JP5868290B2 - 光起電力装置およびその製造方法 - Google Patents

光起電力装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光起電力装置およびその製造方法に関するものであり、特に、結晶系半導体基板上に該結晶系半導体基板と逆の導電型を有する非晶質半導体薄膜が形成された光起電力装置およびその製造方法に関するものである。
結晶シリコン基板を用いた光起電力装置のうち、単結晶シリコン等の結晶系半導体基板の一主表面上へ基板と逆の導電型を有する非晶質半導体薄膜を形成し、他主表面上へ基板と同じ導電型を有する非晶質半導体薄膜を形成した光起電力装置は、特に高い光電変換性能が得られることが知られている。さらに、半導体基板と各主表面上の非晶質半導体薄膜とのそれぞれの界面に真性の非晶質半導体薄膜を形成することにより、光起電力装置の光電変換性能が向上することが知られている。
このような構造を有する光起電力装置においては、少なくとも一方の主表面上に形成した非晶質半導体薄膜を通して主たる光吸収層である結晶系半導体基板内部に光が入射する。この際、光入射面側に形成された非晶質半導体薄膜による光吸収損失を最大限に抑制するため、その形成厚さは10nm程度まで薄膜化する必要がある。また、両主表面に形成された非晶質半導体薄膜の厚さは、構造ひずみを最小化するために、同程度の厚さとなることが望まれる。すなわち、結晶系半導体基板の両主表面上には、高々10nm程度の非晶質半導体薄膜が形成されているにすぎず、そのままでは発生した光キャリアを効率的に収集することが不可能である。
したがって、実効的なシート抵抗値を低減させる目的で、両主表面上に形成された非晶質半導体薄膜の上にそれぞれ同程度の厚さの透明電極層を形成することが一般的である。透明電極層は通常スパッタリング法などで形成されるが、結晶系半導体基板の端面の保護なしに透明電極層を形成した場合は、結晶系半導体基板の端面にまで透明電極層の回り込み成膜が生じ、第1主表面側の透明電極層が結晶系半導体基板の端面と直接接触すること、もしくは第1主表面側の透明電極層と第2主表面側の透明電極層とが端面を介して接触することにより、電流がリークする経路が生じ、光起電力装置の光電変換性能を悪化させる原因となる。
このような課題に対して、特許文献1においては、基板端面付近を除く基板中央領域のみに透明電極を形成し、基板端面を介した電流リークを防止する構造が記載されている。
特許第4194379号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構造では、光起電力装置における結晶系半導体の端部周辺領域で発生した光生成キャリアが透明電極の未形成領域を介して集電される。特に結晶系半導体と逆の導電型を有する非晶質半導体膜を形成した第1主表面側における光生成キャリア収集においては、透明電極の未形成領域におけるシート抵抗が透明電極の形成領域と比べて1000倍以上高くなる。このため、短絡電流値、及び曲線因子を大きく低下させ、光起電力装置の光電変換出力を制限する要因となる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、基板端面での電流リークが防止されるとともに、基板端部周辺領域で生成した光キャリアの収集損失による出力低下が抑制された、光電変換効率に優れた光起電力装置およびその製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光起電力装置は、結晶系半導体基板の第1主表面の上に前記結晶系半導体基板と逆の導電型を有する第1非晶質半導体薄膜層と第1透明電極層と第1集電極とをこの順で有し、前記結晶系半導体基板の第2主表面の上に前記結晶系半導体基板と同じ導電型を有する第2非晶質半導体薄膜層と第2透明電極層と第2集電極とをこの順で有し、前記第1透明電極層は、前記結晶系半導体基板の面方向において前記第1非晶質半導体薄膜層の配置領域よりも小さく前記第1非晶質半導体薄膜層の端部から離間した領域のみに配置されており、前記第2透明電極層は、前記結晶系半導体基板の面方向において前記第2非晶質半導体薄膜層の配置領域よりも小さく前記第2非晶質半導体薄膜層の端部から離間した領域のみに配置されており、前記第1主表面の表層のうち、前記第1非晶質半導体薄膜層の下層の領域であって前記結晶系半導体基板の面方向において少なくとも前記第1透明電極層の未配置領域を包含する領域における外周縁部の全周領域に、前記結晶系半導体基板内に前記結晶系半導体基板と逆の導電型の不純物がドーピングされており前記結晶系半導体基板と逆の導電型を有する不純物ドーピング層が配置されていること、を特徴とする。
本発明によれば、基板端面での電流リークが防止されるとともに、基板端部周辺領域で生成した光キャリアの収集損失による出力低下が抑制された、光電変換効率に優れた光起電力装置が得られる、という効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置の構成を示す模式断面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置における第1主表面側の構成を示す模式平面図である。 図1−3は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置における第2主表面側の構成を示す模式平面図である。 図2−1は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置の製造方法の工程を示す模式断面図である。 図2−2は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置の製造方法の工程を示す模式断面図である。 図2−3は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置の製造方法の工程を示す模式断面図である。 図2−4は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置の製造方法の工程を示す模式断面図である。 図2−5は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置の製造方法の工程を示す模式断面図である。 図2−6は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置の製造方法の工程を示す模式断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかる光起電力装置の製造方法の工程を示すフローチャートである。 図4は、本発明の実施の形態2にかかる光起電力装置の構成を示す模式断面図である。 図5−1は、本発明の実施の形態2にかかる光起電力装置の製造方法を示す模式断面図である。 図5−2は、本発明の実施の形態2にかかる光起電力装置の製造方法を示す模式断面図である。 図5−3は、本発明の実施の形態2にかかる光起電力装置の製造方法を示す模式断面図である。 図5−4は、本発明の実施の形態2にかかる光起電力装置の製造方法を示す模式断面図である。 図5−5は、本発明の実施の形態2にかかる光起電力装置の製造方法を示す模式断面図である。 図5−6は、本発明の実施の形態2にかかる光起電力装置の製造方法を示す模式断面図である。 図5−7は、本発明の実施の形態2にかかる光起電力装置の製造方法を示す模式断面図である。
以下に、本発明にかかる光起電力装置およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1−1は、実施の形態1にかかる光起電力装置であるヘテロ接合太陽電池セル(以下、太陽電池セルと呼ぶ場合がある)の構成を示す模式断面図である。図1−2は、実施の形態1にかかる光起電力装置であるヘテロ接合太陽電池セルにおける第1主表面側の構成を示す模式平面図である。図1−3は、実施の形態1にかかる光起電力装置であるヘテロ接合太陽電池セルにおける第2主表面側の構成を示す模式平面図である。以下、図1−1〜図1−3を参照して実施の形態1にかかる太陽電池セルの構造について説明する。
実施の形態1にかかる太陽電池セルは、第1主表面側にp型不純物ドーピング層2を有するn型単結晶シリコン基板1と、該n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側に順次積層された第1真性非晶質シリコン層3、p型非晶質シリコン層4、第1透明電極層5および第1集電極6を備える。また、この太陽電池セルは、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面とは反対側(裏面)の第2主表面側に順次積層された第2真性非晶質シリコン層7、n型非晶質シリコン層8、第2透明電極層9および第2集電極10を備える。なお、図1−2では、n型単結晶シリコン基板1、p型不純物ドーピング層2、p型非晶質シリコン層4および第1透明電極層5の配置に注目して示しており、他の部材については図示を省略している。図1−3では、n型非晶質シリコン層8および第2透明電極層9の配置に注目して示しており、他の部材については図示を省略している。
n型単結晶シリコン基板1は、主面の面方位が(100)である厚さ200μmのn型単結晶シリコン基板であり、アルカリ溶液を用いた異方性エッチングにより形成されたピラミッド形状を有する微小凹凸1aからなるテクスチャ構造を表面に有する。そして、n型単結晶シリコン基板1における、少なくとも第1主表面側における基板端部付近の外周縁部(端部周辺領域)の全周領域の表層には、200Ω/□未満の低いシート抵抗値を有するp型不純物ドーピング層2が形成されている。p型不純物ドーピング層2は、第1主表面のうち、n型単結晶シリコン基板1の面方向において少なくとも第1透明電極層5の未形成領域を包含する領域の表層に形成されている。
なお、実施の形態1にかかる太陽電池セルにおいては結晶系半導体基板としてn型単結晶シリコン基板1を用いているが、n型の多結晶シリコン基板、p型の単結晶シリコン基板、p型の多結晶シリコン基板を用いてもよい。p型のシリコン基板を用いる場合は、実施の形態1にかかる太陽電池セルにおける各部材の導電型を逆にした構成とすればよい。
p型非晶質シリコン層4は、不純物がドープされてn型単結晶シリコン基板1と逆の導電型を有する非晶質シリコン薄膜からなる導電性非晶質半導体層である。n型非晶質シリコン層8は、不純物がn型単結晶シリコン基板1よりも高濃度にドープされてn型単結晶シリコン基板1と同じ導電型を有する非晶質シリコン薄膜からなる導電性非晶質半導体層である。
第1透明電極層5は、厚さ約80nmの酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)膜からなる。本実施の形態では、第1透明電極層5は、n型単結晶シリコン基板1の面方向において、p型非晶質シリコン層4が形成された領域よりも小さい領域であり、且つp型不純物ドーピング層2の未形成領域よりも大きい領域のみに形成されている。すなわち、第1透明電極層5は、n型単結晶シリコン基板1の面方向において、n型単結晶シリコン基板1の端面付近の外周縁部の全周領域においてp型不純物ドーピング層2と重複している。したがって、第1透明電極層5は、p型非晶質シリコン層4上における該p型非晶質シリコン層4の端部から離間した内側の領域に形成され、n型単結晶シリコン基板1、p型不純物ドーピング層2、第1真性非晶質シリコン層3およびp型非晶質シリコン層4のそれぞれの端面に接触してない。
第2透明電極層9は、厚さ約80nmITO膜からなる。本実施の形態では、第2透明電極層9は、n型単結晶シリコン基板1の面方向において、n型非晶質シリコン層8が形成された領域よりも小さい領域のみに形成されている。したがって、第2透明電極層9は、n型非晶質シリコン層8上における該n型非晶質シリコン層8の端部から離間した内側の領域に形成され、n型単結晶シリコン基板1、第2真性非晶質シリコン層7およびn型非晶質シリコン層8のそれぞれの端面に接触していない。
そして、第1透明電極層5および第2透明電極層9が上記のような領域に形成されることにより、第1主表面側の第1透明電極層5がn型単結晶シリコン基板1の端面と直接接触すること、もしくは第1主表面側の第1透明電極層5と第2主表面側の第2透明電極層9とが端面を介して接触することによる電流がリークする経路の発生が防止されている。これにより、端面における電流リークに起因した光電変換効率の低下が防止されている。
第1集電極6としては、約50μmの厚さと100μmの幅を有するフィンガー銀電極と、フィンガー銀電極を用いて集電された電流を集合させる約50μmの厚さと2mmの幅を有するバスバー電極と、が第1透明電極層5上の所定の領域に設けられている。なお、図1−1においては、フィンガー銀電極のみを示している。また、図1−1においては2本のフィンガー銀電極をしているが、実際にはより多くの本数のフィンガー銀電極が用いられる。
第2集電極10としては、約50μmの厚さと100μmの幅を有するフィンガー銀電極と、フィンガー銀電極を用いて集電された電流を集合させる約50μmの厚さと2mmの幅を有するバスバー電極と、が第2透明電極層9上の所定の領域に設けられている。なお、図1−1においては、フィンガー銀電極のみを示している。
この太陽電池セルでは、n型単結晶シリコン基板1上に、薄膜の第1真性非晶質シリコン層3と薄膜のp型非晶質シリコン層4とがこの順で積層形成されている。これにより、第1真性非晶質シリコン層3を介してn型単結晶シリコン基板1と薄膜のp型非晶質シリコン層4とのヘテロ接合が形成されている。p型非晶質シリコン層4を薄膜で形成することにより、p型非晶質シリコン層4の不純物濃度分布を自由に設定でき、また、p型非晶質シリコン層4が薄いため膜中でのキャリアの再結合や光吸収を抑制することができ、大きい発電電流が得られる。また、n型単結晶シリコン基板1とp型非晶質シリコン層4との間に挿入した第1真性非晶質シリコン層3はヘテロ接合間の不純物拡散を抑制し、急峻な不純物プロファイルを有する接合を形成することができるため、良好な接合界面形成により高い開放電圧を得ることができる。
このように構成された実施の形態1にかかる太陽電池セルにおいては、第1透明電極層5および第2透明電極層9の形成領域を、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側における基板端面近傍の外周縁部を除いた第1主表面側の中央部近傍領域に制限している。これにより、第1透明電極層5および第2透明電極層9と、n型単結晶シリコン基板1の端面との接触、および第1透明電極層5と第2透明電極層9との端面を介した接触に起因した電流リークパスの形成が防止されている。
また、実施の形態1にかかる太陽電池セルにおいては、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側の第1透明電極層5の未形成領域に相当する周辺領域にp型不純物ドーピング層2が存在する。このため、第1透明電極層5が形成されてない領域において、200Ω/□未満の低いシート抵抗値を有するp型不純物ドーピング層2が第1透明電極層5に代わり光キャリア収集を担うことが可能である。これにより、p型不純物ドーピング層2が形成されない場合に比べて、n型単結晶シリコン基板1の外周縁部領域で生成された光キャリアの収集効率を改善することができ、短絡電流値および曲線因子を改善する効果が得られる。
したがって、実施の形態1にかかる太陽電池セルによれば、n型単結晶シリコン基板1の端面を介した電流リークパスの形成が防止され、且つn型単結晶シリコン基板1の端部周辺領域におけるキャリア収集損失が抑制された、光電変換効率に優れた光起電力装置が実現されている。
つぎに、このように構成された実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法について図2−1〜図2−6および図3を参照して説明する。図2−1〜図2−6は、実施の形態1にかかる光起電力装置である太陽電池セルの製造方法の工程を示す模式断面図である。図3は、実施の形態1にかかる光起電力装置である太陽電池セルの製造方法の工程を示すフローチャートである。
まず、第1工程では、主面の面方位が(100)である厚さ200μmのn型単結晶シリコン基板1をアルカリ溶液中に浸漬してスライス時のワイヤーソーダメージを除去するとともに、ピラミッド形状を有する微小凹凸1aからなるテクスチャ構造を表面に形成する(図2−1、ステップS10)。アルカリ溶液としては、例えばイソプロピルアルコールを10体積パーセント含有し、75℃に加熱した5重量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。
つぎの第2工程では、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面における基板端部付近の外周縁部(端部周辺領域)の全周領域にp型不純物ドーピング層2を形成する。p型不純物ドーピング層2は、p型のドーパントを含む拡散材を所望の位置に塗布した後、熱処理を行うことで形成可能である。まずn型単結晶シリコン基板1の第1主表面側における端部周辺領域(外周縁部)の全周領域にボロン(B)元素を含むボロン拡散材11をスクリーン印刷により塗布する(図2−2)。
つぎに、ボロン拡散材11が塗布されたn型単結晶シリコン基板1を窒素雰囲気の石英炉を用いて加熱する。その後、n型単結晶シリコン基板1をフッ酸水溶液に浸漬して、n型単結晶シリコン基板1に塗布されたボロン拡散材11を除去する。これにより、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側における基板端部付近の外周縁部(端部周辺領域)の全周領域に、200Ω/□未満のシート抵抗値を有するp型不純物ドーピング層2が形成される(図2−3、ステップS20)。
ボロン拡散材11は、たとえば酸化ホウ素(B)等のホウ素を含む成分、ガラス成分、樹脂成分、有機溶剤成分等を含むものを用いることが可能である。ボロン拡散材11の塗布方法は、スクリーン印刷以外にも、グラビア印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等を用いてもよい。
石英炉でのn型単結晶シリコン基板1の加熱温度はたとえば900℃、加熱時間はたとえば40分とされる。ただし、加熱条件はこれに限定されず、ボロン拡散材11に含まれるボロン成分がn型単結晶シリコン基板1内に熱拡散可能であり、加熱後のp型不純物ドーピング層2のシート抵抗値が200Ω/□未満となる条件であれば自由に設定可能である。この場合、ボロン拡散材11の塗布と熱処理工程とのみによりp型不純物ドーピング層2を所望に領域に形成することが可能であり、工程の簡素化が可能である。
また、p型不純物ドーピング層2は、イオン注入法を用いて形成することも可能である。この場合は、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側の中央近傍領域、すなわちイオンを注入しない領域にフォトレジストを用いたマスク膜を形成した後、第1主表面にイオン注入法によりボロン原子を導入し、マスク膜を除去する。これにより、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側における端部周辺(外周縁部)の全周領域にボロン原子が注入される。さらにイオン注入処理によりn型単結晶シリコン基板1に生成された結晶欠陥を修復するための急速加熱処理を行うことによって、第1主表面側における端部周辺(外周縁部)の全周領域にp型不純物ドーピング層2が形成される。
イオン注入処理におけるイオンの加速条件、急速加熱処理工程における加熱温度、時間等は、p型不純物ドーピング層2のシート抵抗値が200Ω/□未満となる範囲で自由に設定可能である。なお、この場合は、マスク膜形成工程および除去工程が必要となり工程数が増加するが、所望の不純物濃度条件および深さ条件に制御されたp型不純物ドーピング層2を形成することが可能である。
続く第3工程および第4工程では、n型単結晶シリコン基板1の両主表面側にモノシラン(SiH)ガス、水素(H)ガス、ジボラン(B)ガス、ホスフィン(PH)ガスを原料ガスとして用いたプラズマCVD法を用いて、非晶質シリコン薄膜からなる非晶質シリコン層を形成する。なお、第3工程と第4工程との実施順序は入れ替わってもよい。
第3工程では、p型不純物ドーピング層2上を含むn型単結晶シリコン基板1の第1主表面側に第1真性非晶質シリコン層3を形成した後、該第1真性非晶質シリコン層3上にp型非晶質シリコン層4を形成する(図2−4、ステップS30)。第1真性非晶質シリコン層3の膜厚はたとえば5nm、p型非晶質シリコン層4の膜厚はたとえば10nmとする。
第4工程では、n型単結晶シリコン基板1の第2主表面側に第2真性非晶質シリコン層7を形成した後、該第2真性非晶質シリコン層7上にn型非晶質シリコン層8を形成する(図2−4、ステップS40)。第2真性非晶質シリコン層7の膜厚はたとえば5nmとし、n型非晶質シリコン層8の膜厚はたとえば10nmとする。
続く第5工程および第6工程では、p型非晶質シリコン層4上およびn型非晶質シリコン層8上に、ITO薄膜からなる透明電極層をスパッタリング法により形成する。なお、第5工程と第6工程の実施順序は入れ替わってもよい。
第5工程では、p型非晶質シリコン層4の上に膜厚80nmのITO膜からなる第1透明電極層5を形成する。第1透明電極層5は、マスクを用いてp型非晶質シリコン層4上における形成領域を制限することにより、n型単結晶シリコン基板1の面方向において、p型非晶質シリコン層4が形成された領域よりも小さくp型非晶質シリコン層4の端部から離間した領域であり、且つp型不純物ドーピング層2の未形成領域よりも大きい領域のみに形成される(図2−5、ステップS50)。
第6工程では、n型非晶質シリコン層8の上に膜厚80nmのITO膜からなる第2透明電極層9を形成する。第2透明電極層9は、マスクを用いてn型非晶質シリコン層8上における形成領域を制限することにより、n型単結晶シリコン基板1の面方向において、n型非晶質シリコン層8の形成領域よりも小さくn型非晶質シリコン層8の端部から離間した領域のみに形成される(図2−5、ステップS60)。
続く第7工程および第8工程では、第1透明電極層5上および第2透明電極層9上にスクリーン印刷法を用いて銀を含むペーストを塗布し、たとえば200℃の雰囲気で硬化乾燥させることにより、金属からなる集電極を形成する。なお、第7工程と第8工程の実施順序は入れ替わってもよい。
第7工程では、第1透明電極層5の上に、約50μmの厚さと100μmの幅を有するフィンガー銀電極と、約50μmの厚さと2mmの幅を有するバスバー電極とからなる第1集電極6を形成する(図2−6、ステップS70)。なお、図2−6においては、第1集電極6のうちフィンガー銀電極のみを示している。
第8工程では、第2透明電極層9の上に、約50μmの厚さと100μmの幅を有するフィンガー銀電極と、約50μmの厚さと2mmの幅を有するバスバー電極とからなる第2集電極10を形成する(図2−6、ステップS70)。なお、図2−6においては、第2集電極10のうちフィンガー銀電極のみを示している。
以上の工程を実施することにより、図1に示した構造を有する実施の形態1にかかるヘテロ接合太陽電池セルが作製される。
上述した実施の形態1にかかるヘテロ接合太陽電池セルは、第1透明電極層5の形成領域がp型非晶質シリコン層4上のn型単結晶シリコン基板1の面方向における基板中央部近傍に制限されている。すなわち、第1透明電極層5は、p型非晶質シリコン層4上におけるp型非晶質シリコン層4の形成領域よりも小さい領域、且つn型単結晶シリコン基板1の第1主表面側に第2工程において形成されたp型不純物ドーピング層2の未形成領域よりも大きい領域に形成されている。
上述した実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法においては、第1透明電極層5および第2透明電極層9の形成領域を、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側における基板端面近傍の外周縁部を除いた第1主表面側の中央部近傍領域に制限している。これにより、第1透明電極層5および第2透明電極層9と、n型単結晶シリコン基板1の端面との接触、および第1透明電極層5と第2透明電極層9との端面を介した接触に起因した電流リークパスの形成を防止することができる。
また、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法においては、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側の第1透明電極層5の未形成領域に相当する周辺領域にp型不純物ドーピング層2を形成する。このため、第1透明電極層5が形成されてない領域において、p型不純物ドーピング層2が第1透明電極層5に代わり光キャリア収集を担うことが可能である。これにより、p型不純物ドーピング層2が形成されない場合に比べて、n型単結晶シリコン基板1の外周縁部領域で生成された光キャリアの収集効率を改善することができ、短絡電流値および曲線因子を改善する効果が得られる。
したがって、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、n型単結晶シリコン基板1の端面を介した電流リークパス形成が防止され、且つ第1透明電極層5未形成領域に相当するn型単結晶シリコン基板1の端部周辺領域におけるキャリア収集損失が抑制された、光電変換効率に優れた光起電力装置を簡便な方法で製造することが可能となる。
なお、上記においては、第1真性非晶質シリコン層3および第2真性非晶質シリコン層7を備えた構成について説明したが、第1真性非晶質シリコン層3および第2真性非晶質シリコン層7を備えない場合においても上述した実施の形態1における効果に影響はない。ただし、光電変換性能の向上の観点からは、第1真性非晶質シリコン層3および第2真性非晶質シリコン層を備えることが好ましい。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2にかかる光起電力装置であるヘテロ接合太陽電池セル(以下、太陽電池セルと呼ぶ場合がある)の構成を示す模式断面図である。実施の形態2にかかる太陽電池セルの構造は、n型単結晶シリコン基板1の面方向においてp型不純物ドーピング層2により囲まれた内部領域のn型単結晶シリコン基板1が除去され、その部分に第1真性非晶質シリコン層3、p型非晶質シリコン層4が形成され、その上に第1透明電極層5が形成されていること以外は、図1に示した実施の形態1にかかる太陽電池セルの構造と略同一である。すなわち、実施の形態2にかかる太陽電池セルは、n型単結晶シリコン基板1、第1真性非晶質シリコン層3、p型非晶質シリコン層4および第1透明電極層5の形状が異なること以外は、図1に示した実施の形態1にかかる太陽電池セルの構造と略同一である。
したがって、実施の形態2にかかる太陽電池セルでは、第1透明電極層5および第2透明電極層9の形成領域の制限は、図1に示した実施の形態1にかかる太陽電池セルの構造と略同一である。これにより、実施の形態2にかかる太陽電池セルは、実施の形態1にかかる太陽電池セルと同じ効果を有する。図4においては実施の形態1にかかる太陽電池セルの構造と同じ符号を付すことで詳細な説明を省略し、本実施の形態においてはその製造方法について説明する。図5−1〜図5−7は、実施の形態2にかかる光起電力装置である太陽電池セルの製造方法を示す模式断面図である。
まず、第1工程では、主面の面方位が(100)である厚さ200μmのn型単結晶シリコン基板1を用意し、アルカリ溶液中に浸漬してスライス時のワイヤーソーダメージを除去するとともに、ピラミッド形状を有する微小凹凸1aからなるテクスチャ構造を表面に形成する(図5−1)。アルカリ溶液としては、例えばイソプロピルアルコールを10体積パーセント含有し、75℃に加熱した5重量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。
つぎの第2工程では、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面における基板端部付近の外周縁部(端部周辺領域)の全周領域にp型不純物ドーピング層2を形成するとともに、第1主表面におけるp型不純物ドーピング層2の未形成領域、すなわち第1主表面における内部領域(中心近傍領域)にはn型不純物ドーピング層21を形成する。p型不純物ドーピング層2は、p型のドーパントを含む拡散材を所望の位置に塗布した後、熱処理を行うことで形成可能である。また、n型不純物ドーピング層21は、n型のドーパントを含む拡散材を所望の位置に塗布した後、熱処理を行うことで形成可能である。
すなわち、まずn型単結晶シリコン基板1の第1主表面の端部周辺領域の全周領域に、ボロン(B)元素を含むボロン拡散材11をスクリーン印刷により塗布する(図5−2)。また、第1主表面におけるボロン拡散材11の未塗布領域、すなわち第1主表面における内部領域(中心近傍領域)に、リン(P)元素を含むリン拡散材12をスクリーン印刷により塗布する(図5−2)。
つぎに、ボロン拡散材11およびリン拡散材12が塗布されたn型単結晶シリコン基板1を窒素雰囲気の石英炉を用いて加熱する。その後、n型単結晶シリコン基板1をフッ化水素酸水溶液に浸漬して、n型単結晶シリコン基板1に塗布されたボロン拡散材11およびリン拡散材12を除去する。これにより、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面の基板端部付近の外周縁部(端部周辺領域)の全周領域に、200Ω/□未満のシート抵抗値を有するp型不純物ドーピング層2が形成され、第1主表面におけるp型不純物ドーピング層2の未形成領域、すなわち第1主表面における内部領域(中心近傍領域)にはn型不純物ドーピング層21が形成される(図5−3)。
ボロン拡散材11は、たとえば酸化ホウ素(B)等のホウ素を含む成分、ガラス成分、樹脂成分、有機溶剤成分等を含むものを用いることが可能である。また、リン拡散材12は、たとえば五酸化二リン(P)等のリンを含む成分、ガラス成分、樹脂成分、有機溶剤成分等を含むものを用いることができる。ボロン拡散材11およびリン拡散材12の塗布方法は、スクリーン印刷以外にも、グラビア印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等を用いてもよい。
石英炉でのn型単結晶シリコン基板1の加熱温度はたとえば900℃、加熱時間はたとえば40分とされる。ただし、加熱条件はこれに限定されず、ボロン拡散材11に含まれるボロン成分がn型単結晶シリコン基板1内に熱拡散し、n型単結晶シリコン基板1の少なくとも最表面における電気的に活性な不純物濃度が5×1019cm−3以上となり、熱拡散後のp型不純物ドーピング層2のシート抵抗値が200Ω/□未満となり、且つリン拡散材12に含まれるリン成分がn型単結晶シリコン基板1内に熱拡散可能である範囲の条件であれば温度および時間を自由に設定可能である。
本第2工程は、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面の端部周辺領域にp型不純物ドーピング層2が形成されると同時に、第1主表面の内部領域(中心近傍領域)においてリン原子の拡散による金属不純物の捕獲効果(ゲッタリング効果)が生じるため、n型単結晶シリコン基板1内の少数キャリアライフタイムを向上させる効果を有する。
第3工程では、ボロン拡散材11およびリン拡散材12が除去されたn型単結晶シリコン基板1をアルカリ水溶液、例えばイソプロピルアルコールを10体積パーセント含有し、75℃に加熱した5重量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液に20分間浸漬してn型不純物ドーピング層21をエッチングにより除去する。この際、アルカリ水溶液との接触面における表面電位の違いから、電気的に活性なボロン原子が5×1019cm−3以上の濃度で含まれる箇所はエッチングがほとんど進行しない。このため、p型不純物ドーピング層2はエッチングされず、n型不純物ドーピング層21のみが選択的にエッチングされる。したがって、本第3工程の終了後におけるn型単結晶シリコン基板1の第1主表面側は、中央近傍領域においてはn型不純物ドーピング層21が除去されてn型単結晶シリコン基板1の表面が露出し、端部周辺領域の全周領域においてはp型不純物ドーピング層2が残存した状態となる(図5−4)。
なお、必ずしもn型単結晶シリコン基板1をアルカリ水溶液に浸漬する必要はなく、n型不純物ドーピング層21のみを選択的にエッチングできるようにn型単結晶シリコン基板1の第1主表面側にアルカリ水溶液を供給すればよい。
また、n型単結晶シリコン基板1にあらかじめ形成されたテクスチャ構造は、水酸化ナトリウム水溶液に添加されたイソプロピルアルコールの効果により形状が保持されたままエッチング反応が進行するため、本第3工程を経ても光閉じ込め効果は低下しない。
また、本第3工程に用いるアルカリ水溶液の種類、濃度、温度、添加物の種類、濃度、およびエッチング時間等は、n型不純物ドーピング層21が除去され、且つテクスチャ構造が保持される範囲内において自由に設定することが可能である。
また、上記においてはp型不純物ドーピング層2とn型不純物ドーピング層21とを同時に形成する場合について説明したが、p型不純物ドーピング層2とn型不純物ドーピング層21は必ずしも同時に形成される必要はない。p型不純物ドーピング層2とn型不純物ドーピング層21は、第1工程と第3工程の間において、同工程または異なる工程のいずれで形成されてもよく、またどちらが先に形成されてもよい。
続く第4工程および第5工程では、n型単結晶シリコン基板1の両主表面上にモノシラン(SiH)ガス、水素(H)ガス、ジボラン(B)ガス、ホスフィン(PH)ガスを原料ガスとして用いたプラズマCVD法を用いて、非晶質シリコン薄膜からなる非晶質シリコン層を形成する。なお、第4工程と第5工程との実施順序は入れ替わってもよい。
第4工程では、p型不純物ドーピング層2上を含むn型単結晶シリコン基板1の第1主表面側に第1真性非晶質シリコン層3を形成した後、該第1真性非晶質シリコン層3上にp型非晶質シリコン層4を形成する(図5−5)。第1真性非晶質シリコン層3の膜厚はたとえば5nm、p型非晶質シリコン層4の膜厚はたとえば10nmとする。ここで、第1真性非晶質シリコン層3およびp型非晶質シリコン層4は、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側の表面形状に沿った形状に形成される。すなわち、第1真性非晶質シリコン層3およびp型非晶質シリコン層4は、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側においてn型不純物ドーピング層21が除去された凹領域の内面からp型不純物ドーピング層2上にわたって一様に形成される。
第5工程では、n型単結晶シリコン基板1の第2主表面上に第2真性非晶質シリコン層7を形成した後、該第2真性非晶質シリコン層7上にn型非晶質シリコン層8を形成する(図5−5)。第2真性非晶質シリコン層7の膜厚はたとえば5nmとし、n型非晶質シリコン層8の膜厚はたとえば10nmとする。
続く第6工程および第7工程では、p型非晶質シリコン層4上およびn型非晶質シリコン層8上に、スパッタリング法によりITO薄膜からなる透明電極層を形成する。なお、第6工程と第7工程の実施順序は入れ替わってもよい。
第6工程では、p型非晶質シリコン層4の上に膜厚80nmのITO膜からなる第1透明電極層5を形成する。第1透明電極層5は、マスクを用いてp型非晶質シリコン層4上における形成領域を制限することにより、n型単結晶シリコン基板1の面方向において、p型非晶質シリコン層4が形成された領域よりも小さくp型非晶質シリコン層4の端部から離間した領域であり、且つp型不純物ドーピング層2の未形成領域よりも大きい領域のみに形成される(図5−6)。
第7工程では、n型非晶質シリコン層8の上に膜厚80nmのITO膜からなる第2透明電極層9を形成する。第2透明電極層9は、マスクを用いてn型非晶質シリコン層8上における形成領域を制限することにより、n型単結晶シリコン基板1の面方向において、n型非晶質シリコン層8の形成領域よりも小さくn型非晶質シリコン層8の端部から離間した領域のみに形成される(図5−6)。
続く第8工程および第9工程では、第1透明電極層5上および第2透明電極層9上に、スクリーン印刷法を用いて銀を含むペーストを塗布し、たとえば200℃の雰囲気で硬化乾燥させることにより、金属からなる集電極を形成する。なお、第8工程と第9工程の実施順序は入れ替わってもよい。
第8工程では、第1透明電極層5の上に、フィンガー銀電極とバスバー電極とからなる第1集電極6を形成する(図5−7)。なお、図5−7においては、フィンガー銀電極のみを示している。
第9工程では、第2透明電極層9の上に、フィンガー銀電極とバスバー電極とからなる第2集電極10を形成する(図5−7)。なお、図5−7においては、フィンガー銀電極のみを示している。
上述した実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法においては、第1透明電極層5および第2透明電極層9の形成領域を、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側における基板端面近傍の外周縁部を除いた第1主表面側の中央部近傍領域に制限している。これにより、第1透明電極層5および第2透明電極層9と、n型単結晶シリコン基板1の端面との接触、および第1透明電極層5と第2透明電極層9との端面を介した接触に起因した電流リークパスの形成を防止することができる。
また、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法においては、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面側の第1透明電極層5未形成領域に相当する周辺領域にp型不純物ドーピング層2を形成する。このため、第1透明電極層5が形成されてない領域において、p型不純物ドーピング層2が第1透明電極層5に代わり光キャリア収集を担うことが可能である。これにより、p型不純物ドーピング層2が形成されない場合に比べて、n型単結晶シリコン基板1の外周縁部領域で生成された光キャリアの収集効率を改善することができ、短絡電流値および曲線因子を改善する効果が得られる。
そして、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法においては、n型単結晶シリコン基板1の第1主表面の基板端部付近の外周縁部(端部周辺領域)の全周領域にp型不純物ドーピング層2が形成されると同時に、第1主表面における内部領域(中心近傍領域)にはリンが拡散されたn型不純物ドーピング層21が形成される。そして、熱アルカリを用いたn型不純物ドーピング層21の選択的除去が実施される。このため、第1主表面の端部周辺領域のp型不純物ドーピング層2の形成と同時に、第1主表面における内部領域(中心近傍領域)の金属不純物のゲッタリングを少ないプロセス数で行うことが可能である。
したがって、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、n型単結晶シリコン基板1の端面を介した電流リークパス形成が防止され、且つ第1透明電極層5未形成領域に相当するn型単結晶シリコン基板1の端部周辺領域におけるキャリア収集損失が抑制され、さらにn型単結晶シリコン基板1の内部の金属汚染の効果的なゲッタリングにより発電特性の低下が抑制された、光電変換効率に優れた光起電力装置を簡便な方法で製造することが可能となる。
また、上記の実施の形態で説明した構成を有する太陽電池セルを複数形成し、隣接する太陽電池セル同士を電気的に直列または並列に接続することにより、良好な光閉じ込め効果を有し、信頼性、光電変換効率に優れた太陽電池モジュールが実現できる。この場合は、たとえば隣接する太陽電池セルの一方の第1集電極6と他方の第2集電極10とを電気的に接続すればよい。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる光起電力装置は、光電変換効率に優れたヘテロ接合型光起電力装置の実現に有用である。
1 n型単結晶シリコン基板、1a 微小凹凸、2 p型不純物ドーピング層、3 第1真性非晶質シリコン層、4 p型非晶質シリコン層、5 第1透明電極層、6 第1集電極、7 第2真性非晶質シリコン層、8 n型非晶質シリコン層、9 第2透明電極層、10 第2集電極、11 ボロン拡散材、12 リン拡散材、21 n型不純物ドーピング層。

Claims (10)

  1. 結晶系半導体基板の第1主表面の上に前記結晶系半導体基板と逆の導電型を有する第1非晶質半導体薄膜層と第1透明電極層と第1集電極とをこの順で有し、前記結晶系半導体基板の第2主表面の上に前記結晶系半導体基板と同じ導電型を有する第2非晶質半導体薄膜層と第2透明電極層と第2集電極とをこの順で有し、
    前記第1透明電極層は、前記結晶系半導体基板の面方向において前記第1非晶質半導体薄膜層の配置領域よりも小さく前記第1非晶質半導体薄膜層の端部から離間した領域のみに配置されており
    前記第2透明電極層は、前記結晶系半導体基板の面方向において前記第2非晶質半導体薄膜層の配置領域よりも小さく前記第2非晶質半導体薄膜層の端部から離間した領域のみに配置されており
    前記第1主表面の表層のうち、前記第1非晶質半導体薄膜層の下層の領域であって前記結晶系半導体基板の面方向において少なくとも前記第1透明電極層の未配置領域を包含する領域における外周縁部の全周領域に、前記結晶系半導体基板内に前記結晶系半導体基板と逆の導電型の不純物がドーピングされており前記結晶系半導体基板と逆の導電型を有する不純物ドーピング層が配置されていること、
    を特徴とする光起電力装置。
  2. 前記不純物ドーピング層が、200Ω/□未満のシート抵抗値を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 前記第1主表面と前記第1非晶質半導体薄膜層との間に第1真性非晶質半導体薄膜層を有すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の光起電力装置。
  4. 前記第2主表面と前記第2非晶質半導体薄膜層との間に第2真性非晶質半導体薄膜層を有すること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光起電力装置。
  5. 少なくとも結晶系半導体基板の第1主表面における外周縁部の全周領域の表層前記結晶系半導体基板と逆の導電型の不純物をドーピングして前記結晶系半導体基板の導電型と逆の導電型を有する第1不純物ドーピング層を形成する第1工程と、
    前記第1不純物ドーピング層上を含む前記第1主表面上に前記結晶系半導体基板と逆の導電型を有する第1非晶質半導体薄膜層を形成する第2工程と、
    前記結晶系半導体基板の第2主表面の上に前記結晶系半導体基板と同じ導電型を有する第2非晶質半導体薄膜層を形成する第3工程と、
    前記第1非晶質半導体薄膜層上において、前記結晶系半導体基板の面方向における前記第1非晶質半導体薄膜層の形成領域よりも小さく前記第1非晶質半導体薄膜層の端部から離間した領域であり且つ前記第1不純物ドーピング層の未形成領域よりも大きい領域のみに第1透明電極層を形成する第4工程と、
    前記第2非晶質半導体薄膜層上において、前記結晶系半導体基板の面方向における前記第2非晶質半導体薄膜層の形成領域よりも小さく前記第2非晶質半導体薄膜層の端部から離間した領域のみに第2透明電極層を形成する第5工程と、
    前記第1透明電極層上に第1集電極を形成する第6工程と、
    前記第2透明電極層上に第2集電極を形成する第7工程と、
    を含むことを特徴とする光起電力装置の製造方法。
  6. 前記第1不純物ドーピング層が、200Ω/□未満のシート抵抗値を有すること、
    を特徴とする請求項5に記載の光起電力装置の製造方法。
  7. 前記第1工程では、少なくとも最表面における電気的に活性な不純物原子を5×1019cm−3以上の濃度で含む前記第1不純物ドーピング層を形成し、
    前記第2工程の前であって前記第1工程と同時またはその前後に、
    前記第1主表面において、前記結晶系半導体基板の面方向における前記第1不純物ドーピング層の未形成領域に前記結晶系半導体基板の導電型と同じ導電型を有する第2不純物ドーピング層を形成する第8工程と、
    前記第1不純物ドーピング層と前記第2不純物ドーピング層とが形成された前記第1主表面にウエットエッチングを施して前記第2不純物ドーピング層のみを選択的にエッチング除去することにより前記第1主表面を露出させる第9工程と、
    をさらに備えること、
    を特徴とする請求項5または6に記載の光起電力装置の製造方法。
  8. 前記結晶系半導体基板が、n型シリコン基板であり、
    前記第2不純物ドーピング層が、不純物元素としてリンが拡散されたn型不純物ドーピング層であり、
    前記第9工程では、前記結晶系半導体基板の前記第1主表面側にアルカリ水溶液を供給することにより前記第2不純物ドーピング層のみを選択的にエッチング除去すること、
    を特徴とする請求項に記載の光起電力装置の製造方法。
  9. 前記第1工程と前記第2工程との間に、前記第1不純物ドーピング層が形成された前記第1主表面上に第1真性非晶質半導体層を形成する工程を有し、
    前記第2工程では、前記第1真性非晶質半導体層上に前記第1非晶質半導体薄膜層を形成すること、
    を特徴とする請求項のいずれか1つに記載の光起電力装置の製造方法。
  10. 前記第2主表面上に第2真性非晶質半導体層を形成する工程を有し、
    前記第3工程では、前記第2真性非晶質半導体層上に前記第2非晶質半導体薄膜層を形成すること、
    を特徴とする請求項のいずれか1つに記載の光起電力装置の製造方法。
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