JP5868585B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
この種の自動変速機の形式としては、例えばトルクコンバータに遊星歯車機構を組み合わせた自動変速機やベルト式などの無段変速機の他に、従来からの手動変速機をベースとして変速操作及び変速に伴うクラッチ操作をアクチュエータにより自動化した自動変速機なども存在する。
この種のオートクルーズ装置では、例えば、車両が平坦路から登坂路にさしかかって一時的に車速が低下するとエンジン出力を増加させ、それに伴って自動変速機側で適宜ダウンシフトして車両の駆動トルクを増加させることにより、低下した車速を設定車速まで増加させる。また、登坂路から平坦路に戻って一時的に車速が増加すると、エンジン出力を低下させると共にアップシフトを行い、増加した車速を設定車速まで低下させる。
このような制御を繰り返すことにより走行路に応じて変動する車速を常に設定車速に維持でき、運転者のアクセル操作に起因する疲労を軽減している。
このような観点に立った提案として特許文献1の技術を挙げることができる。当該特許文献1に記載された車両用走行制御装置では、自動変速モードを選択したオートクルーズ制御中において、シフトユニットよりアップシフト信号或いはダウンシフト信号が入力されると、オートクルーズ制御を継続したまま手動変速モードに切り換えてアップシフト或いはダウンシフトを実行している。
即ち、自動変速モードを選択したオートクルーズ制御中には、上記のように路面勾配などに応じて変速段を適宜切り換えながら設定車速を目標として車速が調整されているが、この状況において運転者がシフトユニットをアップシフト操作或いはダウンシフト操作することは、オートクルーズ制御中の車両を加速または減速させたいという意志表示であると見なせる。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、自動変速モードを選択したオートクルーズ制御中において、運転者により手動変速モードへの切換が指令されたときに、それに応じて変速制御モードの切換とオートクルーズ制御の作動状態とを適切に連係させることができ、もって運転者の意志を反映した適切な車両の走行を実現することができる車両用走行制御装置を提供することにある。
チェンジレバーの手動変速レンジへの切換操作は、任意に変速段を切り換えて車両を加減速させたいという意思表示であると見なせる。そして、このチェンジレバーの切換操作に応じて手動変速モードに切り換えるだけでは、変速段を手動切換したとしても、定速走行制御が継続されることにより運転者が意図する加減速が行われないが、本発明では、定速走行制御が解除されて通常走行に復帰するため、アクセル操作に応じた車両の加減速が可能となる。
図1は本実施形態の車両用変速機のチェンジレバー装置が適用されたトラックの駆動系を示す全体構成図である。但し、本発明の車両用変速機のチェンジレバー装置の適用対象はトラックに限ることはなく、例えばバスや乗用車に適用してもよい。
なお、エンジン1の形式はこれに限ることはなく、コントロールラックの作動に応じて各気筒への燃料噴射を制御する従来形式のディーゼル機関としてもよいし、ガソリンエンジンとしてもよい。
電磁弁9の開弁時にはエアタンク11からエア通路10を介してエアシリンダ8に圧縮エアが供給され、エアシリンダ8が作動してアウタレバー7を介してクラッチ板5をフライホイール4から離間させ、これによりクラッチ装置2が接続状態から切断状態に切り換えられる。一方、電磁弁9が閉弁すると、圧縮エアの供給中止によりエアシリンダ8が作動しなくなることから、クラッチ板5はプレッシャスプリング6によりフライホイール4に圧接され、これによりクラッチ装置2は切断状態から接続状態に切り換えられる。このように電磁弁9の開閉に応じてエアシリンダ8が作動して、クラッチ装置2を自動的に断接操作可能になっている。
なお、一般的なチェンジレバー装置と同様に、エンジン始動はPレンジ及びNレンジでのみ可能となっている。
ここで、本実施形態では、チェンジレバー13のDレンジからA/Mレンジへの傾動操作、及びDレンジから+レンジまたは−レンジへの傾動操作が、本発明の自動変速レンジ及び手動変速レンジ間の切換操作に相当する。
ECU21の入力側には、エンジン1の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ22、変速機3の入力軸3aの回転速度(クラッチ回転速度)を検出するクラッチ回転速度センサ23、チェンジレバー13の切換位置を検出するレバー位置センサ24、変速機3のギヤ位置を検出するギヤ位置センサ25、アクセルペダル26の操作量Accを検出するアクセルセンサ27、変速機3の出力軸3bに設けられて車速Vを検出する車速センサ28、及びステアリングホイールに設けられたオートクルーズスイッチ29などのセンサ類が接続されている。
なお、このように単一のECU21で総合的に制御することなく、例えばECU21とは別にエンジン制御専用のECUを備えるようにしてもよい。
また、ECU21は、レバー位置センサ24によりチェンジレバー13のDレンジへの切換が検出されているとき、アクセル操作量Acc及び車速センサ28により検出された車速Vに基づき、図示しないシフトマップから目標変速段tgtGを算出する。そして、クラッチ装置2の電磁弁を開閉してエアシリンダ11によりクラッチ装置を断接操作させながら、ギヤシフトユニット14の所定の電磁弁を開閉してエアシリンダにより対応するシフトフォークを切換操作して目標変速段tgtGを達成し、これにより常に適切な変速段をもって車両を走行させる。
また、ECU21は、レバー位置センサ24によりチェンジレバー13のDレンジから+レンジまたは−レンジへの切換が検出されたとき、その検出毎に現在の変速段から1段アップシフトまたはダウンシフトする。
本実施形態では、この車速Vを設定車速に維持するオートクルーズ制御を実行するときのECU21が定速走行手段として機能する。
図3はECU21が実行するオートクルーズ制御開始ルーチンであり、ECU21は車両の走行開始と共に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行し始める。
まず、ステップS2でオートクルーズスイッチ29からの入力情報に基づき、オートクルーズ制御の開始条件が成立したか否かを判定する。オートクルーズ制御の開始条件は、以下の1)〜5)の全ての要件が満たされたときに成立する。
2)チェンジレバー13がDレンジ。
3)アクセルペダル26がオフ。
4)フットブレーキがオフ。
5)車速Vが閾値以上。
ステップS2の判定がNo(否定)のときにはステップS4に移行し、チェンジレバー13により選択された変速制御モードに切り換えた後、一旦ルーチンを終了する。
また、ステップS2の判定がYes(肯定)のときにはステップS6に移行してオートクルーズ制御を開始し、続くステップS8でチェンジレバー13の切換操作に関わらず変速制御モードを自動変速モードに切り換えてルーチンを終了する。
以上のECU21の処理により、オートクルーズ制御の開始条件が成立していないときには、オートクルーズ制御が開始されないことから運転者のアクセル操作に応じた通常走行が行われると共に、チェンジレバー13の操作に応じて変速制御モードが切り換えられる。一方、オートクルーズ制御の開始条件が成立したときには、オートクルーズ制御が開始されて車速Vが設定車速に維持されると共に、変速制御モードが自動変速モードに切り換えられてシフトマップに基づく変速制御が行われる。
一方、このようにしてオートクルーズ制御を開始すると、ECU21は図4に示す連係制御ルーチンを所定の制御インターバルで実行し始める。当該ルーチンは、オートクルーズ制御中に行われる運転者の操作に応じて、変速制御モードの切換とオートクルーズ制御の作動状態(オンオフ)を適切に制御するものである。
まず、ステップS12ではオートクルーズ制御の解除条件が成立したか否かを判定する。オートクルーズ制御の解除条件は、上記1)〜5)の何れかの要件が満たされなくなったときに成立する。ステップS12でYesの判定を下したときにはステップS14でオートクルーズ制御を解除し、続くステップS16で変速制御モードを自動変速モードに切り換えた後、一旦ルーチンを終了する。
a)+レンジまたは−レンジへの傾動操作。
b)A/Mレンジへの傾動操作。
c)Nレンジへの移動操作。
この内、レバー操作a),b)は、運転者が手動変速モードへの切換を意図している場合であり、レバー操作c)はオートクルーズ制御を機能させた走行中には意味のない操作のため、誤操作の可能性があると見なすことができる。
一方、チェンジレバー13が操作されているとしてステップS18でYesの判定を下したときには、ステップS24に移行してチェンジレバーの操作がa)またはb)に相当するものであるか否かを判定する。判定がYesのときにはステップS26に移行してオートクルーズ制御を解除し、続くステップS28で変速制御モードを手動変速モードに切り換える。
また、チェンジレバーの操作がc)に相当するものであるとしてステップS24でNoの判定を下したときには、上記ステップS14でオートクルーズ制御を解除し、続くステップS16で変速制御モードを自動変速モードに切り換える。
以上のECU21の処理により、自動変速モードを選択したオートクルーズ制御中において、運転者によりチェンジレバーがDレンジから他のレンジに切換操作されたとき、変速制御モードの切換とオートクルーズ制御の作動状態とは以下のように制御される。
また、オートクルーズ制御の解除条件が成立したときには、ステップS12を経てステップS14でオートクルーズ制御が解除されると共に、ステップS16で自動変速モードが継続される。従って、通常走行に復帰することになり運転者のアクセル操作に応じて車両が走行する。なお、以上の2種の制御状態は、通常の走行制御装置により行われるものと相違ない。
上記したようにレバー操作a),b)は手動変速モードへの切換を意図したものであり、ひいては手動変速モードにより任意に変速段を切り換えて車両を加速または減速させたいという運転者の意志表示であると見なせる。この要求に対応するためには手動変速モードへの切換だけでなく、通常走行に復帰してアクセル操作に応じて車両を加減速可能な状態としなければ、例えば、このような状況でオートクルーズ制御を継続する特許文献1の技術のように、運転者が意図する肝心の加減速が行われないという矛盾が生じてしまう。
また、オートクルーズ制御の解除条件が成立せず、且つチェンジレバーの操作として上記c)のNレンジへの移動操作が行われたときには、ステップS12,18,24を経てステップS14でオートクルーズ制御が解除されると共に、ステップS16で自動変速モードが継続される。
そして、誤操作に気付いたとき運転者はチェンジレバーをNレンジからDレンジに戻すが、この時点では路面勾配などに応じた車両の加減速の結果、Nレンジへの誤操作が行われたときから車速Vが大きく変動している場合もある。このときに手動変速モードが選択されていると、Dレンジへの復帰と同時に不適切な変速段に切り換えられてしまい、車両の走行を継続不能に陥ったり、或いはエンジン1を過回転させたりする不具合が生じる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、手動式変速機をベースとして変速操作及び変速に伴うクラッチ装置2の断接操作を自動化した変速機3を用いたが、変速機3の種別はこれに限ることはない。例えば、所謂デュアルクラッチ式変速機、或いはトルクコンバータに遊星歯車機構を組み合わせた自動変速機やベルト式などの無段変速機に適用してもよい。
13 チェンジレバー
21 ECU(定速走行手段、変速制御手段、定速走行制御開始手段、連係制御手段)
Claims (1)
- チェンジレバーの自動変速レンジ及び手動変速レンジ間の切換操作に応じて変速機を自動変速モードと手動変速モードとの間で切り換えるモード切換手段、及び運転者が設定した車速を維持する定速走行制御を実行可能な定速走行手段を備えた車両用走行制御装置において、
予め設定された上記定速走行制御の開始条件が成立したときに上記定速走行手段に定速走行制御を開始させると共に、上記チェンジレバーの切換操作に関わらず上記モード切換手段に自動変速モードを選択させる定速走行制御開始手段と、
上記定速走行制御開始手段の指示に基づく上記自動変速モードを選択した定速走行制御の実行中において、運転者により上記チェンジレバーが手動変速レンジに切り換えられたときに、上記定速走行手段に定速走行制御を解除させて通常走行に復帰させると共に、上記モード切換手段に手動変速モードを選択させる一方、上記自動変速モードを選択した定速走行制御の実行中において、運転者により上記チェンジレバーがニュートラルレンジに切り換えられたときに、上記定速走行手段に定速走行制御を解除させて通常走行に復帰させると共に、上記モード切換手段に自動変速モードを選択させる連係制御手段と
を備えたことを特徴とする車両用走行制御装置。
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