JP5867379B2 - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池および燃料電池の製造方法に関する。
燃料電池は、一般的に、電解質膜の両面に、燃料電池反応を促進するための触媒を担持させた電極(触媒電極)が配置された発電体である膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下、MEA)を備える。MEAの両面には、反応ガスを拡散させて触媒電極全体に行き渡らせるためのガス拡散層が配置される。ガス拡散層が配置されたMEA(膜電極ガス拡散層接合体(Membrane−Electrode Gas Diffusion Layer Assembly、以下、MEGA))は、一対のセパレータにより挟持される。一対のセパレータ間のMEGAの外周には、反応ガスの漏洩(いわゆるクロスリーク)、および、電極同士の電気的短絡、を抑制するためのシール部が形成される。
特許文献1には、MEAと、ガス拡散層と、MEAの端面に沿って形成された第1のシール部と、ガス拡散層の端面に沿って形成された第2のシール部と、を備える燃料電池が記載されている。この燃料電池は、MEAとガス拡散層とセパレータとが、MEAの両面にガス拡散層が配置されると共に、ガス拡散層のMEAに対向する側とは反対側の面にセパレータが配置されるように積層された構成を有している。第1のシール部は、セパレータとの間で外部へのガスの漏洩を抑制する有効シール部(リップ部)を有している。第2のシール部は、積層前に、積層後にMEAの積層面とセパレータの積層面とに密着するように、拡散層と一体として形成されている。また、第2のシール部の積層前の形状は、燃料電池の積層方向に沿った厚さがガス拡散層の厚さよりも大きい形状であり、積層時に第2のシール部がMEAとセパレータとの間に挟まれて変形し、MEAおよびセパレータに密接することにより、ガス拡散層からのガスの漏洩を抑制する。また、第1のシール部の積層前の形状も、積層方向に沿った厚さがMEAとガス拡散層とを積層した厚さよりも大きい形状であり、積層時にセパレータの間に挟まれて変形し、セパレータに密接することにより、セパレータとの間で外部へのガスの漏洩を抑制する。
特開2007−329084号公報
特許文献1に記載された燃料電池等の従来の燃料電池では、セパレータをガス拡散層に密接させ、かつ、ガス拡散層をMEAに密接させるために、あらかじめ規定した一定荷重を掛けて、MEAおよびガス拡散層を一対のセパレータで挟持させた構造が一般的であった。このような構造の場合、ガス拡散層が配置されたMEA(MEGA)の厚さに関わらずMEGAには一定荷重が加わるため、各部材の寸法公差等のばらつきを吸収して、燃料電池の積層方向の厚さ、すなわち、セパレータ間の間隔を一定に規定することが困難となる。また、特許文献1では、2つのシール部を有する構造であり、コスト、量産性の点では十分ではなかった。このため、より単純な構造で、シール機能を発揮するとともにセパレータ間の間隔を規定することが可能な技術が望まれていた。また、低コスト化や量産性の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池が提供される。この燃料電池は、膜電極ガス拡散層接合体と;前記膜電極ガス拡散層接合体の外周部に配置されたシール部材と;前記膜電極ガス拡散層接合体および前記シール部材を挟持する一対のセパレータと;を備える。前記シール部材は、熱可塑性樹脂で構成されるコア層と;前記コア層の前記一対のセパレータに接する両側の表層に形成され、前記一対のセパレータと前記コア層とを接着する一対のスキン層と;を備える。前記一対のセパレータで挟持される前の前記シール部材の厚さは、前記一対のセパレータで挟持される前の前記膜電極ガス拡散層接合体の厚さよりも大きく、前記一対のセパレータで挟持される前の前記シール部材の前記一対のスキン層の合計の厚さは、前記膜電極ガス拡散層接合体が前記一対のセパレータで挟持されたときに発生する前記膜電極ガス拡散層接合体の厚さの減少量よりも大きい。この形態の燃料電池によれば、膜電極ガス拡散層接合体およびシール部材を一対のセパレータで挟持して一体化形成する際に、一対のセパレータを介して掛けられる荷重に応じて変化する膜電極ガス拡散層接合体の厚さの変化に応じてシール部材のスキン層の厚さが変化して吸収することができる。また、膜電極ガス拡散層接合体の寸法公差、膜電極ガス拡散層接合体を構成する部材の寸法公差等の寸法公差もシール部材のスキン層の厚さが変化して吸収することができる。これにより、セパレータ間の間隔がコア層の厚さ(厳密には、コア層およびセパレータとコア層との接着に要するスキン層の厚さ)で規定される寸法となるまで、荷重の大きさを規定せずに荷重を掛けることができる。この結果、一対のセパレータ間の間隔が一定となるように規定した燃料電池を容易に一体化形成することが可能となる。また、膜電極ガス拡散層接合体およびシール部材を一対のセパレータで挟持して一体化形成する際に、膜電極ガス拡散層接合体が一対のセパレータに接触し、かつ、膜電極ガス拡散層接合体に一対のセパレータを介して確実に荷重がかかる状態となるので、膜電極ガス拡散層接合体と一対のセパレータとの接合性を高めることができる。これにより、膜電極ガス拡散層接合体と一対のセパレータとの接合性を要因とする発電特性の低下を抑制し、発電特性の改善を図ることが可能である。
(2)上記形態の燃料電池において、前記一対のセパレータで挟持される前の前記シール部材の少なくとも一方のスキン層の体積が、前記一対のセパレータで挟持されるときの前記膜電極ガス拡散層接合体と前記シール部材との間の空間の体積よりも大きくなるようにしてもよい。この形態の燃料電池によれば、膜電極ガス拡散層接合体とシール部材との間の隙間が無くなるので、膜電極ガス拡散層接合体の膨潤・収縮を抑制し、膨潤・収縮によって発生する膜電極ガス拡散層接合体の劣化を抑制し、クロスリーク等の特性劣化を抑制することが可能となる。
本発明は、燃料電池以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池の製造方法や燃料電池を備える燃料電池システム、燃料電池を備える車両等の形態で実現することができる。
第1実施形態として燃料電池を構成する燃料電池セルの概略構成を示す断面模式図である。 燃料電池セルの製造方法について示す説明図である。 図2に示した燃料電池セルの製造方法による燃料電池セルの作製過程の概略を示す説明図である。 MEGAに対して圧縮方向に加圧した場合の荷重と膜厚との関係を示すグラフである。 第2実施形態として燃料電池セルの概略構成の一部を示す断面模式図である。 図5に示した燃料電池セルの製造上の特徴を示す説明図である。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態として燃料電池を構成する燃料電池セルの概略構成を示す断面模式図である。この燃料電池セル100は、反応ガスとしての燃料ガス(例えば水素)および酸化剤ガス(例えば酸素)の供給を受けて発電する固体高分子形の燃料電池である。なお、燃料電池は、通常、複数の燃料電池セル100を積層したスタック構造とされる。
燃料電池セル100は、MEA(膜電極接合体)10の一方の面にアノード側ガス拡散層22aが配置され、他方の面にカソード側ガス拡散層22cが配置されたMEGA(膜電極ガス拡散層接合体)20と、MEGA20の外周部に配置されたシール部材40と、MEGA20およびシール部材40を挟持するアノード側セパレータ30aおよびカソード側セパレータ30cと、を備える。なお、アノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cを、特に区別しない場合には、単に「セパレータ30」ともいう。
MEA10は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜である電解質膜11の両面に、燃料電池反応を促進するための触媒を担持させたアノード側触媒層12aおよびカソード側触媒層12cが設けられた発電体である。電解質膜11は、例えば、ナフィオン(登録商標)などのフッ素系のイオン交換膜によって構成することができる。アノード側触媒層12aおよびカソード側触媒層12cは、例えば、白金(Pt)などを担持したカーボン担体と、プロトン伝導性を有するアイオノマーとを含む触媒インクを、電解質膜11に塗布することにより形成することができる。
MEGA20は、MEA10のアノード側触媒層12aが設けられている面側にアノード側ガス拡散層22aを備え、カソード側触媒層12cが設けられている面側にカソード側ガス拡散層22cを備えている。アノード側ガス拡散層22aおよびカソード側ガス拡散層22cは、ガス透過性を有するとともに導電性を有し、また、バネ性を有する材料で形成されている。ガス拡散層の材料としては、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロス、ステンレス繊維製ペーパ等が利用される。
一対のセパレータ30は、MEGA20およびシール部材40を挟持している。セパレータ30は、ガス遮断性および電子伝導性を有する部材、本実施形態では、プレス成形されたステンレス鋼によって形成されている。なお、セパレータ30は、チタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材や、緻密質カーボン等のカーボン製部材によって形成することもできる。
シール部材40は、クロスリークおよび電極同士の電気的短絡を防ぐための部材である。シール部材40は、コア層41のセパレータ30側の両面に少なくとも一対のスキン層42を備えた3層構造を有している。ただし、図の例では、コア層41の表面をスキン層42が覆った構造とされている。なお、この点については後述する。コア層41は熱可塑性樹脂で構成され、後述するようにして燃料電池セル100を形成する際の温度条件においても構造が変化しない性質を有する。スキン層42は、コア層41とセパレータ30とを接着してシール性を確保するために、他の物質との接着性が高く、燃料電位セル100を形成する際の温度条件において軟化する、例えば、粘度・融点が低い性質を有する。スキン層42としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー等の種々の材料を用いて構成することができる。本実施形態では、コア層41としてポリプロピレンを用いている。また、スキン層42として、変性ポリオレフィンであるアドマー(登録商標)を用いている。
なお、図示は省略されているが、燃料ガス流路はアノード側ガス拡散層22aとアノード側セパレータ30aの間に、酸化剤ガス流路はカソード側ガス拡散層22cとカソード側セパレータ30cとの間にそれぞれ形成されている。燃料ガス流路は水素ガスの流路であり、酸化剤ガス流路は酸素ガスの流路である。
図2は、燃料電池セルの製造方法について示す説明図である。前提として、まず、MEGA20と、シール部材40と、アノード側セパレータ30aおよびカソード側セパレータ30cと、を用意する。MEGA20は、例えば、MEA10のカソード側触媒層12cの面にカソード側拡散層22cを配置し、アノード側触媒層12aの面にアノード側ガス拡散層22aを配置して、例えば100℃から160℃の温度で熱圧着することにより作製される。MEA10は、例えば、白金を担持したカーボン担体とアイオノマーとを溶媒に混合して生成した触媒インクを、電解質膜11の両側の面に塗布して、カソード側触媒層12cおよびアノード側触媒層12aを形成することにより、作製される。なお、シール部材40としては、燃料電池セル作製前(以下、「セル化前」という)の厚さYarが、セル化前のMEGA20の厚さXrよりも大きい部材が用いられる。また、シール部材40としては、コア層41の厚さYcがセル化前のMEGA20の厚さXrよりも小さく、スキン層42の厚さYsrが、MEGA20のセル化前の厚さXrに対するセル化後の厚さXsの減少量Xd(=Xr−Xs)に対して、2・Ysr>Xdの関係を満たす部材が用いられる。なお、スキン層42の厚さYsrの条件についてはさらに後述する。
そして、図2に示すように、MEGA20の外周にシール部材40を配置し、MEGA20およびシール部材40を、アノード側セパレータ30aおよびカソード側セパレータ30cで挟んで熱圧着することにより、図1に示した燃料電池セル100が作製される。
図3は、図2に示した燃料電池セルの製造方法による燃料電池セルの作製過程の概略を示す説明図である。図2に示すように、アノード側セパレータ30aおよびカソード側セパレータ30cの間に配置したMEGA20およびシール部材40に対して、あらかじめ設定したセル化温度環境下で、アノード側セパレータ30aおよびカソード側セパレータ30cを介して荷重を掛けていく。セル化温度は、シール部材40のコア層41の軟化温度(融点)よりも低い温度で、かつ、スキン層42の軟化温度(融点)よりも高い温度に設定される。コア層41の軟化温度よりも低い温度とするのは、後述するように、セル化後のMEGAの厚さXs、すなわち、一対のセパレータ30間の間隔を規定するための構造体としてシール部材40のコア層41を機能させるために、熱圧着時においてコア層41の構造が変化しない状態とするためである。また、スキン層42の軟化温度よりも高い温度とするのは、スキン層42とセパレータ30との接触性を高めて、接着性およびシール性を高めるとともに、軟化による流動性を高めるためである。例えば、上記したコア層41のポリプロピレンの融点が160℃で、上記したスキン層42のアドマーの融点が40℃の場合、セル化温度は145℃〜155℃に設定される。
なお、セル化後のMEGA20の厚さXs(シール部材40の厚さYa)は、例えば、以下のように設定される。図4は、MEGAに対して圧縮方向に加圧した場合の荷重と膜厚との関係を示すグラフである。図4に示すように、MEGAの膜厚は荷重に応じたひずみ量の分だけ圧縮された厚さに変化する弾性特性を有している。したがって、例えば、熱圧着時においてMEGA20に掛かかる荷重をFsに設定したとすると、あらかじめ実測することにより取得したMEGA20の応力―歪み曲線から、設定した荷重Fsに対応するひずみ量(上記減少量に相当する)Xdが求められる。そして、セル化後のMEGA20の膜厚(セル化後膜厚)Xsは、セル化前のMEGA20の膜厚(セル化前膜厚)Xrから求められたひずみ量Xdを減算することにより設定される。また、逆に、セル化後のMEGA20の膜厚Xsを決定すれば、対応する荷重Fsおよび減少量Xdが決定される。
燃料電池セルの作製の初期段階では、図3(A)に示すように、MEGA20の厚さXrはシール部材40の厚さYarよりも小さいため、MEGA20には荷重は掛からずシール部材40にのみ荷重が掛かかり、一対のセパレータ30間の間隔が狭まって、シール部材40のみが圧縮されていく。このとき、セル化温度がスキン層42の融点よりも高いため、シール部材40のスキン層42はセル化温度下において軟化し、スキン層42を構成する部材が圧縮の荷重を受けて流動して横方向の空間へ溢れ出し、スキン層42の厚さが荷重に応じて小さくなっていく。
そして、図3(B)に示すように、シール部材40の厚さがMEGA20の厚さXrに等しくなるまで圧縮されると、一対のセパレータ30はMEGA20に接し、MEGA20にも荷重が掛かかる。MEGA20は加わる荷重に応じた歪み量で圧縮され、シール部材40は、MEGA20の圧縮の歪み量を吸収するようにスキン層42が流動して圧縮されていく。
ここで、シール部材40のコア層41によって、一対のセパレータ30を介して、MEGA20およびシール部材40に加える荷重を増やしても、一対のセパレータ30間の間隔の減少量が急激に減少してほほ変動しない状態、いわゆる、「ドンつき」の状態が発生する。したがって、一対のセパレータ30間には、間隔がほぼ変動しないドンつきの状態となるまで、荷重の大きさを管理することなく、単純に荷重を掛けることが可能となる。なお、この場合、図3(C)に示すように、シール部材40の厚さYaは、コア層41の厚さYcと、セパレータ30とコア層41との間の接着に要する一対のスキン層42の厚さYsの合計(2・Ys)と、の和で表される。ただし、接着に要するスキン層42の厚さYsは、コア層41の厚さYcに比べれば非常に小さいので、シール部材40の厚さYaは、ほぼコア層41の厚さYcと考えても実質的には差し支えない。
そして、図3(C)に示すように、「ドンつき」状態とした荷重を維持したまま、セル化温度を下げる。このとき、荷重を解放したとしてもセパレータ30間の間隔が変化せず、スキン層42による接着が担保できる温度まで低下したら、荷重を解放する。これにより、一対のセパレータ30間の間隔、すなわち、MEGA20の厚さXsが、シール部材40の厚さYaによって規定された燃料電池セル100を得ることが可能となる。なお、スキン層42の荷重により流動して空間に溢れ出した部分は、コア層41の面を覆うようにして硬化する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池セル100は、MEGA20の厚さXrよりも大きい厚さYarのシール部材40を、MEGA20の外周に配置し、一対のセパレータ30で両側から熱圧着することにより、厚さXsのMEGA20および厚さYa(=Xs)のシール部材40が一対のセパレータ30で挟持された構造を有している(図1および図3(C)参照)。そして、シール部材40は、シール部材の構造を規定するコア層41と、セパレータ30との接着性を確保し、接着後におけるセル内部のシール性を確保するスキン層42と、で構成される。また、セル化前のシール部材40のスキン層42の厚さYsrは、セル化によるMEGA20の厚さの減少量Xd(=Xr−Xs)に対して、2・Ysr>Xdの関係を満たすように設定されている(図2および図3(A)参照)。これにより、熱圧着によって圧縮されたMEGAの厚さの変化を、スキン層の厚さを変化させることにより吸収し、熱圧着後のMEGAの厚さ、すなわち、熱圧着後のセパレータ間の間隔を、単純な構造のシール部材によって規定することが可能となる。また、MEGAを構成する部材の寸法公差等の寸法公差をシール部材のスキン層の厚さを変化させることにより吸収して、熱圧着後のセパレータ間の間隔を、単純な構造のシール部材によって規定することが可能となる。
また、熱圧着時において、ドンつき状態となるまでセパレータ間に荷重を掛けることができるので、荷重の大きさを規定せずに荷重を掛けることができる。この結果、熱圧着後のセパレータ間の間隔を規定した燃料電池セルを、一定荷重で熱圧着する場合に比べて短時間で作製することが可能となる。この結果、燃料電池セルの量産性および低コスト化が可能となる。
B.第2実施形態:
図5は、第2実施形態として燃料電池セルの概略構成の一部を示す断面模式図である。この燃料電池セル100Bは、図1に示した燃料電池セル100のMEGA20とシール部材40との間の空間に対応する空間APがシール部材40のスキン層42を構成する部材で埋め尽くされている点が異なっている。この構造の燃料電池セル100Bも、以下で説明する点を除いて、図2および図3を用いて説明した第1実施形態の燃料電池セル100と同様に作製される。
図6は、図5に示した燃料電池セルの製造上の特徴を示す説明図である。この燃料電池セル100Bを作製する場合には、図6に示すように、用意するシール部材40のスキン層42の厚さYsrが、第1実施形態における2・Ysr>Xd(=Xr−Xs)の関係を満たす第1の条件に加えて、以下の第2の条件に基づいて設定される。すなわち、第2の条件は、スキン層42の厚さYsrが、接着に要するスキン層42の厚さYsの部分を除く厚さ(Ysr−Ys)の部分のうち、セル化時における荷重に応じて流動して、両側のスキン層42からMEGA20とシール部材40との間の空間Apに溢れ出した部材の体積が、空間Apを埋め尽くす(図5参照)ことが可能となるよう厚さであること、が条件とされる。なお、接着に要するスキン層42の厚さYsは第1の条件から要求される厚さYsr(>Xd/2)に比べて非常に小さいため、第2の条件は、スキン層42の厚さYsrが、両側のスキン層42から空間Apに溢れ出した部材の体積が空間Apを埋め尽くすことが可能となるような厚さであること、としても差し支えない。本例では、用意するシール部材40の両側のスキン層42の体積が空間Apの体積よりも大きくなるような厚さに設定されている。なお、いずれか一方のスキン層42の体積が空間APの体積よりも大きくなるような厚さに設定されるようにしてもよい。また、スキン層42からの部材の溢れ出しを空間APのみに規制可能な場合、例えば、外側の側面を遮蔽する手段を設けた場合には、両側のスキン層42の体積(厳密には、両側のスキン層42の接着に要する厚さYs分の体積を除いた体積)が空間APの体積に等しくなるような厚さに設定することも可能である。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池セル100Bは、第1実施形態の燃料電池セル100と同様に、これにより、熱圧着によって圧縮されたMEGAの厚さの変化を、スキン層の厚さを変化させることにより吸収し、熱圧着後のMEGAの厚さ、すなわち、熱圧着後のセパレータ間の間隔を、単純な構造のシール部材によって規定することが可能となる。また、MEGAを構成する部材の寸法公差等の寸法公差をシール部材のスキン層の厚さを変化させることにより吸収して、熱圧着後のセパレータ間の間隔を、単純な構造のシール部材によって規定することが可能となる。
また、熱圧着時において、ドンつき状態となるまでセパレータ間に荷重を掛けていくことができるので、荷重の大きさを規定せずに荷重を掛けることができる。この結果、熱圧着後のセパレータ間の間隔を規定した燃料電池セルを、一定荷重で熱圧着する場合に比べて短時間で作製することが可能となる。この結果、燃料電池セルの量産性および低コスト化が可能となる。
また、MEGA20とシール部材40との間の空間をスキン層42の部材で埋めることができるので、MEGA20の電解質膜10が発電により膨潤・収縮を繰り返すことを規制することができる。この結果、膨潤・収縮による電解質膜10の劣化等のMEGA20の劣化を抑制し、クロスリーク等の特性の劣化を抑制することが可能となる。
C.変形例:
上記実施形態では、シール部材40のコア層41を構成する熱可塑性樹脂41としてポリエチレンを用いている。これに対して、ポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂等の種々の熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、上記実施形態では、スキン層42を構成する酸変性熱可塑性樹脂として、アドマーを用いている。これに対して、モディック(登録商標)、ニュクレル(登録商標)、ハイミラン(登録商標)等の酸変性熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、酸変性熱可塑性樹脂ではなく、コア層41の熱硬化性樹脂よりも融点が低く、接着性を有する熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等のコア層41の熱硬化性樹脂よりも融点が低く、接着性を有する熱可塑性樹脂種々の熱硬化性樹脂を用いてもよい。また、熱可塑性あるいは熱硬化性の種々のエラストマー樹脂を用いてもよい。
上記実施形態では、燃料電池は、固体高分子形燃料電池である。これに対し燃料電池は、固体高分子形燃料電池に限らず、他の種々のタイプの燃料電池であってもよい。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…MEA
11…電解質膜
12a…アノード側触媒層
12c…カソード側触媒層
20…MEGA
22…ガス拡散層
22a…アノード側ガス拡散層
22c…カソード側ガス拡散層
33…セパレータ
33a…アノード側セパレータ
33c…カソード側セパレータ
40…シール部材
41…コア層
42…スキン層
100…燃料電池セル
100B…燃料電池セル
Ap…空間

Claims (2)

  1. 燃料電池の製造方法であって、
    (a)膜電極ガス拡散層接合体と、前記膜電極ガス拡散層接合体の外周部に配置されるシール部材と、前記膜電極ガス拡散層接合体および前記シール部材を挟持する一対のセパレータと、を用意する工程と、
    (b)前記膜電極ガス拡散層接合体および前記シール部材の両側に前記一対のセパレータを配置し、あらかじめ定めた温度で前記一対のセパレータを介して前記膜電極ガス拡散層接合体および前記シール部材に荷重を掛けることにより、前記一対のセパレータと前記膜電極ガス拡散層接合体とを接合させるとともに、前記一対のセパレータと前記シール部材を接着させる工程と、
    を備え、
    前記シール部材は、熱可塑性樹脂で構成されるコア層と、前記コア層の前記一対のセパレータに接する両側の表層に形成され、前記一対のセパレータと前記コア層とを接着する一対のスキン層と、を備え、
    前記一対のセパレータで挟持される前の前記シール部材の厚さは、前記一対のセパレータで挟持される前の前記膜電極ガス拡散層接合体の厚さよりも大きく、
    前記一対のセパレータで挟持される前の前記シール部材の前記一対のスキン層の合計の厚さは、前記膜電極ガス拡散層接合体が前記一対のセパレータで挟持されたときに発生する前記膜電極ガス拡散層接合体の厚さの減少量よりも大きい
    ことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  2. 請求項に記載の燃料電池の製造方法であって、
    前記工程(b)は、前記温度で軟化した前記シール部材の前記スキン層を前記スキン層に掛けられた荷重によって流動させて、前記一対のセパレータで挟持されるときの前記膜電極ガス拡散層接合体と前記シール部材との間の空間を埋める工程を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
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