[本実施形態の構成]
この発明に係る車両管理サーバ及びプログラムについて、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
本実施形態に係る車両管理サーバ10(以下、サーバ10ともいう。)は、図1で概略的に図示した車両管理システム12(以下、システム12ともいう。)に適用される。システム12は、サーバ10、車両(他の車両)14、携帯無線端末16、電動小型車両18及び生体情報測定装置20を有する。
車両14は、電動小型車両18を積載可能な車両であればよく、代表的には、ワゴンタイプの四輪車(自動車)や荷台を備えたトラック等が望ましい。なお、図1では、ワゴンタイプの四輪車を車両14として図示している。
携帯無線端末16としては、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータの各種の携帯型の情報通信機器を適用可能である。図1では、スマートフォンを図示している。
電動小型車両18は、高齢者等のシニア世代が使用する「シニアカー」や「電動車椅子」と呼ばれる一人乗りで歩道を走行可能な乗り物であり、例えば、特許文献3及び4に開示されている電動小型車両である。従って、電動小型車両18の車両構造についての詳細な説明は省略する。なお、以下の説明では、電動小型車両18に乗車して当該電動小型車両18を運転するドライバー(シニア世代の運転者)を使用者又は利用者と呼称する。
生体情報測定装置20は、電動小型車両18の使用者の腕や指に装着することにより、当該使用者の脈拍や血圧等の生体情報を測定する。なお、生体情報測定装置20は、電動小型車両18のハンドル部22に設けられてもよい。この場合、ハンドル部22に生体情報測定装置20を内蔵させ、使用者がハンドル部22を把持することにより、使用者の生体情報が測定可能となる。
携帯無線端末16と電動小型車両18及び生体情報測定装置20との間は、無線又は有線によって接続可能である。従って、電動小型車両18及び生体情報測定装置20は、無線又は有線を介して、携帯無線端末16との間で各種情報の送受信が可能である。
また、車両14及び携帯無線端末16とサーバ10との間は、無線通信網24を介して接続可能である。従って、車両14及び携帯無線端末16は、無線通信網24を介して、サーバ10との間で、双方向通信による各種情報の送受信が可能である。
次に、システム12を構成するサーバ10、車両14、携帯無線端末16、電動小型車両18及び生体情報測定装置20について、図2〜図5を参照しながら詳細に説明する。
図2に示すように、車両14は、制御部26、センサ部28、ナビゲーション装置30、記憶部32、無線部34、イグニッションスイッチ36及びバッテリ38をさらに有する。なお、図2では、車両14中、ナビゲーションシステム等の電気的な構成のみ抜き出して図示化しており、エンジン、車輪及びハンドル等、車両14に当然備わる一部の構成は図示していない。
制御部26は、マイクロプロセッサ等から構成されるコンピュータであり、CPU(中央処理装置)が半導体メモリ等で構成される記録媒体としての記憶部32に格納されたプログラムを実行することで、車両14内の各部を制御する各種機能部として動作する。
センサ部28は、例えば、GPSセンサ28a、車速センサ28b及びジャイロセンサ28cを有する。GPSセンサ28aは、図示しない人工衛星(GPS衛星)から電波を受信して車両14の現在位置及び現在時刻を取得する。車速センサ28bは、車両14の車速を検出する。ジャイロセンサ28cは、車両14の前後方向及び上下の角速度を検出する。センサ部28での検出結果は、センサ情報として出力され、制御部26を介して記憶部32に記憶される。なお、図2では、一例として、各種のセンサ28a〜28cを「センサ部28」として図示しているが、上記のセンサ以外のセンサをセンサ部28に付加してもよいことは勿論である。
ナビゲーション装置30は、表示部30a及び入力部30bから構成されるディスプレイオーディオ装置(DA装置)等の車載機器である。表示部30aには、時刻、音楽の操作ボタン、センサ部28からのセンサ情報、サーバ10から無線通信網24を介して無線部34で受信される映像情報(表示情報)等が表示される。入力部30bは、テンキーと呼ばれる物理スイッチやタッチパネルで構成され、表示部30a上での車両14のドライバー(以下、乗務員ともいう。)の操作を反映する。タッチパネルである場合には、表示部30aと入力部30bとが一体的に構成されていることが好ましい。
記憶部32には、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトウェア、地図情報及びセンサ情報等、種々の情報が記憶される。本実施形態において、アプリケーションソフトウェアとしては、ルート案内をおこなうナビゲーションソフトウェアが少なくとも記憶されている。
なお、アプリケーションソフトについては、ダウンロード供給元である図示しないウェブサーバから移動通信網・公衆通信網を介して乗務員が選択することで、車両14にダウンロードされ、記憶部32に記憶される。あるいは、製品出荷時から記憶部32にインストールし、又は、サービスパーツとしてDVD等の電子媒体を介して提供されてもよい。
無線部34は、無線通信網24を介してサーバ10と接続することにより、当該サーバ10との間で各種情報の送受信を行う。従って、車両14では、例えば、サーバ10から無線通信網24を通して、当該車両14が向かうべき目的地(サーバ10が指定する指定地点(指定位置))を示す目的地情報や、携帯無線端末16又は電動小型車両18に関わる情報(例えば、携帯無線端末16又は電動小型車両18に固有のID(固有ID))を無線部34が受信した場合、ナビゲーション装置30は、目的地情報に基づき、目的地までのルート案内を行うことが可能である。
すなわち、ナビゲーション装置30の表示部30aは、記憶部32に記憶された地図情報に基づく地図上に、センサ情報に基づく車両14の現在位置や、目的地情報の示す目的地を重ねて表示すると共に、携帯無線端末16又は電動小型車両18に関する情報も表示させることができる。また、表示部30aは、車両14の現在位置を示す現在位置情報や、車両14の固有IDを、無線部34から無線通信網24を通してサーバ10にアップロードすることも可能である。さらに、乗務員による入力部30bの操作入力によって、車両14の目的地の設定や、表示部30aの画面上における地図の拡大縮小等の操作を行うことも可能である。
なお、車両14では、乗務員がイグニッションスイッチ36をオンにしてバッテリ38から制御部26、センサ部28、ナビゲーション装置30、記憶部32及び無線部34への電力供給を開始することにより、車両14内の各部を起動させることができる。
図3に示すように、携帯無線端末16は、電動小型車両18のハンドル部22(図1参照)に設けられた図示しないホルダに装着されているか、又は、電動小型車両18の使用者が所持している。そして、携帯無線端末16は、電動小型車両18及び生体情報測定装置20と無線又は有線により接続可能な通信部であるインターフェース40(以下、I/F40ともいう。)と、無線通信網24を介してサーバ10に接続可能な無線部42と、タッチパネルを構成する表示部44及び入力部46と、センサ部48と、時刻部50と、制御部52と、記憶部54と、電源ボタン56と、バッテリ58とを有する。
I/F40は、USB(Universal Serial Bus、登録商標)やHDMI(High−Definition Multimedia Interface、登録商標)等の有線によって電動小型車両18及び生体情報測定装置20と通信接続されているか、又は、Wi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線によって電動小型車両18及び生体情報測定装置20と通信接続されている。
なお、生体情報測定装置20が電動小型車両18のハンドル部22に内蔵されている場合、電動小型車両18及び生体情報測定装置20は、通信機能を共用することで、携帯無線端末16と通信接続されていればよい。
無線部42は、無線通信網24に接続され、図示しない無線基地局を通じて、サーバ10との間で情報の送受信を行う。すなわち、無線部42は、電動小型車両18から取得したバッテリ60の電池残量、当該電池残量に基づき算出される電動小型車両18の走行可能距離(航続可能距離)、生体情報測定装置20から取得した電動小型車両18の使用者の血圧や脈拍等の生体情報、携帯無線端末16又は電動小型車両18の現在位置や固有ID、及び、時刻部50で取得される現在時刻情報等を、サーバ10に送信する。従って、サーバ10側では、使用者の生体情報等を把握することが可能である。なお、電動小型車両18の走行可能距離は、電動小型車両18側で算出してもよいし、又は、制御部52で算出してもよい。
表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL等のディスプレイであり、制御部52からの制御により、地図や操作ボタン、電動小型車両18及び生体情報測定装置20から取得した各種情報等を表示する。入力部46は、表示部44と共にタッチパネルを構成するが、テンキーと呼ばれる物理スイッチであってもよい。
センサ部48は、GPSセンサ48a及びジャイロセンサ48bを有する。GPSセンサ48aは、GPS衛星から電波を受信して携帯無線端末16の現在位置及び現在時刻を取得する。ジャイロセンサ48bは、携帯無線端末16の前後方向及び上下の角速度を検出する。従って、携帯無線端末16では、センサ部48の検出結果に基づいて、携帯無線端末16自身の現在位置を把握することが可能である。なお、携帯無線端末16の現在位置及び現在時刻は、無線部42から取得される無線通信網24の基地局情報に基づいて制御部52が算出することも可能である。
時刻部50は、センサ部48又は無線部42が取得した現在時刻に対する時刻補正を行う。
制御部52は、マイクロプロセッサ等から構成されるコンピュータであり、CPUが半導体メモリ等で構成される記録媒体としての記憶部54に格納されたプログラムを実行することで、携帯無線端末16内の各部を制御する各種機能部として動作する。
記憶部54に格納されているプログラムとしては、電話機能(電話による通話機能とデータ通信機能を含む。)、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離小電力無線通信機能、該近距離小電力無線通信機能を用いたハンズフリー通話機能等の基本的なアプリケーションソフトウェア(基本アプリ)やOSがある。また、記憶部54には、地図情報、携帯無線端末16の現在位置を示す現在位置情報、センサ部48が検出したセンサ情報等の種々の情報も記憶される。さらに、無線通信網24には、サーバ10、車両14及び携帯無線端末16が接続されているため、記憶部54には、車両14からの情報(センサ情報)等の種々の情報を記憶することもできる。
なお、基本アプリは、アプリケーションソフトのダウンロード供給元である図示しないウェブサーバから移動通信網・公衆通信網を介して使用者(利用者)が選択することで、携帯無線端末16にダウンロードされ、記憶部54に記憶される。あるいは、製品出荷時から携帯無線端末16にインストールし、又は、サービスパーツとしてDVD等の電子媒体を介して提供されてもよい。
そして、携帯無線端末16には、電動小型車両18の使用者による入力部46の操作入力や、電動小型車両18及び生体情報測定装置20から取得した各種情報(例えば、後述する電動小型車両18及び生体情報測定装置20からのセンサ情報)を処理し、サーバ10との間で情報の送受信を行うためのアプリケーションソフトウェアもインストールされている。
また、記憶部54には、サーバ10から取得した目的地情報に基づいて、目的地までナビゲーション(ルート案内)する機能を提供するアプリケーションソフトウェアがインストールされてもよい。ルート案内に使用する地図情報やルート情報は、サーバ10から配信されてもよいし、あるいは、記憶部54に予め記憶された地図情報や道路リンク毎の移動コスト情報に基づいて、制御部52で計算して表示部44に出力させてもよい。
なお、携帯無線端末16では、利用者が電源ボタン56をオンにすることにより、バッテリ58から無線部42、表示部44、入力部46、センサ部48、時刻部50、制御部52及び記憶部54への電力供給を開始することにより、携帯無線端末16内の各部を起動させることができる。
また、前述のように、サーバ10、車両14及び携帯無線端末16は、無線通信網24を介して通信接続されているので、携帯無線端末16は、サーバ10との間での情報の送受信に加え、車両14との間で情報の送受信を行うことも可能である。
一方、電動小型車両18は、バッテリ60に加え、制御部62、センサ部64、表示部66、入力部68、記憶部70、発光部72、I/F74及び電源スイッチ76をさらに有する。なお、図3では、電動小型車両18中、一部の電気的な構成のみ抜き出して図示化しており、電動小型車両18を構成するモータ及び車輪等の当該電動小型車両18に当然備わる構成については図示していない。
制御部62は、マイクロプロセッサ等から構成されるコンピュータであり、CPUが半導体メモリ等で構成される記録媒体としての記憶部70に格納されたプログラムを実行することで、電動小型車両18内の各部を制御する各種機能部として動作する。
センサ部64には、車両14のセンサ部28と同様に、GPSセンサ64a、車速センサ64b及びジャイロセンサ64cを有する。従って、GPSセンサ64aは、GPS衛星から電波を受信して電動小型車両18の現在位置及び現在時刻を取得し、車速センサ64bは、電動小型車両18の車速を検出し、ジャイロセンサ64cは、電動小型車両18の前後方向及び上下の角速度を検出する。センサ部64での検出結果は、センサ情報として、制御部62を介して記憶部70に記憶される。
表示部66は、記憶部70に記憶された電動小型車両18の現在位置を、記憶部70に記憶された地図情報に基づく地図上に表示させる。また、表示部66は、現在時刻、制御部62で算出された電動小型車両18の速度及び走行可能距離、携帯無線端末16からの情報等を表示する。なお、携帯無線端末16からの情報には、サーバ10から無線通信網24を介して携帯無線端末16に受信される情報も含まれる。
入力部68は、テンキーと呼ばれる物理スイッチやタッチパネルで構成され、表示部66上での使用者の操作を反映する。
記憶部70には、OS及びアプリケーションソフトウェアや、地図情報やセンサ情報等、種々の情報が記憶される。
発光部72は、図1に示す電動小型車両18のフロントカバー78の側部に設けられた方向指示器80や、使用者が着座するシート82の側部に設けられた方向指示器84である。この場合、携帯無線端末16の表示部44に表示された目的地(サーバ10の指定した指定位置)まで、利用者が電動小型車両18を運転し、当該指定位置までの移動が完了したと電動小型車両18の制御部62又は携帯無線端末16の制御部52が判断したときに、発光部72は、制御部52又は制御部62からの制御に基づき、ハザードランプとして動作する。すなわち、電動小型車両18が指定位置に到着すると、全ての方向指示器80、84が点滅する。
I/F74は、I/F40と同様に、USBやHDMI(登録商標)等の有線、又は、Wi−FiやBluetooth(登録商標)等の無線によって携帯無線端末16のI/F40と通信接続されている。
なお、電動小型車両18では、使用者が電源スイッチ76をオンにしてバッテリ60から制御部62、センサ部64、表示部66、入力部68、記憶部70及び発光部72への電力供給を開始することにより、電動小型車両18内の各部を起動させることができる。
生体情報測定装置20は、図1に示すように、電動小型車両18の使用者の腕や指に装着するため、リストバンド(腕輪)や指輪状に形成されている。なお、前述の通り、生体情報測定装置20を電動小型車両18に備える場合には、ハンドル部22に設けることが望ましい。そして、生体情報測定装置20は、図4に示すように、制御部86、センサ部88、I/F90及び記憶部92を有する。
制御部86は、マイクロプロセッサ等から構成されるコンピュータであり、CPUが半導体メモリ等で構成される記録媒体としての記憶部92に格納されたプログラムを実行することで、生体情報測定装置20内の各部を制御する各種機能部として動作する。
センサ部88は、使用者の脈拍を測定する脈拍センサ88a、及び、使用者の血圧を測定する血圧センサ88bから構成される。なお、これらのセンサ88a、88b以外にも、例えば、心電図センサ等、各種のセンサを適宜追加してもよい。また、センサ部88は、制御部86に接続されているため、センサ部88での検出結果は、センサ情報として、記憶部92に記憶され、制御部86からI/F90を通して、携帯無線端末16に送信される。
I/F90は、I/F40、74と同様に、USBやHDMI(登録商標)等の有線、又は、Wi−FiやBluetooth(登録商標)等の無線によって、携帯無線端末16のI/F40と通信接続されている。
記憶部92には、OS及びアプリケーションソフトウェアや、使用者の個人識別情報(固有ID)、携帯無線端末16との接続情報等、各種の設定情報が保存されている。
図5に示すように、サーバ10は、無線通信網24を介して車両14及び携帯無線端末16に接続可能な通信部(無線部)94と、サーバ10全体を統括的に制御する制御部96と、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部98とを有する。記憶部98は、車両情報記憶部100、地図情報記憶部102、安全地帯情報記憶部104及びプログラム記憶部106から構成される。車両情報記憶部100は、電動小型車両情報記憶部100a及び迎車車両情報記憶部100bを有する。
通信部94は、インターネット回線等を通して無線通信網24に接続され、車両14及び携帯無線端末16との間で各種のデータの送受信を行う。
制御部96は、マイクロプロセッサ等から構成されるコンピュータであり、CPUが半導体メモリやハードディスクドライブ等で構成される記録媒体としての記憶部98のプログラム記憶部106に格納されたプログラム(OSやアプリケーションソフト)を実行することにより、サーバ10内の各部を制御する各種機能部として動作する。
記憶部98の車両情報記憶部100には、通信部94が車両14及び携帯無線端末16から受信した車両14及び電動小型車両18の車両情報が記憶される。すなわち、電動小型車両情報記憶部100aは、携帯無線端末16から無線通信網24を介して通信部94に受信された電動小型車両18に関わる各種情報を記憶する。迎車車両情報記憶部100bは、車両14から無線通信網24を介して通信部94に受信された車両14に関わる各種情報を記憶する。
この場合、制御部96は、通信部94で受信される情報に含まれる固有IDに基づき、どの車両の情報であるのかを識別し、識別した車両に対応する記憶部に、受信した情報を記憶する。
例えば、携帯無線端末16から無線通信網24を介して通信部94に情報が受信された場合、制御部96は、受信した当該情報に含まれる携帯無線端末16、電動小型車両18又は生体情報測定装置20の固有IDと、車両情報記憶部100に記憶された識別用IDとを対比し、両者が一致したときに、固有IDを含む情報が携帯無線端末16からの情報であると識別することができる。また、システム12内に複数の電動小型車両18が存在する場合、制御部96は、複数の識別用IDと、受信した固有IDとを対比することにより、電動小型車両情報記憶部100aに、受信した情報を、ID毎に、適切に記憶することができる。
なお、携帯無線端末16から通信部94が受信する情報としては、例えば、電動小型車両18のバッテリ60の電池残量、当該電池残量から算出される電動小型車両18の走行可能距離、使用者の脈拍や血圧等の生体情報、携帯無線端末16又は電動小型車両18の固有ID、現在位置、現在時刻が含まれる。
また、車両14から無線通信網24を介して通信部94に情報が受信された場合、制御部96は、受信した当該情報に含まれる車両14の固有IDと、識別用IDとを対比することにより、受信した情報が当該車両14からの情報であるか否かを識別することができる。この場合も、システム12内に複数の車両14が存在すれば、制御部96は、複数の識別用IDと、受信した固有IDとを対比することにより、迎車車両情報記憶部100bに、受信した情報を、ID毎に、適切に記憶することができる。
なお、車両14から通信部94が受信する情報としては、例えば、固有ID、現在位置、現在時刻が含まれる。
地図情報記憶部102には、地形、道路、施設等が含まれた地図情報が記憶されている。
そして、本実施形態では、携帯無線端末16から無線通信網24を介してサーバ10に、電動小型車両18の回収を要求する回収要求情報が送信された場合、サーバ10は、受信した回収要求情報に基づき、電動小型車両18の回収位置(前述したサーバ10の指定位置(回収地点、指定地点)である目的地)を決定し、決定した回収位置(目的地)を示す目的地情報を、無線通信網24を介して携帯無線端末16及び車両14にそれぞれ配信する。
従って、車両14は、受信した目的地情報に従って、目的地に移動し、一方で、電動小型車両18は、受信した目的地情報に従って、目的地に移動する。この結果、当該目的地において、電動小型車両18は、車両14に積み込まれて回収されると共に、使用者は、車両14に同乗して、所定の場所(例えば、電動小型車両18の出発地点)に向かうことができる。
ここで、前述した回収要求情報は、使用者の意思に基づき携帯無線端末16又は電動小型車両18が生成する場合と、携帯無線端末16又は電動小型車両18の判断で自動的に生成する場合とがある。
使用者の意思に基づき携帯無線端末16又は電動小型車両18が生成する場合とは、例えば、使用者が自身の自宅、宿泊場所又は介護施設等を出発地点として電動小型車両18の運転を開始し、出発した場合に、ある地点まで来た際、使用者が入力部46又は入力部68を操作して電動小型車両18の回収と、使用者を迎えに来るようサーバ10に要求し、携帯無線端末16又は電動小型車両18が当該要求に応じた回収要求情報を生成する場合(第1のケース)をいう。すなわち、第1のケースは、使用者が自ら電動小型車両18の回収を依頼する場合である。従って、第1のケースにおいて、回収要求情報の示す回収要求理由は、使用者の入力部46、68の操作(回収要求の受付)に起因して入力部46、68から制御部52、62に出力される入力信号に基づく状態情報である。
具体的に、使用者が携帯無線端末16の入力部46を操作し、入力部46から制御部52に操作結果に応じた入力信号が供給されると、制御部52は、電動小型車両18の回収が指示されたと判断し、使用者からの回収要求を回収要求理由とする回収要求情報を生成して、無線部42から無線通信網24を介してサーバ10に送信する。
あるいは、使用者が電動小型車両18の入力部68を操作し、入力部68から制御部62に入力信号が供給された場合でも、制御部62は、電動小型車両18の回収が指示されたと判断し、使用者からの回収要求を回収要求理由とする回収要求情報を生成することが可能である。この場合には、I/F74から携帯無線端末16を介し、無線通信網24を通じてサーバ10に回収要求情報を送信することになる。
一方、携帯無線端末16又は電動小型車両18の判断で自動的に生成する場合は、使用者が自ら依頼しなくても、電動小型車両18の回収を要求できる場合であり、次の2つのケースがある。
1つ目のケース(第2のケース)は、電動小型車両18のバッテリ60の電池残量、又は、当該電池残量に基づき算出される電動小型車両18の走行可能距離では、当該電動小型車両18の現在位置から出発地点にまで戻ることが困難であるため、制御部52又は制御部62が電動小型車両18を回収すべきと判断し、この判断結果を回収要求理由(状態情報)とする回収要求情報を制御部52又は制御部62が自動的に生成して、無線部42から無線通信網24を介してサーバ10に送信する場合である。
2つ目のケース(第3のケース)は、生体情報測定装置20のセンサ部88が測定した使用者の生体情報より、当該使用者の体調に異変が生じたので、使用者が自力で出発地点にまで戻ることは困難であるため、制御部52又は制御部62が電動小型車両18を回収すべきと判断し、この判断結果を回収要求理由(状態情報)とする回収要求情報を制御部52又は制御部62が自動的に生成して、無線部42から無線通信網24を介してサーバ10に送信する場合である。
このような第1〜第3のケースにおいて、サーバ10の制御部96は、通信部94が回収要求情報を受信すると、下記の処理を行う。
電動小型車両18は、一般的な四輪車等を比較して、タイヤ108の直径が小さい。そのため、比較的大きな段差を乗り越えることは難しい。また、電動小型車両18を車両14に積み込む際には、段差が積み込みの障害になる可能性がある。さらに、積み込みの際には、他の車両との衝突を防止する必要がある。
そこで、本実施形態では、記憶部98内に、電動小型車両18の積み込みを安全に行える地点、例えば、段差がなく、平坦で、且つ、車両14及び電動小型車両18が駐停車できる路側帯や駐車場等の安全地帯、を示す安全地帯情報を登録した安全地帯情報記憶部104が設けられている。安全地帯情報は、安全地帯情報記憶部104に予め登録されてもよいし、あるいは、地図情報記憶部102に記憶された地図情報からその都度生成してもよい。
従って、第1又は第2のケースにおいて、制御部96は、例えば、電動小型車両情報記憶部100aに記憶された電動小型車両18の現在位置に最も近い安全地帯を示す安全地帯情報を安全地帯情報記憶部104から選定し、選定した安全地帯情報の示す安全地帯を、電動小型車両18及び車両14が向かうべき目的地(回収位置、回収地点)に設定し、設定した目的地を示す安全地帯の位置情報(以下、安全地帯位置情報ともいう。)を通信部94から無線通信網24を介して、車両14及び携帯無線端末16にそれぞれ配信する。
また、第3のケースでは、使用者の体調に異変が生じているので、携帯無線端末16に対して第1又は第2のケースのような安全地帯位置情報を配信しても、当該使用者は、電動小型車両18を運転することは困難である。このような場合、制御部96は、電動小型車両情報記憶部100aに記憶された電動小型車両18の現在位置を、強制的に目的地に設定し、当該目的地の位置情報を安全地帯位置情報とみなして、通信部94から無線通信網24を介して、車両14及び携帯無線端末16に配信する。
[本実施形態の動作]
本実施形態に係るサーバ10が適用されたシステム12は、以上のように構成されるものであり、次に、その動作について、図6〜図8を参照しながら説明する。この動作説明では、必要に応じて、図1〜図5も参照しながら説明する。
先ず、ステップS1〜S3において、車両14と、サーバ10と、携帯無線端末16及び電動小型車両18とがそれぞれ起動される。
すなわち、車両14については、イグニッションスイッチ36をオン(エンジンを始動)することによって、バッテリ38から車両14内の各部に電力供給が開始され、ナビゲーション装置30が起動する。また、サーバ10については、図示しない電源がオンとなり、制御部96がプログラム記憶部106に格納された電動小型車両18の回収に関わるアプリケーションソフトを実行した場合に、起動となる。さらに、携帯無線端末16及び電動小型車両18については、使用者が電源ボタン56をオンにして、バッテリ58から携帯無線端末16の各部への電力供給が開始される一方、電動小型車両18の電源スイッチ76をオンにしてバッテリ60から電動小型車両18の各部への電力供給が開始されることにより、携帯無線端末16と電動小型車両18及び生体情報測定装置20との間で通信接続された場合が起動となる。
このようにサーバ10、車両14、携帯無線端末16及び電動小型車両18が起動すると、サーバ10と車両14及び携帯無線端末16とは、無線通信網24を介して情報の送受信を行うことが可能となる。
そのため、ステップS4において、車両14は、自身の現在位置を示す現在位置情報及び固有IDの無線通信網24を介したサーバ10への定期的な送信(アップロード)を開始する。一方、携帯無線端末16についても、ステップS5において、自身の現在位置を示す現在位置情報及び固有IDの無線通信網24を介したサーバ10への定期的なアップロードを開始する。
サーバ10の制御部96は、ステップS6において、識別用IDと、受信した固有IDとを対比することにより、受信した現在位置情報を、ID毎に、電動小型車両情報記憶部100a又は迎車車両情報記憶部100bに記憶管理する。
前述のように、車両14及び携帯無線端末16からサーバ10に現在位置情報が定期的にアップロードされるので、制御部96は、アップロードされる毎に、電動小型車両情報記憶部100a又は迎車車両情報記憶部100bに現在位置情報を記憶する。
なお、車両14は、現在位置情報及び固有IDの他に、車両14の進行方向、車両14の乗務員の勤務可能時間、電動小型車両18が積載中であるか否かの情報、乗務員の携帯電話番号等をサーバ10に送信してもよい。従って、制御部96は、これらの情報についても、ID毎に、迎車車両情報記憶部100bに保存すればよい。
ステップS7において、携帯無線端末16の制御部52は、図8に示すように、表示部44(又は電動小型車両18の表示部66)に、使用者が電動小型車両18の回収要求を任意に実行するためのボタン110を表示する。なお、図8は、表示部44にボタン110を表示させる場合を図示したものであり、当該ボタン110は、入力部46としての機能を有する。
次のステップS8において、携帯無線端末16の制御部52(又は電動小型車両18の制御部62)は、使用者によるボタン110の操作入力、電動小型車両18のバッテリ60の電池残量、及び、生体情報測定装置20のセンサ部88が検出した生体情報の監視を開始する。
具体的に、制御部52(又は制御部62)は、(1)使用者がボタン110を操作入力したか否か、(2)出発地点(使用者の自宅、宿泊場所、介護施設等)と現在位置との距離を考慮した場合、電動小型車両18が出発地点に戻るだけの電池残量が残っているか否か、あるいは、当該距離が電池残量に応じた走行可能距離よりも長いか否か、(3)生体情報である使用者の脈拍や血圧が所定の閾値を超えたか否か、を監視する。
ステップS9において、上記(1)〜(3)の監視結果について、(a)使用者がボタン110を操作入力した場合(第1のケース)、(b)出発地点に戻るだけの電池残量がバッテリ60に無い場合(第2のケース)、(c)前記距離が航続可能距離よりも長くなった場合(第2のケース)、(d)脈拍又は血圧が所定の閾値を超えた場合(第3のケース)のうち、いずれか1つの結果(回収要求理由)に該当したときに、制御部52又は制御部62は、電動小型車両18の回収が必要と判断する。そして、制御部52又は制御部62は、該当する回収要求理由((a)〜(d)のうち、いずれか1つの結果)と、当該回収要求理由の原因(電池残量、走行可能距離、使用者の異変の種類)とを含む回収要求情報を生成し、無線部42から無線通信網24を介してサーバ10にアップロードする。この場合、制御部52又は制御部62は、回収要求情報と共に、現在位置情報及び固有IDも併せてアップロードする。
サーバ10の制御部96は、回収要求情報、現在位置情報及び固有IDを受信すると、受信した各情報を、ID毎に、電動小型車両情報記憶部100aに記憶する。
次のステップS10において、制御部96は、回収要求情報及び現在位置情報や、安全地帯情報記憶部104に記憶された安全地帯情報に基づいて、車両14に電動小型車両18を安全に積み込むことが可能な場所を選定する。
具体的に、制御部96は、安全地帯情報記憶部104に記憶された安全地帯情報のうち、電動小型車両18の現在位置近辺の安全地帯(例えば、電動小型車両18の現在地位に最も近い安全地帯)を示す安全地帯情報を選択する。
なお、回収要求理由が(d)(第3のケース)の場合、使用者は、電動小型車両18の現在位置から安全地帯まで移動することが困難である。そのため、制御部96は、電動小型車両18の現在位置を強制的に安全地帯として設定する。
このようにして、制御部96は、当該設定した安全地帯を示す安全地帯位置情報(目的地情報)を生成することができる。
次のステップS11において、制御部96は、電動小型車両18を回収する車両14を選定する。具体的に、制御部96は、複数の車両14の中から、電動小型車両18を積載可能であり、且つ、安全地帯位置情報の示す回収地点に最も近い場所にある車両14を選定する。なお、選定の際、車両14の進行方向、乗務員の勤務可能時間も考慮するとさらに望ましい。
そして、ステップS12において、制御部96は、設定した安全地帯位置情報を、無線通信網24を介して、ステップS11で選定した車両14と、携帯無線端末16とにそれぞれ配信する。その際、車両14に対しては、回収要求情報(に含まれる(a)〜(d)のいずれかの回収要求理由)も併せて配信する。
ステップS13、S14において、安全地帯位置情報を受信した車両14及び携帯無線端末16は、受信した安全地帯位置情報の示す回収地点(目的地)に向けて、ルート案内をそれぞれ開始する。すなわち、車両14では、ナビゲーション装置30の表示部30aで地図上に目的地等が表示され、乗務員は、表示された目的地に向かって車両14を移動させる。また、携帯無線端末16では、表示部44又は電動小型車両18の表示部66で地図上に目的地等が表示され、使用者は、表示された目的地に向かって電動小型車両18を移動させる。
なお、回収要求理由が(d)の場合には、携帯無線端末16又は電動小型車両18の現在位置が安全地帯(目的地)となるため、使用者は、当該現在位置で待機することになる。
ステップS15で電動小型車両18が回収地点(目的地)に到着した場合(ステップS15:YES)、携帯無線端末16の制御部52は、当該電動小型車両18が到着したことを示す到着情報を電動小型車両18の制御部62に出力する。これにより、制御部62は、ステップS16において、発光部72をハザードランプとして機能させ点滅させる。
また、制御部52は、ステップS17において、無線部42から無線通信網24を介してサーバ10に前記到着情報をアップロードする。なお、目的地に到着したか否かは、例えば、安全地帯位置情報の示す回収地点と、センサ部48又はセンサ部64が検出した現在位置とを比較して、両者の位置が一致すれば、制御部52は、目的地に到着したと判断すればよい。
一方、ステップS18で車両14が回収地点(目的地)に到着した場合(ステップS18:YES)、制御部26は、ステップS19において、当該車両14が到着したことを示す到着情報を、無線通信網24を介してサーバ10にアップロードする。この場合、電動小型車両18の発光部72がハザードランプとして点滅しているので、車両14の乗務員は、目的地にある電動小型車両18を一目で見つけることができる。
サーバ10の制御部96は、車両14及び携帯無線端末16から通信部94に到着情報が受信された場合、車両14及び携帯無線端末16が回収位置にそれぞれ到着したことを容易に認識することができる。なお、ステップS15、S18の処理に代えて、車両14及び電動小型車両18からサーバ10に定期的に現在位置情報をアップロードし、制御部96において、目的地と現在位置とが一致するか否かを判断することで、車両14及び電動小型車両18が目的地に到着したか否かを判定することも可能である。
また、無線通信網24を介して車両14と携帯無線端末16とが接続されているため、図示しないが、車両14と携帯無線端末16及び電動小型車両18とは、目的地に到着した際に、到着情報を相手方に通知することも可能である。具体的に、車両14が目的地に到着した際、車両14から無線通信網24を介して携帯無線端末16に到着情報を送信し、一方で、電動小型車両18(携帯無線端末16)が目的地に到着した際には、携帯無線端末16から無線通信網24を介して車両14に、到着情報を送信してもよい。
ステップS20において、サーバ10の制御部96は、上述した(a)〜(d)の回収要求理由に応じて、新たな目的地を設定する。
具体的に、(a)〜(c)の回収要求理由の場合、制御部96は、使用者の自宅、宿泊場所、介護施設等の電動小型車両18の出発地点を新たな目的地と設定し、設定した目的地を含む目的地情報を生成する。一方、(d)の回収要求理由の場合、制御部96は、使用者の体調に異変が発生しているので、病院等の電動小型車両18の出発地点以外の場所を新たな目的地として設定し、設定した目的地を含む目的地情報を生成する。
ステップS21において、通信部94は、制御部96が新たに生成した目的地情報を、無線通信網24を介して車両14に配信する。
ステップS22において、車両14の乗務員(又は使用者)は、目的地において、電動小型車両18の入力部68を操作し、発光部72の点滅を停止させる。そして、乗務員は、電動小型車両18を回収して車両14に積み込み、使用者を車両14に乗車させる。
次のステップS23において、車両14の無線部34が目的地情報を受信し、表示部30aが新たな目的地を表示すると、乗務員は、表示された新たな目的地に向けて車両14を移動させる。これにより、(a)〜(c)の回収要求理由の場合には、車両14が出発地点に向けて移動し、一方で、(d)の回収要求理由の場合には、車両14が病院等の出発地点以外の場所に向けて移動することができる。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、サーバ10の制御部96は、通信部94を通して受信した、車両14の位置情報と、携帯無線端末16又は電動小型車両18の位置情報と、電動小型車両18の回収要求理由を示す回収要求情報と、地図情報記憶部102に保存された地図情報と、安全地帯情報記憶部104に記憶された安全地帯情報とに基づいて、電動小型車両18を回収可能な地点(目的地)を示す安全地帯位置情報を決定する。そして、通信部94は、制御部96が決定した安全地帯位置情報を車両14及び携帯無線端末16にそれぞれ配信する。
これにより、回収要求情報に応じて、適切な地点(安全地帯)で車両14が電動小型車両18を回収するように車両14と携帯無線端末16とに指示することが可能になる。また、当該安全地帯を示す安全地帯位置情報を車両14及び携帯無線端末16にそれぞれ配信するので、当該安全地帯で電動小型車両18を安全に車両14に積み込むことが可能となる。
この場合、回収要求理由が電動小型車両18の使用者の生体情報に異変が生じたことを示す理由(第3のケース)である場合、制御部96は、電動小型車両18(携帯無線端末16)の現在位置を、電動小型車両18を回収可能な地点として決定し、決定した地点を示す安全地帯位置情報を、通信部94を通して車両14及び携帯無線端末16にそれぞれ配信する。
これにより、使用者の体調に異変が生じた場合でも、車両14が安全地帯位置情報に基づき電動小型車両18の現在位置に向かうことによって、当該現在位置で電動小型車両18を回収すると共に、使用者を車両14に乗車させることができる。これにより、電動小型車両18の購入を検討するシニア世代の懸念を払拭することができ、電動小型車両18の普及を図ることもできる。
また、車両14及び電動小型車両18が安全地帯位置情報の示す回収地点に到着することにより、到着を示す到着情報が車両14及び携帯無線端末16から通信部94にアップロードされた場合、制御部96は、安全地帯位置情報の示す回収地点とは異なる位置を新たな目的地として決定し、通信部94は、決定した新たな目的地を示す目的地情報を車両14に配信する。
これにより、制御部96は、通信部94が到着情報を受信することで、車両14及び電動小型車両18が安全地帯位置情報の示す安全地帯に到着したことを確認することができる。従って、当該安全地帯への到着を確認した後に、制御部96が目的地情報を車両14に配信することにより、電動小型車両18を車両14に積み込むと共に、使用者を車両14に乗車させて、新たな目的地に向かうことが可能となる。
この場合、制御部96は、回収要求理由に応じて、電動小型車両18の出発地点を新たな目的地として決定するか、又は、病院等の出発地点以外の他の地点を新たな目的地として決定する。
すなわち、第1又は第2のケース((a)〜(c)の回収要求理由)の場合、制御部96は、使用者の自宅、宿泊場所、介護施設等の電動小型車両18の出発地点を新たな目的地として決定する。これにより、電動小型車両18を積み込み、且つ、使用者を乗車した車両14を、出発地点に向かわせることが可能となる。
一方、第3のケース((d)の回収要求理由)の場合、制御部96は、病院等の出発地点以外の他の地点を新たな目的地に設定することで、電動小型車両18を積み込み、且つ、使用者を乗車した車両14を、他の地点に確実に向かわせることができる。
また、本実施形態において、携帯無線端末16は、当該携帯無線端末16のセンサ部48又は電動小型車両18のセンサ部64が測定した現在位置を示す現在位置情報や、回収要求情報を、無線部42及び無線通信網24を通してサーバ10に送信する。さらに、サーバ10から無線通信網24を通して無線部42が目的地情報を受信した場合、携帯無線端末16は、目的地情報の示す目的地への電動小型車両18のルート案内を実行する。さらにまた、電動小型車両18が目的地に到着すると、携帯無線端末16は、到着情報を無線部42から無線通信網24を通してサーバ10に到着情報を送信する。
このように、携帯無線端末16からサーバ10に回収要求情報を送信した際、回収要求情報に応じた目的地情報がサーバ10から携帯無線端末16に送信されるので、携帯無線端末16では、受信した目的地情報の示す目的地(電動小型車両18を回収可能な地点)に電動小型車両18をルート案内することができる。この結果、電動小型車両18が目的地にルート案内されることにより、当該目的地で電動小型車両18を回収することができる。
また、携帯無線端末16では、第1〜第3のケース((a)〜(d)の回収要求理由)に応じた適切な目的地情報をサーバ10から受信することができるので、当該目的地情報に基づき電動小型車両18をルート案内することで、目的地情報の示す適切な目的地に電動小型車両18をルート案内し、当該目的地で電動小型車両18を回収することが可能となる。
なお、上記の説明では、車両14のナビゲーション装置30を車載機器として説明したが、携帯無線端末16と同様の他の機器を車両14に接続することで、ナビゲーション装置30を実現してもよい。この場合、当該他の機器は、無線通信機能を備えているので、車両14は、他の機器及び無線通信網24を介してサーバ10との間で情報の送受信を行うことになる。そのため、サーバ10は、車両14に接続された他の機器の固有IDを取得することにより、機器毎に車両14及び当該他の機器を管理するか、又は、車両14から当該他の機器経由で車両14の固有IDを取得することにより、他の機器及び車両14を管理すればよい。
但し、機器毎の固有IDで管理する場合、他の機器が車両14と接続されることで、サーバ10から他の機器経由で車両14に目的地情報等を配信可能であり、従って、電動小型車両18を回収できる状態にあることを、サーバ10側で予め把握しておく必要がある。そのためには、例えば、当該他の機器が車両14に接続されたときに、前記他の機器が車両14と接続状態にあることを示す識別子を生成し、無線通信網24を介してサーバ10に通知すればよい。
また、上記の説明では、携帯無線端末16の制御部52又は電動小型車両18の制御部62において、バッテリ60の電池残量又は電動小型車両18の走行可能距離に基づき、電動小型車両18が現在位置から出発地点にまで戻ることができるか否かを判断していた。前述のように、携帯無線端末16が無線通信網24を介してサーバ10に接続されているので、電池残量の情報(電池情報)を携帯無線端末16から無線通信網24を介してサーバ10に送信してもよい。これにより、サーバ10の制御部96において、受信した電池情報に基づき、電動小型車両18が現在位置から出発地点にまで戻ることができるか否かを判断することが可能となる。
この場合、制御部96は、電池残量に基づき算出した走行可能距離と、地図情報とに基づいて、電動小型車両18が予め設定した目的地まで到達できるか否かを判断し、到達できないと判断した場合に、無線通信網24を介して、車両14に電動小型車両18を回収するよう指示してもよい。また、携帯無線端末16は、電池残量に加え、電動小型車両18の現在位置を含む地図情報を、無線通信網24を介して、サーバ10にアップロードしてもよい。これにより、制御部96での判断処理が容易になる。
なお、この発明は、上記した実施形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることができる。