインピーダンス測定では、図1に示す診断用回路を用い、夜間帯に測定を行った。なお、インピーダンス測定器16にはネットワークアナライザを使用した。得られたインピーダンス測定の結果から、図6および図7で述べた等価回路解析の方法により太陽電池モジュールの等価回路定数C、Rsh、L、R、Cを求めた。屋外曝露評価は168日間にわたって実施し、その間の等価回路定数の変動を記録した。
図8は、実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの診断方法により測定された、太陽電池モジュールの屋外暴露期間中の等価回路定数のRとCの経時変化の例を示す図である。太陽電池モジュールの等価回路定数の内、一例として太陽電池モジュールの直列抵抗Rの経時変化を図8(a)に、タブ配線と金属製フレーム12の間の容量Cの経時変化を図8(b)に示している。ここで、RとCの値は、屋外暴露前の初期値で規格化しており、これらの初期値は太陽電池モジュールが正常であるときの値として用いている。すなわち、図中のRおよびCは、それぞれの初期値、即ち太陽電池モジュール11が正常であるときの値で規格化されているので、各値は太陽電池モジュール11が正常であるときの値との比較結果に相当するものであるとともに、劣化度合いを定量的に示す値になっている。
図8(a)に示すように、168日間の屋外暴露では、直列抵抗Rは殆ど変化していない。しかしながら、図8(b)のタブ配線と金属製フレーム12の間の容量Cに関しては、暴露日数がおよそ80日を超えるとCの値は徐々に減少し、168日後には初期値と比較して15%程度低下している。また、ここでは図示していないが、太陽電池モジュールの他の回路定数C、Rsh、Lについても、図8(a)のRと同様、明確な変化は認められなかった。このように、168日間という比較的短期間の暴露試験では、太陽電池セルの特性、モジュールの配線または電極部の抵抗は殆ど変化していないが、モジュールの封止に使用する封止剤には、早くも僅かな変化が発生していることが認められた。
タブ配線とフレーム間の容量Cの減少は封止剤の誘電率の低下に対応するので、屋外に設置している間に受ける紫外線またはモジュール端部から侵入する水分により、封止材料の分子構造に何らかの変化が生じ、結果として材料特性が変化したと考えられる。このような変化がさらに進むと、封止剤の光透過率または水分バリア性が劣化し、太陽電池モジュールの発電特性にも影響が現れるようになると考えられる。また、封止剤の変質により酢酸等がモジュール内に発生し、結果的には配線または電極の腐食によりモジュールの出力が低下することが知られている。
従来の太陽電池モジュールの診断用回路および診断方法(例えば、特許文献1参照)では、太陽電池モジュールの封止剤に対応するタブ配線と金属製フレーム12の間の容量Cを得ることができなかったが、実施の形態1の診断用回路および診断方法では、太陽電池セルの劣化、モジュールの電極または配線部の抵抗不良に加え、封止材の状態も検知することができ、太陽電池モジュールを総合的に診断することが可能となる。これにより、故障に至る前に適切なタイミングで太陽電池モジュールの修理または交換をユーザに促すことができ、重大故障に至る前に太陽電池モジュールを修理あるいは取替えることが可能となるので、太陽電池モジュールを複数含む太陽電池システム全体の保全を効率よく行えるという効果を有する。
また、接続箱15の第1のスイッチ22aと第2のスイッチ22bを備えることにより、自己インダクタンスLを大きく取って、全インダクタンスLを大きくすることにより、共振周波数を100kHz〜2MHz程度に低く抑えることも可能になる。このような比較的低周波数の共振を用いることによって、2MHzを超える周波数特性の優れた測定装置を使う必要がなくなり、診断用回路のコストを下げることができる。さらに、第1のスイッチ22aと第2のスイッチ22bを備えることにより、解析すべき等価回路が単純になるため、計算の精度が高まって接合容量Cの値を精度よく求めることができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの診断用回路および診断方法について説明する。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、図2のフローチャートに示すように、図1中の接続箱15の第1のスイッチ22aと第2のスイッチ22bを切り替え、太陽電池モジュール11のインピーダンス測定を計2回実施している。このため、太陽電池モジュール11および接続箱15が設置されている屋外の実環境では、長期間の使用により第1のスイッチ22aまたは第2のスイッチ22bに接点不良が発生したり、スイッチが故障したり、スイッチの制御装置が故障したりすることにより、太陽電池モジュール11の診断用回路が故障する可能性がある。
図9は、実施の形態2よる太陽電池モジュールの診断用回路を模式的に示す概略構成図である。図1と比較すると、接続箱15の内部は、スイッチを介さずに直接接続されている点が異なっており、負極側の端子ボックス13bの出力端子とインピーダンス測定器16の測定端子のグラウンドとは電気的に接続されている。また、金属製フレーム12とインピーダンス測定器16の測定端子のグラウンドとも接続されている。これは、図1における第1のスイッチ22aと第2のスイッチ22bを共にオンに固定したのと同じ状態である。図10は、実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの診断手順の一例を示すフローチャートである。診断においては、解析工程となる太陽電池モジュール11のインピーダンスの測定(S113)と、それに続いて等価回路解析(S114)を行う。次に、判定工程となる、回路定数規格化(S131)、劣化または故障の判定(S132)を行う。
このように、接続箱15の配線を、スイッチを介さずに直接接続して、図1における第1のスイッチ22aと第2のスイッチ22bを共にオンに固定したのと同じ状態でインピーダンス測定を行うようにしているので、これらのスイッチの劣化または故障は起こらず、上記診断装置の長期信頼性が著しく向上する。
実施の形態2において、太陽電池モジュール11のインピーダンス測定および等価回路解析を行う際には、図5の等価回路に示されるように、出力ケーブル14のインダクタンスL、モジュール本体のインピーダンスである太陽電池セルの接合容量Cと絶縁抵抗Rsh、配線のインダクタンスL、電極および配線部の直列抵抗Rに加え、モジュール内のタブ配線と金属製フレーム12の間の容量C、金属製フレーム12と接続箱15を接続するアース線23の直列抵抗R、共振点調整用のインダクタ24の自己インダクタンスLから成る分岐回路のインピーダンスも同時に考慮する必要がある。
図11は、太陽電池モジュール11の全インピーダンスである、インピーダンスZPVを測定した結果の一例を示す図である。図11(a)は、太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVの強度の周波数Fに対する依存性を表し、図11(b)は、インピーダンスZPVの位相の周波数Fに対する依存性を表している。図11は、太陽電池モジュール11が発電しない夜間に測定を行い、一例として、下限周波数をF=1kHz、上限周波数をF=4.8MHzに設定し、周波数FをFからFまで増加させながら、太陽電池モジュール11のインピーダンスZPVを測定した結果である。
図3の測定結果と同様に、周波数がF=0.68MHzにおいて、出力ケーブル14のLおよびモジュール本体のLと接合容量Cによる第1の共振ピークが見られるが、これに加え、周波数がF=3MHzの付近に、新たに第2の共振ピークも現れている。この第2の共振ピークは、出力ケーブル14およびタブ配線のインダクタンスL+Lと金属製フレーム12間の容量Cによる並列共振、アース線23のインダクタンスLとタブ配線と金属製フレーム12の間の容量Cによる直列共振、によるものと考えられる。
図3に示した測定結果で詳細に説明したように、等価回路の全インピーダンスを計算し、得られたインピーダンスカーブを実測値にフッティングすることにより、回路定数L、C、Rsh、L、R、Cを一度に求めることができる。第1の共振ピーク(F=0.68MHz)および第2の共振ピーク(F〜3MHz)の近傍では、インピーダンスの変化が激しいので、これらの2つの領域を含む全周波数領域でフィッティングを行うと、回路定数を精度よく求めることができる。実際にフィッティングした結果を図11に示しているが、実測値とフィッティングの結果は良く一致しているのがわかる。
以上のように、実施の形態2では、診断回路中に測定を切り替えるための機械的あるいは電気的スイッチが無いので、太陽電池モジュールの診断用回路の長期信頼性を向上することができる。また、太陽電池モジュール11を診断する際、インピーダンス測定(S113)および等価回路解析(S114)がそれぞれ1回で済むことから、診断時間の短縮も図れるという利点がある。
実施の形態1の図7に示した測定結果の診断方法では、共振点調整用のインダクタ24のLを大きくすることで、共振ピークを低周波数側に制限なく移動させることができた。しかしながら、実施の形態2の診断方法では、Lの値が大きくなると、C、L、Rから成る分岐回路のインピーダンスが大きくなり、この回路には高周波信号の電流が殆ど流れなくなってしまう。よって、共振点調整用のインダクタ24のLの値には適切な数値範囲が存在する。図12は、このLの値をパラメータとして、太陽電池モジュールの全インピーダンスZPVをシミュレーションにより求めた結果を示す図である。ここで、L以外の回路定数は診断で得られた値を用いた。すなわち、L=0.8μH、C=25.4nF、Rsh=12.1kΩ、L=1.3μH、R=1.5Ω、C=661pF、R=4.9Ωとし、Lの値を1〜20μHの範囲で変化させた。Lの値を1μHから20μHまで増加させると、第2共振ピークの周波数は4MHzから1.4MHzにまで大きく低下するが、同時に共振点におけるインピーダンスの変化量もかなり小さくなっているのが分かる。インピーダンスの変化量が小さくなると、カーブフィッティングの精度が大幅に劣化する。よって、共振点でのインピーダンスの変化量を十分確保するには、図12に示されるように、Lの値を20μH以下にしておく必要がある。また、共振点が3MHz以下の低周波領域に現れるようにするには、Lの値は3μH以上に設定すればよく、結果として、3μH<L<20μHの範囲にすればよい。
実施の形態2の診断用回路および診断方法を用いて、太陽電池セルの劣化、モジュールの電極または配線部の抵抗不良に加え、封止材の状態も検知することができ、太陽電池モジュールを総合的に診断することが可能となる。
実施の形態3.
図13は、実施の形態3にかかる太陽電池モジュールの診断に用いる診断用回路を模式的に示す概略構成図である。以下、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。実施の形態3では、複数枚の太陽電池モジュール11a、11b、11cが直列に接続された太陽電池ストリング内の、特定の1枚の太陽電池モジュールを診断する方法について説明する。以下の説明において、複数枚の太陽電池モジュール11a、11b、11cを太陽電池モジュール11と総称することがある。実施の形態1と同様、測定対象の太陽電池モジュール11bの端子ボックス13の一方の出力端子である正極側端子ボックス13aの端子は、出力ケーブル14aと接続箱15を経て、インピーダンス測定器16の測定端子に接続された同軸ケーブル17の中心導体18と接続されるが、この経路の途中、すなわち接続箱15の中に、DCカット用のブロッキングキャパシタ21aが挿入されている。
一方、太陽電池モジュール11bの端子ボックス13の他方の出力端子である負極側端子ボックス13bの端子は、出力ケーブル14bと接続箱15を経て、同軸ケーブル17の外部導体19およびインピーダンス測定器16のグラウンドと接続されるが、この経路においても接続箱15の中にDCカット用のブロッキングキャパシタ21bが挿入されている。
インピーダンス測定器16から太陽電池モジュール11bに供給される測定のための高周波信号は、周波数が充分に高いために、言い換えれば、キャパシタの容量が充分に大きいために、ブロッキングキャパシタ21aを容易に通過し、太陽電池モジュール11bにまで伝播することができるが、太陽電池モジュール11bで発生する直流の電圧および電流はブロッキングキャパシタ21aおよび21bによりカットされる。この結果、太陽電池モジュール11bで発生した過電圧によるインピーダンス測定器16の故障を防ぐことができる。また、同軸ケーブル17のリターン側の外部導体19および太陽電池モジュール11bの金属製フレーム12bもブロッキングキャパシタ21bにより電気的に切り離されているので、インピーダンス測定器16の筐体を接地して、感電を防止することができる。また、アース線23を介して太陽電池モジュール11bの金属製フレーム12bも接地することもできる。
また、ストリング中の隣り合う太陽電池モジュール11a、11b、11cとの接続部には、図13に示すように、干渉防止用のダイオード25a、25b(以下、総称する場合はダイオード25)がモジュール毎に挿入されている。インピーダンスを測定する夜間帯においては、太陽電池モジュール11は発電していないので、このダイオード25の両端には電圧は発生しておらず、ダイオード25はオフ状態となる。よって、インピーダンス測定器16の測定端子から特定の太陽電池モジュール11bに供給される高周波信号は、この太陽電池モジュール11bに隣り合う他の太陽電池モジュール11a、11cには伝搬することができず、結果として、測定対象である太陽電池モジュール11bのみのインピーダンス測定が可能となる。一方、太陽電池モジュール11が発電している昼間帯では、このダイオード25の両端には電圧が発生するのでダイオード25はオン状態となり、ストリング中の太陽電池モジュール11a、11b、11cは全て電気的に接続された状態になる。なお、このような状態で太陽電池モジュール11bのインピーダンス測定を行うと、測定対象のモジュール以外の影響、特に両隣の太陽電池モジュール11aおよび太陽電池モジュール11cの影響も受けてしまい、測定が困難になる。
以上のように、実施の形態3では、複数枚の太陽電池モジュール11が直列に接続された太陽電池ストリングにおいて、隣り合うモジュールとの間に干渉防止用ダイオード25が挿入されているので、インピーダンス測定を行う夜間帯には、これらのダイオード25がオフ状態となり、各々のモジュールは電気的に切り離される。これにより、太陽電池モジュール11のインピーダンス測定において、他の太陽電池モジュールからの干渉を防止することができる。また、日中の発電時には、ダイオード25はオン状態になるので、送電に何ら悪影響を及ぼさない。
実施の形態3では、測定対象の太陽電池モジュール11bのみに接続箱15を接続しているが、他の太陽電池モジュール11a、11cにもこの接続箱15を予め接続しておき、測定する際に、インピーダンス測定器16と接続箱15を接続すればよい。また、この場合には、干渉防止用ダイオード25は各接続箱に1個用意しておけばよく、隣り合う太陽電池モジュール間に1個のダイオードが挿入される。
実施の形態3の診断用回路および診断方法を用いて、複数枚の太陽電池モジュールが直列に接続された太陽電池ストリング内の、特定の1枚の太陽電池セルの劣化、モジュールの電極または配線部の抵抗不良に加え、封止材の状態も検知することができ、太陽電池モジュールを総合的に診断することが可能となる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4にかかる太陽電池モジュールの診断システムについて説明する。以下では、実施の形態1および3と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態4では、太陽光発電システムを構成する個々の太陽電池モジュールを常時診断する太陽電池モジュール診断システムについて、図14を用いて説明する。図14は、実施の形態4にかかる太陽電池モジュールの診断に用いる診断システムを模式的に示す概略構成図である。全ての太陽電池モジュール11には、実施の形態3で説明した接続箱15a、15b、15c(以下、総称する場合は接続箱15)とインピーダンス測定器16a、16b、16c(以下、総称する場合はインピーダンス測定器16)が設置されており、実施の形態3と同様、太陽電池モジュール11bの出力ケーブル14は、接続箱15bを介して、両隣の太陽電池モジュール11aおよび11cそれぞれの出力ケーブル14と直列に接続されている。図14では、接続箱15の内部は図示しない。接続箱15には、インピーダンス測定器16が直結されており、インピーダンス測定器16には制御部であるホストコンピュータ27が通信手段26a、26b、26c(以下、総称する場合は通信手段26)を介して接続されている。インピーダンス測定器16は、太陽電池モジュール11のインピーダンス情報を通信手段26によりホストコンピュータ27に送信するとともに、ホストコンピュータ27から測定に関する指令を受信する。なお、インピーダンス測定器16およびホストコンピュータ27は通信手段26により通信するためのインターフェースを備えており、ホストコンピュータ27は接続箱15と通信する手段も有している。さらに、インピーダンス測定器16が接続箱15と通信する手段を有していてもよい。ホストコンピュータ27は、通信手段26を介して全ての接続箱15の第1のスイッチ22aおよび第2のスイッチ22bのオンまたはオフを制御することができる。ここで、通信手段26は必ずしも有線である必要はなく、無線でもよいことは言うまでもない。また、実施の形態4では、接続箱15とインピーダンス測定器16とは別々の筐体になっているが、これらをまとめて一つの筐体に収めてもよい。ホストコンピュータ27では、得られたインピーダンスの周波数依存性データから、それぞれの太陽電池モジュール11の等価回路定数を抽出し、基準値との比較により太陽電池モジュール11の故障の有無または劣化の程度を検知する。
上記のような太陽電池モジュールの診断システムは、ホストコンピュータ27が通信手段26を経てインピーダンス測定器16および接続箱15を制御することで、太陽電池ストリングまたは太陽光発電システム全体の太陽電池モジュール11のインピーダンス測定を順次実行することができる。インピーダンス測定は、日光が当たらない夜間帯が好ましいため、ホストコンピュータ27に内蔵されている時計を用い、例えば日没とともに各モジュールにおいて自動的に測定を開始して不具合の発生の有無を調査することができる。不具合が発生した太陽電池モジュールを検知した場合は、太陽電池モジュール11の交換または出力端子箱の修理といった早急に必要なメンテナンスを行うことにより、日中の発電量が低下しないように太陽光発電システムを運用することが可能になる。
実施の形態5.
次に、実施の形態5にかかる太陽電池モジュールの診断システムについて説明する。以下では、実施の形態4と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態5では、太陽光発電システムを構成する個々の太陽電池モジュールを常時診断する際、太陽電池モジュールのインピーダンス情報に加えて温度情報も同時に取得し、この温度情報に基づいて太陽電池モジュールの診断結果を補正する、より高精度な診断システムについて説明する。太陽電池モジュールの等価回路を既に図5に示したが、この中で、接合容量C、寄生容量C、直列抵抗Rおよび絶縁抵抗Rshの値は太陽電池モジュールの温度にも依存するので、たとえ太陽電池モジュール自体には劣化がなくても、温度が異なれば、これらの値には変化が生じる。よって、太陽電池モジュールの劣化状態をより高精度に検知するためには、太陽電池モジュールのインピーダンス情報のみならず温度情報も同時に取得し、温度の違いを考慮して診断結果を適切に補正する必要がある。
図15は、実施の形態5にかかる太陽電池モジュールの診断に用いる診断用回路を模式的に示す概略構成図である。図15においては、図14に温度測定手段である温度計28が追加されている。温度計28は、通信手段29を介してホストコンピュータ27に接続されている。太陽電池モジュール11の診断において温度補正を行うためには、太陽電池モジュール11のインピーダンスを計測する際、太陽電池モジュール11の温度も把握する必要がある。しかしながら、既に説明したように、実施の形態5のモジュール診断も通常夜間に実施するので、診断時には太陽光による入熱も発電による自己発熱もなく、太陽電池モジュール11の温度は外気の温度にほぼ一致すると考えることができる。よって、実施の形態5では、太陽光発電システムの太陽電池モジュール11の温度を実測する代わりに、外気温を測定する温度計28を診断システム内に設置している。なお、温度計28が太陽電池モジュール11の温度を実測できるのであれば、そのような構成にしてもかまわない。いずれにせよ、温度計28は、太陽電池モジュール11の温度と見做せる温度情報を取得することができる。温度計28は、取得した温度情報を通信手段29によりホストコンピュータ27に送信するとともに、ホストコンピュータ27から測定に関する指令を受信する。なお、温度計28は、温度センサ部が通信手段29を介して通信するためのインターフェースを備えている。
実施の形態5にかかる太陽電池モジュールの診断システムでは、ホストコンピュータ27に集められた各太陽電池モジュール11のインピーダンス情報とモジュール温度の指標となる気温情報を用いて、診断結果に温度補正を行うことが可能になる。温度補正を実施したモジュール診断の一例を図16と図17を用いて説明する。
図16は、実施の形態5にかかる太陽電池モジュールの診断方法により測定された、太陽電池モジュールの屋外暴露期間中の等価回路定数の絶縁抵抗Rshの経時変化の例を示す図であり、図16(a)は温度補正を行わない場合の診断結果を示す図、図16(b)は温度補正を行った場合の診断結果を示す図である。図16は、6ヶ月間以下の比較的短い暴露期間の間に抽出された診断結果である。図16(a)は、実施の形態1および実施の形態2で説明した温度補正を行わない場合の診断結果を示す図である。ここで、太陽電池モジュール11のインピーダンスを測定する方法およびインピーダンスの周波数特性から回路定数を抽出する方法に関しては、実施の形態1および実施の形態2と同じであり、これらの説明は省略する。また、図中の絶縁抵抗Rshの値は、屋外暴露前の初期値で規格化しており、太陽電池モジュール11が正常であるときの値との比較結果に相当するものであるとともに、太陽電池モジュール11の絶縁性の劣化度合いを定量的に示す値になっている。
この太陽電池モジュールの屋外暴露試験では、暴露期間は最長でも189日、即ち約6か月と比較的短く、太陽電池モジュールの性能保証期間は10年以上であるので、この程度の屋外暴露では太陽電池モジュールには何ら劣化は発生しないと考えられる。実際、この暴露試験後の太陽電池モジュールをソーラシミュレータにより特性評価を行ったが、発電特性には試験前後での有意な差は認められなかった。よって、このような短い暴露試験では、絶縁抵抗Rshおよび他の回路定数の値はほぼ一定になるはずである。しかしながら、図16(a)に示すように、温度補正を行わない場合には、抽出したRshの値は日々の変動が相当大きく、また暴露期間がおよそ120日を超えると、Rshに若干の増加傾向がみられる。全暴露期間におけるRshの変動量、すなわち±3σ(σ:標準偏差)を算出すると約±46%もあることが分かった。モジュールの絶縁性の指標であるRshの診断結果がこのように大きく変動しているので、もしモジュールの絶縁性に劣化が生じRshの値が低下しても、±46%の変動量の範囲内であれば、その劣化を検知することは困難である。
次に、太陽電池モジュールの診断に温度補正を行った診断結果について説明する。既に図15に示したように、太陽電池モジュール11の温度とみなした温度計28の設置場所の気温は、温度計28により絶えずモニタリングされている。暴露試験の間、モジュール温度は日々変動し、T=17℃から47℃の範囲の中で推移していた。そこで、図16(a)の太陽電池モジュールの絶縁抵抗Rshと診断時のモジュール温度Tとの関係について調べた。その結果を図17に示す。
図17は、実施の形態5にかかる太陽電池モジュールの診断方法により測定された、太陽電池モジュールの等価回路定数のRshとモジュール温度Tとの相関関係を示す図である。図17に示すように、両者の間には強い負の相関があることがわかった。すなわち、モジュール温度Tが低いときには絶縁抵抗Rshは大きく、逆にモジュール温度Tが高いときには絶縁抵抗Rshは小さくなっている。このRshとTのデータに回帰分析を行ったところ、RshとTとの間には、相関係数r=−0.925で、Rsh=−0.0171T+1.74の関係があることが分かった。即ち、絶縁抵抗Rshの温度係数はα=−0.0171℃−1であることがわかった。なお、この1次式、即ちRsh=−0.0171T+1.74で与えられる回帰直線を図17に重ねると、T=17℃から47℃の全温度範囲において、殆どのプロットはこの直線に載っていることがわかる。よって、抽出したRshの値が日々変動したのは、診断時のモジュール温度が異なっていたことが主な原因であると結論される。
以上のように、屋外に設置された太陽電池モジュールの温度は一定ではなく、モジュールを診断する際に温度が異なることが原因で抽出した等価回路定数が変動することがわかった。また、新品あるいは正常なモジュールを屋外に設置した後、比較的短い期間、例えば、数ヶ月〜1年程度の期間では、モジュールには何ら劣化は生じないと期待できるので、この期間に抽出したC、C、RおよびRshといった回路定数とモジュール温度Tとの相関関係を調べることにより、回路定数の温度係数を容易に得ることができる。このように、実施の形態5の温度補正法によると、太陽電池モジュールを設置する前に予めモジュールの温度特性を計測および評価しておく必要はなく、設置した後に一定期間の間、データを収集するだけでよい。
回路定数の温度係数が分かれば、診断時のモジュール温度Tから、例えばモジュール温度がT=25℃のときの回路定数の値を推定することができ、この値を用いてモジュールの状態を監視すれば、診断時のモジュール温度の違いによる影響を取り除くことができると考えられる。モジュール温度がT=25℃のときの回路定数の値を求めるには、例えば上述した絶縁抵抗Rshの場合には、温度係数はα=−0.0171℃−1であったので、Rsh(@25℃)=Rsh(@T)−α(T−25)の関係より求めることができる。
実際、このようにして温度補正を行ったRsh(@25℃)の経時変化が図16(b)に示されるが、温度補正を行わない場合の診断結果を示した図16(a)と比較して、Rsh(@25℃)の変動は大きく抑えられており、全暴露期間における変動量(±3σ)は約±15%にまで低減していることがわかる。このように、日々のRshのランダムな変動量が約15%に留まっているので、モジュールの劣化に伴い生じるRshの変化量が20%以上であれば、この変化を捉えることができる。既に述べたように、温度補正を行わない場合には、少なくとも50%以上の変化がないと捉えることができなかったので、実施の形態5の温度補正法により検出精度が大きく向上したといえる。
実施の形態5では、モジュールの絶縁抵抗Rshを例にとり、温度補正の効果について説明したが、他の回路定数、すなわちモジュールの直列抵抗R、モジュールの接合容量C、封止剤に対応する寄生容量C、についても同様の効果が得られた。
実施の形態5では、温度計28により太陽電池モジュール11が設置されている付近の気温を計測し、これをモジュール温度Tとしたが、太陽電池モジュール11の表面に熱電対等の温度計を貼り付け、モジュール温度のTを直接測定してもよい。即ち、モジュールの等価回路定数の温度特性を予め計測または評価しておく必要はなく、設置した後の診断結果より温度係数を求めることができる。
また、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、上記実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11,11a,11b,11c 太陽電池モジュール、12,12a,12b,12c 金属製フレーム、13,13a,13b 端子ボックス、14,14a,14b 出力ケーブル、15,15a,15b,15c 接続箱、16,16a,16b,16c インピーダンス測定器、17 同軸ケーブル、18 中心導体、19 外部導体、20 誘電体、21,21a,21b DCカット用ブロッキングキャパシタ、22a 第1のスイッチ、22b 第2のスイッチ、23 アース線、24 共振点調整用のインダクタ、25,25a,25b 干渉防止用ダイオード、26,26a,26b,26c,29 通信手段、27 ホストコンピュータ、28 温度計。

Claims (11)

  1. 導電性のフレームを備える太陽電池モジュールに接続された周波数可変のインピーダンス測定器を用いて、前記太陽電池モジュールのインピーダンスの周波数特性を前記太陽電池モジュールが備える太陽電池セルが発電しない時間帯に測定して前記太陽電池モジュールの診断を行う診断方法であって、
    前記太陽電池モジュールの2本の出力ケーブル間のインピーダンスの共振点を含む周波数特性と、前記2本の出力ケーブルのうち1本と前記フレーム間のインピーダンスの共振点を含む周波数特性と、を測定し、測定された前記周波数特性から前記太陽電池モジュールの等価回路定数を決定する解析工程と、
    前記解析工程で決定された前記等価回路定数と、予め取得された等価回路定数とを比較して前記太陽電池モジュールの状態の変化を判定する判定工程と、
    を含み、
    前記解析工程は、
    太陽電池モジュールの2本の出力ケーブル間のインピーダンスの共振点を含む第1の周波数特性を測定する工程と、
    前記第1の周波数特性に基づいて第1の等価回路に対する等価回路定数を決定する工程と、
    前記2本の出力ケーブルのうち1本と前記フレーム間のインピーダンスの共振点を含む第2の周波数特性を測定する工程と、
    前記第2の周波数特性に基づいて第2の等価回路に対する等価回路定数を決定する工程と、を含んでいる
    ことを特徴とする太陽電池モジュールの診断方法。
  2. 前記2本の出力ケーブルのうち1本と前記フレーム間のインピーダンスの共振点を含む周波数特性の測定は、前記フレームと前記インピーダンス測定器のグラウンドとの間に共振点調整用のインダクタが挿入された回路を用いて行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの診断方法。
  3. 導電性のフレームを備える太陽電池モジュールに接続された周波数可変のインピーダンス測定器を用いて、前記太陽電池モジュールのインピーダンスの周波数特性を前記太陽電池モジュールが備える太陽電池セルが発電しない時間帯に測定して前記太陽電池モジュールの診断を行う診断方法であって、
    前記フレームと前記インピーダンス測定器のグラウンドとの間に共振点調整用のインダクタが挿入された回路を用い、太陽電池モジュールの2本の出力ケーブル間のインピーダンスの共振点を含む周波数特性を測定し、測定された前記周波数特性から前記太陽電池モジュールの等価回路定数を決定する解析工程と、
    前記解析工程で決定された前記等価回路定数と、予め取得された等価回路定数とを比較して前記太陽電池モジュールの状態の変化を判定する判定工程と、
    を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの診断方法。
  4. 前記共振点調整用のインダクタの自己インダクタンスは3μH以上20μH以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池モジュールの診断方法。
  5. 前記解析工程において、前記太陽電池モジュールの劣化が発生するまでの一定期間に取得した前記等価回路定数の情報と前記太陽電池モジュールの温度情報から推定した前記等価回路定数の温度依存性の関係を用いて、前記等価回路定数の温度補正を行う
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの診断方法。
  6. 導電性のフレームを備える太陽電池モジュールの第1出力端子とブロッキングキャパシタとを接続する回路手段と、
    前記ブロッキングキャパシタとインピーダンス測定器の測定端子とを接続する回路手段と、
    前記太陽電池モジュールの第2出力端子と第1スイッチとを接続する回路手段と、
    前記第1スイッチと前記インピーダンス測定器のグラウンドとを接続する回路手段と、
    共振点調整用インダクタと第2スイッチとを直列に接続した共振点調整回路と、
    前記フレームと前記共振点調整回路の一端とを接続する回路手段と、
    前記共振点調整回路の他端と前記インピーダンス測定器のグラウンドとを接続する回路手段と、
    を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの診断用回路。
  7. 前記共振点調整用のインダクタの自己インダクタンスは3μH以上20μH以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池モジュールの診断用回路。
  8. 第1干渉防止用ダイオードと、
    他の太陽電池モジュールの出力端子と前記第1干渉防止用ダイオードとを接続する回路手段と、
    前記第1出力端子と前記第1干渉防止用ダイオードとを接続する回路手段と、
    をさらに備える
    ことを特徴とする請求項またはに記載の太陽電池モジュールの診断用回路。
  9. 第2干渉防止用ダイオードと、
    他の太陽電池モジュールの出力端子と前記第2干渉防止用ダイオードとを接続する回路手段と、
    前記第2出力端子と前記第2干渉防止用ダイオードとを接続する回路手段と、
    をさらに備える
    ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池モジュールの診断用回路。
  10. 請求項からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの診断用回路と、
    前記インピーダンス測定器と、
    前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを制御する制御部と、
    太陽電池モジュールのインピーダンス情報を前記制御部に送信し、前記制御部から前記インピーダンス測定器、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの制御信号を送信する通信手段と、
    を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの診断システム。
  11. 前記太陽電池モジュールの温度情報を取得して前記制御部に送信する温度測定手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの診断システム。
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