JP2017117759A - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

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Masashi Shoji
昌史 庄司
幸博 島崎
Yukihiro Shimasaki
幸博 島崎
敬一 近藤
Keiichi Kondo
敬一 近藤
匡志 藤澤
Tadashi Fujisawa
匡志 藤澤
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Abstract

【課題】シール部の枠体または接着層の変形制御により安全性を向上できる、高分子電解質型燃料電池を提供する。
【解決手段】高分子電解質型燃料電池は、アノードと、カソードと、これらの間に介在する中央領域および中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、周縁領域とアノード側のセパレータとの間に介在するアノード側シール部と、周縁領域とカソード側のセパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備する。アノード側シール部および/またはカソード側シール部は、枠体と、枠体の周縁領域側に配された第1接着層と、枠体のセパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、第1接着層は、融点T1を有する第1熱可塑性樹脂を含み、第2接着層は、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含み、T1>T2を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子電解質膜と枠体との間や枠体とセパレータとの間に、接着層を有する高分子電解質型燃料電池に関する。
高分子電解質型燃料電池は、アノードと、カソードと、アノードおよびカソードの間に介在する高分子電解質膜とを有する膜電極接合体(MEA)を含む。高分子電解質膜は、薄く、非常に柔らかいため、ハンドリング性に劣る。そのため、燃料電池を組み立てる際には、一般に、予め高分子電解質膜の周縁にシール部材を接着して補強している。
例えば、特許文献1では、高分子電解質膜の電極の触媒層から周囲にはみ出している部分にシール部材(第1シール部材)を貼り付け、このシール部材を介してフレームで支持している。そして、MEAをフレームごと、アノード側セパレータおよびカソード側セパレータで挟持して一体化する際に、フレームとセパレータとの間にもシール部材(第2シール部材)を介在させ、熱圧着している。
特開2007−188718号公報
特許文献1では、MEAをフレーム(枠体)で補強した後に、第2シール部材を介してセパレータが配される。第2シール部材を用いた接着は熱圧着による。セパレータとフレームとを第2シール部材を介して熱圧着すると、このときの熱と圧力で、フレームや、フレームと高分子電解質膜との間に存在する第1シール部材が変形し、燃料電池の性能が低下する。
本発明の目的は、枠体やシール部の接着層の変形制御により安全性を向上できる、高分子電解質型燃料電池を提供することである。
本発明の一局面は、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在する中央領域および前記中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、
前記アノードを囲むとともに、前記周縁領域と前記アノード側の前記セパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
前記カソードを囲むとともに、前記周縁領域と前記カソード側の前記セパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備し、
前記アノード側シール部および前記カソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、前記枠体の前記周縁領域側に配された第1接着層と、前記枠体の前記セパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、
前記第1接着層は、融点T1を有する第1熱可塑性樹脂を含み、
前記第2接着層は、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含み、
T1>T2を満たす、高分子電解質型燃料電池に関する。
本発明の他の局面は、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在する中央領域および前記中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、
前記アノードを囲むとともに、前記周縁領域と前記アノード側の前記セパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
前記カソードを囲むとともに、前記周縁領域と前記カソード側の前記セパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備し、
前記アノード側シール部および前記カソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、前記枠体の前記セパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、
前記枠体は、融点T3を有する第3熱可塑性樹脂を含み、
前記第2接着層は、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含み、
T3>T2を満たす、高分子電解質型燃料電池に関する。
本発明のさらに他の局面は、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在する中央領域および前記中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、
前記アノードを囲むとともに、前記周縁領域と前記アノード側の前記セパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
前記カソードを囲むとともに、前記周縁領域と前記カソード側の前記セパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備し、
前記アノード側シール部および前記カソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、前記枠体の前記周縁領域側に配された第1接着層と、前記枠体の前記セパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、
前記第1接着層のショア硬度D1は、63以上78以下であり、
前記第2接着層のショア硬度D2は、63以上78以下であり、
D1>D2を満たす、高分子電解質型燃料電池に関する。
本発明の別の局面は、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在する中央領域および前記中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、
前記アノードを囲むとともに、前記周縁領域と前記アノード側の前記セパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
前記カソードを囲むとともに、前記周縁領域と前記カソード側の前記セパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備し、
前記アノード側シール部および前記カソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、前記枠体の前記セパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、
前記枠体のショア硬度D3は、63以上78以下であり、
前記第2接着層のショア硬度D2は、63以上78以下であり、
D3>D2を満たす、高分子電解質型燃料電池に関する。
本発明に係る高分子電解質型燃料電池によれば、高分子電解質膜の周縁領域側に配されたシール部の枠体または接着層の変形を制御することにより安全性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る高分子電解質型燃料電池を概略的に示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る高分子電解質型燃料電池を概略的に示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る高分子電解質型燃料電池を概略的に示す縦断面図である。 高分子電解質型燃料電池に使用されるセパレータとガス拡散層とを重ねた状態を示す概略平面図である。 図4のセパレータに重ねて配置する第2接着層の概略平面図である。 図4のセパレータに図5の第2接着層を重ねた状態を示す概略平面図である。
本発明の実施形態に係る高分子電解質型燃料電池は、
アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に介在する中央領域および中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体(MEA)と、
MEAを挟持する一対のセパレータと、
アノードを囲むとともに、周縁領域とアノード側のセパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
カソードを囲むとともに、周縁領域とカソード側のセパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備する。
第1実施形態では、アノード側シール部およびカソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、枠体の周縁領域側に配された第1接着層と、枠体のセパレータ側に配された第2接着層と、を具備する。そして、第1接着層は、融点T1を有する第1熱可塑性樹脂を含み、第2接着層は、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含み、T1>T2を満たす。
第2実施形態では、アノード側シール部およびカソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、枠体の周縁領域側に配された第1接着層と、枠体のセパレータ側に配された第2接着層と、を具備する。そして、第1接着層のショア硬度D1は、63以上78以下であり、第2接着層のショア硬度D2は、63以上78以下であり、D1>D2を満たす。
第3実施形態では、アノード側シール部およびカソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、枠体のセパレータ側に配された第2接着層と、を具備する。そして、枠体は、融点T3を有する第3熱可塑性樹脂を含み、第2接着層は、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含み、T3>T2を満たす。
第4実施形態では、アノード側シール部およびカソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、枠体のセパレータ側に配された第2接着層と、を具備する。そして、枠体のショア硬度D3は、63以上78以下であり、第2接着層のショア硬度D2は、63以上78以下であり、D3>D2を満たす。
高分子電解質型燃料電池は、例えば、
(i)アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に介在する中央領域および中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備するMEAを準備する工程と、
(ii)周縁領域の両側に、それぞれ、枠体を配置し、枠体と周縁領域とを接合する工程と、
(iii)MEAをアノード側セパレータおよびカソード側セパレータで挟持する工程と、を具備する製造方法により製造される。
第1実施形態および第2実施形態に係る高分子電解質型燃料電池を製造する場合には、工程(ii)において、第1接着層を介して枠体を配置し、枠体と周縁領域とを第1接着層により接合する。このとき、第1接着層を加熱することが好ましい。また、工程(iii)では、枠体とアノード側セパレータおよびカソード側セパレータとの間に、第2接着層を介在させ、枠体とアノード側セパレータおよびカソード側セパレータとを第2接着層により接合する。このとき、第2接着層を加熱することが好ましい。
第3実施形態および第4実施形態に係る高分子電解質型燃料電池を製造する場合には、工程(ii)において、枠体を加熱して、枠体と周縁領域とを接合することが好ましい。また、工程(iii)では、枠体とアノード側セパレータおよびカソード側セパレータとの間に、第2接着層を介在させ、枠体とアノード側セパレータおよびカソード側セパレータとを第2接着層により接合する。このとき、第2接着層を加熱することが好ましい。
燃料電池を組み立てる際には、高分子電解質膜の、アノード側触媒層2a、カソード側触媒層3aの周縁からはみ出している部分を枠体で補強する。第1実施形態および第2実施形態では、このとき、第1接着層を介して枠体で補強する。次いで、枠体とセパレータとを第2接着層を介して接合させる。この接合を熱圧着により行うと、熱と圧力で枠体や第1接着層が変形したり、流れ出たりすることがある。第1実施形態では、T1>T2とすることにより、枠体とセパレータとを第2接着層を介して接合させる際に、第1接着層が変形したり、流れ出たりすることを抑制できる。第3実施形態では、T3>T2とすることにより、枠体とセパレータとを第2接着層を介して接合する際に、枠体が変形したり、流れ出たりすることが抑制される。
燃料電池の動作時に異常が発生し、熱暴走した場合、第1接着層や枠体の変形や流出が起こると、高分子電解質膜が露出する場合がある。一般に、高分子電解質膜が露出すると、水素のクロスリークが起こることで、熱暴走が加速し易くなり、高分子電解質膜に穴が開いて危険度が増す。しかし、本発明では、図4に示すようなマニホールド21とアノードあるいはカソードをつなぐガス流路22を形成しているセパレータ9aに重ねるように、図5に示す第2接着層6aが配置される(図6)。このとき、熱圧着時に第2接着層6aがガス流路22を塞がないように、ガス流路22と第2接着層6aの間に板状体を挟むこともある。燃料電池に異常が発生し過度に高温になると、第1接着層が溶融する前に第2接着層が溶融し、マニホールド21とアノードあるいはカソードをつなぐガス流路22を塞ぐため、燃料電池を安全に停止させることができる。また、上記板状体がある場合も、マニホールド21とガス流路22との接続部、ガス流路22とアノード側ガス拡散層2bまたはカソード側ガス拡散層3bとの接続部を塞ぎ、燃料電池を安全に停止させることができる。そのため、第1接着層や枠体の変形や溶融による高分子電解質膜の露出を防止することができる。
また、融点が高い第1接着層や融点が高い枠体は弾性変形し難いため、高分子電解質膜の変形を抑制し易い。一方、セパレータは、硬度が比較的高い材質で形成されるため、セパレータと第2接着層との硬度差や線膨張係数差は大きくなる傾向がある。本発明では、第1接着層や枠体に比べて弾性変形し易い材料で第2接着層を構成することで、セパレータと第2接着層との間に生じる応力分布を緩和し易くなる。
第1実施形態において、枠体が、融点T3を有する第3熱可塑性樹脂を含む場合、T3>T2を満たすことが望ましい。T3がT2よりも高いことで、枠体をセパレータと熱圧着させる際に、枠体の変形を抑制し易い。
第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂としては、それぞれ、変性ポリオレフィンが好ましい。この場合、高分子電解質膜および枠体間、ならびに枠体およびセパレータ間の接合がさらに容易になる。また、第1接着層と第2接着層とが接触する場合には、両者の相溶性が高いことで、接合し易くなる。
T1(またはT3)は、T2より10℃以上高いことが好ましい。T1(またはT3)とT2との差(融点差)は、好ましくは10℃以上であり、15℃以上または20℃以上であることがさらに好ましい。融点差がこのような範囲である場合、第1接着層や枠体の変形や流出をさらに抑制し易くなる。また、第2接着層による応力緩和効果がさらに高くなるとともに、熱暴走を抑制する効果をさらに高めることもできる。
T2は100℃以上であることが好ましく、T1(またはT3)は170℃以下であることが好ましい。燃料電池の通常動作温度は70〜90℃程度であるので、T2が100℃以上であれば、燃料電池の通常動作時に第2接着層が損傷を受けにくくなる。また、T1(またはT3)が170℃以下であることで、CCMの劣化が起こり難い温度で熱圧着を容易に行うことができる。
アノード側ガス拡散層およびカソード側ガス拡散層の少なくとも一方と、枠体と、の間には隙間が形成される場合がある。このような隙間が形成されると、ガスが電極を通らずに電極の外側に回り込んでマニホールド入口部から出口部に達してしまい、発電効率が低下する。具体的なガスの回り込み流路23を図6に示す。上記の隙間の少なくとも一部において、第1接着層と第2接着層とを接触させてもよい。また、上記の隙間の少なくとも一部に、上記の硬化物を充填させてもよい。これらの場合、ガスが電極の外側に回りこむことを抑制することができる。
燃料電池では、通常、複数の単セルが積層されており、各単セルのセパレータの高分子電解質膜とは反対側の表面には冷却水を流すための冷却水流路が形成されている。そして、隣接する2つの単セルにおける各セパレータの周縁領域の間には、冷却水をシールするための冷却水シール層が配設されている。このような燃料電池では、(a)燃料電池の薄型化が追求されており、設計によっては、セパレータの最薄部が0.1mm程度となることがある。また、(b)冷却水シール層の材料として、ゴム系材料(エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレン(PIB)等)を用いる場合、例えば、冷却水シール層に、所定の線圧(例えば、10N/mmの線圧)がかかるように冷却水シール層を圧縮変形させて、冷却水シール層の反力により2つのセパレータ間のシール性を得ることができる。
上記の(a)および(b)を両立させるためには、セパレータの冷却水シール層とは反対側に設けられたガスシール層(第1接着層、第2接着層)を硬くする必要がある。なぜなら、上記の線圧により、セパレータやガスシール層(第1接着層、第2接着層)が変形して、冷却水シール層を十分に圧縮できないことがあるためである。冷却水シール層の圧縮が不十分であると、例えば、冷却水シール層のマニホールド用シール部等から冷却水のリークが発生する。また、ガスシール層(第1接着層、第2接着層)の硬度が大きすぎる(すなわち、硬すぎる)場合、ガスシール層がセパレータの熱膨張に追従できず、ガスシール層(第2接着層)とセパレータとの界面で剥離が発生することがある。
第2実施形態では、第1接着層および第2接着層のショア硬度D(ショア硬度D1およびショア硬度D2)を、第4実施形態では、枠体および第2接着層のショア硬度D(D3およびD2)を、それぞれ、63以上にするため、冷却水シール層を十分に圧縮することができる。また、ショア硬度D1(またはD3)およびD2を78以下とするため、第2接着層とセパレータとの界面における剥離を抑制できる。さらに、D1>D2またはD3>D2とすることにより、複数の単セルを締結する時の応力のばらつきを、第1接着層や枠体よりも第2接着層で多く吸収させることができるため、第1接着層の変形を抑制できる。よって、高分子電解質膜の変形を抑制することができ、安全性を確保することができる。
なお、ショア硬度Dは、JIS K6253またはASTMD2240のタイプDデュロメータを用いて測定される硬度である。
一般に、単セルを形成した時点で、僅かながら、高分子電解質膜の周縁領域における単セルの厚さのばらつきが発生する。このような面内における膜厚のばらつきが生じた単セルを多層積層し、加圧締結すると、面内応力が不均一になる。本発明では、第1接着層(または枠体)に比べて第2接着層が変形し易いため、第2接着層により応力のばらつきを吸収緩和させることができ、これにより高分子電解質膜の変形を抑制することができる。
以下に、本発明に係る高分子電解質型燃料電池およびその製造方法について、適宜図面を参照しながら、より詳細に説明する。
[高分子電解質型燃料電池]
高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池とも言う)は、MEAと、MEAを挟持する一対のセパレータと、アノード側シール部と、カソード側シール部と、を含む。MEAは、アノードおよびカソードと、これらの間に介在する高分子電解質膜とを備えている。アノードは、少なくともアノード側触媒層を含んでいればよく、アノード側触媒層とアノード側拡散層とを合わせてアノードと称する場合もある。カソードは、少なくともカソード側触媒層を含んでいればよく、カソード側触媒層とカソード側拡散層とを合わせてカソードと称する場合もある。高分子電解質膜は、アノード側触媒層とカソード側触媒層とで挟持されており、アノード側触媒層とカソード側触媒層とこれらの間に介在する高分子電解質膜とを膜触媒層接合体(CCM)と呼ぶことがある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る高分子電解質型燃料電池を概略的に示す縦断面図である。
高分子電解質型燃料電池は、アノード2と、カソード3と、これらの間に介在する高分子電解質膜1と、を備える膜電極接合体(MEA)4Aを含む。アノード2は、アノード側触媒層2aと、アノード側触媒層2aを覆うアノード側ガス拡散層2bとを備える。カソード3は、カソード側触媒層3aと、カソード側触媒層3aを覆うカソード側ガス拡散層3bとを備える。アノード側触媒層2aと、カソード側触媒層3aと、これらの間に介在する高分子電解質膜1とは、膜触媒層接合体(CCM)4Bを構成している。高分子電解質膜1は、高分子電解質膜1の面方向における中央に位置する中央領域1aと、中央領域1aを囲む周縁領域1bとを有する。周縁領域1bは、中央領域1aの周縁をループ状に囲んでいる。
アノード側ガス拡散層2bは、アノード2に供給される燃料を拡散させるものであり、アノード側触媒層2aに接するように配される。カソード型ガス拡散層3bは、カソード3に供給される酸化剤を拡散させるものであり、カソード側触媒層3aに接するように配される。
燃料電池は、一対のセパレータ9aおよび9bを備えており、これらのセパレータ9aおよび9bにより、MEA4Aが挟持されている。つまり、セパレータ9aおよび9bにより、アノード側ガス拡散層2bおよびカソード側ガス拡散層3bを介してCCM4Bが挟持されている。アノード側セパレータ9aは、アノード側ガス拡散層2bに接するように配され、カソード側セパレータ9bは、カソード側ガス拡散層3bに接するように配されている。
燃料電池は、さらに、アノード側触媒層2aおよびカソード側触媒層3aの周縁からはみ出た高分子電解質膜1の周縁領域1bを挟む一対のシール部8a、8bを備えている。アノード側シール部8aは、アノード側ガス拡散層2b(およびアノード側触媒層2a)を囲むように、高分子電解質膜1の周縁領域1bとアノード側セパレータ9aとの間に介在している。カソード側シール部8bは、カソード側ガス拡散層3b(およびカソード側触媒層3a)を囲むように、周縁領域1bとカソード側セパレータ9bとの間に介在している。
アノード側シール部8aは、枠体7aと、枠体7aの周縁領域1b側(つまり、高分子電解質膜1側)に配された第1接着層5aと、枠体7のセパレータ9a側に配された第2接着層6aとを含む。カソード側シール部8bは、枠体7bと、枠体7bの周縁領域1b側(つまり、高分子電解質膜1側)に配された第1接着層5bと、枠体7bのセパレータ9b側に配された第2接着層6bとを含む。
本発明の第1実施形態では、第1接着層は、融点T1を有する第1熱可塑性樹脂を含む。第2接着層が、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含み、T1>T2を満たす。アノード側シール部8aおよびカソード側シール部8bの少なくとも一方が、第1実施形態の構成を有していればよく、双方がこのような構成を有していてもよい。第1実施形態では、上述のように、セパレータと枠体とを第2接着層を介して接合させる際に、第1接着層の変形や流出を抑制することができる。
図1では、枠体7aと、アノード2(具体的には、アノード側触媒層2aおよびアノード側ガス拡散層2b)との間には、隙間が形成されている。そして、この隙間では、第1接着層5aと第2接着層6aとが接触している。第1接着層5aと第2接着層6aとは、隙間の少なくとも一部において接触していればよい。カソード側もアノード側と同様である。つまり、枠体7bと、カソード3(具体的には、カソード側触媒層3aおよびカソード側ガス拡散層3b)との間には、隙間が形成されており、この隙間の少なくとも一部では、第1接着層5bと第2接着層6bとが接触している。
図2は、第1実施形態の変形例に係る高分子電解質型燃料電池を概略的に示す縦断面図である。図2は、枠体が、繊維シートと、繊維シートに含浸された熱硬化性樹脂(第1熱硬化性樹脂)の硬化物と、を含む場合に適した構成である。ガス拡散層2bおよび3b、ならびにアノード側触媒層2aおよびカソード側触媒層3aのそれぞれの厚みの関係が図1とは少し異なるが、図2において、図1と同じ機能を有する要素には、同じ符号を付している。
図2において、アノード側シール部18aは、枠体17aと、枠体17aの周縁領域1b側(つまり、高分子電解質膜1側)に配された第1接着層15aと、枠体17aのセパレータ9a側に配された第2接着層16aとを含む。カソード側シール部18bは、枠体17bと、枠体17bの周縁領域1b側(つまり、高分子電解質膜1側)に配された第1接着層15bと、枠体17bのセパレータ9b側に配された第2接着層16bとを含む。アノード側触媒層2aを囲むように、第1接着層15aが配され、アノード側ガス拡散層2bを囲むように、枠体17aおよび第2接着層16aが配されている。カソード側も同様に、カソード側触媒層3aを囲むように、第1接着層15bが配され、カソード側ガス拡散層3bを囲むように、枠体17bおよび第2接着層16bが配されている。
図2では、枠体17aおよび17bは、それぞれ、ループ形状の繊維シートと、繊維シートに含浸された第1熱硬化性樹脂の硬化物とを含んでいる。このような構成の場合、図2に示されるように、枠体17aとアノード側ガス拡散層2bとの間には、図1のような隙間が形成され難い。そのため、第1接着層15aと第2接着層16aとは、枠体17aにより分離された状態である。カソード側もアノード側と同様であり、第1接着層15bと第2接着層16bとは、枠体17bにより分離された状態である。なお、枠体17aがアノード2の外周部の少なくとも一部と接しているか、および/または枠体17bがカソード3の外周部の少なくとも一部と接している構造であれば良い。このような構造である場合、電極の外側へのガスの回り込みを抑制し易くなる。
以下、各構成要素について具体的に説明する。
(MEA)
燃料電池において、MEAは、アノードと、カソードと、これらの間に介在する高分子電解質膜とを含む。MEAに含まれるCCMは、アノード側触媒層と、カソード側触媒層と、これらの間に介在する高分子電解質膜とを含む。MEAにおいて、アノード側触媒層は、アノード側ガス拡散層で覆われており、カソード側触媒層は、カソード側ガス拡散層で覆われている。
本発明の特徴は、アノード側シール部およびカソード側シール部にあり、それ以外の構成(例えば、CCMやMEA)としては公知のものが特に制限なく使用できる。
アノード触媒層およびカソード触媒層は、それぞれイオン交換樹脂および触媒粒子、場合によって触媒粒子を担持する炭素粒子を含む。アノード触媒層およびカソード触媒層に含まれるイオン交換樹脂は、触媒粒子と高分子電解質膜とを接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を果たす。このイオン交換樹脂としては、例えば、高分子電解質膜を構成する高分子材料が使用できる。このような高分子材料としては、パーフルオロスルホン酸系高分子、炭化水素系高分子などが例示される。
触媒粒子としては、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列の元素の中から選ばれる合金や単体といった触媒金属が挙げられる。
炭素粒子としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
アノード触媒層およびカソード触媒層の厚さは、それぞれ、例えば、10μm以上40μm以下である。
アノード側ガス拡散層およびカソード側ガス拡散層に含まれる導電性撥水層は、導電剤と撥水剤を含む。導電性撥水層に含まれる導電剤としては、カーボンブラックなど、燃料電池の分野で使用される公知の材料を特に制限なく用いることができる。導電性撥水層に含まれる撥水剤は、ポリテトラフルオロエチレンなど、燃料電池の分野で使用される公知の材料を特に制限なく用いることができる。
基材層としては、導電性の多孔質材料が用いられる。導電性の多孔質材料としては、カーボンペーパーなど、燃料電池の分野で使用される公知の材料を特に制限なく用いることができる。多孔質材料は、撥水剤を含んでいてもよい。撥水剤は、導電性撥水層について記載したものから適宜選択できる。
高分子電解質膜としては、例えば、燃料電池で従来から使用されているプロトン伝導性高分子膜を特に制限なく使用できる。具体的には、パーフルオロスルホン酸系高分子膜、炭化水素系高分子膜などを好ましく使用できる。パーフルオロスルホン酸系高分子膜としては、例えば、Nafion(登録商標)などが挙げられる。
高分子電解質膜は、中央領域と、中央領域を囲む周縁領域とを有している。中央領域は、アノードやカソードと対向する領域であり、周縁領域は、アノード側シール部やカソード側シール部と対向する領域であると言える。
(セパレータ)
アノード側セパレータおよびカソード側セパレータとしては、公知のものが特に制限なく使用できる。セパレータの材質は、特に限定されず、例えば、炭素材料、金属材料などを用いることができる。金属材料には、カーボンを被覆してもよい。
アノード側セパレータには、燃料流路が形成され、カソード側セパレータには、酸化剤流路が形成されている。各流路の形状についても特に制限されない。
(シール部)
アノード側シール部およびカソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、高分子電解質側に配された第1接着層と、セパレータ側に配された第2接着層とを含む。アノード側シール部およびカソード側シール部の双方がこのような構成を有していてもよい。
(第1接着層)
第1接着層は、高分子電解質の周縁領域と、枠体とを接合する。第1接着層は、融点T1を有する第1熱可塑性樹脂を含んでいる。
T1は、例えば、170℃以下であり、160℃以下であることが好ましく、155℃以下または150℃以下であってもよい。T1は、例えば、110℃以上であり、120℃以上または130℃以上であることが好ましい。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。T1は、例えば、110〜170℃、120〜170℃、110〜160℃、120〜160℃、または130〜160℃であってもよい。T1がこのような温度である場合、第1接着層の変形や流出を抑制する効果を高め易い。
第1熱可塑性樹脂としては、例えば、ホットメルト接着性樹脂が利用できる。第1熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(変性ポリオレフィンも含む)、熱可塑性ポリイソブチレン、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンユニットやプロピレンユニットを含む共重合体などが好ましい。第1熱可塑性樹脂は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
高分子電解質膜と枠体とを接合し易い観点から、第1熱可塑性樹脂のうち、ポリオレフィン(特に変性ポリプロピレンなどの変性ポリオレフィン)、熱可塑性ポリイソブチレンなどが好ましい。変性ポリオレフィンとしては、酸変性ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンを変性する酸成分としては、重合性の酸、例えば、マレイン酸、アクリル酸、および/またはメタクリル酸などが挙げられる。
第1熱可塑性樹脂において、変性成分の種類、共重合性モノマーの種類、変性量、共重合比、および/または分子量などを、融点T1が所望の値となるように適宜調整する。
なお、第1接着層は、必要に応じて、公知の添加剤を含むことができる。
(第2接着層)
第2接着層は、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含む。
T2は、例えば、100℃以上であり、好ましくは120℃以上または130℃以上である。T2は、150℃以下であることが好ましい。T2と上記のT1とは、任意に組み合わせることができる。T1およびT2は、融点差が上記の範囲となるように組み合わせることが好ましい。
第2熱可塑性樹脂としては、第1熱可塑性樹脂について例示したものから適宜選択できる。ただし、上述の理由により、第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂との融点の関係が、T1>T2を満たすように、第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂とを適宜選択する。変性成分の種類、共重合性モノマーの種類、変性量、共重合比、および/または分子量などを調整することで、第2熱可塑性樹脂の融点T2を調整することができる。
第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂に同種や同系統の樹脂を用いると、接着を制御し易くなる。また、枠体とガス拡散層との間に隙間において、第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂とが接触する場合には、互いの相溶性を高めることができ。電極の外側へのガスの回り込みを抑制し易くなる。中でも、第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂として、それぞれ変性ポリプロピレンを用いたり、それぞれ変性ポリエチレンを用いたりすると、融点を制御し易く好ましい。
なお、第2接着層は、必要に応じて、公知の添加剤を含むことができる。
枠体を繊維シートと熱硬化性樹脂の硬化物とで構成する場合、第2接着層が存在せず、セパレータが枠体と直接接着していると、繊維シートが凹凸形状を有しているため、繊維シートとセパレータの界面に熱硬化性樹脂が充填されずに空隙が形成される可能性がある。その場合、燃料ガスや酸化剤ガスが外部リークしてしまう。このような場合には、第2接着層を介在させることで繊維シートの表面形状に追随するように第2接着層が変形するため、上記のような空隙は形成されず、外部リークを防止することができる。
(枠体)
枠体は、高分子電解質とセパレータとの間に、電極を囲むように配され、電極に供給される燃料や酸化剤などのガスが漏れるのを抑制する機能を有しており、一般には、サブガスケット層とも呼ばれる。枠体は、熱可塑性樹脂(第3熱可塑性樹脂)で構成してもよく、繊維シートとこれに含浸された熱硬化性樹脂(第1熱硬化性樹脂)の硬化物で構成してもよい。枠体は、シート状の電極を囲むように配されるため、繊維シートも、シート状の電極を囲むように、ループ形状であることが望ましい。
第3熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが例示される。中でも、PPS樹脂およびポリエステル樹脂(ポリエチレンナフタレートなど)などが好ましい。第3熱可塑性樹脂は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。第3熱可塑性樹脂として、第1熱可塑性樹脂について例示したもの(例えば、変性ポリプロピレン)を用いてもよい。
第3熱可塑性樹脂の融点T3は、T3>T2を満たすことが好ましい。T3は、例えば、200℃以上であり、250℃以上であることが好ましい。T3とT2との差(融点差)は、例えば、50℃以上または100℃以上であってもよい。T2とT3とは、任意に組み合わせることができる。T3およびT2は、融点差が上記の範囲となるように組み合わせることが好ましい。
また、高分子電解質膜を枠体で補強する際に、枠体の変形を抑制し易い観点から、T3>T1としてもよい。T3とT1との差(融点差)は、例えば、40℃以上であり、80℃以上または100℃以上であることが好ましい。
枠体を、繊維シートと第1熱硬化性樹脂の硬化物とで構成する場合、ガス拡散層の周縁に密着させて枠体を形成し易く、ガス拡散層と枠体との間に隙間が形成され難い。よって、第1接着層の変形や流出に伴う高分子電解質膜の露出を防止する効果が大きく、熱暴走を抑制し易くなる。
繊維シートを構成する繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維(非晶質炭素繊維、黒鉛繊維など)、アルミナ繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維などの無機繊維が好ましい。繊維シートは、これらの繊維を一種含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。化学的安定性の観点からは、ガラス繊維および/または炭素繊維が好ましい繊維シートは、不織布であってもよく、織布であってもよい。
第1熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。第1熱硬化性樹脂は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。不純物の溶出が少なく、コストを下げ易い観点からは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が好ましい。
第1熱硬化性樹脂の硬化温度Tc1は、T1よりも低いことが好ましい。Tc1は、例えば、90℃以上であり、120℃以上または130℃以上であってもよい。セパレータと枠体とを接合させる際に、第1接着層の流出や変形をさらに抑制しやすくなる。T1は、Tc1より10℃以上高いことが好ましい。T1とTc1との差(融点差)は、好ましくは10℃以上であり、15℃以上または20℃以上であることがさらに好ましい。融点差がこのような範囲である場合、第1接着層の変形や流出を抑制する効果をさらに高めることができる。
枠体と電極との間には、隙間が形成されていてもよい。この場合、第2接着層(具体的には、第2接着層を構成する樹脂)が隙間に充填された状態とすると、電極の外側へのガスの回り込みをさらに抑制することができる。隙間において、第1接着層と第2接着層とが接触した状態とすると、電極の外側へのガスの回り込みを抑制する効果をさらに高めることができる。燃料電池は、隙間の少なくとも一部において、第2接着層が充填されたり、第1接着層と第2接着層とが接触したりした状態とすればよい。しかし、ガスの回り込みを抑制する効果が高まる観点からは、電極の周囲に形成される隙間全体がこのような状態であることが好ましい。また、アノード側ガス拡散層およびカソード側ガス拡散層の少なくとも一方と、枠体との間に形成される隙間において、第2接着層が充填されたり、第1接着層と第2接着層とが接触したりした状態であればよい。ガスの回り込みをさらに抑制する観点からは、アノードと枠体との間に形成される隙間、およびカソードと枠体との間に形成される隙間のそれぞれにおいて、第2接着層が充填されたり、第1接着層と第2接着層とが接触したりした状態であることが好ましい。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る燃料電池では、第1接着層および第2接着層の組成が特に限定されず、第1接着層のショア硬度D1および第2接着層のショア硬度D2が上記のような関係を有する点で、第1実施形態に係る燃料電池とは異なるものの、その他は、第1実施形態と同じである。第2実施形態は、図1や図2に示す構造を有する燃料電池に適用することができる。
アノード側シール部およびカソード側シール部の少なくとも一方が、第2実施形態の構成を有していればよく、双方がこのような構成を有していてもよい。第2実施形態では、上述のように、複数の単セルを締結する時の応力のばらつきを、第1接着層においてよりも第2接着層で多く吸収させることができるため、高分子電解質膜の変形を抑制することができる。
第2実施形態においては、第1接着層の組成は特に制限されないが、第1実施形態について記載したような第1熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。第2接着層の組成も特に制限されないが、第1実施形態について記載したような第2熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
第1接着層のショア硬度D(ショア硬度D1)は、63以上であり、好ましくは65以上である。ショア硬度D1は、78以下であり、76以下であることが好ましい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。ショア硬度D1は、65〜78、63〜76、または65〜76であってもよい。
第2接着層のショア硬度D(ショア硬度D2)は、第1接着層のショア硬度D1について記載した範囲から適宜選択できる。
D1>D2であることで、第1接着層の変形を抑制することができ、高分子電解質膜の変形を抑制できる。D1/D2は、1.01〜1.24であることが好ましく、1.06〜1.12であってもよい。D1/D2がこのような範囲である場合、第1接着層の変形を抑制する効果をさらに高めることができる。
なお、ショア硬度Dは、変性成分の種類、共重合性モノマーの種類、変性量、共重合比、および/または分子量、さらにはシリカ等のフィラーを添加すること等により適宜調整される。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る燃料電池では、第1接着層を有さず、枠体に含まれる第3熱可塑性樹脂の融点T3および第2接着層に含まれる第2熱可塑性樹脂の融点T2が上記のような関係を有する点で、第1実施形態に係る燃料電池とは異なるものの、その他は、第1実施形態と同じである。
図3は、本発明の第3実施形態に係る高分子電解質型燃料電池を概略的に示す縦断面図である。図3は、アノード側シール部28aおよびカソード側シール部28bの構成が図1とは少し異なるが、それ以外は図1と同じであり、図1と同じ機能を有する要素には同じ符号を付している。
図3において、アノード側シール部28aは、枠体27aと、枠体27aのセパレータ9a側に配された第2接着層6aとを含む。カソード側シール部28bは、枠体27bと、枠体27bのセパレータ9b側に配された第2接着層6bとを含む。アノード側触媒層2aを囲むように、枠体27aが配され、アノード側ガス拡散層2bを囲むように、枠体27aおよび第2接着層6aが配されている。カソード側も同様に、カソード側触媒層3aを囲むように、枠体27bが配され、カソード側ガス拡散層3bを囲むように、枠体27bおよび第2接着層6bが配されている。
第3実施形態では、枠体27aおよび27bは、それぞれ、融点T3を有する第3熱可塑性樹脂を含んでいる。そして、高分子電解質膜1の周縁領域1bと枠体27aおよび27bとのそれぞれの間には、図1のような第1接着層は配されていない。第3実施形態では、第2接着層を構成する第2熱可塑性樹脂の融点T2よりもT3を高くすることで、枠体をセパレータと熱圧着させる際に、枠体の変形や溶融を抑制することができる。なお、図3では、枠体27aとアノード側触媒層2aおよびアノード側ガス拡散層2bとの間には、図1のような隙間は形成されていない。カソード側も同様に、枠体27bとカソード側触媒層3aおよびカソード側ガス拡散層3bとの間には、図1のような隙間は形成されていない。よって、ガスの回り込みを抑制することができる。
アノード側シール部およびカソード側シール部の少なくとも一方が、第3実施形態の構成を有していればよく、双方がこのような構成を有していてもよい。第3実施形態では、上述のように、セパレータと枠体とを第2接着層を介して接合させる際に、枠体の変形や流出を抑制することができる。
第3実施形態では、枠体が接着性を有するため、第1実施形態のように第1接着層を設ける必要がなく、枠体と第1接着層とをそれぞれ配置する場合に比べて、枠体付きのCCMの強度は劣るが、コスト面で優位である。
枠体に含まれる第3熱可塑性樹脂としては、第1熱可塑性樹脂について例示したもの(例えば、変性ポリプロピレン)を用いることが好ましい。
第3熱可塑性樹脂の融点T3は、第1実施形態のT1について例示した範囲から適宜選択することが好ましい。T3がこのような温度である場合、枠体の変形や流出を抑制する効果を高め易い。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る燃料電池では、枠体および第2接着層の組成が特に限定されず、枠体のショア硬度D3および第2接着層のショア硬度D2が上記のような関係を有する点で、第3実施形態に係る燃料電池とは異なるものの、その他は、第3実施形態と同じである。第4実施形態は、図3に示す構造を有する燃料電池に適用できる。
アノード側シール部およびカソード側シール部の少なくとも一方が、第4実施形態の構成を有していればよく、双方がこのような構成を有していてもよい。第4実施形態では、上述のように、複数の単セルを締結する時の応力のばらつきを、枠体においてよりも第2接着層で多く吸収させることができるため、高分子電解質膜の変形を抑制することができる。
枠体の組成は特に制限されないが、第3実施形態について記載したような第3熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。第2接着層の組成も特に制限されないが、第1実施形態について記載したような第2熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
枠体のショア硬度D(ショア硬度D3)は、63以上であり、好ましくは65以上である。ショア硬度D3は、78以下であり、76以下であることが好ましい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。ショア硬度D3は、65〜78、63〜76、または65〜76であってもよい。ショア硬度Dは、変性成分の種類、共重合性モノマーの種類、変性量、共重合比、および/または分子量、さらにはシリカ等のフィラーを添加すること等により適宜調整される。
第2接着層のショア硬度D(ショア硬度D2)は、第1接着層のショア硬度D1について記載した範囲から適宜選択できる。
D3>D2であることで、枠体の変形を抑制することができ、高分子電解質膜の変形を抑制できる。D3/D2は、1.01〜1.24であることが好ましく、1.06〜1.12であってもよい。D3/D2がこのような範囲である場合、枠体の変形を抑制する効果をさらに高めることができる。
[高分子電解質型燃料電池の製造方法]
本発明に係る燃料電池は、MEAを準備する工程(第1工程)と、枠体と高分子電解質膜の周縁領域とを接合する工程(第2工程)と、MEAを、アノード側セパレータおよびカソード側セパレータで挟持する工程(第3工程)と、を具備する製造方法により製造することができる。以下に、各工程についてより詳しく説明する。
(第1工程)
第1工程では、アノードと、カソードと、これらの間に介在する高分子電解質膜とを備えるMEAを準備する。第1工程で準備されるMEAでは、アノードは、少なくともアノード側触媒層を有していればよく、アノード側触媒層とアノード側ガス拡散層とを有していてもよい。同様に、カソードは、少なくともカソード側触媒層を有していればよく、カソード側触媒層とカソード側ガス拡散層とを有していてもよい。アノードおよびカソードは、それぞれ、高分子電解質膜の中央領域に対向するように配される。
つまり、第1工程では、アノード側触媒層と、カソード側触媒層と、これらの触媒層の間に介在する高分子電解質膜とを有するMEA(この状態のMEAをCCMとも言う)を準備してもよい。また、アノード(アノード側触媒層およびアノード側ガス拡散層)と、カソード(カソード側触媒層およびカソード側ガス拡散層)と、これらの間に介在する高分子電解質膜とを備えるMEAを準備してもよい。
各触媒層は、触媒層の成分を含む触媒インクを高分子電解質膜の一方の主面(具体的には、中央領域)に噴霧し、乾燥することにより形成できる。触媒インクの塗布は、公知の方法により行うことができ、例えば、スプレー塗布により行ってもよい。
第1工程でガス拡散層を形成する場合、各ガス拡散層は、例えば、導電性多孔質基材(例えば、多孔質でシート状の炭素材料)を積層し、多孔質撥水層の構成成分を含むインクを、多孔質基材の表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。インクの塗布は、公知の方法により行うことができる。形成されたガス拡散層は、アノード側触媒層およびカソード側触媒層に多孔質撥水層が接するように配され、熱圧着される。熱圧着は、公知の方法により行うことができる。枠体やセパレータを圧着する際に、ガス拡散層の圧着を行ってもよい。
(第2工程)
第2工程では、第1工程で得られたMEAにおいて、高分子電解質膜の周縁領域に、枠体を接合する。より具体的には、まず、高分子電解質膜の周縁領域に、枠体を配置する。
第1実施形態および第2実施形態では、第1接着層を介して枠体を周縁領域に配置する。そして、第1接着層(具体的には、第1接着層の第1熱可塑性樹脂)を加熱し、第1接着層により、枠体と高分子電解質膜の周縁領域とを接合する。なお、必要に応じて、第2工程では、先に第1接着層を周縁領域に配しておき、後で枠体を配置し、第1接着層を溶融させて、枠体と高分子電解質膜とを接合してもよい。
第2工程では、例えば、第1接着層の構成成分を含むシート状の材料(接着シート)を用い、MEAにおける高分子電解質膜の周縁領域に配し、接着シートを介して枠体を周縁領域に配するようにしてもよい。もしくは、第2工程では、例えば、第1接着層の構成成分を含む塗料(溶液または分散液)を、MEAにおける高分子電解質膜の周縁領域に塗布し、塗膜を介して枠体を周縁領域に配してもよい。塗膜を形成した後または枠体を周縁領域に配した後には、必要に応じて、乾燥処理を行ってもよい。
第3実施形態および第4実施形態では、第2工程において、周縁領域に直接枠体を配置し、枠体(具体的には、第3熱可塑性樹脂)を加熱することにより、枠体と高分子電解質膜の周縁領域とを接合する。
第1実施形態では、枠体を配した後、第1接着層(に含まれる第1熱可塑性樹脂)を、第1熱可塑性樹脂の融点T1またはそれよりも高い温度まで加熱することで第1熱可塑性樹脂を溶融させる。そして、第1接着層の第1熱可塑性樹脂が溶融した状態で、枠体と高分子電解質膜の周縁領域とを圧着させる。第3実施形態では、枠体を配した後、枠体を第3熱可塑性樹脂の融点T3またはそれよりも高い温度まで加熱することで第3熱可塑性樹脂を溶融させ、この状態で、枠体と高分子電解質膜の周縁領域とを圧着させる。
圧着の際の温度(加熱温度)は、T1(またはT3)よりも5℃以上または10℃以上高い温度であることが好ましい。加熱温度は、CCMが劣化しない範囲で、かつ第1熱可塑性樹脂(または第3熱可塑性樹脂)が分解したり劣化したりしない範囲で決定できる。
第2工程において、枠体を高分子電解質膜に圧着させた後は、必要に応じて、冷却してもよい。
なお、第2実施形態および第4実施形態では、第1接着層や枠体の種類に応じて、第1実施形態や第3実施形態と同様に第2工程を行うことができる。
(第3工程)
第3工程では、第2工程で得られた枠体が接合されたMEAを、アノード側セパレータおよびカソード側セパレータで挟持する。第1工程でCCMを準備した場合には、第3工程において、CCMを、アノード側ガス拡散層およびカソード側ガス拡散層で挟持すればよい。アノード側セパレータは、アノード側ガス拡散層と接するように配し、カソード側セパレータは、カソード側ガス拡散層と接するように配する。第3工程では、セパレータを配する際に、枠体とセパレータとの間に、第2接着層を介在させる。そして、第2接着層により、枠体とセパレータとを接合させる。なお、ガス拡散層は、第1工程について説明したように形成することができる。
第2接着層が第2熱可塑性樹脂を含む場合、第2接着層(より具体的には、第2接着層の第2熱可塑性樹脂)を加熱して、第2接着層により、枠体とセパレータとを接合する。第3工程では、例えば、第2接着層の構成成分を含む塗料(溶液または分散液)を枠体のセパレータ側の表面やセパレータの枠体側の表面に塗布し、塗膜を介して枠体および電極上にセパレータを配する。塗膜を形成した後または枠体を周縁領域に配した後に、必要に応じて、乾燥処理を行ってもよい。また、第3工程では、例えば、第2接着層の構成成分を含むシート状の材料(接着シート)を用い、接着シートを介して枠体および電極上にセパレータを配してもよい。
第1実施形態および第3実施形態では、セパレータを配した後、第2接着層(に含まれる第2熱可塑性樹脂)を、第2熱可塑性樹脂の融点T2またはそれよりも高い温度まで加熱することで第2熱可塑性樹脂を溶融させる。そして、第2接着層の第2熱可塑性樹脂が溶融した状態で、枠体と高分子電解質膜の周縁領域とを圧着させる。圧着の際の温度(加熱温度)は、T2よりも5℃以上または10℃以上高い温度であることが好ましい。加熱温度は、第2熱可塑性樹脂が分解したり劣化したりしない範囲で決定できる。第2実施形態および第4実施形態では、第2接着層の種類に応じて、第1実施形態や第3実施形態と同様に第3工程を行うことができる。
第1接着層に含まれる第1熱可塑性樹脂の融点T1は、第2熱可塑性樹脂の融点T2よりも高いことが好ましい。これにより第2接着層を加熱して、セパレータと枠体とを圧着させる際に、第1接着層の変形や流出が抑制される。
枠体は、ループの形状を有する繊維シートと、繊維シートに含浸された第1熱硬化性樹脂とを含むことができる。この場合、第3工程では、枠体に含まれる第1熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる。また、第3工程では、枠体とアノード側セパレータおよびカソード側セパレータとの間には第2接着層を介在させ、この第2接着層により枠体と上記セパレータとを接合する。枠体とセパレータとを接合する際には、圧着により行うことが好ましい。
第3工程では、例えば、第2接着層の構成成分を含む塗料(溶液または分散液)を、枠体のセパレータ側の表面やセパレータの枠体側の表面に塗布し、塗膜を介して枠体および電極上にセパレータを配してもよい。塗膜を形成した後または枠体を周縁領域に配した後に、必要に応じて、乾燥処理を行ってもよい。
第2工程において第1接着層を加熱する際に、枠体にも熱が加わる。枠体に加わる熱は、第1接着層に含まれる第1熱可塑性樹脂の融点T1またはそれより高い温度であるが、一般に、枠体に含まれる第1熱硬化性樹脂が硬化するにはある程度の長い時間を要する。そのため、第2工程を経た後の枠体における第1熱硬化性樹脂は未硬化状態であるか、もしくは半硬化状態である。第3工程では、このような未硬化状態または半硬化状態の第1熱硬化性樹脂を加熱することにより第1熱硬化性樹脂が硬化するとともに、第2接着層により枠体とセパレータとが接合される。このとき厚み方向に圧力を付与しながら圧着することが好ましい。第3工程における加熱温度は、Tc1以上であり、T1よりも低いことが望ましい。T1>Tc1であるため、第3工程では、第1熱硬化性樹脂を硬化しながらも、第1接着層の変形等を抑制することができる。
第2接着層が融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含む場合、第3工程の加熱は、T2と同じかまたはそれよりも高い温度で行うことが好ましい。この場合、第2接着層の第2熱可塑性樹脂を溶融させることができるため、枠体とセパレータとを接合し易くなる。さらに、T1>T2であることが望ましいため、第3工程の加熱温度は、T1(またはT3)よりも低く、T2以上とすればよい。T2とTc1との関係は特に制限されないが、第3工程における加熱温度は、T2およびTc1のうち高い方の温度以上とすることが好ましい。
なお、いずれの実施形態についても、第3工程において、セパレータを枠体に圧着させた後は、必要に応じて、冷却してもよい。
本発明に係る高分子電解質型燃料電池は、自動車、携帯電子機器、アウトドアレジャー用電源、非常用バックアップ電源等に適している。
1:高分子電解質膜、1a:中央領域、1b:周縁領域、2:アノード、2a:アノード側触媒層、2b:アノード側ガス拡散層、3:カソード、3a:カソード側触媒層、3b:カソード側ガス拡散層、4A:膜電極接合体(MEA)、4B:膜触媒層接合体(CCM)、5a,5b,15a,15b:第1接着層、6a,6b,16a,16b:第2接着層、7a,7b,17a,17b,27a,27b:枠体、8a,18a,28a:アノード側シール部、8b,18b,28b:カソード側シール部、9a:アノード側セパレータ、9b:カソード側セパレータ、21:マニホールド、22:ガス流路、23:ガスの回り込み流路

Claims (13)

  1. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在する中央領域および前記中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、
    前記アノードを囲むとともに、前記周縁領域と前記アノード側の前記セパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
    前記カソードを囲むとともに、前記周縁領域と前記カソード側の前記セパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備し、
    前記アノード側シール部および前記カソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、前記枠体の前記周縁領域側に配された第1接着層と、前記枠体の前記セパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、
    前記第1接着層は、融点T1を有する第1熱可塑性樹脂を含み、
    前記第2接着層は、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含み、
    T1>T2を満たす、高分子電解質型燃料電池。
  2. T1が、T2より10℃以上高い、請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
  3. T2が100℃以上であり、T1が170℃以下である、請求項1または2に記載の高分子電解質型燃料電池。
  4. 前記第1熱可塑性樹脂および前記第2熱可塑性樹脂が、変性ポリオレフィンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池。
  5. 前記アノードおよび前記カソードの少なくとも一方と、前記枠体と、の間に形成される隙間の少なくとも一部において、前記第1接着層と前記第2接着層とが接触している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池。
  6. 前記枠体が、融点T3を有する第3熱可塑性樹脂を含み、
    T3>T2を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池。
  7. 前記枠体は、繊維シートと、前記繊維シートに含浸された第1熱硬化性樹脂の硬化物と、を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池。
  8. 前記枠体が前記アノードおよび前記カソードのうちの少なくとも一方の外周部の少なくとも一部と接している、請求項7に記載の高分子電解質型燃料電池。
  9. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在する中央領域および前記中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、
    前記アノードを囲むとともに、前記周縁領域と前記アノード側の前記セパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
    前記カソードを囲むとともに、前記周縁領域と前記カソード側の前記セパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備し、
    前記アノード側シール部および前記カソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、前記枠体の前記セパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、
    前記枠体は、融点T3を有する第3熱可塑性樹脂を含み、
    前記第2接着層は、融点T2を有する第2熱可塑性樹脂を含み、
    T3>T2を満たす、高分子電解質型燃料電池。
  10. T3が、T2より10℃以上高い、請求項9に記載の高分子電解質型燃料電池。
  11. T2が100℃以上であり、T3が170℃以下である、請求項9または10に記載の高分子電解質型燃料電池。
  12. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在する中央領域および前記中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、
    前記アノードを囲むとともに、前記周縁領域と前記アノード側の前記セパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
    前記カソードを囲むとともに、前記周縁領域と前記カソード側の前記セパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備し、
    前記アノード側シール部および前記カソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、前記枠体の前記周縁領域側に配された第1接着層と、前記枠体の前記セパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、
    前記第1接着層のショア硬度D1は、63以上78以下であり、
    前記第2接着層のショア硬度D2は、63以上78以下であり、
    D1>D2を満たす、高分子電解質型燃料電池。
  13. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在する中央領域および前記中央領域を囲む周縁領域を有する高分子電解質膜と、を具備する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、
    前記アノードを囲むとともに、前記周縁領域と前記アノード側の前記セパレータとの間に介在するアノード側シール部と、
    前記カソードを囲むとともに、前記周縁領域と前記カソード側の前記セパレータとの間に介在するカソード側シール部と、を具備し、
    前記アノード側シール部および前記カソード側シール部の少なくとも一方は、枠体と、前記枠体の前記セパレータ側に配された第2接着層と、を具備し、
    前記枠体のショア硬度D3は、63以上78以下であり、
    前記第2接着層のショア硬度D2は、63以上78以下であり、
    D3>D2を満たす、高分子電解質型燃料電池。
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