JP5867093B2 - 複合化高分子電解質膜およびその製造方法 - Google Patents

複合化高分子電解質膜およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は燃料電池等の電気化学装置に使用する複合化高分子電解質膜に関するものである。
燃料電池は、水素、メタノールなどの燃料を電気化学的に酸化することによって、電気エネルギーを取り出す一種の発電装置であり、近年、クリーンなエネルギー供給源として注目されている。なかでも高分子電解質型燃料電池は、標準的な作動温度が100℃前後と低く、かつ、エネルギー密度が高いことから、比較的小規模の分散型発電施設、自動車や船舶など移動体の発電装置として幅広い応用が期待されている。また、小型移動機器、携帯機器の電源としても注目されており、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池に替わり、携帯電話やパソコンなどへの搭載が期待されている。
高分子電解質型燃料電池は、たとえば、2つのセパレータの間に膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルをスタックしたものである。膜電極接合体は、触媒層を有するアノードおよびカソードと、アノードとカソードとの間に配置される高分子電解質膜とから構成される。高分子電解質膜には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンポリマー等のフッ素系イオン伝導性ポリマーが適用されており、将来の高分子電解質型燃料電池の普及期を見据え、低コスト、低環境負荷が期待できる点からスルホン酸基を有する芳香族ポリエーテルエーテルケトンや芳香族ポリエーテルケトンおよび芳香族ポリエーテルスルホンなどの炭化水素系イオン伝導性ポリマーについても活発に検討がなされてきた。そして、高分子電解質膜には、プロトン伝導性が高いことが求められている。
この高分子電解質膜のプロトン伝導性を高めるためには、高分子電解質膜を薄くするか、イオン性基密度を高めることが好ましい。しかし、高分子電解質膜を薄くすると、該膜の機械的強度が低下し、膜電極接合体を製造する際に、加工しにくくなったり、取り扱いにくくなったりする。
また、反応により生成した水や、燃料ガスとともに供給される水蒸気等により高分子電解質膜が膨潤し、高分子電解質膜は、セパレータ等で拘束されているため、高分子電解質膜の寸法増大分は局部的な応力集中の原因となる。そして、燃料電池の作動条件によっては逆に高分子電解質膜が乾燥収縮する。この膨潤・乾燥収縮のサイクル(乾湿サイクル)の寸法変化で高分子電解質膜が破損し発電性能の低下や故障の原因となる場合がある。ここで、イオン性基密度を高めた高分子電解質膜は、含水時に該膜の長さ方向に寸法が増大しやすい。
また特に、自動車用燃料電池や家庭用燃料電池などは実用化に向けての低コスト化が検討されており、水管理システムの簡素化のために、80℃を越える高温で相対湿度60%以下の低加湿条件下で作動することが望まれており、高温・低加湿発電性能(耐熱性)が要求されている。
そこで、機械的強度と乾湿サイクルの寸歩変化抑制の観点から、特許文献1,2に開示されるように電解質膜をポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールからなる多孔質材料や繊維不織布で補強した複合化高分子電解質膜が提案されており、また、耐熱性の観点からは、特許文献3に熱分解温度が300℃以上である高分子電解質膜用支持体が開示されている。
特開2006−73495号公報 特開2008−251314号公報 特開2006−253124号公報
本発明者らは以下の課題があることを見出した。
まず、特許文献1、2に記載の複合高分子電解質膜は高分子電解質以外の複合材料が、それぞれポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールからなる多孔質材料や繊維不織布であるため、複合高分子電解質膜としての耐熱性が不十分である。また、ポリビニルアルコールは酸により劣化しやすいため、高イオン性基密度の高分子電解質には適していない。
また、燃料電池システム設計の観点からは発電性能が突然低下するより、徐々に性能が低下する方が好ましく、複合高分子電解質膜の劣化パターンが燃料電池セルの劣化パターンに関係が深いと考えているが、特許文献1、2記載の複合高分子電解質膜では発電耐久性試験において発電性能が突然低下する現象が起こりやすい。
その原因としては、複合高分子電解質膜のピンホールが成長し燃料の遮断が不十分になった場合に、触媒と燃料の反応や熱の影響により高分子電解質が劣化し、さらにピンホールが成長し空気極と燃料極が短絡することが考えられる。特許文献1、2記載の複合材料は高分子電解質と同様に劣化することから発電性能の突然低下の防止が困難である。
一方、特許文献3に記載の高分子電解質膜用支持体は、耐熱性は良好であるが、孔径が10〜5000μmであるため、高イオン性基密度の高分子電解質を使用した場合や20μm以下に薄膜化した場合、補強効果が不十分となり機械的強度と乾湿サイクルの寸歩変化抑制が低下する傾向にあった。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の複合化高分子電解質膜は耐炎化ポリアクリロニトリルを有することを特徴とする。
発明の複合化高分子電解質膜は、プロトン伝導性が優れ、乾湿サイクルでの寸法変化が小さく、機械的強度が向上できるため、高温・低加湿発電性能が優れ、発電耐久性に優れ、突然性能が低下することが起こりにくい燃料電池が実現できる。特に自動車用や家庭用燃料電池など80℃を越える高温で相対湿度60%以下の低加湿条件下で作動する燃料電池用途に最適である。
以下、本発明の好ましい実施形態の詳細を説明する。
本発明の複合化高分子電解質膜は耐炎化ポリアクリロニトリルを有することが必須である。
本発明における耐炎化ポリアクリロニトリルとは、ポリアクリロニトリルやその誘導体を主成分とする高分子材料を熱処理した材料の総称であり、本発明ではLOI値35以上のものを耐炎化ポリアクリロニトリルと定義する。ここでのLOI値とは難燃性を測る尺度として用いられる数値で、「JIS K7201 限界酸素指数」で規定されている。LOI値は、窒素と酸素の混合気体において、物質の燃焼を持続させるのに必要な最少酸素量の容積百分率で表され、LOI値が高いほど燃え難いと言える。本発明における高分子電解質と複合する耐炎化ポリアクリロニトリルの耐炎化度はLOI値を一つの尺度として判断できる。
化学式1に示すとおりポリアクリロニトリルを酸素を有するガス中で200〜300℃で加熱する事により環化構造をとりLOI値を高めることができると考えられる。
Figure 0005867093
発明者らは、この耐炎化ポリアクリロニトリルを高分子電解質と複合化することにより、高分子電解質の吸湿による寸法変化(特に面積方向)を抑制できるため、乾湿サイクルでの寸法変化が小さく、機械的強度が向上できるだけでなく、LOI値が大きく、燃えにくいため熱や酸化反応に対する耐久性が高いことに注目した。
耐熱性の観点からLOI値としては40以上が好ましく、50以上がさらに好ましい。また、耐薬品性も高く、複合化する高分子電解質が有しているイオン性基による劣化が無く、燃料電池の劣化原因の一つである、水素と酸素との接触で発生する過酸化水素が電解質膜中に溶け込んで、水酸基ラジカルとなって電解質膜を劣化させる現象に対しても、耐炎化ポリアクリロニトリルが劣化し難いため、複合化電解質膜としての耐久性向上効果が高い。
さらには、耐有機溶剤性も高いことから、極性の高い溶媒が使用される芳香族炭化水素系電解質の溶液製膜が可能となることも特徴の一つである。
本発明の複合化高分子電解質膜中の耐炎化ポリアクリロニトリルは不織布、抄紙、多孔質フィルムなどの多孔質材料、繊維状や微粒子状のフィラーとして複合化することができる。特に、本発明では、耐炎化ポリアクリロニトリルが連続層を形成していることが好ましい。連続層とは、不織布、抄紙、多孔質フィルムなどの耐炎化ポリアクリロニトリルが分断されず接触、または融着、または一体化されている構造を形成していることを意味し、高分子電解質が、複合化高分子電解質膜の表裏に連続的につながる様に充填される空隙を有することが好ましい。連続層を形成することにより寸法変化抑制効果などがより高くなる。
また、耐炎化ポリアクリロニトリルの優れた耐熱性により、高温作動や、何らかの原因でピンホールが発生し、燃料である水素と酸素が反応し局所的な発熱による高分子電解質の劣化が発生しても、複合電解質膜としては耐炎化ポリアクリロニトリルが存在するためピンホールが成長し空気極と燃料極が短絡する現象が発生しにくくなる。
耐炎化ポリアクリロニトリルを不織布として使用する場合は、直径5μm以下の繊維を主体とすることが好ましい。ここでの主体とは電子顕微鏡などで観察した場合、観察視野内の繊維の50%以上を占めるという意味である。5μm以下の繊維を主体とすることで複合化高分子電解質膜の薄膜化が可能でありプロトン伝導性の観点から好ましい。
また、繊維径が5μm以上の繊維のみからなる不織布では、複合化高分子電解質膜を薄膜化するためには、繊維の重なりを減らす、すなわち単位面積あたりの繊維量を低く設計することになるが、必然的に繊維間の距離が広がり、最大孔径が大きくなり、膜厚方向でみると局所的に複合化されていない部分が生じる場合がある。その部分は、複合化高分子電解質膜の厚みによっては、複合化高分子電解質膜の劣化のトリガーとなる可能性があるので、この現象を防止する目的として、平均径5μm以下の繊維を主体とすることが好ましい。特に1μm以下の繊維を主体とする不織布が、複合化高分子電解質膜の厚みの増大によるプロトン伝導性の低下を抑制でき、かつ膜厚方向に複合化されていない部分を低減することができる。0.5μm以下の繊維を含むことがさらに好ましい。
1μm以下の繊維を主体とする不織布を製造する場合は、生産性の観点から電解紡糸で得られたポリアクリロニトリル繊維をターゲット上に直接捕捉、集積する不織布化した後、酸素を有するガス中で200〜300℃で加熱処理する方法が挙げられる。電解紡糸とは、紡糸原液に高電圧を印加することによって電気的に繊維を紡糸する方法である。
ポリアクリロニトリルの電解紡糸で使用する溶媒は、溶解性や取り扱い性の面からN−メチル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホンアミドなどの有機極性溶媒が望ましく、また、これらの混合物であってもよい。溶解温度には特に限定はなく、室温下であっても、加熱下であってもよい。ポリアクリロニトリルが析出しない範囲で、水やアルコール類、メチルセロソルブ類、テトラヒドロフラン、トルエンなど低沸点の溶媒を加えてもよい。また、紡糸原液の延伸性を付与する目的で、エチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールの添加も好ましい。
上記紡糸原液を用いた電解紡糸工程は特に制限はなく通常公知の方法、設備が使用できる。通常の不織布設備を用いて直径5μm以下の繊維を主体とする不織布を製造することは、条件的にも厳しく、原料の粘度、延伸性等、多くの制約がある。一方、電解紡糸法は、紡糸原液を用いた紡糸法であるため、その乾燥過程において体積収縮が起こること、および紡糸原液が低粘度あるため、極細ノズルでの成形が可能であることにより、直径5μm以下の連続繊維を得やすい。
得られたポリアクリロニトリル繊維を不織布化する工程についても、電解紡糸工程においては、紡糸原液からの固化と延伸による紡糸とが同時に、または逐次的に起こるため、紡糸した繊維をターゲットに直接捕捉することで繊維同士が結合した不織布として得ることができる。 電解紡糸以外でもポリアクリロニトリルをレーザーで局所的に加熱しジェット気流や吸引によりで繊維を延伸補足して不織布とする方法も利用できる。
また、得られた繊維を短繊維としフリースを形成し、通常の乾式方や水中に分散して抄紙工程など不織布化する湿式法で不織布化してもよい。その場合はフリースを結合する方法として、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、水流絡合法なども利用できる。
耐炎化ポリアクリロニトリルを多孔質フィルムとして使用する場合は、ポリアクリロニトリルをジメチルスルホキシドやN−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒に溶解し、ポリエチレンテレフタレートや金属板上に流延塗後に水やメタノール等のポリアクリロニトリルが不溶でジメチルスルホキシドやN−メチル−2−ピロリドンが溶解する溶媒に浸漬する湿式凝固法で多孔質フィルムを形成し、その後、酸素を有するガス中で200〜300℃で加熱処理する方法が挙げられる。
また、ポリアクリロニトリルをジメチルスルホキシド/水=85/15重量部の混合溶媒に90℃で溶解し、ポリエチレンテレフタレートや金属板上に流延塗後、20℃まで冷却し、ポリアクリロニトリルの高分子多孔体(モノリス)を析出形成後、溶媒を乾燥除去した後、酸素を有するガス中で200〜300℃で加熱処理する方法も挙げられる。
耐炎化ポリアクリロニトリルは、プロトン伝導性の補助や高分子電解質との界面の密着性を向上するために表面にイオン性基を導入することもでき、またポリアクリロニトリルの段階でラジカル捕捉機能のある金属前駆体などを添加しておき耐炎化することも可能である。
また、ポリアクリロニトリルの不織布を電解紡糸(エレクトロスピニング)法で作製する場合、酸素を含むガス中で200〜300℃に加熱処理して耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布とするが、熱分解温度が200℃以上の粒子やフィラーをポリアクリロニトリルの紡糸原液に配合し、ポリアクリロニトリルを結着剤とした複合繊維による不織布を得ることも好ましい。この方法は、通常溶液での電解紡糸が困難な結晶性の高分子材料や無機材料を含む繊維による不織布を得ることが出来る。ポリアクリロニトリルは耐炎化されるので電解質材料との複合時の溶媒に冒されにくく、配合した材料の特性により強度、耐薬品性、耐熱性などに優れた不織布が得られ、複合化高分子電解質膜の耐久性能が向上する。配合する材料としてはポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィドなどの結晶性芳香族高分子粒子やテトラフルオロエチレンなどのフッ素系高分子粒子、シリカ、アルミナ、酸化チタンなど無機酸化物粒子などが挙げられ、二種以上の材料を混合してもよい。これらの配合量は適宜実験的に決定できるが、不織布の形態自己保持性を付与するために耐炎化ポリアクリロニトリルを結着剤として使用するため、紡糸原液中のポリアクリロニトリルの重量に対して5重量%〜90重量%が好ましく、10重量%〜70重量%がさらに好ましい。
また、ポリアクリロニトリルを耐炎化処理する際に、耐炎化ポリアクリロニトリルに配合した高分子粒子を溶融させ、繊維同士を溶融した高分子粒子同士が融着することで3次元的に繊維同士がつながった不織布を得ることができ、高分子電解質と複合することでより湿潤時の寸法安定性優れた複合化高分子電解質膜を得ることが出来る。この場合、配合する高分子粒子は複合する高分子電解質より素材の物性として弾性率の高い材料もしくは伸度が大きい材料が好ましく、含水膨潤や乾燥収縮などで高分子電解質が変形する際、その変形力によって複合化高分子電解質材料の内部の不織布が断裂し補強効果が薄れることを低減出来る。
配合する粒子径は特に限定されないが、複合化高分子電解質膜の厚みにより適宜選択できる。複合化高分子電解質膜の厚みを20μm以下に設定した場合は、平均粒子径2μm以下が好ましく1μm以下がより好ましい。
以上、高分子粒子の配合について電解紡糸による不織布を例にとって説明したが、耐炎化ポリアクリロニトリルの多孔質フィルムもポリマー溶液の湿式凝固法で製造する場合は同様の方法を採用でき、効果も同様である。
耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布や多孔質フィルムは厚み、空隙率、透気度の調整を目的に加熱プレスしてもよいし、不織布などの繊維構造体は繊維同士がずれないようにバインダーを少量添加してもよい。
不織布の場合、耐炎化前のポリアクリロニトリルの状態で、ポリアクリロニトリルの軟化点以上の温度で加熱プレスすることで繊維同士を融着させることによって、不織布の強度を向上することができ、また薄膜化が可能となる。加熱温度は70℃以上、120℃以下が好ましく、80℃以上、100℃以下がさらに好ましい。プレス圧力は不織布の多孔性や繊維径および所望の厚み、透気度等によって適宜実験的に決定することが出来る。ニップロールで加圧する場合は、例えば、0.05MPa以上、10MPa以下が好ましい。プレス装置によって圧力精度が不十分な場合、10MPa以上の圧力をかけるケースがあるが、プレス圧力が高すぎると空隙が閉塞する場合があるので、適宜スペーサーなどを活用し、ある一定の厚み以下にはつぶれないようにする工夫が好ましい。
この加熱プレス後に焼成することで耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布が得られるが、焼成前に加熱プレスしているため、該不織布の強度の向上と薄膜化が可能である。特に、10μm以下の厚みの不織布を得る方法として好適である。該不織布を使用して複合化高分子電解質膜とした場合、複合化高分子電解質膜の薄膜化が可能であると共に、複合化高分子電解質膜の強度も向上するため、発電性能と耐久性が向上する傾向にある。 本発明の複合化高分子電解質膜はプロトン伝導性の観点から、耐炎化ポリアクリロニトリルと複合化する高分子電解質は特に制限はなく、フッ素原子を含む高分子電解質、例えば、ナフィオン(登録商標)(デュポン社製)、フレミオン(登録商標)(旭硝子社製)等に代表されるパーフルオロ系プロトン伝導性ポリマーや芳香族または非芳香族炭化水素系高分子電解質膜が使用できる。これらの中でも、複合化する高分子電解質は耐炎化ポリアクリロニトリルとの親和性、低ガス透過性、機械的強度、高軟化温度、低コスト、低環境負荷の観点から芳香族炭化水素系電解質が好ましく、複合化高分子電解質膜のイオン伝導性の観点からイオン性基密度2mmol/g以上の芳香族炭化水素系電解質がさらに好ましく、イオン性基密度2.5mmol/g以上の芳香族炭化水素系電解質がより好ましい。
芳香族炭化水素系電解質としては、イオン性基含有ポリフェニレンオキシド、イオン性基含有ポリエーテルケトン、イオン性基含有ポリエーテルエーテルケトン、イオン性基含有ポリエーテルスルホン、イオン性基含有ポリエーテルエーテルスルホン、イオン性基含有ポリエーテルホスフィンオキシド、イオン性基含有ポリエーテルエーテルホスフィンオキシド、イオン性基含有ポリフェニレンスルフィド、イオン性基含有ポリアミド、イオン性基含有ポリイミド、イオン性基含有ポリエーテルイミド、イオン性基含有ポリイミダゾール、イオン性基含有ポリオキサゾール、イオン性基含有ポリフェニレンなどが挙げられる。ここでの、イオン性基については、負電荷を有する原子団であれば特に限定されるものではないが、プロトン交換能を有するものが好ましい。
このような官能基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、カルボン酸基が好ましく用いられる。かかるイオン性基は塩となっている場合を含むものとする。前記塩を形成するカチオンとしては、任意の金属カチオン、NR (Rは任意の有機基)等を例として挙げることができる。金属カチオンの場合、その価数等特に限定されるものではなく、使用することができる。
好ましい金属イオンの具体例を挙げるとすれば、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Mn、Al、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、W、Pt、Rh、Ru、Ir、Pd等が挙げられる。これらの中でもLi、Na、K、Ca、Sr、Baがより好ましく、中でも、安価で、溶解性に悪影響を与えず、容易にプロトン置換可能なNa、Kがより好ましく使用される。また、イオン性基は金属塩以外にエステルなどに置換されていてもよい。
これらのイオン性基は前記高分子電解質中に2種類以上含むことができ、組み合わせることにより好ましくなる場合がある。組み合わせはポリマーの構造などにより適宜決められる。中でも、高プロトン伝導度の点から少なくともスルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基を有することがより好ましく、耐加水分解性の点から少なくともスルホン酸基を有することが最も好ましい。
近年、自動車用燃料電池や家庭用燃料電池など本格普及のためには水管理システムの簡素化が重要と考えられ、発電条件が80℃を越える高温で相対湿度60%以下の低加湿条件下となる場合がある。従って、このような高温低加湿化で十分な発電性能を発揮するためには、高分子電解質のイオン性基密度は2.0mmol/g以上が好ましく、耐炎化ポリアクリロニトリルを含む複合化高分子電解質膜のイオン性基密度は1.5mmol/g以上が好ましい。
上記高分子電解質を溶液製膜する場合に使用する溶媒も特に制限はなく、上記イオン性基含有ポリマーによって選択できる。例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホントリアミド等の非プロトン性極性溶媒、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられ、単独でも二種以上の混合物でもよい。
また、電解質溶液の粘度調整にメタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、パークロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ化炭化水素系溶媒、水などの各種低沸点溶剤も混合して使用できる。
また、溶媒に溶解性が不十分な場合、可溶性付与基を導入することも可能である。ポリエーテルケトン系ポリマーを例に挙げて説明すると、ケトン部位をアセタールまたはケタール部位で置換し可溶性付与基とする方法、ケトン部位をアセタールまたはケタール部位のヘテロ原子類似体、例えばチオアセタールやチオケタールで置換し可溶性付与基とする方法が挙げられる。
耐炎化ポリアクリロニトリルを有する複合化高分子電解質膜の製造方法は特に制限がなく公知の方法が利用できる。耐炎化ポリアクリロニトリルをフィラー、微粒子として複合化する場合は高分子溶液中に該フィラー、微粒子を混合して溶液製膜により製造しても良いし、押し出し機などで溶融混練しペレット化した後、溶融製膜で複合化高分子電解質膜を製造してもよい。また、耐炎化ポリアクリロニトリルが不織布、抄紙、多孔質フィルムの場足は該材料中に高分子電解質溶液を含浸し溶媒を乾燥して複合化高分子電解質膜を製造してもよい。
その場合、(1)引き上げながら余剰の高分子電解質溶液を除去して膜厚を制御する方法や、(2)芳香族炭化水素系ポリマー不織布上に高分子電解質溶液を流延塗布する方法、(3)高分子電解質溶液を流延塗布した別の基材上に芳香族炭化水素系ポリマー不織布を積層し高分子電解質溶液を含浸させる方法などが挙げられる。また、(1)および(2)の方法でも別の基材に貼り付けて高分子電解質溶液中の溶媒を乾燥する方法が、複合化高分子電解質膜の皺や厚みムラなどが低減でき、膜品位の点で好ましい。
複合化高分子電解質膜に使用する別の基材としては通常公知の材料が使用できるが、ステンレスなどの金属からなるエンドレスベルトやドラム、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリスルホンなどのポリマーからなるフィルム、硝子、剥離紙などが挙げられる。金属などは表面に鏡面処理を施したり、ポリマーフィルムなどは塗工面にコロナ処理を施したり、剥離処理をしたり、ロール状に連続塗工する場合は塗工面の裏に剥離処理を施し、巻き取った後に電解質膜と塗工基材の裏側が接着したりするのを防止することもできる。フィルム基材の場合、厚みは特に限定がないが、30μm〜200μmがハンドリングの観点から好ましい。
流延塗工方法としては、ナイフコート、ダイレクトロールコート、グラビアコート、スプレーコート、刷毛塗り、ディップコート、ダイコート、バキュームダイコート、カーテンコート、フローコート、スピンコート、リバースコート、スクリーン印刷などの手法が適用できる。含浸時に減圧や加圧、高分子電解質溶液の加温、基材や含浸雰囲気の加温などを実施し含浸性の向上を図ることも、プロトン伝導性の向上や生産性の向上に有効である。
本発明で得られる複合化高分子電解質膜の膜厚としては特に制限がなく、通常3〜500μmのものが好適に使用される。実用に耐える膜の強度を得るには3μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能の向上のためには500μmより薄い方が好ましい。膜厚のより好ましい範囲は5〜200μm、さらに好ましい範囲は10〜100μmである。この膜厚は、高分子電解質溶液の塗工方法により種々の方法で制御できる。例えば、コンマコーターやダイレクトコーターで塗工する場合は、溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御することができ、スリットダイコートでは吐出圧や口金のクリアランス、口金と基材のギャップなどで制御することができる。
また、本発明の複合化高分子電解質膜は、複合化電解質膜中のスルホン酸基などのイオン性基が金属塩の状態で使用される場合、酸性水溶液と接触させ、金属塩をプロトン交換する工程を有することが好ましい。また、複合化高分子電解質膜を水や酸性水溶液に接触させることにより、製造過程で残留した、膜中の水溶性の不純物、残存モノマー、溶媒、残存塩などが除去可能であり、さらに前述の可溶性付与基を高分子電解質溶液にも含む場合はこの工程で除去できる。水、酸性水溶液は反応促進のために加熱してもよい。
酸性水溶液は硫酸、塩酸、硝酸、酢酸など特に限定されず、温度、濃度等は適宜実験的に選択可能である。生産性の観点から80℃以下の30重量%以下の硫酸水溶液を使用することが好ましい。特に、複合化高分子電解質膜を連続的に製造する際には、基材などの支持体に貼り付けたまま、水および/または酸性溶水液との接触を行なうことが好ましい。基材から剥離せず水および/または酸性溶水液に接触させることで、膨潤による膜の破断や乾燥時の皺や表面欠陥を防止できる。特に、複合化高分子電解質膜としての厚みが薄い場合に有効である。
複合化高分子電解質膜が薄い場合は液体膨潤時の機械的強度が低下し製造時の膜の破断が発生しやすくなり、さらに水および/または酸性溶水液との接触後の乾燥時に皺が入り、表面欠陥が発生しやすくなる。例えば、乾燥時で厚み50μm以下の複合化高分子電解質膜を製造する場合は、基材から膜状物を剥離することなく水および/または酸性溶水液との接触を行なうことが好ましく、厚み30μm以下ではより好ましい。
また、本発明の複合化高分子電解質膜中には機械的強度の向上およびイオン性基の熱安定性向上、耐水性向上、耐溶剤性向上、耐ラジカル性向上、塗液の塗工性の向上、保存安定性向上などの目的のために、架橋剤や通常の高分子化合物に使用される結晶化核剤、可塑剤、安定剤、離型剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、無機微粒子、ポリエーテルケトンやポリフェニレンスルフィドのフィラーまたは微粒子などの添加剤を、本発明の目的に反しない範囲内で添加することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各物性の測定条件は次の通りである。
A.イオン酸基密度
下記手順を5回行い、最大値と最小値を除いた3点の平均値をイオン酸基密度(mmol/g)とする。濃度の単位は重量%、重量の単位はgである。
(1)作製した電解質膜を5cm×5cmに切り取り真空乾燥機にて80℃12時間以上減圧乾燥後、重量(Wm)を正確(小数点下4桁)に測定した。
(2)蓋付きのサンプル瓶に約0.2wt%のKCl水溶液約30ml準備し、KCl水溶液の重量(Wk)とKイオン濃度(C)を測定した。Kイオン濃度は大塚電子製キャピラリー電気泳動装置”CAPI-3300”で測定した。測定条件は下記の通りである。
測定方式:落差法(25mm)
泳動液:大塚電子製 陽イオン分析用泳動液5(α-CFI105)
測定電圧:20kV
(3)重量とKイオン濃度既知のKCl水溶液に上記電解質膜を2時間浸漬した。
(4)該KCl水溶液のKイオン濃度(C)を再度キャピラリー電気泳動装置で測定した。測定した値から、下記式に従いスルホン酸基密度を算出した。
スルホン酸基密度(mmol/g)=〔{Wk×(C−C)×1000}/39〕/Wm
B.繊維径の測定方法
光学顕微鏡または走査形電子顕微鏡(SEM)で芳香族炭化水素系ポリマー不織布を観察し、画面上の任意繊維の直径を20箇所計測した平均値で示した。また繊維径が計測困難な場合や複合化高分子電解質膜は下記方法で観察した。
60℃で24時間減圧乾燥した複合化高分子電解質膜をカッターで切り出し、電顕用エポキシ樹脂(日新EM社製Quetol812)で包埋し、60℃のオーブン中で48時間かけて該エポキシ樹脂を硬化させた後、ウルトラミクロトーム(ライカ社製Ultracut S)で厚さ約100nmの超薄切片を作製した。
作製した超薄切片を応研商事社製100メッシュのCuグリッドに搭載して、日立製透過型電子顕微鏡H-7100FAを使用し加速電圧100kVでTEM観察を行い、繊維径を測定した。
C.膜厚
ミツトヨ製グラナイトコンパレータスタンドBSG−20にセットしたミツトヨ製ID−C112型を用いて測定した。
D.LOI値
JIS−K7201(限界酸素指数)に基づき測定した。
E.複合化高分子電解質寸法変化率
電解質膜を6cm×1cmの短冊状に切り出し、長尺側の両端から約5mmのところに標線を記入した(標線間距離5cm)。前記サンプルを温度23℃、湿度45%の恒温槽に2h放置後、素早く2枚のスライドガラスに挟み込み標線間距離(L)をノギスで測定した。さらに、同サンプルを80℃の熱水に2h浸漬後、素早く2枚のスライドガラスに挟み込み標線間距離(L)をノギスで測定し下記式に従い寸法変化率を算出した。
寸法変化率(%)=(L−L)/L×100
F.複合化高分子電解質膜の湿潤時の引っ張り強度
JIS K7127に基づいてサンプル片はダンベル2号形の1/2サイズ(試料幅:3.0mm、試料長:16.5mm、つかみ具間40mm)を用い、装置としては恒温恒湿槽付き島津製作所製オートグラフAG-IS 100Nを使用し、200mm/minの速度で試験を行った。測定雰囲気としては80℃相対湿度94%で測定を行った。
G.複合化高分子電解質膜を使用した膜電極複合体(MEA)の発電評価
(1)水素透過電流の測定
市販の電極、BASF社製燃料電池用ガス拡散電極“ELAT(登録商標)LT120ENSI”5g/mPtを5cm角にカットしたものを1対準備し、燃料極、酸化極として複合化高分子電解質膜を挟むように対向して重ね合わせ、150℃、5MPaで3分間加熱プレスを行い、評価用MEAを得た。
このMEAを英和(株)製 JARI標準セル“Ex−1”(電極面積25cm)にセットし、セル温度:80℃、一方の電極に燃料ガスとして水素、もう一方の電極に窒素ガスを供給し、加湿条件:水素ガス90%RH、窒素ガス:90%RHで試験を行った。OCVで0.2V以下になるまで保持し、0.2〜0.7Vまで1mV/secで電圧を掃引し電流値の変化を調べた。本実施例においては下記の起動停止試験の前後で測定し0.6V時の値を調べた。膜が破損した場合、水素透過量が多くなり透過電流が大きくなる。また、この評価はSolartron製電気化学測定システム(Solartron 1480 Electrochemical InterfaceおよびSolartron 1255B Frequency ResponseAnalyzer)を使用して実施した。
(2)耐久性試験
上記セルを使用し、セル温度:80℃、燃料ガス:水素、酸化ガス:空気、ガス利用率:水素70%/酸素40%、加湿条件:水素ガス60%RH、空気:50%RHの条件で試験を行った。条件としては、OCVで1分間保持し、1A/cmの電流密度で2分間発電し、最後に水素ガスおよび空気の供給を停止して2分間発電を停止し、これを1サイクルとして繰り返す耐久性試験を実施した。耐久性試験前と3000サイクル後に上記水素透過電流の測定を実施しその差を調べた。また、この試験の負荷変動は菊水電子工業社製の電子負荷装置“PLZ664WA”を使用して行った。
(3)低加湿下での発電評価
上記燃料電池セルをセル温度80℃、燃料ガス:水素、酸化ガス:空気、ガス利用率:水素70%/酸素40%、加湿条件;アノード側30%RH/カソード30%RH、背圧0.1MPa(両極)において電流−電圧(I−V)測定した。電流−電圧曲線の電流と電圧の積が最高になる点を電極面積で割った値を出力密度とした。
〔合成例1;可溶性付与基を有するモノマー〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン(G1)の合成
モンモリロナイトクレイK10(150g)、ジヒドロキシベンゾフェノン99gをエチレングリコール242mL/オルトギ酸トリメチル99mL中、生成する副生成物を蒸留させながら110℃で反応させた。18h後、オルトギ酸トリメチルを66g追加し、合成48h反応させた。反応溶液に酢酸エチル300mLを追加し、濾過後、2%炭酸水素ナトリウム水溶液で4回抽出を行った。さらに、濃縮後、ジクロロエタンで再結晶する事により目的の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソランを得た。
〔合成例2;イオン性基を有するモノマー〕
ジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(G2)の合成
4,4’−ジフルオロベンゾフェノン109.1g(アルドリッチ試薬)を発煙硫酸(50%SO3)150mL(和光純薬試薬)中、100℃で10h反応させた。その後、多量の水中に少しずつ投入し、NaOHで中和した後、食塩200gを加え合成物を沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、エタノール水溶液で再結晶し、ジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを得た。
〔参考例1;高分子電解質溶液Aの製造例〕
撹拌機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた5Lの反応容器に、合成例1で合成した可溶性付与基を有するモノマー2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン129g、4,4’−ビフェノール93g(アルドリッチ試薬)、および合成例2で合成したイオン性基を含有するモノマーであるジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン422g(1.0mol)を入れ、窒素置換後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3000g、トルエン450g、重合安定剤として18−クラウン−6 232g(和光純薬試薬)を加え、モノマーが全て溶解したことを確認後、炭酸カリウム304g(アルドリッチ試薬)を加え、環流しながら160℃で脱水後、昇温してトルエン除去し、200℃で1時間脱塩重縮合を行った。得られたポリマーのイオン性基密度は3.52mmol/gで、重量平均分子量は32万であった。
次に重合原液の粘度が0.5Pa・sになるようにNMPを添加して希釈し、久保田製作所製インバーター・コンパクト高速冷却遠心機(型番6930にアングルローターRA−800をセット、25℃、30分間、遠心力20000G)で重合原液の直接遠心分離を行った。沈降固形物(ケーキ)と上澄み液(塗液)がきれいに分離できたので上澄み液を回収した。次に、撹拌しながら80℃で減圧蒸留し、ポリマー濃度が20重量%になるまでNMPを除去し、さらに5μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターで加圧濾過して高分子電解質溶液Aを得た。
〔参考例2;耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布の製造例〕
アルドリッチ社製のポリアクリロニトリル試薬(平均分子量150000)100gをジメチルホルムアミド450gとアセトン50gの混合溶媒に溶解し紡糸原液とした。次ぎに、カトーテック社製エレクトロスピニングユニットを使用し、電圧35kV、シリンジポンプ吐出速度0.05cc/min、トラバース速度50mm/min、ドラム式ターゲット(直径100mm)の周速度0.8m/min、シリンジとターゲット間の距離100mmの条件で電解紡糸を実施した。
得られたポリアクリロニトリル繊維の直径の平均は400nmであり、ターゲット上に繊維を捕集し厚み20μmのポリアクリロニトリル不織布を得た。
このポリアクリロニトリル不織布を空気雰囲気下の熱風オーブン中で230℃、1時間の熱処理を行い、厚み15μmの耐炎化ポリアクリロニトリル不織布を得た。この耐炎化ポリアクリロニトリル不織布のLOI値は50であった。
〔参考例3;耐炎化ポリアクリロニトリルの多孔質フィルムの製造例〕
アルドリッチ社製のポリアクリロニトリル試薬(平均分子量150000)50gをジメチルスルホキシド380gと水70gの混合溶媒に90℃加熱しながら溶解し、冷えないように90℃に加熱した硝子板上に流延塗布した。
次ぎに硝子板ごと20℃まで冷却後、析出したフィルム状物を水で洗浄し、100℃で乾燥して厚み20μmのポリアクリロニトリルの多孔質フィルムを得た。
このポリアクリロニトリル多孔質フィルムを空気雰囲気下の熱風オーブン中で250℃、1時間の熱処理を行い、厚み15μmの耐炎化ポリアクリロニトリル多孔質フィルムを得た。この耐炎化ポリアクリロニトリル多孔質フィルムのLOI値は55であった。
実施例1
参考例1の高分子電解質溶液Aを基材である125μmのPETフィルム(東レ製“ルミラー(登録商標)”)上に流延塗布し、その上に、参考例2で得た耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布を貼り合わせて、耐炎化ポリアクリロニトリルの空隙に高分子電解質溶液Aを含浸させた。耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布は高分子電解質溶液Aに溶解することなく原型を保ったままであった。次ぎに熱風乾燥機に投入し100℃で10分間、150℃で20分間、溶媒を乾燥除去した。次ぎに、PET基材にはりついたままの状態で40℃の10重量%の硫酸水溶液に30分間浸漬し高分子電解質のプロトン交換と可溶性付与基を除去し、洗浄水が中性を示すまで水洗を繰り返し、60℃で再乾燥後、PET基材から剥離し、複合化高分子電解質膜Aを得た。
この複合化高分子電解質膜Aのイオン性基密度は2.7mmol/gであった。この複合化高分子電解質膜Aを使用し寸法変化率を測定したところ1.5%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は50MPaであった。また、複合化高分子電解質膜Aを使用した燃料電池の低加湿下での出力は600mW/cmであり、発電耐久性評価試験前後の水素透過電流を測定したところ、評価前が0.70mA/cmで評価後は0.91mA/cmであり耐久性が良好であった。
実施例2
参考例1の高分子電解質溶液Aを基材である125μmのPETフィルム(東レ製“ルミラー(登録商標)”)上に流延塗布し、その上に、参考例3で得た耐炎化ポリアクリロニトリルの多孔質フィルムを貼り合わせて、耐炎化ポリアクリロニトリルの多孔質フィルムの空隙に高分子電解質溶液Aを含浸させた。耐炎化ポリアクリロニトリルの多孔質フィルムは同じ溶媒を含む高分子電解質溶液Aに溶解することなく原型を保ったままであった。次ぎに熱風乾燥機に投入し100℃で10分間、150℃で20分間、溶媒を乾燥除去した。次ぎに、PET基材にはりついたままの状態で60℃の10重量%の硫酸水溶液に30分間浸漬し高分子電解質のプロトン交換と可溶性付与基を除去し、洗浄水が中性を示すまで水洗を繰り返し、60℃で熱風乾燥後PET基材から剥離し、複合化高分子電解質膜Bを得た。
この複合化高分子電解質膜Bのイオン性基密度は2.5mmol/gであった。この複合化高分子電解質膜Bを使用し寸法変化率を測定したところ1.0%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は60MPaであった。また、複合化高分子電解質膜Bを使用した燃料電池の低加湿下での出力は590mW/cmであり、発電耐久性評価試験前後の水素透過電流を測定したところ、評価前が0.45mA/cmで評価後は0.60mA/cmであり耐久性が良好であった。
実施例3
デュポン(DuPont)社製20%“ナフィオン(登録商標)”n−プロパノール溶液を基材である125μmのPETフィルム(東レ製“ルミラー(登録商標)”)上に流延塗布し、その上に、参考例2で得た耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布を貼り合わせて、耐炎化ポリアクリロニトリルの空隙にNafion溶液を含浸させた。
次ぎに熱風乾燥機に投入し100℃で10分間予備乾燥した後、さらにNafion溶液を流延塗布し、100℃で10分間、130℃で20分間乾燥し、複合化高分子電解質膜Cを得た。
この複合化高分子電解質膜Cのイオン性基密度は0.9mmol/gであった。この複合化高分子電解質膜Bを使用し寸法変化率を測定したところ1.0%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は20MPaであった。また、複合化高分子電解質膜Cを使用した燃料電池の低加湿下での出力は550mW/cmであり、発電耐久性評価試験前後の水素透過電流を測定したところ、評価前が1.4mA/cmで評価後は1.8mA/cmであった。
比較例1
実施例1において参考例2で得た耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布を貼り合わさなかった以外は実施例1同様に行い、耐炎化ポリアクリロニトリルが複合化されていない高分子電解質を得た。この高分子電解質膜のイオン性基密度は3.6mmol/gであった。この高分子電解質膜を使用し寸法変化率を測定したところ53.0%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は測定できなかった。また、高分子電解質膜を使用した燃料電池の低加湿下での出力は780mW/cmであり、発電耐久性評価試験前後の水素透過電流を測定したところ、評価前が0.8mA/cmで評価後は73.3mA/cmであり、耐久性が不十分であった。
比較例2
実施例2においてポリアクリロニトリルの多孔質フィルムを使用した以外は実施例2と同様に行い、ポリアクリロニトリルの多孔質フィルムが複合化された複合化高分子電解質膜Dを得た。
しかし、ポリアクリロニトリルの多孔質フィルムの一部が高分子電解質溶液Aに溶解し白濁が発生した。Tこの複合化高分子電解質膜Dのイオン性基密度は2.8mmol/gであり、寸法変化率を測定したところ1.0%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は48MPaであった。しかしながら、複合化高分子電解質膜Dを使用した燃料電池の低加湿下での出力は120mW/cmであり、複合化高分子電解質膜Dの膜中にポリアクリロニトリルの多孔質が溶解したプロトン伝導性が低い層ができていた。
比較例3
実施例1において耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布の代わりに平均繊維径300nmポリビニルアルコール不織布を使用し、実施例1と同様に複合化高分子電解質膜Eを得た。この複合化高分子電解質膜Eのイオン性基密度は2.7mmol/gであった。この複合化高分子電解質膜Dを使用し寸法変化率を測定したところ1.0%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は45MPaであった。また、複合化高分子電解質膜Eを使用した燃料電池の低加湿下での出力は350mW/cmであり、発電耐久性評価試験前後の水素透過電流を測定したところ、評価前が0.55mA/cmで評価後は60.5mA/cmであり耐久性が不良であった。ポリビニルアルコールが褐色に変色しており酸化劣化が大きかった。
実施例4
アルドリッチ社製のポリアクリロニトリル試薬(平均分子量150000)100gをジメチルホルムアミド450gとアセトン50gの混合溶媒に溶解しポリフェニレンスルフィド(東レ製“トレリナ(登録商標)”)の微粒子(平均粒子径1μm)を10g配合し紡糸原液とした。次ぎに、カトーテック社製エレクトロスピニングユニットを使用し、電圧35kV、シリンジポンプ吐出速度0.05cc/min、トラバース速度50mm/min、ドラム式ターゲット(直径100mm)の周速度0.8m/min、シリンジとターゲット間の距離100mmの条件で電解紡糸を実施した。
得られたポリアクリロニトリル繊維の直径の平均は420nmであり、ターゲット上に繊維を捕集し厚み20μmのポリフェニレンスルフィド配合ポリアクリロニトリル不織布を得た。
このポリアクリロニトリル不織布を空気雰囲気下の熱風オーブン中で260℃、1時間の熱処理を行い、厚み15μmのポリフェニレンスルフィド配合耐炎化ポリアクリロニトリル不織布を得た。このポリフェニレンスルフィド配合耐炎化ポリアクリロニトリル不織布はポリフェニレンスルフィドが溶融し繊維同士が溶融した粒子部分でつながっていた。
次に参考例1の高分子電解質溶液Aを基材である125μmのPETフィルム(東レ製“ルミラー(登録商標)”)上に流延塗布し、その上に、上記ポリフェニレンスルフィド配合耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布を貼り合わせて、ポリフェニレンスルフィド配合耐炎化ポリアクリロニトリルの空隙に高分子電解質溶液Aを含浸させた。ポリフェニレンスルフィド配合耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布は高分子電解質溶液Aに溶解することなく原型を保ったままであった。次ぎに熱風乾燥機に投入し100℃で10分間、150℃で20分間、溶媒を乾燥除去した。次ぎに、PET基材にはりついたままの状態で40℃の10重量%の硫酸水溶液に30分間浸漬し高分子電解質のプロトン交換と可溶性付与基を除去し、洗浄水が中性を示すまで水洗を繰り返し、60℃で再乾燥後、PET基材から剥離し、複合化高分子電解質膜Fを得た。
この複合化高分子電解質膜Fのイオン性基密度は2.7mmol/gであった。この複合化高分子電解質膜Fを使用し寸法変化率を測定したところ0.8%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は60MPaであった。また、複合化高分子電解質膜Fを使用した燃料電池の低加湿下での出力は600mW/cmであり、発電耐久性評価試験前後の水素透過電流を測定したところ、評価前が0.50mA/cmで評価後は0.65mA/cmであり耐久性が良好であった。
実施例5
参考例4の紡糸原液組成をアルドリッチ社製のポリアクリロニトリル試薬(平均分子量150000)100gをジメチルホルムアミド700gとアセトン100gの混合溶媒に溶解しポリフェニレンスルフィド(東レ製“トレリナ(登録商標)”)の微粒子(平均粒子径1μm)の配合量を200gに変更した以外は実施例4と同様に行い、複合化高分子電解質膜Gを得た。
この複合化高分子電解質膜Gのイオン性基密度は2.5mmol/gであった。この複合化高分子電解質膜Gを使用し寸法変化率を測定したところ0.5%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は650MPaであった。また、複合化高分子電解質膜Gを使用した燃料電池の低加湿下での出力は570mW/cmであり、発電耐久性評価試験前後の水素透過電流を測定したところ、評価前が0.45mA/cmで評価後は0.55mA/cmであり耐久性が良好であった。
実施例6
参考例2の得られたポリアクリロニトリル不織布を加熱ニップロール(80℃、0.5MPa)で加熱プレスした後、参照例2と同様に耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布を得た。この加熱プレス耐炎化ポリアクリロニトリル不織布は繊維同士が融着しており厚みが8μmであった。次に参考例1の高分子電解質溶液Aを基材である125μmのPETフィルム(東レ製“ルミラー(登録商標)”)上に流延塗布し、その上に、上記加熱プレス耐炎化ポリアクリロニトリル不織布を貼り合わせて、該不織布の空隙に高分子電解質溶液Aを含浸させた。次ぎに熱風乾燥機に投入し100℃で10分間、150℃で20分間、溶媒を乾燥除去した。次ぎに、PET基材にはりついたままの状態で40℃の10重量%の硫酸水溶液に30分間浸漬し高分子電解質のプロトン交換と可溶性付与基を除去し、洗浄水が中性を示すまで水洗を繰り返し、60℃で再乾燥後、PET基材から剥離し、複合化高分子電解質膜Hを得た。この複合化高分子電解質膜の厚みは10μmであり薄膜であった。
この複合化高分子電解質膜Hのイオン性基密度は2.7mmol/gであった。この複合化高分子電解質膜Fを使用し寸法変化率を測定したところ1.0%であり、湿潤時の引っ張り破断強度は70MPaであった。また、複合化高分子電解質膜Hを使用した燃料電池の低加湿下での出力は700mW/cmであり、発電耐久性評価試験前後の水素透過電流を測定したところ、評価前が0.80mA/cmで評価後は0.96mA/cmであり耐久性が良好であった。
本発明の複合化高分子電解質膜は、種々の電気化学装置(例えば、燃料電池、水電解装置、クロロアルカリ電解装置等)に適用可能である。これら装置の中でも、燃料電池用に好適であり、特に水素やメタノール水溶液を燃料とする燃料電池に好適であり、携帯電話、パソコン、PDA、ビデオカメラ(カムコーダー)、デジタルカメラ、ハンディターミナル、RFIDリーダー、デジタルオーディオプレーヤー、各種ディスプレー類などの携帯機器、電動シェーバー、掃除機等の家電、電動工具、家庭用電力供給機、乗用車、バスおよびトラックなどの自動車、二輪車、フォークリフト、電動アシスト付自転車、電動カート、電動車椅子や船舶および鉄道などの移動体、各種ロボット、サイボーグなどの電力供給源として好ましく用いられる。特に携帯用機器では、電力供給源だけではなく、携帯機器に搭載した二次電池の充電用にも使用され、さらには二次電池やキャパシタ、太陽電池と併用するハイブリッド型電力供給源としても好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 耐炎化ポリアクリロニトリルからなる多孔質材料またはフィラーと高分子電解質と複合化し複合高分子電解質膜。
  2. 前記多孔質材料が不織布である請求項1記載の複合化高分子電解質膜。
  3. 前記高分子電解質としてイオン性基密度2mmol/g以上の芳香族炭化水素系電解質を含む請求項1または2記載の複合高分子電解質膜。
  4. 耐炎化ポリアクリロニトリルと結晶性高分子材料の複合繊維からなる不織布または多孔質フィルム高分子電解質と複合化し複合高分子電解質膜。
  5. 膜厚10μm以下の耐炎化ポリアクリロニトリルの不織布と高分子電解質とを複合化してなる複合化高分子電解質膜の製造方法であって、下記工程を有することを特徴とする複合高分子電解質膜の製造方法。
    (1)電解紡糸法でポリアクリロニトリルの不織布を得る工程。
    (2)ポリアクリロニトリルの不織布をポリアクリロニトリルの軟化点以上で加圧プレスした後に、酸素を有するガス中で200℃以上、300℃以下で加熱処理する工程。
    (3)高分子電解質を該不織布の空隙に充填する工程。
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