JP5864388B2 - Vベルト式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、Vベルト式無段変速機の可動シーブ駆動装置に関するものである。
従来のVベルト式無段変速機として、駆動軸に固定される固定シーブと、この固定シーブに対して駆動軸の軸方向に移動可能な可動シーブと、前記両シーブ間に巻き掛けられるVベルトとを有し、アクチュエータによって駆動されるアームを、前記可動シーブの周縁に取付けられたボールベアリング等の転がり軸受を介して前記可動シーブに連結し、前記アクチュエータによる前記アームの作動に伴って前記可動シーブを移動させる第1シフト機構と、前記可動シーブ背面と同可動シーブ背面に設けられたウエイト保持プレートとの間に遠心ウエイトを収容し、遠心力によって前記可動シーブを移動させる第2シフト機構とを協働させることによって前記可動シーブを駆動するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−47292号公報
上記従来技術では、転がり軸受は、遠心ウエイトと軸方向で重なる位置にあって、且つ遠心ウエイトを収容した可動シーブの外周縁部に取付けられていたため、転がり軸受が大径化して周速度が大きくなってしまい、温度上昇や耐久性の点で課題があった。また、大径の転がり軸受は高価となってしまうこともあり、小径化が望まれていた。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
駆動軸(50)に固定される固定シーブ(61)、
前記駆動軸(50)が挿通される可動シーブボス部(62a)を備えるとともに、前記駆動軸(50)の軸方向に移動可能に保持される可動シーブ(62)、
前記固定シーブ(61)と可動シーブ(62)との間に巻き掛けられるVベルト(98)、
アクチュエータ(88)と、前記可動シーブ(62)に取付けられた転がり軸受(83)とを備え、前記アクチュエータ(88)の駆動力を前記転がり軸受(83)を介して前記可動シーブ(62)に伝達することで前記可動シーブ(62)を前記軸方向に移動させる第1シフト機構(81)、及び
遠心ウエイト収容カム面(72)を有するカム部材(70)とウエイト保持プレート(75)とで遠心ウエイト(77)を保持すると共に、前記駆動軸(50)の回転に伴う遠心力により前記遠心ウエイト(77)を駆動して前記可動シーブ(62)を前記軸方向に移動させる第2シフト機構(82)、を備えたVベルト式無段変速機(25)において、
前記転がり軸受(83)が前記軸方向において前記Vベルト(98)と前記第2シフト機構(82)との間に配置されるようにして前記可動シーブボス部(62a)に取付けられ、前記可動シーブボス部(62a)に取付けられる前記第2シフト機構(82)の前記ウエイト保持プレート(75)は、転がり軸受(83)の取付け位置に対して前記軸方向に離れた位置に配置される固定用部材(56、57)を構成するナット(57)が前記可動シーブボス部(62a)の端部に締結されることによって、前記可動シーブボス部(62a)に軸方向移動不能かつ回転不能に取付けられ、前記ウエイト保持プレート(75)より前記転がり軸受(83)から離れた位置にある前記カム部材(70)には、前記可動シーブボス部(62a)に締結される前記ナット(57)が前記軸方向で前記遠心ウエイト(77)と重なるような配置を可能とする固定用部材収容凹部(71)が形成されることを特徴とするVベルト式無段変速機である
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のVベルト式無段変速機(25)において、
前記固定用部材(56、57、或いは116)は、前記軸方向において前記第2シフト機構(82、100)の前記軸方向幅内に配置されることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のVベルト式無段変速機(25)において、
前記カム部材(70)と前記ウエイト保持プレート(75)のうち、前記ウエイト保持プレート(75)が前記可動シーブボス部(62a)に取付けられ、前記可動シーブボス部(62a)に形成される段部(63)と、当該可動シーブボス部(62a)に外側から嵌められて前記可動シーブボス部(62a)に固定されるカラー(56)及びナット(57)からなる前記固定用部材とによって、前記ウエイト保持プレート(75)が挟持されることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のVベルト式無段変速機において、
前記可動シーブボス部(62a)は、その可動シーブボス部(62a)の端部が前記軸方向で前記カム部材(70)と重なるように形成されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のVベルト式無段変速機(25)において、
前記遠心ウエイト収容カム面(72)は、前記収容凹部(71)よりも径方向外方側であって、且つ前記収容凹部(71)と前記軸方向で重なるようにして、前記遠心ウエイト収容カム面(72)が形成されることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のVベルト式無段変速機において、
前記ナット(57)が締結される前記可動シーブボス部(62a)の前記端部は、前記ウエイト保持プレート(75)が固定される前記可動シーブボス部(62a)の部位よりも小径に形成されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、
駆動軸(50)に固定される固定シーブ(61)、
前記駆動軸(50)が挿通される可動シーブボス部(62a)を備えるとともに、前記駆動軸(50)の軸方向に移動可能に保持される可動シーブ(62)、
前記固定シーブ(61)と可動シーブ(62)との間に巻き掛けられるVベルト(98)、
アクチュエータ(88)と、前記可動シーブ(62)に取付けられた転がり軸受(83)とを備え、前記アクチュエータ(88)の駆動力を前記転がり軸受(83)を介して前記可動シーブ(62)に伝達することで前記可動シーブ(62)を前記軸方向に移動させる第1シフト機構(81)、及び
遠心ウエイト収容カム面(111)を有するカム部材(110)とウエイト保持プレート(120)とで遠心ウエイト(122)を保持すると共に、前記駆動軸(50)の回転に伴う遠心力により前記遠心ウエイト(122)を駆動して前記可動シーブ(62)を前記軸方向に移動させる第2シフト機構(100)、を備えたVベルト式無段変速機(25)において、
前記転がり軸受(83)が前記軸方向において前記Vベルト(98)と前記第2シフト機構100)との間に配置されるようにして前記可動シーブボス部(62a)に取付けられ、前記可動シーブボス部(62a)に取付けられる前記第2シフト機構(100)の前記カム部材(110)は、転がり軸受(83)の取付け位置に対して前記軸方向に離れた位置に配置される固定用部材(116)により取付けられ、前記固定用部材(116)は、前記軸方向において前記第2シフト機構(100)の前記軸方向幅内に配置され、前記カム部材(110)が前記可動シーブボス部(62a)に取付けられ、前記可動シーブボス部(62a)と前記カム部材(110)には、前記軸方向と直交する方向にピン孔(113)が形成され、当該ピン孔(113)に前記固定用部材としての固定用ピン(116)が嵌装されることによって、前記カム部材(110)が前記可動シーブボス部(62a)に取付けられる
ことを特徴とするVベルト式無段変速機である
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のVベルト式無段変速機において、
前記固定用ピン(116)は前記可動シーブボス部(62a)の径方向内側に形成された開口端部(117)から前記ピン孔(113)に嵌装されるとともに、前記開口端部(117)は、前記駆動軸(50)が挿通されているスリーブ(53)によって閉塞されることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のVベルト式無段変速機において、
前記カム部材(110)には、前記カム部材(110)における径方向外方側に位置する前記ピン孔(113)の奥端部と一端が連通すると共に、前記軸方向に延出して他端が前記カム部材の外部に開放されるピン抜き孔(114)が形成されることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8又は請求項9に記載のVベルト式無段変速機において、
前記カム部材(110)には、軸方向視で、前記遠心ウエイト収容カム面(111)が前記駆動軸(50)の軸線に対して放射状に複数配置されるとともに、前記ピン孔(113)が、前記複数の遠心ウエイト収容カム面(111)間に形成されることを特徴とする。
請求項1の発明において
転がり軸受(83)が軸方向でVベルト(98)と第2シフト機構(82)との間に配置されるようにして、可動シーブ(62)における可動シーブボス部(62a)に取付けられるので、第2シフト機構(82)と転がり軸受(83)とを軸方向に並べて配置し、転がり軸受(83)の小径化を図ることができる。このとき、第2シフト機構(82)は、駆動軸(50)の回転に伴う遠心力で遠心ウエイト(77)を駆動させ、可動シーブ(62)を軸方向に移動させるべく、エイト保持プレート(75)を可動シーブ(62)側に取付ける必要があるが、この第2シフト機構(82)の可動シーブ(62)への取付けに関しては、転がり軸受(83)の取付け位置に対して前記固定用部材(56、57)の位置を軸方向に離しているので、可動シーブボス部(62a)への取付け位置を含む第2シフト機構(82)全体が転がり軸受と軸方向で重ならないようにすることができ、第2シフト機構(82)を可動シーブボス部(62a)へ取付けるにあたり、転がり軸受の取付け位置で可動シーブボス部(62a)が大径化するのを防いで転がり軸受(83)を小径化することができる。
また、可動シーブボス部(62a)の端部及び固定用部材(56、57)がカム部材(70)に収容されるので、固定構造を軸方向に小型化することができる。
請求項2の発明において、
可動シーブボス部(62a)に取付けられるウエイト保持プレート(75)或いはカム部材(110)を、固定用部材(56、57、或いは116)によって容易に可動シーブボス部(62a)へ取付けることができる。また、軸方向において固定用部材(56、57、或いは116)が第2シフト機構(82、100)の軸方向幅内に配置されるので、軸方向への大型化を防ぐことができる。
請求項3の発明において、
可動シーブボス部(62a)に第2シフト機構(82)におけるウエイト保持プレート(75)を容易に取付けることができ、組立性を向上することができる上、カム部材(70)とウエイト保持プレート(75)のうち、軽量なウエイト保持プレート(75)を可動シーブ側に取付けるため、可動系の総重量を軽量化することができ、アクチュエータ(88)の小型化を図ることができる。
請求項4の発明において、
可動シーブボス部(62a)の端部が軸方向で前記カム部材(70)と重なるように形成されることで、小型化を図ることができる。
請求項5の発明において、
遠心ウエイト収容カム面(72)が収容凹部(71)よりも径方向外方側、収容凹部(71)と軸方向で重なるようにして形成されるので、収容凹部(71)、遠心ウエイト収容カム面(72)、遠心ウエイト(77)を軸方向にコンパクトに配置することができる。
請求項6の発明において、
ナットの一層の小型化を図ることができ、遠心ウエイトとナットとを軸方向で重なるように配置する場合であっても、径方向への大型化を抑制することができる。
請求項7の発明において
転がり軸受(83)が軸方向でVベルト(98)と第2シフト機構(100)との間に配置されるようにして、可動シーブ(62)における可動シーブボス部(62a)に取付けられるので、第2シフト機構(100)と転がり軸受(83)とを軸方向に並べて配置し、転がり軸受(83)の小径化を図ることができる。このとき、第2シフト機構(100)は、駆動軸(50)の回転に伴う遠心力で遠心ウエイト(122)を駆動させ、可動シーブ(62)を軸方向に移動させるべく、カム部材(110)を可動シーブ(62)側に取付ける必要があるが、この第2シフト機構(100)の可動シーブ(62)への取付けに関しては、転がり軸受(83)の取付け位置に対して前記固定用部材(116)の位置を軸方向に離しているので、可動シーブボス部(62a)への取付け位置を含む第2シフト機構(100)全体が転がり軸受と軸方向で重ならないようにすることができ、第2シフト機構(110)を可動シーブボス部(62a)へ取付けるにあたり、転がり軸受の取付け位置で可動シーブボス部(62a)が大径化するのを防いで転がり軸受(83)を小径化することができる。
そして、可動シーブボス部(62a)に取付けられるカム部材(110)を、固定用部材(116)によって容易に可動シーブボス部(62a)へ取付けることができ、軸方向において固定用部材(116)が第2シフト機構(100)の軸方向幅内に配置されるので、軸方向への大型化を防ぐことができる。
また、可動シーブボス部(62a)に第2シフト機構(100)におけるカム部材(110)を容易に取付けることができ、組立性を向上することができ、軸方向と直交する方向にピン孔(113)が形成されるため、固定構造を軸方向に小型化することができる。
請求項8の発明において
固定用ピン(116)の抜け止めを、スリーブ(53)によって容易に行うことができる。また、固定用ピン(116)は可動シーブボス部(62a)の径方向内側からピン孔(113)に嵌装されるので、遠心力により固定用ピン(116)の嵌装状態を強める方向へ力を加えることができ、可動シーブボス部(62a)とカム部材(110)の取付け状態を良好に保っておくことができる。
請求項9の発明において
軸方向と直交する方向に固定用ピン(116)が嵌装される場合において、ピン抜き孔(114)からエアを吹き込む等を行うことによって、容易に固定用ピン(116)を抜くことができ、再組立てを容易に行なうことができてメンテナンス性を向上できる。
また、請求項10の発明においては、
遠心ウエイト収容カム面(111)と位相をずらした位置でピン孔(113)を形成できるので、固定用ピン(116)の挿入深さを十分に確保したピン孔(113)を形成できる。
本発明の一実施形態に係るパワーユニットを搭載したスクータ型自動二輪車の左面図である。 図1のII−II断面図であり、上記パワーユニットの水平断面図である。 本発明の第1実施形態の、駆動プーリと、その制御機構の平面図である。 第1シフト機構の駆動力伝達機構の図である。 カム部材の図である。 ウエイト保持プレートの図である。 駆動プーリの幅が最も狭いときの、第1シフト機構と第2シフト機構の状態を示す平面図である。 本発明の第2実施形態の、駆動プーリと、その制御機構の平面図である。 カム部材の図である。 ウエイト保持プレートの図である。
図1は本発明の一実施形態に係るパワーユニット1を搭載したスクータ型自動二輪車2の左面図である。この自動二輪車2の骨格を成す車体フレームは、ヘッドパイプ3と、同ヘッドパイプ3から後下がりに伸びるメインフレーム4と、一端が上記メインフレーム4の後部に接続されて後上がりに伸びる左右一対のリヤフレーム5とから構成されている。ヘッドパイプ3に回動可能に支承されているフロントフォーク6の下端には、前輪7が軸支され、フロントフォーク6の上部には操向ハンドル8が連結されている。リヤフレーム5の上に乗車用シート9が設けられ、この乗車用シート9の下方にヘルメット収納ボックス10と燃料タンク11が配置されている。
上記リヤフレーム5に突設された前部ブラケット12に、上記パワーユニット1が、同パワーユニット1の前部のハンガー13とリンク部材14とを介して懸架されている。リヤフレーム5に突設された後部ブラケット15と、パワーユニット1の後端部に設けられた支持ブラケット16との間にはリヤクッション17が設けてある。これらによって、パワーユニット1は、シリンダ軸線を若干前上がりにして揺動可能に懸架されている。パワーユニット1の後部から右方へ突出する後車軸18に後輪19が取付けられ、このパワーユニット1によって駆動される。パワーユニット1の上方にはエアクリーナ20が設けてある。車体フレームには複数の部分からなる合成樹脂性の車体カバー21が取付けられ、パワーユニット1やその他の機器類を覆っている。
図2は、図1のII−II断面図であり、上記パワーユニット1の水平断面図である。図2において、パワーユニット1は、大きく分けて、内燃機関24とVベルト式無段変速機25と歯車減速機26とからなっている。上記内燃機関24の殻体はクランクケース27と、その前部に順次前方へ結合されるシリンダブロック28、シリンダヘッド29、およびシリンダヘッドカバー30、から成っている。クランクケース27は左右半割り式であり、左クランクケース27Lと右クランクケース27Rとからなっている。
クランク軸31は、クランクケース27に支持されたボールベアリング32A,32Bに回転可能に枢支されている。クランク軸31は、左側クランク軸31Lと右側クランク軸31Rとクランクピン31Pとからなっている。ピストン33は、シリンダブロック28に形成されたシリンダ孔28hに摺動可能に嵌装されている。上記ピストン33は、コネクティングロッド34を介して、クランク軸31のクランクピン31Pに接続され、ピストン33が往復すると、クランク軸31が回転駆動される。ピストン33の上面に対向するシリンダヘッド29の底面に燃焼室35が形成されている。点火プラグ36が、シリンダ孔28hの中心軸線に対し左方に傾斜して、シリンダヘッド29に装着されている。
図2の右半部において、クランク軸31のボールベアリング32Bの隣接部に、カムチェーン駆動スプロケット37が形成され、カムチェーン38が巻きかけられ、カム軸39に設けられているカムチェーン従動スプロケット40に達し、カム軸39を駆動する。クランク軸31の右方延長部には、交流発電機41が設けてある。交流発電機41の右方に、冷却空気取入口42が設けてある。
図2の左半部において、Vベルト式無段変速機25は、変速機ケース45に覆われている。変速機ケース45は、変速機ケース右側部材45Rと変速機ケース左側部材45Lとからなっている。変速機ケース右側部材45Rは左クランクケース27Lと一体に形成されている。変速機ケース左側部材45Lはボルト46によって変速機ケース右側部材45Rに結合されている。歯車減速機26は、変速機ケース右側部材45Rの後部と歯車ケース47とに覆われている。歯車ケース47はボルト48によって変速機ケース右側部材45Rに結合されている。
Vベルト式無段変速機25の駆動軸50は左側クランク軸31Lの左方延長部であり、左側クランク軸31Lより小径の軸部である。この駆動軸50に、Vベルト式無段変速機25の駆動プーリ60が設けてある。
駆動プーリ60は、軸周り回転不可能且つ軸方向移動不可能の固定シーブ61と、軸周り回転不可能且つ軸方向移動可能の可動シーブ62とを備え、且つ同可動シーブ62を駆動するための制御機構80を備えている。この制御機構80は、第1シフト機構81と第2シフト機構82とから成っている。これらのシフト機構81、82は、可動シーブ62を軸方向に移動させることによって、固定シーブ61と可動シーブ62の間隔を変更し、Vベルト式無段変速機25の変速を行なう手段である。
Vベルト式無段変速機25の従動軸90は、変速機ケース左側部材45Lと変速機ケース右側部材45Rと歯車ケース47とに、ベアリング91A、91B、91Cを介して回転自在に枢支されている。この従動軸90に、遠心クラッチ92を介して従動プーリ93が設けてある。従動プーリ93は、固定シーブ94、可動シーブ95、回転スリーブ96、及びコイルばね97を備えている。従動軸90と回転スリーブ96の間に設けられている遠心クラッチ92は、クラッチアウタ92Aとクラッチインナ92Bとを備えている。駆動プーリ60と従動プーリ93とに無端状Vベルト98が架渡されている。
第1シフト機構81と第2シフト機構82の作用によって、駆動プーリ60の固定シーブ61と可動シーブ62の間隔が狭くなって、駆動プーリ60におけるVベルト98の巻き掛け径が大きくなると、Vベルト98の張力が高まるので、従動プーリ93側では、コイルばね97の付勢力に抗して従動プーリ93の可動シーブ95が動き、従動プーリ93の固定シーブ94と可動シーブ95との間隔が広がる。この結果、Vベルト98の巻き掛け径の寸法比に応じて、従動プーリ93の回転数が高まる。従動プーリ93が所定回転数を越えて回転すると、遠心クラッチ92が接続状態となり、従動軸90が回転駆動される。
従動軸90の後方に、歯車減速機26と後車軸18と後輪19が設けてある。歯車減速機26の入力軸は、上記従動軸90である。後輪19を一体に結合した後車軸18は、変速機ケース右側部材45Rと歯車ケース47とに回転自在に枢支されている。従動軸90と後車軸18との中間に設けられた歯車列99によって、従動軸90のトルクは後車軸18に伝達され、後輪19が減速駆動される。
図3は、本発明の第1実施形態の、駆動プーリ60と、その制御機構80の平面図である。駆動軸50は、左側クランク軸31Lの左方延長部である。この駆動軸50に接して、左側から順にナット51、ワッシャ52、固定シーブ61、鋼製スリーブ53、カム部材70が配置されている。カム部材70の右面は左側クランク軸31Lの大径部の端面31eに当接している。ナット51が締められることによって、上記各部材は駆動軸50に対して軸方向移動不能且つ回転不能に固定されている。上記固定シーブ61は中心部の厚肉部61aとその周囲のフランジ部61bからなるアルミ製一体構造のものである。上記カム部材70は、鋼製中心部材70aの外周にアルミ製カム部70bを鋳込んで一体に形成されたものであり、上記鋼製中心部材70aが、鋼製スリーブ53と左側クランク軸31Lの大径部の端面31eとに挟まれている。
上記鋼製スリーブ53の外周に、可動シーブ62が支持されている。可動シーブ62は、鋼製の可動シーブボス部62aとその一端に、鋳込みによって一体に形成されたアルミ製フランジ部62bとから成なっている。可動シーブボス部62aは、含油ブッシュ54を介して前記鋼製スリーブ53の外側に嵌装されている。含油ブッシュ54の端部にはオイルシール55が装着されている。なお、含油ブッシュ54の代わりに樹脂ブッシュが用いられることがある。この場合はオイルシールの代わりに抜け止め部材が装着される。可動シーブ62は鋼製スリーブ53の外周に対して回転不可能であり、駆動軸50の軸線方向には摺動可能である。
上記可動シーブボス部62aの外周に、左から順に、転がり軸受83、サークリップ84、ウエイト保持プレート75、カラー56、ナット57が配置されている。転がり軸受83は、可動シーブボス部62aの第1の段部63に装着され、サークリップ84によって抜け止めがなされている。ウエイト保持プレート75は、可動シーブボス部62aの第2の段部64に装着され、第1の段部63の端面とカラー56とによって挟まれ、ナット57を締めることによって、軸方向移動不能且つ回転不能に固定されている。カム部材70の中央部には収容凹部71が形成され、前記可動シーブボス部62aの端部、カラー56、及びナット57が収容されている。
上記転がり軸受83の外周には、第1シフト機構81のアクチュエータ88に連なる転がり軸受保持装置85が取付けられている。転がり軸受83と転がり軸受保持装置85とによって、第1シフト機構81の駆動力伝達機構87が構成されている。第1シフト機構81は、アクチュエータ88と駆動力伝達機構87とからなっている。カム部材70とウエイト保持プレート75とその間に保持されている円柱状の遠心ウエイト77とによって、第2シフト機構82が構成されている。上記第1シフト機構81と第2シフト機構82は上記可動シーブ62を駆動軸50方向に適切に移動させるよう制御する機構である。固定シーブ61と可動シーブ62の間には、Vベルト式無段変速機25の主要構成部材であるVベルト98が掛け回されている。可動シーブ62の移動に応じて両シーブ間の間隔が変わり、Vベルト98の巻き掛け径が変わり、Vベルト式無段変速機25の変速が可能となる。
図4は、第1シフト機構81の駆動力伝達機構87の図であり、図4(a)は図4(b)のA−A断面図、図4(b)は図4(a)のB矢視図である。駆動力伝達機構87は、第1シフト機構81のアクチュエータ88の駆動力を可動シーブ62へ伝達するための機構であり、転がり軸受83と転がり軸受保持装置85とからなっている。転がり軸受保持装置85は、軸受保持部85aとアーム部85bとからなっている。軸受保持部85aは半割り構造となっており、転がり軸受83の外輪83aを包み、両方の部分をボルト86で結合して、外輪83aに固定される。アーム部85bは駆動軸50に直交する方向に延びた後、直角に曲げてあり、アーム部85bの端部にはアクチュエータ88の出力ロッド88Aにピン89を介して係合する(図3参照)ための係合部85cが設けてある。
図3において、第1シフト機構81は、アクチュエータ88と上記駆動力伝達機構87とからなっている。アクチュエータ88は、図示されていないが、ケース内に収容されたサーボモータと、同サーボモータの出力軸に連なる減速歯車群と、同減速歯車群の最終段歯車の回転軸に設けられたボール雄ネジと、同ボール雄ネジに係合するボール雌ネジを中心部に備えた出力ロッド88Aとから構成されている。出力ロッド88Aはアクチュエータ88のケース88Bに回転不能且つ進退可能に支持されているので、サーボモータの回転に応じて前記ボール雄ネジが回転し、これに噛合うボール雌ネジを備えた出力ロッド88Aは、前進後退することができる。アクチュエータ88のケース88Bは、上記出力ロッド88Aが駆動軸50と平行になるよう変速機ケース左側部材45Lに取付けられている。出力ロッド88Aの進退に応じて、ピン89を介して係合している駆動力伝達機構87も同じ方向に進退し、可動シーブ62を駆動し、駆動プーリ60の幅を変える。
図3において、第2シフト機構82は、駆動軸50に設けられたカム部材70と、可動シーブボス部62aに設けられたウエイト保持プレート75と、上記両部材間に保持されている遠心ウエイト77とから成っている。クランク軸31の回転数が増大すると、遠心ウエイト77が、遠心力により外方へ移動し、ウエイト保持プレート75がカム部材70から離れる方向へ押され、可動シーブボス部62aを介して可動シーブ62が固定シーブ61の方へ移動し、駆動プーリ60の固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が狭まりVベルト98の巻き掛け径が大きくなる。
図5はカム部材70の図であり、図5(a)は図5(b)のA−A断面図、図5(b)は図5(a)のB矢視図である。カム部材70は、鋼製中心部材70aの外周にアルミ製カム部70bを鋳込んで一体に形成されたものである。図には遠心ウエイト77が二点鎖線で示してある。カム部材70には遠心ウエイト77を収容する遠心ウエイト収容カム面72が放射状に6箇所に設けてある。遠心ウエイト収容カム面72の間には、ウエイト保持プレート75を案内するためのガイド用リブ73が3箇所に設けてある。中央に駆動軸50を挿通するための円孔74が設けてある。
図6はウエイト保持プレート75の図であり、図6(a)は図6(b)のA−A断面図、図6(b)は図6(a)のB矢視図である。遠心ウエイト77が二点鎖線で示してある。ウエイト保持プレート75は中央の板状部75aから放射状に延びるウエイト保持部75bが6個形成されている。ウエイト保持部75bの間に、前記カム部材70のガイド用リブ73に係合して、ウエイト保持プレート75をカム部材70に対して相対回転不能、軸方向移動可能に案内するガイド凹部75cが3箇所に設けてある。中央には可動シーブボス部62aの第2の段部64を挿通するための円孔76が設けてある。
図3において、第1シフト機構81に連なる、図示していない制御部による制御で、第1シフト機構81のアクチュエータ88が作動し、出力ロッド88Aが矢印X1方向へ突出して、可動シーブ62もX1方向へ移動すると、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が広くなって、駆動プーリ60におけるVベルト98の巻き掛け径が小さくなると共に、従動プーリ93におけるVベルト98の巻き掛け径が大きくなり、後輪19が低速で回転駆動され、高負荷に耐えられる状態となる。
逆に、出力ロッド88Aが矢印X2の方向へ後退し、可動シーブ62もX2方向へ移動すると、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が狭くなって、駆動プーリ60におけるVベルト98の巻き掛け径が大きくなると共に、従動プーリ93におけるVベルト98の巻き掛け径が小さくなり、後輪19が高速で回転駆動されることになる。
図3の、第2シフト機構82において、クランク軸31の回転数が低いときには、遠心ウエイト77は回転中心に近い側にあり、ウエイト保持プレート75はカム部材70に接近しており、可動シーブ62は固定シーブ61から離れた位置にあり、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が広くなって、駆動プーリ60におけるVベルト98の巻き掛け径が小さくなると共に、従動プーリ93におけるVベルトの巻き掛け径が大きくなり、後輪19が低速で回転駆動され、高負荷に耐えられる状態とななっている。
クランク軸31の回転数が増大すると、第2シフト機構82においては、カム部材70とウエイト保持プレート75との間の遠心ウエイト77が、遠心力により外方へ移動し、可動シーブ62が固定シーブ61の方へ押されるので、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔がせまくなって、駆動プーリ60におけるVベルト98の巻き掛け径が大きくなると共に、従動プーリ93におけるVベルト98の巻き掛け径が小さくなり、後輪19が高速で回転駆動されることになる。
図7は、駆動プーリ60の幅が最も狭いときの、第1シフト機構81と第2シフト機構82の状態を示す平面図である。内燃機関24の運転時の、クランク軸31の低回転領域においては、第1シフト機構81は、第2シフト機構82の可動シーブ駆動力と同じX2方向の駆動力を生じさせるように作動し、合計駆動力を大にして速やかなシフトアップを図り、燃料消費率の向上を図る。クランク軸31の高回転領域においては、第2シフト機構82によるX2方向の駆動力が大きくなり過ぎ、車速が速くなり過ぎるので、第1シフト機構81は、可動シーブ62を移動させようとする第2シフト機構82のX2方向の力に対して抵抗となるX1方向に作動し、車速の過剰な高速化を抑制する。このように、可動シーブ62の移動は、第1シフト機構81における出力ロッド88Aの進退動によって規制される。
以上詳述したように、上記第1実施形態においては次のような効果がもたらされる。
(1)可動シーブ62と第2シフト機構82とを離し、転がり軸受83を可動シーブ62と第2シフト機構82との間の可動シーブボス部62aに取付けられるので、転がり軸受83の小型化を図ることができる。
(2)ウエイト保持プレート75を可動シーブボス部62aに取付けるカラー56とナット57を、第2シフト機構82の軸方向幅内に配置されるので、軸方向への大型化を防ぐことができる。
(3)軽量なウエイト保持プレート75を可動シーブ62側に取付けるため、可動系の総重量を軽量化することができ、アクチュエータ88の小型化を図ることができる。
(4)可動シーブボス部62aの端部とカラー56とナット57がカム部材70の収容凹部71に収容されるので、固定構造を軸方向に小型化することができる。
(5)遠心ウエイト収容カム面72が収容凹部71よりも径方向外方側に形成されるので、収容凹部71、遠心ウエイト収容カム面72、遠心ウエイト77を軸方向にコンパクトに配置することができる。
図8は、本発明の第2実施形態の、駆動プーリ60と、その制御機構80の第1シフト機構81と第2シフト機構100の平面図である。この第2実施形態は、第1実施形態に対して第2シフト機構100とその関連部が変更されているのみで、他の部分は変更されていない。即ち、カム部材とウエイト保持プレートの位置を交換すると共に、これらの部材の形状及び取り付け方法が変更されている。図8の説明を行うに当たって、第1実施形態に対して位置・形状共に変更のない部材は、第1実施形態と同じ符号を付してある。変更された部材には、100番台の符号が付してある。
駆動軸50は、左側クランク軸31Lの左方延長部である。この駆動軸50に接して、左側から順にナット51、ワッシャ52、固定シーブ61、鋼製スリーブ53、ウエイト保持プレート120が配置されている。ウエイト保持プレート120の右面は左側クランク軸31Lの大径部の端面31eに当接している。ナット51が締められることによって、上記各部材は駆動軸50に対して軸方向移動不能且つ回転不能に固定されている。
上記鋼製スリーブ53の外周に、可動シーブ62が支持されている。可動シーブボス部62aは、含油ブッシュ54を介して前記鋼製スリーブ53の外側に嵌装されている。可動シーブ62は鋼製スリーブ53の外周に対して回転不可能であり、駆動軸50の軸線方向には摺動可能である。
上記可動シーブボス部62aの外周に、左から順に、転がり軸受83、サークリップ84、カム部材110が配置されている。転がり軸受83は、可動シーブボス部62aの第1の段部63に装着され、サークリップ84によって抜け止めがなされている。カム部材110は、可動シーブボス部62aの第2の段部64に装着され、可動シーブボス部62aと連通するピン孔113が設けられ、固定用ピン116を介して、軸方向移動不能且つ回転不能に固定されている。前記固定用ピン116は前記可動シーブボス部62aの径方向内側に形成された開口端部117から前記ピン孔113に嵌装されるとともに、前記開口端部117は、スリーブ53によって閉塞されている。可動シーブボス部62aの端部形状は、第1実施形態におけるカラー56とナット57が廃止されたことによって、若干簡素化されている。
上記転がり軸受83の外周には、第1シフト機構81のアクチュエータ88に連なる転がり軸受保持装置85が取付けられている。転がり軸受83と転がり軸受保持装置85とによって、第1シフト機構81の駆動力伝達機構87が構成されている。駆動力伝達機構87とアクチュエータ88とから、第1実施形態と同じ第1シフト機構81が構成されている。
カム部材110とウエイト保持プレート120とその間に保持されている円柱状の遠心ウエイト122とによって、第1実施形態のものと若干形状の異なる第2実施形態の第2シフト機構100が構成されている。上記第1シフト機構81と第2シフト機構100は上記可動シーブ62を駆動軸50方向に適切に移動させるよう制御する機構であり、その作用は、第1実施形態のものと同じである。
図9はカム部材110の図であり、図9(a)は図9(b)のA−A断面図、図9(b)は図9(a)のB矢視図である。カム部材110は、アルミ製の一体成形されたものである。図には遠心ウエイト122が二点鎖線で示してある。カム部材110には遠心ウエイト122を収容する遠心ウエイト収容カム面111が放射状に6箇所に設けてある。隣り合う遠心ウエイト収容カム面111の間には、ウエイト保持プレート120を案内するためのガイド用リブ112が3箇所に設けてある。中央に駆動軸50を挿通するための円孔115が設けてある。前記ピン孔113の奥端部と一端が連通すると共に、駆動軸方向に延出して他端が前記カム部材110の外部に開放されるピン抜き孔114が形成されている。ピン抜き孔114からエアを吹き込むことによって、容易に固定用ピン116を抜くことができる。上記ピン抜き孔114は、図8に示されるように、その開放端はウエイト保持プレート120に対向している。
図10はウエイト保持プレート120の図であり、図10(a)は図10(b)のA−A断面図、図10(b)は図10(a)のB矢視図である。遠心ウエイト122が二点鎖線で示してある。ウエイト保持プレート120は中央の板状部120aから放射状に延びるウエイト保持部120bが6個形成されている。ウエイト保持部120bの間に、前記カム部材110のガイド用リブ112に係合して、ウエイト保持プレート120をカム部材110に対して相対回転不能、軸方向移動可能に案内するガイド凹部120cが3箇所に設けてある。中央には可動シーブボス部62aの第2の段部64を挿通するための円孔121が設けてある。
第1シフト機構81は当然であるが、第2シフト機構100も第1実施形態と同じ作用を成すものである。また、第1シフト機構81と第2シフト機構100の協働作用のタイミング等も第1実施形態と同じである。
以上詳述したように、上記第2実施形態においては次のような効果がもたらされる。
(1)転がり軸受83が、軸方向でVベルト98と第2シフト機構82との間に配置されるようにして、可動シーブボス部62aに取付けられるので、転がり軸受83の小径化を図ることができる。
(2)固定用ピン116は、前記第2シフト機構82の前記軸方向幅内に配置されるので、軸方向への大型化を防ぐことができる。
(3)前記カム部材110が前記可動シーブボス部62aに取付けられ、前記可動シーブボス部62aと前記カム部材110には、前記軸方向と直交する方向にピン孔113が形成され、当該ピン孔113に固定用ピン116が嵌装されるので、固定構造を軸方向に小型化することができる。
(4)前記ピン孔113の開口端部117は、鋼製スリーブ53によって閉塞されるので、固定用ピン116の抜け止めを、鋼製スリーブ53によって容易に行うことができる。
(5)前記カム部材110には、前記ピン孔113の奥端部と一端が連通するピン抜き孔114が形成されるので、ピン抜き孔114からエアを吹き込む等を行うことによって、容易に固定用ピン116を抜くことができる。
(6)軸方向視で、前記ピン孔113が、前記複数の遠心ウエイト収容カム面111間に形成されるので、固定用ピン116の挿入深さを十分に確保したピン孔113を形成できる。
、25…Vベルト式無段変速機、50…駆動軸、56…カラー、57…ナット、61…固定シーブ、62…可動シーブ、62a…可動シーブボス部、63…第1の段部、64…第2の段部、70…カム部材、71…収容凹部、72…遠心ウエイト収容カム面、75…ウエイト保持プレート、77…遠心ウエイト、81…第1シフト機構、82…第2シフト機構、83…転がり軸受、87…駆動力伝達機構、88…アクチュエータ、98…Vベルト、100…第2シフト機構、110…カム部材、111…ウエイト収容カム面、113…ピン孔、114…ピン抜き孔、116…固定用ピン、117…開口端部、120…ウエイト保持プレート、122…遠心ウエイト

Claims (10)

  1. 駆動軸(50)に固定される固定シーブ(61)、
    前記駆動軸(50)が挿通される可動シーブボス部(62a)を備えるとともに、前記駆動軸(50)の軸方向に移動可能に保持される可動シーブ(62)、
    前記固定シーブ(61)と可動シーブ(62)との間に巻き掛けられるVベルト(98)、
    アクチュエータ(88)と、前記可動シーブ(62)に取付けられた転がり軸受(83)とを備え、前記アクチュエータ(88)の駆動力を前記転がり軸受(83)を介して前記可動シーブ(62)に伝達することで前記可動シーブ(62)を前記軸方向に移動させる第1シフト機構(81)、及び
    遠心ウエイト収容カム面(72)を有するカム部材(70)とウエイト保持プレート(75)とで遠心ウエイト(77)を保持すると共に、前記駆動軸(50)の回転に伴う遠心力により前記遠心ウエイト(77)を駆動して前記可動シーブ(62)を前記軸方向に移動させる第2シフト機構(82)、を備えたVベルト式無段変速機(25)において、
    前記転がり軸受(83)が前記軸方向において前記Vベルト(98)と前記第2シフト機構(82)との間に配置されるようにして前記可動シーブボス部(62a)に取付けられ、
    前記可動シーブボス部(62a)に取付けられる前記第2シフト機構(82)の前記ウエイト保持プレート(75)は、転がり軸受(83)の取付け位置に対して前記軸方向に離れた位置に配置される固定用部材(56、57)を構成するナット(57)が前記可動シーブボス部(62a)の端部に締結されることによって、前記可動シーブボス部(62a)に軸方向移動不能かつ回転不能に取付けられ、前記ウエイト保持プレート(75)より前記転がり軸受(83)から離れた位置にある前記カム部材(70)には、前記可動シーブボス部(62a)に締結される前記ナット(57)が前記軸方向で前記遠心ウエイト(77)と重なるような配置を可能とする固定用部材収容凹部(71)が形成される
    ことを特徴とするVベルト式無段変速機。
  2. 前記固定用部材(56、57、或いは116)は、前記軸方向において前記第2シフト機構(82、100)の前記軸方向幅内に配置されることを特徴とする請求項1に記載のVベルト式無段変速機。
  3. 前記カム部材(70)と前記ウエイト保持プレート(75)のうち、前記ウエイト保持プレート(75)が前記可動シーブボス部(62a)に取付けられ、前記可動シーブボス部(62a)に形成される段部(63)と、当該可動シーブボス部(62a)に外側から嵌められて前記可動シーブボス部(62a)に固定される前記固定用部材(56、57)によって、前記ウエイト保持プレート(75)が挟持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のVベルト式無段変速機。
  4. 前記可動シーブボス部(62a)は、その可動シーブボス部(62a)の端部が前記軸方向で前記カム部材(70)と重なるように形成されることを特徴とする請求項3に記載のVベルト式無段変速機。
  5. 前記遠心ウエイト収容カム面(72)は、前記収容凹部(71)よりも径方向外方側であって、且つ前記収容凹部(71)と前記軸方向で重なるようにして、前記遠心ウエイト収容カム面(72)が形成されることを特徴とする請求項4に記載のVベルト式無段変速機。
  6. 前記ナット(57)が締結される前記可動シーブボス部(62a)の前記端部は、前記ウエイト保持プレート(75)が固定される前記可動シーブボス部(62a)の部位よりも小径に形成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のVベルト式無段変速機。
  7. 駆動軸(50)に固定される固定シーブ(61)、
    前記駆動軸(50)が挿通される可動シーブボス部(62a)を備えるとともに、前記駆動軸(50)の軸方向に移動可能に保持される可動シーブ(62)、
    前記固定シーブ(61)と可動シーブ(62)との間に巻き掛けられるVベルト(98)、
    アクチュエータ(88)と、前記可動シーブ(62)に取付けられた転がり軸受(83)とを備え、前記アクチュエータ(88)の駆動力を前記転がり軸受(83)を介して前記可動シーブ(62)に伝達することで前記可動シーブ(62)を前記軸方向に移動させる第1シフト機構(81)、及び
    遠心ウエイト収容カム面(111)を有するカム部材(110)とウエイト保持プレート(120)とで遠心ウエイト(122)を保持すると共に、前記駆動軸(50)の回転に伴う遠心力により前記遠心ウエイト(122)を駆動して前記可動シーブ(62)を前記軸方向に移動させる第2シフト機構(100)、を備えたVベルト式無段変速機(25)において、
    前記転がり軸受(83)が前記軸方向において前記Vベルト(98)と前記第2シフト機構100)との間に配置されるようにして前記可動シーブボス部(62a)に取付けられ、
    前記可動シーブボス部(62a)に取付けられる前記第2シフト機構(100)の前記カム部材(110)は、転がり軸受(83)の取付け位置に対して前記軸方向に離れた位置に配置される固定用部材(116)により取付けられ、
    前記固定用部材(116)は、前記軸方向において前記第2シフト機構(100)の前記軸方向幅内に配置され、
    前記カム部材(110)が前記可動シーブボス部(62a)に取付けられ、前記可動シーブボス部(62a)と前記カム部材(110)には、前記軸方向と直交する方向にピン孔(113)が形成され、当該ピン孔(113)に前記固定用部材としての固定用ピン(116)が嵌装されることによって、前記カム部材(110)が前記可動シーブボス部(62a)に取付けられる
    ことを特徴とするVベルト式無段変速機
  8. 前記固定用ピン(116)は前記可動シーブボス部(62a)の径方向内側に形成された開口端部(117)から前記ピン孔(113)に嵌装されるとともに、前記開口端部(117)は、前記駆動軸(50)が挿通されているスリーブ(53)によって閉塞されることを特徴とする請求項に記載のVベルト式無段変速機。
  9. 前記カム部材(110)には、前記カム部材(110)における径方向外方側に位置する前記ピン孔(113)の奥端部と一端が連通すると共に、前記軸方向に延出して他端が前記カム部材の外部に開放されるピン抜き孔(114)が形成されることを特徴とする請求項に記載のVベルト式無段変速機。
  10. 前記カム部材(110)には、軸方向視で、前記遠心ウエイト収容カム面(111)が前記駆動軸(50)の軸線に対して放射状に複数配置されるとともに、前記ピン孔(113)が、前記複数の遠心ウエイト収容カム面(111)間に形成されることを特徴とする請求項又は請求項に記載のVベルト式無段変速機。
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