JP2013084660A - 太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム - Google Patents

太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム Download PDF

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泰史 道祖尾
Hiroyuki Igawa
博之 井川
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Abstract

【課題】出力が低下するのを抑制することが可能な太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】この太陽電池モジュール1は、太陽電池パネル30と、太陽電池パネル30の縁部を保持する保持部材7とを備える。太陽電池パネル30は、太陽電池セル2と、透光性基板5と、太陽電池セル2および透光性基板5の間に配置される封止材4とを含む。太陽電池モジュール1の縁部には、透光性基板5の上面5aから太陽電池モジュール1の外部へ連通する連通部40が形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、太陽電池モジュールおよび太陽光発電システムに関し、特に、太陽電池パネルの縁部を保持する保持部材を備えた太陽電池モジュールおよび太陽光発電システムに関する。
近年、シリコン基板の裏面側にn電極およびp電極を形成した所謂裏面電極型太陽電池セルを備えた太陽電池モジュールが開発されている。例えば、従来の一例による太陽電池モジュール1001は図18に示すように、複数の裏面電極型太陽電池セル1010(以後、単に太陽電池セル1010と称する)と、隣接する太陽電池セル1010同士を接続する接続部材1020と、太陽電池セル1010および接続部材1020を覆う封止材1021と、太陽電池セル1010、接続部材1020および封止材1021を上下方向に挟み込む透光性基板1022および裏面保護シート1023とを備える太陽電池パネルと、この太陽電池パネルの縁部を保持する枠部材1024(保持部材)とを備える。枠部材1024は図19に示すように、透光性基板1022の縁部の全周を保持するように形成されている。太陽電池セル1010は図20に示すように、裏面側にn型集電層1011aおよびp型集電層1011bが設けられたn型のシリコン基板1011と、シリコン基板1011の上面(受光面)側に設けられたパッシベーション膜1012と、シリコン基板1011の裏面側に設けられてn型集電層1011aに電気的に接続されたn電極1013およびp型集電層1011bに電気的に接続されたp電極1014とを含む。なお、図18では、n電極1013およびp電極1014を省略している。
太陽電池モジュール1001に太陽光が照射されると、シリコン基板1011内で電子・正孔対が生じ、電子および正孔はそれぞれn型集電層1011aおよびp型集電層1011bに引き寄せられる。これにより、所定の出力(電力)が取り出される。この太陽電池セル1010では、シリコン基板1011の受光面側に電極を形成しないので、電極によるシャドーロス(電極が影になることによる光の損失)がない。
なお、複数の裏面電極型太陽電池セルを接続した太陽電池モジュールは、例えば特許文献1に開示されている。
特開2010−16074号公報
しかしながら、本願発明者は、上記太陽電池モジュール1001に太陽光を照射して発電を行うと、太陽電池モジュール1001の出力が低下する(発電効率が低下する)場合があるという問題点が存在することを見出した。具体的には、本願発明者は、太陽電池モジュール1001について種々検討した結果、従来から使用されている受光面と裏面とのそれぞれに電極が設けられた太陽電池モジュールでは出力の低下が起こりにくいこと、太陽電池モジュール1001内の発電回路の電位と枠部材1024の電位との間の電位差が大きいほど出力の低下が起こりやすいこと、降雨などにより太陽電池モジュール1001の受光面に水の膜が形成されている状態では出力の低下が起こりやすいこと、を突き止めた。
これらの結果から、本願発明者は、以下のメカニズムにより太陽電池モジュール1001の出力の低下が発生すると推定した。
まず第1に、太陽電池セル1010の電位が周囲(枠部材1024や太陽電池モジュール1001の外部)の電位よりも高い場合は、その電位差により太陽電池セル1010の受光面側には図21に示す方向の電界Eが発生する。そして、透光性基板1022や封止材1021に含まれる電子が電界Eによりパッシベーション膜1012側に集められる。
第2に、パッシベーション膜1012の受光面側に集められた電子と対を成すように、シリコン基板1011の受光面側、すなわちパッシベーション膜1012が形成されている側の方向に、正孔を集めようとする力が発生する。
第3に、太陽電池セル1010のpn接合に光が照射されることにより電子・正孔対が発生する。そして、上記正孔を集めようとする力により、発生した正孔がパッシベーション膜1012の方向に向かう確率が高くなり、発生した正孔がシリコン基板1011の裏面に設けたp型集電層1011bに到達する割合が低下する。シリコン基板1011がn型である場合、正孔は少数キャリアとなるため、発生した正孔がp型集電層1011bに到達する割合が低下することは太陽電池セル1010の出力電流が低下することである。すなわち、太陽電池モジュール1001の出力が低下する(発電効率が低下する)こととなる。
一般的に、枠部材1024が金属などの導電性部材により形成されている場合、感電などに対する安全性確保のために枠部材1024が接地されることが多い。その一方、発電することにより太陽電池セル1010の電位が接地電位に対して高くなる場合がある。したがって、太陽電池モジュール1001の内部の発電回路(複数の太陽電池セル1010および接続部材1020など)の電位が枠部材1024の電位に対して高くなることがあり、この電位差により発生する電界によって、上記のメカニズムによる出力の低下(発電効率の低下)が発生すると推定される。
上記正孔を集めようとする力は、太陽電池セル1010のシリコン基板1011の受光面側にかかる電界強度に比例する。このため、太陽電池モジュール1001の内部の発電回路と枠部材1024との間の距離が大きくなるほど、電界強度が低くなる。通常、枠部材1024は太陽電池モジュール1001の縁部に取り付けられており、電位差を生じる部分の間の距離(枠部材1024と太陽電池セル1010との間の距離)は離れている。このため、電界強度が高くなるのを抑制することが可能であり、出力の低下を抑制することが可能である。
しかしながら、図22に示すように、降雨などによって太陽電池モジュール1001の表面に水(雨水)1050が溜まった場合、透光性基板1022の上面の電位が接地電位になる場合がある。具体的には、水1050が透光性基板1022の上面上に溜まり、かつ、枠部材1024に接触すると、水1050により透光性基板1022の上面と枠部材1024とが電気的に繋がり同電位になる。枠部材1024が接地されている場合は、透光性基板1022の上面が接地電位となり、電位差を生じる部分の間の距離(透光性基板1022の上面と太陽電池セル1010との間の距離)は、太陽電池モジュール1001の表面に水が溜まっていない場合に比べて飛躍的に近くなる。このため、太陽電池セル1010の受光面にかかる電界の強度が飛躍的に高くなり、出力が低下するおそれが高くなる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、出力が低下するのを抑制することが可能な太陽電池モジュールおよび太陽光発電システムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、太陽電池パネルの縁部を保持する導電性の保持部材と、を備えた太陽電池モジュールであって、太陽電池パネルは、太陽電池セルと、太陽電池セルの受光面側に配置される透光性基板と、太陽電池セルおよび透光性基板の間に配置される封止材とを含み、太陽電池セルは、n型のシリコン基板と、シリコン基板の受光面に設けられた絶縁性のパッシベーション膜と、シリコン基板の裏面に設けられたn電極およびp電極とを含み、太陽電池モジュールの縁部には、透光性基板の受光面となる上面から太陽電池モジュールの外部へ連通する連通部が形成され、連通部を形成する面の少なくとも一部は、透光性基板の上面と同じ高さまたは下方に位置している。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、透光性基板とは、太陽光に対して透明な(透光性を有する)基板のことを言う。
この発明の太陽電池モジュールでは、上記のように、太陽電池モジュールの縁部には、透光性基板の受光面となる上面から太陽電池モジュールの外部へ連通する連通部が形成され、連通部を形成する面の少なくとも一部は、透光性基板の上面と同じ高さまたは下方に位置している。これにより、降雨などにより太陽電池モジュールの表面に水が溜まるのを抑制することができる。すなわち、降雨などがあっても、透光性基板上の水は、連通部を通過して下に流れ落ちる。このため、透光性基板の上面と保持部材とが電気的に繋がり同電位になるのを抑制することができる。これにより、電位差を生じる部分の間の距離が近くなるのを抑制することができる。具体的には、保持部材と太陽電池セルとの間にかかる電位差が、水が溜まることにより透光性基板の上面と太陽電池セルとの間にかかるようになるのを防止することができる。このため、降雨などがあっても、太陽電池セルの受光面にかかる電界の強度が高くなるのを抑制することができるので、太陽電池モジュールの出力が低下する(発電効率が低下する)のを抑制することができる。通常、太陽電池セルの電位は周囲(保持部材や太陽電池モジュールの外部)の電位よりも高くなることが多く、すなわち、太陽電池セルの受光面にはシリコン基板からパッシベーション膜への方向の電界がかかることが多い。n電極およびp電極が裏面に設けられた所謂裏面電極型の太陽電池セルに例えばn型のシリコン基板を用いた場合に上記の方向の電界がかかると、太陽電池モジュールの出力の低下が発生しやすい。したがって、受光面に絶縁性のパッシベーション膜を有し、n型のシリコン基板を用いた所謂裏面電極型の太陽電池セルを使用する太陽電池モジュールにおいて、出力が低下する(発電効率が低下する)のを顕著に抑制することができる。
上記太陽電池モジュールにおいて、好ましくは、保持部材は、太陽電池パネルの縁部のうちの一部を保持しており、太陽電池パネルの縁部のうちの保持部材により保持されていない部分に、連通部が形成されている。このように構成すれば、透光性基板の上面から太陽電池モジュールの外部へ連通する連通部を容易に形成することができる。
上記太陽電池モジュールにおいて、好ましくは、保持部材は、太陽電池パネルの少なくとも1つの端辺を、互いに所定の間隔を隔てて2箇所以上保持する。このように構成すれば、保持部材で保持されている部分の間に連通部を形成することができ、透光性基板上の水を、保持部材で保持されている部分の間(連通部)を通過させて下に流れ落とすことができる。
上記太陽電池モジュールにおいて、好ましくは、保持部材は、太陽電池パネルの側面を保持する側壁部と、太陽電池パネルの下面を保持する下面保持部とを含み、側壁部に連通部が形成されている。このように構成すれば、透光性基板の上面から太陽電池モジュールの外部へ連通する連通部を、保持部材に容易に形成することができる。
上記保持部材が側壁部および下面保持部を含む太陽電池モジュールにおいて、好ましくは、保持部材は、太陽電池パネルの上面を保持する上面保持部を含み、上面保持部に切り欠き部が形成されており、切り欠き部は連通部に繋がっている。このように構成すれば、透光性基板上の水を、切り欠き部および連通部を通過させて下に流れ落とすことができる。
上記太陽電池モジュールにおいて、好ましくは、保持部材のうちの透光性基板の上面よりも上側に位置する部分の少なくとも一部は、絶縁層により覆われている。このように構成すれば、降雨などがあっても、透光性基板の上面と保持部材とが電気的に繋がり同電位になるのをより抑制することができるので、太陽電池モジュールの出力が低下するのをより抑制することができる。
上記保持部材の少なくとも一部が絶縁層により覆われている太陽電池モジュールにおいて、好ましくは、絶縁層は絶縁性塗料により形成されている。このように構成すれば、保持部材の表面に、容易に絶縁層を形成することができる。
上記保持部材の少なくとも一部が絶縁層により覆われている太陽電池モジュールにおいて、好ましくは、保持部材は金属により形成されており、絶縁層は金属を化学反応させた層である。このように構成すれば、保持部材の表面に、容易に絶縁層を形成することができる。
上記太陽電池モジュールにおいて、好ましくは、太陽電池セルの裏面側に配置されるガラス基板をさらに備える。このように構成すれば、太陽電池モジュールの剛性を高くすることができる。
この発明の太陽光発電システムは、上記の構成の太陽電池モジュールを備える。このように構成すれば、出力が低下するのを抑制することが可能な太陽光発電システムを得ることができる。
上記太陽光発電システムにおいて、好ましくは、保持部材は接地されており、太陽電池モジュールの発電電力を出力する出力端の電位は接地電位以上である。このような場合に太陽電池モジュールの出力の低下が発生しやすい。このため、太陽電池モジュールの発電電力を出力する出力端の電位が保持部材の電位となる接地電位以上である場合に特に有効である。
上記太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュールを複数備え、全ての太陽電池モジュールの保持部材は接地されており、少なくとも1つの太陽電池モジュールにおいて太陽電池モジュールの発電電力を出力する出力端の電位は接地電位以上であってもよい。このような構成であっても、出力端の電位が接地電位以上となる太陽電池モジュールの出力の低下を抑制することができる。
上記太陽光発電システムにおいて、好ましくは、太陽電池モジュールは、互いに直列接続された複数の太陽電池セルを備え、複数の太陽電池セルのうちの高電位側の太陽電池セルが低電位側の太陽電池セルに比べて上側に位置するように、太陽電池モジュールは、水平面に対して傾斜して設置されていて、太陽電池モジュールの下側となる部分に連通部が形成されている。透光性基板の上面と保持部材とが電気的に繋がった場合、高電位側の太陽電池セルの受光面にかかる電界の強度は、低電位側の太陽電池セルの受光面にかかる電界の強度に比べて高くなる。また、上記のように太陽電池モジュールを水平面に対して傾斜して設置した場合、太陽電池モジュールの下側に水が移動しやすい。すなわち、透光性基板の上面の下側の部分と保持部材とが電気的に繋がりやすく、透光性基板の上面の上側の部分と保持部材とは電気的に繋がりにくい。このため、上記のように、保持部材と電気的に繋がりにくい部分(上側)に高電位側の太陽電池セルが位置するように、太陽電池モジュールを傾斜して設置することによって、太陽電池モジュールの出力が低下するのを効果的に抑制することができる。また、太陽電池モジュールを水平面に対して傾斜して設置し、太陽電池モジュールの下側となる部分に連通部を形成することによって、透光性基板上の水を下に流れ落ちやすくすることができるので、降雨などにより太陽電池モジュールの表面に水が溜まるのをより抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、出力が低下するのを抑制することが可能な太陽電池モジュールおよび太陽光発電システムを容易に得ることができる。
本発明の第1実施形態による太陽電池モジュールの構造を示した断面図である。 図1に示した本発明の第1実施形態の裏面電極型太陽電池セルの構造を示した断面図である。 図1に示した本発明の第1実施形態の太陽電池モジュールの構造を示した平面図である。 図1に示した本発明の第1実施形態の保持部材の構造を示した斜視図である。 図1に示した太陽電池モジュールの構造を示した拡大断面図である。 図1に示した本発明の第1実施形態の保持部材の他の構造を示した斜視図である。 図1に示した太陽電池モジュールが水平面に対して傾斜して設置された状態を示した断面図である。 本発明の第2実施形態による太陽電池モジュールの構造を示した拡大断面図である。 図8に示した本発明の第2実施形態による太陽電池モジュールの構造を示した平面図である。 本発明の第3実施形態による太陽電池モジュールの構造を示した拡大断面図である。 本発明の第4実施形態による太陽電池モジュールの構造を示した断面図である。 図11に示した本発明の第4実施形態の太陽電池モジュールの構造を示した平面図である。 図11に示した本発明の第4実施形態による太陽電池モジュールの構造を示した側面図である。 本発明の第5実施形態による太陽電池モジュールの構造を示した断面図である。 図14に示した本発明の第5実施形態の連通部周辺の構造を示した拡大斜視図である。 本発明の第1変形例による太陽電池モジュールの構造を示した平面図である。 本発明の第2変形例による太陽電池モジュールの構造を示した拡大断面図である。 従来の一例による太陽電池モジュールの構造を示した断面図である。 図18に示した従来の一例による太陽電池モジュールの構造を示した平面図である。 図18に示した従来の一例による裏面電極型太陽電池セルの構造を示した断面図である。 図18に示した従来の一例による太陽電池モジュールに発生する電界による電子・正孔の動きを説明するための断面図である。 図18に示した従来の一例による太陽電池モジュールの受光面に水が溜まった状態を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、断面図であってもハッチングを施さない場合がある。
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による太陽電池モジュール1の構造について説明する。なお、図面簡略化のため、太陽電池セルの数を省略して描いている。
本発明の第1実施形態による太陽電池モジュール1は図1に示すように、複数の裏面電極型太陽電池セル2(以後、単に太陽電池セル2と称する)と、複数の太陽電池セル2を互いに直列に接続する接続部材3と、太陽電池セル2の受光面側および裏面側を覆う封止材4と、太陽電池セル2および封止材4を上下方向に挟み込む透光性基板5およびガラス基板6と、これら(太陽電池パネル30)を保持する保持部材7とを備えている。複数の太陽電池セル2、接続部材3、封止材4、透光性基板5およびガラス基板6によって、太陽電池パネル30が構成されている。なお、図面簡略化のため、図1では太陽電池セル2を2つだけ描いているが、太陽電池セル2は3つ以上設けられていてもよい。
太陽電池セル2は図2に示すように、n型のシリコン基板21と、シリコン基板21の上面(受光面)上に形成された窒化シリコン膜からなる絶縁性のパッシベーション膜22と、パッシベーション膜22上に形成された窒化シリコン膜からなる絶縁性の反射防止膜23と、シリコン基板21の裏面に設けられたn電極24およびp電極25とを含んでいる。なお、図1では、n電極24およびp電極25を省略している。
シリコン基板21の上面には、図示しないテクスチャ構造(凹凸構造)が形成されている。また、シリコン基板21の裏面にもパッシベーション膜(図示せず)が設けられていてもよい。この場合、裏面上のパッシベーション膜に、n電極24およびp電極25を導通させるための開口部を設ければよい。
シリコン基板21は、n型領域21aと、シリコン基板21の裏面側に設けられ、n型領域21aよりも高濃度のn型の不純物を有するn型集電層21bと、シリコン基板21の裏面側に設けられ、p型の不純物を有するp型集電層21cとを含んでいる。太陽電池セル2に太陽光が照射されると、電子・正孔対が発生し、電子はn型集電層21bに引き寄せられ、正孔はp型集電層21cに引き寄せられる。
n型集電層21bおよびp型集電層21cは、それぞれn電極24およびp電極25にオーミック接触されている。そして、隣接する太陽電池セル2のn電極24とp電極25とが接続部材3(図1参照)により電気的に接続されることにより、複数の太陽電池セル2が直列に接続されている。接続部材3は図1に示すように、一方端(低電位側)に配置される太陽電池セル2bのn電極24に接続される出力端3aと、他方端(高電位側)に配置される太陽電池セル2aのp電極25に接続される出力端3bとを含んでいる。この出力端3aおよび3bは、太陽電池モジュール1(複数の太陽電池セル2)の発電電力を出力するために設けられている。
パッシベーション膜22は反射防止膜23よりも高い屈折率を有することが好ましい。パッシベーション膜22は、窒化シリコン膜ではなく、酸化シリコン膜や炭化シリコン膜などのシリコン化合物膜により形成されていてもよい。また、パッシベーション膜22は、キャリア(電子および正孔)の表面再結合を抑制するパッシベーション効果を有する誘電膜により形成されていてもよい。反射防止膜23は、窒化シリコン膜ではなく、酸化シリコン膜や酸化チタン膜など様々な酸化膜により形成することが可能である。また、反射防止膜23は、パッシベーション膜22と併用して反射防止効果を有する他の膜によっても形成することが可能である。
封止材4は、太陽電池セル2と透光性基板5との間に配置されており、太陽電池セル2と透光性基板5とを接着している。封止材4は例えば太陽光に対して透明な絶縁性樹脂などを用いて形成されている。例えば封止材4は、エチレンビニルアセテート樹脂や、その他の樹脂により形成することが可能である。また、封止材4は太陽電池セル2の受光面側と裏面側とで異なる樹脂等により形成されていてもよい。この場合、太陽電池セル2の裏面側に配置される封止材4は太陽光に対して透明でなくてもよい。
透光性基板5は、例えば太陽光に対して透明なガラス基板やPC(ポリカーボネート樹脂)などを用いて形成されているが、太陽光に対して透明であれば特に限定されない。
また、ガラス基板6に代えて、例えば従来から用いられている耐候性フィルムからなるシート材などを用いることが可能である。耐候性フィルムからなるシート材としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの絶縁性フィルムを用いることが可能である。
保持部材7は、絶縁性の端面封止部材8を介して太陽電池パネル30の縁部を、上下方向(透光性基板5およびガラス基板6の厚み方向)に挟み込んで保持している。この端面封止部材8は、弾力性を有し、太陽電池パネル30の端面(透光性基板5、封止材4およびガラス基板6の端面(外周面))と保持部材7との間に配置されている。端面封止部材8は、透光性基板5、封止材4およびガラス基板6の端面全面を覆うように設けられていてもよい。また、端面封止部材8とは別に、太陽電池パネル30の端面に全周にわたって封止樹脂(例えばブチルなどのゴムやシリコーンなどの樹脂)を設けてもよい。また、太陽電池パネル30の縁部において、透光性基板5とガラス基板6との間を封止樹脂で接着してもよい。
保持部材7は図3に示すように、太陽電池パネル30の縁部のうちの一部を保持している。具体的には、保持部材7は太陽電池パネル30の対向する2つの端辺の一部を保持している。保持部材7は太陽電池パネル30の端辺を、互いに所定の間隔を隔てて2箇所保持している。なお、保持部材7は太陽電池パネル30の1つの端辺に対して3箇所以上保持するように構成されていてもよい。
保持部材7は例えばアルミニウムなどの金属により形成されており、導電性を有する。保持部材7は例えば図1および図4に示すように、コの字状の断面を有する。
保持部材7は、太陽電池パネル30の受光面となる透光性基板5の上面5aよりも上方に位置して太陽電池パネル30の上面を保持する上面保持部7aと、ガラス基板6の裏面よりも下方に位置して太陽電池パネル30の下面を保持する下面保持部7bと、上面保持部7aおよび下面保持部7bを接続するとともに太陽電池パネル30の側面(端面)を保持する側壁部7cとを含んでいる。上面保持部7aは図5に示すように、透光性基板5の上方に設けられ透光性基板5の上面5a(太陽電池モジュール1の受光面)に対向配置される対向面7dと、透光性基板5の上方に設けられ透光性基板5の上面5aに対して交差(直交)する方向に延びる基板上側面7eと、透光性基板5の上方に設けられ透光性基板5の上面5aに対して平行な上面7fとを含んでいる。側壁部7cは、太陽電池パネル30の側端面に対向配置される端面対向面7gと、保持部材7の外形を規定する外側面7hとを含んでいる。
端面対向面7gと対向面7dの一部とは、端面封止部材8により覆われている。対向面7dは、端面封止部材8の厚みだけ、透光性基板5の上面5aから離れている。
なお、保持部材7は図6に示すように、複数個が1つになるように一体的に形成されていてもよい。この場合、例えば隣接する側壁部7c同士が繋がるように形成されていてもよい。また、図示しないが、隣接する下面保持部7b同士が繋がるように形成されていてもよい。
この太陽電池モジュール1の縁部には図3に示すように、透光性基板5の受光面となる上面5aから太陽電池モジュール1の外部へ連通する連通部40が複数形成されている。本実施形態では、連通部40は太陽電池パネル30のうちの保持部材7により保持されていない部分に形成されている。連通部40は保持部材7の基板上側面7eの一部(基板上側面7eのうちの図3において左右方向に延びる面)と透光性基板5の上面5aの縁部とによって構成されている。このため、連通部40を構成する面の一部(透光性基板5の上面5a)は、透光性基板5の上面5aと同じ高さに位置している。
上記太陽電池モジュール1を備えた太陽光発電システムでは、保持部材7は感電などに対する安全性確保のために、図示しない配線等を介して接地されている。また、出力端3aおよび出力端3bの電位は接続される負荷の状態によって決定されることになるが、本実施形態においては、出力端3aおよび出力端3bの電位が接地電位よりも高くなる場合であっても太陽電池モジュール1の出力が低下する(発電効率が低下する)のを抑制することができる。また、この太陽光発電システムでは図7に示すように、高電位側の太陽電池セル2aが低電位側の太陽電池セル2bに比べて上側に位置するように、太陽電池モジュール1は水平面に対して傾斜するように設置されていることが好ましい。この場合は、連通部40は、太陽電池モジュール1の少なくとも下側となる部分に形成されている。
なお、太陽光発電システムは複数の太陽電池モジュール1を備えていてもよい。この場合、全ての太陽電池モジュール1において出力端3aおよび出力端3bの電位が接地電位以上となっていてもよいし、1つ(少なくとも1つ)の太陽電池モジュール1において出力端3bの電位が接地電位よりも高くなっていてもよい。
本実施形態では、上記のように、太陽電池モジュール1の縁部には、透光性基板5の受光面となる上面5aから太陽電池モジュール1の外部へ連通する連通部40が形成され、連通部40を形成する面の一部(透光性基板5の上面5aの縁部)は、透光性基板5の上面5aと同じ高さに位置している。これにより、降雨などにより太陽電池モジュール1の表面に水(例えば雨水)が溜まるのを抑制することができる。すなわち、降雨などがあっても、透光性基板5上の水は、連通部40を通過して下に流れ落ちる。このため、透光性基板5の上面5aと保持部材7とが電気的に繋がり同電位になるのを抑制することができる。これにより、電位差を生じる部分の間の距離が近くなるのを抑制することができる。具体的には、保持部材7と太陽電池セル2との間にかかる電位差が、水が溜まることにより透光性基板5の上面5aと太陽電池セル2との間にかかるようになるのを防止することができる。このため、降雨などがあっても、太陽電池セル2の受光面にかかる電界の強度が高くなるのを抑制することができるので、太陽電池モジュール1の出力が低下する(発電効率が低下する)のを抑制することができる。
なお、端面封止部材8の厚み(透光性基板5の上面5aから保持部材7の対向面7dまでの距離)や降雨量などにもよるが、透光性基板5上に残っている一部の水が保持部材7に接触し、透光性基板5の上面5aの一部と保持部材7とが電気的に繋がる場合がある。しかしながら、この太陽電池モジュール1では、透光性基板5上の水を下に流れ落とすことができるので、透光性基板5の上面5a全面が水で覆われるのを抑制することができる。すなわち、透光性基板5上の水が上面5a全面で繋がるのを抑制することができ、保持部材7と同電位になる透光性基板5の上面5aの範囲を保持部材7の周辺部分に限定することができる。これにより、太陽電池セル2の受光面にかかる電界の強度が高くなるのを抑制することができるので、太陽電池モジュール1の出力が低下するのを抑制することができる。
また、上記のように、太陽電池セル2の電位が周囲(保持部材7や太陽電池モジュール1の外部)の電位よりも高く、裏面電極型の太陽電池セル2にn型のシリコン基板21を用いる場合に、太陽電池モジュール1の出力の低下が発生しやすい。このため、n型のシリコン基板21を用いる場合に特に有効である。同様に、太陽電池セル2の電位が周囲(保持部材7や太陽電池モジュール1の外部)の電位よりも低く、裏面電極型の太陽電池セル2にp型のシリコン基板21を用いた場合にも、太陽電池モジュール1の出力の低下が発生しやすい。この場合にも、本実施形態を適用することで、降雨などにより太陽電池モジュール1の表面に水が溜まるのを抑制することができる。これにより、透光性基板5の上面5aと保持部材7とが電気的に繋がり同電位になるのを抑制することができ、太陽電池モジュール1の出力の低下を抑制することが可能となる。
また、上記のように、保持部材7は、太陽電池パネル30の対向する2つの端辺を保持する。これにより、保持部材7により太陽電池パネル30を安定して保持することができる。
また、上記のように、保持部材7は、太陽電池パネル30の端辺を、互いに所定の間隔を隔てて2箇所保持する。これにより、保持部材7で保持されている部分の間に連通部40を形成することができ、透光性基板5上の水を、保持部材7で保持されている部分の間(連通部40)を通過させて下に流れ落とすことができる。
また、上記のように、太陽電池セル2の裏面側にガラス基板6を設けることによって、太陽電池パネル30の剛性を高くすることができる。これにより、太陽電池パネル30を部分的に保持するように保持部材7を構成しても、太陽電池パネル30が撓むのを容易に抑制することができる。
また、上記のように、保持部材7は、太陽電池パネル30をその厚み方向(上下方向)に挟み込んで保持する。これにより、太陽電池パネル30を上下方向に保持することができるので、太陽電池パネル30に上方向の力が加わっても下方向の力が加わっても、太陽電池パネル30が保持部材7から外れるのを抑制することができる。また、太陽電池パネル30を挟み込んで保持するように保持部材7を構成することによって、太陽電池パネル30を少ない面積で強固に保持することができる。
また、上記のように、保持部材7が接地されており、太陽電池モジュール1の発電電力を出力する出力端3aおよび3bの電位が接地電位以上である場合に、太陽電池モジュール1の出力の低下が発生しやすい。このため、太陽電池モジュール1の出力端3aおよび3bの電位が接地電位以上である場合に特に有効である。
このことは、太陽光発電システムが複数の太陽電池モジュール1を備えている場合に、少なくとも1つの太陽電池モジュール1において出力端3aおよび3bの電位が接地電位以上である場合にも言える。このような構成であっても、出力端の電位が接地電位以上となる太陽電池モジュールは出力が低下するおそれがあるため、少なくとも該当する太陽電池モジュールに本実施形態を適用することで、その太陽電池モジュールの出力の低下を抑制することが可能となる。
また、上記のように、太陽電池モジュール1は、水平面に対して傾斜して設置されていて、太陽電池モジュール1の下側となる部分に連通部40が形成されていてもよい。これにより、透光性基板5上の水を下に流れ落ちやすくすることができるので、降雨などにより太陽電池モジュール1の表面に水が溜まるのをより抑制することができる。
また、上記のように、高電位側の太陽電池セル2aが低電位側の太陽電池セル2bに比べて上側に位置するように、太陽電池モジュール1は水平面に対して傾斜して設置されている。透光性基板5の上面5aと保持部材7とが電気的に繋がった場合、高電位側の太陽電池セル2aの受光面にかかる電界の強度は、低電位側の太陽電池セル2bの受光面にかかる電界の強度に比べて高くなる。また、上記のように太陽電池モジュール1を水平面に対して傾斜して設置した場合、太陽電池モジュール1の下側に水が移動しやすい。すなわち、透光性基板5の上面5aの下側の部分と保持部材7とは電気的に繋がりやすく、透光性基板5の上面5aの上側の部分と保持部材7とは電気的に繋がりにくい。このため、上記のように、保持部材7と電気的に繋がりにくい部分(上側)に高電位側の太陽電池セル2aが位置するように、太陽電池モジュール1を傾斜して設置することによって、太陽電池モジュール1の出力が低下するのを効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の太陽電池モジュール1では図8に示すように、端面対向面7gは端面封止部材8により覆われている。対向面7dは端面封止部材8および絶縁層9により覆われている。図8および図9に示すように、基板上側面7eおよび上面7fは絶縁層9により覆われている。これにより、降雨などがあっても、透光性基板5の上面5aと保持部材7とが電気的に繋がり同電位になるのをより抑制することが可能である。なお、端面封止部材8は、本発明の「絶縁層」の一例である。図8においては、絶縁層9と端面封止部材8とは互いに重ならずに配置されているが、絶縁層9と端面封止部材8とは一部重複していることが好ましい。これにより、対向面7dをより確実に絶縁層9および端面封止部材8によって覆うことが可能となる。さらに、外側面7hも絶縁層9により覆われていてもよいし、保持部材7の表面全面が絶縁層9により覆われていてもよい。また、基板上側面7eおよび上面7fが絶縁層9により覆われず、対向面7dだけが絶縁層(絶縁層9および端面封止部材8)により覆われていてもよいし、上面7fが絶縁層9により覆われず、対向面7dおよび基板上側面7eが絶縁層(絶縁層9および端面封止部材8)により覆われていてもよい。
絶縁層9としては、耐候性に優れ、長期にわたって安定的に絶縁性を保つ材質および構造のものを使用することが好ましい。また、例えば、保持部材7に絶縁性樹脂を塗布し硬化させることにより絶縁層9を形成してもよいし、PETなどの樹脂フィルムを保持部材7の表面に貼り付けることにより絶縁層9を形成してもよい。なお、保持部材7が複数の部材を組み合わせることによって構成されている場合は、部材同士の接続部分についても同様の構造にすることが好ましい。例えば、複数の部材を形成した後に、各部材の対象部分に絶縁性樹脂を塗布し硬化させたり樹脂フィルムを貼り付けてもよいし、複数の部材を組み合わせて保持部材7を形成した後に、保持部材7の対象部分に絶縁性樹脂を塗布し硬化させたり樹脂フィルムを貼り付けてもよい。また、対向面7d、基板上側面7eおよび上面7fを覆うように端面封止部材8を形成することにより、絶縁層を形成してもよい。
第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、上記のように、上面保持部7aの対向面7dは絶縁層9により覆われている。すなわち、透光性基板5の上面5aと保持部材7との間に絶縁層9が設けられている。これにより、降雨などがあっても、透光性基板5の上面5aと保持部材7とが電気的に繋がり同電位になるのをより抑制することができるので、太陽電池モジュール1の出力が低下するのをより抑制することができる。
また、上記のように、基板上側面7eも絶縁層9により覆われている。これにより、透光性基板5の上面5aと保持部材7とが電気的に繋がるのをより抑制することができる。同様に、上面7fも絶縁層9により覆われているので、透光性基板5の上面5aと保持部材7とが電気的に繋がるのをさらに抑制することができる。
また、上記のように、絶縁層9を絶縁性塗料により形成すれば、対向面7d、基板上側面7eおよび上面7fを覆うように、容易に絶縁層9を形成することができる。絶縁性塗料としてはフッ素系塗料などが耐候性にも優れており好ましい。また、絶縁性塗料に代えて例えばフッ素系樹脂などの樹脂膜や酸化膜などの無機膜といった耐候性膜をコーティングすることによっても、容易に絶縁層9を形成できる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
第3実施形態の太陽電池モジュール1では図10に示すように、保持部材7はアルミニウムにより形成されており、保持部材7の表面全面が絶縁層7iにより覆われている。この絶縁層7iは、保持部材7の表面をアルマイト処理することにより形成されている。すなわち、絶縁層7iは、アルミニウムを酸化(化学反応)させた層である。
なお、絶縁層7iは保持部材7の表面全面に形成されていなくてもよい。例えば、絶縁層7iは、対向面7d、基板上側面7eおよび上面7fだけに形成されていてもよいし、対向面7dだけに形成されていてもよい。
第3実施形態のその他の構造は、上記第2実施形態と同様である。
本実施形態では、上記のように、絶縁層7iは保持部材7の表面をアルマイト処理することにより形成されている。これにより、対向面7d、基板上側面7eおよび上面7fを覆うように、容易に絶縁層7iを形成することができる。
第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
第4実施形態の太陽電池モジュール1では図11および図12に示すように、保持部材7は太陽電池パネル30の縁部の全周を保持している。保持部材7は図11に示すように、L字状の断面を有する。
保持部材7は、ガラス基板6の裏面よりも下方に位置して太陽電池パネル30の下面を保持する下面保持部7bと、太陽電池パネル30の側面(端面)を保持する側壁部7cとを含んでいる。なお、本実施形態では、保持部材7には上面保持部7aが設けられていない。
保持部材7の側壁部7cには図12および図13に示すように、透光性基板5の受光面となる上面5aから太陽電池モジュール1の外部へ連通する連通部40が複数形成されている。本実施形態では、連通部40は側壁部7cに設けられた一対の側壁7jおよび底面7kによって形成されている。連通部40を構成する面の一部(底面7k)は図13に示すように、透光性基板5の上面5aと同じ高さ、または透光性基板5の上面5aの下方に位置している。
第4実施形態のその他の構造は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
本実施形態では、保持部材7が太陽電池パネル30の縁部の全周を保持しているため、太陽電池パネル30をより強固に保持することができ、太陽電池モジュール1の剛性を向上させることができる。また、太陽電池パネル30の端面を端面封止部材8で覆うことができるため、端面封止部材8によって太陽電池パネル30の端面を封止することができ、太陽電池モジュール1の信頼性を向上させることができる。
なお、図11〜13では、保持部材7の側壁部7cに一対の側壁7jおよび底面7kを設けることによって連通部40を構成しているが、側壁7jが無く側壁部7cの上面が底面7kの高さとなるようにしてもよい。また、底面7kの高さと透光性基板5の上面5aとの高低は厳密でなくともよく、透光性基板5の上面5aにある水分などが実質的に太陽電池モジュール1の外部に障害なく排出できる位置関係であればよい。
第4実施形態のその他の効果は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
(第5実施形態)
第5実施形態の太陽電池モジュール1では図14に示すように、上記第4実施形態に加えて、保持部材7は上面保持部7aを有している。すなわち、保持部材7は、上面保持部7aと、下面保持部7bと、側壁部7cとを含み、コの字状の断面を含んでいる。
保持部材7の側壁部7cには図15に示すように、一対の側壁7jおよび底面7kによって形成された連通部40が複数形成されている。また、保持部材7の上面保持部7aには、連通部40に繋がるように切り欠き部41が形成されている。
第5実施形態のその他の構造は、上記第4実施形態と同様である。
本実施形態では、上記のように、保持部材7が上面保持部7aを有しているので、第1〜第3実施形態と同様に、保持部材7が太陽電池パネル30をその厚み方向(上下方向)に挟み込んで保持することができる。これにより、太陽電池パネル30を上下方向に保持することになり、太陽電池パネル30に上方向の力が加わっても下方向の力が加わっても、太陽電池パネル30が保持部材7から外れるのを抑制することができる。そして、上面保持部7aに、連通部40に繋がる切り欠き部41を形成することによって、透光性基板5上の水を、切り欠き部41および連通部40を通過させて容易に下に流れ落とすことができる。したがって、太陽電池モジュール1の剛性を確保しながら、連通部40を形成することで太陽電池モジュール1の出力の低下を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態においても、底面7kの高さと透光性基板5の上面5aとの高低は厳密でなくともよく、透光性基板5の上面5aにある水分などが実質的に太陽電池モジュール1の外部に障害なく排出できる位置関係であればよい。
第5実施形態のその他の効果は、上記第4実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、n型のシリコン基板を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、p型のシリコン基板を用いてもよい。この場合は太陽電池セルの電位が周囲(保持部材や太陽電池モジュールの外部)の電位よりも低い場合に特に有効である。
また、上記実施形態では、保持部材が太陽電池パネルの対向する2つの端辺を保持する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図16に示した本発明の第1変形例による太陽電池モジュールのように、保持部材7は太陽電池パネル30の4つの端辺を保持してもよい。また、図示しないが、保持部材は太陽電池パネルの1つの端辺に対して1箇所または3箇所以上保持するように設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、太陽電池モジュールが水平面に対して傾斜するように設置される例について示したが、本発明はこれに限らず、太陽電池モジュールは水平面に対して平行に設置されていてもよい。
また、図17に示した本発明の第2変形例による太陽電池モジュールのように、透光性基板5の上面5aに絶縁性の撥水層10を設けてもよい。このように構成すれば、透光性基板5上の水がより流れ落ちやすくなるので、より効果的である。また、絶縁性の撥水層10によって保持部材7と太陽電池セル2との間の抵抗値を上げることができるため、太陽電池セル2の受光面にかかる電界の強度を抑制することも期待できる。
また、上記実施形態では、連通部を複数設ける例について示したが、本発明はこれに限らず、連通部を1つだけ設けてもよい。太陽電池モジュールを水平面に対して傾斜して設置する場合には、太陽電池モジュールの下側となる部分に連通部を形成することが望ましい。
また、上記実施形態では、連通部を太陽電池パネルの縁部の一部に設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、連通部を太陽電池パネルの縁部の全周にわたって設けてもよい。すなわち、保持部材を、透光性基板の上面から上側に突出しないように形成してもよい。
また、上記実施形態では、保持部材が導電性を有する例について示したが、保持部材は例えば絶縁性部材により形成されていてもよい。このように構成すれば、保持部材と太陽電池セルとの間でそもそも電界が発生しないので、降雨などによる太陽電池モジュールの出力の低下を防止することが可能である。また、保持部材は、導電性部材(金属)と絶縁性部材とにより形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、パッシベーション膜上に反射防止膜を設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、反射防止膜は無くてもよい。
1 太陽電池モジュール
2、2a、2b 裏面電極型太陽電池セル(太陽電池セル)
3a、3b 出力端
4 封止材
5 透光性基板
5a 上面
6 ガラス基板
7 保持部材
7a 上面保持部
7b 下面保持部
7c 側壁部
7d 対向面
7e 基板上側面
7i、9 絶縁層
21 シリコン基板
22 パッシベーション膜
24 n電極
25 p電極
30 太陽電池パネル
40 連通部
41 切り欠き部

Claims (13)

  1. 太陽電池パネルと、
    前記太陽電池パネルの縁部を保持する導電性の保持部材と、
    を備えた太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池パネルは、太陽電池セルと、前記太陽電池セルの受光面側に配置される透光性基板と、前記太陽電池セルおよび前記透光性基板の間に配置される封止材とを含み、
    前記太陽電池セルは、n型のシリコン基板と、前記シリコン基板の受光面に設けられた絶縁性のパッシベーション膜と、前記シリコン基板の裏面に設けられたn電極およびp電極とを含み、
    前記太陽電池モジュールの縁部には、前記透光性基板の受光面となる上面から前記太陽電池モジュールの外部へ連通する連通部が形成され、
    前記連通部を形成する面の少なくとも一部は、前記透光性基板の上面と同じ高さまたは下方に位置していることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記保持部材は、前記太陽電池パネルの縁部のうちの一部を保持しており、
    前記太陽電池パネルの縁部のうちの前記保持部材により保持されていない部分に、前記連通部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記保持部材は、前記太陽電池パネルの少なくとも1つの端辺を、互いに所定の間隔を隔てて2箇所以上保持することを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記保持部材は、前記太陽電池パネルの側面を保持する側壁部と、前記太陽電池パネルの下面を保持する下面保持部とを含み、
    前記側壁部に前記連通部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記保持部材は、前記太陽電池パネルの上面を保持する上面保持部を含み、
    前記上面保持部に切り欠き部が形成されており、
    前記切り欠き部は前記連通部に繋がっていることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記保持部材のうちの前記透光性基板の上面よりも上側に位置する部分の少なくとも一部は、絶縁層により覆われていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記絶縁層は絶縁性塗料により形成されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記保持部材は金属により形成されており、
    前記絶縁層は前記金属を化学反応させた層であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記太陽電池セルの裏面側に配置されるガラス基板をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールを備えることを特徴とする太陽光発電システム。
  11. 前記保持部材は接地されており、
    前記太陽電池モジュールの発電電力を出力する出力端の電位は接地電位以上であることを特徴とする請求項10に記載の太陽光発電システム。
  12. 前記太陽電池モジュールを複数備え、
    全ての前記太陽電池モジュールの前記保持部材は接地されており、
    少なくとも1つの前記太陽電池モジュールにおいて前記太陽電池モジュールの発電電力を出力する出力端の電位は接地電位以上であることを特徴とする請求項10に記載の太陽光発電システム。
  13. 前記太陽電池モジュールは、互いに直列接続された複数の前記太陽電池セルを備え、
    前記複数の太陽電池セルのうちの高電位側の前記太陽電池セルが低電位側の前記太陽電池セルに比べて上側に位置するように、前記太陽電池モジュールは、水平面に対して傾斜して設置されていて、
    前記太陽電池モジュールの下側となる部分に前記連通部が形成されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
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