JP2013251253A - 燃料電池セル、および、燃料電池セルの製造方法 - Google Patents

燃料電池セル、および、燃料電池セルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス拡散層を備える燃料電池セルにおいて、ガス拡散層の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制する。
【解決手段】燃料電池セル100は、膜電極接合体12の両面にアノード側ガス拡散層14およびカソード側ガス拡散層16を接合してなる膜電極ガス拡散層接合体10と、セパレータ30,40と、セパレータ30,40の間における膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部に接着されたフィルム状のシール部材20と、を備える。膜電極ガス拡散層接合体10において、カソード側ガス拡散層16は、アノード側ガス拡散層14が接合された領域よりも内側の領域に接合されている。シール部材20は、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部に形成された段差部10sと嵌合する嵌合段差部20sを備えるとともに、嵌合段差部20sにおいて、膜電極接合体12と当接する部位に、接着層28を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池セル、および、燃料電池セルの製造方法に関するものである。
燃料電池セルは、電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体や、膜電極接合体の両面にガス拡散層を接合してなる膜電極ガス拡散層接合体を、一対のセパレータで挟持することによって構成される。この燃料電池セルでは、一対のセパレータの間における膜電極接合体や、膜電極ガス拡散層接合体の周縁部は、ゴムや樹脂などのシール部材によってシールされる。
そして、従来、燃料電池セルにおける上述したシール構造について、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献2,3に記載された技術では、膜電極接合体の周縁部に、シール部材(ガスケット)を一体的に形成している。また、下記特許文献1に記載された技術では、マニホルド穴を有する枠部材と燃料電池電極およびセパレータの周縁部の全周との間に跨って配置された接着用シートを接着剤により、それぞれ接着して一体化している。
特開2011−028907号公報 特開2010−040451号公報 特開2009−158391号公報
ところで、近年では、燃料電池セルの製造工程の短縮化や簡略化が求められている。そのため、燃料電池セルにおけるシール構造に、フィルム状のシール部材を用いる態様が考えられる。そして、このフィルム状のシール部材として、上記特許文献1に記載された接着シートを用いることが考えられる。特許文献1の構成では、接着シート(電極枠接着用シート)は、電極枠部材に近い形状を有する枠状部品であり、中央の開口部のみが電極枠部材の開口部より小さく形成されている。
しかし、上記特許文献1に記載された構成の場合、アノード電極層とカソード電極層の両側に接するガス拡散層を有する構成とすると、これらのガス拡散層の外縁と電極枠部材の間にギャップが生じやすく、このギャップ部分においてクロスリークが生じるおそれがあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ガス拡散層を備える燃料電池セルにおいて、ガス拡散層の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池セルであって、
電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両面に接合されたガス拡散層と、を有する膜電極ガス拡散層接合体と、
前記膜電極ガス拡散層接合体を挟持する一対のセパレータと、
前記一対のセパレータの間における前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部に接着されたフィルム状のシール部材と、
を備え、
前記膜電極ガス拡散層接合体は、前記ガス拡散層として、
前記膜電極接合体の一方の表面に接合された第1のガス拡散層と、
前記膜電極接合体の他方の表面において、前記膜電極接合体を挟んで前記第1のガス拡散層と対向する領域であって、前記第1のガス拡散層が接合された領域よりも内側の領域に接合された第2のガス拡散層と、
を備えており、
前記シール部材は、
前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部に形成された段差部であって、前記第1のガス拡散層の外周端部と前記第2のガス拡散層の外周端部とによって形成された段差部と嵌合する嵌合段差部を備えるとともに、
前記嵌合段差部において、前記第2のガス拡散層が接合された領域から外側に露出した前記膜電極接合体と当接する部位に、前記膜電極接合体と接着するための接着層を備える、
燃料電池セル。
適用例1の燃料電池セルでは、シール部材は、嵌合段差部において、第2のガス拡散層が接合された領域から外側に露出した膜電極接合体と当接する部位に、膜電極接合体と接着するための接着層を備える。このため、第2のガス拡散層の外周端部において、第2のガス拡散層が接合された領域から外側に露出した膜電極接合体と当接する部位に設けられたシール部材及び接着層により、膜電極接合体に沿った外縁方向へのクロスリーク、すなわち、ガス拡散層の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制することができる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池セルであって、
前記シール部材における前記嵌合段差部は、互いに形状が異なる第1の絶縁性フィルムと第2の絶縁性フィルムとを重ね合わせて接着することによって形成されている、
燃料電池セル。
適用例2の燃料電池セルでは、シール部材における嵌合段差部を比較的容易に、かつ、精度よく形成することができる。
[適用例3]
適用例1記載の燃料電池セルであって、
前記シール部材における前記嵌合段差部は、1枚の絶縁性フィルムに形成されている、
燃料電池セル。
適用例3の燃料電池セルでは、適用例2の燃料電池セルよりも、シール部材を構成する部品点数を少なくすることができる。
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれかに記載の燃料電池セルであって、
前記シール部材は、さらに、前記セパレータと当接する部位に、前記セパレータと接着するための接着層を備える、
燃料電池セル。
適用例4の燃料電池セルによって、シール部材やセパレータに接着剤を塗工することなく、シール部材とセパレータとを簡易に接着することができる。
[適用例5]
適用例1記載の燃料電池セルであって、
前記シール部材は、前記膜電極接合体と接着することができる単一の部材からなる、
燃料電池セル。
適用例5の燃料電池セルでは、シール部材が単一の部材(接着材)からなるので、例えば、複数の部材からなる場合よりも、シール部材のリサイクルを容易に行うことができる。また、シール部材を構成する基材に接着層を形成する工程を省略することができる。
[適用例6]
適用例1ないし5のいずれかに記載の燃料電池セルであって、
前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部と、前記嵌合段差部を備える前記シール部材との間が弾性接着剤によって接着された、燃料電池セル。
適用例6の燃料電池セルでは、電解質膜の周縁部において、電解質膜が膨張収縮することによって電解質膜が破断することを防止することができる。
[適用例7]
燃料電池セルの製造方法であって、
電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の表面に接合された第1のガス拡散層と、前記膜電極接合体の他方の表面において、前記膜電極接合体を挟んで前記第1のガス拡散層と対向する領域であって、前記第1のガス拡散層が接合された領域よりも内側の領域に接合された第2のガス拡散層と、を有する膜電極ガス拡散層接合体を用意する工程と、
前記膜電極ガス拡散層接合体を挟持する一対のセパレータを用意する工程と、
前記一対のセパレータの間における前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部に接着されるフィルム状のシール部材であって、前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部において、前記第1のガス拡散層の外周端部と前記第2のガス拡散層の外周端部とによって形成される段差部と嵌合する嵌合段差部を備えるとともに、前記嵌合段差部において、前記第2のガス拡散層が接合された領域から外側に露出した前記膜電極接合体と当接する部位に、前記膜電極接合体と接着するための接着層を備えるシール部材を用意する工程と、
前記膜電極ガス拡散層接合体における前記段差部と、前記シール部材における前記嵌合段差部とを嵌合させて接着する工程と、
前記膜電極ガス拡散層接合体および前記シール部材を前記一対のセパレータで挟持して、前記シール部材と前記一対のセパレータとを接着する工程と、
を備える燃料電池セルの製造方法。
適用例7の燃料電池セルの製造方法によって、適用例1の燃料電池セルを製造することができる。
[適用例8]
適用例7に記載の燃料電池セルの製造方法あって、
前記シール部材と前記一対のセパレータとを接着する工程は、
前記シール部材を加熱することを予め行う予熱工程と、
前記予熱工程の終了後、前記一対のセパレータを押圧するプレス工程と
を含む燃料電池セルの製造方法。
適用例8の燃料電池セルの製造方法によれば、予熱工程とプレス工程とを分離することによって、サイクルタイムを短縮することができる。
本発明は、上述した種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、その一部を省略したり、適宜、組み合わせたりして構成することができる。
本発明の第1実施例としての燃料電池セル100の概略構成を示す説明図である。 燃料電池セル100の製造工程を示す説明図である。 本発明の第2実施例としての燃料電池セル100Aの概略構成を示す説明図である。 本発明の第3実施例としての燃料電池セル100Bの概略構成を示す説明図である。 本発明の第4実施例としての燃料電池セル100Cの要部断面図である。 第4実施例における燃料電池セル100Cの製造工程を示す説明図である。 積層工程、予熱工程およびプレス工程の様子を示す説明図である。 本発明の第5実施例としての燃料電池セル100Dの要部断面図である。 本発明の第6実施例としての燃料電池セル100Eの要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池セルの構成:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池セル100の概略構成を示す説明図である。図1(a)に、燃料電池セル100の要部断面図を示した。図1(a)では、後述する膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部近傍の様子を示した。また、図1(b)に、膜電極ガス拡散層接合体10の要部断面図を示した。また、図1(c)に、シール部材20の要部断面図を示した。
図1(a)に示したように、第1実施例の燃料電池セル100は、膜電極ガス拡散層接合体10と、膜電極ガス拡散層接合体10を挟持するセパレータ30,40と、セパレータ30,40の間における膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部に接着されたフィルム状のシール部材20と、を備えている。
膜電極ガス拡散層接合体10は、膜電極接合体12のアノード側の表面に接合されたアノード側ガス拡散層14と、膜電極接合体12のカソード側の表面に接合されたカソード側ガス拡散層16と、を備えている。カソード側ガス拡散層16は、膜電極接合体12のカソード側の表面において、膜電極接合体12を挟んでアノード側ガス拡散層14と対向する領域であって、アノード側ガス拡散層14が接合された領域よりも内側の領域に接合されている。つまり、膜電極接合体12は、アノード側ガス拡散層14およびカソード側ガス拡散層16の全面に接合されており、また、カソード側ガス拡散層16が接合された領域から外側に露出している。そして、図1(a),(b)に示したように、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部には、アノード側ガス拡散層14の外周端部14eとカソード側ガス拡散層16の外周端部16eとによって、段差部10sが全周にわたって形成されている。アノード側ガス拡散層14は、[課題を解決するための手段]における第1のガス拡散層に相当する。また、カソード側ガス拡散層16は、[課題を解決するための手段]における第2のガス拡散層に相当する。
膜電極接合体12は、電解質膜の両面に電極(アノード、および、カソード)を接合してなる。本実施例では、電解質膜として、ナフィオン(登録商標)を用いるものとした。電解質膜として、プロトン伝導性を有する他の固体高分子膜を用いるものとしてもよい。また、本実施例では、アノード側ガス拡散層14、カソード側ガス拡散層16として、カーボンクロスを用いるものとした。アノード側ガス拡散層14、カソード側ガス拡散層16として、カーボンペーパー等、導電性およびガス透過性を有する他の部材と用いるものとしてもよい。
セパレータ30は、膜電極ガス拡散層接合体10におけるアノード側ガス拡散層14の表面に積層される。そして、セパレータ30において、膜電極ガス拡散層接合体10におけるアノード側ガス拡散層14との当接面には、アノード側ガス拡散層14の表面に沿って燃料ガスとしての水素を流すための燃料ガス流路32が形成されている。また、セパレータ30のシール部材20とは反対側の表面には、ガスケット34が形成されている。また、セパレータ40は、膜電極ガス拡散層接合体10におけるカソード側ガス拡散層16の表面に積層される。そして、セパレータ40において、膜電極ガス拡散層接合体10におけるカソード側ガス拡散層16との当接面には、カソード側ガス拡散層16の表面に沿って酸化剤ガスとしての空気を流すための酸化剤ガス流路42が形成されている。本実施例では、セパレータ30,40として、金属プレートを用いるものとした。セパレータ30,40として、ガス不透過で導電性を有する他の部材を用いるものとしてもよい。
シール部材20は、図1(a),(c)に示したように、膜電極ガス拡散層接合体10における段差部10sと嵌合する嵌合段差部20sを備えている。本実施例では、嵌合段差部20sは、1枚の絶縁性フィルム22に形成されているものとした。この嵌合段差部20sは、例えば、絶縁性フィルム22の一部をエッチングしたり、押圧して塑性変形させたりすることによって形成される。そして、シール部材20は、絶縁性フィルム22におけるセパレータ30と当接する部位に、セパレータ30と接着するための接着層24を備える。また、シール部材20は、絶縁性フィルム22におけるセパレータ40と当接する部位に、セパレータ40と接着するための接着層26を備える。また、シール部材20は、嵌合段差部20sにおいて、カソード側ガス拡散層16が接合された領域から外側に露出した膜電極接合体12と当接する部位に、膜電極接合体12と接着するための接着層28を備える。絶縁性フィルム22としては、例えば、ポリプロピレンや、ポリエチレン等の樹脂からなる基材を用いることができる。また、接着層24,26,28としては、接着性を付与した熱可塑性樹脂、例えば、シランカップリング剤が配合されたポリプロピレンやポリエチレン、ポリオレフィンに官能基を導入した変性ポリオレフィンを用いることができる。接着性を付与した熱可塑性樹脂の具体的な例示としては、三井化学(株)製のアドマー(登録商標)等を挙げることができる。
上述した第1実施例の燃料電池セル100は、以下に説明する製造工程によって製造することができる。
A2.燃料電池セルの製造工程:
図2は、燃料電池セル100の製造工程を示す説明図である。まず、膜電極ガス拡散層接合体10と、シール部材20と、セパレータ30,40と、を用意する(ステップS100)。次に、膜電極ガス拡散層接合体10における段差部10sと、シール部材20における嵌合段差部20sとを嵌合させて接着する(ステップS110)。そして、膜電極ガス拡散層接合体10およびシール部材20をセパレータ30,40で挟持して、シール部材20とセパレータ30,40とを接着する(ステップS120)。以上の製造工程によって、第1実施例の燃料電池セル100は製造される。
以上説明した第1実施例の燃料電池セル100では、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部に形成された段差部10sと、シール部材20に形成された嵌合段差部20sとが嵌合されて接着される。具体的には、この部分において、膜電極接合体12と絶縁性フィルム22とが接着層28により接着される。このため、カソード側ガス拡散層16から外周端部方向にガスがリークしようとしても絶縁性フィルム22及び接着層28により、リークが抑制される。したがって、アノード側ガス拡散層14、および、カソード側ガス拡散層16の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制することができる。
また、第1実施例の燃料電池セル100では、シール部材20における嵌合段差部20sは、1枚の絶縁性フィルム22に形成されている。したがって、後述する第2実施例の燃料電池セル100Aよりも、シール部材20を構成する部品点数を少なくすることができる。
B.第2実施例:
図3は、本発明の第2実施例としての燃料電池セル100Aの概略構成を示す説明図である。図3(a)に燃料電池セル100Aの要部断面図を示した。図3(a)では、図1(a)と同様に、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部近傍の様子を示した。また、図3(b)に、膜電極ガス拡散層接合体10の要部断面図を示した。また、図3(c)に、シール部材20Aの要部断面図を示した。
図3と図1との比較から分かるように、第2実施例の燃料電池セル100Aは、第1実施例の燃料電池セル100におけるシール部材20の代わりに、シール部材20Aを備える。そして、これ以外の第2実施例の燃料電池セル100Aの構成は、第1実施例の燃料電池セル100の構成と同じである。以下、シール部材20Aについて説明する。
シール部材20Aは、図3(a),(c)に示したように、膜電極ガス拡散層接合体10における段差部10sと嵌合する嵌合段差部20Asを備えている。本実施例では、この嵌合段差部20Asは、互いに形状が異なる2枚の絶縁性フィルム22a,22bを重ね合わせて接着することによって形成されているものとした。そして、シール部材20Aは、絶縁性フィルム22aにおけるセパレータ30と当接する部位に、セパレータ30と接着するための接着層24を備える。また、シール部材20Aは、絶縁性フィルム22bにおけるセパレータ40と当接する部位に、セパレータ40と接着するための接着層26を備える。また、シール部材20Aは、嵌合段差部20Asにおいて、カソード側ガス拡散層16が接合された領域から外側に露出した膜電極接合体12と当接する部位に、膜電極接合体12と接着するための接着層28を備える。この接着層28は、絶縁性フィルム22aと絶縁性フィルム22bとの接着にも利用されている。絶縁性フィルム22a,22bとしては、第1実施例における絶縁性フィルム22と同様に、例えば、ポリプロピレンや、ポリエチレン等の樹脂からなる基材を用いることができる。絶縁性フィルム22a,22bは、[課題を解決するための手段]における第1の絶縁性フィルム、および、第2の絶縁性フィルムに相当する。
なお、上述した第2実施例の燃料電池セル100Aは、図2に示した第1実施例の燃料電池セル100の製造工程と同様の製造工程によって製造することができる。すなわち、第2実施例の燃料電池セル100Aの製造工程では、シール部材20の代わりに、シール部材20Aを用いればよい。
以上説明した第2実施例の燃料電池セル100Aによっても、第1実施例の燃料電池セル100と同様に、アノード側ガス拡散層14、および、カソード側ガス拡散層16の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制することができる。
また、第2実施例の燃料電池セル100Aでは、シール部材20Aにおける嵌合段差部20Asは、互いに形状が異なる絶縁性フィルム22a,22bを重ね合わせて接着することによって形成されている。したがって、シール部材20Aにおける嵌合段差部20Asを比較的容易に、かつ、精度よく形成することができる。
C.第3実施例:
図4は、本発明の第3実施例としての燃料電池セル100Bの概略構成を示す説明図である。図4(a)に燃料電池セル100Bの要部断面図を示した。図4(a)では、図1(a)と同様に、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部近傍の様子を示した。また、図4(b)に、膜電極ガス拡散層接合体10の要部断面図を示した。また、図4(c)に、シール部材20Bの要部断面図を示した。
図4と図1との比較から分かるように、第3実施例の燃料電池セル100Bは、第1実施例の燃料電池セル100におけるシール部材20の代わりに、シール部材20Bを備える。そして、これ以外の第3実施例の燃料電池セル100Bの構成は、第1実施例の燃料電池セル100の構成と同じである。以下、シール部材20Bについて説明する。
シール部材20Bは、図4(a),(c)に示したように、膜電極ガス拡散層接合体10における段差部10sと嵌合する嵌合段差部20Bsを備えている。本実施例では、シール部材20Bは、膜電極接合体12、および、セパレータ30,40と接着することができる単一の部材である接着材25からなる。接着材25としては、第1実施例のシール部材20における接着層24,26,28と同様に、接着性を付与した熱可塑性樹脂、例えば、シランカップリング剤を配合したり、ポリオレフィンに官能基を導入した変性ポリオレフィンを用いることができる。
なお、上述した第3実施例の燃料電池セル100Bは、図2に示した第1実施例の燃料電池セル100の製造工程と同様の製造工程によって製造することができる。すなわち、第3実施例の燃料電池セル100Bの製造工程では、シール部材20の代わりに、シール部材20Bを用いればよい。
以上説明した第3実施例の燃料電池セル100Bによっても、第1実施例の燃料電池セル100と同様に、アノード側ガス拡散層14、および、カソード側ガス拡散層16の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制することができる。
また、第3実施例の燃料電池セル100Bでは、シール部材20Bは、単一の部材である接着材25からなるので、第1,2実施例におけるシール部材20,20Aよりも、リサイクルを容易に行うことができる。また、第1,2実施例におけるシール部材20,20Aを構成する絶縁性フィルム22,22a,22bに接着層24,26,28を形成する工程を省略することができる。
D.第4実施例:
図5は、本発明の第4実施例としての燃料電池セル100Cの要部断面図である。図5では、図1(a)と同様に、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部近傍の様子を示した。図5を図1(a)と比較すると、燃料電池セル100Cの全体が上下方向に反転している。すなわち、図1(a)ではアノード側を上側にカソード側を下側に示しているのに対して、図5ではアノード側を上側にカソード側を下側に示している。44はガスケットであり、カソード側のセパレータ40のシール部材20とは反対側の表面に形成されたものである。
第4実施例の燃料電池セル100Cは、第1実施例の燃料電池セル100と比べて、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部と、嵌合段差部20s(図1(c)参照)を備えるシール部材20との間が弾性接着剤60によって接着されていることが異なる。第4実施例における燃料電池セル100Cのその他の構成は、第1実施例における燃料電池セル100の構成と同一であるので、同一の構成要素については、図5において、図1と同一の符合を付し、その説明を省略する。
弾性接着剤60によって接着される膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部は、詳しくは、アノード側ガス拡散層14の外周端部14e(図1(b)参照)と、カソード側ガス拡散層16の外周端部16e(図1(b)参照)と、膜電極接合体12においてカソード側ガス拡散層16が接合された領域から外側に露出している領域とを含む。シール部材20においては、その膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部とかみ合うシール部材20の内側部分が、弾性接着剤60によって接着されることになる。なお、膜電極接合体12における前記露出している領域を、以下、単に「膜電極接合体露出領域」と呼ぶ。
図6は、第4実施例における燃料電池セル100Cの製造工程(製造方法)を示す説明図である。この製造工程は、ライン生産方式によって実現されるもので、後述するステップを一つの工程ととらえ、それらの工程間を部品を搬送しながら製造がなされる。まず、膜電極ガス拡散層接合体10と、シール部材20と、セパレータ30,40と、を用意する(ステップS200)。このステップS200は、第1実施例におけるステップS100と同一である。なお、図中のステップS200には、シール部材20の要部断面図を示した。ステップS200では、膜電極ガス拡散層接合体10もセパレータ30,40も用意するが、ここではシール部材20だけを図示している。要部断面図に示すように、シール部材20は、第1実施例と同様に、1枚の絶縁性フィルム22に形成されており、アノード側のセパレータ30と接着するための接着層24と、カソード側のセパレータ40と接着するための接着層26と、膜電極接合体露出領域と接着するための接着層28とを備える。
ステップS200の実行後、ステップS200で用意した膜電極ガス拡散層接合体10に液状の弾性接着剤を塗布する(ステップS210)。なお、図中のステップS210には、膜電極ガス拡散層接合体10等の要部断面図を示した。要部断面図に示すように、膜電極接合体露出領域12Eに対して、塗布用ノズル70を用いて弾性接着剤60が塗布される。詳しくは、弾性接着剤60は、塗布ロボットにより塗布されたり、1または複数のディスペンサーを用いて搬送と同時に塗布される。弾性接着剤60としては、塗布する際には液状で、硬化後は弾性を有する接着剤、例えば、ポリイソブチレン、もしくはシリコーン等を用いる。
次に、膜電極ガス拡散層接合体10における段差部10sと、シール部材20における嵌合段差部20sとを嵌合させて接着する(ステップS220)。なお、図中のステップS220には、嵌合した膜電極ガス拡散層接合体10とシール部材20の要部断面図を示した。このステップS220は、第1実施例におけるステップS110と同様の作業を行うものではあるが、この第4実施例では、膜電極接合体露出領域12Eの上部に液状の弾性接着剤60が存在することから、弾性接着剤60は広がって、要部断面図に示すように、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部とシール部材20との間に充填され、その後、硬化される。この硬化は、段差部10sと嵌合段差部20sとが嵌合する部分周辺を加熱することによってなされ、その結果、嵌合する部分が接着される。なお、弾性接着剤60の材料によっては、紫外線(UV)を照射することによって硬化する構成とすることもできる。UV硬化を採用することで、硬化時間の短縮を図ることができる。
なお、弾性接着剤60は、前述したように、ポリイソブチレン、もしくはシリコーン等を用いているが、さらに、直径が30−100μm程度であるビーズを含ませた構成としてもよい。前記の弾性接着剤60が広がる際にビーズがスペーサの役目を果たすことで、接着剤の厚みを所定量確保することができる。ステップS220までの工程によって、膜電極ガス拡散層接合体10とシール部材20の接合体(以下「サブアッセンブリ」と呼ぶ)SBが得られる。
ステップS220の実行後、ステップS220によって得られたサブアッセンブリSBをセパレータ30,40で挟持し(積層工程:ステップS230)、その後、全体を加熱し(予熱工程:ステップS240)。その後、セパレータ30,40を両側から押圧する(プレス工程:ステップS250)。
図7は、積層工程、予熱工程、およびプレス工程の様子を示す説明図である。図示するように、積層工程、予熱工程、プレス工程の順にラインが進んでいる。図中の破線は、ラインを形成するコンベアCBである。積層工程では、一方のセパレータ30の上にサブアッセンブリSBを載せ、サブアッセンブリSBの上に他方のセパレータ40を載せる。
積層工程で得られた積層体STは、予熱工程に送られる。予熱工程では、積層体STを加熱炉HTに入れて、積層体STの全体を加熱する。加熱温度は、例えば120−180℃である。予熱工程の終了後、積層体STは、プレス工程に送られる。プレス工程では、積層体STが両側から加圧圧縮される。加圧力は、例えば10−50kNである。なお、このプレス工程では、特に加温は行わない。図6に戻り、ステップS250のプレス工程の実行後、この製造工程は終了する。
以上の製造工程によって、第4実施例の燃料電池セル100Cは製造される。この製造工程によれば、予熱工程の後にプレス工程というように、予熱工程とプレス工程とが分離されている。この分離は、セパレータ30と接着するための接着層24と、セパレータ40と接着するための接着層26とが熱可塑性樹脂である特性を活かしたことによるもので、生産ラインにおけるサイクルタイムを短縮することができる。
前述した燃料電池セル100Cの製造工程は、予熱工程として、積層体STの全体を加熱する構成であったが、これに換えて、積層体STの一部分であるセパレータ30、40を近赤外法や誘導加熱法によって加熱する構成としてもよい。さらには、積層工程、予熱工程、プレス工程の順に換えて、予熱工程を一番に行って、積層工程とプレス工程とを同時に行う構成としてもよい。詳しくは、セパレータを近赤外法や誘導加熱法によって加熱し、その後、セパレータをサブアッセンブリSBと積層すると同時にプレスを行う構成としてもよい。この構成によっても、予熱工程とプレス工程とが分離されており、サイクルタイムを短縮することができる。
以上説明した第4実施例の燃料電池セル100Cによっても、第1実施例の燃料電池セル100と同様に、アノード側ガス拡散層14、および、カソード側ガス拡散層16の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制することができる。さらに、この燃料電池セル100Cによれば、電解質膜の周縁部、特に膜電極接合体露出領域12Eの膜部分が膨張収縮することによって電解質膜が破断することを防止することができる。
E.第5実施例:
図8は、本発明の第5実施例としての燃料電池セル100Dの要部断面図である。第4実施例の燃料電池セル100Cは第1実施例の燃料電池セル100に対して弾性接着剤60を設けた構成であったが、この第5実施例の燃料電池セル100Dは第2実施例の燃料電池セル100A(図3)に対して弾性接着剤60Dを設けた構成である。すなわち、この第5実施例の燃料電池セル100Dは、シール部材20Aが1枚の絶縁性フィルム22a,22bを含む構成において、弾性接着剤60Dを設けた構成である。
図8では、図3(a)と同様に、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部近傍の様子を示した。図8を図3(a)と比較すると、燃料電池セル100Dの全体が上下方向に反転している。すなわち、図3(a)ではアノード側を上側にカソード側を下側に示しているのに対して、図8ではアノード側を上側にカソード側を下側に示している。
第5実施例の燃料電池セル100Dは、第2実施例の燃料電池セル100Aと比べて、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部と、嵌合段差部20As(図3(c)参照)を備えるシール部材20Aとの間が弾性接着剤60Dによって接着されていることが異なる。第5実施例における燃料電池セル100Dのその他の構成は、第2実施例における燃料電池セル100Aの構成と同一であるので、同一の構成要素については、図8において、図3と同一の符合を付し、その説明を省略する。
なお、上述した第5実施例の燃料電池セル100Dは、図6に示した第4実施例の燃料電池セル100Dの製造工程と同様の製造工程によって製造することができる。すなわち、第5実施例の燃料電池セル100Dの製造工程では、シール部材20の代わりに、シール部材20Aを用いればよい。第4実施例における製造工程の変形例も、第5実施例の変形例として採用することができる。
以上説明した第5実施例の燃料電池セル100Dによっても、第2実施例の燃料電池セル100Aと同様に、アノード側ガス拡散層14、および、カソード側ガス拡散層16の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制することができる。また、この燃料電池セル100Dによれば、電解質膜の周縁部、特に膜電極接合体露出領域12Eの膜部分が膨張収縮することによって電解質膜が破断することを防止することができる。さらに、第5実施例の燃料電池セル100Dの製造工程によれば、第4実施例の製造工程と同様に、予熱工程とプレス工程とが分離して、サイクルタイムを短縮することができる。
F.第6実施例:
図9は、本発明の第6実施例としての燃料電池セル100Eの要部断面図である。第4実施例の燃料電池セル100Cは第1実施例の燃料電池セル100に対して弾性接着剤60を設けた構成であったが、この第6実施例の燃料電池セル100Eは第3実施例の燃料電池セル100B(図4)に対して弾性接着剤60Eを設けた構成である。すなわち、この第6実施例の燃料電池セル100Eは、シール部材20Bが単一の部材である接着材25からなる構成において、弾性接着剤60Eを設けた構成である。
図9では、図4(a)と同様に、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部近傍の様子を示した。図9を図4(a)と比較すると、燃料電池セル100Eの全体が上下方向に反転している。すなわち、図4(a)ではアノード側を上側にカソード側を下側に示しているのに対して、図9ではアノード側を上側にカソード側を下側に示している。
第6実施例の燃料電池セル100Eは、第3実施例の燃料電池セル100Cと比べて、膜電極ガス拡散層接合体10の周縁部と、嵌合段差部20Bs(図4(c)参照)を備えるシール部材20Bとの間が弾性接着剤60Eによって接着されていることが異なる。第6実施例における燃料電池セル100Eのその他の構成は、第3実施例における燃料電池セル100Bの構成と同一であるので、同一の構成要素については、図9において、図4と同一の符合を付し、その説明を省略する。
なお、上述した第6実施例の燃料電池セル100Eは、図6に示した第4実施例の燃料電池セル100Dの製造工程と同様の製造工程によって製造することができる。すなわち、第6実施例の燃料電池セル100Eの製造工程では、シール部材20の代わりに、シール部材20Bを用いればよい。第4実施例における製造工程の変形例も、第6実施例の変形例として採用することができる。
以上説明した第6実施例の燃料電池セル100Eによっても、第3実施例の燃料電池セル100Bと同様に、アノード側ガス拡散層14、および、カソード側ガス拡散層16の外周端部における電極間でのクロスリークを抑制することができる。また、この燃料電池セル100Eによれば、電解質膜の周縁部、特に膜電極接合体露出領域12Eの膜部分が膨張収縮することによって電解質膜が破断することを防止することができる。さらに、第6実施例の燃料電池セル100Eの製造工程によれば、第4実施例の製造工程と同様に、予熱工程とプレス工程とが分離して、サイクルタイムを短縮することができる。
G.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
G1.変形例1:
例えば、上記第1実施例では、シール部材20は、接着層24,26を備えるものとしたが、本発明は、これに限られない。シール部材20において、接着層24,26の少なくとも一方を備えないものとしてもよい。ただし、シール部材20が接着層24,26を備えることによって、シール部材20を構成する絶縁性フィルム22やセパレータ30,40に接着剤を塗工することなく、シール部材20(絶縁性フィルム22)とセパレータ30,40とを簡易に接着することができる。
G2.変形例2:
上記実施例では、図2に示した燃料電池セル100の製造工程において、ステップS110の工程と、ステップS120の工程とを、別々に行うものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、セパレータ40の表面に、シール部材20と膜電極ガス拡散層接合体10と、セパレータ30とを積層して、ステップS110の工程と、ステップS120の工程とを同時に行うようにしてもよい。
G3.変形例3:
上記実施例では、膜電極ガス拡散層接合体10において、カソード側ガス拡散層16が、膜電極接合体12のカソード側の表面において、膜電極接合体12を挟んでアノード側ガス拡散層14と対向する領域であって、アノード側ガス拡散層14が接合された領域よりも内側の領域に接合されているものとしたが、本発明は、これに限られない。膜電極ガス拡散層接合体10において、アノード側ガス拡散層14が、膜電極接合体12のアノード側の表面において、膜電極接合体12を挟んでカソード側ガス拡散層16と対向する領域であって、カソード側ガス拡散層16が接合された領域よりも内側の領域に接合されているものとしてもよい。
100,100A,100B…燃料電池セル
10…膜電極ガス拡散層接合体
10s…段差部
12…膜電極接合体
14…アノード側ガス拡散層
14e…外周端部
16…カソード側ガス拡散層
16e…外周端部
20,20A,20B…シール部材
20s,20As,20Bs…嵌合段差部
22,22a,22b…絶縁性フィルム
24,26,28…接着層
25…接着材
30…セパレータ
32…燃料ガス流路
34…ガスケット
40…セパレータ
42…酸化剤ガス流路
60,60D,60E…弾性接着剤

Claims (8)

  1. 燃料電池セルであって、
    電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両面に接合されたガス拡散層と、を有する膜電極ガス拡散層接合体と、
    前記膜電極ガス拡散層接合体を挟持する一対のセパレータと、
    前記一対のセパレータの間における前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部に接着されたフィルム状のシール部材と、
    を備え、
    前記膜電極ガス拡散層接合体は、前記ガス拡散層として、
    前記膜電極接合体の一方の表面に接合された第1のガス拡散層と、
    前記膜電極接合体の他方の表面において、前記膜電極接合体を挟んで前記第1のガス拡散層と対向する領域であって、前記第1のガス拡散層が接合された領域よりも内側の領域に接合された第2のガス拡散層と、
    を備えており、
    前記シール部材は、
    前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部に形成された段差部であって、前記第1のガス拡散層の外周端部と前記第2のガス拡散層の外周端部とによって形成された段差部と嵌合する嵌合段差部を備えるとともに、
    前記嵌合段差部において、前記第2のガス拡散層が接合された領域から外側に露出した前記膜電極接合体と当接する部位に、前記膜電極接合体と接着するための接着層を備える、
    燃料電池セル。
  2. 請求項1記載の燃料電池セルであって、
    前記シール部材における前記嵌合段差部は、互いに形状が異なる第1の絶縁性フィルムと第2の絶縁性フィルムとを重ね合わせて接着することによって形成されている、
    燃料電池セル。
  3. 請求項1記載の燃料電池セルであって、
    前記シール部材における前記嵌合段差部は、1枚の絶縁性フィルムに形成されている、
    燃料電池セル。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池セルであって、
    前記シール部材は、さらに、前記セパレータと当接する部位に、前記セパレータと接着するための接着層を備える、
    燃料電池セル。
  5. 請求項1記載の燃料電池セルであって、
    前記シール部材は、前記膜電極接合体と接着することができる単一の部材からなる、
    燃料電池セル。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料電池セルであって、
    前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部と、前記嵌合段差部を備える前記シール部材との間が弾性接着剤によって接着された、燃料電池セル。
  7. 燃料電池セルの製造方法であって、
    電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の表面に接合された第1のガス拡散層と、前記膜電極接合体の他方の表面において、前記膜電極接合体を挟んで前記第1のガス拡散層と対向する領域であって、前記第1のガス拡散層が接合された領域よりも内側の領域に接合された第2のガス拡散層と、を有する膜電極ガス拡散層接合体を用意する工程と、
    前記膜電極ガス拡散層接合体を挟持する一対のセパレータを用意する工程と、
    前記一対のセパレータの間における前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部に接着されるフィルム状のシール部材であって、前記膜電極ガス拡散層接合体の周縁部において、前記第1のガス拡散層の外周端部と前記第2のガス拡散層の外周端部とによって形成される段差部と嵌合する嵌合段差部を備えるとともに、前記嵌合段差部において、前記第2のガス拡散層が接合された領域から外側に露出した前記膜電極接合体と当接する部位に、前記膜電極接合体と接着するための接着層を備えるシール部材を用意する工程と、
    前記膜電極ガス拡散層接合体における前記段差部と、前記シール部材における前記嵌合段差部とを嵌合させて接着する工程と、
    前記膜電極ガス拡散層接合体および前記シール部材を前記一対のセパレータで挟持して、前記シール部材と前記一対のセパレータとを接着する工程と、
    を備える燃料電池セルの製造方法。
  8. 請求項7に記載の燃料電池セルの製造方法あって、
    前記シール部材と前記一対のセパレータとを接着する工程は、
    前記シール部材を加熱することを予め行う予熱工程と、
    前記予熱工程の終了後、前記一対のセパレータを押圧するプレス工程と
    を含む燃料電池セルの製造方法。
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