JP5869343B2 - 血単核球の培養物の上清を包含する薬剤 - Google Patents

血単核球の培養物の上清を包含する薬剤 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、内部炎症性の皮膚性状、好ましくは虚血に関連する内部性皮膚性状を治療するための薬剤に関する。
低酸素症、つまり酸素が減少した状態は、肺が易感染性になると、または血流が低下すると発生し得る。虚血、つまり血流の減少は、血餅(血栓)もしくは任意の外来性の循環物質による動脈もしくは静脈の閉塞(塞栓)によって、または血管障害(例えば粥状動脈硬化)によって引き起こされる可能性がある。血流の減少は、突然発症して持続期間が短い(急性の虚血)こともあれば、発症が遅く持続期間が長いまたは頻繁に再発(慢性の虚血)することもある。急性の虚血は、局所的で不可逆的な組織の壊死(梗塞)に関係していることが多い。一方で、慢性の虚血は通常一過性の低酸素性の組織傷害に関係する。ただし灌流の減少が長引く、あるいは重篤であると、慢性の虚血は梗塞にも関係する。梗塞は脾臓、腎臓、肺、脳、および心臓においてよく発生し、例えば腸梗塞、肺梗塞、虚血発作、心筋梗塞などの障害を引き起こす。
虚血性障害における病理的な変化は、虚血の持続期間および重症度ならびに患者の生存期間に依存する。壊死は梗塞内部で最初の24時間以内に確認できる。また、急性の炎症反応は梗塞に隣接する生存組織中で発達し、白血球は死組織の領域に移動する。これに続く数日の間に、細胞が、梗塞内で貪食およびコラーゲンの瘢痕または神経膠瘢痕との置換によって、徐々に分解および除去される。
1つの器官における低灌流または梗塞が、他の器官に影響を及ぼすことが多い。一例として、例えば肺塞栓症によって引き起こされる肺の虚血は、肺に影響するだけではなく、心臓やその他の器官(例えば脳)をも低酸素性ストレス下におく。心筋梗塞は、血栓症、動脈壁痙攣、または心臓のウイルス感染症に起因する冠動脈の閉塞をともなうことが多く、うっ血性心不全および全身的低血圧症を引き起こす可能性がある。心拍停止が長引いて低灌流が継続すると、二次的な各種合併症(例えば全身的な虚血性脳症)が発症する可能性がある。脳虚血は、もっとも一般的には粥状動脈硬化が原因となって血管閉塞によって引き起こされ、その重症度は、各種一過性脳虚血発作(transient ischemic attack; TIA)から大脳梗塞または脳卒中にまでわたり得る。TIAの症状は一時的かつ可逆的であるが、TIAは再発する傾向があり、TIAに続いて脳卒中を起こすことが多い。
閉塞性動脈疾患の例としては、心筋梗塞につながるおそれのある冠動脈疾患、ならびに腹部大動脈、腹部大動脈の主要な支脈、および脚の動脈に影響しかねない末梢動脈疾患などがあげられる。末梢動脈疾患とは、例えばバージャー病、レイノー病、および先端チアノーゼなどである。末梢動脈疾患は一般に粥状動脈硬化によって引き起こされるが、その他の主要な原因の一例としては糖尿病があげられる。末梢動脈疾患に関連する合併症の例としては、重症下肢痙攣、急性扁桃炎、異常な心拍、心不全、心発作、脳卒中、腎不全などがあげられる。
虚血性障害および低酸素性障害は罹患および死亡の主要な原因である。循環器疾患は、世界中の死亡原因の30%を占める。各種の循環器疾患の中では、虚血性心疾患および脳血管疾患が死亡原因の約17%である。
現在、虚血性障害および低酸素性障害の治療では、症状の緩和および原因となる疾患の治療に焦点が合わせられている。例えば、心筋梗塞の治療にはニトログリセリンおよび鎮痛薬が用いられ、痛みを制御し心臓の作業負荷を軽減する。ジゴキシン、利尿薬、アムリノン、β遮断薬、高脂血症治療薬、およびアンジオテンシン変換酵素阻害薬を含めた、他の薬物療法が性状の安定化のために使用されるが、これらの治療法はいずれも、虚血および低酸素症によって生じた組織の損傷を直接治療対象とするものではない。
現在の治療法には短所があるために、低酸素症に関連する性状の治療に効果的な方法に対する必要性が依然として存在する。例えば粥状動脈硬化、糖尿病、および肺障害に起因して起きる虚血によって引き起こされる組織の損傷の、効果的な予防法に対する必要性も存在する。
虚血および低酸素症に関連する性状には、通常炎症が併発する。したがって、炎症も緩和する手段および方法が必要とされている。
本発明の目的は、炎症性状、好ましくは虚血に関連する性状を効率的に治療することを可能にする手段を提供することである。
本発明は、炎症性の皮膚性状、好ましくは虚血に関連する皮膚性状を治療するための局所用薬剤であって、末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cell; PBMC)またはそのサブセットを、PBMC増殖性物質およびPBMC活性化物質を含有しない生理的溶液中で少なくとも1時間培養することによって得られる生理的溶液の上清を包含する薬剤に関する。
上記において規定した薬剤を炎症性の皮膚性状、好ましくは虚血に関連する皮膚性状を患う患者に投与することによって、各症状が軽減され、治癒過程が実現されることがわかった。
本発明の薬剤は、培養PBMCまたはそのサブセットの上清を包含する。PBMCの培養過程において、これらのPBMCは、活性化PBMCにおいて発現および分泌される物質とは異なる、サイトカインなどの物質を発現および分泌する。このことは、本発明のPBMCのセクレトームが、活性化PBMCのセクレトームとは異なることを意味している。本発明のPBMCは、細胞の表面以外の部分でトリガーされるセクレトーム生成を行う。したがって、PHAまたはLPSなどのPBMCを活性化する物質と接触していないPBMCの上清が、炎症性の皮膚性状の治療に使用可能であることは驚くべきことである。これは、これらのPBMCのセクレトームが、該性状の治療を支援する物質を含有することを示している。この上清は、虚血性の皮膚性状の治療に特に適している。
本発明に係るPBMCの上清は、PBMC増殖性物質およびPBMC活性化物質を含有しない生理的溶液中でPBMCを培養することによって得られる。ただし、このPBMCは、生理的溶液中で少なくとも1時間インキュベーションされる。この最短培養時間は、PBMCにサイトカインおよびその他の有益な物質を分泌させるために必要である。
本発明に係る薬剤のうちPBMCの部分は、例えばフィコール勾配、低浸透圧性溶解などの当該技術分野において公知の方法を用いて、全血から得ることもできる。これらの方法は当該技術分野において周知である。
上記薬剤のPBMCを、薬剤が投与されるドナー集団または同じ個体から得てもよい。
上清を得るもととなる生理的溶液は、溶液1mlあたり、または単位服用量あたり、少なくとも500個、好ましくは少なくとも1000個、より好ましくは少なくとも10個、さらにより好ましくは少なくとも10個のPBMCを包含する。
ここで使用する「生理的溶液」とは、PBMCを使用に先立って本発明に係る薬剤中で培養するための溶液を指す。
「生理的溶液」とは、さらに、1時間以内、好ましくは30分以内にPBMCの死を引き起こさない溶液も指す。生存PBMCの個数が、ある溶液中で1時間以内、好ましくは30分以内に75%、より好ましくは90%減少すれば、この溶液はここで規定する「生理的溶液」であるとは見なさない。「生理的溶液」は、PBMCがこの溶液に接触しても、PBMCの自発的な溶解を引き起こさない。
本文脈において、「培養(cultivating)」または「培養(culturing)」ステップは、「インキュベーション」ステップを含む、または「インキュベーション」ステップからなる。なお、この「インキュベーション」ステップは、PBMCが、PBMCを培養するために通常使用される条件の下で、規定の時間(少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらにより好ましくは少なくとも12時間)溶液に接触するステップである。
本発明の文脈において、「虚血に関連する皮膚性状」という用語は「虚血性の皮膚性状」という用語と互換的に使用可能であって、ヒトまたは動物の体の一部の領域に十分な酸素が供給されず、その結果組織の損傷または機能障害を発生させる、任意の性状、疾患、または障害を表す。病態は、血管の狭窄または閉塞によって引き起こされる可能性がある、皮膚または皮膚の一部の内部における血液供給の減少または消滅という特徴を有していてもよい。このような性状を、ここではまとめて、「虚血」または「虚血関連皮膚性状」または「虚血に関連する皮膚性状」という用語によって称する。例えば心疾患では、虚血という用語を使って、狭窄または閉塞した冠動脈が原因となって酸素に富む血液が十分な量だけ得られていない心筋に言及することが多い。虚血の症状は「虚血」状態にある器官によって異なる。心臓の場合、虚血の結果、狭心症が起こることが多い。脳では、虚血の結果、脳卒中が起こり得る。虚血性状の場合には炎症が併発する。
炎症(特に虚血)に関連する病理学的な皮膚性状の例としては、創傷、慢性の創傷、糖尿病性の創傷、皮膚潰瘍、乾癬などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。
ただし、本発明の文脈における病態とは、内皮細胞の損傷または機能障害、つまり創傷を特徴とするものであってもよい。本発明に係る薬剤を使用することによって治療してもよい創傷の例としては、慢性の創傷、糖尿病性の創傷、潰瘍、熱傷、炎症性皮膚疾患、腸疾患などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。
ここで使用する「生理的溶液」とは、好ましくはPBMCまたはそのサブセットの破壊を引き起こさない浸透圧を示す溶液であって、個体に直接投与可能である。
「PBMC増殖性物質およびPBMC活性化物質を含有しない」という用語は、PBMCを活性化し、PBMCまたはそのサブセットの増殖を誘発する物質を含有しない生理的溶液を指す。このような物質の例としては、PHA、LPSなどがある。
本発明の好適な実施形態によれば、上記炎症性皮膚疾患は、炎症、低酸素症によって誘発される炎症および自己免疫疾患(好ましくは乾癬、ざ瘡、酒さ、壊疽性膿皮症、皮膚炎、アトピー性皮膚疾患、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、結節性紅斑、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫の侵襲、刺傷、咬傷によって引き起こされる感染性皮膚疾患、および蕁麻疹)、および虚血に関連する皮膚性状からなる群より選択される。特に好ましい皮膚性状は、虚血に関連する皮膚性状である。
本発明の特に好適な実施形態によれば、上記の虚血に関連する皮膚性状は、創傷、組織の虚血、慢性の創傷、糖尿病性の創傷、皮膚潰瘍、皮膚の熱傷、および形成手術における皮膚の皮弁からなる群より選択される。
末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cell; PBMC)のサブセットは、好ましくはT細胞、B細胞、またはNK細胞である。言うまでもなく、これらの細胞の組み合わせ、具体的にはT細胞とB細胞との組み合わせ、T細胞とNK細胞との組み合わせ、B細胞とNK細胞との組み合わせ、T細胞とB細胞とNK細胞との組み合わせを使用することも可能である。これらの細胞を準備および単離する方法は公知である。
驚くべきことに、本発明のPBMCは、溶液が薬学的に許容不可能な物質を含有せず、(先に規定したように)PBMCの突然死を引き起こさず、PBMCを活性化せず、かつ、PBMCの増殖を刺激しない限り、任意の種類の溶液中で培養可能であることがわかった。したがって、使用される溶液は、少なくともPBMCの溶解を引き起こさない浸透圧性を示す。生理的溶液は、好ましくは生理食塩水(好ましくは生理的NaCl溶液)、全血、血液分画物(好ましくは血清)、または細胞培養培地である。
上記細胞培養培地は、好ましくはRPMI、DMEM、X−vivo、およびウルトラカルチャー(Ultraculture)からなる群より選択される。
本発明の特に好適な実施形態によれば、本発明のPBMCはストレスを誘発する条件の下で培養される。
ここで使用する「ストレスを誘発する条件の下で」という用語は、ストレス細胞を引き起こす培養条件を指す。細胞においてストレスを引き起こす条件としては、例えば熱、化学物質、放射線、低酸素症、浸透圧などがある。
本発明のPBMCにさらにストレスを加えると、炎症性の皮膚性状、特に虚血に関連する皮膚性状の治療にとって有益な物質の発現および分泌が一層増加する。
本発明の好適な実施形態によれば、ストレスを誘発する条件には、低酸素症、オゾン、熱(例えば、PBMCの最適な培養温度、つまり37℃より2℃、好ましくは5℃、より好ましくは10℃を超えて高い温度)、放射線(例えばUV線やγ線)、化学物質、浸透圧(つまり、体液中で、特に血液中で通常発生する浸透圧条件に比べて少なくとも10%高い浸透圧条件)、またはこれらの組み合わせか含まれる。
放射線を利用して本発明のPBMCにストレスを与えるのであれば、好ましくは、PBMCは少なくとも10Gy、好ましくは少なくとも20Gy、より好ましくは少なくとも40Gyで曝露される。ここで、供給源として、好ましくは、Cs−137セシウムが使用される。
本発明の好適な実施形態によれば、非活性化PBMCまたはそのサブセットは、培地中で少なくとも4時間、好ましくは少なくとも6時間、より好ましくは少なくとも12時間培養される。
本発明に係る薬剤は、局所的に投与される。したがって、好ましくは、この薬剤はゲル(好ましくはハイドロゲル)、軟膏、皮膚パッチ、薬学的に許容可能なマトリクス(好ましくはコラーゲン/エラスチンのマトリクスの上)(例えば、Haslik W et al. J Plast Reconst Aesth Surg (2008): “Management of full-thickness skin defects in the hand and wrist region: first long-term experiences with the dermal matrix Matriderm"を参照)、さらに、ペースト、クリーム、粉末、リニメント剤、またはローションとして提供される。
本発明に係る薬剤は、薬学的に許容可能な賦形剤、例えば希釈剤、安定剤、担体などを包含してもよい。剤形に応じて、本発明に係る薬剤はこれらの成分を包含する。これらの成分を調製する方法は、当業者にとって周知である。
本発明に係る薬剤の有効期間を伸ばすために、溶液a)または上清b)は凍結乾燥される。このような調製物を凍結乾燥する方法は、当業者にとって周知である。
上記凍結乾燥された調製物を、使用前にバッファ、安定剤、塩などを含む水または水溶液と接触させてもよい。
本発明の別の態様は、上記において規定された薬剤を、炎症性の皮膚性状(特に虚血に関連する皮膚性状)を治療するための薬物の製造の用途に用いる使用方法に関する。
本発明のさらにもう1つの態様は、ここに開示する局所用薬剤を調製する方法であって、a)末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cell; PBMC)またはそのサブセットを準備するステップと、b)ステップa)のPBMCを、PBMC増殖性物質およびPBMC活性化物質を含有しない生理的溶液中で少なくとも1時間培養するステップと、c)ステップb)の上清を単離するステップと、d)ステップc)の上清を用いて上記薬剤を調製するステップとを含む、方法に関する。
本発明に係る薬剤は、PBMCを生理的溶液中で少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらにより好ましくは少なくとも12時間インキュベーションまたは培養することによって得ることができる。このステップにおいて、PBMCは、炎症性状の治療において有用な物質の合成および分泌を開始する。上記培養ステップの前、同ステップの後、および同ステップの途中で、PBMCは、PHAまたはLPSなどのPBMCを活性化する物質を添加することによって活性化されることがない。培養ステップの後に、培養物のPBMCおよび/または上清は単離され、最終的な薬剤の調製においてさらに使用される。上述のように、上記薬剤は、培養PBMC、上記細胞がインキュベーションされた培養物の上清、または培養PBMCと培地との両方を包含してもよい。
本発明の好適な実施形態によれば、上記細胞は、ステップb)の前または同ステップの途中で、ストレスを誘発する条件に曝され、このストレスを誘発する条件には、低酸素症、オゾン、熱、放射線、化学物質、浸透圧(例えば、塩、特にNaClを添加して、浸透圧を血液中より高くすることによって誘発される)、pHの変化(つまり、酸または水酸化物を添加してpH値を6.5〜7.2または7.5〜8.0とすることによるpH値の変化)、またはこれらの組み合わせが含まれる。
本発明の好適な実施形態によれば、上記細胞は、ステップb)の前または同ステップの途中で、少なくとも10Gy(好ましくは少なくとも20Gy、より好ましくは少なくとも40Gy)、オゾン、高温、またはUV線に曝露される。
本発明の別の態様は、上述の方法によって得られる薬剤に関する。
本発明のさらに別の態様は、本発明に係る薬剤を適切な量で、必要とする個体に投与することによって、炎症性の皮膚性状(特に虚血に関連する皮膚性状)を治療する方法に関する。
本発明を、以下の図面および例によってさらに説明する。ただし本発明はこれらに制限されるものではない。
図1aおよび図1bは、ヒトの一次ケラチノサイト(keratinocyte; KC)および皮膚線維芽細胞(fibroblast; FB)における、細胞遊走に対する末梢血単核球(PBMC)に由来する培養物の上清(supernatant; SN)の効果を示している。
KCおよびFBは、それぞれ、KC増殖培地およびDMEM(10%FBSを補充)中で成長させた。培養密度に到達した後、細胞の単層をピペットの先端を用いて掻き取り、さらに、PBMCに由来するSNを用いて16時間培養した。生存PBMC(LL)から得られたSNの、KCに対する効果はほとんど検出できなかった。一方で、アポトーシス性PBMC(APO)から得られたSNはKCの遊走を強く誘発した。これとは対照的に、SN(LLおよびAPO)は、どちらも皮膚のFBにおいて細胞遊走を強く誘発した。
図2は、KCおよびFBの細胞周期進行に対する、PBMCに由来するSNの効果を示している。
増殖性のKCおよびFBを、PBMCに由来するSN中で培養した。24時間後に、細胞をブロモデオキシウリジンで2時間インキュベーションし、さらに、ユーザマニュアル(BrdU−FACS flow cell cycle kit, BD Biosciences社)の指示に従って処理した。図2に示すように、PBMCに由来するSNでFBを刺激すると、増殖性の細胞集団が減少し、続いてG2/M相において細胞が増加した。一方、LL−SNおよびAPO−SNではどちらにおいても、増殖性KCの有意な増加が見られた。ただし、アポトーシス細胞に由来するSNの効果は、KCにおいてより顕著であった。
図3aおよび図3bは、PBMCに由来するSNが、インビボにおける創傷の治癒を大幅に強化することを示している。
B6/129マウスの背中にパンチバイオプシー法で形成した6mmの創傷に、LL(図3a、図3b)のPBMC−SNまたはAPO(図3b)のPBMC−SNのいずれかを含有するクリームを、創傷を形成した直後に適用した。創傷を形成してから8日後にマウスを屠殺し、H&E染色法によって創傷を分析した。図3aおよび図3bに示すように、どちらのSNも、皮膚の真皮部および上皮部の双方において創傷治癒を大幅に強化した。
図4は、PBMCに由来するSNが、インビボにおける創傷の治癒を大幅に強化することを示している。
創傷を形成した後、痂皮が形成されるまでの最初の5日間の創傷のサイズを測定した。図4に示すように、PBMCに由来する上清を含有するクリームを用いて治療を行った後の創傷の閉鎖は、クリームを単独で用いた場合に比べて、5日間を通じて非常に速いことがわかった。また、創傷のサイズは、クリームを単独で用いた場合には最初の2日間にいくぶん増加したが、PBMCに由来する上清を用いて治療した創傷は、創傷を形成しクリームを適用してから最初の24時間の間に閉鎖を開始した。
図5aおよび図5bは、PBMCに由来するSNを用いて治療した後に、インビボのマウスの創傷において血管新生が増加したことを示している。
第VIII因子(図5a)およびCD31(図5b)(どちらも血管に対するマーカー)を検出する免疫組織化学法によって、コントロールに比べると、SNを用いて治療した創傷においてCD31陽性細胞の大幅な増加が見られた。このことは、血管新生が増加したことを示唆し、創傷の治癒の促進に寄与する。その一方で、Ki67染色による分析では、このタイミングにおける増殖性の細胞の増加が検出されなかった(図5a)。
図6aは、無刺激の生存PBMCも、IA−PBMCも、どちらも主に単球に由来する炎症促進性のサイトカインTNF−αを分泌しないことを示している(有意性は次のとおりである:*p=0.05、**p=0.001;n=8)。
図6bは、無刺激のPBMCに比べると、炎症促進性のインターフェロンγの分泌が、活性化後に強く誘発されることを示している(有意性は次のとおりである:*p=0.05、**p=0.001;n=8)。
図7aは、フローサイメトリー法を用いた分析の結果を統合して示している。PBMCをT細胞についてゲートし(gated)、活性化マーカーCD69およびCD25の発現を評価した(有意性は次のとおりである:*p=0.05、**p=0.001;n=4)。
図7bは、いずれか(PHA、CD3 mAb)で活性化されたPBMCの代表的なFACS分析結果を示す。ゲーティング(gating)は陽性細胞の百分率を表す。
図8は、刺激PBMCを対象とした[H]チミジン取り込み法によって測定した増殖速度が、RPMI中で無刺激で培養される生存PBMCに比べて高いことを示している。
図9は、T細胞増殖アッセイにおいて、PBMCセクレトームに対するT細胞の応答が阻害されることを示している。
図10は、PBMCを用いて実施した抗CD3およびPHA刺激実験を示している。
図11aないし図11cは、抗CD3、PHA、および混合リンパ球を用いて刺激をした際のPBMCの増殖を示している。
図12aおよび図12bは、PBMCの上清を用いてイノキュベーションした(inocubated)CD4+細胞の上清のアネキシンVのレベルおよびPIの陽性度を示している。
図13aおよび図13bは、PBMCの上清によってCD4+細胞におけるCD25およびCD69の上方制御が阻害されることを示している。
図14は、IL−10およびTGF−βをディマネタイズ(demonetizing)しても、CD4+細胞の増殖速度が上昇しなかったことを示している。
〔実施例〕
〔実施例1:末梢血単核球の培養物の上清による、創傷治癒の大幅な強化〕
非治癒性の皮膚潰瘍は、ほとんどの一般的な治療法に対して耐性を有することが多い。従来の研究では、末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cell; PBMC)を塩基性線維芽細胞増殖因子とともに適用することは、糖尿病性壊疽に対する有用な治療法であると考えられることが示された。本実施例では、PBMC(放射線の照射を受けたPBMCか、放射線の照射を受けていないPBMCかのいずれか)の培養物の上清が、マウスモデルにおいて創傷治癒の強化を誘発するために十分であるかどうかを調べた。さらに、これらの上清の、ヒトの一次線維芽細胞(fibroblast; FB)、ケラチノサイト(keratinocyte; KC)、および内皮細胞(endothelial cell; EC)に対する効果を分析した。
PBMCに由来する上清を用いてFBおよびKCをインキュベーションすることによって、放射線の照射を受けていない細胞の上清も、放射線の照射を受けた細胞の上清も、ともにFBの遊走を強く誘発し、一方で、FBの増殖に対しては全く効果がないことがわかった。これとは対照的に、どちらの上清もKCについてはその遊走能および増殖能に対して効果的であることが示された。なお、放射線の照射を受けた細胞に由来する上清の効果のほうが、より顕著であった。PBMCに由来する上清は、インビトロで遊走機構および増殖機構を誘発したので、これらの上清が、インビボにおいても創傷の治癒を誘発可能かどうかをさらに調べた。したがって、クリームを含有するPBMCの上清を調整し、B6/129マウスの背中にパンチバイオプシー法で形成した6mmの創傷に対して、創傷を形成した直後に適用した。これに続く4日〜5日間、痂皮が形成されるまで、創傷のサイズを測定した。驚くべきことに、PBMCに由来する上清を含有するクリームを用いた治療後の創傷の閉鎖のほうが、クリームを単独で用いた場合に比べて、この5日間を通じて非常に速いことがわかった。興味深いのは、創傷のサイズは、クリームを単独で用いた場合には最初の2日間にいくぶん増加したが、PBMCに由来する上清を用いて治療した創傷は、創傷を形成しクリームを適用してから最初の24時間の間に閉鎖を開始したことである。創傷を形成してから8日〜10日後に、マウスを屠殺し、H&E染色法、および血管に対するマーカーであるCD31を検出する免疫組織化学法によって、創傷を分析した。H&E染色によって、PBMCに由来する上清から得られるクリームの存在下のほうが、皮膚の真皮部および上皮部のどちらにおいても創傷治癒は、よく進行することがわかった。さらに、このような創傷では、CD31陽性細胞が大幅に増加した。このことは、血管新生が増加したことを示唆し、創傷の治癒の促進に寄与する。
まとめると、PBMCに由来する上清によってインビボのマウスにおける創傷の治癒が促進され、これらの上清よってインビトロのヒト細胞における増殖および遊走も誘発されることが示された。PBMCの上清を含有するクリームの処方物によって、非治癒性の皮膚潰瘍の治療にとって大きな効果が実現されるかもしれない(図1a〜図5bを参照)。
〔実施例2:静止末梢血単核球(resting PBMC)による、低活性マーカーおよび炎症性サイトカイン産生の減少の証明〕
活性化された末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cell; PBMC)およびその上清(supernatant; SN)は、創傷の再生において有益であると考えられている(Holzinger C et al. Eur J Vasc Surg. 1994 May; 8(3): 351-6.)。非活性化PBMCおよび非活性化PBMCに由来するSNには、実験的な急性心筋梗塞(acute myocardical infarct; AMI)および創傷を形成したモデルにおいて薬効があることが、実施例1および実施例2において示された。PBMCの非活性化は実験的に検証されなければならないので、PBMCの培養が、T細胞活性化マーカー(CD69、CD25)の強化または炎症性サイトカインの分泌(単球の活性化=TNFα、T細胞活性化=INFγ)の強化につながるかどうかを調べた。対照実験では、培養されたT細胞が、CD3 mAb刺激または植物性血球凝集素(Phytohemagglutinin; PHA)によってトリガーされる。
〔方法および結果〕
静脈血を健常人からEDTA管に収集した。フィコール・ハイパック密度グレード分離(density grade separation)を実施した後に、PBMCを収集し、生存細胞と放射線の照射を受けたアポトーシス細胞(IA−PBMC)とに分けた。アポトーシス細胞を得るために、PBMCを60Gy(セシウム137)に曝露した。フローサイメトリー法による分析を実施するために、500,000個のPBMCを200μlの無血清培地中で培養した。細胞に対してPHA(7μg/ml)もしくはCD3−mAb(10μg/ml)で刺激を与えるか、または刺激を全く与えなかった。24時間のインキュベーションの後に、細胞を洗浄し、CD3、CD69、およびCD25について染色(R&D System社)し、FC500(Coulter社)で表面活性化マーカーについて評価した。ELISAアッセイを実施するために、PBMCを、PHA刺激またはCD3刺激を与えるものと与えないものとに分けて、2.5×10個/mlの密度で一晩培養した。24時間後に、上清を回収し、−20℃で凍結させた。TNF−α(R&D社)用およびINF−γ(Bender社)用の市販のELISAキットを購入した。手短に説明すると、MaxiSorpプレートをTNF−αおよびINF−γに対する抗体でコーティングし、一晩保存した。24時間後に、プレートを洗浄し、試料を各ウェルに2個ずつ添加した。インキュベーションならびに検出用抗体およびStrep−tavidin−HRPの添加の後、TMB基質を各ウェルに添加した。発色後、スルヒック酸(sulphic acid)を添加することによって、酵素反応を停止させた。光学濃度値を、Wallac Victor3プレート読み取り装置で読み取った。
〔結果〕
FACS分析
CD3で刺激されたT細胞およびPHAで刺激されたT細胞は、24時間のインキュベーション後に、活性化マーカーCD69およびCD25の上方制御を示した。無刺激の細胞およびアポトーシス細胞は、ほんのわずかな量のCD69およびCD25を発現させるだけであった(図6a(代表的な試料、図6b、ヒストグラム、n=4))。統計的有意性は星印で表す(**p<0.001、*p<0.05)。
ELISA分析
無刺激のPBMCに由来する上清においてはTNF−αもINF−γもいずれも検出されなかったが、PHAまたはCD3で刺激を与えたPBMCから得られた上清は、ELISA分析が示唆するように、これらのサイトカインが高い値であることを示した(**p<0.001、*p<0.05、n=8)。この結果は、無刺激のPBMCとは炎症性サイトカインの分泌パターンが異なることを明確に示している。
〔結論〕
以上のデータは、「無刺激PBMC」が、刺激PBMC(PHAおよびCD3 mAb)とは異なる別の表現型(活性化マーカー、サイトカインの分泌)であることを示唆している。
図6aは、無刺激の生存PBMCも、IA−PBMCも、どちらも主に単球に由来する炎症促進性のサイトカインTNF−αを分泌しないことを示している(有意性は次のとおりである:*p=0.05、**p=0.001;n=8)。
図6bは、無刺激のPBMCに比べると、炎症促進性のインターフェロンγの分泌が、活性化後に強く誘発されることを示している(有意性は次のとおりである:*p=0.05、**p=0.001;n=8)。
図7aは、フローサイメトリー法を用いた分析の結果を統合して示している。PBMCをT細胞についてゲートし(gated)、活性化マーカーCD69およびCD25の発現を評価した(有意性は次のとおりである:*p=0.05、**p=0.001;n=4)。
図7bは、いずれか(PHA、CD3 mAb)で活性化されたPBMCの代表的なFACS分析結果を示す。ゲーティング(gating)は陽性細胞の百分率を表す。
〔実施例3:生理的溶液中で培養されるPBMCの増殖活性〕
本実施例の目的は、特異的(CD3)、非特異的(レクチン、PHA)、および同種のT細胞の誘発(混合リンパ球反応、MLR)を2日(CD3、PHA)および5日(MLR)間の刺激アッセイにおいて利用する免疫アッセイに比べると、PBMCは増殖活性を有しないことを証明することである。
〔物質および方法〕
PBMCを、フィコール密度勾配遠心法によって若い健常人から分離し、0.2%のゲンタマイシン硫酸塩(Sigma Chemical Co.社、アメリカ)および1%のL−グルタミン(Sigma Chemical Co.社、アメリカ)を含有するRPMI(Gibco社、アメリカ)中で、200μLにつき細胞が1×10個の割合で再懸濁した。レスポンダー細胞に、CD3に対するMoAb(10μg/ml、BD社、NJ、アメリカ)によって、または、PHA(7μL/ml、Sigma Chemical Co.社、アメリカ)によって、刺激を与えるか、あるいは、放射線の照射を受けた同種のPBMCを1:1の比(MLRの場合)で用いることによって刺激を与えた。プレートを48時間または5日間インキュベーションし、その後、[H]チミジン(3.7×10Bq/ウェル;Amersham Pharmacia Biotech社、スウェーデン)を用いて18時間パルスを与えた。細胞を回収し、[H]チミジンの取り込み量を液体シンチレーション計数器において測定した。
〔結果〕
刺激PBMCは、[H]チミジン取り込み法によって測定した増殖速度が、RPMI中で無刺激で培養される生存PBMCに比べて高いことを示した(図8)。この効果は、増殖が抗原提示細胞(MLR)によってトリガーされるアッセイ同様、T細胞に特異的な刺激(PHA、CD3)を付加することによっても観察された。
〔結論〕
この一連の実験は、培養液中で最長5日間まで保持される生存PBMCが増殖しない一方で、異なる方法で刺激を与えられたPBMCは顕著な増殖応答を示したことを示唆している。以上のデータから、無刺激でPBMCを培養すると増殖応答を引き起こさないと結論できる。
〔実施例4:無菌培養条件の下で保管された分離PBMCのセクレトームは、血管新生能を有する〕
血管新生と炎症とはインビボにおいて強く関連しているので、これらのPBMCのセクレトームがT細胞に対して抗増殖効果をも示し、その結果、炎症性の免疫応答に干渉するかどうかを調べた。
〔物質および方法〕
フィコール密度勾配遠心法によって若い健常人から分離したPBMC(2.5×10個/ml)を、0.2%のゲンタマイシン硫酸塩(Sigma Chemical Co.社、アメリカ)および1%のL−グルタミン(Sigma Chemical Co.社、アメリカ)を含有するRPMI(Gibco社、CA、アメリカ)中で24時間インキュベーションすることによって、セクレトームを得た。上清を細胞分画から分離し、−80℃で保存した。増殖アッセイを実施するために、分離後に、同種のPBMCを200μLのRPMIにつき細胞が1×10個の割合で再懸濁した。レスポンダー細胞に、CD3に対するMoAb(10μg/ml、BD社、アメリカ)によって、または、PHA(7μL/ml、Sigma Chemical Co.社、アメリカ)によって、刺激を与えた。上清の異なる希釈物を添加した。プレートを48時間インキュベーションし、その後、[H]−チミジン(3.7×10Bq/ウェル;Amersham Pharmacia Biotech社、スウェーデン)を用いて18時間パルスを与えた。細胞を回収し、[H]−チミジンの取り込み量を液体シンチレーション計数器において測定した。
〔結果〕
同種のPBMCのセクレトームが、[H]−チミジン取り込み法によって測定する増殖速度は、正のコントロールに比べて有意に低減することを示した(図9)。この効果は用量に依存し、PHA刺激時とともに、抗CD3刺激時にも観察された。
〔結果が示唆すること〕
この一連の実験は、生存PBMCから得られるセクレトームを24時間培養液中に保持すると、有意な抗増殖効果をインビトロで示すことを示唆している。以上のデータは、PBMCに由来する上清または凍結乾燥された状態にある上清は、低酸素症によって誘発される炎症またはその他の高炎症性疾患(例えば自己免疫疾患、炎症性皮膚疾患など)に関連するヒトの疾患を治療するための、潜在的な治療用処方物として作用する可能性があることを示唆している。
〔実施例5:末梢血単核球が分泌するパラクリン因子は、免疫を抑制する特性を有する〕
実施例1では、急性心筋梗塞(acute myocardical infarct; AMI)の動物モデルにおける、PBMCセクレトームの抗炎症効果が示された。本実施例では、AMIを誘発後のPBMCセクレトームの適用が、免疫応答を大きく下方制御することによって心筋の炎症性損傷を阻害することを示す。
これらの知見に基づいて、試験管内実験におけるセクレトームの考え得る免疫抑制効果について調べた。CD4+細胞は、免疫過程において、他の白血球(例えばマクロファージ、B細胞、細胞傷害性T細胞など)の補助にとって重要であって、免疫反応の統合において鍵となる役割を果たす。
〔物質および方法〕
〔PBMCセクレトームの生成〕
健常人から得られるPBMCを、フィコール密度勾配遠心法によって分離した。細胞を、ウルトラカルチャー(Ultra Culture)の培地(Lonza社、Basel、スイス)中で1×10個/ml(sup liv)の濃度で再懸濁した。アポトーシス性PBMCからセクレトームを生成するために、60Gy(sup APA)を照射することによって、アポトーシスを誘発した。細胞を、加湿雰囲気(5% CO2、37℃、相対湿度95%)中で24時間インキュベーションした。上清を除去し、50mMの酢酸アンモニウムに対して3.5kDaのカットオフ(Spectrum laboratories、オランダ)で4℃で一晩透析した。その後、上清を無菌濾過し、凍結乾燥した。凍結乾燥したセクレトームを−80℃で保存し、実験を行うたびに新たに再懸濁した。セクレトームを無作為抽出して、そのpH値を計測した。
〔CD4細胞の分離〕
MACSビーズシステム(Miltenyi社、Bergisch Gladbach、ドイツ)を使用してCD4+T細胞以外の細胞を枯渇させることによって、CD4+細胞を分離した。細胞は新鮮なものを準備し、ただちに各実験に使用した。
〔アポトーシスの測定〕
アポトーシスを、市販のアネキシンV/PIキット(BD社、New Jersey、アメリカ)を用いてフローサイトメトリーによって検出した。アポトーシスをアネキシン陽性染色法によって規定し、後期アポトーシスをPIの陽性度によって規定した。
〔増殖実験〕
PBMCまたは精製済みCD4+細胞を、96個の丸底ウェルを有するプレートにおいて、0.2%のゲンタマイシン硫酸塩(Sigma Chemical Co.社、St. Louis、MO、アメリカ)、0.5%のβ−メルカプトエタノール(Sigma Chemical Co.社、St Louis、MO、アメリカ)、および1%のGlutaMAX−I(インビトロゲン社、Carlsbad、CA、アメリカ)を補充したウルトラカルチャー(Ultra Culture)中で、1×10個/ウェルの濃度にまで希釈した。PHA(7μg/ml、Sigma Chemical Co.社、アメリカ)、CD3(10μg/ml、BD社、New Jersey、アメリカ)、IL−2(10U/ml、BD社、アメリカ)を用いて、または放射線の照射を受けた(60Gy)同種のPBMCを1:1の比で用いて、MLRを得るために、細胞に刺激を与えた。細胞を、複数の濃度のPBMCセクレトーム、IL−10、またはTGF−βを用いて48時間または5日間(MLR)インキュベーションした。その後、[H]チミジン(3.7×10Bq/ウェル;Amersham Pharmacia Biotech社、Uppsala、スウェーデン)を用いて、細胞に18時間パルスを与えた。細胞を回収し、[H]チミジンの取り込み量を液体シンチレーション計数器において測定した。
〔活性化マーカー〕
精製済みCD4+細胞を、抗CD3(10μg/ml)を用いて刺激し、複数の濃度のPBMCセクレトームでコインキュベーションした。細胞を、標準的なフローサイメトリー法の染色プロトコールにしたがって、CD69およびCD25について染色し、フローサイトメーターFC500(Beckman Coulter社、Fullerton、CA、アメリカ)で分析した。
〔結果〕
予備試実験において、生細胞(sup liv)から得られるPBMCの上清の抗増殖性特性について試験を行った。抗CD3刺激実験およびPHA刺激実験では、増殖速度が、セクレトーム(n=10)を添加することによって大幅に低下した。
これらの細胞は、免疫応答を始動および継続させる際に中心的役割を果たすので、これらの知見に基づいて、Tヘルパー細胞の区画に対するPBMCセクレトームの効果を評価した。図10と同様に、非常に高度に精製されたCD4+細胞は、セクレトームを添加することによって増殖能を喪失した。この現象は、放射線の照射を受けたアポトーシス性PBMC(図11aないし図11c、n=5)の上清の場合にも、生存PBMCの上清の場合にも観察された。
次のステップは、細胞生存率に対するセレクトームの考え得る効果を決定することである。したがって、静止CD4+細胞を、上清およびアネキシンVを用いてイノキュベーションし(inocubated)、PIの陽性度を評価した。生存PBMCから得られる上清も、アポトーシス性PBMCから得られる上清も、どちらも顕著なアポトーシス促進効果を示した(図12aおよび図12b、n=5)。
PBMCセクレトームがCD4+細胞活性化を阻害することができるかどうかを試してみるために、CD4+細胞の抗CD3刺激に続いて、T細胞活性化マーカーCD25およびCD69を評価した。どちらのマーカーの上方制御も、PBMCセクレトームによって大幅にかつ用量に応じて阻害された(図13aおよび図13b、n=5)。
最後の一連の実験では、これらの実験において中和抗体を添加することによる、免疫抑制サイトカインIL−10およびTGF−βの効果について検討した。IL−10も、TGF−βも、これらのサイトカインをディマネタイズ(demonetizing)しても増殖速度は上昇しなかったので(図14、n=5)、本発明のPBMCセクレトームの抗増殖効果の原因ではなかった。
〔結論〕
これらの実験によって、PBMCのセレクトームがインビトロで免疫抑制特性を有することが初めて示された。上清は、a)抗CD3刺激実験、PHA刺激実験、およびMLR刺激実験において増殖速度を低下させ、b)T細胞の誘発時にCD4+細胞のアポトーシスを誘発し活性化を阻害する効力を有することが示された。
ヒトの一次ケラチノサイト(keratinocyte; KC)における、細胞遊走に対する末梢血単核球(PBMC)に由来する培養物の上清(supernatant; SN)の効果を示す図である。 ヒトの皮膚線維芽細胞(fibroblast; FB)における、細胞遊走に対する末梢血単核球(PBMC)に由来する培養物の上清(supernatant; SN)の効果を示す図である。 KCおよびFBの細胞周期進行に対する、PBMCに由来するSNの効果を示す図である。 PBMCに由来するSNが、インビボにおける創傷の治癒を大幅に強化することを示す図である。 PBMCに由来するSNが、インビボにおける創傷の治癒を大幅に強化することを示す図である。 PBMCに由来するSNが、インビボにおける創傷の治癒を大幅に強化することを示す図である。 PBMCに由来するSNを用いて治療した後に、インビボのマウスの創傷において血管新生が増加したことを示す図である。 PBMCに由来するSNを用いて治療した後に、インビボのマウスの創傷において血管新生が増加したことを示す図である。 無刺激の生存PBMCも、IA−PBMCも、どちらも主に単球に由来する炎症促進性のサイトカインTNF−αを分泌しないことを示す図である。 無刺激のPBMCに比べると、炎症促進性のインターフェロンγの分泌が、活性化後に強く誘発されることを示す図である。 フローサイメトリー法を用いた分析の結果を統合して示す図であり、PBMCをT細胞についてゲートし(gated)、活性化マーカーCD69およびCD25の発現を評価した結果を示す図である。 いずれか(PHA、CD3 mAb)で活性化されたPBMCの代表的なFACS分析結果を示す図である。 刺激PBMCを対象とした[H]チミジン取り込み法によって測定した増殖速度が、RPMI中で無刺激で培養される生存PBMCに比べて高いことを示す図である。 T細胞増殖アッセイにおいて、PBMCセクレトームに対するT細胞の応答が阻害されることを示す図である。 PBMCを用いて実施した抗CD3およびPHA刺激実験を示す図である。 抗CD3を用いて刺激をした際のPBMCの増殖を示す図である。 PHAを用いて刺激をした際のPBMCの増殖を示す図である。 混合リンパ球を用いて刺激をした際のPBMCの増殖を示す図である。 PBMCの上清を用いてイノキュベーションした(inocubated)CD4+細胞の上清のアネキシンVのレベルを示す図である。 PBMCの上清を用いてイノキュベーションした(inocubated)CD4+細胞の上清のPIの陽性度を示す図である。 PBMCの上清によってCD4+細胞におけるCD25の上方制御が阻害されることを示す図である。 PBMCの上清によってCD4+細胞におけるCD69の上方制御が阻害されることを示す図である。 IL−10およびTGF−βをディマネタイズ(demonetizing)しても、CD4+細胞の増殖速度が上昇しなかったことを示す図である。

Claims (24)

  1. 炎症性の皮膚性状を治療するための局所用薬剤であって、
    末梢血単核球(PBMC)を、PBMC増殖性物質およびPBMC活性化物質を含有しない細胞培養培地または血清中で少なくとも1時間培養することによって得られる細胞培養培地または血清の上清を包含し、かつ、末梢血単核球(PBMC)を包含しない薬剤。
  2. 上記性状が、虚血に関連する性状であることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  3. 上記性状が、創傷、組織の虚血、慢性の創傷、糖尿病性の創傷、皮膚潰瘍、皮膚の熱傷、および形成手術における皮膚の皮弁からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の薬剤。
  4. 上記細胞培養培地が、RPMI、DMEM、X−vivo(商標)、およびウルトラカルチャー(商標)からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤。
  5. 上記PBMCが、ストレスを誘発する条件の下で培養されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬剤。
  6. 上記ストレスを誘発する条件には、低酸素症、オゾン、熱、放射線、化学物質、浸透圧、pHの変化、またはこれらの組み合わせが含まれることを特徴とする、請求項5に記載の薬剤。
  7. 上記PBMCが、培養中に少なくとも10Gyの放射線、オゾン、高温、またはUV線によってストレスを与えられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
  8. 上記PBMCが、培養中に少なくとも20Gyの放射線、オゾン、高温、またはUV線によってストレスを与えられることを特徴とする、請求項7に記載の薬剤。
  9. 上記PBMCが、培養中に少なくとも40Gyの放射線、オゾン、高温、またはUV線によってストレスを与えられることを特徴とする、請求項7または8に記載の薬剤。
  10. 上記薬剤が、ゲル、軟膏、皮膚パッチ、薬学的に許容可能なマトリクス、ペースト、クリーム、粉末、リニメント剤、またはローションとして提供されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の薬剤。
  11. 上記ゲルが、ハイドロゲルであることを特徴とする、請求項10に記載の薬剤。
  12. 上記薬学的に許容可能なマトリクスが、コラーゲン/エラスチンのマトリクスの上であることを特徴とする、請求項10に記載の薬剤。
  13. 上記上清が凍結乾燥されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の薬剤。
  14. 上記PBMCが、上記細胞培養培地または血清中で少なくとも4時間培養されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の薬剤。
  15. 上記PBMCが、上記細胞培養培地または血清中で少なくとも6時間培養されることを特徴とする、請求項14に記載の薬剤。
  16. 上記PBMCが、上記細胞培養培地または血清中で少なくとも12時間培養されることを特徴とする、請求項14または15に記載の薬剤。
  17. 末梢血単核球(PBMC)を、PBMC増殖性物質およびPBMC活性化物質を含有しない細胞培養培地または血清中で少なくとも1時間培養することによって得られる細胞培養培地または血清の上清を包含し、かつ、末梢血単核球(PBMC)を包含しない、炎症性の皮膚性状を治療するための局所用薬剤を、炎症性の皮膚性状を治療するための薬物の製造の用途に用いる使用方法。
  18. 上記性状が、虚血に関連する性状であることを特徴とする、請求項17に記載の使用方法。
  19. 炎症性の皮膚性状を治療するための、末梢血単核球(PBMC)を包含しない局所用薬剤を調製する方法であって、
    a)末梢血単核球(PBMC)を準備するステップと、
    b)ステップa)のPBMCを、PBMC増殖性物質およびPBMC活性化物質を含有しない細胞培養培地または血清中で少なくとも1時間培養するステップと、
    c)ステップb)の上清を単離するステップと、
    d)ステップc)の上清を用いて上記薬剤を調製するステップとを含む、方法。
  20. ステップb)の前またはステップb)の途中で、上記PBMCがストレスを誘発する条件に曝され、
    このストレスを誘発する条件には、低酸素症、オゾン、熱、放射線、化学物質、浸透圧、pHの変化、またはこれらの組み合わせが含まれることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. ステップb)の前またはステップb)の途中で、上記PBMCが、少なくとも10Gyの放射線、オゾン、高温、またはUV線に曝露されることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
  22. ステップb)の前またはステップb)の途中で、上記PBMCが、少なくとも20Gyの放射線、オゾン、高温、またはUV線に曝露されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. ステップb)の前またはステップb)の途中で、上記PBMCが、少なくとも40Gyの放射線、オゾン、高温、またはUV線に曝露されることを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。
  24. 請求項19、21、22または23に記載の方法によって得られる薬剤。
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