JP5827256B2 - 光ファイバ接続工具 - Google Patents
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Description
本発明は、光ファイバの誤接続を防ぐことができる光ファイバ接続工具を提供することを課題とする。
前記第1光ファイバ接続用ユニットは、一端側から挿入された前記一方側の光ファイバを、他端側から挿入された前記他方側の光ファイバに突き合わせ接続させる第1メカニカルスプライスを有し、前記第2光ファイバ接続用ユニットは、フェルールに内蔵された前記一方側の光ファイバを前記他方側の光ファイバに突き合わせ接続させる第2メカニカルスプライスを有することが好ましい。
前記第1進入阻止部は、前記第1ユニット収容空間に向けて突出する凸部であり、前記第2進入阻止部は、前記第2ユニット収容空間に向けて突出する凸部であることが好ましい。
前記第1光ファイバ固定部の前記一対の延出部は、それぞれ前記基体部の一側部および他側部に形成され、前記第2光ファイバ固定部の前記一対の延出部は、それぞれ前記基体部の一側部および他側部に形成され、前記第1進入阻止部は、前記一側部の延出部に形成され、前記第2進入阻止部は、前記他側部の延出部に形成されていることが好ましい。
前記第1光ファイバ固定部と、前記第2光ファイバ固定部とは、異なる色を呈し、前記第1光ファイバ接続用ユニットの少なくとも一部は、前記第1光ファイバ固定部と同系の色を呈し、前記第2光ファイバ接続用ユニットの少なくとも一部は、前記第2光ファイバ固定部と同系の色を呈することが好ましい。
図1〜図4に示すように、光ファイバ接続工具100は、光ファイバケーブル24の端末24aに取り付けられた光ファイバ接続用ユニット10と、端末24aから引き出された延出光ファイバ21に突き合わせる挿入光ファイバ1を把持した第1ファイバホルダ90(第1光ファイバ固定部)と、これらが載置される接続治具110と、を備えている。
以下の説明において、図3における上下方向に即して上下方向を規定して説明を行うことがある。
光ファイバ接続用ユニット10については、ファイバホルダ90に近づく方向(図3の右方向)を前方といい、その反対方向を後方と言うことがある。また、メカニカルスプライスは、単に「スプライス」とも言う。
スプライス保持部60は、基体部61と、基体部61の一側縁に立設された一側突壁部62と、基体部61の他側縁に立設された他側突壁部63と、一側突壁部62の前端に設けられた前側突壁部64と、突壁部62、63の後端にそれぞれ設けられた後側突壁部65とを有する。
スプライス保持部60は、スプライス30を、向かい合う一側突壁部62と他側突壁部63の間に確保されたスプライス収納空間67に収納して保持することができる。
スプライス保持部60は、スプライス30を脱着可能に保持できる。
レバー部材150は、把持部材保持部50の両側部の回転軸55を中心として回動することにより、ケーブル把持部材70を保持してその後退を規制する規制位置(図12の実線で示す位置)と、ケーブル把持部材70の後退を規制しない待機位置(図12の2点鎖線で示す位置)とを切り替え可能である。
レバー部材150は、規制位置において、後退規制片154(図17参照)をケーブル把持部材70の後側に配置することにより、ユニットベース11に対するケーブル把持部材70の後退を規制することができる。
側板152は、把持部材保持部50の外面50aに突出された係合突起50bに係合する係合穴152bを有する。係合突起50bを係合穴152bに係合させることにより、レバー部材150を規制位置に維持することができる。
なお、改変例として、把持部材保持部50が、ケーブル把持部材70を載せてスライド可能に設けられる板状のガイド部材(図示せず)を有する構造を挙げることができる。ガイド部材は、ケーブル把持部材70とともに前進することで、把持部材保持部50の内部へと収容される。
光ファイバ案内部13は、テーパ状開口部34bの中央部に向けて傾斜する内面を有し、ケーブル把持部材70を把持部材保持部50に挿入するときに、延出光ファイバ21の先端をスプライス30のテーパ状開口部34bへと案内することができる。
ベース部材31(ベース側素子)と蓋部材321、322、323(蓋側素子)とは、半割り把持部材34を構成する。
スプライス30の押さえ蓋32を構成する3つの蓋部材(蓋側素子)321、322、323のうち、最も後側に位置する符号321の蓋部材を後蓋部材とも言い、最も前側に位置する符号323の蓋部材を前蓋部材とも言う。また、後蓋部材321と前蓋部材323との間に位置する符号322の蓋部材を中蓋部材とも言う。
調心溝31bは、延出光ファイバ21先端に口出しされた裸光ファイバ21aと、挿入光ファイバ1先端に口出しされた裸光ファイバ1aとを突き合わせ接続(光接続)可能に互いに高精度に位置決め、調心する。調心溝31bは、例えばV溝(断面V字状の溝)である。調心溝31bはV溝に限定されず、例えば断面半円状の溝や、U溝(断面U字状の溝)等も採用可能である。
調心溝31bは、ベース部材31の対向面31aの中蓋部材322に対向する部分に形成されている。
被覆部挿入溝31c、31dと調心溝31bとの間には、被覆部挿入溝31c、31dから調心溝31b側に行くにしたがって溝幅が小さくなるテーパ状のテーパ溝31e、31fが形成されている。各被覆部挿入溝31c、31dは、テーパ溝31e、31fを介して調心溝31bと連通されている。
後蓋部材321の対向面321aには、ベース部材31の被覆部挿入溝31cに対応する位置に、挿入光ファイバ1の被覆部が挿入される被覆部挿入溝321bが形成されている。
スプライス30の半割り把持部材34の後端には、後蓋部材321及びベース部材31に、それぞれ、その後端面から前側に行くにしたがって先細りのテーパ状に形成された凹所からなるテーパ状開口部34bが開口している。このテーパ状開口部34bの前端(奥端)は被覆部挿入溝321b、31cと連通している。
介挿部材挿入穴35は、中蓋部材322の後端部及び前端部に対応する2箇所と、後蓋部材321及び前蓋部材323のベース部材31長手方向の中央部に対応する位置の、計4箇所に形成されている。
スプライス30のベース部材31及び3つの蓋部材321、322、323は、その互いに対向する対向面31a、321a、322a、323aが、クランプばね33の一対の側板部33bの間隔方向に概ね垂直となる向きで一対の側板部33bの間に把持されている。
一対の側板部33bの一方はベース部材31に当接し、他方の側板部33bは押さえ蓋32に当接する。
クランプばね33は、後蓋部材321とベース部材31とを保持する第1クランプばね部331と、中蓋部材322とベース部材31とを保持する第2クランプばね部332と、前蓋部材323とベース部材31とを保持する第3クランプばね部333とを有する。
第1クランプばね部331の一対の側板部に符号331b、第2クランプばね部332の一対の側板部に符号332b、第3クランプばね部333の一対の側板部に符号333bを付記する。
延出光ファイバ21のうち、半割り把持部材34を構成するベース部材31と押さえ蓋32との間に挿入された部分を、以下、挿入端部とも言う。
スプライス30の前側からベース部材31と中蓋部材322との間に、他の光ファイバ1を挿入することで、該光ファイバ1(以下、挿入光ファイバとも言う)の先端を延出光ファイバ21先端(挿入端部先端)に突き合わせ接続できる。また、スプライス30の半割りの素子の間、すなわちベース部材31(ベース側素子)と押さえ蓋32(蓋側素子)との間に、延出光ファイバ21と該光ファイバ21に突き当てた挿入光ファイバ1とを、クランプばね33の弾性によって把持固定できる。
側壁部71b、71cの互いに対向する面には、光ファイバケーブル24の端末24aを把持する複数の把持用突起71fが形成されている。図示例のケーブル把持部材70の把持用突起71fは、ケーブル嵌合溝71aの深さ方向に延在する断面三角形状の突条とされている。
薄肉部73はヒンジ部として機能するため、押さえ蓋72は、ケーブル嵌合溝71aの延在方向に沿う軸線を以て回動可能とされている。
把持ベース71の一対の側壁部71b、71cの他方を第2側壁部71cとも言う。
ケーブル把持部材70は、プラスチック製の一体成形品であることが好ましい。
底壁部75bの上面には、前側突出部75の延在方向に沿って、延出光ファイバ21を収容する光ファイバ保持溝74が形成されている。
光ファイバ保持溝74は、上に向けて開放されて形成されているため、内部に収容した延出光ファイバ21の上方移動を規制しない。このため、光ファイバ保持溝74に保持された部分の延出光ファイバ21は、上方に撓み変形することができる。
光ファイバケーブル24の外被25の前端は、ケーブル嵌合溝71aの前端に達することが好ましい。
スライダ120は、側壁部122間の空間であるユニット収納空間126に、ユニットベース11を保持することができる。
側壁部122の外面には、接続治具110の弾性係止片136の係合用凹所136cに係合する係止用突起127が外側方に突出して形成されている。係止用突起127の平面視形状は、突端から基端側に行くにしたがって前後寸法が増すテーパ状(例えば三角形状)であることが好ましい。
側壁部122には、係合壁部87の突爪87aが挿入される孔部125が形成されている。
光ファイバ21は光ファイバケーブル24の断面中央部に配置され、一対の抗張力体26は光ファイバ21から光ファイバケーブル24の断面長手方向両側に離隔した位置に配置されている。光ファイバ21は、例えば光ファイバ心線、光ファイバ素線といった被覆光ファイバである。
延出光ファイバ21の挿入端部先端(前端)には、裸光ファイバ21aが口出しされている。スプライス30での延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1との突き合わせ接続は、挿入光ファイバ1先端に口出しした裸光ファイバ1aと延出光ファイバ21の挿入端部先端の裸光ファイバ21aとの突き合わせによって実現される。
スプライス用工具80は、スプライス30のベース部材31と押さえ蓋32との間を押し広げる介挿片部81aを有する2つの介挿部材81と、介挿部材81を駆動するスリーブ状の介挿部材駆動部82と、介挿部材駆動部82から突出する一対の係合壁部87とを有する。
介挿部材81は、介挿部材駆動部82に設けられた介挿部材支持部89に支持された幹部84と、幹部84から介挿部材駆動部82の中心軸線方向に延出する介挿片支持部83と、介挿片支持部83の延在方向複数箇所(図示例では2箇所)に突設された介挿片部81aとを有する。これら介挿片部81aは、介挿部材本体83の長さ方向に間隔をおいて形成されている。
受圧壁部86は、突壁部62、63の嵌合凹部62c、63cに嵌合することによって、ユニットベース11に対してスプライス用工具80の前後方向の移動が規制され、位置決めされる。
介挿部材支持部89は、介挿部材駆動部82の対向壁部85の下面に、受圧壁部86に向かって突出して形成されており、その内部に、この方向(上下方向)に沿う貫通孔89aを有する。貫通孔89aの内部には、段差面89cを有する凹部89bが形成されている。
幹部84先端部(延出端部)の側面には、外方に突出する係合爪84aが形成されている。係合爪84aは、貫通孔89a内の段差面89cに係合可能である。
すなわち、駆動部側壁部88(押圧用板部88c)に側圧Pを作用させて、これら押圧用板部88c間の離隔距離を縮めることで、駆動部側壁部88を変形させて受圧壁部86と対向壁部85との間の離隔距離が増大させ、段差面89cに係合した幹部84を押し上げ、介挿片部81aをスプライス30から抜き去ることができる。
係合壁部87の突端部には、内方に突出された突爪87aが形成されている。
係合壁部87は、スライダ120の凹部122a内に配置するとともに、突爪87aを側壁部122の下縁(孔部125の内縁)に係合させることができ、これによって、スプライス用工具80は、ユニットベース11およびスライダ120を抱え込んだ形でスプライス30に取り付けられ、これら相互の移動が規制される。
第1案内部132は、光ファイバ接続用ユニット10をスライド移動させるスライド面133が形成された台部134と、その両側縁にそれぞれ突設された案内壁部135、135とを有する。
案内壁部135の下部内面には、光ファイバ接続用ユニット10の浮き上がり(接続治具110から離れる方向の光ファイバ接続用ユニット10の移動)を規制する溝部135aが形成されている。
溝部135aは、第1案内部132の形成方向(前後方向)に沿って形成され、基板部121の両側縁部121aが入り込むことによって、スライダ120の浮き上がりを規制できる。
弾性係止片136は、第1案内部132の幅方向両側に突設された張出部138からスライド面133側に突出する湾曲板部136aの先端に、スライダ120の係止用突起127が入り込む係合用凹所136cが形成された板状の係合片部136bを突設した構成になっている。
湾曲板部136aは、第1案内部132の前後方向に沿う軸線を以て湾曲する円弧板状に形成されている。この湾曲板部136aの突端はスライド面133よりも上方に位置する。
係合片部136bは、湾曲板部136aの突端から内方に向けてスライド面133上に張り出して形成されている。
弾性係止片136は、係合用凹所136cにスライダ120の係止用突起127が入り込んで該係止用突起127と係合したときに、第1案内部132に対するスライダ120の前後方向の移動を規制できる。
この状態では、弾性係止片136が、湾曲板部136aの弾性によってスライダ120を挟み込み、スライダ120を安定に保持する。
弾性係止片136は、第1案内部132に沿って前進させた光ファイバ接続用ユニット10(スライダ120)に係合してその前進および後退を規制する係止機構として機能する。
一対の案内壁部145は、第2案内部142の形成方向(前後方向)に延在して形成され、スライド面143上に載置されたファイバホルダ90の両側縁に当接してファイバホルダ90の幅方向の移動を規制できる。
弾性係止片146は、治具基部130から突出する突出板部146aの先端に、ファイバホルダ90の係止用突起98が入り込む係合用凹所146cが形成された板状の係合片部146bを突設した構成になっている。
係合片部146bは、突出板部146aの突端から内方に向けてスライド面143上に張り出して形成されている。
弾性係止片146は、係合用凹所146cにファイバホルダ90の係止用突起98が入り込んで該係止用突起98と係合したときに、第2案内部142に対するファイバホルダ90の前後方向の移動を規制できる。
この状態では、弾性係止片146が、突出板部146aの弾性によってファイバホルダ90を挟み込み、ファイバホルダ90を安定に保持する。
弾性係止片146は、第2案内部142に沿って前進させたファイバホルダ90に係合してその前進および後退を規制する係止機構として機能する。
溝部139の底部には、スライド面133上に突出する弾性突出片137が形成されている。
弾性突出片137は、前後方向に沿って、第2案内部142に近づく方向に徐々に上昇しつつ延出する傾斜板部137aと、傾斜板部137aの延出端から前後方向に沿って、スライド面133と平行に延出する延出板部137bとを有する。
延出板部137bの上面の高さ位置は、第2案内部142上で位置決めされたファイバホルダ90から延出した挿入光ファイバ1に近接する位置であることが好ましい(図19(a)参照)。
このため、光ファイバ接続用ユニット10をスライド面133上で前進させる際には、傾斜板部137aが光ファイバ接続用ユニット10に押し下げられて溝部139に収容されることから、弾性突出片137によって光ファイバ接続用ユニット10の前進に支障が生じることはない。
図示例では、表示140は、傾斜板部137aまたは延出板部137bに形成された凹部または孔部である。なお、表示140は識別可能であればよく、その形態は図示例に限定されず、凸部や着色によって形成してもよい。
図示例の表示140は、光ファイバカッター(図示略)によって長さ調整される前の挿入光ファイバ1の先端の位置確認用の表示140aと、挿入光ファイバ1の裸光ファイバ1aの先端の位置確認用の表示140bと、挿入光ファイバ1の被覆1bの先端の位置確認用の表示140cとを有する。
表示140aは傾斜板部137aに形成されている。表示140b、140cは、延出板部137bに、長さ方向に位置を違えて形成されている。
挿入光ファイバ1の先端を、表示140(140a〜140c)と照合することによって、ファイバホルダ90から突出する挿入光ファイバ1の処理長さ(長さ調整前の挿入光ファイバ1の長さ、裸光ファイバ1aの先端までの長さ、および被覆1bの先端までの長さ)を容易に確認でき、精度の高い接続作業が可能となる。
光ファイバ接続工具100は、例えばクロージャのケース(図示略)の端縁部を切欠き130aに挿入した状態で前記ケースに係止させることによって、仮置きすることができる。
ファイバホルダ90については、光ファイバ接続用ユニット10に近づく方向(図3の左方向)を前方といい、その反対方向を後方と言うことがある。
一側延出部96および他側延出部97の間に確保されたユニット収容空間99(第1ユニット収容空間)には、光ファイバ接続用ユニット10の前端部を収容できる。
第2保持壁部94は第1保持壁部93の前方に、第1保持壁部93から離間して形成されている。
一側延出部96および他側延出部97の外側面には、弾性係止片146の係合用凹所146cに係合する係止用突起98が外側方に突出して形成されている。係止用突起98の平面視形状は、突端から基端側に行くにしたがって前後寸法が増すテーパ状(例えば三角形状)であることが好ましい。
照合用凸部96bは、光ファイバ接続用ユニット10の照合用凹部62bに入り込む形状のものであって、光ファイバ接続用ユニット10以外の光ファイバ接続用ユニット(例えば図22の光ファイバ接続用ユニット20)に対して用いられたときに、その先端部がユニット収容空間99に進入するのを阻止する。
図示例の照合用凸部96bは、断面矩形状である。
蓋体92の基端部92a(ヒンジ部)とは反対の端部である先端部92b側に形成された係止突起92cは、ベース部91に形成された係止凹部91cに係脱自在に嵌合できる。
蓋体92は、ベース部91の上面91bに被せた状態(閉状態)で、係止突起92cをベース部91の係止凹部91cに係合させることで、挿入光ファイバ1をベース部91(基体部95)に押さえ込んで把持固定できる。
蓋体92はベース部91と一体に成形されてもよい。
図17に示すように、予め、スプライス用工具80を光ファイバ接続用ユニット10に取り付けることによって、介挿片部81aをスプライス30の把持部材34間に割り入れ、スプライス30を、挿入された光ファイバ1、21が自由に挿入および抜去方向に移動できる状態としておく。
挿入光ファイバ1のファイバホルダ90からの突出長は、挿入光ファイバ1に撓みが生じない場合に、スプライス30内の最適位置で裸光ファイバ1a、21a同士が突き当てられるように設定する。
前記突出長は、例えば、光ファイバ接続用ユニット10およびファイバホルダ90が弾性係止片136、146によって位置決めされたときに、裸光ファイバ1a先端がスプライス30の中央位置に達する長さとすることができる。
把持ベース71のケーブル嵌合溝71aの前端からの延出光ファイバ21の突出長は、光ファイバ接続用ユニット10が前進限界位置(後述)にあるときに、スプライス30内の延出光ファイバ21の裸光ファイバ21aまでの距離よりも若干長くする。
レバー部材150を回動させてケーブル把持部材70の後退を規制する。
光ファイバ接続用ユニット10の移動過程では、基板部121の両側縁部121aが側壁部135の内面の溝部135aに入り込むことによってスライダ120の浮き上がりが規制されるため、挿入光ファイバ1に対する正確な位置決めが可能となる。
光ファイバ接続用ユニット10をスライド面133上でファイバホルダ90に向かって前進させる際には、弾性突出片137の斜板部137aが光ファイバ接続用ユニット10に押し下げられて溝部139に収容されることから、弾性突出片137によって光ファイバ接続用ユニット10の前進に支障が生じることはない。
図19(c)に示すように、光ファイバ接続用ユニット10をさらに前進させると、挿入光ファイバ1の裸光ファイバ1aは調心溝31bに挿入されて、延出光ファイバ21の裸光ファイバ21a先端に突き当てられる。
符号C1は突き合わせ接続位置である。
これによって、光ファイバ接続用ユニット10は、弾性係止片136によって挟み込まれて安定に保持された状態でスライド面133上に位置決めされる。この光ファイバ接続用ユニット10の位置を前進限界位置と言う。
この際、スプライス30とケーブル把持部材70との間の延出光ファイバ21には、撓み変形21cが生じる。
図26に示すように、この際、ファイバホルダ90の照合用凸部96bは光ファイバ接続用ユニット10の照合用凹部62bに入り込むため、光ファイバ接続用ユニット10の進入が阻止されることはない。
このため、光ファイバ接続用ユニット10は、挿入光ファイバ1の把持位置に十分に近づくことができる。
スプライス30から介挿片部81aを抜き去ると、スプライス30の半割り把持部材34が、クランプばね33の弾性によって裸光ファイバ1a、21aを、突き合わせ状態を保ったまま把持固定する。これにより、スプライス30にて、延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1とを突き合わせ接続(光接続)する作業が完了する。
接続作業が完了した延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1とは、スプライス30の半割り把持部材34に把持固定される結果、裸光ファイバ1a、21a同士の突き合わせ状態を安定に維持できる。
延出光ファイバ21の撓み変形21cの大部分は、ユニットベース11の把持部材保持部50とレバー部材150に囲まれ、外力から保護される。
光ファイバカッターおよびストリッパは、光ファイバの位置決めのための基準面の位置を変えることができないため、通常は、ファイバホルダと基準面との間に所定の大きさのスペーサを置いてファイバホルダの位置を調整することが必要となり、操作が煩雑となる。
これに対し、光ファイバ接続工具100では、ファイバホルダ90が一側延出部96と他側延出部97とを備えているため、スペーサを使用しなくても、これら延出部96、97によって、光ファイバカッターおよびストリッパの基準面に対する位置調整が可能となる。すなわち、ベース部91(基体部95)を基準面から離れた位置に位置決めできる。
スペーサを使用する必要がないため、ファイバホルダ90からの突出長および口出し長さの調整の際の作業が容易になる。
また、延出部96、97は、それらの間に光ファイバ接続用ユニット10の前端部を進入させることができるため、接続作業では光ファイバ接続用ユニット10を挿入光ファイバ1の把持位置に十分に近づけることができる。よって、延出部96、97があるにもかかわらず、挿入光ファイバ1の余長を必要以上に長く確保する必要はない。
図20〜図22に示すように、光ファイバ接続工具200は、光ファイバ接続用ユニット20と、挿入光ファイバ1を把持した第2ファイバホルダ190(第2光ファイバ固定部)と、これらが載置される接続治具110と、を備えている。
光ファイバ接続用ユニット20(第2光ファイバ接続用ユニット)は、光コネクタ210と、これを保持するスライダ220(被案内部)とを備えている。
光ファイバ接続用ユニット20については、ファイバホルダ190に近づく方向を前方といい、その反対方向を後方と言うことがある。また、クランプ部付きフェルール160の説明に限っては、フェルール161の接合端面161bに向かう方向を前方ということがある。
クランプ部163は、内蔵光ファイバ162の後側突出部162aと、後側から挿入して内蔵光ファイバ162後端に突き当てた光ファイバ1先端部とを把持固定して光ファイバ162、1同士の突き合わせ接続状態を維持する。
クランプ部163は、ベース部材165と蓋部材166、167との間に、内蔵光ファイバ162の後側突出部162aと、内蔵光ファイバ162後端に突き当てた挿入光ファイバ1先端部とを挟み込んで把持固定することができる。
内蔵光ファイバ162の前端の端面は、フェルール161先端(前端)の接合端面161bに露出している。
フェルール161の後端部には、その外周に周設(突設)されたフランジ部164が一体化されている。
クランプ部163は、フランジ部164からフェルール161後側へ延出された後側延出片165と、蓋部材166、167とを、クランプばね168の内側に一括保持した構成になっている。
前蓋部材166には、後側延出片165の対向面165aに対面する平坦な対向面166aが形成されている。
図21に示すように、介挿片部231aは、つまみ170の挿通孔170a、および、ハウジング180の挿通孔181aを介してクランプ部163の後側延出片165と蓋部材166、167との間に挿入できる。
本体部181には、その軸線方向に間隔をおいて、介挿片部231aが挿通可能な2つの挿通孔181aが形成されている。2つの挿通孔181aは、本体部181の軸線方向に間隔をおいて形成されている。
延出筒部182の外周面には、凹凸部182aを形成することが好ましい。図示例の凹凸部182aは、延出筒部182の周方向に沿う複数の環状凸部からなる。
符号172は、クランプ部付きフェルール160を保持し、位置決めする保持具である。保持具172は、基部173と、基部173から延出する一対の弾性片174とを有し、弾性片174,174間にクランプ部付きフェルール160を保持できる。
スライダ220は、側壁部222間の空間224に、光コネクタ210を保持することができる。
側壁部222の外面には、接続治具110の弾性係止片136の係合用凹所136cに係合する係止用突起227が外側方に突出して形成されている。
基体部226の他方の側面226c(ファイバホルダ190の一側延出部196側に相当)には、側方に突出する凸部226dが前後方向に沿って延在して形成されている。
スプライス用工具230は、クランプ部163の後側延出片165と蓋部材166、167との間を押し広げる介挿片部231aを有する2つの介挿部材231と、介挿部材231を駆動するスリーブ状の介挿部材駆動部232と、介挿部材駆動部232から突出する一対の係合壁部237とを有する。
スプライス用工具230は、介挿片部231aを後側延出片165と蓋部材166、167との間に割り込ませた状態でクランプ部163に取り付けられる。
スプライス用工具230は、係合壁部237、237間に光ファイバ接続用ユニット20を保持することができる。
蓋体192はベース部191と一体に成形されてもよい。
ファイバホルダ190については、光ファイバ接続用ユニット20に近づく方向を前方といい、その反対方向を後方と言うことがある。
一側延出部196および他側延出部197は、その間に確保されたユニット収容空間199(第2ユニット収容空間)に、光ファイバ接続用ユニット20の前端部を収容できる。
照合用凸部197bは、光ファイバ接続用ユニット20の照合用凹部226bに入り込む形状のものであって、光ファイバ接続用ユニット20以外の光ファイバ接続用ユニット(例えば図5の光ファイバ接続用ユニット10)に用いられた場合には、その先端部がユニット収容空間199に進入するのを阻止する。
図示例の照合用凸部197bは、断面矩形状である。
第2保持壁部194は第1保持壁部193の前方に、第1保持壁部193から離間して形成されている。
台部195bは第2保持壁部194の前方に、第2保持壁部194から離間して形成されている。
一側延出部196および他側延出部197の外側面には、弾性係止片146の係合用凹所146cに係合する係止用突起198が外側方に突出して形成されている。係止用突起198の平面視形状は、突端から基端側に行くにしたがって前後寸法が増すテーパ状(例えば三角形状)であることが好ましい。
蓋体192の基端部192a(ヒンジ部)とは反対の端部である先端部192b側に形成された係止突起192cは、ベース部191に形成された係止凹部191cに係脱自在に嵌合できる。
蓋体192は、ベース部191の上面191bに被せた状態(閉状態)で、係止突起192cをベース部191の係止凹部191cに係合させることで、挿入光ファイバ1をベース部191(基体部195)に押さえ込んで把持固定できる。
これによって、第1ファイバホルダ90と第2ファイバホルダ190とを目視で容易に識別できる。
第1光ファイバ接続用ユニット10の少なくとも一部は、第1ファイバホルダ90と同系の色を呈し、第2光ファイバ接続用ユニット20の少なくとも一部は、第2ファイバホルダ190と同系の色を呈することが好ましい。
同系の色とは、同じまたは近接した色相を有する色である。色相が同じまたは近接していれば、明度や彩度が異なっていてもよい。
例えば、第1ファイバホルダ90が黒色であるときには、第1光ファイバ接続用ユニット10のユニットベース11またはスライダ120を黒色とすることができる。
また、第2ファイバホルダ190が白色であるときには、第2光ファイバ接続用ユニット20のスライダ220を白色とすることができる。
これによって、光ファイバ接続用ユニット10、20と、ファイバホルダ90、190との正しい組み合わせを目視により確認しやすくなるため、誤操作を確実に防止できる。
光ファイバ接続用ユニット10、20とファイバホルダ90、190に採用できる色としては、白、黒に限らず、赤、青、黄、緑、橙等がある。
図22〜図24に示すように、予め、スプライス用工具230を光ファイバ接続用ユニット20に取り付けることによって、介挿片部231aをクランプ部163の後側延出片165と蓋部材166、167との間に挿入し、挿入光ファイバ1が挿入可能な状態とする。
ファイバホルダ190は、第2レール部142のスライド面143に載置し、係止用突起198を弾性係止片146の係合用凹所146cに係合させて位置決めする。
光ファイバ接続用ユニット20の移動過程では、基板部221の両側縁部221aが側壁部135の内面の溝部135aに入り込むことによってスライダ220の浮き上がりが規制される。
挿入光ファイバ1は、クランプ部付きフェルール160の調心溝169aに挿入され、内蔵光ファイバ162の後端に突き当てられる。符号C1は突き合わせ接続位置である。クランプ部付きフェルール160とファイバホルダ190の間の挿入光ファイバ1には撓みが形成されてもよい。
図27に示すように、この際、ファイバホルダ190の照合用凸部197bは光ファイバ接続用ユニット20の照合用凹部226bに入り込むため、光ファイバ接続用ユニット20の進入が阻止されることはない。
このため、光ファイバ接続用ユニット20は、挿入光ファイバ1の把持位置に十分に近づくことができる。
一方、図27に示すように、第2の実施形態の光ファイバ接続工具200では、光ファイバ162、21の接続にあたって、第2ファイバホルダ190の他側延出部197の照合用凸部197b(第2進入阻止部)が第2光ファイバ接続用ユニット20の照合用凹部226bに入り込むため、第2光ファイバ接続用ユニット20の前端部は、支障なくユニット収容空間199に進入することができる。
逆に、第1光ファイバ接続用ユニット10の一側面には凹部がないため、第1光ファイバ接続用ユニット10を第2ファイバホルダ190に使用しようとすると、第2ファイバホルダ190の照合用凸部197bによって、第1光ファイバ接続用ユニット10のユニット収容空間199への進入が阻止される。
これに対し、第1光ファイバ接続用ユニット10と第1ファイバホルダ190との組み合わせ、または、第2光ファイバ接続用ユニット20と第2ファイバホルダ190との組み合わせでは、問題なく接続作業が可能である。
このように、光ファイバ接続工具100、200によれば、光ファイバ接続用ユニット10、20と、ファイバホルダ90、190との組み合わせが正しくないと接続作業を行うことができないことから、誤操作を確実に防止できる。
このため、ファイバホルダ90、190に対する光ファイバ接続用ユニット10、20の進入位置が変動しても、組み合わせが異なる光ファイバ接続用ユニット10、20の進入を確実に阻止できる。
例えば、図示例ではファイバホルダ側に凸部を形成し、光ファイバ接続用ユニット側にこれに応じた凹部を形成したが、逆に、ファイバホルダに凹部を形成し、光ファイバ接続用ユニットに、これに応じた凸部を形成してもよい。
また、上述の例では、照合用凸部96b(第1進入阻止部)は第1ファイバホルダ90の一側延出部96に形成され、照合用凸部197b(第2進入阻止部)は第2ファイバホルダ190の他側延出部197に形成されているが、第1および第2進入阻止部が、いずれも一側延出部と他側延出部のうち一方にのみ形成されていてもよい。
なお、第1および第2進入阻止部の形状は断面矩形状に限定されず、断面円弧状、断面多角形状などとしてよい。
挿入光ファイバは特に限定されず、例えば複数フロアを有する建築物において各フロアにわたる縦穴(例えばエレベータ用昇降路)に布設される光ファイバ、屋内配線された光ファイバ、光複合電子機器に配線された光ファイバ等を例示できる。
Claims (5)
- 一方側の光ファイバを保持する第1光ファイバ接続用ユニットと、前記一方側の光ファイバと突き合わせる他方側の光ファイバを固定する第1光ファイバ固定部と、これらが載置される接続治具と、を備え、
前記接続治具は、前記第1光ファイバ固定部を保持する保持部と、前記第1光ファイバ接続用ユニットを、前記第1光ファイバ固定部に接近する方向に導く案内部とを有し、
前記保持部は、前記第1光ファイバ固定部に代えて、第2光ファイバ固定部を保持可能であり、
前記案内部は、前記第1光ファイバ接続用ユニットに代えて、第2光ファイバ接続用ユニットを前記第2光ファイバ固定部に接近する方向に導くことができ、
前記第1光ファイバ固定部は、前記他方側の光ファイバが固定される基体部と、前記基体部から前記案内部に向けて延出する一対の延出部とを備え、これら延出部の間に確保された第1ユニット収容空間には、前記第1光ファイバ接続用ユニットの先端部が進入可能であり、
前記第2光ファイバ固定部は、前記他方側の光ファイバが固定される基体部と、前記基体部から前記案内部に向けて延出する一対の延出部とを備え、これら延出部の間に確保された第2ユニット収容空間には、前記第2光ファイバ接続用ユニットの先端部が進入可能であり、
前記第1光ファイバ固定部の延出部の少なくとも一方には、前記第2光ファイバ接続用ユニットが前記第1ユニット収容空間に進入するのを妨げる第1進入阻止部が形成され、
前記第2光ファイバ固定部の延出部の少なくとも一方には、前記第1光ファイバ接続用ユニットが前記第2ユニット収容空間に進入するのを妨げる第2進入阻止部が形成されている光ファイバ接続工具。 - 前記第1光ファイバ接続用ユニットは、一端側から挿入された前記一方側の光ファイバを、他端側から挿入された前記他方側の光ファイバに突き合わせ接続させる第1メカニカルスプライスを有し、
前記第2光ファイバ接続用ユニットは、フェルールに内蔵された前記一方側の光ファイバを前記他方側の光ファイバに突き合わせ接続させる第2メカニカルスプライスを有する
請求項1に記載の光ファイバ接続工具。 - 前記第1進入阻止部は、前記第1ユニット収容空間に向けて突出する凸部であり、
前記第2進入阻止部は、前記第2ユニット収容空間に向けて突出する凸部である請求項1または2に記載の光ファイバ接続工具。 - 前記第1光ファイバ固定部の前記一対の延出部は、それぞれ前記基体部における長手方向についての一側部および他側部に形成され、
前記第2光ファイバ固定部の前記一対の延出部は、それぞれ前記基体部における長手方向についての一側部および他側部に形成され、
前記第1進入阻止部は、前記一側部の延出部に形成され、
前記第2進入阻止部は、前記他側部の延出部に形成されている請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光ファイバ接続工具。 - 前記第1光ファイバ固定部と、前記第2光ファイバ固定部とは、異なる色を呈し、
前記第1光ファイバ接続用ユニットの少なくとも一部は、前記第1光ファイバ固定部と同系の色を呈し、
前記第2光ファイバ接続用ユニットの少なくとも一部は、前記第2光ファイバ固定部と同系の色を呈する請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光ファイバ接続工具。
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