JP5869396B2 - 硬化性組成物、それを用いた硬化物、接着剤およびポリウレタン樹脂 - Google Patents
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Description
前記ポリウレタンがポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの重合生成物であり、
前記ポリエステルポリオールが植物に由来するジカルボン酸に基づく特定繰り返し単位を含み、該特定繰り返し単位がデヒドロアビエチン酸に由来する構成単位であり、該特定繰り返し単位が前記ポリエステルポリオールの主鎖に組み込まれた芳香環を有する、下記式(IA−2)または(IB−2)で表される繰り返し単位である硬化性組成物。
[式中、X 1 は単結合または2価の連結基を表す。X 2 は2価の連結基を表す。]
〔2〕前記ポリウレタンが、さらに下記式(II)で表される繰り返し単位を含む〔1〕に記載の硬化性組成物。
−(O−LB−O)− (II)
[式中、LBは2価の連結基を表す。]
〔3〕前記ポリイソシアネートに由来する繰り返し単位が、下記式(III)で表される〔1〕または〔2〕に記載の硬化性組成物。
−(CO−NH−LC−NH−CO−)− (III)
[式中、LCは2価の連結基を表す。]
〔4〕前記ポリウレタンおよび硬化剤を含有させる媒体として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸エチル、またはトルエンを用いた〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔5〕前記LBが、アルキレン基、アリーレン基、−S−、−SO2−、−C(=O)−、−N(Ra)−、−C(=O)O−またはこれらを組み合わせた基(Raは水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す)である〔2〕に記載の硬化性組成物。
〔6〕前記硬化剤がポリイソシアネートである〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
〔7〕前記ポリウレタンを1〜99.9質量%で含有する〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
〔8〕 〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の硬化性組成物を含んでなる接着剤。
〔9〕ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの重合生成物からなるポリウレタン樹脂であって、
前記ポリエステルポリオールが植物に由来するジカルボン酸に基づく特定繰り返し単位を含み、該特定繰り返し単位がデヒドロアビエチン酸に由来する構成単位であり、該特定繰り返し単位が前記ポリエステルポリオールの主鎖に組み込まれた芳香環を有する、下記式(IA−2)または(IB−2)で表される繰り返し単位であるポリウレタン樹脂。
[式中、X 1 は単結合または2価の連結基を表す。X 2 は2価の連結基を表す。]
また、本発明のポリウレタン樹脂は、上記硬化性組成物として有用である。
本発明の硬化性組成物は、ポリウレタンを媒体中に含有する硬化性組成物である。前記ポリウレタンは、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの重合生成物であり、前記ポリエステルポリオールが植物に由来するジカルボン酸に基づく特定の繰り返し単位(以下、「特定繰り返し単位」と称することがある。)を含む。そして、その特定繰り返し単位が前記ポリエステルポリオールの主鎖に組み込まれた芳香環を有する。なお、主鎖に芳香環が組み込まれるとは、芳香環を構成する炭素原子が主鎖の一部を構成していることを指し、単結合ないし連結基を介して主鎖の構成原子と結合した状態(いわゆるペンダント基となった状態)は含まない意味である。ここでの芳香環は芳香族環またはヘテロ環であることが好ましく、置換基を有することあるベンゼン環が特に好ましい。該置換基としては、後記置換基Tが挙げられる。
前記特定繰り返し単位として、上記デヒドロアビエチン酸由来の下記式(I)で表される繰り返し単位が好ましい。
Rは置換基を表すが、このような基としては、=Oや後述の置換基Tが挙げられる。Rは、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。アルキル基、アルコキシ基における炭素数は1〜8が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基の中でも、メチル基、イソプロピル基が好ましい。なお、Rは、環A、環Cy、およびベンゼン環のいずれに置換してもよい。
n1は0〜18の整数を表すが、1〜5が好ましく、3〜5がより好ましい。
環Aは非芳香族の6員環であり、シクロヘキサン環やデヒドロシクロヘキセン環が挙げられ、デヒドロシクロへキサン環の場合、二重結合が1〜2つが好ましく、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環が挙げられる。環AはRが置換していてもよい。
環Cyはヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の6または7員環を表すが、非芳香族の環が好ましく、6員環が好ましい。
ヘテロ環としては、ベンゼン環との共有部分以外の環構成部分に二重結を有してもよいが、これを有さないものが好ましい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられるが、窒素原子が好ましく、環構成原子を構成するヘテロ原子は1つが好ましい。なお、ヘテロ環の場合、7員環が好ましく、環構成成分に−C(=O)NH−に含むものがより好ましく、ベンゼン環と環Aを結合する部分の一方(デヒドロアビエチン酸の位置で示せば9位と10位の結合)が単結合、他方が−CH2C(=O)NH−であるものがさらに好ましい。
X0は単結合または2価の連結基を表すが、2価の連結基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−N(Ra)−、−C(=O)−またはこれらの基の組合せ(例えば、−アルキレン−O−、−C(=O)−O−、−N(Ra)−C(=O)−、−N(Ra)−SO2−、−O−C(=O)−N(Ra)−)が挙げられる。ここでRaは水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。アルキル基、アリール基またはヘテロ環基の好ましいものとしては、後記置換基Tの例が挙げられる。
X1は単結合または2価の連結基を表すが、2価の連結基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−N(Ra)−、−C(=O)−またはこれらの基の組合せ(例えば、−アルキレン−O−、−C(=O)−O−、−N(Ra)−C(=O)−、−N(Ra)−SO2−、−O−C(=O)−N(Ra)−)が挙げられる。ここでRaは前記と同様である。
X2は2価の連結基を表し、X1で挙げた2価の連結基が好ましく、−C(=O)−La−、−Lb−、−O−C(=O)−Lc−がより好ましい。ここで左側の結合手がベンゼン環に結合する。Laはアルキレン基またはアルケニレン基を表し、Laがアルキレン基の場合、炭素数1〜10が好ましく、2〜10がより好ましく、2がさらに好ましい。Laがアルケニレン基の場合、炭素数2〜10が好ましく、2がより好ましい。Lbはアルキレン基またはアルケニレン基であり、炭素数1〜4が好ましく、2がより好ましく、−CH(CH3)−がさらに好ましい。Lcは炭化水素基であり、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜4がより好ましい。
環Bは非芳香族の6員環を表す。
環Bはベンゼン環と共有する結合以外に二重結合を有してもよく、この場合、二重結合は1つが好ましい。すなわち、環Aと共有する結合が二重結合となっても、ベンゼン環や環Aのいずれとも共有していない結合が二重結合となってもよい。また、Rが置換してもよく、置換基としては後述の置換基Tに加え、=Oが好ましい。
n2は0〜17の整数を表す。
ここで、樹脂Aは式(I)で表される構造を含む繰り返し単位は、式(I)で表される構造の範囲で、1種でも2種以上の異なった構造の繰り返し単位でもよい。
また、式(I)で表される化合物は、デヒドロアビエチン酸、その類縁体もしくはこれから誘導される化合物に由来する構造が好ましい。
デヒドロアビエチン酸に由来する構成単位を有するポリマーについては、その合成法を含め、国際公開第2011−125795A1号パンフレット等を参照することができる。
また、ベンゼン環へのアシル化は、通常のアシル化、例えば無水コハク酸と塩化アルミニウム、塩化鉄のようなルイス酸によるフリーデル・クラフツ反応で容易に合成される。
多価アルコール由来の繰り返し単位は2価以上のヒドロキシル基を有すのであれば、どのような繰り返し単位でも構わないが、具体的には下記式(II)で表される繰り返し単位である。また、多価アルコール由来の繰り返し単位は構造の異なった2種以上の多価アルコール由来の繰り返し単位を組み込んでも構わない。
ここで、多価アルコールにおけるヒドロキシ基は、2〜6個有するものが好ましく、2〜3個有するものがより好ましく、2個有するものが最も好ましい。
LBの2価の連結基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−N(Ra)−、−C(=O)−またはこれらの基の組合せ(例えば、−アルキレン−O−、−C(=O)−O−、−N(Ra)−C(=O)−、−N(Ra)−SO2−、−O−C(=O)−N(Ra)−)が挙げられる。ここでRaは前記と同様である。
式(II’)で表される多価アルコーはなかでも、脂肪族の多価アルコール(脂肪鎖がエーテル結合で分断されたものも含む)や芳香族の多価アルコールが好ましい。
ここで、ビスフェノールとしては、ビスフェノールA以外に、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールSFなどが挙げられ、好ましく、これらのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド付加物も好ましい。
ヒドロキシル基を3個以上有する化合物としては、例えば、下記化合物が挙げられる。
ポリイソシアネートから得られる繰り返し単位は、下記式(III)で表されるものが好ましい。
−(CO−NH−LC−NH−CO−)− (III)
このような繰り返し単位は、O=C=N−Lc−N=C=O(Lcは前記と同義)で表される化合物で得ることができる。
ここで、ポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式および芳香族ポリイソシアネートが挙げられ、3価以上のポリイソシアネートでもよく、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。具体的には2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’ −ジメトキシ−4,4’ −ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、またはこれらのイソシアネート化合物の3量体等が挙げられ、これらは単独でまたは数種を組み合わせて使用することができる。
また、これらのイソシアネート化合物の過剰量と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
本発明においては、多価アルコール由来の繰り返し単位と、植物由来の原料より誘導され、かつ(主鎖に)芳香環を有するジカルボン酸以外の多価カルボン酸から得られる繰り返し単位を含んでもよい。このような繰り返し単位は、脂肪族、芳香族またはヘテロ環のジカルボン酸が挙げられ、具体的には、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類や、シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンジカルボン酸、、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等の飽和または不飽和の脂肪族ジカルボン酸類が挙げられる。
また、3価以上のカルボン酸としては、例えば、クエン酸、アコニット酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、メリト酸等が挙げられる。
また、ガラス転移温度(Tg)は、が50〜250℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。Tgを前記下限値以上とすることで、硬化性組成物に耐熱性を付与することできる。一方、前記上限値以下とすることで、樹脂の柔軟性を確保し密着性を向上させるすることできる。
また、酸価は5mgKOH/g以下が好ましい。水酸基価は5mgKOH/g以下が好ましい。前記上限値以下とすることで、硬化後の塗膜の安定性を確保することできる。
酸価は、特に断らない限り、JIS規格(JIS K 0070:1992)記載の方法により測定したとする。水酸基価は、特に断らない限り、後記実施例で採用した方法に順ずる。
以下に、本発明のポリウレタン樹脂の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の硬化性組成物は、上記の本発明のポリウレタン樹脂を含む。
また、本発明の硬化性組成物は、硬化剤(架橋剤)を含有し、例えば、イソシアネート化合物、アミノ樹脂、酸無水物、エポキシ化合物もしくはエポキシ樹脂など公知の化合物が挙げられ、これらは単独でも併用してもよい。また、添加剤として、フェノール系抗酸化剤、有機ホスファイトなどの有機リン系抗酸化剤、チオエーテル系抗酸化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、フィラー等を加えることができる。
本発明のポリウレタン樹脂は、使用する目的にもよるが、固形分質量で、硬化性組成物中に5〜99.9質量%含むことが好ましく、10〜99質量%含むことがより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、媒体として水系媒体もしくは有機系媒体を用いることができ、なかでも有機系媒体(有機溶剤)を用いることが好ましい。
有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤; アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、PEGMEA等のエステル系溶剤、メチレンクロライド、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤、THF、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、DMF、DMAc、NMPなどのアミド系溶剤があげられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いる。
本発明の硬化性樹脂には、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、本発明のポリウレタン樹脂以外のポリウレタン樹脂、コム類やアミノ樹脂を含有してもよい。
ここで、アミノ樹脂は、上記のように硬化剤としても作用し、例えば、尿素、メラニン、ベンゾグアナミンなどのホルムアルデヒド付加体、さらには、これらのアルコールによるアルキルエーテル化合物などが挙げられる。具体的には、メトキシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラニン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラニン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンなどが挙げられる。
上記アミノ樹脂以外の硬化剤は以下のものが挙げられる。
・イソシアネート化合物
イソシアネート化合物は、前述のポリウレタン樹脂の合成原料のポリイソシアネートが挙げられる。ここで、イソシアネート化合物は貯蔵安定性の面よりブロック価して使用することもできる。ブロックイソシアネート化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類,エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノールなどの第三級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にもイソプロピルアミンなどの脂肪族アミン類、芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、イミダゾール類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダ等も挙げられる。このうち、硬化性よりオキシム類、イミダゾール類、アミン類が特に好ましい。
酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメート、グリセロールトリスアンヒドロトリメートなどの芳香族酸無水物、無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物などの脂肪族酸無水物などが挙げられる。なかでも、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメート、グリセロールトリスアンヒドロトリメートなどの酸無水物基を1分子中に2個以上有するものが好ましい。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
これらの架橋剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもできる。
フェノール系抗酸化剤としては、例えば、ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアリル−β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサメチレンビス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピオ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシヌレート、テトラキス[メチレン−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,2’ −メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’―メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類が挙げられる。
フィラーは、後述するものに加え、特開2008―250074号公報の段落番号0098に記載のものが好ましく使用できる。
デヒドロアビエチン酸由来のモノマー(DHA−1〜2)の合成例
以下のデヒドロアビエチン酸由来のモノマーの合成例においては、合成されたモノマーの構造をいずれの場合も1H−NMR、液体クロマトグラフィーを用いて確認した。
中間化合物A(31g)およびパラホルムアルデヒド(2.1g)を塩化メチレン(150ml)に加え、そこに硫酸(50ml)を10〜15℃で滴下した。滴下後、室温で5時間撹拌した後、氷水500mlを加え、有機層を分離した。有機層を洗液が中性になるまで水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、塩化メチレンを留去した。残渣にメタノール50mlを加え、室温で3時間撹拌した後、白色結晶を濾取、乾燥してDHA−1(20.2g)を得た。
ポリエステルポリオール1の合成
500mlのセパラブルフラスコにDHA−1 160g シクロヘキサンジメタノール50.4gおよびオルトチタン酸エチル50μlの混合物を秤量した。窒素気流下290℃で8時間加熱撹拌し、生成したメタノールを留去した。得られた反応物をテフロン(登録商標)加工の耐熱容器に取り出し、ポリエステルポリオール101(数平均分子量Mn=4500、ガラス転移温度Tg=165℃、水酸基価 30mgKOH/g)を得た。
ポリエステルポリオール102〜106、及び比較例C11−C13のポリエステルポリオールは表1の配合に従い同様に合成した。
比較例C14に記載のポリエステル型ロジンポリオールはKE−615:荒川化学(株)製を用いた。
500mlのセパラブルフラスコにポリエステルポリオール101を200g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 13.4g、及びトルエン300gを秤量した。触媒として商品名:ネオスタンU−600(日東化成社製、無機ビスマス)0.5g添加し、窒素気流下にて100℃ 6時間反応させた。反応後、固形分が30w%となるようにトルエンで希釈した(ポリウレタン試料101)。
他のポリウレタンも同様にして合成し、何れもトルエン30w%の溶液に調整した(ポリウレタン試料102〜106)。
支持体として、厚みが100μm、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製 E5100)を使用し、上記硬化性組成物をアプリケーターで、塗布し、120℃で15分で乾燥し、塗布層(ポリウレタン試料)が10ミクロンの厚みの各試料を作製した。
得られたポリエステルポリオールの溶解性を、以下のようにして評価した。
各ポリエステルポリオールのトルエン溶液を蒸発乾固しそれぞれの固体を得た。これら各10gをトルエンもしくはMEK10gに再溶解させ、25℃で一晩整置した。溶解性は以下の三段階にて判断した。
評価基準
A:溶液は透明で完溶している
B:少し白濁しているもののほぼ溶解している
C:不溶物が沈殿している。
これらの結果を、下記表1に示す。
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフェィー(GPC)による分子量測定(ポリスチレン換算)で得られた値とした。キャリアとしてはテトラヒドロフランを用い、カラムとしてはトーソー(TOSOH)株式会社製 TSK−gel Super AWM−H(商品名)用いた。
ガラス転移点は、示差走査熱量計(SIIテクノロジー社製、DSC6200)を用いて下記の条件で測定した。測定は同一の試料で二回実施し、二回目の測定結果を採用した。
・測定室内の雰囲気:窒素(50mL/min)
・昇温速度:10℃/min
・測定開始温度:0℃
・測定終了温度:250℃
・試料パン:アルミニウム製パン
・測定試料の質量:5mg
・Tgの算定:DSCチャートの下降開始点と下降終了点の中間温度をTgとした
水酸基価は、ポリエステルポリオール1gを無水酢酸を含むピリジン溶液(無水酢酸/ピリジン=3/100)4mlに溶解させ、水酸基をアセチル化させた後、過剰のアセチル化試薬は水によって加水分解し、生成した酢酸を水酸化カリウム(0.5mol/L)水溶液で滴定を行い求めた。終点は滴定曲線上の変曲点とした。
耐摩耗性については、スガ試験機株式会社製テーバ摩耗試験機を用いて削れ量を測定した。また、85℃/相対湿度85%で500時間保存した後にも、削れ量を測定した。
測定条件は以下の通りである。
A:3mg未満
B:3mg以上6mg未満
C:6mg以上9mg未満
D:9mg以上
支持体と塗布層との密着性は以下の方法により、JIS K5400碁盤目試験 100マスに基づいて評価した。
塗布層を有する側の表面にカッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)を圧着し、付着して5分以内に60°に近い角度で、0.5〜1.0秒で引き離した。剥がれの有無を目視で観察した。
また、85℃/相対湿度85%で500時間保存した後にも、剥がれの有無を観察した。
0:まったく剥れが認められない
1:切込みの交点に微小な剥れが認められる
2:切込みの交点に剥れが認められる
3:切込みの升目を占める剥れが幾つか認められる
4:切込みの升目を占める剥れが多く認められる
5:4を超えた剥れが認められる
・ジカルボン酸(DC)
MDA−Me:合成した(DHA−1)
CDHA:合成した(DHA−2)
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
AdA:アジピン酸
SebA:セバシン酸
ST140:シルバタック140・・・シルバケム社製の重合ロジン
CHDM:シクロヘキサンジメタノール
EG:エチレングリコール
1,3−PDO:1,3−プロパンジオール
BisA:ビスフェノールA
NPG:ネオペンチルグリコール
KE−615:荒川化学(株)製(アビエタン骨格がペンダント基となったポリエステルポリオール)
・その他
MEK:メチルエチルケトン
上記実施例番号101〜106で用いた硬化性組成物を用いて、プラスチック成形品に塗布し、クリアコートを形成した。その結果、上記実施例の硬化性組成物によれば、優れた密着性を有する良好なクリアコートを形成することができることを確認した。
Claims (9)
- 前記ポリウレタンが、さらに下記式(II)で表される繰り返し単位を含む請求項1に記載の硬化性組成物。
−(O−LB−O)− (II)
[式中、LBは2価の連結基を表す。] - 前記ポリイソシアネートに由来する繰り返し単位が、下記式(III)で表される請求項1または2に記載の硬化性組成物。
−(CO−NH−LC−NH−CO−)− (III)
[式中、LCは2価の連結基を表す。] - 前記ポリウレタンおよび硬化剤を含有させる媒体として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸エチル、またはトルエンを用いた請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 前記LBが、アルキレン基、アリーレン基、−S−、−SO2−、−C(=O)−、−N(Ra)−、−C(=O)O−またはこれらを組み合わせた基(Raは水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す)である請求項2に記載の硬化性組成物。
- 前記硬化剤がポリイソシアネートである請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記ポリウレタンを1〜99.9質量%で含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物を含んでなる接着剤。
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