以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、本発明における移動者とは、徒歩や公共交通機関を用いて移動する歩行者や、自動車等の乗り物を運転して移動する者などを含んだ概念である。この実施例では、移動者としての歩行者が目的地まで移動する際の支援を行う場合をメインにしながら説明する。
図1は、本実施例に係る移動支援システム1の全体構成を概略的に示している。この移動支援システム1は、移動者が所持(携帯)する移動側端末装置2と、情報センタ3と、例えば移動者により指定された通知すべき相手先が所持する通知側端末装置4とを含んでいる。前記移動側端末装置2は、ナビゲーション機能を備えた例えばスマートフォンや携帯電話機などからなる。移動者が車両(自動車)で移動する場合は、移動側端末装置として車載ナビゲーション装置が適用される。
前記移動側端末装置2は、移動者(ユーザ)が手持ち可能な本体に、例えば液晶ディスプレイからなる表示部5、タッチパネルや操作スイッチ等を含む操作部6、例えば携帯電話キャリア(通信網)を介して外部との通信を行う通信装置7、コンピュータを主体として構成され全体を制御する制御回路8、音声入出力部44、周囲風景等の撮影が可能な撮影手段としてのカメラ・映像処理部9等を備えて構成されている。
また、前記カメラ・映像処理部9には情報通信部42が接続され、情報通信部42により、通信装置7を介して情報センタ3との間で映像データ(静止画或いは動画)を送受信することができる。このとき、メッセージ・映像・音声処理部43により、映像データ等を加工することが可能とされている。この映像データは、後述する移動支援時にも用いられるようになっている。
そして、この移動側端末装置2は、ナビゲーション機能(ルート案内機能)を実現するために、GPS受信機及びジャイロセンサ等を含み自己の現在位置を検出する位置検出部10、地図データを記憶する地図情報記憶部11、情報センタ3等から送信される交通情報を記憶する交通情報記憶部12、路線バス、鉄道等の公共交通機関の時刻表を記憶する公共交通機関時刻表記憶部13等を備えている。更に、移動側端末装置2は、ルート案内時における移動支援機能を実現するための複数の機能を備えている。これらの機能については、後述する。
本実施例では、前記移動者の移動を支援する(見守る)相手先には、前記通知側端末装置4として、例えば携帯電話機或いは一般回線電話のような電話機14、及び、パソコン15の2つの装置が設けられている。前記電話機14は電話回線に接続されており、前記パソコン15は、ネットワーク送受信装置16を介してインターネット等のネットワーク(通信回線)に接続されている。また、通知側端末装置4としては、上記以外にも、例えばスマートフォンやタブレット端末等の他の情報端末を採用することもでき、それらのうちいずれか一つを備えていても、複数を備えていても良い。以下の説明では、上記複数の端末装置を総称して通知側端末装置4という。
前記情報センタ3は、前記移動側端末装置2の通信装置7との間で通信を行うことが可能な通信装置17を備えていると共に、コンピュータを主体として構成され全体を制御する制御回路18を備えている。更に、通信回線である電話回線を介して前記電話機14と接続可能な電話回線接続回路19、及び、前記インターネットを介して前記パソコン15と接続可能なネットワーク送受信装置20を備えている。
そして、この情報センタ3には、後述する移動支援機能を実現するために、通知情報変換部21、音声発声装置22、映像・音声処理部23、位置・ルート情報伝達部24、メッセージ送受信部25が設けられている。それら各機能21〜25は、情報センタ3に設けられるハードウエア構成、及び、前記制御回路18のソフトウエア構成等により実現され、該制御回路18と共に通知手段を構成するようになっている。
さて、上記移動側端末装置2における、ルート案内機能及び移動支援機能に関して、更に述べる。後の作用説明(フローチャート説明)でも述べるように、前記移動側端末装置2のハードウエア構成、及び、制御回路8のソフトウエア構成等により、図1に示した各種の機能が実現される。即ち、まずこの移動側端末装置2には、ルート案内機能を実現するために、案内ルート生成部26及び案内部27が設けられている。
そのうち案内ルート生成部26は、移動者を現在位置(出発地)から目的地まで案内するための適切な案内ルートを設定するもので、ルート設定手段として機能する。前記案内部27は、例えば、表示部5に自己の現在位置周辺の地図に重ねて現在位置や進む方向を表示したり、合成音声による案内メッセージを出力したりすることにより、案内ルート生成部26にて設定されたルートのルート案内を行う。音声のみで案内するように構成することもできる。
この移動側端末装置2には、案内ルート生成部26により設定された案内ルート上に1個以上のチェックポイントを設定するチェックポイント設定手段としてのルート内チェックポイント生成部28が設けられている。この場合、チェックポイントを設定する際の条件がチェックポイント生成条件記憶部29に設定・記憶されている。前記ルート内チェックポイント生成部28により設定されたチェックポイントのデータ(例えばノードの位置情報)は、チェックポイントの属性(ランドマークの種類)とセットで、チェックポイント記憶部30に記憶される。
尚、チェックポイントとしては、歩行者(徒歩)の場合には、任意座標の他、駅、バス停等の主要ランドマークや、交差点等に設定することができる。自動車の場合は、任意座標の他、IC,PA,SA、交差点をチェックポイントとして設定することができる。ルート上のほぼ一定距離の間隔(例えば徒歩の場合50m、自動車の場合200〜300m)でチェックポイントを設定することもできる。これら設定条件は、チェックポイント生成条件記憶部29に設定記憶させておくことができる。位置検出部10の構成に応じ、例えばトンネルや駅構内、地下街などGPS測位が不可能な場所には、チェックポイントを設定しないなどの条件を付加することも可能である。
また、この移動側端末装置2には、上記各チェックポイントを通過すると予測される時刻(スタートからの経過時間)を算出する移動予定生成手段としてのチェックポイント通過時刻生成部31が設けられている。このとき、通過時刻の計算にあたっては、移動者(歩行者、自動車)の過去における移動速度が、移動速度算出部32にて算出されて移動速度記憶部33に記憶されており、その標準的な移動速度の情報を用いることができる。自動車の場合、一般道路と高速道路との別(制限速度)や渋滞予測等も考慮されることは勿論である、移動に公共交通機関を利用する場合には、前記公共交通機関時刻表記憶部13に記憶された時刻表データも用いられる。各チェックポイントの通過予想時刻の情報(スタートからの予想経過時間の情報)は、各チェックポイントの情報とセットで通過時刻記憶部34に記憶される。
上記した設定された案内ルートの情報やチェックポイントの情報は、位置・ルート情報通信部35により、前記通信装置7を経由して情報センタ3へ送信され、更に、必要に応じて情報センタ3から相手先の通知側端末装置4に送信される。このとき、通知先記憶部40には、移動者の状況を知らせるべき相手先のあて先情報が記憶されており、この相手先の情報も案内ルート情報などと共に情報センタ3に送信される。尚、相手先については、予め移動側端末装置2において入力(指定)しておくことができる。
また、上記動作は、移動側端末装置2で行うものに限らず、相手先の通知側端末装置4で案内ルートの設定、チェックポイントの算出の処理を行い、それらのデータを情報センタ3及び移動側端末装置2に送信するように構成することもできる。特に、移動側端末装置2の操作に慣れていない高齢者の見守りのため等においては、通知側端末装置4側で設定操作等を行うことが望ましい。
そして、前記移動側端末装置2には、ルート案内時に位置検出部10の検出に基づき、移動者が移動予定に従って各チェックポイントを通過しているかどうかを判定する通過判定手段として機能する、チェックポイント通過判定部36、ルート逸脱判定部37、停止判定部38が設けられている。そのうちチェックポイント通過判定部36は、移動者が、チェックポイント(設定されたノード又はリンク)を通過予定時刻に通過したかどうかを常に監視(判定)する。また、通過した旨の情報、予想時刻に対して予定通りか、或いは何分早い/何分遅れかといった情報が、通知情報として通知判定部39に送られる。
前記ルート逸脱判定部37は、移動者の現在位置が案内ルートを逸脱した(外れた)場合に、通知判定部39に逸脱通知を送る。尚、移動者のルートの逸脱があったと判定されたときには、前記案内ルート生成部26によるルートの設定(リルート)、前記ルート内チェックポイント生成部28によるチェックポイントの設定、前記チェックポイント通過時刻生成部31による通過時刻の予想が再度自動で実行され、それらの情報が位置・ルート情報通信部35により情報センタ3に再度送信される。
前記停止判定部38は、移動者が一箇所に止まっているかどうかを判定する。所定の時間(例えば5分〜10分)が経過しても移動者の移動が無い場合には、通知判定部39に停滞の通知を送る。尚、このとき、前記所定の時間を、ユーザ(移動者又は相手先)が設定可能に構成することもできる。公共交通機関を利用する場合には、駅等での待ち時間もあるので、時刻表情報から待ち時間を算出して前記通過時刻記憶部34に記憶しておき、その時間内は一箇所に停止していると判定しないように構成することができる。
前記通知判定部39は、チェックポイント通過判定部36から、チェックポイントを予定通りに通過した旨の通知があったときに、その通知が該当チェックポイント(エリア)通過の最初の通知であるかどうかを判定する。そして、最初の通過通知の場合のみ、通知情報生成部41で所定のメッセージに加工し、通信装置7により情報センタ3に送信する。通知判定部39を設ける理由は、位置検出部10において、GPSの誤差などにより、チェックポイントを短い時間に何度も通過したと判定され、同じメッセージが連続で送られることを防止するためである。更に前記通知判定部39は、移動者がルートを逸脱した、或いは、ルート上における予定外の停滞があると判定したときにも、通知情報生成部41で該当するメッセージに加工し、通信装置7により情報センタ3に送信する。
これに対し、情報センタ3は、通信装置17により、移動側端末装置2から判定結果、つまり、移動者が予定通りにチェックポイントを通過している、ルートを逸脱している、一箇所に停止しているといった、移動者の状況の通知を受けると、その結果を、通知側端末装置4に通知する。
この際、制御回路18の制御により、前記通知情報変換部21は、通信装置7から送られた通知情報を元に、通知すべき情報を、相手先(通知側端末装置4)の設備に応じてメール、ツイッター、音声情報といった形態に変換する。また、音声発声装置22にて音声に変換して、電話回線接続回路19を経由して通知側端末装置4(電話機14)に音声で通知を送る。或いは、ネットワーク送受信装置20を経由してパソコン15に通知を送る。
そして、情報センタ3では、移動側端末装置2から映像データが送信されてきた場合には、映像・音声処理部23にて処理して、通知側端末装置4(電話機14やパソコン15)に映像データを送信する。更に、情報センタ3では、メッセージ送受信部25を経由して、移動側端末装置2と通知側端末装置4との間で文字メッセージの送受信を行うようになっている。これにて、制御回路18等から、通過判定手段の判定結果を情報センタ3から通知側端末装置4に通知する通知手段が構成されている。
このとき、情報センタ3から通知側端末装置4に対し、移動者の移動状況が通知されることにより、相手先は、移動者の移動を見守ることができる。このとき、情報センタ3(制御回路18)は、移動者がルートを逸脱した、或いは、ルート上における予定外の停滞があるときには、通知側端末装置4に対し、その旨の通知を行うと共に支援要請のメッセージを送信する。従って、制御回路18等が支援要請手段としても機能する。尚、移動側端末装置2の操作等によって移動者側から情報センタ3に支援要求があったときにも、支援要請を行うように構成することができる。
相手先(通知側端末装置4の使用者)は、情報センタ3からの通知の内容を理解し、支援要請があった場合には、例えば次のような手法を用いて支援を行うことができる。即ち、ルート指示等の支援情報を、メールやツイッターを利用し、文字メッセージの形態で入力し、通知側端末装置4から情報センタ3を介して移動側端末装置2に送信することができる。音声情報として送信することもできる。相手先から移動者(移動側端末装置2)に対し、直接的に電話(TV電話)で連絡をとるといったこともできる。
また、移動側端末装置2がカメラ・映像処理部9を備えているので、移動者が移動側端末装置2により、自己の周囲風景を撮影し、その映像データを、情報センタ3を介して通知側端末装置4に対し送信するようにすることもできる。この場合、映像情報を送受信可能な通信回線が確保でき、相手先の設備が十分である場合には、移動者と相手先との間で次のような情報交換を行うこともできる。
(1)移動側端末装置2及び通知側端末装置4の双方にカメラを装備し、双方向映像回線をつないで、双方映像にて情報伝達、移動支援を行う。
(2)移動側端末装置2のカメラ・映像処理部9で撮影した周囲風景を相手先に送信し、相手先にて、正しいと思われる方向或いはルートを指示し、その指示情報を移動側端末装置2に送信する。このとき、通常のルート案内を行う以外にも、風景の映像データに重ねて進む方向の矢印を表示する等、拡張現実を用いた支援を行うことも可能となる。もし、移動者の位置情報が、映像から判断して間違っていると相手先で判断できたときには、正しい位置情報を、相手先から移動側端末装置2に転送し、位置情報の補正を行うことができる。
(3)上記(2)を行う程度には回線の帯域を確保できない場合には、移動者側から現在位置と現在のルートの情報を送る。相手先では、その内容から、より判りやすいと思われるルートを入力することで移動者側にその情報を伝達する。この後は、通常のルート案内、あるいは拡張現実を用いた方向の指示などを行う。
上記3つの移動支援の手段は、いずれも、移動者が移動側端末装置2における案内では、ルートがよく判らなくなった場合において、相手先から直接的な支援を得るために使用する。上記の3つの手段は、少しでも異常と判定された場合に毎回実施しても良いし、通常の通知は、メール、電話程度とし、通過予想時刻から所定時間以上大きく遅れた場合など、深刻なケースのみで機能させるようにしても良い。当然のことながら、移動者、相手先の意志により、機能を実行可能とすることができる。
次に、上記のように構成された移動支援システム1の作用について、図2ないし図5も参照して述べる。図2及び図3のフローチャートは、夫々、移動側端末装置2及び情報センタ3における、ルート案内機能及び移動支援機能に関する全体的な処理手順を示すものである。また、図4及び図5のフローチャートは、夫々、移動側端末装置2及び情報センタ3における、移動支援に関連するより詳細な処理手順を示すものである。以下、これらフローチャートを順に説明する。
即ち、まず図2において、移動者が移動側端末装置2の操作部6を操作してルート案内の機能実行を指示すると、ステップS1にて、移動者による目的地の入力の処理が行われる。これと共に、ステップS2にて、必要に応じて、出発地や出発時刻の入力が行われ、ステップS3にて、必要に応じて、案内条件等の入力が行われる。案内条件とは、歩行者の場合には、例えば使用するルートや公共交通機関(列車の種類や発車時刻)の指定、タクシー利用の要否等であり、自動車の場合には、有料道路使用可否の設定等である。
ステップS4では、案内ルート生成部26による、出発地(現在位置)から目的地までの適切な案内ルートの生成が行われる。この案内ルートの設定は、前記地図情報記憶部11、交通情報記憶部12、公共交通機関時刻表記憶部13等に記憶された地図データ等のデータを用いて、ダイクストラ法などの周知の方法により行われ、例えば目的地までの移動距離あるいは所要時間が最も小さくなるようなルートが選択される。このとき、案内条件が設定されているときには、その条件に従って案内ルートが設定されることは勿論である。
案内ルートが設定されると,ステップS5にて、ルート内チェックポイント生成部28によるチェックポイントの生成、及び、チェックポイント記憶部30におけるチェックポイントの記憶の処理が行なわれる。ステップS6では、チェックポイント通過時刻生成部31による、設定された各チェックポイントを通過する予想時刻の生成、及び、通過時刻記憶部32における通過予想時刻の記憶の処理が行なわれる。ステップS7では、案内ルートの情報及びチェックポイントの情報(通過予想時刻の情報を含む)が、相手先情報と共に、通信装置7を経由して情報センタ3に送信される。更に、ルート及びチェックポイントの情報は、必要に応じて情報センタ3から通知側端末装置4に送信される。
ここで、図2からは離れるが、チェックポイントの自動生成の手法について述べる。まず、歩行者の場合、下記のパターンが想定される。
(1)ルート全体をN分割した境界部分にチェックポイントを置く。この場合、Nは、チェックポイント生成条件記憶部29に予め記憶された数とすることができる。チェックポイントは、前記境界部分に最も近いノードに置くことが望ましい。
(2)上記(1)のケースで、境界からLメートル、或いはT時間の範囲内に、交差点ノードがないかを探し、交差点ノードがあれば、そこにチェックポイントを置く。なければ、最も近いノードに置く。交差点ノードが複数見付かった場合には、交差点で右折或いは左折するポイントを優先的にチェックポイントとする。更に、右左折交差点が複数見付かった場合や、右左折はないが交差点が複数見付かった場合には、有料道路との交差点、国道との交差点、県道との交差点、市道との交差点の優先順位でチェックポイントを設定する。それらが複数あった場合には、境界に最も近いノードをチェックポイントとする。上記L、Tはチェックポイント生成条件記憶部29に記憶されたパラメータである。特に、時間Tは、移動速度記憶部33に記憶された徒歩の移動速度と合せて、交差点ノード探索範囲を決定するのに用いられる。
(3)上記(2)のケースで、更に、交差点ノードの近傍に、市役所、郵便局、警察署等のランドマークとなる施設がある場合には、チェックポイントの位置情報にそのランドマーク情報を付加する。
(4)公共交通機関を使用する場合、乗降駅及び乗換駅をチェックポイントとする。このとき、乗車駅及び乗換駅では、公共交通機関時刻表記憶部13の情報を用い、発車時間までの同一地点滞在時間を待ち時間とみなし、後述する停止判定で異常(予定外の停滞)と判断しないようにする。但し、タクシーのような時間が未定のものは、待ち時間の異常判定回避をしないようにするか、或いは移動側端末装置2の操作部6の操作(或いは音声入力)により移動者がタクシー待ちの旨を入力する等により、異常判定回避を行うようにする。但し、異常判定回避した場合でも、別途設定した時間分、移動がなかった場合には異常(予定外の停滞)と判断するようにする。タクシーに乗車したか否かの判断は、移動者の移動速度から割り出す。公共交通機関時刻表記憶部13に記憶されていない新規路線や、ローカルな交通機関の場合も、タクシーの場合と同様に処理することができる。
(5)地下鉄や地下駅、トンネル、地下道など、位置情報が取れないと予測される位置にチェックポイントが置かれる条件になった場合、その区間にはチェックポイントは置かず、位置情報が取れなくなる直前の位置と、復帰した位置との双方或いはいずれか一方にチェックポイントを置く。
また、自動車で移動する場合には、次のパターンが想定される。
(6)ルート全体をN分割した境界部分にチェックポイントを置く。この場合、Nは、チェックポイント生成条件記憶部29に予め記憶された数とすることができる。チェックポイントは、前記境界部分に最も近いノードに置くことが望ましい。
(7)上記(6)のケースで、境界からLメートル、或いはT時間の範囲内に、交差点ノードがないかを探し、交差点ノードがあれば、そこにチェックポイントを置く。なければ、最も近いノードに置く。交差点ノードが複数見付かった場合には、交差点で右折或いは左折するポイントを優先的にチェックポイントとする。更に、右左折交差点が複数見付かった場合や、右左折はないが交差点が複数見付かった場合には、有料道路との交差点、国道との交差点、県道との交差点、市道との交差点の優先順位でチェックポイントを設定する。それらが複数あった場合には、境界に最も近いノードをチェックポイントとする。上記L、Tはチェックポイント生成条件記憶部29に記憶されたパラメータである。特に、時間Tは、移動速度記憶部33に記憶された自動車の場合の移動速度と合せて、交差点ノード探索範囲を決定するのに用いられる。
(8)上記(7)のケースで、更に、交差点ノードの近傍に、市役所、郵便局、警察署等のランドマークとなる施設がある場合には、チェックポイントの位置情報にそのランドマーク情報を付加する。
(9)ルート内に高速道路、有料道路がある場合には、乗降インターチェンジ(IC)をチェックポイントとする。途中のサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)、通過ICについてもチェックポイントとする。それらをチェックポイントとするかどうかを設定によって変えられるように構成しても良い。
(10)トンネルなど、位置情報が取れないと予測される位置にチェックポイントが置かれる条件になった場合、位置情報が取れなくなる直前の位置と、復帰した位置とのいずれか一方にチェックポイントを置く(いずれにチェックポイントを置くかを設定可能とする)。
図2に戻って、ステップS8にて、移動者の操作部6の操作により案内が開始され、ステップS9にて、案内部27によるルート案内が実行される。このルート案内は、上記のように、例えば表示部5に自己の現在位置周辺の地図を表示し、それに重ねて現在位置や進む方向を表示することにより行われる。また、これに加えて、音声による案内を併用する、或いは音声のみで案内することもできる。尚、移動者が途中で、何らかの理由でルート案内を中止させたい場合には、強制終了の操作を行うことにより、ルート案内を強制終了させることができる。このとき、情報センタ3にもルート案内を強制終了した旨が通知される。
ルート案内の実行中には、ステップS10にて、チェックポイント通過判定部36により、ルートに沿って設定されたチェックポイントに移動者が到達したかどうかが常に監視(判定)される。移動者がチェックポイントに到達したと判定されたときには(ステップS10にてYes)、ステップS11にて、チェックポイント通過処理が行われる。引続き、ステップS12にて、通知判定部39にて通知するかどうかの判定が行われ、通知情報生成部41を介して通信装置7により情報センタ3に対する通過の通知が行われ、ステップS13に進む。この通過通知には、通過した旨の情報と共に、予定時刻に対して、予定通りか、或いはN分早い/N分遅れかといった情報が付加される。移動者がチェックポイントに到達したと判定されない場合には(ステップS10にてNo)、そのままステップS13に進む。
ここで、チェックポイントの通過判定の手法及び通知の判定の処理について述べる。通過判定は、次のようにして行われる。
(1)検出された現在位置がチェックポイントに設定されたノード(或いはリンク)を通過したときに通過と判定する。
(2)検出された現在位置に対しGPSの誤差予測範囲(円)を設定し、その範囲内にチェックポイントが入ったときに通過と判定する。
(3)ルートを外れ、リルートを行い、チェックポイントの再設定がなされた場合、設定されたノード、ルートを通過した場合(リルート発生時も通知を出す)も通過と判定する。
(4)リルートはしないが、GPS精度の低下等の理由により、誤差範囲内にチェックポイントが入らないままスキップしてしまうような場合、現在位置のリンク/ノードが、チェックポイントより目的地に近いかどうかを判定し、目的地に近く且つ一定時間その状態をキープ(設定したルート上であって、且つチェックポイントよりも目的地寄りのリンク/ノード上に現在位置がある状態を維持)すれば、当該チェックポイントを通過したものとみなして、通知を出す。前記一定時間については、設定可能とする。
(5)チェックポイントがノードの場合、現在位置がノードに乗らない場合も考えられるので、上記(4)の要領で通過判定を行う。
また、通知判定は、次のように行う。
(6)あるチェックポイントについて、当該チェックポイントを最初に通過したと判定されたときのみを通知対象とし、通知する。
(7)上記(6)では、チェックポイント通過後にリルートして再度同じ地点にチェックポイントが設定される場合があり、また、ルート的に同じチェックポイントを複数回通る必要がある場合もある。そこで、あるチェックポイントについての最初の通過判定は、リルート時、及び別のチェックポイント通過時にリセットする。
(8)後述する停止判定にてあるポイントに止まったと判定された場合、それがチェックポイントであるときには、チェックポイントを離脱した場合も、その旨を通知する。設定にて、通知を出さないようにすることも可能とする。
再び図2に戻って、ステップS13では、停止判定部38にて移動者が停止中かどうかが判定される。移動者が停止中であると判定された場合には(ステップS13にてYes)、ステップS14にて停止処理が行われ、続くステップS15にて、通知情報生成部41を介して通信装置7により情報センタ3に対する停止通知が行われ、ステップS16に進む。この停止通知は、本来移動すべきところで移動者が停止し続けた場合、何らかの問題が発生したと疑われるため、行われる。移動者が停止中ではないと判定された場合には(ステップS13にてNo)、そのままステップS16に進む。
上記した停止の判定は、例えば次のような手法で行われる。
(1)同じノード或いはリンク上の一箇所に、移動者が所定の時間(例えば5分〜10分)止まった場合に停止と判定する。前記所定時間は、設定、変更可能とすることができる。
(2)移動者が止まった位置が駅等の公共交通機関の乗降場所、乗換え場所であった場合には、予定の便、列車の出発時刻までの時間は、停止判定時間に含めない。その時刻を越えて移動が開始されない場合には、停止と判定して通知を出す。
(3)停止通知後に、移動者が停止場所から離脱した時には、その旨の通知を出す。
(4)GPSの電波状態が悪いなど、位置情報の信頼性が落ちる場合には、停止判定を停止する。停止する条件は、GPS衛星が1つ以下しか捕捉できなかった場合、誤差予想円の半径が一定値を超える場合(一定値については設定可能)、それらの状況が一定時間続いた場合(一定時間については設定可能)等が考えられる。停止判定を停止した場合には、その旨を情報センタ3に対して通知する。このとき、移動者の直前の位置(最後に検出した位置)も情報センタ3に通知する。通知するかどうかも設定可能とすることができる。
再度図2に戻り、ステップS16では、移動者の一箇所での停止状態が解除(解消)されたかどうかが判断される。停止が解除された場合には(ステップS16にてYes)、ステップS17にて、停止状態解除の処理がなされ、続くステップS18にて、通信装置7により情報センタ3に対する停止解除の通知がなされ、ステップS19に進む。停止が解除されない場合、或いは元々停止状態がなかった場合には(ステップS16にてNo)、そのままステップS19に進む。
ステップS19では、ルート逸脱判定部37により移動者がルートを逸脱したかどうかが判定される。ルートを逸脱したと判定されない場合には(ステップS19にてNo)、そのままステップS24に進む。ルートを逸脱したと判定された場合には(ステップS19にてYes)、ステップS20にて、案内ルート生成部26によるリルート(現在位置から目的地までのルートの再設定)の処理が行われる。
さらに、ステップS21では、再設定されたルートに対する、チェックポイントの再生成及び記憶の処理がなされ、ステップS22にて、再設定された各チェックポイントの通過時刻の再計算及び記憶がなされる。次のステップS23では、再設定された案内ルートの情報、及び、チェックポイントの情報(通過予想時刻の情報を含む)が、通信装置7を経由して情報センタ3に送信され、ステップS24に進む。尚、ステップS23で送信された情報は更に情報センタ3から通知側端末装置4に送信される。
ステップS24では、移動者が目的地に到着したかどうかが判断される。移動者が未だ目的地に到着していないと判断された場合には(ステップS24にてNo)、ステップS9からの処理が繰返される。目的地に到着したと判断された場合には(ステップS24にてYes)、ステップS25にて、停止状態の解除の処理がなされ、ステップS26にて、通信装置7により情報センタ3に対し、移動者が目的地に到着した旨の到着通知がなされ、処理が終了する。
次に、図3のフローチャートを参照して、情報センタ3(制御回路18)が実行する全体的な処理手順について説明する。即ち、まず上記したように、移動側端末装置2から案内ルート及びチェックポイント等の情報が送信されると(図2のステップS7)、ステップS31で、通信装置17によりそれら案内ルート及びチェックポイント等の情報を受信する。ステップS32では、それら案内ルート及びチェックポイント等の情報が記憶される。
次のステップS33では、指定された相手先の端末装置が電話機14であるかどうかが判断される。相手先が電話機14である場合には(ステップS33にてYes)、ステップS34にて、通知情報の配信先を電話機14とし、通知情報変換部21と音声発声装置22により、その後配信されるデータを音声データに変換する処理が行われ、ステップS35に進む。相手先が電話機14でない、例えばパソコン15等である場合には(ステップS33にてNo)、そのままステップS35に進む。ステップS35では、ルートやチェックポイントの情報が、音声発声装置22及び電話回線接続回路19、或いは、ネットワーク送受信装置20を介して通知側端末装置4(電話機14又はパソコン15)に送信される。
ステップS36では、移動側端末装置2からの通知に基づき、ルート案内が強制終了されたかどうかが判断される。ルート案内が強制終了された場合には(ステップS36にてYes)、ステップS37で、ルートやチェックポイントの情報をクリアすると共に、強制終了通知を通知側端末装置4に送信し、処理を終了する。ルート案内の強制終了がなされていない場合には(ステップS36にてNo)、ステップS38に進む。
ステップS38では、移動側端末装置2からの通知に基づき、移動者が目的地に到着したかどうかが判断される。目的地への到着が通知された場合には(ステップS38にてYes)、ステップS39にて、通知側端末装置4に対して、移動者が目的地に到着した旨の通知を行う。そして、ステップS40にて、ルートやチェックポイントの情報をクリアし、処理を終了する。目的地への到着が通知されていない場合には(ステップS38にてNo)、ステップS41に進む。
ステップS41では、移動側端末装置2からの通知に基づき、移動者のルートの逸脱があったかどうかが判断される。ルート逸脱があった場合には(ステップS41にてYes)、ステップS42にて、変更された案内ルートや、チェックポイント等の情報を受信し,ステップS43にて、変更されたルートやチェックポイントの情報を記憶し、ステップS44に進む。ルート変更がない場合には(ステップS41にてNo)、そのままステップS44に進む。
ステップS44では、移動側端末装置2からの通知に基づき、移動者のチェックポイントの通過通知があったかどうかが判断される。チェックポイントの通過通知があった場合には(ステップS44にてYes)、ステップS45にて、通知側端末装置4に対して、チェックポイントの通過通知を配信する。次いで、ステップS46にて、通過したチェックポイントの更新を行い、ステップS47に進む。チェックポイントの通過通知がない場合には(ステップS44にてNo)、そのままステップS47に進む。
ステップS47では、移動側端末装置2からの通知に基づき、移動者のルート上の一箇所での停止の通知があったかどうかが判断される。停止通知があった場合には(ステップS47にてYes)、ステップS48にて、通知側端末装置4に対して停止通知を配信し、ステップS49に進む。停止通知がない場合には(ステップS47にてNo)、そのままステップS49に進む。
ステップS49では、移動側端末装置2からの通知に基づき、移動者の停止後の停止離脱の通知があったかどうかが判断される。停止離脱通知があった場合には(ステップS49にてYes)、ステップS50にて、通知側端末装置4に対して停止離脱通知を配信し、ステップS36からの処理を繰返す。停止離脱通知がない場合には(ステップS49にてNo)、そのままステップS36に戻る。
次いで、図4のフローチャートを参照して、移動側端末装置2において、移動支援を受ける場合の処理手順について説明する。即ち、まずステップS51では、ルート変更(ルート逸脱)の通知或いは停止通知或いは移動者の支援要求の通知や、リルート情報(ルート変更の場合)を情報センタ3に送付する。ステップS52では、通知のみで処理を終了するか判断され、通知のみの場合(Yes)、そのまま処理を終了する。通知のみではなく、実質的な支援要請を行う場合には(ステップS52にてNo)、ステップS53にて、文字メッセージの送受信のみを行うかどうかが判断される。
文字メッセージの送受信のみを行う場合には(ステップS53にてYes)、次のステップS54にて、情報センタ3から送信されてきた受信メッセージがあるかどうかが判断される。受信メッセージがない場合には(ステップS54にてNo)、ステップS56に進む。受信メッセージがある場合には(ステップS54にてYes)、ステップS55にて、情報センタ3からの文字メッセージを、表示部5に表示させた後、ステップS56に進む。
ステップS56では、移動者側から送信する送信メッセージがあるかどうかが判断される。送信メッセージがない場合には(ステップS56にてNo)、ステップS58に進む。送信メッセージがある場合には(ステップS56にてYes)、ステップS57にて、情報センタ3に対しメッセージが送信された後、ステップS58に進む。ステップS58では、処理を終了するかどうかが判断され、終了する場合(Yes)、そのまま処理を終了する。未だ処理を終了しない場合には(ステップS58にてNo)、ステップS54からの処理が繰返される。
これに対し、上記ステップS53にて文字メッセージの送受信のみでないと判断された場合には(No)、ステップS59に進み、情報センタ3ひいては通知側端末装置4との間でビデオ回線が接続されているかどうかが判断される。ビデオ回線が接続されている場合には(ステップS59にてYes)、ステップS60からの処理を実行する。ステップS60では、相手先からの映像を受信して表示部5に表示することが行われる。ステップS61では、移動者側からの撮影映像が、情報センタ3に送信される。ステップS62では、送信又は受信すべきメッセージがあれば、メッセージの送受信が行われる。
次のステップS63では、進むべき方向やルートの指示を受信したかどうかが判断される。方向やルート指示を受信しなかった場合には(ステップS63にてNo)、そのままステップS66に進む。方向やルート指示を受信した場合には(ステップS63にてYes)、ステップS64にて、指示のあった方向(ルート)を表示部5に表示させ、ステップS65にて、リルート、及びチェックポイントの再計算が行われる。ステップS66では、処理を終了するかどうかが判断され、終了する場合(Yes)、そのまま処理を終了する。未だ処理を終了しない場合には(ステップS66にてNo)、ステップS60からの処理が繰返される。
一方、上記ステップS59にて、ビデオ回線が接続されていない場合には(ステップS59にてNo)、ステップS67に進む。ステップS67では、送信又は受信すべきメッセージがあれば、メッセージの送受信が行われる。次のステップS68では、進むべき方向やルートの指示を受信したかどうかが判断される。方向やルート指示を受信しなかった場合には(ステップS68にてNo)、ステップS71に進む。方向やルート指示を受信した場合には(ステップS68にてYes)、ステップS69にて、指示のあった方向(ルート)を表示部5に表示させ、ステップS70にて、リルート、及びチェックポイントの再計算が行われる。ステップS71では、処理を終了するかどうかが判断され、終了する場合(Yes)、そのまま処理を終了する。未だ処理を終了しない場合には(ステップS71にてNo)、ステップS59からの処理が繰返される。
更に、図5のフローチャートを参照して、情報センタ3において、移動者の移動支援を行う場合の処理手順について説明する。即ち、情報センタ3が、移動側端末装置2からルート変更(ルート逸脱)の通知或いは停止通知或いは移動者の支援要求の通知を受けたときには、まずステップS75にて、通知データが相手先の通知側端末装置4の回線に合せて変換され、ステップS76にて、通知が相手先に送付される。
ステップS77では、通知のみで処理を終了するか判断され、通知のみの場合(Yes)、そのまま処理を終了する。通知のみではなく、実質的な支援要請を行う場合には(ステップS77にてNo)、ステップS78にて、文字メッセージの送受信のみを行うかどうかが判断される。
文字メッセージの送受信のみを行う場合には(ステップS78にてYes)、次のステップS79にて、移動側端末装置2から送信されてきた受信メッセージがあるかどうかが判断される。受信メッセージがない場合には(ステップS79にてNo)、ステップS81に進む。受信メッセージがある場合には(ステップS79にてYes)、ステップS80にて、移動側端末装置2からの文字メッセージを、通知側端末装置4に送信した後、ステップS81に進む。
ステップS81では、相手側(通知側端末装置4)から送信する送信メッセージがあるかどうかが判断される。送信メッセージがない場合には(ステップS81にてNo)、ステップS83に進む。送信メッセージがある場合には(ステップS81にてYes)、ステップS82にて、相手先からのメッセージを移動側端末装置2に送信した後、ステップS83に進む。ステップS83では、処理を終了するかどうかが判断され、終了する場合(Yes)、そのまま処理を終了する。未だ処理を終了しない場合には(ステップS83にてNo)、ステップS79からの処理が繰返される。
これに対し、上記ステップS78にて文字メッセージの送受信のみでないと判断された場合には(No)、ステップS84に進み、通知側端末装置4との間でビデオ回線が接続されているかどうかが判断される。ビデオ回線が接続されている場合には(ステップS84にてYes)、ステップS85からの処理を実行する。ステップS85では、相手先から受信した映像を変換して移動側端末装置2に送信することが行われる。また、ステップS86では、移動側端末装置2からの撮影映像が、通知側端末装置4に送信される。ステップS87では、通知側端末装置4との間で送信又は受信すべきメッセージがあれば、メッセージの送受信が行われる。
次のステップS88では、進むべき方向やルートの指示を受信したかどうかが判断される。方向やルート指示を受信しなかった場合には(ステップS88にてNo)、そのままステップS91に進む。方向やルート指示を受信した場合には(ステップS88にてYes)、ステップS89にて、位置情報がれば変換して移動側端末装置2に送信し、ステップS90にて、指示のあった方向(ルート)を変換して移動側端末装置2に送信する。ステップS91では、処理を終了するかどうかが判断され、終了する場合(Yes)、そのまま処理を終了する。未だ処理を終了しない場合には(ステップS91にてNo)、ステップS85からの処理が繰返される。
一方、上記ステップS84にて、ビデオ回線が接続されていない場合には(ステップS84にてNo)、ステップS92に進む。ステップS92では、通知側端末装置4との間で送信又は受信すべきメッセージがあれば、メッセージの送受信が行われる。次のステップS93では、進むべき方向やルートの指示を受信したかどうかが判断される。方向やルート指示を受信しなかった場合には(ステップS93にてNo)、ステップS96に進む。方向やルート指示を受信した場合には(ステップS93にてYes)、ステップS94にて、位置情報があれば変換して移動側端末装置2に送信し、ステップS95にて、指示のあった方向(ルート)を変換して移動側端末装置2に送信する。ステップS96では、処理を終了するかどうかが判断され、終了する場合(Yes)、そのまま処理を終了する。未だ処理を終了しない場合には(ステップS96にてNo)、ステップS84からの処理が繰返される。
このように本実施例の移動支援システム1によれば、設定されたルートにおける移動側端末装置2のルート案内時に、移動側端末装置2ひいては移動者が、ルート内チェックポイント生成部28により設定された各チェックポイントを移動予定に従って通過しているかどうかが、チェックポイント通過判定部36により判定される。この場合、移動者の移動状態が適切かどうかが自動で判定されるので、例えば情報センタ3においてオペレータが移動者(移動側端末装置2)の位置を常時モニタするといった必要がなくなる。そして、その判定結果が、情報センタ2から、移動者の状況を通知すべき相手先の通知側端末装置4に通知される。
従って、例えば移動者を見守りたい相手先は、判定結果の通知を受けることによって、移動者が適切に移動できているかどうかを知ることができる。このとき、移動者が適切に移動できていない場合には、相手先は、移動者に対する必要な支援を行う、例えば、移動者に直接的に電話を掛けて行き先を指示したり、情報センタ3を介して支援情報を送信したりすることができる。この結果、本実施例の移動支援システム1によれば、移動者が目的地までのルートを正しく移動しているかどうかを、通知相手先側で見守ることができ、ひいては、移動者がルートを外れた等の支援が必要な場合に速やかに支援を行うことが可能となるという優れた効果を得ることができる。
そして、本実施例では、移動者がルートを逸脱した、或いは、ルート上における予定外の停滞があると判定されたとき、或いは、移動者側から情報センタ3に支援要求があったときに、情報センタ3から通知側端末装置4に対し支援要請を行うように構成したので、移動者が何らかのトラブルに巻き込まれたとき等に、自動的に情報センタ3側から通知側端末装置4に支援要請を行うことができる。
このとき、移動者に対する支援の手法として、支援情報を、文字メッセージの形態で移動側端末装置2に送信することにより、移動者に対して、確実に支援情報を提供することができる。さらに、移動側端末装置2が撮影した周囲風景の映像データを、通知側端末装置4に対し送信する構成とすることにより、相手先である支援者は、移動者側の周囲風景を確認した上で、より正確で適切な移動支援を行うことができる。特に拡張現実を用いることにより、一層判りやすい支援を行うことが可能となる。
また、本実施例では、ルート内チェックポイント生成部28において、ルートを、距離又は移動時間に関して一定間隔に分割することに基づいて、チェックポイントを自動で設定するように構成したので、ルート全体を、ほぼ等距離或いはほぼ等しい移動時間で分割する位置に、チェックポイントを自動で設定することができる。このとき、チェックポイントを、主要ランドマーク部分或いは道路データ中のノードの位置に設定するようにしたので、移動者だけでなく、相手先にも判りやすい位置にチェックポイントを設定することができる。しかもチェックポイントを、地下やトンネル内等の前記位置検出部による位置情報が得にくい場所を避けて設定するようにしたので。位置情報が得られないことに起因して、通過判定が不可能になる等の不具合を、未然に防止することができる。
特に本実施例では、チェックポイント通過時刻生成部31を、移動者毎の固有の標準的な移動速度に基づいて、各チェックポイントを通過すると予想される時刻を計算するように構成したので、移動者が徒歩で移動する場合や車両を運転して移動する場合において、より確かなチェックポイント通過時刻の予想を行うことができる。また、移動者が公共交通機関を利用して移動する場合には、当該公共交通機関の時刻表に基づいて、各チェックポイントを通過すると予想される時刻を計算するようにしたので、十分な確かさで、チェックポイント通過時刻の予想を行うことができる。
更に、本実施例では、チェックポイント通過判定部36を、位置検出部10により検出された現在位置が、各チェックポイントを中心とした誤差範囲内に入ったときに、当該チェックポイントを通過したと判定するように構成したので、位置検出部10の位置検出精度が比較的低い場合でも、十分な確かさでチェックポイントの通過を判定することができる。また、各チェックポイントの通過を最初に判定した時点をもって、通過時刻と判定するように構成したので、位置検出の誤差などに起因して、1箇所のチェックポイントに関する通過の判定を何度も繰返して行ってしまう不具合を、未然に防止することができる。公共交通機関の乗換え等の待ち時間では、移動者が停止していると判断しないように構成したので、誤判断を未然に防止し、より正確に判定を行うことができる。
ルート逸脱判定部37により、移動者が設定されたルートから逸脱したと判断されたときには、案内ルート生成部26によるルートの設定、ルート内チェックポイント生成部28によるチェックポイントの設定、チェックポイント通過時間生成部31による移動予定の生成が再度自動で実行される構成としたので、移動者がルートを逸脱した場合でも、逸脱した地点からの目的地までのルートが再設定され、案内や移動支援を行うことができ、移動者、相手先にとっての利便性を高めることができる。
尚、上記実施例では、移動側端末装置2において案内ルートを自動設定する構成としたが、ルート設定手段を情報センタ3側(或いは通知側端末装置4)に設け、それらが設定した案内ルートのデータを移動側端末装置2に送信するように構成しても良い。この場合、地図データを記憶する記憶部やルート探索機能は、情報センタ3に設けられ、移動側端末装置2は、目的地の入力、地図やルートの表示を行うだけの構成となる。チェックポイント設定手段、移動予定生成手段を、情報センタ3或いは通知側端末装置4に設けることもできる。通過判定手段を情報センタ3側に設ける構成としても良く、この場合には、移動側端末装置2から自己の現在位置情報を情報センタ3側に常に(一定の時間間隔で)送信する構成とすれば良い。
その他、チェックポイントを設ける距離間隔などの具体的数値についても、一例を挙げたものに過ぎない等、本発明は、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。