JP5868588B2 - 造粒物の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
これに対して、本出願人は、特開2000−140820号公報に示される再生造粒物の製造装置を提案している。この発明は、脱水ケーキや建設残土などの土木系産業の過程で発生する材料を、他の有用な用途に用いるために、使い勝手のよい粒状材料に生成し、再利用を促す。
ここで提案されている再生造粒物の製造装置は、円筒形のドラムへ、公転する攪拌翼と、公転しながら自転するロータを備えており、各々の回転方向と回転速度を任意に変更することで、混合工程・ねっか工程・造粒工程などを実施するものである。
また、この造粒装置は、攪拌翼とロータの回転駆動源であるモータがドラム底部下方に配置されており、モータの動力を伝達する出力軸がドラム底部下方からドラム内部を貫通してドラム上方へ延長されている。このため、ドラム内部の中央部位には出力軸を通すケーシング部が配置されており、このケーシング部がドラム内部の材料の流れを妨げ、混合作用や造粒作用の低下を招いている。
(ア)前記分散工程が、内方ロータの自転回転方向を正回転で回転させて実施され、外方ロータの自転回転方向を逆回転で回転させて実施されること、
(イ)前記混合工程が、内方ロータの自転回転方向を逆回転で回転させて実施され、外方ロータの自転回転方向を正回転で回転させて実施されること、
(ウ)前記造粒工程が、内方ロータの自転回転方向を正回転で回転させて実施され、外方ロータの自転回転方向を逆回転で回転させて実施されること、
(エ)前記整粒工程が、内方ロータの自転回転方向を正回転で回転させて実施され、外方ロータの自転回転方向を逆回転で回転させて実施されること、
(オ)内方ロータ及び外方ロータの回転方向が、正回転は時計廻りであり逆回転が反時計廻りであること。
また、ロータが内方ロータと外方ロータを有し、内方ロータと外方ロータの回転方向を異なる方向とすることにより、混合工程においては、材料へ圧密作用を与えて練り込み、材料への水分の浸透を素早く、短時間に行うことができ、材料全体の水分分布を均一化し、材料の塊(ダマ)をできにくくする。
また、造粒工程においては、材料をドラム内で十分に転動させて転がらせることにより、一定形状、一定品質の造粒物を短時間で生成することができる。
図1は、本発明の実施例における造粒装置の縦断面図を示している。
図2は、前記実施例の装置の一部を破断した平面図を示している。
図1に示すように、本発明の造粒装置は、略円筒形のドラム1へ、自転するロータ2が備えられている。
ドラム1は底部に設けられ円形に形成されるドラム底面11と、垂直に側面を形成するドラム側面10で構成され、ロータ2は、ドラム1の上方に設けられたアーム3へ回転自在に支持され、ドラム1の内方へ突入されている。
ロータ2は、前記アーム3に支持される回転軸部4と、ドラム内へ配置された回転軸部4の外周へ設けられたロータ翼5から構成されている。
ドラム1の上方には、ロータ2を回転させる駆動源としてモータ7が備えられ、変速機構6を介してロータ2の回転のための主軸19に連結されている。主軸19の回転力を各ロータ2の回転軸部4へ伝える伝達機構20がアーム3の内部に設けられており、モータ7の回転力によりロータ2を回転可能になされており、前記変速機構6及び伝達機構20の操作によってロータ2の回転方向及び回転速度が自由に変更可能になされている。
アーム3は、この変速機構8の操作によって、モータ9の駆動によりドラムの上方を図2における反時計廻りで回動し、回動速度が自由に変更可能になされている。
これにより、アーム3が回動することで、アーム3に設けられたロータ2がドラム1の内部を公転し、且つアーム3の回転により、ロータ2が公転しながら自転するようになされ、ロータ2の公転、自転を任意に選定できるようになされている。
前記ドラム1の内部には図2に示すように、ドラム1の略中心位置に配置される内方ロータ2aと、その内方ロータ2aへ対向して配置されドラムの外縁側に設けられる外方ロータ2bの複数のロータ2が備えられており、複数のロータ2a、2bは回転方向、回転速度をそれぞれ選択でき、材料を混合・造粒する際に必要な作用を発現できるようになされている。
また、ロータ2に設けられたロータ翼5は、図3に断面図で示すようにロータ2の回転方向に対して長手側を有する多角形状に形成されている。そして、ロータ翼5は水平面に対して角度αだけ傾斜して設けられており、回転軸部4へ回転軸芯を中心として放射状に設けられている。
前記ロータ翼5の傾斜角度αは、内方ロータ2aと外方ロータ2bとでは傾斜向きが異なっており、内方ロータ2aにはロータ2の正回転時(図2における時計廻り)の回転方向側が高位となるように角度が付けられており、外方ロータ2bには逆回転時(図2における反時計廻り)の回転方向側が高位となるように角度が付けられている。
なお、前記実施例においては、複数のロータである内方ロータ2aと外方ロータ2bは、ひとつのモータ7を用いて駆動し、変速機構6を介して内方ロータ2aと外方ロータ2bの回転方向、回転速度を各々変更するようになしているが、本発明の構成は、これに限定するものではなく、モータを複数台備えて、複数のロータ2をそれぞれのモータを用いて回転させて駆動させてもよい。また、モータ1台のみを用いて変速機構により複数のロータ2及びアーム3を回転駆動させても、前記実施例と同様な効果を有することができる。
このような構造になされている本装置は、各変速機構を操作しながらモータを駆動させることで、アーム3の回動速度と、ロータ2の自転の回転方向・回転速度を任意に調整できるものであり、これによってロータ2のロータ翼5の機能を変えることになる。
図4〜7は、本発明の各工程の作用説明図であり、ドラム1内部を上方から見た状態を模式的に表している。
本発明の造粒方法は、4つの工程である、分散工程・混合工程・造粒工程・整粒工程を順次実施することで行われる。
まず、ドラム1内へ粉体の主材料を投入しながら、駆動源であるモータの駆動が変速機構を介してアーム3とロータ2が回転され、第一工程である分散工程を開始する。このとき粉体固化剤も主材料へ追加投入される。
この分散工程は、アーム3の回動により、材料をドラム1の内部で拡散させることにより、材料を分散させて主材料の塊の粉砕や多種の粉体材料全体の均一化を行う。
このときの回転速度については、アーム3の回動速度つまり、ロータ2の公転速度は、ドラム1内部の材料全体をゆっくりと確実にロータ2の回転域へ取り込む必要があるために低速に回動される。
ロータ2の回転速度つまりロータ2の自転速度は、高速回転しており、強い回転力で材料を勢いよく跳ね飛ばす。
また、複数あるロータ2のうち、内方ロータ2aの回転方向を正回転(図4において時計廻り)とし、外方ロータ2bの回転方向を逆回転(図4において反時計廻り)とする。
このため、アーム3の回動によりロータ2によって効率よくロータ翼5の回転域へ取り込まれた材料は、高速回転するロータ翼5により勢いよく跳ね飛ばして分散される。
また、ロータ2が前述の回転方向に回転すると、ロータ翼5は回転方向側が低位となるように傾斜角度を構成されており、ロータが自転することによりロータ翼上面12へ材料を当てて傾斜によって上方へ跳ね上げながらアーム3の回動方向前方へ跳ね飛ばす。
ドラム直径1m、ロータ直径300mmとした本実施例において、アームの回動速度つまりロータ2の公転速度は、10〜15rpmが望ましい。このうち13rpmが最も適している。また、ロータ2の回転速度は200〜600rpmが望ましい。このうち240〜260rpmが最も適している。
また、ロータ翼5の傾斜角度は、5〜30°が望ましく、このうち10°が最も適している。
混合工程は、造粒化する粉体材料へ水をドラム1の内部へ投入し、粉体材料へ水分を含ませる工程である。このとき必要ならば固化や凝集のための液体薬剤も同時に投入する。この混合工程においては、粉体内部へ水分を十分含ませて、粉体材料を混合し、練り込んで造粒物の芯となる核を形成させる。
このときの回転速度については、アーム3の回動速度(ロータ2の公転速度)は、ドラム1の内部の材料全体をゆっくりと確実にロータ2の回転域へ取り込む必要があるために低速に回動される。ロータ2の回転速度(自転速度)は、高速で回転しており、材料をより多くの回数で圧密を繰り返すようになされている。また、内方ロータ2aの回転方向を逆回転(図5において反時計廻り)とし、外方ロータ2bの回転方向を正回転(図5において時計廻り)とする。
また、このときロータ翼5は、回転方向側が高位となるように傾斜される方向に回転するので、ロータ2の回転によってロータ翼5の下面13へ材料を受け、材料をドラム下方へ押し込み、ドラム底面11へ材料を押し付けるようになされる。
また、内方ロータ2aの回転により材料を続々と連続的に外方ロータ2bの移動方向の前方へ供給し続けることで、より多くの材料を確実に外方ロータ2bによる材料の圧密作用をおこさせるようになしている。
これにより、材料が十分に練り込まれ、造粒物の元となる核が形成される。この核が圧密されて形成されることで、より強固なものとなり、生成される造粒物が、崩れにくく、ハンドリング性の良好な使いやすいものとなる。
本実施例において、アーム3の回動速度(ロータの公転速度)は、10〜15rpmが望ましく、特に13rpmが最も適している。また、ロータ2の回転速度(自転速度)は500〜600rpmが望ましく、このうち540〜550rpmが最も適している。
造粒工程は、前工程の混合工程で形成された核同士の塊を崩しながら、ドラム1内で転がすことで、個々の核の成長を促し、小径の造粒物を生成させる工程である。
このときの回転速度は、アーム3の回動速度(ロータ2の公転速度)は低速〜中速で回動する。また、ロータ2の回転速度(自転速度)は中速〜高速で回転させて、材料の小さな塊をロータ翼5で崩しながら、混合工程で形成した核をひとつひとつに分断させて造粒物となす。
このときのロータ翼5の傾斜は、分散工程と同じく、ロータ2の回転方向側が低位となり、ロータ翼5の状面12へ材料が当たり、材料を上方へ巻き上げるようになされる。
本実施例における、造粒工程のアーム3の回動速度(ロータの公転速度)は、10〜20rpmが望ましい。このうち13〜17rpmが最も適している。また、ロータ2の回転速度(自転速度)は、200〜600rpmが望ましい。このうち350〜540rpmが最も適している。
整粒工程は、前工程の造粒工程で生成した造粒物をさらに転動させて転がすことで、造粒物の粒径・表面粗さ等を整え、バラつきのない均一な造粒物を得るために実施される。
この整粒工程におけるアーム3の回動速度(ロータ2の公転速度)は、造粒物全体をできるだけ多く転動させるため、前述の全ての工程よりも高速回転で回動される。またロータ2の回転速度(自転速度)は、全ての工程よりも低速で回転され、生成した造粒物の形状を壊さないようになされる。
また、ロータ2が前述の回転方向に回転すると、ロータ翼5は、回転方向側が低位になるように傾斜されており、ロータ2が回転することでロータ翼上面12へ材料が当たり、傾斜によって上方へ持ち上げられながら、アーム3の回動方向前方へ転がり落ちるようにして材料移動空間へ送られる。
前述の条件による本実施例において、アーム3の回動速度(ロータの公転速度)は、15〜25rpmが望ましい。このうち16〜20rpmが最も適している。また、ロータ2の回転速度(自転速度)は、200〜300rpmが望ましい。このうち240〜260rpmが最も適している。
本発明は、前述の4つの工程における、アーム3の回動速度(ロータ2の公転回転速度)、ロータ2の自転回転速度が以下の関係となることにより各工程の作用を発現させて造粒を行うものである。
(ア)前記アーム3の回動速度(ロータ2の公転回転速度)が、整粒工程時のアーム3の回動速度(ロータ2の公転回転速度)>造粒工程時のアーム3の回動速度(ロータ2の公転回転速度)>分散工程時のアーム3の回動速度(ロータ2の公転回転速度)及び混合工程時のアーム3の回動速度(ロータ2の公転回転速度)で実施されること、
(イ)前記ロータ2の自転回転速度が、分散工程時の自転回転速度及び混合工程時の自転回転速度>造粒工程時の自転回転速度>整粒工程時の自転回転速度で実施されること。
2 ロータ
2a 内方ロータ
2b 外方ロータ
3 アーム
4 回転軸部
5 ロータ翼
10 ドラム側面
11 ドラム低面
12 ロータ翼上面
13 ロータ翼下面
16 ドラム内壁
Claims (3)
- 材料を内部に貯えるドラムと、該ドラムの上方に配置され回動するアームと、該アームへ回転自在に支持されロータ翼を有し前記ドラム内を自転する複数のロータと、該ロータをモータにより回転自在に駆動させる駆動部を備え、前記ロータの自転が回転方向を任意に選定される造粒物の製造装置において、前記駆動部がドラムの上方へ配置されて材料移動空間をドラム中央部へ確保しており、前記ロータが、ドラム内の中央部に備えられる内方ロータと、該内方ロータへ対向して設けられドラムの外縁側に備えられる外方ロータからなり、前記ロータ翼が水平に対して傾斜角度を有して回転軸へ放射状に備えられ、前記内方ロータ及び外方ロータが造粒物の製造工程において最適な回転方向へ変更可能になされ、前記内方ロータ及び外方ロータが、正回転時は時計廻りで回転し、逆回転時は反時計廻りに回転することを特徴とする造粒物の製造装置。
- 材料を内部に貯えるドラムと、
該ドラムの上方に配置され回動するアームと、該アームへ回転自在に支持されドラム内を自転する複数のロータを備え、該ロータがドラム内の中央部を攪拌する内方ロータと、前記中央部の外縁部を攪拌する外方ロータから構成され、前記ロータを駆動させる駆動源がドラム上方に配置されて材料移動空間をドラム中央部へ確保され、前記ロータが回転方向を任意に選定される装置を用いて分散工程・混合工程・造粒工程・整粒工程の4工程を同じドラム内で一連の連続作業となして実施すると共に、下記の制限条件に従いながら実施する造粒物の製造方法、
(ア)前記分散工程が、内方ロータの自転回転方向を正回転で回転させて実施され、外方ロータの自転回転方向を逆回転で回転させて実施されること、
(イ)前記混合工程が、内方ロータの自転回転方向を逆回転で回転させて実施され、外方ロータの自転回転方向を正回転で回転させて実施されること、
(ウ)前記造粒工程が、内方ロータの自転回転方向を正回転で回転させて実施され、外方ロータの自転回転方向を逆回転で回転させて実施されること、
(エ)前記整粒工程が、内方ロータの自転回転方向を正回転で回転させて実施され、外方ロータの自転回転方向を逆回転で回転させて実施されること、
(オ)内方ロータ及び外方ロータの回転方向が、正回転は時計廻りであり逆回転が反時計廻りであること。 - 前記混合工程が、外方ロータの回転によりドラム内壁と外方ロータのロータ翼との隙間へ材料を圧密させて実施され、前記造粒工程が、内方ロータ及び外方ロータの回転によりドラム内へ材料を拡散させて実施されていることを特徴とする請求項2に記載の造粒物の製造方法。
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