JP5863645B2 - 直接型燃料電池のカソード用炭素触媒並びにこれを用いた直接型燃料電池用カソード及び直接型燃料電池 - Google Patents

直接型燃料電池のカソード用炭素触媒並びにこれを用いた直接型燃料電池用カソード及び直接型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、直接型燃料電池のカソード用炭素触媒並びにこれを用いた直接型燃料電池用カソード及び直接型燃料電池に関し、特に、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても酸素還元反応を選択的に促進する炭素触媒に関する。
燃料電池の一つに直接型燃料電池(DFC)がある。例えば、燃料化合物としてメタノールを用いる直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、そのエネルギー密度が高く、次世代の小型電源として期待されている。DMFCにおける化学反応は、次のとおりである;アノード反応:CHOH+HO→6H+6e+CO、カソード反応:1.5O+6H+6e→3HO、全反応:CHOH+1.5O→2HO+CO
しかしながら、アノード反応においてアノードに供給されたメタノールの全ては反応できず、未反応のメタノールがプロトン伝導性電解質膜を透過しカソードに移動するメタノールクロスオーバー(MCO)という現象が問題となっている。
一般的に、DMFCのカソード触媒には白金触媒が使われるが、当該白金触媒は、酸素還元反応だけではなく、メタノールの酸化反応も促進する。このため、クロスオーバーしたメタノールによって、カソ−ドにおいてもメタノール酸化反応が起きてしまい、DMFCの発電性能が著しく低下してしまう。
そこで、従来、カソード用触媒として、白金に加えて、酸素還元反応のみを促進するパラジウム(Pd)やルテニウム(Ru)といった他の貴金属を併用することが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2008−135380号公報 特開2004−253385号公報
しかしながら、貴金属触媒を使用する上記従来技術においては、例えば、電解反応に伴う電極表面における酸化被膜の生成や金属溶出によって、得られる電流値が徐々に低下するといった問題があった。また、貴金属を使用することによるコストの増大や、貴金属の埋蔵量による制限等の問題もあった。
また、貴金属を使用せず合金触媒を使用する例もあったが、金属溶出の問題を十分に回避し、且つ十分な酸素還元活性を得ることは難しかった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、メタノール等の燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても酸素還元反応を選択的に促進する、直接型燃料電池のカソード用炭素触媒並びにこれを用いた直接型燃料電池用カソード及び直接型燃料電池を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る直接型燃料電池のカソード用炭素触媒は、直接型燃料電池のカソードに用いられる炭素触媒であって、前記直接型燃料電池の燃料化合物を含有する電解液中において、酸素還元触媒活性を示し、且つ前記燃料化合物を酸化する触媒活性を実質的に示さないことを特徴とする。本発明によれば、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても酸素還元反応を選択的に促進する、直接型燃料電池のカソード用炭素触媒を提供することができる。
また、前記炭素触媒は、前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いたリニアスイープボルタンメトリーにおいて、前記燃料化合物を0.25mol/Lの濃度で含有する酸素飽和させた電解液を用い、25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流が、−0.6mA/cm以下であることとしてもよい。
また、前記炭素触媒は、前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いて25℃で行うサイクリックボルタンメトリーにおいて、前記燃料化合物を含有する窒素飽和させた電解液を用いた場合に、電位が0.6V(vs.NHE)から1.0V(vs.NHE)の範囲で、前記炭素触媒の酸素還元触媒活性に影響を与える前記燃料化合物の酸化触媒活性を示さないこととしてもよい。
また、前記炭素触媒は、前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いたリニアスイープボルタンメトリーにおいて、前記燃料化合物を含有する酸素飽和させた電解液を用い、25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流が、前記電解液に含有される前記燃料化合物の濃度に実質的に依存しないこととしてもよい。
また、前記燃料化合物は、アルコールであることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る直接型燃料電池のカソード用炭素触媒は、直接型燃料電池のカソードに用いられる酸素還元触媒活性を有する炭素触媒であって、前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いたリニアスイープボルタンメトリーにおいて、前記直接型燃料電池の燃料化合物を0.25mol/Lの濃度で含有する酸素飽和させた電解液を用い、25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流が、−0.6mA/cm以下であることを特徴とする。本発明によれば、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても酸素還元反応を選択的に促進する、直接型燃料電池のカソード用炭素触媒を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る直接型燃料電池のカソード用炭素触媒は、直接型燃料電池のカソードに用いられる酸素還元触媒活性を有する炭素触媒であって、前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いて25℃で行うサイクリックボルタンメトリーにおいて、前記直接型燃料電池の燃料化合物を含有する窒素飽和させた電解液を用いた場合に、電位が0.6V(vs.NHE)から1.0V(vs.NHE)の範囲で、前記炭素触媒の酸素還元触媒活性に影響を与える前記燃料化合物の酸化触媒活性を示さないことを特徴とする。本発明によれば、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても酸素還元反応を選択的に促進する、直接型燃料電池のカソード用炭素触媒を提供することができる。
また、前記炭素触媒は、窒素含有有機物と金属とを含む原料を炭素化して得られた炭素触媒であることとしてもよい。この場合、前記原料は、導電性炭素材料をさらに含むこととしてもよい。また、前記炭素触媒は、前記原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施し、さらに熱処理を施して得られた炭素触媒であることとしてもよい。また、前記炭素触媒は、前記原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属含浸処理を施し、さらに熱処理を施して得られた炭素触媒であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る直接型燃料電池用カソードは、前記炭素触媒を含むことを特徴とする。本発明によれば、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても酸素還元反応を選択的に促進する、直接型燃料電池用カソードを提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る直接型燃料電池は、前記いずれかの炭素触媒を含むカソードを備えたことを特徴とする。本発明によれば、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においてもカソードにて酸素還元反応が選択的に行われる直接型燃料電池を提供することができる。
本発明によれば、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても酸素還元反応を選択的に促進する、直接型燃料電池のカソード用炭素触媒並びにこれを用いた直接型燃料電池用カソード及び直接型燃料電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る炭素触媒を使用し燃料化合物としてメタノールを使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 白金触媒を使用し燃料化合物としてメタノールを使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてメタノールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 図2Aの一部を拡大して示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてメタノールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて還元電流を測定した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒を使用し燃料化合物としてエタノールを使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 白金触媒を使用し燃料化合物としてエタノールを使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてエタノールを使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてエタノールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 図5Aの一部を拡大して示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてエタノールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてエタノールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて還元電流を測定した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒を使用し燃料化合物としてメタノールを使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてメタノールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてエチレングリコールを使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてエチレングリコールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてイソプロピルアルコールを使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてイソプロピルアルコールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒及び白金触媒を使用し燃料化合物としてメタノール、エチレングリコール及びイソプロピルアルコールを使用したリニアスイープボルタンメトリーにおいて還元電流を測定した結果の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に限られない。
本実施形態に係る直接型燃料電池のカソード用炭素触媒(以下、「本触媒」という。)は、酸素還元触媒活性を有する炭素触媒である。すなわち、本触媒は、それ自身が、直接型燃料電池のカソードにおける酸素の還元反応を促進する触媒活性を有する炭素材料である。すなわち、本触媒は、例えば、金属触媒(例えば、白金等の貴金属触媒)を担持することなく、酸素還元触媒活性を示す炭素触媒である。
なお、直接型燃料電池の燃料化合物は、当該直接型燃料電池において燃料として用いられる化合物であれば特に限られず、任意の有機化合物及び/又は無機化合物を用いることができる。この燃料化合物は、例えば、燃料電池のアノード側で酸化されて、プロトンと電子とを発生する化合物である。
また、燃料化合物は、例えば、水酸基を有する化合物であることとしてもよく、水酸基を有する水溶性の化合物であることが好ましい。すなわち、燃料化合物は、例えば、アルコールであることとしてもよく、炭素数が1〜6のアルコールであることが好ましい。
さらに、燃料化合物は、例えば、一級アルコール及び/又は二級アルコールであることとしてもよく、炭素数が1〜6の一級アルコール及び/又は二級アルコールであることが好ましい。また、燃料化合物は、例えば、一価アルコール及び/又は多価アルコールであることとしてもよく、炭素数が1〜6の一価アルコール及び/又は多価アルコールであることが好ましい。より具体的に、燃料化合物は、例えば、一級又は二級の一価又は多価アルコールであることとしてもよく、炭素数が1〜6の一級又は二級の一価又は多価アルコールであることとしてもよい。
具体的に、燃料化合物は、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセロール、グルコース及びスクロースからなる群より選択される1種又は2種以上であることとしてもよい。
そして、本触媒は、直接型燃料電池のカソードに用いられる炭素触媒であって、当該直接型燃料電池の燃料化合物を含有する電解液中において、酸素還元触媒活性を示し、且つ当該燃料化合物を酸化する触媒活性を実質的に示さない。
すなわち、本触媒は、例えば、酸素還元触媒活性を有する炭素触媒であって、当該炭素触媒を三極式の作用電極に用いたリニアスイープボルタンメトリーにおいて、燃料化合物を0.25mol/Lの濃度で含有する酸素飽和させた電解液を用い、25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流が、−0.6mA/cm以下である炭素触媒である。この場合、上記還元電流は、−0.7mA/cm以下とすることもできる。
リニアスイープボルタンメトリーは、例えば、本触媒を担持した作用電極と、参照電極及び対電極と、を用いた回転リングディスク電極法により行うことができる。電解液としては、例えば、0.5M硫酸水溶液を用いることができる。
なお、本触媒は、上記リニアスイープボルタンメトリーにおいて、燃料化合物を含有しない酸素飽和させた電解液を用いた場合でも、燃料化合物を含有する電解液を用いた場合と同等又はそれより高い酸素還元触媒活性を示す。
また、本触媒は、燃料化合物を含有する電解液において、より高い酸素還元触媒活性を示す炭素触媒とすることができる。すなわち、上記リニアスイープボルタンメトリーにおける上記還元電流は、例えば、−0.8mA/cm以下とすることができ、−0.9mA/cm以下とすることもできる。さらに、上記還元電流は、例えば、−1.0mA/cm以下とすることができ、−1.1mA/cm以下とすることもできる。
なお、上記還元電流の下限値は特に限られないが、例えば、上記還元電流は、−4.0mA/cm以上とすることができる。
また、本触媒は、例えば、酸素還元触媒活性を有する炭素触媒であって、当該炭素触媒を三極式の作用電極に用いて25℃で行うサイクリックボルタンメトリーにおいて、燃料化合物を含有する窒素飽和させた電解液を用いた場合に、電位が0.6V(vs.NHE)から1.0V(vs.NHE)の範囲で、当該炭素触媒の酸素還元触媒活性に影響を与える当該燃料化合物の酸化触媒活性を示さない炭素触媒である。
すなわち、本触媒は、上記サイクリックボルタンメトリーにおいて、燃料化合物を含有しない窒素飽和させた電解液を用いた場合、及び当該燃料化合物を含有する窒素飽和させた電解液を用いた場合のいずれにおいても、電位が0.6V(vs.NHE)から1.0V(vs.NHE)の範囲で、当該燃料化合物の酸化反応を促進する触媒活性は示さない。
具体的に、例えば、上記サイクリックボルタンメトリーにおいて、燃料化合物を含有する窒素飽和させた電解液を用いた場合であっても、電位を正方向に掃引して得られる電流−電位曲線と、電位を負方向に掃引して得られる電流−電位曲線と、が実質的に対称となる。
なお、サイクリックボルタンメトリーは、例えば、本触媒を担持した作用電極と、参照電極及び対電極と、を用いた回転リングディスク電極法により行うことができる。また、サイクリックボルタンメトリーにおいては、例えば、掃引速度50mV/秒で電位を掃引することができる。
サイクリックボルタンメトリーに用いられる電解液に含有される燃料化合物の濃度は、特に限られず、例えば、0.01mol/L〜5.00mol/Lの範囲とすることができる。また、燃料化合物の濃度は、例えば、0.01mol/L〜0.50mol/Lの範囲とすることもでき、より具体的には、例えば、0.01mol/L、0.05mol/L、0.10mol/L、0.25mol/L又は0.50mol/Lとすることができる。電解液としては、例えば、0.5M硫酸水溶液を用いることができる。
本触媒は、上述のとおり、燃料化合物を含有する電解液中において、当該燃料化合物の酸化触媒活性を実質的に示さない炭素触媒である。例えば、本触媒は、上記リニアスイープボルタンメトリーにおいて、燃料化合物を含有しない酸素飽和させた電解液を用いた場合と、当該燃料化合物を含有する酸素飽和させた電解液を用いた場合と、で電位0.7V(vs.NHE)における還元電流(mA/cm)の差が0.15mA/cm以下である炭素触媒とすることができる。すなわち、燃料化合物を含有しない酸素飽和させた電解液を用いた場合の還元電流をA(mA/cm)とした場合、当該燃料化合物を含有する酸素飽和させた電解液を用いた場合の還元電流は、A±0.15(mA/cm)である。
リニアスイープボルタンメトリーに用いられる電解液に含有される燃料化合物の濃度は、特に限られず、例えば、0.01mol/L〜5.00mol/Lの範囲とすることができ、0.05mol/L〜5.00mol/Lの範囲とすることもでき、0.10mol/L〜5.00mol/Lの範囲とすることもできる。また、燃料化合物の濃度は、例えば、0.01mol/L〜0.50mol/Lの範囲とすることができ、より具体的には、例えば、0.01mol/L、0.05mol/L、0.10mol/L、0.25mol/L又は0.50mol/Lとすることができる。電解液としては、例えば、0.5M硫酸水溶液を用いることができる。
また、本触媒は、例えば、上記リニアスイープボルタンメトリーにおいて、25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流が、電解液に含有される燃料化合物の濃度に実質的に依存しない炭素触媒とすることができる。
すなわち、この場合、例えば、電解液に含有される燃料化合物の濃度が0.01mol/Lの場合と、0.05mol/L、0.10mol/L、0.25mol/L又は0.50mol/Lの場合と、で電位0.7V(vs.NHE)での還元電流の差が0.15mA/cm以下となる。
また、例えば、燃料化合物の濃度が0.05mol/L〜0.50mol/Lの範囲である場合、本触媒は、上記リニアスイープボルタンメトリーにおいて、当該燃料化合物を0.05mol/L含有する酸素飽和させた電解液を用いた場合と、当該燃料化合物を0.10mol/L〜0.50mol/L含有する酸素飽和させた電解液を用いた場合と、で電位0.7V(vs.NHE)における還元電流(mA/cm)の差が0.01mA/cm以下である炭素触媒とすることができる。また、同様に、燃料化合物の濃度が0.10mol/Lである場合と、0.25mol/L〜0.50mol/Lである場合と、の還元電流の差が0.01mA/cm以下とすることもできる。
本触媒は、例えば、窒素含有有機物と金属とを含む原料を炭素化して得られた炭素触媒とすることができる。原料に含まれる窒素含有有機物(以下、単に「有機物」という。)は、当該有機物に対して0.1重量%以上の窒素を含有し、炭素化できるもの(炭素源として使用できるもの)であれば特に限られず、任意の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。この有機物は、活性触媒の炭素材料前駆体として原料に含まれる。
有機物としては、例えば、その分子内に窒素原子を含む、高分子量の有機化合物(例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の樹脂)及び低分子量の有機化合物の一方又は両方を使用することができる。また、例えば、植物廃材等のバイオマスを使用することもできる。
有機物としては、例えば、金属に配位可能な配位子を好ましく使用することができる。すなわち、この場合、その分子内に1又は複数個の配位原子を含む有機化合物を使用する。より具体的に、例えば、配位原子として、その分子内に窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択される1種又は2種以上を含む有機化合物を使用することができる。また、例えば、配位基として、その分子内にアミノ基、フォスフィノ基、カルボキシル基、チオール基からなる群より選択される1種又は2種以上を含む有機化合物を使用することもできる。
具体的に、有機化合物としては、例えば、ピロール、ポリピロール、ポリビニルピロール、3−メチルポリピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ビニルピリジン、ポリビニルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、ピラン、モルホリン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾ−ル、キノキサリン、アニリン、ポリアニリン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ポリスルフォン、ポリアミノビスマレイミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ベンゾイミダゾ−ル、ポリベンゾイミダゾ−ル、ポリアミド、ポリエステル、ポリ乳酸、アクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリエ−テル、ポリエ−テルエ−テルケトン、セルロ−ス、リグニン、キチン、キトサン、絹、毛、ポリアミノ酸、核酸、DNA、RNA、ヒドラジン、ヒドラジド、尿素、サレン、ポリカルバゾール、ポリビスマレイミド、トリアジン、アイオノマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリウレタン、ポリアミドアミン、ポリカルボジイミド、ポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体、フェノール樹脂、メラミン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。
廃材等のバイオマスとしては、例えば、酒粕、麹、コーヒー出し殻、お茶出し殻、ビール絞り粕、米ぬか等の食品産業廃棄物、林地残材、建築廃材等の木質系廃材、下水汚泥等の生活系廃材からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。
有機物は、本触媒の活性を向上させる成分をさらに含むこともできる。すなわち、有機物は、例えば、本触媒の活性を向上させる成分として、ホウ素、リン、酸素、硫黄からなる群より選択される1種又は2種以上をさらに含有することができる。また、有機物は、金属塩や金属錯体を含むこともできる。
原料に含まれる金属は、本触媒の触媒活性を阻害しないものであれば特に限られず、目的に応じて適宜選択することができ、任意の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
すなわち、金属としては、例えば、周期律表の3族元素、4族元素、5族元素、6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素、12族元素、13族元素及び16族元素からなる群より選択される1種又は2種以上の金属を使用することができ、遷移金属を好ましく使用することができる。
具体的に、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ランタノイド系列の元素(セリウム(Ce)等)、及びアクチノイド系列の元素からなる群より選択される1種又は2種以上の金属を使用することができ、鉄、コバルト、ニッケルを特に好ましく使用することができる。本触媒の製造に使用される金属の種類の数は、特に限られないが、例えば、30種以下とすることができ、1種〜10種を好ましく使用することができる。
金属としては、当該金属の単体又は当該金属の化合物を使用することができる。金属化合物としては、例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭素化物、金属錯体を使用することができ、金属塩、金属酸化物、金属硫化物、金属錯体を好ましく使用することができる。なお、上述の有機化合物として配位子を使用する場合には、原料中において金属錯体が形成されることとなる。また、上述の有機物が金属塩や金属錯体を含む場合において、原料は、当該有機物に加えて、さらに金属を含むこともできる。
原料は、導電性炭素材料をさらに含むこともできる。この導電性炭素材料は、本触媒に導電性を付与し又は当該本触媒の導電性を向上させるものであれば特に限られず、任意の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。導電性炭素材料としては、例えば、導電性を有し、それ自身では触媒活性を有しない炭素材料を使用することができる。
具体的に、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、カーボンフィブリル、黒鉛粉末からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができ、導電性の高いものを好ましく使用することができる。
原料に導電性炭素材料が含まれる場合には、例えば、有機物の炭素化により生成される炭素化材料を当該導電性炭素材料に十分に分散して担持することにより、本触媒の活性点を増加させ、高い触媒活性を実現することができる。
また、導電性炭素材料は、例えば、金属が予め担持されたものを使用することもできる。すなわち、この場合、例えば、本触媒の活性や耐酸化性能を向上させる遷移金属を担持した導電性炭素材料を使用することができる。遷移金属としては、例えば、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、タンタル、タングステンからなる群より選択される1種又は2種以上を好ましく使用することができる。
本触媒の製造においては、まず、炭素化に先立って、上述の有機物及び金属を含み、必要に応じて導電性炭素材料をさらに含む、原料を混合する。原料を混合する方法は特に限られず、例えば、乳鉢や攪拌装置を使用することができる。また、有機物、金属(及び必要に応じて導電性炭素材料)を粉末状で混合する粉体混合や、溶媒を添加して混合する溶媒混合を使用することができ、これら2種以上の混合方法を使用することもできる。
そして、上述のように調製した原料を炭素化する。すなわち、原料を加熱して、当該原料を炭素化できる所定温度(炭素化温度)で保持する。炭素化温度は、原料を炭素化できる温度であれば特に限られず、例えば、300℃以上とすることができる。より具体的に、炭素化温度は、例えば、300℃以上、1500℃以下とすることができ、好ましくは400℃以上、1200℃以下とすることができる。
原料を炭素化温度まで加熱する際の昇温速度は、特に限られず、例えば、0.5℃/分以上、300℃/分以下とすることができる。原料を炭素化温度で保持する時間(炭素化時間)は、原料を炭素化できる時間であれば特に限られず、例えば、5分以上とすることができる。より具体的に、炭素化時間は、例えば、5分以上、180分以下とすることができ、好ましくは20分以上、120分以下とすることができる。また、炭素化は、窒素等の不活性ガス下(例えば、不活性ガスの流通下)又は真空中で行うことが好ましい。こうして、原料の炭素化により生成された炭素化材料を得ることができる。そして、例えば、この炭素化材料を本触媒として使用することができる。
また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に窒素原子を導入(ドープ)したものとすることもできる。窒素原子を導入する方法としては、例えば、気相ドープ法、液相ドープ法又は気相-液相ドープ法を使用することができる。具体的に、例えば、アンモニア、メラミン、アセトニトリル等の窒素源を炭素化材料と混合し、得られた混合物を窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で550℃以上、1200℃以下の温度で、5分以上、180分以下の時間保持する熱処理により、当該炭素化材料の表面に窒素原子を導入することができる。また、得られた炭素化材料に、アンモオキシデーション、二酸化炭素賦活、リン酸賦活、アルカリ賦活、水蒸気賦活を施すこともできる。
また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料を、粉砕したものとすることもできる。炭素化材料を粉砕する方法は、特に限られず、例えば、ボールミルやビーズミル等の粉砕装置を使用することができる。粉砕後の炭素化材料の平均粒径は、例えば、150μm以下とすることが好ましい。
また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施したものとすることができる。すなわち、例えば、炭素化後に金属が不要となる場合には、必要に応じて炭素化材料に金属除去処理を施す。金属除去処理は、炭素化材料に含まれる金属を除去し、又は当該金属の量を低減できる処理であれば特に限られず、例えば、酸による洗浄処理や電解処理を実施することができる。
酸洗浄に使用する酸は、金属除去処理の効果が得られるものであれば特に限られず、任意の1種又は2種以上を使用することができる。すなわち、例えば、塩酸(例えば、濃塩酸)、硝酸(例えば、濃硝酸)及び硫酸(例えば、濃硫酸)からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。2種以上の酸を使用する場合には、例えば、濃塩酸と濃硝酸とを所定の体積比で混合して調製された混酸(例えば、王水)や、濃硝酸と濃硫酸とを所定の体積比で混合して調製された混酸を使用することができる。
酸洗浄の方法は、金属除去処理の効果が得られるものであれば特に限られず、例えば、酸を含有する溶液中に炭素化材料を浸漬して保持する方法を使用することができる。この場合、煮沸した酸溶液中で炭素化材料を保持することもできる。
また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施し、さらに熱処理を施して得られた炭素触媒とすることができる。すなわち、この場合、本触媒の製造においては、上述のような金属除去処理(例えば、酸洗浄)が施された炭素化材料に熱処理を施す。熱処理は、例えば、上述の炭素化と同様に行うことができる。具体的に、金属除去処理後の炭素化材料を、300℃以上、1500℃以下の温度で加熱する。これらの処理によって、炭素化材料に僅かに残存する不活性な金属成分等を除去することができ、活性点が露出した炭素触媒を得ることができる。
また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属含浸処理を施し、さらに熱処理を施して得られた炭素触媒とすることができる。この場合、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施すことなく、金属含浸処理を施し、さらに熱処理を施して得られた炭素触媒とすることもできる。また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施した後、金属含浸処理を施し、さらに熱処理を施して得られた炭素触媒とすることもできる。
すなわち、これらの場合、本触媒の製造においては、まず、炭素化材料に金属を含浸させる。炭素化材料に含浸させる金属は、本触媒の活性を阻害しないものであれば特に限られず、任意の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。具体的に、例えば、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ランタン、セリウムからなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。また、金属含浸処理で炭素化材料に含浸させる金属は、炭素化の原料に含まれる金属とは異なる種類の金属とすることもできる。また、金属は、当該金属の単体又は当該金属の化合物として使用することができる。金属化合物としては、例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭素化物、金属錯体を使用することができ、金属塩、金属酸化物、金属硫化物、金属錯体を好ましく使用することができる。
金属を含浸させる方法は、当該炭素化材料の少なくとも表面に当該金属を含浸させることのできるものであれば特に限られず、例えば、当該炭素化材料を、当該金属を含有する溶液に接触させる方法を使用することができる。すなわち、例えば、金属含有溶液中に炭素化材料を浸漬して保持することにより、当該炭素化材料に金属を含浸させることができる。この場合、煮沸した金属含有溶液中で炭素化材料を保持することもできる。また、金属含有溶液としては、酸性の溶液を使用することもできる。この場合、金属含有溶液のpHは、例えば、1以上、6以下とすることができる。
金属含浸処理に続く熱処理は、例えば、上述の炭素化と同様に行うことができる。具体的に、金属含浸処理後の炭素化材料を、300℃以上、1500℃以下の温度で加熱する。
また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属含浸処理を施し、次いで熱処理を施し、さらに金属除去処理を施して得られた炭素触媒とすることもできる。この場合、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施すことなく、金属含浸処理を施し、次いで熱処理を施し、さらに金属除去処理を施して得られた炭素触媒とすることもできる。また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施した後、金属含浸処理を施し、次いで熱処理を施し、さらに金属除去処理を施して得られた炭素触媒とすることもできる。これらの場合、本触媒は、例えば、金属含浸処理後の金属除去処理に続いて、再び熱処理を施して得られた炭素触媒とすることもできる。
また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られた炭素化材料に、表面処理を施したものとすることができる。この表面処理としては、例えば、酸処理を使用することができる。この酸処理は、例えば、上述の金属除去を目的とした酸洗浄と同様に実施することができる。また、表面処理として、上述の金属含浸処理を使用することもできる。
本実施形態に係る直接型燃料電池用カソードは、上述の炭素触媒(本触媒)を含むカソード(酸素電極)である。このカソードは、例えば、金属触媒(例えば、白金等の貴金属触媒)を含まないものとすることができる。また、カソードにおける酸素還元反応が著しく損なわれない範囲で、本触媒と金属触媒(例えば、白金等の貴金属触媒)とを併用することもできる。
本実施形態に係る直接型燃料電池は、上述の炭素触媒(本触媒)を含むカソードを備えている。すなわち、この直接型燃料電池は、例えば、上述の炭素触媒(本触媒)が担持されたカソードを含む膜/電極接合体(MEA)を備えたものとなる。また、例えば、直接型燃料電池の燃料化合物としてアルコールを用いる場合には、当該直接型燃料電池は、本触媒を含むカソードを備えた直接アルコール型燃料電池となる。より具体的に、例えば、燃料化合物としてメタノールを用いる場合には、直接型燃料電池は、直接メタノール型燃料電池となる。
本発明によれば、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても酸素還元反応を選択的に促進する、直接型燃料電池のカソード用炭素触媒並びにこれを用いた直接型燃料電池用カソード及び直接型燃料電池を実現することができる。
すなわち、本発明によれば、例えば、埋蔵量に限りのある白金等の高価な貴金属系触媒を用いることなく、比較的安価に製造される本触媒によって、直接型燃料電池のカソードにおいて、燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合であっても、酸素還元反応のみを選択的に促進することができる。
また、本触媒による酸素還元触媒活性は、上述のとおり、燃料化合物濃度による制約を受けないため、当該燃料化合物のクロスオーバーが発生した場合においても安定した出力を達成する直接型燃料電池を実現することができる。
また、本触媒は、燃料化合物濃度が比較的高い場合であっても酸素還元触媒活性を十分に維持することができるため、比較的高い濃度の燃料化合物を含む燃料(例えば、90重量%以上の濃度のメタノール等のアルコールを含む燃料)がアノードに供給される直接型燃料電池を実現することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[実施例1−1:炭素触媒1の製造]
まず、炭素化の対象となる原料を調製した。すなわち、1.5gのポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体(PAN/PMA=92.5mol%/7.5mol%)を30mLのジメチルホルムアミドに溶解させた後、1.5gの2−メチルイミダゾールと、1.5gの塩化コバルト(CoCl)六水和物と、を加え、室温で2時間攪拌することにより、これらの混合物を得た。
一方、ケッチェンブラック(ECP600JD、ライオン株式会社製)と炭素繊維(カルベ−ル、株式会社GSIクレオス製)とを重量混合比率6:4で混合し、得られた混合物に過酸化水素処理を施した後(当該混合物を、10%の過酸化水素水に25℃、120分浸漬して処理した後)、窒素雰囲気中500℃で再熱処理して表面の官能基を除去することにより繊維状撥水性カーボンを得た。
そして、上述の混合物に対して、この繊維状撥水性カーボンを、炭素化原料に含有される固形分の30重量%となるように加え、乳鉢を用いて混合した。得られた混合物を、60℃で12時間、真空乾燥した。
さらに、この混合物を大気中で加熱して、30分間で室温から150℃まで昇温し、続いて2時間かけて150℃から220℃まで昇温した。その後、混合物を220℃で3時間保持し、当該混合物の不融化を行った。こうして、炭素化材料の原料を調製した。
次に、原料の炭素化を行った。すなわち、上述のように不融化処理した原料を石英管に入れ、イメージ炉にて、20分間窒素パージし、加熱により18分かけて室温から900℃まで昇温した。その後、この原料を900℃で1時間保持し、炭素化を行った。こうして、炭素化材料を得た。
さらに、この炭素化材料を粉砕した。すなわち、遊星ボールミル(P−7、フリッチュジャパン株式会社製)内に直径が10mmの窒化ケイ素ボールをセットし、当該遊星ボールミルによって炭素化材料を回転速度650rpmで5分間粉砕する処理を10サイクル行った。その後、粉砕した炭素化材料を取り出し、目開き106μmの篩いを通過した炭素化材料を、粉砕された微粒子状の炭素化材料として得た。
次に、酸洗浄による金属除去処理を行った。すなわち、上述の炭素化材料1gに100mLの濃塩酸を加え、1時間攪拌した。炭素化材料を沈殿させ、溶液を除去した後、濃塩酸と蒸留水とを1:1(体積比)で混合した溶液を100mL加え、1時間攪拌した。炭素化材料を沈殿させ、溶液を除去した後、蒸留水を100mL加え、1時間攪拌した。この炭素化材料を含有する溶液を、ろ過膜(孔径1.0μm、Millipore製)を使用してろ過し、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄した。回収された炭素化材料を60℃で12時間、真空乾燥させた。さらに、乾燥した炭素化材料を乳鉢で粉砕し、粉砕された微粒子状の炭素触媒1を得た。
[実施例1−2:炭素触媒2の製造]
上述の実施例1−1で得られた炭素触媒1に、熱処理を施した。すなわち、上述の炭素触媒1を石英管に入れ、イメージ炉にて20分間窒素パージし、加熱により14分かけて室温から700℃まで昇温した。その後、炭素触媒1を700℃で1時間保持した。そして、上述の実施例1と同様にして粉砕処理を行い、粉砕された微粒子状の炭素触媒2を得た。
[実施例1−3:炭素触媒3の製造]
酸洗浄による金属除去処理以降の工程を行わない以外は、上述の実施例1と同様にして、粉砕された微粒子状の炭素化材料を得た。そして、この炭素化材料に金属含浸処理を施した。すなわち、300mLの蒸留水に2gの塩化鉄(III)六水和物(FeCl・6HO)を加えて調製した溶液を沸騰させ、当該鉄含有溶液に炭素化材料を2g加えた。そして、沸騰中の鉄含有溶液中で攪拌しながら3時間、炭素化材料に鉄を含浸させた。その後、ろ過膜(孔径1.0μm、Millipore製)を使用して、炭素化材料を含む溶液をろ過し、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄した。回収された炭素化材料を60℃で12時間、真空乾燥させた。さらに、乾燥した炭素化材料を乳鉢で粉砕した。
次に、この炭素化材料に、上述の実施例1−2と同様にして熱処理及び粉砕処理を施した。さらに、炭素化材料に対して、上述の実施例1と同様にして酸洗浄による金属除去処理を行った。最後に、炭素化材料に対して、上述の実施例1−2と同様にして熱処理及び粉砕処理を行い、粉砕された微粒子状の炭素触媒3を得た。
[比較例1:白金担持触媒の準備]
白金を担持した酸素還元触媒として、白金担持カーボン(UNPC40−II(Pt 38.0wt%/C)、石福金属興業株式会社製)を準備した。
[電気化学測定]
次に、電気化学測定により、酸素還元反応及びメタノール酸化反応における触媒活性を評価した。まず、触媒スラリーを調製した。すなわち、上述の炭素触媒1〜3及び白金担持カーボンのいずれか5mgと、スパチュラで2杯(約15粒)のガラスビーズ(直径1mm)と、5重量%Nafion(登録商標)溶液(Aldrich社製)50μLと、エタノール150μLと、蒸留水150μLと、を混合し、10分間、超音波処理することにより、触媒が均一に分散された触媒スラリーを調製した。
次に、この触媒スラリー4μLをピペットで吸い取り、回転リングディスク電極装置(RRDE−1 SC−5、有限会社 日厚計測製)のディスク電極(直径6mm)に塗布し、飽和水蒸気雰囲気下で乾燥させることにより、作用電極を作製した。また、銀−塩化銀電極(Ag/AgCl/飽和KCl)を参照電極として用い、白金線を対電極として用いた。
電解液としては、0.5M硫酸水溶液にメタノールを混合することにより、メタノールを0.01mol/L、0.05mol/L、0.10mol/L、0.25mol/L又は0.50mol/Lの濃度で含有する0.5M硫酸水溶液を調製した。また、比較のために、メタノールを含有しない0.5M硫酸水溶液も準備した。
そして、炭素触媒1〜3及び白金担持カーボンのいずれかを三極式の作用電極に用いたサイクリックボルタンメトリー及びリニアスイープボルタンメトリーを実施した。
サイクリックボルタンメトリーにおいては、電圧値は、銀−塩化銀電極(Ag/AgCl/飽和KCl)を用いて測定した値を標準水素電極(NHE)基準値に換算することにより算出した。まず、25℃で窒素を20分間バブリングすることにより電解液を窒素飽和させた後に、測定を開始した。すなわち、この窒素飽和させた電解液を用い、電極を回転させることなく、25℃にて、掃引速度50mV/秒で、0.8V(vs.Ag/AgCl)から−0.2V(vs.Ag/AgCl)まで電位を掃引するサイクルを実施し、作用電極に流れる電流値を測定した。すなわち、標準水素電極(NHE)基準値に換算すると、1.0V(vs.NHE)から0V(vs.NHE)まで電位を掃引した。
リニアスイープボルタンメトリーにおいては、電圧値は、銀−塩化銀電極(Ag/AgCl/飽和KCl)を用いて測定した値を標準水素電極(NHE)基準値に換算することにより算出した。まず、25℃で酸素を20分間バブリングすることにより電解液を酸素飽和させた後、自然電位を測定した。
次いで、初期電位0.8V(vs.Ag/AgCl)を600秒印加した後に、酸素飽和させた電解液を用い、電極を回転速度1500rpmで回転させ、25℃にて、掃引速度1mV/秒にて、0.8V(vs.Ag/AgCl)から−0.2V(vs.Ag/AgCl)まで電位を掃引し、作用電極に流れる電流値を測定した。すなわち、標準水素電極(NHE)基準値に換算すると、1.0V(vs.NHE)から0V(vs.NHE)まで電位を掃引した。そして、電位が0.7V(vs.NHE)の時点での還元電流を測定した。
図1A及び図1Bに、サイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す。図1A及び図1Bにおいて、横軸は印加された電位(V vs.NHE)を示し、縦軸は電流密度(mA/cm)を示す。図1Aは、メタノールを0.25mol/Lの濃度で含有する窒素飽和させた電解液を用い、炭素触媒1〜3(実施例1−1〜1−3)を作用電極に用いた場合の結果を示す。図1Bは、メタノールを0.01mol/L、0.05mol/L又は0.25mol/Lの濃度で含有する窒素飽和させた電解液を用い、白金担持カーボン(比較例1)を作用電極に用いた場合の結果を示す。
図1Bに示すように、白金担持カーボンを作用電極に用いた場合(比較例1)には、低い電位(0.35V以下)におけるメタノールの脱水素酸化反応を示すピークと、高電位(0.7V付近)における一酸化炭素(CO)の酸化反応を示すピークと、が明確に現れた。すなわち、メタノール酸化反応の電流が示された。また、メタノール濃度が増加するとCO酸化ピークが増大したことから、白金担持カーボンは、一定の濃度以上でメタノールが存在する電解液中ではカソード触媒として機能しないと考えられた。
これに対し、図1Aに示すように、炭素触媒1、炭素触媒2又は炭素触媒3を作用電極に用いた場合(実施例1−1〜1−3)には、電位が0.6V(vs.NHE)から1.0V(vs.NHE)の範囲で、酸素還元反応に影響を与えるメタノール酸化反応は確認されなかった。
また、これらの炭素触媒を用いた場合には、サイクリックボルタンメトリーの酸化還元サイクルで電流−電位曲線の形状が対称的であった。すなわち、これらの炭素触媒は、メタノールを含有する電解液中でメタノール酸化反応を触媒しないことが確認された。なお、図1Aにはメタノール濃度が0.25mol/Lの場合の結果を示しているが、他のメタノール濃度(メタノール濃度がゼロの場合も含む)についても同様の結果が得られた。
図2A及び図2Bに、リニアスイープボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す。図2A及び図2Bにおいて、横軸は印加された電位(V vs.NHE)を示し、縦軸は電流密度(mA/cm)を示す。図2Aは、メタノールを0.25mol/Lの濃度で含有する電解液を用い炭素触媒3(実施例1−3)を作用電極に用いた場合、及びメタノールを0.01mol/L、0.10mol/L又は0.50mol/Lの濃度で含有する電解液を用い白金担持カーボン(比較例1)を作用電極に用いた場合の結果を示す。図2Bには、図2Aに示す結果のうち、電流密度がゼロ(mA/cm)以下の部分を拡大して示す。
また、図3に、リニアスイープボルタンメトリーにおいて、電位0.7V(vs.NHE)で測定された還元電流を示す。図3に示す還元電流は、図2A及び図2Bに示すようなボルタモグラムにおいて、電位0.7V(vs.NHE)に対応する電流密度として読み取られた値である。なお、白金担持カーボン(比較例1)については、メタノールを含有しない電解液を用いた測定は行わなかった。
図2A、図2B及び図3に示されるように、白金担持カーボンを作用電極に用いた場合(比較例1)には、電解液中のメタノール濃度の変化に応じて、0.7V(vs.NHE)の電圧を印加したときの還元電流が大きく変化した。すなわち、白金担持カーボンは、酸素還元触媒活性のみならず、メタノール酸化触媒活性をも示し、メタノール濃度が増加するにつれて、メタノール酸化触媒活性をより優位に示してしまうことが確認された。したがって、白金担持カーボンは、電解液中のメタノール濃度が一定値以上の場合には、カソード触媒として機能しないと考えられた。
これに対し、炭素触媒1、炭素触媒2又は炭素触媒3を作用電極に用いた場合(実施例1−1〜1−3)には、電解液中のメタノール濃度にかかわらず、0.7V(vs.NHE)の電圧を印加したときの還元電流はほぼ一定であった。すなわち、炭素触媒1、炭素触媒2及び炭素触媒3は、メタノール酸化触媒活性を示さず、酸素還元触媒活性のみを選択的に示した。
具体的に、電解液がメタノールを含有しない場合及び電解液がメタノールを少なくとも0.50mol/Lまでの濃度で含有する場合の全ての場合において、炭素触媒1を用いた場合(実施例1−1)の還元電流は−0.73mA/cmで一定であり、炭素触媒2を用いた場合(実施例1−2)の還元電流は、より低い−0.92mA/cmで一定であり、炭素触媒3を用いた場合(実施例1−3)の還元電流は、さらに低い−1.12mA/cmで一定であった。
すなわち、炭素触媒1〜3を用いることにより、−0.6mA/cm以下、あるいは−0.7mA/cm以下の還元電流を達成することができた。また、炭素触媒2及び炭素触媒3を用いることにより、−0.8mA/cm以下、あるいは−0.9mA/cm以下の還元電流を達成することができた。さらに、炭素触媒3を用いることにより、−1.0mA/cm以下、あるいは−1.1mA/cm以下の還元電流を達成することができた。
また、電解液中のメタノール濃度が0.1mol/Lに達すると、炭素触媒3(実施例1−3)を用いることによって、白金担持カーボン(比較例1)を用いる場合より高い還元電流が得られた。さらに、電解液中のメタノール濃度が0.10mol/Lより大きい場合(少なくとも0.25mol/L以上の場合)には、炭素触媒1〜3(実施例1−1〜1−3)のいずれを用いても、白金担持カーボン(比較例1)を用いる場合より高い還元電流が得られた。
以上の結果から、これら炭素触媒を、直接メタノール型燃料電池のカソード用酸素還元触媒として用いることにより、メタノールクロスオーバーが生じた場合であっても、カソードにおいてメタノール酸化反応を促進することなく酸素還元反応のみを選択的且つ効果的に促進することができることが示された。また、これらの炭素触媒をカソードに用いることにより、高い濃度でのメタノールの使用を可能とする直接メタノール型燃料電池を実現することができると考えられた。
電気化学測定により、酸素還元反応及びエタノール酸化反応における触媒活性を評価した。すなわち、電解液として、エタノールを0.10mol/L、0.25mol/L、0.50mol/L又は4.2mol/Lの濃度で含有する0.5M硫酸水溶液を使用したこと以外は、上述の実施例1と同一の条件で、炭素触媒3及び白金担持カーボンのいずれかを三極式の作用電極に用いたサイクリックボルタンメトリー及びリニアスイープボルタンメトリーを実施した。
図4A、図4B及び図4Cに、サイクリックボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す。図4A、図4B及び図4Cにおいて、横軸は印加された電位(V vs.NHE)を示し、縦軸は電流密度(mA/cm)を示す。図4A及び図4Bは、エタノールを0.10mol/L、0.25mol/L又は0.50mol/Lの濃度で含有する電解液を用い、炭素触媒3(実施例2)及び白金担持カーボン(比較例2)をそれぞれ作用電極に用いた場合の結果を示す。図4Cは、エタノールを4.2mol/Lの濃度で含有する電解液を用い、炭素触媒3(実施例2)又は白金担持カーボン(比較例2)を作用電極に用いた場合の結果を示す。
図4B及び図4Cに示すように、白金担持カーボンを作用電極に用いた場合(比較例2)には、エタノール酸化反応の電流が示された。この結果から、白金担持カーボンは、一定の濃度以上でエタノールが存在する電解液中ではカソード触媒として機能しないと考えられた。
これに対し、図4A及び図4Cに示すように、炭素触媒3を作用電極に用いた場合(実施例2)には、電位が0.6V(vs.NHE)から1.0V(vs.NHE)の範囲で、酸素還元反応に影響を与えるエタノール酸化反応は確認されなかった。
特に、図4Cから、エタノールの濃度が4.2mol/Lと比較的高い場合であっても、炭素触媒3はカソード触媒として十分に機能することが確認された。一方、白金担持カーボンは、このような高いエタノール濃度においてはカソード触媒として機能しないことが確認された。
また、炭素触媒3を用いた場合には、エタノールを含有する電解液を用いたサイクリックボルタンメトリーの酸化還元サイクルで電流−電位曲線の形状が対称的であった。すなわち、炭素触媒3は、エタノールを含有する電解液中でエタノール酸化反応を触媒しないことが確認された。
図5A、図5B及び図5Cに、リニアスイープボルタンメトリーにおいて得られたボルタモグラムの一例を示す。図5A、図5B及び図5Cにおいて、横軸は印加された電位(V vs.NHE)を示し、縦軸は電流密度(mA/cm)を示す。
図5Aは、エタノールを0.25mol/Lの濃度で含有する電解液を用い炭素触媒3を作用電極に用いた場合(実施例2)、及びエタノールを0.10mol/L、0.25mol/L又は0.50mol/Lの濃度で含有する電解液を用い白金担持カーボンを作用電極に用いた場合(比較例2)の結果を示す。図5Bには、図5Aに示す結果のうち、電流密度がゼロ(mA/cm)以下の部分を拡大して示す。
また、図5Cには、エタノールを4.2mol/Lの濃度で含有する電解液を用い、炭素触媒3(実施例2)又は白金担持カーボン(比較例2)を作用電極に用いた場合の結果のうち、電流密度がゼロ(mA/cm)以下の部分を拡大して示す。
また、図6に、リニアスイープボルタンメトリーにおいて、電位0.7V(vs.NHE)で測定された還元電流を示す。図6に示す還元電流は、図5A、図5B及び図5Cに示すようなボルタモグラムにおいて、電位0.7V(vs.NHE)に対応する電流密度として読み取られた値である。
図5A、図5B、図5C及び図6に示されるように、白金担持カーボンを作用電極に用いた場合(比較例2)には、電解液中のエタノール濃度の変化に応じて、0.7V(vs.NHE)の電圧を印加したときの還元電流が大きく変化した。すなわち、白金担持カーボンは、酸素還元触媒活性のみならず、エタノール酸化触媒活性をも示し、エタノール濃度が増加するにつれて、エタノール酸化触媒活性をより優位に示してしまうことが確認された。したがって、白金担持カーボンは、電解液中のエタノール濃度が一定値以上の場合には、カソード触媒として機能しないと考えられた。
これに対し、炭素触媒3を作用電極に用いた場合(実施例2)には、電解液中のエタノール濃度にかかわらず、0.7V(vs.NHE)の電圧を印加したときの還元電流はほぼ一定であった。すなわち、炭素触媒3は、エタノール酸化触媒活性を示さず、酸素還元触媒活性のみを選択的に示した。
具体的に、電解液がエタノールを含有しない場合(上述の実施例1で示した図3におけるメタノール濃度が0mol/Lの場合)において、炭素触媒3を用いた場合(図3に示す実施例1−3)の還元電流は−1.12mA/cmであり、電解液がエタノールを少なくとも4.2mol/Lまでの濃度で含有する場合(図6)において、炭素触媒3を用いた場合(図6に示す実施例2)の還元電流は、さらに低い−1.73mA/cmであった。
また、電解液中のエタノール濃度が少なくとも0.10mol/L以上の場合には、炭素触媒3(実施例2)を用いることによって、白金担持カーボン(比較例2)を用いる場合より低い還元電流が得られた。
以上の結果から、燃料化合物としてエタノールを用いる直接アルコール型燃料電池のカソード用酸素還元触媒として、本触媒を用いることにより、クロスオーバーが生じた場合であっても、カソードにおいてエタノール酸化反応を促進することなく酸素還元反応のみを選択的且つ効果的に促進することができることが示された。また、本触媒をカソードに用いることにより、高濃度のエタノールを燃料化合物として用いる直接エタノール型燃料電池を実現できる。
燃料化合物として3種類のアルコールを使用して、酸素還元反応及びアルコール酸化反応における触媒活性を評価した。すなわち、電解液として、エタノールを比較的高い4.2mol/Lの濃度で含有する0.5M硫酸水溶液、二価の一級アルコールであるエチレングリコールを0.25mol/Lの濃度で含有する0.5M硫酸水溶液、及び一価の二級アルコールであるイソプロピルアルコールを0.25mol/Lの濃度で含有する0.5M硫酸水溶液をそれぞれ用い、上述の実施例1と同一の条件で、炭素触媒3及び白金担持カーボンのいずれかを三極式の作用電極に用いたサイクリックボルタンメトリー及びリニアスイープボルタンメトリーを実施した。
図7A、図8A及び図9Aに、メタノール、エチレングリコール及びイソプロピルアルコールをそれぞれ用いたサイクリックボルタンメトリーの結果の一例を示す。また、図7B、図8B及び図9Bに、メタノール、エチレングリコール及びイソプロピルアルコールをそれぞれ用いたリニアスイープボルタンメトリーの結果の一例を示す。図7〜図9において、横軸は印加された電位(V vs.NHE)を示し、縦軸は電流密度(mA/cm)を示す。
まず、図7A及び図7Bに示すように、炭素触媒3を用いた場合(実施例3)には、メタノールの酸化反応は生じておらず、酸素還元反応は、4.2mol/Lという比較的高い濃度で存在するメタノールによって影響を受けないことが確認された。すなわち、メタノールを比較的高い濃度で含有する電解液中においても、炭素触媒3はカソード触媒として十分に機能することが確認された。
一方、白金担持カーボンを用いた場合(比較例3)には、メタノールの酸化反応が生じた。すなわち、白金担持カーボンは、カソード触媒として機能しないことが確認された。
次に、図8A及び図8Bに示すように、炭素触媒3を用いた場合(実施例3)には、エチレングリコールの酸化反応は生じておらず、酸素還元反応は、0.25mol/Lの濃度で存在するエチレングリコールによって影響を受けないことが確認された。すなわち、エチレングリコールを含有する電解液中においても、炭素触媒3はカソード触媒として十分に機能することが確認された。
一方、白金担持カーボンを用いた場合(比較例3)には、エチレングリコールの酸化反応が生じた。すなわち、白金担持カーボンは、カソード触媒として機能しないことが確認された。
さらに、図9A及び図9Bに示すように、炭素触媒3を用いた場合(実施例3)には、イソプロピルアルコールの酸化反応は生じておらず、酸素還元反応は、0.25mol/Lの濃度で存在するイソプロピルアルコールによって影響を受けないことが確認された。すなわち、イソプロピルアルコールを含有する電解液中においても、炭素触媒3はカソード触媒として十分に機能することが確認された。
一方、白金担持カーボンを用いた場合(比較例3)には、イソプロピルアルコールの酸化反応が生じた。すなわち、白金担持カーボンは、カソード触媒として機能しないことが確認された。
また、図10に、リニアスイープボルタンメトリーにおいて、電位0.7V(vs.NHE)で測定された還元電流を示す。図10に示す還元電流は、図7B、図8B及び図9Bに示すようなボルタモグラムにおいて、電位0.7V(vs.NHE)に対応する電流密度として読み取られた値である。
この図10からも明らかなように、炭素触媒3は、燃料化合物として、メタノールやエタノールを用いる場合だけでなく、エチレングリコールやイソプロピルアルコール等の他のアルコールを用いた場合であっても、いわゆるクロスオーバー現象の影響を受けずに、カソード電極側で当該アルコールの酸化反応を促進することなく酸素還元反応のみを選択的且つ効果的に促進することが示された。さらに、図6においてエタノールを用いる場合について示されたのと同様に、高濃度のメタノールを用いた場合であっても、炭素触媒3は、クロスオーバー現象の影響を受けずに、カソード電極側でメタノール酸化反応を促進することなく酸素還元反応のみを選択的且つ効果的に促進することが示された。
このように、本触媒をカソードに用いることにより、エタノール、エチレングリコール又はイソプロピルアルコールなどのメタノール以外の燃料化合物を用いた直接アルコール型燃料電池を実現できる。また、本触媒をカソードに用いることにより、高濃度のメタノールを燃料化合物として用いる直接メタノール型燃料電池を実現できる。

Claims (6)

  1. 直接型燃料電池のカソードに用いられる炭素触媒の製造方法であって、
    窒素含有有機物と、鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択される1種又は2種以上の金属と、導電性炭素材料とを含む原料を炭素化して炭素化材料を得ること及び前記炭素化材料にチタン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ランタン及びセリウムからなる群より選択される1種又は2種以上の前記原料に含まれる前記金属とは異なる種類の金属を含浸させる金属含浸処理を施し、さらに不活性ガス下又は真空中で300℃以上、1500℃以下の温度で加熱する熱処理を施して平均粒径が150μm以下の炭素材料である前記炭素触媒を得ることを含み
    前記炭素触媒は、前記直接型燃料電池の燃料化合物であるアルコールを含有する電解液中において、酸素還元触媒活性を示し、且つ、前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いたリニアスイープボルタンメトリーにおいて、前記アルコールを含有しない酸素飽和させた電解液を用いた場合と、前記アルコールを0.01mоl/L〜0.05mоl/Lの濃度で含有する酸素飽和させた電解液を用いた場合と、で25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流の差が0.15mA/cm以下である
    ことを特徴とする直接型燃料電池のカソード用炭素触媒の製造方法
  2. 前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いたリニアスイープボルタンメトリーにおいて、前記アルコールを0.25mol/Lの濃度で含有する酸素飽和させた電解液を用い、25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流が、−0.6mA/cm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載された直接型燃料電池のカソード用炭素触媒の製造方法
  3. 前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いて25℃で行うサイクリックボルタンメトリーにおいて、前記アルコールを含有する窒素飽和させた電解液を用いた場合に、電位が0.6V(vs.NHE)から1.0V(vs.NHE)の範囲で、前記炭素触媒の酸素還元触媒活性に影響を与える前記アルコールの酸化触媒活性を示さない
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載された直接型燃料電池のカソード用炭素触媒の製造方法
  4. 前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いたリニアスイープボルタンメトリーにおいて、前記アルコールを含有する酸素飽和させた電解液を用い、25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流が、前記電解液に含有される前記アルコールの濃度に実質的に依存しない
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された直接型燃料電池のカソード用炭素触媒の製造方法
  5. 直接型燃料電池のカソードに用いられる酸素還元触媒活性を有する炭素触媒の製造方法であって、
    窒素含有有機物と、鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択される1種又は2種以上の金属と、導電性炭素材料とを含む原料を炭素化して炭素化材料を得ること及び前記炭素化材料にチタン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ランタン及びセリウムからなる群より選択される1種又は2種以上の前記原料に含まれる前記金属とは異なる種類の金属を含浸させる金属含浸処理を施し、さらに不活性ガス下又は真空中で300℃以上、1500℃以下の温度で加熱する熱処理を施して平均粒径が150μm以下の炭素材料である前記炭素触媒を得ることを含み
    前記炭素触媒は、前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いたリニアスイープボルタンメトリーにおいて、前記直接型燃料電池の燃料化合物であるアルコールを0.25mol/Lの濃度で含有する酸素飽和させた電解液を用い、25℃にて掃引速度1mV/秒で掃引したときの電位0.7V(vs.NHE)での還元電流が、−0.6mA/cm以下である
    ことを特徴とする直接型燃料電池のカソード用炭素触媒の製造方法
  6. 直接型燃料電池のカソードに用いられる酸素還元触媒活性を有する炭素触媒の製造方法であって、
    窒素含有有機物と、鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択される1種又は2種以上の金属と、導電性炭素材料とを含む原料を炭素化して炭素化材料を得ること及び前記炭素化材料にチタン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ランタン及びセリウムからなる群より選択される1種又は2種以上の前記原料に含まれる前記金属とは異なる種類の金属を含浸させる金属含浸処理を施し、さらに不活性ガス下又は真空中で300℃以上、1500℃以下の温度で加熱する熱処理を施して平均粒径が150μm以下の炭素材料である前記炭素触媒を得ることを含み
    前記炭素触媒は、前記炭素触媒を三極式の作用電極に用いて25℃で行うサイクリックボルタンメトリーにおいて、前記直接型燃料電池の燃料化合物であるアルコールを含有する窒素飽和させた電解液を用いた場合に、電位が0.6V(vs.NHE)から1.0V(vs.NHE)の範囲で、前記炭素触媒の酸素還元触媒活性に影響を与える前記アルコールの酸化触媒活性を示さない
    ことを特徴とする直接型燃料電池のカソード用炭素触媒の製造方法
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