JP2014067689A - 燃料電池 - Google Patents

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耕太郎 池田
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Abstract

【課題】シール部材と電解質膜との接着性を向上させる技術の燃料電池を提供する。
【解決手段】第1の触媒層と、一方の面の周縁部の少なくとも一部が、第1の触媒層の周縁部よりも外側に露出するように配置された電解質膜11と、電解質膜の他方の面に配置された第2の触媒層と、第1の触媒層に接合された第1のガス拡散層と、第2の触媒層に接合された第2のガス拡散層と、第1のガス拡散層側に配置された第1のセパレータと、第2のガス拡散層側に配置された第2のセパレータと、第1のセパレータと第2のセパレータとに狭持されるシール部材40と、シール部材と電解質膜の露出した部分の少なくとも一部とが接着された接着部50と、を備える燃料電池。接着部における電解質膜とシール部材の接着力は、シール部材を介して接着部の略反対側における第1のセパレータとシール部材の接着力以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、一般的に、電解質膜の両面に、燃料電池反応を促進するための触媒を担持させた電極(触媒電極)が配置された発電体である膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下、MEA)を備える。MEAの両面には、反応ガスを拡散させて触媒電極全体に行き渡らせるためのガス拡散層が配置される。ガス拡散層が配置されたMEAには、その外周に、反応ガスの漏洩(いわゆるクロスリーク)や、触媒電極同士の電気的短絡を抑制するためのシール部が一体的に形成される。ガス拡散層が配置されたMEA(膜電極ガス拡散層接合体(Membrane−Electrode Gas Diffusion Layer Assembly、以下、MEGA))とシール部とは、セパレータにより狭持される。
特許文献1には、シール部材として、酸により変性されているオレフィン系熱可塑性樹脂を主成分として含むシール部材が記載されている。このシール部材によれば、セパレータの表面との濡れ性が向上するので、セパレータとの接着性、シール性を確保することができる。
特開2007−188718号公報
しかし、特許文献1に記載されたシール部材は、セパレータとの接着性は確保できるが、電解質膜と水素結合により接着されるため、電解質膜との接着性が不十分となる場合があり、リークの原因となるおそれがあった。シール部材と電解質膜との接着性は、MEGAの厚さに公差が存在する場合に、より不十分となるおそれがあった。このような問題は、酸により変性されているオレフィン系熱可塑性樹脂を主成分として含むシール部材のみならず、電解質膜との接着性が確保し難いシール部材を用いた燃料電池に共通する課題であった。そのほか、従来のシール部材を用いた燃料電池においては、低コスト化やシール部での強度の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池が提供される。この燃料電池は、第1の触媒層と;一方の面の周縁部の少なくとも一部が、前記第1の触媒層の周縁部よりも外側に露出するように配置された電解質膜と;前記電解質膜の他方の面に配置された第2の触媒層と;前記第1の触媒層に接合された第1のガス拡散層と、前記第2の触媒層に接合された第2のガス拡散層と;前記第1のガス拡散層側に配置された第1のセパレータと、前記第2のガス拡散層側に配置された第2のセパレータと;前記第1のセパレータと前記第2のセパレータとに狭持されるシール部材と;前記シール部材と前記電解質膜の露出した部分の少なくとも一部とが接着された接着部と、を備え;前記接着部における前記電解質膜と前記シール部材の接着力は、前記シール部材を介して前記接着部の略反対側における前記第1のセパレータと前記シール部材の接着力以上である。この形態の燃料電池によれば、シール部材を介して接着部の略反対側における第1のセパレータとシール部材との接着力が、接着部における電解質膜とシール部材との接着力よりも大きくなることはない。よって、電解質膜とシール部材とは良好に接着されたままとなるので、燃料電池のクロスリークの発生が抑制される。
(2)上記形態の燃料電池では、前記シール部材を介して前記接着部の略反対側において、前記第1のセパレータと前記シール部材とが接着されていなくともよい。この形態の燃料電池によれば、第1のセパレータとシール部材とが当接している場合であっても、第1のセパレータとシール部材とは接着されていないので、シール部材を介して接着部の略反対側における第1のセパレータとシール部材との接着力が、接着部における電解質膜とシール部材との接着力よりも大きくなることはない。よって、電解質膜とシール部材とは良好に接着されたままとなる。
(3)上記形態の燃料電池では、前記シール部材を介して前記接着部の略反対側において、前記第1のセパレータと前記シール部材とは離れていてもよい。この形態の燃料電池によれば、第1のセパレータの形状等を変更してシール部材から離間させることによって、接着部における電解質膜とシール部材の接着力を、シール部材を介して接着部の略反対側における第1のセパレータとシール部材の接着力以上とすることができる。
(4)上記形態の燃料電池において、シール部材は;酸変性熱可塑性樹脂を表面に有していてもよい。この形態の燃料電池によれば、シール部材は表面に酸変性熱可塑性樹脂を備えるためセパレータとの接着性が良く、シール性を保つことができる。
(5)上記形態の燃料電池では、前記シール部材を介して前記接着部の略反対側において、前記シール部材は前記酸変性熱可塑性樹脂を備えていなくともよい。この形態の燃料電池によれば、シール部材の構成を変更することによって、接着部における電解質膜とシール部材の接着力を、シール部材を介して接着部の略反対側における第1のセパレータとシール部材の接着力以上とすることができる。
(6)上記形態の燃料電池において、前記シール部材を介して前記接着部の略反対側において、前記酸変性熱可塑性樹脂にはシランカップリング剤が塗布されていてもよい。この形態の燃料電池によれば、シランカップリング剤が塗布された酸変性熱可塑性樹脂は、セパレータとの接着性が低下するので、接着部における電解質膜とシール部材との接着力を、シール部材を介して接着部の略反対側における第1のセパレータとシール部材との接着力以上とすることができる。
(7)上記形態の燃料電池において、前記接着部では、前記電解質膜と前記シール部材とが接着剤により接着されており;前記シール部材を介して前記接着部の略反対側では、前記第1のセパレータと前記シール部材とが粘着剤により接着されていてもよい。この形態の燃料電池によれば、シール部材は、接着部において接着剤によって電解質膜と接着し、シール部材を介して接着部の略反対側において、粘着剤によって第1のセパレータと接着する。よって、接着部における電解質膜とシール部材の接着力を、シール部材を介して接着部の略反対側における第1のセパレータとシール部材の接着力以上とすることができる。また、粘着剤は、第1のセパレータから剥がされた場合であっても、再度、第1のセパレータに押圧されることで第1のセパレータと接着する。よって、燃料電池に加えられる荷重が変化する場合であっても、クロスリークを防止することができる。
本発明は、燃料電池以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池の製造方法や燃料電池を備える車両等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての燃料電池の構成を示す概略図である。 燃料電池の製造方法について説明するための図である。 非接着部を有する燃料電池の効果を説明するための図である。 非接着部を有する燃料電池の効果を説明するための図である。 本発明の別の実施形態としての燃料電池の構成を示す概略図である。 カソード側ガス拡散層略端部からの距離とカソード側セパレータとシール部材との剥離強度との関係を示す図である。 本発明の別の実施形態としての燃料電池の構成を示す概略図である。 本発明の別の実施形態としての燃料電池の構成を示す概略図である。 燃料電池に加えられている荷重が解除された状態を示す図である。 同一の面に接着剤と粘着剤とを備えるシール部材を有する燃料電池を示す図である。
A.第1実施形態:
A1.燃料電池の構成:
図1は本発明の一実施形態としての燃料電池100の構成を示す概略図である。この燃料電池100は反応ガスとして燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば酸素)の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池100は、複数の単セル60が積層されたスタック構造を有する。
単セル60は、MEA10の一方の面にカソード側ガス拡散層22cが配置され、他方の面にアノード側ガス拡散層22aが配置されたMEGA20と、MEGA20を狭持するアノード側セパレータ33aおよびカソード側セパレータ33cと、シール部材40と、を備える。
MEA10は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜である電解質膜11の両面に、燃料電池反応を促進するための触媒を担持させたアノード側触媒層12aおよびカソード側触媒層12cが設けられた発電体である。図1に示すように、カソード側触媒層12cは、カソード側触媒層12cの端部の位置が電解質膜11の端部の位置よりも内側になるように、電解質膜11の一方の面に設けられている。アノード側触媒層12aは、アノード側触媒層12aと電解質膜11の端部の位置が、ほぼ揃うように電解質膜11の他方の面に設けられている。そのため、電解質膜11の周縁部は、カソード側触媒層12cが設けられている面側において、カソード側触媒層12cの周縁部よりも外側に露出している。電解質膜11は、例えば、ナフィオン(登録商標)などのフッ素系のイオン交換膜によって構成することができる。アノード側触媒層12aおよびカソード側触媒層12cは、例えば白金(Pt)などを担持したカーボン担体と、プロトン伝導性を有するアイオノマーとを電解質膜11に塗布することにより形成することができる。カソード側触媒層12cは本願の「第1の触媒層」に相当し、アノード側触媒層12aは本願の「第2の触媒層」に相当する。
MEGA20は、MEA10のアノード側触媒層12aが設けられている面側にアノード側ガス拡散層22aを備えており、カソード側触媒層12cが設けられている面側にカソード側ガス拡散層22cを備えている。アノード側ガス拡散層22aおよびカソード側ガス拡散層22c(以下、これらをまとめて「ガス拡散層22」ともいう)は、ガス透過性を有するとともに導電性を有する材料で形成されている。図1に示すように、アノード側ガス拡散層22aの端部の位置は、アノード側触媒層12aの端部の位置とほぼ揃っている。カソード側ガス拡散層22cの端部の位置は、カソード側触媒層12cの端部の位置とほぼ同じである。すなわち、MEGA20は、電解質膜11の周縁部がカソード側触媒層12cの設けられている面側において、カソード側触媒層12cおよびカソード側ガス拡散層22cよりも外側に露出し、カソード側触媒層12cおよびカソード側ガス拡散層22cの周縁部が、アノード側触媒層12aおよびアノード側ガス拡散層22aの周縁部よりも内側に位置する段付き構造を有している。ガス拡散層22は、炭素繊維や黒鉛繊維など、導電性およびガス透過性・ガス拡散性を有する多孔質の繊維基材により構成することができる。カソード側ガス拡散層22cは本願の「第1のガス拡散層」に相当し、アノード側ガス拡散層22aは本願の「第2のガス拡散層」に相当する。
シール部材40は、クロスリークや、触媒電極同士の電気的短絡を防ぐための部材である。シール部材40は、熱可塑性樹脂41の両面に酸変性熱可塑性樹脂42を備えた構造を有している。酸変性熱可塑性樹脂42は、一般的に熱可塑性樹脂に比べて粘度・融点が低く、他の物質との接着性が高いという性質を有しており、接着剤として機能する。本実施形態では、熱可塑性樹脂41としてポリプロピレンを用いている。また、酸変性熱可塑性樹脂42として、変性ポリオレフィンであるアドマー(登録商標)を用いている。シール部材40は、図1に示すように、電解質膜11の周縁部と接着している。電解質膜11とシール部材40とが接着している箇所を、以降、接着部50ともいう。
アノード側セパレータ33aおよびカソード側セパレータ33cは、ガス遮断性および電子伝導性を有する部材によって形成されている。アノード側セパレータ33aとカソード側セパレータ33c(以下、これらをまとめて「セパレータ33」ともいう)は、MEGA20およびシール部材40を狭持している。カソード側セパレータ33cのリブ部33c1〜33c3のうち、シール部材40を介して接着部50と対向するカソード側セパレータ33c近傍のリブ部33c2の突出量は、シール部材40と接着しているリブ部33c3の突出量より少ない。そのため、カソード側セパレータ33cは、リブ部33c2において、シール部材40と接着していない。この接着していない箇所を、以降、非接着部55ともいう。本実施形態では、セパレータ33は、プレス成形されたステンレス鋼によって形成されている。なお、セパレータ33は、チタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材や、緻密質カーボン等のカーボン製部材によって形成することができる。カソード側セパレータ33cは本願の「第1のセパレータ」に相当し、アノード側セパレータ33aは本願の「第2のセパレータ」に相当する。
燃料ガス流路34aはアノード側ガス拡散層22aとアノード側セパレータ33aの間に形成されており、酸化剤ガス流路34cはカソード側ガス拡散層22cとカソード側セパレータ33cとの間に形成されている。燃料ガス流路34aは水素ガスの流路であり、酸化剤ガス流路34cは酸素ガスの流路である。
A2.燃料電池の製造方法:
図2は燃料電池100の製造方法について説明するための図である。まず、電解質膜11の一方の面にカソード側触媒層12cを形成し、他方の面にアノード側触媒層12aを形成することによって、MEA10を作製する(ステップS10)。具体的には、白金を担持したカーボン担体とアイオノマーとを溶媒に混合して生成した触媒インクを、電解質膜11の一方の面に、その周縁部を残して塗布することにより、カソード側触媒層12cを形成する。また、電解質膜11の他方の面全面に触媒インクを塗布して、アノード側触媒層12aを形成する。このようにして、電解質膜11の周縁部が露出したMEA10を得る。
次に、電解質膜11の周縁部が露出するように、MEA10の一方の面にカソード側ガス拡散層22cを接合し、他方の面にアノード側ガス拡散層22aを接合して、MEGA20を作製する(ステップS20)。具体的には、電解質膜11およびアノード側触媒層12aとほぼ同じ面積のガス拡散層をアノード側触媒層12a側に配置し、カソード側触媒層12cとほぼ同じ面積のガス拡散層をカソード側触媒層12c側に配置して、例えば100℃から160℃の温度で加熱する。このようにして、カソード側触媒層12cおよびカソード側ガス拡散層22cの周縁部が、アノード側触媒層12aおよびアノード側ガス拡散層22aの周縁部よりも内側に位置する段付き構造を有するMEGA20を得る。
次に、電解質膜11の周縁部と接するようにシール部材40を配置して、MEGA20とシール部材40を熱圧着する(ステップS30)。シール部材40は、シール部材40表面の酸変性熱可塑性樹脂42のカルボキシル基と、電解質膜11のスルホン酸基とが水素結合することにより、電解質膜11の周縁部と接着する。
次に、電解質膜11の周縁部とシール部材40とが接着したMEGA20を、アノード側セパレータ33aおよびカソード側セパレータ33cで狭持する(ステップS40)。カソード側セパレータ33cのリブ部33c2は、図1で説明したように、シール部材40に接しない形状であるため、カソード側セパレータ33cとシール部材40との間に、非接着部55が形成される。以上のようにして、シール部材40を介して接着部50の略反対側において、カソード側セパレータ33cとシール部材40とが接着されていない非接着部55を備え、MEGA20の外周がシール部材40によりシールされた単セル60を得ることができる。この単セル60を積層した積層方向の両側に、外側に向かって、集電板と、絶縁板と、エンドプレートとを順に配置する。エンドプレートを、積層方向の両側から例えばナットなどによって所定の荷重を加えて締結することによって、燃料電池100を製造することができる。
以上で説明したように、本実施形態の燃料電池100は、電解質膜11の周縁部が露出した段付き構造を有するMEGA20を備える。燃料電池100においては、電解質膜11の周縁部とシール部材40が接着したMEGA20が、セパレータ33で狭持される。そのため、段付き構造を有さないMEGAと比較して、シール部材40とMEGA20の外周とが接着する部分が多くなる。よって、本実施形態の燃料電池100は、段付き構造を有さないMEGAを備える燃料電池と比較して、シール性に優れる。また、シール部材40は、表面に酸変性熱可塑性樹脂42を備えた構造を有している。そのため、酸変性熱可塑性樹脂42のカルボキシル基と例えばセパレータの表面の金属酸化物とが共有結合することにより、シール部材40とセパレータ33とは強固に結合し、シール性を保つことができる。
また、シール部材40は、中間層として熱可塑性樹脂41を有する。熱可塑性樹脂41は、酸変性熱可塑性樹脂42よりも一般的に融点が高く、強度に優れる。そのため、酸変性熱可塑性樹脂42のみをシール部材として用いるよりも、強度に優れた燃料電池100を製造するができる。また、酸変性熱可塑性樹脂42に要するコストを抑えることができるので、燃料電池100の製造コストの増加を抑制することが可能となる。さらに、本実施形態の燃料電池100は、非接着部55を備えることで、以下の効果を有する。
図3および図4は、非接着部55を有する燃料電池100の効果を説明するための図である。図3(a)および図4(a)は、単セル60f、60mを積層した燃料電池100f、100mを簡略化して示している。燃料電池は、図2を用いて説明したように、MEGA20をセパレータ33f、33mで狭持した単セル60を積層して作製される。一般的にMEGA20には、厚みに対する公差が存在するが、MEGA20にその公差がない場合には、図3(a)に示すように同じ厚さのMEGA20を備える単セル60fが積層される。この場合には、図3(b)に示すようにシール部材40と電解質膜11とに剥離を生じさせる力が加わらないため、シール部材40と電解質膜11との接着性は保たれる。
一方、MEGAに厚みに対する公差が存在すると、図4(a)に示すように、厚さの異なるMEGA20mが存在することによって、MEGA20mの外周近傍のセパレータ33mに歪み等が生じる場合がある。電解質膜11と、酸変性熱可塑性樹脂42とは、上述したように、水素結合により結合(接着)している。一方、カソード側セパレータ33cと酸変性熱可塑性樹脂42とは、共有結合により結合(接着)している。水素結合の結合力は、共有結合の結合力よりも小さいため、電解質膜11と酸変性熱可塑性樹脂42との接着力は、カソード側セパレータ33cと酸変性熱可塑性樹脂42の接着力よりも小さい。また、MEGA近傍には、燃料電池の電気化学反応によって生成された水が存在する。そのため、図4(a)に示すようにMEGA20mに公差が存在すると、シール部材40は、図4(b)に示すように、電解質膜11から剥離しやすくなる。このような剥離が生じると、クロスリークの原因となる。また、比較的厚みのあるセパレータ33を用いている場合には、セパレータ33に歪み等が生じなくとも、電解質膜11からシール部材40がセパレータ33によりそのまま持ち上げられ、電解質膜11からシール部材40が剥離する可能性もある。
本実施形態の燃料電池100は、図1に示すように、シール部材40を介して接着部50と対向する面側のシール部材40と、カソード側セパレータ33cとの間に、シール部材40とカソード側セパレータ33cとが接着されていない部分(非接着部55)が存在する。そのため、MEGA20の公差によってセパレータ33に歪み等が生じても、シール部材40を介して接着部50と対向する面側のカソード側セパレータ33cと酸変性熱可塑性樹脂42との接着力が、電解質膜11とシール部材40との接着力より大きくなることはない。したがって、電解質膜11からシール部材40が剥離することを防止することができるため、クロスリークを効果的に抑制することが可能となる。
また、燃料電池100においては、電気化学反応の進行に伴って単セル60が比較的高温度に達すると、ガス拡散層22等においてクリープ現象が生じる場合がある。積層された単セル60間で、クリープ現象の発生度合いが異なると、MEGA20に公差が存在する場合と同様に、MEGA20の外周近傍のセパレータ33に歪み等が生じる場合がある。このような場合においても、本実施形態の燃料電池100は、図1に示すように非接着部55を備えるので、電解質膜11からシール部材40が剥離することを防止することができるため、クロスリークを効果的に抑制することができる。
B.第2実施形態:
B1.燃料電池の構成:
図5は、本発明の別の実施形態としての燃料電池100pの構成を示す概略図である。この燃料電池100pは、シール部材40を介して接着部50の略反対側に、非接着部55pを備える。非接着部55pは、シール部材40を介して接着部50と対向するカソード側セパレータ33cpのリブ部33cp2を、シール部材40の端部(カソード側ガス拡散層22cの略端部)から距離L1だけ接しないようにすることで形成されている。燃料電池100pのその他の構成については、第1実施形態(図1)で示した燃料電池100と同様であるため説明を省略する。
本実施形態の燃料電池100pは、第1実施形態の燃料電池100と同様に、電解質膜11の周縁部が露出した段付き構造を有するMEGA20を備える。また、電解質膜11の周縁部とシール部材40とが接着したMEGA20が、セパレータ33によって狭持される。さらに、シール部材40は、表面に酸変性熱可塑性樹脂42を備え、中間層として熱可塑性樹脂41を有する。そのため、第1実施形態の燃料電池100と同様の効果を奏する。また、非接着部55pは、以下のような基準に基づいて形成されているため、第1実施形態の燃料電池100と同様に、MEGA20に公差が存在しても、クロスリークを効果的に抑制することが可能となる。
図6は、カソード側ガス拡散層22c略端部からの距離と、カソード側セパレータ33cpとシール部材40との剥離強度(単位幅あたりの剥離に必要な平均荷重)との関係を示す図である。横軸をカソード側ガス拡散層22c略端部(シール部材40端部)からアノード側ガス拡散層端部方向へ向かう電解質膜11上の距離、縦軸を剥離強度とし、実線でカソード側セパレータ33cpとシール部材40との剥離強度を示している。図6において、破線は、T字剥離試験法で求めた酸変性熱可塑性樹脂42と電解質膜11との剥離強度を示している。カソード側セパレータ33cpとシール部材40との剥離強度は、シール部材40の厚みや、ヤング率等に基づいて、計算により求める事ができる。また、図5に示すような燃料電池100pを作製して、実際の剥離強度を測定することにより求めることもできる。
図6に示すように、距離L1までは、カソード側セパレータ33cpとシール部材40の剥離強度が、電解質膜11とシール部材40の剥離強度より大きい。そのため、非接着部を設けない燃料電池においては、MEGA20の厚みに対する公差が存在すると、距離L1までは、図4に示したように電解質膜11からシール部材40が剥離する可能性がある。一方、カソード側ガス拡散層22c略端部からの距離がL1より大きくなると、カソード側セパレータ33cpとシール部材40の剥離強度が、電解質膜11とシール部材40の剥離強度よりも小さくなる。そのため、MEGA20の厚みに対する公差が存在しても、電解質膜11からシール部材40が剥離し難くなる。
本実施形態の燃料電池100pは、カソード側ガス拡散層22cの略端部から距離L1だけ、シール部材40をカソード側セパレータ33cpのリブ部33cp2に接着させない構成としている。そのため、MEGA20の厚みに公差が存在しても、カソード側セパレータ33cpとシール部材40との接着力が、電解質膜11とシール部材40との接着力より大きくなることはない。したがって、第1実施形態の燃料電池100と同様に電解質膜11からシール部材40が剥離することを防止することができるため、クロスリークを効果的に抑制することが可能となる。
C.第3実施形態:
C1.燃料電池の構成:
図7は、本発明の別の実施形態としての燃料電池100tの構成を示す概略図である。この燃料電池100tは、シール部材40tを介して接着部50tの略反対側に、非接着部55tを備える。また、本実施形態では、第1実施形態および第2実施形態の燃料電池100、100pと異なり、カソード側セパレータ33ctのリブ部33ct1〜33ct3の突出量は、ほぼ同じである。燃料電池100tのその他の構成は第1実施形態(図1)および第2実施形態(図5)で示した燃料電池100、100pと同様であるため説明を省略する。
本実施形態では、非接着部55tは、シール部材40tの表面に備えられた酸変性熱可塑性樹脂42tの一部に、シランカップリング剤を塗布することによって、形成されている。酸変性熱可塑性樹脂42tにシランカップリング剤を塗布することとしたのは、本発明者らが、シランカップリング剤を塗布した酸変性熱可塑性樹脂と、セパレータ33との界面の接着性を評価したところ、シランカップリング剤を塗布した酸変性熱可塑性樹脂は、セパレータ33との接着性が保たれなくなることを見出したためである。これは、酸変性熱可塑性樹脂にシランカップリング剤を塗布すると、酸変性熱可塑性樹脂とセパレータとの良好な接着性が、発揮されがたくなるためであると考えられる。
本実施形態の燃料電池100tは、電解質膜11の周縁部が露出した段付き構造を有するMEGA20を備える。また、電解質膜11の周縁部とシール部材40tとが接着したMEGA20が、セパレータ33tによって狭持される。さらに、シール部材40tは、表面に酸変性熱可塑性樹脂42を備え、中間層として熱可塑性樹脂41を有する。そのため、本実施形態の燃料電池100tは、第1実施形態および第2実施形態の燃料電池100、100pと同様の効果を奏する。
また、本実施形態の燃料電池100tは、第1実施形態および第2実施形態の燃料電池100、100pと同様に、非接着部55tを備える。そのため、シール部材40tを介して接着部50tの略反対側におけるカソード側セパレータ33ctと酸変性熱可塑性樹脂42tの接着力が、電解質膜11とシール部材40との接着力より大きくなることはない。したがって、電解質膜11からシール部材40tが剥離することを防止することができるため、クロスリークを効果的に抑制することができる。さらに、非接着部55tは、カソード側セパレータ33ctのリブの形状を変更することなく、酸変性熱可塑性樹脂42tにシランカップリング剤を塗布するだけで形成することができる。シランカップリング剤の塗布は、マスキング等によって容易に行うことができる。そのため、クロスリークを効果的に抑制することができる燃料電池100tを、容易に製造することができる。
D.第4実施形態:
D1.燃料電池の構成:
図8は、本発明の別の実施形態としての燃料電池100sの構成を示す概略図である。燃料電池100sは、熱可塑性樹脂41の一方の面に酸変性熱可塑性樹脂42を備え、他方の面に粘着剤43を備えたシール部材40sを有している。シール部材40sは、接着剤としての酸変性熱可塑性樹脂42を備える面側の接着部50sにおいて、電解質膜11の周縁部と接着している。粘着剤43は、シール部材40sを介して接着部50sの反対側の面において、カソード側セパレータ33csと一時的に接着している。粘着剤43は、他の物質との一時的な接着に用いられる接着剤の一種であり、剥離時に凝集破壊をおこさない。そのため、粘着剤43は、被接着体との界面の接着力が、接着剤としての酸変性熱可塑性樹脂42よりも弱いという性質を有する。また、粘着剤43は、被接着体としてのカソード側セパレータ33csから剥がされた後、再度、カソード側セパレータ33csに押圧されることによって、カソード側セパレータ33csと接着するという性質を有する。本実施形態では、粘着剤43として、アクリル樹脂系粘着剤を用いている。この燃料電池100sは、第1〜第3実施形態の燃料電池100、100p、100tと異なり、非接着部55を備えていない。燃料電池100sのその他の構成については、第3実施形態(図7)で示した燃料電池100tと同様であるため説明を省略する。
本実施形態の燃料電池100sは、電解質膜11の周縁部が露出した段付き構造を有するMEGA20を備える。また、電解質膜11の周縁部とシール部材40sとが接着したMEGA20が、セパレータ33sによって狭持される。さらに、シール部材40sは、電解質膜11と接着する接着部50sの存在する側に酸変性熱可塑性樹脂42を備え、中間層として熱可塑性樹脂41を備える。そのため、第1〜第3実施形態の燃料電池100、100p、100tと同様の効果を奏する。
電解質膜11と酸変性熱可塑性樹脂42とは、上述したように水素結合により結合(接着)し、セパレータ33sと酸変性熱可塑性樹脂42とは、共有結合により結合(接着)する。水素結合の結合力は、共有結合の結合力よりも小さい。電解質膜11と酸変性熱可塑性樹脂42との接着力は、セパレータ33sと酸変性熱可塑性樹脂42の接着力よりも小さい。よって、例えば、図4(b)に示したように、両面に酸変性熱可塑性樹脂42を備えるシール部材40を有し、非接着部を備えていない燃料電池では、セパレータ33mに歪みが生じた場合や、シール部材40に電解質膜11から持ち上げられる力が働いた場合には、電解質膜11からシール部材40が剥離する可能性がある。シール部材40に電解質膜11から持ち上げられる力が働く場合とは、例えば、燃料電池100sに加えられている荷重が解除されることによって、ガス拡散層22の厚みが増加する場合が考えられる。ガス拡散層22の厚みが増加すると、両面に酸変性熱可塑性樹脂42を備えるシール部材が、セパレータによってそのまま持ち上げられ、電解質膜11から剥離する可能性があるためである。
図9は、図8に示す燃料電池100sに加えられている荷重が解除された燃料電池100rを示す図である。本実施形態におけるシール部材40sは、シール部材40sを介して接着部50sの反対側の面において、粘着剤43を備える。そのため、接着部50sにおける電解質膜11とシール部材40sの接着力は、シール部材40sを介して接着部50sの略反対側におけるカソード側セパレータ33csとシール部材40sの接着力より大きい。よって、燃料電池100sに加えられていた荷重が解除されると、シール部材40sの粘着剤43を備える面からカソード側セパレータ33csが剥離する。そのため、カソード側セパレータ33csがシール部材40sから剥離してガス拡散層22rの変形に追従することによって、シール部材40sを電解質膜11から持ち上げようとする力を逃がすことができるので、シール部材40sと電解質膜11との接着を保つことができる。また、再度、燃料電池100rに荷重が加えられた場合には、シール部材40sの表面の粘着剤43と、カソード側セパレータ33csとが接着する。そのため、本実施形態の燃料電池100sによれば、例えば燃料電池100sの備える単セル60sの修理の際などに、燃料電池100sに加える荷重を解除する場合であっても、クロスリークを抑制することができる。
E.変形例:
E1.変形例1:
上記種々の実施形態では、シール部材40の熱可塑性樹脂41としてポリエチレンを用いている。これに対して、熱可塑性樹脂41は、ポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。また、上記実施形態では、接着剤としての酸変性熱可塑性樹脂42として、アドマーを用いている。これに対して、酸変性熱可塑性樹脂42は、モディック(登録商標)、ニュクレル(登録商標)、ハイミラン(登録商標)等を用いてもよい。
E2.変形例2:
上記第1〜第3実施形態では、シール部材40、40tは、中間層として熱可塑性樹脂41を備える。これに対し、第1実施形態および第2実施形態では、シール部材40は、酸変性熱可塑性樹脂42のみから構成されてもよい。また、上記第3実施形態では、シール部材40tは、接着部50tの略反対側においてシランカップリング剤が塗布された酸変性熱可塑性樹脂のみから構成されてもよい。
E3.変形例3:
上記第1実施形態と第2実施形態では、リブ部33c2、33cp2とシール部材40とが接しないようにして非接着部55、55pを形成している。これに対し、非接着部は、リブ部33c2、33cp2とシール部材40とが接した状態で形成することもできる。例えば、非接着部55、55pは、接着部50の存在する箇所と、シール部材40を介して反対の箇所や、その近傍のシール部材40に、酸変性熱可塑性樹脂42を設けないようにして形成してもよい。また、接着部50の存在する箇所と、シール部材40を介して反対の箇所や、その近傍において、シール部材40もしくはカソード側セパレータのリブ部に、例えばアミン系溶剤を塗布することにより、シール部材40とセパレータ33との接着を阻害したり、接着力を弱めるようにしたりしてもよい。また、接着部50の存在する箇所やその近傍のシール部材40の厚さ(酸変性熱可塑性樹脂42の厚さや、熱可塑性樹脂41の厚さ)を薄くすることにより非接着部を形成してもよい。
E4.変形例4:
上記種々の実施形態では、電解質膜11とアノード側触媒層12aとアノード側ガス拡散層22aの端部の位置をほぼ揃えている。これに対し、電解質膜11とアノード側触媒層12aとアノード側ガス拡散層22aの端部の位置は、揃っていなくともよい。また、上記種々の実施形態では、カソード側触媒層12cとカソード側ガス拡散層22cの端部の位置は、ほぼ揃っている。これに対し、電解質膜11の周縁部が露出するMEGA20であれば、カソード側触媒層12cとカソード側ガス拡散層22cの位置は揃っていなくともよい。また、カソード側触媒層12cとアノード側触媒層12a、カソード側ガス拡散層22cとアノード側ガス拡散層22aとが入れ換えられるものとしてもよい。
E5.変形例5:
上記種々の実施形態では、接着部50において、シール部材表面の酸変性熱可塑性樹脂42と電解質膜11は、水素結合により結合(接着)している。これに対し、酸変性熱可塑性樹脂42の接着部に相当する部分に、アミノ基を付与することとしてもよい。こうすることで、酸変性熱可塑性樹脂42のカルボキシル基と電解質膜11由来のスルホン酸基とが強固に結合して、接着部における接着性をより高めることができる。そのため、燃料電池のクロスリークをさらに抑制することが可能となる。なお、酸変性熱可塑性樹脂42へのアミノ基の付与は、窒素および水素雰囲気、アンモニア雰囲気、ヒドラジン雰囲気等において、プラズマ処理により行うことができる。
E6.変形例6:
上記種々の実施形態では、燃料電池は、固体高分子形燃料電池である。これに対し燃料電池は、固体高分子形燃料電池に限らず、他の種々のタイプの燃料電池であってもよい。
E7.変形例7:
上記第1〜第3実施形態では、MEGA20に厚みの公差が存在する場合であって、酸変性熱可塑性樹脂42とセパレータ33との接着力が、接着剤としての酸変性熱可塑性樹脂42と電解質膜11との接着力よりも大きい場合であっても、非接着部を設けることで、酸変性熱可塑性樹脂42と電解質膜11との接着力を確保している。また、上記第4実施形態では、シール部材40sを介して接着部50sの略反対側に粘着剤43を設けることで、接着剤としての酸変性熱可塑性樹脂42と電解質膜11との接着力を確保している。これに対し、本発明は、セパレータとの接着力が、電解質膜との接着力より大きい接着剤を備えるシール部材を用いる燃料電池に対して適用可能である。
E8.変形例8:
上記第3実施形態では、シール部材40tを介して接着部50tの略反対側において、酸変性熱可塑性樹脂にシランカップリング剤を塗布することで、非接着部55tを形成している。これに対し、シランカップリング剤は、電解質膜11とシール部材40tとの接着力を確保して、燃料電池のクロスリークを防止することができるのであれば、シール部材40tを介して接着部50tの略反対側以外の箇所に塗布してもよい。
E9.変形例9:
上記第4実施形態では、シール部材40sは、粘着剤43として、アクリル樹脂系粘着剤を備えている。これに対し、シール部材40sは、粘着剤43として、例えばウレタン樹脂系粘着剤や、シリコーン樹脂系粘着剤や、合成ゴム系粘着剤などの他の天然樹脂系や合成樹脂系の粘着剤を備えていてもよい。
E10.変形例10:
上記第4実施形態では、シール部材40sは、熱可塑性樹脂41の一方の面の全面に接着剤としての酸変性熱可塑性樹脂42を備え、他方の面の全面に粘着剤43を備えている。これに対し、シール部材40sは、電解質膜11と接着する接着部50sにおいて接着剤を備え、シール部材40sを介して接着部50sの略反対側において粘着剤43を備えていれば、同一の面に接着剤と粘着剤とを備えていてもよい。
図10は、同一の面に接着剤と粘着剤とを備えるシール部材40qを有する燃料電池100qを示す図である。図10に示す燃料電池100qの備えるシール部材40qは、電解質膜11と接着する接着部50qに、接着剤としての酸変性熱可塑性樹脂42qを備えている。また、シール部材40qを介して接着部50qの略反対側に、粘着剤43qを備えている。さらに、シール部材40qは、図10に示すように、同一の面内に、接着剤としての酸変性熱可塑性樹脂42qと粘着剤43qとを交互に備えることによって、セパレータ33qと接着している。なお、熱可塑性樹脂41の同一の面内に交互に酸変性熱可塑性樹脂42qと粘着剤43qとを備えるシール部材40qは、例えば、熱可塑性樹脂41をマスキングすることによって作製してもよく、セパレータ33q(33aq、33cq)をマスキングすることによって作製してもよい。
このような構成であっても、接着部50qにおける電解質膜11とシール部材40qの接着力は、シール部材40qを介して接着部の略反対側におけるカソード側セパレータ33cqとシール部材40qの接着力より大きい。よって、燃料電池100qに加えられていた荷重が解除されると、シール部材40qの粘着剤43を備える面からカソード側セパレータ33cqが剥離する。そのため、カソード側セパレータ33cqがシール部材40qから剥離してガス拡散層22の変形に追従することによって、シール部材40qを電解質膜11から持ち上げようとする力を逃がすことができるので、シール部材40qと電解質膜11との接着を保つことができる。また、再度、燃料電池100qに荷重が加えられた場合には、シール部材40qのカソード側セパレータ33cqと対向する側の面の粘着剤43qと、カソード側セパレータ33cqとが接着する。そのため、燃料電池100qのクロスリークを防止することができる。さらに、粘着剤がカソード側セパレータ33cqと接着する力が低下した場合であっても、カソード側セパレータ33cqは酸変性熱可塑性樹脂42qとも接着しているので、カソード側セパレータ33cqとシール部材40qとの接着性は保たれる。そのため、燃料電池100qのクロスリークを効果的に防止することができる。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…MEA
11…電解質膜
12a…アノード側触媒層
12c…カソード側触媒層
20、20m、20r…MEGA
22、22r…ガス拡散層
22a、22ar…アノード側ガス拡散層
22c、22cr…カソード側ガス拡散層
33c1、33c2、33c3、33cp1、33cp2、33cp3、33ct1、33ct2、33ct3…リブ部
33、33f、33m…セパレータ
33a、33aq、33at、33as、33aq…アノード側セパレータ
33c、33cf、33cm、33cp、33ct、33cs、33cq…カソード側セパレータ
34a…燃料ガス流路
34c…酸化剤ガス流路
40、40t、40s、40q…シール部材
41…熱可塑性樹脂
42、42t、42q…酸変性熱可塑性樹脂
43、43q…粘着剤
50、50t、50s、50q…接着部
55,55p、55t…非接着部
60,60f、60m、60t、60s、60r…単セル
100,100f,100p、100t、100s、100r、100q…燃料電池
L1…距離

Claims (7)

  1. 燃料電池であって、
    第1の触媒層と、
    一方の面の周縁部の少なくとも一部が、前記第1の触媒層の周縁部よりも外側に露出するように配置された電解質膜と、
    前記電解質膜の他方の面に配置された第2の触媒層と、
    前記第1の触媒層に接合された第1のガス拡散層と、前記第2の触媒層に接合された第2のガス拡散層と、
    前記第1のガス拡散層側に配置された第1のセパレータと、前記第2のガス拡散層側に配置された第2のセパレータと、
    前記第1のセパレータと前記第2のセパレータとに狭持されるシール部材と、
    前記シール部材と前記電解質膜の露出した部分の少なくとも一部とが接着された接着部と、を備え、
    前記接着部における前記電解質膜と前記シール部材の接着力は、前記シール部材を介して前記接着部の略反対側における前記第1のセパレータと前記シール部材の接着力以上である、
    燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記シール部材を介して前記接着部の略反対側において、前記第1のセパレータと前記シール部材とが接着されていない、燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2記載の燃料電池であって、
    前記シール部材を介して前記接着部の略反対側において、前記第1のセパレータと前記シール部材とは離れている、燃料電池。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項記載の燃料電池であって、
    前記シール部材は、酸変性熱可塑性樹脂を表面に有する、燃料電池。
  5. 請求項4記載の燃料電池であって、
    前記シール部材を介して前記接着部の略反対側において、前記シール部材は前記酸変性熱可塑性樹脂を備えていない、燃料電池。
  6. 請求項4記載の燃料電池であって、
    前記シール部材を介して前記接着部の略反対側において、前記酸変性熱可塑性樹脂にはシランカップリング剤が塗布されている、燃料電池。
  7. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記接着部では、前記電解質膜と前記シール部材とが接着剤により接着されており、
    前記シール部材を介して前記接着部の略反対側では、前記第1のセパレータと前記シール部材とが粘着剤により接着されている、燃料電池。
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