JP5865291B2 - 光ファイバ接続工具 - Google Patents
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Description
この光ファイバ接続器では、挿入部材を有する挿入ユニットが用いられる。挿入ユニットは、挿入部材を挟持部材の間に挿入することによって、挟持部材の間に、光ファイバが挿入可能な隙間を形成できる。
この光ファイバ接続器では、光ファイバを挟持部材の間で突き合わせ、拘束カバーを閉じて把持部の後退を規制した後に、挿入ユニットを引き抜いて、光ファイバを挟持部材の間で把持固定することができる。
本発明は、誤操作を防止し、光ファイバの突き当て力を確実に確保できる光ファイバ接続工具を提供することを課題とする。
前記スプライス用工具は、前記一対の延出片の互いに対向する側面に、前記スプライス用工具を取り外す方向に前記メカニカルスプライスから遠ざかるほど互いに離れるように傾斜する斜面が形成されていることが好ましい。
本発明は、第1の光ファイバが挿入されるメカニカルスプライスを保持する光ファイバ接続用ユニットと、前記メカニカルスプライス内で前記第1の光ファイバと突き合わせる第2の光ファイバを固定する接続治具と、を備え、前記光ファイバ接続用ユニットは、前記メカニカルスプライスと、前記第1の光ファイバを把持する光ファイバ把持部と、これらを保持するユニットベースと、前記メカニカルスプライスに取り付けられるスプライス用工具とを有し、前記ユニットベースは、前記光ファイバ把持部を保持する本体部と、前記本体部に保持された前記光ファイバ把持部を位置決めする位置決め部材と、を有し、前記位置決め部材は、前記光ファイバ把持部の移動を規制する規制位置と、前記光ファイバ把持部の移動を規制しない待機位置とを切り替え可能であり、前記スプライス用工具は、前記位置決め部材が前記待機位置にあるときには、前記位置決め部材によって前記メカニカルスプライスから取り外す方向の移動が規制され、かつ前記位置決め部材が前記規制位置にあるときには、前記位置決め部材によって前記メカニカルスプライスから取り外す方向の移動が規制されない光ファイバ接続工具を提供する。
前記位置決め部材は、前記本体部に回動可能に枢着され、前記スプライス用工具が前記メカニカルスプライスに取り付けられた状態で、前記回動により前記規制位置と待機位置とを切り替え可能であることが好ましい。
前記スプライス用工具は、前記待機位置にある位置決め部材に形成された挿通凹部に挿通可能な延出片を有することが好ましい。
従って、光ファイバの突き当て力を確実に確保し、高い接続信頼性を得ることができる。
図1〜図3に示すように、光ファイバ接続工具100は、光ファイバケーブル24の端末に取り付けられた光ファイバ接続用ユニット10と、挿入光ファイバ1を把持したファイバホルダ90(光ファイバ固定部)を有する接続治具110と、を備えている。
光ファイバ接続用ユニット10については、ファイバホルダ90に近づく方向を前方といい、その反対方向を後方と言うことがある。また、メカニカルスプライスは、単に「スプライス」とも言う。
スプライス保持部60は、基体部61と、基体部61の一側縁に立設された一側突壁部62と、基体部61の他側縁に立設された他側突壁部63と、一側突壁部62の前端に設けられた前側突壁部64と、突壁部62、63の後端にそれぞれ設けられた後側突壁部65とを有する。
スプライス保持部60は、スプライス30を、向かい合う一側突壁部62と他側突壁部63の間に確保されたスプライス収納空間67に収納して保持することができる。
ガイド凹部62b、63bは、スプライス保持部60の長さ方向(前後方向)に沿って形成されている。
スプライス保持部60は、スプライス30を脱着可能に保持できる。
レバー部材150は、把持部材保持部50の両側部の回転軸55を中心として回動することにより、ケーブル把持部材70を保持してその後退を規制する規制位置(図6の2点鎖線で示す位置)と、ケーブル把持部材70の後退を規制しない待機位置(図6の実線で示す位置)とを切り替え可能である。
回転軸55が軸受穴152aに挿入されると、レバー部材150は本体部54に対して回動可能に枢着される。側板152は、カバー板151に対して垂直に形成されている。
レバー部材150は、規制位置において、後退規制部154をケーブル把持部材70の後側に配置することにより、ユニットベース11に対するケーブル把持部材70の後退を規制することができる。
側板152は、把持部材保持部50の外面に突出された係合突起50bに係合する係合穴152bを有する。係合突起50bを係合穴152bに係合させることにより、レバー部材150を規制位置に維持することができる。
図6に示すように、レバー部材150を、カバー板151が把持部材保持部50の延在方向(前後方向)に対して垂直(または略垂直)となる待機位置(実線で示す位置)としたときには、基端縁151aは内側延出片49、49より高い位置にある。
このため、レバー部材150は、スプライス用工具40がスプライス30に取り付けられた状態のままで、待機位置から規制位置に切り替えることができる。
なお、改変例として、把持部材保持部50が、ケーブル把持部材70を載せてスライド可能に設けられる板状のガイド部材(図示せず)を有する構造を挙げることができる。ガイド部材は、ケーブル把持部材70とともに前進することで、把持部材保持部50の内部へと収容される。
光ファイバ案内部13は、テーパ状開口部34bの中央部に向けて傾斜する内面を有し、ケーブル把持部材70を把持部材保持部50に挿入するときに、延出光ファイバ21の先端をスプライス30のテーパ状開口部34bへと案内することができる。
ベース部材31(ベース側素子)と蓋部材321、322、323(蓋側素子)とは、半割り把持部材34を構成する。
スプライス30の押さえ蓋32を構成する3つの蓋部材(蓋側素子)321、322、323のうち、最も後側に位置する符号321の蓋部材を後蓋部材とも言い、最も前側に位置する符号323の蓋部材を前蓋部材とも言う。また、後蓋部材321と前蓋部材323との間に位置する符号322の蓋部材を中蓋部材とも言う。
調心溝31bは、延出光ファイバ21先端に口出しされた裸光ファイバ21aと、挿入光ファイバ1先端に口出しされた裸光ファイバ1aとを突き合わせ接続(光接続)可能に互いに高精度に位置決め、調心する。調心溝31bは、例えばV溝(断面V字状の溝)である。調心溝31bはV溝に限定されず、例えば断面半円状の溝や、U溝(断面U字状の溝)等も採用可能である。
調心溝31bは、ベース部材31の対向面31aの中蓋部材322に対向する部分に形成されている。
被覆部挿入溝31c、31dと調心溝31bとの間には、被覆部挿入溝31c、31dから調心溝31b側に行くにしたがって溝幅が小さくなるテーパ状のテーパ溝31e、31fが形成されている。各被覆部挿入溝31c、31dは、テーパ溝31e、31fを介して調心溝31bと連通されている。
後蓋部材321の対向面321aには、ベース部材31の被覆部挿入溝31cに対応する位置に、挿入光ファイバ1の被覆部が挿入される被覆部挿入溝321bが形成されている。
スプライス30の半割り把持部材34の後端には、後蓋部材321及びベース部材31に、それぞれ、その後端面から前側に行くにしたがって先細りのテーパ状に形成された凹所からなるテーパ状開口部34bが開口している。このテーパ状開口部34bの前端(奥端)は被覆部挿入溝321b、31cと連通している。
介挿部材挿入穴35は、中蓋部材322の後端部及び前端部に対応する2箇所と、後蓋部材321及び前蓋部材323のベース部材31長手方向の中央部に対応する位置の、計4箇所に形成されている。
スプライス30のベース部材31及び3つの蓋部材321、322、323は、その互いに対向する対向面31a、321a、322a、323aが、クランプばね33の一対の側板部33bの間隔方向に概ね垂直となる向きで一対の側板部33bの間に把持されている。
一対の側板部33bの一方はベース部材31に当接し、他方の側板部33bは押さえ蓋32に当接する。
クランプばね33は、後蓋部材321とベース部材31とを保持する第1クランプばね部331と、中蓋部材322とベース部材31とを保持する第2クランプばね部332と、前蓋部材323とベース部材31とを保持する第3クランプばね部333とを有する。
第1クランプばね部331の一対の側板部に符号331b、第2クランプばね部332の一対の側板部に符号332b、第3クランプばね部333の一対の側板部に符号333bを付記する。
延出光ファイバ21のうち、半割り把持部材34を構成するベース部材31と押さえ蓋32との間に挿入された部分を、以下、挿入端部とも言う。
スプライス30の前側からベース部材31と中蓋部材322との間に、他の光ファイバ1を挿入することで、該光ファイバ1(以下、挿入光ファイバとも言う)の先端を延出光ファイバ21先端(挿入端部先端)に突き合わせ接続できる。また、スプライス30の半割りの素子の間、すなわちベース部材31(ベース側素子)と押さえ蓋32(蓋側素子)との間に、延出光ファイバ21と該光ファイバ21に突き当てた挿入光ファイバ1とを、クランプばね33の弾性によって把持固定できる。
ケーブル把持部材70は、プラスチック製の一体成形品であることが好ましい。
底壁部75bの上面には、前側突出部75の延在方向に沿って、延出光ファイバ21を収容する光ファイバ保持溝74が形成されている。
光ファイバ保持溝74は、上に向けて開放されて形成されているため、内部に収容した延出光ファイバ21の上方移動を規制しない。このため、光ファイバ保持溝74に保持された部分の延出光ファイバ21は、上方に撓み変形することができる。
光ファイバケーブル24の外被25の前端は、ケーブル嵌合溝(図示略)の前端に達することが好ましい。
光ファイバ21は光ファイバケーブル24の断面中央部に配置され、一対の抗張力体(図示略)は光ファイバ21から光ファイバケーブル24の断面長手方向両側に離隔した位置に配置される。
延出光ファイバ21の挿入端部先端(前端)には、裸光ファイバ21aが口出しされている。スプライス30での延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1との突き合わせ接続は、挿入光ファイバ1先端に口出しした裸光ファイバ1aと延出光ファイバ21の挿入端部先端の裸光ファイバ21aとの突き合わせによって実現される。
なお、スプライス用工具40については、介挿部材支持部43の軸線(中心軸線Q1)方向を、以下、前後方向として説明する。図4の左側が後であり、反対側(図4の右側)が前である。
介挿部材支持部43の介挿部材形成面43fには、前述の4つの介挿部材41が形成されている。これら介挿部材41は、板状に形成され、その板状の厚み方向が、介挿部材支持部43の前後方向に垂直の向きで取り付けられている。
介挿部材41は、介挿部材支持部43の軸線(中心軸線Q1)方向に互いに離隔させて形成されている。
押圧用突起48、48は、各介挿部材41、41の反対側で対応する位置にそれぞれ形成されており、押圧用突起48を押圧することで介挿部材41をスプライス30のベース部材31と押さえ蓋32との間に割り込ませるのが容易になる。
介挿部材支持部43は、ヒンジ部47において弾性的に曲げ変形することで、ヒンジ部47を支点として介挿部材支持部43がスプライス30から遠ざかる方向に回動することができる。
介挿部材支持部43の介挿部材操作部44に対向する側面43aには、スプライス30から遠ざかるほど介挿部材操作部44に近づくように傾斜する斜面43bが形成されている。
介挿部材操作部44の介挿部材支持部43に対向する側面44aには、スプライス30から遠ざかるほど介挿部材支持部43から離れるように傾斜する斜面44bを有する突起部44cが形成されている。
介挿部材支持部43と介挿部材操作部44の間には、介挿部材支持部43の長手方向に沿って間隙45が確保されている。
介挿部材41は、スプライス30のクランプばね33の弾性によって、ベース部材31と押さえ蓋32との間に比較的強い力で把持されている。
内側延出片49、49の互いに対向する側面には、スプライス30から遠ざかるほど互いに離れるように傾斜する斜面49aが形成されている。
図示例では、前後方向の位置に関して、内側延出片49の先端49bはカバー板151の基端縁151aに比べて後方寄りにあるため、内側延出片49、49を上方移動させると、基端縁151aに当接し、さらなる上方移動は阻止される。
レバー部材150が規制位置(図6の2点鎖線で示す位置)にあるときには、内側延出片49、49の上方移動は規制されない。
なお、内側延出片49、49は、レバー部材150が図6の実線に示す位置にあるときだけでなく、レバー部材150が待機位置と規制位置の中間位置(ケーブル把持部材70の後退を規制するには至っていない位置)にあるときでも上方移動が阻止されることが望ましい。
図6および図12(a)に示すように、外側延出片55、55は、内側延出片49、49との間に、側板152が通過可能な空間を確保している。
基部46には、その中央部後面から前方に向かって切欠部46aが形成されている。切欠部46aによって、把持部材保持部50の内部の延出光ファイバ21の状態が見やすくなる。
介挿部材支持部43の両側の斜面44bに加わる押圧力が合成されることにより、介挿部材支持部43をスプライス30から遠ざかる方向へと変形させ、介挿部材41を、スプライス30(詳細には半割り把持部材34)から抜き去ることができる。
第1案内部132は、台部134と、台部134上に突設された一対の側壁部135、135と、光ファイバ接続用ユニット10を案内する一対のガイド部材120を有する。
一対の側壁部135の上部と支持板部136とによって区画される導入空間138には、光ファイバ接続用ユニット10を導入できる。
側壁部135は、光ファイバ接続用ユニット10の幅方向の移動を規制できる。
一対のガイド部材120は、幅方向に間隔をおいて形成されている。
内方突出部122の先端部122aは、延出板部121が変形していないときに(図7参照)、ガイド凹部62b、63bに入り込むことによって、光ファイバ接続用ユニット10の前後方向の移動を規制せず、かつ光ファイバ接続用ユニット10の上下動および姿勢の変動を規制することができる。
すなわち、内方突出部122は、光ファイバ接続用ユニット10を、前後方向に移動可能な状態で保持することができる。
第1延出部123aは、先端121aから延出方向に行くほど下降するように傾斜している。第2延出部123bは、第1延出部123aの延出端から延出方向に行くほど下降するように傾斜している。第2延出部123bの水平面に対する傾斜角度は、第1延出部123aの水平面に対する傾斜角度より大きい。
一対の案内壁部145は、第2案内部142の形成方向(前後方向)に延在して形成され、スライド面143上に載置されたファイバホルダ90の両側縁に当接してファイバホルダ90の幅方向の移動を規制できる。
弾性係止片146は、治具基部130から突出する延出板部146aの先端に、ファイバホルダ90の係止用突起98が入り込む係合用凹所146cが形成された板状の係合片部146bを突設した構成になっている。
係合片部146bは、延出板部146aの突端から内方に向けてスライド面143上に張り出して形成されている。
弾性係止片146は、係合用凹所146cにファイバホルダ90の係止用突起98が入り込んで該係止用突起98と係合したときに、第2案内部142に対するファイバホルダ90の前後方向の移動を規制できる。
この状態では、弾性係止片146が、延出板部146aの弾性によってファイバホルダ90を挟み込み、ファイバホルダ90を安定に保持する。
弾性係止片146は、第2案内部142に沿って前進させたファイバホルダ90に係合してその前進および後退を規制する係止機構として機能する。
弾性突出片137は、第2案内部142に近づく方向に徐々に上昇しつつ延出する傾斜板部137aと、傾斜板部137aの延出端から前方に延出する延出板部137bとを有する。
延出板部137bの上面の高さ位置は、第2案内部142上で位置決めされたファイバホルダ90から延出した挿入光ファイバ1に近接する位置であることが好ましい。
ファイバホルダ90については、光ファイバ接続用ユニット10に近づく方向(図3の左方向)を前方といい、その反対方向を後方と言うことがある。
一側延出部96および他側延出部97の間に確保されたユニット収容空間99には、光ファイバ接続用ユニット10の前端部を収容できる。
第2保持壁部94は第1保持壁部93の前方に、第1保持壁部93から離間して形成されている。
一側延出部96および他側延出部97の外側面には、弾性係止片146の係合用凹所146cに係合する係止用突起98が外側方に突出して形成されている。係止用突起98の平面視形状は、突端から基端側に行くにしたがって前後寸法が増すテーパ状(例えば三角形状)であることが好ましい。
蓋体92の基端部92a(ヒンジ部)とは反対の端部である先端部92b側に形成された係止突起92cは、ベース部91に形成された係止凹部91cに係脱自在に嵌合できる。
蓋体92は、ベース部91の上面91bに被せた状態(閉状態)で、係止突起92cをベース部91の係止凹部91cに係合させることで、挿入光ファイバ1をベース部91(基体部95)に押さえ込んで把持固定できる。
撓み幅とは、突き合わせ接続する際に撓み変形が生じる可能性のある光ファイバの長さである。
図示例の第1の撓み幅L1は、延出光ファイバ21が露出した部分に相当する、スプライス30の後端とケーブル把持部材70との距離、詳しくは、スプライス30のテーパ状開口部34bの奥端と、把持ベース71のケーブル嵌合溝(図示略)前端との直線距離である。
図示例の第2の撓み幅L2は、挿入光ファイバ1が露出した部分に相当する、スプライス30とファイバホルダ90との距離、詳しくは、スプライス30のテーパ状開口部34aの奥端と、ファイバホルダ90の蓋体92による把持部分の前端(蓋体92の前端)との直線距離である。
図3、図6および図7に示すように、予め、スプライス用工具40を光ファイバ接続用ユニット10に取り付けることによって、介挿片部41aをスプライス30の把持部材34間に割り入れ、スプライス30を、挿入された光ファイバ1、21が自由に挿入および抜去方向に移動できる状態としておく。
この際、図6に示すように、レバー部材150は待機位置(図6の実線)とし、内側延出片49、49は、レバー部材150の挿通凹部153に挿通させる。
挿入光ファイバ1のファイバホルダ90からの突出長は、挿入光ファイバ1に撓みが生じない場合に、スプライス30内の最適位置で裸光ファイバ1a、21a同士が突き当てられるように設定する。
前記突出長は、例えば、裸光ファイバ1a先端がスプライス30の中央位置に達する長さとすることができる。
把持ベース71のケーブル嵌合溝(図示略)の前端からの延出光ファイバ21の突出長は、光ファイバ接続用ユニット10が前進限界位置(後述)にあるときの、スプライス30内の延出光ファイバ21の裸光ファイバ21aまでの距離よりも若干長くする。
基体部51上には内側延出片49、49が配置されているが、内側延出片49、49は幅方向に間隔をおいて形成されているため、内側延出片49、49間の隙間49cを通してスプライス30を目視で確認できる。また、延出光ファイバ21を、隙間49cを通して把持部材保持部50内に導入することができる。このため、延出光ファイバ21をスプライス30に導入する操作が容易になる。
また、内側延出片49、49の互いに対向する側面には斜面49aが形成されているため、延出光ファイバ21の位置が幅方向にずれた場合でも、斜面49aの傾斜に沿って延出光ファイバ21が隙間49cに導かれることから、延出光ファイバ21をスプライス30に導入する操作がいっそう容易になる。
図9に示すように、この際、内方突出部122の先端部122aがスプライス保持部60のガイド凹部62b、63bに入り込むことによって、光ファイバ接続用ユニット10は、上下動および姿勢の変動が規制されつつ前進することになる。
この光ファイバ接続用ユニット10の移動過程では、上下動および姿勢の変動が規制されるため、挿入光ファイバ1に対する正確な位置決めが可能となる。
この際、弾性突出片137の斜板部137aが光ファイバ接続用ユニット10に押し下げられることから、弾性突出片137によって光ファイバ接続用ユニット10の前進に支障が生じることはない。
挿入光ファイバ1の裸光ファイバ1aは調心溝31bに挿入されて、延出光ファイバ21の裸光ファイバ21a先端に突き当てられる。
符号C1は突き合わせ接続位置である。
相対的に長い第1の撓み幅L1を有する延出光ファイバ21の座屈応力が相対的に低いため、スプライス30とケーブル把持部材70との間の延出光ファイバ21が先に撓み変形21cを生じる(座屈する)。延出光ファイバ21に一旦撓みが生じると、スプライス30とファイバホルダ90との間の挿入光ファイバ1には撓みは生じない。
スプライス30から介挿片部41aを抜き去ると、スプライス30の半割り把持部材34が、クランプばね33の弾性によって裸光ファイバ1a、21aを、突き合わせ状態を保ったまま把持固定する。これにより、スプライス30にて、延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1とを突き合わせ接続(光接続)する作業が完了する。
接続作業が完了した延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1とは、スプライス30の半割り把持部材34に把持固定される結果、裸光ファイバ1a、21a同士の突き合わせ状態を安定に維持できる。
延出光ファイバ21の撓み変形21cの大部分は、ユニットベース11の把持部材保持部50とレバー部材150に囲まれ、外力から保護される。
このように、光ファイバ接続工具100では、容易な操作で光ファイバ接続用ユニット10を接続治具110から取り外すことができる。
光ファイバ接続用ユニット10が取り外された接続治具110は、延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1との突き合わせ接続に再利用することができる。
よって、光ファイバ1、21を突き合わせ状態で固定したときに、高い接続信頼性が得られる。
図10(a)〜図10(d)に示すように、スプライス30内で光ファイバ1、21を突き合わせ接続する際には、図6の2点鎖線で示すように、レバー部材150を閉じて、ケーブル把持部材70の後退を規制した状態で、一連の操作を行う。
図6の実線で示すように、レバー部材150が開放された状態では、ケーブル把持部材70後退が規制されていないため、仮に、誤ってレバー部材150が開放されたまま一連の接続操作が行われた場合には、光ファイバ1、21の突き当て力を確実に確保できるとは言えないが、光ファイバ接続工具100では、次の理由により、このような誤操作を防止できる。
このため、誤ってレバー部材150が開放した状態のままでスプライス用工具40を上方移動させてスプライス30から取り外そうとしても、この操作は阻止されることから、操作者は操作の誤りに気づき、図12(a)から図12(c)に示すように、レバー部材150を閉じることができる。
このように、光ファイバ接続工具100では、レバー部材150が開放されたままスプライス用工具40の取り外し(図10(d)参照)が行われることはないため、光ファイバ1、21の突き当て力を確実に確保し、高い接続信頼性を得ることができる。
すなわち、先に挿入光ファイバ1をスプライス30に挿入し、次いでケーブル把持部材70をユニットベース11に導入して延出光ファイバ21をスプライス30に挿入することによって、光ファイバ1、21を突き合わせ接続してもよい。
図1等に示す光ファイバ接続工具100では、一端側から挿入された延出光ファイバ21と、他端側から挿入された挿入光ファイバ1とを突き合わせ接続させるスプライス30を備えた光ファイバ接続用ユニット10を用いたが、これに代えて、フェルールに内蔵された内蔵光ファイバと挿入光ファイバとを突き合わせ接続させるスプライスを備えた光コネクタを用いてもよい。
この光コネクタは、例えば、光ファイバ接続用ユニット10と同様に、ケーブル把持部材70を位置決めするレバー部材150を有し、前記スプライスにスプライス用工具40を取り付け可能である構成とすることができる。
Claims (2)
- 第1の光ファイバが挿入されるメカニカルスプライスを保持する光ファイバ接続用ユニットと、前記メカニカルスプライス内で前記第1の光ファイバと突き合わせる第2の光ファイバを固定する接続治具と、を備え、
前記光ファイバ接続用ユニットは、前記メカニカルスプライスと、前記第1の光ファイバを把持する光ファイバ把持部と、これらを保持するユニットベースと、前記メカニカルスプライスに取り付けられるスプライス用工具とを有し、
前記ユニットベースは、前記光ファイバ把持部を保持する本体部と、前記本体部に保持された前記光ファイバ把持部を位置決めする位置決め部材と、を有し、
前記位置決め部材は、前記本体部に保持された前記光ファイバ把持部に被せられるカバー板と、前記カバー板の両側に設けられた一対の側板と、前記一対の側板の内面に突出され前記カバー板を前記光ファイバ把持部に被せたときに前記光ファイバ把持部の前記メカニカルスプライス側とは反対の後側に配置されて前記光ファイバ把持部の後退を規制する後退規制部と、を有し、前記一対の側板の長手方向の一端部において回転軸によって前記本体部に回動可能に枢着されており、前記本体部に対して回動させることにより、前記本体部に保持された前記光ファイバ把持部に前記カバー板を被せて前記後退規制部によって前記光ファイバ把持部の後退を規制する規制位置と、前記光ファイバ把持部の後退を規制しない待機位置とを切り替え可能であり、
前記スプライス用工具は、前記位置決め部材が前記待機位置にあるときには、前記位置決め部材によって前記メカニカルスプライスから取り外す方向の移動が規制され、かつ前記位置決め部材が前記規制位置にあるときには、前記位置決め部材によって前記メカニカルスプライスから取り外す方向の移動が規制されず、
前記位置決め部材の前記側板は前記一端部からその回動半径方向へ延在し、前記位置決め部材の前記カバー板には、その回動中心側から窪む挿通凹部が確保され、
前記スプライス用工具は、前記位置決め部材が前記回動中心から前記本体部上方へ延在する向きとなる前記待機位置にあるとき、前記挿通凹部に、前記スプライス用工具を前記メカニカルスプライスから取り外す方向と略直交する方向に挿通可能な延出片を有し、
前記スプライス用工具が前記メカニカルスプライスに取り付けられた状態で、前記位置決め部材が、前記規制位置と前記待機位置との間を、前記スプライス用工具の前記延出片に阻害されずに回動可能であり、
前記スプライス用工具には、一対の前記延出片が前記スプライス用工具の幅方向に隙間を空けて形成されている
光ファイバ接続工具。 - 前記一対の延出片の互いに対向する側面に、前記スプライス用工具を取り外す方向に前記メカニカルスプライスから遠ざかるほど互いに離れるように傾斜する斜面が形成されている
請求項1に記載の光ファイバ接続工具。
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